ダイヤモンド編集部の独自調査で、全国に約500組織ある農協の有価証券の含み損が合計6000億円超に膨らんでいることが分かった。時価が下落した債券の“損切り”に追い込まれ、赤字に転落する農協が増え始めている。埼玉県には、債券運用の失敗によって財務が毀損しかねない“危険水域”にある農協が、全都道府県中で最多の九つもあることが判明した。本稿では、債券の売却損を計上することで、巨額損失に陥る可能性が高まっている農協の実態を明らかにする。
2025年9月、イトーヨーカ堂やヨークベニマルなどを運営するヨーク・ホールディングス(HD)は、セブン&アイ・ホールディングス傘下から、米プライベートエクイティ(PE)ファンドのベインキャピタル傘下で再出発した。1都3県と東北での高いシェアが強みの同社は、地方スーパーや異業種による進出を迎え撃つ防衛戦と、赤字体質脱却のための構造改革を同時に進めなければならない。足元ではインフレによるコスト上昇が続く。かじ取りを任されているヨークHDの石橋誠一郎社長に、話を聞いた。
日本経済新聞社は2月10日、長谷部剛社長の後任にアジア編集総局長などを歴任した飯田展久専務を充てると発表した。実は、下馬評では、社長候補の本命は別の人物。グループ関係者の間では飯田氏の起用に驚きが広がった。飯田新社長の誕生の背景にあるとみられる日経の狙いを分析するほか、急浮上した「次の次」の社長候補についても明らかにする。
野村證券、米ゴールドマン・サックス、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に続く2025年のM&Aリーグテーブル4位が三井住友フィナンシャルグループだ。その投資銀行部門を率いるSMBC日興証券の山田宗弘専務は「課題はグローバルのケーパビリティにある」と現状を分析し、米投資銀行ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの提携深化を最優先事項に掲げる。さらにもう一つ、「顧客が強く望んでいる」と語る、不可避の強化ポイントとは何か。上位3社の牙城を切り崩す反転攻勢の「切り札」を山田氏が明かした。
ここ数年、物価高騰や人材不足などを背景に企業の高い賃上げが続いている。優秀な人材を獲得するためには、待遇改善が急務であり、企業による賃上げ競争の様相を呈している。そこで、化学業界の将来の予測年収を独自に推計し、全88社のランキングを作成した。
昨年、サントリーホールディングスで10年ぶりに創業家出身者がトップに就任する“大政奉還”があった。創業120年超の歴史を誇る日本屈指の同族企業、サントリーの足跡をダイヤモンドの厳選記事を基にひもといていく。本稿では、「週刊ダイヤモンド」1993年2月27日号の記事「曲り角 サントリーの研究 ビール撤退をだれも言わない体質の問題」を紹介する。サントリーが63年に参入したビール事業は約30年もの月日をかけたものの、黒字化はおろか、「独り負け」の苦境にあった。ただ、佐治敬三会長をはじめとする幹部陣はビール事業からの撤退は全否定していた。記事では、直近10年の低迷やマーケティング力の弱体化の要因になったとみられる“体質”を指摘。有利子負債の増加など財務面での変調も明かしながら、撤退の声すら上がらないことに疑問を呈している。
高市政権で初めての指名となった日銀審議委員2人はいずれもリフレ派とされるが、今のタカ派委員とのバランスからも日銀の金利正常化路線は変わらないだろう。緩和維持を求める高市首相だが、円安加速回避やトランプ政権との関係を重視すると考えられ、首相の指名の思惑は利上げペースが加速するのをけん制する狙いとみられる。
日本の高度成長期を象徴する長期経済政策「所得倍増計画」。1960年7月に発足した池田勇人内閣によって、国家戦略として進められた。だが、その構想が正式決定に至る前の1960年6月、「ダイヤモンド」誌上で、加納久朗が4ページにわたって懸念を表明している。「所得倍増論には6つの根幹が抜けている」というその内容とは?
欧州連合(EU)首脳は2月の非公式会合で、規制簡素化や単一市場の障壁削減、戦略産業強化など7項目の方向性を共有した。だが、通商政策、金融統合、EU共通債を巡っては加盟国間の利害対立がなお重い。3月の欧州理事会で工程表は示されても、米中との競争力格差を一気に縮める決定打となるかは見通せない。
日本にはユニコーン企業が少ないと嘆く声は後を絶たない。米調査会社によれば、米国や中国が数百社を数えるのに対し、日本はわずか一桁台にとどまると報じられている。 この現状に危機感を抱き、官民を挙げて時価総額10億ドル超の未上場スタートアップ、すなわちユニコーンの創出に向けて旗を振る動きが活発化している。しかし、そもそも「ユニコーン」という言葉が本来の厳格な定義から逸脱し、世界中でその数が都合よく嵩上げされている事実を知っている者は少ない。本来の条件に照らし合わせた際の日本の「真のユニコーン数」を明らかにし、未上場市場における時価総額という指標が抱える客観性の欠如を論証する。