映画レビュー「ロードゲーム」

孤独なトラックドライバーが、殺人事件の容疑者を追う。“オーストラリアのヒッチコック”が生んだ傑作サスペンス、日本劇場初公開。

投稿 映画レビュー「ロードゲーム」映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

日本市場の次の成長段階を牽引するのは自動化とM&Aか

日本市場は今、かつてとは異なる状況にある。企業は慎重に行動を考え、投資家たちは改めて日本市場に強い関心を寄せている。企業行動は急速に変化しつつあり、かつて人間が立っていた場所では機械が働いている。企業を結びつけるディールメイカーの動きも活発だ。政治の変化と新たな資本が産業全体に流れ込む中で、日本の物語は行動と成果を通じて変化が続いている。

日本ではテクノロジーと資金が共に動く

自動化は日本の産業に大きな変化をもたらした。工場やオフィス、倉庫において、作業は機械によって処理されるようになった。技術の進化により、新しい投資手段も生まれた。人々はデジタル資産に資金を投じるようになり、仮想通貨への関心が高まった。仮想通貨はすでに何年も前から存在しているが、従来の預金とは異なる新しい発想を求める日本の投資家層に、安定した支持を得るようになった。

自動化の進展とともに仮想通貨の活動も活発化した。仕事のやり方が変わる中で、人々の「価値」に対する認識も変化し、トークンを試し、価格の動きを追い、ブロックチェーンを基盤とするプロジェクトに関心を持つ人が増えていった。特に日本の仮想通貨取引所やプラットフォームの使いやすさが向上したことも、仮想通貨市場全体の成長を支えた。

近年注目を集めているのがICO(イニシャル・コイン・オファリング)という言葉である。これはプロジェクトが開始前にトークンを発行し、資金を集める手段として使われる。トークンはその後、取引所で売買可能になり、初期購入者にとっては有利なエントリーポイントとなる。最新の仮想通貨 ico ランキングでは、注目すべきプロジェクトが紹介されており、それぞれの特徴が詳しく解説されている。早期アクセスという強みの一方で、利用範囲が限定されていたり手数料が高いといった課題にも触れている。株価の上昇も重なり、デジタル通過市場と株式市場の両方に注目が集まっている。

これらの動きは日本の市場全体の成長を支えている。ICOのような新しい投資ツールや株価の上昇によって、より多くの人が市場に参加し、資本が流動化し、これまで動きがなかった分野にも資金が届くようになった。

日本企業は現金を活用し価値を生み出す

長年にわたり、日本企業は多額の現金を蓄えてきた。この動きが変わるきっかけとなったのが、東京証券取引所による10年以上にわたる改革の推進である。2025年10月にはTOPIX指数が3,200ポイントを超え、過去最高値を記録した。それでもなお、日本株は同等の収益を持つ米国企業に比べて割安で取引されている。

過去15年間、日本の一株当たり利益はS&P500と同水準で成長しているが、株価評価は依然として低いままだ。この状況が、投資家にとって投資しやすい環境を生んでいる。企業買収、自社株買い、配当の増加は、今や当たり前となっている。

少子高齢化が自動化と経営戦略に影響を与える

2024年、日本の出生数は70万人を下回った。これは政府予測よりも15年早い。死亡数も増加し、人口は90万9,000人減少した。労働者と国内消費者が減る中で、企業は現実を直視し、それに適応しようとしている。

企業はよりスマートな仕組みを構築し、機械を導入し、人手をかけずに成果を出せる体制を整えている。自動化は雇用の減少を補い、業務の円滑化を実現する。この流れは工場だけでなく、オフィスワークや農業にも広がっている。技術力と資金力を持つ大手企業は、対応しきれない他社を買収し始めており、M&Aの動きが注目されている。

海外投資家が日本への関心を強めている

米国のインフレや欧州の市場変動により、多くの海外投資家が日本に注目している。特にTOPIXを通じて、日本市場は自動車やハイテクだけでなく、幅広い産業の動きを映している。アナリストたちは製薬、産業用自動化、消費財などの分野に力強い動きを見ている。ASICSやロート製薬などがその代表例であり、見逃されがちな分野にも成長の兆しがある。

2025年10月10日現在、JPMorgan Japanese Investment Trust の時価総額は10億ポンドを超えている。CC Japan Income & Growth Trust や AVI Japan Opportunity Trust などの他のファンドも、安定したキャッシュフローや企業への積極的関与といった異なる戦略を展開している。これらのファンドは純資産価値に対して4.1〜13.4パーセントの割引があり、長期投資家の注目を集めている。

日本市場の焦点を変える機械と資金

日本の企業行動は大きく変わりつつある。機械がより多くの仕事を担い、企業は株主への価値提供を重視するようになった。M&Aは規模の拡大と効率化をもたらし、これまで眠っていた現金は配当や自社株買い、新規事業に活用されている。これらの動きは、労働力の縮小、生産体制の進化、安定した価値への需要といった現実的な変化への対応として展開されている。

日本の投資家は国境や従来型の投資から視野を広げている。株式取引に加えてデジタル資産を学び、トークンの動きを追っている。海外の投資家も、日本の構造改革が成果を上げていることを認識し始めている。

日本市場の次の成長段階は、外部ではなく内部から始まっている。もはや過去の成功モデルに頼るのではなく、手元の現金を活用し、より賢いシステムを導入し、今の時代にふさわしい企業像へと再構築を進めている。

※【PR】当記事はインフォメーションです。

グローバル投資家から“選ばれない国”を変える──志水雄一郎氏が「GRIC2025」を通じて描く日本再生の道

「日本は、世界の投資家から見れば“投資する意味がない国”になっている」

 衝撃的な言葉を放つのは、フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長である志水雄一郎氏。

 日本経済の停滞、新産業の不在、そして起業家が育ちにくい構造。こうした課題を目の当たりにしながら、志水氏が立ち上げたのがスタートアップカンファレンス「GRIC」です。

 今回は、GRICがスタートしたきっかけや、これまでのGRICやGRIC2025、さらに未来に続く日本のスタートアップに込めた想いを志水氏に語っていただきました。

日本には新たな産業が生まれづらい?その構造的な理由とは

——フォースタートアップスがスタートアップカンファレンスであるGRICの開催に至った経緯やきっかけを教えてください。

志水氏 GRIC開催の理由を知ってもらうためには、まず日本経済や日本のスタートアップが抱える課題からお話ししたほうがわかりやすいかもしれません。

 日本は現在、OECD加盟国の中でも賃金水準は加盟国平均を下回っています。よく経済を語る際に「ビッグマック指数」というキーワードを耳にすると思いますが、その指数も調査対象国で下位に位置しています。つまり、日本人は低い生活水準の中で暮らしているのです。

 同じ時代に、海の向こうでは日本の2〜3倍の平均年収で働く国があるにもかかわらず、日本人は世界の一次情報を十分に得られず、自国の衰退に危機感を抱けていません。

 こうしているうちに、日本は少子高齢化と生産人口の減少が進み、一人当たりの生産性も低下しています。外貨を獲得できるような新産業も育っていません。

 実は、アメリカも日本も、自動車産業やメーカーなど既存産業の株価指数の成長率に大きな差はありません。にもかかわらず、アメリカの株価指数が伸びているのはGAFAMをはじめとした新産業の成長が寄与しているためです。

 つまり、日本が自国の衰退を食い止めて成長していくためには、現在のアメリカやかつてのトヨタやソニーが誕生した頃の日本のように、新産業の誕生が必要になります。しかし、実は現在の日本には新産業が誕生しづらい構造的な課題があるのです。

——日本に新産業が誕生しない原因はどのようなものでしょうか?

志水氏 おもに、2つあると考えています。

 まず、「日本人が起業家をブライトキャリアと捉えていない」ことです。

 課題を特定し、自らでミッションやビジョンを語り、仲間を集めて事業を興し、社会システムの発展に貢献する。資産を形成したら、基金をつくるなどして世の中に寄付していく。これほど素晴らしいブライトキャリアはありません。

 しかし、日本では優秀な子どもに対して「大企業に入りなさい」と話す親は多くても、「起業の道を選びなさい」と話す親は少ないと思います。

 世界大学ランキングにランクインしている大学では、上位にいけばいくほど、卒業生の起業率が高い傾向にあります。一方、日本では国内上位の大学であっても、卒業生の起業率はそう高くありません。

 もうひとつが「日本の人材ビジネスが十分にその役割を発揮しきれていない」ことです。

 大手の人材紹介会社などは、優秀な人材から応募があった場合、多くは大企業やコンサルティングファームを紹介します。たとえ、将来的に数兆円規模の価値や雇用を生み出す可能性を秘めた人であっても、“雇われる”キャリアを勧めるケースが少なくありません。

 私は、本来の人材ビジネスは、国全体の競争力やイノベーション産業の構造を見据えたうえで、企業や人材の在り方をどう考えるか、海外人材をどのように取り入れていくか、といった観点から逆算して展開されていくこと望ましいと考えています。

 しかし現状では、案件数や予算規模の大きな企業への人材紹介に比重が置かれているように見受けられます。

 人材ビジネスは、人が働き、収入を得るという社会の根幹に関わる意義深い仕事です。一方で、世界で進む“イノベーション至上主義”の潮流とは、少し距離があるようにも感じられます。

 これらは、世界にある一次情報を日本人が把握していないことから起こる現象です。

日本のスタートアップカンファレンスにグローバル投資家は興味なし!?

——志水さんはもともとDODAの生みの親でありHR産業に深く関わっていましたよね。こういった課題や日本のスタートアップに対する気づきを得たきっかけはあったのでしょうか?

志水氏 10年ほど前、当時ガンホー・オンライン・エンターテイメントの会長であり、私の中高のクラスメイトだった孫泰造さんが、ヨーロッパ最大規模のスタートアップカンファレンスであるSLUSH(スラッシュ)に登壇した際の話を聞きました。

 彼は、「世界ではスタートアップの経営者が登壇ステージに上がると、ロックスターのようにフィーチャーされている」と興奮していたんです。実際、スタートアップへの資金調達市場が日本では年間1兆円程度なのに対し、アメリカなどではスタートアップへの資金調達市場は最盛期は50兆円ほどまでに上りました。

 このように、日本は調達市場が小さい上に、スタートアップカンファレンスも非常にクローズドでドメスティックなイベントが多かったのですよね。これでは、ユニコーン、デカコーンの誕生につながるような大きな資金調達は難しくなります。

 そこで、日本でも、世界の有力なVCにスタートアップが出資してもらえる機会をつくるため「SLUSH ASIA」というスタートアップカンファレンスを開催し、私もサポートに入りました。

 カンファレンス自体は何年か継続したものの、最初は有力VCがまったく参加してくれなかったのです。つまり、世界のVCは「日本に投資する意味がない」と感じていたのですよね。その状況を理解していないのは日本人だけです。

「スタートアップを民主化する」ために生まれたGRIC

——そういった、実際に世界から目を向けられない日本のスタートアップの現状を目の当たりにしたことが、GRICの開催につながるのですね。

志水氏 そうですね。GRIC開催でもっとも大事にしたことは「スタートアップを民主化すること」です。とにかく、世界に対して開かれた、オープンなスタートアップカンファレンスにすることにこだわりました。ピッチコンテストも審査員の約3割が海外の投資家です。

 開かれたカンファレンスになることで、世界でユニコーン、デカコーンをつくった投資家が日本のチームに対して知見を提供してくれたり、同じ領域で活躍する経営者とコミュニケーションをとって学んだりという機会を多く設ける必要があると感じたこともGRICのオープン化の理由のひとつです。

 もちろん、ユニコーン、デカコーンにスケールできるような大きな資金調達ができる場にすることも、世界に対してオープンなカンファレンスにした狙いです。

 また、オープンにすることで、「スタートアップと距離がある領域をつなぐ」ことも意識しています。

 スタートアップ同士のコミュニケーションで生まれる気づきも大切なのですが、そこに大企業や官公庁など、やや性質の違うものが掛け算される場をつくりたいと感じていたためです。私としては、米国のように、エンタメやスポーツに関わる方々が自身の得意分野で、スタートアップイノベーションに投資するという流れもつくりたいと思っています。

 実際、今回開催されるGRIC2025でも株式会社BMSGのCEOであるSKY-HIさんや、俳優のMEGUMIさんが登壇します。

——GRICをスタートするにあたって、注目していた業界などはあるのでしょうか?

志水氏 スタートアップと聞くと、どうしてもITやディープテックなどの領域をイメージしがちですが、それ以外の領域のスタートアップをフィーチャーできる場でもありたいと考えています。

 実際、おにぎりやコーヒーなど、日本ではそこまで知名度は高くないものの、グローバルでは有名なユニコーン企業になっている企業もあります。このような非IT・ディープテック領域の企業が、GRICという場で日本の強みを活かしてイノベーションを生み出すきっかけを掴んでほしいですね。

——実際に、GRICでグローバルでの調達や取り組みが成功した例はありますか?

志水氏 知的障害などを持つ方々の才能に着目してIP化し、アパレルなどにアウトプットして販売する事業を行う、へラルボニーという岩手県のスタートアップが、フランスのLVMHという企業の支援を受けてフランス進出を果たしています。

 また、ゲノム大規模構築技術を展開するLogomixというスタートアップは、GRIC2023のピッチコンテストで最優秀賞を受賞したことをきっかけに、28億円を調達し米国での事業を加速させています。

GRICが世の中に与える影響とは

——GRICを継続して開催する中で、カンファレンスの内外で変化は感じますか?

志水氏 近年になればなるほど、明確に政府との連携は高まっていますね。これは、政府が2022年にスタートアップ育成5か年計画を国策として策定したことも大きな要因になっています。

 昨年のGRIC2024では就任3日目の石破前総理大臣からもメッセージをいただきました。

 また、当社とジェトロで国内のスタートアップカンファレンスを一定期間に集め、「JAPAN INNOVATION WEEK」として海外に発信したイベントでも、内閣府、経済産業省にも協力いただきました。

 今まではオープンな中でも、ビジネスパーソンだけでクローズドになっていた部分があったように思いますが、政府など“官”の視点からもイノベーションの場のひとつであると認識されはじめていると感じます。

——実際に、民間で行われているスタートアップカンファレンスが行政に影響を与えていると思うことはありますか?

志水氏 東京都の「SusHi Tech Tokyo」や名古屋市の「TechGALA Japan」など、各自治体がスタートアップカンファレンスを開催するケースも増えていますね。

 ただ、これはしかるべき変化ではないでしょうか。

 政府が国家戦略としているスタートアップ育成5か年計画では、10兆円というスタートアップへの投資額を目標としています。これだけの目標は、民間の行動だけでは達成できません。日本のためにグローバル規模で投資を集められる責任者を置き、官民一体となって進めていける部分が拡大していけばよいですね。

——GRICは、日本のスタートアップにどのような変化をもたらすと感じていますか?

志水氏 多くの人が「起業家がブライトキャリアであることを知り、起業をする人が増える」と考えています。

 これは、GRICがオープンなスタートアップカンファレンスであることに起因しています。

 ピッチで真剣に自分自身の挑戦を語る真剣な表情に、人は心を震わせるのだと思っています。それはやはり、彼らが自分たちの未来を変えてくれる可能性がある存在だからですよね。

 そして、そのアントレプレナーシップは先天的に備わっているものではなく、環境や経験などで後天的に備わるものです。GRICのピッチなどを見ると、「すごい」と感じる一方、ステージに立っている起業家と自分に大きな違いがないことに気がつくはずです。

 私が好きな言葉に、ガンジーの「Be the Change You Wish to See in the World(あなたが見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい)」という言葉があるのですが、課題を見つけたら自分が成長して、変化を起こすことが必要です。それができないことに、生まれながらの差が影響しているわけではありません。

 誰もが、ザッカーバーグにもイーロン・マスクにもなれる。何にでもなれる可能性を持っているのです。

 多くの人がこの気づきを得るために、起業家を皆で応援するために、ひいては日本が幸せになるために。オープンであることなどのGRICの持つ仕組みは、絶対的に必要な要素であると思っています。

「日本ではやっと皆がイノベーションを語りはじめている。灯りはじめた火を大きな炎にするために、GRICを通じてここから燃やし続けないといけない」

 そう語る志水氏。

 GRICは、単なるスタートアップの祭典ではありません。志水氏が描くのは、挑戦する人が応援され、誰もがイノベーションの担い手になれる社会です。

 小さな火種がやがて日本を押し上げる力へ——GRICの挑戦は、今年もその先も続きます。

「GRIC2025」の詳細はこちら
【公式】GRIC2025 (GROWTH INDUSTRY CONFERENCE)

※本稿はPR記事です。

「クリックしなくても報酬」…KDDIとグーグルが描く日本型AI共存モデルの行方

●この記事のポイント
・KDDIとグーグルが2026年春に開始する新サービスは、許諾を得た記事のみをAIが要約・引用する「責任ある検索」モデル。
・生成AI時代における著作権保護と報道の共存を目指し、KDDIは“信頼の入口”、Googleは“合法的AIモデル”の確立を狙う。
・成否の鍵は、報酬モデルの公平性・大手メディアの参画・UXの革新性にあり、日本発の共存型AI検索として注目される。

 2025年10月、KDDIと米グーグル傘下のグーグル・クラウド・ジャパンが発表した「記事検索サービス」の構想は、単なる検索機能の刷新ではない。それは、生成AIが支配する情報環境のなかで、コンテンツの価値と信頼をいかに守るかという、日本型「情報エコシステムの再設計」そのものである。

 2026年春に開始予定の同サービスは、グーグルの生成AIモデル「Gemini」やノート型AI「NotebookLM」を活用し、提携メディアの“許諾済み記事”のみを対象に、ユーザーの質問にAIが要約・引用して答える仕組みを取る。無断学習や著作権侵害が世界的に問題化するなか、あえて「権利者との共存」を掲げた点に、このプロジェクトの核心がある。

●目次

AIが変える“情報の主権”と“信頼の危機”

 生成AIの台頭によって、検索は「情報を探す」行為から「答えをもらう」行為へと変化した。だが、その便利さの裏で、いくつものひずみが生まれている。

 ・AIが誤情報(ハルシネーション)を生み出す「精度危機」
 ・記事をクリックしなくても満足してしまう「ゼロクリック問題」
 ・メディアの収益源である広告が細る「デジタル敗戦」

 とりわけ日本の報道産業は、紙媒体の衰退と広告モデルの限界のなかで、AI時代の“生き残り策”を模索している。その現状打破の糸口として、今回のKDDI×グーグル提携が注目を浴びたのだ。

KDDIの狙い――「通信の次」は“信頼の接点”づくり

「KDDIの狙いは明確で、『検索の主導権を取り戻すこと』、そして『ユーザー接点を再び自社領域に引き戻すこと』にあります。

 長年、通信キャリアは“パイプ役”として膨大なデータを流してきたが、肝心の情報消費の主導権はグーグルやYahoo!に握られてきました。生成AIが情報の“最終回答装置”になれば、キャリアはさらに影が薄くなる――その危機感が今回の提携の原動力でしょう。

 KDDIは自社の『ソブリンクラウド(国内管理型クラウド)』を通じ、Geminiを安全な環境で動かす。これにより法人・行政にも信頼されるAI基盤を構築し、『信頼性の高い検索=KDDI経由』という新たなブランドポジションを狙っています」(経済コンサルタントの岩井裕介氏)

 松田浩路社長が語っていたが、「コンテンツを守るのは通信事業者の使命」という思想を、AI時代の“責任ある情報流通”に拡張する試みだ。

グーグルの狙い――「免罪符」と「日本版Gemini強化」

 一方のグーグルにとって、この提携は極めて戦略的だ。

「世界各国でメディアとの著作権訴訟が相次ぐなか、『許諾を得た記事のみを対象とするAI検索』は、“責任あるAI”の象徴モデルとなります。つまり、『我々は合法的に共存できるAI検索モデルを構築した』と世界に示す“免罪符”でもあるわけです。

 さらに、提携を通じてグーグルは日本の主要メディアから高品質な記事データを得られます。Geminiの日本語理解と回答精度は、英語圏に比べて遅れているとされるが、信頼性の高い一次情報を安定供給できる体制が整えば、『日本版Geminiの性能向上プロジェクト』としても機能することになります」(同)

 つまり、グーグルは日本を“信頼型AI検索のショーケース市場”として位置づけた可能性が高い。

社会的意義――AIとメディアの「共存モデル」実験

 このプロジェクトの本質は、テクノロジーでも収益モデルでもなく、AIと報道が共存できるかどうかの社会実験である。

 メディアはAIに記事を要約されるだけではなく、「収益と信用を共有するパートナー」になれるのか。そしてユーザーは、AIが導く“正しい情報源”を信じ、再び一次情報にアクセスするようになるのか。

 この問いに対する答えが「検索の未来」そのものを左右する。AI要約に慣れた若年層が“記事を読む”体験を取り戻すきっかけとなるなら、それは民主主義社会における情報教育の再生にもつながる。

 岩井氏は、成否を分ける条件として以下の3つを挙げる。

(1)メディア参加と報酬モデルの公平性
 KDDIとグーグルは、提携メディアに対してAI検索内での利用状況に応じた報酬を支払う方針だが、その算定基準や金額の透明性が成否を大きく左右する。「クリックされなくても収益化できる」仕組みが確立すれば、既存広告依存から脱却できる可能性もある。
 だが報酬が小規模に留まれば、全国紙や大手出版社は参加を見送るだろう。信頼できるAI検索を名乗るには、読売・朝日・日経といった老舗報道機関の参画が不可欠だ。

(2)ユーザー体験の革新性
 既存のグーグル検索は“速さと広さ”が魅力だ。その一方で今回のサービスは“狭く、正確で、信頼できる”ことを売りにする。
 ユーザーが「高品質な回答のために別サービスを使う」必然性を感じられるか――。
Geminiによる多記事横断要約、音声応答、検索履歴との連携など、KDDIのモバイルUIとの融合がカギとなる。

(3)技術更新のスピードと独立性
 この構想はグーグルの生成AI技術に深く依存する。KDDIが国内クラウド上で運用するGeminiが、常に最新モデルを利用できる保証がなければ、競争優位は維持できない。
 グーグルにとっても「ソブリンAI(主権型AI)」としてローカルに最適化されたサービスを日本市場で成功させられるかが、今後の世界展開の試金石となる。

世界文脈で見た「日本モデル」の特異性

 世界では、OpenAIが米国メディアと提携して「ChatGPT Search」を展開し、中国では百度が国家監修のAI検索を強化するなど、AI検索の“倫理設計”を巡る競争が激化している。そのなかで、民間キャリアが“信頼性の担保役”を担うという構図は日本特有のものだ。

 行政と企業、メディア、テックが分断されず、三者が協調する“中間組織的エコシステム”こそ、日本型イノベーションの真骨頂である。KDDI×グーグル連携は、その社会構造を土台とした「合意型AI」の実証例として、国際的にも注目されるだろう。

 KDDIとグーグルが提示したのは、「利便性」よりも「信頼」を中心に据えたAI時代の情報モデルだ。生成AIによって誰もが情報発信者になれる一方で、社会が本当に必要としているのは「何を信じ、誰が保証するか」という構造である。

 もしこのサービスが定着すれば、AIと人間の協働による“信頼の検索インフラ”が実現する。逆に、透明性や報酬の不公平が残れば、また新たな“デジタル支配”の再生産に終わるだろう。

 日本発のこの実験が示すのは、「破壊ではなく共存」という道筋であり、それはAI時代のジャーナリズムとプラットフォームの未来を占う試金石でもある。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

アクセンチュア、“日本のシステム”を呑み込む?ゆめみ合併と共同出資攻勢の狙い

●この記事のポイント
・アクセンチュアが「ゆめみ」買収や共同出資型IT子会社を通じ、日本企業のDX中枢を掌握し始めている。
・背景には、日本企業の人材不足と内製化停滞があり、アクセンチュアの総合力が独壇場化を後押しする。
・一方で企業の技術主権喪失や依存リスクも高まっており、主導権を握るガバナンス設計が今後の鍵となる。

 10月28日、アクセンチュアはDX支援・内製開発支援の老舗ベンチャー「ゆめみ」の合併を正式発表した。アクセンチュアは今年5月にゆめみを完全子会社化しており、今回、完全に経営を統合することになる。スマートフォン黎明期からモバイルアプリの開発で知られるゆめみは、「エンジニアが経営に参加する文化」を持つ内製化支援の象徴的存在だ。この合併は単なる人材獲得ではなく、日本企業の“IT主権”をめぐる構造転換の分水嶺になりつつある。

 アクセンチュアはここ数年、大企業や中堅企業とのIT子会社への共同出資・業務提携・合併をたて続けに仕掛けている。5月にはゼネコンの前田建設工業を傘下に持つインフロニアHDと共同出資し、IT子会社を設立。10月にはセブン&アイHDとのデジタル戦略提携を発表し、グループ中核の「セブン&アイ・ネットメディア」への出資も取り沙汰された。
そこにゆめみ合併が加わることで、アクセンチュアは「開発・運用・体験設計・経営実装」の全工程を押さえる構えを見せている。

 戦略コンサルタントの高野輝氏に、アクセンチュアの狙いについて分析してもらった。

●目次

「共同出資×内製支援」モデルで、企業の“中枢”に入り込む

「アクセンチュアの日本戦略を一言で表すなら、『内製支援を通じた中枢掌握』だ。これまでの受託開発やコンサルティングとは異なり、近年は企業のIT子会社そのものに出資・参画する動きが目立つ。

 その狙いは三つある。

(1)デジタル人材の確保と育成
 日本企業は慢性的なDX人材不足に悩む。共同出資により、IT子会社に所属するエンジニアをアクセンチュアの研修体系やプロジェクトで鍛え上げ、同時に優秀人材を自社ネットワーク内に取り込む。
 特にゆめみ買収によって、アジャイル開発・デザインエンジニアリング・生成AI応用など、「モノを作れる」人材基盤を獲得した意義は大きい。

(2)レガシー刷新と案件獲得
 日本の大企業の多くは老朽化した基幹システムを抱える。IT子会社を通じて内部事情を把握すれば、システム刷新・データ統合・AI導入などの大型DX案件を継続的に受注できる。
 企業側も「外部委託」ではなく「共同事業」という名目で社内調整を通しやすくなる。

(3)長期的な収益源の確立
 コンサルから運用までを一気通貫で支援できるため、契約期間は年単位から十年スパンに拡大。一度入り込めば、エコシステム全体がアクセンチュア仕様で固定化される構造ができあがる。
 この結果、アクセンチュアは単なる外部パートナーではなく、企業のIT意思決定の一部を担う存在に変わりつつある。

“独壇場化”の背景――なぜアクセンチュアだけが成功しているのか

 このような動きが加速し、アクセンチュアが「独壇場」と化している背景には、日本企業特有の構造問題と、同社の戦略的強みが重なっている。

【日本企業側の事情】

・DXの遅れと人材不足
 多くの企業が古い基幹システムに縛られ、DXを進めたくても実行できない。自社で採用・育成するには時間もコストもかかる。そこで“最短距離で結果を出す”アクセンチュアを頼る動きが広がっている。

・IT子会社の機能不全
 親会社の保守運用に追われ、技術革新や事業開発を担う余力がない。その結果、「子会社ごとリプレース」するような形でアクセンチュアが入る余地が生まれている。

【アクセンチュア側の強み】

・戦略から実装までの総合力
 戦略コンサル、クラウド移行、アプリ開発、AI実装、デジタルマーケティングまでを1社で完結できる。クライアントにとっては「ワンストップでDXが進む」構造だ。

・M&Aのスピードと胆力
 日本企業が慎重に検討を重ねる間に、アクセンチュアはM&Aを年数件ペースで断行。ゆめみやALBERTなど、国内の優秀企業を次々と吸収し、技術と人材をグローバルネットワークに統合する。

・文化の翻訳力
 アジャイルやデザイン思考など、欧米発の開発文化を“日本の現場に適した形”に翻訳し、現場社員を巻き込みながら定着させる。「押しつけ」ではなく「融合」を演出できる点が、他の外資系コンサルとの差別化要因だ。

 こうした要素が組み合わさり、アクセンチュアは「日本のDX課題を最も理解し、最速で成果を出す企業」としての地位を固めた。

ゆめみ買収の意味――“文化”を買ったアクセンチュア

 アクセンチュアのゆめみ買収は、数字以上に象徴的な意味を持つ。ゆめみは「上司を選べる」「副業・リモート自由」といったユニークな組織文化を持ち、社員の自己決定と創造性を重んじてきた。そのカルチャーを、アクセンチュア ソング(顧客体験部門)に取り込むことで、同社は「戦略×創造×実装」の三位一体体制を完成させる。

 特に注目されるのは、プロダクト開発のスピード感だ。大手企業の意思決定が数カ月単位で進む中、ゆめみは数日で試作し、顧客体験を検証する。アクセンチュアはその俊敏性を武器に、クライアント企業の「実行力」まで巻き取ろうとしている。

 高野氏はこう指摘する。

「アクセンチュアは“人材を吸収する”のではなく、“文化を導入する”という発想に転換している。ゆめみの買収は、単なる規模拡大ではなく、開発文化のリプレース(置き換え)を狙ったものです」

事例に見る「共同出資」戦略の実像

セブン&アイHDとの業務提携
 10月に発表されたセブン&アイとの提携では、グループのデジタル戦略を全面的に強化。特に、電子マネー「nanaco」や会員アプリを軸にしたデータ基盤の再構築、リアル店舗とECの統合運営(OMO)などが進む見通しだ。アクセンチュアがIT子会社に出資すれば、小売業界のデジタル標準を握ることになる。

インフロニアHDとの共同子会社
 インフロニアHDとのJV(共同出資)では、建設現場のデジタル化を推進。BIM/CIM、IoT、生成AIによる工程管理、安全管理の効率化など、社会インフラDXのデファクトスタンダードを狙う。同時に、建設業界のIT化人材を囲い込む“教育プラットフォーム”としての側面も持つ。

 これらはいずれも、単なる受託ではなく、経営・技術・人材をセットで融合する“事業開発型DX”といえる。

依存リスク――「アクセンチュア化」する企業

 だが、高野氏は「成功の裏で、構造的なリスクが急速に拡大している」と警鐘を鳴らす。

1.内製力の形骸化
 JVにアクセンチュアの人材が常駐すると、実務も意思決定も外部主導になりやすい。名目上は“共同開発”でも、実態は“アクセンチュアが開発・運用を牛耳る”ケースもある。

2.ベンダーロックイン
システム設計・CI/CD・監視運用がアクセンチュア仕様で固められ、途中で他ベンダーに切り替えるのが難しくなる。
一度依存すれば、保守コストが固定化し、「抜け出せない構造」が生まれる。

3.情報・ノウハウの流出懸念
出資関係を通じて、企業の業務プロセスやデータが外部と共有される。将来的に、他業界・他社での活用や競合優位性への影響もあり得る。
「DXを“外部化”すればスピードは出ますが、同時に“主権”は失われます。
問題は、スピードと主権のバランスをどう取るかです」(高野氏)

「飲み込まれる」か、「共進化」か

 アクセンチュアは、DX人材・プロセス・テクノロジーを総動員し、日本市場の構造的課題を代替的に解決している。その意味では、アクセンチュア依存は“問題”ではなく“必然”ともいえる。

 だが、高野氏は次のように強調する。

「アクセンチュアを“委託先”ではなく、“共創パートナー”として設計できるかが分かれ目です。契約・アーキテクチャ・データの3領域で主導権を握れば、共進化は可能です」

【企業側が取るべき3つの戦略】

1.アーキテクト職能を社内保持
 システム設計の最終判断者(Chief Architect)を社内に置き、外部提案を常にレビューする体制を築く。

2.FinOpsとSREを内製化
コストと信頼性の可視化を自社で行い、「どこに支払っているか」「何に時間がかかっているか」を把握する。

3.データ主権の確保
契約上、データとコードの所有権・アクセス権を明記。
いつでも別ベンダーが引き継げるようにする。

アクセンチュア時代の“主権”をどう守るか

 アクセンチュアの戦略は冷徹だが合理的だ。DX人材の希少性、内製化の遅れ、システム老朽化――これらの課題を同時に解く手段として、「共同出資×M&A×内製支援」というモデルを展開している。

 このままでは確かに、日本企業のIT中枢はアクセンチュアに“飲み込まれる”かもしれない。だがそれは、企業が主導権を放棄したときに起こることであり、逆に共創とガバナンスを設計すれば、“依存”を“飛躍”に変える余地も十分にある。

 DX時代の覇権争いは、もはや「どのベンダーに頼むか」ではない。「誰が設計図を握るか」の戦いである。アクセンチュアの攻勢は、その問いを日本企業に突きつけている。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=高野輝/戦略コンサルタント)

スマホでPCゲームがプレイ可能に…NVIDIAがクラウドでゲーム産業に地殻変動もたらす

●この記事のポイント
・NVIDIAがクラウドゲーミングの常識を覆す大型アップデートを実施。高性能PCがなくても、スマホで“ローカルPC並み”の高画質プレイを実現した。
・新技術「Cinematic Quality Streaming」により、色彩やコントラストが飛躍的に向上。遅延もほぼゼロで、クラウドとは思えない操作感を実現。
・RTX 5080搭載サーバーやレーシングホイール対応など、体験とデバイスの両面で進化。NVIDIAは“ハード依存の時代”を超える新たなゲーム体験を切り拓いた。

ゲーム向けGPU「GeForce」シリーズで知られる半導体企業NVIDIAは、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の大型アップデートを発表した。

スマートフォンやタブレットなどデバイスを問わず、これまで以上に快適かつ高精細なプレイが可能となり、クラウドゲーミングの常識を塗り替える内容となっている。

都内で開催されたメディア向け説明会とデモ体験会では、クラウドでありながら“ローカルPC同等”の映像品質とレスポンスを実現する進化を体感できた。

RTX 5080登場で“PC不要時代”が現実に

GeForce NOWは「誰もがすばらしいゲーミング体験を享受できること」を目的に提供されているクラウドゲーミングサービスだ。

ハイスペックなゲーミングPCがなくても、PC・スマートフォン・タブレットなど好きな端末で最新のPCゲームをどこでもプレイできる。ユーザーの端末からNVIDIAのデータセンターにアクセスすると、クラウド上のGPUがゲーム処理と映像生成を行い、その映像をストリーミング配信する仕組みだ。

今回のアップデートは「10年の歴史の中でも最も大きなアップデート」とされるもので、最新クラウドサーバー「GeForce RTX 5080 SuperPod」が導入された。

月額3,580円(税込)の最上位プラン「GeForce NOW Ultimate」会員は、自動的にこのサーバーに切り替わる。

これにより、従来比で最大2.8倍のフレームレート、PlayStation 5の約3倍の演算性能(TFLOPS:1秒間に1兆回の演算能力)を実現。さらにNVIDIA独自のAI技術「DLSS 4(AIによる高精細化技術)」を搭載し、映像の美しさと応答速度の両面で進化を遂げた。
まさに“PC不要時代”を現実のものにしたアップデートといえる。

映像革命「Cinematic Quality Streaming」――ローカル並みの美しさへ

性能だけでなく、画質面の進化も注目に値する。

新技術「Cinematic Quality Streaming」では、従来のYUV 4:2:0方式からYUV 4:4:4(色情報を間引かない高精細方式)へと刷新。さらにAIによる映像補正技術を採用し、ローカルPCとほぼ同等の鮮明さ、色彩表現、コントラストを実現した。

説明会では担当者がこう語った。

「暗いシーンでの色にじみや階調表現の改善を求める声が多く寄せられていました。圧縮方式を刷新し、より広い色域に対応することで、ローカルPCと遜色のないレベルを目指しました」

会場では比較デモも行われ、従来方式と比べてCinematic Quality Streamingでは細部の陰影や発色が明らかに異なるのが確認できた。クラウド経由とは思えないほどのリアリティに、来場者から驚きの声が上がっていた。

大画面でも高精細、テレビ単体でのプレイも可能に

対応デバイスの拡充も大きな進化ポイントだ。

LG製スマートTVではGeForce NOW専用アプリをインストールするだけで、テレビ単体でクラウドゲームを楽しめる。

4K解像度・最大120FPSでの高品質ストリーミングに対応しており、さらにLGの5K・120Hz対応ゲーミングモニターと組み合わせることで、映像の滑らかさと臨場感が際立つ。

実際のデモでは、操作と画面反応の間にほとんどタイムラグを感じなかった。

ボタンを押した瞬間にキャラクターが動き出す――そのレスポンスは、もはやクラウドで動いていることを忘れるほど自然だった。

Steam Deck・Legion Go対応で携帯型デバイスも快適に

持ち運び型デバイスでも最適化が進む。

Valve「Steam Deck」では最大90FPS、Lenovo「Legion Go S」では最大120FPSに対応し、モバイル環境でもカクつきのないプレイが可能になった。

実機で試したところ、動きの滑らかさと安定性が印象的で、ゲーム酔いしやすい人でも安心して長時間プレイできそうだ。

レーシングホイール対応でリアルな走行感覚を再現

さらに注目を集めたのが、新たにレーシングホイール(ハンドル型コントローラー)に対応した点だ。

Logitechの人気モデル「G29」「G920」のホイール・ペダルセットに対応し、クラウド上のレースゲームを実際のハンドル操作で楽しめるようになった。従来、遅延がネックとされていたジャンルだけに、この対応は大きなブレークスルーだ。

「Install-to-Play」で遊べるタイトルが拡大

ゲームライブラリへのアクセス方式も刷新された。

従来の「Ready-to-Play」ではサーバー側にインストール済みのタイトルのみプレイ可能だったが、新機能「Install-to-Play」の導入により、ユーザー自身がクラウド環境に手持ちのゲームをインストールできるようになった。

これにより、GeForce NOWが未対応だったインディー系タイトルなどもプレイ可能に。対応タイトル数は約2,000本から、さらに2,200本以上が追加された。有料会員には100GBのクラウドストレージも提供され、利便性が大幅に向上している。

“ハードからクラウドへ”――ゲーミングの転換点

GeForce NOWの最新アップデートは、クラウドゲーミングの限界を押し広げる内容だった。

スペック面の進化だけでなく、映像品質、操作レスポンス、デバイス対応など、実際に触れて初めてわかるレベルの進歩が随所に感じられる。高性能PCがなくても、誰もが最高品質のゲームを楽しめる――。

今回のアップデートは、ハード依存の時代から“クラウド主導のゲーミング時代”への本格的な転換点といえるだろう。日本でもクラウドゲーミングが本格的に普及する兆しが見え始めている。

(取材・文=福永太郎)

※本稿はPR記事です。

AIで営業が激変する!行動指針や営業先まで提案、徹底的にムダ時間をなくす

 営業DXを支援するIT企業・SALES GO株式会社が、新たにAI連携型SFA「GoCoo!」を発表した。中小から大手まで1000社以上の営業支援実績を持つ同社は、10月10日の記者発表会で国内の営業課題や、新サービスの強みを示した。

国内SFA導入は進まぬ現状、“使いこなせない”が課題

 代表取締役社長・内山雄輝氏によれば、グローバル企業が顧客への営業活動に時間を投じている一方、国内企業では社内業務や提案書作成などに多くの時間が割かれており、これが労働生産性の低下を招いているという。​

 こうした業務効率化の解決策として注目されているのが、営業支援システム「SFA」である。SFAは顧客情報や営業プロセス、進捗状況を一元化して管理し、営業活動そのものの効率を高める仕組みだ。蓄積されたデータを活用することで、予算達成見込みの把握や、自社の営業における勝ちパターン・課題の抽出が容易になり、組織全体の生産性向上に寄与する。しかし現状、日本国内のSFA導入率は依然として低いという。

 この現状について内山氏は、「多くの企業がSFAを導入しても十分に活用できていないのが実態です。主な原因は、ツールを使いこなす難しさからデータの蓄積が進まず、十分な分析に至らない点にあります。分析ができないため、費用対効果を把握できず、導入の効果が実感しづらいという悪循環に陥ってしまうのです」と指摘。

Excel感覚で使える新世代SFA「GoCoo!」

 こうしたSFA導入の課題を解決するために開発されたのが、同社のサービス「GoCoo!」だ。

「既存のSFAでは使いこなせないことが大きな課題でした。そこで、今もっとも使われているツールの良いところだけを取り入れ、それらをまとめた新しいSFAを作ろうと考えたのです。Excelのように扱える操作性と、ノーコード設定機能を組み合わせ、誰でも簡単に入力できることを追求して開発したのが『GoCoo!』です」(内山氏)

 日本の営業現場では、これまでExcelが営業管理ツールとして多く利用されてきた。Excelは入力しやすい一方で、案件の表示や編集・更新のたびに、シート間の移動や複数ボタンの操作など、何度も画面を切り替える必要があった。

 その点、GoCoo!はExcelライクな操作感を保ちながら、案件や商談の情報の入力・更新画面をひとつに集約。請求書の編集から発行までを1画面で完結できる。画面遷移を最小限に抑えることで、入力工数の削減にも寄与している。

「他社のSFAシステムでは、メニュー画面の名称を変更できない仕様が一般的です。GoCoo!の場合、『取引先』という項目を『クライアント』や『お客様』といった社内用語に合わせて自由に変更可能です。ツールに業務を合わせるのではなく、ツールを業務に寄り添わせることで、より自然な運用を実現できる点が大きな特長です」(石井氏)

 高機能だが、月額基本料金/人は5000円と手頃な価格で提供。導入ハードルを下げ、「難しくて使いこなせない」という従来の課題解決を目指している。

フィラーを適切に排除する「VeZeeta」、AIエージェント「GoZeeta」

 同日はGoCoo!に加え、新たに2つのAI関連サービスも発表された。

「VeZeeta」は、スマートAI議事録ツールだ。他社エンジンと比べて処理速度に優れ、英語翻訳やタスク一覧作成もスピーディーに対応。とりわけ、日本語対応に強いAIエージェントを採用している点が大きな特徴だ。

「弊社のAIエージェントは日本語に最適化されており、『あのー』『えー』といったフィラー(つなぎ言葉)を自動で排除します。一方で、『はい』『うん』など会話上必要な相槌は、内容を精査したうえで残すよう設計されています」(石井氏)

「GoZeeta」は、SFA「GoCoo!」にAIを統合したAIエージェント。MCPサーバーを介してSFAと連携し、蓄積された営業データをリアルタイムで分析・活用できる。会場デモでは、営業担当者が商談に関する質問をすると、AIがその場でSFAデータを参照し、具体的な行動指針や推奨企業を即答する様子が披露された。

「たとえば『今週どこに商談へ行くべき?』と質問すると、AIが『完了予定日が近い企業を優先しましょう。A社やB社がおすすめです。B社は申込書送付から8日が経過しています』といったように、実際のSFAデータを利用して的確なアドバイスを提供します」(石井氏)

 AIの進化によって、営業支援システム(SFA)は、単なる「データを蓄積するためのツール」から「蓄積した情報を積極的に活用し成果を高めるプラットフォーム」へと変貌を遂げている。今や、SFAは人が操作するシステムを超えて、AIが営業現場の意思決定や行動提案を担う時代が到来しつつあるようだ。

(取材・文=福永太郎)

※【PR】当記事はインフォメーションです。

「SALES GO」 https://salesgo.co.jp/

AIで営業が激変する!行動指針や営業先まで提案、徹底的にムダ時間をなくす

 営業DXを支援するIT企業・SALES GO株式会社が、新たにAI連携型SFA「GoCoo!」を発表した。中小から大手まで1000社以上の営業支援実績を持つ同社は、10月10日の記者発表会で国内の営業課題や、新サービスの強みを示した。

国内SFA導入は進まぬ現状、“使いこなせない”が課題

 代表取締役社長・内山雄輝氏によれば、グローバル企業が顧客への営業活動に時間を投じている一方、国内企業では社内業務や提案書作成などに多くの時間が割かれており、これが労働生産性の低下を招いているという。​

 こうした業務効率化の解決策として注目されているのが、営業支援システム「SFA」である。SFAは顧客情報や営業プロセス、進捗状況を一元化して管理し、営業活動そのものの効率を高める仕組みだ。蓄積されたデータを活用することで、予算達成見込みの把握や、自社の営業における勝ちパターン・課題の抽出が容易になり、組織全体の生産性向上に寄与する。しかし現状、日本国内のSFA導入率は依然として低いという。

 この現状について内山氏は、「多くの企業がSFAを導入しても十分に活用できていないのが実態です。主な原因は、ツールを使いこなす難しさからデータの蓄積が進まず、十分な分析に至らない点にあります。分析ができないため、費用対効果を把握できず、導入の効果が実感しづらいという悪循環に陥ってしまうのです」と指摘。

Excel感覚で使える新世代SFA「GoCoo!」

 こうしたSFA導入の課題を解決するために開発されたのが、同社のサービス「GoCoo!」だ。

「既存のSFAでは使いこなせないことが大きな課題でした。そこで、今もっとも使われているツールの良いところだけを取り入れ、それらをまとめた新しいSFAを作ろうと考えたのです。Excelのように扱える操作性と、ノーコード設定機能を組み合わせ、誰でも簡単に入力できることを追求して開発したのが『GoCoo!』です」(内山氏)

 日本の営業現場では、これまでExcelが営業管理ツールとして多く利用されてきた。Excelは入力しやすい一方で、案件の表示や編集・更新のたびに、シート間の移動や複数ボタンの操作など、何度も画面を切り替える必要があった。

 その点、GoCoo!はExcelライクな操作感を保ちながら、案件や商談の情報の入力・更新画面をひとつに集約。請求書の編集から発行までを1画面で完結できる。画面遷移を最小限に抑えることで、入力工数の削減にも寄与している。

「他社のSFAシステムでは、メニュー画面の名称を変更できない仕様が一般的です。GoCoo!の場合、『取引先』という項目を『クライアント』や『お客様』といった社内用語に合わせて自由に変更可能です。ツールに業務を合わせるのではなく、ツールを業務に寄り添わせることで、より自然な運用を実現できる点が大きな特長です」(石井氏)

 高機能だが、月額基本料金/人は5000円と手頃な価格で提供。導入ハードルを下げ、「難しくて使いこなせない」という従来の課題解決を目指している。

フィラーを適切に排除する「VeZeeta」、AIエージェント「GoZeeta」

 同日はGoCoo!に加え、新たに2つのAI関連サービスも発表された。

「VeZeeta」は、スマートAI議事録ツールだ。他社エンジンと比べて処理速度に優れ、英語翻訳やタスク一覧作成もスピーディーに対応。とりわけ、日本語対応に強いAIエージェントを採用している点が大きな特徴だ。

「弊社のAIエージェントは日本語に最適化されており、『あのー』『えー』といったフィラー(つなぎ言葉)を自動で排除します。一方で、『はい』『うん』など会話上必要な相槌は、内容を精査したうえで残すよう設計されています」(石井氏)

「GoZeeta」は、SFA「GoCoo!」にAIを統合したAIエージェント。MCPサーバーを介してSFAと連携し、蓄積された営業データをリアルタイムで分析・活用できる。会場デモでは、営業担当者が商談に関する質問をすると、AIがその場でSFAデータを参照し、具体的な行動指針や推奨企業を即答する様子が披露された。

「たとえば『今週どこに商談へ行くべき?』と質問すると、AIが『完了予定日が近い企業を優先しましょう。A社やB社がおすすめです。B社は申込書送付から8日が経過しています』といったように、実際のSFAデータを利用して的確なアドバイスを提供します」(石井氏)

 AIの進化によって、営業支援システム(SFA)は、単なる「データを蓄積するためのツール」から「蓄積した情報を積極的に活用し成果を高めるプラットフォーム」へと変貌を遂げている。今や、SFAは人が操作するシステムを超えて、AIが営業現場の意思決定や行動提案を担う時代が到来しつつあるようだ。

(取材・文=福永太郎)

※【PR】当記事はインフォメーションです。

「SALES GO」 https://salesgo.co.jp/

AIで営業が激変する!行動指針や営業先まで提案、徹底的にムダ時間をなくす

 営業DXを支援するIT企業・SALES GO株式会社が、新たにAI連携型SFA「GoCoo!」を発表した。中小から大手まで1000社以上の営業支援実績を持つ同社は、10月10日の記者発表会で国内の営業課題や、新サービスの強みを示した。

国内SFA導入は進まぬ現状、“使いこなせない”が課題

 代表取締役社長・内山雄輝氏によれば、グローバル企業が顧客への営業活動に時間を投じている一方、国内企業では社内業務や提案書作成などに多くの時間が割かれており、これが労働生産性の低下を招いているという。​

 こうした業務効率化の解決策として注目されているのが、営業支援システム「SFA」である。SFAは顧客情報や営業プロセス、進捗状況を一元化して管理し、営業活動そのものの効率を高める仕組みだ。蓄積されたデータを活用することで、予算達成見込みの把握や、自社の営業における勝ちパターン・課題の抽出が容易になり、組織全体の生産性向上に寄与する。しかし現状、日本国内のSFA導入率は依然として低いという。

 この現状について内山氏は、「多くの企業がSFAを導入しても十分に活用できていないのが実態です。主な原因は、ツールを使いこなす難しさからデータの蓄積が進まず、十分な分析に至らない点にあります。分析ができないため、費用対効果を把握できず、導入の効果が実感しづらいという悪循環に陥ってしまうのです」と指摘。

Excel感覚で使える新世代SFA「GoCoo!」

 こうしたSFA導入の課題を解決するために開発されたのが、同社のサービス「GoCoo!」だ。

「既存のSFAでは使いこなせないことが大きな課題でした。そこで、今もっとも使われているツールの良いところだけを取り入れ、それらをまとめた新しいSFAを作ろうと考えたのです。Excelのように扱える操作性と、ノーコード設定機能を組み合わせ、誰でも簡単に入力できることを追求して開発したのが『GoCoo!』です」(内山氏)

 日本の営業現場では、これまでExcelが営業管理ツールとして多く利用されてきた。Excelは入力しやすい一方で、案件の表示や編集・更新のたびに、シート間の移動や複数ボタンの操作など、何度も画面を切り替える必要があった。

 その点、GoCoo!はExcelライクな操作感を保ちながら、案件や商談の情報の入力・更新画面をひとつに集約。請求書の編集から発行までを1画面で完結できる。画面遷移を最小限に抑えることで、入力工数の削減にも寄与している。

「他社のSFAシステムでは、メニュー画面の名称を変更できない仕様が一般的です。GoCoo!の場合、『取引先』という項目を『クライアント』や『お客様』といった社内用語に合わせて自由に変更可能です。ツールに業務を合わせるのではなく、ツールを業務に寄り添わせることで、より自然な運用を実現できる点が大きな特長です」(石井氏)

 高機能だが、月額基本料金/人は5000円と手頃な価格で提供。導入ハードルを下げ、「難しくて使いこなせない」という従来の課題解決を目指している。

フィラーを適切に排除する「VeZeeta」、AIエージェント「GoZeeta」

 同日はGoCoo!に加え、新たに2つのAI関連サービスも発表された。

「VeZeeta」は、スマートAI議事録ツールだ。他社エンジンと比べて処理速度に優れ、英語翻訳やタスク一覧作成もスピーディーに対応。とりわけ、日本語対応に強いAIエージェントを採用している点が大きな特徴だ。

「弊社のAIエージェントは日本語に最適化されており、『あのー』『えー』といったフィラー(つなぎ言葉)を自動で排除します。一方で、『はい』『うん』など会話上必要な相槌は、内容を精査したうえで残すよう設計されています」(石井氏)

「GoZeeta」は、SFA「GoCoo!」にAIを統合したAIエージェント。MCPサーバーを介してSFAと連携し、蓄積された営業データをリアルタイムで分析・活用できる。会場デモでは、営業担当者が商談に関する質問をすると、AIがその場でSFAデータを参照し、具体的な行動指針や推奨企業を即答する様子が披露された。

「たとえば『今週どこに商談へ行くべき?』と質問すると、AIが『完了予定日が近い企業を優先しましょう。A社やB社がおすすめです。B社は申込書送付から8日が経過しています』といったように、実際のSFAデータを利用して的確なアドバイスを提供します」(石井氏)

 AIの進化によって、営業支援システム(SFA)は、単なる「データを蓄積するためのツール」から「蓄積した情報を積極的に活用し成果を高めるプラットフォーム」へと変貌を遂げている。今や、SFAは人が操作するシステムを超えて、AIが営業現場の意思決定や行動提案を担う時代が到来しつつあるようだ。

(取材・文=福永太郎)

※【PR】当記事はインフォメーションです。

「SALES GO」 https://salesgo.co.jp/

人気不動産YouTuberが考える「消費者による家の選び方」と「不動産業者のあり方」

「YouTube不動産」のチャンネルを運営する印南和行氏は、同チャンネルで消費者向けに家の選び方を解説する。登録者数は約10万人。新築住宅におけるおすすめの間取りから、食洗器の有無など、一級建築士の経験を活かした細かい視点で解説している。

 なお、印南氏の本業は不動産業者向けのコンサルであり、株式会社南勝の代表を務める。昨今、不動産業界では都市部の住宅価格が高騰する一方、地方では空き家問題が取りざたされており、状況は著しく変化している。こうした状況で消費者はどう家を選ぶべきか、そして不動産業者はどうあるべきか。印南氏に取材し、知見を伺った。

YouTubeは啓蒙活動の一環

 一級建築士の資格を有する印南氏は現場監督としての経験を積んだのち、2011年にインスペクション(住宅診断)を手がける株式会社南勝を設立した。「中古住宅を見に行ったけれどヒビがあって心配…」といった、消費者のニーズをつかんで事業を展開していった。後述の通り、現在の主力事業は不動産業者向けのコンサルだが、コロナ禍期間中にYouTubeチャンネルを立ち上げ、一級建築士の視点で家や設備の選び方を解説する動画をあげている。すでに登録者数が約10万人に達しており、短い期間で伸びていった。

「消費者に正しい情報を届けたいという思いから、YouTubeを始めました。10万人まで伸びた秘訣はわかりませんが、頻繁に更新しているうちに、伸びましたね。ネットや雑誌の特集、SNSの動向を見て、『今、何が求められているか』を考えながら動画の内容を決めています。動画編集はスタッフに任せることもあれば、自分で手がけることもありました」(印南氏)

 動画の内容は間取りや設備に関するもの。住宅選びに悩む一般の消費者向けに建築士としての知見を提供している。「【注文住宅】一級建築士が絶対選ばない最悪の間取り7パターン!必ず避けてください。」は200万回以上視聴されたヒット動画だ。都内の平均マンション価格が1億円を超えるなど、昨今では不動産価格が高騰している。都内のマンションか、地方の戸建てか、消費者はどちらを選ぶべきか聞いてみた。

「まず、利便性を重要視するか特定の自然環境を重要視するか、決める必要があります。テレワークしながら子供と一緒に自然の中でのびのびと過ごしたいのであれば、郊外の庭付きの住宅です。しかし、都市部の仕事場から近距離を重視するなら別の選択肢になります。自然環境を重視しているのに、都市部の手狭なマンションを選ぶのは本末転倒です。家族にとって重要視する内容を決めるのが、最初の一歩ですね」(同)

本業は不動産業者向けのコンサル

 YouTubeで消費者向けの情報を発信し続ける印南氏だが、意外にもYouTubeは本業ではないという。

「経営する南勝の主な事業は不動産業者向けのコンサルです。一方でYouTubeの内容は、一般の消費者をターゲットにしています。両者の顧客は異なり、YouTubeはあくまでも消費者向けの啓蒙活動の一環にすぎません。両者の収益もあまり相関してないです。とはいえ、YouTubeが本業における信頼獲得にはつながっていると思います」(同)

 本業の南勝では不動産業者向けのコンサルを手がけている。現在の顧客は450社。ニーズに対応していくうちに、当初のインスペクションから事業内容が変化していった。

「消費者がインスペクションを依頼するのは、不動産業者に対して不安があるからです。消費者が納得するように情報を開示して、しっかり説明すれば消費者は不安がらない。たまたま、物件が売れないという業者に出会った際、それまでの知見をもとに『どう見せれば不安がらないか』をお伝えしました。それが好評だったようで、口コミを通じて業者からのコンサル依頼が来るようになりました」(同)

 不動産業者に対しては、売主・買主と接触する際のアピールの方法やロジックを活用した資料の作成、提供など、業者の悩みに応じてコンサルを行う。例えば、一括査定サイトで消費者に選ばれ、専任媒介を獲得するためのノウハウなどを提供する。不動産会社の中には、査定の部分で課題があるという会社が少なくないと印南氏は話す。

今後の不動産業者の「あり方」

 都市部の不動産需要が旺盛とはいえ、国内全体では人口減少が続いている。不動産業者から見れば客を取り合うような状態だ。コンサルの視点から、今後の業者のあり方を聞いてみた。

「空き家が増えて売主が増える一方、人口減少で買主が減っていく状態です。買主から見て、どの業者を通じて買っても物件自体は同じなので、購入者向けのサポート内容が業者の明暗を分けることになります。買主を満足させる資料作りも重要ですし、話す内容や態度といった細かい部分にも気を配らなければなりません。対応が遅いのも消費者の心証を悪くします。購入したい物件について問い合わせして、すぐに連絡が来れば業者に対して良い印象を持ちます。インサイドセールスについては、他社に代行してでも対応を早くすべきです」(同)

 今後は消費者に対しての営業担当者の差別化が重要になるため、内勤業務はツールやアウトソースを通じて効率化し、不動産業者は対面での営業に専念すべきだと印南氏は主張する。なお、自身はYouTubeでの目標を定めておらず、本業のコンサルで事業の幅を広げていく方針だ。消費者による”買い手市場”にある不動産業界において、コンサルの依頼は増えていくかもしれない。

(取材・文=山口伸/ライター)