脱炭素と地政学が鉄鋼産業の勢力図を変え始めている。高炉から電炉へのシフトが進み、その主原料である鉄スクラップは、単なる廃材から各国が囲い込む“都市鉱山”へと変わりつつある。こうした変化を20年近く前から見据えていたのが三井物産だ。長らく「失敗投資」とみられてきた豪・米シムズへの出資から撤退しなかった背景には、次代を見据えた長期戦略があった。鉄鉱石の王者が仕掛ける“次の鉄資源”への布石に迫る。
三井化学は石油化学事業の分社化を打ち出すなど石化再編を主導してきた。2026年4月には、石化再編の実行に向けて、橋本修会長、市村聡社長の新体制に移行した。ただし、石化再編で大きく会社の形を変える三井化学は何で稼ぎ、どう成長していくのか。4月に社長に就任した市村氏を直撃。石化再編の「次」に描く成長戦略を聞いた。
2026年5月1日、住友商事は長年苦戦を強いられたマダガスカルのニッケル開発事業「アンバトビー」からの完全撤退を断行した。累計損失は4000億円規模に達し、撤退に当たっては逆に資金を支払って事業を譲渡するという異例の幕引きとなった。経済安全保障の重要資源とうたわれながら、なぜ20年もの間、巨額の赤字を垂れ流すプロジェクトを止められなかったのか。官民一体となった「国策」故の“やめられない構造”と、資本市場を意識する経営への転換を迫られた住友商事の苦悩を、経営幹部らの証言から浮き彫りにする。
脱炭素と地政学リスクの変動を背景に、鉄スクラップの価値が世界的に高まっている。高炉から電炉へのシフトが進み、かつて「廃材」だったスクラップは、各国が囲い込む“都市鉱山”へと変わりつつある。こうした中、豊田通商は2025年、米スクラップ大手を約1300億円で買収した。赤字企業への巨額投資は高値づかみなのか、それともEV(電気自動車)時代を見据えた資源戦略なのか。豊田通商が狙う「自動車循環網」の実像を追った。
脱炭素と地政学が鉄鋼産業の勢力図を変え始めている。高炉から電炉へのシフトが進み、その主原料である鉄スクラップは、単なる廃材から各国が囲い込む“都市鉱山”へと変わりつつある。こうした変化を20年近く前から見据えていたのが三井物産だ。長らく「失敗投資」とみられてきた豪・米シムズへの出資から撤退しなかった背景には、次代を見据えた長期戦略があった。鉄鉱石の王者が仕掛ける“次の鉄資源”への布石に迫る。
2026年5月1日、住友商事は長年苦戦を強いられたマダガスカルのニッケル開発事業「アンバトビー」からの完全撤退を断行した。累計損失は4000億円規模に達し、撤退に当たっては逆に資金を支払って事業を譲渡するという異例の幕引きとなった。経済安全保障の重要資源とうたわれながら、なぜ20年もの間、巨額の赤字を垂れ流すプロジェクトを止められなかったのか。官民一体となった「国策」故の“やめられない構造”と、資本市場を意識する経営への転換を迫られた住友商事の苦悩を、経営幹部らの証言から浮き彫りにする。
三菱商事が、再建を支えてきた千代田化工建設を連結子会社から持ち分法適用会社へと移行させる。2019年に700億円で取得した優先株を償還して約900億円を回収し、保有比率は普通株ベースの33.4%を維持する。表向きの理由は財務正常化と自立支援だが、市場では将来的な普通株売却をにらんだ「出口戦略」との見方も浮上する。三菱商事は約200億円の投資リターンを確保し、千代田化工はプライム市場復帰を視野に入れる姿勢を示す。両社の説明と市場観測を交錯させながら、資本関係見直しの本質と残る33.4%の意味を読み解く。
ホルムズ海峡の緊張が高まり、石油やLNG(液化天然ガス)の供給不安が再び世界を揺さぶっている。エネルギー安全保障が問われる中、総合商社は次の電源として「地上の太陽」と呼ばれる核融合への関与を強めている。米国では核融合スタートアップへの巨額投資が続き、実証炉建設も動きだした。日本の商社も出資や技術連携で参入し始めた。だが、その戦略は大きく異なる。技術エコシステム、サプライチェーン掌握、慎重な機会待ち――。核融合を巡り、商社の思惑が浮かび上がってきた。核融合という次世代エネルギーを巡り、住友商事と三井物産が描く異なる戦略と、その中で三菱商事がどう動くのかを読み解く。
日本の石油化学産業でかつてない地殻変動が起きる中、相次ぐ石化再編の主導的な役割を果たしているのが、三井化学の橋本修社長だ。業界では在任6年目のトップの去就に注目が集まっている。同社のトップ人事は、単なる一企業のトップ交代にとどまらず、石化再編の行方そのものを占うテーマでもあるからだ。いま三井化学は構造改革の「設計段階」から「実行段階」へ移行しており、誰がかじ取りを担うかは、そのスピードと深さを左右する。ポスト橋本の有力候補の実名とともに、本命・対抗の二つのシナリオを明らかにする。
伊藤忠商事が日立建機への出資比率を33.4%へ引き上げ、経営の重要事項を左右する「拒否権」を掌握した。2027年の「ランドクロス」への商号変更を前に約1800億円という巨額の追加投資を断行。しかし市場では、PERや利回りの観点から「高値つかみ」を懸念する声も根強い。生活産業に強みを持つ伊藤忠が、あえて機械分野への深入りを急ぐ「執念」の正体を追う。