“物理モデル革命”で製薬プロセスを最適化=Auxilartが挑む製造DXと市場戦略

●この記事のポイント
・Auxilartは、物理モデルに基づくデジタルシミュレーションで医薬品の製造プロセス開発を効率化し、コスト・時間・人手の大幅削減を可能にしている。
・製薬・創薬・デジタルの知識を統合した強みを持ち、製薬会社には技術提供、CDMOとは協業という柔軟な市場戦略を展開している。
・この技術は医薬品供給不足の解消にも寄与し、創薬業界に大きな変革をもたらし得る。

 東京大学発のベンチャーとして誕生したAuxilart(オキシルアート)株式会社は、医薬品製造のプロセス開発を効率化するデジタルシミュレーション技術を武器に、創薬業界の課題に真正面から挑んでいる。コスト・時間・人手の負担が重くのしかかる製薬の現場に、彼らはどのような変革をもたらそうとしているのか。Chief Operating Officerの沖田慧祐氏に話を聞いた。

●目次

創薬の“最後の壁”を効率化

 Auxilartが手がけるのは、医薬品の製造プロセス開発の効率化だ。

「私たちの強みは、物理モデルに基づいたデジタルシミュレーション技術を用いて、コストと時間を大幅に削減できるところにあります。もともとの技術は、東京大学 杉山・Badr研究室で開発されたもので、そこから事業化しました」(沖田氏、以下同)

 製薬業界では、医薬品を上市するまでに多大なコストと時間がかかっていることはよく知られている。その中であまり知られていないのが、医薬品の製造プロセス開発の工程だ。製造プロセス開発とは、医薬品を安全かつ安定・大量につくる製造方法を設計・最適化する工程である。この製造プロセス開発では、これまで、物理的な実験を何千回と繰り返しながら製造プロセスを最適化しなければならない。1つの医薬品に3000回もの実験、100億円規模のコスト、6年近くの歳月がかかることも珍しくない。

「それに比べ、私たちは製造プロセスにおける重要なパラメーター(温度、撹拌速度、濃度など)をシミュレーション上で検証・最適化できます。ほんのわずかな調整でも、数千リットル規模の生産では大きな影響が出ますから、これは極めて重要です」

“分断”された知識を統合するチームの強み

 大手製薬会社やCDMO(医薬品製造受託機関)との違いは何か――。沖田氏によると、それは“知識の統合力”だと言う。

「製薬会社の内部は縦割り構造になっていて、製造・創薬・デジタル、それぞれの部門が別々に動いているケースが多いんです。製造プロセス開発をデジタルシミュレーションで行うためには、実はそれらすべての知識が必要になる。私たちはその統合的な知見を、大学での研究から10年かけて蓄積してきました」

 それゆえ、Auxilartには“スタートアップでありながら大手にない競争優位性がある”と自負する。

【市場戦略】製薬会社には“提供”、CDMOとは“協業”

 では、同様の技術を大手企業が後追いで導入してくる可能性はないのか。この問いに対し、沖田氏は明快に答える。

「私たちは製薬会社とCDMOで戦略を分けて考えています。製薬会社には私たちの技術を直接“提供”していきます。一方で、CDMOとは一緒に製薬会社向けのプロジェクトを進める“協業”の形を取ります」

 CDMOは製薬会社からの受託によって動く立場であるため、自ら積極的に新しい技術を導入するケースは少ない。Auxilartはこの構造を理解したうえで、柔軟に戦略を切り分けているという。

医薬品供給不足にも貢献できる技術

 近年、医薬品の供給不足が社会的課題として注目されている。この問題にも、Auxilartの技術は一定の貢献ができるとの考えを示す。

「そもそも製造キャパシティが足りていないのが根本的な問題なんです。そこに対して、製造プロセスの開発が短縮されれば、新薬の生産開始までのタイムラインを大きく縮められます。これは中長期的に見て、非常にインパクトのある改善につながるはずです」

 Auxilartの技術は、製薬業界に確かな革命を起こしている。

東大IPCから起業支援を受ける

 Auxilartは2024年度、東京大学協創プラットフォーム株式会社(東大IPC)のアカデミア共催起業支援プログラム「1stRound」の第10回支援先に採択された。

 東大IPCは2016年、東京大学の100%出資で設立された投資事業会社で、主に「投資」「起業支援」「DEEPTECH DIVE」の3つの事業を行っている。「1stRound」は国内最大規模のコンソーシアム型インキュベーションプログラムで、それに採択されれば、スタートアップ企業が投資家から初回の資金調達(1stRound)をスムーズに受けられるよう、東大IPCから活動資金、専門家によるサポート、オフィス、ラボ、クラウドサービスなど、各種のリソースが提供される。

 東大IPC・1stRound Director 長坂英樹氏は、Auxilartの持つ技術の社会的意義や将来性について、次のように分析する。

「Auxilartは、わずかな実験データから製薬プロセスを数理的に再現・最適化する独自技術により、膨大な時間とコストを要する新薬開発の在り方を根本から変えようとしています。従来のAIを超える高い汎用性と外挿性を備えたモデルは、製薬業界にとどまらず、化学・再生医療など幅広い分野への応用可能性を秘めています。すでに海外大手製薬企業との連携が進む中、今後はSaaS化を通じてスケール性も確保し、プロセス開発のインフラとしての地位を確立することが期待されます。人々の健康に直結する産業において、創薬のスピードと質を飛躍的に高めるAuxilartの挑戦は、医療の未来そのものを変える可能性を持っています」

(取材=UNICORN JOURNAL編集部)

企業情報
社名:株式会社Auxilart
設立:2023年
所在地:東京都文京区本郷
代表者:代表取締役 CEO キム・ジュンウ
事業内容:製薬プロセス開発におけるデジタルシミュレーションツールの提供
URL:https://auxilart.com

「アップルがAI開発で出遅れている」という誤解…そもそもグーグルやOpenAIとは“目指すゴール”が異なる

●この記事のポイント
・AI開発の領域においてアップルが出遅れているといわれている
・アップルはオンデバイス処理やプライベートクラウドAIを軸に、ユーザーのプライバシーを守りながら体験を設計
・ChatGPTやGeminiのような汎用クラウド型モデルとは異なるアプローチを採用

 今月に「GPT-5」「GPT-oss」を発表して話題を呼んでいるOpenAI、「Gemini」の新機能を相次ぎリリースするグーグル、日本企業の間でも急速に普及している「Microsoft Copilot」を手掛けるマイクロソフト、「Llama」などに巨額の投資をするメタなど、大手テック企業による競争が熾烈化するAI開発の領域において、アップルの存在感が薄いといわれている。昨年以降、iPhoneなどアップル製品で順次リリースされている生成AI「Apple Intelligence」への評判はさまざまで、AI機能を強化した音声アシスタント「Siri」のアップグレード版のローンチも遅れているとされる。今年に入って以降は、主要なAIエンジニアの退社が相次いでいるという報道や、SiriにOpenAIやアンソロピックの技術を活用することを検討しているという報道も出るなど、AI開発に苦戦しているという印象を与える情報が目立つようになっている。スマートフォン市場では世界を制したアップルは、実際のところAI開発に苦戦しているのか。また、苦戦しているとすれば原因は何なのか。専門家への取材を交えて追ってみたい。

●目次

「LLM公開競争」には参加していない

 毎年秋恒例のiPhone新商品の発売。ネット上では今年の新作「iPhone 17」の発売日をめぐってさまざまな情報が飛び交い期待が高まっているが、そんなアップルをめぐってここ数年、指摘されているのがAIモデル開発の遅れだ。実際のところ、特段に遅れている状況なのか。システムエンジニアでライターの伊藤朝輝氏はいう。

「OpenAIやグーグル、メタが大規模なLLMを次々とリリースしているのに対し、アップルは長らく独自モデルを外部に公開してきませんでした。そのため、外部からは『出遅れている』と見られがちです。ただ、実際には技術力の不足というより、戦略上の違いが大きいと考えられます。アップルは、他社のようにAPI経由やクラウド上でLLMを提供するのではなく、iPhoneやMacといった自社デバイス上で安全に動作させることを重視しています。Apple Intelligenceとして展開しているように、オンデバイス処理やプライベートクラウドAIを軸に、ユーザーのプライバシーを守りながら体験を設計しているのです。これは、ChatGPTやGeminiのような汎用クラウド型モデルとは明らかに異なるアプローチです。つまりアップルは、いわゆる『LLM公開競争』には参加しておらず、そもそも異なるゴールを設定しているという印象です」

 Siriの評判がイマイチといわれることもあるが、それほど使い勝手や性能はイマイチなのか。

「Siriが『使えない』と感じられてしまう背景には、複数の要因があると考えられます。まず、日本語対応においては語順や敬語、曖昧な表現への理解力が英語と比べてまだ十分とは言えません。たとえば『これ、あとで教えて』といった曖昧な命令に対して、意図通りの応答が得られないことが多いのです。

 Apple Intelligenceの登場により、Siriの日本語処理や文脈理解は改善されつつあります。しかし、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)と比べると、自然な対話や柔軟な応答という点でまだ差があります。そのため、こうしたLLMを使い慣れているユーザーにとっては、Siriの一問一答的なやり取りや、『Webで検索します』といった応答が物足りなく感じられるのは無理もありません。

 アップル製品自体の完成度が高いために、Siriの古さや限界が余計に際立って見えるという側面もあります。実際には、音声処理やプライバシー設計といった『見えにくい部分』での進化も続いていますが、『時代の期待値にまだ追いついていない』という印象は拭えない状況です」(伊藤氏)

「他社技術をアップル流の体験として溶け込ませる」手腕こそが、アップルの強み

 そもそも、アップルは自前で「LLM Siri」のようなLLMを開発する必要があるのか。SiriなどのAI機能に他社のLLMを採用したとしても、アップルの競争力には大きな影響はないのではないか。

「短期的には、ChatGPTのような外部LLMを活用することで、アップルは十分に競争力を維持できると考えられます。実際、現在のApple Intelligenceでは、文章生成や校正の場面でChatGPTをOSレベルからシームレスに呼び出せるようになっており、ユーザーは特に意識せずにその恩恵を受けられます。この『他社技術をアップル流の体験として溶け込ませる』手腕こそが、アップルの強みです。重要なのは『どのLLMを使うか』ではなく、『それをどう体験として提供するか』なのです。

 ただし、長期的にはアップル自身がLLMを設計・制御できる体制を持つことが不可欠だと思います。アップルはハードウェアとソフトウェアを一体で開発して高い完成度を実現してきた企業です。同じようにAI体験も、デバイスやOS、プライバシー設計と深く結びつく領域だからこそ、最終的には自社製のLLMが必要になるでしょう。今は過渡期であり、外部との協業を活かしながら独自路線を着実に進めている段階だといえます」(伊藤氏)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=伊藤朝輝/ライター、システムエンジニア)

BPaaSで顧客対応・カスタマーサービスの品質・効率向上…主要サービス4選と導入成功のポイント

●この記事のポイント
・カスタマーサービスの効率的な運用とコスト管理が課題、BPaaSの活用が注目
・問い合わせ対応、クレーム処理、チャットサポート、ヘルプデスク運営、顧客データ管理などをカバー
・主要な顧客対応向けBPaaSサービス4選

 現代の企業経営において、顧客満足度は競争力の要となっている。カスタマーサービスは顧客との重要な接点でありながら、効率的な運用とコスト管理が課題だ。こうした背景から注目されているのが「BPaaS(Business Process as a Service)」である。クラウド技術とアウトソーシングを融合し、AIや専門スタッフの支援を活用して、迅速かつ高品質な顧客対応を実現するサービスだ。本記事では、顧客対応業務向けBPaaSの概要とメリット、代表的なサービスを紹介する。

●目次

 BPaaSはクラウドベースで業務プロセスを提供し、SaaSとBPOを組み合わせたサービスモデルだ。顧客対応では問い合わせ対応、クレーム処理、チャットサポート、ヘルプデスク運営、顧客データ管理などをカバーする。さらには、AIチャットボットによる自動応答や専門スタッフによる複雑案件対応を組み合わせ、質と効率の両立を図る。

【主な特徴】
・クラウド運用によるスケーラビリティ:リアルタイムデータ管理とリモートワーク対応
・AIと自動化の活用:定型問い合わせの自動処理で人的対応を最適化
・専門家によるサポート:高品質な対応を保証しエスカレーションにも対応
・柔軟な料金体系:初期投資を抑えつつ業務量に応じた課金

 世界市場では2022年から2032年にかけて大幅な成長が見込まれ、国内企業でも導入が加速している。

主要な顧客対応向けBPaaSサービス4選

 ここからは、国内で普及している主要な顧客対応向けBPaaSサービスを紹介する。

1. Salesforce
セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型CRMプラットフォーム。営業、マーケティング、カスタマーサービスを一元管理し、AI(Einstein)を活用した自動化やデータ分析で業務効率化を実現する。マルチチャネル対応や高いカスタマイズ性で、中小企業からグローバル企業まで幅広く利用可能。

2. Zendesk
チケット管理、AIチャットボット、マルチチャネル(メール、チャット、電話、SNS)で顧客対応を効率化するサービス。Freddy AIによる自動応答や分析ダッシュボードにも対応。中小企業から大企業まで対応し、低コストで導入可能な点も人気。

3. ServiceNow
ITサービス管理(ITSM)や顧客対応を効率化し、AI駆動のワークフローで問い合わせの自動化やケース管理も支援。セルフサービスポータルや外部システム(CRM、ERP)との統合が特徴。マルチチャネル対応で顧客体験を向上させ、中堅・大企業向けのBPaaSとしてDXを推進する。

4. ビジュアルIVR
NTTコムが提供するクラウド型サービス。顧客はスマートフォンやPCでメニューをタップし、FAQやチャットボットで自己解決可能となる。データベース連携に強く、高速メール配信や顧客管理を効率化。顧客体験向上とコールセンター負荷軽減を実現させている。

導入成功のポイントと今後の展望

 導入時は自社業務との適合性確認、厳格なセキュリティチェック、充実したサポート体制の確認が不可欠となる。また、料金体系の透明性も重要な判断材料だ。今後は生成AIや自然言語処理の進化で自動化・パーソナライズの精度向上が加速すると考えられるため、労働力不足が深刻化する国内市場において、BPaaSは競争力維持のカギとなるだろう。さらには、法改正やテレワーク普及によるニーズ拡大も追い風だ。

 顧客対応業務向けBPaaSは、AIとクラウド技術、専門スタッフの知見を活用し、効率的かつ高品質なカスタマーサービスを実現する。多様なサービスを適切に選ぶことで、企業は顧客満足度向上とコスト削減を無理なく両立できるだろう。DX時代の顧客対応の未来を切り開く重要なツールとして、今後も顧客対応業務向けBPaaSの普及が期待される。

(文=齋藤めぐみ/有限会社リーゼント、ライター)

【一次産業×脱炭素で地球を救う #2】牛のふん尿が、カーボンクレジットに。酪農・畜産の脱炭素最前線

「牛が地球を温めている」──そんな話を聞いたら、驚く方も多いかもしれません。

 畜産や酪農は、自然と共にある産業というイメージとは裏腹に、実は世界の温室効果ガス(GHG)排出量の約14.5%を占めています。主要因は、牛のげっぷやふん尿に含まれるメタンや亜酸化窒素です。

 本連載【一次産業×脱炭素で地球を救う】では、これまで環境配慮とは縁遠いとされてきた一次産業の現場が、脱炭素とどう向き合っているのかを追っていきます。第2回は、畜産・酪農業界で始まった“クレジット創出”という変革を紹介します。

なぜ畜産・酪農が温暖化の元凶と言われるのか

 国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の温室効果ガス(GHG)の総排出量の約14.5%は畜産由来。とりわけ牛は大量の水や餌が必要なほか、ゲップやおならにメタンが多く含まれ、家畜別のメタン排出割合の7割超を占めています。畜産分野の中でも、特に牛から出る排出量は年間約47億トン(CO₂換算)に上ります。これは中国に次ぐ、国レベルの排出量となっています。さらに日本国内では、約1500万トン(CO₂換算)が排出されており、そのうちの8割を乳用牛と肉用牛が占めています。

 しかし、一般には温暖化は製造業などの第2次産業が主因との印象が強く、畜産・酪農分野が温暖化の一因であるという認識は広まっていません。一時的に牛のげっぷによるメタン排出が注目されたものの、家畜のふん尿によるメタンガスの排出については、畜産・酪農従事者の間でも十分に認識されていないのが実情です。

 GreenCarbon株式会社の事業企画本部 国内企画部 事業部長 土居海斗さんは「第1次産業も温暖化の一因であり、改善の余地があることを畜産酪農の分野での共通認識としなければいけない」と話します。また、対応策が不足しているため、改善に向けた取り組みが進みにくいことも大きな課題だといいます。

ふん尿が「価値」に変わるメカニズムとは

 こうした課題に対し、GreenCarbonが挑むのが「家畜のふん尿の強制発酵によるJ-クレジット創出」です。ふん尿から発生するメタンガスや一酸化二窒素を削減し、その削減分をクレジットとして活用しています。

 従来は、ふん尿を集積し、半年程度かけて発酵する「堆積発酵」が主流で、この間、温室効果ガスが継続的に発生します。一方、強制発酵では専用の発酵設備を導入し、数日で発酵を完了させることで、温室効果ガスの発生を抑制できるのです。さらに、「バイオガス発電」や「放牧」など、発酵手法の工夫による温室効果ガス削減も進められています。

 この手法は、温室効果ガスの削減に止まらず、従来の畜産・酪農業界の課題解決にも貢献します。

 たとえば、以下のような課題に対応できます。

  • ふん尿から発生する悪臭
  • 飼料コストの高騰
  • 人手不足による作業負荷の増大

などの課題に対して強制発酵の導入により屋外でのふん尿集積が不要となり、発酵期間の短縮によって臭気も軽減されます。また、発酵管理作業の工数削減により、労働負担の軽減にもつながります。

 さらに、近年高騰が続く飼料コストへの対策にもなります。酪農家にとって、飼料コストは約半分を占めており、その飼料コストは16年間で2倍以上に高騰しています。この対策としても、副収入となるクレジット収益の確保や、強制発酵の副産物としての敷料(牛の寝床となるもの)が自家生産できる利点があります。

ほぼ初期費用なし導入可能、Green Carbonの農家支援モデル

 導入効果が高い一方で、設備導入にかかる初期コストの大きさや、強制発酵によるクレジット創出の仕組みが広く知られていない点が普及の障壁となっています。

 こうした状況を踏まえ、GreenCarbonでは次のようなアプローチを進めています。
「強制発酵設備を導入して2年以内の農家さんには、我々の家畜のふん尿由来J-クレジットの創出プログラムへの参加をお声がけしています。これは、クレジット登録が設備導入から2年以内でなければならないためです」と土居さんは説明します。

 設備を導入したもののクレジットの申請のやり方が分からない方、クレジットのことを知らず設備を導入していた方など、登録が可能な方はGreen Carbonが申請をサポートしているとのこと。

 さらに導入検討中の農家の方々に対しては、初期費用を抑えた導入スキームと、クレジット創出支援をセットで提供しています。「ほぼ初期費用なしで設備導入ができる仕組みを整えており、経済的支援とクレジット収益の両面からサポートしています。さまざまなスキームを作っていますが、現在は特に多くの乳牛を飼育している農家での展開をスタートしていますので、ぜひ一緒にクレジット創出を進めたい」と土居さんは語ります。

雪印メグミルク・北海道銀行との連携で挑む、クレジット創出プロジェクト 

 こうした取り組みに加え、GreenCarbonは雪印メグミルク、北海道銀行と連携し、酪農家への支援プロジェクトを開始しました。これにより、設備導入・申請手続きから、クレジットの創出・販売まで一貫して支援しています。雪印メグミルクは8年間にわたりクレジットを継続購入することを決定しており北海道銀行を通じて農家や販売先の拡充も見込まれています。

「農家さんが懸念する申請の煩雑さや販路の確保といった点を、我々が担うことで解消したい」と土居さんは話します。企業にとっても、安定したクレジット供給源となり得ます。

 これまで、酪農由来のJ-クレジットは過去10年間で約149トンの発行に留まっていましたが、本プロジェクトでは北海道だけで8年間に約1万1500トンの創出を見込んでいます。背景には、酪農由来のクレジット需要の高まりと、GreenCarbon申請・販売を一括で行うことで、創出の大規模化が可能になったことがあります。

 土居さんは「今回のプロジェクトは、全国展開の足掛かりになると考えています。今後は各地域の農家や金融機関、設備事業者と連携し、取り組みを広げていきたい」と意気込みを話します。

クレジットがつなぐ、一次産業とサプライチェーンの脱炭素連携

 脱炭素の取り組みが広がるなか、土居さんは「温室効果ガス削減元の可視化とカーボンインセット」が鍵だと語ります。

 カーボンインセットとは、企業が自社のサプライチェーン上の温室効果ガス削減を排出量に反映したり、削減支援を行ったりする仕組みのこと。たとえば、乳業メーカーが自社のサプライチェーン上にある酪農家が創出したクレジットを購入したり、設備投資を支援したりするケースがあります。そのためには、企業や農家がどれだけ排出を削減しているかを「見える化」する仕組みが必要です。

 現在、多くの業界がこの可視化に課題を抱えており、GreenCarbonでは今後、可視化を支える枠組みづくりをすすめていく考えです。

「GreenCarbon単独では限界があります。だからこそ、関係企業との連携や、これまで培ってきたクレジット創出のノウハウ、農家との信頼関係を生かし、脱炭素社会の実現に貢献したい」と土居さんは話します。

 今回の家畜のふん尿由来J-クレジット創出プロジェクトや、雪印メグミルク・北海道銀行との連携は、第一次産業の脱炭素化において、GreenCarbonがリードカンパニーとなる第一歩になるのではないでしょうか。

 畜産や酪農は、地球温暖化の「原因」から「解決の担い手」へと歩みを進めています。その背後には、現場に根差し、課題と向き合いながら新たな仕組みを築こうとする人々の努力があります。

 環境課題の解決と業界の持続可能性の両立──その両輪をまわすことこそが、今、一次産業に求められています。

※本稿はPR記事です。

データセンターの冷却効率化=消費電力減へ技術開発支援―環境省

 環境省は、データセンターの消費電力を低減するため、冷却システムの効率化を支援する方針を固めた。生成AI(人工知能)の普及で、国内ではセンターの新増設が今後も見込まれることから、省エネルギー化につながる冷却技術の開発に取り組む事業者に補助する。2026年度予算概算要求に関連経費約18億円を計上する。

 センター内で24時間稼働するサーバーやネットワーク機器は大量の熱を放出することから、故障や誤作動防止のため、空調などで冷却されている。冷却に要する消費電力は、センター全体の約3割に上るという。

 発熱量は、サーバーの処理能力向上に伴って増加し、今後約10年でセンターや半導体工場で必要となる電力量は約6%増える見込みだ。一方、政府は50年までに脱炭素社会の実現を掲げており、従来の空調よりもエネルギー効率が高い冷却技術の開発を急ぐ。

 具体的には、施設内に水を循環させたり、サーバーなどを特殊な液体に完全に浸したりして冷やす方式を念頭に、事業者への支援を行う方針。センターの規模や設置条件にかかわらず、安価で効率的な冷却設備が普及するよう後押しする考えだ。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/08/20-18:17)

いつも混雑のサイゼリヤが、集客力アップの施策「朝食メニュー」を1店舗限定で始めた理由

・「サイゼリヤ」が、1店舗限定で朝食セットメニュー「朝サイゼ」を提供していることが話題を呼んでいる
・手間がかからずオペレーションも軽いメニュー構成のため、全体でみると人手不足と人件費高騰の影響を和らげられる
・セットメニュー化して単品メニューより高い価格を設定することで、利幅を確保しやすいという面も

 イタリアンチェーン「サイゼリヤ」が、1店舗限定で朝食セットメニュー「朝サイゼ」を提供していることが話題を呼んでいる。店舗は東京都・江東区の「大島ピーコックストア前店」で提供時間は午前7時〜10時。サイゼリヤの業績は好調だ。2024年9月~25年5月期連結決算は、売上高が前年同期比15%増の1883億円、純利益は同50%増の77億円と好調で、店舗は『常に混雑している』というイメージも強く、集客に困っている様子はみえない。にもかかわらず、なぜサイゼリヤは、さらなる集客策ともいえる「朝サイゼ」を発売したのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

幅広い層の方が働ける環境をつくる

 国内に1038店舗、海外に531店舗(2024年8月期)を展開するサイゼリヤといえば、リーズナブルな価格でクオリティの高い料理を楽しめ、多くのファンを持つことで知られる。200円の「柔らか青豆の温サラダ」、300円の「辛味チキン」「ミラノ風ドリア」「ポップコーンシュリンプ」、400円の「ミートソースボロニア風」などお手頃な価格で味わえる人気メニューを抱えている。

 前述のとおり国内既存店の売上は好調であり、常に混雑しているイメージも強く集客に困っている様子はみえないが、さらなる集客力強化策とみられる朝食メニューを始めた理由は、何であると考えられるのか。店舗で実食し「コスパ的に非常に優れている」と評価するフードアナリストの重盛高雄氏はいう。

「従来の低価格路線を打ち破って、新しいお客さんに来ていただくための試行錯誤をしているのではないでしょうか。基本的にサイゼリヤは7~9時台という朝早い時間帯は営業していませんが、その時間帯も営業して通常のメニューとはがらっと変わったメニューを展開して、これまでと違った客層を呼び込もうとしているようにみえます。実際に私が店内で観察した限りでは、ご高齢の方が朝メニューを注文している傾向がみられました。一方、若年層は『ミルクジェラート』やドリンクバーに好みの単品メニューを組み合わせて注文するお客さんが多いようでした。

 また、朝のみのオリジナルメニューは『焼きシナモンフォッカチオ』と、『パンチェッタとチーズのパニーニ』の2種類であり、店舗側としては手間がかからずオペレーションも軽いため、手間がかかるメニューではなく朝メニューを選ぶ人が増えれば、全体でみると人手不足と人件費高騰の影響を和らげられるというメリットもあるでしょう。サイゼリヤの店舗の従業員には若い方以外の方も多く見受けられますが、特に人材の奪い合いが進行している外食業界では、年齢・国籍・性別問わず幅広い層の方が働ける環境をつくるということが重要になってきます。

 セットで選ぶことができるポテトとドリンクバーは日常的にサイゼリヤで提供されているものなので、それに『焼きシナモンフォッカチオ』か『パンチェッタとチーズのパニーニ』を追加すれば済みます。セットメニュー化して単品メニューより高い価格を設定することで、利幅を確保しやすいという面もあるでしょう。特にサイゼリヤは『値上げをしない』と宣言しているため、その点は重要な要素かもしれません」

新たな客層を取り入れていくことの重要性

「値上げをしない」と宣言しているサイゼリヤだが、原材料費や人件費が高騰するなかで増収増益、特に純利益は大幅な増益となっている要因はなんなのか。

「店内の客層を観察してみると、これまで居酒屋系で食事をしていた職場関係のグループ客などが、サイゼリヤに流れてきているように見受けられます。そうしたこともあり、サイゼリヤはいつ行っても常に満席に近い状況ですし、DX導入などで店舗オペレーションも非常に効率的に回している印象を受けるので、これらが増収増益につながっていると考えられます。

 集客には困っていないようにみえるといっても、やはりお客様に来ていただいて売上が伸びないと利益は上がりませんし、そのために、これまでは“空いている時間帯”だった朝という時間帯も営業することで、新たな客層を取り入れていくことは重要となってくるでしょう」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

いつも混雑のサイゼリヤが、集客力アップの施策「朝食メニュー」を1店舗限定で始めた理由

・「サイゼリヤ」が、1店舗限定で朝食セットメニュー「朝サイゼ」を提供していることが話題を呼んでいる
・手間がかからずオペレーションも軽いメニュー構成のため、全体でみると人手不足と人件費高騰の影響を和らげられる
・セットメニュー化して単品メニューより高い価格を設定することで、利幅を確保しやすいという面も

 イタリアンチェーン「サイゼリヤ」が、1店舗限定で朝食セットメニュー「朝サイゼ」を提供していることが話題を呼んでいる。店舗は東京都・江東区の「大島ピーコックストア前店」で提供時間は午前7時〜10時。サイゼリヤの業績は好調だ。2024年9月~25年5月期連結決算は、売上高が前年同期比15%増の1883億円、純利益は同50%増の77億円と好調で、店舗は『常に混雑している』というイメージも強く、集客に困っている様子はみえない。にもかかわらず、なぜサイゼリヤは、さらなる集客策ともいえる「朝サイゼ」を発売したのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

幅広い層の方が働ける環境をつくる

 国内に1038店舗、海外に531店舗(2024年8月期)を展開するサイゼリヤといえば、リーズナブルな価格でクオリティの高い料理を楽しめ、多くのファンを持つことで知られる。200円の「柔らか青豆の温サラダ」、300円の「辛味チキン」「ミラノ風ドリア」「ポップコーンシュリンプ」、400円の「ミートソースボロニア風」などお手頃な価格で味わえる人気メニューを抱えている。

 前述のとおり国内既存店の売上は好調であり、常に混雑しているイメージも強く集客に困っている様子はみえないが、さらなる集客力強化策とみられる朝食メニューを始めた理由は、何であると考えられるのか。店舗で実食し「コスパ的に非常に優れている」と評価するフードアナリストの重盛高雄氏はいう。

「従来の低価格路線を打ち破って、新しいお客さんに来ていただくための試行錯誤をしているのではないでしょうか。基本的にサイゼリヤは7~9時台という朝早い時間帯は営業していませんが、その時間帯も営業して通常のメニューとはがらっと変わったメニューを展開して、これまでと違った客層を呼び込もうとしているようにみえます。実際に私が店内で観察した限りでは、ご高齢の方が朝メニューを注文している傾向がみられました。一方、若年層は『ミルクジェラート』やドリンクバーに好みの単品メニューを組み合わせて注文するお客さんが多いようでした。

 また、朝のみのオリジナルメニューは『焼きシナモンフォッカチオ』と、『パンチェッタとチーズのパニーニ』の2種類であり、店舗側としては手間がかからずオペレーションも軽いため、手間がかかるメニューではなく朝メニューを選ぶ人が増えれば、全体でみると人手不足と人件費高騰の影響を和らげられるというメリットもあるでしょう。サイゼリヤの店舗の従業員には若い方以外の方も多く見受けられますが、特に人材の奪い合いが進行している外食業界では、年齢・国籍・性別問わず幅広い層の方が働ける環境をつくるということが重要になってきます。

 セットで選ぶことができるポテトとドリンクバーは日常的にサイゼリヤで提供されているものなので、それに『焼きシナモンフォッカチオ』か『パンチェッタとチーズのパニーニ』を追加すれば済みます。セットメニュー化して単品メニューより高い価格を設定することで、利幅を確保しやすいという面もあるでしょう。特にサイゼリヤは『値上げをしない』と宣言しているため、その点は重要な要素かもしれません」

新たな客層を取り入れていくことの重要性

「値上げをしない」と宣言しているサイゼリヤだが、原材料費や人件費が高騰するなかで増収増益、特に純利益は大幅な増益となっている要因はなんなのか。

「店内の客層を観察してみると、これまで居酒屋系で食事をしていた職場関係のグループ客などが、サイゼリヤに流れてきているように見受けられます。そうしたこともあり、サイゼリヤはいつ行っても常に満席に近い状況ですし、DX導入などで店舗オペレーションも非常に効率的に回している印象を受けるので、これらが増収増益につながっていると考えられます。

 集客には困っていないようにみえるといっても、やはりお客様に来ていただいて売上が伸びないと利益は上がりませんし、そのために、これまでは“空いている時間帯”だった朝という時間帯も営業することで、新たな客層を取り入れていくことは重要となってくるでしょう」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

広告効果の新指標「アテンション」が示す、Spotify広告の可能性

広告を通して生活者と真のエンゲージメントを構築するのが難しい時代。業界では、新しい広告指標である「アテンション(広告に注意が向けられたか)」が注目されています。

本記事では、スポティファイジャパンと電通ジャパン・インターナショナルブランズ(※1)の共同調査レポート「音楽ストリーミング広告のブランドへの影響力」(2025年4月1日発表)をもとに、アテンションが示す、Spotify広告の可能性について、エビデンスを交えながら紹介します。

なぜ、アテンションが注目されているのか?

近年、コンテンツの視聴スタイルは大きく変化しています。スマホ上ではショート動画が絶え間なく流れ続け、簡単にスワイプして他の動画にスキップできてしまう。他にも、スマホでSNSを見つつ、テレビデバイスで動画を視聴することも一般的になりつつあります。デジタル環境は多様で、その中に広告を出稿するクライアントにとっては、広告によって生活者の興味関心を引き、真のエンゲージメントを築くのが難しくなっています。

広告の効果測定の代表的な指標にインプレッションがあります。これは長らく日本でも使われていますが、実際にユーザーが広告を見たかどうかは問わない指標でした。他の指標としてはビューアビリティがあり、こちらはインプレッションより一歩進んだ指標であるものの、ユーザーが実際に広告に注目したかまでは評価できません。そのため、広告主は前述した2つの広告指標に加えて、「アテンションベースの指標」を取り入れ始めています。

Spotify

アテンションは、世界中で実施された大規模なアイトラッキングや行動観察の研究結果をもとに開発されたアルゴリズムによって測定されます。「広告そのものへの集中度を捉えられる」ことが、前述した2つの指標との大きな違いで、広告がユーザーに実際に視認されていたか、どれくらいの時間注目されていたかを正確に評価できます。

「アテンションベースの指標」は、広告が「見られたか」ということに加えて、「本当に視聴者の心を捉えたか」を測るためのものです。「アテンションベースの指標」を広告効果測定に取り入れることで、マーケターはキャンペーンの成果を包括的かつ意味のある形で評価して、より効果的なメディア戦略を立案することができます。

アテンションの主要指標は、「Attention per mille(APM)」で、下記のように算出します。

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APMにより、1000インプレッションあたり、どれだけのアテンションが得られたかを評価できます。さらに、APMを広告メディアごとに計測すれば、各メディアの広告インプレッションの「質」を比較することもできます。

これまで多くの場合、すべてのインプレッションはどのメディアや広告でも同じ価値を持つという前提に基づいて、メディアプランニングが行われていました。 しかし、この前提では、テレビ、ソーシャルメディアのインフィード、プリロール広告など、メディアが変われば1つの広告にかかる費用と効果も大きく異なることは考慮されていませんでした。

海外のグループも含めたdentsuでは、2019年より米国・英国・豪州の拠点で有数の媒体社の協力を得て、調査レポート「Attention Economy」を発表しました。Attention Economy調査は、業界初のアテンションに特化したグローバル調査であり、その規模と範囲において世界最大級の取り組みです。

この調査では、アイトラッキングやAI技術を活用し、ユーザーの視線・視聴行動をもとに広告へのアテンションを可視化・数値化することで、「表示された広告」ではなく「実際に届けられた広告価値」を評価する新たな基準の確立を目指しています。

また、近年では日本国内でもSpotifyやLumen Research(以下、Lumen社)(※2)、Realeyes(※3)などのパートナー企業と協力し、APMを用いた調査を開始しており、高いアテンションを得た広告はブランド想起にも寄与することが明らかになっています(※4)。

下記のグラフは、アテンションエコノミー調査において、各広告素材のアテンション別のブランド想起率を示したものです。平均視聴時間が長くなるほど、ブランド想起率が高くなっているのが分かります。アテンションが高い(広告の平均視聴時間が長い)ほど、ブランド想起率(特定のカテゴリーの中で、消費者が最初に思い浮かべるブランド名や商品名の割合を表す指標)を高める効果が確認できます。一方でビューアビリティはブランド想起率の向上とそれほど相関が見られません。

Spotify
Each data point represents a test ad: sample size (20), excluding outliers and live streaming

電通ジャパン・インターナショナルブランズには、アテンション調査についての問い合わせが増えており、日本においても、広告効果指標にアテンションを導入するクライアントの事例も増えています。同社が担当するグローバルクライアントの中でも、2024年にはアテンションをメディアKPIの1つとして設定し、媒体を横断して計測・評価する取り組みがありました。また、アテンション効果の可視化だけでなく、アテンションパフォーマンスが高い媒体、プレースメントに対して配信を強化するなどの最適化も加速しています。

Spotify広告は、アテンション継続が強み

アテンションエコノミー調査では、Lumen社の最新のアイトラッキング技術を用いて、各プラットフォームのデジタルフォーマット広告のアテンションを調べました。Spotifyの動画広告も調査対象の1つです。

一方、音声広告はこの技術で計測することはできません。そこで、Lumen社と継続した研究を行っているdentsuは、同社との独占的なパートナーシップにより、音声広告のAPMを高い精度で推定できるアルゴリズムを活用しました。このアルゴリズムは、

・広告接触時間
・ブランド想起
・ブランド選択の向上
・強制的・自発的アテンション

といったAPMに影響するもろもろの要因について膨大なデータに基づいた分析から開発されました。

調査の結果、多くの調査対象の広告フォーマットで、広告が表示されてからのアテンションが2,3秒で半分程度に落ちるのに対し、Spotifyの広告はアテンションが最後まで継続する傾向にあることが分かりました。

Spotify
※調査は、各プラットフォームの広告フォーマットごとに比較。上記グラフはそのうちのいくつかを抜粋。
※アルファベットは「インストリーム広告」など、複数のプラットフォームで同じ広告フォーマットがある場合の識別のため、グラフごとにランダムに付与。グラフごとに付与しているため、記事内のグラフにある調査対象フォーマットは同一のものとは限らない。
※同一ブランドのクリエイティブを複数フォーマットで仕様するなど、クリエイティブ素材による影響は極力抑えるよう設計。

同じデータをAPMの指標で確認すると、Spotifyの動画広告は、調査対象の「インストリーム広告A」のフォーマットに比べて約3倍、「SNS広告B」のフォーマットに比べて約5倍のアテンションを獲得。音声広告でも高い効果となりました。

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他にも、同じSpotifyの動画広告と音声広告は、長い尺の素材でもアテンションが持続していたため、APMも秒数が長くなるほど高くなっていました。この結果からSpotifyは、広告配信が可能な最大30秒の素材でも効果的であると言えそうです。

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なぜSpotify広告のアテンションは動画・音声とも高いのか?

Spotifyの動画広告と音声広告においてアテンションが高い主な理由はいくつか考えられます。1つ目は、アプリ全体のUXがスムーズで心地よく、ユーザーを引き込む設計になっていること。2つ目は、広告に対する受容度が高い点。Spotify上のコンテンツが非常に魅力的であるため、ユーザーは「少しの時間を広告に当てても、その後に聴きたい音楽やコンテンツを楽しめるならそれでいい」と考えるのではないかと推察します。

そして3つ目は、スキップするための機会コストが高い点が挙げられます。Spotifyの音声広告は、楽曲と楽曲の間に配信されます。楽曲の再生を遮って広告が流れることはありません。動画広告も、基本的には音声広告と同じで、楽曲と楽曲の間に、かつユーザーが画面を操作するなど、画面を見ていると判断できるタイミングにのみ流れます。

いずれの広告もスキップできない仕様となっているため、ユーザーは自然と広告を視聴・聴取する流れになります。そのため、ユーザーはコンテンツの一部として広告を受け入れる傾向があり、ブランドメッセージが届きやすい環境が形成されています。
 
このように楽曲を楽しむユーザーの体験を重視した設計のため、スポティファイジャパンの別の調査では、日本の85%のユーザーがSpotify広告は「押しつけがましくない」と回答しています。

またSpotifyのグローバル調査でも、Spotifyのコンテンツへのエンゲージメントがほぼそのまま広告のエンゲージメントに移行しているというデータもあります。

Spotifyのブランドセーフな広告配信環境は、配信面を気にしている多くのブランドから評価されています。例えば、音声広告素材を持っていない広告主が、動画広告のみでもSpotifyに継続的に出稿されるケースもあるほどです。

こうしたSpotifyの広告特性から、Spotifyユーザーは、動画広告と音声広告いずれに対してもアテンションを持続しやすい傾向があるのだと考えられます。

実際にSpotifyの音声広告によるブランドリフトサーベイ(BLS)を収集して解析したメタ分析結果によると、フリークエンシー(1人のユーザーが広告に接触する回数)を6、7回、もしくは8回以上重ねても、ブランド認知効果や、興味・関心、購入・利用意向を高める効果が確認できています。これも高いアテンションが持続している中で、ユーザーが「押しつけがましくない」と感じているためだと考えられます。

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他にも、KDDIの広告キャンペーンでは、Spotifyの音声広告を実施した直後と2週間後で、ブランド認知の残存効果を、他のメディアの動画広告と比較しました。すると、キャンペーン直後を100%とした場合、Spotify音声広告は、動画広告と比べ1.6倍ブランド認知が持続しました。

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ブランドやキャンペーンを、効率よく効果的、かつブランドセーフな環境でユーザーに認知してもらい、忘れられにくい形で認知を持続させることは、多くのマーケターにとって重要な課題です。Spotifyの動画広告と音声広告は、この課題に対する有効なソリューションになるでしょう。

ユーザーをとりまくデジタルメディアの環境がより複雑になる中で、Spotify広告は動画・音声の両方でアテンションの観点から強いインパクトを残せる可能性があります。電通グループとスポティファイジャパンでは、今後もSpotify広告の効果について研究を続けていきます。

※1 電通ジャパン・インターナショナルブランズ:オンライン・オフラインの統合メディアプランニングおよびコンサルティングを行っている企業。

※2 Lumen Research :Lumen Researchは視線計測に基づく大規模な生体データセットを使用して、人間のアテンションに関する理解を深め、アブランドがアテンションを行動に変える支援を提供する、世界でも有数のアテンション・テクノロジー企業。オンラインおよびオフラインメディア全体における消費者の広告視聴行動を理解すべく、クリエイティブなアテンション調査のため特許取得視線計測技術を初めて開発し、ブランドがあらゆる種類のメディアでアテンションに基づく広告を計画、購入、測定、最適化できるよう注力し進化を続けている。

※3 Realeyes:Realeyesは人間のアテンションや感情反応を測定・予測するコンピュータビジョンAIにおいて世界をリードする企業。90を超える市場で200超の顧客から信頼を得たRealeyesのPreViewソリューションは、認知から販売に至るまでの成果がつながるよう幅広く検証され、人間と合成測定を組み合わせ、あらゆる広告の効果を高める。Mars、Meta、Googleおよびdentsuをはじめとした数々の企業と提携している。

※4 詳細は、電通ジャパン・インターナショナルブランズが2024年10月に発表したレポート「広告効果における新指標:アテンションエコノミー」をご覧ください。


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首都圏の新築マンション、ついに年内、値下がりの兆候?売り出し価格と成約価格の差が拡大

●この記事のポイント
・新築マンションの発売から成約までの期間が徐々に長くなり、100日を超えた
・一部ではリセールバリューが購入時より低下するエリアも出始め
・専門家は「年内の秋頃から冬頃にかけて、値下がりが始まる可能性がある」と指摘

 値上がりを続けてきた首都圏のマンションに異変が起きている。新築マンションの発売から成約までの期間が徐々に長くなり、一つの目安となる100日を超えた。加えて、一部ではリセールバリューが購入時より低下するエリアも出始めているという。専門家は「年内の秋頃から冬頃にかけて、値下がりが始まる可能性がある」と指摘する。住宅販売市場に起きている変化について追ってみたい。

●目次

発売から成約までの期間が長くなりつつある理由

 発売から成約までの期間が長くなりつつある理由について、住宅ジャーナリストの山下和之氏はいう。

「価格が高くなりすぎているなど、買う側にとっていろいろ問題が生じているということではないでしょうか。価格が高くなれば、多額のローンが必要になり、ローンの手当てに時間がかかる、場合によってはローンが下りない。例えば5000万円のローンを組む予定だったのが、それでは足りなくなって6000万円組まないと買えなくなり、銀行は『あなたの年収では6000万円は組めません』と判断するケースなどです。そうなると購入検討者は自己資金を増やす必要があり、親に頼み込んだり他の銀行に貸してくれるよう交渉したりと時間がかかる。場合によっては、購入をやめたり、価格を下げて物件を再検討したり、エリアを変えるといったことが必要になってきます。たとえば、築20年の中古マンションを買おうと思っていたけど、価格が上がって買えないので、築30年、40年の物件まで選択肢を広げてみるという人もいるでしょう。

 東日本不動産流通機構が公表している築年別の成約価格をみると、築5年未満の築浅マンションのほうが、新築マンションより高いという例も出ています。なぜかといえば、新築マンションの供給が少なくなって、エリアによっては新築マンションが出てこないので、新築の相場よりも高い価格で取引されるような現象が起きているのです。ですが築10年を超えると段階的に下がってきて、築30年以上になると首都圏でも2000万円ぐらいにまで下がり、築浅マンションの3分の1くらいの価格で買えるようになります。買う側は、こうしたことを検討する時間が必要になってきており、成約までの時間が長くなってきています。

 2000~22年にかけては、販売から成約までの平均期間が70~80日くらいで、ミニバブルといえる状況で住宅価格が急速に上がり、多くの人が『早く買っておかないといけない』と買い急ぐ傾向が強くなりました。ですが23~24年に入ると高くなりすぎて『もう手が届かない』ということで購入が難しくなってきています。この状況はおそらく今年も続くでしょう。

 都心の2~3億円する超高層マンションは外国人も含めた超富裕層が現金で買うので、相変わらず発売後すぐに売れます。一方で、一般の人々が買うような5000~6000万円レベルの物件は、年内に価格はほぼ天井を打って横ばいから多少下がる傾向も出てくると思いますが、それでもまだ高いので、発売から成約までの日数は長くかかると考えられます」

リセールバリューが下がっているエリアも

 首都圏でも一部でリセールバリューが下がっているエリアが出てきてる。

「東京カンテイのデータでは、首都圏にある駅のうち10年前に分譲されたマンションのリセールバリューが下がっているのは9駅。山手線の内側は概ね1.5倍以上、都心5区だと2倍くらいになっています。下がっているのは本川越駅(西武新宿線)や東浦和駅(JR武蔵野線)などで、理由としては、分譲時に駅名につられて割高な価格が付けられていた可能性が考えられます。浦和は、さいたま市の中でも文教エリアとして住宅価格の相場は高いですが、東浦和駅は住所としては浦和区ではなく、駅名に『浦和』という地名が入っているため、浦和区の相場に基づいて、本来の実力以上の値付けがされていたのかもしれません。

 同じく埼玉県でいえば、例えば大宮駅周辺は人気エリアで価格が高いものの、一駅離れればぐんと安くなるのですが、なかには“大宮価格”で売り出されている物件があるかもしれません。ですので住宅を購入する際には、そうした値付けに騙されないように注意したほうがよいでしょう」(山下氏)

首都圏の住宅価格の下落が始まる可能性

 発売から成約までの期間の長期化や一部エリアでのリセールバリューの低下は、首都圏の住宅価格の下落が始まる兆候と捉えることはできるのか。

「年内、秋頃から冬頃にかけて値下がりが始まる可能性があると考えています。首都圏のマンションは駅から徒歩5分圏内であることが資産価値を維持するための条件ですが、徒歩5分圏内ではなかなか確保しづらくなっています。徒歩10分圏内まで選択肢を広げる人が増えていますが、戸建ては別として、マンションであれば徒歩5分圏内にこだわることをお勧めしています。

 東日本不動産流通機構が公表しているデータによれば、過去1年間、新規登録価格、つまり売り出し価格は右肩上がりが続いている一方、成約金額はほぼ横ばいで、その差が徐々に開いており、成約価格が新規登録価格を1割ほど下回っているケースが増えています。要するに、それだけ値引き交渉が行われ、売主や販売業者が値下げを受け入れているということなんです。販売業者は売り出しから成約までの日数が長くなってきていることもあり、かつ『こんな高い価格では買えません』という人が増えているので、年内には成約価格もそろそろ頭打ちになって、下がっていくと思われます。

 数年前まで新築マンションは『買った瞬間に2割下がる』というのが常識でしたが、ここ数年は急速に価格が上がって、それが通用しなくなっており、今は局地バブルといえる状況です。それがそろそろ今年から来年にかけて終わる、通常の状態に戻り始める可能性があります。ですので、これから買う人は『いつまでも上がる』と思って買わないでください。東京23区で駅から徒歩5分以内のタワーマンションや大手不動産会社が手掛ける大規模マンションは別として、そうでないごく普通の小規模物件や大手不動産業者以外が手掛けるマンションは下がっていくかもしれません。

 また、建築費が上がっているので、これまでと同じ価格レベルを維持したまま、70平米を65平米にしたり、設備のスペックを落としたり、天井の高さを2.5mから2.45mに低くしたりと、わかりにくいところで、こっそり物件のレベルを下げるということが、すでに行われ始めています。先日見学にいった200戸クラスのマンションでも、キッチンのディスポーザーがありませんでした。こういったかたちで、売り出し価格を維持したまま、実質的には物件の価値が下がるということが広がるかもしれません」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=山下和之/住宅ジャーナリスト)

首都圏の新築マンション、ついに年内、値下がりの兆候?売り出し価格と成約価格の差が拡大

●この記事のポイント
・新築マンションの発売から成約までの期間が徐々に長くなり、100日を超えた
・一部ではリセールバリューが購入時より低下するエリアも出始め
・専門家は「年内の秋頃から冬頃にかけて、値下がりが始まる可能性がある」と指摘

 値上がりを続けてきた首都圏のマンションに異変が起きている。新築マンションの発売から成約までの期間が徐々に長くなり、一つの目安となる100日を超えた。加えて、一部ではリセールバリューが購入時より低下するエリアも出始めているという。専門家は「年内の秋頃から冬頃にかけて、値下がりが始まる可能性がある」と指摘する。住宅販売市場に起きている変化について追ってみたい。

●目次

発売から成約までの期間が長くなりつつある理由

 発売から成約までの期間が長くなりつつある理由について、住宅ジャーナリストの山下和之氏はいう。

「価格が高くなりすぎているなど、買う側にとっていろいろ問題が生じているということではないでしょうか。価格が高くなれば、多額のローンが必要になり、ローンの手当てに時間がかかる、場合によってはローンが下りない。例えば5000万円のローンを組む予定だったのが、それでは足りなくなって6000万円組まないと買えなくなり、銀行は『あなたの年収では6000万円は組めません』と判断するケースなどです。そうなると購入検討者は自己資金を増やす必要があり、親に頼み込んだり他の銀行に貸してくれるよう交渉したりと時間がかかる。場合によっては、購入をやめたり、価格を下げて物件を再検討したり、エリアを変えるといったことが必要になってきます。たとえば、築20年の中古マンションを買おうと思っていたけど、価格が上がって買えないので、築30年、40年の物件まで選択肢を広げてみるという人もいるでしょう。

 東日本不動産流通機構が公表している築年別の成約価格をみると、築5年未満の築浅マンションのほうが、新築マンションより高いという例も出ています。なぜかといえば、新築マンションの供給が少なくなって、エリアによっては新築マンションが出てこないので、新築の相場よりも高い価格で取引されるような現象が起きているのです。ですが築10年を超えると段階的に下がってきて、築30年以上になると首都圏でも2000万円ぐらいにまで下がり、築浅マンションの3分の1くらいの価格で買えるようになります。買う側は、こうしたことを検討する時間が必要になってきており、成約までの時間が長くなってきています。

 2000~22年にかけては、販売から成約までの平均期間が70~80日くらいで、ミニバブルといえる状況で住宅価格が急速に上がり、多くの人が『早く買っておかないといけない』と買い急ぐ傾向が強くなりました。ですが23~24年に入ると高くなりすぎて『もう手が届かない』ということで購入が難しくなってきています。この状況はおそらく今年も続くでしょう。

 都心の2~3億円する超高層マンションは外国人も含めた超富裕層が現金で買うので、相変わらず発売後すぐに売れます。一方で、一般の人々が買うような5000~6000万円レベルの物件は、年内に価格はほぼ天井を打って横ばいから多少下がる傾向も出てくると思いますが、それでもまだ高いので、発売から成約までの日数は長くかかると考えられます」

リセールバリューが下がっているエリアも

 首都圏でも一部でリセールバリューが下がっているエリアが出てきてる。

「東京カンテイのデータでは、首都圏にある駅のうち10年前に分譲されたマンションのリセールバリューが下がっているのは9駅。山手線の内側は概ね1.5倍以上、都心5区だと2倍くらいになっています。下がっているのは本川越駅(西武新宿線)や東浦和駅(JR武蔵野線)などで、理由としては、分譲時に駅名につられて割高な価格が付けられていた可能性が考えられます。浦和は、さいたま市の中でも文教エリアとして住宅価格の相場は高いですが、東浦和駅は住所としては浦和区ではなく、駅名に『浦和』という地名が入っているため、浦和区の相場に基づいて、本来の実力以上の値付けがされていたのかもしれません。

 同じく埼玉県でいえば、例えば大宮駅周辺は人気エリアで価格が高いものの、一駅離れればぐんと安くなるのですが、なかには“大宮価格”で売り出されている物件があるかもしれません。ですので住宅を購入する際には、そうした値付けに騙されないように注意したほうがよいでしょう」(山下氏)

首都圏の住宅価格の下落が始まる可能性

 発売から成約までの期間の長期化や一部エリアでのリセールバリューの低下は、首都圏の住宅価格の下落が始まる兆候と捉えることはできるのか。

「年内、秋頃から冬頃にかけて値下がりが始まる可能性があると考えています。首都圏のマンションは駅から徒歩5分圏内であることが資産価値を維持するための条件ですが、徒歩5分圏内ではなかなか確保しづらくなっています。徒歩10分圏内まで選択肢を広げる人が増えていますが、戸建ては別として、マンションであれば徒歩5分圏内にこだわることをお勧めしています。

 東日本不動産流通機構が公表しているデータによれば、過去1年間、新規登録価格、つまり売り出し価格は右肩上がりが続いている一方、成約金額はほぼ横ばいで、その差が徐々に開いており、成約価格が新規登録価格を1割ほど下回っているケースが増えています。要するに、それだけ値引き交渉が行われ、売主や販売業者が値下げを受け入れているということなんです。販売業者は売り出しから成約までの日数が長くなってきていることもあり、かつ『こんな高い価格では買えません』という人が増えているので、年内には成約価格もそろそろ頭打ちになって、下がっていくと思われます。

 数年前まで新築マンションは『買った瞬間に2割下がる』というのが常識でしたが、ここ数年は急速に価格が上がって、それが通用しなくなっており、今は局地バブルといえる状況です。それがそろそろ今年から来年にかけて終わる、通常の状態に戻り始める可能性があります。ですので、これから買う人は『いつまでも上がる』と思って買わないでください。東京23区で駅から徒歩5分以内のタワーマンションや大手不動産会社が手掛ける大規模マンションは別として、そうでないごく普通の小規模物件や大手不動産業者以外が手掛けるマンションは下がっていくかもしれません。

 また、建築費が上がっているので、これまでと同じ価格レベルを維持したまま、70平米を65平米にしたり、設備のスペックを落としたり、天井の高さを2.5mから2.45mに低くしたりと、わかりにくいところで、こっそり物件のレベルを下げるということが、すでに行われ始めています。先日見学にいった200戸クラスのマンションでも、キッチンのディスポーザーがありませんでした。こういったかたちで、売り出し価格を維持したまま、実質的には物件の価値が下がるということが広がるかもしれません」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=山下和之/住宅ジャーナリスト)