テレワーク・在宅勤務でも“まったくストレスを感じない”人は、何が違うのか?

続々と報告されるストレスへの誤解

 リモート環境での働き方も1年を経過し、ストレスが蓄積してきている人も多いに違いない。特にこれからの時期は、自律神経に変調を来しやすく、「五月病」といわれるような症状も出やすい時期なので、注意が必要だ。今回および次回は、ストレスとの付き合い方について述べていきたい。

 リモートであっても、リアルであっても、職場におけるネガティブな感情のもとになっている最たるものは、「ストレス」であることは間違いない。仕事上、ストレスはつきものである。仕事の責任、納期、品質、人間関係、さらにはトラブル。増えることこそあれ、減るようにはとうてい思えない。

 それらから受ける日々のストレスは、健康を害し、精神状態を圧迫し、寿命を縮めていると大半の人は考えている。また、仕事上、生産性を低下させ、創造性の発揮を妨げているともいわれる。それゆえ、なんとかストレスを減らしたいと皆思っている。米ハーバード公衆衛生大学院が2014年に行った調査でも、およそ85%の米国人が「ストレスは、健康や家庭生活、仕事に悪影響を与える」と考えていることがわかった。

 しかし、一方では、厳しく困難な仕事を続けながらも、落ち込むこともなければ、心身を害することもなく、日々活き活きと働いている人もいる。同じ状況の中で、同じ仕事をしていても、ストレスを感じる人と、ストレスを感じない人とがいるのであろうか。ストレスは平等に降りかかるとすれば、災いしているのは、ストレスそのものではないのだろうか。

 米エール大学の研究によると、「ストレスを害だと思っている人」は、「ストレスがポジティブな力になり得ると思っている人」よりも、気分が落ち込む傾向があることが明らかになっている。「ストレスを害だと思っている人」は同時に、腰痛や頭痛のようなストレスからくる健康問題を、他の人より多く抱えているという。

 また別の研究では、「ストレスは健康に害を与える」と信じている場合に、「ストレスを多く感じること」が、心臓病にかかったり、死亡したりするリスクにつながっていることがわかっている。つまり、「ストレスを多く感じること」と「ストレスは体に害だと考えること」、この2つの組み合わせによって、心身の問題を引き起こしているといえるのだ。

 これとは対照的に、「ストレスを多く感じながらも、ストレスにはなんらかのメリットがあると思っている人」、例えば、ストレスが集中力を高めるのに役立つとか、ストレスの多い状況を経験することで自分を強くすることができると思っている人は、より健康的で、幸せで、仕事でもいい結果を収めているという。 

 ストレスがありながらも、それを苦とはせず、活き活きと働いている人は、ストレスを害だと思ってはおらず、むしろストレスには多くのメリットがあると思っているということになる。結局、ストレスそのものが問題なのではなく、その捉え方こそが問題なのだ。ストレスは100%悪いものであって、減らすべきものという思い込みこそが、ストレスの悪影響を引き出している。脳神経科学の分野でも、「やりたいと思っていることから受けるストレス」は人の生産性を高めるということがわかっている。

 ストレスについての研究を長年行ってきている健康心理学者のケリー・マクゴニカル氏は、書籍のなかで同様の点について述べている。マクゴニカル氏自身、当初は大半の意見と同様に、ストレスは害であると考えていたが、ある研究結果をきっかけにストレスに対する考え方を変えたのだという。

 その研究結果というのは、1998年に米国で、3万人の成人を対象に行われた調査だった。「この1年間でどれくらいのストレスを感じましたか?」「ストレスは健康に悪いと思いますか?」。この2つの質問をして、8年後に3万人のうち誰が亡くなったかを調査したのだ。その結果、強度のストレスがある場合には、死亡リスクが43%も高まっていたことがわかった。ただし、死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを受けていた人のなかでも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけだったのだ。

 強度のストレスを受けていた人のなかでも、「ストレスは健康に悪い」と思っていなかった人たちには、死亡リスクの上昇は見られなかった。それどころか、そう考えるグループは、調査をした人たちのなかで最も死亡リスクが低かったのだ。ストレスがほとんどない人たちよりも死亡リスクが低かったという。

 この結果によって、マクゴニカル氏は、「ストレスがあったとしても、それを穏やかな心で受けとめることができれば、心身の健康は阻害されないばかりか、むしろ改善される。困難に直面したらストレスを感じるのが自然だと考えて受け入れる人は、ストレスと戦おうとする人よりも、再起力があって長生きする」と考え方を改めたのだという。

ストレスの良い面

 実際に、ストレスには悪い面ばかりでなく、良い面もあることがわかっている。複数の研究によれば、ストレスは気⼒を⾼め、明晰さを増し、状況をより正確に把握できるようにする。障害を克服する過程で⾃信を強める効果もある。

 これは最も⻑く持続する、最も望ましい種類の⾃信だという。つまり、ストレスは悪者であると同時に、どうやら善いものでもあるようなのだ。命の危険にさらされた時など、極度の緊張と共に、大きなストレスが掛かる。しかし、これは命を守るための準備として必要なものに違いない。

 ⼈間は、他の動物と同様、ストレス要因に対して本能的な⾝体反応を⽰すと、ニューロリーダーシップ・インスティテュートのシニアサイエンティストのハイディ・グラント氏は説明する。交感神経(闘争・逃避反応)が活発になり、副交感神経(安静と消化)が抑制され、アドレナリンとコルチゾールが分泌される。こうしたことが起きるのは何のためかといえば、⾝体に「活」を⼊れるためだ。覚醒レベルと集中⼒を⾼め、⾏く⼿を阻む障害に対処するために、⾁体的・⼼理的な準備を整えるのである。

 これらの作用により、仕事上も集中力が増し、問題に的確に対処したり、生産性を高めたりといった優れた効果を発揮することにつながるのだ。ストレスの影響を判断するための最も重要な要素は、「ストレスに対する意識の持ち⽅」であるようだ。ストレスの「量」は驚くほど役に⽴たない情報だという。

 心理学者のクラムらの研究では、ある国際⾦融機関の400名近い従業員を対象として、ストレスに対する意識を調べた。研究者たちは、ストレスに対して異なる捉え方をする2つのグループに分けた。「ストレスはマイナスの影響をもたらすので回避すべきだ」などの⾔葉に賛同した「ストレスは衰弱要因」と考えるグループ。「ストレスを経験することは学びと成⻑につながる」などの⾔葉に賛同した⼈々は、「ストレスは向上要因」と考えるグループ。

 その結果、「ストレスは向上要因」と考える⼈々は、「ストレスは衰弱要因」のグループと⽐べて、より健康で、⼈⽣への満⾜度が⾼く、仕事のパフォーマンスでも優れていたのである。このタイプは、コルチゾールの分泌レベルが「最適」になりやすいことも明らかになった。ストレス要因に対するコルチゾールの分泌は、多すぎても少なすぎても⽣理的に悪影響となりうる。これらの結果から、研究者らは、「ストレスがあなたを打ちのめすのは、あなたがそうと思い込んでいるからに他ならない」と結論づけている。

 以上のように、通常私たちは、ストレスは完全に悪者であると決めつけているが、実際にはさまざまなメリットも存在し、必要なものでもあるのだ。ストレスは害であるという思い込みこそが、心身を害しているようだ。ストレスは必要なものだと逆の捉え方をすればメリットが享受できる。であるならば、ストレスを感じがちな時こそ、その良い面に目を向けるべきではないだろうか。

(文=相原孝夫/HRアドバンテージ社長、人事・組織コンサルタント)

●相原孝夫/HRアドバンテージ社長、人事・組織コンサルタント

早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。マーサージャパン副社長を経て現職。人材の評価、選抜、育成および組織開発に関わる企業支援を専門とする。著書に『コンピテンシー活用の実際』『会社人生は「評判」で決まる』『ハイパフォーマー 彼らの法則』『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか』など多数。

中学受験・算数、苦手な立体図形の「切断」問題、スタートは家庭内での対話が重要?

その2「切断」

 前回に引き続き、今回も「立体図形」を扱っていきたいと思います。前回は“展開図”をテーマにしましたが、今回は“切断”がテーマです。前回の記事の中で“見取り図”を描写してもらったエピソードがありましたが、この“切断”においても必ずといっていいほど以下のようなエピソードが出てきます。

“切断”とは何か?等、全く伝えることなしに描いてもらうと、多くの子供たちが以下のような線を描きます。

 前回の“見取り図”でも感じたことですが、ここでも実際の“モノ”を見たり扱ったりといったことが少なかったんだろうなあと感じます。中には何も伝えることなしに正解の“切り口”を描ける子もいましたが、聞いてみると、

「家でお手伝いした時に“豆腐”を切ってみたよ!」

「“発泡スチロール”の立方体が売っていたから、それを切ってみたことある!」

といった返事が返ってきました(今は便利な“モノ”が売っていますね)。

 やはり実際に見たり扱ったりすることは大事なんだなあと感じる反面、“想像”だけでは厳しいものがありますね。そもそも“切断”することが何であるか実際に“切り離す”場面を見たことがないのであればなおさらです。まずは“見る”“扱う”という前提があった上で、ここでも“手順・方法”を学んでほしいと思います。

【手順1】同一平面上の2点を結ぶ

 上の面(面ABCD)におけるPとQは“同一平面上の2点”にあたるので一直線に結びます。“切り口”とは立体の表面上における線を結んだものなので、PとR, QとRは立方体の表面上の線ではないため結んではいけませんね(“串”を貫通させたようなものです)。

【手順2】向かい合った(平行な)面に平行線を引く

 平行な2つの平面をもう一つの平面で切ると、2つの面には平行な切り口の線がつきますね(以下のようなイメージ)。

 上の面(面ABCD)と下の面(面EFGH)が向かい合った(平行な)面ですから、PQと平行になるようにRから平行線を引くと以下のようになります。

【手順3】線を延長して、新たな交点をつくる

 一つの平面で切断するということは、その面を拡張した時にぶつかった交点も一つの平面上にあるということですね。以下のように線(RS)を延長してみましょう。

 RSを延長してできた交点TはPと、交点UはQと同一平面上の2点となりましたね。よって【手順1】に戻って以下のように結びます。

 さらに立方体の辺上にできた交点VとRが、交点WとSが同一平面上の2点となりましたので、【手順1】のとおり結びます。

 上の図のように“切り口”の線はしっかり立方体の表面上に引かれていなければいけません(そもそも“切断”できませんね)。ここでは“切り口”の形は正六角形となりました。

“想像”だけで“意味・理屈”をつかむことなく感覚で行うのではなく、しっかり“手順・方法”を利用することはこの“切断”においても大切ですね。また是非実際の“モノ”を用意して、本当にそのようになっているのか確認してほしいと思います。


 次は以下のような“積み木の切断”です。

 まずは大きな立方体の“切り口”となる線を引いてみます。【手順1】を利用して以下のような線が引けますね。

 大きな立方体における“切り口”は判明しましたが、内側にも積み重なっている小さい立方体がどれだけ切られているかはわかりにくいですね。内部はこんな状態かなと以下のような線を引いてみても確信がもてません。

 そこで以下のように段ごとに“スライス”してみましょう。

 1段目ではABが切断の入り口とすると、アイが出口となりますね。「○」のついた7個の小さい立方体が切られたことになります。2段目はアイが入り口、ウエが出口となり、5個の小さい立方体が切られています。3段目、4段目は以下のとおりです。

“切り口”の形だけではなく、段ごとに“スライス”することによって内部の状況を把握することができました。

“切り口の手順”も“スライス”も“モノ”が手元にない状態で想像だけに頼らない便利な“手順・方法”です。今では定番となっている“手順・方法”ですが、この基本は様々な応用問題に活かすことができます(“多段階切断”“積み木のくり抜き”等)。いずれ実際の「入試問題」をご紹介する中でも扱っていくことになると思います。

 ここまで2回にわたって「立体図形」を扱ってきました。共通して言えることは、最初のスタートはやはり実際の“モノ”を見たり扱ったりすることが大切であることです。以前の記事の中でも“生活”“対話”の中で自然と身につく数的感覚の話を記しましたが、こういった図形においても是非ご一緒に見たり扱ったりしてあげてください。その後問題に取り組んだ際には、“意味・理屈”をしっかりつかんだ上で“手順・方法”を利用してほしいと思います。

(文=内田実人/中学受験指導スタジオキャンパス)

貧困なる日本芸能界…佐藤健、神木隆之介の独立…二階堂ふみ、宮崎あおいの社内独立の背景

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

【前々回】【前回】の本連載では、日本の芸能界で売れっ子となった役者さんが、その自分の売れ方に見合った適切な収入を得てウハウハな生活を送るには、純粋な役者業だけではとてもわりに合わず、ギャラのよいCM仕事をせざるを得ない、しかしそのためには品行方正なプライベートを送らねばならず、そのためにこそ日本の「大手芸能プロ」の存在意義がある。だからこそ、大手芸能プロを辞めてしまうと、なかなかそれまで通りの活動をしてそれに見合った収入を得ていくのは難しくなっていく……なんてお話をしました。

 さて、こうした日本のこれに対し、欧米……特にハリウッドをトップにピラミッド構造を成すアメリカの芸能界は、まったく様相が異なります。

 アメリカでは、ハリウッド映画やケーブルテレビの人気ドラマの主役をはるような世界的な知名度を誇る役者は、基本的に「役者」です。彼ら彼女らが自国のCMに出ることは絶対にない……とまではいいませんが極めてレアなことであって、CMに出るのは基本的に“モデルさん”レベルの方々です。日本でも、タレントの知名度頼りではなく雰囲気重視のCMなどで、名もない役者さん、モデルさんが“イメージモデル”的に出演している例も多いですが、あれに近いイメージですね。要はアメリカでは、売れっ子役者が有名企業のCMにバンバン出ている……なんていう状況はあり得ないことなんです。

 それはなぜか?

【前々回】【前回】の記事を読んでくださった賢明なる読者のみなさんなら、おわかりいただけますよね。そう、売れっ子になりさえすれば、役者だけで十分すぎるほど“稼げる”からです。

 その理由としてまず挙げられるのは、「市場規模が巨大だ」ということでしょう。なんてったってハリウッド映画をはじめアメリカのエンタメ産業は世界市場が相手。せいぜい東アジア圏で一部の“日本好き”に愛好されている以外は基本的には国内市場が相手の日本の映画・ドラマ業界とは、市場のデカさが違いますよね。

「ハリウッド映画はアメリカのヘゲモニーを世界中に広めるための“先遣隊”の役割を果たしている」……なんていい方も大まじめにされるくらいですから、「世界中でいかにビジネスを展開し、マネタイズするか」ということに関して、ハリウッド映画は長い歴史を有しています。そんな業界のなかでトップをはるレベルの役者さんですから、そりゃあギャランティもいいよね、ということです。

 それからもちろん、エンタメ業界の人々がきちんとリスペクトされている……という歴史的・文化的背景も大きいでしょうね。このコロナ禍においても、休業要請や補償金の問題に関して、日本政府によるエンタメ業界の軽視がしばしば問題視されていますが、日本ではどうしても「芸能の人々はしょせん“河原の者”」といったような蔑視の視線が、どこかにまだ残っている気がします。

 対して欧米におけるエンタメ業界は、「人々をエンカレッジ、エンターテインしてくれる尊敬すべき人々」という認識が強いといいますから、「その分、そこで働く人々には対価もきちんと支払おうよ」という意識が一般的で、だからこそギャランティがいい、ということはあるでしょうね。何度もいいますが、それは“売れっ子ならば”ですよ。売れてない役者が貧乏なのは、洋の東西を問わずどこでも同じです(笑)。

アメリカで100年近い歴史を持つ「俳優の労働組合」が、役者の権利と収入を保証してきたという事実

 それから、米俳優界において役者さんが受け取るギャランティが高額なことの、よりリアリスティックな要因として、実はアメリカの俳優業界は「労働組合がきわめて強い力を持っているから」という点が挙げられると思います。

 アメリカには、88年の歴史を持つ「全米俳優組合」(SAG-AFTRA)という組織があって、組合員数は約16万人にも上ります。もともとは1933年に設立された「全米映画俳優組合」(SAG/スクリーン・アクターズ・ギルド)という組織だったのですが、2012年に「米国テレビ・ラジオ芸能人組合」と合併し、現在の形になりました。

 そもそもが大手の映画制作会社からの搾取に対して俳優の権利を守るために設立された組織なので、組合員である俳優が役者仕事をする場合には、制作会社側との間でギャラや労働時間、移動手段、違反時の罰金などを細かく定めた労働協約を結ぶことが義務づけられており、きちんとしたギャランティが支払われることがルールとして確立されているわけです。組合員の出演作品がDVD化やネット配信された場合には二次利用料が入り続けますし、年金や医療保険もあるという充実ぶりなんですね。

 米Forbes誌による「世界で最も稼ぐ俳優ランキング」の2020年度版で1位に輝いたドウェイン・ジョンソンの年収は、なんと約93億円だとか。彼は2019年公開の大ヒット映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』で、約21億円のギャラを得たともいわれています。

 ちなみにトランプ前米大統領は、映画やリアリティーショーなどに出演していたこともあって、長らくこの組合員で、2019年には年金として約7万8000ドル(約840万円)が支払われたそうです。トランプ氏はさまざまな問題発言などが規約違反にあたるとして今年、組合から除名処分されてしまいましたが、それでも年金は支払われるというのですから驚きですよね。

 というわけで、上に述べたようなさまざまな背景によってアメリカでは、売れっ子にはセレブ生活が送れるほどの高額収入(あるいは売れっ子でなくてもある程度の金額)が保証されており、ゆえに売れっ子役者がわざわざプライベートを犠牲にしてまで広告仕事をやる必要などない(それとは別に、アメリカは契約&訴訟社会なので、広告仕事をやる際のリスクに関して、日本とは大きく感覚が違うということもあるように思います。向こうの感覚だと、「企業のイメージを背負うなんてそんなリスキーなことできないよ」ということなのでしょう)。

 ゆえに、売れっ子役者が所属プロダクションに対し「プライベートを管理してもらう」とか「マスコミから守ってもらう」という感覚はなくて、もしそれを必要とするならば自身の身内や関係者をプライベート・マネージャーとして雇ったり、メディアコントロールに長けたPRのプロを雇うのが普通です。というか大物になればなるほど、むしろちょっとしたゴシップは“売名のためにも大歓迎”くらいの勢いですよね(笑)。

 だからアメリカでは、役者はドライな関係の“エージェント”にビジネス上の窓口的な役割だけを担ってもらえればよい、ということになるわけです。いやー、なんだか日米芸能界の構造比較を壮大に展開してしまいましたね……(笑)。

佐藤健、神木隆之介らの“独立戦法”、二階堂ふみ、宮崎あおいらの“社内独立”という戦法

 こうした彼我の違いに業を煮やしたのでしょう、数年前にトライストーン・エンタテイメント所属の小栗旬くんが「日本でも役者の労働組合を作ろう」と立ち上がり、俳優仲間に呼びかけたりメディアのインタビューに答えたりしていたこともありましたよね。

 しかし本稿でこれまで見てきた通り、日米のこうした違いは、歴史的・文化的、そして構造的な背景があって生じているものなので、「日本の役者の組合をつくる」といったって、なかなかハードルが高い。事実、最近は小栗くんもそうした主張を声高にすることはなくなってしまいましたよね。

 で、ここで、【前々編】の冒頭で述べた、佐藤健くんや神木隆之介くんによる、大手芸能プロ・アミューズからの独立の話に帰ってくるんです。いやー長かった(笑)。

 日本の芸能界のこうした構造的事情を理解している大手有名プロ所属の役者さんが、それでも「もっと自分の好きなことを、自由にやってみたい」と考えたときに、さてどうするか。揉めて辞めたり、安易にフリーになるのは、売れっ子時代の収入を維持するという観点から見れば危険だ……ということは、これまでの説明でご理解いただけましたよね? では、そうならないためのクレバーなやり方は? そう、「それまで所属していた大手プロのデキるマネージャーさんと一緒に、円満に独立する」という方法です。これがまさに、佐藤健くんや神木隆之介くんが採った手法なんですね。彼らは、デビュー当初からの彼らを知るアミューズの敏腕マネージャーとして知られた(辞める直前には役員でした)千葉伸大さんとともに独立したんです。独立後の社名は、「株式会社Co-LaVo」というらしいですね。

 大手芸能プロで敏腕で鳴らした人の人的ネットワークをフル活用し、しかも円満退社することによって前所属プロとの関係も良好だから地上波テレビや大手配給の映画から排除されることもない、しかも組織としては小規模な個人事務所程度の規模になるから、自分のやりたいことも以前以上に自由にできるようになる。

 こうすれば、地上波の連ドラなどにはこれまで通り出演し続けて知名度を落とさず、敏腕マネージャー(独立後は“敏腕社長”になるわけですが)のコネクションで新規の仕事や広告仕事もきちんと取ってこれる。だから収入も落ちない。にもかかわらず、以前よりは自由に仕事ができる。これが、日本の芸能界において日本の役者さんがとり得る、最もクレバーな大手芸能プロからの独立方法だと思います。

 実際、昔からみんなそうやってきたんですよ。ジャニーズ事務所だってもともとは渡辺プロダクションの系列から始まった会社ですし、スターダストプロモーションの代表・細野義朗さんだってもとは長良プロダクションにいた方。そもそも佐藤健くんや神木隆之介くんが今回退社したアミューズの創業者の大里洋吉さんだって、もともとは渡辺プロダクションにいた方ですからね。日本の大手・中堅の芸能プロは、そうやって“枝分かれ”して始まった会社ばっかり。そういうところもまた、“ヤクザな業界”と揶揄されるゆえんではあるのでしょうが……。

 ちなみに、「大手芸能プロからの独立」とまではいかなくても、「社内で事実上の独立状態を勝ち取る」という手法もあります。大手芸能プロの“威光”は保持しつつ、ある程度自由な仕事選びという“裁量権”は確保する……というやり方ですね。

 ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属の二階堂ふみちゃんは事実上そういう立ち位置らしいですし、数年前にちょっとしたお家騒動で宮崎あおいちゃん、多部未華子ちゃん、松岡茉優ちゃんがヒラタオフィスから移籍した“系列事務所”ヒラタインターナショナルは事実上、ヒラタオフィスからの独立事務所的な意味合いが強いといいます。旧所属プロのメンツをつぶさないため、一応“系列事務所”という形を採っているわけですね。うーん、やはり芸能界ってヤクザな業界だ……(笑)。

『全裸監督』や『今際の国のアリス』はまだ、日本の芸能界を変えるほどのビッグヒットにはなっていない

 さてさて、ドラマといえば地上波テレビというイメージがまだまだ強い日本ですが、最近ではNetflixで、山田孝之くんが主演した『全裸監督』、山﨑賢人くん・土屋太鳳ちゃんのW主演で話題となった『今際の国のアリス』などがヒットし、地上波テレビ以外のフィールドでも良質なドラマが作られるようになってきました。

 例えば今後そうした作品がもっと増えていき、海外展開も成功させうまくビッグビジネスにつながるような結果を残し、そしてその結果、役者さん方がお芝居のギャラだけで十分な高収入を得られる環境が日本の芸能界においても生み出されていけば……。

 そうなれば、日本の役者さんが、プライベートに制約が出てくるような広告仕事をあえてする必要などなくなり、結果として売れっ子役者さんは大手芸能プロからどんどん独立していき、日本の芸能界のシステムが大変革してアメリカ型の“エージェント方式”に移行していく……なんてこともあり得るかもしれません。

 ただ、実際のところ、国内外で誰もが知っているような規模で大ヒットを記録した日本のオリジナル配信作品は、今のところまだない……といっても過言ではないでしょう。となれば現状はやはり、売れっ子役者さんの主戦場は地上波テレビのドラマや大手配給会社が手がける大作映画だけ、という状況に大きな変化はないでしょう。

 ということはやはり、ブレイクを果たした役者さんがその活躍に見合った収入を手にしたいと考えた場合、CM仕事はやらざるを得ない。その結果として役者さんは大手芸能プロに在籍し続けるほうがラク……という状況は、まだしばらくは変わらないと思いますね。

(構成=田口るい)

【前々回「連ドラ主演クラスでギャラ2千万円の“安さ”を考える…芸能人が不倫で謝罪する本当のワケ」】

【前回「満島ひかりの“自由さ”から考える、日本の芸能界が俳優に強いる“不自由さ”という問題」】

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

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パチンコ衝撃を与える「新たな超速タイプ」が降臨!?「強力な10R比率」「初当り必ず約1000発」など敏腕発揮メーカーへ注目!!

 超大物シリーズへ注目が集まっているパチンコ分野。先日も『P北斗の拳8 救世主』がデビューを果たし、5万発突破の目撃情報が寄せられるなど大きな話題となった。

『北斗の拳』シリーズといえば、最新タイトル『蒼天の拳 天刻』もスタンバイしている状況。業界初となる「3種のV獲得率モード」を搭載しており、最大4個まで獲得可能なVは一挙に放出される仕組みだ。それぞれのV獲得率は約80%、約94%、100%となる。

 爆裂レジェンド『牙狼』シリーズもスタンバイ。早くも「今年のMVP候補」といった声も上がっている目玉機種だ。

「誰よりも速く」「誰よりも強く」と紹介されていた『P牙狼 月虹ノ旅人』は、右打ち中の出玉は「ALL10ラウンド(1500発)」で「継続率は81%」とシリーズの名に恥じない一撃に期待できる。

 偉大なる初代を踏襲しつつも、新たな要素が加わった本機。導入予定の6月を待ちわびるファンが続出している状況だ。

 大物という意味では、ニューギンが誇る『花の慶次』シリーズも忘れてはならない。今年5月に『P花の慶次~蓮 199ver.』が登場し、ホールを盛り上げている。

 シリーズ初の「時短突破型」を採用した本機。天下無双RUSH中の大当りは70%が10R(約1,300発)と強力な性能を実現した。時短引き戻しを含めたRUSH継続率は約80%を誇る。導入後は上々の反響を得ていた印象だ。

 2021年も抜群の存在感を放っているニューギンだが、先日も「2000発」「驚愕のループ率&突入率」が魅力の『Pベルセルク無双』も全国デビューを果たした。

『Pベルセルク無双』(ニューギン)

■大当り確率:約1/319.7→約1/45.0
■確変突入率:75%
■確変継続率:75%
■賞球数:2&1&7&9&10&15
■時短回数:0回or次回まで
■大当り出玉:10R/約1000発・4R/約400発・2R/約200発
○○○

 最大のウリである「ベルセルクEXTRA」の期待値は2000発(10R+SUPER小当りRUSH)。強烈な出玉の塊が75%でループするという、大量出玉に十分に期待できる爆裂仕様だ。早くも景気の良い報告が浮上するなど、今後の動向に注目が集まっている。

 今後も魅力的な機種を投入予定のニューギン。安心感と出玉感を兼ね備えた「VIVID SPEC」が特徴の『Pビビッドレッドオペレーション』が間もなくホールへ降臨だ。

「ビビッドレッドオペレーション」は、「アイドルマスターシリーズ」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」といった数々の有名作を手掛けるアニプレックスなどが製作したアニメ。2013年1月から3月までテレビ放送され、漫画化やゲーム化もされた人気作品だ。

 そんな「ビビッドレッドオペレーション」を題材にした本機は大当り確率が1/219.91で、初当り時は例外なく7R(約1000発)の出玉を得られる点も大きなポイントとなる。

 出玉のカギを握るビビオペRUSH HYPERはST130回で継続率は約75%。ここでの50%は10R(約1400発)と、偏り次第では瞬く間にドル箱を積み上げることも可能だ。

 遊タイムは、低確率(低確率時短含む)599回消化で発動。到達後は時短800回が付与される。遊タイム突入後の大当り期待度は約97.4%と、ハマリ救済の役割を十分に果たしてくれそうだ。

 豪華声優陣による新規ボイス、オリジナル描き下ろし映像が650カット以上も用意されるなどファン必見の要素も満載。6月の導入が楽しみだが…。

 勢いに乗る同社は、さらなるサプライズを用意してくれそうな気配だ。

 大物コンテンツとのタイアップ機が始動。今までとは一味違う「超速タイプの新ジャンル」と宣言した仕上がりに期待の声があがっている。

 5月24日、ニューギンはパチンコ新台『Pあぶない刑事』のリリースを発表。日本テレビ系列で放送され、爆発的人気を誇った伝説の「あぶない刑事」シリーズとのタイアップが実現した。

 原作の魅力を活かした演出や人気楽曲が収録されるなど、ファン必見の仕上がりとなっているようだ。特に気になるのは、一種二種混合タイプでは実現できない新ジャンル「もっとあぶないRUSH」。「斬新な性能」といった情報も浮上するなど、仕上がりに期待は高まるばかりだ。続報に注目したい。

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パチスロ「設定1」でも“万枚”を狙えた激熱マシン!最強コンボで「2万枚」も… その後継機が遂に始動!!

 王道のバトルタイプへと原点回帰したパチンコ新台『P北斗の拳8救世主』が好調の大手サミー。今後も3000発の連チャンに期待できる「サバンナチャンス」搭載の羽根物マシン『P超ハネ獣王』がスタンバイしています。

 注目の新台として挙げられるのは、もう1機種。『P蒼天の拳 天刻』です。BONUSフラグを最大4個までストック可能で、モード毎にV獲得率が異なるという点が特徴。天刻ループと称されたRUSHは、「約80%」「約94%」「100%」という3段階の継続率に分けられており、新感覚の連チャンを楽しめそうな仕上がりとなっています。

 ただ、サミーの激アツ新台はパチンコだけではありません。パチスロでは平均獲得560枚の技術介入BIGを搭載した『パチスロガメラ』が6月7日にリリース予定。こちらもユーザーの期待度は非常に高い印象です。

「6号機を席巻する新スペック」という謳い文句の本機はA600-ATタイプ。BB当選でJACK5回が保証され、BARが揃えばJACK INとなり1回あたり約90枚が獲得できます。JACK中はバトルが展開され、勝利すれば同フラグを上乗せする仕様です。

 本機は技術介入がバトル勝利の鍵を握っています。中押しナビ発生時に中リール中段に赤7を目押しする事で敵アイコンが必ず昇格し、勝利期待度が上昇する仕組みです。目押しはビタでなく2コマ余裕があります。また、失敗しても成功扱いとなる場合があるようなので、誰でもチャレンジしやすいゲーム性ですね。

 フル攻略すれば設定1でも機械割100%を超え、設定6を打てば万枚は当たり前とも言われた激アマ機種4号機『ガメラ』。その後継機なだけに、期待しないわけにはいかないでしょう。

 ただ、そんな『パチスロガメラ』にも匹敵する激アツのパチスロ新台が始動したのをご存じでしょうか?

 この度、サミーが『パチスロコードギアス反逆のルルーシュ3』が適合した旨を発表したのです!私は同シリーズの原作はもちろん、パチンコ・パチスロで登場した全ての台を遊技するほどの大ファン。「ついに来たか」と胸を高鳴らせています。

 特に初代となる『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュ』は、とんでもない爆発力を秘めたマシンとして絶大な支持を得ていました。

 本機はボーナス+ARTタイプ。ART中の純増は1Gあたり約1.5枚で1セット40Gと最近の台と比較すると少なく感じるかもしれませんが、これがツボにハマったら連チャンが止まらずにお祭り状態となります。

 起爆剤となる要素なのが「ガウェインART」。純増やゲーム数は基本のARTと変わりませんが、ここではARTストック抽選が高確率で行われています。レア役の抽選確率がアップしているだけでなく、ベルを引いただけでも十分にセット数の上乗せが可能です。

 そしてもう一つが「ループART」。これに突入するとARTがストックタイプからループ式へと変化します。その継続率は最大90%を誇るため大連チャンも十分に可能。更にこの間はストック抽選も行われており、大量ストック&高ループによって閉店まで連チャンが終わらない状況となる事も珍しくありませんでした。

 はっきりいって、この2つのフラグを引ければ設定なんて関係ありません。当時は「設定1でも万枚を狙えるマシン」なんて言葉も生まれ、大きな話題となっていた記憶があります。実際にホールでは、本機が万枚を吐き出している姿はよく目にしました。

 中には、「ガウェイン×ループART×ギアスラッシュ」といった最強の3連コンボを決めて、2万枚を叩き出していた猛者もいましたね。本当に夢のあるマシンでした。

 私も万枚の夢を見て本機にチャレンジしていましたが、一撃5000枚が関の山。お祭り状態になるまでの道のりが険しいので、最後まで大爆発を味わうことは叶いませんでした。

 そんな打ち手に夢を与えてきた人気シリーズ最新作『パチスロコードギアス反逆のルルーシュ3』が、ホールへ降臨する。これは朗報以外の何物でもないでしょう。

 まだ適合しただけの段階なので詳細は分かりませんが、先代シリーズのスペックを彷彿とさせる魅力的なものであってほしいですね。続報を楽しみに待ちましょう。

(文=HIRA.777)

<著者プロフィール>

 飲食店やホテルマン、営業など幅広い職種にチャレンジ。どれも長続きせずにいたが、趣味であったパチンコ関連業界へ就職し現在に至る。今では自身の体験談や、業界関係者から入手した情報などを元に記事を作成中。パチスロ4号機にハマっていたいわゆる「北斗世代」で、長きに亘り活躍するシリーズの動向に注目している。主に検定通過情報や、動画レビュー記事を担当。動画は大量出玉を実現した内容を好んで紹介している。

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エフフォーリアに流れる「ダービーを勝てない」血の宿命!? ソダシ完敗の悪い流れを断ち切れるか、東京優駿(G1)「三冠馬の法則」がコントレイルに続く無敗戴冠を後押し

 今年もダービーウィークがやってきた。

 ダービーに始まり、ダービーに終わるといわれる競馬の祭典が30日、東京競馬場で開催される。すべてのホースマンの夢といっても過言ではないダービー馬の栄誉を懸けて、白熱した戦いが繰り広げられるだろう。

 桜花賞(G1)2着から、オークス(G1)に向かわずに矛先を転じたサトノレイナスの参戦も楽しみだが、主役を務めるのはデビューから4連勝で無敗の皐月賞馬に輝いたエフフォーリア(牡3、美浦・鹿戸雄一厩舎)で間違いない。

 先週のオークスは無敗の桜花賞馬ソダシがキャリア初の敗戦を喫したが、勝ち星の中にはハナ差やクビ差の“薄氷勝利”も含まれていた。連勝していたとはいえ、圧倒的に抜けた存在だったのかとなると危うさはあった。

 これに対し、エフフォーリアの快進撃は特筆すべき中身の濃さを誇っている。ここまでの4連勝で最も着差の小さかったレースはデビュー戦。相手の強化と比例して着差が縮まるのが一般的なのだが、逆に広げたのがエフフォーリアだ。

 2着馬との差が最小だったデビュー戦の0秒1から百日草特別(1勝クラス)は0秒2、重賞初挑戦となった共同通信杯(G3)で0秒4、そしてG1の皐月賞で0秒5というキャリア最大の圧勝。相手が強くなるに連れてそのパフォーマンスを上げていることは驚きである。

 オークスのソダシ以上に確勝ムードも漂っているが、そんなエフフォーリアにも血統的にはダービー勝利と縁がないマイナス要素が存在していることは少々意外かもしれない。

 エフフォーリアの父エピファネイアは2013年の菊花賞(G1)を圧勝した名馬だが、春の皐月賞はロゴタイプ、ダービーはキズナの前にいずれも2着と惜敗。類稀なポテンシャルの高さを秘めながら勝ち切れないレースが続いた。

 また、母父ハーツクライは05年の有馬記念(G1)で、無敗の三冠馬ディープインパクトに初黒星をつけたことでも有名だが、3歳クラシックでは未勝利。ダービーはキングカメハメハの2着と敗れている。エフフォーリアはこの悪い流れを断ち切ることが出来るだろうか。

 ただ、ともにダービーを2着に敗れたエピファネイアやハーツクライとエフフォーリアの決定的な違いは、両馬が勝てなかった皐月賞をすでに制していることだ。

 グレード制が導入された84年以降、皐月賞で2着に3馬身以上の差で圧勝した馬は85年ミホシンザン、94年ナリタブライアン、11年オルフェーヴルの3頭のみ。骨折によりダービーを回避したミホシンザンは菊花賞(G1)を制して二冠。ナリタブライアンとオルフェーヴルは三冠馬となった。

 これらの前例からも「三冠馬の法則」はクリアしているともいえるか。

 初顔合わせとなるサトノレイナス、グレートマジシャンもいるが無敗馬という訳でもない。順当なら昨年のコントレイルに続く2年連続無敗二冠の達成は濃厚だろう。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

まさか「バイオハザード ヴィレッジ」のラストで涙を流すとは…そして次回作への伏線?

 ゾンビやクリーチャーとの戦い、肉体損壊および流血描写といったグロテスクさがウリの“サバイバルホラー”、そのシリーズ最新作がこの「バイオハザード ヴィレッジ」だ。しかし本作は、開発・発売メーカーのカプコンが「皆さまから『バイオは怖すぎる』との声を受けた」と発売前にゆるキャラ(?)を使った人形劇風の「バイオ村であそぼ♪」を展開するなど、従来の“恐怖感”を否定するような不思議なキャンペーンを展開し、物議を醸したのは記憶に新しいところだ。

ジワジワと高まってくる恐怖の演出にビビる!

 ベイカー邸での惨劇から数年、事件から生還したイーサン・ウィンターズは対バイオテロ部隊「BSAA」の庇護の下、妻のミア、そして愛娘のローズと平穏な日々を過ごしていた。しかし、幸せな生活はBSAA隊長クリス・レッドフィールドの襲撃によって破られる。奪われた娘を取り戻すため、イーサンは再び死地へと向かう――。

 今作のタイトル名は「~ヴィレッジ」となっており、数字を使ったナンバリング作品では無く「外伝」作品かと思った人もいるかもしれない。しかしパッケージをよく見ると「VILLAGE」の文字部分が「VII.I.AGE」となっており、ローマ字の「8」が忍ばせてあることに気がつくはずだ。

 恐怖感の演出も、前作「~7」をはじめとした過去のシリーズに劣らず“プレイヤーをビビらせる”ギミックが満載。特に従来のようなクリーチャーの不意打ちを警戒する「脅かし」よりも、「新しいエリアに出る→探索する→じわじわと高まる不穏な空気」といった展開が基本となっており、緩急のメリハリが効いている。

最後に待っていたのは“泣ける”シナリオ

 第1作が登場した1996年。ホラーゲームというジャンルを確立させたのが「バイオハザード」だった。しかし、そのヒットによって他社からも続々と同ジャンルのゲームがリリース。カプコン自身もシリーズ展開することによるマンネリ回避・ライバルたちとの差別化のため、たびたび新機軸が盛り込まれてきた。新しく「~ヴィレッジ」に盛り込まれたのは、シナリオと場面を盛り上げる演出面の強化だ。

 なお本作のストーリーは前作「~7」と密接にリンクしており、こちらをプレイしておいたほうが、張り巡らされた伏線をより楽しめる構造となっている。いろいろと思い出しながら、展開や謎を想像・推理する楽しみが広がるのだ。もちろん未プレイでも「~ヴィレッジ」単体で意味不明な部分が発生するような不親切な部分はないが、意外な人物との再会など、同じ場面でも受ける印象が大きく変わることになるだろう。

 そして今回のシナリオを貫くテーマは「家族愛」。イーサンの妻・ミアと愛娘・ローズに対する想いと、ラストに見せる彼の行動に、多くのプレイヤーが心を揺さぶられることになるだろう。一連のストーリー性の高さはシリーズ屈指。発売前によもや「バイオハザードで涙を流す」ことになるとは想像だにしなかった。

 エンディングでは次回作(「~9」)につながるであろう物語も語られ、期待が膨らむとともに、その余韻が一層強まる憎い演出も用意されている。

 次はどのような新機軸が打ち出されるのか。今から楽しみである。

(文=後藤将之/ライター)

歴代ダービーオーナーたちの「強運」ぶりに驚嘆!「一国の宰相になるより難しい」といわれる東京優駿制覇の豪快エピソード

「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になることよりも難しい」。

 日本ダービー(G1)のゲートが開く今週末。多くの競馬ファンが、特別な一週間を過ごしているのではないだろうか。

 特別な一週間を過ごしているのはファンだけでなく、競馬に関わるすべての人たちも同じこと。特に夢舞台・ダービーに自身の愛馬の出走が叶った馬主にとっては、胸が高鳴る一週間に違いない。

 冒頭で挙げたセリフは、かつての英国首相ウィンストン・チャーチルが述べたとされる有名な言葉。ダービーに勝つことの難しさを表すと同時に、その特別な名誉を表しているとおり、すべての馬主にとって、究極の目標ともいえるのが「ダービーオーナー」なのだ。

 すべてのホースマンが最大の目標とするダービー。その歴史を紐解けば、誰もが唸る“強運”の持ち主が勢揃いしている。

 今からちょうど70年前、1951年のトキノミノルは、当時のレコードタイムをマークしたダービー優勝からわずか17日後に破傷風で死亡。「ダービーに勝つために生まれてきた幻の馬だ」とよばれる同馬の馬主は永田雅一氏だ。

 永田氏といえば、映画会社の「大映」の社長でもあり、大映スターズから東京オリオンズまでプロ野球球団のオーナーでもあった人物。個性的で大言壮語な語り口は「永田ラッパ」とよばれ、その人生の随所でただならぬ“強運”を見せつけている。

 前出のトキノミノルは、1948年5月2日生まれ。曽祖父にあたるザテトラークはアイルランドの競走馬で、芦毛や黒毛、栗毛が混じった奇妙な斑点模様をもつ馬としても有名だった。「驚異のまだら」とよばれたザテトラークの血をひくトキノミノルは、気性も荒く、なかなか買い手がつかなかったという。

 しかし、その素質を見込んでいた田中和一郎調教師は、当時、高額な馬を買い漁っていた永田氏に購入を勧めて、ようやく競走馬としての生活がスタート。

 ところが永田氏は、全くと言っていいほど同馬に関心を持たず、馬名すらつけなかったというから驚きだ。渋々、田中調教師らが「パーフェクト」と名付けた同馬はデビュー戦を圧勝。その報告をすると、永田氏はこの馬を買っていたことすら忘れていたというエピソードも残っている。そして、デビュー戦圧勝を機に馬名はトキノミノルへと替えられた。

 そんなトキノミノルは、永田氏の“強運”も手伝ったのか、連勝街道をまっしぐら。皐月賞(G1)をも制して、9戦9勝でダービー出走まで叶ってしまった。

 しかしそのダービーでは、最終追い切りのタイムがあまりにも遅く、不安に思った田中調教師が脚元を調べると、かなりの腫れが発見されたことで、レースでは蹄と蹄鉄の間にクッションとしてのフェルトを挟むなどして出走したという。

 そんな関係者の不安をよそに、トキノミノルは快勝。かつて馬名すら付け忘れていた愛馬が、脚元の不安を抱えながらダービー馬になるとは、やはり永田氏の“強運”は特筆モノといえるだろう。ちなみに同氏は1988年に、野球殿堂入りも果たしている。

 近年のダービーオーナーで類稀なる“強運”の持ち主といえば、関口房朗氏で決まりだ。

 自身の名前から「房朗が一番」を意味する「フサイチ」の冠名で競馬界を席巻。1996年のダービーを制したフサイチコンコルドのデビュー3戦目での勝利は、奇跡としか言いようがなく、同時に関口氏が“強運”の持ち主であることを証明している。

 当日のダービーでは、フサイチコンコルドは7番人気で単勝オッズは27.6倍。関口氏は100万円分の単勝を買っており、レース後には払い戻し2760万円をゲット。さらに関係者への記念として、ほかにも1万円分の単勝馬券を100枚買っていたというから驚きだ。

 ただならぬ“強運”を発揮して、2760万円を2口分も手にしてしまった関口氏。ダービーの賞金と合わせると、当日はわずか数分で約2億円を手にしたという伝説も残っている。

 現在まで最強の“強運”を発揮しているのは、ダービー歴代最多勝オーナーの金子真人氏だろう。

 競馬ファンにはお馴染みの金子氏は、2004年のダービーをキングカメハメハで制すると、金子真人ホールディングスとして2005年ディープインパクト、2016年マカヒキ、2018年ワグネリアンと、立て続けに所有馬がダービーを制覇。

 とくにワグネリアンは、父がディープインパクトで、母の父がキングカメハメハと、金子氏の愛馬の結晶のような血統。まさに漫画のような「血統物語」は、先にあげた2人のダービーオーナーにも負けない“強運”を発揮しているといえる。

 先週のオークス(G1)ではソダシとアカイトリノムスメといった所有馬2頭を送り込んだ金子氏。1、2番人気の馬どちらも所有している点でさえ特筆モノだ。また、ソダシが8着に沈んでも、アカイトリノムスメはしっかり2着に入るあたりも、“強運”健在を示す結果となった。

 そして今週のダービーには、前走の皐月賞で5着のヨーホーレイクがスタンバイ。勝利すればダービー5勝となり、ダービー馬主歴代勝利数を更新することになるが……。金子氏の“強運”に、否が応でも注目が集まることになるだろう。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

交際はYOSHIの勘違いだった…紗栄子、17歳を惑わせた“反省”と“余裕の様子”

 10代の“淡い失恋話”で終わってしまうのだろうか――。

 メジャーリーガーのダルビッシュ有投手の前妻で、ZOZO創業者の大富豪、前澤友作氏の元恋人としても知られるタレントの紗栄子が、16歳年下のアーティスト、YOSHIと交際していたと、11日発売の「週刊女性」(主婦と生活社)が報じた。同誌によれば、2人は一昨年、大型台風被災地復興プロジェクト「YOUR RESTAURANT」の仕事で知り合い、交際に発展したが、昨年秋には破局。交際当時、YOSHIはまだ17歳だったという。

 YOSHIはほぼ演技未経験ながら、2019年公開の映画『タロウのバカ』で主演に抜擢され、共演した菅田将暉と仲野太賀も唸らせるほどの逸材と話題に。さらに大塚製薬の「カロリーメイト」やパナソニックの「完全ワイヤレスイヤホン」など大手企業のCMにも多数起用され、ファッション界からもラブコールを受けるなど、“注目の若手アーティスト”として知られている。

「YOSHIのほうが一方的に紗栄子に惚れて、舞い上がっていろんな人に紗栄子との話をして、噂が広がったというのが事の真相みたいですね。YOSHIの所属事務所の社長は渋谷界隈のクラブでは有名人で、同じくクラブに通っているファッションモデルなどとの交流は広く、もしかしたらそのあたりから情報が広まって、マスコミの耳にも入るようになったのではないかという話もあります」(業界関係者)

 一方の紗栄子は、熱愛報道にも“大人の対応”をみせているという。

「今回の記事が出たとき、最初は紗栄子さんもかなりびっくりされていたと聞きました。そして、17歳の少年との付き合い方に失敗したと反省もしているとも。ただ、紗栄子さんとしてはYOSHIくんと交際していたつもりはまったくなく、完全に彼の勘違いだったということ。記事が出てスタッフも心配しましたが、本人はいたって冷静で『慣れっこだよ』と余裕の様子をみせていますよ」(紗栄子を知る関係者)

 紗栄子といえば昨年から那須の牧場経営に乗り出したり、アパレルブランド関連のビジネスを手掛けたりと、意欲的な活動を展開している。

「アパレルやら牧場やらで、何せスケジュールがパツパツ。YOSHIくんに構ってる時間はないでしょう。芸能人が監修するようなアパレルのビジネスはあまり稼げないのですが、紗栄子さんはやらなくてもいいような事務的な仕事まで自分でやったりしているくらいですからね。ただ、報道が出てYOSHIくんに関しては結構心配していて、“LINEなどして勘違いされて、また週刊誌に書かれても困るしね”という感じのようです」(業界関係者)

 気になるのはYOSHIの今後だが、YOSHIは報道後の18日、自身のInstagramに丸刈り姿の写真と共に、次のように投稿している。

「I’m back人間はやるべき事だけやれば良い、本質的にやらなくて良いと、思った物は、やるな、あくまで自然体で、Go my Wayゆう言葉が体で理解できた時、夢の扉が開かれる、人のため?いや違う自分のため、自分が楽しまないで誰が楽しむの?自分のために本気でできれば人間は、最強だ。人は人、俺は俺、、、」

 YOSHIを知る関係者はいう。

「YOSHIくんの両親は共働きで、幼少期から1人で遊ぶことが多く、そのせいか同年代の子と遊ぶより大人といるほうが居心地が良いらしく、そんな背伸びしたYOSHIくんを業界人たちが面白がっているところもある。彼の今後は、周りにいる大人たちにかかっていますよ」

(文=編集部)