“100社100様”のDXを支援 「Dentsu DX Ground」が導く、過去に縛られない変革

各業界においてデータに基づいたサービス改善や商品開発などを推進する動きはますます活発化している。一方でDXの推進を阻む障害は数も多く、システム構築、オペレーションの変更、社内外との連携など多岐にわたる。

そんな中、電通グループの電通デジタル、電通国際情報サービス(以下ISID)、電通アイソバー(以下、アイソバー)の3社は、クラウドインテグレーションを強化する横断組織「Dentsu DX Ground(以下、DDXG)」を設立。

3社の担当者から昨今のDXにおける本質的な課題や、同組織の発足経緯とその強み、DX推進事例を伺った。

(執筆:那波 りよ、撮影:関口 達朗、編集:MarkeZine編集部)

 
※本記事はMarkeZineからの転載記事です。社名等は2021年5月時点のものです。

 

左からISID コミュニケーションIT事業部・中村成孝氏、電通アイソバー ビジネスデベロップメント本部・吉岡真氏、電通デジタル データ/テクノロジーソリューション部門・越久村克士氏
左からISID コミュニケーションIT事業部・中村成孝氏、電通アイソバー ビジネスデベロップメント本部・吉岡真氏、電通デジタル データ/テクノロジーソリューション部門・越久村克士氏

<目次>
デジタル領域3社でクラウドインテグレ─ションの強化へ
すれ違うマーケとITの思惑をアジャストする
「そのDXに意味があるのか」を検証する
広告領域の強みもそのままにDXの全領域をカバー
顧客体験の向上とともに内部の効率化を推進
ナレッジを共有し、より一層の体制強化・サービス拡充へ

デジタル領域3社でクラウドインテグレーションの強化へ

──電通デジタル、ISID、アイソバーでは、2021年1月にDDXGの設立を発表されました。その経緯を教えてください。

アイソバー・吉岡真氏(以下、吉岡):近年では、クライアントからの要望がより高度化、複雑化しており、クロスクラウドが求められる状況になりました。そうした中では、各社の得意領域を掛け合わせてサービスを提供し、クライアントにさらなる価値を提供できる体制が必要です。

電通アイソバー ビジネスディベロップメント本部本部長 吉岡真氏
電通アイソバー ビジネスデベロップメント本部本部長 吉岡真氏

吉岡:そこで今回、3社がこれまで以上に深く手を組むことで、大規模化するクラウドソリューションの構築・運用やデータ活用をより最適な形で提案し、企業のDX推進に向けたインテグレーション強化を支援することになりました。

ISID・中村成孝氏(以下、中村):現在、顧客から求められるスコープが広がり、マーケティングやEC、BIなどを含めたフルレンジで提案、構築するケースが多くなっています。個社ごとでは領域を限って提案・受注するケースが多いのですが、3社で連携することにより、領域を広げてバリューチェーン全体のインテグレーションが可能になります。

電通デジタル・越久村克士氏(以下、越久村):案件の大規模化、複雑化に加え、「顧客体験をどう作っていくべきか」という課題感もこれまで以上に表出してきました。また、クライアントの社員の働き方も変わってきています。我々各社とのお付き合いの中で求められていたサービスの範囲外にある課題が、クライアントの中でも顕在化してきている。それに対応することが我々の喫緊のミッションでした。

DDXGの設立とは別の取り組みですが、電通デジタルとアイソバーは2021年7月に合併し、新生電通デジタルとして活動します。アイソバーで培われてきた顧客体験(CX)領域のナレッジは、新生電通デジタルやDDXGにおいてさらに強化されます。

すれ違うマーケとITの思惑をアジャストする

──現在よく耳にされる、DX推進の阻害要因はどのようなものですか。

中村:ひとつは、マーケティング部門とIT部門とのコミュニケーションにおける齟齬です。まず、共通言語が違うので言葉が通じない。でも実は単なる言葉の違いではなく、それぞれの視点が異なるために話が通じていないことがあります。

電通国際情報サービス(ISID) コミュニケーションIT事業部戦略ビジネスユニット長 中村成孝氏
電通国際情報サービス(ISID) コミュニケーションIT事業部戦略ビジネスユニット長 中村成孝氏

中村:マーケティング部門はビジネス的な成功がゴールなので高速でPDCA を回したい。スピード感やコストを考えるとトライアルで作った仕組みをそのまま本番運用したい。

一方でIT部門は、長く安定して運用できることを重視しており、パフォーマンスやセキュリティーといった、いわゆる「非機能」にしっかり対応したいため、早急な本運用を避けたい。

DXを推進するには、両者の思惑をアジャストすることが重要です。その橋渡しは、我々だからこそ担える役割だと思っています。

「そのDXに意味があるのか」を検証する

吉岡:当社では、「DX推進や新たなシステムの構築に、本当に意味があるのだろうか」という“そもそも論”から相談をされることもありますね。そのため、仮説検証といったディスカバーフェーズを大切にし、戦略部分からクライアントと一緒に考えます。

特にマーケティング視点では、上層部から新ツール導入ありきで話を進められたものの、それがROIと合わないといった悩みを聞きます。そうしたケースでROIの算出を仮説ベースでお手伝いできるのはわれわれの強みです。

越久村:「DX推進を目標に新組織を作り、横断型プロジェクトが走っているものの、具体的な進め方がわからない」という声も聞きます。組織が大きくなるほどハブ役としてプロジェクトを推進していく人材が求められますよね。でもそこが不足していることが多い。

また、マーケティング面の一番の課題は、データをマーケティング部隊が使いやすい状態にすることですね。会社が100社あれば100通りのDXがあります。我々はビジネス課題から工程を認識し、施策を俯瞰して再構築するお手伝いをします。

電通デジタル データ/テクノロジーソリューション部門部門長 越久村克士(おくむら・かつし)氏
電通デジタル データ/テクノロジーソリューション部門部門長 越久村克士(おくむら・かつし)氏

広告領域の強みもそのままにDXの全領域をカバー

──今回のDDXGのサービス領域は、従来のシステム構築支援やコンサルティングとはどのように違うのでしょうか。

中村:3社がそれぞれの得意領域で互いを補い合うことで、DXに関わる領域全般をカバーしています。

DDXGが支援可能な領域の図
DDXGが支援可能な領域の図

中村:特徴的なのは、顧客目線、顧客体験目線のアプローチからスタートするところ。コンセプト作りからカスタマージャーニー設定、プロトタイプ作り、そして構築する仕組みの価値検証まで行います。

そのほか支援していて重要に感じるのは、見落としがちな裏側のオペレーションですね。顧客体験を突き詰めるのは重要ですが、その裏側に「どんな業務がどんな分量であるのか」を意識せずに進んでしまうと、運用に入ってから痛い目に遭います。顧客体験が氷山の一角だとすると、裏側の業務は海中の巨大な氷塊のイメージ。そこまでカバーできるのも3社協業の利点です。

目指すサービスモデルがOne to Oneですと、ネームドユーザーとのコンタクトやリテンションが基軸となります。一方で、新規顧客も開拓したいしアノニマスからの連続性も欲しい。そのために必要な広告領域もスコープに入れられるのは我々の大きな強みですね。

越久村:日本ではコンサルティングファームが広告領域の機能を持っていないことが多いです。電通デジタルの中には大きなデジタル広告の部門があり、長年の支援経験があります。他社にはない範囲でソリューションをカバーしています。

吉岡:アイソバーは自社メディア、自社コンテンツに注力していたので、今回、電通デジタルと合併してペイドメディアまでカバー領域が広げられるのはとても大きなメリットです。電通グループとして蓄積されてきた広告領域の強みを生かしつつ、合併といった構造改革を経ることでDX、CX のサポートの強化も進められると考えています。

顧客体験の向上とともに内部の効率化を推進

──支援内容について、具体的な事例を教えていただけますか。

吉岡:たとえばアパレル業界は今、直販に注力しています。ただ、既存のコマースプラットフォームで提供できるのは「購入体験」であり、「購買の楽しさ」ではないのが実情です。

そこで、コマース基盤だけではなく、その上にCMSを活用して自由度の高い表現を施し、顧客体験を向上するといった取り組みを行っています。エンドユーザーが欲しいものを具体的に見たり感じたりできる仕組みを作りました。

DDXG鼎談
 
越久村:金融業界の事例では、スマホ完結型になった顧客の行動様式における変化への対応と、銀行内の体制効率化および最適配置が課題になっていました。

そこで、スマホ、ウェブ、支店の窓口、コールセンターなど多様化する顧客接点において、それぞれで伝える内容を統一し、顧客行動データも整理。顧客個人に適切な提案ができる設計をしてクラウドに統合、顧客体験を最適化しました。

さらに内部では、顧客資産の多寡も含めてセグメントを作り、ターゲティング精度を向上。また、顧客の抱える課題に沿ってオンオフの各チャネルを再定義できたことで、各顧客へのコミュニケーションを最適化でき、人員と施策の効率化につながりました。

中村:メーカーの事例では、販売店や代理店経由のビジネスモデルが多く、自社に顧客情報がないことが課題になっていました。

解決策として直販に舵を切る方法もありますが、ビジネスモデルを変えない方法として代理店にメリットがある仕組みをメーカーが作ることも有効です。例えば、情報発信を通じてファンを作る顧客プラットフォームをメーカーが用意して、そこでコミュニティーを作ります。そして購買自体は代理店に誘導します。成功の鍵は、どのようなコンテンツを作るか。

DDXGでは企画段階からクライアントのチームに参加し、より実現性のある形を模索することで、クライアントがコンテンツやサービスに注力できるような支援が可能です。

──なるほど。クライアントによっては、既存のシステムとの連携や簡便性を理由に、求めるクラウドソリューションが異なるかと思いますが、DDXGではどのようなソリューションをお取り扱いでしょうか。

越久村:大枠でいえば、CRM、MA、オウンドCMS、データ管理系のCDPや、顧客データを取得・分析するためのBIツール、ウェブアナリティクス、また最近ではECプラットフォームのソリューションも扱っており、顧客体験のDXに求められる領域は全般的にカバーできているかと思います。また、単一領域に特化して強い製品もありますので、クライアントの状況によって、これらを組み合わせ提案しています。

ナレッジを共有し、より一層の体制強化・サービス拡充へ

──最後に、 DDXG における今後の展望を教えてください。

吉岡:DDXGの3社は各社があらゆるソリューションやプラットフォームに対応していますし、そのどれも経験値が高いです。

アイソバーは、電通デジタルと合併し、同じ運営になることでより一層明るい未来が広がっていると感じています。単純なリソースのシェアだけでなく、ナレッジも共有して自分たちのサービス領域をどんどん拡大できることが、今後の体制強化につながっていくと思っています。

また、体制面に加えて、新しいサービスをより多く作っていけることにも期待しています。電通グループとしても、DX領域やその採用活動にもきちんと布石を打ち、良い人材を確保していきたいですね。

中村:ナレッジのシェアが非常に有効な世界なので、自分たちからも積極的にナレッジを提供し、また他2社の知見をうまく吸収して、3社合同で独自のメソドロジーやサービスを開発していきたいですね。

越久村:DDXGとしてひとつのブランド、“館”を作れたので、そこに魂を入れていきたいです。ソリューション提供やオファリングをして、さまざまな領域でDDXGならではの価値をきちんと提供していきます。

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本記事でご紹介した「Dentsu DX Ground(DDXG)」では、企業のDX推進に向けたインテグレーション強化を、あらゆる領域で支援します。

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バーチャルイベントが「新しい日常」に

この記事は、frogが運営するデザインジャーナル「Design Mind」に掲載されたコンテンツを、電通BX・クリエーティブ・センター、岡田憲明氏の監修でお届けします。

flog #26

これからのバーチャルイベントをデザインするための5つのヒント

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によりソーシャルディスタンスへの意識が定着する中、対面型のイベントやコミュニケーションに代わる手段として、バーチャル(仮想)空間でのイベントやウェビナー、会議が組織には欠かせなくなっています。

感染拡大が始まった2020年初頭、イベント&エンターテインメント業界は全体的に動きを止め、甚大な経済的打撃を受けました。デザイン業界に生きる私たちは、この大きな転換期こそ「対面型イベントでしか味わえない体験とは何か」を問い直すチャンスととらえました。そこで、バーチャルイベントのデザイン再構築に着手したのです。

目指したのは、対面型イベントのあらゆる要素を楽しめる革新的なオンライン体験です。そこには、参加者が刺激的な体験を共有でき、ネットワークを構築できるバーチャル空間や、参加者同士の有意義なコミュニケーションを促すリモートツールなどを用意します。その過程で私たちは、frogのリモートテクノロジーストラテジーカスタマーエクスペリエンスに関するスキルを活用することで、参加者の心を揺さぶる独自のバーチャル体験をデザイン・構築できる可能性が大いにあることに気づきました。

デザイナーがバーチャルイベント空間にインパクトを与えるには

私たちはある大手メディア企業から、参加者にインパクトを与え続けられるバーチャルイベント戦略を立ててほしいとの依頼を受けました。

デザイナーとしての力量が試されるこの機会に、私たちはfrogが行っている「人を起点とするデザイン」の視点を取り入れました。イベントは、当然すべてリモートで行いますが、そこに単純に「対面型」の感覚を再現しようとするのではありません。

一般的な動画ストリーミングサービスに簡単に組み込めるデジタル製品を開発し、機能に適したコンセプトを構築するため、クライアントが求めるイベントの目的を深く掘り下げました。クライアントの主な目標の一つは、画面疲れをできるだけ少なくし、バーチャル環境でのエンゲージメントを高めることでした。そのためには、AI(人工知能)チャットボットや、AR(拡張現実)用ヘッドセット、バーチャル会議ステージなどの活用が考えられます。

バーチャルイベントの分野には、すでに優れたイノベーションの実例があります。オンラインゲームの「Fortnite(フォートナイト)」は、ユーザーにとても魅力的なバーチャル体験を提供しています。参加者がアバターの姿で世界中から集まり、人気ラッパーのトラビス・スコットと一緒に新しいタイプの音楽の旅を楽しむゲームですが、スコットはこのゲームの中で、最新アルバムを世界で初披露するバーチャルコンサートを行いました。

プロスポーツの世界では、全米バスケットボールリーグNBAがいち早くバーチャルでの「試合再開」に乗り出しました。Microsoft Teamsの「Together Mode」など、新しい技術を取り入れ、AIを使った画面の分割や統合を駆使して、観客がバーチャルスタンドに座っているかのように映したのです。ファンはスマートフォンのNBAアプリを使い、「デジタル応援」や「拍手」を送ることで試合に参加できるようになりました。こうした実験的な手法によってバーチャル体験の質が高まっています。

世界中でロックダウン(都市封鎖)が続いた数カ月の間、frogは複数のクライアントがリアルイベントをバーチャルイベントへ移行するための支援をしました。パンデミック前は、この分野はfrogの中核的な事業ではありませんでしたが、私たちは(frogのクライアントパートナーの多くと同じように)素早く転換を図ることができました。「人を起点とするデザイン」というアプローチが、記憶に残る有意義なバーチャルイベント体験を構築するための、またとないツールになったのです。この経験から得られた、バーチャルイベント企画運営のための特に重要なヒントを以下に紹介します。

バーチャル体験デザインのための5つのヒント

1 適切なバーチャルプラットフォームを見極める

自社に社内ミーティング用の定番アプリがすでにあるからといって、社外向けのバーチャルイベントにも同じアプリが適しているとは限りません。バーチャルイベントを開催するのにふさわしいプラットフォームは、そのイベントに参加するユーザー層を考えて見極めましょう。対象となる業界や年齢層によく使われているバーチャルプラットフォームがあるか?ユーザーが期待しているのは受動的に情報を得ることか、もしくは積極的に参加して講師や他の参加者と交流することか?こういった問いの答えが見つかれば、イベントの運営側にとっても参加者にとっても最適なプラットフォームを選択できるはずです。

2 バーチャルイベント専用のチームを編成する

バーチャルイベントを企画するには対面型イベントの企画とは異なるスキル、ツール、専門知識が求められます。つまり、バーチャルイベントの企画運営に当たるメンバーも、対面型イベントと同じでは難しいということです。バーチャルイベントチームにはコンテンツ制作者やイベントプロデューサーのほかに、IT部門や技術部門の担当者も必ず加え、イベント前(あるいはイベント実施中)に問題を見つけ出し、解決できるようにしておきましょう。

3 イベント戦略の立案からデザイン視点をもって

バーチャルイベントの企画に当たっては、早い段階でイベントのコアバリュー、コンテンツ、目標を明確にする必要があります。これらの要素はイベントのプラットフォームから、実施される各セッション、アクティビティまで、企画内のあらゆる面に影響します。私たちの経験では、企画段階でデザインの原則や慣行(オンラインホワイトボード「Miro」などのコラボレーションソフトウェアの活用も含めて)を適用すると、イベントの戦略と枠組みの一貫性、インパクトの強さ、生産性が高まります。

4 参加者の関心を引きつける

近頃は「リモート疲れ」という言葉をよく耳にします。しかし幸いなことに、バーチャルイベントの参加度を上げ、記憶に残る魅力的なイベントにするためのツールは数多くあります。

例えば、テーマのあるセッション以外に“休憩室”のようなバーチャルルームを作り、参加者同士が個人的な話をしたり交流したりできるようにすれば、対面型イベントと同じように自然な出会いの場を生み出せます。一方、各イベント特有のフィルターやコラボレーション型オンラインゲームといった体験型コンテンツを工夫し、バーチャルならではの特徴を活用することも有効です。

5 想定外を予想しておく

コロナのパンデミック中にリモートワークをしていた方なら、リモートでの対話が、インターネット接続不良といったごく単純な技術的問題でうまく進まなくなることをご存じでしょう。しかし、バーチャルイベントの主催者はこうしたよくあるトラブルに加えて、これまでに経験したことのない問題にぶつかり、突然イベントがストップしてしまうケースも予想しておく必要があります。イベント企画チームは、事前に起こりうる問題とその対応策をできる限り想定し、もしものときにもイベントを続けられるプランを確実に用意しておきましょう。

2020年は私たちの日常生活やツール、今後の展望など多くのことが変わりました。frogでも皆さんと同じように変わりゆく状況への適応を迫られましたが、経験豊富なデザイナーたちが持つ多様なスキルと専門知識のおかげで、リモートが当たり前になった「新しい日常」のためのユニークなバーチャル体験を生み出すことができました。それは革新的でユーザーの記憶に残る体験です。ワンランク上のバーチャルイベントを開催したいとお考えなら、ぜひfrogにお手伝いさせてください。

この記事はウェブマガジン「AXIS」にも掲載されています。    

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日本以外の先進国、早くも景気過熱&金利上昇の懸念…日本経済、警戒が必要なモード入り

 米国の金利が急ピッチで上がっていることから、金融政策の見直しが囁かれるようになってきた。今のところ日本の金利は安定しているが、米国の金利上昇が続けば日本も無縁ではいられない。金利が上がれば、否が応でも出口戦略を議論せざるを得なくなるという現実を考えると、量的緩和策はいよいよ大きな曲がり角を迎えたといってよい。

米国の長期金利が急上昇

 今年に入って米国の長期金利が急上昇している。年初には1%前後だった10年物国債の金利は3月に一時、1.7%を突破。その後、少し落ち着いたものの1.5%台を維持している状況だ。絶対値としてはまだ低い水準だが、2020年中には0.5%まで金利が下がっていたことを考えると、直近の金利上昇はかなりの急ピッチと映る。

 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は2014年に量的緩和策を終了し、その後、金利の正常化を試みた。市場動向を見ながらも一定のペースで金利を引き上げることが当初の目標だったが、これに待ったをかけたのかトランプ前大統領である。トランプ氏は景気拡大を優先するため、FRBによる金利引上げを牽制。この動きと前後して米国の景気が一時、踊り場に差し掛かったこともあり、パウエルFRB議長は、機械的な金利の引き上げについて断念せざるを得なかった。

 量的緩和策という非常事態から元の状態に戻すことを出口戦略と呼ぶが、コロナ危機の発生で各国景気が悪化し、米国の金利もが2020年に入って急落したことから、出口戦略はかなり先になるとの見方が一般的となった。

 ところがコロナ危機が市場に思わぬ変化をもたらしており、景気回復に時間がかかるという従来の常識は変わりつつある。その変化とは、コロナ危機をきっかけとした経済のデジタル化である。

 このところAI(人工知能)に代表される新しいテクノロジーの驚異的な進歩によって、産業構造が激変するとの見方が台頭している。コロナ危機発生前の段階では、一連の変化は10年~20年という単位で進むと思われていたが、コロナ危機の発生が状況を一気に変えた。

 各社はコロナ危機に対応するため、非対面でのビジネスを急拡大し、それに伴って業務のデジタル化を猛烈に進めている。加えて、サプライチェーンのリスクを最小限にするため、調達範囲の縮小と近隣取引の拡大を進めており、これに伴って物資の調達コストが跳ね上がっている。

むしろ景気過熱が心配される事態に

 デジタル化の進展があまりにも急ピッチであることから、全世界的に半導体が不足するという異常事態も発生しており、半導体メーカー世界最大手の米インテルは、何と国内に他社の半導体製造受託を行う新工場(ファウンドリー)を建設するという驚くべき決断を行っている。

 しかも、日本を除く先進各国ではワクチン接種が順調に進んでいることから、世界はコロナ後を見据えた先行投資競争に邁進しており、資材価格も急騰している状況だ。

 つまり、コロナ危機によって経済のデジタル化が急ピッチで進み、ワクチン接種によって景気回復の目処が立ったことから、景気過熱すら指摘されるようになってきた。景気の過熱要因はそれだけではない。新しく政権の座についたバイデン米大統領は、矢継ぎ早に超大型の財政出動を表明しており、その規模は総額で約420兆円という途方もない額に膨れあがっている。

 予算は議会が決定するため、全額が執行されるのかは分からないが、前代未聞の財政出動が実施されるのはほぼ間違いない。バイデン政権は財源を確保するため法人増税や富裕層向けの所得増税などを行う方針だが、財源の多くは国債増発となるので、増税による消費低迷よりも財政出動効果のほうが圧倒的に大きいだろう。

 整理すると、コロナ危機をきっかけに、次世代の成長エンジンとなるデジタル化投資が前倒しで行われ、ワクチン接種が進んだことから、コロナ後を見据えた資材の争奪戦がスタート。さらには米政府が前代未聞となる巨額の財政出動を計画している。景気を後押しする材料がここまで出揃うことは珍しく、市場において景気過熱を懸念する声が出てくるのは、当然の結果といってよいだろう。

市場ではインフレ懸念が台頭中

 景気が過熱するとインフレが予想されるので、債券市場はそれを見越して金利の上昇が始まっているというのが一般的な解釈である。同時に財政出動の財源の多くが国債であることから、財政悪化を警戒する動きも混じっている。景気拡大と財政懸念の両方が混在した形で、金利上昇が進んでいると見てよいだろう。

 もし米国の景気が順調に回復すれば、賃金や物価も相応に上がり、いわゆる良いインフレになる可能性もある。だが需要過多で物不足が続いた場合には、予想外にインフレが進む可能性があることは否定できない。そうなってくると、注目を集めるのが金融当局のスタンスである。

 今のところFRBは目立った動きを見せておらず、パウエル議長も正常化について「まだ議論する時期ではない」と市場を牽制する発言を行っている。足元のインフレ懸念の上昇だけで正常化を急ぐことはないだろうが、予想外に金利が上昇した場合には話は違ってくる。

 現在1.6%程度の金利が1%台後半となり、2%を突破するような状況となれば、FRBも何らかの対応を行わざるを得なくなる。5月12日の株式市場では、4月の消費者物価指数が予想外の伸びだったことから、金利上昇が警戒され売り一色となった。一方で、債券市場は買いが旺盛であり、金利はむしろ下がっている。実際に株式と債券を現物で行き来する投資家は少ないが、見かけ上は株の売却で得られた資金が債券に回った格好であり、株と債券のダブル安にはなっていない。

 しかしながら市場にインフレ懸念が存在しているのは間違いなく、何かをきっかけにそれが債券売りにつながる可能性については警戒が必要だろう。

金利上昇の影響をもっとも受けるのは日本

 米国の場合、経済に十分な基礎体力があり、巨額の財政出動による効果も期待できるので、仮に金利を引き上げても軟着陸を模索できる。一方、不用意に金利が上がった時に極めて制御が難しくなるのが日本である。

 2021年3月末時点における日銀の国債保有額は530兆円を突破している。量的緩和策で供給されたマネーはほとんどが日銀当座預金にブタ積みされており、市中には出回っていない。だが金利が上がれば銀行は収益を犠牲することはできないので、当座預金を引き出す可能性が高く、巨額のマネーがいよいよ市中に流出する(これを防ぐため日銀が巨額の利子を付与すれば莫大な国民負担が生じる)。

 日本はワクチン接種で致命的に出遅れており、景気回復の見通しも立っていないことから、10年物国債の金利は0.1%弱で安定推移している。日銀としては量的緩和策を継続する以外に選択肢はなく、日本において今、出口戦略を議論しても鬼が笑うだけだろう。だが、市場というのは時に制御できない力を持つものであり、グローバルで金利上昇が顕著となれば日本市場だけが無風というわけにはいかなくなる。

 実際、米国の金利が急上昇した2021年3月には、一時的ではあるが、日本の長期金利が0.15%に急騰し、一部の投資家を震撼させた。その後、再び金利は低位安定しているが、3月の動きは市場が持つパワーを垣間見せたとも言える。

 日本が金利への警戒感を持つ必要がない理由が、ワクチン接種の遅れというのは何とも情けない話だが、当面の間は、日本の金融政策に変更はないだろう。だが、グローバル市場はコロナ後を見据えて急ピッチで変化している。気がついた時にはすでに金利上昇が止まらなくなっているという可能性もゼロではない。相応の警戒が必要なモードに入ったと考えるべきだろう。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)、『中国経済の属国ニッポン、マスコミが言わない隣国の支配戦略』(幻冬舎新書)などがある。

予約が消える“ポンコツ”のワクチン予約サイト、報道に逆切れした岸防衛相の呆れた不見識

面子を潰されて怒る防衛大臣

「岸信夫@KishiNobuo 5月18日

自衛隊大規模接種センター予約の報道について。

今回、朝日新聞出版AERAドット及び毎日新聞の記者が不正な手段により予約を実施した行為は、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為です」 

 5月17日、菅義偉首相の肝いりで始まった、自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの「大規模接種」オペレーションの予約。これをめぐり同日、実在しない接種券番号でも予約ができてしまうことを実際に確かめつつ報じた朝日新聞出版と毎日新聞に対し、岸信夫防衛相は前掲のツイートで猛批判した後、防衛省として両社に対し、書面で抗議した。でたらめな番号でも予約できることを実際に確かめる「裏取り」作業をしたことを具体的に報じたことが、とにかく気に食わなかったようだ。

 岸防衛相のツイートに連なる世間の反響(引用ツイート)の中には、防衛相の実兄である安倍晋三前首相の、

「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。

防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」

といったものもあり、輪をかけて賑やかになって今では“お祭り騒ぎ”の様相を呈している。実在しない接種券番号でも予約できることを、裏取りしながら報じた記事には日経クロステックのものもあるのだが、引用ツイートの中には、「日経には抗議しないの?」と防衛相に尋ねているものもある。

 ただ、引用ツイートのコメントに目を通していくと、防衛相を支持するものと、朝日や毎日の記事を支持するものが半々といった情勢。ネット民の大勢は今のところ、どちらか一方に与しているわけではなさそうだ。朝日の記事(AERAドット)には、

「予約が始まった直後、『ワクチン予約に大変な欠陥が見つかった。システムのセキュリティが機能していない』(防衛省関係者)という情報が飛び込んできた」

とある。事実であれば、取材の端緒は内部告発だったことになる。朝日だけでなく毎日や日経も、予約が始まった5月17日のうちに当該記事を配信しており、この内部告発者(一人なのか複数なのかは不明だが)は、サイトの不備が原因で「大規模接種」が大規模な混乱に陥ることを危惧し、複数のメディアに対し、そうなる前にリークしたことになる。「実在しない接種券番号でも予約できる」と伝えたのは、システムに素人の記者でもすぐ理解できるように、特にわかりやすい問題点を選んで知らせた可能性が高く、予約システムにはそれ以外にも重大な欠陥が潜んでいる恐れがあるかも、と筆者は睨んでいた。

 ともあれ、このリークは「公益通報」としての情報提供であり、通報者は公益通報者保護法で保護されるべき対象となるのだろう。そうなると、次に危惧されるのは、防衛省が躍起になって“犯人捜し”と“報復”を始めることだった。

        ※

 驚いたのは翌日の5月18日夕方、時事通信が、「防衛省はシステム上の不備を事前に把握していたが、24日の接種スタートを優先し、改修を見送っていた」として、「岸信夫防衛相は18日の記者会見で、国が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種の予約システムを一部改修すると表明した」と報じたことだった。なんと防衛省は、予約システムの不備を知っていながら内緒にして「大規模接種センター」の予約をスタートさせていたのである。

 朝日や毎日の記事に対する岸防衛相の一連のリアクションは、国の安全保障を担う防衛省の面子を潰されて逆切れし、さも“そんなことはお前に言われなくてもわかっていたもんね”と意気がっているのと変わりない。朝日や毎日にケンカを売ったツイートを諫める側近はいなかったのだろうか。

 そして5月21日、筆者の嫌な予感が的中する。同日の東京新聞朝刊は1面トップ記事で、「大規模接種」の予約サイトで正しい接種券番号を入力してもエラーが出て予約できない人が、都内の板橋区や目黒区などで続出していると伝えた。今度は「予約ができない」というのである。いやはや、かなりのポンコツシステムだ。しかし岸防衛相は、東京新聞の報道があってもなお事態を把握できておらず、21日午前の記者会見でもまだ、「利用者に混乱が生じているとの報告はない」と述べていた。大変まずい対応である。

 事態を受け、防衛省は急遽、同日から電話での相談を受け付けることになった。ネットでの予約方法に関する質問に、電話で答えるのだという。でも予約は受け付けず、予約はあくまでもネットを通じて予約サイトでやらなければならないのだそうだ。なんと効率の悪いことをやっているのだろう。

 さらに5月25日、取れたはずの接種予約が消えてしまうケースまであると、同日の東京新聞朝刊が報じる。予約システムそのものに欠陥があることは、もはや誰の目から見ても明らかだった。

 筆者は当サイトで先日、新型コロナワクチンの接種予約にまつわる問題点を指摘する記事を書いたばかりなのだが、どうも我が国にとってワクチンの「予約」は鬼門であるらしい。

一連の報道は誰の役に立ったのか?

 またしても日本国民は、自分の祖国がデジタル後進国であることを思い知らされたわけだが、本稿では、朝日新聞出版と毎日新聞の報道が、公益通報をもとにした「公益性のある報道」なのか、それとも安倍晋三氏が言う「悪質な妨害愉快犯」なのかを検討してみたい。その判断基準となるキーワードは「公益性」であり「皆の役に立ったかどうか」である。

 そもそも、予約システムに何の心配もなければ、「防衛省関係者」が身の危険を冒して朝日や毎日等に欠陥情報をリークする必要はさらさらなかった。この関係者氏は、問題が発生した際に責任を取らされる立場の人かもしれない。システムの欠陥が、オペレーションに重大な支障をもたらす危険があり、それに目をつぶったまま、何の対策も取らずに走り出そうとしていたからこそ、予約開始の直後に内部告発した――と考えるのが自然だろう。この「防衛省関係者」氏の行動がなければ、朝日や毎日の報道もまた、なかった。

 しかし、1日1万人の高齢者のワクチン接種を目指すからには、その数倍の人が日々アクセスするサイトとなるだけに、いずれ不具合が生じて欠陥がバレてしまうのは時間の問題だった。前掲の東京新聞の「予約ができない」報道が、まさにそのことを証明している。つまり、防衛省が隠し通すことは不可能だった。

 それに、実在しない接種券番号でも予約ができてしまうことより、その後明らかになった「正しく入力しても予約できない」ことのほうが、よほど問題である。予約ができなければ接種も始まらないわけで、システムの改修が必要なのは「予約できない」ことのほうであるのは論を俟たない。

 もし「予約できない」システムであることのほうが先に世間の知るところとなっていれば、文字どおりの一大スキャンダルに発展し、岸防衛相は間違いなくその責任を追及されたことだろう。ことと次第によっては更迭されていたかもしれない。となると岸氏は朝日や毎日に抗議どころか、感謝しなければならないのかもしれない。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

●明石昇二郎/ルポライター、ルポルタージュ研究所代表

1985年東洋大学社会学部応用社会学科マスコミ学専攻卒業。

1987年『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル基地」計画を巡るルポを発表し、ルポライターとしてデビュー。その後、『技術と人間』『フライデー』『週刊プレイボーイ』『週刊現代』『サンデー毎日』『週刊金曜日』『週刊朝日』『世界』などで執筆活動。

ルポの対象とするテーマは、原子力発電、食品公害、著作権など多岐にわたる。築地市場や津軽海峡のマグロにも詳しい。

フリーのテレビディレクターとしても活動し、1994年日本テレビ・ニュースプラス1特集「ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞。

うつ病に腸内細菌が関与との研究…腸内環境が悪化→うつ誘発?ストレスを受けない生活習慣

 長引くコロナ禍にあって、心身のバランスを崩す人も多い。「病は気から」と諺にもあるように、ストレスによって体調を崩し、その果てに、うつ病になってしまうケースもある。うつ病の原因はひとつではないが、米学術雑誌「サイエンス」(5月9日号)に画期的な研究結果が紹介され、関心を集めている。その内容は「うつや気分障害に腸内細菌がかかわっていることが解明されてきた」というものだ。予防医療研究協会理事長で麹町皮ふ科・形成外科クリニック院長の苅部淳医師が解説する。

 競争の激しい現代社会は、ストレスとの戦いである。それに加えて長引くコロナ禍で、人との接触も減少するなど、ストレスは増大するばかりだ。そんなストレスこそが、うつを誘発しかねない。

「ストレスは腸内環境を乱す大きな要因となり、脳神経やホルモン分泌、腸内細菌が代謝する分泌物などにより双方向にやりとりをしています(腸脳相関)が、これが崩れてしまうのです」(苅部淳医師)

 ストレスで腸内環境が乱れるという経験をしている人は多いだろう。テスト期間や会議の際に腹痛が起きるなどの状況は、まさに腸脳相関といえる。ならば、腸内環境を整え強化すれば、ストレスに強くなるのだろうか。

「そうですね。それには腸の自然免疫、αディフェンシンが鍵となります」

 αディフェンシンとは、小腸から分泌される自然免疫の作用因子である。腸内環境は、恒常性により一定の状態を保っているが、過度のストレスにより恒常性を失うと腸内細菌のバランスが崩れ、αディフェンシンが減少し、不安や鬱を感じるようになる。

「北大の綾部教授らが発表した研究論文によると、αディフェンシンとは名前のごとく、抗菌ペプチドで病原菌を強力に殺菌します。殺菌といっても、抗生物質とは決定的に違い、腸内に必要な常在菌は維持し、腸内環境の恒常性が保っています。αディフェンシンは、腸内環境を良好に保つために必要なものなのです」

 αディフェンシンの減少を防ぐためには、可能な限りストレスを排除することが有効だ。

ストレスを受けない習慣

「強いストレスがかかると、このαディフェンシンが減少し、腸内環境が乱れ、うつになる可能性があることが初めてわかったのです。ストレスは精神的なものというイメージがありますが、そうではありません。ストレスは仕事や家庭内の精神的なものでも、過度な運動、睡眠不足、怪我などの肉体的なストレスでも同じです」

 ストレスに強くなることも大切だが、ストレスを受けない生活習慣を心がけることも重要だ。

「これからの時代は、腸内環境に対する検査、乳酸菌投与などのアプローチで精神的不調や神経系疾患を予防、治療していくのが大切です。私が勧める“ストレスを受けない習慣”は、以下の6つです」

(1)加工食品は食べない(コンビニ弁当、お菓子など)

(2)発酵食品をたくさん摂る(漬物、キムチ、みそ、納豆など)

(3)食物繊維を大量に(緑黄色野菜、海藻など)

(4)小麦は抜く(リーキーガットの予防)

(5)糖分は抜く(清涼飲料水、白砂糖は厳禁)

(6)適度な運動(1日15分程度の軽い運動でも可)

 今後も続くであろうコロナ禍で、ストレスに負けないよう、苅部医師が勧める習慣を心がけてほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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パチンコ「驚愕のアイディア」を実現した名作!!【レトロパチンコ実戦『ちんどん屋』編】

『魔界組』、『ミスターフォール』、『ザ・拳法』、『ニュー金棒くん』、『パチンコ大賞』等々。私が若い頃に夢中になった、西陣のハネモノ全てが本当に素晴らしい台でした。

 それら全てに繋がるのが今回ご紹介する『ちんどん屋』なのかも知れません。

 まだ昭和だった1987年の販売機種で、私がこの世で初めて目にしたパチンコ機がこの『ちんどん屋』でした。

 現役時代に打った事はないのですが、少し歳の離れた兄の隣の席で目にしたのを薄っすらと覚えております。

 元日ではなかったと思いますがお正月三が日だったのかな。「お年玉あげるからな~」と言われパチンコ店に連れていかれた記憶が。現在ではこの『ちんどん屋』そのものが失われつつあるようですが…そもそも「ちんどん屋」をご存知でしょうか?

 私が愛してやまないWikipediaにはこう書かれています。

『チンドン太鼓と呼ばれる楽器を《チンチン・ドンドン・チンドンドン》と鳴らすなどして人目を集め、その地域の商品や店舗などの宣伝を行う日本の請負広告業の一類型である』と。

 昭和のパチンコ店では新装開店などの際に『ちんどん屋』を見かけた事も何度かありましたので、コレをパチンコ機にしてしまったのはナイスなアイディアだったのかも知れません。

 ところで別の記事でも述べました西陣ハネモノの人気機種には何故か人型のキャラクター、役物を用いた機種が多いように思えます。

 本機の役物は当然『ちんどん屋』なのですが…。どう見ても『カー〇おじさん』にしか見えません…。

 おそらく意図的だったとは思いますが、こういったのが許された時代なのでしょうね。

 いずれ紹介する機会があるかもしれませんが冒頭で挙げた『魔界組』の役物は当時大ヒットした映画『霊幻道士』に登場する『キョンシー』。『ザ・拳法』の役物は超人気漫画に登場する『クリ〇ン』そのものと感じます(笑)。

 こういったのが西陣の得意とするところだったのでしょうか。わかりませんが過度の突っ込みは控えておきましょう(笑)。

 他にも従来のハネモノとは違う大きな特徴があり、チャッカーが何とチューリップになっています。

 したがって1度入賞すれば次の入賞は容易に。そういった意味では甘めの仕様だったのかも知れません。

 大当りすれば大開放という垂れ幕が降りてくると共に「お客様は神様です」との声が遊技を盛り上げてくれますが、実はこの『ちんどんや』こそが人の声を取り入れた初めてのパチンコ機だったのですね。

 それまでのパチンコ機は効果音やメロディーのみだったので実に画期的なパチンコ機だったのです。

 今ではすっかり見かける機会も減った『ちんどん屋』ですが、こんな時代だからこそ…。

 使ってみれば宣伝効果バツグンなのかも知れませんよ。

(文=電撃しらっち)

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 大松のパチスロ「ハイエナ」実戦。今回は特定の機種ではなく「立ち回りの結果」を書いていきたい。

「パチスロ」は「娯楽」である。ハイエナを行う際において「稼ぐ」よりも「楽しむ」に比重を置いて遊技するのが私のポリシーだ。

 だからこそ今回のように、昼過ぎで財布から4万円が失われても取り乱すことはない。しかし、正直に言えば内心は絶望一色。顔色を変えるとみっともないと思い、強がっているに過ぎなかったりする。

 戦犯は3台。まずは『Re:ゼロから始める異世界生活』の240G(1体撃破保有)を打ち、約760Gまで連行された上に2匹目の白鯨にあっさりと負けてしまった。

 続いては『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』の3スルー213Gや、『パチスロ ラブ嬢2』の5周期(ななめブドウ5回)など好条件の台を掴むも結果は奮わず惨敗。

 その後に数機種を打つも「鳴かず飛ばず」で負債を大きくするに至ってしまった。

 しかし、そんな絶望的な状況を覆してくれたマシンが登場する。それが『南国育ち-30』だ。

 本機は「準備モード狙い」が非常に有効であるが、現在は情報が浸透してしまっているため、その狙い目にお目にかかることは滅多にない状況。

 ただし、「天井狙い」も高威力で一般的には300Gから狙い目とされている。今回は「390G」を発見。これは僥倖だ。

 打ち出していくと約520Gでパトランプが点灯。残念ながらレギュラーボーナスとなったが、本機は初当りを得ることに意義がある。

 蝶は飛ばなかったが、ここからは準備モードとなり次回のボーナスで天国モードへ期待大。有利区間ランプが消灯するまで大チャンスが続く。

 緊張しながら遊技を続けるとリプレイで15枚役と同じフラッシュが発生。これは「特殊フラッシュ」と呼ばれ、ボーナスの当選と天国モード移行が優遇される「モードC以上」が濃厚となり、「モードD以上」の期待大となる激アツ演出だ。

 これまでの投資は合計で45000円。この状況での「特殊フラッシュ」は、地獄を彷徨う最中に天空から下げられた一本の糸を見つけたような「救い」を感じるに充分だった。

 そして130Gでランプが点灯。するとリールが静止したまま、けたたましい音とともに「SUPER LUCKYランプ」が輝いた。この時点でループ率90%オーバーの天国モードが濃厚である。

 勢いは止まらず、2400枚の完走に到達。無事に投資を上回る出玉を獲得し、大逆転に成功した。

 パチスロは時としてドラマを生む。どんな絶望的な状況であっても諦めてはいけないことを実感した実戦となった。

(文=大松)

<著者プロフィール>
 4号機『大花火』でホールデビューし、『パチスロ北斗の拳』でドハマリ。6号機は『パチスロ モンスターハンター:ワールド™』がお気に入り。G&Eビジネススクール卒業後、プログラマーや事務職を経験。現在はライティング業務に従事する傍ら「パチスロガチ勢」として活動中。パチMAXでは主にハイエナ実戦記事や動画レビュー記事を担当。常に攻略情報に注目しており、「6号機でも勝てる」を心情に有益な情報を紹介中。

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JRA若手騎手がコロナ禍の「合コン」発覚で師匠から大目玉! 遅刻、夜遊び、相次ぐ“素行不良”にモラル低下を危惧する声……、危機管理の甘さが導いたきっかけとは

 先週は斎藤新騎手の騎乗自粛の件について触れたが、今週からは小林脩斗騎手が2週間の騎乗自粛を予定しているという。

「朝の調教に続けて遅刻した事で、師匠の奥平雅士調教師が激怒したようです。礼節などに厳しい奥平師はすぐさま何らかの処置が必要と判断しました。ただ、新潟開催中で既にいくつかの依頼が入っていたため、即騎乗自粛だと多方に迷惑をかけるということで2場開催となる今週からの判断となりました」(競馬記者)

 コロナ渦で入場制限などがなされた当初は、若手の騎手ほど規律やルールを守っていたこともあり、意外とベテランの方が飲み歩いたりとモラルに欠ける行為が見られていた。

 ところが、最近は小林凌大騎手や斎藤騎手をはじめ、若手の意識低下が目立っていることは残念だ。なかでも先週はとんでもないニュースがトレセンを賑わせた。坂井瑠星騎手の自宅で会食という名の下で女性との大人数での“合コン”が判明したのである。

 どうやら参加した騎手の1人がインスタグラムにその様子を載せてしまったらしい。これはまさに自爆といえる行為で、すぐさま多くの関係者に拡散されて、明るみに出てしまった。

「詳細は16日の競馬開催が終わり、坂井瑠星騎手の自宅に西村淳也騎手、荻野極騎手が集合。また関東の山田敬士騎手と小林凌大騎手もわざわざ6時間かけて滋賀へ。そこに女友達を加えた10名程度で飲み会がスタート。朝まで大盛り上がりで、酔った勢いでその様子をアップしたという訳です。

良くない事ではありますが、SNSにアップしなければ分からなかった事なのに、今の若い子はその辺の危機意識が薄いというか……。特に関東の2人は県を跨いでの移動。勢いのある新人騎手が多く出てきた今は、特に頑張らなければいけない段階だけに、もう少し仕事に対して気持ちを向けて欲しいものです」(同記者)

 この件については、すぐさま騎手会などで事情聴取が行われ、隠せないと判断した参加者はあっさり認めて謝罪したらしい。ただでさえ、世間の目が過敏になっている状況下。本業の活躍ではなく、寝坊や夜の飲み歩きなどの“素行不良”で話題になっている場合ではないだろう。

 特段の処罰はなく、結局は厳重注意という程度で済んだようだが、こういった軽率な行動が続けば感染拡大のリスクも伴うため、最悪の場合は開催中止という事態も招きかねない。

 若くして大金が手に入る騎手という職業だけに、遊びたい盛りに何かと制限の多いコロナ禍では、フラストレーションが溜まるのも分かる話ではある。

 だが、モラルの低下を抑止するためにも、こういった行為が判明した場合にはベテラン若手を問わず、厳しい処罰を課さなければ変わらないのかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

櫻井翔『ネメシス』視聴率が『ドラゴン桜』の約半分…日テレ&ジャニーズが“緊急事態”

 視聴率三冠王の常連組である日本テレビが、頭を抱えているようだ――。

 4月期の日テレの春ドラマ『コントが始まる』『恋はDeepに』『ネメシス』の3作品が、揃いも揃って視聴率1ケタ台を叩きだすという事態に陥っている。なかでも深刻なのが、嵐の櫻井翔と広瀬すずが主演を務める『ネメシス』。江口洋介、仲村トオル、石黒賢、橋本環奈、勝地涼、中村蒼といった一流俳優陣が脇を固めているのに加え、毎回、大島優子や真木よう子ら豪華なゲストも出演している。

 だが、初回世帯視聴率こそ11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と2ケタ台をマークしたが、第2話が9.5%、第3話が8.9%。第4話が8.3%。直近の23日放送回は7.4%と低迷している。

「一話あたりの制作費は破格の約1億円といわれています。初回は2ケタ台のスタートとなり、関係者をホッとさせたんです。同じ日曜夜に放送されている『ドラゴン桜』(TBS系)はコンスタントに12~15%近くを取っている。『ネメシス』はその約半分といったところで、これはまさに日テレにとっての緊急事態。年内には映画版『ネメシス』が公開されるようですが、このまま視聴率が一向に上向かない状況が続けば、どうなるのか……」(テレビ局関係者)

 ストーリーとしては、天才的な推理力を持つ助手の美神アンナ(広瀬)と自称天才探偵だが実はポンコツ探偵の風真尚希(櫻井)の二人がコンビを組んで、難事件を解決していくという設定。美神の父親の失踪事件が伏線になっている複合ミステリーだ。

「キャストは最高です。しかし、この配役をドラマスタッフが活かせていない。最悪なのはオリジナルと胸を張るシナリオのレベルの低さだ」と厳しい意見を言うのが、多くのドラマを手掛けた経験を持つプロデューサーだ。

「事件解決の際にアンナが裏から推理を風間に伝え、風間はあたかも自分の推理のように披露し手柄にしてしまう流れですが、これこそ『名探偵コナン』のパクリですよ。コナンが毛利小五郎を眠らせて、あたかも毛利が推理して事件を解決していくかのようにみせるのと同じパターンです。そもそも、アンナがなぜ、ここまでして風間をフォローするのか。そのあたりがまったく描かれておらず、ドラマとして成立していないんです。『名探偵コナン』が日テレ系列の読売テレビ製作でなかったら、パクリで責められてますよ」

 事実、『ネメシス』をめぐってはインターネット上で“名探偵コナン・パクリ説”が話題になっている。

「日テレ上層部や編成幹部らからも似た指摘が、制作現場に寄せられており、スタッフ陣もそれは十二分にわかっています。しかしドラマ収録は主演した櫻井の都合で、昨年10~12月の間にほぼ撮り終えているので、もう修正がきかないんです」(日テレ関係者)

 そんな日テレに、櫻井が所属するジャニーズ事務所が助け舟を出しているという話も聞こえてくる。

「ジャニーズが、年内に公開が予定されている映画版『ネメシス』に嵐メンバーを出演させることを提案しているというんです。ドラマと映画がダブルでコケたら、それこそ櫻井の俳優生命はやばくなる。ジャニーズからしてみれば、まさに日テレと共倒れというリスクはどうしても避けたい。映画の興行収入をアップさせるために、禁じ手である嵐メンバーの出演を提案したと聞きます。もっとも、実際に出演に至るのかは、わかりませんが」(テレビ局関係者)

 いずれにしても、ドラマ版『ネメシス』の視聴率回復に期待したい。

(文=編集部)