甘デジ新台「強烈な1000発ループ」の爆発力にヤミツキ!「100%RUSH」の安定感も兼ね備えた話題作に熱視線!!

 インパクトしかないパチンコデバイスと、抜群の版権コーディネート力で業界に話題を振りまき続ける京楽産業.。その最初の遊タイム搭載マシンとして登場した『ぱちんこ 仮面ライダー 轟音』に甘デジタイプの兄弟機が登場する。

 新台『ぱちんこ仮面ライダー GO-ON LIGHT』は、大当り確率が約1/99.9となるV確STマシンだが、新機軸の連チャン機能が搭載されているようで、それが「強チャッカー」と呼ばれるRUSH性能がパワーアップするシステムとなる。

 通常のRUSHは約70%でループするようになっているが、強チャッカーが発動すれば継続率が約85%にアップ。さらに、わずか5%の10ラウンド1000発出玉の割合が、なんと大当りの半分となる50%にまで広がるのだ。

 ゲームフローで見てみると、まず初当り後は必ず電サポ120回の「ショッカー殲滅RUSH」に突入。このRUSH中に7図柄揃いの大当りを引き当てると強チャッカー発動となり、前述の激アツ連チャンゾーンに昇格、という流れになっている。

 RUSH中には、その強チャッカーを誘発するチャンスとなる演出も用意。「GO-ONゾーン」では「激雷」まで昇格すれば、「新生カメバズーカバトルリーチ」ならカメバズーカ撃破で、それぞれ強チャッカー発動の大チャンスとなる。

 そのRUSH時の演出は、「激走サイクロンモード」「レジェンドモード」「GO-ONモード」の3つのモードから選択可能。王道のサイクロンモードか『CRぱちんこ仮面ライダーMAX EDITION』を再現したレジェンドモードか、ライダーの目が発光すれば大当り濃厚となる一発告知系か、好みの演出タイプを選べるぞ。

 また図柄揃い時に、女の子キャラの「くるみ」が登場しカウントダウンを開始すると7図柄への昇格期待度が激烈にアップするのだ。

 強チャッカー中の大当りでは必ず強チャッカーが継続するようになっているので、一度発動すればパワフルな連チャンと出玉を期待できる。強烈な「1000発ループ」を味わえば、ヤミツキになること間違いないであろう

 そして、京楽初の遊タイム搭載シリーズということで、本機にももちろん遊タイムが搭載されている。通常確率で299回転を消化させると370回の電サポモードが発動。遊タイム中の大当り期待度は約98%とまさに超激アツ。

 しかも、ショッカー殲滅RUSHが時短だった場合は120回を電サポで消化してくれるので、残り179回転で遊タイムに突入できる好循環の遊びやすさも備わっている。また、おなじみの実機カスタマイズも充実のモード数でプレイヤーは満足できる快適な環境でプレイできるだろう

 突破型の新しい形を提唱した新機軸の甘デジ機が、連チャンと出玉の轟音をホールに響かせる!

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JRA アーモンドアイら「特別な5頭」ダノンキングリー安田記念(G1)制覇は必然!? 埋まった“最後のピース”に思い出される「府中の女傑」

 6日、春のマイル王決定戦・安田記念(G1)で、悲願のG1制覇を果たしたダノンキングリー(牡5歳、美浦・萩原清厩舎)。

 女王グランアレグリアを破っての勝利には誰もが驚いたが、その一方で長年「いつG1を勝ってもおかしくない存在」と評価されていた馬の勝利だけに、ある意味では順当ともいえるのではないだろうか。

 最下位に敗れた昨秋の天皇賞・秋(G1)から久々だっただけに、レース後8番人気の低評価だったことに驚いたファンも少なくないだろう。

 ダノンキングリーが、何故ずっと「G1級の大物」と評価されていたのか。それは一昨年の日本ダービー(G1)でクビ差の2着だったことも然ることながら、1頭の女傑を打ち負かした、わずか5頭の内の1頭だったからだ。

 2017年にNHKマイルC(G1)を勝った牝馬のアエロリットは、通算[4.7.1.7]の19戦4勝とG1馬にしては特別目立った戦績ではない。

 特に牝馬限定戦ではクイーンS(G3)を勝利したものの、1番人気の秋華賞(G1)で7着、2・3番人気だったヴィクトリアマイル(G1)でも2年連続で馬券圏外に消えるなど、何故か本来の力が発揮できない個性派だ。

 しかし、一方で「東京」そして「牡馬混合戦」にとにかく強い馬だった。

 戦績は通算[3.3.1.0]に跳ね上がり、NHKマイルC勝利だけでなく、安田記念(G1)の2年連続2着、天皇賞・秋(G1)3着、毎日王冠(G2)1着・2着。超一線級と戦っての結果なのだから、得意な条件下では紛れもない「女傑」と言える存在だろう。

「そんな『本気のアエロリット』が負かした馬は、G1馬だけでもスワーヴリチャード、ペルシアンナイト、リスグラシュー、レッドファルクス、ステルヴィオ、キセキなど枚挙に暇がありません。一昨年の安田記念ではアーモンドアイにも先着していますしね。

一方で、『本気のアエロリット』に先着した馬はアーモンドアイ、ダノンプレミアム、インディチャンプ、モズアスコット、ダノンキングリーのわずか5頭。

この中でダノンキングリーだけが唯一G1馬じゃなかったんですが、今回で“最後のピース”が埋まりましたね(笑)。そういった意味では、ダノンキングリーがG1を勝つのは必然だったのかもしれません。いずれにせよ『東京・牡馬混合戦』のアエロリットはやはり強かったと再認識させられた一戦でした」(競馬記者)

 レース後、2着に敗れたグランアレグリアのC.ルメール騎手が「手応えが前走と全然違いました」と語ったこともあって、大本命馬を破ったダノンキングリーの今回の勝利をフロック視する見方もあるだろう。

 しかし、フロック視した馬が本当に強かったというのも、競馬ではよくあることだ。

 今回は8番人気の伏兵による勝利だったが、川田騎手の「この後もこの馬らしく歩みを進められれば」との言葉通り、女傑を負かした「特別な5頭」に名を連ねるダノンキングリーなら再び大仕事をやってくれるかもしれない。(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

JRAエプソムカップはG1レースより儲かる?“万馬券のプロ”がダービーより推奨する理由

万馬券の季節が到来

 安田記念(G1)が終わり、6週連続で行われた春のG1レースも一区切りとなる。残すは月末のグランプリ・宝塚記念(G1)のみだ。つまり、今週と来週はG1レースがないため馬券も一休みというファンもいるだろう。しかし、それは残念としか言いようがない。なぜなら、この2週間こそがプロにとって絶好の稼ぎどころだからだ。

「G1レースがないとマスコミが一気に少なくなり、トレセン(トレーニングセンター)も静かになります。マスコミの注目度が下がることによって、ここで人気薄穴馬による激走を狙う陣営が数多くいるのです。その人気薄穴馬を事前に掴むことができるかどうかが、競馬の勝ち組になれるかどうかの分岐点となるでしょう」

 このように語っているのは、万馬券的中のスペシャリストであり、多くの競馬ファンから「万馬券を的中させたいならここしかない」と崇められている「暴露王」である。暴露王は、東西のトレーニングセンターで活動する凄腕の競馬記者と提携し、いわゆるスポーツ紙や競馬専門紙といった競馬マスコミには掲載されない“関係者の本音”を独自に入手。そして、その情報を惜しげもなく競馬ファンに提供している。

 その暴露王が、今週末行われるエプソムカップ(G3)に向け、すでに万馬券の的中を告知しているのだから、目が離せない。とはいえ、暴露王を知らない方も少なくないだろう。まずは彼らについて簡単に説明しよう。

 暴露王は「年間300本の万馬券的中」を最低の公約としている、万馬券に特化したプロの情報集団。「300本の万馬券」という数字は、ほかのマスコミで目にすることはまずなく、一見不可能に思える。しかし暴露王は見事、毎年それをクリアしている、万馬券的中のスペシャリストだ。しかも昨年的中させた万馬券は、なんと公約を大きく上回る357本。

 そして今年もすでに114本(5月30日現在)の万馬券を的中させるなど、その実力は疑う余地がない。それも単なる万馬券ではなく、昨年6月には3連単・119万7680円という驚愕の超高額万馬券を的中させているのだ。ほかにも数多くの10万馬券を的中させており、マスコミや競馬ファンは言うに及ばず、“最強”と言っても過言ではないほど。その暴露王が次の万馬券ターゲットに指定したのが、今週末行われるエプソムカップなのである。

鍵を握る穴馬を無料で公開

「エプソムカップは昨年、3連単で400万円を超える高額万馬券が飛び出したレースです。あのレースは、勝ったダイワキャグニーのオーナーである大城敬三・大和商事会長がレース前に亡くなり、陣営としては絶対に負けられないレースでした。前走の新潟大賞典で14着と大敗したことで人気を落としていましたが、その前の金鯱賞で3着、ジャパンカップで6着と実績は上位、そして得意の東京競馬場であるにもかかわらず、ほかの“危険な人気馬”にマスコミが印を並べたことで、人気の盲点となっていました。

 そして3着には最低人気のトーラスジェミニが激走して入っていますが、今年も同様に波乱が見込める状況となっています。推定500倍前後の万馬券はもちろん、昨年のようにマスコミがつくる危険な人気馬次第では、さらなる高額万馬券も期待できます。レースでポイントとなるのは、1頭の特大穴馬と1頭の穴馬。仮に上位人気馬が絡んだとしても、この2頭が好走することで万馬券は堅い状況です」(暴露王スタッフ)

 競馬で万馬券を的中させるためには、人気薄穴馬の激走情報を事前に入手することが何よりも重要だ。しかし競馬ファンはもちろん、日本中央競馬会(JRA)の管理下で取材規制を受けているほとんどの競馬マスコミでは、関係者の本音を把握するのは難しい。ゆえに、ファンに代わって関係者と接触し、表に出ない“本物の情報”を入手できる暴露王の存在意義は大きい。実際に暴露王を利用して万馬券を的中させたファンの声を拾ってみると、まさに歓喜の渦だった。

「まさか100万円も配当がつくなんて思いもしなかったので、まだ興奮が止まりません。本当にありがとうございました」

「3連単で26万円馬券GETだなんて、自分でもいまだに信じられません。こんな払い戻しは初めての体験です」

「競馬の概念というか、馬の見方というか、180度変わりました。今ではもう暴露王なしでは馬券が買えない」

 こんな興奮と感動をファンにもたらしている暴露王。今週末のエプソムカップでも、全国から歓喜の声が届きそうだ。しかし、それを黙って見ているのはもったいない。ぜひこの歓喜の輪に飛び込んでみてはどうだろうか。というのも、暴露王はエプソムカップに関して、彼らが入手した穴馬、そしてエプソムカップの馬単、3連単、3連複馬券の予想の無料公開を実施すると発表しているのだ。

「日本ダービーや安田記念が終わり、宝塚記念まで馬券を買わないというファンも多いかと思います。しかし、それは本当にもったいないことです。今週末のエプソムカップは、ある意味、日本ダービーや安田記念よりも買うべきレースです。これほど万馬券の期待値が高いレースは、なかなかありません。今回は夏競馬を盛り上げるため、このエプソムカップの予想の無料公開を実施しますが、次にこれほどの情報を無料で届けられるレースがあるかは、なんとも言えません。それだけ価値のある情報ですので、ぜひこの機会を逃すことなく、暴露王の無料情報を利用してほしいと思います」(暴露王スタッフ)

 暴露王は1年のなかでも、特に夏競馬を得意としている。実際に昨年は3連単・119万馬券という100万馬券を的中させ、昨年6~8月は馬単、3連複、3連単と、提供しているすべての馬券種でプラス収支を計上しているのだ。先日、ドリームジャンボ宝くじの販売が終了したが、非現実的な当選確率の宝くじと比較して、暴露王の情報ほど現実的な副収入獲得手段はないだろう。まずは今週末のエプソムカップ、そして今月末の宝塚記念と、夢は膨らむばかりだ。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

サントリー「伊右衛門」、棚落ち寸前から急回復…新戦略は“色で訴求”、鮮やかな緑&琥珀色

「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数ある経済ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

 コロナ禍で、社会人の仕事も在宅勤務が多くなって1年以上になる。消費生活も様変わりした。筆者は、事務所近くの食品スーパーを定点観測しているが、以前とは異なり、平日の日中にカジュアル服の現役世代が買い物をする姿も目立つようになった。

 売れゆき商品の品揃えも季節性だけでなく、世相が反映される。

 清涼飲料でいえば、豪雨や地震などの災害が起きると「被災地以外でも2リットルの水が売れる」と聞く。特に水は、保存飲料として常備する人が増えた。また、栄養面を気にする人も増え、先日は野菜飲料も「防災用品」コーナーに置かれていた。

 清涼飲料市場は全体で5兆円を超える巨大市場だが、2020年の実績は17億7850万ケース。対前年比93.5%と落ち込んだ(「飲料総研」調べ)。コロナの影響で、ビジネス出張や観光旅行の自粛、学生からシニアまで各種スポーツ大会や発表会も中止となり、移動時に携帯されるペットボトル飲料も影響を受けた。

 一方、コロナ以前に売れゆきが落ちた商品のリニューアルを行い、大成功を収めたブランドがある。サントリーの茶系飲料「伊右衛門」だ。どんな施策を打ち、復活につなげたのか。

 今回は同ブランドに焦点を当て、茶系飲料に対する消費者意識の変化も考えたい。

本体は4割減、リニューアルで目指した「水色(すいしょく)」

2004年に発売されて大ヒット商品となった「伊右衛門」だが、実は翌2005年をピークに販売量は落ち込んでいたという。まずは2010年の数字をデータで紹介したい。

■2010年 飲料ブランド別販売ランキング

順位 ブランド名 数量
(単位=万ケース)
ジョージア 11,610
お~いお茶 8,580
コカ・コーラ 8,400
アクエリアス 7,730
BOSS 7,150
サントリー天然水 5,080
伊右衛門 4,880
午後の紅茶 4,410
森の水だより&いろはす 4,120
10 爽健美茶 3,980

(出所:飲料総研)

「2013年に発売した『伊右衛門 特茶』が売れるなど、派生商品でブランド全体を支えていましたが、『本体』と呼ぶ緑茶は右肩下がり。2019年には最盛期に比較して本体は約4割減となり、コンビニの緑茶売り上げでは4番手。もはや棚落ち寸前でした」

 多田誠司氏(サントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部 ブランド開発事業部部長)は、こう明かす。「コンビニの棚落ち」とは、売り場面積が手狭なコンビニの陳列販売から商品が姿を消すこと。メーカーにとっては死活問題だ。

 同社が消費者調査を行うと、商品自体に対するイメージも希薄となっていた。たとえば「『伊右衛門』と言われて思いつくものは?」という問いに対して、「モっくん、りえちゃん」(テレビCMに登場する俳優の本木雅弘さんと宮沢りえさん)という答えが目立った。

「そこで再生を目指し、発売以来最大のリニューアルに踏み切ったのです。最大の特徴は、独自の技術で緑茶本来の鮮やかな緑の水色(すいしょく)と、味・香りを両立したこと。香り成分や旨味が豊富といわれる一番茶を多く含むことにもこだわりましたが、商品の特長をお伝えする際には、あれこれ説明せずに色で打ち出しました」(多田氏)

一目でわかる「脊髄反射」を目指した

「色訴求」への仕掛けを、多田氏はこう続ける。

「商品の中身が見えるよう、容器を覆う面積の少ないロールラベルも採用。売り場で商品を見たお客さまに“脊髄反射”していただく取り組みです」

 ここでいう脊髄反射とは、瞬間的に「買ってみたい」と思わせる意味だ。

 かつて大手メーカーに、大型小売店の売り場に「店頭ビデオ(動画)を設置し、流し続ける理由」を聞いたことがある。最大の理由は購買促進だが、「消費者が買おうと思うのはほんの一瞬なので、視覚的に訴求し、足を止めてもらう手法」とも話していた。今回は、それと似た瞬時の訴求手法だ。

「『伊右衛門』は創業200年以上の歴史を持つ、京都の老舗茶舗『福寿園』の茶匠が厳選した茶葉を使用した本格緑茶です。リニューアルした商品には、淹れたてのお茶のような豊かなうま味・香りと、穏やかな渋みによる飲みやすさもあります。そうした蘊蓄(うんちく)を熱く語るのではなく、瞬間的にわかる価値にこだわりました」(同)

 関係者で議論を重ね、徹底して追求したからこそ、たどり着いたシンプル訴求なのだろう。これが消費者に「色がきれい」「すっきりした味」と支持された。2020年4月にリニューアル後、同年4~12月の販売実績は対前年比3割増となり、販売数量も回復した。

■2020年 飲料ブランド別販売ランキング

順位 ブランド名 数量
(単位=万ケース)
サントリー天然水 11,290
ジョージア 10,300
BOSS 10,270
お~いお茶 8,310
コカ・コーラ 7,950
綾鷹 5,960
伊右衛門 5,560
午後の紅茶 4,890
森の水だより&いろはす 4,580
10 アクエリアス 4,490

(出所:飲料総研)

ライト層に訴求、過去の成功体験も捨てた

 なぜ、こうした手法をとったのだろうか。

「実は、ペットボトル緑茶を飲む消費者のうち、月に1本未満しか飲まない層が半数以上もいました。そこでリニューアルのターゲットを『緑茶ライト層・無関心層』に設定。この人たちに手に取ってもらうためにどうするか、を考え続けた結果なのです」(同)

 健康志向も反映して、茶系飲料の人気は高いが、緑茶では「お~いお茶」(伊藤園)、「綾鷹」(日本コカ・コーラ)、「生茶」(キリンビバレッジ)などの競合ブランドがあり、ブレンド茶では「十六茶」(アサヒ飲料)や「爽健美茶」(日本コカ・コーラ)もある。多くの消費者は、特に深い思いを持たず、その日の気分で買って飲むのではないだろうか。

 そこでサントリーが導き出した答えが、商品は「真ん中」(淹れたてのような色、味、香り)で、伝え方は「説明不要」(緑で表現)だった。ライト層にさらに調査をすると「上質なお茶=緑」という認識があることもわかり、その仮説をもとに進めた。

 2004年の発売時から行ってきた成功体験も捨てた。その象徴が「竹筒ボトル」との決別だ。ここまでの全面刷新に対して、社内に抵抗勢力はなかったのか。

「むしろ逆でした。2004年発売時のメンバーで、チームリーダーだった沖中(沖中直人氏=現サントリーウエルネス社長)は、かなり早い段階から『竹筒ボトルを捨てないとダメだ』と話していました。当時、商品開発を担当した牧(牧秀樹氏=現サントリー食品・商品開発部部長)も、デザインを担当した水口(水口洋二氏=現サントリーコミュニケーションズ・デザイン部長)も、リニューアルを後押ししてくれました」(多田氏)

茶色市場を見据え、「京都ブレンド」も投入

 今年4月6日、「伊右衛門 京都ブレンド」を発売した。緑茶の「緑色」に対してブレンド茶は「琥珀色」。前年に行った「お茶の質は、色に出る」という考えに沿った、色訴求第2弾だ。発売して間もないが、市場の受け入れ性は上々だという。

「京都・福寿園茶匠のブレンド技術で編み出した、雑味のないすっきりした上質な味わいです。厳選したほうじ茶・京番茶・大麦・炒り米・和紅茶という、5つの素材を使用しています。とはいえ、ブレンド茶市場を意識したのではなく、茶色のお茶で上質な商品を目指したのです。SNSでは『ほうじ茶と麦茶の間の味』といったコメントも目立ちます」

「京都ブレンド」の開発に尽力した藤井真代氏(サントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部 ブランド開発事業部)は、こう説明する。

 実は茶系飲料には「緑色」と「茶色」の2大勢力があり、売り上げ規模もほぼ拮抗するという。前者は緑茶、後者は紅茶、麦茶、ブレンド茶、ウーロン茶、ほうじ茶などがある(日本茶市場とはまた別の分け方だ)。緑色市場の一角を占める「伊右衛門」が、茶色市場にも進出――といった構図で考えると理解しやすいだろう。

 商品パッケージには「京都茶匠の琥珀色ブレンド」と明記されているが、透明感のある茶色の表現として、これに落ち着くまでに苦労した。

「ピュアブラウンなども考えましたが、茶系飲料らしくない。結局、サントリーのウイスキーでも用いる琥珀色にしたのです」

 どの会社でもそうだが、とりわけサントリーの商品開発は“新鮮味”にこだわる。「茶色」ではなく「琥珀色」に行き着いた表現もその一環だろう。

「濃厚な味」vs.「ごくごく飲める」の好まれ方

 ところで、近年の飲料市場は「ごくごく飲める」もトレンドとなっている。

 緑色の「伊右衛門」も茶色の「京都ブレンド」も、ごくごく飲める味だ。一方で今年2月23日、同ブランドから「伊右衛門 濃い味」を新発売した。競合の伊藤園は以前から「濃い茶」を打ち出す。「濃厚」と「ごくごく飲める」の消費者ニーズをどう考えているのか。

「『伊右衛門』本体のような飲みやすい商品がご好評いただく一方、濃い味わいの煎茶市場も大きく伸長しています。『伊右衛門 濃い味』は、その層に訴求したのです」(多田氏)

 同商品のパッケージには「高カテキン」の文字もある。茶カテキンを増やして濃厚な味を表現した初期の商品には、2003年発売時に大ヒットした『ヘルシア緑茶』(花王)がある。

「大きな流れとしては軽い味が好まれていますが、濃厚な味で健康機能感を持ちたい方は一定数おられ、この支持層も根強いのです」と、多田氏は説明する。

なぜ「日本茶飲料」は人気なのか

 冒頭で紹介した2020年の飲料市場全体の数字(17億7850万ケース)のうち、カテゴリー別での最大市場が「日本茶」(3億8700万ケース)、次いで「コーヒー」(3億4000万ケース=いずれも「飲料総研」調べ)だ。

 前掲した2020年のランキング表のうち、「日本茶」系の順位を麦茶も含めて紹介しよう。1位から3位までは緑茶ブランドだが、麦茶の人気も根強い。

■2020年 「日本茶」系 ブランド別販売ランキング

順位 ブランド名 数量
(単位=万ケース)
お~いお茶 8,310
綾鷹 5,960
伊右衛門 5,560
健康ミネラル麦茶 3,520
生茶 2,800
GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 2,590
十六茶 2,150
爽健美茶 2,030

(出所:飲料総研。同データをもとに作成)

 これだけ時代が変わり、さまざまな清涼飲料が林立するなか、なぜ「日本茶」系が選ばれるのか。多田氏は次のように解説する。

「まず、日本茶には長年の歴史があり、日本の消費者の生活に根づいています。カフェインやテアニンの成分も含まれるので、飲むとシャキッとします。飲料には無意識のうちに『リラックス』と『リフレッシュ』を求めますが、日本茶もコーヒーもこの2つの要素を備えています。ほかの飲料、たとえばミルク系はリラックスで、炭酸系はリフレッシュです。

 また、ホットもあればコールドもあるので日本の春夏秋冬に対応でき、1年中飲めることも大きい。そうした複合要因で、日本茶とコーヒー市場が強いのだと思います」

 マーケティングの世界では「消費者はどんどん変わる」と言われるが、一方で食品の嗜好の本質はあまり変わらない。カップ麺市場は醤油味、アイスクリーム市場はバニラ味が強い。メーカー各社も基本は押さえつつ、味わいの差別化で勝負――が続くのだろう。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。 近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

JRA安田記念(G1)シュネルマイスターが3着激走! “弱小”コントレイル世代に“圧勝”で「3歳世代」のハイレベルを証明!?

 グランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が圧倒的1番人気に支持された今年の安田記念(G1)。絶対女王をアタマ差で破ったのは8番人気まで評価を下げていたダノンキングリー(牡5歳、美浦・萩原清厩舎)だった。

 そして、2着に敗れたグランアレグリアから半馬身差の3着に入ったのがシュネルマイスター(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)である。4週間前にNHKマイルC(G1)を制した3歳マイル王は、古馬相手のレースでも素晴らしい激走を見せてくれた。

 そのシュネルマイスターとコンビを組んだのは、先週の日本ダービー(G1)で悔しい2着に敗れた横山武史騎手。デビュー戦以来となる久々の手綱で、歴戦の古馬相手に大健闘。レース後、同騎手は「現状の持っている力は発揮できた。緩さは感じていたが成長の余地は残している。来年のこの時期にどれだけ成長しているか楽しみです」とコメント。キャリア僅か5戦目で見せたその走りは間違いなく将来の飛躍を感じさせるものだった。

 シュネルマイスターの激走で評価を上げたのは、後に「エフフォーリア世代」と言われるであろう3歳世代だ。いや、安田記念よりも前から、2018年生まれの現3歳世代の評価は非常に高かったというべきかもしれない。

「NHKマイルCでシュネルマイスターがマークした1分31秒6はレース史上2位の好時計でした。さらに先週のダービーではシャフリヤールがダービーレコードをたたき出しています。勝ちタイムは昨年のコントレイルより1秒6も速い時計でした。

年によって馬場状態は違うので一概には言えませんが、この2つのレース結果を見ても、現3歳世代のレベルは低いはずがありません。安田記念に出走した4歳馬2頭の結果(サリオス8着、ラウダシオン14着)から、この2世代の間には大きなレベル差があるのかもしれません」(競馬誌ライター)

 さらに現3歳世代のレベルの高さを裏付けたのが5~6日に見せた3歳馬の活躍だ。ご存じの通り、5日(土)からはクラス編成がなされ、3歳馬は4歳以上の古馬との混合戦が始まった。安田記念を含めた合計17レースで3歳馬は古馬と相まみえ、9レースで3歳馬が優勝。9勝8敗と見事、年長馬相手に勝ち越した。

 1年前の安田記念ウイークを振り返ってみると、いわゆるコントレイル世代は年長馬相手に8勝12敗。サンプル数が少ないため、あくまでも参考程度だが、今年の3歳世代のレベルの高さ、そしてコントレイル世代のレベルの低さが垣間見える。

「昨年は牡馬・牝馬ともに3冠馬が誕生しました。しかもコントレイルがノースヒルズ、デアリングタクトが小規模牧場の生産馬だったことが話題になりました。ノーザンファームを筆頭にした社台グループの現4歳世代はクラシックで“不発”に終わったことで、現3歳世代にかける意気込みはすごかったです。そして現3歳世代はしっかり結果を残し、強さを証明してきました。

また、昔から『3冠馬が誕生した世代はレベルが低い』と言われる中、コントレイルとデアリングタクトは、ともに3冠達成後は未勝利。大阪杯(G1)では、レイパパレという新たなヒロインが誕生しましたが、宝塚記念(G1)の結果次第では、コントレイル世代の低レベル説が決定的になるかもしれませんね」(同)

 安田記念でワンツーを決めたダノンキングリーとグランアレグリアは評価の高い5歳世代。その2頭に迫ったシュネルマイスターとともに3歳世代の今後から目が離せない。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

Z世代女子は心に推しを持っている~Z世代女子の「推し消費」とは?~

Z世代女子(1990年代後半から2010年代前半生まれの女性)の消費を明らかにすべく、本連載では女の子向けプランニングチーム・電通GIRL’S GOOD LABが、Z世代によるZ世代のための超共感主義マーケティングを展開しているzzz.inc.と共同調査を行い、Z世代女子の意識や価値観を3つの消費行動に分けて明らかにしていきます。

第1回の「バズ消費」に続き、第2回のテーマは、Z世代女子の「推し消費」。 

Z世代女子がアイドルやアニメの推しのためにお金を使う「推し消費」を盛んに行っているのはなぜなのでしょうか?

また、どういったジャーニーを経て「推し消費」を行うのでしょうか?

その秘密を探っていきましょう。

【第1回】
「売り切れ前に買わなくちゃ!」 Z世代女子を中心に巻き起こっている「バズ消費」とは?[2021/05/20]

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欲しいから買うのではなく、応援したいから買う

もともとはオタク用語であった「推し」。

その言葉は広がりを見せ、Z世代女子の誰もが「推し」を持っている時代に突入しています。

映画「鬼滅の刃」の興行収入400億円突破にはZ世代女子の消費が寄与し、NiziUやJO1などのアイドル発掘オーディションもZ世代女子が中心となって社会現象を巻き起こしました。

そのほか他リアコ(アイドルや俳優にリアルに恋する)現象、「呪術廻戦」に登場する五条悟の人気ぶりなど、 Z世代女子が支えている消費がいくつもあります。

なぜZ世代女子は「推し消費」を行うのでしょうか?

インタビューを行ったところ、「推しのグッズが欲しいから買うのではなく、応援したいから購入する」といった意見が出てきました。

実際に、「アイドルやアニメなどの『推し』のためなら応援の気持ちで買い物をしてしまうことはありますか?」という質問について、経験がある(よくある、ときどきある)と答えたZ世代女子は72.3%に上ることが分かりました。

推し消費1

【図表1】アイドルやアニメなどの「推し」のためなら応援の気持ちで買い物をしてしまうことはありますか?

なぜZ世代女子は、推しへの応援購入を積極的に行うのでしょうか?

調査を行う中で、2つの理由が見えてきました。

まず1つ目は、「推しに貢献している/推しを応援している」といった実感が消費を通じて得やすくなっているからです。

例えば、前述の映画「鬼滅の刃」の興行収入400億円突破の際には、「煉獄さんを400億円の男にする」というファンの中で生まれた共通の目標達成のために、多くのZ世代女子が劇場に足を運びました。映画を見てお金を支払うことで、400億円突破に貢献している実感を得ていたようです。

また、クラウドファンディングの発展もあり、推しの誕生日や記念日に応援広告を出すことも可能になっています。

NiziUのリーダーであるマコさんが20歳の誕生日を迎える際には、ファンがクラウドファンディングを行い、新宿にある大型ビジョンに応援広告を掲出した事例もありました。

このように、自身の消費が推しに貢献している実感、もしくは応援している実感が得られやすいからこそ、Z世代女子は「推し消費」を積極的に行うようです。

2つ目の理由としては、コロナ禍で推しに直接会えないことが挙げられます。

特にアイドルなどの3次元の推しに見られる特徴ですが、これまではライブなどで直接会って声援を送ることができていた推しに、コロナの影響で会えない状況が続いています。

だからこそ、直接応援できなくても、推しのグッズを購入することで間接的に応援するZ世代女子が増えているようです。

また、TwitterやInstagramでは「#推しのいる生活」というハッシュタグを付けて、購入した推しのグッズを投稿しているZ世代女子も増えています。

こういった投稿を行うことで、改めて推しへの応援の気持ちを表明したり、同じ推しを応援している人とつながったりしているようです。

Z世代女子は推し情報をどうやって取得する?

それでは、Z世代女子はどこで推しの情報を取得するのでしょうか?

推しに関する情報を調べるときにどういった行動を取るか調査してみると、「Twitterで調べる」が83.2%、「Instagramで調べる」が77.7%、「YouTubeで調べる」が63.4%という結果になりました。

推し消費2

【図表2】アイドルやアニメなどの「推し」に関する情報を調べるとき

さらに調査をしていくと、ツールの使い分けも見えてきました。

まず、一番使われているTwitterについてインタビューを行うと、「情報がすぐに取得できる」「情報量が他のSNSと比べて多い」といった意見が挙がってきました。

Twitterで推しの情報を取得するZ世代女子は、Twitterならではのリアルタイムな情報と情報量の多さに魅力を感じ、Twitterを使用しているようです。

そのため、「推しの一次情報はTwitterから得る」といった意見も多く出てきました。

また、Twitterでは「推し専用アカウント」を持っているZ世代女子も多く、ファン同士のコミュニケーションも盛んに行っているようです。

一方、InstagramやYouTubeについてはTwitterよりもリッチなコンテンツを求めて使用するZ世代女子が多いことが分かりました。

Instagramでは推しが直接アカウントを運用しインスタライブを行っていたり、YouTubeでは推しのライブ映像やPV・オフ映像が盛んに投稿されていたりと、動画コンテンツに重きを置いた情報発信が行われています。

Twitterでは文字ベース・写真ベースの情報発信が行われているため、より上質な情報を二次情報として取得したい際に、InstagramやYouTubeを使用しているZ世代女子が多いことが分かってきました。

「推し消費」では金額を気にせず、即購入

それでは、推しの情報を取得した後、Z世代女子はどのような行動を取るのか、購買の仕方に注目して見ていきましょう。

まず、推しの情報を得てから購入するまでにZ世代女子は比較検討を行うのか、下記のグラフを基に分析していきます。

推し消費3

【図表3】アイドルやアニメの「推し」に関する商品・サービスについて、「吟味して買う/選ぶこと」と「衝動買いする」ではどちらが多いか

「いつも吟味してから買う」「どちらかといえば吟味してから買う」が合わせて約3割の回答なのに対し、「いつも衝動買いする」「どちらかといえば衝動買いする」が合わせて約5割の回答になっていることが分かります。

「推し関連のサービス・グッズについては、特に比較検討はしない」といった意見も出てきており、「推し消費」については、比較検討を行わずすぐに購入するZ世代女子が多いようです。

また、購入金額について、興味深い調査結果が出てきました。

推し消費4

【図表4】アイドルやアニメなどの「推し」のためならあまり金額を気にせず買い物してしまうと感じますか?


何と63.9%のZ世代女子が、推しのためなら金額を気にせずに購入すると回答しています。

衝動買いを行うことが多いにもかかわらず、金額を気にしない消費行動を取っているということで、かなり「推し消費」への意欲が高いことが分かります。

なぜZ世代女子は、推し関連のサービス・グッズに対して金額を気にせずに衝動買いをするのでしょうか?

推しへの応援といった意見も引き続き出てきましたが、自分の好きなもの・好きなこと・趣味の優先順位を上げて消費を行っているZ世代女子の姿が調査から見えてきました。

おうち時間をはじめとして、コロナ禍で時間にゆとりを持つようになったZ世代女子は、積極的に趣味にお金を投じることで、自身の生活や時間を充実させたい気持ちが芽生えているようです。

だからこそ、推し関連のサービス・グッズに出合った際には金額を気にせずに、衝動的に購入しているということが分かりました。

また購入場所については、衝動買いの要素が強いため、推しの情報をオンラインで取得し、そのままオンラインで即購入をするZ世代女子が多いという結果となりました。

「推し消費」を押さえる上での4つのポイント

ここまでZ世代女子の「推し消費」について分析してきましたが、「推し消費」におけるポイントをまとめていきましょう。

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「推し消費」がZ世代女子を中心に爆発的に行われている昨今。

ぜひこのポイントを押さえながら、Z世代女子の「推し消費」にご注目ください。

次回のテーマはZ世代女子の「TikTok消費」。

Z世代女子がTikTokを通じて、どのような消費を行っているのかを明らかにしていきます。

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チーズティーやバナナジュースは失速…ポストタピオカの本命スイーツ&ヒットの条件とは?

 2019年の夏、日本を席巻した「タピオカドリンク」。熱狂的なブームから2年が経った今、タピオカはある意味で根付いたが、コロナ禍ということも影響してか、シャッターをおろす店も増えている。

 では、タピオカに代わる新たなトレンドスイーツは現れるのだろうか。令和3年の「ポストタピオカ」を予想する。

チーズティーやバナナジュースが失速した理由

 19年に巻き起こったタピオカブームを牽引していたのは、10~20代の女性たちだ。当時、彼女たちがタピオカに飛びついていた理由はなんだったのだろうか。

「ひとつは、タピオカのビジュアルやお店のロゴや内装などが凝っていてデザイン性が高く、いわゆる『SNS映え』が狙えたところでしょう。しかし、最大の理由はやはり『おいしいから』だと思います。実は、若者は味にシビアなんです。おいしくなければ、リピートしようとか友だちに勧めようとは思わないでしょうからね」

 そう語るのは、YouTubeやツイッターなど数多くのSNSでグルメ情報を発信し、各種SNSの総フォロワー数が14万人を超える「へんてこグルメガイド」の運営者・矢崎智也氏だ。

「タピオカ専門店は設備投資も少なくて済みますし、オペレーションも簡単なので、飲食店のなかでも開業しやすいんです。そのため、ブームのときには爆発的に店が増え、業界が賑わいました」(矢崎氏)

 こうしてタピオカ店が街中にあふれた後、次にブレイクするであろう「ポストタピオカ」と呼ばれる存在が次々に生まれた。「チーズティー」や「バナナジュース」が代表例だ。

「どちらもタピオカ専門店同様に出店しやすいですし、SNSで目を引く容器や内装などもつくれたはず。しかし、タピオカほどの人気は得られませんでした。その理由は、2つあると思います」(同)

 ひとつ目は、軽食代わりにできないという点だ。

「タピオカドリンクは、好みの飲み物にタピオカをトッピングした商品です。タピオカの原料はイモの一種なので、意外と腹持ちします。一方、腹持ちするトッピングもなく、飲み物オンリーのチーズティーやバナナジュースでは、小腹を満たす役割は担えません」(同)

 2つ目の理由は、味のバリエーションの豊富さだ。

「タピオカドリンクは定番の甘いミルクティー以外にも、フルーツ系飲料、烏龍茶やほうじ茶など、甘い飲み物以外でも楽しむことができます。こうした幅の広さは、男性や中高年層からも愛される理由といえるでしょう」(同)

 メインターゲットである若い女性以外にも刺さったことで、タピオカは驚異的に大ヒットしたのである。

“ポストタピオカ”の本命スイーツとは

「味良し、見た目良し、種類も豊富」と三拍子揃ったスイーツは消費者が手に取りやすく、SNSに投稿もしてくれる。広告費をかけずとも自然と広まっていき、トレンドになっていくわけだ。そうして街中に店舗が増えることで、SNSをチェックしない人にもブームを実感してもらうことができる。

 タピオカ専門店のように開業のハードルが低ければ、誰でも店を構えやすく、業界全体が賑わいやすい。こうした要素をすべて含んでいたことも、タピオカが大ヒットした理由として考えられるだろう。

 では、タピオカブームが落ち着いた今、「ポストタピオカ」と呼べる次世代スイーツは登場するのだろうか。

「ポストタピオカの本命は『マリトッツォ』というイタリアの伝統的なスイーツです。ブリオッシュ生地の丸いパンに切れ込みを入れ、そこにあふれんばかりの生クリームとイチゴやオレンジなどの果物をトッピングするのですが、クリームや果物を変えることで豊富なラインナップを実現できます。出店しやすいという条件もクリアしているので、全国各地に専門店が増えていますし、『STARBUCKS RESERVE』や『DEAN & DELUCA』(期間限定)など、マリトッツォの取り扱いを始めたチェーン店も多いです」(同)

 サンドされた大量の生クリームの側面に果物やチョコレートが飾られた光景は、SNS映えも文句なし。味についても、抹茶やあんこのほか、ロイヤルミルクティー、ラズベリーなど和洋のテイストが揃っているので、老若男女の心に刺さるはずだ。

「グーグルトレンドを見ると、マリトッツォは今年に入ってから一気に検索数が伸びています。コロナ禍の今はテイクアウトできるスイーツが人気で、マリトッツォはテイクアウト需要も満たしているため、注目を集めているのではないでしょうか」(同)

マリトッツォの対抗スイーツは意外な“野菜”

 タピオカが持っていたブレイクの条件を満たしている上に、時流にも合っているマリトッツォ。ポストタピオカの本命にふさわしいが、対抗のスイーツはないのだろうか。

「マリトッツォに対抗できるポストタピオカスイーツというと、『焼き芋スイーツ』でしょうか。なかでも、焼き芋にアイスをのせた『焼き芋アイス』は見た目のインパクトが強く、SNS映えもします。焼き芋ならつくるのも簡単で、品種も豊富なので味のバリエーションも増やせます」(同)

 実は、数年前から「品川やきいもテラス」という焼き芋のフェスが毎年開催されている(21年は新型コロナの影響で中止)。同フェスは非常に盛況で、各店の焼き芋が次々に売り切れるほどだったという。焼き芋自体が昔から日本人に馴染みのある食べ物なので、幅広い層に受け入れられやすいのだろう。

 マリトッツォに負けず劣らず魅力が多い焼き芋スイーツだが、トレンドグルメとしての欠点がひとつだけあるという。

「焼き芋というと、やはり冬の食べ物というイメージが強いので、夏場は消費が落ち込む可能性があります。季節による煽りを受けやすい点を考慮し、ポストタピオカの本命はマリトッツォ、対抗は焼き芋スイーツとしました。とはいえ、今はあえて冷やして食べる焼き芋や焼き芋ドリンクなども登場してきています。今後の展開によっては、焼き芋スイーツが夏場でもヒットする可能性は大いにあると思いますよ」(同)

 一方で、焼き芋スイーツにしかない魅力もある。

「さつまいもは野菜なので、健康的なイメージもあるでしょう。美容や健康にも良いというのは、女性に響くキーワードだと思います」(同)

 現状ではマリトッツォがポストタピオカの本命としてトップを走っているが、食のトレンドは日々移り変わるもの。焼き芋スイーツが追い抜くかもしれないし、はたまた他のスイーツが現れ、台頭する可能性もある。いずれにせよ、あのタピオカのブームを超えるスイーツが現れるか否か。トレンドグルメ市場に注目だ。

(文=鶉野珠子/清談社)

言葉を持たない赤ちゃん、なぜ3歳で“しゃべりまくる”ようになる?親が担う絶大な責任

 赤ちゃんは1歳くらいから話し始めるが、これはよく考えてみると、じつはものすごいことなのだ。言葉をもたなかった子がいきなり話し始めるのだから。しかも、それから1-2年後にはうるさいくらいにしゃべりまくるようになっている。子どもの語彙の吸収力にはめざましいものがある。

話し始めるまでの言語能力の発達

 赤ちゃんが言葉を話し始めるまでにはほぼ1年かかる。はじめのうちは泣き声がほとんどだが、生後2カ月くらいになるとクーイングも聞かれるようになる。クーイングというのは、「ヒュー」「アー」のような発声で、寛いでいるときに発するものだ。生後4カ月くらいになると、喃語を口にするようになる。喃語というのは、子音と母音で構成される、とくに意味をもたない発声で、機嫌の良いときに発する。そして、生後6カ月くらいになると、親などの養育者が発する言葉を模倣するようになり、いろんな声を出し、しきりに声遊びをするようになる。

 生後9カ月くらいになると、子どもと養育者という2者関係に事物(生き物も含む)が介在する三項関係がみられるようになる。そこでは指差し行動がよく用いられる。関心のある事物を指差し、養育者の目をそちらに向けさせ、一緒に注視する。これを共同注視という。その際、コミュニケーション言語の原初的形態としての発声がみられることが多い。何かを指差しながら「あ、あ」と言ったりする。

 それに対して、養育者が言葉と表情で反応する。「お花だね」「チョウチョが飛んでるね」「お腹空いたね」というように。こうしたやりとりを積み重ねることで、子どもは自分の関心や気持ちをあらわす言語を獲得していく。赤ちゃんは突然話し出すわけではない。こうした養育者とのやりとりを通して絶えず学習しているのである。

 そして、いよいよ1歳くらいになると、何を言っているのかはっきりとわかる意味のある言葉を口にし始める。最初に口にし始める言葉を初語という。典型的なのが、食べ物を意味する「まんま」だ。1歳になると、このような言葉をしきりに発するようになる。このように1単語で文として機能するものを1語文という。

コミュニケーション能力の発達をもたらす養育者の反応

 1語文には多様な意味があるが、それを養育者が共感的に解釈して反応することで、言語のもつコミュニケーション機能が発達していく。たとえば、「まんま」という発声に対して、その含意が「まんま、ちょうだい」だと思えば「まんま、ほしいの?」と反応し、「まんま、おいしい」だと思えば「まんま、おいしいね」と反応する。

「ブーブ」という発声に対して、その含意が「これ、ブーブ」だと思えば「ブーブだね」と反応し、「ブーブ、いいでしょ」だと思えば「ブーブ、かっこいいね」と反応する。「ワンワ」という発声に対して、その含意が「ワンワ、いる」だと思えば「ワンワいるね」と反応し、「ワンワ、ほえてる」だと思えば「ワンワ、ほえてるね」と反応する。「お花」という発声に対して、その含意が「お花、さいてる」だと思えば「お花、さいてるね」と反応し、「お花、きれい」だと思えば「お花、きれいだね」と反応する。

 このようなやりとりを通して、幼児は言葉を覚えていく。ゆえに、このような発達段階の子どもを相手にする養育者には、子どもが言いたいことを想像したり、子どもの気持ちに共感したりする姿勢が求められる。当然、養育者の反応によって子どもの言葉の発達に差が出てくる。

 生後1歳半から2歳くらいになると、2語文を口にするようになる。「これ、ブーブ」「あっかい、ブーブ」(赤い自動車)のように言いながら自動車のオモチャを差し出したり、「ワンワ、かわいい」と言って犬を指差したり、「お花、きれい」と言って花を指差したりするようになる。

語彙の爆発

 1歳半から2歳くらいになると、語彙が急速に増え始め、2歳を過ぎる頃には語彙数の増加が顕著になってくる。これを「語彙の爆発」という。語彙が爆発的に増えていくという意味である。

 この時期には、指差し行動を取りながら、「あれ、何?」「何?」などと、しきりにものの名前を尋ねるようになる。それだけでなく、さまざまな疑問をぶつけてくるようになる。モノや生き物の名前を答えるのは簡単だが、「トリさんは何食べるの?」「トリさんはなんで飛べるの?」「なんで飛ぶトリさんと泳ぐトリさんがいるの?」などと即座には答えにくい質問をしてくる。目につくものや気になることにいちいち疑問をもちながら、どんどん言葉を覚えていくのだ。

 このようにして語彙数は増加し続け、1歳半頃にはわずか50語程度だったのが、2歳で200~300語程度、3歳で1000語程度と語彙数は飛躍的に増加し、簡単な日常会話には不自由しない程度のコミュニケーション能力を獲得する。このくらいの年齢になると、大人に負けないくらいにしゃべりまくる子もいる。

 その後も、4歳で1500語程度、5歳で2000語程度、6歳で4000語程度というように語彙数は急激な増加を示す。

 2歳くらいから小学校に入学する頃までの幼児期に、新たな言葉を1日平均2~9語ずつ覚えていくと言われる。すぐに忘れてしまうものもあるからそのまま定着するわけではないが、小学校入学時には数千語、多い子の場合は一万語以上を獲得している。

 このような語彙数の急増と並行して、2歳を過ぎる頃から、2語文から多語文への発達がみられるようになる。こうして発話の語数が増えていき、しだいに多くの語を含む長い文の発話ができるようになっていく。

 このような言語能力の発達には、親をはじめとする養育者など周囲の大人の働きかけが大きく作用する。何しろ、言葉をまったくもたないところからスタートするので、身近な大人、一般的には親が発する言葉を吸収するのが基本となる。その際、気持ちの交流を背景とした言葉のやりとりが重要な意味をもってくる。その意味でも、養育者の役割は非常に大きい。言語能力の発達は、その後の学力に大いに影響するので、養育者としては子どもとの情緒的交流を土台としたやりとりをけっして疎かにしないようにしたい。

(文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士)

●榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士

1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員教授、大阪大学大学院助教授等を経て、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした執筆、企業研修・教育講演等を行う。著書に『「やりたい仕事」病』『薄っぺらいのに自信満々な人』『伸びる子どもは〇〇がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『モチベーションの新法則』『仕事で使える心理学』『心を強くするストレスマネジメント』『ビジネス心理学大全』(以上、日経BP)、『「上から目線」の構造<完全版>』(日経ビジネス人文庫)、『教育現場は困ってるに変更』(平凡社新書)、『他人を引きずりおろすのに必死な人』(SB新書)など多数。

田村正和は映画を捨てた?アイドルと共演し、やくざ映画で海パン一丁だった意外な一面とは

 さる5月18日に、今年の4月3日に他界していたことが明らかになった田村正和。彼は生前「テレビ俳優」を自称し、“映画よりテレビドラマのほうが自分に向いている”といった発言もしていた。つまり、映画とは意図的に距離を置いていたのである。

 1980年以降の約40年間で出演した劇映画は、『子連れ狼 その小さき手に』(1993年/監督:井上昭)、『ラストラブ』(2007年/監督:藤田明二)のわずか2本のみ。そのネームバリューや人気を考えると、あまりに少ない。

 しかし、戦前より映画界で活躍した時代劇スター・阪東妻三郎の息子である田村にとって、俳優としてのキャリアのスタート地点はやはり映画であった。1960年に映画『旗本愚連隊』(監督:福田晴一)の端役でデビューし、翌年、松竹と専属契約。1966年にはフリーとなったが、その後も70年代の終わりまでは年に数本ペースで映画に出演していたのだ。

 テレビ界での田村は、1972年の『眠狂四郎』(フジテレビ系)以降、時代劇の主演作が増え、1983年の『夏に恋する女たち』(TBS系)以降は現代劇の連続ドラマに次々と主演していく。

 ところが映画界では、主演作がゼロではないものの、2番手、3番手の場合が多く、引く手あまたの看板スターというわけでもなかった。そのため、おそらく本人の志向と異なる役、その後のパブリックイメージと乖離した役を演じることも多かった。

 没後、俳優・田村正和の足跡が振り返られる機会は多いが、本稿では、触れられる機会の少ない田村の映画出演作、なかでも意外性の高いものを厳選して紹介したい。

アイドル映画のサブキャラが定位置?大きかった“スター”橋幸夫との格差

『男なら振りむくな』(1967年/監督:野村芳太郎)

 原作は石原慎太郎の小説で、レコード大賞受賞歴がある人気歌手・橋幸夫(当時24歳)がオートバイレーサーの青年を演じた。興行的に橋の人気に頼った、いわばアイドル映画だといえる。ヒロインは加賀まりこで、『男はつらいよ』以前の渥美清も出ている。24歳の田村が演じたのは、橋の相棒であるレーサーの役。若手イケメン枠ともいえるポジションだが、ポスターでの扱いは、橋が9に対し、田村は1だった。もちろん加賀が好意を持つのは橋のほうである。

『初恋宣言』(1968年/監督:梅津明治郎)

 主演は「西野バレエ団」のメンバーで、女性アイドルグループの元祖ともいわれる5人組「レ・ガールズ」として活動していた由美かおる(当時17歳)だ。スターを夢見る若い女性を描いた作品で、レ・ガールズの他メンバーも3名(奈美悦子、原田糸子、江美早苗)出演する正統派アイドル映画だ。

 田村の役は、主人公の相手役であるテレビ番組のディレクター。今なら坂口健太郎あたりがキャスティングされるところだろうか? いずれにしても、あくまで由美の人気ありきの作品であり、やはり田村はサブのイケメン枠ポジションだった。

『仁義なき戦い』以前の菅原文太と2度共演、陰性やくざ映画で勝新太郎に脅される

『侠勇の花道 ドス』(1966年/監督:松野宏軌)

 もともと文芸作品や人情喜劇を得意としていた松竹が、やくざ映画をドル箱とした東映を模倣して作った作品のひとつだ。

 田村が演じたのは、大親分の跡目を継ぐ実子の役だ。まだ人間として成熟しておらず、敵対組織の罠に落ち、悲劇的な結末を迎える設定になっている。田村を陥れる悪辣なやくざを演じたのは、東映移籍前で松竹専属だった菅原文太である。

 なお、文学青年が不良のまねごとをしたような松竹のやくざ映画は観客の支持を集めることができず、短期間で打ち切りになっている。

『現代やくざ 与太者仁義』(1969年/監督:降旗康男)

 松竹を離れフリーとなった田村はめぐりめぐって、東映やくざ映画にも出演した。これは、アウトローな三兄弟(池部良、菅原文太、田村正和)を描いた作品だ。

 上で紹介した『侠勇の花道・ドス』では悪役だった菅原は、東映に移りやくざ映画の主演格にランクアップしている。小柄で細身の田村が演じるのは、イケイケの武闘派でも、仁義を重んじる昔気質の侠客でもなく、現代の反社会業界でドライに生きる若者だ。サングラスをかけたワルの田村は珍しい。

 なお、菅原文太主演で5作品制作された「現代やくざ」シリーズは、5作目『現代やくざ 人斬り与太』で深作欣二を監督に迎えた。この作品こそ、今に語り継がれる「仁義なき戦い」シリーズの原点だといわれる。もし田村が「現代やくざ」シリーズに連続出演していれば、その流れで、『仁義なき戦い』に出演していた可能性もゼロではない。

『やくざ絶唱』(1970年/監督:増村保造)

 2017年に公開された『兄に愛されすぎて困ってます』(監督:河合勇人)という、土屋太鳳と片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)が主演のラブコメ映画があった。『やくざ絶唱』は、それとはまったく関係のない、“やくざの兄に愛されすぎて困っている女性”を描いた作品である。タイトルに「やくざ」が付くが、やくざの抗争劇を主軸とした作品ではない。そして全編、暗くて重く、ジメジメしている。

 兄を勝新太郎が、高校生の妹を大谷直子(土屋太鳳に似ているといわれる)が演じた。勝新は大谷に対し兄妹愛の枠を超えた一種独特の愛情を抱いている。寝ている大谷に覆いかぶさるシーンもある。そして、大谷に近づく男を「ぶっ殺してやる」と恫喝する。

 田村は、そんな怖い兄のいる大谷と交際する若い男の役だ。砂浜で、海パン一丁の田村とビキニ姿の大谷が砂だらけになって激しく絡み合う場面もある。しかし、勝新はもちろん2人の関係を許さない。勝新vs田村の対決は、およそ田村に勝ち目がなさそうだが、果てして……。

 なお、勝新はのちに『古畑任三郎』(1994〜2006年、フジテレビ系)にゲスト出演する話が具体的に進んでいたとか。もし実現していたら、そこでは田村の完勝だっただろう。

美輪明宏や右翼の大物と怪しい関係に?『女囚さそり』でおぞましい拷問シーンに挑む

『黒薔薇の館』(1969年/監督:深作欣二)

 深作欣二がメガホンを握り、美輪明宏(当時は丸山明宏)が主演した映画『黒蜥蜴』(1968年)は、三島由紀夫が戯曲化した江戸川乱歩の同名小説が原作だ。三島自身も、陳列されている人間の剥製(役名は「日本青年の生人形」)として出演している。まるで、美輪のプロモーションビデオのようにも感じられる一作だ。

 そしてこの『黒薔薇の館』は、乱歩も三島も無関係ながら、柳の下の2匹目のドジョウを狙った同系統の作品である。

 美輪は、資産家が経営するクラブ「黒薔薇の館」で、男たちを虜にしていく妖艶な美女を演じた。田村の役はその美女とやがて深い関係になる資産家の息子だった。陰鬱で耽美的なその世界に美青年の田村はハマった。美輪&田村というマッチングは絶妙だといえる。

『女囚さそり 701号怨み節』(1973年/監督:長谷部安春)

 大ヒットした梶芽衣子主演による「女囚さそり」シリーズの第4弾。監督が伊藤俊也から長谷部安春に替わり、作風に変化はみられるが、全編を支配するどんよりとした空気や残酷描写は、それ以前と変わらず。

 田村が演じるのは、過激派として扱われた元左翼活動家の役だ。過去に警察に激しく拷問されたことで下半身に障がいが残り、生殖機能を失っているという設定も。それがセリフだけで説明されるのではなく、田村が吊るされ、蹴られ、熱湯を股間にかけられ悶絶する回想シーンが挟まれることによってグロテスクに強調される。

 さそり(梶)と惹かれ合う描写もあるが、「女囚さそり」シリーズに平穏無事で終わる登場人物はおらず、田村も例外ではなかった。

『日本の黒幕(フィクサー)』(1979年/監督:降旗康男)

 これは、「ロッキード事件」の際に注目された児玉誉士夫と田中角栄の関係をモチーフに、日本の右翼団体と政財界の癒着を描いた意欲作。当初は大島渚が監督を務める予定だった。フィクサーとして暗躍する右翼の大物(佐分利信)が主人公で、田村はその側近かつ門下生のリーダー格を演じた。

 フィクサーは田村を寵愛し、田村はフィクサーに心酔している。2人は武将と小姓のようにもみえる。それでいて、田村はフィクサーの娘(松尾嘉代)とも男女の関係にある。また途中から、美しい少年をフィクサーが可愛がるようになると、田村は湧き上がる嫉妬のような感情を押し殺そうとする描写も。さらにフィクサーの邸宅内では、男と女、男と男、肉親同士の愛憎が複雑怪奇に絡み合う……。

 日本映画としては未踏の領域に踏み込んだこの作品を最後に、田村は映画界を離れ、テレビに専念するようになった。そこには、どのような思いがあったのだろうか?

 ここに挙げた映画のなかで田村が演じたのは、アイドル映画2作を除けば、いずれも陰湿な雰囲気のキャラクターで、また、多くの作品で無残な最期を遂げている。

 それは、『パパはニュースキャスター』(1987年、TBS系)や『古畑任三郎』での軽妙な紳士のイメージとも、『ニューヨーク恋物語』(1988年、フジテレビ系)、『過ぎし日のセレナーデ』(1989〜1990年、フジテレビ系)でのニヒルな二枚目のイメージとも大きくかけ離れている。

 だが、それらもまた、田村正和という俳優を語る上で重要な要素なのである。

(文=峯岸あゆみ)

●峯岸あゆみ(みねぎし・あゆみ)
CSと配信とYou Tubeで過去のテレビドラマや映画やアイドルを観まくるライター。ベストドラマは『白線流し』(フジテレビ系)、ベスト映画は『ロックよ、静かに流れよ』(1988年、監督:長崎俊一)、ベストアイドルは2001年の松浦亜弥。

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