上場企業の役員報酬額ランキング、1位18億8200万円、2位17億9500万円を占めた有名企業とは

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東京商工リサーチは、2021年3月期決算の上場企業のうち、1億円以上の役員報酬を支払っていることを開示した企業を調査。6月24日午後5時時点の結果を発表した。

2021年3月期決算の有価証券報告書の提出が確認されたのは772社で、そのうち報酬1億円以上の個別開示をした企業は95社・219人だった。年収1,000万が大台とされているサラリーマンの世界とはかけ離れた、役員報酬の驚きの金額についてお伝えしていきたい。

上位2位をソフトバンクグループが独占

 ではさっそく、役員報酬ランキングに記載されている企業の役員たちはどれくらいの報酬を受けとっているのか見ていこう。
 映えある1位に輝いたのは、ソフトバンクグループのサイモン・シガース取締役で、その額18億8,200万円だった。内訳は基本報酬1億4,300万円のほか、賞与10億2,400万円、株式報酬7億円など。

 そして2位には、同社のマルセロ・クラウレ副社長執行役員COOがランクイン。報酬は17億9,500万円だった。3位はトヨタ自動車のディディエ・ルロワ取締役で14億5,100万円。4位でやっと日本人役員の名前が…

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世界の大学ランキング【アジア編】、3位清華大学(中国)2位南洋理工大学(シンガポール)1位は?

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イギリスの大学評価機関QS Quacquarelli Symondsが、2022年度版「世界大学ランキング」を発表した。これは大学のレベルを比較するためのデータとして世界中で多く参照されている情報源の一つで、ランキングの1位はアメリカのマサチューセッツ工科大学、2位はオックスフォード大学、3位はスタンフォード大学と、名だたる大学が並んでいる。

今回はその中から、アジアの大学をクローズアップ。日本の最高学府と呼ばれる東大や京大は何位にランクインしているだろうか。

3位はエンジニアの育成に定評がある清華大学、2位はグローバル人材を輩出している南洋理工大学

 このランキングは世界1,300の大学を6つの主要な指標に従って評価されている。その指標とは、学術的評判、雇用主の評判、教員/学生比率、学部ごとの論文引用数、国際教員比率/留学生比率だ。ちなみに、トップ10はアメリカとイギリス、スイスの大学に占められており、アジアの大学が登場するのはそれ以降であることを付け加えておこう。

 アジアの大学第3位は、中国の「清華大学」で総合評点は89。首都・北京にある総合大学で、創立は19…

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パチンコ「1500発比率92%」で「引き戻し性能」も強化! 新時代の絶対王者が遂に降臨!!【新台分析-パチンコ-編】

 パチンコ機種の中でも圧倒的なシェア率を誇る『海物語』シリーズ。その中でも特に人気のタイトルといえば『海物語IN沖縄』であろう。

 いつの時代も変わらない安心安定の確変ループ。マイルドな仕様ながら、時に強烈な出玉も生み出すことも少なくない。シンプルながら奥深いゲーム性で、老若男女を問わず多くのユーザーに支持され続けているわけだが…。

 そんな『沖海』シリーズに念願の最新作が誕生。スペック・演出ともに更なるパワーアップを遂げた仕上がりに、ファンのボルテージも最高潮に達している状況だ。

『Pスーパー海物語IN沖縄5』(三洋物産)

■大当り確率:約1/319.6→約1/38.0
■賞球数:3&2&15&4&3
■カウント・ラウンド:10カウント・10Ror2R
■確変割合:60%
■確変タイプ:次回まで
■時短:100回or120回(※通常時、ヘソでの通常大当りのみ100回)
■大当り内訳(ヘソ):10R確変40%・2R確変20%・10R通常40%
    (電チュー):10R確変52%・2R確変8%・10R通常40%
○○○

 大当り確率約1/319.6で、シリーズ伝統の確変ループは健在。図柄揃いの大当りは全て1500発出玉となり、安定感のあるゲーム性を楽しむことが可能だ。

 本機の確変割合は60%。大当り内訳はヘソと電チューによって異なり、10R確変の比率が「ヘソ40%」「電チュー52%」と変化する。確変or時短中であれば、実に大当りの92%が1500発出玉となる点は魅力だろう。

 また、今作では時短性能も電サポ大当りが優遇されている。電サポ経由の通常大当りは「時短120回」が付与されるのだ(ヘソ経由の通常大当りは時短100回)。引き戻し性能が強化された事で、より爽快な連チャンを楽しめそうだ。

 また演出面でも新たなゲーム性が追加されている点も注目ポイント。2R確変を射止めた際は専用モードとなる「エイサー祭」へ突入。ここではチャンス目停止で「当れば確変」状態となるようだ。更に、上位モード「超エイサー祭」に移行すれば「スーパーラッキー」は目前となる。

 シリーズお馴染みの「ハイビスカスフラッシュ」も健在。今作では盤面下のハイビスカスがひっそりと光る「サイレントハイビスカスフラッシュ」が新演出として追加されている。更に『大海』で好評を得た振動演出も「じんべえチェンジ」と称して継承。突如として演出がランクアップし、大当り期待度を上昇させる激アツ予告となっている。

Pスーパー海物語IN沖縄5』の導入予定日は7月5日。新時代の絶対王者が誕生する日は近い。

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宇宙を制する者が経済を制す? 大富豪、大企業の熾烈な「宇宙ビジネス」覇権争いが激化!

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大富豪同士の熾烈な覇権争いは、地球を飛び出して宇宙にまで進出しはじめたようだ。現在世界的な大企業のトップや著名な資産家がこぞって宇宙開発に投資を行っているという。近年は日本国内でも、ZOZO創業者でスタートトゥデイ代表取締役の前澤友作氏が宇宙旅行へ行くことを表明したり、元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏が出資するロケットが打ち上げに成功したりと、宇宙開発に関わるあれこれが注目を浴びる機会が増えてきているようだ。

今回は、そんな“宇宙世紀”とも言える宇宙への進出でしのぎを削る人々についてお伝えしていきたい。

アマゾンをはじめ、アメリカの大企業が宇宙開発に参戦

 現在盛んになっている大企業の宇宙投資で、目立つのはやはり宇宙開発のパイオニア・アメリカの企業だ。ECサイト大手・アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏は2000年に早くも宇宙開発企業のブルー・オリジンを設立。2021年7月20日にはベゾス氏らを乗せて初の有人宇宙飛行実施する予定だ。

 また、テスラCEOのイーロン・マスク氏も宇宙開発企業・スペースXを率いて宇宙に対する興味を鮮明にしている。スペースXは5月にロ…

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甘デジ「連チャン濃厚」となる「激アツ10R」完備!「強力なネオ時短」も光る高継続マシン!!

 ようやく本格的に梅雨のシーズンに入ったようだが、東海以西では記録的な早さで梅雨入りしたものの関東から東ではまったくそんな気配がなく、1ヵ月近くも梅雨入り時期に差が出ている。

 ところで、6月の和風月名は水無月(みなつき)。梅雨時期なのに水がなしとはこれいかにと思うかもしれないが、無は助詞「の」を意味するようで、実際の意味としては「水の月」のようで、字面から受ける印象とは真逆である。

 ただ、これは田んぼに水が引かれることを表しており、「田植えの準備がはじまるよ」的なことらしい。真逆といえば、水無月のいわれにも諸説あり、暑くて水が干上がるの「水無月」とか農事をやり尽くして「皆し尽くす」→「みなしつき」→「みなつき」となったとか、実のところハッキリしていない。

 ちなみに、水無月という白い「ういろう」の上に小豆を乗せた和菓子があるが、私はケーキ屋パイのほうが好きである。もちろん、違う意味でのパイも好きである。『P閃乱カグラ2 パイまみれ99Ver.』。

「諸説」よりも強引な展開だが、本機の性能は確かである。『P閃乱カグラ2胸躍る199Ver.』の甘デジタイプとなる本機は大当り確率が1/99.9の1種2種混合機で、トータル継続率約76%のRUSH機能を搭載している。

 そのRUSHは、時短7回+残保留4個の「爆NEWパイパニック」と時短181回+残保留4個の「超NEWパイパニック」の2つのモードで構成されており、前者は72.2%ループ、後者は次回当りが濃厚。これを合わせたループ率が約75.7%となっているのである。

 モード中は敵キャラにパイを当てれば大当りとなるバトル形式で展開し、大当りラウンドではその体に付着したパイを洗い流す演出でラウンド数を告知する「シャワーラウンド」を楽しめる。

 ラウンドの振り分けは半分以上が最大出玉となる10ラウンド約800発。また、最大ラウンドでは12.8%で連チャン濃厚となる181回転の時短が選択されるようになっている。残りのほとんどは約320発の4ラウンドで、7ラウンドも用意されているが出現率は1%以下とめったに出ない。

 また、本機には遊タイムも搭載されており、低確率状態で299回転を消化すると181回の電サポが発動するようになっている。これは「超NEWパイパニック」と同性能なので、遊タイム=大当り&連チャンが濃厚となる。

 RUSH終了時は時短と残保留の11回転なのでそのほとんどを通常の状態で消化しないといけないが、ハマリ救済とプラスしてRUSH突入も約束されるので遊タイムの恩恵は高いといえるだろう。

 その分、RUSH突入のメイン契機となる時短1回転+残保留4個で展開される「閃乱チャレンジ」の突破率が44.1%と若干低めに設定されているが、RUSHに突入すれば約2500発の出玉も期待できる破壊力は魅力的である。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

 

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JRA 9番人気7着だった「地味ジョッキー」が何故絶賛されたのか。レース後「敗因不明」コメントも「ありがとう!」「ナイス騎乗」に見えるファン心理

 先週から夏競馬が開幕し、今年もこの男が頼りになる季節がやってきたようだ。

 4日、小倉競馬場で行われたCBC賞(G3)はファストフォース(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)が重賞初制覇。スタートから果敢にハナを奪うと、そのまま1:06.0のスーパー日本レコードで駆け抜けた。

 昨日、開幕初日を迎えた小倉競馬は日本レコードが2度も記録される歴史的な超高速馬場。良馬場のまま迎えたこの日も傾向は変わらず、スピードにモノを言わせた先行馬の粘り込みが相次いでいた。

 そういった状況もあって、ファストフォースの鮫島克駿騎手も「レース前から特殊な馬場になることは分かってた」「(ハナまで)行き切れれば、チャンスはあると思っていました」とコメント。8番人気の伏兵の勝利は馬場コンディションを読み切った、まさに作戦勝ちだった。

 一方、そんな勝利騎手には及ばないものの、一部のファンから支持を集めたのがクーファウェヌス(牝6歳、栗東・武幸四郎厩舎)に騎乗した酒井学騎手だ。

「スタートを出て、無理なく番手から進めることができました。3コーナーでは好勝負になりそうな感じでしたが、最後にしんどくなったのは、時計なのか……何なのか」

レースの結果だけを見れば、9番人気馬による7着。騎乗したジョッキーは地味ながら「まずまず頑張った」といえる無難な結果である。

 しかしレース後、クーファウェヌスを応援していたネット上のファンからは「ナイス騎乗」「酒井ジョッキー、お疲れ様でした!」「直線までは夢みた。ありがとう!」「納得のレース」など、酒井騎手の騎乗ぶりを称賛する声が続々……。

 馬券圏内からは程遠い7着に敗れた騎手が、ここまで支持されるのは珍しいケースだ。

「この日のCBC賞は、馬場傾向を読み切った鮫島駿騎手の好騎乗による伏兵ファストフォースの逃げ切りでしたが、道中その2番手を追走していたのが酒井騎手のクーファウェヌスでした。

これだけなら特筆すべきことでもないのですが、クーファウェヌスはここ4走ずっと中団か、後方から末脚勝負を試みていた馬。今回、この馬が逃げ争いに加わることを予想できた人は少ないんじゃないでしょうか。

そこをあえて2番手の競馬に出たのは、やはり酒井騎手なりに馬場傾向をしっかり掴んでいたからでしょうね。今回がクーファウェヌスとの初コンビでしたが、ファンが酒井騎手の騎乗に納得したのは、その辺りだと思いますよ」(競馬記者)

 酒井騎手といえば「ハンデ職人」と呼ばれているハンデ戦の名手として有名だ。特に51kgだった今回のクーファウェヌスのように、軽ハンデ馬に騎乗した際の勝負強さは抜群と言われている。

 実際に、昨年もマーメイドS(G3)を50kgのサマーセントで勝利。極めつけは53kgのメイケイダイハードと挑んだ中京記念(G3)を単勝163倍の18番人気で勝利したこと。覚えているファンも多いはずだ。

「自己条件に戻れば勝てる馬です」

 そう格上挑戦だったクーファウェヌスを庇った酒井騎手。ちなみに昨年、マーメイドを勝った際には「掴まっていただけ」と相棒サマーセントの頑張りを強調している。こういった姿勢も、ファンから支持を集める一因になっているのかもしれない。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

JRA単勝1.1倍、川田将雅「2億円」フィデルでダノックスに“恩返し”!? 順当デビュー勝ちに「これからの成長が楽しみ」、セレクトセール注目の高額落札馬がヴェールを脱ぐ

 4日、小倉競馬場で行われた5Rの2歳新馬は、川田将雅騎手の1番人気フィデル(牡2、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。ダノンピーカブーとの叩き合いを制し、デビュー勝ちを飾った。

 今夏の小倉開催で最も注目を集めた新馬戦だったかもしれない。

 フィデルは、2016年に米国のブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(G1)を制したシャンパンルームを半姉に持つ良血。昨年のセレクトセール1歳で2億900万円(税込)という高額で落札されたほど期待されていた。これだけの馬だけに、デビュー前から評価も高かったが、まずは無事な船出に成功だ。

 単勝1.1倍に支持された断然人気馬の手綱を任せられた川田騎手にとっても責任重大だった。

 8頭立ての少頭数で行われた芝1800m戦。好スタートを決めると、先手を主張したダノンピーカブー、シゲルユキミザケ、オレハリョウタローの3頭を先に行かせ、川田騎手とフィデルのコンビはこれらを見る形で4番手から追走する。

 折り合いを重視する新馬戦特有のスローペースは、1000m通過が1分3秒6のゆったりとした流れ。フィデルは3コーナー過ぎから徐々に進出、最終コーナーでは早くも先頭のダノンピーカブーに並び掛ける。

 内で懸命に抵抗するダノンピーカブーを残り150mで交わすと、1馬身の差をつけて余裕のゴール。着差以上に強さを感じさせられる内容だった。

「スムーズに競馬を勉強しながら全部上手にこなしてくれました。これからの成長が楽しみです」と、レースを振り返ったのは川田騎手。

 これだけの期待馬だ。求められるのはただ、レースを勝つだけではない。

 フィデルの今後を見据え、課題をクリアしたパートナーに合格点を与えた上での勝利である。「成長が楽しみ」というからには、それなりの手応えがあったのだろう。

「ダノンピーカブーに並んでからもムチが一発も入らなかったように、楽勝といえる内容でした。

父は今年で種牡馬引退が決まっているハーツクライ。血統的に距離が延びても問題なさそうですし、晩年の最高傑作となる期待もありそうです」(競馬記者)

 また、ダノックスの主戦を任されている川田騎手が、ダノンピーカブーではなく、フィデルを選んだことも、同馬への期待の表れといえるのではないか。

 今回は別オーナーの所有馬でダノックスに“恩返し”となったが、しっかりと結果を出したあたり、川田騎手の全盛期はまだまだ続きそうな気配だ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

圧倒的世界シェアのTSMC、なぜ今、日本に拠点を設置?日本の半導体関連企業との関係強化

 5月31日、経済産業省は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(助成)」に関する情報を公開した。それによると、茨城県つくば市に世界最大のファウンドリー(半導体の受託生産)企業である台湾積体電路製造(TSMC)が拠点(TSMCジャパン3DIC研究開発センター株式会社)を設置し、後工程と呼ばれる半導体の生産プロセスの研究開発を進める。

 そこには、東京応化工業をはじめ、20社超の日本企業が参画する予定だ。業種別に参画する企業を分類すると、どちらかといえば半導体の製造装置を手掛ける企業よりも、部材関連の企業が多いとの印象を持つ。また、日本の研究機関もパートナーに名を連ねている。

 一つの見方として、TSMCは東京応化など日本の半導体部材関連企業との関係強化をより重視している可能性がある。東京応化は常にTSMCの高い要求に応えてきた。中長期的な展開を考えた際、東京応化などニッチ分野での企業の成長が日本経済に与える影響は、一段と大きくなる可能性がある。

半導体の製造プロセスの後工程

 茨城県つくば市においてTSMCは、半導体の後工程に関する技術の研究と開発を進める。その背景には、日本政府からの要請に加えて、東京応化のように世界トップの生産技術を持ち高純度かつ微細な半導体部材などを生み出す日本企業との連携を進める狙いがあるだろう。

 まず、半導体の生産プロセスを簡潔に確認する。半導体の生産は3つのプロセスに分けることができる。(1)半導体の設計・開発、(2)前工程(集積回路の形成、ファウンドリー企業が担当)、(3)後工程(回路の切り出しやケースへの封入など)だ。(1)から(3)の順に、左から右へと流れるフローチャートを頭の中にイメージするとわかりやすいだろう。

 まず、半導体の設計・開発は、米国のアップルなど、一般的に「ファブレス」と呼ばれる企業が行う。例えば、米アップルはスマホやパソコンのICチップを設計、開発し、その生産をファウンドリーであるTSMCに委託する。アップルは設計と開発に注力することによって、生産施設の建設など負担を減らし事業運営の効率性向上を目指すことができる。

 前工程では、ファブレス企業である顧客の要請に基づき、TSMCはシリコンウエハ上に集積回路を形成する。特に、TSMCは集積回路の幅を小さくする微細化に注力し、顧客の要請に的確、かつ迅速にこたえてきた。TSMCは現時点で最先端といわれる回路線幅5ナノメートル(ナノは10億分の1)の生産ラインを確立した。同社は、次世代の2ナノメートルの回路線幅のチップ生産ラインの確立にも取り組んでいる。

 その結果、ファウンドリー分野でのTSMCの世界シェアは55%程度にまで拡大した。状況としては、世界の半導体産業の盟主の座が米インテルからTSMCにシフトしているように見える。TSMCが微細化を推進するうえで、東京応化は高純度のフォトレジスト供給者として重要な役割を担っている。

 3番目が後工程だ。後工程では、台湾の日月光半導体製造(ASE) や米国のアムコー・テクノロジーのシェアが高く、TSMCは後発といわれる。後工程では、ウエハを研磨し、切り出した集積回路をケースに封入するなどする。後工程では、メモリと演算装置を縦に積み上げるなどしてアップルなど最終製品メーカーが求める性能を実現することの重要性が高まっているようだ。

今、TSMCが東京応化などとの関係を重視する理由

 TSMCがさらなる成長を目指すために、前工程での微細化に加えて、3次元積層など後工程での技術の重要性は増している。特に、封入などに用いられる素材に関して、日本企業のシェアは高い。東京応化はその代表的企業だ。

 前後の両工程において、東京応化はコスト、感度、基板と部材の密着性など、世界の半導体メーカーの要求を満たす感光材を提供してきた。それが、TSMCの微細化と歩留まり向上に与えた影響は大きい。それは、日本の他の半導体部材メーカーや半導体製造装置メーカーにも当てはまる。そうした要素がなければ、日本政府からの熱心な呼びかけがあったとしても、TSMCは研究・開発拠点を設けないだろう。

 重要なことは、なぜ今、TSMCが日本に拠点を設けるかだ。世界的な半導体需要が見込まれる中で後工程への取り組みを強化することは、その理由の一つだろう。それ以外にもTSMCが日本を重視する理由が思い当たる。

 例えば、現在、台湾では世界的な半導体不足の深刻化などによって、電力や人材が不足している。干ばつによる水不足も深刻だ。TSMCがそうしたリスクに対応するために、日本において東京応化などとの関係を強化することは、柔軟なサプライチェーンを目指すために重要だろう。

 TSMCは地政学リスクにも対応しなければならない。経済の側面から考えると、「中国製造2025」の実現のために中国共産党政権は、TSMCをはじめとする台湾半導体産業への影響力の拡大を目指し、台湾への圧力を強めようとしているようだ。TSMCがそのリスクに対応するために、微細化や後工程分野での取り組み強化に欠かせない東京応化などが本拠地とする日本に研究開発拠点を設けることは、想定外の展開に対応するために重要といえる。

 先に示した半導体生産プロセスに基づいて考えると、TSMCが重視していることは、半導体生産の総合力向上だろう。そのために、TSMCは、微細化や後工程での取り組みなど自社の付加価値の源泉と、それを支える社外の要素を、鎖で強固につなぐようにして価値が自社外に逃げないようにし、競争優位性をさらに高めようとしているとの印象を持つ。

重要性増す東京応化など半導体部材メーカー

 東京応化がTSMCにとって不可欠なサプライヤーとしての地位を確立した背景には、日本産業の成長が影響している。1970年代以降、テレビなどの家電分野で日本企業は世界的シェアを獲得した。それが需要源となって日本の半導体産業が成長した。1986年に日本の半導体メーカーの世界シェアは米国を抜き、世界トップ10社のうち実に6社が日本企業だった。その多くが、東京応化が本社を置く神奈川県川崎市周辺(京浜工業地帯の一部)に拠点を置いた。今日、日本の半導体メーカーにかつての強さは見られない。

 しかし、東京応化は世界最大手のフォトレジストメーカーとしての競争優位性を発揮している。その根底には、同社が日本半導体メーカーの要求に応えて微細かつ高純度のモノづくりの力を磨き、さらにはその力を海外で発揮したことがある。

 世界経済全体の今後の展開を考えると、当面の間、半導体供給者としてのTSMCの重要性は増す可能性がある。TSMCは日本の半導体部材、製造装置メーカーとの関係を重視している。他方で、日本には、TSMCやサムスン電子などの半導体メーカー、アップルやエヌビディアなどのファブレス企業、アマゾンなどの大手ITプラットフォーマーが見当たらない。日本経済が世界経済のデジタル化の恩恵を享受するために、東京応化など半導体部材メーカーの重要性は高まるだろう。なぜなら、部品を組み立てて作られる機械やチップと異なり、微細な化学製品は模倣することが困難だからだ。

 ニッチな分野でのモノづくりの力は、中長期的な日本経済の展開に無視できない影響を与える可能性がある。日本の微細、および精緻なモノづくりの力が発揮され、それが世界のIT先端企業などから必要とされている足許の状況は、日本の企業と経済が成長を目指す“最後のチャンス”といっても過言ではない。

 東京応化をはじめ日本の半導体部材や製造装置関連企業がTSMCとの研究・開発を強化できれば、関連分野における日本企業のシェアは高まり、経済のダイナミズム向上にも相応の影響があるだろう。そうした観点から東京応化がどのように微細かつ高純度のモノづくりの力を高め、発揮するかに注目したい。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

●真壁昭夫/法政大学大学院教授

一橋大学商学部卒業、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学大学院(修士)。ロンドン証券現地法人勤務、市場営業部、みずほ総合研究所等を経て、信州大学経法学部を歴任、現職に至る。商工会議所政策委員会学識委員、FP協会評議員。

著書・論文

『仮想通貨で銀行が消える日』(祥伝社、2017年4月)

『逆オイルショック』(祥伝社、2016年4月)

『VW不正と中国・ドイツ 経済同盟』、『金融マーケットの法則』(朝日新書、2015年8月)

『AIIBの正体』(祥伝社、2015年7月)

『行動経済学入門』(ダイヤモンド社、2010年4月)他。

「プロレス・格闘技」に、コピーを学ぶ

電通で、クリエーティブ・ディレクター/コピーライターを務めている橋口幸生氏。彼が招待するのは、広告とはまったく別の世界で活躍している「言葉の猛者」たち。

本連載では、隔月のペースで開催されるウェビナーの内容を、編集部視点で再編集。「新しいものは、必ず新しい言葉と共にやってくる」という橋口氏の視点の下で、言葉の持つ力や、その可能性についての考察を深めていく。

第2回にあたる本稿では、格闘家・青木真也氏と橋口氏の対談内容から、「プロレス・格闘技、声に出して読みたい名言・珍言たち。」と題されたウェビナーの肝の部分について紹介していきたい。

文責:ウェブ電通報編集部

 

言葉最前線
青木真也氏:総合格闘家。早稲田大学在学中に柔道から総合格闘技に転向。PRIDE、DREAMに参戦し、修斗世界ミドル級王座、DREAMライト級王座を獲得した。現在はONE Championshipに参戦。2度、世界ライト級王座を獲得している。著書に格闘技専門書の他、「空気を読んではいけない」「ストロング本能 人生を後悔しない『自分だけのものさし』」「距離思考 曖昧な関係で生きる方法」。文筆や講演にも活動の幅を広げ、「note」でのウェブ連載など多数。https://note.com/a_ok_i 橋口幸生氏:クリエーティブ・ディレクター/コピーライター。最近の代表作はロッテガーナチョコレート、「世界ダウン症の日」新聞広告、スカパー!堺議員シリーズなど。キリン「のどごし 夢のドリーム」、UFC日本大会など、プロレス・格闘技関連の仕事も手掛ける。「100案思考」「言葉ダイエット」著者。https://twitter.com/yukio8494


 

「言葉を持たない格闘家は、動物と同じ」(青木真也)

これは、青木氏の著書「ストロング本能」(KADOKAWA刊)の中で「自分の言葉を携えて、自分の物語を紡ぐ」に続けて述べられている言葉だ。青木氏いわく、「自分で思っていることは、自分で発しないと伝わらない。特に格闘家の声は、マスコミに持ってかれちゃう」との考えに至ったのだという。青木氏の言う「持ってかれちゃう」とは、「言葉の解釈を、勝手に変えられてしまう」ということだ。

noteでの連載「月刊青木真也」も、こうした気付きから始まった。「月刊青木真也」のことを橋口氏は、こう評する。「UFC(※)のように、試合だけをストイックに楽しむのではなく、試合周辺にある言葉を楽しむ、ということを久々に思い出させてくれたもの」だと。

単に勝ち負けを見届けるのではなく、その背景にある「さまざまな思い」といったものを言葉から読み解いてこそ、ゾクゾクするようなドラマ性が生まれる、ということだ。青木氏は言う。「ストイックに戦っているだけじゃ、無機質で味気ないじゃないですか。格闘技のダイナミズムは、野生動物のサバイバルとはまったく違うものなのだから」

※UFC JAPAN:アメリカの格闘技団体による日本での興行

 

青木真也
橋口と比べると、青木選手がいかに屈強な体をしているかが、よく分かる一枚。(橋口幸生)

 

「言葉の差は、教養の差」(青木真也)

「格闘技で生きていくために、格闘技以外のことを学ぶ重要性を感じています。必死に生きてきました。それだけは誇れます。僕は必死に生きてきた言葉を持っています」。そう、青木氏は語る。

2020年4月17日、「Road to ONE:2nd」で披露された「生きるっていうのは、家の中に居ることじゃねえ。目の前にあることと戦うことだ」という言葉からも、同じ信念がうかがえる。

「一言でいうと『生きろ!』みたいなことだと思うんです。ファンに対しても、自分に対しても。コロナ禍で試合の機会が減り、開催できたとしても無観客といった状況が続いている。格闘家の仕事って、人を勇気づける仕事だと思う。それができないもどかしさに、正直、押しつぶされそうになる」と、青木氏は語る。

そうした葛藤の中で、歴史や言葉というものを勉強することの大切さに、改めて気付かされた。「14世紀にイタリアを襲ったペストとの闘いなどは、その後、1世紀もの間、続くことになる。そうした我慢を経験した先で、ルネサンスが起こる。坂口安吾などを読み返しても『生きろ!』というメッセージがひしひしと伝わってくるんです」。人は何のために生きるのか。その深淵に迫るには、教養を身に付ける必要がある。教養は言葉となり、誰かの心に希望の灯をともすのだ。

青木真也
試合前の緊張感のある表情と、「幸せな時間が来る。」とのギャップが印象的な一枚。広告でいう、「絵とコピーの掛け算」が見事です。(橋口幸生)

「言葉は作るものではなく、拾うもの」(青木真也)

「36歳になって、家庭壊して、好きなことやって、どうだお前らうらやましいだろう?」。この言葉は、2019年10月13日の「ONE:CENTURY 世紀」で放たれた青木氏のあおり文句だ。「実はこの言葉、鈴木おさむさん脚本・監督の映画『ラブ×ドック』の中に登場するセリフを、自分に置き換えたものなんです。言葉って、拾うものだと僕は思ってるんですよ。ただ単に横着してるだけ、かもしれないけど(笑)」

そんな青木氏の指摘に、「それは、まさしくクリエイターの視点だ」と橋口氏は舌を巻く。「広告コピーなどはまさにそうで、無理やり作り出すものではなく、見つけてくるものなんです。世の中に普通に転がっている言葉、クライアントの中で当たり前のように使われている言葉を、ひょいとつまみあげてみる感じ。石ころに見えているものが、実はダイヤの原石かもしれない。そんなワクワクと共に、僕はいつも言葉を拾ってる。言葉を見つけるためには、とにかく人と話すことだと思います。リモートでも、いいじゃないですか。話をしているうちに、気になる言葉と必ず巡り合える。それを拾いあげて磨いてみる、というのが実はコピーライターの基本動作なんです」

青木真也
練習中の一枚。勝敗はコントロールできない、だから「あとは運」と言えるまで頑張る。そう、青木選手は言う。(橋口幸生)

泣く、笑う、あきれる。それが「声に出して読みたい言葉」たち

ウェビナーの後半は、橋口氏が紹介する「古今東西のプロレス・格闘技の声に出して読みたい言葉」の数々に青木氏がコメントを挟む、というラリーの応酬となった。中には、誰もが知るプロ野球の国民的スターの言葉などもあった。具体的な事例については割愛するが、青木氏のコメントを総括すると、いずれの言葉も「泣く、笑う、あきれる」のいずれかの要素を強烈に満たしている、ということになると思う。

体こそが資本の、試合に勝つことが全てとも思える、プロレスラーや格闘家。一見すると、言葉を紡ぐという行為から懸け離れた真逆な所にいる人たちのようだが、そうではない。自らの立場や、素の自分というものと徹底的に対峙(たいじ)した末に繰り出される言葉には力があり、時には泣かされ、時には笑わされ、時にはあまりの意外さに感心を通り越してあきれてしまう。同時にそれは、人の心を揺さぶるエンターテインメントの本質そのものとも言える。

橋口氏と青木氏のやりとりを聞いていて、こんなことを思った。「声に出して読みたい」とは、「その言葉を反すうしたい」という気持ちの表れではないだろうか。書き言葉(文字)が、理性で解釈した後に感性に響いてくるものなのに対して、話し言葉(音声)は、ダイレクトに心に届くものだからだ。そして、心に響いた言葉は、いつまでも強く記憶に残る。

青木真也
憧れの人に会うと、男でも乙女ポーズをしてしまうものなんですね……。(橋口幸生)

ギリギリの言葉は、強い

「真剣勝負」とか「命を懸けている」という言葉、僕、嫌いなんですよね、と青木氏は言う。「だって、そうでしょう。真剣といったって、本物の刀を振り回して殺し合いをするわけじゃない。だから、あなたがやっていることは、真剣勝負ごっこでしょ?命懸けてるふうでしょ?と、いつも僕はちゃかしてる」

「本物の言葉には確かな熱があり、その熱は、うそや見えからは決して生まれないんですよね」、そう、橋口氏は同調する。プロレス・格闘技の「声に出して読みたい名言・珍言たち」には、そうした確かな熱があるのだ、と。

青木氏によれば、プロレスラーや格闘家が残した名言・珍言の多くは、「言葉遊び」と「ルール遊び」に長けているのだという。「ルール遊び」とは、ちょっと分かりづらいが、「巧みなセルフプロデュースにより、自身や自身の団体にとって有利な仕組みを、世の中の空気と一緒に作り上げていく」、ということらしい。あれ?それってまさに「広告制作の教科書の1ページ」に書いてあることではなかったか。今回、橋口氏が青木氏を招待した本当の狙いは、実はそこにあったのかもしれない。

最後に青木氏は、こう締めくくった。「そして、言葉遊びで一番大事なことは、ギリギリを攻めているかどうか、ということだと思います。ここまでは、許される。ここまでなら、心地いい。ここから先は、ダサくなる。そのギリギリを突かれると、人は心をぐっとつかまれるものですから」

青木真也
軽い気持ちでヘッドロックをかけてもらったら、驚くほど痛い!歯が折れるかと思うほど。そう、痛みって記憶に残るんです。(橋口幸生)
※本連載は、「言葉最前線」と題されたウェビナーの内容を、主催者でありMC役でもある橋口幸生氏(CXCC局)の監修のもと、ウェブ電通報独自の視点で編集したものです。



【参加者募集中】 
「言葉最前線」Vol.3ウェビナー 7月12日(月)開催決定!
辻愛沙子×橋口幸生 「社会を動かす広告の言葉

橋口幸生
ゲストは報道番組「news zero」のコメンテーターも務める、arcaのクリエイティブディレクター、辻愛沙子(つじ・あさこ)さん。社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り」の二つを軸として、広告制作、商品企画、イベントプロデュース、女性をエンパワメントするプロジェクト「Ladyknows」主宰など、さまざま領域で活躍中。ウェビナーでは、多彩な活動を通じて辻さんが掲げる「社会派クリエイティブ」について、言葉から迫ります。

・日時:7月12日(月)20時~21時30分
・参加費:1,500円(税別)

お申し込みはこちらから
https://peatix.com/event/1948644/view=

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「プロレス・格闘技」に、コピーを学ぶ

電通で、クリエーティブ・ディレクター/コピーライターを務めている橋口幸生氏。彼が招待するのは、広告とはまったく別の世界で活躍している「言葉の猛者」たち。

本連載では、隔月のペースで開催されるウェビナーの内容を、編集部視点で再編集。「新しいものは、必ず新しい言葉と共にやってくる」という橋口氏の視点の下で、言葉の持つ力や、その可能性についての考察を深めていく。

第2回にあたる本稿では、格闘家・青木真也氏と橋口氏の対談内容から、「プロレス・格闘技、声に出して読みたい名言・珍言たち。」と題されたウェビナーの肝の部分について紹介していきたい。

文責:ウェブ電通報編集部

 

言葉最前線
青木真也氏:総合格闘家。早稲田大学在学中に柔道から総合格闘技に転向。PRIDE、DREAMに参戦し、修斗世界ミドル級王座、DREAMライト級王座を獲得した。現在はONE Championshipに参戦。2度、世界ライト級王座を獲得している。著書に格闘技専門書の他、「空気を読んではいけない」「ストロング本能 人生を後悔しない『自分だけのものさし』」「距離思考 曖昧な関係で生きる方法」。文筆や講演にも活動の幅を広げ、「note」でのウェブ連載など多数。https://note.com/a_ok_i 橋口幸生氏:クリエーティブ・ディレクター/コピーライター。最近の代表作はロッテガーナチョコレート、「世界ダウン症の日」新聞広告、スカパー!堺議員シリーズなど。キリン「のどごし 夢のドリーム」、UFC日本大会など、プロレス・格闘技関連の仕事も手掛ける。「100案思考」「言葉ダイエット」著者。https://twitter.com/yukio8494


 

「言葉を持たない格闘家は、動物と同じ」(青木真也)

これは、青木氏の著書「ストロング本能」(KADOKAWA刊)の中で「自分の言葉を携えて、自分の物語を紡ぐ」に続けて述べられている言葉だ。青木氏いわく、「自分で思っていることは、自分で発しないと伝わらない。特に格闘家の声は、マスコミに持ってかれちゃう」との考えに至ったのだという。青木氏の言う「持ってかれちゃう」とは、「言葉の解釈を、勝手に変えられてしまう」ということだ。

noteでの連載「月刊青木真也」も、こうした気付きから始まった。「月刊青木真也」のことを橋口氏は、こう評する。「UFC(※)のように、試合だけをストイックに楽しむのではなく、試合周辺にある言葉を楽しむ、ということを久々に思い出させてくれたもの」だと。

単に勝ち負けを見届けるのではなく、その背景にある「さまざまな思い」といったものを言葉から読み解いてこそ、ゾクゾクするようなドラマ性が生まれる、ということだ。青木氏は言う。「ストイックに戦っているだけじゃ、無機質で味気ないじゃないですか。格闘技のダイナミズムは、野生動物のサバイバルとはまったく違うものなのだから」

※UFC JAPAN:アメリカの格闘技団体による日本での興行

 

青木真也
橋口と比べると、青木選手がいかに屈強な体をしているかが、よく分かる一枚。(橋口幸生)

 

「言葉の差は、教養の差」(青木真也)

「格闘技で生きていくために、格闘技以外のことを学ぶ重要性を感じています。必死に生きてきました。それだけは誇れます。僕は必死に生きてきた言葉を持っています」。そう、青木氏は語る。

2020年4月17日、「Road to ONE:2nd」で披露された「生きるっていうのは、家の中に居ることじゃねえ。目の前にあることと戦うことだ」という言葉からも、同じ信念がうかがえる。

「一言でいうと『生きろ!』みたいなことだと思うんです。ファンに対しても、自分に対しても。コロナ禍で試合の機会が減り、開催できたとしても無観客といった状況が続いている。格闘家の仕事って、人を勇気づける仕事だと思う。それができないもどかしさに、正直、押しつぶされそうになる」と、青木氏は語る。

そうした葛藤の中で、歴史や言葉というものを勉強することの大切さに、改めて気付かされた。「14世紀にイタリアを襲ったペストとの闘いなどは、その後、1世紀もの間、続くことになる。そうした我慢を経験した先で、ルネサンスが起こる。坂口安吾などを読み返しても『生きろ!』というメッセージがひしひしと伝わってくるんです」。人は何のために生きるのか。その深淵に迫るには、教養を身に付ける必要がある。教養は言葉となり、誰かの心に希望の灯をともすのだ。

青木真也
試合前の緊張感のある表情と、「幸せな時間が来る。」とのギャップが印象的な一枚。広告でいう、「絵とコピーの掛け算」が見事です。(橋口幸生)

「言葉は作るものではなく、拾うもの」(青木真也)

「36歳になって、家庭壊して、好きなことやって、どうだお前らうらやましいだろう?」。この言葉は、2019年10月13日の「ONE:CENTURY 世紀」で放たれた青木氏のあおり文句だ。「実はこの言葉、鈴木おさむさん脚本・監督の映画『ラブ×ドック』の中に登場するセリフを、自分に置き換えたものなんです。言葉って、拾うものだと僕は思ってるんですよ。ただ単に横着してるだけ、かもしれないけど(笑)」

そんな青木氏の指摘に、「それは、まさしくクリエイターの視点だ」と橋口氏は舌を巻く。「広告コピーなどはまさにそうで、無理やり作り出すものではなく、見つけてくるものなんです。世の中に普通に転がっている言葉、クライアントの中で当たり前のように使われている言葉を、ひょいとつまみあげてみる感じ。石ころに見えているものが、実はダイヤの原石かもしれない。そんなワクワクと共に、僕はいつも言葉を拾ってる。言葉を見つけるためには、とにかく人と話すことだと思います。リモートでも、いいじゃないですか。話をしているうちに、気になる言葉と必ず巡り合える。それを拾いあげて磨いてみる、というのが実はコピーライターの基本動作なんです」

青木真也
練習中の一枚。勝敗はコントロールできない、だから「あとは運」と言えるまで頑張る。そう、青木選手は言う。(橋口幸生)

泣く、笑う、あきれる。それが「声に出して読みたい言葉」たち

ウェビナーの後半は、橋口氏が紹介する「古今東西のプロレス・格闘技の声に出して読みたい言葉」の数々に青木氏がコメントを挟む、というラリーの応酬となった。中には、誰もが知るプロ野球の国民的スターの言葉などもあった。具体的な事例については割愛するが、青木氏のコメントを総括すると、いずれの言葉も「泣く、笑う、あきれる」のいずれかの要素を強烈に満たしている、ということになると思う。

体こそが資本の、試合に勝つことが全てとも思える、プロレスラーや格闘家。一見すると、言葉を紡ぐという行為から懸け離れた真逆な所にいる人たちのようだが、そうではない。自らの立場や、素の自分というものと徹底的に対峙(たいじ)した末に繰り出される言葉には力があり、時には泣かされ、時には笑わされ、時にはあまりの意外さに感心を通り越してあきれてしまう。同時にそれは、人の心を揺さぶるエンターテインメントの本質そのものとも言える。

橋口氏と青木氏のやりとりを聞いていて、こんなことを思った。「声に出して読みたい」とは、「その言葉を反すうしたい」という気持ちの表れではないだろうか。書き言葉(文字)が、理性で解釈した後に感性に響いてくるものなのに対して、話し言葉(音声)は、ダイレクトに心に届くものだからだ。そして、心に響いた言葉は、いつまでも強く記憶に残る。

青木真也
憧れの人に会うと、男でも乙女ポーズをしてしまうものなんですね……。(橋口幸生)

ギリギリの言葉は、強い

「真剣勝負」とか「命を懸けている」という言葉、僕、嫌いなんですよね、と青木氏は言う。「だって、そうでしょう。真剣といったって、本物の刀を振り回して殺し合いをするわけじゃない。だから、あなたがやっていることは、真剣勝負ごっこでしょ?命懸けてるふうでしょ?と、いつも僕はちゃかしてる」

「本物の言葉には確かな熱があり、その熱は、うそや見えからは決して生まれないんですよね」、そう、橋口氏は同調する。プロレス・格闘技の「声に出して読みたい名言・珍言たち」には、そうした確かな熱があるのだ、と。

青木氏によれば、プロレスラーや格闘家が残した名言・珍言の多くは、「言葉遊び」と「ルール遊び」に長けているのだという。「ルール遊び」とは、ちょっと分かりづらいが、「巧みなセルフプロデュースにより、自身や自身の団体にとって有利な仕組みを、世の中の空気と一緒に作り上げていく」、ということらしい。あれ?それってまさに「広告制作の教科書の1ページ」に書いてあることではなかったか。今回、橋口氏が青木氏を招待した本当の狙いは、実はそこにあったのかもしれない。

最後に青木氏は、こう締めくくった。「そして、言葉遊びで一番大事なことは、ギリギリを攻めているかどうか、ということだと思います。ここまでは、許される。ここまでなら、心地いい。ここから先は、ダサくなる。そのギリギリを突かれると、人は心をぐっとつかまれるものですから」

青木真也
軽い気持ちでヘッドロックをかけてもらったら、驚くほど痛い!歯が折れるかと思うほど。そう、痛みって記憶に残るんです。(橋口幸生)
※本連載は、「言葉最前線」と題されたウェビナーの内容を、主催者でありMC役でもある橋口幸生氏(CXCC局)の監修のもと、ウェブ電通報独自の視点で編集したものです。



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「言葉最前線」Vol.3ウェビナー 7月12日(月)開催決定!
辻愛沙子×橋口幸生 「社会を動かす広告の言葉

橋口幸生
ゲストは報道番組「news zero」のコメンテーターも務める、arcaのクリエイティブディレクター、辻愛沙子(つじ・あさこ)さん。社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り」の二つを軸として、広告制作、商品企画、イベントプロデュース、女性をエンパワメントするプロジェクト「Ladyknows」主宰など、さまざま領域で活躍中。ウェビナーでは、多彩な活動を通じて辻さんが掲げる「社会派クリエイティブ」について、言葉から迫ります。

・日時:7月12日(月)20時~21時30分
・参加費:1,500円(税別)

お申し込みはこちらから
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