JRA ゲーム会社から駐車場で有名な会社まで……、バラエティ豊かな馬主の本業! セレクトセール大量投資のあの人や、有名企業経営のあの人をピックアップ!

 年を追うごとに落札金額が高騰する傾向にあるセレクトセール。特に今年は、サイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏が本格参戦し、熾烈なマネーゲームが繰り広げられた。

 そこで、気になってくるのが、馬主の方々は何を本業にして稼いでいるかということだろう。

 ちなみに以下は、JRAが定めている個人馬主の要件である(JRA公式HPより)。

 1.日本中央競馬会競馬施行規程第7条第1号~第13号に定める事項のいずれにも該当しないこと。

 2.今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも1700万円以上あること。

 3.継続的に保有する資産の額が7500万円以上あること。

 いやはや、目安とされる最低条件でも庶民には想像もつかないような金額が記載されている。ときには「金持ちの道楽」とも揶揄される馬主の方々は、一体何者なのだろうか。

 ふとそんなことを思い浮かべた今回は、分かる範囲ではあるが、普段はどのような仕事をされているのか、近年のセレクトセールで、高額落札を続けている方を中心に馬主の本業について調べてみた。

 1人目は、現役時代だけではなく、種牡馬としても大活躍したディープインパクト、キングカメハメハなどの馬主で知られる金子真人氏だ。

 金子氏は、横浜市にある電気機器メーカー「株式会社図研」の創業者で、現在は代表取締役会長を務めている。同社は、日本や米国など4カ国に開発拠点を設け、最先端のソフトウェア技術を駆使し様々なモノづくりを支援している。

 図研は、技術もさることながら経営状況も非常に良好。21年3月期の売上高は288億円で、純利益は21.4億円に上る。本業が好調であることもあってか、2日間で10億5700万円をセールで投資した。

 2人目は、「ホウオウ」の冠名で有名な小笹芳央氏だ。

 小笹氏は、東京都中央区にある経営コンサルティング会社「株式会社リンクアンドモチベーション」の代表取締役会長。同社は、組織人事コンサルティング事業・クラウド事業・インキュベーション事業を中心に事業を展開している。また、現在14社を束ねる親会社となっており、グループ全体での売上は約352億円に上る(20年12月期)。

 余談だが、今年の帝王賞(G1)を優勝したテーオーケインズの馬主である小笹公也氏は実弟だ。

 3人目は、今年の安田記念(G1)を制したダノンキングリー、高松宮記念(G1)を制したダノンスマッシュなど、「ダノン軍団」でお馴染みの野田順弘氏だ。

 ダノンプレミアムなどの正式な馬主は株式会社ダノックスだ。ダノックスは、株式会社オービック代表取締役会長も務める順弘氏の資産管理会社。野田氏の所有馬は現在、全てダノックス名義となっている。

 オービックは、システムインテグレーション事業やシステムサポート事業を行っている企業だ。主力商品である統合業務ソフトウェア「オービックセブン」は、18年連続国内シェアNo.1となっている。

 同社は売上839億円、純利益380億円(21年3月期)と経営状態が良好でもあり、野田氏は長者番付で日本11位だ。また、妻は、マイルG1を2勝したミッキーアイルや2018年の宝塚記念馬ミッキーロケットなど、「ミッキー」の冠名で知られる野田みづき氏だ。


 ここまでは、セレクトセールを中心に取り上げてきた。ここからは、CMや町で見かけるよく見かける有名企業の馬主について紹介する。

 1人目は、「カズ」「カズマ」の冠名で近年所有馬を増やしている合同会社雅苑興業だ。

 雅苑興業という名前に聞き覚えない方がほとんどだろう。同社は、「あったらいいな」でお馴染みの小林製薬の小林一雅代表取締役会長の法人名義。誰もが一度はお世話になったことがある製薬会社の会長も、実は競馬好きだったのは意外と思う方も多いかもしれない。

 2人目は、今年のフェブラリーS(G1)優勝馬カフェファラオの馬主である西川光一氏だ。

 西川氏の本業は、自動車を運転する方なら一度は利用したことがあるタイムズ駐車場を運営管理するパーク24株式会社の代表取締役社長。ちなみに、マンハッタンカフェ馬主の西川清氏は、光一氏の実父でパーク24株式会社の創業者である。

 3人目は、16年の有馬記念(G1)でキタサンブラックを破った菊花賞馬サトノダイヤモンドなど、「サトノ」の冠名で知られる里見治氏だ。

 里見氏は、パチスロ・パチンコメーカー「サミー株式会社」と持株会社「セガサミーホールディングス株式会社」の代表取締役会長。

 サミーは、主にパチスロ・パチンコ機種の製造、ゲームを行っている。03年にゲームメーカー「セガ株式会社」を買収し、翌年に経営統合。それが契機となり、持株会社セガサミーホールディングスが誕生した。グループ全体の売上は約2777億円であり、純利益は約13億円(21年3月期)だ。

 里見氏は、4月に同ホールディングス代表取締役会長グループCEOを退任し現職となる。後任に選ばれたのは、長男で19年マーチS(G3)優勝馬サトノティターンの馬主でもある里見治紀氏である。

 今回、一部の馬主の紹介に留まったが、莫大な資金が必要とされる馬主は、企業の社長であることが多い。

 競馬予想をする際は、つい馬や騎手に目がいきがちだが、併記されている馬主にも目を配ると、意外な人が馬主をしていることもあるだろう。

 もしかしたら、貴方の勤務先の社長や、日常で何気なく使っている製品の会社も馬主をしている社長かもしれない?

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

「トヨタはHVを永続させる」…世界の潮流と逆行、EVシフトを“遅らせざるを得ない”事情

 トヨタ自動車は6月16日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。総会には株主383人が出席した。2021年3月期決算はコロナ禍でも純利益が増え、株価は6月15日に上場以来初めて1万円の大台に乗った。

 豊田章男社長は2009年の社長就任以降、連結従業員数が5万人増えたことや、時価総額が20兆円増えたことを紹介。リコール問題や東日本大震災に直面したが、「危機があったから私もトヨタも生き延びた」と振り返った。

 トヨタは走行時の自動車の二酸化炭素排出削減に向け、2030年にハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の新車の世界販売を800万台にする目標を掲げている。現行の販売台数の8割程度が、いわゆる電動車に置き変わることになる。

 電動車のフルラインをそろえるトヨタの全方位戦略に対し、株主総会に出席した株主からは賛否両論が出た。「もう少しEVに経営資源をかけたほうがいいのではないか」との指摘に、開発担当の前田昌彦・執行役員最高技術責任者(CTO)はEVに不満を持つ顧客の声を例に上げつつ、「多額の投資がかかるが、デジタル化などで開発を効率化する」と説明したうえで、「選択肢を広げる活動を見守ってほしい。いろいろな選択肢をユーザーに提示するのが一番良い」と述べた。

 5月21日~23日、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれた24時間耐久レースにトヨタは開発中の「水素エンジン車」で参戦した。レースを通じて技術の開発を加速させる狙いだ。レースは市販車を改造した車両を使い24時間でサーキットを何周できるかを競う。トヨタによると、水素だけを燃料とした水素エンジン車がレースに出場するのは世界初。

 24時間でサーキットを358周、トータル1634キロを完走した。レーサー名「モリゾウ」こと豊田社長もドライバーとして出走。「水素社会、そしてカーボンニュートラルの実現に向けた世界初の試みを、ぜひとも応援していただきたい」と語った。

 自動車業界には辛口の見方もある。

「トヨタが水素エンジン車を強調し始めたのは、FCVが失速したからにほかならない。FCVはトヨタのミライ、ホンダのクラリティ、韓国の現代自動車のネッソしかなく、年間1万台も売れていてない。ホンダはFCVの『クラリティ フューエルセル』の生産を8月に中止する。

 欧米メーカーもバスやトラック以外は撤退し、EVにシフト済み。高級車大手の独アウディは2026年以降に新たに市場に投入する新型車はすべてEVにすると6月に発表した。ガソリンやディーゼルのエンジンは25年までに開発を中止し、中国を除く全世界で33年までに搭載する車の販売を終了する」(自動車担当アナリスト)

 アウディの親会社の独フォルクスワーゲンはグループ全体で30年までに世界の新車販売に占めるEVの比率を5割に高めるが、そのなかでもアウディが先頭を切ることになる。水素エンジンは同じ水素を使っているが、FCVとは似て非なるものだ。ガソリンの代わりに水素を使うだけ。「以前、タクシーがLPガスを使っていたが、その代わりに水素と考えればいい。エンジンは現行のガソリン車を改造するだけで使え、旧来の技術でやれる」(ライバルメーカーの技術担当役員)。

トヨタは水素エンジン車を前面に押し出してきたが、水素エンジン車を本気でFCVの代わりにしようというわけではない。少しでも世界のEVシフトを遅らせるためだろう。トヨタはメインとするHVを永続させる道筋を探している。少なくとも章男社長の任期中はHVでしのぎたいのだ」(在米の自動車評論家)

「トヨタはEV戦線では出遅れている」というのが一般的な評価だ。EVの開発と同時にリチウムイオン電池ではない動力源として、全固体電池を模索中だ。19年6月に行われたメディア向け説明会で、「2020年のオリンピックのタイミングで、なんらかの形で発表できれば」としていたが、6月末現在、全固体電池についての具体的な発表はない。

 トヨタはこうしたさまざまな悩みを抱えているが、それとは裏腹に株価は続伸した。6月15日、1万円の大台に乗せ、株主総会があった6月16日にも買い注文が続いて、一時、前日比225円(2.3%)高の1万330円の上場来高値を更新した。豊田社長は「大きな危機に一つひとつ対処してきた結果だ」と前を向いた。株価は1万330円を記録した後、1万円を割り込んだ。

 21年3月決算と同時に9月末割当で1対5の株式分割と4100万株(発行済み株式の1.46%)、金額にして2500億円の自社株買いを発表したことが、株価に大きなインパクトとなった。トヨタの株式分割は1991年の1対1.1分割以来のこと。株価が5分の1になれば、個人投資家がトヨタ株を買いやすくなる。

 トヨタが株価を強く意識するのには理由がある。トヨタの研究開発費は22年3月期で過去最高の1兆1600億円を予定している。そこで、「今回は英語で決算発表やることにした」(外資系証券会社のアナリスト)。「決算会見にジェームス・カフナー取締役を同席させ、英語でトヨタのカーボンニュートラル戦略を語らせた。質疑応答も口火を切ったのはブルームバーグの記者で、英語でやりとりさせた」(同)

「株価上昇はトヨタ側の完璧な仕掛けの成果」(大手証券会社)との見方が株式市場で広がっている。自社株買い、株式5分割といった株価刺激策を公表したのは「いわばダメ押し」。だが、この作戦の効果は、もう少し長い目で見ないとわからない。株価1万円台を維持するには、全方位戦略のもう一歩の先の明確なビジョンが必要になる。

(文=編集部)

教えるのではなく、「屍を越えさせる」。社会を前に進める先輩・後輩の関係性

「辞めるか、染まるか、変えるか。」と題し、大企業の変革にまつわるテーマの対談を通じて、新しい「大企業の可能性」を探る本連載。第3回以降は、ONE JAPANに加盟する有志団体の所属企業の中から、大企業の変革に挑戦した事例をピックアップし、その当事者へインタビューする形式で、「大企業の可能性」について考えていきます。

大企業の若手・中堅社員を中心とした企業内有志団体が集う実践コミュニティ「ONE JAPAN

 

前回に続き、トヨタ自動車の社内有志ビジネスコンテスト「A-1 CONTEST」を主宰する、鈴木貴博氏と土井雄介氏(ONE JAPAN TOKAI代表)の2人に、電通若者研究部としてONE JAPANに加盟する吉田将英が話を聞きました。

「合わない上司」は、なぜ会社から評価されているのか

「合わない上司」は、なぜ会社から評価されているのか

吉田:お二人が立ち上げたトヨタ社内のビジネスコンテスト「A-1 CONTEST」や、それをきっかけに業務として立ち上がった全社公募の「B-PROJECT」は、個人のキャリアにどのように影響を与えましたか?

土井:2つの活動を通して、社内で新規事業立ち上げのキャリアを歩むようになりました。アルファドライブという資本関係のない6人のベンチャーへ出向させてもらっているのも、A-1 CONTESTやB-PROJECTで繋がった人事や役員など、様々な社内の関係者の方々に了解を得ることができ、直属の上司に相談する前の外堀りを埋めることができたことが背景にあります。

鈴木:土井は、「風呂敷を広げて」コミュニケーションを取れるのが社内で見るとユニークだなと思います。ONE JAPANや学生団体の経験もあるせいか、普通の人とはコミュニティの境界の感覚が違って、壁や柵ではなくて線が引いてあるくらいの感覚でガンガンその境界をまたいでくるというか、簡単に入ってくる。だから誤解されることもあるのかもしれませんが、本人はきっと気にしてないですね(笑)。

吉田:私も知らない人に簡単に話しかけるのは苦手ですね。だからこそ若者研究という強みを磨いて、先ほど鈴木さんも話していた「ナンパされ力」を高めました。組織のピラミッドで上や横にいる人たちをライバルや敵と見るのではなく、どれだけおもしろがってもらえるかが大切ですよね。

土井:そうした連携によって、社内の先駆者の事例はどんどん取り入れられるといいですよね。下から上に渡せる知見もあるとは思いますが、逆に私は上の世代と仲良くなることで「屍を超えるためのヒント」をもらっています。諸先輩の皆様も私に「こうするとこういう落とし穴があるよ」と自分が屍になった経験を教えてくれます(笑)

吉田:なるほど。「あの先輩のようにはならない」と思った瞬間、その人のいいところや学ぶべきところも否定してしまうことになってしまいますよね。

鈴木:ここはさじ加減が難しいですが、上司から見てバランスがいい、カドが取れた“丸っこいやつ”にはならないことを意識しています。特に若いうちは「見返す」モチベーションになる面もあるので、自分の思いを主張していけばいいのではと思います。

もし仮に合わない上司がいたとして、その人を分析する中で「それでも会社が評価しているのはなぜ?」という見方ができるとより良いですよね。それが学ぶべきところかもしれません。

「後輩にかわいがられる」ことがスキルになる?

「後輩にかわいがられる」ことがスキルになる?

吉田:鈴木さんは上を懐柔するだけでなく、今は中堅になって下が増えてきた世代でもあります。後輩との良いかかわり方や、自分の「屍の越えさせ方」などはあるのでしょうか?

鈴木:私は普段、自分の経験を濃縮還元して伝えて、より早く自分を超えてほしいと思って接しています。個人的には、経験とは正しさが磨かれることではなく、選択肢が増えることだと考えています。最後は本人が判断して行動すればいいのですが、「上の世代の経験が下の世代の選択肢になる」ことは組織として良いことですよね。先輩側からすれば、自慢話やマウンティングだと思われないように話す訓練にもなります。

吉田:「下からの突き上げ」という言葉もありますが、後輩を脅威に感じたり、間違った伝わり方をする懸念があったり、陰口を怖がったりなど、先輩側からしても上下関係にはネガティブな側面があります。オープンな態度を取るために、まずはどうしたらいいのでしょう?

鈴木:意識しているのは、自分が教えることにこだわらないことです。
若い人からカルチャーショックを受けたとき、「理解ができない」と思って自分から溝を作るのは簡単です。当然、後輩から逆に教わることもありますし、彼らとは技術で戦えたとしても、スピードや勢いでは勝てないと思っています。

吉田:一般的には、年長者のほうがモノを知っているから、上が下に教えるという構造になりがちです。でも鈴木さんの言葉を聞くと、知っていることの種類が違うだけなのかもしれないと思わされます。

たしかに社会人の作法は先輩が知っていますが、時流にあった世の中の捉え方は若者のほうが知っていたりもします。だから本来は互いに協力し合って、新しい世界にたどり着けないといけないですよね。年下は毎年増えていくので、こういったメンタリティがないと自分の老いを加速させることにつながるリスクもあります。

鈴木:いくつになっても若手の頃のように圧倒的に努力し続けられる人も中にはいます。ですが、「若手の力も使わないと…」と思うなら下の世代との付き合い方を意識することが必要ですよね。先輩としての「かわいがられ力」というか、後輩にいじってもらうことも大切です。

土井:後輩の立場から言わせてもらうと、鈴木はマブダチだと思っています(笑)。鈴木が上の世代とどう付き合っているかを見ているので、“下からの絡み”を受け入れてくれるのを知っていることもあります。とはいえ、ただ仲良くしてもらっているだけじゃなく、だめなことは先輩としてきちんと教えてくれます。

たとえばトヨタにはA3用紙1枚で報告書をつくる「A3文化」という社内文化があります。研修が始まった当初は良さが理解できませんでしたが、鈴木がその意味や有用性を“翻訳”してくれたおかげで、今はすごく納得感を持っています(笑)。上司とは違って「ナナメ上」の関係だからかもしれなませんが、重箱の隅をつつく指導ではなく、同じ方向を向いた示唆を与えてくれるんです。

同じ轍を踏ませるのか、屍を越えさせるのか

同じ轍を踏ませるのか、屍を越えさせるのか

吉田:いろいろな先輩像を観察していると、自分が経験してきた苦しみを同じように経験させようとするタイプと、自分の代で断ち切ろうとするタイプがいます。鈴木さんは後者のタイプだなと感じます。

トヨタをはじめ、企業は社会的な意義を持っています。社員は会社を良くすることを通して社会をより良くできるという意味では、後輩社員に早くラーニングしてもらうのは会社だけでなく社会全体としての合理性もあります。

鈴木:その通りです。グローバルな視点で捉えると、日本はいま社内で争っている場合じゃないと思っています。

吉田:後輩に良い意味でショートカットさせるのが当たり前なのは、鈴木さんにもそういう認識があるからだろうなと思いました。

土井:ちなみに先ほどから、こういう文脈になると「屍を越える」という言葉が出てきますが、組織における先輩は実際には屍ではなくて、自分よりも先を走る存在です。そういう人がいるからこそ学ばなきゃいけないとも思わされます。もっと俯瞰すれば、先輩もそのさらに先輩の肩の上に乗っているので、組織として進む方向が揃っていれば脈々と知見が積み重なっていくはずです。逆にベクトルがばらばらだと、好き嫌いの世界になってしまいますし、伝統や大組織の良さがなくなってしまいますよね。

鈴木:好き嫌いはたしかに非合理的な面もありますが、人情的に振る舞うなど、プラスに働くのであればむしろあった方がいい良いと思います。組織内の人間関係は、土台がウエットで、その上で合理性を持つことが大切だと思います。ドライな土台にある合理性はうまくいきづらいと思います。A-1 Contestでも、運営メンバーには「業務時間外で応募してくれていることを忘れないように」と伝えていたりします。

吉田:なるほど。仕事はドライにやったほうができるように見えるし、早く進むように思える。ウエットな人は「お人好し」「優しいね」などと揶揄されやすくもあります。でも、ウエットであることにも意図や狙いがあるというわけですね。たしかにこれを意識できている人は少ないかもしれません。

先輩としての「かわいがられ力」など、鈴木さんと土井さんのような関係性は頭で分かっても、プライドや組織の文化が障壁になって真似するのが難しい場合もあります。でも一方で、一握りのスーパーマンにしかできない芸当でもない気がするので、組織で活躍するための“スキル”として取り入れられると良いですね。

単に上下の世代と仲良くするだけではなく、大企業にいるからこそ戦い方に工夫のしようがある、という話だと思います。こうしたあたらしい先輩・後輩のあり方が会社をより良くし、ひいては社会を良くしたり、日本の競争力を高めることにもつながるはずです。

目先では「安心」が高まるも、未来は「不安」?

電通総研電通未来予測支援ラボは2020年11月、東京経済大学・柴内康文教授の監修のもと、日本全国1万2000人を対象に「クオリティ・オブ・ソサエティ調査2020」を実施。

本連載では3回にわたり、人びとの意識や価値観を紹介してきました。第2回の「個人視点」、第3回の「家族・コミュニティー視点」に続き、今回は、人びとは今の社会をどう捉えているのか、そして、人びとはどんな社会制度やシステムを望んでいるのか、という視点から、「社会」をテーマに調査結果を紹介します。

<目次>
現状の社会保障は再評価されるも、長い目で見ると不安
情報源やメディアに求めるのは「正しさと信頼性」
意思決定は自分たちで、ロボットやAIにはサポートを期待
今の暮らしには満足だが、見通しは明るくない?
「信頼性・耐久性」の視点から見た日本社会の今とこれから



 

現状の社会保障は再評価されるも、長い目で見ると不安

日本の社会保障制度は、人びとにどう受け止められているのでしょうか。以下のグラフをご覧ください。

日本の社会保障に対する安心感

安心と答えた人の割合

日本の社会保障に対して「安心」(「安心感がある」「どちらかといえば安心」の合計)と答えた割合は、「国民皆保険」「医療(予防、診療、治療サービス)」がともに37.2%、続いて「高等教育の無償化」29.4%、「子育て支援」18.3%という結果となりました。

一方で、「不安」(「不安感がある」「どちらかといえば不安」の合計)との回答が多かった項目は「老後の所得保障(年金)」72.3%、「社会保障の財源」67.7%、「高齢者の介護支援」58.2%でした。「超高齢社会」を生きる人びとの不安意識が明確に表れた結果ではないでしょうか。

「安心」と答えた割合を2019年と比較すると、調査した9項目すべてにおいて「安心」が増加。特に国民皆保険約12ポイント増、医療約5ポイント増と、それぞれ大幅に「安心」と答えた人が増え、日本の保険、医療分野の社会システムが改めて評価された結果となりました。

新型コロナウイルス感染症の流行は、はからずも、日本の社会保障制度について人びとが再評価するきっかけとなったのかもしれません。

日本の社会保障について、現状に対しては安心感を覚えつつも、未来に対しては不安感を感じる人々の心の内がうかがえます。

情報源やメディアに求めるのは「正しさと信頼性」

続いて、メディアに期待されている役割について見ていきます。【図表3】は、「情報源やメディアに対する考え方」について聞いた結果です。

情報源やメディアに対して求めること

求めていることは、「常に正しい情報を提供してほしい」84.6%、「信用できる情報を提供してくれることを期待している」78.9%、「お金を払うからには価値ある情報を提供してほしい」「世の中の問題や課題を伝えてくれることを期待している」がともに72.0%、という結果となりました(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。

情報過多といわれる現代において、社会全体の動きを見据えるために、人びとは情報源やメディアに対して正しさや信頼性を重視していることが分かりました。

意思決定は自分たちで、ロボットやAIにはサポートを期待

次は、【図表4】ロボットやAI(人工知能)などの技術に期待することです。

ロボットやAIなどの技術に期待すること

期待することとしては、「犯罪の発生を予測し、未然に防ぐ」46.4%、「自分の体質・体調に合わせて医療や健康情報を教えてくれる」40.1%、「言語の壁を超えた国際交流を可能にしてくれる」39.8%の順になりました。

逆に、期待が低かったものは「政策決定、裁判判決などの判断をAIが行う」5.7%、「企業などにおいて、昇進や昇給の判断をAIが行う」6.5%、「より相性の良い相手との出会いを提供してくれる」9.6%となりました。

犯罪の抑止や、医療・健康など、安全・安心な暮らしを支えるサポートの役割については期待が大きい一方で、「政策決定、裁判判決」や「昇進や昇給」「出会いを提供」といった、意思決定そのものをロボットやAIにゆだねることに対しては、抵抗感があるようです。

今の暮らしには満足だが、見通しは明るくない?

最後にご紹介するのは、【図表5】現在の「暮らし向き」への満足度と、【図表6】今後の暮らしの見通しです。2つのグラフをご覧ください。

現在の「暮らし向き」への満足度

今後の暮らしへの見通し

現在の自分の「暮らし向き」について、「満足」(「とても満足」「どちらかといえば満足」の合計)と答えた割合は50.8%、「不満」(「とても不満」「どちらかといえば不満」の合計)と答えたのは22.3%で、いずれも前年とほぼ変わらない結果となりました。

それに対して、「今後の見通し」を聞いた結果として、「悪くなっていく」(「悪くなっていく」「どちらかといえば悪くなっていく」の合計)と答えた割合が「家計に占める税と社会保険料の負担感」61.9%、「収入・家計状況」44.3%、「就労機会と雇用の安定」42.3%。全体的に、悪くなっていくという見通しをもつ人が「良くなっていく」と考える人よりもかなり多いことが分かりました。

社会保障制度に関する調査結果と同様に、ここでも、将来的な見通しについて不安を感じている人びとの様子がうかがえます。

「信頼性・耐久性」の視点から見た日本社会の今とこれから

ここまで見てきた調査結果からは、社会保障制度の中でも、国民皆保険や医療に対しては「安心」が増加し、人びとが社会保障を再評価していることが分かります。

一方で、高齢化がさらに進む未来については、多くの人が「不安」を感じているようです。言い換えれば、信頼性や耐久性といった視点で大きな課題を抱えている、と言えるでしょう。対症療法的な施策だけでなく、10年後、20年後の社会を見据えた社会制度やシステムにも力を入れていくことが、より強く求められているのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症の流行は、社会全体の仕組みや制度を見直すきっかけになったとともに、人びとが自分たちの暮らしそのものを捉えなおす機会にもなりました。情報源やメディアに対して「正しさ」や「信頼」を求める声は、将来に対しての不安があるからこそ社会と自分の現在地を把握し、良しあしをきちんと自分たちで判断していかなければならない、という意識が高まった結果と受け取ることもできます。

次回は、電通総研と電通未来予測支援ラボのそれぞれの視点から、「よりよい社会」「よりよい未来」を考えてみます。

※グラフ内の各割合は、全体に占める回答者の実数に基づいて算出し、四捨五入で表記しています。また、各割合を合算した回答者割合も、全体に占める合算部分の回答者の実数に基づいて算出し、四捨五入で表記しているため、各割合の単純合算数値と必ずしも一致しない場合があります。

調査概要
タイトル:「クオリティ・オブ・ソサエティ調査」
調査時期:第1回 2019年12月11日~18日、第2回 2020年11月11日~17日
調査手法:インターネット調査
対象地域:全国
対象者:18歳~74歳の男女 12,000名
調査会社:株式会社電通マクロミルインサイト

 
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なぜ賽格広場は揺れた?中国、全土に乱立する高層ビルの倒壊リスクに警戒高まる、建設を規制

 中国政府は7月上旬、500メートル以上の超高層ビルの建設を禁止するとともに、250メートルを超えるビルの新規建設を厳しく制限し、建設が必要なものは防火や耐震などのいくつかの実証実験結果を住宅建設省に提出しなければならないという通達を、地方政府に発出した。500メートルを超える超高層ビルは現在、全世界には10棟しかないが、そのうちの半数の5棟は中国に集中している。また、全世界の200メートル以上の高層建築物は1478棟で、そのうち中国は678棟と世界全体の45.9%を占めている。

 今年5月には、中国南部の深圳市中心部にある高さ356ⅿ、地上72階・地下4階建ての高層ビル「賽格広場SEGプラザ)」が2日間にわたって揺れ続け、パニックになったビル内のオフィスにいた約1万5000人が避難。2カ月以上経ったいまも安全性が確認されないまま、立ち入り禁止状態だ。このため、中国政府が国内での大事故につながらないうちに、対策を強化したものとみられる。

中国国家発展改革委員会が異例の通達

 この通達の主管部門は、中国の経済政策全般の司令塔的役割を果たす中国国家発展改革委員会で、通達は「インフラ建設プロジェクトの品質を厳格に監査・管理し、超高層ビルを厳重に管理しなければならない」と地方政府に指示している。

 具体的には「100メートル以上の建物は、都市の規模に適した耐震性および耐震補強システムを厳格に実施し、火災防止能力を高めなければならない」としたうえで、関係部門は250メートル以上の新築ビルの建設を厳しく制限。すでに提出されている建築計画を見直すとともに、建設が必要と認められた場合は厳格に耐震、防火・防災の基準を満たさなければならないとしている。また、500メートル以上の超高層ビルはいかなる例外もなく、建設は認めてはならないと強調している。

 高層ビルの計画、設計、建設、運営に関する国際NPO「高層ビル・都市居住協議会」が管理する「スカイスクレイパー・センター(Skyscraper Center)」が公開している資料によると、現在、世界で最も高いビルはドバイの「ブルジュ・ハリファ」で828メートルだが、世界2位は中国の「上海商城タワー」で632メートル。上海浦東新区の陸家嘴(りくかし)金融街に位置し、金茂大厦や上海環球金融センターと隣接している。

 2020年2月現在、高さランキングトップ15のうちの8棟は中国にあり、トップ20でも400メートル以上のビルの半分は中国が占めている。これについて、中国北京にある清華大学建築学院の宋ファーハオ教授は「中国国家発展改革委員会は、中国内で無計画に超高層ビルばかり建っても、その管理がずさんならば、経済的にも、安全的に建設効果はないと判断したのではないか」と指摘する。

米国総領事館は米国市民に警告

 実際問題として、中国では2000年代から高層ビル建設ラッシュが起きており、供給の増加などの原因で、オフィスビルの空室率が高いという現実がある。米国不動産サービス大手のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield)の報告書によると、2019年における中国・大都市のオフィスビルの空室率は約10%に上昇し、過去10年間で最高に達している。とくに、地方都市のオフィスビルの空室率はさらに高く、平均で28%前後にも及んでいる。「このままだと、ゴーストタウン(鬼城)ならぬ、ゴーストビル(鬼大廈)だらけになるとの危機感が政府部内で漂っている」(宋教授)というのだ。

 今回大揺れ騒動が起きたSEGプラザは深圳市内では5番目の高さで、世界でも72番目だが、築21年でTMD(チューンド・マス・ダンパー)と呼ばれる制振装置を設置していない。揺れの原因について、広東省政府緊急事態管理局は「風やビルの地下を走っている2路線の地下鉄、気温の上昇による鋼材の伸びが揺れの原因だ。今後も同じような条件がそろえば、揺れが生じる可能性がある」と分析している。

 香港の英字紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」によると、その後の検査では建物の構造や周辺環境に異常はなかったとのことだが、駐広州市米国総領事館は米国市民に対して、原因がわかるまでSEGプラザから離れるよう警告している。

 ロイター通信などの海外メディアも「人口1200万人を超える都市の中心部にある、これほどの規模の超高層ビルが危険建築物と判明した場合、当局が今後どのような対応を取るかは不明だ」と報じているほどだ。その後の深圳市の検査でも、揺れの原因はわかっておらず、今もビルは封鎖され、立ち入り禁止のままだ。まさに、鬼大廈(ゴーストビル)状態が現実のものとなった形だ。このため、中国国家発展改革委員会が「SEGプラザ騒動」から2カ月も経たないうちに、500メートル以上は全面的に禁止という通達を発出したのは間違いないところだろう。

 ある日突然、中国が地震に見舞われ、高層ビルが軒並み倒壊するという映画やテレビドラマのような光景が目の前に現れるということは、起きてほしくないものだ。

(取材・文=相馬勝/ジャーナリスト)

●相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

スタバ、今夏の人気商品5選!新作フラペチーノのおすすめカスタム、至高のレモンパイ

 大手コーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」は1996年に日本1号店の「銀座松屋通り店」を開店して以来、2021年6月時点で国内1642店にまで拡大している。新型コロナウイルスの影響で2020年度の売り上げは落ち込み気味であったが、徐々に回復の兆しが見えているようだ。

 4月27日に米スターバックスから発表された21年1~3月期決算では純利益が6億5900万ドル(約716億円)となっており、これは前年同期の約2倍である。ここまで持ち直したのも、店舗事業の費用抑制やモバイル注文によりテイクアウト需要が高まったことから、店舗の効率化が進んだことが要因と考えられる。

 日本では、スターバックスのデリバリーサービス「STARBUCKS DELIVERS(スターバックス デリバーズ)」が6月末には750店舗以上にサービスを拡大。9月末には全国展開を予定しているそうだ。

 こうして再び波に乗りつつあるスタバは、今年の夏も新作商品を続々と登場させている。そこで今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が「この夏、買うべきスタバ商品5選」をピックアップ。暑い夏にピッタリのスタバ商品をご紹介していく(価格は税込み)。

スターバックス ストロベリー フラペチーノ/[トールサイズ]649円

 03年、イギリスのスタバのバリスタによって「ストロベリー クリーム フラペチーノ」が開発され、それ以来、現在まで多くの人に親しまれ続けているスタバ名物のストロベリードリンク。

 今年は「スターバックス ストロベリー フラペチーノ」として登場。マーブル状にストロベリーのソースとミルクが混ざりあった見た目から、オシャレさを感じる。今回はミルクの味がはっきり強調されているからか、どこかイチゴミルクを想起させるやわらかい味わいだ。

 ドリンクの中にはストロベリーの果肉がゴロゴロ入っているため、夏らしいジューシーさも堪能できる。そのままでも十分おいしさを噛み締められるのだが、チョコレートソース(無料)を追加してカスタマイズすることで、より味全体に深みが加わり、また違った味わいを楽しめる。ぜひ、お試しいただきたい。

コールドブリュー コーヒー フラペチーノ/[トールサイズ]539円

 こちらも暑い夏にピッタリのフラペチーノ商品「コールドブリュー コーヒー フラペチーノ」。4月から発売された新商品だが、今後はレギュラーメニューとして販売されるようだ。

 熱を加えずに長時間、水で抽出・濾過したコールドブリューコーヒーは苦味が抑えられ、さっぱりとした味が特徴だ。そんなさわやかなコーヒーの苦味がありつつも、スタバ特有のフラペチーノとミルクの優しい甘さが融合することで、くどさがなく、後味がさっぱりとしていて非常に飲みやすい。

 しかし、やはり甘いだけでは飲んでいる途中で飽きてしまうという方におすすめのカスタマイズがある。それは、やや強めの甘みとさわやかな柑橘系の酸味を持つオレンジ味の「バレンシアシロップ」(+55円)を追加すること。さらに夏らしさがアップすること間違いなしのカスタマイズなので、おすすめである。

アイスティー(パッション)/[トールサイズ]374円

 ドリンクの鮮やかな赤色が特徴の「アイスティー(パッション)」。スタバのアイスティー商品のなかでも、夏に最適な商品といっても過言ではないだろう。

 ハイビスカス、オレンジピール、シナモンなどが配合されたノンカフェインのハーブティー。さわやかさ抜群のドリンクで、暑い夏に体を冷やしたい、頭をスッキリさせたいという場面で活躍すること間違いなしのドリンクである。

 この商品は酸っぱさが特徴でもあるので、先ほどご紹介した「バレンシアシロップ」や「ガムシロップ」を加えることで、酸味が抑えられる。酸っぱめのドリンクが苦手の方は試してみてもいいだろう。

レモンパイ/495円

 SNSで“これは絶品スタバスイーツ!”と話題になっている「レモンパイ」。不評の声がほとんど見つからないほど注目を集めているこの商品は、口コミ通り、スタバスイーツのなかでも至高の味だと感じた。

 レモンや砂糖、バター、卵を加えてつくるレモンカードとレモンフィリングが生み出す、程よい甘酸っぱさが特徴。口に含んだ瞬間、レモンのさわやかな香りが全体に広がり、青春を思い出すような味わいを楽しめる。

 加えて、上層のふわふわ食感のメレンゲやココナッツクリームのほのかな甘みが、下層のレモンの酸っぱさをマイルドに仕立て上げてくれる。アイスコーヒーの苦みと絶妙にマッチするはずだ。

クッキー&クリームシフォンケーキ/440円

 今年の3月に登場し、レギュラーメニューに追加された「クッキー&クリームシフォンケーキ」。スタバスイーツのなかでもシフォンケーキはもともと多くの支持を得ているが、クッキーとクリームといった王道の組み合わせゆえに、さらに注目が集まっている。

 最初に口に含んだ瞬間、わずかな塩味を感じた。その後に、クッキーやクリームのほのかな甘味が交わり、絶妙な味のハーモニーを醸し出す。クリームの甘みがかなり控えめであるため、塩っ気やクッキーのほろ苦さが引き立ち、“大人の味”を楽しむことができるデザートに仕上がっている。

 かなりボリュームがある商品なのだが、シフォンケーキもふわふわとした食感で食べやすく、気づいたら丸々1個をペロッと完食してしまった。やみつきになってしまう絶品スタバスイーツである。

――今夏もアタリの新商品が続々と登場したスタバ。マスクが必須のご時世で暑さも増す今だからこそ、スタバのドリンクやスイーツで体も心も潤してほしい。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

パチンコ「既存機屈指のヒリツキ感」「遊タイムに続く革命」など“らしさ発揮”!「独創的」メーカーの上半期を振り返る!!

 コアなファンを持つ豊丸産業。今年1月には「特定時間を耐え抜ければ一撃約6750発」という特徴を持つパチンコ『Pワイルドロデオ6750だぜぇ』を導入した。「既存機屈指のヒリツキ感」を有した本機に、魅了されたユーザーは多い。

 さらには人気シリーズ最新作『Pバーストエンジェル3』を発表。「この改変により可能になったものは『遊タイム』だけではない」との宣言に注目が集まった。

 大当り確率は1/199.8で、大当り後は100%「V RUSH」へ突入する安心スペック。小当りRUSHとリミット機能を駆使し、最大「約96%×3セット」という驚異的な連チャン性能を実現した。革新的システムとして、話題になった1台である。

 美少女たちによる水上の戦いを描いた、スポ根作品とのタイアップ機も注目を集めた。体のパーツを大きく取り上げた他を圧倒する巨大ギミックなど、絶大なインパクトを与える仕様が大きな特徴だ。

 ミドル、ライトミドルの2スペックでデビューしたが、前者はループ率80%オーバーで右打ち中の1500発比率が75%と破格の出玉感を誇る。時短引き戻しを含む連チャンモード突入率が70%オーバーと強力な内容となっている。

 さらには遊タイムや、電サポ終了後に当選チャンスがある突発時短100回転も搭載。安定感と爆発力も備えた仕様を称賛する声も多く浮上した。

 名物メーカーの勢いは止まらない。そんな話題作に続き「名機シリーズ」最新作を発表し熱視線を浴びていた。

『PA SUPER電役ナナシーSPECIAL』(豊丸産業)

■大当り確率:スタートチャッカー(1/66.6)・SPECIALスタート&GOチャッカー(1/58.9)
■連続大当り期待値:約25.1%
■賞球:2&3&4&6&15
■出玉:スタートチャッカー(780発)・SPECIALスタート&GOチャッカー(900発)※最大 約1170発(EXTRA BOOST獲得時)
○○○

 6月に導入された『PA SUPER電役ナナシーSPECIAL66』は、スタートチャッカー経由の大当り確率が1/66.6、SPECIALスタート&GOチャッカー経由が1/58.9という仕様。ラウンド消化中の大当りは「上乗せチャンス」と「まる得当り」が存在する。

 大当り中は「EXTRA BOOST」発動のチャンス。EXTRA BOOSTでは、GOOD電チューとBOOSTアタッカーが連動して開放される。大当り出玉とBOOSTアタッカー出玉を合わせて最大で約1170発の獲得が可能と、出玉感も有した仕上がりだ。

 演出ボリュームはシリーズ最多。「スペシャルコインギミック」「CHANCEロゴギミック」といった新ギミックも、ゲーム性を大いに盛り上げてくれるだろう。「次世代システム」を搭載したシリーズ最新作が、長期稼働を実現できるかに注目したい。

 2021年も衝撃的な新台発表を行っている豊丸産業。今後も甘デジながら大当りの50%が「2400発出玉」となる『P絶超電役ドラドラ天国2400』や、「羽根のない羽根物」というコンセプトを持つ『PAウイニングボール』を投入予定だ。下半期も“らしさ”を存分に発揮してくれそうである。

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まさかの「億超えゼロ」14頭合わせてもキズナ産駒1頭に完敗! 新種牡馬キタサンブラック産駒がセレクトセールで「不振」に終わった理由

 12日から2日間にわたって行われた「セレクトセール2021」。

 毎年、超高額で落札されていたディープインパクト産駒やハーツクライ産駒も残りわずかとなり、その動向が注目されていた今回のセールだったが、フタを開けてみれば億超え落札馬が連発。2日間の総売上は225億5600万円となり、2019年の205億1600万円を大きく上回るレコード。今年も大盛況のまま幕を閉じた。

 一方で、そんな“億超えラッシュ”の波にいまいち乗り切れなかったのが、新種牡馬キタサンブラックではないだろうか。

 産駒は1歳馬セッション、当歳馬セッション合わせて14頭が上場されたが、最高価格となったのは「トゥリフォーの2020(牝)」で5400万円。決して安いわけではないが、同じく新種牡馬であるシルバーステートやサトノアラジンの産駒が億超えで落札されていたことを考えると、7冠馬キタサンブラックの産駒としてはやや不振であったといえるかもしれない。

 ここで、今回落札されたキタサンブラック産駒を価格順に確認しておきたい。

5400万円 トゥリフォーの2020(牝)
4100万円 ピースアンドウォーの2020(牡)
3500万円 プリティカリーナの2020(牝)
3500万円 キャンディネバダの2020(牝)
3200万円 リプリートⅡの2021(牡)
3000万円 フォンタネリーチェの2020(牡)
2600万円 ミスティックリップスの2021(牝)
2600万円 エセンテペの2021(牝)
2300万円 シュガーショックの2020(牝)
2000万円 ブリッジクライムの2020(牡)
1900万円 サファリミスの2021(牝)
1400万円 ユナニマスの2021(牡)
1400万円 デルマオギンの2021(牝)
主取 シルヴァーコードの2021(牡)

 主取だったシルヴァーコードの2021を除くと、1頭の平均落札価格は約2800万円。セール全体の平均落札価格が約5100万円だったことからも、振るわない結果となった。

 また、14頭の合計落札額は3億6900万円。これは今回のセレクトセールで最高価格となったセルキスの2021の4億1000万円を下回った。14頭合わせてもキズナ産駒1頭に及ばなかったというのは、キタサンブラックにとってはなかなか寂しい結果だったといえるかもしれない。

「いまのところキタサンブラック産駒はJRAで4頭がデビューしていますが、3着が2回あるものの未勝利。今回のセールまでに初勝利を挙げることができなかったのも、不振に終わった原因の一つかもしれません。

もともとキタサンブラック自体が3歳になってからデビューしており、菊花賞(G1)を制していますが、本当に強くなったのは古馬になってからです。あまり仕上がりが早い血統とも思えないので、産駒も長い目で見ていきたいところですね」(競馬記者)

 先週の福島開催ではキタサンブラックの全弟であるエブリワンブラックが連勝を挙げ、4歳夏にして本格化の兆しを見せ始めている。また、キタサンブラックの兄であるショウナンバッハもJRAでの初勝利は4歳春で、以降8歳にいたるまで長きにわたって活躍した。

 このことからも、やはりキタサンブラックの血統には晩成の傾向があるのだろう。

 即戦力やクラシックでの活躍が期待されるセールにおいては、今後も苦戦が強いられるかもしれないが、まだまだ未知の部分も多い。1頭でも活躍馬が現れれば、その評価はまた大きく変わりもするだろう。

 現役時代にG1・7勝を挙げ、絶大な人気を誇ったキタサンブラックの産駒たち。今回上場された14頭も含め、長い目で見守っていきたいところだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

パチスロ『鉄拳4デビル』からの「ご褒美」!? 豪腕が炸裂…「完走」を目指して打つのみ!!【由美子のスピリチュアルジャーニー 第10回】

 皆様またまたご無沙汰しております。
 先月の6月13日に無事女児を出産しました。

 1ヶ月お休みさせていただきまして、これからはスローペースではありますが、また更新させていただきたく思っております。

 さて、出産とは女性にとっては命をかけた大仕事。13年前に産んだ時は、陣痛促進剤の影響もあってか痛みが強く「お腹切って」と叫びながらの出産。けれど、若かったということもあってか出血も少なく150ccくらいで回復も早く結果的に安産だったんです(今思うと)。

 今回は俗に言う高齢出産で、骨盤が開きすぎで歩けなくなったり、出血量も1リットルを超えて大病院じゃなければちょっと危険なレベルで…今、命があるのが奇跡のように感じます。

 そして、もう一度イチから子育て出来ることに感謝。前は働くことに必死で子供と居る時間が少なかったのですが、今回は良いか悪いかはわかりませんが仕事量も少なく…経済的には苦しくとも、子供とずっと一緒に過ごせる幸せを噛み締めております。

 出産も子育ても自分の状況によって、心境も変化するということを学びました。色々な人に助けていただいたり、心配をかけたり、傷つけてしまった方もいるかもしれませんが、本当に本当に今の状況を感謝し一日一日大事に過ごしていきたいです。

 ーーー業界の仕事復帰にはまず「実戦」ですし、気分転換も兼ねてずっと打ちたかった『パチスロ鉄拳4デビルVer.』こちらを打ちに行ってきました。

 私が普段打ちに行っているホールにはこの機種が1台しか設置されておらず、先客の方が居たので近くの別のホールへ移動。てか、1台しか導入されていないことにビックリしました!

 2店舗目に移動して(そこには3台が設置されていた)暫くすると、4000枚出ていた台が空き台に!?

 その台の状況云々ではなく、打ちに行ける日程は限られているので「今日、打たなければならない」のですぐさま台確保して実戦開始。

 すると、AT終了後のデビルゾーン(DZ)抜けでヤメられており、オープニングチャージ中。DZ終了後に突入したオープニングチャージは約13%でDZに再突入するらしい。そして私の台は…。ラッキーなことにDZに突入してくれました!!

 よっしゃー。
 DZに突入すれば、7回に1回がフリーズに繋がるらしいので、レバーを叩く手にもおのずと力が入ります。

 まぁ、内心…引ける自信があったので携帯カメラをスタンバイでレバーを叩いていたのですが(笑)。

 予想は的中。
 最低保証の100Gは終了しましたが、その直後にリールロック1段階からスイカハズレで「プシュン」。

 フリーズいただきました!

 フリーズを契機に突入する特化ゾーン「鉄拳アタック」での上乗せは400G。平均上乗せゲーム数が360Gとのことだから、まぁまぁだったのかしら。何はともあれ、あとは完走を目指して打っていくのみ。

 AT中は、デビルボーナス(疑似ボーナス)で、枚数を増やしつつレア役などでゲーム数の上乗せを繰り返しながら完走を目指す仕様。AT中の純増は約2.7枚/Gなので、そこそこのスピード感です。

 ATへの突入確率は設定1で1/1877とかなり辛い仕様で、一度突入すると完走へ期待は持てますが…正直しんどい台だとも思います。でも、結果的に完走してくれましたし個人的には大満足。また、是非とも打ちたい機種となりました。

 今回の通常時を打つこともなくフリーズで完走という好展開は、神様から子育てに頑張っている私へのご褒美かもしれません。

 いやぁ、癒されました。

 やっぱりパチンコ・パチスロは良い気分転換になりますね!!!
 最高の1日をありがとう。

(文=井上由美子)

今、明かされるMリーグ2020白鳥翔・松本吉弘・日向藍子、それぞれの「涙」の理由。多井隆晴「5連闘」轟沈で、まさかの号泣終幕から2ヵ月【渋谷ABEMAS全員集合インタビュー後編】

「ごめん……」

 堪え切れない感情の中で絞り出した一言と共に、チームの大黒柱・多井隆晴は顔を覆って突っ伏した。いつもの自信に満ち溢れた姿からは到底想像できない号泣と嗚咽……。「優勝大本命」といわれた渋谷ABEMASのファイナルシリーズは、メンバー4人全員が涙に暮れるまさかの結末に終わった。

 これは悲劇の終幕か、それとも栄光への序章か――。

 あれから約2ヵ月、「4人の主人公」たちの涙に秘められた、それぞれの思いを聞いた。

※インタビュー前編はコチラから。


――まずは明るい話題から。松本さん、少し遅れましたが「WEST ONE CUP」の優勝おめでとうございます!

松本吉弘選手(以下、松本):ありがとうございます!

――多井さんに「競馬に例えると、どれくらいの価値があるんですか?」と尋ねたら「ヴィクトリアマイル(G1)を勝ったくらい」と教えていただきました。G1制覇、おめでとうございます!

松本:ごめんなさい、ちょっとわかんないっす(笑)。でもMリーガ―になってから大きなタイトルを獲れたことは嬉しいですね。發王位を獲ったのはMリーガ―になる前だったので。

――おめでとうございます(笑)! さっそく本題に入らせていただきますが、先日『ABEMA』で公開された『Mリーグ2020 ~熱狂~ 渋谷ABEMAS』を拝見させていただきました。

メンバー全員がプラスの合計654.7ptという、歴代最高スコアでレギュラーシーズンを突破。セミファイナルも首位通過し、全チーム唯一の3年連続ファイナル進出を果たした渋谷ABEMAS。それだけに初優勝は、もう目前と思ったファンも少なくなかったと思います。

しかし、最後はエースの多井さんの5連闘で勝負に出ましたが、惜しくも優勝には届かず。3年連続の3位という結果に終わりました。

松本:ウチのチームって年齢も所属団体もバラバラなんですけど、唯一共通してることがあって、それが「多井さんが一番強い」と思ってるところなんです。多井さんが出ることがABEMASにとってベスト、勝つための最善策ということは藤田(晋)監督も含めて、チームの共通認識なんですね。

でも、それって僕の中では「同じチームの選手としてどうなんだって」っていう気持ちは常にあって……。

多井さんが5連闘して勝てなかったことには納得してるんですけど、そんなチームにとって大事な時に、自分に声が掛からなかったことが「情けないな」「不甲斐ないな」と。そこが僕にとって一番悔しいところでした。

――松本さんの今シーズンは、終盤までMVP争いをするなど好調だっただけに……。

松本:それは幸運も味方したところもあったので。僕の中でも、チームの中でも渋谷ABEMASはまだまだ多井さんのワンマンチームだと思ってますし、最後の5連闘にもまったく悔いはないんです。けど、選手として「このままじゃダメだな」と。いつか多井さんに追いつきたいですし「多井さんを超えないとな」という気持ちはあります。

――多井さんは『熱狂』の中で「僕はラスボスとして、勇者の出現を待っている」という話をされていました。麻雀界を盛り上げるために次代のスターが必要ということは、多井さんが以前から何度もお話しされていることです。

多井隆晴選手(以下、多井):待ってますよ。僕は「No.1・Mリーガー」とか言われてますけど(レギュラーシーズンの個人通算スコア・+922.1ptは全選手1位)、例えば将棋の藤井聡太くんが羽生善治さんを、競馬の武豊騎手が岡部幸雄騎手を超えてブレイクしたように、僕もそういう若い人が出てきたらドンドン戦いたいですし、ドンドン自分を倒してほしいですね。

僕も手を抜くつもりはありませんけど、できれば誰が見ても「多井より強い」ってわかるくらいボコボコに負かして、追い越してほしいです(笑)。それが麻雀界のためなので。

――麻雀界にも、藤井聡太さんや武豊騎手のような「若き天才現る!」という状況が訪れることを願っている。

多井:大スターって、1人の力だけでは生まれませんから。メディアとか、業界全体が1つになってその人を盛り上げていかないと、全国のみんなが知ってる国民的なスターなんてそう簡単には生まれませんよ。麻雀は個人競技ということもあって「オレが勝てばそれでいい」って思ってる人が多いですけど、もうそういう時代ではないですね。

――先日「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔投手が引退を表明しましたが、プロ野球の世界でも相手チームの選手に引導を渡されたというよりは、味方チームの若い選手の押し上げが引退のきっかけになるケースも多い。そういった意味では、同じ渋谷ABEMASから、多井さんを倒す選手が出てくる可能性もあるんじゃないでしょうか。

多井:そうなるとABEMASはますます強くなっているわけだし、それが理想ですね! 藤田監督もそう思って、僕の後に若い白鳥と松本を獲って、日向を指名したわけですから。僕も彼らには「自分の持っているものを全部伝えよう」って思ってますし、僕を超えるには僕から吸収するのが一番近道だと思います。

――白鳥さんも、やはり松本さんと同じように自身の不甲斐なさが悔しさに繋がったのでしょうか。

白鳥翔選手(以下、白鳥):ほとんどはマツ(松本)と同じ思いですけど、僕の場合少し違って。マツはあの最後の5連闘で、自分が指名されなかったことに悔しさがあるって言ってたんですけど、僕はそこにあまり悔しさを感じなかったんですね。

何が悔しかったかって「自分がマツのように『そこに出たい』という気持ちになれてなかった」こと。「最後はタカハル(多井)に任せておけばいいや」って、ずっと思っちゃってて……。3年も一緒にやってきて、その意識が全然変わってなかったことに気付いたんですね。

――そこに悔しさがあった。

白鳥:最後、タカハルが戻ってきて「ごめん……」って泣いたんです。麻雀はゲーム的にどんなに強い人でも必ず勝てるわけではないので、僕はタカハルがもし負けても「しょうがない」という気持ちだったのに、タカハルは「ここで勝たないと死ぬ」くらいの覚悟を持って闘ってたんだなと……そんな、自分との意識の差が凄く悔しかったですね。

今までここまで強く思ったことはなかったのに「絶対にこの4人で優勝したい」って思うようになりました。

――お二人とも多井さんが泣かれてるのを見て、溢れるものが抑えきれない様子でしたが、それぞれの涙の理由は少しずつ異なっていたわけですね。

一方で、ファイナルシリーズで逆転の2着に終わったご自身の試合を泣いて悔しがっていた日向さんが、この時は涙を堪えながら周りのメンバーを励ましている姿も印象的でした。

日向藍子選手(以下、日向):私の中ではホントに後悔とかがなくて。もっと翔ちゃん(白鳥)やモッティ(松本)と同じように「自分が勝たなきゃ」「前に出なきゃいけないな」という気持ちを高めていかないと、という気持ちはあるんですけど、やっぱり多井さんはドラフト1位で、5連闘でも「そうだよね」って思うところがあって……それくらい信頼してるところはありますね。

――いつかは日向さんも最後の勝負どころで……。

日向:でも、家族からは「いや、お前じゃねえだろ!」みたいな(笑)。「もし、私が行くってなったらどうしよう?」って相談したんですけど、「いや、多井さんじゃなかったら翔ちゃんかモッティが行くよ。お前は4番手だわ」って言われました……(笑)。

多井:イジられてんなあ(笑)。

日向:お母さんからも、多井さんが最後に行くことになって「よかった」ってLINEが来ましたから。「藍子があんなところで出てきたら(心配過ぎて)死ぬかもしれない」って……親族みんなに止められました。

――ご家族の方々には「まだ早い」って思われているようですね(笑)。

日向:私自身もそう思ってました(笑)。でも、この先もっと力を付けて、気持ちも変わったら、いつかはああいうところで戦える選手になりたいです。

多井:いつか、あのファイナルの最後の2日間を、この4人で順番に勝って優勝したいですね。

――それは、なかなかセオリーに逆らうというか、かっこいい優勝ですね!

多井:渋谷ABEMASって、そういうチームなんですよ。ホントは強い人が優先的に出た方が確実なんでしょうけど「みんなの力で勝とう」みたいな。これまで開幕戦も、どこのチームもだいたいドラ1級が出てくるのに、僕じゃなくて松本や白鳥に任せたこともありますから。それも(オーダーを決める)藤田監督が他のメンバーに経験を積ませたいからでしょうね。

日向:藤田さんって「チーム4人で勝つこと」を凄く大事にしてくれてるイメージがあります。できるだけ偏らずに4人平等に使ってくれるっていうか。「みんな、Mリーグで輝いてね」っていう気持ちを凄く感じるんです。

多井:そうですね、僕もそれが好きですね。だから、あの最後の5連闘はもちろん勝ちには行ったんですけど「ABEMASらしく」はないんですよ。次は、できれば最後は4人で1試合ずつ勝って優勝したい。

松本:せめて、あのラスト5試合を多井さんが2回、他の3試合を残りの3人で埋められるようにはなりたいですね。

白鳥:タカハルが出ないくらいが面白い。

日向:「最終戦、日向」とか震えるよねー。

――来シーズンに向けて、いい目標ができましたね。それでは2021シーズンに向けての抱負をお願いしていいですか。

多井:8チームの中で「一番強いのは渋谷ABEMASだ」って僕は思ってます。だから特別何かを変えることもしません。昨シーズンと同じように、一番長いレギュラーシーズン90試合で一番いい成績を残す麻雀をするし、あとは短期決戦で少し微調整すれば問題なく優勝できると思ってます。

はっきり言って僕以外の3人とも強くなってるし、3人だけでもファイナルまで行けると思いますね。だから「余裕」ですし、不安は一切ないです!

……なので申し訳ないですけど、僕は12月の終わりまで例年通り±0くらいで……。

――麻雀をサボって『ウマ娘』に力を入れるわけですね(笑)。

多井:そういうことです。『たかちゃんねる』と麻雀プロの布教活動に力を入れます。……いやホント、たまに白鳥に怒られるんですよ「真面目にやれ!」って(笑)。

白鳥:初年度に僕が凹んだ時に多井さんがMVPを獲ったじゃないですか。

――本気なら「あれくらいやれんだろ」と(笑)

多井:まあ、あれは無理矢理トップを獲りに行く麻雀に切り替えたからで、あの打ち方はあんまり好きじゃないんですよ。普通にやれば勝てるのに、なんでイチかバチかの勝負をしなきゃなんないんだって。

白鳥:だから、あの多井さんのMVPは「僕のおかげ」なんです(笑)。

多井:そうそう(笑)。でも、ホントは1月くらいまでは中団辺りにいて、2月からウオッカみたいにゴール前で差し切るのが理想なんです。

――2月からは多井さんの髪型にも注目ですね(笑)。白鳥さんの抱負は?

白鳥:昨シーズンは全員プラスで終えることができました。だけど出来過ぎというか、序盤は僕がマイナスしてましたし、誰かが調子悪いことは普通にあるんで。みんなで助け合って、目標は昨シーズンと同じくレギュラーシーズンで600以上積み上げられたら、確実にファイナルには行けると思ってます。

あとは繰り返しになりますけど「絶対にこの4人で優勝したい」ですね。

――ファイナルに残した忘れ物を獲りに行くってことですね。

松本:3年連続で忘れて帰ってるんで、いい加減に回収しないと(笑)。僕は「自分が勝てば、ABEMASは勝てる」と思ってるので、色んなものを吸収しながら成長して、結果を残して勝つだけですね。

日向:私も自分さえしっかりすればABEMASは勝てると思ってるので、しっかり頑張りたいです。あとサポーターの方とか、ファンクラブの会員さんに喜んでもらえるようなABEMASの新グッズ作りも頑張りたい!

多井:日向は自分でアイデア出してグッズ作ってくれてるんですよ!

白鳥:チームグッズを選手が考えてるのって凄くない?

一同:

――悲願の優勝だけでなく、新作グッズも期待してます! ありがとうございました!

(文、聞き手=浅井宗次郎)

<著者プロフィール>
 オペックホースが日本ダービーを勝った1980年生まれ。大手スポーツ新聞社勤務を経て、フリーライターとして独立。コパノのDr.コパ、ニシノ・セイウンの西山茂行氏、DMMバヌーシーの野本巧事業統括、パチンコライターの木村魚拓、シンガーソングライターの桃井はるこ、Mリーガーの多井隆晴、萩原聖人、二階堂亜樹、佐々木寿人など競馬・麻雀を中心に著名人のインタビュー多数。おもな編集著書「全速力 多井隆晴(サイゾー出版)」(敬称略)