G-SHOCK人気ランキング、3位・2位にはスマートウォッチ化したモデルがランクイン、1位は?【2021年7月】

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「G-SHOCK」は、スポーツやトレーニングに役立つ機能や、「落としても壊れない時計を作る」という当時の常識を覆す発想の元生まれた衝撃や破損を防ぐカーボンコア構造、水泳やスキンダイビングにも対応する防水などを備えた、カシオの腕時計ブランドだ。

デザインは1983年に発売された初代G-SHOCKから受け継がれる「これぞG-SHOCK」という王道デザインのものが安定の人気を誇る。本記事ではねとらぼ調査隊による7月15日現在の調査にもとづく、G-SHOCKの2021年7月の人気&おすすめ商品を紹介していく。

売れ筋ランキングの1位はG-SHOCK GW-M5610-1BJF

 3位は「G-SHOCK G-SQUAD PRO GSW-H1000-1JR(Amazon)」。スポーツライン「G-SQUAD(ジー・スクワッド)」初のWear OS by Google™を搭載したNewライン「G-SQUAD PRO」がランクインした。値段は公式オンラインストアでは88,000円(税込)とお高めだが、スマートウォッチと考えると妥当なところか。2位は「G-SHOCK GMW-B5000D…

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パチスロ「AT確率1/3000」の地獄!? 人気の突破型マシンで起きた「悲劇」とは…

 ひろ吉のパチスロコラム。今回は今年2月にリリースされた『バイオハザード7 レジデント イービル(以下、バイオ7)』について語っていきたい。

 導入されてから5ヶ月ほど経過した本機。現在も高稼働が続いている印象で、旧イベント日や休日などで人が集まるホールでは大きな賑わいを見せている。

 出玉の軸となるAT「ハザードラッシュ(HR)」までの道のりは遠いが、突入してしまえば純増「約5.0枚」の出玉スピードに加え、十分な上乗せ性能も完備。またシリーズでお馴染みの「増殖演出」など、魅力溢れる俊逸な映像演出も本機の魅力といえるだろう。

 そんな「バイオ7」だが、実は筆者も導入前からかなり注目していた機種で、実戦動画などをよく見ていた。特に好きな演出は「クライマックスバトル(CB)」の2ndステージ突破時に発生する「ブラックアウト」、それに加えて拳銃が上空から落ちてくる際の「効果音」である。

 突破型が苦手な筆者ではあるが、あの演出こそが「人間の五感」を刺激する至福の演出だと感じ、その興奮を味わうべく平凡な平日の朝からホールへ足を運んだ。

 本機の特徴は「設定1でも約33%で天国モードに移行する」「高設定ほど通常Aに飛びにくい」という点である。

 無事に台を確保し、気合いを入れて打ち始めると、何事もなく通常Aの天井(753G)へ到達……。しかし、その分アイテムなど多く獲得していたので、一発目のCBから先の演出を堪能することができ、テンションは爆上がりだった。その後は400枚ほどの出玉を獲得して初ATが終了した。

 この時、まだ設定推測もできていなかったし、「またあの演出を味わいたい」という思いから、続行を決意。

 ところが、地獄の始まりはここからだった。

 その後どれくらいだろうか……。「通常A→天国→通常A→天国」というループをひたすら繰り返し、通常B、通常Cには一度も飛ばない…ここまでくると設定1濃厚だ。「せめてもう一回ATに入れたい……」と粘ってみるも、ATまで到達できず。約3000回転回してATに入ったのは最初の一度だけだった。最終的に、投資は2000枚を超え、心が折れて実戦を終えた。

 好きな演出を見ることができて満足だったが、実戦自体は散々な結果である。それにしても、2ndステージ突破時の演出と効果音はクセになってしまう。スペックもそうだが、開発したメーカーはユーザーが求めているものを理解しているようだ。

(文=ひろ吉)

<著者プロフィール>

 IT業界の世界に興味を抱き、iPhoneアプリの開発を4年程経験。その後、WEBマーケティングの知識や経験を重ねてきた。パチンコ・パチスロのヘビーユーザーであり、機種のスペック等の研究に時間を注いでいる。現在はパチMAXにて、パチンコやスロットの考察記事・実戦記事をメインに作成中。自身が好む低純増・低ベース機の動向にも注目している。

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パチンコ新台「Vストック×4個」が約束される激熱フラグ搭載!「甘い」と評判も…「打ち方」には注意が必要

 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、新機軸のストックループシステムを考案した最強『北斗』の血筋が唸る『P蒼天の拳 天刻』(以下蒼天天刻)だ。

「天刻(テンゴク)ループ」とはよくいったものでまさに天国に昇るようなめくるめく連チャンと出玉を体感できる極上のスペックとなっている。

「30連1万5000発」「最高56連」「三撃で4万5000発」など爆発力はかなりのモノで、一週間で7万発ほどを吐き出すような出玉データも散見されるなど、各所で「甘い」と評判を呼んでいる。

 その「甘い」を生み出すゲーム性を振り返ろう。

 大当り確率が約1/199.8となるライトミドルの1種2種混合機。連チャンモードとなる時短「死合の刻」は初当りの54%で突入。非突入は時短が付与されず通常モードに直帰となるので連チャン突入のメイン契機は初当りからとなる。

 死合の刻は1セット4回で展開されるストックモードで1個でも「V」を獲得できれば、獲得した個数分の大当りを放出した後に再びストックモードに突入し「V」を狙う流れとなっている。

 このループを「天刻ループ」と呼び、トータルで約83%の割合で継続するが、ストックモードにはVの獲得率が異なる3つの種類が存在。基本となる「死合の刻」はV獲得率約80%、上位モードの「CHANCE死合の刻」なら約94%、最上位モードとなる「天授の儀」ならV獲得率100%でつまり最大4個のVストックが約束される最強フラグなのである。

 右打ち中の大当りは4ラウンド約400発と8ラウンド約800発の2パターンがあり、それぞれの大当りごとに振り分けが発生するが、最大4個ストックですべてが8ラウンドなら一撃で3200発を獲得できるというわけである。

 Vストック1個で4ラウンドの最低400発から上記の最大3200発まで1回の連チャンでも振り幅が大きいので、ストックとラウンド振り分けによって同じ連チャン数でも出玉数に大きな違いで発生し、そこでもアツくなれる。

 ただ、当然、打ち手としては4個ストックで最大3200発を成し遂げたいものであるが、じつはその夢のような挑戦の達成率が極端にアップする状況が用意されているのである。

 それが遊タイム。通常確率を599回転消化したあとに突入する「死合の刻」では「天授の儀」選択が濃厚となる。つまり、4個のV獲得が約束され、3200発に挑めるようになっているのである。

 本機の「甘さ」は、大当り&RUSH突入どころか、最大ストック=大当り4発と連チャンモード継続が濃厚と、現行機最強レベルの遊タイム恩恵を有する遊タイムの影響もある。

 しかし、絶対に注意すべき点が1つ。遊タイム発動時は必ずヘソでの保留が1個ある状態で右打ちをしなければならないのである。ヘソ保留が1個もない状態で右打ちすると天授の儀に突入しない仕組みなので、大きく損をすることになる。

 そして、連チャン中は離席厳禁。入賞させないことでパンクする恐れもあるので、仕組みや流れを理解していないなら打ちっぱなしで消化したほうが無難である。「甘さ」の陰に危険性も隠れていることにも理解が必要な機種となっている。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA C.ルメールや武豊は「圏外」、狙い続けるだけで儲かる騎手を検証!トップジョッキーでお買い得だったのは誰? 買える騎手、買えない騎手が浮き彫りに

 競馬にはスポーツとしての側面もあるとはいえ、ファンが購入した馬券の売り上げがJRAの最たる収入源となっている。人気馬同士のガチガチの決着でも、単勝万馬券クラスの大穴が大波乱を起こしても、JRAは、いわゆる寺銭(馬券購入時に控除される収益)で安定収入を得られる。

 これに対し、馬券を購入するファンは、最初から4分の1近くの赤字(寺銭)を背負った状態で始める。そのため、長く続ければ続けるほど、プラス収支に持っていくのは至難の業ともいえるだろう。

 そんなファンがなんとか攻略しようと努力した結果、生まれたのが様々な競馬の格言であり、馬券術だ。夏競馬のシーズンになると、「夏は牝馬や芦毛を狙え」といった話を誰しも耳にしたことがあるのではないか。

 また、特定のコースや条件でどういったタイプの馬が来やすいなど、データからアプローチする方法もレースの度に採り上げられている。

 ただ、今年は東京オリンピックによる開催変更や京都競馬場の改修などの関係で、コースだけではなく距離まで変更された先週の小倉で行われた中京記念(G3)のような例もあった。これには、過去の傾向を重視するデータ派にとっては苦しい。

 そこで注目してみたいのが「騎手買い」だ。

 これは同じ騎手の単勝を買い続けて、儲けられるのかがポイント。通常なら特定のコースや条件という要素も含まれることが一般的だが、今回はシンプルに特定の騎手の単勝のみを買い続けた場合の回収率を調べてみた。

 以下は、先週の18日までの結果(2021.1.5~7.18)を基に集計した主な騎手の単勝回収率(総合)。※障害除く、レース機会数200回以上が対象。敬称略。

■単勝回収率トップ10
順位、騎手、勝率、単勝回収率
1位、亀田温心、5.9%、177%
2位、菊沢一樹、3.5%、146%
3位、西村淳也、9.3%、133%
4位、北村宏司、7.7%、125%
5位、石川裕紀人、4.8%、120%
6位、川田将雅、28.8%、110%
7位、鮫島克駿、8.8%、108%
8位、藤井勘一郎、4.2%、104%
9位、横山和生、13.5%、103%
10位、菅原明良、9.0%、102%
――――――――――
50位、池添謙一、7.5%、46%
51位、三浦皇成、7.9%、43%

 プラス収支の目安となる100%超えの騎手は10人。圧倒的なトップとなったのは、2位を大きく離した亀田騎手だった。これに菊沢騎手、西村騎手が続いてトップ3を形成した。勝率に比べて回収率が高いということは、イコール穴馬を勝たせた回数が多いということになる。池添騎手、三浦騎手は50%に届かず、苦戦している。

 ちなみにリーディング10位以内の騎手でランク入りしたのは、川田騎手と横山和騎手の2人のみ。C.ルメール騎手や武豊騎手だけでなく、福永祐一騎手や松山弘平騎手なども圏外に終わった。

 勿論、トップクラスの騎手の騎乗馬は、人気になることが多く、単勝オッズは必然的に低くなる。そのため、数値が低いからといって乗れない騎手という訳ではないことは、念頭に置きたい。

 そんな中で上位人気馬への騎乗機会の多かった川田騎手の回収率が、群を抜いていることには驚かされるばかりだ。前述したルメール、武豊、福永、松山らライバル騎手の回収率は60%~70%台なのだから、100%を超える川田騎手の優秀さは一目瞭然である。

 これは重賞も含めた総合の成績でもあり、極端な話、何も考えずに川田騎手の単勝だけを買い続けていれば、今年ここまでの馬券収支はプラスになった計算。騎手リーディングでは、107勝でトップのルメール騎手に対し、86勝と離されているものの、勝率ではライバルの24.0%を上回る28.8%と優位に立っている。

 馬券的な妙味に関しては、川田騎手の方が実質トップを独走しているといっても過言ではないようだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

「さすがの修正能力」川田将雅を元JRA佐藤哲三氏が大絶賛! “差”を見せつけた岩田望来に続きアイビスSD(G3)ではC.ルメール「強奪」に“リベンジ”も?

 現在、全国リーディングでC.ルメール騎手に次ぐ2位につけている川田将雅騎手。18日(日)の中京記念(G3)では、久々2度目のコンビを組んだアンドラステに騎乗。好位から早めに抜け出す横綱相撲で、今年重賞12勝目を挙げた。

 オープン昇級後、5連敗を喫していたアンドラステに初の重賞タイトルをもたらした川田騎手。その技術を独自の視点で称賛したのが元騎手の佐藤哲三氏だ。

 詳細は20日に『netkeiba.com』に掲載された『哲三の眼!』をご確認いただきたいのだが、佐藤氏は川田騎手の手綱捌きを次のように回顧している。

「鞍上の川田(将雅)君は久しぶりの騎乗でしたが、さすがの修正能力だなと感心しました。現時点でのその馬に、していいこと、ダメなことをしっかりわかっているなと。前走は向正面で掛かっていたので、おそらくそこを修正すれば勝てるという計算だったのではないでしょうか」

 1年4か月ぶり、しかも2度目のタッグだったにもかかわらず、アンドラステのことをしっかり把握した上で勝利に導いたというのが佐藤氏の見立てだろう。その一方で、それまで主戦を務めていた岩田望来騎手にも檄を飛ばしている。

「前走で騎乗した岩田望来君もいいレースをしていましたが、これまでたくさんの結果を出しているトップジョッキーと、これから追い求めて行こうという若手では違うのは当たり前。(中略)今回の川田君の騎乗はまったく折り合いに苦労しているようには見えないレースでしたから、そこの違いを吸収出来るいいお手本になったと思います」

 “一流騎手が若手騎手にお手本を示した”とやんわり表現しているが、アンドラステとのコンビでなかなか結果を出せなかった岩田望騎手と川田騎手の差が如実に表れたともいえるだろう

 そんな川田騎手が2週連続の重賞制覇に挑む。25日に新潟競馬場で行われるのはJRAで唯一、直線コースが舞台の重賞、アイビスSD(G3)だ。川田騎手が12年ぶりに参戦するこのレースで騎乗するのは3歳馬のモントライゼ(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)である。

 昨年6月のデビュー戦から3度コンビを組み、いずれも単勝1倍台の1番人気に支持されたが、勝利を挙げたのは2戦目の未勝利戦のみ。デビュー戦と3戦目の小倉2歳S(G3)は惜しい2着に敗れていた。

 その後はC.ルメール騎手に主戦の座を奪われる形になったが、ふたたび川田騎手に騎乗依頼が舞い込んだ。

「昨夏の時点で、川田騎手はモントライゼとマイル路線を歩む可能性もありましたが、2度の敗戦で、コンビは解消されてしまいました。しかし、朝日杯FS(G1)ではグレナディアガーズを見事優勝に導き、結果オーライという形に……。

その朝日杯FSでペースを作ったのがルメール騎手騎乗のモントライゼです。前半3ハロン33秒7というハイペースで逃げたモントライゼは直線失速。好位を進んだグレナディアガーズにとっては、理想的な展開となりました。仕掛けるタイミングなどは、川田騎手がモントライゼの背中を知っていたことも大きかったのかもしれません」(同)

 これまでモントライゼに3度騎乗した経験はもちろん、その後の朝日杯FS、そしてファルコンS(G3)で2度モントライゼと対峙した。アイビスSDでは、3連敗中にモントライゼにどのような修正を見せてくれるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

“IOC貴族”への過剰待遇、世界から嫌悪感…独善的秘密主義と競技団体への給付金支配

 テレビ放送権料を最優先する姿勢と、活動家ならではの独善性が相まった強権的な態度が世界のマスコミから批判を浴びているIOC(国際オリンピック委員会)。後編では引き続きジャーナリストの後藤逸郎氏に話を聞き、「IOC貴族」の実像と、IOCという組織の功罪に迫る。

※前編はこちら

東京都と日本政府は法廷闘争も込みで議論を尽くすべきだった

――IOCにはIOCの事情と理想があり、その実現のため五輪の契約を周到につくり込んできたわけですが、その一方で、契約の相手方である東京都、そして日本政府の弱腰は国民の失望を呼びました。本来、延期・中止が取りざたされた際に日本がとるべき対応は、どのようなものだったのでしょうか。

後藤逸郎氏(以下、後藤)  一般的に、契約書には不履行の際には賠償請求ができると書かれているものです。ただし今回、その賠償額を日本側が算定しようにも、IOCがテレビ局などと結んでいる契約内容が公開されていないため、積算の根拠がなく事実上不可能です。昨年に東京五輪が中止されていたとして、日本にコロナの責任はないのに“その賠償額はIOCの言い値で”というのは明らかにおかしいでしょう。

 東京五輪開催による感染爆発リスクを懸念して中止する、という立場も当然あり得たでしょう。そこで筋を通すなら、IOCが本部を置くスイスの裁判所で、主義主張をはっきりと掲げて戦うべきでした。最終的に賠償金を言い値で支払うことになったとしても、それは仕方のないことです。正当な権利行使のために最善を尽くすという姿勢が、東京都にも日本政府にもまったく欠けていました。法廷闘争も込みで、議論を尽くしたうえで東京五輪を開催するかどうかを決めるべきでした。

 国民の健康・安全保障という観点を欠いた日本政府はあまりにも底が浅いと思います。これは国内大手メディアも問題で、新聞・テレビはまったく腰が引けています。

IOC貴族は「ぼったくり」なのか?

――大手マスコミは後藤さんが言うような「筋論」に触れることは一切なく、一方でバッハ会長をはじめとするIOCへの特別待遇は目に余るという報道を続けています。まるでヘイトを煽っているかのようですが、俗に言う「IOC貴族」の実像についてお聞かせください。

後藤 IOC委員が世界中で豪華な接待を受けていることは、かねてから批判されています。5月に米国の有力紙ワシントン・ポストに掲載された記事で、バッハ会長は「ぼったくり男爵」と呼ばれ、厳しく批判されました。東京五輪でも、IOC委員に用意するホテルは五つ星または四つ星が義務付けられており、費用を東京都が負担するのは行き過ぎだとする報道がありました。

 ホテルのグレードを指定するのはセキュリティ確保のためという主張があり、これ自体は必ずしも納得できない話ではありません。とはいえ、以前から「ワイロに近い過剰接待」が常態化していたという事実があるので、合理性があることでも勘繰られてしまうのです。

 例えば、2002年の米国・ソルトレイクシティ冬季五輪の招致に当たり、組織委員会が複数のIOC委員に金品を贈ったことが問題視されました。この背景には、1998年の長野冬季五輪が「接待攻勢で開催を勝ち取った」という噂が、立候補都市の間で公然の秘密となっていたことがあります。

 ホテルに加え、IOC委員には1人1台の専用車と専属スタッフをつけることになっています。過去の甘い汁が忘れられず、堂々としていればよいとばかりに過大な待遇を要求していては、「ぼったくり男爵」の汚名を着せられるのも当然と言えるでしょう。

「五輪は欧州のビジネス」しかし欧州ですら持て余し気味

――IOCは開催当事国の日本だけでなく、米国紙でも批判されているのですね。世界各国で、IOCはどのような組織と認知されているのでしょうか。

後藤 IOCは日本以外の国でも、少なからず「嫌悪感」を持たれています。特に米国では、五輪は結局のところ欧州のスポーツ大会であると見切られています。

 確かにIOC幹部は欧州出身者が多く、歴代会長9人のうち欧州以外の出身者は1人(米国出身)だけです。五輪はあくまでも欧州のビジネスである、というのが実情です。

 とはいえ近年では、足元の欧州でも、五輪開催に立候補した都市が、高騰する開催費用を嫌って選考の途中で辞退するケースが出てきています。2022年の冬季大会に立候補していたノルウェーの首都オスロは、ノルウェー政府が財政補償を承認しなかったことで、立候補を取り下げました。IOCが開催費用に関し一切の責任を持たないため、費用を抑えるインセンティブがなく、結果として開催都市の負担がふくれあがってしまう構造があるのです。

 もはや欧州の中ですら、「五輪はしょせんスイスがやっていること」というふうに見透かされてきています。IOCに対する反感は非常に根強いものがあるといえます。

スポーツ振興のための給付金にすら疑いの目が

――IOCについて、ありのままに歴史と資金面、開催国に対する姿勢をうかがってきましたが、どうしても厳しい論調にならざるを得ないようです。とはいえ、そもそもスポーツイベントの主催者として、スポーツ振興などの面でIOCの功績は少なからずあるのでは?

後藤 IOCは世界の競技団体を通じて選手に資金を分配しています。2013~2016年のIOCの総収入は57億ドルで、日本円で約6,270億円に及びました(1ドル=110円で換算)。平均年間収入にしても1,500億円を下りません。この9割が世界の競技団体・競技連盟に給付されており、給付金の総額はIOCの収入増に伴って増加しています。IOCからの資金が、スポーツ振興に役立っている面は少なからずあるでしょう。

 ところがこの給付でも、「競技間の給付金格差」が問題視されています。IOCは給付金の算定に当たって競技のランク付けを行い、給付金を傾斜配分しています。たとえば2016年のリオ大会では、競技によってA~Eまでのランク付けが行われ、Aランク全体の配分はEランク全体の5.5倍という極端な格差がつけられたと、日本のテレビ関係者は推測しています。

 IOCの給付金を最も多くもらっているのはワールドアスレティックス(世界陸連)です。ランク付けにはテレビ放送でのニーズが反映されているといわれており、陸上競技のような人気競技への給付金は高くなる一方で、マイナースポーツへの給付金は少額にとどまります。

 また、世界陸連への給付については、かつての世界陸連会長とサマランチ元IOC会長との間に強いコネクションがあったことが影響しているともいわれていました。ここでもIOCの恣意性が疑惑を呼んでいます。

IOCが「信頼される組織」となるために必要なこととは?

――とにかく、やることなすこと疑惑を呼び、批判がつきものというのがIOCの宿命だと思えてきました。結局のところ、IOCの最大の問題は何なのか。IOCが世界のスポーツファンから信頼される組織となるために必要なことは、いったい何でしょうか?

後藤 IOCの秘密主義こそが問題です。IOCの改革を考えるためには、実態をくわしく把握する必要があります。

 まず、五輪開催にまつわる契約の開示が必須です。今回のコロナ禍で延期・中止が取りざたされた東京五輪が好例で、一説には5000億円ともいわれる巨額の金を日本が払う可能性があるのに、その根拠を精査できないというような話は到底認めることができません。

 この先、五輪を開催する都市の組織委員会も、おそらく同様に考えているはずです。例えば天災に見舞われたときに「がれきを早くどけて五輪を開催しろ」と言われ、できなければ言い値で賠償金を負担させられる可能性があるというのは、明らかに不当でしょう。

 財務の開示も必要です。IOCは傘下に多くの財団を従え、さらにその先にも関連企業を持っています。IOCの会長や理事は関連財団・企業で役員を務めていますが、関連企業の実態は非公開であり、彼らの報酬も不明です。仮にこれらの子会社でIOC委員が役員報酬を受け取っているなら、「収益の大半を競技団体への給付金など、設立目的の活動のために使っている」というIOCの主張は根拠が怪しくなります。

 バッハ体制のルール破りも目に余ります。IOCは2017年に、2024年パリ大会・2028年ロサンゼルス大会の開催を同時決定しました。この2028年大会の開催都市の決定は、「開催都市は開催の7年前に決定する」というオリンピック憲章の定めを逸脱するものです。両都市から「2024年大会に落選したら次は立候補しない」と言われていたがゆえの政治的判断だったと言われていますが、開催都市の巨額負担に手をつけることなく、ルール破りという弥縫策に頼るのは問題です。

 IOCが説明責任とガバナンスの正常化を果たし、本来の趣旨である“平和の祭典”を守りたいのであれば、古代オリンピック発祥のギリシャを開催地に固定するのも選択肢だと思います。

 (構成=日野秀規/フリーライター)

●後藤逸郎

ジャーナリスト。1965年、富山県 生まれ。金沢大学法学部卒業後、 1990年、毎日新聞社入社。姫路支局、和歌山支局、大阪本社経済部、 東京本社経済部、大阪本社経済部次長、週刊エコノミスト編集次長、特別報道グループ編集委員などを経て、 地方部エリア編集委員を最後に退職。著書に『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』(文春新書)、『亡国の東京オリンピック』を文藝春秋から9月刊行予定

●日野秀規

フリーライター、個人投資ジャーナリスト。

社会経済やトレンドについて、20年にわたる出版編集経験を活かし幅広く執筆活動を行っている。専門は投資信託や ETF を利用した個人の資産形成。

“単なるNPO”IOC、五輪開催国をねじ伏せる“アクティビスト組織”の実像と権力

 新聞・テレビなどの大手メディアでは、東京五輪の注目競技や選手に関する報道が増加し、お祭りムードの演出が始まっている。一方で、バッハ会長の広島行きや日本と中国の区別もつかないのかと思わせる「チャイニーズ・ピープル」発言など、その言動に対する批判が収まらない。

 バッハ会長の挙動に注目が集まる背景として、1年間の延期を決定する際に目立ったIOC(国際オリンピック委員会)の強権ぶりがある。コロナ対策に疲弊する日本の事情を考慮しない“開催ありき”の姿勢に加え、仮に中止となれば日本政府が巨額の賠償金を負担する可能性が取りざたされた。日本国民にとって、IOCはもはや“悪の組織”に映っているといっても過言ではない。

 一国の政府すら従わせる巨大な力を持つように見えるIOCという組織は、なぜそのような権力を持つに至ったのか。IOCの歴史と組織形態に精通するジャーナリストで、『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』(文春新書)の著者である後藤逸郎氏に聞いた。

IOCは「単なるNPO兼NGO」

――著書『オリンピック・マネー』に、「IOCは聖なる存在でなく、スポーツ大会の興行主であり、自らが構築した財務システムに振り回されている」とあります。しかし日本人からすると、一介の興行主とは到底思えないほどの巨大な存在に見えています。IOCはなぜ、これほどまでに強力な組織となりえたのでしょうか。

後藤逸郎氏(以下、後藤) 日本人の間では、IOCがあたかも国際連合のような超国家的な機関であり、菅首相はその政治的な圧力の言いなりになっているという構図があると思います。実はこれは明らかな誤解で、要は契約を守るか反故にするかという単純な話です。

 IOCは五輪という巨大かつ国際的なイベントを行う組織ではありますが、基本はスイス民法のもとで運営されているNPO(非営利団体)兼NGO(非政府組織)にすぎません。もともとはスポーツの世界大会開催を目的に欧州の貴族が寄り合って作った“サークル”のような組織が出発点です。

 開催を重ねるにつれ五輪は規模を拡大していきますが、とはいえIOCはただのNPO兼NGOにすぎないので、国家と対峙、折衝する力を持っていませんでした。その顕著な例が、ソ連が開催国となった1980年のモスクワ五輪です。

 前年に起きたソ連のアフガニスタン侵攻を受け、米国をはじめとするソ連と対立していた70近くの国・地域が、モスクワ五輪への参加を見送りました。日本も米国に同調しています。国家間の政治的対立を前に、“平和の祭典”という五輪の看板は無力でした。

 ボイコットという政治的な困難を経験したことは、IOC自身が力を身につけ、五輪の開催を確保するという道を拓きました。モスクワ五輪はIOCに決して消えないトラウマを植え付け、国家や政治からの自立を志向させるきっかけとなったのです。

国家と渡り合うための「財布」と「契約」

――モスクワ五輪以降、IOCは具体的にはどうやって自立を達成していったのでしょうか。

後藤 続く1984年の米国・ロサンゼルス五輪が大きな転機となります。五輪運営経費の肥大化に対して、ロサンゼルス市とカリフォルニア州はロス五輪に公金を投入しないことを決定しました。ロス五輪の組織委員会は、スポンサー企業の獲得やテレビ放送権料の高額化といった“商業化”によって運営経費を捻出し、黒字化したのです。

 ロス五輪以降、IOCは商業化という手段をまるパクリして、資金面での完全自立を図ります。世界の市民がこぞって観たがるスポーツイベントのコンテンツ力を背景に、開催国を契約でがんじがらめにして、収入を独占し開催国に負担を課するだけの存在へと成り代わっていきました。今回、「不平等条約」とたとえられたIOCと日本の関係は、かつて国際政治に屈服させられた民間組織が、自立のために相手国を契約で縛り上げてきた、その結果です。

 とはいえ、IOCにも勘案すべき事情があるのはお話ししてきたとおりです。自立の必要性を強く認識したIOCにとって、国家と渡り合うために必要な武器が「自前の財布を持つ」ことだったのです。

 たとえコロナ禍であっても、IOCには何の責任もないので、彼らの論理では“平和の祭典”は開催されなければならない、となります。そのために自らを守る「鎧」があまりに強力であるため、外部からはあたかも、武器を携えてごり押しする「悪の組織」に見えてしまっているのです。

テレビ放送権料の魔力

――IOCは至上命題である「五輪の完全な開催」のために、財政の自立と開催国との詳細な契約という手段を採用したことは理解できました。そうすると問題は、いずれも正当な手段であるはずなのに、なぜこれほどまでに市民からの理解が得られないのか、ということになります。

後藤 IOCがこれほどまでに傲慢に映るのは、これからお話しする2点に由来すると考えられます。“テレビ放送権料至上主義”と、“理念を奉じる活動家の組織であること”です。

 先ほどからお話ししてきたIOCの商業化ですが、これはすなわち4年間で約6,156億円、1年あたり1,500億円を下らない総収入の73%を占める「テレビ放送権料」のことを指します。開催都市すら決まっていない将来の複数大会にまたがる放送権をセット販売し、放送権料を吊り上げていきました。

 大会ごとの金額は明かされていないものの、世界一高額なテレビ放送権料を支払っているのが米国NBCです。金額に比例して強い発言力を持つNBCは、米国で人気がある陸上競技や水泳といった種目の日時や、決勝開始時刻の変更をIOCにたびたび要求しています。昨年、東京五輪の秋への延期や中止が取りざたされた際でも、IOCの“テレビファースト”は明白でした。

 米国では、秋はスポーツシーズンと相場が決まっており、アメリカンフットボールやバスケットボール、野球などで放送スケジュールが完全に埋まっています。これらの人気スポーツを差し置いて五輪中継を行うことは不可能であり、かといって人気スポーツの隙間での五輪中継を、NBCが受け入れるはずもありません。実際、IOCとNBCの契約書には、五輪の秋開催は認められないと書かれていると米国で報道されたこともあります。五輪は明確に、テレビに振り回されています。

 しかしいくらなんでも、IOC委員から「テレビ放送権料の問題があるから秋への延期はできない」という言葉が出てくるのは異常です。IOCとNBCの契約は、第三者である日本はあずかり知らぬこと。完全に本音と建前の区別がマヒしているがゆえの発言です。

独善的な“五輪教”の普及と遂行が敵をつくる

――一方的に開催国への強要を行う“悪の組織”という印象は、IOCがテレビ放送権料に操られてしまっていることから来ているのですね。もう1点、“理念を追求する活動家の組織”というのは、どういうことでしょうか?

後藤 IOCは、“平和の祭典”である五輪大会を必ず、盛大に行う使命を帯びた組織であると自分たちを規定しています。IOCは「肉体・意志・知性という人間の資質を究極的に磨き、均衡のとれた人間の総体を目指す人生哲学」である“オリンピズム”の普及に努めています 。また、「オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの価値に鼓舞された個人と団体による、協調の取れた組織的、普遍的、恒久的活動である」と憲章で定め、オリンピックをその集大成と位置づけているのです。

 このように、理念の実現に邁進する活動家(アクティビスト)の組織であるがゆえのかたくなさも、“悪の組織”問題を大きくしていると思います。だって、五輪の理念を理解している人なんて、日本でも世界でも、果たしてどれだけいると思いますか?

 活動家にとって、理念の集大成である大会を中止するという事態は、すなわち“理念の死”を意味します。だから何があっても開催されるよう、契約で開催国を縛っているのです。たとえその理念が、決して全人類が共有しているわけではない“五輪教”にすぎないとしても、です。

 バッハ会長の昨今の行動にも活動家ぶりがよく表れています。平和の祭典の責任者が、戦禍の悲惨さを象徴する“ヒロシマ”という場所に足を運び、東京五輪の意義を世界に示すという建前は、おそらく本音でもあるのでしょう。ただし日本人にすれば、我々は移動すら自粛しているのにあの特別扱いは何だ、となるのは当然です。

 コロナ禍で東京五輪を強行したことは、“オリンピックはそもそもそんなに大事なものなのか?”と、世界中の人々に思わせる契機となりました。日本国内よりむしろ、海外メディアがIOCに注ぐ視線は厳しいものです。東京五輪は、IOCにとって致命的な失敗となる可能性があります。

※※※

 モスクワ五輪ボイコットというトラウマと、オリンピズムという崇高な理念が、IOCが五輪開催をごり押しする動機となっていた。日本政府はこのような背景を理解し、適切に対処したといえるだろうか。

 後編では引き続き後藤氏に話を聞き、日本政府が「筋を通す」ために取り得た対応と、ワシントンポストが報じた「IOC貴族はぼったくり」という言葉の内実を検証する。IOCは改革されるべきなのか。IOCの真の「功罪」とは?

(構成=日野秀規/フリーライター)

※後編に続く

●後藤逸郎

ジャーナリスト。1965年、富山県 生まれ。金沢大学法学部卒業後、 1990年、毎日新聞社入社。姫路支局、和歌山支局、大阪本社経済部、 東京本社経済部、大阪本社経済部次長、週刊エコノミスト編集次長、特別報道グループ編集委員などを経て、 地方部エリア編集委員を最後に退職。著書に『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』(文春新書 )、 『亡国の東京オリンピック』を文藝春秋から9月刊行予定

●日野秀規

フリーライター、個人投資ジャーナリスト。

社会経済やトレンドについて、20年にわたる出版編集経験を活かし幅広く執筆活動を行っている。専門は投資信託や ETF を利用した個人の資産形成。

「ANAグループ社員だと分からないように」危険な検疫補助業務を子会社に押し付け、現場CAから怒りの声

エアージャパン(AJ)のCA(客室乗務員)はANAグループのなかで不当な差別を受けているとしか思えません」――。

 こう憤るのは、ANAホールディングス(HD)の完全子会社、AJのCAだ。AJのCAをめぐっては、本連載でANAHDが政府から受注した成田空港国際線での検疫補助業務を押しつけられ、感染対策が不十分なまま、感染リスクが高いなかで業務に従事させられているばかりか、PCR検査も受けられずに国際線にそのまま乗務している実態を明らかにしてきた。今回は東京五輪の開催を直前に控え、現場では差別的な労働環境がまかり通っている現状について報じる。

ANAから出向の管理職、検疫補助業務のCAに「ANAグループ社員と分からないように」と指示

「原則、ANAグループ社員であることを分からないようにすること。従ってANAロゴ入り制服・物品の使用は不可」

 筆者が入手した内部資料によると、現在も実施されている検疫補助業務に従事するAJのCAに対して、ANAグループの中核企業、全日本空輸(ANA)から出向してきたAJ幹部がこのような業務命令を出している。これ以外にも「ネックストラップ(社員証)は既存の『AJX』(筆者注・AJの意味)と記載されているストラップと付け替える」とも資料にある。

 ANAのCAが地方自治体や他業界へ出向していることが世間に目立つ形で伝えられるなか、AJのCAの検疫補助業務については目立たないように隠す意図を持っているとも考えられる内容だ。本連載第11回では、急遽ANAHDが政府から検疫補助業務を受託し、AJのCAにほとんど選択の余地がないまま、現在に至るまで同業務を担当させている現状について報じた。ずさんな感染対策についても連載第19回で報じたが、現在でもその実態は変わっていないという。

AJ幹部「防護ガウンを配布できない」と感染対策の不徹底を認め謝罪メール

 AJでは、フェイスシールドや感染防止ガウン(エプロンのようなもの)も、筆者の記事が出た以降にやっと会社側から貸与されるようになったが、それについて最近、CAを統括する客室部から現場のCA宛に以下のようなメールが送られてきたという。

「客室部の皆さん

今回は、皆さんにお詫びと今後の対応についてのお知らせです。

先週、土曜日に検疫補助業務の方に貸与している防護ガウンの在庫が一時的になくなり、一部の方に配布できない状態が発生しました。

これまで、担当する業務ごとに着用基準を定めて在庫数を管理しておりましたが、実際の運用としては、希望する方には配布するようにしていたため、結果的に発注が間に合わず、ご心配とご迷惑をおかけすることとなりました。

今後についてですが、着用基準自体は変更致しませんが、業務開始後にアサインが変更になるケースもあることから、着用基準にかかわらず希望者には使用頂けるよう準備をしていきます。

これからも皆さんの不安をできるだけ軽減できるよう検討を重ねてまいりますので、お気づきの点はお知らせください」

現場CA「AJ幹部は現場に来ず、実情わかっていない」と反感高まる

 筆者は複数のAJのCAから、ANAから出向してきた管理職は検疫補助業務をやっていないとの証言を得ているが、このメールにもそれが反映されており、現場の怒りを買っているという。以下はAJのCAの弁。

「私が知る限り、このメールを出した管理職は一度も現場に出てきたことはありません。このメールにある『担当する業務ごとに決めている着用基準』というのが、もう何も分かっていない証拠です。まず、勤務担当場所は前日夜ギリギリに決定され、コロコロ変えられたり、直前にも突然変更されたりします。そんな状況で『担当する業務ごと』のようなルーティンでしっかり決まったものなどあるはずがありません。

 現場では抗原検査結果前で陰性か陽性かもわからない人と長時間一緒に、換気が悪い空港にいなければならないなど感染リスクが非常に高い。もし本当に業務内容が分かっていたら、毎回新しい防護グッズが全員分確保されていなければならないと分かるはずです。それを分かろうとしない人からの『お詫び』なんて、不快にしか思えません」

ウガンダ選手のコロナ感染で現場は戦々恐々、AJ幹部「CAは濃厚接触者でない」と説明

 AJのCAの緊張感を高めたのは、7月1日に東京五輪に出場するために成田空港から入国したウガンダ選手団のうち、1人が新型コロナウイルスに感染していたと判明してからだ。同乗していたCAだけでなく、検疫補助業務を担うCAも入国者の誘導などを行なっているため、感染リスクが現実のものとなったのだから無理もない。

 AJのCAは管理職から「厚労省の定義では検疫補助業務に従事する者は濃厚接触者に当たらない」と説明を受けているというが、陽性者やその可能性もある人と接している以上、現場のCAとしては納得しがたいのではないか。AJのCAは補助業務後、PCR検査を受けていないため、同僚や顧客、通勤する電車の乗客、そして家族にも感染を拡大させるリスクに怯えながら働いている。

「シンガポールのように防護服とN95マスクなどで完全武装している国とは意識が違いすぎて悲しくなる」(先のCA)

 東京五輪関係者用には「バブル方式」という一般客との接触を回避する方法が試みられたが、すでに報じられている通り、確かに一般客と動線が区分けされているものの、「ヒモみたいな仕切りで分かれているだけで、数センチですれ違うくらい近い」(同)という。

ANAHDは政府から数億円で業務受注、体裁整えるために無観客開催でもCAを計画通り動員

 そもそも、今回の検疫補助業務は東京五輪開催により、外国人の訪日が増えるという前提で厚労省が公募したものだった。AJCAに対し、「五輪の影響で1日当たりの成田空港入国者が4万人を想定されており、成田空港全体で補助業務のスタッフに数百人が必要」と説明していたが、無観客開催が決定した今となっては、そんな人員を割く必要がないのはいうまでもない。にもかかわらず、ANAからの出向組が大多数を占めるAJ経営陣は、前提を崩そうとしないという。その理由について別のCAはこう話す。

「ANAHDは厚労省から数億円で来年3月までの補助業務を受注した以上、とにかく体裁を整える意味でも人を出して仕事をさせることしか頭にない。にもかかわらず、ANAからの出向社員やANAブランドに被害を出したくないから、管理職は感染リスクのある現場には出ないし、AJのCAには『ANAグループの社員だと分からないようにしろ』という差別的な業務命令を平気で出してくる。コロナ禍前はANAのCAとも同じ便で飛んでたのに、今や『AJのCAみたいに感染リスクの高い仕事をしないだけ、ANAのCAはマシ』と言う人もいて悲しくなる」

AJのCAへの検疫補助業務の押し付け、ANAのCAとの対立誘発し乗客の安全にも影響

 これまでANAHDがAJに丸投げした検疫補助業務の実態を報じてきたが、「立場の弱い子会社に危険な仕事を押し付けている」というのが筆者の率直な感想である。ANAグループは新型コロナ対策として「ANAケアプロミス」という方針を設け、「ムラなく一貫性を持ったあんしんで清潔な環境・サービスを提供することを、お約束いたします」と謳っているが、現場のグループ社員に対してすら感染対策を十分に行っていない企業が、顧客の安全を守ることを約束できるのだろうか。

 それに、ANAのCAにしても待遇がAJのCAよりは恵まれているとはいっても、全体からみれば、「メガネがNG」「妊娠がわかった段階で無給休暇しか選択肢がない」といった貧弱なバックアップしか受けられない状態である。ナショナルフラッグキャリアでありながら、いまだに典型的な男性中心企業であるANAでは常に割を食わされていることには変わりはない。

 現場でのチームプレーの弱体化やモチベーションの低下は乗客の安全に直結する。筆者は乗客の一人として、もし目の前の同僚に冷ややかな目を向けそうになったら、検疫補助業務が始まる前までは同じ飛行機で同じ制服を着て、同じ業務を担っていたCAの間に「身分制」のような差別的構造を導入してきたANAグループの経営陣こそ時代錯誤であることに意識を向けてほしいと願っている。

 AJの生みの親はほかでもない、ANAHDの現社長の片野坂真哉氏である。片野坂社長はANA HDの大幅赤字を挽回するため、AJを中心に新たなLCCブランドを立ち上げる事業改革計画をぶち上げたが、これも「立場の弱い子会社にすべて被せてANAHD役員の生き残ることしか考えていない」(AJのCA)と、現場の士気を下げているという。改めて、こちらについて詳報する。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

記者クラブ問題や防衛、航空、自動車などを幅広くカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや⽂春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは@kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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ローソン、ファンも“がっかり”な食品5選…味変わった(?)かぼちゃサラダ、ビール系飲料

“マチのほっとステーション”というおなじみのキャッチフレーズを掲げ、2021年2月末時点で国内1万4476店舗を展開している、コンビニ大手3社の一角「ローソン」。同社は、消費者の気持ちを常に刺激し続ける商品展開を見せ、これまで愛され続けてきた。

 売上面の近況を覗いてみると、ローソンの月次売上高推移は今年3月が前年同月比100.5%、4月は同105.3%、5月は105.0%と安定しているようだ。

 そんなローソンは、多くのファンに愛される魅力的な商品をいくつも展開しているが、なかには「これはどうなんだろう……」と悩ましい気持ちにさせられる商品も。そこで、今年もローソンの夏商品を徹底リサーチ。ちょっと残念なローソンの要注意5品を選出した。

大盛り!ペペチー!/498円(税込、以下同)

 まず紹介するのは、なんとも記憶に残るインパクト抜群のネーミングセンス光る「大盛り!ペペチー!」。“ペペチー”とは、パスタ界のシンプル・イズ・ベストを体現する“ペペロンチーノ”のこと。コンビニ各社が展開する定番商品だが、ローソンのペペロンチーノは、好き嫌いがはっきり分かれがちなメニューかもしれない。

 パッケージの指示に従い、500Wの電子レンジで3分30秒加熱しフタを開けると、強烈なニンニクの香りとベーコンとソーセージの燻製の香りがガツンときた。本格的なペペロンチーノというよりも、カロリー上等な“男飯”の雰囲気を持つスタイルの商品といったところか。

 パスタから食べてみたが、そのコシは弱め。そして匂いとは裏腹にニンニクの辛味や旨味は意外にも弱めなことに驚かされた。その分、トッピングのベーコンからコクと燻製の香りが染み出しており、その印象が前面にきていた。

 そんな本品の白眉は驚くことにソーセージ。プリプリかつジューシーでそのクオリティは茹でたてを食べているかのよう。燻製の香りも立っており抜群に美味だ。……が、パスタに合うかというとやや疑問符は残った。トッピングより、パスタ自体のニンニクや唐辛子の旨味と辛味を期待していた人には、少々肩透かしかもしれない。

かぼちゃサラダ/130円

 次は、ローソンで人気商品として名高かったお惣菜メニュー「かぼちゃサラダ」を紹介したい。130円の低価格かつ、70gという食卓に小鉢でもう一品欲しいというシチュエーションに最適なその取り回しやすさもうれしい商品だ。しかし本品、意外にも近頃ローソンユーザーから不評が相次いでいるのである。

 というのも、SNS上のローソンユーザーが口々に「前と変わった」「なんだか、かぼちゃのゴロっと感がなくなり、味も変な感じ」と嘆いているのだ。そんな声の真相を確かめるべく蓋を開けてみると、かぼちゃ部分とペースト部分に分かれており、確かにペーストの比率が多いようにも感じられた。

 口に入れてみると、かなり強めの甘みが攻めてくる。かぼちゃ本来のほのかな甘みというよりも、砂糖をはっきりと感じるレベル。実際、本品には砂糖と加糖練乳が含まれている。甘みの後にきたのが、マヨネーズの強めの酸味とコク。美味しいことには美味しいが、このジャンキーな風味を嫌がる人が多くいるのもわかる気がした。この甘さに慣れない人は、アクセントとして黒胡椒をちょい足しするのもいいかもしれない。

NL ブランパン 2個入 〜乳酸菌入〜/120円

 コンビニのパンは、忙しい朝食時や仕事の合間のブレイクタイムに小腹を埋めてくれるのに便利だが、美味しさと引き換えにその糖質は結構高めなため、ダイエット中の人には要注意な食品でもある。しかしローソンの「NL ブランパン 2個入 〜乳酸菌入〜」は、1個で糖質2.2gと低めなので、他の菓子パンよりもヘルシーに食べられる。

 おまけに、穀物の外皮を使ったブラン生地は食物繊維も1個当たり5.4gとれるうえ、乳酸菌も練りこんであるので腸内改善にも良さそうだ。ここまで聞くと良いことずくめのようだが、本品は残念に思える部分も……。

 それは、シンプルにその“味わい”だ。袋を開けたときから感じるであろう乳酸菌のツーンとする酸っぱい匂いは、嗅いだ時点で食欲が引っ込んでしまう人もいるかもしれない。味の面でも、パンのほのかな甘みはほぼ感じられず、代わりにおからのような淡白な風味がやってくる。独特な酸味と甘みのなさに慣れれば問題ないのだろうが、そこまでするならパンを我慢するという選択でもいいのかもしれない。

オーツブランの堅焼きおっとっと 35g/148円

 ブレイクタイムや仕事終わりの晩酌にスナック菓子を食べるのは、プレッシャーから解き放たれる癒やしのひとときだろう。だが、そんな場面でローソンの「オーツブランの堅焼きおっとっと 35g」を購入するのは、少々検討してからにしてもらいたい。

 148円の低価格に腸内改善を促してくれるオーツブランとおから、さらにはカロリーを抑えてくれるノンフライ製法でつくられたこの商品は、健康志向の人に愛される「ナチュラルローソン」ブランドの一品。しかし、味の面ではまだ改良の余地があるように思えるのだ。

「おっとっと」といえば、森永製菓の定番スナックであり、パリッとした軽さとあと引くコクが人気だが、本品は「おっとっと」のアイデンティティーともいえるパリッと感は弱め。代わりにオーツブランのザクザクとした食感が一番にくるのである。また、オーツブランとおからの持つ粉っぽさが後味に残る。とはいえチキンベースの味付けはかなり美味しく、その点は諸手を挙げて評価したい。

ゴールドマスターオフ 350ml/128円

 糖質オフブームは、今やアルコールのジャンルにまで広がりを見せている。近年ではキリンホールディングスが、業界初の糖質ゼロのビールとして売り出した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」が、爆発的な人気を博したのも記憶に新しい。そしてローソンも自社ブランドのビール系飲料である「ゴールドマスターオフ 350ml」という商品を展開している。

 こちらは「リキュール(発泡性)①」という、いわゆる“第三のビール”に属する商品で、原料は麦芽、ホップ、大麦、コーンなどになっている。キリンの商品と比較して100円ほど安くなっているが、その味はどうなのだろうか。

 蓋を開けて感じたのは、あまり香りがしないということだ。ビール系飲料はその香りも楽しみのひとつだが、その点では少々出遅れた感は否めない。そして口に運んで感じたのが炭酸の弱さ。あっという間に炭酸が過ぎ去り、喉に流すときには気の抜けた液体といった印象だった。味も、最初はビール風の爽やかな苦味がくるが、舌に残るのはコーンの甘ったるさで、後味すっきりが好まれるという日本人のビール観からはかけ離れているかもしれない。糖質もキリンの商品が0なのに対しこちらは70%オフにとどまっているので、値段より味と健康を優先したいなら、これを選ぶ理由はあまりないだろう……。

 ここまでローソンの残念商品を見てきたが、どれも良い部分もある商品だったので今後の改善に期待したいところ。今回選出した情報を参考にして、賢いローソンライフを送っていただければ幸いだ。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

※情報は2021年7月5日現在のものです。

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 23日の開会式に先立ち、本日21日から競技がスタートした東京五輪だが、早速、感染対策をおざなりにする姿勢が露わになっているのが、明日22日におこなわれるサッカー男子1次リーグ初戦だ。U-24日本代表と対戦するのが、選手2人とスタッフ1人が新型コロナ陽性となり、多数の濃厚接...