キリン、ミャンマー国軍企業と合弁、軍クーデター後も…国内で不買運動、問われる人権意識

 ミャンマー国軍がクーデターで権力を握ってから半年。8月1日、ミンアウンフライン最高司令官が首相に就任した。市民の抗議デモを弾圧し、人権団体によると、この半年間で940人の市民が殺害されたという。

 ノルウェーの通信大手テレノールグループは7月8日、ミャンマーで携帯事業を行っているテレノール・ミャンマーの全株式を売却すると発表した。レバノンの投資会社M1グループに1億500万ドル(約110億円)で売却すると一斉に報じられた。

 テレノールは民政移管後の経済開放を受け、14年に現地で携帯通信事業に参入した外資の一角。KDDIや住友商事が組む国営のミャンマー郵電公社(MPT)に次ぐ第2位の携帯事業者で人口の約3分の1にあたる約1800万人のユーザーを抱える。

 テレノールのシグベ・ブレッケ最高経営責任者(CEO)は「ここ数カ月、規制や人の安全などの面でミャンマーの状況は悪化している。あらゆる選択肢を考えた結果、会社の売却が最善であると判断した」とコメントした。

 2月の国軍によるクーデターの直後に、市民の抗議活動を抑え込むため、国軍はフェイスブックの遮断を通信各社に指示。テレノールは「国際人権法に照らして必要性があるとは思えない」と批判しながらも従った。その後も国軍はSNSやネット回線の遮断、制限を続けた。影響は通信各社の業績にも及び、テレノールはミャンマー事業の21年1~3月期決算で約810億円の減損損失を計上している。

 5月には仏エネルギー大手トタルと米の石油メジャーのシェブロンがミャンマーで運営する天然ガスのパイプライン事業会社の株式配当を停止すると発表した。株主にクーデターを起こした国軍が影響力を行使するミャンマー石油ガス公社(MOGE)が含まれ、国軍の収入を遮断する狙いがある。人権団体などはクーデターを起こした国軍が石油ガス公社を通じて収益を得ていると問題視していた。トタルは「ミャンマーとタイの地元住民に不可欠な電力供給を中断させないため、ガス田の生産は維持する」としている。

 欧米企業でミャンマーからの撤退を表明したのはテレノールが初めて。「テレノールはミャンマーに投資する欧州企業の象徴的な存在。各社はクーデター後、事業を継続すべきかどうかの見極めを急いでいる」(ミャンマー情勢に詳しい大手商社)。

キリンと国軍系企業の合弁企業が不買運動の標的になる

 米国や欧州連合(EU)は国軍に厳しい態度で臨んでおり、すでに国軍関係者や企業に制裁を科した。一方、日本企業の大半は身動きが取れずにおり、日本政府も軍政に厳しい姿勢を取ることを避けてきた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によるとミャンマー日本商工会議所に加入している日系企業の数は20年12月末時点で433社に上る。ヤンゴン近郊のティラワ地区には三菱商事、住友商事、丸紅などが工業団地を造営。スズキが工場をもち、トヨタは新工場を予定していた。KDDIと住友商事は国営企業と合弁で通信事業を展開している。

 キリンホールディングス(HD)は国軍系企業とビールを生産。イオンも現地企業とスーパー「イオンオレンジ」を運営している。大和証券と日本取引所グループはヤンゴン証券取引所に出資している。

 クーデター後、国軍系企業の関連商品は激しい不買運動にさらされた。真っ先に批判されたのは国軍系企業と合弁でビール事業を展開しているキリンHDだった。キリンHDは合弁形式で、同国ビール最大手ミャンマー・ブルワリー(MBL)を運営している。MBLは国軍系複合企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)との合弁会社。クーデター後、不買運動の標的になった。

 キリンHDが5月12日に発表した決算説明資料によると、MBLの第1四半期(1~3月)決算は、売上高にあたる売上収益は前期比47%減の57億円、原価と販売管理費を差し引いた事業利益は50%減の25億円だった。販売数量は46%減少した。

 年初時点では、通年目標の売上収益は前年比21%増の386億円、事業利益が16%増の160億円を見込んでいた。しかし、不買運動が広がり、大幅な下方修正は避けられないだろう。キリンHDとMEHLはMBLのほか、第2の都市マンダレーでマンダレー・ブルワリー(MDL)を経営している。

 クーデター後、キリンHDはMEHLとの提携を解消する方針を明らかにしたが、「現時点では(ミャンマーから)撤退することを考えていない」という。事業を継続するには国軍系企業から株式を買い取る必要がある。結果的に国軍に資金が流れるため、「国軍を助ける」との批判が浴びる恐れがある。難しい問題にどう対処するかについてや、現時点でMEHLとの交渉が進展しているのかなど、詳細を明らかにしていない。

株価にも影響

 ミャンマー事業はキリンHDの株価を直撃した。発行済み株式の53%を握る、医薬品・バイオの協和キリンに今年5月6日、株式の時価総額で初めて親子逆転を許した。足元では時価総額1.8兆円で、キリンHDと協和キリンは肩を並べている。

 アトピー薬など新薬開発の期待から、協和キリンの株価は7月13日に年初来高値の4080円へと、1月の安値から51.8%上昇した。キリンHDの株価は、1月4日の年初来高値2430円から8月4日の年初来安値1984円へと18.4%下落した。「キリンHD株はミャンマー事業の業績悪化や健康事業の収益性の低さから投資家に敬遠されている」(外資系証券会社のアナリスト)。

 キリンHDは8月10日、21年12月期中間決算(1~6月)を発表する。2月のクーデターによるミャンマーの経営環境の急変について、どう説明するか。MEHLとの提携解消の交渉は進んでいるのか、ミャンマーからの撤退はありうるのか。

 中国・新彊ウイグル自治区の問題もあり、企業がグローバルに関係する人権問題への視線は厳しくなっている。軍政に協力的だと見られれば、ミャンマー国内だけではなく欧米から強く批判されるリスクがある。国軍協力企業と見なされ不買運動にさらされたキリンHDの人権尊重の本気度が問われている。

(文=編集部)

JRA武豊が“あぶり出した”課題克服で期待度「◎」!? ルメールから“チェンジ”など好走条件そろったタイムフライヤー!

 8日、函館競馬場では夏の古馬ダート重賞、エルムS(G3)が行われる。札幌開催だった昨年の覇者タイムフライヤー(牡6歳、栗東・橋口慎介厩舎)が、前走12着大敗からの巻き返しを図る。

 大敗を喫した前走は、今回と同じ舞台(函館ダート1700m)のマリーンS(OP)。トップハンデ58kgを背負ったタイムフライヤーは、堂々1番人気に支持された。

 大外枠から好スタートを決め、道中2番手を進む横綱相撲。しかし、4角手前で手応えが怪しくなると、直線で伸びを欠き、勝ったスワーヴアラミスから0秒9差の12着に敗れた。

「スタートからスピードを出してくれました。前々走が1400m、前走が1600mだったので、我慢できずエキサイトしてしまいました。息を入れられませんでした。力を使ってしまいました」

 これはレース後にC.ルメール騎手が語った敗戦の弁だ。その言葉通り、道中は折り合いを欠き、直線を向いたときには脚が残っていなかった。距離延長がマイナスに働いたというルメール騎手の分析だが、それを裏付けるデータが存在する。

【タイムフライヤーの前走からの距離変動別成績、通算】
同距離 4-0-0-3/7(57.1%/57.1%/57.1%)
延長 0-1-0-8/9(0.0%/11.1%/11.1%)
短縮 1-1-1-4/7(14.3%/28.6%/42.9%)
※()内は左から勝率、連対率、複勝率

 芝ダート問わず、これまでタイムフライヤーが「距離延長」で臨んだレースは9戦。2歳時のラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)こそ2着に好走したが、その後はすべて6着以下に沈み、8連敗中だ。

 逆に、タイムフライヤーの好走パターンは「前走と同じ距離」を走ったときで、全5勝のうち4勝を挙げている。今回は前走と同じ函館ダート1700mが舞台。好走必至の条件といえるだろう。

「距離変動」以外にもタイムフライヤーを後押しする要素を2つ挙げておきたい。

 今回タイムフライヤーに騎乗するのは武豊騎手。今年52歳を迎えたレジェンド騎手の存在が、タイムフライヤーにとってプラスになるという。

「今回は、主戦のルメール騎手がアメリカンシードに騎乗するため、武騎手が代打騎乗する形になります。今年110勝のルメール騎手から38勝の武騎手への乗り替わりは、数字だけ見ると確かにマイナスかもしれません。

しかし、ルメール騎手に代打・武騎手という乗り替わりは悪くありません。むしろG3なら大きなプラスになるかもしれませんよ」(競馬誌ライター)

 武騎手がルメール騎手から引き継いで騎乗した重賞レースは通算23回。その成績は「4-1-6-12」で、47.8%という高い複勝率を誇る。特に好相性なのがG3戦の「4-0-2-2」で、複勝率は75.0%に上る。G3における「ルメール→武豊」の乗り替わりは隠れた好走パターンといえるだろう。

 最後にタイムフライヤーの好走を後押しするのが、最終追い切りに騎乗した調教助手のコメントだ。

「先週(武)豊さんに乗ってもらって内にささったので、ラチに頼らないように走らせました。手前をスムーズに替えてくれたし、いい動き。確実に上向いています」

 これは『スポーツ報知』の取材に答えた橋口厩舎の五十嵐助手の発言だ。同助手によると、1週前追い切りに騎乗した武騎手から、タイムフライヤーが直線で内にささった分、手前を替えなかったという指摘があったという。それを受けて、同助手は最終追い切りでその課題をしっかり矯正。「今回は本来のタイムフライヤーの強い競馬を見せられればと思っています」と力強いコメントも残している。

 距離延長、乗り替わり、そして武騎手があぶり出した課題の矯正。この3つの要素を追い風にタイムフライヤーが連覇を狙う。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

60代女性の“小さな効力感”に火をつける!企業の共創のヒントを探る

コロナ禍で変容した生活者のサステナビリティ意識と企業のパーパス・ブランディングのあり方を模索する本連載。

第3回では、電通が実施した意識調査で明らかになった「一人一人の力は小さくても、想いがあれば世の中を良い方向に変えていくことができると思う」という生活者の意識を「小さな効力感」と名付け、それがこれからの企業と生活者の共創の鍵となっていくことについて紹介しました。

さて、その「小さな効力感」ですが、今回の調査結果から、年代が上の女性層、特に60代以上の女性層で高いことが分かりました。

サステナビリティ&パーパス調査0401
電通「“サスティナビリティ”や企業/ブランドの“パーパス”に関する意識調査 2020」より

そこで今回は、この調査結果を起点にもう一歩踏み込み、この60代女性のインサイトや共創のヒントを探るべく、日本フィランソロピー協会理事長の髙橋陽子氏をゲストに迎え、電通の大内櫻子と梅津弓子がインタビューを行いました。

髙橋陽子様
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋陽子氏
【公益社団法人日本フィランソロピー協会】
 
フィランソロピー協会
 
1991年、活動開始。日本企業のCSR黎明期から現在に至るまで、多くの企業のフィランソロピー(社会貢献)の推進を支援してきた、業界の草分け的存在。毎年恒例の「企業フィランソロピー大賞」の運営団体としても有名。近年は「誕生日寄付」プログラムなど、独自の社会貢献事業を通じ、一般生活者にも広くフィランソロピーの啓発を行う。2021年4月、各界の識者との対談を通じて人間が持つ「共感する力」の本質に迫る書籍『共感革命 フィランソロピーは進化する』を刊行。
協会ホームページ:https://www.philanthropy.or.jp/

 

「今なら社会の役に立てる!」

梅津:髙橋様は日本フィランソロピー協会の活動を通じて30年以上にわたり、生活者と企業の共創を導いてこられました。また、ご自身も社会貢献に携わり、同世代の人々の社会参加も間近で見てこられたと思います。

私たちは、企業が今後社会をより良くしていくための共創のパートナーとして、60代女性こそ有力なのではないかと考えているのですが、髙橋様はこの年代の特徴をどう捉えていますか?

髙橋:今の60代が生まれたのは昭和27〜35年ごろ。男女雇用機会均等法で女性の社会進出が促進される前の世代で、まだ専業主婦が圧倒的に多い年代です。戦後から男女平等は叫ばれていたものの、いざ、ふたを開けてみると女性が働く場所の選択肢は少なく、社会に対する自己効力感を持ちようがなかった人がほとんどです。しかし、心のどこかでずっと社会の役に立ちたい、自己実現したいという思いは常に持ち続けていたのだと思います。

それから数十年がたち、女性が当たり前のように社会参加する時代が訪れました。60代女性の効力感が高い背景には、「今なら社会の役に立てる。やっていい時代だ」という思いと、「私なりに子育て、家事、近所づきあいや親戚づきあいを苦労してやってきた」という、失敗体験も含めた自信があるのではないでしょうか。

大内:実際に、NPOやボランティア活動で活躍されている60代女性は多いようです。もともと女性は、地元に根ざしてPTA活動や子どもへの本の読み聞かせ活動を行うなど、身近な社会への貢献度は高かったと思いますが、社会環境の変化とともに、彼女たちが接する社会の面積が徐々に広がっているのかもしれません。

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髙橋:60代女性には“共助”の精神が根付いているのではないでしょうか。子育てに関しても、特に都会では核家族化が一気に進みましたが、今ほど社会的なセーフティーネットが整備されていなかったので、近所で助け合わないとやっていけないのが現実でした。

私も子どもを幼稚園に通わせながら働いていたとき、子どもが熱を出したので近所の友人に預かってもらったことがあります。でも、その友人の子どもに風邪をうつすわけにはいかないので、友人は、また別の家庭に自分の子を預けてくれたんです。そうやって助け合いながら、なんとかやりくりしてきた世代なので、目の前で困っている人がいたら助けようという気持ちになるのかもしれません。

梅津:そういった中で女性たちは「社会」を「自分の暮らしと地続きの感覚」で捉えることに比較的慣れているのかもしれませんね。

そのような背景もあるのでしょうか。昨今はコロナ禍を機に見えてきた社会課題、生活に困っているシングルマザーの方々の支援や、例えば生理の貧困の問題など、地域で率先して活動している方の姿をよく目にします。

ちなみに、以前テレビで、大阪の中高年女性の方々がホームレス支援活動を行う様子を見たことがあります。“尊いおせっかい”が社会課題を解決する、と言ったらよいでしょうか。

どうしても遠慮したり躊躇しがちな、他人の人生に踏み込むような領域に、あえて乗り込んでいく勇気と深い包容力。人生でさまざまな経験を積んでいるからこそ持てる強さなのだと感じました。私もそのようなおばちゃんになりたい!と、これから年を重ねていく自分に、前向きで高い目標を与えてもらった出来事です。

髙橋:あくまでも個人的な感覚ですが、いのち・平和・正義といった事柄に、本能的に反応する女性が多くいるように思います。

また、女性に限らずですが、60代の方々は高度経済成長をリアルに体験し、バブルとバブル崩壊、リーマンショックや東日本大震災、そして新型コロナウイルス流行と、さまざまな時代の変遷を経験してきました。だからこそ、いろんな立場の人のことを考えられるのかもしれません。多くの変化を見て知っているからこそ、共感のポイントをたくさん持っているのでしょうね。

女性がボランティアを始めるきっかけの一つが、夫の退職!

大内:社会の変革を先導する人は少ない世代かもしれませんが、組織やコミュニティーと一緒に身近な部分から具体的に何かを良くしていく。ある意味、身の丈から始まる感覚であることが多いかもしれません。

髙橋:身の回りのことへの感受性の高さに加えて、時代の変化も60代女性に活力を与えていると思います。例えば、これまで多くの女性が担ってきた家事・育児は、マイナスをゼロにする仕事だとか、経済的な評価につながらない仕事だといわれてきました。でも、時代が変わって家事・育児の価値が見直されたことで、「私たちがやってきたことは価値があることなんだ」と再発見できたことは大きいのではないでしょうか。

大内:確かに、時代が変わり、さらに「人生100年時代」という感じ方が生まれたことで、「自分たちはまだまだこれから」と社会参加を始めるケースはありそうですね。

髙橋:ちなみに、女性がボランティアを始めるきっかけの一つが、夫の退職なんです。夫が一日中家にいると、いろいろ言われるし、ご飯を毎日3食用意するのも面倒になる。そこで、外出する口実としてボランティアを始めるのです(笑)。そのうち夫も付いてきたり、手伝わされたりするので、男性がボランティアを始めるきっかけも、妻の影響というケースが多いです。

梅津:それは面白い現象ですね。企業の共創パートナーとして60代女性が有望だと思っていたのですが、結果的に旦那さまも巻き込むことができれば、さらなる効果が期待できますね。

60代女性が輝く“出番づくり”の力量が問われる

梅津:ここからは、60代女性に企業はどのようなアプローチをすべきかを考えてみたいと思います。最近、日本フィランソロピー協会から出版された本『共感革命 フィランソロピーは進化する』の中で、「日本人に必要なのは、“居場所”と“出番”」という言葉が印象に残っています。

共感革命
公益社団法人日本フィランソロピー協会『共感革命 フィランソロピーは進化する』中央公論事業出版,2021

髙橋:「居場所と出番」は福祉でよく使われる言葉です。60代女性に寄せて考えると、家の中に「居場所と出番」があるだけでなく、家の外にも、彼女たちが輝く出番を用意することが重要です。特に子育てが終わった世代ですから、社会の中で、自分が役立つ出番があることで、人生に広がりを感じられ、一人の人間としての幸せを感じることができるのではないでしょうか。  

例えば、2020年度「企業フィランソロピー大賞」で入賞したそごう・西武は、お店に履かなくなった子ども靴を預かるカウンターを設置し、集まった靴を途上国の子どもたちに配布しています。

洋菓子ブランドのアンリ・シャルパンティエは、お菓子を1個減らした詰め合わせを通常価格で販売し、1個分の材料・資材などの費用にあたる金額を東日本大震災の復興支援団体等への寄付、奨学金によるパティシエ育成などに活用しています。これらの取り組みは、お客さまが社会貢献する“出番”をつくっているわけです。

大内:面白いです。大げさな出番ではなく、お客さまにとって身近な出番であることもポイントですよね。

梅津:確かに、いきなり社会貢献やボランティアといわれると構えてしまいますが、身の回りの小さなこと、自分と関係があることから始められるのは重要だと思います。日本フィランソロピー協会が普及活動をしている「誕生日寄付」にも通じるものがあります。

サステナビリティ&パーパス調査0405
「誕生日寄付」ポスター https://www.birthday-donation.jp/

髙橋:そうですね。自分の誕生日や結婚記念日などに、子どもや孫、次世代の子どもたちの未来のために寄付をする。自分の誕生日や記念日が、誰かのためにも大切な日になるのは素敵なことだと思ってスタートしました。

梅津:365日、誰かの効力感が常に実現されていく。この企画はすばらしい!

髙橋:ロンドンのある街で、低所得者向けに食事を提供している施設があって、そこでは時々誰かが「今日は、私の誕生日だから」と言って、食材をキッチンに持ってくるという話を聞いたことがあります。決して大げさではないけれど、「ありがとう」「おめでとう」のやりとりの中に、さりげない優しさや奥ゆかしさがある。これは、日本的な価値観とも通じるものがあると感じます。

梅津:なるほど、その「さりげない優しさや奥ゆかしさ」と効力感を掛け合わせる…これも、プランニングのヒントになりそうです。

年齢と共に利他的になるのは合理的!

大内:先のご本では、「年齢と比例して、人は利他的になる。高齢化社会とは、幸せな人が増える社会」といった言葉もありました。

髙橋:年を取ると利他的になるのは、ある意味で合理的なんです。体がどんどん弱くなって老けていく自分を見ていてもロクなことはありません(笑)。だから、自分を見つめるよりも他人に目を向けてがんばったほうが結果的に健やかで元気に過ごせます。

梅津:それは面白い視点です。そう考えると、一人一人が他人のためにがんばった結果を見える化することも大切なのでしょうか?

髙橋:役に立ったことを可視化することは大切ですが、必ずしも細かく数値化する必要があるとは限りません。「やってよかった。次もがんばろう」という満足感とともに、より良い社会になっていくよう強い願いを持つことに意味があると思っています。

それは企業側も同じですよね。一橋大学の野中郁次郎名誉教授は、インタビューの中で「オーバー・アナリシス、オーバー・プランニング、オーバー・コンプライアンスの三大疾病が日本企業を疲弊させた。それよりも、もっと大きなコモングッド(共通善:万人に開かれた普遍的な善)に向けて、人間が本来持っている野性味、創造性を解き放つ必要がある」と説いています。

KPIや成果はあくまでも手段。目先の成果だけにとらわれるのではなく、何のために存在するのか原点に立ち返り、それこそ、パーパスを問い直すことで、仕事のやりがいや面白さ、誇りが生まれ、それが存在意義のある企業の発展につながるのだと思います。

世代を超えた共感が社会を変えていく

髙橋:今の時代に求められるのは中途半端な改善ではなく、社会にインパクトをもたらすダイナミックな流れをつくること。そして、そのときに必要なのは、世代や属性を超えた人間としての共感や信頼、共通善に対する意識だと思います。

大内:「共感」を軸に、生活者と企業の共創を生み出していきたい。きれいごとに聞こえてしまうかもしれませんが、やはりそういったことを本日改めて思いました。

髙橋:あ、“きれい(ごと)”でいいんですよ。理想はきれいじゃないとね。そこに向かっていくものだから!

梅津:本日は、60代女性の「小さな効力感」に火をつけるツボやヒントになるお話をたくさんお伺いできました。

日々、広告コミュニケーションに携わる私たちは、ともすると「共感」の意味合いを非常に狭い領域でしか捉えてこなかったかもしれません。

しかし今、生活者と企業の共創を生み出す上で必要なのは、「その共感が拡がることで、人がより良く生きることができ、社会も変わる」という、よりスケールの大きな「共感」だと思います。そういった共感を生み出すことができた企業こそが、“同志”として人々から愛されていくのだと思いますし、私たち電通自身も、そういった本質的な「共感」を生み出していけるよう、コミュニケーションのスキルをもっと磨いていかなければならないと痛感しました。

髙橋様、ありがとうございました!


調査概要
 
“サスティナビリティ”や企業/ブランドの“パーパス(社会に対する志・社会的存在意義)”に関する意識調査
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査時期:2020年10月26~28日
  • 調査エリア/対象:全国20~74歳男女2000人
  • 調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
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ワクチン接種率上昇でも行動制限を緩和できない可能性…医療現場が逼迫しやすい日本の特殊性

はじめに

 新型コロナウイルスの変異株が猛威を奮うなか、政府は7月12日から8月22日までとされていた東京と沖縄の緊急事態宣言を8月31日まで延長することに加えて、首都圏3県と大阪にも同宣言を発出した。

 宣言の下では、経済活動に抑制圧力がかかることは避けられないだろう。しかし、一方で緊急事態宣言慣れなどにより人流抑制の効果が低下していること等からすれば、今回の決定でも経済活動への悪影響が限定的になる一方で、感染抑制効果も限定的になる可能性がある。

大幅縮小する緊急事態宣言の経済的影響

 過去の緊急事態宣言発出に伴う外出自粛強化により、最も悪影響を受けた需要項目が個人消費である。そして、実際に過去のGDPにおける個人消費と消費総合指数に基づけば、2020年4~5月(発出期間4月7日~5月25日)にかけての個人消費は、1回目の緊急事態宣言がなかった場合を想定すれば、▲4.4兆円程度下振れしたと試算される。

 しかし、2021年1月8日~3月21日までの2回目の緊急事態宣言の影響は、同様に推計すると、第1回目の1/4程度の▲1.2兆円程度だったことが推察される。なお、沖縄を除く3回目の緊急事態宣言が4月25日~6月20日までであり、これまで4月の個人消費が▲0.3兆円下振れしていたことから、3回目の緊急事態宣言は1日当たり個人消費を▲500億円程度押し下げていたと予想していた。

 しかし、その後の消費総合指数5月分公表とともに過去のデータも改訂されたため、影響を推計しなおすと、緊急事態宣言慣れの影響か4~5月の個人消費が▲0.8兆円の下振れにとどまるとの結果になった。このため、3回目の緊急事態宣言は1日当たり個人消費を▲203億円程度の押し下げにとどまっていたと計算し直される。そして、沖縄除く緊急事態宣言が57日間であったことからすれば、3回目の緊急事態宣言では個人消費が▲203億円×57日=▲1.2兆円程度の下押しにとどまっていたとの結果になる。

GDP、年率換算▲2.3%程度押し下げ

 そこで、これまでの東京と沖縄の緊急事態宣言が7月12日~8月31日までに延長され、首都圏3県と大阪が来週から加わる場合の影響を試算してみた。直近年の県民経済計算を基に今年4月時点で発出されていた地域の家計消費の全国に占める割合を算出すると、東京14.4%+京都2.1%+大阪7.2%+兵庫4.2%=27.9%となる。また、5月12日から発出された愛知と福岡が6.1%+3.7%=9.8%、5月16日から発出の北海道、岡山、広島が3.9%+1.4%+2.1%=7.4%、5月23日から発出の沖縄が0.9%となる。

 一方、今回の発出はこれまでの東京と沖縄の14.4%+0.9%=15.3%に埼玉、千葉、神奈川、大阪の5.8%+5.1%+7.8%+7.2%=25.9%が加わる。このため、地域拡大や延長も含めた今回の緊急事態宣言に伴う消費押し下げ圧力を今年4~5月の▲203億円/日を基に試算すれば、マクロの個人消費押し下げ効果としては▲0.88兆円程度にとどまると試算される。

 なお、家計消費には輸入品も含まれていることからすれば、そのまま家計消費の減少がGDPの減少にはつながらない。事実、最新となる総務省の2015年版産業連関表によれば、民間消費が1単位増加したときに粗付加価値がどれだけ誘発されるかを示す付加価値誘発係数は約0.85程度となっている。

 そこで、この付加価値誘発係数に基づけば、GDPの減少額は▲0.75兆円程度にとどまると計算される。それでも2021年7-9月期のGDPを▲0.6%程度押し下げることになり、年率換算では▲2.3%程度押し下げる計算になる。

 また、近年のGDPと失業者数との関係に基づけば、実質GDPが1兆円減ると1四半期後の失業者数が+5.6万人以上増える関係がある。従って、この関係に基づけば、4回目の緊急事態宣言発出により、それに伴う3カ月後の失業者の増加規模はトータルで+4.2万人程度になると試算される。

行動規制の完全解除に不可欠な医療提供体制の拡充

 以上のように、緊急事態宣言発出に伴う経済への悪影響が縮小している可能性が高いが、一方で新規陽性者数の抑制効果が限定的になっていることには注意が必要である。東京都に4回目の緊急事態宣言が発出されたのが7月12日であり、その効果は1~2週間後に現れるとされている。しかし、すでに8月に差し掛かっているにもかかわらず、東京都の新規陽性者数は増加の一途を辿っている。

 一方、英国ではワクチンの部分接種率が7割近くまで到達しているにもかかわらず、新規陽性者数は増加に転じた。そして、7月下旬からは減少に転じているものの、依然として人口当たりの新規陽性者数は日本の10倍以上の水準にあることがわかる。この事例は、日本で今後ワクチン接種率が上昇したとしても、経済活動の規制を緩和すれば新規陽性者数が増えることを示唆している。

 しかし、英国ではそれでもワクチン効果で重症者数や死者数が抑制されているとして、7月下旬から大部分の行動規制を解除している。こうしたことからすれば、日本でも大部分の行動規制を解除するためには、ワクチン接種率が欧米並みにキャッチアップした暁には、行動規制の条件を徐々に新規陽性者数から重症者数や死者数にシフトしていくことが求められる。

 ただ、ワクチン接種率が欧米並みに進んだとしても、日本では行動規制の条件を緩和できない可能性があることには注意が必要だろう。というのも、これまでの経験則では、日本では欧米に比べて新規陽性者数の数が少ないにもかかわらず、医療現場がひっ迫しやすいからである。欧米と異なり日本では民営病院の比率が高いこと等から当局の制御が効きにくいこと等が指摘されているが、こうした医療提供体制を放置して、新規陽性者数の増加に伴い行動規制を繰り返せば、日本経済は今後も正常化に向かうチャンスを失うことにもなりかねない。

 そもそも、日本経済は他国と異なり、景気後退下の消費増税などにより、コロナショック前から経済は正常化していなかった。したがって、日本経済における行動規制を完全に解除するには、ワクチン接種率を一刻も早く欧米並みに進捗させるとともに、欧米並みに人口当たりの新規陽性者数が増えても医療提供体制がひっ迫しない環境を構築することが条件といえるだろう。

(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)

●永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト

1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒。2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年第一生命保険入社。98年日本経済研究センター出向。2000年4月第一生命経済研究所経済調査部。16年4月より現職。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事、跡見学園女子大学非常勤講師、国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、あしぎん総合研究所客員研究員、あしかが輝き大使、佐野ふるさと特使、NPO法人ふるさとテレビ顧問。

小此木氏が落選すれば菅首相は失脚か…横浜市長選が激戦、自民党は党利党略でIR賛成→反対に豹変

 今月8日告示・22日投開票の横浜市長選に注目が集まっている。菅義偉首相のお膝元であり、菅首相の全面支援を受ける小此木八郎元国家公安委員長が落選した場合、菅首相が失脚する可能性が出ているためだ。横浜市長選の主要争点はカジノを含むIR誘致だが、推進してきた自民党が一転反対となったことも「選挙に勝つことしか考えていない党利党略」と市民の不信感を買っている。

 菅政権は新型コロナウイルスの感染拡大への対応のまずさもあり支持率が低迷するなか、まさに菅首相の進退をかけた「天下分け目の戦い」の性格を強めている。

菅首相、小此木氏への「全面支援」が保守分裂招く、負けたら菅降ろしが本格化

 今回の横浜市長選をめぐっては、自民党はIR推進の立場を一貫して取ってきた。市民からは異例の約20万もの反対署名が集まるなど強行姿勢に反感が高まるなか、現職の林文子市長は後ろ盾である菅首相や自民党の方針に従ってきた。ところが、6月末に突然、小此木氏が「IR誘致反対」を唱えて市長選に出馬し、菅首相が「全面支援」すると表明したことで、一気に保守分裂選挙となった。以下は全国紙政治部記者の解説。

「要するに、菅首相がIR推進では勝てないと判断して、地元にゆかりのある小此木氏の出馬を認めたということに尽きると思います。菅政権は新型コロナウイルスの感染防止対応がずさんだったことで、報道各社が調査した内閣支持率が危険水域とされる30%台まで急落しています。飲食店への時短要請など外出自粛による国民の不満もある。少しでも反対要素をなくしたいと考えるのは当然で、地元の横浜市長選ならなおさらでしょう。自民党は選挙至上主義ですから、とにかく勝っている間は文句を言われませんが、負けた瞬間に党内から『菅降ろし』の動きが強まるのは必定。今さら林市長に方針を変えてくれとも言えないので、小此木氏を新たな候補として立てたというわけです」

 7月17日に公表された毎日新聞の全国世論調査では内閣支持率は30%で、不支持率はその倍以上の62%。菅首相が最も気にしているといわれるNHKの調査でも7月の内閣支持率は33%と、第2次安倍政権時を含めても歴代最低の数字になっていることからも、菅首相の焦りが伺えるというものだ。

ハシゴ外された林氏「納得いかない」と出馬で保守分裂、選挙後に菅氏の支持基盤弱体化は必至

 一方の林市長は本来なら自民党の支持を得ていたこともあり、候補の一本化などに応じても良さそうなものだが、それは許さない背景があったという。以下は横浜市政関係者の話。

「林市長からすれば、散々悪者にされた挙げ句、都合が悪くなったら辞めてくれというのは応じたくないという意地の部分が大きい。そこをIR誘致で利益を得るはずだった横浜財界と自民議員の一部が『菅首相の方針転換に振り回されるのは我慢できない』と同調したというわけです。もし林市長が当選した場合、公約通りIR誘致を進めることになるわけですが、その時は確実に菅氏の支援が必要になる。その時、一度『反対』の候補者に鞍替えした菅氏の権威は地に落ちてるでしょうから、すんなり事が運ぶかどうか。もはや誰のためのIRなのか、非常識も極まる。

 菅氏の強さの源泉は地元の横浜を秘書時代からの努力と実績で完全に押さえ込んでいるというところにあり、小此木氏が勝った場合でもそこにひびが入るのは避けられない。横浜市政関係者の間では『目先の勝ちに固執しすぎだ』と呆れられています」

 林市長からすれば、落選した場合でも「闘った」という実績だけで経済界の支持は引き続き得られるわけで、次につながる可能性が出てくる。合理的に判断した面もあるだろう。

 ちなみに立憲民主党など野党からは、統一候補として元横浜市立大学医学部教授の山中竹春氏が出馬した。

カジノの裏事情の怪文書が永田町に飛び交う、市財界関係者「前から噂されてた内容」

 さて、選挙の注目度、加熱度のバロメーターの一つに怪文書がある。今回も8月に入って永田町では<小此木八郎氏 横浜市長選の真相と現状>と題したA4版の文書4枚が飛び交っている。内容は、菅首相がなぜIR誘致反対を公約とする小此木氏の支援に回った背景などについて、菅首相の官房長官時代の状況にふれながら述べたものだ。真偽不明ではあるものの、ある横浜市財界関係者はこう話す。

「この文書のなかには林市長が出馬を電話で菅首相に伝えた時、無言の菅首相に対して林市長が『総理、聞かれていますか』と話すと『どうでもいいことだ、私には関係ない』と電話を切ったこと、それと『徹底的にやりますよ』との恫喝ともとれる伝言をしたことが書かれてあります。また、その後に菅氏が和泉洋人首相補佐官などを使い地元ゼネコンに小此木支援をするように工作していることなどが書かれてあるのですが、このような内容は横浜政界で従来からささやかれてきたことで、あながち事実無根ともいえない。

 おそらく、IR推進派で汗をかいてきた人たちのなかで、今回、菅首相と自民党神奈川県連にハシゴを外されたことに憤慨した方によるものではないでしょうか」

 出所もわからない文章ではあるものの、永田町関係者の間では「自然発生的に広まったというようなスピードではなく、明らかに意図的にばらまかれたもの」(ベテラン秘書)との見方が多く、反菅派の横浜市長選への思惑が働いていると考えるのが自然だろう。

山中氏への週刊誌報道に出身の横浜市大が騒然

 野党統一候補の山中氏へも「紙爆弾」が撃ち込まれた。写真週刊誌「FLASH」(光文社)は2日、『横浜市長選「野党統一候補」がパワハラメール…学内から告発「この数年で15人以上辞めている』と題した記事をネットで配信した。山中氏が出身の横浜市立大学医学部教授時代にパワハラ行為を行っていたなどとする内容で、山中氏は「事実無根の報道」として自身のホームページで否定している。

 当然ながら横浜市立大学は騒然となったわけだが、同大の水木信久教授は以下のように述べている。

「記事中では、山中氏の同僚、秘書、部下などが高圧的な言動が原因で15人以上辞めていることになっているのですが、山中氏が在職中に学内でハラスメントをしていたという話は聞いたことがありません。そもそも本学は、2011年に社会問題化したパワハラ行為が発生して、大きく報じられた経緯があり、パワハラには特に厳しく対処している大学です」

 日本最大の人口150万人の基礎自治体の選挙であり、もともと注目度が高い横浜市長選。特に今回は菅首相の進退を賭けた闘いに発展しそうで、22日の投開票の結果に注目が集まっている。

(文=編集部)

「卓球・伊藤美誠に妨害ライト」は韓国でなく『スッキリ』のクルーだった! ネトウヨや夕刊フジがヘイトデマ拡散も日テレは事実隠し

 東京五輪の開幕によって、案の定、ネトウヨが連日のようにレイシズムをあらわにしている。とくに標的になっているのが韓国で、やれ「わざわざ給食センターをつくって原発事故の風評被害を広めようとしている」だの「選手村に反日横断幕を掲げている」だのと数々の言い掛かりをつけているのだが...

パチンコ新台「羽根のない羽根物」に激アツ情報!ファン注目…「人気演者」がサプライズ!?

 動画スターが遊技機に出演する時代が到来している。

 現在YouTubeではパチンコ・パチスロ実戦動画の人気が右肩上がりに上昇している印象。数万・数十万の再生数は当たり前といった雰囲気だ。

 大手チャンネルともなればチャンネル登録者数でも数十万人。王者「スロパチステーション」などは登録者120万人オーバーという人気っぷりだ。

 YouTubeには「パチンコ・パチスロ」のカテゴリが存在しないため、その多くは「ゲーム」のカテゴリとなるが、一時期ブームとなった「ゲーム実況」にも劣らないジャンルとなりつつある。

 その流れもあり、実戦動画で活躍するスターが演出などで登場する遊技機が登場。特に注目を浴びたマシンはコナミアミューズメントのパチスロ機『麻雀格闘倶楽部 真』であろう。

 同機種はプレミアム演出として有名ライター「沖ヒカル」が登場するが、それに加えマルチタレント「兎味ペロリナ」の歌う楽曲も搭載している。

「兎味ペロリナ」といえばディ・ライトの『Sパチスロダイナマイトキング極』において「兎味ペロリナパネル」が登場したことも話題となった。

 パチンコにおいても同様の流れが生まれつつある。

 Daiichiの『Pひぐらしのなく頃に~瞬~』では同社のスタッフが運営するチャンネル「だいいち!」で活躍する「ゆで」と「えに氏」がプレミア演出で登場。同社だから可能であった演出であるが、チャンネルの人気もあり大きな注目を浴びた成功例ともいえるだろう。

 そんな中、9月にリリース予定の新台パチンコ『PAウイニングボール』に注目が集まっている。

 本機は「羽根のない羽根物」というキャッチフレーズのマシンで、羽根物と同じ感覚で楽しめるゲーム性を持った役物機だ。

 その中で演出としてナレーションが発生する模様だが、なんと1GAME「てつ」が声を担当しているという。

 1GAME TVではナレーション収録の様子が公開されており、同チャンネル『1GAMEてつナレーションの迷機が爆誕、収録裏の激レア映像』で確認可能だ。

 本機は既に公式PVが公開されており実際の演出などが紹介されているが、実はその中で流れるナレーションも1GAME「てつ」のようだ。

 気になる方、ご興味のある方は是非1GAMEの動画と公式PV合わせてチェックしてみてはいかがだろうか。

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トウカイテイオー最後の産駒と対戦予定だった「ハルウララ」より勝てない馬 不名誉な“日本記録”を更新し続けても走り続ける事情とは?

 5日の門別競馬場で行われた1Rは、トウカイテイオー最後の産駒キセキノテイオー(牡7歳、門別・岡島玉一厩舎)が出走を予定していることから大きな注目を集めていたが、残念ながら跛行により出走取消となってしまった。

 その一方、“主役”がいなくなったレースで4着に好走したのが、10歳馬ダンスセイバー(牝10、門別・谷口常信厩舎)だ。

 ちなみにダンスセイバーが4着以上に好走したのは、昨年6月以来、約1年2カ月ぶりだ。これだけを見れば、そう珍しくもない話だが、それが「34戦ぶり」と言われれば、少し話が違ってくる。

 実は、特殊な事情で7歳デビューとなったキセキノテイオーがキャリア1戦なら、こちらダンスセイバーは、これまでキャリア218戦を誇る“記録保持者”である。

 ダンスセイバーのキャリアは、13年5月22日門別3Rまで遡る。同年に門別で17戦走るが、最高順位は4着と実を結ばなかった。その後、門別の開催休止にあわせ岩手競馬へ移籍。移籍後は、水沢競馬場で2着と3着をとる活躍をみせた。14年6月に再び門別競馬場へ戻ると、以後現在まで所属を門別一筋としている。

 これまで、2着や3着は数回あるが、勝ち星まで遠い状況が続いている。また、馬券圏内(3着以内)で言うと、18年5月23日以来遠ざかっている。

 白星に恵まれない状況が続いた結果、昨年8月18門別8Rに連敗が193となり、日本競馬の連敗記録を更新した。以降も25戦走って全て未勝利であるため、記録を更新し続けている模様だ。

「負け組の星」として人々から愛された高知競馬のハルウララは、113戦未勝利だった。ダンスセイバーはハルウララより100回以上レースへ出走しながら、未だに勝ち星がない。「ハルウララより勝てない馬」と言うことができるだろう。

 そして、ダンスセイバーに対して一部ファンから様々な声が上がっている。それは、「早く引退させてほしい」「少し休ませてあげてほしい」というものだ。

 ダンスセイバーは今年だけで既に16戦走っている。また、現在11連闘中と最近は毎週レースへ出走している。中央競馬では、まずあり得ないローテーションだが、実はこれには地方競馬ならではの理由がある。

 ダンスセイバーはじめ多くの競走馬は馬主が調教師へ預託料を支払い、馬の調教や世話をお願いしている。そのため、競走馬は最低でも預託料を埋め合わせる程度の賞金を稼がなければ“赤字”となり、馬主から手放される可能性が高くなる。

 ちなみにダンスセイバーが所属するホッカイドウ競馬の預託料は月約17~36万円程度のようだ。では、今なお未勝利で苦戦が続くダンスセイバーは、どうやって自らの預託料を稼いでいるのか。

 それが、「出走手当」という制度だ。

 出走手当は、着順に関係なくレースへ出走する支給される手当だ。ホッカイドウ競馬の場合、ダンスセイバーが在籍するC4クラスでは一走ごとに7.5万円支給される。そのため、月に3回完走さえすれば、預託料のほとんどを稼いだ計算になる。着順によっては出走手当以外の賞金も獲得できるが、少なくとも必ず貰える出走手当を預託料のアテにするならば走り続けるしかないのだろう。

 ダンスセイバーの凄さは、怪我をしやすいサラブレッドながら大きな怪我を負わず200戦以上走り続けていることだ。怪我なく走り続けたハルウララが現在安らかに余生をおくっているように、同じく走り続けたダンスセイバーにも幸ある未来が待っていることを願いたい。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

パチスロ新台『まどかマギカ前後編』へ「称賛」の声が続出!「負けても楽しい」の意見も…【初打ち実戦速報-パチスロ-編】

 日本の「アニメ」は世界に誇る文化であるが、「社会現象」といわれるほどヒットした作品はどれも幅広い層から支持されている印象だ。

「機動戦士ガンダム」や「新世紀エヴァンゲリオン」などパチンコ・パチスロでも馴染み深い作品が存在するが、その中でも「魔法少女まどかマギカ」はパチスロ界を牽引してきたコンテンツといえる。

 8月2日、そんな大人気シリーズの最新作『SLOT劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語』がホールへ降臨した。

 筐体や演出など初代『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』を踏襲した仕上がり。ファンからの期待感は、かつてない大きさとなっている印象だ。

 そんな本機は、どのような評価を得ているのだろうか。実際に遊技してきたユーザーの実戦報告や感想へ注目。それらを踏まえて我々編集部が独断と偏見で、本機の将来性をジャッジさせていただいた。

 これから遊技する方、気になっている方は是非参考にしていただきたい。

『SLOT劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語』(MIZUHO)

 本機は純増約2.5枚のAT「マギカラッシュ」が出玉のカギを握る。差枚数管理型ATとなっており、初期差枚数100枚以上からスタート。AT中は差枚数上乗せや特化ゾーン「ワルプルギスの夜」突入抽選を行っており、その大部分が「マギカアタック」での報酬となる。

「マギカアタック」はレア役や穢システムで発動する2G完結の特化ゾーン。1G目でベルやリプレイなど指定の役を決定し、2G目で指定役を含むレア役でボーナスや特化ゾーンを抽選する仕組みだ。

 通常時の主に「レア役」「CZ」「規定ゲーム数」からATを目指すゲーム性。レア役は強レア役で直撃、スイカでCZを期待するシリーズお馴染みの役割となっている。

 ロングフリーズ発生時は「アルティメットボーナス」が発動。消化後に突入する「救済の祈り」は非常に強力な特化ゾーンで、AT完走の期待大となっている。

【プレイヤーからの実戦報告】

 実際に遊技したユーザーの反応は概ね上々の印象だ。中には「マイナスだけどまだ打ちたい」という意見も存在。早くも虜になっているユーザーも続出している。
 
 具体的な感想としては「ATがやれない」「高設定でも厳しい結果に」といった内容もあるが、「ストレスなく打てる」「必ずラッシュからスタートするのは良い」「前作より完走しやすい」という意見が目立つ。

【ヒットの可能性は?】

 前作と比較した評価が多い印象だが、そのデキに満足しているユーザーも多いようだ。敗北を喫した場合でも高評価の声が存在するというのは、今後の人気を大きく左右する要素とも言えるだろう。

 しかしながら、新台期間ということもあり高設定が多い状況とも考えられる。評価が甘くなっている可能性もあるだろう。今後の通常営業日こそ、本当の評価が下されるのかもしれない。

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17歳女子高生TikTokerの性行為動画流出、買った人も処罰?なぜ警察は動かない?

 17歳女子高生の人気TikTokerの性行為動画が流出したことが大きな話題になっている。

 大学生「やすたか」と女子高生「あみち」によるカップルTikToker「越の国から。」は、10代女子を中心に高い人気を誇る。

 人気配信者「コレコレ」の配信にやすたかが出演して明かしたところによると、あみちと元カレの性行為動画がインターネット上で売買されているという。その動画はあみちの元カレが撮影したもので、あみちと元カレがInstagramのDMの中にあったが、何者かに不正アクセスされて流出したようだ。

 Twitter上で動画が売買されていることを把握したやすたかは、販売している人物を自力で特定したものの、証拠が不十分であるとして警察が動いてくれる可能性は低いと判断し、その人物の個人情報をツイッター上に晒した。すると、当該動画はかえって一気に拡散されることになった。

 その後、動画に映っている女性があみちだと明るみに出たことで、この動画を売買する人が急速に増加。自分の手に負えなくなったことで、コレコレチャンネル出演して対応を相談した。コレコレは、動画を売買している人々を訴えて慰謝料を請求するように助言したが、やすたかはすでに警察や弁護士に相談したが、取り合ってもらえなかったという。

 17歳女性の性的な動画ということで児童ポルノに該当すると思われるが、その動画を所持・売買・拡散させることはどのような罪になるだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は、次のように解説する。

「他人のInstagramに不正にアクセスしてデータを引き出したのであれば、『不正アクセス行為の禁止等に関する法律』により、3年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられます。また、17歳の女子高生の性行為動画を所持したり、これを拡散したりすれば、いわゆる児童ポルノ規制法により、3年以下の懲役か300万円以下の罰金が科せられます。動画を買った人間も『17歳の女子高生の性行為動画を所持した』ということで、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられます」

 不正アクセスして動画を盗み出したり売った人物は当然だが、買った人やダウンロードした人も罰せられる可能性がある。だが、やすたかが警察に相談しても取り合ってもらえなかったのは、なぜなのだろうか。

「被害者の彼氏が、警察や弁護士が相手にしてくれなかったと訴えていますが、『被害者の彼氏』は、法律的には『無関係な第三者』のため、相手にしてくれるはずがありません。被害者である女性本人か、その親御さんでない限り、『部外者は帰ってくれ』となるが当然の対応といえます」

 ネット上に流出した有名女子高生の性行為動画。不正アクセスによって流出したとはいえ、そもそもこのような動画を撮影した“元カレ”も、児童ポルノ規制法違反として摘発されるべきではないだろうか。

(文=編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。