甘デジ新台「安心の2回ループ」で一撃も狙える!? 超ビッグタイトルがシリーズ初の「W HAPPYシステム」を搭載!【新台分析―パチンコ編―】

 2006年に初代がデビューして以降、数々のシリーズ機が登場している『冬のソナタ』(京楽産業.)。同社が誇る看板コンテンツとして長年活躍し続けているが、その最新作となる『冬のソナタ SWEET W HAPPY Version』が間もなくデビューする。

 初の甘デジタイプは08年の『CRAぱちんこ冬のソナタ2 SweetVersion』で、それ以降は『Final Sweet Kiss Version』『Remember Sweet Version』など定期的にリリースされている状況。スぺックはいずれも確変ループタイプを採用しているが、今作の『SWEET W HAPPY Version』にはシリーズ初となる「W HAPPYシステム」を搭載し、その安心感と爆発力はこれまでのシリーズ機史上最高クラスといえるだろう。

『ぱちんこ 冬のソナタ SWEET HAPPY Version』

■大当り確率:1/99.9→1/44.8
■確変突入率:35%
■電サポ回数:30回or 100回or 298回
■大当り出玉:400個(4R)or 1000個(10R)
■カウント:10C
■■遊タイム発動回数:低確率状態299回転消化後 電サポ370回
〇〇〇

 スぺックはV確変ループタイプで、確変突入率はヘソ・電チュー問わず35%。残りの65%は通常大当りとなるが、大当り終了後は「30回or100回or298回」の時短が必ず付与される。

 見事確変を引き当てることができれば、2回ループ確定の「W HAPPY システム」が発動し、初当りを含めて最低でも計3回の大当りが確定。さらに、その途中でふたたび確変を引くことできれば、そこから2回ループが加算されるため、ヒキ次第では甘デジらしからぬ出玉も十分に狙えるのだ。

 また、本機は遊タイム機能を搭載しており、低確率状態299回転消化で時短370回「恋愛チャンス」へ突入。先述したように、通常大当り後は298回の時短に突入する可能性があるが、仮にそうなれば時短終了後1回転で遊タイムへ到達することとなる。

 本機の導入は9月6日の予定だが、すでに同社の直営店では8月27日よりフィールドテスト導入を開始中。全国導入よりも一足先に遊技したいという方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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JRA武豊でも、川田将雅でも、福永祐一でもダメ……大塚亮一オーナー「3.6億円馬」ザレストノーウェア「最後の未勝利戦」でも見せ場なし

 5日、小倉競馬場で行われた4Rの3歳未勝利は、10番人気のウインヴァカンス(牝3歳、栗東・寺島良厩舎)が勝利。向正面で積極的に先頭に立つと、そのまま押し切って貴重な1勝を挙げた。

「連戦でテンションも高かったのですが、なんとか勝ち切ってくれてよかったです」

 前走から連闘で臨んだ最後の未勝利戦。レース後、鞍上の松若風馬騎手がそう語った通り、背水の陣に追い込まれた陣営のなりふり構わない積極策が実を結んだ格好だ。

 それも当然だろう。この日、各競馬場で行われたのは3歳馬にとって最後の未勝利戦。ここで敗れると一気に現役続行が厳しくなるため、各陣営にとっても是が非でも負けられないレースだった。ウインヴァカンスにしてもキャリア13戦目、今年10戦目にして掴んだ執念の初勝利だった。

 しかし、その一方、わずか3戦で競走馬としての節目を迎えてしまった良血馬がいる。この日、2番人気ながら7着に敗れたザレストノーウェア(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 2015年の2冠馬ミッキークイーンの全弟として、一昨年のセレクトセール1歳部門で最高落札額となる3億6000万円を記録した超エリート。落札したのは「アドマイヤ軍団」の総帥として有名な近藤利一さんだったが、後に他界したことで大塚亮一オーナーの所有馬となった。

 2歳になって関西の名門・友道康夫厩舎へ入厩し、デビュー戦の鞍上は武豊騎手。ここまで文句のつけようもないエリート街道にも見えるが、デビュー戦で5着に敗れると、仕切り直しの未勝利戦では川田将雅騎手を配して1番人気に推されるも10着に大敗……。

 この日、大塚オーナーの所有馬ワールドプレミアで今年の天皇賞・春(G1)を制した福永祐一騎手に最後の望みを託したが、後方から7着まで追い上げるのがやっとだった。

「セレクトセールで史上11位となる3億6000万円を記録したこともあって、幼駒の頃の評判が高い馬でしたが、どうにも脚元に問題があったようで、なかなかレースを使える状態に仕上げられなかったようです。

その後、左後肢を骨折してしまってデビュー戦は3歳2月と遅くなり、まさかの4番人気という“低評価”……結果論ですが、この時点でもう歯車が狂っていたと言わざるを得ません。

今後は現役を続行するなら、1勝クラスへの格上挑戦や地方への移籍などが選択肢になりますが、ダートで実績が劣るディープインパクトの産駒だけに、やはり現役続行なら中央の芝で頑張ってほしいですね。

それにしても、セレクトセールの高額馬は何故、走らないのでしょうか……」(競馬記者)

 記者がそう話す通り、日本……いや、世界最高峰の競走馬競り市セレクトセールには、超高額で落札された馬が何故か期待されたような活躍ができないジンクスがある。

「唯一抜きんでて並ぶ者なし」という馬名の意味からも、大塚オーナーの特別な期待が伝わってくるザレストノーウェア。最後の未勝利戦を敗れてしまったが、キャリアはまだ3戦。このまま引退するにはあまりにも惜しい素材だ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

富士フイルム、事務機メーカーから先進医療企業への転身に成功…過去最高益も視野に

 富士フイルムホールディングス(HD)は8月13日、6月29日付けで社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した後藤禎一氏が初の決算発表を行い、2022年3月期の連結決算(米国会計基準)の業績予想を上方修正した。

 売上高は前期比14%増の2兆5000億円。従来予想(11%増の2兆4400億円)から600億円上振れする。営業利益は21%増の2000億円で200億円引き上げた。純利益は12%減の1600億円と減益だが、従来予想を300億円上回る。成長のための最重要分野と位置付けるヘルスケアが好調だ。M&A(合併・買収)で拡大してきた医療機器が増えるほか、バイオ医薬品の開発受託製造(CDMO)も伸び、先行投資が実を結び始めている。

 同時に発表した21年4~6月期の売上高は前年同期比28%増の5826億円、営業利益は2.7倍の563億円だった。ヘルスケアの売上高は58%増の1742億円、営業利益は4.7倍の207億円。同部門が連結売上高の30%、営業利益の37%を占め、貢献の度合いはこれまでの最高となった。

 ヘルスケアで主力の医療機器などメディカルシステム事業は3月末に日立製作所から画像診断機器の買収(1790億円)を完了した。バイオ医薬品の開発受託製造(CDMO)も想定以上に伸びた。米国拠点での新型コロナワクチンの原薬製造などが寄与し、売上高は73%増の339億円となった。

 バイオCDMO事業は主力拠点の米ノースカロライナ工場での生産能力の増強などで、すでに6000億円を投資した。6月には欧米のバイオ医薬品の拠点増強に900億円を追加出資すると発表した。新型コロナワクチンや最先端医療分野の遺伝子治療薬などの原薬の生産能力を向上させる。稼働は2023年後半の予定だ。

事務機からヘルスケアに主役が交代

 24年3月期までの新中期経営計画では、3年間で設備投資や研究開発などに1兆2000億円の成長投資を実施する。最終年度の24年3月期の連結売上高は2兆7000億円、営業利益は過去最高となる2600億円を目指す。

 1兆2000億円のうち1兆円をヘルスケアなどの新規・重点領域に振り向ける。新しい社長となった後藤氏は「ヘルスケアが事業の核となり、ここで収益を上げていく」と強調した。新中計でのヘルスケア事業の24年3月期の売上高は8600億円、営業利益1030億円を見込む。事務機器関連を抜き最大の収益源となる。中計期間に積み増す営業利益1000億円のうち、470億円をバイオ・医薬品で稼ぐ計画だ。

 新中計で事務機からヘルスケア(医療)に主役が交代する。かつては写真フイルムが大きな収益源だったが、デジタルカメラの登場で需要が急減。2000年代からは事務機が主力事業になった。新中計ではヘルスケアを成長の柱に据える。

 日経平均株価が冴えないなかでも富士フイルム株は上昇基調を維持、8月16日には前週末比673円(8%)高の8649円まで上昇し、上場来高値を更新した。終値は541円(7%)高の8517円だった。

 翌17日も高値を更新。8月18日には一時、8965円(326円高)まで上げ、終値は8920円(281円高)と9000円に接近。株価上昇に弾みがついた格好だ。さらに9月1日、9211円(前日比143円高)と上場来高値をつけた。終値は9176円(108円高)だった。株価は大台替わりを演じ9000円台に定着したように映る。

富士フイルムビジネスイノベーションにブランド名を変更

 19年11月、米ゼロックスとの合弁会社、富士ゼロックスの米ゼロックスの持ち分(25%)を2500億円で買い取った。これで富士フイルムの100%子会社となり、57年間に及ぶ合弁事業はピリオドを打った。

 米ゼロックスとの資本関係の解消に伴い、ゼロックスブランドは使えなくなった。4月1日に富士ゼロックスは社名を富士フイルムビジネスイノベーションに変更した。中計では事務機器などのビジネスイノベーション部門の24年3月期の売り上げ目標を8200億円、営業利益820億円とした。DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進の波に乗りたいと考えている。

 複合機の世界シェアは9%。リコーやキヤノンなどに次ぐ第5位である。英語圏ではコピーすることを「ゼロックスする」という。ゼロックスの知名度は高く、これまで支払ってきた年間100億円のブランド使用料以上の有形無形のメリットがあったはずだ。

「米ゼロックスへの製品供給がどうなるかだ。これが富士フイルムのアキレス腱となることだってある」との指摘もある。現在は、富士フイルムの工場で生産する複合機を米ゼロックスに供給しているが、24年に契約の更新期を迎える。もしゼロックスが調達先を切り替えれば、工場の稼働率は一気に落ち込む。

 欧米進出はOEM(相手先ブランドによる生産)供給から始めることになる。自社ブランドで欧米に進出するといっても、無名のブランドで成功を収めるのは至難の業(わざ)だ。脱ゼロックスは大きな試練である。カメラや事務機中心からバイオ医薬品の大型投資をテコに総合ヘルスケアカンパニーへと業態を大転換する。後藤禎一社長兼CEOの正念場だ。

 長年親しまれてきたブランドを失うことが致命傷になることはゼロではない。

(文=編集部)

JRA「勝因は騎手」調教師も認めた大胆騎乗、ユーバーレーベン兄の勝利は「マイネルデムーロ」の決定打!? 後ろ盾無くした“元”主戦騎手に忍び寄る脅威

 5日、新潟競馬場で行われた新潟記念(G3)は、M.デムーロ騎手が騎乗のマイネルファンロン(牡6、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。単勝12番人気の大穴の勝利で、2着トーセンスーリヤとの馬単は3万4410円。3着クラヴェルを含めた3連単の払戻は26万4560円という波乱の決着となった。

「この勝負服で勝ててとても嬉しいです。スタートでつまずいて後ろからになりましたけど、他馬と離れたことでリズム良く行けました」

 レース後にそう振り返ったデムーロ騎手が“この勝負服”と説明したのは、マイネルファンロンを所有するサラブレッドクラブ・ラフィアンの勝負服のことだ。

 新潟記念から遡ること約4カ月前。同じくラフィアンの馬で、デムーロ騎手がオークス(G1)を制したのは、まだ記憶に新しい。このとき、最後の直線で伸びを欠いた大本命ソダシを外から豪快に差し切ったのは、マイネルファンロンの妹ユーバーレーベンだった。

 3歳春にクラシックを制した妹とは違い、重賞で善戦まではあっても2着が最高と勝ち切れない競馬が続いていた兄。6歳を迎えた夏、待望の重賞タイトルを初めて手に入れた。

 そして、この勝利はデムーロ騎手の好騎乗なしには語れないだろう。

 7月下旬から始まった新潟開催も今週が最終週。まだ内を通った馬の健闘も目立った先週の開催とは打って変わり、外の馬が伸びるケースが増えていた。

 17頭立てで行われた芝2000mのレース。スタートのよくなかったマイネルファンロンをデムーロ騎手は、無理に行かせず後方からの競馬を選択する。積極策からの粘り込みが好走パターンだったマイネルファンロンとしては意外な位置取り。これまでの乗り方と正反対にも思える後方待機策は、一歩間違えれば惨敗しても不思議ではなかったはずだ。

 しかし、初コンビながらも最高の結果を出してしまったところが、デムーロ騎手の勝負強さといえるのかもしれない。

 新潟外回りの直線は長いとはいえ、4コーナーを過ぎてもマイネルファンロンの位置取りはまだ15番手の後方。末脚が武器のイメージが薄かった同馬にとって、先頭までの道のりはあまりにも長過ぎるように思われた。

 ところが、この日のマイネルファンロンは、これまでとは見違える姿を披露する。大外に持ち出され、デムーロ騎手がゴーサイン。外ラチ沿いから目の覚めるような切れ味を発揮すると、瞬く間に前にいた馬を差し切ってしまったのである。

「マイネルファンロンには、ラフィアンの主戦騎手である柴田大知騎手や丹内祐次騎手が、主に手綱を取ってきましたが、ここまで大胆な脚質転換は見せたことがありませんでした。実際、先行策で好結果を出していたこともあり、後ろから行くという発想そのものがイメージしにくかったこともあるのでしょう。

ですが、デムーロ騎手が新たな可能性を引き出したといえます。こういった先入観に捉われない柔軟な発想を持っていることも、デムーロ騎手ならではですかね。長くいい脚を使う産駒が多いステイゴールドだけに、この切れ味には驚かされました」(競馬記者)

 勝因を聞かれた手塚師も「騎手に尽きます」と認めたほどの大胆騎乗を披露したデムーロ騎手に対し、一転して窮地に追い込まれそうなのが柴田大騎手と丹内騎手だ。

 2人は、今年3月に亡くなったマイネル軍団の総帥こと岡田繁幸さんから重用されていた騎手。それぞれコンスタントに活躍しながらも、G1レースなどの大舞台では目立った結果を残せなかった経緯もある。デムーロ騎手の存在は脅威以外の何物でもない。

 皮肉にも2013年にNHKマイルC(G1)をマイネルホウオウが制して以来、遠ざかっていたG1タイトルを7年ぶりにもたらしたのは、お抱え騎手のどちらでもなく、デムーロ騎手だった。

 柴田大騎手、丹内騎手が勝たせることの出来なかったユーバーレーベン。そして今回、その兄であるマイネルファンロンに重賞初勝利をプレゼントしたのもデムーロ騎手である。

 新潟記念の勝利は、これからの「マイネル軍団=デムーロ」を、強烈に印象付ける結果となったに違いない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

パーソルキャリア村澤執行役員に聞く、非連続成長の仕掛け方(電通BDS渕)

あらゆるバイアスを壊し、自らアーキテクト(全体設計者)として社内の事業変革を遂行しているトップエグゼクティブの方々に話を聞きながら、その神髄に迫る本連載。

今回のゲストは、パーソルキャリア執行役員の村澤典知氏。転職サービスの「doda」をはじめ、さまざまな人材サービスを手掛ける同社は、「はたらく未来図構想」のもと、「はたらく」のプラットフォームをつくるという変革プロジェクトに取り組んでいます。変革の構想・企画・推進をされている村澤氏に、同プロジェクトのパートナーとして伴走する電通の渕暁彦氏がインタビューしました。

村澤氏、渕氏
パーソルキャリア執行役員 村澤典知氏(右)と電通ビジネスデザインスクエア・渕暁彦氏

日本の「はたらく」を変えるという、大きな挑戦

渕:村澤さんとお仕事をご一緒するようになって約2年がたちますが、日本の「はたらく」を変えるという大きな目標を掲げての事業変革はもちろん、ご自身も率先して副業や育休・ワーケーションなどを実践し、新しい「はたらく」を体現し続けている印象を持っています。本日はそんな村澤さん個人にもフォーカスしながら、変革を実現するためのヒントをお聞きしたいと思っています。

はじめに、パーソルキャリアで変革を牽引しようと思った背景を教えていただけますか?

村澤:経営コンサルタントとしての活動を経て、パーソルキャリアに入社したのが2018年1月のこと。当社は2013年の旧インテリジェンスと旧テンプスタッフの統合以来、PMI(経営統合)に注力する期間が5年ほど続いていたのですが、その間に世の中の働き方はどんどんアップデートしていました。事業規模が順調に拡大する一方、世の中の変化に対応した本質的な価値提供、さらには10年先の未来を見据えてバックキャストすることの重要性が経営課題として顕在化した、まさにそのタイミングで入社したことになります。

村澤氏

渕:なるほど、事業基盤を固めるフェーズから攻めに転じる変わり目で参画されたのですね。もっと言えば、世の中の働き方に関するトランスフォーメーションが加速し始めるタイミングとも重なっていますよね。

村澤:おっしゃるとおりです。当時はまだワークとライフが別々に認識されることが多かったのですが、われわれは、仕事と生きることは同じであると考えていました。一人一人が主体的に「はたらく」を選び、理想の未来を描ける社会にしていきたい。それが、「はたらく未来図構想」につながっています。

渕:奇しくもコロナ禍で在宅勤務や副業が加速度的に進んだことで、ワークとライフのブレンドを実感する人が一気に増えましたね。2年前にパーソルキャリアが描いた構想が、かなり前倒しで浸透し始めていると感じます。

【はたらく未来図構想】
会社や仕事を選ぶ時代から、一人一人が主体的に“はたらく”を描く時代へどう変わっていくのか。個人が自分らしくはたらき、自らの未来を描くことをどうサポートできるのか。これまでの人材サービスの枠を超え、データ・サービス連携および外部パートナーとの協創により、一人一人に合った仕事・学び・環境を提供する事業構想。
 

はたらく未来図構想

変革にありがちな“3年の壁”を乗り越える方法

渕:村澤さんは経営コンサルタントとして10年以上活動されてきたキャリアの中で、さまざまな企業で事業変革をリードされてきたことと思います。これまで培ってきた経験を踏まえ、どのような考え方やスタンスで事業変革と向き合ってこられたのでしょうか?

村澤:まず大前提として認識しなければならないのは、変革はあくまでも手段であり、未来のありたい姿を実現することが目的だということです。描いたゴールが遠ければ遠いほど、現状とのギャップを埋めるために非連続な軌道で進路を進んでいく必要があるので、それが結果として振り返ると変革だったと捉えられるのが理想です。

渕:変革自体を目的にしてはいけないということですね。では、具体的に非連続な成長を組織にもたらすために普段から心がけていらっしゃることは何ですか?

村澤:パーソルキャリアは比較的若い社員が多いので、現状に対する危機意識をあおるよりも、今よりもっとワクワクする未来を提示して前向きに走り続けたほうがドライブすると感じています。同時に、目標設定も重要です。通常の成長率+αぐらいの目標ではなく、非連続な成長をしないと実現できないような大胆な目標を掲げるようにしています。

渕:あえて非連続な軌道を描かざるを得ない目標を設定する。手練の経営者ですね(笑)。

村澤:従業員一人一人のチャレンジなくして変革は成し遂げられません。そのエンジンとして機能しているのが、「成長マインド」というパーソルキャリアのバリューです。一人一人が過去のやり方や常識にとらわれず、貪欲に学びながら新しいことに挑戦する。それを常態化させるために成長マインドをKPIに設定し、3カ月に1度のサイクルで、全従業員別・各組織別に成長マインドのPDCAを回しています。

渕:実際に成長マインドの数値は上がってきているのでしょうか?

村澤:数値自体は順調に推移しています。ただ、これは事業変革にも通じる課題なのですが、最初の1年は右肩上がりで伸び、2年目から緩やかなカーブに変わるんです。この“踊り場”から、どうやってもう一段ギアを上げていくかに今取り組んでいる最中です。

渕:まさしく事業変革も同じですよね。最初は勢いよくスタートしますが、どうしても“踊り場”がやってきます。成長がなだらかになったとき、次の打ち手をしっかり出せるかがポイントになると感じています。

渕氏

村澤:3年サイクルで頓挫する事業改革や新規事業をたくさん見てきたので、そこをどう乗り越えて長期ゴールを目指せるかが大切です。ありがちなのが、変革1年目は期待感が最高潮なので盛り上がり、2年目で「意味あるんだっけ?」という懐疑派が現れ、3年目で「利益貢献しない」と紛糾され、4年目で一区切りということで終了するパターン。これでは本質的な変革は成し得ません。その点においては、成果を定期的に可視化することや、道筋の細かなチューニングを通して、変革に新鮮味を与え続けることもポイントですよね。

社会や市場を見る“外の視点”と内部を駆動させる“中の視点”が、持続可能な事業変革のキードライバー

渕:コンサルタントとして外部から変革に携わる立場から、内部で自社の事業変革を推進する立場に変わって、何か新しい発見はありましたか?

村澤:自社の場合、みんなと日常的に業務を共にするので、相手の悩みや考えていることを外部の立場より察知しやすい。それから、「この人を動かすと、この人に波及する」のような内部のメカニズムがよりリアルに分かりますね(笑)。

渕:外部から携わる場合は、事業変革を実現可能な形にして合意形成する必要があるので、アーキテクチャの全体像を描く方に比重が置かれると思います。一方、内部で推進する場合は、描いたアーキテクチャをどう駆動させるか、駆動しながら柔軟に修正し続けられるかに比重が置かれている印象があります。

村澤:確かに、外部は外科手術、内部は体質改善のようなイメージが近いかもしれません。

渕:事業変革を内部で駆動し続けるには、意味のあるモニタリングと、そこで抽出したファクトを積み重ねてナレッジにしていくことが大事だと思います。成果や知見が積み上がってくるとリアルな内部のメカニズムがどんどん分かってきますよね。まさに体質改善に近いですよね。しかし駆動させることに集中しすぎても、社会の変化や競合と比べスピード感を失うといったことにもなりかねないので、外の視点と中の視点を常に意識するように心がけています。

村澤:おっしゃるとおり、内部にどっぷり浸かると一生懸命駆動していることに手応えを感じるのですが、「それって世の中や他のプレイヤーと比べてどうなのか?」という視点が抜け落ちてしまうと、それこそ駆動が手段ではなく目的になってしまいますよね。だからこそ、企業のトップや変革のリーダーは外の視点を持ち続けることが重要だし、外部パートナーとして電通にサポートしていただいている理由もそこにあります。

渕:そうですね。常に外の視点と中の視点からアーキテクチャを更新し続け、非連続な成長を促し続けることが経営者に必要なのだと、改めて感じました。

村澤氏、渕氏 

   ※後編につづく 

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「雑談」からコミュニケーションを考える。偶然やムダをイノベーションの種に!

電通メディアイノベーションラボの「オーディエンス研究機構」は、オーディエンスにまつわる社会からのさまざまな関心に応える情報を発信。ビジネス拡大へのヒントや気づきを提供したり、新しいマーケティングへの知見・手法を開発したりすることを目的としています。

今回は「映画は社会学する」などの編著を持ち、コミュニケーション論や身体論を展開されている広島大学の西村大志准教授とオンラインで「雑談」を行いました。「雑談」からイノベーションの種は見つかるのかという実験です。やってみると意外にもオーディエンス研究へのさまざまなアプローチが見えてきました。

コラージュ画像
<目次>
コンテンツと身体表現
制約が生みだす想像力と多様な読み取りを許す社会へ
コンテンツの範囲はどこまでか
コロナ禍で再発見されるコミュニケーション・ニーズ
コスパ時代と何かが発生“しない”リスク
ランキングをひっくり返してみる
偶然の発生する余地こそポイント

長尾:西村先生をお招きし本日は座談会ということになりました。オーディエンス研究に新たなアプローチを取り入れるヒントにしていきたいと思います。今日はどのように?

西村:雑談という気楽な感じでどうでしょう。立場をフラットにした雑談はいろんなアイデアが浮かびやすいと思います。ピラミッド型の会議だと、上司のまえでは言いにくいとか、これ話す価値あるのかなあとか考えがちで。居酒屋でクダを巻いているおっちゃんも、愚痴だけでなく、意外にいいアイデア出しているかもしれません。

長尾:まとまるのかな。では、コンテンツの話から始めましょうか。森下さんお願いします。

コンテンツと身体表現

森下:私は、高3の時に日生劇場でミュージカル「オペラ座の怪人」を見ました。「こういう世界があるのか」と衝撃を受けたんですね。それ以来お芝居やミュージカルの虜になり、大学卒業後も劇団に入ったんです。といっても企画や制作担当だったんですが。

ラスベガスでシルク・ドゥ・ソレイユの作品、水をテーマにした「O(オー)」という作品を体験した時にもかなりの衝撃を受けました。何よりも、人間の身体能力でここまでのことが表現できるのかと。

劇場イメージ

西村:舞台って、全身で味わいますね。最近人気のコンテンツも、身体の動きで表現されるものが目立ちますよね。そういえば、漫才であるかないか論で昨年末話題になったネタも思い出されます。漫才が言語に立脚しているものだと思っていたら、ほとんど身体表現だった。漫才の定義も含めて論争が起こりましたね。歴史をさかのぼればしゃべくり漫才以前のいろんな形態があったのですが。言語から身体へと視点を広げることは、さまざまな角度からオーディエンス研究に問いを投げかけますね。

また、一方で制約があったり欠けている部分にも、オーディエンスによる想像への重要な鍵がありそうです。丸坊主の落語家が遊女を演じると、オーディエンスは自在に補ったり、削ったりしていますよね。熟練のオーディエンスほどそれを無意識に行いながらコンテンツを消費しますね。

イラスト1

 

制約が生みだす想像力と多様な読み取りを許す社会へ

長尾:以前、音の研究者の先生と共同研究をやったことがあります。結論だけ言うと「映像として提示するよりも、あえて映像をカットして音だけで提示した方が人間は多くの連想拡大を行う」ということでした。音声メディアのラジオなどの可能性にもつながる結論でした。

西村:最近は誤解や炎上をおそれて、「受け手側」であるオーディエンスによる連想や解釈の余地をなるだけ減らそうとする向きもあるように思います。情報通信的には、ムダが排除され、夾雑物がないことは、効率的なコミュニケーションの要件かもしれません。でも、それは想像力も、偶然の出会いも失わせますよね。また、誤解も理解のうちなんでしょうね。

「誤解する権利」や「限界芸術論」で知られる哲学者の鶴見俊輔さんの考え方のようですが。オーディエンスはコンテンツへさまざまな反応を示します。その反応の多様性への不寛容が広がることは不幸なことかもしれません。

1のものを1としてしか受け止められない方式、読み取り間違いを許してくれない文化は、失っている部分も多いかもしれない。ブレた部分が、切り捨てられることが本当によいことなのか?そもそも、ムダはできるだけ排除すべきなのか?と思います。

コンテンツの範囲はどこまでか

長尾:小さい頃、近所の空き地へ紙芝居を見せにくるおじさんがいました。紙芝居って、枠の中に限定されない、もっと外側の、たとえば見ている子どもたちの間を吹き抜けるそよ風とか、食べている飴とか、後ろの方で映える夕日だとか、そういったすべてのものを一体として、紙芝居という楽しいコンテンツ体験として消費していたのかなあと思います。

西村:コンテンツの範囲はどこまでかというのも大きなポイントですね。周辺の経験までもコンテンツとして含めれば、研究はより複雑かつ面白いものになりそうです。

昔の映画館の回想録を読んでいたら、スクリーンにやたらに穴があいている映画館がでてきました。子どもが石を持って見にきて、悪役がスクリーンに出てきたら着物の懐から出して石を投げまくって、正義の味方の応援をする。現代の感覚ではかなりめちゃくちゃな話ですが、いいヒントにはなります。映画館で物理的にストレス発散する方法はないのかなあと。

イラスト2

 

コロナ禍で再発見されるコミュニケーション・ニーズ

長尾:統計データを分析するときに、いわゆる「外れ値」的なふるまいをするデータを除外したりしますね……。もしかしたら、外れている部分にこそ、何か発掘すべき真実が眠っている可能性もありますね。

西村:本日でも、外れ値的な話は避けたほうが、時間効率はいいということになりますね。それでは、事務的な打ち合わせに近づきます。また、逸脱者が少しいないと、集団は活性化しないですね。同質性の高い集団では、会話しなくてもわかっちゃうことも多くて。

私は、みなさんに迷惑をかける逸脱者として本日参加しているわけです。いつものメンバーでは、あたりまえのことも私が不思議がることによって、実はあたりまえでないことに気づいたり。コミュニケーションも一見不必要な部分こそが、コミュニケーションを活性化しているのかもしれません。

長尾:考えさせられるお話ですね。森永さん、何かコロナ禍のコミュニケーションをめぐる話はないでしょうか?

森永:コロナ禍で在宅勤務の日が増えましたので、最近は「近所歩き」をよくするのですが、これが結構楽しいんです。高齢の小型犬を飼っていらっしゃる女性とも大変仲良しになり、その犬と家の門のところでコミュニケーション(!?)することも。今までは忙しすぎて、ご近所の方と話す生活なんてありませんでした。犬と会話している姿は、ちょっと変なオジサン(!?)かもしれませんが……(笑)。

近所に家全体が花の家があるのですが、思わず「素敵ですネ!!」と住んでる方へ話しかけてしまい、新しいコミュニケーションが始まったといったこともありました。

花

西村:コロナ禍で、コミュニケーションのニーズは再発見されているでしょうね。

分断の一方で人とつながって助け合う文化も拡大しています。クラウドファンディングもはやっていて。私も農家さん、漁師さんとやり取りしながら、買い物するサイトにハマっています。売れていなかった好きな農家さんの商品が、売り切れ始めるとうれしくなります。あまり買えなくなるんですけど、なんだかうれしい。

コスパ時代と何かが発生“しない”リスク

長尾:熊川さん、コロナ禍の日々で、何か変化はないでしょうか?

熊川:やっぱり、人と話さない時間が長いというのがまずありますね。私は、まだ他人の家の犬とも話せませんし。お買い物つながりで言いますと、日用品を買うのが好きなのですが、ネットで商品の口コミサイトやランキングサイトをめちゃくちゃ見てしまっています。

長尾:どうして、そういったサイトをたくさん見てしまうんでしょうね?

熊川:やっぱり失敗したくないからでしょうか。私の母などは、お店に行って自分の目とか感覚で商品を吟味する方で、偶然的に商品を購入したりしています。私は、口コミでの、人の評価に頼ります。参考にしたサイトの口コミやランキングに基づいて商品を買い、結果満足できないこともあり、信用できないと思ったサイトは見ないようにしてゆくのですが、最近ちょっと疲れてきました(笑)。

スマホ

西村:何でもランキングしすぎですよね。検索結果自体もランキング化されますし。江戸時代でもいろんな番付出てますから、ランキング文化自体は意外に昔からあるんでしょう。ただ、大食いの番付みたいなのんきなランキングを娯楽的に楽しむのならいいんですけど、ネットのランキングが現在では人々の行動を細かく制御していますよね。

長尾:そういう面はありますね。評価、ランキング……。

西村:対面でのお買い物では、10点満点でいえば8点ならものすごくお得感がありますが、ネットのお買い物はそうはいきにくいですよね。どうしても10点を求めてしまいがちです。選択肢の多さは、選ぶことにともなう疲れと後悔も生み出してしまう。8点を買ったあとで、10点らしきものを発見して後悔したり。

買い物って情報がすべて公開されているわけではないゲームみたいなものでしょう。麻雀みたいな。それで口コミから読みを入れて、10点を狙いに行くんでしょうけれど。口コミ自体信用に足る情報かどうかはわからない。そこでは、情報を増やすことでは制御しきれない「運」も考えざるをえないでしょうね。「運」を考えれば、8点とか7点とかを狙うほうがゲームとしてみれば持続可能性があるように思います。

長尾:持続可能性ですか。

西村:10点狙いでへとへとになるのは、選ぶことにコストをかけすぎかもしれません。疲れてやめたくなるような10点狙いは、実はほかの多くのことを犠牲にしているかもしれない。これは、買い物に限らず、人生とか、企業経営とかでも似ているように思います。また、運の要素の混じる行為を一回勝負で考えるのか、幾度も勝負するとして考えるのかで選択の仕方は変わりますよね。

近年「コスパ」は深く人々を制御しています。買い物だけでなく、極端な場合は人間関係までも。それは多くの場合短期的コスパのような気がしますね。生活の幅広い領域に短期的コスパの考え方を適用してしまうと、人間関係の多様性もコミュニケーションの種類も減ってしまいますよね。短期的な効率は高まるように見えるかもしれませんが、長期的には「何かが発生しなくなる」こともあると思いますね。いざというときの命綱になるかもしれない弱いネットワークも切れてしまう。そして、持続可能性は下がる。

商売でも、短期的な効率のみのアプローチには、何かが発生 “しない” リスクがあると思います。可能性は低いけど思いっきり育つというものが重要かもしれません。確率は低くとも育ち方の違いは桁違い、といったものこそイノベーションになっていくのではないかと。でも、ほとんどは育たない。そのムダにも寛容になることが必要でしょうね。

ランキングをひっくり返してみる

西村:現実世界では、何であんなものを売ってたの?何で私はこれ買っちゃったんだろう?と考える中で逆に発見することもあるでしょう。学生の時にまずい店を探して食べに行ったりしました。「まずい」って意外に多様で、発見があるんですよね。作ったばかりのはずなのになぜか実家の残り物的味がして帰省した気分になるとか。少数の固定客に向けた味付けになっていて、食べづらいとか。サービスのおまけがメニューと合わなすぎるとか。

長尾:「まずい」で思い出したことがあります。昔、ある著名なコピーライターさんが講演で「チョコの玉がたくさん入った透明な袋がここにある、この商品を今以上に売れるようにするにはどんな手がある?」という質問をされ、答えは「中に1個だけめちゃくちゃまずい玉を仕込んでおく。そうすると、そのまずい1個にぶつかるスリルで逆に売れる」といった話をされていました。

西村:そうするとお菓子を食べることのなかにゲーム性が生まれますね。人間、正解だけだと飽きてきますよね。

偶然の発生する余地こそポイント

西村:失敗を避けたり、否定しすぎたりすると、偶然のチャンスにも出会えなくなるように思います。必然性より偶然性の価値を再検討したいですね。「マッチングアプリ」でも、すこしズレてる評価ロジックの取りこまれた「微妙にうまい具合にマッチングさせないアプリ」とかができたら楽しくなるのでは。出会い系なのに、まったく出会わない系とか。

ランキング検索イメージ

長尾: ビジネスのヒントにもなりそうです。本日は、雑談から新しい発見へ収束されてくるのが、とても新鮮でした。

西村:一見意味のない雑談や、散歩、観察って重要ですよね。とくに、疲れないのをちょくちょくやりたいですね(笑)。ときどき時間を気にせずゆっくり雑談する機会を確保したいです。脳を緩めながら。雑談って気楽なだけじゃなくって、意外にクリエイティブなものですね。持ちかけた当人がいうのもなんですが。


【雑談の実験を終えて】
今回の座談(雑談)会では、

●受け手側の解釈の余地が重要
●短期的な効率性だけを追い求めると新しい何かが発生しなくなるリスクがある
●なにげない観察からビジネスへのヒントが抽出できる
●雑談に眠るヒントに気付けるか、ということも重要

などなど、たくさんの気づきが得られました。オーディエンスへのアプローチの鍵は、日々の雑談の中にも眠っています!

ご興味がありましたら電通メディアイノベーションラボの長尾までご連絡を(mediainnovation@dentsu.co.jp)お願いいたします。

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住宅購入、今、早まって購入はダメ!国の各種支援制度が期限延長?絶対知っておくべき概要

 現在実施されている住宅取得支援策の多くは、2019年10月の消費税引上げや2020年からのコロナ禍に対応した時限措置であり、間もなくその期限が切れます。そのため、住宅メーカーや不動産会社などでは、「早く買わないと支援策の恩恵を受けられなくなる」などと購入を煽っていますが、実際には期限が延長されそうなので、焦る必要はなさそうです。

ほとんどの支援策は時限措置になっている

 多くの人に住宅を取得してもらい、住宅投資を増やして景気回復を促進するため、国はさまざまな住宅取得支援策を実施しています。現在のところ、主なものとしては次の3点を挙げることができます。

(1)住宅ローン減税

(2)住宅取得等のための資金贈与に係わる贈与税非課税措置

(3)グリーン住宅ポイント

(1)の住宅ローン減税は、従来は控除期間10年で、一般の住宅は10年間で最大400万円、長期優良住宅などの認定住宅は500万円だったのが、現在は図表1にあるように、控除期間が13年に延長され、控除額は一般の住宅は13年間で最大480万円、認定住宅は600万円に拡充されています。

 ただし、その対象となるのは、注文住宅は2021年9月末までに、分譲住宅などは2021年11月末までに契約し、ともに2022年12月末までに入居することが条件になっています。

贈与税の非課税措置も2021年12月末まで

 特に注文住宅については、相談を始めてから契約に至るまでには一定の時間が必要ですから、21年9月末までの契約にはもうほとんど間に合いません。

(2)の贈与税の非課税枠は、両親や祖父母などの直系尊属からの住宅取得のための資金贈与については、バリアフリーなどの一定の条件を満たす質の高い住宅については1500万円まで、一般の住宅は1000万円まで非課税にしてくれる制度ですが、これも2121年12月末までに契約することが条件になっているのです。

 両親などから1500万円の贈与を受けると、この非課税枠がなれば、年間の基礎控除110万円を引いた1390万円が課税対象になります。税率は45%で、控除額が175万円ですから、税額計算は、

1390万円×0.45-175万円=450.5万円

で450.5万円の贈与税がかかります。1500万円もらっても、実際に住宅取得に使えるのは1000万円ほどにすぎません。それが、この非課税枠を利用できれば税額はゼロになって、1500万円をそのまま取得資金に充てることができるのですから、非課税枠のメリットには大きなものがあります。

グリーン住宅ポイントは10月末の契約まで

(3)のグリーン住宅ポイント制度は、一定の条件を満たす新築住宅、中古住宅の取得やリフォーム、賃貸住宅の建設などを対象にポイントを付与する制度で、図表2にあるように、新築住宅は原則1戸当たり40万円相当のポイントですが、東京圏からの移住のための住宅、多子世帯が取得する住宅、三世代同居仕様である住宅、災害リスクの高い区域からの移住のための住宅については加算ポイントがついて、最大100万ポイントになります。

 この制度も2021年10月末までに工事請負契約や不動産売買契約を締結することが条件になっています。こちらももうほとんど時間が残されていません。「早くしないと、100万ポイントをもらえなくなりますよ」と焦らせる不動産会社や住宅メーカーの担当者などが多いのではないでしょうか。

時限措置はいずれも延長される可能性が高い

 しかし、これらの時限措置、いずれも延長される可能性が高いのです。ですから、住宅メーカーや不動産会社などの煽りに乗せられて購入に動く必要はないかもしれません。あまり急いでしまうと選択を誤って後悔することになりかねないので、ここはジックリと腰を据えて、この先どうなるのかを見極めたほうがいいのではないでしょうか。

 ただし、一方では首都圏を中心にマンション、一戸建ての価格が、新築、中古の別を問わずに急速に上昇しているという現実もあります。ですから、あまりのんびりしていると、住宅価格が上昇して手が届かなくなってしまう可能性がないとはいえません。悩ましいところですが、そのあたりは市場の動向を見極めながら自分たちの事情に合わせて判断するようにしてください。

グリーン住宅ポイントは国土交通省判断で

 では、どんなふうに延長される可能性が高いのでしょうか。

 まず、(3)のグリーン住宅ポイント制度は、2021年度の第三次補正予算に盛り込まれて2021年3月末にスタートしました。予算枠は1094億円ですが、国土交通省による2021年7月末時点での累計発行ポイントは約100億ポイントにとどまっています。予算枠の1割以下の消化率で、このままでは予算を使い切ることはできないとみられます。

 現在のところ、2021年10月末までに建築請負契約や不動産売買契約を提携することが条件になっていますが、国土交通省は2021年11月以降の契約であっても、ポイントの対象になるように期限を延長することになるのではないかとみられています。

 すでに予算が組まれていますから、国土交通省の内部の調整だけで延長は可能です。(1)~(3)の住宅取得支援策のなかでも、このグリーン住宅ポイント制度が最も時限措置の延長を実施しやすいのではないでしょか。現実的には、2021年度いっぱい、2022年3月までの延長などが想定されます。

業界団体は揃って時限措置の延長を要望

 それに対して、(1)の住宅ローン減税と、(2)の贈与税の非課税措置の期限に関しては、税制に関する法律で定められており、期限を延長するためには、税制改正が必要になります。周知のように、例年各省庁の税制改正要望が8月末にまとめられ、与党内で議論が進められて、12月中旬には「税制大綱」としてまとめられます。

 それに向けて、不動産協会、住宅生産団体連合会(住団連)などの住宅、不動産関係団体は国会議員や中央省庁への働きかけを行っており、例外なく、(1)(2)の期限延長を要望しています。

 たとえば住団連の要望の骨子は図表3にある通りです。住宅ローン減税、贈与税非課税措置ともに、「ただちに延長し、景気が回復するまで当分の間、継続実施されたい」としています。

期限切れ段階まで遡って拡充策を適用

 業界団体の与党議員や国土交通省への働きかけの感触としては、「ほとんどの先生方が理解を示してくれている」としており、国土交通省でも延長に向けて本格的な取組みを始めているようです。

 現実的には、税制改正が実施されるのは、2022年3月末に税制改正案が国会で成立してからになります。その段階では、ローン減税について、注文住宅は2021年9月末、分譲住宅は11月末で期限が切れているので、2021年10月に遡って現在の拡充策を適用することになるでしょう。

 贈与税の非課税枠についても、2022年3月段階では2021年12月末で期限が切れているものの、2022年1月に遡って拡充策を延長することになるでしょう。

時限即継続の広報をできるだけ早く実施へ

 つまり、現実には住宅ローン減税の拡充策や贈与税の非課税措置が切れ目なく継続されることになる可能性が高いわけですが、問題はそれを速やかに消費者に広報することです。業界としては、年内は「早くしないと支援策を利用できなくなる」と煽りながら、契約をできるだけ多く勝ち取ってから、時限措置が延長されることになった形になるのが一番いいのでしょうが、それでは消費者は不安ですし、焦って失敗するもとになりかねません。

 できるだけ早い段階で、国が責任を持って時限措置の継続を広く広報することで、消費者が安心して住宅を取得できるような仕組みを考えていただきたいものです。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

●山下和之/住宅ジャーナリスト

1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に、新聞・雑誌・単行本・ポータルサイトの取材・原稿制作のほか、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(執筆監修・学研プラス)などがある。日刊ゲンダイ編集で、山下が執筆した講談社ムック『はじめてのマンション購入 成功させる完全ガイド』が2021年5月11日に発売された。

警察にとって“おいしい制度”の「駐車監視員」が多い要注意エリアとは?

 数日前、ほろ酔いで乗車してきたサラリーマンらしき客が、ため息をつきながらこんな話をしてきた。

「聞いてよ、運転手さん。この前、都内で10カ所に営業しなければならないのに会社の車が全部使われていたので、仕方なく自分の車で営業したんだ。もちろん、営業先ではコインパーキングに駐車したんだけど、最後にビルの前の道路に駐車したのね。そこはほかの車なんか通らない奥まった袋小路で、通行の邪魔にはならない場所なんだ。でね、20分後に営業を終えて戻ってきたら、『駐車違反』の貼り紙があった。駐車禁止の看板はあったし、俺が悪いのは確かだけど、もっとほかに取り締まるべき危ない駐車があるだろうっての!」

 さらに「その場所なら大丈夫だと、タカをくくっていた」と語り、酒の勢いもあって最後はヤケ気味だったが、それはさておき。

 今のご時世、平日の昼間に都内で駐車違反をすると、かなりの確率で取り締まられる。僻地ならまだしも、特にターミナル駅に近いエリアはハイリスクだ。言うまでもなく、駐車違反を専門に取り締まる人たちが狙っているからである。

駐車監視員が多いエリアとは?

 15年ほど前まで、駐車違反を取り締まるのは警察官の役目だったが、2006年の道路交通法改正で新たに「駐車監視員」が存在するようになった。緑色の制服に身をまとい、違反車両の写真を撮って貼り紙をする光景は、今や当たり前のものとなっている。

 駐車違反の摘発を民間に一任したことで取り締まりが強化され、個人的な体感だが、違反車両は昔より減っているように感じる。コインパーキングのオーナーにとっては、うれしい状況だ。

 そして、「悪質性・迷惑性・危険性の高い違反に重点を置く」との警察発表とは裏腹に、「取り締まりがしやすい駐車違反」に重点が置かれている感じも否めない。

 ある交通ジャーナリストは「駐車監視員とは、警察が民間に任せることで仕事を効率的にした制度です。金は入るし、仕事は減る。警察にとっては手放せない制度ともいえます」と語る。

 以前は警察によるレッカー移動やタイヤロックを目にしたが、これは時間がかかる上に、業者にお金を支払わなければならない。警察にとっては、現在の駐車監視員制度のほうが何倍も効率的というわけだ。

 前出の交通ジャーナリストは、次のようにも話してくれた。

「ヤクザが乗っていそうな黒塗りのベンツは、よほど悪質な駐車違反でない限りスルーするケースが多いと、駐車監視員経験者に聞いたことがあります。後で文句を言われて、トラブルになるのが面倒だからです」

 面倒なトラブルは避けたい――駐車監視員も人の子、というわけだ。

 また、駐車監視員が多いエリアについても聞いた。

「言うまでもなく駅に近いほど重点的で、住宅街にはほとんどいません。駅に近い場所=おおむね半径500m以内の場合、広くて交通量が少ない場所でも、コインパーキングなどに停めたほうが無難です。駐車監視員のテリトリー内での駐車違反は、いつステッカーを貼られるかわかりませんから。また、“ここなら大丈夫だな”と感じる場所ほど、駐車監視員にとっては“やりやすいエリア”でもあります。なぜなら、貼り紙をしている間に運転者が出てきて、ああだこうだと言われる確率が低いからです」(前出の交通ジャーナリスト)

 冒頭の違反者がそうであったように、運転者の勝手なイメージは通用しない時代になっているのだ。

駐車違反で出頭はするだけ損?

 もうひとつ、大きな勘違いを指摘しておきたい。駐車違反のステッカーが貼られた際の対処についてだ。

「ステッカーが貼られたら、その足で警察に行く人も少なくないですが、それだと反則金(駐車違反は1万5000円)のほかに違反切符(2点)も切られてしまいます。ステッカーが貼られても、そのままにしていれば、後日、実際に誰が駐車違反したかわからない警察は車の所有者のもとに『放置違反金支払い命令書』を届けるしかなく、それにしたがって違反金を支払えば、違反点数は加算されずに済みます」(同)

 早い話、運転者ではなく車の所有者が取り締まられるわけだ。もちろん、レンタカーやカーシェアリングの場合は出頭する必要があるが、ゴールド免許の人は特に覚えておきたい事実である。

(文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー)

メルカリで見つけた“プチアウトドアに最適なキャンプグッズ”5選!半額近くの未使用品も

 コロナ禍はいまだ収まる気配を見せず、相変わらず自宅で過ごすことが推奨されている。その影響もあり、今年は例年以上に自宅の庭やベランダ、徒歩圏内の公園を舞台に「プチアウトドア」を楽しむ人の姿が目立つ。

 身近な空間で特別なひとときを過ごすためにも上質なキャンプグッズを揃えたいところだが、新調すると高くつくのも事実。そんなときに重宝するのが、場合によっては未使用アイテムが定価よりも格安で購入できる、フリマアプリ「メルカリ」だ。

 今回はメルカリで見つけた、プチアウトドアにピッタリなキャンプグッズを5つご紹介しよう(価格は税込み、各種情報は調査時点のもの)。

キャンプ多機能 紫外線対策 撥水加工 収納ケース付き(テントタープ)/4460円

 テントよりも手軽に設営ができ、日除けや雨除けに活躍するタープ。テントと違って側面が囲まれていないため宿泊には不向きだが、日帰りキャンプで使用するには十分。風通しが良いので真夏日でも意外と涼しく、周囲の景色が楽しめるのも利点だ。

 この「テントタープ」は用途に応じて6種類の張り方が可能。三角形になるように地面に面する形で設置すれば完全な日除けになり、片側だけタープを垂直に下ろすことでプライベートな空間を確保できるなど、シーンや用途に応じて自在にアレンジできる。

 一般的なテントよりもコンパクトで、設営も楽々。近場でのピクニックでわざわざテントを張るのは面倒だが、日除け対策は万全にしたい。そんな悩みを解決してくれる優れものだ。

自立式ハンモック/8980円

 コロナ禍で外出ははばかられるものの、ベランダや庭で陽の光を浴びてアウトドアの雰囲気を楽しみたい。そんな人にうってつけなのが、こちらの自立式ハンモックだ。長さ約235cmと大柄な男性が寝そべっても余裕のあるサイズ感で、最大荷重は約210kgと十分。かなり恰幅のいい人でも安心して身を落ち着けることが可能だ。

 チェアー部分は丈夫な細い紐が編み込まれたネット素材となっており、風通しがよく、体にフィットしやすいため、暑い日でも長い時間快適にくつろげる。収納袋が付属していて携帯性も抜群なので、外に持ち出して利用しやすいのもメリットだ。

 椅子として使うチェアーモードと、ベッドのようにして使うモックモードの2パターンがあり、スペースが限られるベランダでは前者、広々とした屋外で使う場合は後者と、場所に応じて使い分けができるのもうれしいポイントだ。

DOD くらぞう ソフトクーラーボックス/1万2222円

 近場のキャンプにおいても、ドリンクや食品を保冷するクーラーボックスは必携。クーラーボックスにはハードクーラーとソフトクーラーの2種類があり、前者は頑丈なウレタン素材や真空断熱パネル素材のものが多くを占め、保冷力に優れる半面、重量感があり持ち運びは面倒。一方、後者は軽くやわらかい素材だが、保冷力はいまいちだ。

 こちらの商品は軽量なソフトタイプでありながら、一般的なソフトバッグと比較して厚みのある断熱材を使用。ハードクーラーに劣らない高い保冷力を誇り、炎天下でも飲料や食べ物を冷たい状態にキープしてくれる。

 2枚のパーテーションが付属しており、ギアボックスとしても使えるため、食材のみならず食器などを収納することも可能。近場の日帰りキャンプ程度であれば、必要な備品をすべてこれ一つに収めることもできる。

コールマン ルミエール ランタン グローブ/1万3300円

 昨年来、自宅のベランダにアウトドア空間をつくり、日光浴や食事を楽しむ「ベランピング」が流行っている。今の時期は、暑さがやわらぐ夕方から夜の時間帯もおすすめだ。

 夜のベランピングをワンランク格上げするためには「照明」に凝りたいところ。こちらのガスランタンは、ロウソクのようなほんのりとした灯りが特徴。微細に揺れる炎を見つめることで、心身は一気にリラックスモードに。

 野外キャンプで光源とするには明かりが弱く、実用性が低いのだが、ベランダで使用するには十分。ガラスの表面は花柄模様になっており、見る角度によって炎の表情が変わるので、まるで小さな花火を眺めているような気分になる。

 これ一台あれば、普段は物置と化しているベランダでも、非日常的な空間に様変わりするだろう。

JHY DESIGN バイオエタノール暖炉/1万3300円

 キャンプの醍醐味である焚き火。自宅の敷地内でも楽しみたいところだが、火を扱うにはリスクが大きく、煙が漂うことで近所迷惑になる可能性もあることから、なかなかハードルは高い。

 こちらの暖炉はバイオエタノール燃料によって無煙、無臭の炎を放出。庭やベランダでも安心して使えるアイテムとなっている。透明な高温耐性ガラスで炎を囲んでいるため暖房効果は薄いが、今の時期に使うにはピッタリだ。

 薪などを燃料とする焚き火とは異なり、“パチパチ”という炎が爆ぜる音は鳴らない。そこでおすすめなのが、YouTubeで人気の「焚き火動画」。スマホで焚き火の燃焼音を流すと、自宅にいながらにして本格的なアウトドア気分が味わえる。

 焚き火を模したLEDライトもあるが、やはり本物の火の説得力は違う。ライトでは満足できないという人は一度試していただきたい。

 メルカリの魅力は未開封、未使用の新品を相場よりも安く買える点にある。今回紹介したアイテムのほとんどは未使用品であり、定価よりも3割引き~半額に近い価格で出品されている。ベランピングや近場でのデイキャンプを充実させる上で、こだわりの装備品は欠かせない。お得なアイテムがあふれるメルカリで、プチアウトドアを格上げする、自分だけの一品を探してみてはいかがだろうか。

(文=清談社)

堀江貴文、竹中平蔵だけじゃない 菅首相に「がんばった」「かわいそう」と同情論噴出! 辞任したとたん権力者を許す世論

 コロナ下で多くの国民の命が危機に晒されているなか、国会も開かずまともな対策も取らず、権力闘争に明け暮れ、結果、総裁選不出馬に追い込まれた菅首相。  ところが、こんな無責任かつ無能な総理大臣に対して、擁護や評価の声が上がっている。その筆頭がホリエモンこと堀江貴文氏。堀江氏...