パチンコ「数百円」で遊べた「甘い役物」で魅了! チャレンジ精神あふれる老舗メーカーの軌跡

 実質継続期待値が約93%、最短大当り変動約1.0秒という強力RUSHを搭載した『Pデビルマン~疾風迅雷~』のデビューが迫っているニューギン。

 少し前では「小当りRUSH」「転落抽選」へのこだわりをみせるなど、王道以外にも力を注ぎ、なんらかの活路を見出すチャレンジ精神あふれるメーカー気質が垣間見える。

 このあたりの個性は羽根物方面でも見受けられた。羽根物の分野においては、特に西陣やSANKYOといったトップメーカーが強さを発揮し、大きな潮流をつくっていた。それ以外のメーカーが余っているシェアを奪い合おうと鎬を削り、その競争が羽根物づくりのレベルを押し上げ、面白い機種が量産される循環を生んだ。

 そんななかでのニューギンの羽根物はトップメーカーに迫るような勢いを持ち、個性的な名機を多く創り出した印象がある。その筆頭となるのが『元祖ワニ道楽』となる。

 役物中央に鎮座するワニの役物が特徴的な機種で、そのワニ役物が一定のタイミングで開閉する口にうまく拾われればVゾーンに直行するといったシンプルなゲーム性。

 もちろん役物の楽しさもあるが、役物確率が甘く、数百円でも勝負できるような遊びやすさで人気を博した機種でもある。

 その分、当然、出玉も少なくなるのだが、それこそ「羽根物」の真の姿であり、当時の新要件への移行とともに羽根物にも爆裂性や出玉感が求められていた時代感に対するピュアな羽根物ファンの反発といった要素もあり、多くのパチンカーの支持を得ることとなった。

 そして、この『元祖ワニ道楽』と双璧をなすニューギン羽根物の名機といえば『さめざんす』である。奇しくもともに凶暴な動物をモチーフにした羽根物だが、『さめざんす』も遊びやすさを維持したマシン。

 役物内部に配されたサメのギミックは、通常時だと口をプレイヤー方向に向けたまま横たわっているが、大当り時には水族館のアシカのように直立して口で玉を貯留。規定カウントや開放数に達するとおじぎをしてVゾーンに入賞させる。コミカルなムーブメントが楽しい機種である。

 ニューギンの羽根物にはこの「ざんす」を機種名に差し込む傾向があり、くだんの「元祖ワニ道楽」も後継機は「ワニざんす」と銘打たれた。ニューギンの羽根物「ざんす」シリーズは名機の証ともいえよう。

 さて、ニューギンも名機シリーズといえば『009』にも動きがあるようで、最新作『P009 RE:CYBORG ACCELERATOR EDITION』のディザームービーが公開されたばかりとなる。

 映像では「時短突破型の最高傑作」「この加速は時代を超える」といった激アツのフックワードが躍り出ている。これは期待せざるを得ない。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA 「柴田大知・丹内祐次乗せるのやめて」名指し批判! 直木賞作家「どれだけの馬の未来を潰したか」発言に賛否⁉

 5日、新潟競馬場で行われた新潟記念(G3)は、M.デムーロ騎手騎乗のマイネルファンロン(牡6、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。

 管理する手塚師は「すごいな。引っかかる馬で、これまでどの騎手もうまく乗れなかったんだけど、うまく抑えてくれた。勝因はジョッキーだね」と、デムーロ騎手の神騎乗とも見て取れる好騎乗を称えた。

 同馬を所有する「マイネル軍団」でお馴染みのサラブレッドクラブ・ラフィアンはこれが嬉しい今年重賞2勝目。何を隠そう1勝目は、デムーロ騎手がマイネルファンロンの半妹ユーバーレーベンで制したオークス(G1)だ。

 昨年は重賞未勝利に終わった同クラブだが、代表の岡田繁幸氏が存命中は柴田大知騎手・丹内祐次騎手を起用するのが特徴だった。だが岡田氏が今年3月に亡くなって以降、デムーロ騎手を乗せる機会が増加している。新潟記念の勝利により、その流れは更に加速すると思われる。

 そこでファンの間で浮上してきたのが、デムーロ騎手の「主戦待望論」だ。

 これを支持している代表格に挙げられるのが、昨年「少年と犬」で第163回直木賞を受賞した作家の馳星周氏である。

「馳氏は競馬好きの作家として有名です。特にステイゴールドが好きで、現役馬でも熱心に産駒の応援をしているようです。

詳しくは馳氏のTwitterをご覧いただきたいのですが、競馬好きというよりも大のステイゴールドファンですね(笑)

本当にステイゴールドとその産駒たちへの愛が伝わってきます」(競馬誌ライター)

 馳氏は手塚師の新潟記念の振り返りコメントのツイートを引用し、「ミルコを主戦にしようよ、ラフィアン」と、呟いている。

 過去にも、「ラフィアンと岡田総帥の馬はもうしょうがないと思うけど、他の馬主のときは柴田J、丹内J乗せるの、ほんとにやめて欲しいです」と、主戦交代を提言していた。

 ステイゴールド大好きの馳氏にとって、直仔のマイネルファンロンを初騎乗で勝たせたデムーロ騎手の手腕は、他のファンよりも鮮烈なインパクトがあったのだろう。

 しかし、なぜステイゴールドとは一見あまり関係のないラフィアンに対して、デムーロ騎手主戦を提言するのだろうか。

「ステイゴールドは2つの牧場を行き来する国内シャトル種牡馬でした。内、1つの牧場はビッグレッドファームです。同ファームの元代表は岡田繁幸氏で、ここで生産された馬が基本的にラフィアンで走ることになります。つまり、ラフィアンにはステイゴールドの産駒が多数います。

産駒で種牡馬となったゴールドシップとウインブライトも現在ビッグレッドファームで繋養されています。今後、マイネル軍団でステイゴールド関連の馬は増えていくことでしょう。それだけに、マイネル軍団の主戦を勝負強いデムーロ騎手にしてほしいのではないでしょうか」(同ライター)

 ステイゴールドの種牡馬としての才能を買っていた岡田氏へ尊敬の念を表している。

 一方、ファンを中心に賛否両論の議論が展開される原因となったのが次の発言だ。

 馳氏は「岡田総帥の功績はわかっているし認めているけど」と一定の理解は示しつつも、岡田氏のこれまでの騎手起用について「彼亡き後のラフィアンの騎手起用と結果を見ると、どれだけの馬の未来を潰してきたのかとも思う」とツイート。これは主に手綱を任されてきた騎手たちに対する厳しい意見にも思われる。

 さすがに少々“過激”とも受け取られかねない発言のため、これには馳氏に賛同するファンもいれば、どうしてそんなことを言うのかといった反論があったのも当然だった。

 ただ、馳氏は現役のステイゴールドの子どもを応援する一方で、引退した子どもたちへの寄付も行っている。結果を残せず、種牡馬や繁殖牝馬になれなかった競走馬が辿る悲惨な末路も競走馬の運命も知っているからこそ、少しでも勝てるチャンスの見込みがある騎手を起用して欲しいという、競馬ファンなら誰でも思ったことのある意見を述べただけかもしれない。

 直木賞作家までも巻き込んだマイネル軍団の“主戦争い”だが、今後どのような展開が待っているのだろうか。目が離せない秋競馬となりそうだ。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

JRA武豊「後味の悪いレース」あわや落馬の大斜行に酷評! 「もういいでしょう」からの「辞めたい」発言、“G1未勝利”リーディングジョッキーが代打でつかんだ殊勲星

 5日、小倉競馬場で開催された夏の2歳重賞・小倉2歳S(G3)は、浜中俊騎手が騎乗した4番人気ナムラクレア(牝2、栗東・長谷川浩大厩舎)が優勝。前走のフェニックス賞に続く連勝で夏の小倉2歳チャンプに輝いた。

 10頭立ての少頭数で行われた芝1200mのレース。好スタートを決めたナムラクレアだが、浜中騎手は先行策だった過去2戦より一つ後ろのポジションを選択した。

 最終コーナーを回って先行争いをした馬の脚が鈍る中、大外に持ち出されたナムラクレアの末脚は際立った。上がり3ハロン最速で前の馬を豪快に差し切ると、2着馬に2馬身の差をつけてゴール板を駆け抜けた。

「今朝乗り替わりを知りまして、色々な情報を聞いてこの馬の持ち味を少しでも発揮できればと思いましたが、馬が強かったです。結果を出せてホッとしています」

 レース後、浜中騎手がそう振り返ったように、当初、ナムラクレアの鞍上には和田竜二騎手が予定されていた。同騎手が前日の札幌2歳S(G3)で、騎乗馬が放馬した際に負傷したため、乗り替わりでつかんだチャンスだった。

 2007年にデビューした同騎手は、順調に勝ち星を増やしていった6年目の12年に全国リーディングを獲得。同年のG1勝利はなくとも史上4位タイ、24歳の若さで手にした勲章だ。

 見事な殊勲星を挙げたとはいえ、かつて甘いマスクに「ポスト武豊」と言われていた実力派にしては、小倉2歳Sが今年の重賞初勝利だったことは少々意外である。

 ただ、今回の代打騎乗による勝利は、現状打破に大きな意味を持つかもしれない。

 浜中騎手が主戦を任されていたのが、ナムラクレアの父であるミッキーアイル。同馬が現役時代にG1・2勝を挙げた名コンビではあるものの、16年のマイルCS(G1)の騎乗ぶりが発端となる浜中騎手の舌禍を招いたほろ苦い過去がある。

 3番人気に支持されたこのレースで、浜中騎手とミッキーアイルは逃げ切り勝ちを飾ったが、最後の直線半ばで外側へ大きく斜行。これにより、ミッキーアイルを追うネオリアリズムの後ろにいたサトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークの3頭が大きな不利を被った。どの馬も手応えよく上がってきた勝負所での不利は、あまりにも勿体ないものだった。

 特にサトノアラジンとダノンシャークに挟まれる形となったディサイファは、鞍上の武豊騎手が急ブレーキを踏まされるほどの不運。落馬寸前の不利に武豊騎手は「後味が悪いレース」と酷評した。

 そして、この一件は当事者となってしまった浜中騎手の精神面にも、暗い影を落とすこととなった。

 翌年のフィリーズレビュー(G2)で、1番人気のレーヌミノルに騎乗した浜中騎手。最後の直線入り口で一気に先頭へ躍り出るが、ここから急激に内側へ斜行してしまう。先頭争いをしていた馬の進路を遮るような動きで内ラチまで移動すると、そのままラチを頼りに粘り込みを図ったが、最後の最後でカラクレナイに差されて2着に敗れた。

 一部のファンから「また浜中か」といった怨嗟の声も聞かれた失態に浜中騎手は騎乗停止。その後のメディア対応では「もういいでしょ」と言ってしまうほど、精神的にも追い詰められた。当時は、「騎手を辞めたいです」と相談したことを『netkeiba.com』で連載のコラム「with 佑」内で吐露している。

 しかし、あれから4年の月日が経ち、ミッキーアイル産駒のナムラクレアで手にした代打での重賞勝利。再浮上を懸ける浜中騎手にとって、復活に繋がる非常に大きな1勝だったに違いない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

高額報酬の企業役員リスト…ソニー吉田会長12億円、不正続出の三菱電機は7人が1億超え

 上場企業の役員報酬はコロナ禍でどんな影響を受けたのか。1億円以上の報酬を得た役員の数は、株高の追い風もあって増えている。その半面、従業員の給与は落ち込んでいる。

 海外と比べると役員も従業員も日本企業は欧米の主要国より水準が低い。伸び悩みが目立つ。2021年3月期に1億円以上報酬を得た日本の上場企業の役員は544人で前年より11人増え、過去2番目の多さだった。6月末までに公表された有価証券報告書を基に東京商工リサーチが集計した。

 全体のトップはソフトバンクグループ(SBG)の取締役だったサイモン・シガース氏の18億8200万円。SBGが売却中の英半導体設計子会社アームのCEO(最高経営責任者)である。売却予定のアームのシガースCEOがランキングに含まれるのは、前期末時点でSBGの子会社だったためだ。同氏の報酬は全部がアームからで、同氏は6月にSBGの取締役を退いた。

 武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長が18億7000万円で全体の2位だった。日本企業でも欧米型の成果報酬で外国人経営者を囲い込む動きが広まり、株式報酬の導入が進む。欧米の報酬相場が日本より高いことから、21年3月期の報酬上位10人のうち外国人役員が7人を占める結果となった。

 日本人のトップはソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長で、前年比2割増の12億5300万円で全体の5位だった。ゲームが好調で純利益が1兆円を突破したのをテコに、株価が上昇し、ストックオプションなどの付与額が増えた。半導体製造装置で世界第3位の東京エレクトロンの河合利樹社長は36%増の9億円。先端商品の売り上げが増え、採算の向上が続き、絶好調だ。業績連動報酬が増えた。

 6月に企業統治指針が改訂され、ガバナンス(企業統治)に注目が集まるなか、役員報酬への関心は高い。2年続けて1億円以上の報酬を得た役員は403人となった。このうち219人(54.3%)は報酬額が増加。同額は20人(4.9%)、減額は164人(40.6%)だった。役員報酬と従業員の平均給与の差は14.6倍。この格差が一番大きかったのはSBGの83倍だった。

 20年度の実質成長率はたび重なる緊急事態宣言の発令によって、個人消費や設備投資が冷え込み、戦後最悪のマイナス4.6%と大きく落ち込んだ。職を失った人も多い。なのに上場企業の一握りの役員だけが高額報酬をもらい続けている構図を冷やかに見ている会社員はかなりいる。

 鉄道車両機器の検査不正が明らかになった三菱電機は、7人が1億円を超えた。19年3月期の21人は下回るが、20年3月期(同1人)に比べると際立って多い。引責辞任を表明し、7月末に辞任した杉山武史・前社長は2億円。

 三菱電機は今回の不正について、調査委員会が9月末までに調査を完了し、関係者の処分などを決める。7人の役員報酬の妥当性についての議論が高まれば、担当役員の報酬返納があり得るかもしれない。

業種別の日本人トップ

 日本人経営者の自動車トップは、トヨタ自動車の豊田章男代表取締役執行役員社長兼CEO(4億4200万円)、エレクトロニクスはソニーグループの吉田会長(12億5300万円)、化学は信越化学工業の金川千尋代表取締役会長(7億3100万円)。電機は東京エレクトロンの河合利樹代表取締役社長(9億200万円)、医薬品はアステラス製薬の安川健司代表取締役CEO(4億8800万円)など、製造業の経営者が上位を占めた。

 総合商社は伊藤忠商事の岡藤正広代表取締役会長兼CEO(6億4900万円)。建材はLIXILの瀬戸欣哉代表取締役社長(5億9800万円)、情報はリクルートホールディングスの峰岸真澄代表取締役会長(5億3800万円)、通信はソフトバンクの宮内謙代表取締役会長(6億3500万円)である。エイベックスはコロナ禍でイベントが激減し、本社を売却するなど業績は超低空飛行だったが、松浦勝人代表取締役会長の役員報酬は倍増した。

“株長者”はSBGの孫氏の4.2兆円が断トツ

 保有する株式数と株価で見た“株長者”の変遷を見てみた。日本経済新聞(7月22日付朝刊)が2021年3月末時点の資産価値を個別にランキングしている。

 3月末の保有株の時価が1000億円を上回ったのは24人。昨年の14人から10人増えた。SBGの孫正義会長兼社長とファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の2人が1兆円を超え、そのなかでも孫氏の突出ぶりが目立つ。

 SBG株の22%を保有する孫氏の保有額は4兆2933億円。柳井氏の保有額は1兆9421億円。柳井氏の親族2人は4213億円の同額で第5位だ。コロナ禍の産業構造の変化や巣ごもり消費が堅調だったことを背景に、新たな顔ぶれも登場した。フリマアプリのメルカリの山田進太郎社長が9位に入った。メルカリは巣ごもり需要を取り込み、将来の業績期待もあり株価は2.4倍になった。

 医療従事者向けの情報サイトを運営するエムスリーの谷村格社長は12位だった。「ゾゾタウン」を運営するZOZOの創業者の前澤友作氏は3月末時点では1358億円で14位だった。それ以降に持ち株を会社に売っている。

(文=編集部)

せっかくなら「積極的解釈」でいこう。

こんにちは、コピーライターの阿部広太郎です。

2020年の春のことを今でもよく思い出します。2020年4月7日、「緊急事態宣言」発出。その前後から、スマホのプッシュ通知に新型コロナウイルスにまつわるニュースがよく出るようになりました。

タップして、すぐに読んで、もう一度頭から読み直して、うつむく。というより、どうしようもない現実にうなだれました。連日、発表されていくライブなどのイベントの中止。ズキッと心に痛みを感じました。

この痛みは、僕だけのものだったはずがないと思います。行きたかったイベントが中止になってしまった。歓迎会、送別会を飲食店ですることが難しくなった。予定していた家族の集いを延期せざるを得なくなった。あなたにも身に覚えがあるのではないでしょうか?

先々の予定の中止だけではありません。先が見えなくなったことで現れた不安。
呼吸が浅くなるような閉塞感。これからどうなるのか? うまくやっていけるのか? まったくもってわからない…もどかしくて苦しくて、得体の知れない感情が心に渦巻いていきました。

HistoryにはStoryがある。ニュートンの場合は?

僕自身、不安に飲み込まれかけていました。くよくよしている自分を認めつつも、何もしないでただ待っているのも嫌でした。そんな時、僕自身がいつも講義やワークショップで話していることを思い出しました。
 

HistoryにはStoryがある。



未来に迷った時は、歴史をたどる。そこには、人間が残してきた物語があります。手と足を伸ばしてじたばたするように、これからの手掛かりを何か一つでも見つけたくて、過去に伝染病が流行した時のことを調べました。

目に飛び込んできたのがニュートンの逸話でした。ビビッと来ました。17世紀、ヨーロッパで猛威をふるったペストの渦中に、ニュートンもいたのです。大学に在学しながら万有引力の法則を発見したニュートンは、ペストによる大学の「休校期間」を「創造的休暇」と解釈していました。

この考え方を忘れたくない、そしてたくさんの人に知ってほしい!おすそわけをするような気持ちで、Twitterを開いてすぐにツイートしました。

想像以上の出来事が起きました。スマホの通知が止まらないのです。そこには、万を超える「いいね」が!

阿部広太郎さん

社会情勢を踏まえてしばらく休校期間にする、というのは大学側の解釈です。それをそのまま受け取って、もちろん休んでいてもいい。それも一つの生き方。

でもニュートンは違いました。「そういうものだから」で片付けず、この休みの時間を、創造するための時間と解釈して、可能性を広げました。もう一つの生き方をたぐり寄せる、なんと鮮やかな転換だろうと思いました。
 

「創造的休暇」

 

この言葉があることで、ステイホームの時間を何かに活かせないかと心が晴れてくるから不思議です。「こうじゃなきゃいけない」という考えに自分をしばりつけてしまいそうになる今。みんなが解釈の仕方を欲しているのかもしれない、そんな予感を抱きました。

せっかくなら「積極的解釈」でいこう。

僕は広告をつくる際、「物事をどう受け取るか」を積極的に考えます。ニュートンがそうしたように、現在の出来事をどう受け取るか? その解釈の積み重ねで、人の一生は大きく変わると思うのです。僕はみなさんに提案したいです。せっかくなら「積極的解釈」でいきませんか?

僕たちの一生は、過去、現在、未来と進んでいきます。時間は、過去から未来に向けて一方向に流れていく、というのが世間一般の考え方です。矢印で簡単に表すとこんな感じです。

過去→現在→未来

かつて僕もこのように捉えていました。過去の出来事は現在からでは取り返しがつかない、と。そして今、これから未来がどんな風に変化していくのか、たくさんの人が語っています。

来たるべき事態に備えるためにどうすれば良いかを考えていく。それはもちろんとても大切なことです。それでも、僕は思います。世の中が大きく変わっていく今こそ、真っ先に見つめるべきは「自分」という存在なのではないか、と。

阿部広太郎さん2

まず自分を、次に現在を解釈し直すことで、自分の心がはっきりしてきます。そして、自分の現在を真ん中にして、過去を、未来を解釈していく。過去に思いを馳せ、未来に手を伸ばすことで、どれだけ強風に吹かれようとも決して折れない柳のような芯が通ると思うのです。

過去に投げかけられた言葉はもちろん、先入観や思い込みで自分を決めつけて、未来をがんじがらめにしてしまうことが往々にしてあります。こういうもんだと諦めて、勝手に自分をみくびってしまう。それが僕はとてつもなく悔しいのです。

こうじゃなきゃいけないなんて、本当は一つもないはずです。自分の人生の中心は間違いなく自分なんだと知ることが、人生の主導権を取り戻すことになります。時間の流れは変えられません。けれど、今ここにいる自分自身から、過去さえも、未来すらも変えることはできると思うのです。自ら流れをつくることで、他人に、世界に振り回されなくなります。

そのためにも、目の前の出来事を鵜呑みにしない。食べ物をもぐもぐと咀嚼してよく味わうように解釈する。自分の身に降りかかることを、積極的に解釈することで、自分で自分を肯定し、自分らしく日々を歩んでいくことができると僕は思います。

それ、勝手な決めつけかもよ?
『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』
ディスカヴァー・トゥエンティワン、288ページ、1650円(税込)、ISBN 978-4799327371

勝手に自分を決めつけないための解釈、その具体的な方法については、僕の著書『それ、勝手な決めつけかもよ?』をぜひ。

今、「風の時代」とも言われています。かたちのないものが意味を持つようになり、想像力や思考力が問われていく。そんな時代をどう生きていくか? これから何が起ころうとも、どんな事態に直面しようとも、やはりはすべて解釈次第だと思うのです。

次回は、「自分の名前」について解釈をしていきます。

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アート×テクノロジーの未来とは?(杉山央×脇田玲)

2020年12月7日から五夜連続で「アートとビジネスがつくる未来を妄想する夜」と題するウェビナーが「アートとビジネスをつなぎ、豊かな未来を描く」をテーマとした電通社内ラボ、Dentsu Art Hubの主催により開催された。アート×ビジネスにそれぞれの立場で深く関わる猛者たちによる対談&鼎談は、いずれの回も「三つのキーワード」のもとで行われた。ご本人により事前に設定された「妄想トーク」のテーマは、それだけで聴く側の妄想が掻き立てられる。
この連載では、ウェビナーを通じて見えてきたアートの本質、ビジネスの本質、さらにはそのアートとビジネスが「掛け算」されることで創造される未来という大きなテーマに、編集部ならではの視点から切り込んでみたい。

最終夜にあたる本稿では、森ビル新領域企画部杉山央氏とアーティスト/慶應義塾大学環境情報学部学部長教授脇田玲氏の対談内容から、アートとテクノロジーの未来について掘り下げていく。

文責:ウェブ電通報編集部

「デジタル=質量のないもの、と捉えると全ての謎が解ける気がします」(杉山央)

森ビルが2019年にスタートさせた新領域企画部に所属する杉山氏。「平面から空間アートへ、そして体験アートへ」という潮流の中、1万平米のアートミュージアムを手掛けるなど、デジタルとアートを融合させた「テクノロジーカルチャーの祭典」を、次々と具現化している。「一言で言ってしまえば、私の仕事は、場をつくる仕事なんです」。そう語る杉山氏が、今、最も注力しているのが体験アートというべきものだ。

ウェビナー時の杉山氏
ウェビナー時の杉山氏

「体験アートとは、その場でしか体験できないもの、その場で感じたものを持ち帰っていただくというものなんです」。杉山氏いわく、こうした潮流は、アートの形そのものを異次元なものへと変化させているという。「分かりやすく言えば、この感動を我がものにしたいと思ったとき、従来であれば、その対象である作品を購入して持ち帰ればよかった。

ところが、体験アートの場合、その作品を持ち帰ることはできない。なぜなら、デジタルが生み出す作品は質量を持たないから。プロジェクションマッピングなどの技術を目の当たりにし、とてつもない感動を味わったとしても、プロジェクションマッピングそのものを持ち帰って所有し、自宅のリビングに飾って楽しむ、ということは物理的に不可能なのだ。

「デザインが薬なら、アートは毒」(脇田玲)

この言葉は、ウェビナーの最後の最後に、脇田氏が紹介してくれたもので、脇田氏の指摘はさらにこう続く。「テクノロジーが欲望なら、サイエンスは謙虚さである」と。その瞬間、ウェビナーの参加者がPC画面の前で膝を打つハタという音が、筆者の耳に押し寄せて来たような気がした。「それでいうと、今日のテーマは『毒と欲望が共鳴する未来』とになりますから、これはもう必然的に壮絶なことになりますよね」

ウェビナー時の脇田氏
ウェビナー時の脇田氏

慶應義塾大学で環境情報学部の学部長を務める一方で、アーティストとしての顔も持つ脇田氏。元々の専門はコンピューターサイエンスで、イメージしやすい例として脇田氏が挙げたのは「CTスキャン」の技術だ。「見えないものを、見えるようにしたい。それも、3Dで。しかも、リアルタイムで。より精細に。そのことだけを追求して、そのことだけを考えて、それこそボロ雑巾のようになるまで働いてきました」。

ボロ雑巾のようにという表現は、一瞬、脇田氏一流の自虐ネタのように思えたのだが、実はそうではない。ボロ雑巾のようになるまで研究に没頭した結果、あるとき脇田氏は大病を患ってしまう。「人生で初めて、といっていい長期の入院も経験したのですが、その際にふと感じることがあったんです。結果としてそれまではゴリゴリの技術者であった私が、今、アートを語る人間としてこの場にいるのですから。人生、なにが幸いするか、分からないですよね」

今宵のキーワード (その1)自分の物語

脇田氏の大病にまつわる話のつづきを、もう少し、聞いてみよう。「大きな病気と対峙したときに、今まで感じたことのない気持ちが湧いてきたんです。それは、どうせ死ぬなら納得して死にたいな、ということでした。そうなると、根が研究者なものですから、であればどうやったら納得できるのだろう?ということに当然なるわけです。風のように流れた先に死があるのだとしたら、流体力学的にはどのような風(かぜ)に、どんな風(ふう)に乗るのが一番いいのだろう?などと考える。その先に、スピリチュアルなものや、アートが見えてくるというのは、ごくごく自然なことだったんですね。少なくとも、私にとっては」

杉山央 (森ビル新領域企画部、一般社団法人Media Ambition Tokyo理事)  学生時代から街を舞台にしたアート活動を展開し、2000年に森ビルへ入社。タウンマネジメント事業部、都市開発本部を経て六本木ヒルズの文化事業を手掛ける。 2018年 「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」企画運営室長として年間230万人の来館者を達成。世界で最も優れた文化施設等におくられるTHEA Awards、日経優秀製品・サービス賞最優秀賞等を受賞。現在は新領域企画部にて、これからの都市生活に必要な文化施設等を企画している。一般社団法人 Media Ambition Tokyo理事。
杉山央 (森ビル新領域企画部、一般社団法人Media Ambition Tokyo理事) 
学生時代から街を舞台にしたアート活動を展開し、2000年に森ビルへ入社。タウンマネジメント事業部、都市開発本部を経て六本木ヒルズの文化事業を手掛ける。 2018年 「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」企画運営室長として年間230万人の来館者を達成。世界で最も優れた文化施設等におくられるTHEA Awards、日経優秀製品・サービス賞最優秀賞等を受賞。現在は新領域企画部にて、これからの都市生活に必要な文化施設等を企画している。一般社団法人 Media Ambition Tokyo理事。

今夜は妄想夜会ということなので、当時感じたこんな妄想話をしてもいいわけですよね?と照れ臭そうに語る脇田氏につづいて、杉山氏が口を開いた。

「私が森ビルに入社するきっかけも、実は巨大な妄想からでした。元々は、大学生の頃、街中へ繰り出してあっちこっちにアートをつくる、みたいな悪戯をしてたんです。もちろん、街を破壊してやろうといった大それたものではなく、おかげさまで警察のご厄介になることもなかったわけなんですが、そのうち、同じことをやるなら、もっと大きなことをやってみたいという妄想にかられるようになっていく。ちょうどそのタイミングで六本木ヒルズという巨大なアートシティーができたりして。この会社に入れば、そんなことができるんじゃないかな、ということでつい門をたたいてしまったんです。おおげさに言うなら、テクノロジーというものへの考え方が、単なる道具から表現そのものに変わった瞬間だったのかもしれません」

今宵のキーワード(その2)外れ値

お二人の言う「外れ値」とは、社会の枠からはみ出た「特異な才能」のこと。杉山氏の言葉を借りるなら「こうした、多数決では没になってしまう、あるいは、非マーケティング的な才能こそが、アートには必要だ」ということになるし、同じことを脇田氏の言葉で表現するなら「アイツ、変なヤツだけど、おもしろいよね、いいよね、と受け入れられるやさしさのある社会や環境が、アートを育む上でなによりも大切」ということになる。

「外れ値=悪、ではない」とはどういうことか。杉山氏はこう説明する。「2〜3年先の未来を想像して、実際に2〜3年後にそれを具現化してしまうスタートアップのような人がいる。そのもっと先を見ている人は、たとえば研究者みたいな人。さらにさらに、もっともっと先を妄想している人こそが、アーティストであり、思想家であり、SF作家であったりする。大事なことは、どの人が正しく、どの人が社会にとって必要なのかを決めることではなく、違う未来を夢見ている人同士の交流をもっともっと盛んにしていくことだと思います」

脇田玲 (アーティスト/慶應義塾大学環境情報学部学部長教授) 科学と現代美術を横断するアーティストとして、数値計算に基づくシミュレーションを駆使し、映像、インスタレーション、ライブ活動を展開している。Ars Electronica Center、 WRO Art Center、MUTEK、清春芸術村、日本科学未来館、Media Ambition Tokyo、21_21 DESIGN SIGHTなどで作品を発表。主な展示に「高橋コレクション『顔と抽象』-清春白樺美術館コレクションとともに」(2018)、日産LEAFと一体化した映像作品「NEW SYNERGETICS -NISSAN LEAF X AKIRA WAKITA」(2017)などがある。
脇田玲 (アーティスト/慶應義塾大学環境情報学部学部長教授)
科学と現代美術を横断するアーティストとして、数値計算に基づくシミュレーションを駆使し、映像、インスタレーション、ライブ活動を展開している。Ars Electronica Center、 WRO Art Center、MUTEK、清春芸術村、日本科学未来館、Media Ambition Tokyo、21_21 DESIGN SIGHTなどで作品を発表。主な展示に「高橋コレクション『顔と抽象』-清春白樺美術館コレクションとともに」(2018)、日産LEAFと一体化した映像作品「NEW SYNERGETICS -NISSAN LEAF X AKIRA WAKITA」(2017)などがある。

その意味では、ということで脇田氏がこんな話をしてくれた。「たとえば、今のデジタルには『おススメをリコメンドしてくれる』みたいな機能というかサービスがありますよね。でも将来的には『あなたこれ、キライでしょ!だったら一度、トライしてみたら?』というリコメンドがあってもいい。その方がよっぽど、クリエイティブマインドは刺激される」

今宵のキーワード(その3)マネー

マネーの話にいく前に、と、脇田氏がこんなことを指摘した。「デジタルって、作業の痕跡がまったく残らない技術なんです。アナログなアートって、絵画でも彫刻でもなんでもそうですが、試行錯誤している痕跡そのものに価値があったりするじゃないですか。デジタルの場合、そんなものはデリートキー一発で、この世から削除できちゃうわけで。これは、すごいことである半面、とてつもなく恐ろしいことでもあると思うんです」

脇田氏の指摘は、これまで杉山氏から出ていた「デジタル=質量のないもの」「体験という目に見えないもの、所有権が発生しないものを売るビジネス」という事柄にもぴたりと当てはまる。アートの価値をより一層、マネタイズしていくためには、やはりデジタルテクノロジーの活用は不可欠なものであるようだ。

最後に杉山氏から出た「日本人として大いに希望の持てる話」を紹介して、この全6回にわたる連載を締めくくろうと思う。「目に見えない感情とか、美しさを立体や空間といった3Dで表現するのは日本人がもっとも得意とすることだと思います。古の建築でも、庭園でも、茶室でも、なんでもそうです。空間をつくりあげることで、そこにスピリチュアルなものを表現する。わびさびであったり、先人や同時代を生きる全ての仲間、未来を生きる人、もっといえば八百万の神様まで、あらゆるものへのリスペクトを表現する。それこそが、日本が誇るアートの本質であり、だからこそ、海外からの羨望の目も注がれているのだと思います。そのことに僕らはもっと自信を持つべきだし、もっともっと多くのことを学ぶべきだ。幸いなことに、この日本には学ぶべきことはまだまだたくさん残されているはずです」

対談を終えての2ショット
本連載は、「アートとビジネスがつくる未来を妄想する夜」と題されたウェビナーの内容を主催者である笠間健太郎氏(アーツ・アンド・ブランズ代表取締役)の監修のもと、ウェブ電通報独自の視点で編集したものです。

過去の衆院選と株価、調べて見えた意外な関係…秋以降のカギは「ヘッジ取引」でリスク回避

 年初より堅調な展開を示し、2月には念願の日経平均株価3万円台を達成した東京株式市場だが、そこを頂点にして、以降は三寒四温ならぬ四寒三温の推移になった。そして8月後半には年初来安値更新と、いわゆる「行って来い」になり、3万円は再び厚い壁になりつつある。

 伴って昨年来の株高を予想できなかった証券関係者や識者からは、潮目の変化や宴の終わりを指摘する声も聞かれ始めた。なるほど、亜種のデルタ型ウイルスの急激な感染拡大、インフレの加速を懸念する米国金融当局の政策転換、そして与党苦戦が伝えられる秋の国政選挙と、現状は株価の支援材料よりも懸念要因が勝っている印象だ。

 なかでも差し迫ったものは、今秋までに実施される衆議院選挙であろう。

 前哨戦と位置づけられた国会議員補選や再選挙、政令指定都市の首長選で、与党公認・推薦候補は敗北を重ねている。ウイルスの封じ込めに失敗するとともに、弛緩した与党議員の行状や首相の訴求力への有権者の不信、不満も相俟って内閣支持率はつるべ落とし。総選挙で与党が壊滅的な敗北を喫すれば、何より先行きの予測が困難な状況を嫌う株式市場が大荒れになることは必至と考えるのが、一般的な認識であろう。

 ただ先例を調べると、異なる解釈が浮かんで来る。衆院選の結果が株式市場に与える影響は、実は限定的なのだ。今世紀に入ってから実施された過去6回の衆院選の結果と、選挙直後及び1カ月後の日経平均株価終値を対比すると、上昇したケースは2回、下降したケースは4回になる。騰落率も、各年を累計した年間平均変動率が約4割であることを考えれば、欧州経済危機による不況のボトムアウトに重なる2012年を除けば際立った変動とはいいがたい。

 サンプルとした6回のなかには、与野党逆転によって民主党が政権を奪取した2009年、これを自民党が奪還した2012年の総選挙が含まれている。憲政史上に残るような劇的な結果が生じたにもかかわらず、市場は特筆するような動きを示していないわけだ。

「精度が高くなっているマスコミの世論調査を受けて、選挙結果を株式市場は事前にほとんど織り込んでしまう」(証券関係者)

ヘッジ取引を手の内に入れる

 もっとも目先の懸念材料が案外張り子であったとしても、右肩上がりを期待できる局面とはいえない。一昨年のコロナショック後の上昇相場は、早期の収拾を想定した楽観シナリオによるものが大きいためだ。過剰流動性の下支えは続くものの、執拗なウイルスの跳梁が頭を押さえ続ける。キャピタルゲインを望む投資家には退屈な綱引き相場は長引くのではないか。

 上放れも深押しも想定しづらい局面で、一考に値するのは、ヘッジ取引を手の内に入れることかもしれない。手掛けやすいものとしては、自身の保有銘柄のポートフォリオと平均株価や東証株価指数(TOPIX)の変動率を算出して、株式先物の売り建てによって現物株の値下がりを補填する手法であろう。

 先年亡くなられたが、普通のサラリーマンながら、定年後に潤沢な金融資産を築いたシニア投資家は、常々言っていたものだ。「嫌な予感がしたら、ヘッジ売りをしておく。そうすれば暴落があっても、気にせずに趣味に専念できる」と。

(文=島野清志/評論家) 

○過去の衆議院選挙と平均株価の推移

2017年10月(選挙直後の営業日終値と同1か月後終値の騰落率△3.8%)主な政党の獲得議席(自民284立憲民主55希望50公明29共産12維新11)

2014年12月(同▲0.5%)同(自民291民主73維新41公明35共産21)

2012年12月(同△7.9%)同(自民294民主57維新54公明31みんな18)

2009年8月(同▲3.4%)同(民主308自民119公明21共産9)

2005年9月(同△5.1%)同(自民296民主113公明31共産9)

2003年11月(同▲3.6%)同(自民237民主177公明34共産9)

香港、爆破テロの動き活発で“アフガン化”懸念…鉄道や繁華街も標的、ネット上で英雄視も

 香港ではここ数年、民主化機運の高まりとともに、反政府や反中国の動きが活発になり、「香港独立」を旗印に掲げて、爆発物によるテロ活動が頻発している。香港在住の邦人企業駐在員は「いま世界はアフガニスタン情勢に目を奪われているが、香港がアフガンと同じく『自爆テロの都市』になる日が来ないとも限らない」と指摘している。

 香港の新中国系紙「香港文匯報」は「すでに2019年からこれまでの3年間で、12件の爆弾を使ったテロやテロ未遂が起きている。とくに、中高生が実行犯役になるケースが多く、今後も増える可能性がある」と報じている。

香港政府の弾圧的な取り締まり方法に反感

 まず、最近の事件では今年7月、中高生の男女9人を含む14人が香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで、香港警察によって逮捕された事件が記憶に新しいだろう。これらの「テログループ」は手製爆弾を製造して、トンネルや鉄道、裁判所などへの攻撃を計画したとして、国安法の「テロ活動」の疑いがかけられている。中高生が国安法容疑で逮捕されるのは初めてだ。

 警察発表によると、逮捕されたのは香港独立過激派組織「光城者」のメンバーで15~39歳の男女。このグループのリーダーは香港バプテスト大学広報部長の男、杜倚獅(39)で、このほか不動産会社幹部の男(37)やタクシー運転手、建設作業員らが主要メンバーだ。

 杜らはホテルの一室を借り切って、爆弾などの兵器の製造拠点としており、警察はTATP爆弾の製造機器、火薬や化学原料、大量の通信機器、3Dプリンターと手製の拳銃部品などを押収した。また、テロ計画の資金の銀行預金60万香港ドル(約780万円)あまりの資産が凍結されている。

 警察関係者によると、彼らは海底トンネルや香港中心部の鉄道の駅、裁判所、九龍地区最大の繁華街でホテルや商店、レストランなどが集中するチムサチョイ(尖沙咀)に爆発物を仕掛ける予定だったという。

 その実行役が9人の中高生で、逮捕された中学生の自宅から現金約3万5000香港ドル(約46万円)が発見されており、杜らが中学生らの報酬、あるいは逃走資金として渡していたとみられる。このほか、中高生には海外で使用されたSIMカード内蔵の携帯電話が渡されており、杜らが具体的な計画の指示を伝えるために用いられていた。

 香港警察本部警務処国家安全部の李桂華・高級警視は「押収されたTATP爆弾は驚くべき殺傷力を持ち、過去には世界各地のテロ組織によって大規模なテロ活動に使用され、多数の犠牲者を出している。香港で使われた場合、テロの標的になっている繁華街が多いため、多数の死傷者が出る可能性が大きい。さらに、手先に使われた中高生が最初の犠牲者になることもありうる。まさに、許しがたい犯行だ」と指摘。さらに、李氏は「杜らは組織の主犯であり、ほかに資金提供者がいるとみられ、組織を根絶やしにする必要がある」と強調した。

 しかし、ネット上では「たしかに、10代の中高生が実行犯となるのはショッキングな事実だが、彼らをこのような立場に追いやったのは、警察を含む香港政府の弾圧的な取り締まり方法に彼らが反感を抱いたからだ。警察側にも反省すべき点は多い」などとの書き込みもみられる。

2.6トンもの爆発物を22カ所に仕掛ける

 この事件は犯行にかかわった人数が多く、背後に資金を提供する黒幕がいる可能性も指摘されている。これと同様のケースでは2020年3月に、2.6トンもの爆発物を使って60以上の爆発物を製造し、香港の22カ所に爆発物を仕掛けていた17人の男女のテログループが警察の「突撃捜査」(香港文匯報)によって逮捕されている。

 また、今年2月にも、23キロもの爆発物を使って、3個の時限爆弾を製造していたグループが摘発されている。彼らのアジトを捜索したところ「香港独立」を掲げたパンフレットが発見されている。グループの2人が逮捕されているが、他のメンバー数人が逃走しているという。20年1月には九龍地区の繁華街である旺角で大量の爆発物をしかけようとした「勇武派」という香港独立を目指す過激派10人が逮捕されているが、このグループの実態も不明で、犯行メンバーが香港内に潜んでいる可能性が強いという。

 このほかにも、香港島の中心部である灣仔地区にある香港華仁書院というキリスト教系の男子校の大学構内で、10キロの手製の時限爆弾が発見され、大騒ぎになり、香港警察の爆発物処理班が出動し、事なきを得たケースも発表されている。

 これらの事件では、かなり組織的なケースもある一方、単独犯に近いグループの事件も含まれているが、いずれにしても、人口が740万人程度の香港では、明らかに爆発物の事件が多いのは間違いない。

 このほかにも、香港返還24周年を迎えた今年7月1日夜、香港島の繁華街で観光客も多い銅鑼湾(コーズウェーベイ)中心部の「そごう百貨店」前で警官が刺されて負傷、犯人である50歳の男も自ら胸を刺して死亡するというショッキングな事件が発生している。

 警察は事件を「単独犯によるテロ襲撃」と断定しているが、ネット上では事件発生後、犯人を「烈士」「勇者」と呼んで、英雄扱いする向きもある。

 香港政府ナンバー2の李家超・政務長官は「一昨年6月から発生した暴力デモの影響は深く、香港の法を守る意識が破壊され、地元テロリストが生まれ始めた」と指摘し、香港におけるテロの横行に警戒感を露わにしている。

(取材・文=相馬勝/ジャーナリスト)

●相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

水卜麻美アナの運命も変えた?芸能界引退の夏目三久、日テレ退社後の華麗な“倍返し”人生

 フリーアナウンサー・夏目三久の芸能界引退まで、あと20日ほど。今後は、夫の有吉弘行を支えるという。思えば、夏目ほど波乱に富んだ女子アナウンサーはいなかったのではないだろうか。

 2007年4月、日本テレビに入社した夏目。そのわずか半年後には『午後は○○おもいッきりテレビ』のリニューアル版『おもいッきりイイ!!テレビ』のアシスタントに抜擢される。新人アナとしては破格の扱いだった。

 また、夏目は、日テレ開局55周年をPRするためのアナウンサーユニット「go!go!ガールズ」の一員にも選ばれる。翌08年、この活動の一環で東京マラソンに出場し、完走。さらに、同年10月には『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』のアシスタントに抜擢されるなど、まさに異例の待遇だった。

写真スキャンダルで番組を降板

 入社2年目、そんな夏目を揺るがす事件が起きる。09年7月14日発売の「FLASH」(光文社)に、交際していた男性とベッドに寄り添うツーショットやコンドームの箱を持って笑っている写真が掲載されたのだ。男性は老舗アパレルメーカーの御曹司で、大手広告代理店勤務とされていた。

 当時、夏目は『おもいッきりイイ!!テレビ』のリニューアル版『おもいッきりDON!』に出演していたが、この件を受けて、営業担当がスポンサー各社への事情説明と謝罪に追われたという。スポンサーは降板こそ求めなかったが、「処遇は考えてくれ」とだけ言ったそうだ。

 この事件から3カ月後の09年10月、夏目はリニューアルの一環ということで『おもいッきりDON!』を卒業。以後はCS日テレが運営する『日テレNEWS24』の担当となり、空いた時間はアナウンス部の電話番をしていたという。

「机には、件の雑誌があからさまに置かれていたこともあったそうです。結局、その広告マンとは破局しました」(テレビ局関係者)

 ちなみに、リニューアルした『おもいッきりDON!』も1年後に打ち切られ、11年3月からは『ヒルナンデス!』がスタートする。同番組のアシスタントに就任したのが、入社1年目だった水卜麻美アナだ。この後、水卜アナは『スッキリ』、そして『ZIP!』と出世街道を走ることになるのだが、もし夏目の事件がなければ、現在のエース・水卜アナの命運も変わっていたのかもしれない。

 夏目の父親は、ネット風評監視サービスのイー・ガーディアン創業者の夏目三法氏。一時はアナウンサーを辞めて同社に就職することも考えたという夏目だが、ここから華麗な逆襲が始まる。

フリー転身後に『怒り新党』で復活

 11年1月、夏目は入社から4年で日テレを退社する。しかし、汐留を去った3カ月後の同年4月、夏目の笑顔は六本木にあった。テレビ朝日でスタートする『マツコ&有吉の怒り新党』のアシスタントとして抜擢されたのだ。これが、フリー転身後初のテレビ露出だった。

「『怒り新党』は当初、局の新人アナを起用する予定だったといいます。夏目の起用については局内でも不安視されましたが、その図太さが決め手になったようです。実際、マツコ・デラックスから『最近の自分へのご褒美は?』と聞かれた際に『日テレを辞めたこと』と答えて、笑いを誘ったこともあります。毎週、露出度の高いミニスカで美脚をあらわにし、さらに毒舌2人にイジられながらも明朗な受け答えをするあたりに、大器の片鱗を見せました」(同)

『怒り新党』は深夜1時半から2時台という時間帯にも関わらず、世帯視聴率6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマーク。わずか半年で23時台に昇格し、放送時間も1時間に拡大した。視聴率は時に13%を取り、夏目はその立役者とまでいわれた。

「夏目の窮地を救ったのが、田辺エージェンシーの田辺昭知社長です。夏目は知人の紹介で芸能関係者と会い、同社を紹介してもらったそうです。田辺社長の夏目に対する寵愛ぶりはすさまじいことで知られています」(同)

『バンキシャ!』で古巣に返り咲きの裏側

 田辺社長の猛プッシュは続く。13年4月、夏目は古巣である日テレのレギュラー番組に起用される。『真相報道 バンキシャ!』だ。

「夏目は産休に入る鈴江奈々アナの後任として入りました。当初、日テレはフリーになった西尾由佳理を起用する考えもあったそうですが、すでにフジテレビのワイドショー『知りたがり!』に内定したといわれていたこともあり、断念。ただ、蓋を開けてみれば『知りたがり!』には元NHKの住吉美紀が起用されましたが……。いずれにしろ、当時の日テレは石田エレーヌ(現・葉山エレーヌ)も産休中など、慢性的な女子アナ不足に悩まされていたため、タイミングが良かったという事情があります」(同)

 田辺社長にはもうひとつ、夏目を売り込むための切り札があった。

「日テレは田辺エージェンシーに貸しがあるのです。かつて所属タレントのタモリが、司会を務めていた音楽バラエティ『今夜は最高!』で演出方法をめぐりスタッフと喧嘩。『俺は日テレに出ない』と局NGにしたのです。今ではそこまでの遺恨はないようですが、田辺社長はこの件を交渉のテーブルに出したといわれています」(同)

 そして、14年3月からは、夏目が総合司会を務める平日朝の帯番組『あさチャン!』(TBS系)がスタート。前年に放送された大ヒットドラマ『半沢直樹』の続編を主演の堺雅人にお願いしたいTBSと、堺と同じ事務所の夏目を売り込みたい田辺エージェンシーの利害関係が一致した形だ。また、同時期にタモリの『笑っていいとも!』が終了したことで、田辺エージェンシーとしては金銭的な穴埋めの意味もあった。

5年前の不可解な結婚&妊娠報道

 16年3月、夏目は『怒り新党』の卒業を発表する。有吉との交際を聞きつけた田辺社長が激怒し、番組から降ろすという異例の措置を取ったのだ。同年8月には一部マスコミが有吉との結婚・妊娠を報じたものの、田辺社長は全メディアを封殺。当人や所属事務所に「事実無根」を貫かせた。しかし、2人はひそかに愛を育み、5年後の21年4月に結婚を発表する。

 では、なぜ田辺社長は夏目の結婚を許したのか? 今年は夏目が事務所に所属して丸10年の節目ということもあり、ねぎらいの意味もあったようだ。また、田辺社長は現在、秋元康やTBSとタッグを組んで女優育成プロジェクト「私が女優になる日_」に取りかかっていることもあり、態度が軟化していたという。

 10年に1人の逸材と呼ばれたものの、コンドーム写真流出騒動で地獄を見た夏目。しかし、芸能界随一の実力者からの信頼をバックに華麗に甦り、『バンキシャ!』で日テレに返り咲いた。

「例の“コンドーム事件”で夏目を干したといわれる当時のアナウンス部元部長も関連会社へ異動となるなど、今や圧をかけていた幹部も姿を消しました」(同)

『おもいッきりイイ!!テレビ』では司会のみのもんたからイジられていた夏目だが、その後、みのが担当していた『朝ズバッ!』の後番組のMCに就任した。さらに、芸能界一の売れっ子という伴侶も見つけた。夏目も出演していた『半沢直樹』ではないが、鮮やかな“倍返し人生”である。

 そんな夏目は『あさチャン!』が9月24日に番組終了、『バンキシャ!』も9月26日で“卒業”となる。最後はどんなあいさつをするのか、大いに楽しみだ。

(文=編集部)

本日の会見も…河野太郎のワクチン”総裁選利用”が露骨に! はじめしゃちょー相手に「ワクチン打てば人に感染さない」とデマも

 菅義偉首相の失脚によってメディアの自民党政局報道が激化するなか、総裁選への出馬の意向を固めたと言われる河野太郎・行革担当相に注目が集まっている。この週末におこなわれた世論調査でも、「次の首相にふさわしいのは誰か」の質問で、河野氏は共同通信で31%、読売新聞で23%、JNN...