負かした相手が「ワンツーフィニッシュ」で評価爆上げ!? ソダシも勝った出世レースで4馬身差の独走、来年のクラシック候補によぎる一抹の不安

 20日、中山4Rに行われた2歳未勝利戦(芝1800m)は、戸崎圭太騎手が騎乗した2番人気アスクビクターモア(牡2歳、美浦・田村康仁厩舎)が、1番人気アサヒの追撃を振り切って優勝。

 昨年のセレクトセールで1億7000万円(税抜)で取引された期待馬が、2戦目でしっかりと勝ち上がりを収めた。

 戸崎騎手はレース後、「新馬戦のときからポテンシャルを感じていた。最後の脚もしっかりとしていた」とコメント。管理する田村師も「オーラがある馬」と以前から話しており、同馬から相当の素質を感じている様子。昇級する次走も、いきなりの好勝負が期待できそうだ。

 また、1番人気に支持されるも痛恨の出遅れ、向正面から追い上げを図ったものの2着と惜敗したアサヒ(牡2歳、美浦・金成貴史厩舎)も、3着馬には5馬身の差をつけており、こちらも次走はほぼ鉄板級とみて間違いなさそうである。

 この結果を受けて評価が大きく上がったのが、今年の札幌2歳S(G3)の覇者ジオグリフ(牡2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)だ。

 6月、東京で行われた芝1800mの新馬戦で上記2頭と対戦。直線で前を行く両馬を、外から上がり33秒3の豪快な末脚でなで斬り。1分48秒2の好タイムで、アサヒ以下に1馬身半以上の差をつけての完勝を収めている。

 今回、アスクビクターモアとアサヒが強い競馬でワンツーを決めたことで、SNSやネットの掲示板には、「この2頭に勝ったジオグリフは化け物」「皐月賞までは無敗」「ジオグリフの初戦は伝説の新馬戦」といったコメントが付くなど、評判はウナギ登りのようだ。

 昨年はソダシが勝った出世レースの札幌2歳Sで、4馬身差の独走。2歳王者はもちろんのこと、来年のクラシックでの活躍も確約されつつあるのかもしれない。

 ただ、そんなジオグリフの不安点をあえて挙げるとすれば血統面だろうか。

 父のドレフォンは現役時代、アメリカで1200m~1400mのダートG1を3勝。いわずもがなのバリバリのダート短距離馬である。ジオグリフ自身は芝1800mで2勝を挙げているが、新種牡馬の産駒でもあるだけに、今後どのような馬へと成長するのかは現時点で未知数である。

 一方、今回勝ち上がったアスクビクターモアはディープインパクト産駒。母父はサクラローレルの父としても有名なレインボウクエストだ。サクラローレルは古馬になってから力を付けていったように、アスクビクターモアにも今後の成長力が期待できそうだ。

 またアサヒも父はマイナーなカレンブラックヒルながら、近親にディープインパクトを持つ血統馬。相当のポテンシャルを秘めている可能性もある。

「ジオグリフは母のアロマティコが秋華賞(G1)とエリザベス女王杯(G1)で3着。近親のインティライミがダービーで2着など、一族がG1になると善戦止まりなのが多少気になるところですね。

デビュー戦で後れを取ったアスクビクターモアとアサヒですが、共に将来性は抜群。来年のクラシックでジオグリフにリベンジを果たすシーンがあるかもしれませんよ」(競馬誌ライター)

 順調に進むようであれば、3頭が再び大きなレースで顔を揃える日もやってくるかもしれない。果たして軍配はどの馬に上がることになるのか。再戦の機会を楽しみに待ちたいところだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

正社員「初年度年収」業種別ランキング、3位不動産・建築系、2位IT・通信系、堂々1位は?

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

近年増加の一途を辿っている転職者数。2020年はコロナ禍による雇用状況の悪化から大きく減少したものの、転職希望者数は引き続き増えているという。働き方が大きく変化した流れのなかで、キャリアの見直しを考える人も多いようだ。ただ、転職を考えたときに、年収が増えるのか減るのかは当然誰もが気になるところだろう。

そこで今回は、株式会社マイナビが行なった2021年8月の「正社員の平均初年度年収推移レポート」から、業種別の年収ランキングを紹介しよう。

人材不足が深刻な業界は、初年度平均年収が高い?

株式会社マイナビは、運営する転職情報サイト「マイナビ転職」に掲載された求人情報から、2021年8月度の全国の正社員の平均初年度年収推移を調査、その結果を発表した。その発表によると、8月の全国平均初年度年収は、454.3万円だったことが分かった。前年同月からは1.5万円増加したという。ちなみに本社所在地エリア別で見てみると、高い順に「関東」が468.4万円、「東海」445.8万円、「関西」438.5万円だった。

では、業種別ではどうだろうか。どんな業種が最も初年度の年収が高いのだろうか。3位から順に紹介する。

初年度平均年収が高い業種、第3位は「不動産・建築・設備」で490.4万円。コロナ以前より慢性的な人材不足が続く業界だけに、雇用に力を入れ人材確保を目指す企業も多い。ちなみに未経験者の平均は460.5万円、経験者は535.5万円となっている。

続いて第2位は、「IT・通信・インターネット」業界で501.4万円。建築業界同様、IT業界も需要に対し技術者の不足が恒常的に続いている。政府の試算によれば2030年には約79万人ものIT人材が不足するともいわれている。経験の有無を問わず、多くの人材が求められている業界といえるだろう。未経験者の初年度平均年収は461.4万円、経験者は533.6万円だった。

では、初年度の年収が最も高いのはどんな業種だろうか? 気になる第1位は、「コンサルティング」で504.7万円だった。平均年収が高く、転職市場において常に人気の高いコンサルティング。商社や金融・保険、マスコミ・広告、メーカーなどのすべての業種を抑えて、第1位を獲得している。未経験者でも471.3万円、経験者では571.7万円という結果だった。

また…

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パチスロ「遊びやすい6.2号機」がデビュー! 初打ちから勝利するための攻略ポイント解説!!

 ひと足早く訪れたハロウィンに、心躍らせているファンも多いことであろう。9月21日、コナミアミューズメントの最新パチスロ『マジカルハロウィン~Trick or Treat!~』が、待望の全国ホールデビューを開始した。

 有利区間「3,000G」に対応した6.2号機の本機は、高確率に設定されたボーナスと1G純増約1.0枚、1セット30G+αのART「カボチャンス」の連鎖で出玉を増やす仕様。

 主なART突入契機はボーナス中の「まじかるチャンス」発生やカボチャ絵柄揃い、ボーナス終了後や333G消化などで移行する「詠唱チャレンジ」での押し順正解で、ひとたび突入すれば多彩な上乗せや上位ARTへの昇格などでロング継続が狙える。

 そんな本機は既に複数の設定推測要素が判明しており、まず小役は共通8枚コイン、共通3枚コイン、弱チェリー出現率設定差がある。詳しい数値は共通8枚コインが設定1:106.4分の1~設定6:75.8分の1、共通3枚コインが設定1:107.8分の1~設定6:76.4分の1で、弱チェリーは81.9分の1~80.7分の1。共通コインは、ART中のみ見極められる。

 ボーナスについてはリプレイ重複ボーナスと弱チェリー重複ボーナスに設定差があり、こちらの数値は共に設定1:2730.7分の1~設定6:1820.4分の1(合算は設定1:1365.4分の1~設定6:910.2分の1)。

 重複契機を見極めるためにも、通常時&ART中のナビなし時は左リールにチェリーをフォローして消化すべきであろう。角チェリー停止からの右リール中段ボーナス絵柄停止は強チェリー、それ以外は弱チェリーとなる。

 また、ART中にREGを引き当てた際は開始時の背景に要注目で、夏は奇数設定、冬は偶数設定、春は高設定示唆。そこまで大きな数値差はないが、それなりのサンプルが集まればサブ的要素として活用できる。

 ART中はハズレ出現率に大きな設定差があり、その数値は設定1:8192.0分の1~設定6:2048.0分の1。早期に複数回確認できた場合は、しばらく様子を見るべきであろう。

 このほか、ART中は「222枚突破」表示で設定2以上、「444枚突破」表示で設定4以上、「666枚突破」表示で設定6が濃厚となる模様。

 ボーナス確定及び終了画面では高設定ほど「アリス・イン・ワンダーランド」が選ばれやすく、ボーナス終了時での出現は設定2以上、ボーナス確定時と終了時の両方で出現した場合は設定5以上に大きな期待が持てるようだ。

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「PayPay STEP」またもや改悪! 10月1日からYahoo!が運営するサービスでPayPayの還元率優遇が廃止に!

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4,000万ユーザーを抱えるスマホ決済サービスの王者「PayPay(ペイペイ)。利用状況に応じてポイント還元率が変化する「PayPay STEP(ペイペイステップ)」を2021年7月1日にリニューアルしたばかりだが、10月1日からは、Yahoo! JAPANが運営するサービス利用による1%還元が0.5%に半減して、優遇措置が事実上廃止に! これまで以上に最大1.5%還元を受けるのが難しくなった。そこで今回は、10月1日からのPayPay STEPがどう変わるのか解説しよう。

そもそもPayPayで1.5%還元を受けるのは厳しかったが……

スマホ決済サービスNo,1の「PayPay(ペイペイ)」。満を持して2021年10月1日から、加盟店の手数料を有料化するが、ユーザーのポイント還元システム「PayPay STEP」がまたもや改悪されることになった。

そもそもPayPayのポイント還元システム「PayPay STEP」は、基本還元率0.5%に「100円以上の決済が月50回以上」で+0.5%、さらに「月間利用額が10万円以上」で+0.5%され、最大1.5%還元されていた。しかし、これが2021年7月1日からは、基本還元率0.5%に「300円以上の決済が30回+5万円以上の決済」で+0.5%、さらに「対象3サービス利用」「Yahoo!プレミアム会員登録」「PayPayアカウントとYahoo! JAPAN ID連携」のすべてをクリアしてようやく+0.5%されて最大1.5%になるように改悪されたのだ。この「PayPay STEP」の改悪については→こちらで紹介しているので確認してほしい。

ところが、2021年10月1日からはYahoo! JAPANが運営するサービスの還元率優遇措置まで事実上廃止され、これまで以上にPayPayで最大1.5%還元を受けるのは難しくなってしまったのである。

それでは、2021年10月1日からPayPay STEPは何がどう変わってしまうのだろうか? まず、Yahoo! JAPANが運営するサービスであるYahoo!ショッピング/ヤフオク!/LOHACO by ASKUL/Yahoo!占い/Yahoo!ニュース/ebookjapan/Yahoo!ゲーム/Yahoo!トラベル/PayPayフリマ/PayPayモール/GY…

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パチンコ「〇〇狙いは休日」がチャンス!? 朝から2万5000発の爆発!!

 パチンコ分野における遊タイムの概念が定着してきた。業界初の遊タイム搭載機『Pフィーバー真花月2 夜桜バージョン』の登場が2020年4月なので1年と半年近く経過したことになる。

 本機の登場時には「パチンコでも天井狙いが可能になった」と沸いたものだが、最近では「遊タイムは不要」と考えるユーザーも少なくないようだ。

 確かにハマってしまうと「遊タイムまで追わねばならない」というようなプレッシャーがかかることもあるだろう。遊タイム狙いのユーザーから熱視線を送られる場面もあるかもしれない。

 それでも遊タイムを有り難く思うユーザーが多数派の印象。どのホールを見ても老若男女問わず遊タイム搭載機ならば、ハマッている台を選んでいる方が多いだろう。

 ホール側も遊タイムに気を使っている様子。例えば遊タイム直前に閉店した場合、ラムクリアするか否かという判断になるが、大手ホールは据え置きにする傾向にあるようだ。

 遊タイム直前のまま開店すれば、ホールには痛い出費になるかもしれない。ただ「ラムクリアをする店」とレッテルを貼られれば、「来店客が減るデメリットがある」と考えているのかもしれない。

 そのためか、最近は朝の並びにパチンコ目的のユーザーも多い印象がある。彼らは遊タイムに近い回転数で閉店した台へ一直線に向かっていくのだ。

 しかしながら、まだまだ朝の並びはパチスロ目的のユーザーが多い。遊タイム狙いはチャンスという印象だ。先日も21人中11番という微妙な入場順であったが、前日500ハマりの『 Pとある魔術の禁書目録』を確保できた。

 本機は大当りで必ずラッシュに突入するが、ラッシュ継続率は約80%と強力。さらに右打ちの70%が10Rという現行機種トップクラスにアマいマシンだ。

 初当りが早くても良いがハマッて遊タイムに突入しても良い状況。今回はしっかりとハマり遊タイムに突入すると200回転ほどで大当りを獲得した。

 するとこれが大爆発。22連で手持ちは2万5000発弱となり、投資2万7000円を大きく捲くる結果となった。

 経験上、金曜日や土曜日など休日の前日は大ハマリ台が出没しやすい傾向がある。公開データを参照した上で休日の朝にホールで抽選を受けてみるのも良いかもしれない。

(文=大松)

<著者プロフィール>
 4号機『大花火』でホールデビューし、『パチスロ北斗の拳』でドハマリ。6号機は『パチスロ モンスターハンター:ワールド™』がお気に入り。G&Eビジネススクール卒業後、プログラマーや事務職を経験。現在はライティング業務に従事する傍ら「パチスロガチ勢」として活動中。パチMAXでは主にハイエナ実戦記事や動画レビュー記事を担当。常に攻略情報に注目しており、「6号機でも勝てる」を心情に有益な情報を紹介中。

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甘デジ豊富な時短機能で「最大10R×高ループ」RUSHを狙える個性派マシン!!

パチスロライター「マエダ氏のザ・ノンフィクション」後編

甘デジ豊富な時短機能で「最大10R×高ループ」RUSHを狙える個性派マシン!!

 水上相撲のような競技が公営ギャンブルとして成立している世界を舞台に少女たちのアツい戦いと友情の物語を描いた「競女!!!!!!!!」のタイアップマシンのシリーズ最新作が甘デジで登場。

PA競女!!!!!!!!‐KEIJO‐99Ver.』は兄弟機となる『319ver.』『199ver.』のゲーム性を踏襲し、手軽に『競女』の世界観を楽しめる機械となっている。その基本的なゲーム性は以下のとおり。

 大当り確率が1/99.9で、ヘソ抽選の35.2%で確変に突入。確変システムは転落抽選式で、1/99.9で抽選される転落フラグを引き当てる前に1/42.0の大当りを引く流れとなり、確変「連戦シリーズ」は電サポ50回+アルファで構成されている。

 一般的に転落抽選タイプの機種では転落の有無にかかわらず一定の電サポ回数が保証されており、その規定回数に到達した際に、確変か通常かの内部状態が明かされるようになっている。

 しかし、本機は規定回数の電サポ、本機の仕様でいえば50回転の内に転落した場合、即座に奮起モードと呼ばれる時短モードへ移行するのである。つまり、明確に「いま転落した」ことがわかるようになっている。

 これにより確変中に発生するバトル(リーチ)はどれも気が抜けないスリリングなものとなり、公営ギャンブルに漂う空気感、緊張感を再現した演出となっているのである。

 右打ち中は大当りすれば必ず確変となり、その内の25%が最大出玉となる10ラウンド約900発。甘デジとしてはボリューム感の高い出玉性能となっている。確変の継続率は約78%で、一撃性にも充分期待できるスペックである。

 スペックといえば、本機には遊タイムと突発時短の2つのネオ時短機能が搭載されている点も見逃せない。

 まず遊タイムは低確率状態で280回転消化すると350回転の電サポモードが発動。大当り割合が97%と超激アツなうえに当たれば確変に突入する旨味の大きな性能となっている。

 ただ、転落抽選タイプなのでデータ表示機の回転数はほとんど参考にならないことは忘れてはいけない。1回でも大当りが刻まれている場合は時短による消化なのか確変による消化なのか第三者からは判断ができないからである。

 しかし、待機画面中にボタンを推すと現在の低確率での消化回転数が表示される機能が搭載されているので、打つ際はそれを確認しておこう。

 一方の突発時短は電サポモード終了時の残保留でのみ抽選されるチャンス機能となっており、「おまけガチャ」と呼ばれる専用ゾーンで、通常確率の大当りとは別に約1/149.9で突発時短を抽選。これに当選すれば100回転の時短が付与されるのである。

 大当り1/99.9における時短100回の引き戻し率は約63.4%、さらなる連チャンへの再トリガーとして期待できるアツい機能となっている。

 演出とスペックの両面から従来とは異なる個性的な甘デジを楽しめるマシンが、この『PA競女!!!!!!!!‐KEIJO‐99Ver.』なのである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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パチスロ新台「完走率97%」の激アツトリガーを搭載! 爽快感MAXの話題作にファン必見の新情報も!

「背面跳び」「前が壁」ドゥラメンテ弔い合戦で想定外続出も、藤沢和雄調教師“最後”の秘蔵っ子に勝算あり!?

「2015年の2冠馬ドゥラメンテが急死」――。

 そんなショッキングな見出しが躍ったのは今月1日のことだった。急性大腸炎のため、前日8月31日にこの世を去ったドゥラメンテ。この夏に2年目産駒がデビューしたばかりで、種牡馬としてまだこれからという2冠馬の早すぎる旅立ちに多くのファンがショックを受けた。

 その数日後、4日の札幌3R・3歳未勝利にはドゥラメンテ産駒が3頭出走。そのうちの1頭ヴィトーリアが訃報後最初のレースを制し、天国の父に弔い星を届けた。

 だが、その日の午後に行われた札幌2歳S(G3)。締め切り時点で4番人気に支持されていたのが、ドゥラメンテ2年目産駒のダークエクリプスだった。応援馬券も決して少なくなかったであろう父の弔い合戦で好走が期待されたのだが……。

 ファンファーレが鳴り響き、ゲートに収まるまでは大人しかったダークエクリプス。ところが、発走直前に暴れ始めると鞍上の和田竜二騎手を振り落とし、ゲートの前扉の下をくぐり抜け放馬。外ラチへ向かって暴走すると、前代未聞の背面跳びで外ラチを派手に跳び越えて、背中で着地した。

 傷を負った同馬は結局、競走除外となり、父への弔い重賞Vはスタート前に幻と消えた。

 翌週以降もドゥラメンテ産駒は次々と重賞レースに登場。11日の紫苑S(G3)には、スイープトウショウを母に持つ良血クリーンスイープが8番人気で出走したが、道中早めに手応えをなくすと、まさかの最下位18着に大敗。弔いの重賞V挑戦はまたも失敗に終わった。

 19日にはアイコンテーラーがローズS(G2)で17番人気を大きく上回る8着と善戦。いい流れで、翌20日セントライト記念(G2)のタイトルホルダーとレインフロムへヴンにバトンを渡した。ところが、産駒唯一の重賞勝ち馬のタイトルホルダーは直線まさかのドン詰まり。レインフロムヘヴンとともに2桁着順に沈んだ。

 スタート前の除外、直線で行き場なし……。弔いの重賞Vを狙ったドゥラメンテ産駒が次々と想定外の事態に陥るなか、26日の神戸新聞杯(G2)に登場するのがキングストンボーイ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 約5か月ぶりの復帰戦に選んだのはセントライト記念ではなく、長距離輸送となる中京でのトライアル。ダービー馬シャフリヤールも待ち受ける神戸新聞杯を選んだところに陣営の自信が見え隠れする。

「キングストンボーイといえば、前走・青葉賞(G2)で2着に入り、日本ダービー(G1)の優先出走権を獲得しました。ところが、藤沢和調教師は『馬の将来を考えると無理はできない』と自身最後のダービー出走を諦めたことも話題になりました。

デビューからずっとC.ルメール騎手を乗せていて、同馬の将来性を高く評価しているということが分かります。ひと夏を越して精神面の成長も顕著なようですよ。この秋に大きくステップアップする可能性は高いと思います」(競馬誌ライター)

 シャフリヤールを筆頭に好メンバーがそろった一戦。キングストンボーイはここで“想定外”の弔い星を父に捧げることになるのか。藤沢調教師の最後の秘蔵っ子が大物食いを狙う。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

平成“最弱”ダービー馬「10馬身圧勝」の逆襲!? わずか8頭のJRA所属から16年ぶりレコード更新のド派手な初勝利

 衝撃的な初勝利は、逆襲の狼煙か。

 先週18日、中山競馬場で行われた2R・2歳未勝利でアトラクティーボ(牡2歳、美浦・武藤善則厩舎)がファンの度肝を抜いた。

 スタートから積極果敢にハナを奪うと、最後の直線ではワンサイドの独走劇。2着エコロドラゴンに10馬身差をつける圧勝を飾っただけでなく、勝ち時計1:52.2は2005年にフラムドパシオンが記録した中山ダート1800mの2歳レコードを0.5秒も更新した。

 レースの中身も圧巻ながら、それ以上に話題を呼んだのは、本馬が2014年のダービー馬ワンアンドオンリーの初年度産駒であるという事実だ。

「種牡馬になっていたのか――」

 ネット上で、そんな声が上がるのも無理はない。ダービー馬といえば聞こえはいいが、その戦績は33戦4勝。日本ダービー(G1)で世代の頂点に立ち、秋の始動戦・神戸新聞杯(G2)を勝つまでは輝かしいスター街道を歩んでいたが、次走の菊花賞(G1)で9着と1番人気を裏切ってから23連敗……。

 最終的に6歳のジャパンC(G1)までタフに走り続けたが、最後の1年は二ケタ着順が続き、さらにラスト3戦はいずれも単勝100倍以上と、キャリア晩年はかつての栄光など影も形も見られないまま、ひっそりと引退した経緯がある。

「もっと早く引退する道もあったと思いますが、陣営は不振の原因が肉体的な衰えではなく、気性面にあると見ており、手を変え品を変えて改善策を探っていました。しかし結局、ワンアンドオンリーがかつての輝きを取り戻すことはなく……ダービー馬としては異例の長期スランプとなりました」(競馬記者)

 そんな経緯があったからか、いつしかワンアンドオンリーは一部のファンから「平成最弱のダービー馬」と揶揄されることに……。競走馬としての価値が完全に底をついた状態での引退だっただけに、種牡馬入りが危ぶまれていたというわけだ。

「実際のところ種牡馬入りしたのは、貴重なハーツクライの後継種牡馬だった点も大きいと思います。これがもし(後継種牡馬が多い)ディープインパクトの産駒だったら、わからなかったかも……」(同)

 引退後、新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入りしたワンアンドオンリーだが、初年度の種付料は50万円というダービー馬としては異例の低価格だった。しかし、そんな“低姿勢”だったにもかかわらず、集まった種付数はわずか20……無事に競走馬登録されたのは14頭に留まり、現在中央競馬に所属しているのは、わずか8頭だけという非常に厳しいスタートを強いられている。

 ただ、そんな崖っぷちの中から登場したのが、いきなり16年ぶりのレコード更新というド派手な初勝利を飾ったアトラクティーボだったのだ。

「スムーズに競馬ができました。まだ引っかかるところがあるけど、今日はリズム良く運べたのが大きかったです」

 レース後、そう武藤雅騎手から評されたアトラクティーボ。“最弱”とまで揶揄されたダービー馬ワンアンドオンリーの逆襲は、ここから始まるのか。それとも厳しい現実は変わらないのか――。崖っぷちのダービー馬が「再び」勝負の時を迎えている。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

武田薬品、日本最大の買収は失敗だったのか?シャイアー関連で巨額赤字、黒字化メド立たず

 コロナ敗戦にモデルナワクチン異物混入が追い討ちをかけた――。厚生労働省は8月26日、新型コロナウイルス感染症の米モデルナ製ワクチンについて、5都県8カ所の接種会場から計39本の未使用バイアル(注射瓶)に異物が混入しているとの報告があったとし、異物混入の恐れがある約16万3000本(約163万回分)の使用を見合わせると発表した。

 異物混入が確認されたのは東京、埼玉、愛知、茨城、岐阜の5都県での職域接種と自治体接種の計8会場。8月16日以降、使用前の確認で計39本から異物の混入が確認され、国内供給元の武田薬品工業に報告があった。武田薬品は件数が比較的多かったことから8月25日に厚労省に報告した。

 異物が確認されたバイアルは回収され、モデルナが調査を進める。日本向けはスペインのロビ社が製造している。3ロット、計16万3000本について厚労省が武田薬品と協議し、当面の安全対策として使用の見合わせを決めた。

 モデルナワクチンの異物混入は、その後、広がりを見せた。沖縄と群馬でも異物の混入が確認された。厚労省は8月28日、使用中止を求めた米モデルナ製ワクチンを接種した38歳と30歳の男性2人が死亡したことを明らかにした。2人はいずれも、異物が見つかったものと同じスペインの工場で同じ工程でつくられたワクチンを2回目に接種したという。

 38歳の男性は8月15日に接種し、翌日に38.5度の発熱があった。17日に下熱したが、18日に自宅で死亡が確認された。30歳の男性は8月22日に接種し、翌日は発熱で仕事を休んだ。回復した24日は出勤し、帰宅後に就寝。25日朝に死亡が確認された。接種と死亡の因果関係は不明で、今後、有識者検討会で評価する。

 武田薬品は近日中に検査結果を公表するとしている。接種と死亡の因果関係があるのかが最大の注目点だ。もし、因果関係ありと認定されれば、モデルナワクチン接種の是非に発展することは必至の情勢である。

モデルナワクチンは武田が国内流通を担う

 モデルナ製ワクチンは武田薬品が治験や申請、流通を担う。今年5月に承認され、国の大規模接種会場や企業の職域接種向けに供給されている。9月末までに計5000万回分の供給を予定していた。

 厚労省は7月、2022年初めにも米モデルナと武田薬品から新型コロナワクチン5000万回分の追加供給を受ける契約を結んだ。追加契約で日本への供給量は計1億回分となる。モデルナは3回目の追加接種(ブースター接種)用や変異株ウイルスに対応したワクチンを開発中で、承認されれば国内でも、このワクチンの供給も受けることになる。

 武田薬品モデルナのワクチンを輸入して供給するほか、米製薬会社ノババックスのワクチンを山口県にある武田薬品の工場で製造して国内向けに販売する計画だ。初期対応はモデルナ社のワクチン、中長期的対応はノババックス社のワクチンとの棲み分けをする。

 ノババックスのワクチンは国内で生産できるため、「国内需要に合わせて生産・供給できるのがいちばんの有用性だ」と述べている。2つのワクチンを扱うことで、将来的なワクチンの自主開発につなげる。これが、出遅れていた武田薬品のワクチン戦略だった。ところが、スタートを切った直後に、モデルナワクチンの異物混入の問題が発生した。武田薬品のワクチン戦略に暗い影を落とした。

好決算だったが株価の戻りは限定的

 武田薬品の21年4~6月期連結決算(国際会計基準)は売上高に当たる売上収益が前年同期比18%増の9496億円、営業利益は49%増の2485億円、純利益は67%増の1376億円だった。帝人に糖尿病薬事業を売却した利益を計上したほか、潰瘍性大腸炎などの治療薬、神経精神疾患用の薬が伸びた。クリストフ・ウェバー社長は「4~6月期の業績は素晴らしい伸びだった」と自画自賛した。

 22年3月期の業績予想は据え置いた。売上収益は前期比5%増の3兆3700億円、営業利益は4%減の4880億円、純利益は34%減の2500億円の見込みだ。「アリナミン」など一般用医薬品を扱う完全子会社、武田コンシューマーヘルスケアを21年3月31日付で米投資ファンド大手ブラックストーン・グループに2300億円で売却した。現在、社名はアリナミン製薬になっている。この売却益がなくなるため22年3月期は減益になる。

 シャイアー関連で税務費用630億円を計上する。シャイアーが米アッヴィから受け取った違約金への課税分やその未払い利息で、7月30日に発表した21年4~6月期の連結財務諸表を修正した。純利益は2003億円から1376億円に引き下げた。

 最大の懸念材料は19年1月、買収が完了したアイルランド製薬大手シャイアーだ。買収額(9兆円、負債2兆円を含む)は日本のM&A史上最大だった。武田はシャイアーの統合効果を出せずに苦戦が続いている。連結決算の営業損益に占めるシャイアー関連は19年3月期が2339億円の赤字。20年3月期が6783億円の赤字、21年3月期は4198億円の赤字と水面下に沈んだままだ。いつシャイアー事業が黒字に転換し、収益に貢献するかが問われている。

 21年4~6月期は好決算にもかかわらず、株価は冴えない。シャイアー買収前の2018年初頭に6000円台を付けていた株価は買収発表後から急落。好決算を発表後も株価は4000円を割り込んだまま。今年の高値は3月22日につけた4365円で8月30日の終値は3665円だった。9月17日は3813円で終わった。株式市場は「シャイアーの巨額買収が成功だったのか」確信を持てずにいる。

 4~6月期決算発表の席上、コスタ・サルウコスCFO(最高財務責任者)は「海外では新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、病院で診療を再開する動きが出ている」とした。受診抑制の“くびき”から脱け出せそうだ。国内では「輸入するモデルナ製ワクチンの販売拡大」に期待を滲ませた。

モデルナワクチンの異物混入で厚労省が口頭で指導

 そのモデルナワクチンが厳しい局面に立たされている。厚生労働省が国内の流通を担う武田薬品に対し、医薬品医療機器法(薬機法)に違反するとして、品質管理を徹底するよう口頭で指導した。口頭指導は9月3日付。厚労省が武田薬品、モデルナとオンラインで会議を開き、工場の管理監督などを徹底させるよう武田薬品に指示した。

 異物が確認された製品はいずれもスペインの工場で製造されていた。製造ラインで部品が不適切に設置されていたのが原因とみられる。武田薬品は「(口頭指導を)重く受け止めている。モデルナのスペイン委託生産企業と協力し、製造ラインを監督する」とした。

 武田は9月1日、異物はステンレスとの調査結果を明らかにしている。異物が見つかったものを含む計3ロット、162万回分が回収対象となったが、50万回分はすでに接種済みだという。

(文=編集部)

武田薬品、日本最大の買収は失敗だったのか?シャイアー関連で巨額赤字、黒字化メド立たず

 コロナ敗戦にモデルナワクチン異物混入が追い討ちをかけた――。厚生労働省は8月26日、新型コロナウイルス感染症の米モデルナ製ワクチンについて、5都県8カ所の接種会場から計39本の未使用バイアル(注射瓶)に異物が混入しているとの報告があったとし、異物混入の恐れがある約16万3000本(約163万回分)の使用を見合わせると発表した。

 異物混入が確認されたのは東京、埼玉、愛知、茨城、岐阜の5都県での職域接種と自治体接種の計8会場。8月16日以降、使用前の確認で計39本から異物の混入が確認され、国内供給元の武田薬品工業に報告があった。武田薬品は件数が比較的多かったことから8月25日に厚労省に報告した。

 異物が確認されたバイアルは回収され、モデルナが調査を進める。日本向けはスペインのロビ社が製造している。3ロット、計16万3000本について厚労省が武田薬品と協議し、当面の安全対策として使用の見合わせを決めた。

 モデルナワクチンの異物混入は、その後、広がりを見せた。沖縄と群馬でも異物の混入が確認された。厚労省は8月28日、使用中止を求めた米モデルナ製ワクチンを接種した38歳と30歳の男性2人が死亡したことを明らかにした。2人はいずれも、異物が見つかったものと同じスペインの工場で同じ工程でつくられたワクチンを2回目に接種したという。

 38歳の男性は8月15日に接種し、翌日に38.5度の発熱があった。17日に下熱したが、18日に自宅で死亡が確認された。30歳の男性は8月22日に接種し、翌日は発熱で仕事を休んだ。回復した24日は出勤し、帰宅後に就寝。25日朝に死亡が確認された。接種と死亡の因果関係は不明で、今後、有識者検討会で評価する。

 武田薬品は近日中に検査結果を公表するとしている。接種と死亡の因果関係があるのかが最大の注目点だ。もし、因果関係ありと認定されれば、モデルナワクチン接種の是非に発展することは必至の情勢である。

モデルナワクチンは武田が国内流通を担う

 モデルナ製ワクチンは武田薬品が治験や申請、流通を担う。今年5月に承認され、国の大規模接種会場や企業の職域接種向けに供給されている。9月末までに計5000万回分の供給を予定していた。

 厚労省は7月、2022年初めにも米モデルナと武田薬品から新型コロナワクチン5000万回分の追加供給を受ける契約を結んだ。追加契約で日本への供給量は計1億回分となる。モデルナは3回目の追加接種(ブースター接種)用や変異株ウイルスに対応したワクチンを開発中で、承認されれば国内でも、このワクチンの供給も受けることになる。

 武田薬品モデルナのワクチンを輸入して供給するほか、米製薬会社ノババックスのワクチンを山口県にある武田薬品の工場で製造して国内向けに販売する計画だ。初期対応はモデルナ社のワクチン、中長期的対応はノババックス社のワクチンとの棲み分けをする。

 ノババックスのワクチンは国内で生産できるため、「国内需要に合わせて生産・供給できるのがいちばんの有用性だ」と述べている。2つのワクチンを扱うことで、将来的なワクチンの自主開発につなげる。これが、出遅れていた武田薬品のワクチン戦略だった。ところが、スタートを切った直後に、モデルナワクチンの異物混入の問題が発生した。武田薬品のワクチン戦略に暗い影を落とした。

好決算だったが株価の戻りは限定的

 武田薬品の21年4~6月期連結決算(国際会計基準)は売上高に当たる売上収益が前年同期比18%増の9496億円、営業利益は49%増の2485億円、純利益は67%増の1376億円だった。帝人に糖尿病薬事業を売却した利益を計上したほか、潰瘍性大腸炎などの治療薬、神経精神疾患用の薬が伸びた。クリストフ・ウェバー社長は「4~6月期の業績は素晴らしい伸びだった」と自画自賛した。

 22年3月期の業績予想は据え置いた。売上収益は前期比5%増の3兆3700億円、営業利益は4%減の4880億円、純利益は34%減の2500億円の見込みだ。「アリナミン」など一般用医薬品を扱う完全子会社、武田コンシューマーヘルスケアを21年3月31日付で米投資ファンド大手ブラックストーン・グループに2300億円で売却した。現在、社名はアリナミン製薬になっている。この売却益がなくなるため22年3月期は減益になる。

 シャイアー関連で税務費用630億円を計上する。シャイアーが米アッヴィから受け取った違約金への課税分やその未払い利息で、7月30日に発表した21年4~6月期の連結財務諸表を修正した。純利益は2003億円から1376億円に引き下げた。

 最大の懸念材料は19年1月、買収が完了したアイルランド製薬大手シャイアーだ。買収額(9兆円、負債2兆円を含む)は日本のM&A史上最大だった。武田はシャイアーの統合効果を出せずに苦戦が続いている。連結決算の営業損益に占めるシャイアー関連は19年3月期が2339億円の赤字。20年3月期が6783億円の赤字、21年3月期は4198億円の赤字と水面下に沈んだままだ。いつシャイアー事業が黒字に転換し、収益に貢献するかが問われている。

 21年4~6月期は好決算にもかかわらず、株価は冴えない。シャイアー買収前の2018年初頭に6000円台を付けていた株価は買収発表後から急落。好決算を発表後も株価は4000円を割り込んだまま。今年の高値は3月22日につけた4365円で8月30日の終値は3665円だった。9月17日は3813円で終わった。株式市場は「シャイアーの巨額買収が成功だったのか」確信を持てずにいる。

 4~6月期決算発表の席上、コスタ・サルウコスCFO(最高財務責任者)は「海外では新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、病院で診療を再開する動きが出ている」とした。受診抑制の“くびき”から脱け出せそうだ。国内では「輸入するモデルナ製ワクチンの販売拡大」に期待を滲ませた。

モデルナワクチンの異物混入で厚労省が口頭で指導

 そのモデルナワクチンが厳しい局面に立たされている。厚生労働省が国内の流通を担う武田薬品に対し、医薬品医療機器法(薬機法)に違反するとして、品質管理を徹底するよう口頭で指導した。口頭指導は9月3日付。厚労省が武田薬品、モデルナとオンラインで会議を開き、工場の管理監督などを徹底させるよう武田薬品に指示した。

 異物が確認された製品はいずれもスペインの工場で製造されていた。製造ラインで部品が不適切に設置されていたのが原因とみられる。武田薬品は「(口頭指導を)重く受け止めている。モデルナのスペイン委託生産企業と協力し、製造ラインを監督する」とした。

 武田は9月1日、異物はステンレスとの調査結果を明らかにしている。異物が見つかったものを含む計3ロット、162万回分が回収対象となったが、50万回分はすでに接種済みだという。

(文=編集部)