JRA武豊の「理想と現実」に漂う悲壮感!? “凱旋門賞を勝つのが夢”も迫り来るタイムリミット、初挑戦から27年「そろそろ勝たせて」

 また勝てなかったか……。終わってみれば“例年通り”の惨敗だった凱旋門賞(G1)に、大きな溜息をついた日本のファンも少なくなかっただろう。

「日本競馬の悲願」といわれて久しい世界最高峰のレースだが、今年も日本馬にとって厳しい結果が待っていた。

 出走したクロノジェネシスとディープボンドは、国内では「道悪の鬼」ともいえる存在。ある意味では、力を要するロンシャンのタフな馬場を克服するに相応しい“特殊部隊”ともいえただけに、得意なはずの重馬場で凡走してしまったのは、非常に残念だった。

 そして、日本馬以上に淋しさを覚えたのは、「凱旋門賞を勝つのが夢」と公言している武豊騎手の現状かもしれない。

「来年も絶対に乗りたい。やめられない。いつか勝てるように頑張ります」

 ジャパンに騎乗を予定していた昨年は、厩舎の飼料から禁止薬物が検出されるアクシデントに見舞われて無念の見学。今年はブルームとのコンビで参戦したものの、直線で失速して11着に敗れた。

 レース後には「この場所にいつもいたいと改めて思った。やめられないですよね」と、凱旋門賞への熱い想いをコメントしてくれた。元JRA騎手の安藤勝己氏が、自身のTwitterで「ユタカちゃんは最高峰を楽しむ騎乗」と、武豊騎手の心情を推察するツイートで振り返った。

「来年も来て、そして勝ちたい」

 そう語ったレジェンドにとって、もはやライフワークともいえる凱旋門賞の初騎乗は、3番人気のホワイトマズルで6着に敗れた1994年。現在、52歳の武豊騎手だが、当時はまだ25歳。若き天才として売り出し中の時期である。以降も騎乗のチャンスがあれば挑戦を繰り返し、今年が9度目の騎乗だった。

 レース前には自身の公式サイトにて「子供の頃から憧れたレースもうそろそろ勝たせてほしいというのが本音です」と語っていることはまさに文字通り。凱旋門賞勝利という夢と真摯に向き合う情熱が伝わるものの、そこには悲壮感も漂っている。

 その一方で、52歳という年齢的にも現役騎手としてのタイムリミットが近づきつつある現実からは目を背けることが出来ないこともまた事実である。近年の騎乗馬で勝ち負けを期待されるほど下馬評の高い馬に騎乗しておらず、どちらかというと優勝より参戦することにウェイトが大きくなってしまっている。

 かつては毎年のようにリーディングトップを独走し、国内最強クラスの馬に騎乗していた武豊騎手も、近年はG1で勝利するのも珍しいといえる状況に近い。日本馬でディープインパクトのように勝てるチャンスのある馬に再び巡り合えるのかとなると、よほどの幸運に恵まれる必要がある。

 日本馬でなくても勝てればいいという意味では、「武豊で凱旋門賞を勝つ」と公言しているキーファーズの松島正昭オーナーのような心強い援軍が現れたことは、非常に心強いとはいえ、残された時間はそう長くない。

 「日本競馬の悲願」と「武豊の夢」どちらが先に叶うのか?

 競馬ファンとしては同時達成が最高の結果であることに疑いはないが、もしかしたらこのまま「いずれも叶わないまま終わってしまうのではないか」という最悪のケースも脳裏をよぎった今年の凱旋門賞だった。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

「社長はあまりに能天気」三越伊勢丹、赤字額が突出、甘いコロナ対応に社内から疑問

「新社長はあまりにも能天気だ」

 関係者はため息交じりに、今年4月に就任した三越伊勢丹ホールディングス(HD)の細谷敏幸社長の経営手腕に疑問を投げかけている。今年発表した中長期計画(2021〜30年度)では、過去最高を大きく上回る営業利益500億円の確保をぶち上げているが、達成には疑問符が付く。25年にはボリュームゾーンである団塊の世代のすべての人が後期高齢者となり、買い物の機会が減り、経営基盤が揺らぐ。当面はコロナと対峙せざるを得ないが、withコロナの視点も経営戦略からは感じ取れない。

赤字86億円、大手で突出

 三越伊勢丹HDの業績を振り返ろう。最新の決算によると、2021年4〜6月期は86億円の最終赤字を記録した。緊急事態宣言発令に伴う部分的な休業が響いた。

 宣言下での対応は百貨店ごとに多少の濃淡があるとはいえ、競争条件はほぼ同じ。にもかかわらず、他のライバル社と比べて三越伊勢丹HDの赤字額は突出している。高島屋は13億円(3〜5月期決算)、松坂屋と大丸を運営するJ・フロントリテイリング(同)は30億円のそれぞれ赤字だった。流通関係者はこの理由について「高島屋やJ・フロントは不動産事業にも集中しているが、三越伊勢丹HDは百貨店一本足打法なのが響いた」と解説する。

 コロナ収束後をにらみ、営業利益500億円を確保する目標や、10〜20年後を見据えた新宿・日本橋の再開発構想を掲げることは立派な話だ。ただ、足元をしっかり見つめず、必要な改革を怠ったままでは、絵に描いた餅に終わる。

 人件費は同業他社と比べて依然として高い。特に気になるのは、コロナとの向き合い方が甘いことだ。

食品売り場休業に

 コロナの感染爆発が起きた8月以降、大型商業施設や大手百貨店は休業を余儀なくされた。従業員の感染が発覚したためだ。JR新宿駅のルミネエスト新宿(東京都新宿区)は顧客と従業員の安全を守るため、一時的に一斉休業し、全館の消毒を徹底した。阪神梅田本店(大阪市)なども食品売り場でクラスターが発生し、部分的な休業に踏み切った。

 一方、伊勢丹新宿本店(新宿区)でも2週間で食品売り場を中心に140人超の感染者を出したが、個別の店舗を閉じるにとどまった。臨時休業などの対応は見送った。ある従業員は「本当に安全を重視しているのか」と呆れた様子で語った。

 今冬には第6波が日本列島を襲い、東京都では1日当たりの感染者が1万人を超えるとのシミュレーションも存在する。そうなると、ロックダウンが現実味を帯び、百貨店をはじめとした商業施設の経営基盤は痛めつけられる。仮に第6波を乗り越えたとしても、変異株との戦いは続き、今夏のように部分的な休業が迫られる可能性も高い。

 4月に鳴り物入りで就任した細谷社長はそうしたリスクを考慮して戦略を立てているのだろうか。夢物語ばかり語っているが、同業他社と比べて赤字が大きいことや、コロナ対応で執行部に不信感を持つ従業員にしっかり向き合わなければ、前社長の杉江俊彦氏と同じく、何も実績を残せないまま去ることになる。

(文=編集部)

眞子さま“駆け落ち婚”考…歴史学者が見る「内親王の結婚」明治天皇の4人の娘たちと宮家

 2021年9月11日、秋篠宮妃の紀子さまは55歳の誕生日に先立ち、宮内記者会が提出した質問に文書で答え、長女の眞子さまの結婚について「長女の気持ちをできるだけ尊重したい」と回答した。個人を尊重する現代社会では、「気持ちの尊重」はもっとも大事であり、理想的な回答ともいえる。しかし、将来の天皇の長女の結婚であることを考えると、「気持ちの尊重」だけでいいのだろうかという疑問もある。小室氏と結婚したいという「気持ちの尊重」だけが優先されていて、多くの人々の祝福を得られないまま、「駆け落ち」婚の形になっているのも確かなのである。

 一体、結婚は「気持ちの尊重」だけで十分なのだろうか。そこには何か欠けているものがあるのではないか。とりわけ、国の柱であり、国民を代表する「顔」でもある天皇家の結婚が、「気持ちの尊重」だけで成り立ち得るのか、考える意味はあろう。明治以後の天皇家の恋と結婚の問題をおさらいしながら、現代における天皇家の恋と結婚が負っている暗黙の「常識」や「タブー」について考えてみたい。

明治天皇の娘で成人したのは4人、実母は4人とも明治天皇の側室であった園祥子、そして適齢男子皇族は6人

 明治以後の天皇の娘(内親王)たちの結婚を振り返ってみると、戦前はみな皇族に嫁いだ。皇室に育った女子が、一般民間に嫁いでその後の暮らしをやっていけるかどうか、父親である天皇は当然、心配した。天皇の娘をもらう側でも、ことの重大さは知っていた。

 ちなみに、明治天皇には15人の子どもがおり、10人が女子だった。しかし女子で成人したのは4人で、ほか6人はみな早世した。成人して適齢期を迎えたのは、

・1888(明治21)年9月30日生まれの常宮昌子(つねのみや・まさこ)
・1890(明治23)年1月28日生まれの周宮房子(かねのみや・ふさこ)
・1891(明治24)年8月7日生まれの富美宮允子(ふみのみや・のぶこ)
・1896(明治29)年5月11日生まれの泰宮聡子(やすのみや・としこ)

である。

 それぞれの年齢差は2歳、1歳、5歳であった。実母は4人とも明治天皇の側室であった園祥子(権掌侍、のち権典侍)。

 明治天皇はこの娘たちを皇族に嫁がせようとした。上流華族はおろか、中流華族、まして一般市民(当時は臣民)に嫁がせることは、考えになかった。皇族に嫁げば、身分も資産も安定するからである。そもそも戦前の場合、内親王は結婚後も内親王の称号を持つことができた。臣民の家の妻を「内親王」と呼ぶのでは、周囲もやりにくいだろう。

 当時、明治天皇の4人の娘たちが嫁ぐにふさわしい適齢の男子皇族の数は6人いた。

・1882(明治15)年9月22日生まれの北白川宮恒久王(きたしらかわのみや・つねひさおう)
・1887(明治20)年4月18日生まれの北白川宮成久王(きたしらかわのみや・なるひさおう)
・1887(明治20)年9月22日生まれの有栖川宮栽仁王(ありすがわのみや・たねひとおう)
・1887(明治20)年10月2日生まれの久邇宮鳩彦王(くにのみや・やすひこおう)
・1887(明治20)年12月3日生まれの久邇宮稔彦王(くにのみや・なるひこおう)
・1888(明治21)年8月12日生まれの北白川宮輝久王(きたしらかわのみや・てるひさおう)

である。恒久が最年長で、皇女の最年長の昌子より6歳上。昌子と輝久は同年で、成久、栽仁、鳩彦、稔彦の4名は昌子の1歳上である。

明治天皇、房子内親王周宮を栽仁王有栖川宮に婚嫁せしめんと欲す

 幕末当時、宮家には伏見宮、桂宮、有栖川宮、閑院宮の4親王家があったが、幕末から明治にかけて桂宮と閑院宮が断絶した。ただ、閑院宮は伏見宮から載仁親王が入り継承された。このため、明治初期には有栖川宮のほか、伏見宮と、伏見宮から分かれた久邇宮、閑院宮、北白川宮などと、さらに久邇宮から分かれた賀陽宮、梨本宮などがあった。そして、明治天皇の結婚相手と目された、恒久と成久は北白川宮の長男と次男、栽仁は有栖川宮の継嗣、鳩彦と稔彦は久邇宮の5男と6男だったのである(夭折者をのぞく)。

 年齢順にいけば、恒久と昌子、成久と房子、栽仁と允子、鳩彦と聡子という組み合わせが想定できた。皇室の婚姻には幼いうちに婚約してしまう事例も多く、『明治天皇紀』の1893(明治26)年11月1日に「房子内親王周宮を栽仁王有栖川宮に婚嫁せしめんとの叡旨(えいし)あり」とある。「叡旨」とは「天皇の考え」の意である。明治天皇は娘の房子を皇族である栽仁王と結婚させたいと思い、有栖川宮家の当主である熾仁(たるひと)親王に伝えたのである。栽仁の実父は有栖川宮威仁(たけひと)親王であり、熾仁は子がいないままこの翌年に亡くなって弟の威仁が宮家を継ぐのだが、当時はまだ熾仁が当主であったため、天皇は栽仁の伯父である熾仁に婚約の意を告げたのである。もっとも、この時、栽仁は6歳、房子は3歳であり、結婚はまだまだ先のことであった。

 この話は、その後、1906(明治39)年1月9日の『明治天皇紀』に、「昌子内親王を以て恒久王に、允子内親王を以て栽仁王に配せんとし、内旨を侍従長侯爵徳大寺実則に伝へたまふ」と出てくる。威仁が「内親王一人を得て其嗣栽仁王の妃と為さんと欲し」、伊藤博文らを介して内々に請願していたのである。明治天皇は、日露戦争中は返事をしないでいたが、戦争も終結したので、内々にその命を下したのである。

明治天皇は娘たちの嫁ぎ先の安定のため、恒久に竹田宮、鳩彦に朝香宮、稔彦に東久邇宮の称号を与えた

 ところがなんと、結婚相手が変わってしまったのである。

 はじめ栽仁は房子と婚約していたが、13年後には、房子の妹の允子と結婚することになった。しかも、房子の姉の昌子は恒久と結婚するという。房子については、なんの話も出ていない。13年も経てば、内部事情も変わるのであろうが、お互いの恋愛感情はどうなっていたのだろう。というか、当時はそんなものだったのだろう。

 話はこれで終わらない。

 栽仁は1908年3月、海軍兵学校卒業間際に盲腸炎となり術後に容体が悪化し、4月7日に満20歳で他界してしまう。このため、允子は鳩彦と結婚することになる。

 この間、1907年2月26日、故北白川宮能久親王妃の富子と、故小松宮彰仁親王妃の頼子とが相談し、北白川宮輝久を皇族のまま小松宮家を継がせようとしたが、皇族の養子は認められていなかったため、輝久は臣籍降下して侯爵となり、小松宮家の祭祀を継承した。

 つまりは、6人いた適齢の皇族男子のうち2人が候補からはずれたのである。残ったのが、北白川宮家の恒久と成久、久邇宮家の鳩彦と稔彦であった。年齢差は、恒久が5歳年長で、ほか3人は同年であった。そのうち成久が一番早く、鳩彦は半年遅かった。しかも異母兄弟である鳩彦と稔彦は2カ月違いであり、双子のような存在でもあった。

 とはいえ、当時、宮家当主であったのは、成久だけであった。先代の能久親王が1895年の台湾接収で戦病死し、成久が若いながらも宮家当主となっていた。恒久は成久の兄でありながらも、庶子であるため宮家を継げなかった。鳩彦と稔彦は、久邇宮家の5男と6男であり、兄たちはそれぞれ賀陽宮、久邇宮、梨本宮、久邇宮別家の当主となっていた。

 このため、明治天皇は娘たちの嫁ぎ先の安定のため、恒久に竹田宮、鳩彦に朝香宮、稔彦に東久邇宮の称号を与え、独立した新宮家の当主としたのである。宮内庁編『皇室制度史料 皇族四』には「竹田宮は北白川宮能久親王の王子恒久王が明治天皇の皇女昌子内親王との結婚に先立ち賜った宮号で、朝香宮は久邇宮朝彦親王の王子鳩彦王に、東久邇宮も同親王の王子稔彦王に賜った宮号で、両王は間もなく明治天皇の皇女と結婚している」とある。1906年(明治39)のことであった。これで、宮家数も有栖川、華頂、賀陽、閑院、北白川、久邇、梨本、東伏見、伏見、山階の10宮家(なお明治初期にあった桂、小松はすでに断絶し、のちに有栖川と東伏見も断絶する)から、朝香、竹田、東久邇を加えた13宮家となった。

竹田、朝香、東久邇の3宮家は、いわば明治天皇の娘のために設置された女性宮家であった

 そして、これら皇族男子の年齢順に、明治天皇の皇女たちもそれぞれ、昌子、房子、允子、聡子の年齢順に嫁いだのである。それも、昌子は1908年、房子は1909年、允子は1910年、聡子は1915年(この間、1912年の明治天皇崩御と1914年の昭憲皇太后崩御があった)と、年齢順に結婚していったのである。

 ところで、もし明治天皇の10人の娘たちがみな成人していたら、どうなっていただろうか。年長の常宮昌子の前には稚高依姫尊(わかたかよりひめのみこと)、梅宮薫子(しげこ)、滋宮韶子(あきこ)、増宮章子(ふみこ)、久宮静子(しずこ)の5人の娘がいたし、年少の泰宮聡子の3歳下には2歳で夭折した貞宮多喜子もいた。これらの娘たちの嫁ぎ先のために宮家を作った場合、そのお相手さがしも大変だったろうし、宮家設立のための経済的負担も大変だったろう。当時の宮家はそれぞれ東京市内に1万坪ほどの本邸宅地を持ち、子女数に応じた皇族費も出ていた。経済負担を減らすために、1920年(大正9)に「皇族の降下に関する施行準則」が裁定され、宮家の当主の直系子孫以外は皇籍離脱をする定めも決められたほどである。宮家増大は、難しい問題になっていた。その経済的負担などを考慮した場合、皇族は数が多すぎてもやっかいだったのだ。

 いずれにせよ、明治天皇の娘たちの結婚には、皇族、それも身分や家政が安定した宮家当主に嫁ぐべきであるという明治天皇の意思が反映された。そのために、すでに旧皇室典範が制定され、近代皇族制度が確立し安定した後の明治30年代になって、新たに3宮家を設置したのである。宮家当主に嫁ぐことによって、4人の皇女たちは身分的にも経済的にも、従来通りの保証を確保できたのである。竹田、朝香、東久邇の3宮家は、いわば明治天皇の娘のために設置された女性宮家であった。つまり、この3宮家の子孫はみな明治天皇の女系なのである。

 ところで、北白川宮家をふくむこれら4宮家の夫婦仲はどうであったのだろうか。

 自由恋愛での結婚は、当時の社会状況からしても、皇室の慣例からしても想定できない。竹田宮はスペイン風邪で早世してしまい、夫婦生活も短かった。北白川宮や朝香宮夫妻などは、ともに欧州旅行を楽しむ仲であった。どうも、東久邇宮だけは、内親王との夫婦生活に満足していなかった。東久邇は「嫁さんとは式場で初対面」と自著『やんちゃ孤独』(1955年、読売文庫)で書いているが、「嫁さん」の顔を知らずに結婚するのは、当時の上流階級としては珍しくない。双方の親が先に決めて、その後に本人たちに伝えるのだ。そのためか、自由な気風を好む稔彦は、この結婚に不満があり、結婚後、皇族軍人として欧州に留学するのだが、妻子を置いてパリに7年もいて、社交界で浮名を流した。帰国したのは大正天皇が亡くなった後で、そのときも皇籍離脱を主張してごねた。もっとも、戦後になって、皇族の離婚が話題になったときも、離婚はしなかった。

 ある男系論者の友人に、自由恋愛で結婚することと、生涯円満に添い遂げられることとはまったくの別問題であり、結婚して生活を重ねてみないとお互いを理解しあえないのも事実だろう、その意味では、皇族女子と旧宮家の男子との見合い結婚もおかしくはないはずだ、燃えるような恋をして離婚する例も数多くある、と言われたことがある。好きでもない相手と結婚させられるのは、今では時代錯誤だが、あるいは眞子さまにそうした話があったのかもしれないとも思った。

上流階級の結婚に存在する自由恋愛への抵抗感、そして言語化されない常識やタブー

 戦後、自由恋愛が常識となり、皇室もその影響のなかにある。皇族男子のお相手が次々と一般国民からも選ばれるようになり、皇室の自由恋愛が、一般国民にも広く支持されるようになった。そうした傾向は、天皇の娘たちの嫁ぎ先にもみられるようになって今日に至っている。冒頭で挙げた紀子さまの言葉「気持ちの尊重」は、そうした流れに沿った言葉でもある。

 そんななか、家のつりあいなどを尊重する旧家や上流階級の間では、まだ自由恋愛への一定の抵抗感があるのも確かだ。眞子さまの結婚問題をみるに、お相手との生活格差のほかにも、まだまだうまく言語化されない常識やタブーの問題があるようだ。そうした常識やタブーは憲法や皇室典範の条文には書かれていない。歴史のなかで積み重ねられてきたものなのだ。憲法や皇室典範の条文だけに頼ると、大きな間違いを犯すかもしれないのだ。

 そもそも皇室典範第12条には「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と結婚したときは、皇族の身分を離れる」とあり、結婚相手の身分や資産はもとより、その職歴も家族構成も問うてはいない。つまり現在の法令では、憲法24条の「結婚の自由」が適用されなくても、眞子さまは誰と結婚してもよく、結婚すれば皇室を離れて一般市民となれるはずなのだ。

 憲法と皇室典範の条文だけみれば、眞子さまの結婚に違法性はない。しかし、皇室も、宮内庁も、多くの国民も、これを許される結婚とはみていない。天皇家の恋と結婚の常識とタブーに触れたからである。ではどんな常識とタブーにふれたのだろうか。天皇家の恋と結婚には、どんな常識とタブーがあるというのだろうか。

 たとえば、皇室と外国人との結婚の問題などは、どうなのだろうか? もし眞子さまがイギリス貴族のどなたか、あるいはアメリカ財閥のどなたかと恋愛結婚するのであれば、国民はどう反応するだろうか? 案外、歓迎の声が上がるかもしれない。しかし、皇位継承者である悠仁さまがイギリス貴族やアメリカ財閥の女性と結婚すると主張したら、歓迎の声が上がるだろうか? 常識やタブーは、時代や状況のなかで変わるからだろう、明瞭なようで、不明瞭だ。

 では眞子さまはどのような常識やタブーを侵したのだろうか? 次回以後、近代の天皇家の恋と結婚をめぐるいくつかの事例のなかで、常識やタブーの変遷について考えてみたい。

(文=小田部雄次/歴史学者)

●小田部雄次(おたべ・ゆうじ)
1952年生まれの歴史学者で、静岡福祉大学名誉教授。専門は日本近現代史。皇室史、華族史などに詳しく、著書に『皇族―天皇家の近現代史』(中公新書)、『肖像で見る歴代天皇125代』(角川新書)、『百年前のパンデミックと皇室』(敬文舎)などがある。

モスバーガーの要注意商品4選…「食べにくい」「ガッカリした」と不評続出

“ファストフード店”でありながら、注文を受けてからつくるスタイルで有名な「モスバーガー」。2021年8月末時点で国内に1251店舗を展開し、店舗数も売り上げも国内有数のハンバーガーチェーンとして、素材へのこだわりとつくりたてのおいしさを追求し続けている。

 そんなモスバーガーを運営するモスフードサービスは、今年度第1四半期(2021年4~6月)の連結業績で華々しく黒字を収めている。前年同期には4億6300万円もの赤字を出してしまったのだが、今年度は前年同期比プラス16.3%もの売上高をマークし、純利益も7億6000万円とプラスに転じたのだ。

 そんなモスバーガーは長年おいしいメニューを展開し、ファンから愛され続けている歴史があるのだが、人によってはおすすめできないメニューも存在する。今回は、そうした要注意商品を4品、独断でピックアップしたので紹介していこう(価格は税込み)。

ソイモスバーガー/390円

「ソイパティ」シリーズのハンバーガーは9種類あり、大豆由来の植物性たんぱくでつくられたハンバーグパティを使ったヘルシーメニューとして人気のシリーズだ。紹介する「ソイモスバーガー」は、定番メニューの「モスバーガー」のパティをソイパティに差し替えたハンバーガーである。

「ソイパティ」は人気シリーズながら、SNSでは商品によって評価が分かれている一面もある。なかでも、本品については“ソイパティの上にミートソースをかける必要性をあまり感じない”“ソイパティがソースに負けて、あまり魅力的ではなかった”といった厳しい声も。

 実際に食べてみると、指摘の通り、確かにソイパティの味の個性がミートソースの存在感によって潰されてしまっている印象は否めない。本品の具材豊富な点はもちろん魅力的であり、十分おいしい商品である。しかし、ソイパティそのもののおいしさを味わうには、プレーンな「ソイハンバーガー」や「ソイチーズバーガー」のほうがおすすめだろう。

ダブルとびきりトマト&レタス/720円

 続いて紹介するのは、「ダブルとびきりトマト&レタス」。2008年から売り出されている「とびきりハンバーグサンド」は、100%国産の牛肉と豚肉を合い挽きしたパティを使用したシリーズだ。そこにトマトとレタスを贅沢に挟み、さらにパティを2枚乗せた本品は、ジューシーでおいしいと評判の声も多い。

 しかし、703kcalもあるメガバーガーがゆえに、漏れてくる不満もある。SNSでは“めちゃくちゃおいしいけど、食べにくいのがリピート意欲を少し削られる”と、仕方ないことなのだが、残念な意見が散見されるのだ。

 実食してみると、もちろん味はおいしい。パティが2枚も重なっているにも関わらず、トマトとレタスが十分に入っているため、味がしつこくならない。最後まで飽きることなく食べられる。

 しかし、味のバランスこそ抜群に取れているが、前述の通りハンバーガーそのものは非常にアンバランス。食べている最中は、中身がボロボロとこぼれてしまう危険性が常にある。

 この体験をしてしまうと、どんなにおいしくても、次は頼む気が失せるというのもわからなくはない。自宅など手や口が汚れても気にならない環境で食べるならいいのだろうが、人目が気になる外出先ではなおのこと躊躇してしまいそうだ。

テリヤキチキンバーガー/380円

 3品目の「テリヤキチキンバーガー」は、2019年秋に掲載の『モスバーガー、この秋買ってはいけない商品5選!マックより小さいのに“やたらと高値”』でも紹介したメニューだ。そこでは“食べづらく、手や口の周りがベトベトに汚れる可能性が高い”として、テイクアウトしてアウトドアレジャーで食べるには不向きな商品として紹介した。

 今回、SNSで不満としてあがっていたのが、“昔は味の濃さやしつこいくらいの甘辛さ、香ばしさがあったのに、久しぶりに食べたらそれらがなくなっていて全体的にマイルドになっている”といった声だ。

 実食してみると、食べた直後もお腹がもたれ気味になる気配はなく、だいぶあっさりとした印象。近年、鶏肉といえば高タンパクでヘルシーな食材として広まりつつある。やはり、テリヤキチキンといえど、今や脂っぽさやしつこさばかりを強調したメニューは時代錯誤なのかもしれない。そうした要素を求める客には、「とびきりハンバーグサンド」シリーズなどの「ダブル」を頼むことをおすすめしたい。

モスの菜摘(なつみ)モス野菜/380円

 最後に、「モスの菜摘(なつみ)」シリーズから「モスの菜摘(なつみ)モス野菜」をご紹介。こちらは2020年秋に掲載の『モスバーガー、この秋“イマイチな商品”5選!味がとっ散らかりすぎ、水っぽいシェイク』、2019年春に掲載の『モスバーガー「買ってはいけない商品」5選!大不評で逆に話題、コスパ最悪、温度ぬるい』でも紹介している。

 そこでは“全体的に味がパッとせず、ただのバンズ抜きハンバーガーになりうる”“食べづらい”といった声をピックアップ。それに加えて今回は、“レタスの量がたんまりじゃなくてガッカリした”という不満の声を新たに発見した。

 いざ実食してみると、確かに“レタスとレタスでサンドしてる感”はもっとあってもいいかも、といった印象。前述した“ただのバンズ抜きハンバーガーになりうる”といった指摘ともつながっており、レタスの量が少ないと「モスの菜摘」のコンセプトが危ぶまれるはず。そうした意味で、人によっては“レタスが少ない”と感じる方もいるだろう。盛り盛りのレタスを期待されている方には、あまりおすすめできない商品だ。

――この秋、モスバーガーの要注意メニューの紹介は以上となる。気を付けるべき点に言及しつつも、本記事は一部の意見をピックアップしただけであり、感じ方は人それぞれだ。ある部分に過敏に反応する方もいるし、そうでない方もいる。あくまで一つの参考として本記事の内容を捉えていただけたら幸いである。

※情報は2021年9月17日現在のものです。

(文=A4studio)

岸田内閣にはネトウヨ極右閣僚もいっぱい!「少女時代」をデマ攻撃した金子総務相、末松文科相、古川法相、女性閣僚の堀内大臣も

 昨日4日におこなわれた初の総理会見で岸田文雄首相が「新時代共創内閣」と命名した新内閣。昨日、本サイトでは岸田首相が自民党改革の柱に「政治とカネ」問題を掲げながら、甘利明幹事長や高市早苗総務会長をはじめ、岸田内閣の面々も多くがカネの疑惑を抱えていることを伝えた(既報参照→h...

「普通機専門パチンコ」メーカーが廃業…SNSで衝撃発表

 オールドパチンコファン、とりわけ普通機ファンにとっては衝撃のニュースであろう。パチンコメーカーの愛喜が9月29日をもって廃業した。

 愛喜は2014年2月4日に設立された普通機専門のパチンコメーカーで、本社は埼玉県春日部市。普通機とは、昨今の主流である「電子的な抽選システム」を一切持たないマシンのことで、特定の入賞口に球が入ると非電動役物(アタッカーやチューリップ)が開閉し、そこに球を入れることで一定の出玉を得られる仕組みだ。

 デジパチと比べて射幸性は低いものの、一定のファンは存在する。同社は2015年にオール10玉払い出し、最大7連動が狙える『CRAコスモアタック7』を発売すると、翌年2016年には最大10連動の『CRAコスモパニック10』をリリース。

 2018年にはコスモアタック7を改良した『CRAコスモアタック7A04』を製造し、こちらは現在もホールで稼働中である。

 いずれのマシンもブッコミを狙ってステージ入賞→ステージ通過後に球がザコへ入ればアタッカー1個開放orボスへ入れば連動開始で、連動開始後は数字の順にアタッカーを狙えば最大連動を得られる。シンプルが故の味わい深いゲーム性は中毒性十分と遊技経験者は語る。

 直近では2020年12月に『PA祭』を発売していた。

 そんな同社は9月28日、公式Facebook上で「愛喜を愛して下さった皆様にご報告です」とし、令和3年9月29日をもっての営業終了を報告。「7年の間応援して下さり、心から感謝します」と綴った。

 続けて、今年の年明けから岐阜県に工場移転の予定で動いていたにも関わらず、「何だかよくわからない内、会社清算という運びになりました」と説明。「多分、愛喜の筐体で新機種が出るかも知れません」とし、「その時には応援してあげて下さい」とも述べた。

 同月29日には、「全ての業務が終了しました。後始末だけきちんと終えて、新しく出発します」とコメント。「皆さんもお健やかにお過ごしください。有難う御座います」と正式な廃業報告と共に感謝の気持ちを記した。

「新しい出発」ということは、別会社として復活する未来もあるのか。ファンとしては非常に気になるところだが、まずは「お疲れさまでした」と労をねぎらいたいところである。

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甘デジでも魅惑の連チャンを実現!?「軽く一撃3万発」の激熱シリーズ再臨!!-新台分析パチンコ編

 近年のパチンコ分野において抜群の存在感を放っているSANKYO。そんな業界のリーディングカンパニーは、10月4日からの週も魅力的な新台を導入している。

 同社が誇る『マクロスフロンティア』シリーズ最新作。『Pフィーバーマクロスフロンティア4』は、初当り出玉「3000発」払い出しを搭載したスペックで登場した。RUSH中の出玉は全て1500発で、継続率は平均して約81%と高い出玉性能を実現。早くもホールでは爆裂情報が浮上している。

 同日には「軽く一撃3万発」「最大5万8000発達成」といった情報も確認された、魅惑の連チャン機の甘デジスペックもデビューを果たした。遊びやすさとRUSH性能の際立つスペックで再臨する。

『PフィーバータイガーマスクW Light ver.』(SANKYO)

■大当り確率:1/99.9
■図柄揃い確率:約1/8.7
■RUSH突入率:約51%
■RUSH継続率:約70%or約89%
■遊タイム:時短16回(低確率250回転消化で突入)
■実質ラウンド:9Ror8Ror4Ror2R(10C)
■賞球数:3&1&5&1&10
■出玉:900発or800発or400発or200発
■振り分け
・特図1
「9R+タイガーラッシュ」5%
「4R+タイガーラッシュ」25%
「4R+4タイガーチャレンジ」70%

・特図2
「9R+時短16回」約9%
「実質8R+時短8回or16回」約42%
「実質2R+時短8回or16回」約49%
○○○

 昨年デビューを果たした『PフィーバータイガーマスクW』は、大当り確率約1/319.7の一種二種混合タイプ。RUSHは「タイガーラッシュ」との「タイガーラッシュW」2種類が用意されている。最高継続率が約95%に設定された連チャン力を称賛する声も聞こえた。

 そんなハイスペックマシンの甘デジバージョンは、大当り確率1/99.9で遊タイム機能を搭載。低確率250回転消化で「時短16回」が付与されるという内容だ。

 ヘソ大当り時の70%は「時短1回+残保留2回」の「タイガーチャレンジ」に移行(30%は直行)。ここで約1/8.7の図柄揃いを引くことができればRUSH突入となる。トータルRUSH突入率は約51%だ。

 タイガーラッシュは時短8回+残保留2個、時短16回+残保留2個の2パターン。それぞれ継続率は「約70%or約89%」と、軽くなっても連チャン力は健在だ。電サポ中は約51%で実質8R以上の出玉が獲得できる。

 遊びやすくなっても最高継続率約89%のラッシュを搭載。電サポ中は約1/2が800発オーバーと、ツボにハマった時は甘デジとは思えぬ一撃にも期待できるだろう。甘デジ分野でも、景気の良い情報を生み出しそうな気配だ。

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エルコンドルパサー馬主「腰を据えて挑戦しないといけない」 “もう1頭の勝ち馬”から学ぶ凱旋門賞優勝への「近道」とそれを阻む国家レベルの「問題」

 3日、パリロンシャン競馬場で凱旋門賞(G1)が行われ、重馬場の条件のなかドイツ馬トルカータータッソが優勝した。不良馬場で行われた昨年の2着馬インスウィープは独ダービー(G1)であることから、ドイツ好走馬は道悪が得意なことを改めて証明した。

 これに対し、日本からはクロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)とディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)の2頭が出走したものの、クロノジェネシスは7着、ディープボンドにいたってはブービーから30馬身も離された最下位14着に終わった。

 2頭は日本の道悪馬場で快勝した経験がある馬だが、それでも太刀打ちできない。それが、欧州の道悪馬場と言えるだろう。改めて日本競馬と欧州競馬の違いが浮き彫りとなった。そうなると、どうすれば日本馬は凱旋門賞を勝てるのだろうか。

 そこで浮上してくるのが欧州に「長期滞在」するプランだ。このプランで凱旋門賞制覇へ挑んだのが1999年のエルコンドルパサーだ。

 99年4月に渡仏したエルコンドルパサーは、遠征初戦となった5月のイスパーン賞(G1)こそは2着に敗れたが、続くサンクルー大賞(G1)では並み居る欧州強豪馬を差し置いて優勝。その後フォワ賞(G2)勝利を経て、挑んだ凱旋門賞ではモンジューとの競り合いに敗れたが、3着馬に6馬身差をつける2着と大健闘。現地のファンやメディアから「もう1頭の勝ち馬」と、勝利に等しい称賛を受けた。

 ここで問題となってくるのが、果たして日本馬が欧州に長期滞在したところで欧州の馬場に適性を示すのかどうかという点である。それを裏付けるのが、エルコンドルパサーの渡仏後の調教についてのエピソードだ。

 フランスでの調教を開始した当初のエルコンドルパサーは日本より遥かに丈が長い芝に苦労し、軽い調教でも疲れた様子を見せていた。特に降雨によって馬場が緩くなったときは、フォームが崩れた状態で走っていたという。

 ところが、欧州の馬場で調教を重ねるうちにエルコンドルパサーの走法は変化していった。また、走法が変化したことで筋肉の付き方も変わり、胴長で細身の馬体となっていった。

 このことから、欧州に長期滞在し向こうの馬場に合った走法に変化させることが、日本馬の凱旋門賞勝利への近道と言える。

 ただ、このプランには人的・金銭的な問題が関わってくる。エルコンドルパサーの場合、厩舎スタッフ以外にも欧州競馬に通じた専門家など多数の人間の協力の元、成り立っている。そして滞在に伴う金銭の負担は基本的に馬主持ちで、その金額は巨額である。

 しかし、本番の10日前に出国して挑んだクロノジェネシスが惨敗しているように、一朝一夕で勝てるレースではないのが凱旋門賞だ。エルコンドルパサー馬主の渡邊隆氏が話す「凱旋門賞はポンといって勝てるようなレースではありません。勝とうと思ったら欧州仕様の馬にする必要があるので、ある程度、腰を据えて挑戦しないといけない」といった覚悟がないと、まず勝負にならないのが現実ではないだろうか。

 このことについては、フランスの競馬関係者も口を揃えて証言している。フランスの競馬専門紙『パリ・チュルフ』は、日本馬3頭が出走した14年に「現地での前哨戦を使わなかった」と、3頭の敗因を分析。また、この年の勝利騎手であるT.ジャルネ騎手は「日本馬が凱旋門賞を勝つにはどうすればいい?」という質問に「ロンシャンは特殊な競馬場。やはりそこを走った経験は非常に大事」と、回答している。

 以上の点から、日本馬が凱旋門賞で結果を出すためには欧州への「長期滞在」が近道に思える。ただ、「長期滞在」には人・金銭で解決出来ない障壁がある。それが通称「60日ルール」だ。

 これは出国してから帰国までの日数が60日を超えると、帰国後の日本での出走に大きな障害が発生することを指している。ここで言う大きな障害とは、着地検査の日数が大幅に長くなるのだ。

 着地検査は輸入検疫解放後に行う検査のことで、臨床検査および各種感染症検査が家畜防疫員により行われる。着地検査期間中は、他の馬と隔離されることになる。この期間は当然レースへ出走することも出来ない上、併せ馬などの調教も困難である。

 世界基準では90日となっているが、日本では30日短い。この差に競馬関係者は苦慮しており、矢作芳人調教師はサンケイスポーツで連載中のコラム『信は力なり』で「この30日の差が大きく、現地での前哨戦出走が難しくなっている。過去多くの日本馬もこの壁に苦しめられてきた」と、胸の内を明かしている。

 凱旋門賞が終わった後の日本では、ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)といった大レースが控えている。しかし現行のルールでは仮に60日以上の長期滞在で凱旋門賞に挑んだ場合、年末の大レースへの出走が出来なくなる。そのため、国内の競馬関係者は余裕があれば長期滞在で凱旋門賞へ挑みたいにもかかわらず、挑めていないのが現状と言えるだろう。

 では、「60日ルール」を変えればいいのだが、それも簡単な話ではない。「60日ルール」は、家畜伝染病予防法という法律を元に制定されている。つまり、家畜伝染病予防法という法律を改正しない限り「60日ルール」改正も難しいのではないだろうか。

 凱旋門賞は100回の歴史で3歳馬が60回制しているように、斤量面で恩恵がある3歳馬が有利なレースである。それゆえ、日本馬が凱旋門賞を獲るならば「長期滞在」かつ「3歳馬」で挑むのが現実的と思われる。

 ただ、3歳馬は若く怪我等がなければ引退する年齢ではないため、凱旋門賞出走後はジャパンCや有馬記念などへ続戦するのが自然と言える。しかし、現状の日本では検疫のルール上不可能であるため、関係者の足取りが重い。日本馬が凱旋門賞を勝利するためには、競馬関係者の努力はもちろんのこと、国家レベルでの改革が必要なのではないだろうか。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRA「ダービー馬候補」コマンドラインはコントレイル2世となれるか!? G1馬の登竜門サウジアラビアRC(G3)、優勝馬が抱えていた共通の「不安」とは

 9日、東京競馬場ではサウジアラビアロイヤルC(G3)が開催される。東京の芝1600mを舞台に争われるこの2歳重賞は、出世レースとしても知られる登竜門的な存在。今年も将来性豊かな素質馬が出走を予定しており、注目の一戦となりそうだ。

 前身であるいちょうS時代には、エアグルーヴ、メジロドーベル、イスラボニータなどの名馬を輩出。2015年から現在のサウジアラビアRCへと改称して格付けもG3に替わった。

 改称後も名馬の登竜門的な性格は継続しており、近年も17年ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、19年サリオスが3年連続でG1を勝利した。昨年の勝ち馬ステラヴェローチェは、神戸新聞杯(G2)を快勝したばかり。主役を務める菊花賞(G1)での戴冠に期待も高まる。

 そして、今年最も注目を集めるのがC.ルメール騎手とのコンビが決まっているコマンドライン(牡2、美浦・国枝栄厩舎)。アーモンドアイでG1を席巻した「ルメール×国枝厩舎」のコンビが送り込む実力馬だけに、求められるのは「結果」だろう。

 コマンドラインは、6月に東京のマイル戦で2着に3馬身の差をつけてデビュー勝ち。単勝オッズ1.1倍の断然人気に応えて圧勝した。クラシックを目指すなら距離延長も視野に入れていいようにも感じられるが、来年の日本ダービー(G1)を狙えるのではないかという期待馬が、出世レースとはいえマイル戦を選択してきたのは少々気掛かりだ。

「2000mでも問題ないでしょう。レース後も全然疲れていませんし、今後へ向けていい勉強ができました」とは、新馬勝ち後のルメール騎手のコメント。

 実際にレースで騎乗した騎手の言葉だけに、問題ないようにも思える。

「クラシック狙いだと東京スポーツ杯2歳S(G2)でしょうけど、こちらは11月半ばでまだ先ですからね。サウジアラビアRCから復帰したということは、よほど順調に調整が進んでいるということでしょう。

結果次第にはなりそうですが、順当に勝ち上がるようだと、東スポ杯からホープフルS(G1)に進んだコントレイルのイメージに近い使い方になりそうですね」(競馬記者)

 ただ、前述した近年のサウジアラビアRC勝ち馬の顔触れから分かるように、これらは現時点でいずれもG1勝ちの最長距離はマイルまで。共通しているのは、どの馬も距離延長に不安を抱えていたということである。

 加えて無視できないのは、コマンドラインの兄姉2頭の存在だ。2つ上の兄アルジャンナは、2000mでデビュー勝ちするも、1800mの重賞を3戦して全敗。ダービーで最下位に敗れ、古馬となってもマイル戦で復帰している。1つ上の姉トレデマンドは、芝のマイルですら勝てないまま、ダートに転戦した1800mでようやく初勝利を挙げた。

 3頭揃ってディープインパクト産駒ということもあり、コマンドラインにとっても無関係とは言い切れない事情もある。

「昨年、無敗で三冠馬となったコントレイルにしても、上はダートの短距離馬でしたからね。状況としてはコマンドラインも同じような背景を持っているといえます。

ただ、コントレイルが本質的に中距離ベストといわれているように、コマンドラインもステイヤーという感じではなさそうです。こればかりは走ってみないと分かりません」(同)

 前向きな材料があるとすれば、このように血統が同じでもスケールが異なるケースは、決して珍しくはないことだろう。1頭のみ超大物が出て他は不思議なほど走らないなんてことは、競馬界では日常茶飯事。コマンドラインも同様に、例外となる可能性は十分に考えられる。

 このまま順調にコントレイル2世の道を進むことが出来るのか、それとも距離の壁にぶつかってしまうのか、まずは2戦目のマイル重賞を楽勝して次走に万全の態勢で臨みたいところだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

パチンコ新台『P神・天才バカボン~神SPEC』初打ちの評価は?「3000発スタート×約81.2%継続」の超RUSHを称賛する声も!!

P牙狼 月虹ノ旅人』や『PFガンダムユニコーン』など、「高継続×ALL1500発」の強力RUSHを有した爆裂機の活躍が目立つ現状。終日10万発という驚異的な出玉データも多く確認され、現行機の最強スペックと評する声も数多く存在する。

 そんな現役屈指の爆裂マシンをも凌駕する出玉性能として、大きな注目を集めていたのがパチンコ新台『P神・天才バカボン~神SPEC』である。

「右も左もALL1500発」という他を圧倒する初当り出玉と、「RUSH突入率75%」という安定感。更に上位モード突入で「約81.2%継続×ALL1500発」という先述したマシンにも匹敵する爆発力を秘めた本機が、遂にホールへと導入された。

 導入前から評価の高かった本機の実力は本物なのか。期待通りの結果を残しているのか。実際に遊技した方々の感想を交え紹介しようと思う。

 まずは改めてスペックを掲載するので、ご確認いただきたい。

『P神・天才バカボン~神SPEC』(大一商会)

■大当り確率(通常時):1/319.7
■大当り確率(時短中):1/44.8
■賞球:1&1&4&1&15
■鬼RUSH継続率;約64.6%
神鬼RUSH継続率:約81.2%
■時短回数:鬼RUSH「42回+残保留4回」
      神鬼RUSH「70回+残保留4回」
○○○

 大当り確率1/319.7の1種2種混合タイプ。状態を問わず、大当りすれば常時10R・1500発を獲得できる点が特徴だ。

 通常時は赤図柄揃いとなる「極鬼BOUNS」を獲得できれば「鬼RUSH」へ直行となる。また、青図柄揃いの「鬼BONUS」はV完成で鬼RUSHへ突入。初当り時のトータル鬼RUSH突入率は75%だ。

 鬼RUSHは「時短42回+残保留4回」で構成され、この間に1/44.8で抽選される大当りを射止めるゲーム性。継続率は約64.6%で、ここでは大当りの33%に振り分けられた「超特訓+神鬼RUSH突入」を目指す。

 超特訓へ移行した際は、「鬼RUSH/約1500発+超特訓/約1500発」の合計約3000発を獲得できる。更にその後は上位モード「神鬼RUSH」へと昇格するという激アツ仕様だ。

 神鬼RUSHでは「時短70回+残保留4回」が付与され、継続率が約81.2%にパワーアップ。「バカ速装置」の発動によりスピード感も十分で、現行機トップクラスの爆速を堪能できるだろう。

【プレイヤーからの実戦報告】

 初当りから必ず1500発獲得できる点は概ね好評な様子。「これでRUSH突入率75%は良心的」「単発でも1500発もらえるのは大きい」など、基本性能の高さを魅力に感じているユーザーは多いようだ。

 RUSH性能や出玉面に関しては、約64.6%継続となる鬼RUSHに対して「連チャンが厳しい」「33%(神鬼RUSH突入)引けずに終わる」といったネガティブな意見が目立っていた。安定感はあるものの、上位モードまでのハードルを高く感じたユーザーもいるようである。

 ただ、ここを乗り越えて約81.2%継続の神鬼RUSHを体験したユーザーからは「3000発スタートだから大量出玉は余裕」「現行機最高の爆裂を堪能できる」など絶賛の声が続出。突入させることができれば、強烈な一撃にも十分に期待できるであろう。

【ヒットの可能性は?】

 現時点では賛否両論と言った印象。ただ「約81.2%継続×ALL1500発」の威力を体験するユーザーが増えてくれば、評価は大きく変わってくるのではないか。今後の動向に注目したい。

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【注目記事】

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