データクリーンルームは「Cookieフリー時代」のマーケティングを変える

個人情報保護の潮流を受けて、グーグルによるサードパーティークッキー(※1)の廃止や、アップルによるIDFA(※2)取得のオプトイン必須化など、いわゆる「Cookieフリー時代」が到来しようとしています。

そんな中、「プライバシー保護」と「企業のマーケティングニーズ」を両立させ、マーケティングの継続的なPDCAを実現させるデータ基盤が「データクリーンルーム」です。

本連載では、新時代のマーケティングに欠かせないデータクリーンルームの可能性と魅力を、ドコモの「docomo data square」を例に紹介していきます。

今回は、電通データ・テクノロジーセンターでデータクリーンルームの開発に携わる古池茜が、身近な事例を交えながらCookieフリー時代とデータクリーンルームの基本的な考え方を解説します。

※1 サードパーティークッキー
クッキーとは、ユーザーが閲覧したウェブサイトのサーバーから発行され、そのユーザーのウェブブラウザに保存される閲覧情報。現在閲覧しているサイトのクッキーをファーストパーティークッキー、他サイトから発行され保存されたクッキーをサードパーティークッキーと呼ぶ。
 
※2 IDFA
Identifier for Advertisers(広告識別子)の略で、iPhoneやiPadなどのアップル製デバイスに割り当てられるID。

<目次>
「良い顧客体験の創出」と「ユーザープライバシーの配慮」の両立が最大のテーマになる
Cookieフリー時代に「データクリーンルーム」が注目される理由
巨大な“ドコモ経済圏”のデータ連携!「docomo data square」三つの強み

「良い顧客体験の創出」と「ユーザープライバシーの配慮」の両立が最大のテーマになる

先日、出前アプリで夜食を頼んだらこんなことがありました。

届いた袋に「3回目(^^)」というメッセージが書かれ、おまけにドリンクがついていたのです! 

出前アプリで夜食を頼んだら、お店の人からの手書きメッセージと、おまけドリンク付きで届いた。「3回目」というのは、このお店に出前を頼んだ回数。
出前アプリで夜食を頼んだら、お店の人からの手書きメッセージと、おまけドリンク付きで届いた。「3回目」というのは、このお店に出前を頼んだ回数。

深夜にジャンクフードを頼んだので若干恥ずかしかったのですが、疲れた体に、このちょっとした気遣いが染み入って、まんまと、また次もこのお店で頼もうと思ってしまいました(笑)。

さて、このエピソード。お店が私のIDにひもづく「注文履歴」というデータを活用したからこそ、お店は適切なメッセージと特典を提供でき、私はそこに魅力を感じてお店のリピーターになりました。

この話を読んで、皆さんはどのように感じましたか?もしかしたら

「頼んだ回数まで把握されているのはちょっと気持ち悪い、嫌だな」

と感じた方もいるかもしれません。そのような生活者には、「店側に自分のデータを提供しない」という選択肢があるべきです。

一方で、今回の私のように

「良いサービスが受けられるのであれば構わない、データを提供してもよい」

という選択肢もあるべきです。

総務省の調査では、商用目的でのデータ提供に対してポジティブ56.2%(赤合計)、ネガティブ43.8%(青合計)と意見が割れていますが、「条件によっては提供してもよい」という回答が最も多くを占めています。

つまり、大事なのは生活者自身が、

「自分のデータがどこでどう収集されて、誰が何のために使っているのか」
「それによって自分にどんなメリットがあるのか」

という情報が把握でき、そして自分のデータの扱いを自分の意思で選択できることです。
そのために必要なのが「オプトイン」「オプトアウト」という仕組みです。

ユーザーが自らに関するデータを利用される際に、企業に対して許諾の意思を示すことをオプトインといいます。もちろん、ユーザーには後からその許諾を「取り消す」、つまりオプトアウトの権利もあります。

アプリやウェブサイトに対して、生活者が「自分のデータをどう扱うか」について許諾することをオプトイン、許諾を取り消すことをオプトアウトという。
アプリやウェブサイトに対して、生活者が「自分のデータをどう扱うか」について許諾することをオプトイン、許諾を取り消すことをオプトアウトという。

アップルはiOS14以降から、アプリがモバイルID(スマートフォンやタブレットのアプリで利用される、広告用の端末識別ID)を取得する際には、事前にユーザーの意思を選択させるオプトインの提示を「必須」としています。

下のような画像は、見覚えがある方も多いかと思います。

ユーザーの個人情報保護に力を入れるアップルの規定により、企業はモバイルID取得による生活者データの広告利用に当たって、ユーザーのオプトイン同意を得ることが必須となった。
ユーザーの個人情報保護に力を入れるアップルの規定により、企業はモバイルID取得による生活者データの広告利用に当たって、ユーザーのオプトイン同意を得ることが必須となった。

この「あなたのアクティビティを追跡する~」という文言に何やら不安を感じたらしい母からこんなメッセージが届き、私はこの後質問攻めに遭いました(笑)。

もちろん企業側も、利用者を不安にさせないように、「ユーザーデータの広告利用」について分かりやすい説明を表示し、その後にオプトインのポップアップを表示するなど、工夫を凝らすところも増えています。

オプトイン同意も顧客体験のうち。企業側も生活者に対してデータ利用への理解を求めるために、さまざまな工夫を凝らしている。
オプトイン同意も顧客体験のうち。企業側も生活者に対してデータ利用への理解を求めるために、さまざまな工夫を凝らしている。

「ユーザーに適切なタイミングでオファーを出したい、そのためにデータを活用したい」という企業のニーズ。

「とはいえ、むやみやたらにデータを活用されるのは不安」というユーザープライバシーへの配慮。

これからのデジタルマーケティングは、この二つの要素の「両立」がテーマになっていきます。

Cookieフリー時代に「データクリーンルーム」が注目される理由 

良い顧客体験とユーザープライバシー保護を両立するため、新しいソリューションがいくつも登場しています。その中から、今回ご紹介する「データクリーンルーム」の特徴をご説明します。

データクリーンルームとは、生活者個人を特定することなく、企業のデータサイエンティストがデータの統合や分析のためにアクセスできる“環境”のことです。多数のユーザーを持つ、いわゆる“プラットフォーマー”と呼ばれる企業によって提供され始めています。

データクリーンルームとは、さまざまなプラットフォーマーが提供する、個人が特定されないセキュアなデータ環境のこと。生活者のプライバシーを保護しつつ、従来のサードパーティークッキー使用時と同等以上の高度な広告配信や効果検証が可能になる。
データクリーンルームとは、さまざまなプラットフォーマーが提供する、個人が特定されないセキュアなデータ環境のこと。生活者のプライバシーを保護しつつ、従来のサードパーティークッキー使用時と同等以上の高度な広告配信や効果検証が可能になる。

個人が特定されない安全な環境だからこそ、プラットフォーム内外の膨大なデータを統合することができ、企業はデータクリーンルームを介して、生活者ひとりひとりにパーソナライズしたプランニングや広告・販促施策が可能となります。

  • クライアントデータ(広告主企業保有のユーザーデータ)
  • 広告会社保有のデータ
  • プラットフォーマー保有のデータ

データクリーンルームとは、これらのデータを個人を特定しない形でつなぎ合わせることで、「良い顧客体験の提供」と「プライバシー保護」を両立したデジタルマーケティングを可能にするデータ基盤です。

特に大きなポイントは、データクリーンルームという環境を介することで「個人を特定しない」にもかかわらず、従来と同等、あるいはそれ以上に「生活者の気分やニーズであるモーメントを捉えた広告配信や効果測定」ができる点です。

特に「ポイント事業」や「決済」など、生活者にメリットを還元できるサービスを提供しているプラットフォーマーは、生活者のオプトイン同意を取りやすく、既に許諾済みのIDを数千万規模で保有しています。

「メディア接触」から「購買」までを、生活者の許諾に応じて“人基点”でひもづけ、生活者と継続的につながることができるからこそ、データクリーンルームは「ブランドのファンを作っていける基盤」となります。

まとめると、個人を特定せずにさまざまなデータ活用が可能なデータクリーンルームによって、

  • 「プラットフォーマーの持つ巨大な経済圏」を生かしたマーケティングができる
  • モーメントを捉えたより良い顧客体験を創出し、ブランドのファンを増やせる
  • 生活者のプライバシーは守られる

これらがCookieフリー時代の打ち手となります。

巨大な“ドコモ経済圏”のデータ連携!「docomo data square」三つの強み

ドコモと電通は、 Cookieフリー時代においても不変の「dアカウント」をキーに、ドコモが保有する「位置情報データ」や「dポイント会員データ」と、電通が保有する「メディア接触データ」を統合し、分析できるデータクリーンルーム、「docomo data square」を提供しています。

「docomo data square」ニュースリリース
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0804-010117.html

 

データクリーンルームはさまざまなプラットフォーマーから提供されていますが、docomo data squareを用いた広告配信では、

  • テレビCM
  • ウェブ広告
  • デジタルOOH

への生活者の「メディア接触」から、実際の「購買行動」までを人起点で効果計測できるのが非常にユニークなポイントです。

「dポイント会員」という巨大な経済圏には、「アプリ利用」「位置情報」「加盟店での購買」など、多彩なサービスのデータがひもづいています。

携帯キャリアならではのアプリ利用データ、位置データに加え、「ドコモの携帯利用者以外」にまで範囲を広げたdポイント会員拡充戦略が、会員数約8200万人というドコモデータの強みとなっています。

ドコモデータの強みとは?
今回お話ししてきたように、Cookieフリーやユーザープライバシー保護など、デジタル広告やデータマーケティングが大きな過渡期を迎えています。

そんな中、データクリーンルームの提供を開始したドコモは、巨大プラットフォーマーの視点から、現状の課題や今後の打ち手をどのように捉えているのでしょうか。

次回は「docomo data square」について、ドコモのご担当者にお話を伺います。

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原油価格、今冬に高騰の兆候、米国ガソリン価格が最高値…脱炭素で中東へ依存増す

 米WTI原油先物価格は10月8日、1バレル=80ドルを突破し、2014年10月以来の高値を記録した。その後1バレル=82ドル台まで上昇した。高値となった主な理由は、OPECとロシアなどの大産油国からなるOPECプラスによる供給拡大のペースが鈍いことにある。

 OPECプラスは10月4日に閣僚級会合を開催し、前月と同様に11月の原油生産量を日量40万バレル増加させることで合意した。原油価格は年初から約50%上昇するなか、米国やインドなどの主要消費国から増産幅の拡大を望む声が上がっていたことから、協議の前には「11月に供給拡大のペースを加速させるのではないか」との憶測が流れていた。

 OPECプラスが増産要請に応えなかったのは「新型コロナウイルスの第4波が原油需要を再び減少させかねない」と懸念したからだ。OPECは過去の教訓を踏まえて従来よりも慎重になっている。拙速な決定は原油価格の急落を招く可能性があるからだ。OPECプラスは「来年は供給過多になる」と見込んでおり、増産幅を拡大すれば、原油市場の需給バランスが大きく崩れかねないと判断したのが実情だろう。

 OPECプラスのリーダーであるサウジアラビアは、原油生産量がパンデミック以前の水準付近に達し、2018年以来最高の原油売却収入を上げている現状に満足しているとされている。「変更するにしても可能な限り小幅にとどめたい」という思いは、その他のOPECプラス諸国も同様だ。彼らは何より安定した市場を望んでいる。

 だが皮肉なことにOPECプラスの決定が市場を不安定化している。OPECプラスが大幅な増産を見送ったことで供給不足への懸念が高まり、「主要産油国が供給を増やさない限り、原油価格は90ドルを突破する」との見方が出ている。

天然ガス価格の急騰

 原油価格のもう一つの上昇要因は、天然ガス価格の急騰だ。発電分野での天然ガスシフトが一気に進んだことがその背景にある。欧州の天然ガス価格は一時、原油換算で1バレル=200ドルを突破し、その後も同160ドル台と高止まっている。この価格はWTI原油先物価格の約2倍に相当することから、相対的に割安な原油を発電燃料に使う動きが欧州やアジアで広がり始めた。

 サウジアラムコは10月上旬、「原油需要が当初の想定より日量50万バレル増加している」との認識を示した。想定外の需要増が発生したことに戸惑いの色を隠せないでいる。世界の原油市場では「価格が急騰すれば、その後原油需要が減少し、価格も急落する」というパターンを繰り返してきた。11月4日に開かれるOPECプラスの次回の閣僚級会合に世界の注目が集まっている。

 2010年代に起きたシェール革命により世界第1位の原油生産国に復活した米国の状況も高値を下支えしている。原油高になると短期間で増産できるシェールオイルが相場の上値を抑える役割を演じてきたが、今年の原油高の局面では従来ほど米国の原油生産量は増加していない。日量1130万バレルとコロナ禍以前よりも200万バレル低いままだ。

 足元の米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は433基となり、昨年8月の底(172基)からは回復したものの、コロナ禍前の19年末より4割少ない水準だ。ブレーキがかかっている理由は、投資家が増産投資よりも目先の配当を重視するようになったからだ。原油価格が80ドルを超え「いよいよシェールオイルの増産が始まる」との観測が出ているが、今年第3四半期の米国内の掘削コストが大幅上昇している(10月4日付OILPRICE)。「脱炭素」の動きも逆風だ。

 米国のガソリン小売価格は1ガロン=3ドル20セントを超え、2014年10月以来の最高値に達した。ガソリン高は有権者の不満に直結しやすいことから、9月末にサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はサウジアラビアでムハンマド皇太子と会い、原油相場について意見を交わした。サリバン氏はさらに「米国の石油会社が需要に見合うかたちで生産量を引き上げないことを懸念している」と苦言を呈している。米国の戦略石油備蓄(SPR)を放出するなどの案が検討されたが、有効な解決策は見つかっていない。

 米国では暖房需要が高まる冬を前に、ヒーティングオイルの在庫は十数年ぶりの低水準となっており、「冬の暖房用エネルギー需要に対応できる供給量を確保できないのではないか」と警戒する声が上がっている。米国では早くも中西部に大寒波が到来し、気温が急低下している。「厳しい冬の到来で原油価格は100ドル超え」との予測は現実味を増しつつあるようだ。

「脱炭素」のジレンマ

 米エネルギー省は10月6日、「2050年の世界の原油需要は20年比で4割増える」との予測を発表した。1次エネルギーに占める割合は30%から28%に下がるものの、新興国でのガソリン車の需要が根強い。インドの原油需要は3倍以上になるという。

「脱炭素」の動きは、民間投資家の圧力を受けない中東産油国の国営石油会社の国際市場でのシェアが高まるとの弊害もある。飛ぶ鳥を落とす勢いだったシェールオイル業界からは「OPECが原油価格をコントロールしている」との弱気の声が聞こえてくる。

 格付け会社ムーディ-ズは10月7日、「来年以降の原油・天然ガスの上流分野への投資の水準を54%引き上げ、年平均の投資規模を5420億ドルに拡大しないと、近い将来、深刻な供給不足に見舞われる」と警告を発した。グリーンエネルギーへの転換は一朝一夕でできるものではない。「脱炭素」の実現を急げば急ぐほど、原油価格が高騰するリスクが高まってしまうのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

東京ガスの見事なトラブル対応に見る企業SNS活用術…炎上しないための2つのカギ

 みなさん、こんにちは。元グラフィックデザイナーのブランディング専門家・松下一功です。

 規模感に関係なく、どの企業でも公式ホームページを持つことが当たり前になりましたが、その一歩先を行く企業はツイッターやインスタグラムといったSNSの運用にも力を入れています。SNSはフォロワー(企業やお店のファン)にいち早くオフィシャルの情報を届けられる役割を持ち、社内に専門チームを設けている企業もあるくらいです。

 解説本も多数出版されているので、ご存じの方も多いと思いますが、SNSは便利な半面、使い方をひとつ間違えれば一気に炎上してしまい、大きなダメージを受けてしまうこともあります。また、自分たちは健全に運営していたとしても、一般ユーザーのマイナスなつぶやきから火がつくことも……。

 特に個人店などの規模が小さい会社は、最悪の場合は炎上がきっかけで休業に追い込まれることも考えられるので、SNSと現実世界がつながっていることを理解した上で運営しないといけません。

 わかっているようで意外と奥が深いSNS。今回は、ブランディングにも影響を与えるSNSの運用ポイントをご説明しましょう。

企業のSNSが本当に発信すべき情報とは

 その特性上、SNSを「一方的に情報を発信するツール」と捉え、活用している人がまだまだ多い気がします。新商品の発売、定休日のお知らせといったPRやインフォメーションの投稿に終始している企業が多いのは、そのせいでしょう。

 もちろん、それらも消費者の購買意欲をくすぐったり、日々の営業に直結したりする大切な情報です。ただ、重要度は高いのですが、それらの投稿だけがSNSの使い道でしょうか?

 企業のコンサルタントをするとき、私は必ず、「その企業の良さやポリシーを公表して、お客様の共感を得ることが、ブランディングではとても重要だ」とお伝えします。ブランディングでは、「企業理念や経営方針を確立すること」が重要ですが、それらは消費者に伝わり、共感を得てこそ、意味をなします。

 言い方を変えると、その企業の良さやポリシーや理念は、きちんとお客様にも伝えないと意味がないのです。周知されて初めてブランディング力向上へのスタートが切れるといっても、過言ではありません。

 その一端を担うのがSNSです。ここで、「うちの会社は、ポリシーも理念もホームページに書いてあるから安心だ」と思った方は、注意が必要です。なぜなら、さまざまな情報があふれている今、理念やポリシーを単に記載するだけでは目に留まりにくく、仮に目に留まっても主張が一方的で、十分な共感を得られていないケースがほとんどだからです。

 今の時代、ブランディングで企業の認知度や共感度をアップするために、SNSを使った施策は、とても有効です。にも関わらず、実際にはPRやインフォメーションの場としてしか使っていないケースが多く、根本にあるポリシーや理念を伝える機会を活かせていないのが現状なのです。

 また、ポリシーや理念と同様に伝えたいのが、「アテンション」と「エクスキューズ」です。これらは会社と消費者の理解度を深めるに必要不可欠な情報で、これらがない場合はクレームや炎上に発展する可能性が高くなるといえます。

アテンションとエクスキューズの重要性

 たとえば、大切な人の誕生日プレゼントに、店頭では売り切れていて、予約しないと手に入らない物を選んだとしましょう。そして、注文したのはいいけれど、なかなか商品が届かなかったとします。このとき、注文した商品が人気のために生産が追いつかず、発送が数カ月先になることが事前にわかっていれば、そういったものだと理解して、商品の到着を待つことができます。

 しかし、そうした事情を知らない場合、「いつまで待っても商品が届かない」とクレームに発展してしまう可能性があります。こういったケースをなくすためにも、アテンションとエクスキューズを共有することは、とても重要なのです。そして、これらの重要な情報を、SNSを使って広く届けなければならないのです。

見事だった東京ガスのトラブル対応

 最近、SNSでアテンションとエクスキューズを上手に発信して、話題になったのが「東京ガス」です。8月下旬、東京都新宿区および文京区の一部地域で、都市ガスの供給支障が発生しました。前代未聞のトラブルだったので、まだ記憶に新しい人も多いことでしょう。

 このとき、東京ガスは公式ツイッターで、開栓工事の様子、復旧の進行具合、対象エリアの住人に用意したカセットコンロの貸し出しやレトルト食品の配布について、開栓作業時に不在だった家庭への対応についてなど、さまざまなアテンションとエクスキューズを発信しました。

 地道な情報発信等の企業努力の結果、その姿勢への共感や理解が深まり、真夏日に太陽の下で作業を続ける作業員たちへ、栄養ドリンクなどの飲料水、汗拭きシート、お菓子、扇風機の貸し出しなどの差し入れが続々と集まりました。もちろん、東京ガスはツイッターでお礼の投稿もしています。

 対象エリアの住人はもちろん、ツイッターで動向を追っていた人々は、東京ガスへの安心感や信頼感が高まり、ひいてはブランディングの向上にも貢献したのではないでしょうか。

 SNSは、間違った使い方をすると炎上する可能性がある半面、正しい使い方をすればブランディング力のアップにつながります。今回ご紹介した東京ガスのように、SNSを上手に使う企業が増えることを願っています。

(松下一功/ブランディング専門家、構成=安倍川モチ子/フリーライター)

東京五輪パラ中止を主張できず感染爆発を招いた日本医師会とコロナ分科会の怠慢

 東京五輪・パラリンピックは結局のところ開催したほうが良かったのか、悪かったのか。そして途中で中止という選択肢はどうであったか。オリパラ開催によって間接的にも新型コロナ感染者が増え、それに比例して死者も増えたが、我々国民はどうすべきであったか、正解を問いたい。

開催前には反対、終わってみれば多くが賛成に

 9月4、5両日に実施された共同通信の世論調査では、「開催してよかった」が五輪で69.2%、パラで69.8%で、「よくなかった」は五輪で32.8%、パラで26.3%という結果が出された。

 東京新聞も「東京大会がなければ、競技の普及も、選手強化もこれほどは進まなかった。日本でパラスポーツが発展する確実な一歩にはつながった」と評価している。しかし、開催直前の7月17、18両日で朝日新聞の世論調査では、オリパラの開催について反対が55%、賛成が33%と反対が多く、安全安心の大会には「できない」が68%と「できる」21%を圧倒していたのである。

 思うに国民は一度始まってからは医療崩壊のニュースが出てきても途中で中止をするとなると競技間で不公平になったり、選手が気の毒という気持ちと、NHKが朝から晩までメダル争いを放映するなかで自宅で出産した赤ちゃんが死亡した等の悲しいニュースが飛び込んできてもそれを一瞬で忘れ、感動に走るという構図になっていたのではなかろうか。

 立憲民主党の枝野代表ですら「途中で中止するのは現実的ではない」と開催前から発表していたのだ。菅政権はオリパラの成功によって落ち込んでいた内閣支持率を回復させ、来たる衆議院選挙での勝利を描いていたが、この世論調査の推移を見ると、その戦略は実に正しかったといえるかもしれない。

 それにもかかわらず内閣支持率がさらに下がり首相退任に追い込まれたのは、ひとえに菅首相のコロナ対策と個人的資質に国民がうんざりしていたからで、これが仮に饒舌な安倍前首相が先に紹介した世論調査の結果を前面に出して、「オリパラは政府国民の一致した力で大成功を果たした」と勝利宣言をして自民党総裁選挙の前に衆議院の解散総選挙を打って出ていたら結果も変わっていただろう。

 コロナ禍での総選挙ということもあり、以前のような自公の大勝とはならないものの、議席の減少を少なく留め、自公で過半数は確保できただろうとの目測もあながち誤りとはいえない。

医師たちが身体を張ってオリパラ中止を発信しなかった責任は重大

 新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、国会で「五輪が人々の意識に与えた影響はある」と発言した。尾身氏は開催前から同様の主張を展開し、オリパラが人流の拡大を生み感染防止に対する意識の低下につながると訴えてはいた。

 しかし、分科会の総意としてオリパラの開催に明確に反対するという見解を出すことができずに、最後は「どうしてもやるなら無観客が望ましい」と菅政権の意向に譲歩するかたちとなった。この点については、17万2763人(2019年12月1日現在)の医師からなる日本医師会もほぼ同様の対応をとったのではないか。

 日本医師会は公益社団法人だが、開業医らが運営する利益団体としての性格を持つため「国民の皆様の健康を守ります」と言いながら、政権との利害関係も濃厚でオリパラ開催については分科会同様、政権にある程度忖度したのは明らかである。

 だが本来、医師たちはオリパラの政治的、経済的効果などへの配慮は不要で、本当に感染拡大につながると思えばオリパラの開催は国民の命を守れなくなると明確に見解を出すべきであった。尾身会長も「どうしても開催するなら会長を辞任する」となぜ言えなかったのか。私はこの1年半の医師たちの個人的な発言や組織としての動向を振り返ってみた。

 日本の医師は個々には優秀な方が多いが、組織としては大きな役割を果たせていないのではないか。それは当初から医療崩壊の可能性を指摘はしてもコロナ専門病棟の建設やPCR検査体制の完備などを国や自治体に具体的な政策提言として打ち出せなかった事実が物語っている。

 中国において10日間でコロナ専門病棟の建設というニュースに接して、それをわが国も参考にしようと真剣に検討しただろうか。「アベノマスク」の配布に際しても、「布製のマスクは効果がないので配るなら不織布マスクでないとダメ」と安倍前首相にハッキリ進言しただろうか。今なお市場には布やウレタンマスクが出回っているが、それらは飛沫や空気感染には効果が少ないので着用しないようにキャンペーンしたり、市場に出回らないように業者に金を払って回収させる等の強い対策を政府に求めるといった行動をなぜとらないのか。

今日の日本の医療の実態

 話はオリパラ開催に戻るが、本音では多くの関係者が不安を口にしていたのである。

 東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の職員が「五輪と感染拡大、正直なところ『関係ない』と思っている人はいないのでは。私が心配している通りのことが起きてしまった。病院に患者さんが入れない事態までいくと思っていなかった。申し訳なさというか、自問自答する毎日」と告白していたこと。メディアでは『バイキングMORE』(フジテレビ系)の坂上忍氏がスタジオに出席する医師や専門家に繰り返し「人がさらに亡くなるのに、あえてオリパラを開催する理由を説明してほしい」と食い下がったものの、誰一人として答えられなかった事実。それらを目のあたりにして、私は本来医療の専門家として先頭に立って正論を言うべき医師たちが、自らの保身からかどうかわからないが口をつぐむ姿に今日の日本の医療の実態を見た思いである。

 医師たちの怠慢はほかにもある。今なお根強く存在するワクチン接種への不安にどう向き合ってきたのかという点だ。

 国民のなかには、今回のコロナワクチンへの不安は短期的には副反応への恐怖、中長期的には遺伝子組み換えによるワクチンの人体への影響を心配する声が少なくない。

 前者についてはワクチン接種後に急死した1000人を超える方々について解剖もせずに因果関係は不明としたり、女性でスパイクタンパク質が卵巣に蓄積して不妊の心配があることについて、田村厚労大臣が「ラットを使った実験で安全性は確認できている」と述べたが、これでは単純にデマと切り捨てられ、十分な説明とはなっていないだろう。

 後者の遺伝子組み換えワクチンの人体に与える将来的な影響については、世界の多くの科学者が深刻な懸念を表明しているが、これに関してはワクチンメーカーもわからないとしている。そしてウイルスの変異についても、mRNAワクチン技術の発見者のロバート・マローン博士が「我々のしていることは、ワクチンを回避するようにウイルスを訓練(進化)させている」と述べていることにも注目したい。

 中国が武漢でワクチンによってではなく、都市封鎖することによって全土の感染を抑え込んだ経緯を見るならば、ワクチンではなくPCR検査と隔離、それに人流の封鎖で十分対応できたものの、ワクチン接種を始めたためにどんどん変異株を生み出したことになる。インドではワクチン接種済みの人々がマスクを外して沐浴に繰り出したためにデルタ株に変異させた、という論理も指摘されている。

 このようにワクチンに対して内外でさまざまな意見や不安があることに対し、政府や医療関係団体は、これまでどのような努力をしてきたのか。国やこれらの組織は内部で議論を重ねたり、パネルディスカッション等を公開で行うという方法もあるのに何もしてこなかった。治療にあたる現場の医師をはじめとする医療従事者の努力には頭が下がるが、医師会や政府の分科会等の組織には猛省を促したい。

開催後にも中止する勇気を持て

 以前このコラムでも述べたが、オリパラ新型コロナの流行がなくても一時中断すべきだったのではないかと思っている。近年開催のオリパラは利権がらみでどこの国、都市でも財政難という事情がある。IOC(国際オリンピック委員会)は無理やりどこかに開催させるのではなく、国際社会は世界中で大きな紛争が終結し、貧困問題が解決するまでオリパラは中断し、選手たちには世界選手権で競い、メダル争いをしてもらえばいいのではないか。

 日本は「原発はアンダーコントロール」と誰しもが虚偽とわかるような説明で東京大会を誘致した政治的な思惑もあったので、コロナ禍にあっても強行するのが至上命題となっていた。だが、冒頭に述べたように、一度決めたら途中で考え直して中止するという文化も根付いていなかったことも判明した。わが国ではいったん物事が始まると途中で中止したり、引き返すことができる文化が育っていない。それは先の大戦を振り返っても明らかだ。

 戦争が始まってラジオや新聞から毎日のように大本営の「敵艦船を撃沈!」というようなニュースが流されると、同調圧力は強化され、反対の意見は非国民扱いとされた。私は長く航空業界に身を置き、機長として安全のためには着陸を中断したり、途中で引き返す勇気も必要だと自分に言い聞かせてフライトしてきた。それは日本航空(JAL)の元社長の松尾静麿氏の「臆病者と言われる勇気を持て」という社是に基づくものであった。安全は何よりも優先されなければならないが、実際にはさまざまな圧力があるのも現実である。それに打ち勝つためには温故知新の考え方に立つ以外にはないだろう。

 東京オリパラは開幕以降に新型コロナの感染拡大や医療崩壊という事実に直面したのだから、思い切って中止するという勇気が必要だったのである。

(文=杉江弘/航空評論家、元日本航空機長)

●杉江弘/航空評論家、元日本航空機長

1969年慶應義塾大学法学部卒、日本航空入社。 DC-8、ボーイング747、エンブラエルE170に乗務。首相フライトなど政府要請による特別便の経験も多い。ボーイング747の飛行時間は1万4051時間という世界一の記録を持つ。2011年10月の退役までの総飛行時間は2万1000時間超。日本航空在籍時に安全施策の策定推進の責任者だったときにはじめた「スタビライズド・アプローチ」は、日本の航空界全体に普及し、JAL御巣鷹山事故以来の死亡事故、並びに大きな着陸事故ゼロの記録に貢献している。 航空問題と広く安全問題について出版、新聞、テレビなどメディア、講演会などで解説、啓蒙活動を行なっている。著書多数。社会学、国際政治の分野でも『日本人はなぜ足元を見られるのか?』(アスキー新書)などの著書がある

巨人、来季以降にも暗雲垂れ込め…原監督長期政権の歪み&主力の高齢化が深刻

 球界の盟主・読売ジャイアンツ(巨人)に、明らかな異変が起きている。

 東京オリンピック期間の中断を挟み、シーズン再開までは首位争いを繰り広げていたチームが9月に入り急に失速し、直近の東京ヤクルトスワローズ、広島東洋カープとの6連戦では、まさかに6連敗。首位ヤクルトとは10.5ゲーム差の3位に沈んでいる(10日終了時点)。

 シーズン前は、その圧倒的な戦力から優勝の最右翼とみられた巨人だが、もはやAクラス死守が現実的な目標になりつつある。試合結果も去ることながら、何より気になるのは、淡白な試合展開と選手たちの覇気の無さだ。

 一体、何が巨人をこうも変えたのだろうか。巨人の番記者は、次のように明かす。

「今のチームは、まさに最悪といえる状況です。チーム内では良くも悪くも、原(辰徳)監督の絶対的な影響力があります。首脳陣にとどまらず、親会社や経営陣も原監督に強く言える人は皆無に等しいんです。元木大介・ヘッドコーチや宮本和知・投手チーフコーチらを入閣させ、チームの雰囲気を明るくすることを狙いましたが、負けが込むと脆さを見せています。今季は大型補強がことごとく失敗して、ケガ人の続出や外国人の帰国など不運が重なっています。それにしても、あまりに寂しい結果で、チームの中にも半ば諦めモードのような空気が流れています」

 さらに番記者が指摘するのは、ある選手の加入がチームの雰囲気を悪化させたという点だ。

中田翔の加入以降、チームが変わりました。中田の加入は完全に原監督マターですが、それが悪いほうに出たと思います。長打力がある中田は得点力不足に苦しんだチーム状況に当てはまる補強ですが、あれだけ世間を騒がした選手ですから『禊はどうなっているのか』という雰囲気にもなります。

 特に今季はファーストを任されていた中島宏之が勝負強い打撃を見せていただけに、『中島さんでいいのでは』という意見もありました。中田が活躍すれば話は違ったのでしょうが、全てが悪い方向に出てしまいました。若手は結果を残せないとすぐに2軍に落とされますが、中田は合流して即試合に使われていました。チーム内の競争という意味でも、歪が生まれた獲得でした」(同)

来季以降にも暗雲

 今季の低迷の原因は、菅野智之や丸佳浩ら主力の不振が大きく響いたかたちだ。気になるのは、坂本勇人や丸や梶谷隆幸といった来季以降も主力を担うであろう選手たちも、高齢化しつつあるという点だ。

「野手では松原聖弥、投手では戸郷翔征と高橋優貴がひとり立ちしましたが、ほかに核となるような若手が育っていません。特に野手の高齢化は深刻で、補強で補うにしても今シーズンオフは、昨季のようには選手が市場に出ない可能性が高いです。ベテラン勢も年齢的にパフォーマンスを落とす年齢に差し掛かっています。

 さらに、今季もっとも首をかしげた采配は、終盤に先発投手を中4日で回すという投手起用です。目先の勝利にこだわるあまり、投手の劣化を早め、壊しかねない手法といえます。この中4日体制は結果も伴わず、このローテーションを採用し始めた時期からチーム成績はさらに下降していきました。来季以降、この歪は必ず出てくると思います」

 そんな先行き不安な巨人の指揮官を務める原監督だが、契約は今シーズン終了までだ。一部では原体制の継続が取り沙汰されているが、実際はどうなのか。

「現状だと、ほぼ100%原さんが来季も監督に座るでしょう。ただ、年齢的なことを考えても、さらなる長期政権というのは考えにくいです。高橋由伸前監督は経歴的にも、実績的にも球団は大いに期待を寄せていましたが、その穏やかな性格もありチームをまとめきれませんでした。そこで、次期監督候補の最右翼は阿部慎之助作戦コーチでしょう。

 引退時から、“慎之助を未来の指揮官に”という絵は描かれていましたが、下で順調に指導者としてのキャリアを積んできています。彼は精神論的な厳しいことも言いますが、野球への理解も深く、選手からも慕われており、バランス感覚に優れています。特に若手の突き上げが必要な今、首脳陣を含めて若返りが必要なことは明白です。村田修一や杉内俊哉ら、現役時代から勝手知るメンバーを原監督が重用し、次へバトンを渡す準備も同時に進めているのでしょう」(球団関係者)

 仮に監督交代となると、その時期はいつになるのか。

「早ければ2023年シーズンということもあるでしょう。ただ、高橋由伸前監督の失敗もあり、親会社も慎重に判断するはずです。仮に慎之助がダメだった場合、目ぼしい候補がほかにいないので。生え抜きのスター選手で、実績と人気を兼ねるとなると、なかなか適任がいません。将来的には坂本もその筆頭でしょうが、彼にはまだまだ現役で頑張ってもらわないといけませんから」(同)

 巨人にとっては、来季も厳しいシーズンが待ち受けているのかもしれない。
(文=編集部)

「おたく」誕生から38年! 激変した「おたく」の変遷を、「おたく」文化の国際展示の第一人者・森川嘉一郎が集中講義

 最前線のアートを集中講義で学べる渋谷・道玄坂の「ホワイトルーム」

 第8回目は、森川嘉一郎氏による1日間、全4講「おたく文化史」、10月31日(日)開講です。

「おたく」誕生から38年!

「おたく」という言葉が誕生して38年、そして斎藤環氏が「20世紀名著」として選定した『趣都の誕生―萌える都市アキハバラ』(幻冬舎)から18年。

 その著者であり、ヴェネチア・ビエンナーレの「おたく」展やパリ・ジャポニスム2018「MANGA⇔TOKYO」展のキュレーターを務めた森川嘉一郎氏が、激変した「おたく」のすべてを集中講義。大学では1年にわたっての講義となるところを、1日に凝縮して行います。

「おたく」の社会的なイメージや文化としての扱われ方は激変しています。本講では、その起源、どのように変遷してきたのかをたどります。

 当初は蔑称だったかもしれないこの言葉が、いつの間にか「クールジャパン」と称されて、日本文化の一端を象徴するものとして利活用されるようになっています。マンガ・アニメ・ゲーム・おたく文化の国際展示の第一人者である森川嘉一郎氏が、文化的な側面だけでなく、市場と権力との関係性など、複合的に読み解いていきます。

 他ではまったく聴くことのできない1日集中講義です(※本講座はオンライン配信いたしません)。

森川嘉一郎「おたく文化史」

●第1講・「おたく」と「クールジャパン」
——1983年における「おたく」という蔑称の誕生から、1989年の幼女連続誘拐殺人事件報道による人口膾炙を経て、その「おたく」とイメージ的に結びつけられてきたサブカルチャーが「クールジャパン」などの額縁に入れられて公的利活用に供される状況にいたるまで、「おたく」と「おたく文化」の流転をたどります。

●第2講・「おたく」とアニメ
——「おたく」と称されることになる人物像とアニメとの、イメージ的な結び付きの形成過程を、『ヤマト』『ガンダム』『マクロス』という3作品にまたがる変化を中心にたどります。

●第3講・「おたく」と美少女
——「おたく」とアニメとの結び付きを通して発達したさまざまな表現や様式の中から、美少女キャラクターの絵柄に焦点を合わせ、マンガ、アニメ、ゲーム、さらにはライトノベルなど、さまざまな媒体にまたがって浸透し、そこに文化的アイデンティティが仮託されていった過程をたどります。

●第4講・「おたく」と秋葉原
——「おたく」という人物像と、秋葉原という都心部の街が結び付き、特有の美少女キャラクターの絵柄で街の風景が彩られ、街のイメージが大きく様変わりしていった過程をたどります。(本講義シラバスより)

お申し込みはこちらからどうぞ!

森川嘉一郎「おたく文化史」
日 程|10/31(日)
時 間|10:00〜17:45(予定)
受講料|10,000円(税込)
会 場|WHITE ROOM(渋谷区道玄坂)
受 講|会場(定員20名)/オンラインはありません。
詳 細|https://cyzo.co.jp/whiteroom/morikawa_01/
※ 本講義は【1日集中講義】です。
※ 会場受講は定員に達し次第、募集を終了します。

 

ホワイトルームとは

 日本の教育では、そもそも「アート作品をどのように見ればいいのか」という基本的なことが確立されない。なぜなら日本の学校で使用されている「美術(アート)」の教科書は、日本と欧米では大きく違っているから。日本の「美術」の教科書は薄く、アートは自由に見ることが大事だと書いてある。一方、欧米の「アート」の教科書は分厚い。それは「アート」=「美術史」だから。

 現代美術の最前線の作品にはラスコー洞窟絵から始まるギリシア・ローマ、キリスト教、ルネッサンス、印象派などなど膨大なヒストリーとコンテクストがあり、それをどれだけ感受できるのかが重要で、それこそが教養の基準とされている。それは日本の教科書では学べない。美術史を知らないから、いつまでたってもリテラシーが確立できない。

 ホワイトルームでは、アートのリテラシーを底上げするために、最前線にいるトップクラスの研究者、最前線のアーティストによって、大学半期分の授業を2日の集中講義で行います。

※講義によって、【1日集中講義】の場合もございます。本講義は1日集中講義です。

パチンコ業界で大注目! 突如現れた異色のTwitterアカウントに突撃取材!!

 今回はこの6月にTwitter界に突如現れると僅か3日足らずで3000人を超えるフォロワーを獲得した謎のアカウント『パーラー富士【池袋ノースゲートパチ屋】』に突撃取材を試みた。

 アカウントは店舗公式とのこと。中の人は店長さんなのだが、とにかく自由奔放で思っていることは全て正直に吐き出す…そんな印象だ。

 既に業界他誌やWeb媒体でも取り上げられており、すっかり有名人のようだが間違いなく今一番HOTで特異なアカウントだろう。

 《打ちには来なくていいですー 10回来ると11回負けるような台しか置いていない店ですー》、《パーラー富士は寄っても無駄足なクソ店ですー 池袋にお越しの際は他のお店を覗いてあげて下さいー よろしくお願いしますー》等々とにかく自虐tweetを満載。

 自店を蔑み競合店を持ち上げることも多いのだが、その根底には池袋エリア全体を盛り上げたいと言う気持ちが見え隠れするようにも思える。

 《オスイチ連のひぐらし止まってー 無双3やめて― いい加減にしてー》、《パーラー富士に「競合店」は存在しませんー 池袋商圏の最底辺店舗だからですー》《誰か 劇まど 止めて 劇まど 粗利ー 粗利― マイナスになるー》

 営業部長も兼任されているとのこと。私自身にも同じ経験があるだけに、日々の粗利確保に苦悩する気持ちを赤裸々に吐露する姿には相通じるものを感じた。 以前別記事で書いたこともあるが、小型店は数台の暴発で日々の粗利が吹っ飛んでしまうことも珍しくないのだ。

 《ご本人のプライバシーがあるので昨日はツイートしませんでしたが、ベテランの某ライターさんが昨日プライベート来店して全力で立ち回って、21時頃「9万2千円イカれました」と言い残して退店しましたー その唇は少し震えていましたー》

 嫌いなライターや媒体には毒づくこともザラ、時には「○○は嫌いですー」と名前までハッキリと曝してしまうその姿には清々しささえ感じる。正に天下無敵の言いたい放題といった印象だ。

 その暴れっぷりから、批判や敵視されることも絶えないようだが、全く意に介さず己を貫き通す姿勢には惚れ惚れする限りだ。

 毎日がこの調子だが稼働も上がってきているらしく、そこはやはりTwitterの宣伝効果抜群といったところか。全国屈指とも言われる池袋で大手法人を相手に堂々と渡り合っているのだから、そもそも店長は実力も兼ね備えた方なのだろう。 

 しかし以前は、かなりイケイケな営業をしていた時期もあったらしく、その時には関係各所から抗議の電話や勧告を受けることも日常茶飯事だったとか。 

 《来週は敬老の日ありますがだからと言って気が利いた総付景品を配るとかそういうのは一切無いですー ファン感もやりませんー 1セット分の景品を買う金が無いからですー》

 もうこの正直な姿勢には拍手を送りたいくらいだが、爆笑ものなのはTwitterだけに止まらない。『P-WORLD』内で更新される『店長の一言』や『YouTube』配信も見逃せない内容となっているので気になる方は是非チェックして頂きたい。 

 アカウント開設から3ヶ月が経った現在そのフォロワー数は5000人を超え、その勢いは止まるどころか増すばかり。尚、店内で『かくれんぼ』をしているらしき貴重な秘蔵写真を頂いたので貼っておくが、凡庸な私の処理能力では理解が追い付かないことを付け加えておく…。

Twitterリンク
↓  ↓
パーラー富士【池袋ノースゲートパチ屋】さん (@ERtN88ow6XjWuBu) / Twitter

YouTubeリンク
↓  ↓
池袋ノースゲートパチ屋【パーラー富士】 – YouTube

 

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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パチスロ新台「ガチ鬼ループ」で“一撃1000枚超”のボーナスも!? さらなる進化を遂げたシリーズ最新作に熱視線!

 4号機時代に一世を風靡したベルコの看板シリーズ『鬼浜爆走紅連隊』。今年5月には、6号機『鬼浜爆走紅連隊 狂闘旅情編』がリリースされ、現在も絶賛稼働中だが、そんな本シリーズに最新情報が舞い込んできた。

 同社はこのほど、公式YouTubeにてシリーズ最新作『鬼浜爆走紅連隊 激闘謳歌編』のプロモーションムービーを公開。大まかなゲーム性を明らかにした。

「鬼神再臨」と銘打たれた本機は、純増約4.5枚の「ガチ鬼ループAT」が出玉増加の肝。その”鬼ループ”とは「鬼浜ボーナス」とバトル「仁義なき争い」とのことで、毎ゲーム、消化中の小役など自力抽選を行う仕様となっている。なお、そのループ率は約75%だという。

 また、そのバトルで4戦連勝できれば1000枚獲得濃厚の「特攻ボーナス」が確定し、1000枚到達時には「さらなる祝福も!?」あるとか。おそらく、その特典は有利区間完走(2400枚獲得)だと思われる。

「シリーズの世界観を踏襲しつつ、ゲーム性を一新。そして前作(約2.8枚)を超える純増枚数に加え、一撃1000枚超のボーナスも狙える仕様ということで、まさに“鬼浜”らしい仕上りといえそうです。SNS上でも『これぞ鬼浜!』『PVを見る限り、ものすごく面白そう』といった好評の声があがっており、来年1月予定の導入開始日が今から待ち遠しいですよ」(パチスロライター)

 そんな本機の導入を盛り上げるべく、同社は10月10日より「導入記念 ゾロ目キャンペーン 第1弾」を実施中。抽選の中から各1名にQUOカードPay(7777円分、5555円分、3333円分、1111円分、777円分)が当るキャンペーンとなっている。

 応募方法は、公式Twitterアカウントをフォローし、該当ツイートに「#鬼浜激闘謳歌編」を付けて引用リツイートすれば完了だ。

 なお、締め切りは同月16日まで。ただ、今回のキャンペーンは第二弾も行われるようなので、ご興味ある方は同Twitterを今のうちにフォローしておこう。

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「珍名の怪物」ママママカロニが4連勝目指し“出世”レースへ出走も……。ライバルは同じ「食材」の珍名馬?

 13日、川崎競馬場で第20回鎌倉記念(S2)が行われる。勝ち馬には、今年の白山大賞典(G3)でJRA勢相手に2着と健闘したミューチャリーなどが名を連ねている。

 そんな出世レースに今年は9頭がスタンバイ。その中でも、特に注目の存在となっているのが3枠3番のママママカロニ(牡2歳、大井・森下淳平厩舎)だろう。何と言っても、インパクトが強烈な馬名が目に入ってしまう。

「馬名の由来は、音楽グループ『Perfume』の楽曲『マカロニ』の歌詞のフレーズです。ママママカロニの山口裕介オーナーはPerfumeのファンとして有名です。それ以外の所有馬にも、Perfume関連の名前を付けられた馬がいますね」(競馬ライター)

 その一風変わった名前で話題先行のママママカロニだが、現在3戦3勝の無敗と実力も伴っている。特に3勝目となった前走のパフォーマンスは「桁違い」で、競馬ファンから「珍名の怪物」と、言われるほどだった。

「ママママカロニは、大井競馬場で行われた1200m戦のゴールドジュニア(S3)を勝利しました。鞍上の手綱が持ったまま直線で後続を見る見るうちに引き離していき、9馬身差の圧勝でした。

また、勝ち時計も稍重馬場で1分11秒5と破格。馬場状態は異なりますが、4月に行われた東京スプリント(G3)を勝利したリュウノユキナと同タイムということで、2歳の時点で中央重賞級の力を持っていると言っても過言ではないです」(同)

 しかし、今回走る川崎コースは大井とは異なり左回り。さらには未知の距離である1500mへ延長となる。管理する森下師も「左回りコース、距離と初ものづくしでどうかだけど……」と、懸念する一方、「この中間も予定通りの調教メニューを消化。デキは更に上向きだよ。能力の高い馬なので勝負になるはず」と、無傷の4連勝に向けて自信を見せている。

 そんなママママカロニの前に現れた強力なライバルの名はメンタイマヨ(牡2歳、川崎・林隆之厩舎)。こちらもママママカロニ同様、食材がモチーフの馬名であり、鎌倉記念は食材対決という意味でも楽しめそうだ。

「『netkeiba.com』に掲載されている馬名の意味は『明太子とマヨネーズ』と、そのままですね(笑)どうやら母馬チーズマヨから連想して名付けられたみたいですね」(同)

 重賞を勝っているママママカロニに対し、メンタイマヨは今回が重賞初出走。過去の戦績ではママママカロニがリードも、コース実績の点ではメンタイマヨに分がある。デビュー以来、川崎コースを走り続け3戦2勝。馬券圏内はまだ外していない。

「新馬戦では単勝オッズ1.1倍の圧倒的な支持を受けて、7馬身差の圧勝。デビュー2戦目も500mの距離延長をものともせず勝利と素質は高いです。

前走は3着に敗れましたが、林師は『放牧明けで本番を見越しての仕上げになる』と、話しており状態がそこまで良くありませんでした。

今回はひと叩きした上積みが十分見込めますので、相手が強い重賞でも好勝負になるかもしれません」(同)

 マカロニVS明太マヨ「食材が由来」の馬同士の対決という意味でも注目の鎌倉記念は13日20時10分を予定している。ちょうど夕飯の時間帯だが、グラタンやサラダを食べながら2頭の戦いを見守りたい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

中国、6年以内に台湾へ侵攻か…米CIA、中国ミッションセンター設立し諜報活動

 米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は7日、声明を発表し、「中国は 21世紀に我々が直面するもっとも重要な地政学的脅威である」と指摘。米国の最大の戦略的競争相手である中国がもたらす安全保障上の課題に対応するため、中国に関する情報収集や分析能力など諜報活動の強化に向け「中国ミッションセンター(CMC)」を設立する方針を明らかにした。

 長官によると、CIAは今後1~2年間で、中国語ができる人材の採用や訓練を増やしていくなどCMCのミッション遂行のための人員の拡充や情報の質的向上を目指していくが、「脅威は中国政府によるものであり、中国人ではない」と強調している。CIAが中国に特化した組織を単独で設立するのは初めてで、CMCはCIAの中国での活動を統括する。

 これに対して、中国外務省の趙立堅報道官は「CMCは、米国の典型的な冷戦時代のメンタリティの表れである。米国の関連部門は、中国の発展と米中関係を客観的かつ合理的に見て、米中の相互信頼と協力、中国の主権、安全保障、発展の利益を損なうようなことをやめなければならない」と反発している。

 米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によると、バーンズ長官は声明のなかで「CIAの歴史のなかで、CIAはどんな困難にも立ち向かってきた。今日、私たちは大国間競争の新時代のもっとも厳しい地政学的テストに直面しており、CIAはそれに立ち向かうために、再び最前線に立つことになる」と強調。具体的には、技術移転や経済安全保障、気候変動などの問題が主要課題になるとの見通しを示した。

 すでに、米政府内ではここ数年、中国の脅威に対抗するための活動が活発化している。米司法省は2018年、中国の経済スパイなどに対抗するため、「チャイナ・イニシアチブ(対中戦略)」を開始。経済スパイとして起訴したうち約80%が中国に利益をもたらしていると警鐘を鳴らしている。

 また、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官も今年9月、FBIが「中国共産党に対する防諜活動は12時間ごとに行っている」と述べるなど、中国の活動に神経を尖らせている。

 このような経緯を踏まえて、バーンズ氏も2月に行われた指名承認公聴会で、「中国との競争は、今後数十年にわたって我々の国家安全保障上のカギとなる」と述べたうえで、「この数年間の習近平最高指導部による中国の変化は、米国と対立するようになり、攻撃的でもある。このような中国のアグレッシブで臆面もない野心と自己主張は、我々が直面している対立的で競争的な性質を非常に明確に示している」と語って、習指導部に対して強い警戒感を示している。

 また、バーンズ長官は今年4月に米議会で行われた「世界の脅威に関する公聴会」でも、「米中の対立はますます科学技術やサイバーセキュリティ問題に集中しており、CIAのマンパワーのほぼ3分の1がすでにテクノロジーとサイバー問題に取り組んでいる」と明らかにした。

中国への警戒高まる

 CIAの当面の課題としては、中国台湾侵攻の作戦に関する情報収集となるだろう。RFAによると、中国人民解放軍の台湾侵攻の可能性について、米国のトランプ政権時代の高官や現役の米軍幹部らが次々と危機感を表明している。

 18年の米国家防衛戦略の策定で責任者を務めたエルブリッジ・コルビー元国防副次官補は9月中旬、米ワシントンDCで開催された「グローバル台湾研究所(GTI)」の第5回年次総会で、中国軍が台湾海峡を封鎖し、台湾をミサイル攻撃して軍が台湾を制圧。米国が介入する前に台湾を占領してしまうという速攻作戦を展開する可能性が高いと指摘した。

 また、ロバート・オブライエン前大統領補佐官(国家安全保障担当)はGTI総会の閉会基調講演で、コルビー氏同様、中国軍の台湾侵攻作戦の可能性が高いと主張。「台湾は非常に恐ろしい危機に直面している。台北は、台湾の防衛策を検討するホワイトハウスの担当者から前向きな姿勢を引き出せるよう、いっそう努力しなければならない」と危機感を明らかにした。

 アメリカのブリンケン国務長官も6日、訪問先のフランス・パリで、台湾が設定した防空識別圏に進入する中国軍機の数が急増していることなどについて「中国による台湾付近での挑発的な軍事行動に深い懸念を抱いている。地域の平和と安定を損なうおそれがある」と指摘。そのうえで、長官は「中国政府には、台湾に対する軍事的、外交的、経済的な圧力をかけるのをやめるよう強く求める」と強調している。

中国、台湾統一に自信

 しかし、中国の習国家主席は9日、1911年に清朝が倒された辛亥革命から110年となるのを記念する式典で演説し、「祖国の完全な統一という歴史的な任務は必ず実現しなければならないし、実現できる」と述べ、台湾統一に自信を示した。

 その一方で、独立志向が強いとみなす台湾の蔡英文政権を念頭に「台湾独立の動きは統一の最大の障害であり、必ず人民に軽蔑され、歴史の裁きを受ける」と述べ、厳しく批判。さらに、習氏は台湾への関与を強めるアメリカなども念頭に「台湾問題は中国の内政であり、外部からのいかなる干渉も許さない」と強くけん制した。

 中国側の台湾問題に関する動きについて、インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官は「6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」と主張するとともに、中国の急速な軍備拡大により「中国が一方的に現状変更を試みるリスクは高まっている」と危機感を示している。

 また、デービッドソン氏の後任のインド太平洋軍司令官に任命されたアキリーノ海軍大将も米CNNのインタビューで、「中国は台湾を軍事的に圧倒することを目的に兵器やシステムを急速に増強しており、6年以内に軍事行動を起こす可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 すでに、習氏は今年7月1日、北京で行われた「中国共産党創立100周年祝賀大会」で演説し、「中国人民はいかなる外部勢力がわれわれをいじめ、抑圧し、隷属させることも決して許さない。そのような妄想を抱く者は誰であれ、必ずや14億あまりの中国人民が血と肉で築いた鋼の長城に頭をぶつけ、血を流すだろう」と激しい語調で語っているように、中国側が内政とみなす問題で対外干渉を受けた場合、武力で対抗する姿勢を示しており、台湾海峡危機は極めて現実な問題として迫っているといえそうだ。

(取材・文=相馬勝/ジャーナリスト)

●相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。