M&Aは企業の「上流課題」を解決する究極のソリューションだ

今や「M&A」は、あらゆる企業の経営戦略に欠かせない最大のソリューションです。本連載では、今の時代にM&Aが企業や社会に何をもたらすのか、その本質的な価値を分かりやすくひもときます。

電通グループも、業界最大手の日本M&Aセンターと業務協定を結び、企業の経営課題解決の大きな武器として「M&A仲介」を行っています(前回記事参照)。

今回は、日本M&Aセンター取締役の渡部恒郎氏をお招きし、電通の片山俊大がお話を伺いました。“業界再編M&A”の第一人者として活躍する同氏が語る、M&Aが日本社会に提供できる価値とは?

<目次>
実はM&Aを選ぶ企業の多くは、売り手も買い手も「成功している企業」
「コミュニケーションの連続」で成立するM&Aは企業同士の結婚である
M&Aを通じて、企業の「上流課題」に挑む日本M&Aセンターと電通

 

日本M&Aセンター渡部氏、電通片山氏

実はM&Aを選ぶ企業の多くは、売り手も買い手も「成功している企業」

“失われた30年”の間も成長を続けてきた日本のM&A市場。
“失われた30年”の間も成長を続けてきた日本のM&A市場。 ※レコフM&Aデータベースより抜粋
  

片山:日本M&Aセンターは、業界でダントツの実績を誇る最大手です。その中でも渡部さんはM&A成約実績No1のM&Aプレーヤーとして、数多くのM&Aに携わり、まさしく日本の業界再編をけん引された一人だと思います。近年、M&Aの市場はますます急拡大しているように感じますが、プロから見て実際のところいかがでしょうか?

渡部:おっしゃる通り、M&A件数は現在かなり増えつつあります。売り手企業は年商2億~100億円ぐらいの規模が多く、買い手企業は半数ぐらいが上場企業です。M&Aと聞くと、「倒産寸前の赤字企業を買収する」というイメージを持たれる方も少なくありませんが、実はM&Aを実施した売り手の多くは、黒字の優良企業なんです。

片山:実態としては、成功している企業が戦略の一つとしてM&Aを選択するケースが多いんですね。さて、M&Aは100件あれば100通りのやり方が存在します。ビジネススクールで学べるロジックや知識も大事ですが、何よりも「経験値」が非常に重要な分野です。渡部さんは具体的にどのような業界のM&Aに携わってこられたのでしょうか?

渡部:製造業界をはじめIT、食品、建設など幅広く、北海道から沖縄まで全国津々浦々、さらに海外に拠点を持つ企業も担当しました。特に2012年ごろからは、当時まだ誰も信じていなかった「調剤薬局の業界再編」が必ず起きることを見据えて、先駆けて調剤薬局業界のM&Aに注力してきました。

他にも、IT業では東芝情報システムとデンソーという大手同士の資本提携、RistというIT系スタートアップ企業と京セラコミュニケーションシステムのM&Aなども担当しています。

片山:ありがとうございます。日本で最も多くの案件数を手掛けてきた渡部さんは、本当にシンプルにすごいことを成し遂げている方だと思います。それに渡部さんは、担当された企業が製薬会社や製造会社、IT企業など、私たちが広告コミュニケーションでお手伝いしているクライアントと非常に親和性が高いですね。

近年、電通もクライアントから、ビジネスの「上流」の戦略を求められるようになっています。M&Aはまさに企業の上流課題を解決する手段なので、その分野で圧倒的な実績を誇る日本M&Aセンターや渡部さんとタッグを組めることを大変心強く感じています。

「コミュニケーションの連続」で成立するM&Aは企業同士の結婚である


 
電通の掲げる「Integrated Growth Partner」コンセプト映像。


片山:電通は中期ビジョンとして「Integrated Growth Partner」(以下、IGP)を掲げ、クライアント企業と社会の持続的成長にコミットするパートナーであることを目指しています。これは、日本M&Aセンターが掲げる「M&A業務を通じて企業の“存続と発展”に貢献する」という経営理念に近しいものがあると感じています。改めて、M&Aが企業にどのような価値をもたらすのかを教えていただけますか?

渡部:私はM&Aを、「売り手と買い手の“ビジョン”を実現するための手段」だと考えています。売り手企業は、創業時の「こうしたい」という思いを込めたバトンを渡す。買い手企業も自社が掲げているビジョンにより早く、より良い状態で到達するためにバトンを受け取る。両社のビジョンをつなぐことが、M&Aが企業にもたらす重要な価値の一つです。

片山:ビジョンのバトンパスが次々と生まれることで、その集大成として、日本経済全体の持続的な発展にもつながるわけですよね。

渡部:はい、そう思います。現在、年間5万社程度が廃業しており、その半数以上が黒字の中堅・中小企業だといわれています。黒字ということは、日本経済に何らかの価値をもたらし、社会のためになっている企業です。その日本経済を支えている企業が毎年たくさん廃業していること自体が、大きな課題だと思っています。

片山:これまで積み重ねてきた資産や人材も含めて、廃業するとなくなってしまう。それでもM&Aではなく廃業を選んでしまう背景の一つには、M&Aに対するネガティブなイメージがあると思います。売り手・買い手が共に幸せになり、大きく成長できるという、「M&Aの本質的な価値」を社会に正しく伝えていくことも、日本経済が持続的な発展をする上で非常に重要だと思います。

渡部:そこは電通が得意とする領域だと思うので期待しています。私は電通とM&Aというのは、親和性が高いと思います。電通はコミュニケーションの会社だと思っているのですが、M&Aのプロセスも、全てはコミュニケーションの連続ですから。

片山:まさにそこなんですが、私が日本M&Aセンターとご一緒するようになって一番驚いたのが、コミュニケーションの部分です。世の中にはM&Aにドライなイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、むしろ「会社同士の結婚」と言っても過言ではないほど、濃厚なドラマとウェットなコミュニケーションがあります。

会社を動かしているのは「人」ですし、人の気持ちはお金ではなく感情で動くことがたくさんあります。特に日本M&Aセンターはコミュニケーションを大切にされている会社なんだということがよく分かりました。電通が大切にしてきたことと通じるものがあると思います。

渡部:同感です。そしてコミュニケーション以外の部分でも、大企業の事業ポートフォリオ再構築や、メディア企業の事業変革と事業アップデート、スタートアップ企業のイグジット(出口戦略)など、電通に知見とネットワークがある領域のM&Aを一緒に推進していけると考えています。私たちは中堅・中小企業のM&Aを中心に手掛けていますが、電通と組むことで、これまで以上に可能性が広がっているのを実感しています。

片山:ありがとうございます。特にBtoC商材のブランド戦略はほぼ事業戦略と同じなので、ブランドポートフォリオ=事業ポートフォリオと考えると、戦略の選択肢としてM&Aは避けて通れないものなんですよね。また、日々お付き合いしているスタートアップのIPO(株式上場)に代わるイグジット(出口戦略)としてM&Aという選択肢を提案できるようになることで、電通としても支援できる幅が広がると考えています。大企業からスタートアップに至るまで、電通のクライアントやパートナーにとって、M&Aはすでに欠かせない選択肢になっているという認識です。

今や広告業界も含めたあらゆる業界でゲームチェンジが起こり、影響力のある企業ですら一瞬にして崩壊してしまう例もあります。一方、パズルのように企業やポートフォリオの組み合わせを替えることで、一気に花開く事例もたくさん見ています。そのようにマッチングで経営課題の解決に直結するような付加価値を生み出しているのが日本M&Aセンターで、電通がやってきた代理業や経営課題の解決と似ていると、勝手に感じています(笑)。

M&Aを通じて、企業の「上流課題」に挑む日本M&Aセンターと電通

片山:さて、経営戦略の上流課題は数多くありますが、その中でもM&Aは圧倒的に重要かつクリティカルなものだと思います。また、業界再編を促すような影響力があり、社会全体にも大きなインパクトを与えます。私たち電通グループは、日本M&Aセンターと一緒にそのようなダイナミックなプロジェクトに挑戦できることを大変光栄に思っていますが、渡部さんはいかがでしょうか?ぜひ正直なところをお聞かせください。

渡部:元来、日本のバリューチェーンを商流面で担ってきたのが総合商社ですが、私たちは「M&Aによって日本全体のバリューチェーンを整理する」のが重要な役割だと考えているんですね。ただ逆に考えると、私たちは「バリューチェーンの整理」までしか担えないことが課題だったんです。

電通と組むことで、これからは「M&A以降の企業の成長」を、よりスピーディに前進させることができる。すなわち、売り手・買い手企業の“ビジョン”の実現をより早く、より良い状態で進めることもできるようになると考えています。そこが新しいチャレンジであり、とてもワクワクしています。

片山:ありがとうございます!電通としてもM&Aの「日本最強チーム」とタッグを組めることは本当に大きいことだと思います。電通はIGPを標榜(ひょうぼう)している以上、企業の上流課題を解決する究極のソリューションとして、M&A仲介は絶対になくてはならない武器です。

クライアントやパートナー企業の成長支援、業界再編、社会課題の根本解決など、私たちが普段向き合っている課題を解決する手段として、今後はもっとM&Aを活用していくべきだと考えています。ぜひ今後とも、日本企業と日本社会の持続的な成長を共に推進していきましょう!

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中国、台頭の終焉…衰退期突入で覇権国へ戦争仕掛けるリスクに世界で警戒高まる

 中国経済がここにきて急減速している。中国の第3四半期のGDP(国内総生産)は前年比4.9%増となり、第2四半期の7.9%増から大幅に減速した。今後の見通しもけっして明るくない。不動産大手の恒大集団の経営問題が中国経済全体に悪影響を及ぼす懸念が高まっているからだ。

「中国の関連産業を含めた広義の不動産業のGDPへの貢献度は30%弱に達する」という推計がある。日本や米国での不動産業のGDPへの貢献度が20%前後であることを鑑みると、中国経済の不動産依存が突出していることがよくわかる。増大する需給の不均衡の状況を見れば、住宅市場が今後大幅な長期調整を迎えるのは必至であり、中国経済のハードランディング・シナリオが現実味を帯びてきている。

 少子高齢化の問題も深刻であり、今後財政赤字が急拡大する可能性が高い。10月1日付フォーリン・アフェアーズ誌は「中国崛起(くっき)の終焉」と題する記事を掲載した。「中国の台頭」が頭打ちになったことを前提に戦略を組み立てる必要性を論じている。

 急成長する経済をバックに台頭してきた中国の国力に陰りが見え始めてきたのだが、このことは日本をはじめ国際社会にとってどのような影響を与えるのだろうか。9月24日付米外交専門誌フォーリン・ポリシーは「衰退する中国、それが問題だ」と題する論文を掲載した。執筆したのはジョンズ・ホプキンス大学のハル・ブランズ特別教授とタフツ大学のマイケル・ベックリー教授だ。ブランズ氏らの主張は「『浮上する中国』よりも『頂点を極めやがて衰退期を迎える中国』のほうが国際社会との間でより大きな対立を引き起こす」というものだ。

トゥキディデスの罠

 ハーバード大学の政治学者グレアム・アリソン氏が「既存の超大国は新興大国の浮上を邪魔するために戦争に陥る危険性が高い」とする「トゥキディデスの罠」を指摘して以来、米中関係はしばしば、紀元前5世紀のギリシャの覇権国スパルタと新興大国アテネの間で繰り広げられたペロポネソス戦争に例えられてきた。

 古代ギリシャの歴史家であるトゥキディデスは「アテネの力が徐々に強大となったことに驚いたスパルタが戦争に踏み切った」ことが戦争の原因と書いたが、ブランズ氏らの解釈は違う。「海洋軍事力で劣勢に立たされ始めたアテネが、勝利の機会を失う前に開戦に踏み切った」ことが戦争の本当の原因だとしている。

 新興大国はパワーが拡張し続ける間は、できる限り目立たずに行動し、覇権国との対決を遅らせようとする。だが新興大国の成長が天井に達し、衰退期が目の前に近づくと、悠長に構えてはいられなくなる。「トゥキディデスの罠」の真の意味は、これ以上の発展・拡大を期待できない新興大国が「挑戦の窓」を閉ざされる前に覇権国に挑むことで戦争が起きる危険性が高まるということなのだ。

「現在の中国は当時のアテネと同じ状況にある」とするブランズ氏らは「衰退期に入りつつある中国は今後10年間、自分たちの運が尽きる前に戦略的成果を得るため、より大胆かつ軽率に行動しかねない」と警告を発している。広大な領土と多くの人口を擁する点で現在の中国は、米国に次ぐもう一つの帝国といっても過言ではない。だが懸念すべきは帝国に必要な「多様性」が欠けていることだ。

ナショナリズムの台頭

 中国では今、ナショナリズムが猛烈な勢いで台頭している。朝鮮戦争をテーマにした中国映画「長津湖」が10月下旬の世界興行収入ランキングでトップに立った。朝鮮戦争に参戦した中国兵たちが厳しい寒さの中で、装備に恵まれた米軍と戦う姿を描いたこの映画は、中国で愛国心ブームをこの上なくあおっている。

 意外と思われるかもしれないが、中国はもともとナショナリズムが強い国ではなかった。ソ連崩壊により「共産主義」という統治の根拠を失った中国政府が国民の支持を取り付けるためにナショナリズムを利用したのがその始まりだ。

 中国では1996年、『ノーと言える中国』という本が出版された。米国の価値観に憧れる中国人を軽蔑し、「中国がいずれ超大国になる」と予測する内容であり、1990年代の中国のナショナリズムの台頭を示す一冊といわれた。

 中国の近代史には「アヘン戦争以来一世紀にわたって外国の帝国主義勢力に蹂躙された」という「百面国恥」が刻まれている。植民地化されたという苦い経験が深く刷り込まれていることから、中国は欧米社会が確立した国際秩序に不信感を抱き続けてきた。

 中国のナショナリズムはこれまで防御的な色彩が強かったが、リーマンショック後に中国が世界経済を牽引するようになると攻撃的なものに変わった。2012年に誕生した習近平政権が「中国の夢」を語るようになってから、状況はさらにエスカレートした。

 中国のナショナリズムはこれまで政府主導で奨励されてきたが、最近では国民のほうが過激になっている。特に留学経験のある若者たちにナショナリズムの傾向が強いといわれている。新型コロナウイルスのパンデミック封じ込めに成功したこともあって、「中国文明は世界で一番優れている」と信じるようになったのだ。だが、この偉大な国に対して国際社会からそれ相応の尊敬が与えられていない。国民の不満は募るばかりだ。中国政府は、自らつくり出したナショナリズムを制御できなくなっている。このような状況で「自国が衰退していく」という不都合な事実を断じて認めるわけにはいかない。

 民族の優越性を掲げて「帝国」を夢見ることがどれほど恐ろしい結果を招くかは、過去の歴史が証明している。窮地に追い込まれた中国政府が「国民の不満をそらすために対外的な強硬手段に出る」リスクにこれまで以上に警戒すべきだ。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

価格1%上げれば収益は10%向上する?「価格」が持つパワーと恐ろしさ

 マーケティングの代表的なフレームワークである「マーケティング・ミックス」。形ある商品なら4P(商品・価格・流通・販売促進)、無形であるサービスなら7P(商品・価格・流通・販売促進・人・プロセス・物的証拠)など、極めて有名な枠組みである。こうした要素において、価格はもっとも活発に研究されていない領域かもしれない。

 ある豆乳メーカーにインタビューを行った際、「健康ブームを受けて、トクホ(特定保健用食品)の認証を得たものの、売価が10円アップし、売上が大きく落ち込んだ」という話を聞き、価格のパワー、恐ろしさを実感したことがある。

 価格は数字で表示されるため、誰もが簡単明瞭に判断でき、他社製品との比較も極めて容易である。また、たとえばトマトでも価格が高ければ、「きっと高品質でおいしいに違いない」、安ければ「何かワケアリのはず」と、多くの消費者が感じることだろう。つまり価格は、(正しいかどうかは別として)品質の高低も表すシグナルや、広告の役割すら担っているともいえる。

 価格戦略(プライシング)に関して、THE WHARTON SCHOOLの教授であるZ.John RajuとJagmohan Zhangによって、2010年に出版された『Smart Pricing: How Google, Priceline, and Leading Businesses Use Pricing Innovation for Profitability』Pearson Prentice Hall(『スマート・プライシング 利益を生み出す新価格戦略』朝日新聞出版)を参考に検討していく。

“何カ月も手塩にかけて育てた作物の収穫の際、「さあ、収穫の時だ。気楽にやろう」という農業従事者はいない”という書き出しは衝撃的である。つまり、企業は長い時間をかけて市場調査や製品開発を行い、市場に製品を投入するといったことには注力するにもかかわらず、こうした努力を収益につなげるために重要な役割を果たすプライシングには関心を払っていないと指摘しているのだ。

 また、多くの企業が採用している、コストプラス法、競争に基づく価格設定、需要に基づく価格設定などについて、極めて単純で場当たり的であると、痛烈に批判している。コストプラス法の利点として、シンプル、公正、財務的健全性などが指摘されるが、贈答品の場合は高価格のほうが好ましいケースもある。また、コストを売価に転化させることが可能となる場合もあり、コストを最小化しようという意欲が起きない。さらに、売上が計画を下回る場合、財務的健全さは保証されないと指摘している。

 競争に基づく価格設定に関しては、泥沼の価格競争に陥る危険性を、一方、需要に基づく価格設定に対しては、顧客ごとに売価が変わる不透明性および不公平感から生じる顧客の離反を危惧している。

 また、価格のパワーに関して、自社の収益を高めるために引けるレバーは、価格、売上数量、変動費、固定費の4つしかなく、とりわけ価格がもっとも大きな影響を与えると、多くのデータが語っているにもかかわらず、もっとも軽視されているとのこと。

 こうした企業におけるプライシングの問題点に対して、Pay as you wish(買い手が価格を決定)、Free(商品やサービスの無償提供)、自動値下げ方式、購入価格指定方式などを紹介している。

 最近、ガソリンをはじめ、物価上昇に関するニュースがしきりに流れている。確かに、価格に対して、消費者をはじめ社会の関心は極めて高い。原料高といった極めて明瞭な理由があっても、一歩間違えば厳しい批判に晒されそうな雰囲気に溢れている。

 こうした状況において企業は無難な値付けに陥りがちだが、たとえば先の著書では、価格を1%上げれば収益は10.29%向上するといったデータが紹介されている。また、世の中には一般的な商品と比較して高価格であるにもかかわらず、好調な販売を維持するプレミアム商品も数多く存在している。これらを勘案すれば、積極的・科学的なプライシングに挑戦する価値は大いにありそうだ。
(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

業務スーパー、今、絶対買うべき「コスパも味も驚異的」な商品5選…鶏肉2kgも

 オリジナルの食品を大容量・低価格で販売している「業務スーパー」。その名から業者向けのスーパーをイメージされるかもしれないが、同店はプロだけでなく一般の客も大歓迎というスタンスで営業しており、7月末時点で全国に933店舗を展開している。

 その経営は絶好調のようだ。運営元の神戸物産が今年9月に公表した2020年11月〜21年7月期の連結決算によると、純利益が前年同期比28%増の148億円と、過去最高を達成。店舗数も1年前より67店舗増やし、ますます勢いが増しているのである。

 そんな業務スーパーには、マストバイな高コスパ商品が目白押し。今回は同チェーン店の“この秋、買うべき商品”として好評な5品をピックアップした。

冷凍いちご/278円(税別、以下同)

 毎日の朝食にヨーグルトやオートミールを選んでいる方も少なくないだろうが、直面しがちなのが“飽き”問題。そんな悩みを持つ方にぜひおすすめしたいのが、業務スーパーの冷凍フルーツの数々。数あるなかでも「冷凍いちご」は、一般的なスーパーで購入しようとすると高価格になりがちな「いちご」が、500gで278円という高コスパでゲットできる商品だ。

 そのお味はというと、やや酸味が強めな印象。やはり冷凍している分、生のいちごの甘みや果実感には及ばないようだが、ヨーグルトやオートミールに合わせるには十分すぎるほどのクオリティだと感じた。公式HPを見ても、「爽やかな酸味があるので、ジュースやジャム、ソースづくりにおすすめ」との記載があるので、そのまま食べるのではなく料理やトッピング用に使うのが良いのだろう。

 このほかにも業務スーパーでは「ミックスベリー」や「冷凍マンゴー」といった冷凍フルーツも販売しているので、お好みに応じて選んでみてほしい。

讃岐うどん/147円

 業務スーパーが展開する商品のなかには、マニアから長年愛され続けている“鉄板商品”がいくつか存在する。そのなかのひとつが「讃岐うどん」だ。こちらは冷凍された200gの讃岐うどんが5食セットになった商品。去年の夏にはコロナ禍の巣ごもり需要で生産が追いつかなくなり、品切れの店舗が続出したとか。

 この商品のスゴいところは、1食約30円というコスパの高さもさることがなら、味に関しても高い評価を受けている点。料理研究家など、料理のプロたちもそのコシやもちっとした食感を評価しているというのだから、その味わいには期待が高まる。

 実際に食べてみると人気のワケがわかった。噂通りコシが強く、もちもちで食べ応え満点。また、冷凍時はややコンパクトに見える点が気になったが、麺そのものにボリュームがあるため、食べてみると物足りなさは感じなかった。この美味しさで1食あたり約30円というコスパなら、レギュラーメンバーとして冷凍庫に常備してもいいだろう。

やわらか煮豚/498円

 業務スーパーでは冷凍食品だけでなく、そのまま食卓に出せてしまうようなチルド食品も充実している。そのなかでも、“超使える一品”として知られるのが、「やわらか煮豚」だ。

「やわらか煮豚」は、業務スーパーにラインナップされている冷凍食品やチルド食品のなかではややお高めの498円。しかし、一口食べたらそのお値段設定にも納得がいくはず。まず、肉はとてもジューシーで安っぽさを感じさせない。また、酒のつまみにもいけそうな濃厚な味わいのおかげもあって、少量でもかなりの満足感がある。

 さらに、自分でカットすることで煮豚の厚みを自在に調整できるため、ラーメンのトッピングにするにしても、ちょっとズボラに豚丼をつくるにしても、必要な分だけを使えるのが嬉しいポイント。コッテリ好きにはたまらないこの商品、ぜひ一度食べてみていただきたい。

上州高原どりもも肉/1550円

 スーパーで購入した肉をそのまま冷蔵庫に保存するとしたら、できるだけ早めに食べきってしまいたいところ。そこで、消費しきれないことも見越して肉類は冷凍保存するという方も少なくないだろう。

 そんな肉の冷凍保存に慣れている方なら、業務スーパーの「上州高原どりもも肉」もバッチリ使いこなせるはず。「上州高原どりもも肉」は国内自主関連工場で製造された、安心の鶏肉が2kg入っている大容量の商品。これこそ、業務スーパーの真骨頂といえる一品ではないだろうか。

 価格は店舗や時期によってバラつきがあるものの、この日は税抜き1550円で販売されていたので、100gあたりの価格は77.5円ということになる。このコスパは、鶏肉の消費量が多い世帯にとってはかなりありがたいはずだ。

ぷち大福/298円

 業務スーパーの得意分野といえば、冷凍食品だろう。肉や野菜だけでなく、ちょっとしたスイーツまで冷凍で販売されているのだから驚きだ。そんな業務スーパーが展開する冷凍スイーツのなかでも、とりわけ好評な商品のひとつが「ぷち大福」。

 こちらは一口サイズの大福の詰め合わせで、国内自社関連工場で製造しているため安心・安全には自信があるとか。1〜2時間ほど置いて自然解凍しておいた本品を一つつまんで口に運んでみると、冷凍食品とは思えないくらいのクオリティに仕上がっていたので驚いた。餅は柔らかいし、中のこしあんは甘すぎないので、バランスがちょうどいい。一口サイズということもあって、食べる手が止まらなくなりそうだ。

 また、公式ページに「包丁でカットしてフルーツを挟めば、ジューシーなフルーツ大福が楽しめます」と記されていたので、先に紹介した「冷凍いちご」と組み合わせて食べてみることに。すると、甘い大福にほどよい瑞々しさと酸味が加わることによって、さらに充実した味わいに変化した。こんなふうにアレンジを楽しめるのも、この商品の魅力の一つなのだろう。

 業務スーパーには、便利でお買い得な商品が盛りだくさん。ぜひ、買い物の参考にしていただきたい。

(文・取材=A4studio)

※情報は2021年10月14日現在のものです。

※価格は購入価格。時期や店舗によって変動する可能性があります。

明石家さんまが後輩芸人から本気で嫌われ出した?ついに“お笑いの帝王”陥落か

 好感度急落中の“お笑いの帝王”が、ついに芸人仲間からも嫌われ出したようだ。くりぃむしちゅー・上田晋也、次長課長・河本準一、さらには、明石家さんまを“恩人”と慕う千原兄弟・千原ジュニアまでもが苦言を吐き始めたのだ。

 2019年、さんまは「日経エンタテインメント!」(日経BP)が全国の男女1000人を対象に調べた「一番嫌いなお笑い芸人」ランキングで初の1位に。昨年は7位に転じたものの、いまだに拒否反応は続いていると言えよう。

「お笑いでは現役のさんまですが、すでに還暦をとうに過ぎて66歳と、完全なる昭和世代。冠番組の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)では男尊女卑とも取れる価値観の押し付けが目に余ると、たびたび批判されてきました。自分でも気にしているのか、最近はそうした価値観バトルでもソフトな語り口になってはいますが、いずれにしても“根っこ”の部分は簡単に変えられないのではないでしょうか」(芸能ライター)

 また、さんまは7月放送の『週刊さんまとマツコ』(TBS系)で自身の終活について触れた際、「自分は痴呆症になる家系なんや!」「うちの祖父が72歳で痴呆症になったんや!」と発言、15年以上前に「認知症」という呼び名に変わっていることから、物議を醸した。その後、自身の認識を改めたのか、別の番組では「認知症」という現在の呼び方で言及していた。

ギャラの安さが後輩芸人にも影響?

 そんなさんまが芸人仲間から敬遠されているというのは、どういうことなのだろうか?

「さんまに対する愚痴を公に言う芸人仲間が増えているのです。千原ジュニアは9月24日配信のYouTubeチャンネル『千原ジュニアYouTube』で、こんなことを語っていました。この日の動画は、自身の車を運転しながら車載カメラの前でフリートークを繰り広げるものでした。

 生放送の情報番組の収録に向かうという彼は『他の会社やったら、(車で)迎えに来てくれて、その間に資料読んだり、今日取り扱うニュース下調べしたり、運転手の方でもいたら、そうやって現場に向かうんでしょうけど』と自身の現状を嘆きながら、『なんで、こんなことなってんねん? 結局、上なんですよ。さんまさんなんですよ。さんまさんが自分で運転していくからね。ETC代、自分で払って、ガソリン代も自分で払ってね。だからホンマに、さんまさんが会社に言うてくれるか、もっと言うたらさんまさんが我々のETC代を払ってくれるか』と苦笑いしていました。どうやら、さんまが自分の運転で仕事に行くスタイルなので、他の芸人も同様にするという暗黙のルールができているようなのです」(同)

 ジュニアのさんまへのボヤきはこの後も止まらず、「MBS(大阪の放送局)のラジオのギャラがめちゃくちゃ安い。『えっ、嘘やろ!?』みたいなギャラなんですけど。それもさんまさん。さんまさんが全然ラジオのギャラ上げへんから。さんまさんがそれでやってはんねやったら……」と、ラジオに強い思い入れを持つさんまがいまだに破格のギャランティーで引き受けていることが、他の芸人のギャラ設定にも影響していると暴露したのだ。

 他にも、さんまの“押し出し”の強さに辟易している芸人がいる。

「くりぃむしちゅーの上田は7月に新型コロナに感染し、さんまとタッグを組むはずだった日本テレビの東京オリンピック特番を休演しました。療養中に、心配するさんまからLINEで質問攻めに遭い、最終的にはブロックしたそうです。このエピソードは、さんま自身が10月16日放送の『ヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)で語っています。また、さんまは陣内智則に深夜3時に“LINE攻撃”し、お決まりのフレーズ『ワシやないかい!』が出るまで何往復もやり取りしたことを語っていました」(同)

 また、次長課長の河本も、コロナに感染して苦しんでいるとき、さんまに送ったLINEの中で普通に数字を打ってしまい、「お前、数字入れるの?」と突っ込まれた過去を告白していた。河本にはコントで中国人のマネをする際、「カン十分からコン十分です」と言うギャグがあるが、それに気づいて慌てて送り直したそう。

 さんまのようなバイタリティあふれる人間と付き合っていくのは、並大抵の体力ではもたないのかもしれない。そんなさんまに、トラウマを抱えているタレントもいるという。

「若槻千夏は、あるバラエティ番組で『さんまさんの番組の日は、必ずお腹を壊すす』『さんまさんの“ほんで? ほんで?”という言葉が苦手』と明かし、収録ギリギリまでさんまの番組に出演することを知らせてほしくない、とマネージャーに求めていました。また、フリーアナウンサーの有働由美子も、かつてさんまとMCを組んで話していたときに『長いわ、お前の話』とぶった切られたそうで、それからさんまとのからみがトラウマになっていると話していました」(同)

深田恭子を泣かせた全否定トーク

 かつて、さんまは冠トーク番組『さんまのまんま』(フジテレビ系)でゲストを泣かせたことがしばしばあった。

「現在は女優としてアメリカに移住している元アイドルの田村英里子が出演した際、さんまは彼女が宣伝のために持ってきたCDをわざと床に落とし、拾ってはまた落とすという仕打ちを繰り返して、泣かせたことがあります。さらに、『痛快!明石家電視台』(MBSテレビ)に田村が出た際も、同じことをして泣かせています。

 また、深田恭子がゲストでやってきたときは、理想のタイプを『白馬の王子様』と話す彼女を全否定して泣かせたこともありましたし、山瀬まみが書道2段の腕前を見せた際に『2段は嘘やろ!?』と追い込んで号泣させたこともあります。これらは番組を盛り上げるためにあえてヒール役を買って出たのでしょうが、いずれにしても相手が泣くまで続けていたわけです」(同)

 もはや、さんまの笑いは時代にそぐわなくなりつつあるのだろうか。

「確かに『御殿』が数字を獲っているのは認めますが、彼がゴールデンで視聴率を獲っているのはこれしかありません。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)もなんとか踏ん張ってはいますが、上がり目はない。そんな現状で、いまだにさんまを“お笑いの帝王”と呼んで崇めるのは、そろそろやめたほうが彼のためにもなるのではないでしょうか」(テレビ局関係者)

 デビューして、すでに50年近くが経つさんま。晩節を汚すことにならなければいいのだが……。

(文=編集部)

選挙特番で最悪はフジの橋下徹・宮根誠司コンビ! 一方、TBS太田光は高市早苗を公文書改ざんで追及し絶句させる奮闘

 自民党の地滑り勝利と、日本維新の会の大躍進に終わった衆院選。この国の地獄はまだまだ続く、その絶望感に拍車をかけたのが、いつものことながら、テレビ各局の選挙特番だった。  自民党の岸田文雄首相や高市早苗政調会長、維新・松井一郎代表には何もつっこめずに媚びへつらう一方で、立...

パチスロ「初当り確率を大幅UP」させる業界初トリガー!?/ S聖闘士星矢 冥王復活

 出玉規制の影響でヒット作が生まれなかったパチスロ5.5号機。その中で、万枚すら射程に収める爆裂マシン『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』が登場した。多くのユーザーを魅了した本機は、今なおホールの人気機種として好稼働を実現している。

 そんな『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』の撤去が迫っている状況だが、このタイミングでシリーズ最新作『S聖闘士星矢 冥王復活』のリリースが発表。この朗報に多くのユーザーが歓喜したことだろう。

 販売元となる三洋物産は、本機が適合した時点で速報ムービーを公開。「特報 本命適合!」「『海皇』を超える、『冥王』の力がいよいよ目醒める」といった紹介文に、「仕上がりに相当な自信があるのでは」といった声が続出した。

 続く速報第2弾では、新筐体のデザインや星矢と冥王ハーデスの戦闘シーンなどの演出を公開。映像では、セブンセンシズを超える「第八感 -阿頼耶識(あらやしき)-」という新トリガーの存在も明らかになった。視聴したユーザーからは大きな反響が寄せられていたが…。

 この流れで三洋物産は『S聖闘士星矢 冥王復活』の発売を正式に発表。それに伴い、スペックに関する情報が遂に公開されることとなった。

 同社初の6.2号機ATとなる本機は、『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』のバトルシステムを継承・進化させたゲーム性。RUSH突入の鍵を握る「冥闘士激闘(スペクターバトル)」の3戦突破率は、約50%に大幅UPしている。

 聖闘士RUSHは純増約3.2枚/Gの枚数上乗せ特化型AT。今作にも星矢らしさを感じさせる強力な出玉トリガーが多数搭載されている模様だ。

「EXTRA冥闘士激闘(エクストラスペクターバトル)」は、3戦突破でケタ違い上乗せに期待。激アツ展開を呼び込む「火時計PUSH」に特化した仕様に進化している。

「千日戦争」は最上位の“神”トリガーで、最大12戦を勝利すれば感動のエンディングへ移行する模様。また、「シャカ開眼上乗せ」に関しては「全ての上乗せを8倍に変換!?」という非常に強力な恩恵となっているようだ。

 そして注目の新要素「阿頼耶識(あらやしき)モード」は、「初当り性能を“恒常的”にブーストする」という業界初システムとして紹介されている。「聖闘士RUSH初当り確率が大幅UP!?」という文言からも、その恩恵は極めて大きいと言えるだろう。

『S聖闘士星矢 冥王復活』のトップ導入日は、2022年1月24日(月)を予定している。スペックの更なる詳細は、公開され次第追って報告させていただく。

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太田光、選挙特番の不遜な態度に非難収まらず「放送の許容範囲を逸脱、責任問題」

 第49回衆議院議員総選挙の投票が10月31日に行われ、自民党は公示前から議席を減らしたものの、過半数を上回る261議席を獲得し、「絶対安定多数」とされるラインを超え、岸田文雄首相(自民党総裁)は「信任をいただいた」と事実上の勝利宣言をした。

 一方、自民党でNo.2のポストとされ選挙の責任者でもある幹事長を務めていた甘利明氏は1日、自身が小選挙区で敗れたことを受け辞任する意向を固めたが、その甘利氏を厳しく“追及”したあのお笑いタレントも今、批判に晒されている。

 爆笑問題の太田光は31日に放送されたTBS系の特番『選挙の日2021太田光と問う!私たちのミライ』に出演。番組冒頭で中継がつながった甘利氏に対し、

「甘利さん、戦犯ですよね? もし(自民党が)負けたら」

と厳しいジャブを浴びせると、甘利氏がUR(都市再生機構)をめぐる口利き金銭授受疑惑が追及されている点が、自身の選挙区での苦戦の原因ではないかと問いただし、甘利氏は「私はまったく関与していない。週刊誌で初めて全容を知った」と回答。すると太田氏は、

「それ、今まで通り“秘書がやりました”っていう同じ言い訳なんだけど」

と指摘し、以下のように持論を述べた。

「自分の選挙事務所のカネの出し入れすらできなかったっていうのは、こんな人にね、経済再生なんか任せられるのかって、“この人、仕事できないんじゃないか?”って、そんな気がしたんだけど」

「俺は、政治家としての甘利さんの資質にがっかりしたというのもある。受け取ったのが100万円ごときでしょ、たかが」

「それはさ、今まで通りの言い訳じゃない。その(100万円という)規模感って、日本経済をなんとかしようっていう、できるんですかって。そんな人に」

 さらに、もし自民党が大幅に議席を減らした場合の党幹事長としての進退を問われた甘利氏が、「(自民党)総裁に身柄を預けなくちゃならないと思ってます」と言うと、太田は

「総裁がOKって言えば、身は引かないという意味ですか?」

と質問。最後は

「ご愁傷様でした。はいどうも」

という言葉を投げつけて締めくくった。

 太田は番組内で甘利氏以外の政治家とも丁々発止のやりとりを繰り広げたが、敬語を使わずにタメ口で遠慮なく質問を浴びせたり、相手に話をさせずに自説を長々と話す場面もみられ、インターネット上では太田に対して、

<不愉快>

<酔っ払いの愚痴にしか聞こえん>

<太田光さん人の話は聞こうよ>

<太田さんの知識と質問準備不足を感じてしまって>

<失礼極まりない>

<不勉強>

などと批判の声も収まらない。

既存の選挙特番の枠を壊すことには成功

「政治家への不遜な質問もさることながら、中継中に“ガハハハッ”と大声で笑ったり、椅子の背もたれにふんぞり返って腕を組みながら話したりと、選挙特番の放送としては許容範囲を逸脱しているといわれれば、それまでだし、不快に思う視聴者が多かったことは事実だろう。

 ただ、TBSがそういうキャラの太田を起用した時点で、こうなることは明らかに予想できたわけで、それでもあえて、これまでのお決まりの選挙特番という枠を壊すことを期待して太田にMCを託したということ。そして太田は、その制作サイドの考えを斟酌して期待に応えようと自分の仕事をしただけにすぎない。これまでの選挙特番のような、政治家とコメンテーターが“これ以上は一線は超えませんよ”という仲間内的なお約束事の範囲内で、お決まりの質問をしてそれに政治家が答えるという構図を壊すことには成功していたし、政治家たちの戸惑う表情を引き出せていた。

 もっとも、それが視聴率という成果につながらなかったことからもわかるように、視聴者からは受け入れられなかった」(テレビ局関係者)

 実際に世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は6.2%と伸び悩み、NHKおよび民放キー局5局のなかでは下位に沈んだが、別のテレビ局関係者は語る。

「ネット上では甘利氏への『ご愁傷様でした』という言葉が批判されているが、『ご愁傷様』というのは身内に不幸があった人以外に対しても、日常生活でも“お気の毒様ですね”という意味合いで使われており、太田はその意味で言っただけだろう。実際に甘利氏も太田から『ご愁傷様』と言われた後には普通に笑顔でうなづいていた。

 番組全体としては、個人的には面白いと感じたが、それと同時に万人受けはしないだろうなとも思った。番組途中でTBSの井上貴博アナから、もっと相手の話を聞くようにやんわり注意される場面もあったが、『あくまで俺の考えだけど』と言って長々と話す場面も多く、さすがにわざわざ中継に出演してくれた政治家に失礼だし、視聴者は離れる。スタジオ全体の“マズイ”という空気もひしひしと伝わってきた。

 そうした点を改善すれば、結構良い選挙特番に育つと思うが、太田本人も放送中に何度も『この仕事、俺は向いてないわ』と言っていたので、次回以降オファーがあっても受けないのではないか。

 もっとも、政党とテレビ局は日頃から取材する側とされる側という深い関係もあるので、放送後に政党からTBSの政治部あたりにクレームが入って局内で責任問題が生じてもおかしくなないとも考えられ、TBSももう太田にオファーはしないかもしれない」

 太田にとっては苦い選挙特番デビューとなったようだ。

(文=編集部)

 

JRA天皇賞・秋(G1)エフフォーリアのコントレイル一蹴が決定打!? 3歳世代ハイレベル説が審議から確定に?

 10月が終わり秋のG1戦線も前半が終了して、今週はG1開催がなく中休み。前半を振り返ってみると、今年ここまで競馬界を大いに盛り上げているのが、現3歳世代の活躍だろう。競馬メディアでも、多くの関係者が3歳馬の強さに注目している。

 先週の開催も3歳馬の活躍が目立った。大注目の天皇賞・秋(G1)も3強対決を制したのは、3歳馬のエフフォーリア。特に古馬混合1勝クラス以上のレースでは、世代レベルの高さを証明するかのような結果が出ている。

 3歳馬が出走していたレースに限ると対象37レース中23勝14敗と大きく勝ち越し。さらに人気薄の激走も何度もあり、世代の強さが全体をみても際立っていた。

 現3歳世代の今年6月~10月終了時点での古馬混合重賞成績は(8-2-5-17/32)で勝率25%、複勝率47%と驚異的な数字。夏のアイビスSD(G3)のオールアットワンスから始まり、先週までで重賞はなんと8勝を挙げた。

 過去に遡っても、例年ここまでの期間では2、3勝に留まるケースが多く、8勝という記録が世代の強さを物語っている。G1挑戦時は安田記念(G1)でシュネルマイスターが3着、スプリンターズS(G1)ではピクシーナイトが1着、メイケイエールが4着。そして天皇賞・秋(G1)でエフフォーリアが1着と、全て掲示板に載る安定感も光る。

 現3歳クラシック戦線は、牡馬牝馬共に全て異なる馬が勝利という結果だった。今年は世代全体を見渡してもハイレベルといえるだろう。

 一つ上の現4歳世代はどうだっただろうか。牡馬はコントレイル、牝馬はデアリングタクトと2頭の三冠馬が誕生し、コロナ禍で元気のない日本に希望と感動を与えたに違いない。

 しかしながら三冠馬が誕生するという事は、逆手に取ると同世代で他に強い馬がいない事を示すことにもなる。事実、現4歳世代は上記の3歳世代と同じ期間で見ても重賞勝ちはサリオスとカフェファラオのみだった。

 文句なしの世代トップであるコントレイル、デアリングタクトが、ジャパンC(G1)でアーモンドアイの軍門に下った。

 古馬となった今年、アーモンドアイがいなくなった状況でも、2頭ともG1をまだ勝利できていない。さらには現4歳世代の今年のG1成績をみても、カフェファラオのフェブラリーS(G1)とレイパパレの大阪杯(G1)の2勝のみと、少々物足りなさを感じる。。

 今年の古馬混合G1レースは残り5レース。エリザベス女王杯(G1)はアカイトリノムスメ、マイルCS(G1)はシュネルマイスター、ジャパンカップ(G1)はシャフリヤールと有力馬を送り込む3歳世代。暮れの有馬記念までにどれだけ重賞戦線を賑わせてくれるのか、そして競馬史に残る結果を残せるのか。この後もどこまで快進撃を続けるのか目が離せない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

衆院選勝利の岸田首相、安倍前首相の意向に背き距離…募る安倍氏のイラつき

 第49回衆議院議員総選挙の投票が31日に行われ、自民党は公示前から議席を減らしたものの、過半数を上回る261議席を獲得し、「絶対安定多数」とされるラインをクリア。野党第一党の立憲民主党が議席を減らし“敗戦色”が漂う中、岸田文雄首相(自民党総裁)は「信任をいただいた」と勝利宣言し自信をのぞかせる。

 そんな岸田首相の“生みの親”ともいわれる安倍晋三元首相は、衆院選期間中は公示日こそ2009年選挙以来という地元・山口県で迎えたが、その後は応援要請に応えて、東京、北海道、九州など全国を飛び回っていた。

 安倍氏が街頭演説に立つと、やはり聴衆は集まる。岸田首相より多いくらいで、安倍氏本人も歓声を浴びて満足気だった。しかし、胸の内は穏やかでないらしい。岸田政権は発足直後こそ、「安倍・麻生傀儡政権」「3A(安倍氏、麻生太郎副総裁、甘利明幹事長)政権」などと呼ばれたが、自民党執行部人事や閣僚人事は安倍氏の意向とは違った。そのことを今も安倍氏は根に持っているという。

「3Aの盟友の甘利氏が幹事長になったのだから満足しているのかと思われたが、安倍氏はどうしても高市早苗幹事長にしたかった。甘利氏は党の実権を握れば徐々に安倍氏の言うことを聞かなくなることを見通していたのだろう。同様に、官房長官についても、安倍氏は萩生田光一氏(経産大臣)にしたかった。松野博一官房長官は安倍氏の出身派閥の細田派ではあるものの、安倍氏とは距離がある」(細田派関係者)

 衆院選の公認候補選定でも安倍氏の意向が一部通らなかった。選挙区選出の現職(前職)優先だとして熱心に支援した細田派の尾身朝子氏が結局、群馬1区に残れず、二階派の中曽根康隆氏に選挙区を奪われ、比例北関東ブロックに回ることになった。安倍氏は、比例中国ブロックをめぐっても、引退した河村建夫元官房長官の長男が名簿上位で優遇されそうになると激怒。山口県連会長名で党本部宛に抗議文書まで出させて、河村氏の長男を中国ブロックから北関東ブロックへ追い出す一幕まであった。

「山口では、林芳正氏が参院から河村氏の地盤だった衆院山口3区に鞍替えした。地元では、『次は林総理だね』という期待感が膨らんでいる。長年総理として自分が注目を集めてきたのに、それが林氏へ移って行くことに、安倍氏は内心腸が煮えくり返る思いがあるはずです」(山口の政界関係者)

尾を引く「桜を見る会」問題と日大事件

 衆院選後には、いよいよ安倍氏が派閥に戻り、細田派を引き継いで領袖になるのが既定路線とされてきたが、それも「スンナリいかないかもしれない」との見方もある。自民党内最大派閥の細田派の正式名称は「清和政策研究会」。清和会や清和研と呼ばれるが、創設者は福田赳夫元首相であり、前身は安倍氏の祖父の岸信介元首相の岸派に連なる。

「そうした経緯から、清和会はもともと福田系と岸系の流れがあり、現在の派閥幹部の多くは福田系。安倍氏が派閥オーナーのように振る舞うことを苦々しく見ている人も少なくない。ここへきて、福田直系の3代目、達夫氏が党三役の総務会長に抜擢されたこともあり、安倍氏が派閥に戻るとなると、福田vs.岸の路線対立が勃発しそうな気配なのです」(前出の細田派関係者)

 そのうえ、「桜を見る会」の前夜祭をめぐって、安倍氏の元秘書が政治資金規正法違反で略式起訴された事件で、安倍氏についての捜査がまだ続いている。安倍氏自身は不起訴となったものの、検察審査会が「不起訴不当」を議決したため、東京地検で再捜査が行われているのだ。再びの不起訴確定で、すべての疑惑がクリアにならないと、安倍氏も今以上には動きにくい。

「日本大学付属板橋病院の医療機器納入をめぐる背任事件で逮捕された大阪の医療法人理事長と安倍氏は親密な関係だった。あの事件が長引くのも、安倍氏は嫌だろう」(自民党関係者)

 イライラが募る安倍氏。衆院選が終わっても視界不良だ。

(文=編集部)