潤いのある「人事」とは、一体なんだろう?

経営戦略としての「人事」

ご自身のキャリアをベースに、企業のあるべき姿、形を提言しつづける八木洋介氏。八木氏が説くテーマを、一言で表すなら「人事改革」だ。人事改革なくして、企業の持続的成長などあり得ない。「人材こそが、わが社の宝である」と多くの企業は言う。しかしながら、その宝を「持ち腐れ」させてはいないだろうか?記事化にあたっては、八木氏ウェビナー(※)を聴講し、独自のインタビューも試みた。

老いも、若きも、男も、女も、他国の人々も。さまざまな個性が、ひとつの企業に集う。そのことの意味、そのことの楽しさ、そこから生み出される未来というものを、八木氏が顧問を務めるサイコム・ブレインズの取り組みからひもといてみたい。私たち一人ひとりは、ただ単に企業という「箱」に押し込められた「道具」ではないという思いを込めて。

文責:ウェブ電通報編集部

(※)サイコム・ブレインズによる「八木洋介氏と考える、これからの会社をリードする人事に必要な学び~ポスト・パンデミックの世界で勝つ~」と題されたウェビナー。詳細は、こちら

八木洋介氏: people first 代表取締役(前LIXILグループ執行役副社長) サイコム・ブレインズ顧問 1980年京都大学経済学部卒業後、日本鋼管株式会社に入社。96年National Steelに出向し、CEOを補佐。99年にGEに入社し、複数のビジネスで人事責任者などを歴任。2012年にLIXILグループ 執行役副社長に就任。Grohe, American Standard, Permasteelisaの取締役を歴任。17年 people firstを設立して、代表取締役。TBSホールディングス 社外取締役、GEヘルスケア・ジャパン 監査役。その他複数の会社の顧問に就任。著書に『戦略人事のビジョン』。
八木洋介氏:
people first 代表取締役(前LIXILグループ執行役副社長)
サイコム・ブレインズ顧問
1980年京都大学経済学部卒業後、日本鋼管株式会社に入社。96年National Steelに出向し、CEOを補佐。99年にGEに入社し、複数のビジネスで人事責任者などを歴任。2012年にLIXILグループ 執行役副社長に就任。Grohe, American Standard, Permasteelisaの取締役を歴任。17年 people firstを設立して、代表取締役。TBSホールディングス 社外取締役、GEヘルスケア・ジャパン 監査役。その他複数の会社の顧問に就任。著書に『戦略人事のビジョン』。
タイトル1

前回の取材で、「戦後レジームからの脱却」というヒントを、八木氏から教わった。人事畑(ひとのはたけ)の例えでいうなら、太陽光の降り注ぐ先祖伝来の農地の土壌改革にまず取り組め、ということだ。長年、ほったらかしにされた土地にいくらタネをまいたところで、作物がすくすくと育つわけがない。
ところで、畑をつくるとなると、誰でも思いつくことがある。水だ。豊かな水を確保しなければ、畑は干上がってしまう。そこに日本企業の「油断」や「慢心」はないのだろうか。
戦後レジュームからの脱却に必要なのは、この痩せた土地では、しょせん、たいした作物などつくれない、という思い込みを捨てること。その土地の持っているポテンシャルと本気で向き合えば、ひょっとしたらパパイヤが育つかもしれない、マンゴーが実るかもしれない、という発想。それには、人事畑(ひとのはたけ)というものを、単なる制度ではなく、システムとして見直すことが必要。そうなると、ポイントの一つに「水」が挙げられる。

タイトル2

不思議なことに、日本人には、水はタダ同然みたいな思い込みがある。でも、例えば戦国時代の国づくりで一番重要なのは、治水だったはず。飲み水や農業用水を確保することも大事ですが、川の氾濫を抑える、といった広義の意味での「治水」。これをやらなければ、システムとして農地は機能しない。いまどきの言葉でいうなら、水を治めることなくして、サステナビリティを確保することはできない、ということだ。
人事畑(ひとのはたけ)における「水」とは、なんだろう?経験かもしれない。発想力かもしれない。それらを有効に生かすための水車をつくる技術なのかもしれない。人事というものを、「人を育て、人を実らせる畑のようなものだ」と捉えた場合、自然と向き合う農業従事者のような経験と技術と心構えが必要だと思う。水だけではない。肥料もやるし、植え替えもする。その手間をいとわないからこそ、豊かな実りが生まれる。

タイトル3

組織というものは、ほうっておくと痩せていくものだ、と八木氏は指摘する。豊かな田畑の風景を見ると、都会の人間は「ああ、のどかだなあ」などとのんきな感想を持ってしまいがちだが、とんでもない。その豊かさを維持するために、どれだけの労力がかけられているか、ということに思いをはせなければならない。組織改革も、同じようなものではないだろうか。そこそこ手を入れたから、ああ、これで人事部の役目は終わった、ということではない。
水の例えをつづけるなら、やみくもに水をまいていたのでは、作物によっては根腐れを起こしてしまう。そこが、人を育てるということの難しさだということだ。もちろんこの連載も、まだまだ終わらない。

サイコム・ブレインズによる講座は、こちら。

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~個のキャリアを支援し組織を強くする変革リーダーを育成する~

次世代戦略人事リーダー育成講座

■講師コメント(酒井章氏)

新型コロナによって起こったことは「キャリア・ショック」と呼ばれています。働き方をめぐるさまざまな環境変化に加え、在宅を余儀なくされたことで、多くの人がこれまでの、そしてこれからの人生や働き方を深く考えたのではないでしょうか。誰もが自分のキャリアに不安を持ついま、キャリア支援を行う人の役割がますます重要性を増しています。本講座は、このようなニーズに対応し、他の講座には見られないような多彩な講師陣からの豊富で多角的なインプットに加え、職種も世代も多様な参加者との刺激的な切磋琢磨(せっさたくま)によって、これからのキャリア支援職に必要とされるマインドとスキルをアップデートすることができます。

■講師コメント(山口周氏)

これまでの「正解」も「定石」も通用しなくなったいま、人に求められる要件も劇的に変化しました。それは、問題を自ら発見できる「意味」のある人です。一方、仕事に対するやりがいでは世界でも最低ランクに位置づけるなど、日本人の働き方は異常な状態に陥っています。そして、新型コロナという未曽有の事態の到来によって、潜在的に起こっていたこのような問題があらわになりました。いまこそ、企業における最大の資源である人財を生かすキャリア支援職の皆さんの出番ではないでしょうか。こうした問題意識に基づいて立ち上げられた本講座の理念に賛同し、講師として参加させていただきます。これからの働き方やキャリアをより良くする志を持った皆さんとディスカッションさせていただくのを楽しみにしております。


本記事の作成にあたっては、八木洋介氏に筆を入れていただくとともに、電通OB酒井章氏(クリエイティブ・ジャーニー 代表/電通アルムナイ・ネットワークマネージャー)に監修を依頼しました。

酒井章氏が代表を務めるクリエイティブ・ジャーニーのHPは、こちら

酒井章氏:
電通に入社後、コピーライター、営業(自動車担当)、マーケティングプロモーション部門を経て2004年よりシンガポール(アジア統括オフィス)に駐在。11年帰任後はグローバル部門を経て人事局、キャリア・デザイン局でキャリア開発施策を担当。19年3月定年退職後、4月に起業。

酒井章氏と電通キャリア・デザイン局(当時)大門氏によるアルムナビでの対談記事は、こちら

人気パチスロライター「ういち」はギャンブル狂も…「好きな人から共感できるような仕事ができる人」業界の大御所が“勝手にライター評”

 パチスロライター・ういち氏。かつては4号機『シェイク』や『吉宗』などに傾倒し、その独自の視点と楽しみ方をファンに伝達し続けていた。

 業界の重鎮・大崎一万発氏曰く、ういち氏は木村魚拓氏と並ぶライター界の大成功者。それでも最近は、その活躍ぶりをパチンコ・パチスロ関連動画などで目にすることは少ない。何故なら、ういち氏は活動の拠点をボートレースにシフトチェンジしているからだ。

 大崎氏が主宰するYouTubeチャンネル「まんぱつ」内の動画「勝手に同業評」では、そんなういち氏を文字通り、勝手に評価。ブームに便乗する「ビジネスボート」についても言及している。

 大崎氏によるとういち氏は、数年前までは来店業務などが中心のライター。それが時代の変化で、来店の需要がYouTuberなどに切り替わり、ういち氏は「どうしよう。どうしよう」と考えた時期もあったそうだ。

 ただ、ういち氏は元々ギャンブル好き、というか賭博師。お金をかけて興奮する瞬間が大好物な人間だったそうで、かねてより嗜んでいた「ボートの仕事をしよう」と切り替えたそうだ。

 もちろん、切り替えたところで事がうまく運ぶとは限らないが、ういち氏は持ち前のトーク力に加えて、プレイヤーと同じ気持ちで仕事に向き合える点が大きな強み。それ故、ボートの仕事でも感情を前面に出した様がファンの心に響き、「あっという間に大人気になった」と大崎氏は分析している。

 一方、ういち氏の活躍によってパチスロ好きがボートレースに流れてしまう点については「ういちさん、ちょっとヤメて…と思うところはある」と告白。好きでもないボートレースに乗っかったライター、いわゆる「ビジネスボート」に関しても「どうかと思う」と感じる点はあるそうだ。

 事実、他にもそう考える同業者はいるそうだが、大崎氏によると、ういち氏は「好きなことをやって何が悪い」と気にも留めないメンタルの持ち主とのこと。好きなことに全力で取り組むういち氏だけに、パチスロが「この先めちゃくちゃ面白くなったら戻ってくるかもしれない」とも予想している。

 いずれにせよ、大崎氏はういち氏を「好きな人から共感できるような仕事ができる人」と評価。ボートレースの仕事に対してあれこれと言うことについても「良いなと思っているだけで、ディスってない」とし、パチンコ業界に「義理がある」としたうえで「今後も盛り上げていこうかなという風に思っている」とまとめている。

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JRA 「ディープインパクト×アルゼンチン牝系」の素質馬がC.ルメールを背にV! 後続に2馬身差つける完勝に「元主戦候補」は何を思う?

 7日、東京3Rの2歳未勝利戦(芝2000m)は、C.ルメール騎手騎乗の1番人気コリエンテス(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)が勝利。マカヒキやサトノダイヤモンドを輩出しているディープインパクト×アルゼンチン牝系の素質馬が、デビュー3戦目でしっかりと勝ち上がりを収めた。

 レース後、ルメール騎手は「長くいい脚が使える。2番手からじわじわ加速してくれた」とコメント。長めの距離が合いそうなタイプであり、今後はクラシック路線での活躍も期待できそうだ。

 一方、2馬身差の完勝劇を受けて、初戦で手綱を執る予定だった戸崎圭太騎手は果たして何を思っただろうか。

 もともと戸崎騎手はコリエンテスにデビュー前から調教を付けており、「背中の感触はいい。長めの距離が良さそう」とコメントするなど素質を高く評価。同馬は7月10日の福島・芝1800mで、戸崎騎手を背に初陣を迎える予定だった。

 しかし、陣営は雨予報で馬場の悪化を懸念し、同レースへの出馬投票を見送り。出走を翌週へとスライドさせたが、ここで痛恨の除外……。出走が叶っていれば、戸崎騎手と堀厩舎は2018年12月のフローラデマリポサ以来、約2年7ヶ月ぶりのタッグが実現する予定だった。

 結局、コリエンテスは当初より2週間後ろ倒しとなる、新潟芝1600mでようやくデビュー。だが戸崎騎手には他に乗り馬がいたため、初戦は川田将雅騎手が務めることとなった。結果はコリエンテスが2着、戸崎騎手が騎乗したウェストファリアは4番人気で9着に敗れている。

 その後、コリエンテスは2ヶ月半の休養を挟み、10月の東京で2戦目を迎えたが、戸崎騎手は同じ日の阪神で行われた京都大賞典(G2)のヒートオンビートに騎乗するため不在。人馬は再びすれ違うことになった。なお同馬の手綱はルメールが務め、初戦に続き1番人気に支持されたが3着に終わった。

「今回は戸崎騎手も東京に居ましたが、コリエンテスの鞍上は前回に続いてルメール騎手となりました。同馬を所有するシルクレーシングとルメール騎手はアーモンドアイや、この日のアルゼンチン共和国杯(G2)を勝ったオーソリティなど、蜜月な関係を築き上げています。今後も同騎手がコリエンテスの手綱を執り続けていくかもしれませんね。

ただ、ルメール騎手×シルクには、他にもイクイノックスという強力なお手馬が控えています。同馬の動向次第によっては、コリエンテスが戸崎騎手に回ってくることもあるかもしれません」(競馬誌ライター)

 戸崎騎手はこの日、6Rに行われた芝1400mの新馬戦をラコンタールで快勝。近親に桜花賞馬ハープスターを持つ良血馬で、レース後には「いい切れ味を見せることができた。これからも楽しみ」とコメントするなど、手応えを感じ取ったようだ。

 同馬がマイル路線を賑わし、中距離戦線ではコリエンテスとのコンビが再び成就するようなことがあれば、戸崎騎手にとっては願ったりかなったりだが、果たして“逃がした魚”を手にする日はくるだろうか。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

大手パチスロメーカー初の6.2号機で「出玉の波」を掴み取れ! 人気シリーズ最新作の設定推測要素が早くも判明!!

 トータルミッション突入率は約54.4分の1。シリーズ特有の自力感の強さに遊びやすさを兼ね備えた、サミー初の6.2号機『パチスロANEMONE交響詩篇エウレカセブン HI-EVOLUTION』の導入が目前に迫っている。

 出玉増加の主軸は1Gあたり約2.6枚の増加が見込めるAT機能「Dive To Eureka Seven」で、通常時はチャンス役やベル連、特定ゲーム数消化などでミッション抽選。ベルは3連続で期待度約40%で、ベル4連、あるいは強チェリーや強チャンス目は、その時点でミッションが約束される。

 3Gのミッション「ダイブシミュレーションミッション」はベル入賞で期待度25%を超え、チャンス役成立や「ベルを勝ち取れ」の押し順正解は大チャンス。ミッション終了時は成立役に応じてミッション集中状態移行抽選が行われ、移行時は状態転落するまで高確率でミッションに当選する。

 見事にミッションをクリアすれば4種類あるいずれかのボーナスが発動し、ベルナビ10回のアネモネボーナスでATを射止めるのが基本ルート。ベルナビ5回のガリバーボーナスはアネモネボーナスへの昇格に期待でき、このガリバーボーナスが6連続で続いた場合は特典があるようだ。

 ATは主に「バスクードドライブ」と「セブンス・トレイサー」を行き来し、バスクードドライブ中はベルやチャンス役を引くことで保留アイコン獲得→それに応じたダメージを敵に蓄積。保有シールド(1Gで1個消費)が無くなるとセブンス・トレイサーへと移行し、5G間にベルなどを引いて抽選をパスすればバスクードドライブへ復帰する。その復帰期待度は約70%だ。

 これらを繰り返して敵を撃破、或いはセブンス・トレイサー失敗後のジャッジバトルを突破できれば「報酬パート」へ発展。報酬はAT継続、ビッグボーナス、ビッグボーナスバースト、エアリアルボーナス、VSボーナスなどがあり、その報酬期待度は撃破した敵の種類で変化する。

 また、首尾よく敵を10回倒せば1セット10G+αの上位AT「クライマックスモード」へ昇格。継続率は約89%で、最終的にエウレカを撃破できればエンディングへ発展する。

 そんな当機は現時点で幾つかの設定推測要素が判明しており、まず有利区間移行後における最初のミッションは内容がポイント。「スカイフィッシュミッション」は奇数設定、「ペイントミッション」は偶数設定示唆となるようなので、必ずチェックしておこう。

 ちなみに、有利区間のリセットタイミングは主にアネモネボーナス後の「ホワイトルーム」orAT終了後だ。

 昨今の主流である画面系についてはAT終了画面に秘密があるようで、その種類は「デフォルト」「カメラを見る」「手を振る」「サムズアップ」「サムズアップ+ドミニク」「スーパー6」の6パターン。詳しくは不明だが、スーパー6は激アツと思われる。

 もちろん、お馴染みのサミートロフィーも健在で、「銅」は設定2以上、「銀」は設定3以上、「金」は設定4以上、「キリン柄」は設定5以上、「虹」は設定6が濃厚。同トロフィーの出現タイミングはアネモネボーナス終了時、AT終了時、クライマックスモード終了時となる。

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JRAドゥラメンテの忘れ形見に「超大物」の予感!? 直線だけで強力ライバルをなで斬り、ドゥラドーレスは「幻の2歳女王」の無念を晴らせるか

 7日、東京競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝1800m、12頭立て)は、丸山元気騎手の3番人気ドゥラドーレス(牡2、美浦・宮田敬介厩舎)が快勝。2019年のセレクトセールにおいて9936万円で落札されたベストフィーリング、マイル重賞を3勝したプリモシーンの半妹カーペンタリアら好メンバーを相手にデビュー勝ちを飾った。

「直線は素晴らしい脚を使ってくれた。課題をクリアしていけば、もっと良い馬になりそうな感じ」

 レース後、コンビを組んだ丸山騎手がそう振り返ったように、まだ課題の残る中での快勝劇。粗削りなレースぶりは、これからの伸びしろを予感するのに十分な内容だった。

 最内1枠1番からスタートしたドゥラドーレスのスタートはもうひとつ。出脚がつかずに後方からのレースを強いられた。道中では口を割るシーンもあり、決して行儀のいいレースをしていたとは言い難い。

 しかも、逃げた馬が刻んだ1000mの通過ラップは62秒1のスローペース。好位でロスなく立ち回っていたライバルに対し、最後の直線を迎えてもドゥラドーレスはまだインの後方3番手と苦しいポジションにいた。

 丸山騎手も進路を見つけられないまま右往左往したものの、残り400m過ぎでようやくVロードを見つけることに成功。1頭分のスペースが開いたカーペンタリアの外に割り込むと、そこからグングンと加速する。同馬との追い比べを制すると、先に抜け出していたベストフィーリングまでも捉えてゴール。2頭の着差こそ3/4だったが、見た目以上に余裕のある脚色で突き抜けた。

「スムーズな競馬をしていたライバルに対し、ドゥラドーレスは最内から一旦後方に下がって外を回す大きなロスもありました。最後の直線でもなかなか外に出せないなか、実質直線だけの競馬で押し切りました。

どちらかというと素質で力押ししただけの結果ですから中身は濃いですね。それに亡くなったドゥラメンテ産駒がワンツーフィニッシュしたことも感慨深いです」(競馬記者)

 1頭だけモノの違いを見せたドゥラドーレスが披露した上がり3ハロンのタイムは、勿論メンバー最速の33秒4。2着に敗れたベストフィーリングが34秒1なら3着カーペンタリアは34秒0と、どちらも切れる脚を使っていた。それだけに、勝ち馬の切れ味がいかに突出していたかを証明する数字でもある。

 ひとつ気になることは、出遅れ気味のスタートとなったドゥラドーレスの母がロカということだろうか。

 現役時代の母は同じく芝1800mのデビュー戦を圧勝し、1番人気に推された2014年の阪神JF(G1)でスタート直後に大出遅れを喫して8着に大敗。その後も人気を集めたものの、2勝目を挙げられないままターフを去って繁殖入りした過去がある。

 圧巻のデビュー勝ちを演じたドゥラドーレスは、母の届かなかったG1タイトルを手にすることが出来るだろうか。課題克服の懸かる次走のスタートにも注目したい。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

スポーツジムの倒産・廃業が過去10年で最多に…ライザップは店舗整理で非対面型へ

 帝国データバンクの調査によると、2020年度に発生したフィットネス(スポーツジム)事業者の倒産や廃業が累計26件に上ったという。これは2019年度の23件を上回り、過去10年で最多の数字で、リーマン・ショック直後で需要が大きく後退した2008年度の29件に迫る勢いだ。フィットネスクラブ業界の現状について、帝国データバンク情報統括部副主任の飯島大介氏に話を聞いた。

利用者と会費の大幅減が打撃に

――フィットネス業界の経営環境が厳しさを増していますね。

飯島大介氏(以下、飯島) 帝国データバンクの調査では、2020年度業績が判明した約500社のうち7割超が前年度比で売上減となることがわかりました。減少幅は平均で20%を超え、半減以上の企業もあります。また、減収企業のうち利益動向が判明した約130社をみると、約6割が最終損益で赤字、2割が減益となり、損益面でも影響を受けた企業が8割超に上っています。特に経営体力に乏しい中小が経営破綻や事業継続を断念するケースが増えているほか、大手でも不採算店舗の整理といった動きが目立っています。

――業績悪化の背景には何があるのでしょうか。

飯島 コロナ禍に伴う利用者の急減と、それによる会費収入の大幅減があります。経済産業省の調査によると、近年のフィットネスクラブ利用者は累計2000万人を超え、20年間で約2倍に増加しています。しかし、コロナ禍で、20年5月には利用者数が19年の5%台まで急落しました。また、店舗の休止で会費の返却を余儀なくされたケースもあります。今年に入っても利用者数は前年比7割前後の回復にとどまるなど、需要の回復が遅れています。

――大手の動向はいかがでしょうか。

飯島 パーソナルジム最大手の「RIZAP」は、オンラインを活用した在宅フィットネスのプログラムを拡充し、店舗の統廃合を進める一方で、TikTokやYouTubeなどの動画投稿サイトを活用、非接触・非対面型のサービス拡充に取り組んでいます。トレーナーととともに健康を高めていくという大戦略は変わっていませんが、オンラインの利用者向けのプログラムを提案しています。

 ジェイエスエスは同業大手のティップネスと協業し、同社が有する施設やLIVEレッスンプログラムといったサービスを割引価格で利用できるようにすることで既存会員の満足度を高めています。

 他方、ルネサンスは傘下の子会社を通じ、アウトドア型のフィットネス事業に本格的に参入しました。アウトドアフィットネスは屋外施設や自然環境を利用する新形態のサービスで、屋内で「密を回避したい」と考える個人利用者の潜在ニーズの取り込みが期待できるため、今後の事業拡大が見込まれる分野です。

――今後のフィットネスクラブ業界の見通しについて教えてください。

飯島 今後もしばらくは厳しい経営環境が続くでしょう。ただ、国内のフィットネス会員総数は500万人前後と人口の5%にとどまり、全人口の約3割が会員のアメリカなどの海外市場に比べると、人口当たりの会員数はまだまだ少ない。 つまり、日本は潜在ニーズが高い市場といえるのです。

 また、ある顧客満足度調査では、フィットネスクラブの利用について現利用者のほぼ全員が継続を考えているほか、コロナ禍で利用を中止した元会員も7割以上が再度利用したいと回答しています。フィットネスクラブは会員の満足度が高く、コロナ禍が収束すれば需要が回復する見込みも大きいことがわかります。

 外出自粛が長期化するなか、運動や健康の重要性も改めて見直されており、国内市場のポテンシャルは依然として高いということです。そのため、各社とも客足が伸び悩む屋内店舗型サービスから、オンライン中心のサービスやアウトドア型のフィットネスなど、新たな需要を掘り起こすことに注力しています。

(構成=長井雄一朗/ライター)

技能実習生の「変形労働制」を認可――過酷でも稼げる牡蠣とホタテの養殖

――「奴隷労働」ともいわれる外国人労働者。だが、私たちはやりたくない仕事を外国人に押し付けているだけで、もはや日本経済にその労働力は欠かせない――。気鋭のジャーナリストが“人手不足”時代のいびつな“多文化共生”社会を描き出す。(月刊サイゾー2021年10・11月号より転載)

 広島県大竹市の玖波(くば)漁港にたどり着くと、漁港のあちらこちらで技能実習生たちが「採苗連(さいびょうれん)」を 作る作業に取り組んでいた。採苗連とは、中央に穴が開いた40枚程度のホタテの貝殻を、針金でプラスチック製の2センチ程度の管と交互に吊るしたもの。この採苗連を牡蠣(かき)の産卵期である夏頃に海中に沈め、ホタテの貝殻に牡蠣の幼生(赤ちゃん)を付着させるのだ。

 広島県は、牡蠣の生産量で日本一を誇る。その年間生産量は約1万9000トンと、全国の約6割を占める。天然が中心の魚とは違い、市場に出回る牡蠣(まがき)の大半は養殖だ。島や岬に囲まれた広島湾は波や潮の流れが穏やかで、牡蠣の生育や養殖棚の設置に適している。

 そうした環境から、今や広島県の名産品として全国的に知られる牡蠣だが、その生産現場を支えているのは外国人だ。 『広島発「技能実習生事件簿」』(文芸社)著者で、外国人労働者の研究、保護活動もする広島文教大学准教授の岩下康子さ んは「牡蠣養殖従事者の約8割は外国人が占めている」と指摘する。

「牡蠣養殖をする事業者の多くは家族や親族による小規模経営で、1990年代頃までは冬の収穫期の人手不足を近隣のパート労働者で補っていましたが、パート労働者の高齢化に加え、漁業に関心を持つ若者も少なくなり、都会に流れるようになってしまいました」

 その労働力不足を当初補っていたのが、日本にルーツを持つフィリピンやブラジルの日系労働者だったが、それも長くは続かない。岩下さんが続ける。

「冬場の繁忙期と夏場の閑散期の収入差が大きく、夏場は月の手取りが1桁(万円)台になることもあります。そのため、収入が安定した製造業などに流れ、日系人が牡蠣養殖の現場に定着はしなかった」

 そこで、変わりに牡蠣養殖の現場に入ってきたのが、原則、職場移動の自由を持たない技能実習生だった。

 牡蠣の生産・販売を行うアミスイ(大竹市玖波)では現在、9人のベトナム人と6人のフィリピン人が働く。代表取締役の網谷博慶さんもこう話す。

「繁忙期に手伝ってもらっていた近隣のパートさんが高齢化し、若者は都会に出てしまい、もう20年前くらいから日本人は集まらなくなりました。当時はまだ技能実習制度はなく、中国人研修生の受け入れを始め、現在も技能実習生なしには事業が成り立たない状況です」

 年間を通じて作業はあるが、自然相手の商売であるため、どうしても時期により作業量に差が出る。牡蠣の出荷までの流れを、網谷さんがこう説明する。

 先述の採苗連を牡蠣の産卵期である7月から8月にかけて海中に沈め、浮遊する牡蠣の幼生を付着させる。幼生が付着した採苗連を干潟の「抑制棚」に1年ほど吊るす。潮の満ち引きで海水に浸からない時間をつくることで、環境の変化に負けない抵抗力をつけ、生命力のある丈夫な牡蠣をつくることができるという。

 抑制が終われば、採苗連から育成した牡蠣の付いたホタテの貝殻を外し、それをまた針金にプラスチック製の20センチ程度の管と交互に通し替え、垂下連(すいかれん)を作り、沖合の養殖筏(いかだ)に吊るす。ここから収穫までに約1年かかり、幼生の採取にさかのぼれば、収穫まで2年程度かかる。

 例年、水揚げが解禁される10月から翌5月くらいまでが繁忙期となる。収穫した牡蠣は洗浄し、泥や付着したムラサキガイなどの生物を取り除く。洗浄した牡蠣は1個ずつ貝柱を切り、むき身にする。「牡蠣打ち」と呼ばれる作業で、ここに多くの人手が必要になる。

 「垂下連を養殖筏に吊るした後も、育成状態の悪い牡蠣を間引いたり、海水の表面温度が高い夏場は針金をつぎ足し、牡蠣を深く沈めたり、作業はたくさんある。収穫時はクレーンを使いますが、機械化できる部分は限られます」(網谷さん)

 筆者が訪れた9月は、水揚げが解禁される直前の閑散期。アミスイで働く実習生の労働時間は1日5時間程度。逆に繁忙期に入ると、朝の5時から夕方頃まで作業が続くこともあるという。

繁忙期・閑散期で差が 激しい労働時間と給与

 技能実習の中でも、季節ごとに作業量が変化する漁業、農業では「変形労働制」が認められている。労働時間を月単位・年単位で設定できるため、繁忙期は1日10時間、閑散期は1日6時間といった調整が可能になる。漁業、農業は技能実習の他職種とは違い、労働基準法のうち、労働時間・休日・休憩時間については適用除外になっている。

 また、海上の作業となる漁業では労働者保護をより厳格にする観点から、実習生の受け入れ方法が他業種とは異なる。

 現在、漁業関係職種では2職種10作業が認められている。実習生は一般的に監理団体を通じて受け入れられているが、漁船漁業職種(いか釣り漁業など8作業)は漁業組合を通じた受け入れしか認められていない。監理団体を通じて受け入れが可能なのは、牡蠣(まがきのみ)、ホタテ養殖の2作業のみだ。技能実習計画の認定にあたっては、実習生の待遇を労働組合(現在、全日本海員組合など9団体)と協議し、水産庁が運営する漁業技能実習事業協議会から証明書の交付を受 ける必要がある。

 それでも、受け入れ事業者の過半は家族経営などの小規模事業者で、労働者保護が徹底されているわけではない。

 ベトナム出身のグィン・タイン・トゥエンさん(28歳)は、牡蠣養殖の実習生として15年10月に来日。出身地は北部の ハイズオン省で、海はなく、両親は農業を営む。トゥエンさんは「牡蠣は日本に来て初めて見た」と話し、続ける。

「短大で電気工学を学び、製造業の技能実習生として日本に行きたかったのですが、溶接、機械加工の面接に落ち、『仕事はなんでもいいから』と送り出し機関に頼んで紹介されたのが牡蠣の養殖の仕事でした」

 受け入れ先は、広島県呉市内の牡蠣業者。来日後の入国後講習を終え、同じ日に来日した別のベトナム人実習生3人と、11月から収穫した牡蠣の掃除と牡蠣打ちの作業をした。すでに収穫の繁忙期で、12月は休みがなかった。作業は朝の4時半から夜の8時前まで続くこともあった。それでも、12月の手取りは20万円程度だったという。トゥエンさんは、 「残業代はちゃんと支払われない上、作業中は会話することも許されず、少しのミスでも『ベトナムに帰れ』などと毎日怒鳴られた。同じ日に働き始めたひとりは、3カ月もたたない間に失踪しました。寮にはインターネットがなく、家族と連絡が取れない。監理団体を通じてお願いをしても、通信環境を準備してくれることはありませんでした」

 繁忙期は手取り給与が17万円程度あったが、閑散期に入ると手取りは1桁に。8月は4万円だった。仕事が慣れない間は仕方がないと自分を納得させたが、いくら頑張っても評価されない。

「私は人間、モノではない」

 トゥエンさんは当時をそう振り返る。寮の通信環境の整備にさえ動いてくれない監理団体を通じた問題解決を諦め、技能実習制度のサポートをする財団法人「国際研修協力機構」に電話した。同機構の支援を受け、トゥエンさんは同じ呉市内の牡蠣業者に「転籍」。実習生に転職の自由は認められていないが、同じ業種の実習先への転籍は認められている。

 トゥエンさんの新たな受け入れ先は、社長も優しく、大変な牡蠣打ち作業もほかの実習生と無駄話をしながら、楽しい雰囲気で仕事ができた。残業が少なく、手取りは多いときで15万円程度に下がったが、満足だった。

 3年間の技能実習を終え、トゥエンさんは18年11月に帰国。約半年間、ベトナムの日系企業で働くが、19年10月に再び牡蠣養殖の実習生として来日した。

「日系企業はベトナムの会社より給料は高いですが、それでも4万円程度。また、日本で働きたいと思った」

 トゥエンさんは以前いた実習先に技能実習3号(4〜5年目)として戻り、今年1月には外食業の特定技能の試験を受けた。11月からは中部地方の飲食店で働くことが決まっている。特定技能として牡蠣養殖の仕事を続ける道もあったが、

「日本に来て一番驚いたのは、どんな安い料理店に入っても清潔で、接客も丁寧。もともと料理を作るのが好きで、日本の飲食店の経営を学んで、いつかはベトナムで飲食店を開きたい」

 トゥエンさんに、「なぜ、日本の若者が牡蠣養殖の仕事をしないのか」と尋ねると、少し間を置き、こう答えた。

「きつい、汚い、危険、だからかな」

失踪した元実習生でも 欲しいホタテ養殖業者

 牡蠣同様に養殖業で実習生の受け入れが認められているのがホタテだ。最大の生産地は北海道で、天然も一部あるが、水揚げされるホタテの約9割は養殖だ(19年)。こちらも牡蠣同様、生産現場は実習生なしには成り立たない。

 ホタテは牡蠣同様に幼生の採取から始まり、採取した稚貝をカゴに入れて沖合に吊るし、生育の悪い稚貝を間引きしながら、大きなカゴに入れ替える作業を繰り返して育成する。収穫までに約2年かかるが、もっとも大変なのが例年3月から5月頃に行われる「耳吊り作業」だ。

 約1年かけて6センチ程度に育った稚貝のカゴを引き揚げるだけでも重労働だが、それを洗浄し、ひとつずつ穴を開ける。それを糸でつないで沖合にカーテン状に吊るし、収穫まで育てるのだ。耳吊りの時期は作業が多く、仕事は深夜から夕方まで続くことも珍しくない。

 耳吊り作業を控えた今年2月、北海道南部のある人材会社では、立て続けに電話が鳴り響いていた。同社社員は、

「コロナの影響で新しい実習生が入ってこず、失踪した元実習生でもいいから、 とにかく人が欲しいと道内のホタテ養殖業者からの問い合わせが殺到しました」

 本連載でも解説してきたが、政府はコロナ下で在留資格の扱いを緩和し、すでに実習を終え、帰国困難な実習生などだけではなく、失踪した元実習生も週28時間という制限付きだが、就労を認める在留資格を交付している。外国人の入国に制限がかかる中、国内に残る外国人の争奪戦が起きている実態も本連載で書いてきたが、養殖業も同様だ。

 手元に、道内のある監理団体から提供を受けた実習生の賃金台帳がある。ホタテも牡蠣同様、変形労働制を取る事業者が多いが、ある実習生の4月の時間外労働は152時間を超える。深夜労働は100時間近く、総支給額は40万円を超える。道内のあるホタテ業者は、

「昔は休みもなく、とにかく稼ぎたいといった日本人もいたが、それが今は外国人に入れ替わった。労働時間も外国人を無理に働かせない限り、労基署からもうるさく言われることはない」

 二重帳簿を作り、労働時間をごまかす事業者も珍しくないが、あくまで「出稼ぎ」に来ている外国人にとっては、法令順守より稼げることが重要だ。

 外国人の扱い方は、事業者により大きく異なる。ベトナム出身のファン・ツ・レさん(34歳)は基本、残業をしない。牡蠣養殖も同じだが、ホタテも海上の作業だけではなく、カゴを編む作業など、陸上での作業も多い。長い時間働けばそれだけ稼げるが、雇用者の理解もあり、体に無理のない範囲で働いている。それでも、寮費などを引いた手取り給与は18万円を超える。

 レさんは高校卒業後、マレーシアに出稼ぎに行き、鶏の解体処理の仕事に就いた。そこで稼いだお金を元に、母国で携帯電話の修理会社を開いた。毎月3万5000円程度を稼いでいたが、友人から「3年で250万円は稼げる」と聞き、実習生として日本に行くことを決めた。

 しかし、送り出し機関で4回面接を受け、すべて不合格。「どんな仕事でもいい」と送り出し機関に頼み、紹介されたのがホタテの養殖だった。ベトナムの送り出し機関幹部はこう話す。

「すでにたくさんの実習生が日本に行き、情報は出回っている。仙台より北は寒く、最低賃金も安く、人気がない」

 レさんは、そんなベトナムでも「不人気職」のホタテ養殖の実習生として17年6月に来日。3年間の実習期間中に、道内の水産加工会社で働くベトナム人実習生との間に子どもができた。

「彼女も入国が同時期で、ちょうど3年間の実習期間が終わる頃を見計らって、計画的に子どもをつくりました」

 レさんは3年の実習を終え、20年10月に帰国。彼女との結婚式を済ませ、21年2月に特定技能外国人として再び来日し、ホタテの養殖作業に就く。

「3年間の技能実習で貯(た)めた約270万円で、(母国で)奥さんと住む家と土地を買いました。まだまだお金を稼ぎたい」

 結婚したばかりの奥さんと離ればなれで寂しくないのかと尋ねると、

「すごく寂しい。毎日、電話しています。特定技能でも家族帯同を認めてほしいです」

 レさんの枕元には、夫婦で生まれたばかりの赤ちゃんを囲む写真が置かれていた。

(文=澤田晃宏)

●プロフィール

澤田晃宏(さわだ・あきひろ)

1981年、兵庫県神戸市出身。ジャーナリスト。進路多様校向け進路情報誌「高卒進路」(ハリアー研究所)編集長。高校中退後、建設現場作業員、アダルト誌編集者、「週刊SPA!」(扶桑社)編集者、「AERA」(朝日新聞出版)記者などを経てフリー。著書に『ルポ技能実習生』(ちくま新書)、『東京を捨てる コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)がある。

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JRAラヴズオンリーユー快挙達成で「現役続行」も!? エルコンドルパサー以来の特例で年度代表馬の可能性は?

 日本調教馬として初の快挙を遂げたのは最強と呼び声が高い5歳世代の牝馬だった。

 日本時間7日早朝、いつもより早く起きて眠い目をこすりながら歴史的瞬間を見届けたファンも多かっただろう。芝2200mを舞台に行われた米国競馬の祭典ブリーダーズC(以下BC)フィリー&メアターフを制したのは川田将雅騎手騎乗のラヴズオンリーユー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だった。

 やや外目の8番枠から好スタートを切ったラヴズオンリーユーと川田騎手。絶好位の4番手で1周目のホームストレッチを迎えた。ここで最内に入れるスペースもあったが、川田騎手は外目を選択。1コーナーではラブに執拗にプレッシャーをかけられたが、引き下がらず好位をキープした。

 手応えよく最後の直線を向いたが、目の前には3頭がズラッと横に並び、左右にも馬がいる絶体絶命の状況だったが、川田騎手の冷静な手綱捌きも光った。一瞬前に空いた狭いスペースを見つけると、そこをこじ開け、自慢の瞬発力と勝負根性であっという間にライバル馬を交わし去った。

 JRAが発売した単勝オッズでは1番人気だったが、現地ではあくまでも上位人気の一角という評価。その勝利は全米を驚かせただけでなく、改めて2016年生まれの牝馬の強さを証明するものでもあった。

 3歳時に無敗でオークス(G1)を制覇したラヴズオンリーユー。飛躍が期待された3歳秋以降は不振に陥り、同世代の桜花賞馬グランアレグリアや秋華賞馬クロノジェネシスに比べると伸び悩みは誰の目にも明らかだった。

 そんな不振脱却の切り札に指名されたのが川田将雅騎手だった。今年2月の京都記念(G2)で初コンビを組むと、1年7か月ぶりの勝利へと導いた。春の海外遠征はコロナ禍で同行できなかったが、ドバイシーマクラシック(G1)はO.マーフィー騎手を背に3着、そして香港のQE2世C(G1)はC.ホー騎手に導かれ、オークス以来となるG1制覇を遂げた。

 帰国後は札幌記念(G2)で洋芝の小回りコースを経験。右回りと左回りの違いはあるが、BCを見据えた舞台を使ったことも快挙達成につながったといえるだろう。

 川田騎手も夏の終わりから秋にかけて不振に陥っていたが、ちょうどギアを上げたいいタイミングでのBC初騎乗だった。渡米直前の3日には、金沢でJBCレディスクラシック(G1)とスプリント(G1)を連勝。勢いそのままに本家BCでラヴズオンリーユーを勝利に導いた。

 気になるラヴズオンリーユーの今後だが、すでに来月の香港C(G1)の招待を受諾済み。春と同じように、海外を転戦し、G1・4勝目を狙うことが濃厚だ。

 クラブ規約では6歳3月をもって、牝馬は牧場に戻ることになっており、香港Cが引退レースになる可能性が高い。しかし、BC優勝後のインタビューでは、DMMバヌーシーの野本巧氏から爆弾発言が飛び出した。

 インタビュアーに「来年もう一度戻ってくるか」と聞かれた野本氏。一瞬、間を置いたが、「戻ってきたい」と回答し、これにはTwitterなどで「来年も現役続行か」とざわつく場面もあった。

「あのタイミングでこの質問をされれば、そう答えるしかなかったですよね。『ラヴズオンリーユーで戻ってくる』とは言ってなかったので、おそらく規約通り来年春までの引退が既定路線だと思いますが……」(競馬誌ライター)

 引退の時期はさておき、この勝利でラヴズオンリーユーには年度代表馬の目も出てきた。今年国内G1を2勝しているのは今のところエフフォーリアのみ。ラヴズオンリーユーは海外G1を2勝しているが、国内での勝利は京都記念だけだ。

 香港C、そしてエフフォーリアが出走を予定している有馬記念(G1)の結果次第ではどちらに転んでもおかしくはないだろう。国内G1を勝たずに年度代表馬に選出されることがあれば、1999年のエルコンドルパサー以来となるが……。

 どちらにしてもラヴズオンリーユーの次走がますます楽しみとなった。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

パチンコ「加速力」が進化…圧倒的な出玉感を与える人気シリーズ再起動!!

 さらなる加速力を引っ提げて、あの男たちが帰ってくる。来る11月8日、いよいよニューギンの最新パチンコ『P009 RE:CYBORG ACCELERATOR EDITION』がホール導入を開始する。

 ライトミドル界で圧倒的な人気を誇った先代『CR 009 RE:CYBORG』の大当り確率は約251分の1で、初当りでプレミアムボーナス、もしくは図柄揃い後の時短100回「チャンスタイム」中に大当りを射止められれば出玉トリガー「加速RUSH」が発動。加速RUSHはST100回、継続率は約90%で、加速の名に相応しい圧倒的な出玉感を味わうことができる。

 この後継機となる当機は先代をも凌駕するV-STタイプで、大当り確率は199.80分の1。特殊大当り後の時短100回「チャンスタイム」、或いは9以外の図柄揃い大当り後の時短100回「チャンスゾーン」での大当りが「加速RUSH」へのメインルートで、直行の9図柄揃いと残保留4個を合わせたRUSH突入率は約41%となる。

 加速RUSHは先代と同じくST100回、この間の大当り確率は43.74分の1で、継続率はやはり約90%。電チューでの大当りは3R約420個、4R約560個、5R約700個、6R約840個、7R約980個、8R約1,120個、9R約1,260個、10R約1,400個の8パターンで、それぞれ振り分け割合は50%、15%、10%、7%、7%、1%、1%、9%となる。

 通常時の演出については「保留変化」「ステージチェンジ演出」「集合ステップアップ演出」「先読み演出」「ムービー演出」「連続演出」などが用意され、「変動中演出」の次回予告や「シナプスバースト演出」での演出成功などは大チャンス到来。

 リーチには「ゼロゼロナンバーサイボーグリーチ」、ここから発展する「ゼロゼロナンバーサイボーグタッグリーチ」などがあり、「ストーリーリーチ」は文字通り、迫力ある原作ストーリーを体感することができる。

 加速RUSH中は1~89回までが「ATTACK ZONE」、90~100回は「DEFENCE ZONE」となり、それぞれで演出が変化。どちらも「EXTRA ZONE」への移行は激アツとなるようだ。

 ちなみに、「サイボーグ009」とは石ノ森章太郎による日本のSF漫画で、1964年7月19日の「週刊少年キング」にて連載開始。その後、「週刊少年マガジン」「月刊少年ジャンプ」「週刊少年サンデー」「少年ビッグコミック」など複数の出版社、複数の雑誌で連載され、累計発行部数は1000万部超を誇る。

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JRA【福島記念(G3)展望】デビュー15連敗の“劣等生”が重賞連勝へ! 札幌記念「競走中止」2頭の巻き返しにも期待

 14日、福島競馬場では第57回福島記念(G3)が行われる。ハンデ戦ではあるが、過去10年の1~3番人気馬は「8-6-5-11」と好成績で、比較的荒れにくいレースといえるだろう。

 今年は抜けた存在がおらず、やや混戦模様。しかし、勢いという点ではモズナガレボシ(牡4歳、栗東・荒川義之厩舎)が一歩リードしている。

 デビューは2019年の11月なので、ちょうど2年前。その後はコンスタントにレースに使われ、すでに23戦という豊富なキャリアを誇る。初勝利を挙げたのは、3歳の10月。デビューから数えて16戦目だった。

 つまり、未勝利戦がある期間中には勝ち上がれず、デビューから15連敗を喫していた。引退、もしくは地方で出直すという選択肢もあるなか、中央にとどまり1勝クラスでの格上挑戦で再起を図ったのだ。

 転機となったのは芝への路線変更。デビュー以来、ひたすらダートを使われていたが、芝の中距離で適性を示すと、1勝クラスで待望の初勝利を挙げた。

 一度火がつくと止まらないタイプなのか、怒涛の3連勝で、初勝利から4か月足らずで3勝クラスに昇級。同クラスでも堅実に走っていた。

 そして8月の小倉記念(G3)で重賞初挑戦。53kgの軽ハンデを生かして、4コーナー最後方から直線一気の差し切り勝ちで大金星を挙げた。引退危機ともいえる状態から見事這い上がり、重賞勝ち馬へと飛躍した。

 前走後は一息入れ、3か月ぶりの実戦は再びハンデ戦。今回は斤量もある程度見込まれるが、ローカル重賞2連勝を誓う。

 モズナガレボシが重賞2連勝なら、バイオスパーク(牡6歳、栗東・浜田多実雄厩舎)はこのレース2連覇を見据える。

 2番人気に支持された昨年はヴァンケドミンゴとの競り合いをクビ差制し鞍上・池添謙一騎手にJRA全10場制覇をもたらした。その後は凡走が続いていたが、夏の函館記念(G3)を12番人気で3着に好走。復調の気配を見せたが、前走・札幌記念(G2)でまさかのアクシデントに見舞われてしまう。

 池添騎手を背にゲートを出たバイオスパークは、馬群から大きく離され、外に逸走しながら競走を中止。この時、手綱の一部が口の中に絡まってしまい、鞍上は制御不能の状態に陥っていたという。その後は放牧で立て直しを図り、10月上旬に栗東に帰厩。2週前には坂路で52秒0の好時計をマークするなど、順調に乗り込まれている。

 今回は鞍上にテン乗りの泉谷楓真騎手が騎乗予定。1年ぶりとなる福島の地で12-13年のダイワファルコン以来となる連覇を狙う。

 バイオスパークと同じく札幌記念で競走中止の憂き目にあったのがステイフーリッシュ(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 同レースでは、好スタートを切り、道中3番手の好位を追走していたが、3コーナー手前で急失速。最後の直線では完全に止まってしまった。

 診断の結果は心房細動だった。その後はすぐに立て直され、すでに2戦を消化。オールカマー(G2)5着、京都大賞典(G2)7着と馬券圏外に敗れているが、タフネスぶりは以前と変わらない。

 2020年1月のAJCC(G2)から前走まで11戦しているが、昨年4月の大阪杯(G1)以外は全てG2レース。勝利こそないが、掲示板8回という安定感を誇る。約2年ぶりとなるG3なら激走の資格は十分あるだろう。

 3走前のオーシャンS(G3)を11番人気で制したコントラチェック(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)にも注目が必要だ。

 夏の函館SS(G3)で8着に敗れた後は、京成杯AH(G3)で久々のマイルに挑戦。12番人気という低評価を跳ね除け、ここでも2着に好走。中山巧者ぶりを見せつけた。

 今回は初の福島、しかも19年秋華賞(G1)以来となる2000mという距離。スピードの違いで、おそらく逃げることが濃厚だが、自慢の粘り腰を発揮できるか。

 この他には、3戦ぶりの芝レースとなったクイーンS(G3)で見せ場十分の4着に入ったフェアリーポルカ(牝5歳、栗東・西村真幸厩舎)、G3では昨年の新潟記念(G3)勝利を含めて3度の連対実績があるブラヴァス(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)、今年の新潟記念覇者マイネルファンロン(牡6歳、美浦・手塚貴久厩舎)などが出走を予定している。

 “荒れないハンデ重賞”は今年も平穏に収まるのか。それとも人気薄の激走はあるのか。福島記念の発走は14日15時20分の予定だ。