罰金なき入国規制緩和、感染が再拡大すれば甚大な損失を被るのは国民や飲食店だ

「行動管理」や「防疫措置」は徹底されるのか

 11月7日、新型コロナウイルス感染症による全国の死者数(発表数)が、ついに0になった。NHKの集計によれば、この数字が0になるのは昨年8月2日以来のことだそうで、実に1年1カ月ぶりのことである

 だが、海外に目を向けてみると、新型コロナウイルスの変異株「デルタプラス」が10月27日現在、世界の42カ国にまで広がる一方、1日当たりの新規感染者数が過去最多となる国々(ドイツ、ロシア)も現れている。人類はまだ、新型コロナ禍を克服したわけではない。

 しかし、そんなタイミングで日本政府は11月8日より、海外からの入国規制を緩和するのだという。ビジネス目的の入国者や留学生、技能実習生といった外国人の新規入国を認めることにしたのである。政府はこれまで、いわゆる「水際対策」の一環として、日本に入国する者に対し、自宅などで14日間の待機をするよう求めてきた。それが先月からは、日本で承認されている新型コロナウイルス用のワクチンを接種している者であれば、待機期間を10日間に短縮していた。今後はその待機期間をさらに最短3日間にまで縮めるのだという。

 ただし、企業や大学といった、入国する者の受け入れ先が、入国者の行動を管理し、感染予防対策や検疫などの防疫措置にも責任を持つことが、待機期間短縮の際の条件となるらしい。この条件がクリアされれば、待機期間終了後の4日目以降は、PCR検査や抗原定量検査などの検査で陰性が確認された後、企業や大学などによる「行動管理」のもと、公共交通機関の利用や会食も認めるという。現在は1日当たり3500人までとしている入国者数の上限も、11月下旬から5000人にまで引き上げられる見込みだ。

「入国規制緩和」を頑強に主張していたのは、経団連をはじめとした我が国の経済界である。果たして受け入れ先の企業や大学等は、「行動管理」や「防疫措置」といった条件を厳格に守ることができるのだろうか。守れないのならば、このたびの「入国規制緩和」が新型コロナウイルス感染再拡大の端緒となること請け合いである。

 今夏の東京五輪開催期間に発生した、選手や五輪関係者による行動規範「プレーブック」破りの無断外出や暴行事件が相次いだことは、まだ記憶に新しい。その「プレーブック」を定めた国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長自らも、五輪の閉会式後に東京・銀座を観光目的で散策し、批判を浴びていた。「行動管理」や「防疫措置」がどこまで徹底されるのか、今から不安は尽きない。

新たな変異株の流入を許したら「罰則」が待ち構える?

 そもそも、日本国内で感染爆発を引き起こした新型コロナウイルスは、おおもとを辿ればすべて例外なく、海外から持ち込まれたものである。日本国内で自然発生した類いのものではない。それだけに、感染収束を目指すならば、水際対策が要(かなめ)となる。どれだけ強い変異株が現れようと、それをきちんと水際でシャットアウトできていれば、次なる感染拡大を未然に防ぐことができる。つまり、すでに日本に上陸済みの新型コロナウイルスだけを相手にすればいいのである。

 しかし、入国規制は緩和された。となれば、せめて「行動管理」や「防疫措置」が徹底されることを願わずにはおられない。こうした条件が反故にされた場合、受け入れ先の企業や大学等にはどんなペナルティが用意されているのか――。

 入国規制緩和を所管する内閣官房副長官補室に確認したところ、

・入国する当人と受け入れ団体に、誓約書を出してもらう。

・その上で、条件違反があった場合、指導し、それでも改められなかったり、繰り返し違反があったケースでは、その後の申請を受け付けなかったり、団体名を公表したりする。

とのことだった。だが、これでは変異株等の入国を一度は許してしまうことになりかねない。せっかく新型コロナウイルス感染による死者数をゼロにするほど感染拡大を抑え込むことができたのに、冬に向かって再び感染拡大を許してしまうのか。そして、ロックダウン(都市封鎖)を可能にするための法改正が再び声高に論じられたりするのか。

 間違いなく言えるのは、ロックダウンによって国民や飲食店等が被る手間や損失より、入国規制によって生じる手間や損失のほうが、はるかに少なくて済むということだ。それをわかった上で入国規制緩和をするのだから、緩和を国に働きかけた者や、緩和を許した者たちの責任は重大である。

 問題は、このたびの入国規制緩和が再び我が国に感染拡大を招いた場合、実際の責任を取るのは受け入れ先の企業や大学等ではなく、感染して重症化したり、さらなる税金の出費を迫られたりする形で責任を取らされる、私たち下々の一般国民である――ということだ。

 一部の限られた人々の利益のために、国民全体が損を強いられ、痛い目に遭うようなことだけは、是が非でも避けなければならない。いっそのこと、条件違反をした企業や大学等には「罰金」という罰則を科すのがちょうどいいのかもしれない。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

●明石昇二郎/ルポライター、ルポルタージュ研究所代表

1985年東洋大学社会学部応用社会学科マスコミ学専攻卒業。

1987年『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル基地」計画を巡るルポを発表し、ルポライターとしてデビュー。その後、『技術と人間』『フライデー』『週刊プレイボーイ』『週刊現代』『サンデー毎日』『週刊金曜日』『週刊朝日』『世界』などで執筆活動。

ルポの対象とするテーマは、原子力発電、食品公害、著作権など多岐にわたる。築地市場や津軽海峡のマグロにも詳しい。

フリーのテレビディレクターとしても活動し、1994年日本テレビ・ニュースプラス1特集「ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞。

旭川中学生いじめ自殺、教頭が母親に「頭おかしい」…NHK特集、凄惨な内容に衝撃

 9日放送のNHK番組『クローズアップ現代』は特集『旭川女子中学生凍死事件~それでも「いじめはない」というのか~』を放送し、今年2月に北海道・旭川市の女子中学生、廣瀬爽彩さんが、いじめを苦に命を絶った事件を追った。

 この事件をめぐっては、学校と旭川市教育委員会の杜撰な対応が問題視されてきた。
 
 爽彩さんは2年前の2019年、転校前に通っていた中学校で上級生グループから不適切な動画の撮影を強要され、その画像をSNSで拡散されるといういじめを受け、自殺未遂を起こしていた。母親が今年8月に公開した手記によれば、爽彩さんがいじめを受けている様子を感じた母親は、複数回にわたり学校の担任に相談したが、

「いじめるような子たちではありません」

「思春期ですからよくあること」

「いじめなんてわけがない」

と押し切られたという。

 さらに母親は学校側に「子どもたちに囲まれ、ウッペツ川に飛び込んだ事件の後、爽彩の携帯電話に、いじめを受けていることを示す履歴があることを学校に知らせ」(手記より)たものの、学校の教頭から次のような言葉を浴びせられたという。

「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」

 ちなみに月刊誌「メディアあさひかわ」(月刊メディアあさひかわ)は、19年9月発売号でこの問題を報道。当時、事態を把握した北海道警察や旭川市教育委員会は、学校側に対して適切な対応を求めたものの、学校側は「いじめはなかった。男子生徒らの悪ふざけ」(同誌より)などとして、当時の校長を中心として、おざなりな対応に終始していたこともわかっている。

 事態が大きく動いたのは、今年4月にニュースサイト「文春オンライン」が詳細を報じたことだった。自殺未遂が起きた当時の中学校長は「文春」の取材に対し、「(いじめに)至ってないって言ってるじゃないですか」などとコメントしたが、事件の全容が全国的に知られることとなり、ついに旭川市の西川将人市長(当時)はようやく、市教委に調査を指示した。

 しかし、第三者委員会の設置から3カ月が経過した8月には、生徒や関係者への聞き取り調査が行われていないことが判明するなど、調査は進んでいない。

 今月3日には遺族側に開示された道教委の文書で、19年に爽彩さんがいじめを苦に自殺未遂を起こした後、川に入ったまま学校に電話をかけ、教員に「死にたい」などと訴えていたことも判明。道教委は旭川市教委に対し、いじめとして対応するよう指導したものの、市教委は「いじめはない」と判断していたことも明らかになった。

 9日放送の『クロ現』では、爽彩さんの母親が初めてテレビのインタビュー取材に応じた。母親は、19年に爽彩さんが加害生徒たちに囲まれて川で自殺未遂を起こした際、爽彩さんの携帯電話の中を確認して、問題のある写真や動画を撮影させられていた事実を把握し、それを学校側に告げたが、教頭から

「これは単なる悪ふざけ。いたずらの延長だったんだから。もうこれ以上、何を望んでいるですか」

と繰り返し言われたという。

 そこで母親が「じゃあ、娘の記憶消してください」と答えたところ、教頭は

「頭おかしくなっちゃったんですか? 病院に行ったほうがいいですよ」

と発言。続けて母親が「学校に通うというのは、とても怖くてできないと思う」と言うと、教頭は

「僕なら怖くないですよ。僕は男性なので、その気持ちはわかりません」

と言い放ったという。

 番組内では、爽彩さんがSNSのライブ動画配信で

「いじめを受けてたんですけど、その内容が結構きつくて。自分のほうで処理できないっていう気持ちになってしまって」

などと語っていた肉声も公開。さらに爽彩さんがSNS上に投稿していた、加害生徒たちから屋外で不適切な行為や写真撮影を強要されていた事実を訴える書き込みや、「私が悪いだけだから」「気持ち悪いなあ私」といった悲痛な叫びも紹介されていた。

 爽彩さんの自殺未遂の際に母親に対応した前出の教頭は、現在もその職にあるとのことだが、『クロ現』が伝えた、あまりに凄惨ないじめの内容や、爽彩さんの苦しみ、そして学校の対応を受けて、Twitter上では次のような声が多数あがる事態となっている。

<多くの人が番組を観つつ怒っていたと思う。これがいじめでなかったら何がいじめだというのか。教頭も校長も教育委員会も常識がないのか>

<ほんとにホントにどうしようもなく本当に涙と怒りが込み上げてくる最悪極まる旭川教育界における酷い事件>

<子を持つ親としては聞くに堪えない内容>

<旭川のいじめの件を見て、SNSは小中学生が使いこなせるシロモノじゃないと感じる。電子空間上のアウトプットが半永久的に保存される事に対しての畏怖と現実味を持てない人間は使うべきではないのでは>

<こんな学校と教育委員会の環境では、まともな教育は無理>

<学校のとんでもない対応は本当に腹立たしいです>

<加害者が悪いのは大前提として学校側も共犯レベル>

<途中でチャンネルを変えたくなる程胸が苦しくなった。できれば学校がなぜいじめを認めないのかと責めるだけではなく、自分の娘が被害者になった時どうすれば最悪の事態を未然に防げるのかもっと具体的な方策を示して欲しいと思った>

<悲しい。苦しい。辛い。憎い>

 爽彩さんの母親はインタビューで、

「本当にいじめって普通に認めて、先生方も本当にちゃんと調べて、いじめっていうのをちゃんと対処してほしい」

と話していたが、40代の公立中学校教師は8月19日付当サイト記事で、次のように実情を語っていた。

「自分が担任を受け持つクラスでいじめの疑いを感じた際、物怖じせず徹底的に当事者の子どもたちと向き合うのか、逆にできるだけ“気づかないふり”をするのかというのは、教師によってまったくまちまち。学校単位でいえば、トップである校長や教頭によって全然対応が違ってくるのが実情です。

 学校の現場では、新卒の新人教師がなんの準備もマニュアルもなく、いきなり担任を任されて現場に放り込まれる。教師たちはそのなかで試行錯誤しながらノウハウを身につけていくわけなので、結果としていじめへの対応方法や考え方も教師によってバラバラになる。“そんなのは、教師の仕事じゃない”“すぐ警察に通報すべき”と考える教師もいるくらい。加えて、今の学校教師は、朝のホームルームに始まり日中の授業、部活動の指導、生徒の生活指導や保護者対応、さらには内申書や教育委員会などへの報告書の作成など書類仕事も重なり、朝7時から夜10時過ぎまで働きづめになることも珍しくないほどの激務。部活動で休日がつぶれることだって多い。

 まったく言い訳にはなりませんが、そういう勤務環境のなかで、学校や教師が、できるだけいじめなどの面倒な問題を“なかったこと”にしようという方向に傾く面はあるでしょう。

 また、あくまで私見ですが、特に50代以上の教頭や校長などの管理クラス、いわゆる“古いタイプの先生”のなかには、“学校にいじめなどあってはならない”“あるはずがない”という固定観念に縛られ、いじめの存在を認めようとすらしない人が多いような気がします」

 第三者委員会のしっかりとした調査が待たれる。

(文=編集部)

 

元「超大物プロ野球選手」へパチスロファンが注目!? 実戦を希望する声も…

 今やパチンコ・パチスロ動画は、YouTubeでも大きなコンテンツの一つといえる。それは先人たちの努力と活躍の賜物でもあるが、様々な有名人が参加したことによる影響も無視できないだろう。

 最近では人気お笑い芸人の実戦動画参戦が目立つ。新!王庭チャンネルの「くずパチ」は最たる例の一つだ。同番組は借金芸人で人気を博した「岡野陽一」と「鈴木もぐら」が出演。TVでも馴染み深い2人の実戦に、視聴者は釘付けとなっている印象だ。

 お笑い芸人といえば「かまいたち」による実戦も大きな話題となった。同コンビのチャンネル「かまいたちチャンネル」では4号機「パチスロ北斗の拳」の実戦をライブ配信しYouTubeLive来場者数が世界一となる強烈な記録を打ち立てたのだ。

 これらの例に留まらず、霜降り明星の粗品や狩野英孝など有名人が自身のYouTubeチャンネルでパチンコ・パチスロに関するネタや想い出を語る場面も多いわけだが…。

 そんな中、アノ超有名人がパチンコ・パチスロを口にしたと話題となっている。それは元プロ野球選手であり2021年から阪神タイガースの「Special Assistant(SA、特別補佐)」となった「藤川球児」だ。

 藤川球児はYouTuberとしての顔もあり、自身のチャンネル「藤川球児の真向勝負」で動画を投稿している。

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 10月27日に投稿された『【プロ野球観戦あるある】藤川球児のツッコミ&選手目線の笑撃大炸裂!!バックスクリーン映ったファン〇〇しがち!?このあるあるは野球好きの皆さんも激しく賛同する!?』の中で「バジリスク〜甲賀忍法帖~」「モードは何?みたいな」という発言があった。

 この発言に一部パチンコ・パチスロユーザーが反応しており「モードということは絆かな」「パチスロ打ったことがあるのかも?」という驚きの声も多く、「パチスロ動画にも出演するかもしれない」といった希望を抱くユーザーも存在するようだ。

 仮に実現すれば大きな反響が寄せられるだろうが、氏は先述した役職の他、NHKで野球解説やスポーツ報知で野球評論など様々な活躍を見せている。オファーがあったとしても、スケジュール的に難しいことは間違いないだろう。ファンとしては、パチスロと真向勝負をする大投手の姿を見てみたいところだが…。

JRA エリザベス女王杯(G1)の「2着」はもう決まり!? 3年連続2着の「シルバーコレクター」と共通点ありありの実力馬とは

 14日に阪神競馬場で行われるエリザベス女王杯(G1)。『netkeiba.com』の予想オッズでは、アカイトリノムスメ・レイパパレ・ウインマリリンの3頭だけが単勝10倍を切っている。

「三強」の様相を呈しているなか、虎視眈々と一角崩しを目論んでいるのが、ウインマリリンと同じ冠名で同級生のウインキートス(牝4歳、美浦・宗像義忠厩舎)だ。

 前走はウインマリリンに次ぐ2着へ好走。3走前には軽い斤量の52キロだったとはいえ、強豪牡馬を相手に目黒記念(G2)を2馬身差で快勝している実力馬だ。

 エリザベス女王杯の舞台となる阪神芝2200mは未経験だが、2200mは「1-2-0-0」と連対率100%で距離適性はバッチリ。

 加えて、血統的にも阪神芝2200mは得意な可能性が高い。父ゴールドシップは現役時代にエリザベス女王杯と同舞台で行われる宝塚記念(G1)で、史上初の連覇を達成。阪神芝2200mを得意とした名馬の血を継ぐ娘なら、2度も坂を上るタフなコースでも力強く駆けることができるかもしれない。

 また、ゴールドシップの父は名種牡馬で有名なステイゴールドだが、近年は父ステイゴールド系の馬によるエリザベス女王杯での好走が目立っている。

 ステイゴールド産駒で三冠馬に輝いたオルフェーヴルを父にもつラッキーライラックは、昨年エリザベス女王杯連覇を成し遂げた。そのラッキーライラックが初めてエリザベス女王杯を制したときの2着馬もまたステイゴールド産駒のクロコスミアだ。

 このクロコスミアは17年~19年と3年連続でエリザベス女王杯へ出走して、全て2着という成績を残した。この手の話題でよく挙がるのが有馬記念(G1)3年連続3着だったナイスネイチャだが、クロコスミアはそれを上回る成績だった。

 そんなシルバーコレクターとウインキートスは、血統に共通点がある。父系はどちらも同じステイゴールド系。そして、母の父も同じボストンハーバーなのだ。

 クロコスミアが走った当時は京都開催だったという違いはあるが、阪神開催でもステイゴールド系が強いことは証明済み。そのため「ほぼクロコスミア血統」のウインキートスも、もしかしたら2着ということも……。

 状態も前走以上の気配がある。1週前追い切りでは、騎乗予定の丹内祐次騎手を背に、美浦の南ウッドチップコースで6ハロン82秒0、ラスト1ハロン11秒8をマーク。追い切りを終えた丹内騎手は「外々を回って負荷をかけてしまいはしっかり詰めていました。変わらずにきているしこれで良くなりそう」と、『日刊スポーツ』の取材に応じている。

 距離実績、状態、そして「シルバーコレクター」血統を味方につけて、ウインキートスが「三強」に割って入る準備は整った。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRA デイリー杯2歳S(G2)珍名馬の大活躍で知名度も「ウナギノボリ」!元祖珍名馬オーナー所有馬が2歳王者へ名乗りをあげるか⁉

 先週の日曜日、東京競馬場や福島競馬場では「オレデイイノカ」、「オニャンコポン」、「アナゴサン」、「オヌシナニモノ」などのいわゆる珍名馬が大活躍。奇しくもこの日11月7日は、元祖珍名馬オーナーの小田切有一氏の誕生日だった。それを祝福するかのような珍名馬デーとなった。

 先日大井競馬で初勝利をあげた「スモモモモモモモモ」も珍名馬として話題となり、その実況アナウンサー泣かせの馬名がSNSを盛り上げたと英メディアにも取り上げられるほどで、海外からも日本の珍名馬に注目が集まっている。

 そんな珍名馬ムーブメントが巻き上がるなか、13日(土)のデイリー杯2歳S(G2)に出走するのが、小田切氏の所有馬ウナギノボリ(牡2、栗東・音無秀孝厩舎)だ。現在小田切氏唯一の所有馬であり、SNS上では早くも一部では「この流れならウナギノボリが勝つかもしれない」との声があがっている。

 同馬は新馬勝ち後の前走サウジアラビアRC(G3)で好メンバー相手に4着と健闘。その可能性も「ウナギノボリ⁉」となっている。

 今回は新馬戦以来の和田竜二騎手とのコンビで臨む予定だ。新馬戦後のコメントで和田騎手は「(ウナギだけに)つかみ所がない所が逆にいい」と冗談を交えつつもその未知の能力を評価していた。ここも下克上を狙っているだろう。

 相手筆頭は競馬各紙の2歳番付でも上位に挙がっているセリフォス。今回は主戦の川田将雅騎手が海外遠征帰りの隔離期間中のため、代打で藤岡佑介騎手が騎乗する予定だ。ここは付け入るチャンスがあっていい。

 さらに前走アスター賞を勝ったプルパレイ、新馬戦を快勝したソネットフレーズ、サウジアラビアRCで3着だったスタニングローズと社台グループ勢が揃って待ち受けている。

 ウナギノボリがこのレースを勝てば朝日杯FS(G1)への道が開け、小田切オーナーとしても高松宮記念(G1)を制したオレハマッテルゼ以来のG1制覇のチャンスが現実味を帯びてくる。そして珍名馬界の代表格として、今後競馬ファンを大いに盛り上げるに違いない。今後のウナギノボリな成績を期待せずにはいられない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

パチスロ新台『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブン』を最速実戦!! サミー渾身作の実力は…

パチスロコードギアス反逆のルルーシュ3』や『パチスロツインエンジェル PARTY』でスマッシュヒットを記録した大手サミーから新台『パチスロANEMONE 交響詩篇エウレカセブン HI-EVOLUTION』がリリースされた。

 同社が誇るキラーコンテンツの一つ「交響詩篇エウレカセブンシリーズ」最新作ということもあり11月登場の新台では最も注目されているマシンかもしれない。

 気になるゲームシステムは周期やポイント貯めといった要素を排除。通常時もAT中も「ベル」がチャンスを引き寄せる仕様となっている。

 擬似ボーナスから純増約2.6枚のAT「Dive To Eureka Seven」を目指すゲーム性。通常時は3G完結のミッション「ダイブシミュレーションミッション」が当選のメインルートとなる。

 チャンス役やベル連、特定ゲーム数消化などでミッションを抽選。ミッション中もベルが重要で、入賞すれば約25%で擬似ボーナス当選となる。

 今回はそんな注目マシンを導入初日から実戦を行ってきたので、その様子をご報告したい。

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 夕方からの実戦となるが、データを見る限り低設定の可能性が高く、この点をご留意頂ければ幸いだ。

 先述した通り、本機はポイントや周期の抽選を搭載していない。ゲームを動かすにはレア役やベル連でミッションを発生させる必要がある。

 そのハードルは意外に低い。体感でも頻繁にミッション突入となる印象だ。

 擬似ボーナスも重いイメージはない。BB扱いの「アネモネボーナス」とRB扱いの「ガリバーボーナス」が存在するが、前者がAT抽選のメインとなるため是非とも前者を引きたいところだ。

 アネモネボーナスから約50%でATに繋がるとのことだが、ヒキが奮わず苦戦を強いられた。それでも3回目のボーナスで当選となったので傷は浅い。

 ATはバトル形式で展開。1枚・11枚いずれかのベル入賞で相手にダメージを与える。見事撃破で擬似ボーナスや特化ボーナスの獲得という流れだ。

 例えるならば5号機『パチスロコードギアス 反逆のルルーシュR2』のART継続バトル「ギアスバトル」を繰り広げているイメージである。

 このATでは3体撃破の591枚で終了。ベルのタイミングさえ合致していれば先の展開も見えており、非常に自力感あふれるゲーム性に感じた。

 今回は派手な展開とならなかったが、ヒキさえ伴えば大量出玉も射程内であろう。アネモネボーナスもスルーしない展開もあり得たかもしれない。

 シリーズ通りバランスの良い自力感が魅力のマシンと仕上がっているのではないだろうか。今回はマイナス収支となってしまったが、次回こそはリベンジを果たしたい。

(文=大松)

<著者プロフィール>
 4号機『大花火』でホールデビューし、『パチスロ北斗の拳』でドハマリ。6号機は『パチスロ モンスターハンター:ワールド™』がお気に入り。G&Eビジネススクール卒業後、プログラマーや事務職を経験。現在はライティング業務に従事する傍ら「パチスロガチ勢」として活動中。パチMAXでは主にハイエナ実戦記事や動画レビュー記事を担当。常に攻略情報に注目しており、「6号機でも勝てる」を心情に有益な情報を紹介中。

JRA武豊、川田将雅、福永祐一も飛躍のきっかけ……、ターニングポイントは24歳!? 海外武者修行帰りの若手有望株に“覚醒”の予兆

 海外遠征から帰ってきた坂井瑠星騎手が絶好調だ。6日(土)の京王杯2歳S(G2)をキングエルメスで勝利したほか、7日(日)と合わせて土・日で3勝、2着3回、3着2回で複勝率はなんと50%と、騎乗機会16回に対して半分は馬券に絡む大活躍を見せてくれた。

 フランス遠征からの隔離期間を経て、10月16日から日本のターフに復帰。10月の成績だけで5勝、2着4回、3着5回の好成績を残すなど、デビュー6年目の坂井瑠騎手がいよいよ“覚醒”する予感を漂わせている。

 1997年5月31日生まれの坂井瑠騎手は、今年で24歳。一方で現在、JRAのトップに君臨するジョッキーたちの24歳前後を振り返ると、皆往々にしてターニングポイントいうべき“節目”を経験していることがわかる。

 例えば、今では誰もがトップジョッキーとして認める福永祐一騎手は1976年生まれで、24歳当時の2000年には年間84勝をマーク。これは前年の43勝を倍近く上回る勝ち星であり、大きな成長を遂げた。

 また現在、最も注目を集めているといってよい85年生まれの川田将雅騎手は、23歳のときに皐月賞(G1)をキャプテントゥーレで制覇。自身初G1勝利を飾ったほか、同年の「中央競馬騎手年間ホープ賞」も受賞している。

 福永騎手と同期だが、年齢違いで77年生まれの和田竜二騎手は22歳から23歳にかけて、テイエムオペラオーとのコンビで当時のG1戦線の主役を張り続け、また88年生まれの浜中俊騎手はデビュー6年目の24歳のときに、年間131勝を挙げてJRA全国リーディングジョッキーに輝いた。

 ちなみにあの武豊騎手が24歳の時は、94年1月に24歳10ヶ月でJRA通算800勝を達成。もちろん現在までの史上最速・最年少記録だが、こちらはちょっと規格外の成績であり、坂井瑠騎手と比較するのは酷かもしれない。

 また引退した騎手の中では、元JRAジョッキー藤田伸二氏はデビュー6年目の96年、フサイチコンコルドに騎乗して若干24歳で日本ダービー(G1)を制覇。これもある意味、比較にならないかもしれないが、早生まれ、遅生まれの関係で1歳程度の“誤差”はあれど、後に大成するジョッキーたちは皆、「24歳前後」で騎手人生のターニングポイントを迎えていたといえるだろう。こうした顔ぶれを見ると、後輩の坂井瑠騎手は今年か来年かのうちに、何かしらの「大仕事」をやってのけるかもしれない。

 今回のフランス遠征だけでなく、過去にはオーストラリアなどでも武者修行を敢行するなど、若いうちから様々な経験を積んできた坂井瑠騎手。今後もその騎乗ぶりから目が離せない、注目の若手騎手であることは間違いない。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

パチンコ40000発狙いの実戦で「大当り消失」のトラブル!?

 現在のパチンコホールは過去に例を見ないほど強力なスペックを持つマシンで溢れている。SanseiR&Dの『P牙狼月虹ノ旅人』などは最たる例だ。

 シリーズお馴染みの魔戒CHANCEは81%ループでフル10R(1500発)という初代『CR牙狼』並みのスペックに加え、時速5万発に迫る出玉スピードを誇る。

 午前中に5万発を獲得しているデータも多数存在。終日では「14万発」というCR機のMAXタイプでもお目にかかれないような記録も報告されている。

 時速といえばニューギンの『Pデビルマン~疾風迅雷~』も見逃せない。ラッシュに突入すれば93%ループの性能で時速4万発を超えるスピード感がセールスポイントだ。

 その他、ブームの先駆けとなった『P大工の源さん超韋駄天』や大ブーム中の『PF 機動戦士ガンダムユニコーン』、神スペックと名高い『P神天才バカボン』など甲乙付けがたいマシンがズラリと並ぶが…。

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 その中でも独特の存在感を放つ新台が存在する。それはアムテックスの『Pうまい棒4500~10500』だ。

 本機は国民的人気駄菓子「うまい棒」とパチンコのコラボマシン。羽根モノタイプだが、その名の通り大当りで4500〜10500発の獲得が可能な一撃性の高いスペックを実現している。

 まず様々な役モノを突破してスタートに入賞すると液晶が変動。液晶は約1/34.3で大当りを抽選しており、当選すれば1500発×3セットの出玉を獲得できる。

 さらに3セット終了後は残保留4個を消化する「おまけチャンス」に突入。「おまけチャンス」は約1/2.2で大当りを抽選しており、最大で合計6000発の出玉が上乗せされる仕組みだ。

 同マシンの威力を知るには「でちゃう!WEBちゃんねる」の『全ツ40000#03【Pうまい棒4500~10500】髭原人&電飾鼻男』をご覧になると分かりやすいかもしれない。

 本動画は「40000発獲得」か「40000発負け」のどちらかを目指す侠気溢れる企画。ギャンブル性の高いマシンを対象とすることが多い傾向があるが、同マシンにピッタリといえる。

 本機の出玉性能も大きな見どころだが、動画後半では電飾鼻男に最大級のトラブルが発生。何と大当りが…。注意喚起の意味も含め見逃せない内容となっている。

 気になる方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

JRA横山武史も「首を傾げた」ウインマリリンの状態不安説……、ファンからは「エリザベス女王杯を回避して」の大合唱!?

 14日、阪神競馬場では3歳以上の牝馬限定G1のエリザベス女王杯(G1)が行われる。今年はG1馬が2頭だけと例年に比べると、やや小粒な印象だ。

 2頭の内訳は今年の大阪杯(G1)覇者レイパパレと秋華賞(G1)覇者のアカイトリノムスメ。『netkeiba.com』の予想オッズ(9日午後現在)では、両者が単勝2倍台のオッズで1番人気を争っている。

 3倍台でこれに続くのがG2・3勝の実績馬ウインマリリン(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。予想4番人気のウインキートスが14倍ほどなので、今年のエリザベス女王杯は上位3頭による3強の様相を呈している。

 重賞勝ち数ではウインマリリンが出走馬で最多。最大の武器は軽快な先行力と牡馬にも負けないスタミナだ。1年前のこのレースでは、先行馬で唯一の掲示板を確保(4着)。先着を許した相手はラッキーライラック、後に有馬記念で2着に入ったサラキア、そして先日ブリーダーズC制覇の快挙を遂げたラヴズオンリーユーの3頭。相手関係を思えば、負けて強しだったといえるだろう。

 今年挙げた2勝(日経賞、オールカマー)も先行力を生かし、どちらも2~3番手から押し切る強い内容だった。さらに春の天皇賞(G1)では強豪牡馬に交じって5着に入り、豊富なスタミナも証明済み。

 距離に不安があるレイパパレ、そして1か月の間に2度目の長距離輸送となるアカイトリノムスメが相手なら1番人気に支持されてもおかしくないが、おそらくそうはならない。それどころか、ウインマリリンはゲートインすらしない可能性もあるという。

「実は天皇賞・春の後、ウインマリリンは右肘の肘腫を切開して縫合する手術を行っています。術後は経過も順調で、秋初戦のオールカマーはレイパパレなどを相手に完勝しました。

前走後は手塚師の口から『手術をしてからパワーアップした』という言葉まで出たのですが、その後に肘の腫れが再発。状態次第ではエリザベス女王杯の回避も視野に入れていたと聞いています」(競馬誌ライター)

 1週前追い切りでは僚馬のマイネルファンロンに1馬身半も遅れるなど、その動きは騎乗した横山武史騎手も首を傾げるほど悪かったという。

「手塚師からは『一旦休ませて有馬記念という選択肢も……』という言葉があったようですが、メンバー的にもやはりエリザベス女王杯の方が勝つ可能性は高く、症状の悪化がなければ今週末に出走させる方向のようです。有馬記念に向かうとなると、エフフォーリアに騎乗する横山武騎手も乗れませんからね。そういう事情もあるかもしれません」(同)

 決して得意とはいえない関西への輸送も控えるなか、Twitterや掲示板などでは「無理な出走はやめて」、「回避して」、「関西圏では結果も出てないし、ここは回避で」などウインマリリンを心配するファンの切実な声も多々あがっている。

 有馬記念が無理なら、ウインブライトでノウハウもある香港行きという選択肢もあったかもしれない。しかし、10月中旬にすでに登録は締め切られていて、これも時すでに遅し。

 10日に予定されている最終追い切りで不安を払拭し、このまま出走するのか。それとも大事をとって回避という決断をするのか。陣営の判断やいかに。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

北朝鮮・金総書記、父と祖父の銅像撤去を開始…金日成と同じ称号「首領」使用へ

 マルクス・レーニン以来、これまでの世界の共産主義社会でも唯一、最高指導者の世襲制をとっている北朝鮮で、3代目の金正恩朝鮮労働党総書記が、創始者の金日成主席や2代目の金正日総書記の銅像や絵画などのシンボルを街なかから撤去し始めていることが明らかになった。

 また、金正恩氏は金正日総書記があえて侵さなかったタブーともいえる金日成主席の称号「首領」を冠し、「金正恩主義」を浸透させようとしていることも判明した。これは金正恩氏が初代と2代の「遺訓統治」から脱却し、21世紀の北朝鮮の最高指導者として自らの権威を高め、権力基盤固めに入っていることを示しているようだ。

金ロイヤルファミリーへの人格崇拝

 北朝鮮の金ロイヤルファミリーを取り巻く人格崇拝は、50年以上にわたって北朝鮮の社会や文化を支配してきた。北朝鮮には、金正恩氏の祖父である金日成氏(1948~94年まで統治)と、父である金正日氏(94年から死去した2011年まで統治)の記念碑が数多く存在する。

 共産主義世界で唯一の世襲指導者であり、神のような地位を得ていた2人の肖像は、あらゆる建物や家の壁に飾られており、彼らの革命的な功績を描いた壮大な壁画は、人口2500万人の国のほぼすべての主要な町や都市で見ることができる。2人が数時間だけ訪れた場所でさえ、今の日を記念した碑やミニ博物館が建設されている。

 ところが、首都・平壌の風光明媚な一等地にある普通(ポトン)江を望む高台の一角の、かつての金日成一家の豪華な邸宅が建設されていた跡地に、金正恩氏の命令で幹部用の大型高級マンションが建設されている。かつての邸宅は1950~53年の朝鮮戦争で破壊された後に再建され、金日成氏らが50年代から77年に錦繍山(クムスサン)太陽宮殿に移るまで20年以上もの間、住んでいたもので、韓国の聯合ニュースによると、2009年に破壊された後、新しい高級マンションの建設が始まるまで、この場所は空き地になっていたという。

 ある住民は米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」の取材に対して、次のように語っている。

「多くの人々は、なぜ金日成主席の長年の住居を高級住宅地に変えようとしているのか理解できない。私の知る限り、この邸宅は金日成氏がもっとも長く住んでいた場所で、北朝鮮の歴史的にも非常に重要な場所だ。それだけに、多くの住民は『いずれ博物館でも建つのではないか』と言っていたのだが、それが高級マンションだとは想像もつかなかった。この歴史的な場所にマンションを建てることが重要なのかどうか、本当に疑問だ」

 また、ある情報筋はRFAに「建国者の旧居の上に建設されている住宅開発は、金正恩氏が祖父の重要性を軽視している数多くの例のひとつにすぎない」と憤りを隠していない。この情報筋によると、金正恩氏が建設を指示した平壌の新しい総合病院も同様の批判を受けている。巨大な構造物が、革命の地である万寿台の丘と労働党創立記念碑の間の見通しを妨げているからだ。万寿台の丘には、金日成氏と金正恩氏の20メートルの銅像があり、太東江を挟んで対岸の万寿台の丘から見えるように、金槌、鎌、筆などの像が建てられている。この情報筋は「景色の真ん中に病院が建ってしまったので、平壌の景色は意味がなくなってしまった」と語っている。

 さらに、金一族の名前を冠した建物が、意味不明のまま改名された例もある。金亨稷氏は金日成氏の父親であり、金春秋氏は1910年から45年まで朝鮮半島を植民地化していた日本と戦ったゲリラで後に北朝鮮の副大統領になった人物だが、かつての「金亨稷軍医大学」が、今は「金春秋陸軍医科大学」と改名されている。

 このほか、金日成氏の叔父である金亨権と弟の金哲柱の名前を冠した研究所も同様に改名されたものの、建国者とその最初の妻である金正淑の名前を冠した研究所は変更されていない。金正恩氏もさすがに祖母の名前は消しがたいのだろうか。ただ、現存する「金亨稷師範大学」や「金哲柱師範大学」「金輔鉉大学(金日成の祖父にちなんだ名前)」の改名も間近かもしれないとRFAは報じている。

 また、同筋は「数年前、万寿台創作社の正門の看板に描かれていた『3大将軍』の肖像画まで消えてしまい、多くの人が困惑していた」と語っている。「3大将軍」とはゲリラ時代の金日成氏とその妻、さらに金正日氏の子供時代の3人を指すという。これとは別に、朝鮮労働党本部の会議場から金日成・金正日両氏の写真が撤去されていることも確認されている。

絶対的な権力固め

 RFAはこのような変化について、「最高指導者の許可なしに、これらの陸軍士官学校などから指導者一族の名前を削ったり、党の会議場から肖像画を運び去ることは絶対に不可能である。非常にゆっくりと、しかし巧みに先代と先々代の痕跡を消し去っている。孫は通常、父や祖父を忘れたくないと思い、その遺産をしっかりと育てようとするのが普通だが、今行われていることは本当に驚きであり、不思議なことだ」との市民の話を伝えている。

 その一方で、北朝鮮の複数の国営メディアが10月、金正恩氏に「首領」という称号をつけて報じていたことや、「金正恩主義」という言葉を初めて使っていたこともわかっている。22日付の労働新聞の論説では金正恩氏に「首領」という言葉が3回使われている。「革命の傑出した首領であられ、人民の偉大な親であられる敬愛する金正恩同志」「またもうひとりの偉大な首領」「敬愛する総書記同志を革命の偉大な首領に」などだ。北朝鮮で「首領」といえば、金日成氏だけに許された称号であり、金正日氏も存命中は使っていない。その死後、ようやく「先代の首領」という称号が付けられたほどだ。

 これについて韓国の情報機関である国家情報院は、権力掌握から10年を迎えた金正恩氏が統治への自信から自らを祖父と同じ地位に「自分で」引き上げ、自ら金日成主席と同列に並び、絶対的な権力固めに入ったと分析している。

(取材・文=相馬勝/ジャーナリスト)

●相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は『中国共産党に消された人々』(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、『中国軍300万人次の戦争』(講談社)、『ハーバード大学で日本はこう教えられている』(新潮社刊)、『習近平の「反日計画」―中国「機密文書」に記された危険な野望』(小学館刊)など多数。