次に狙うはJRAエリザベス女王杯!? ブリーダーズカップ2勝のノーザンファーム。レイパパレ、アカイトリノムスメの裏事情に迫る

●25年目の快挙

 日本競馬に新しい歴史が加わった。11月6日から7日にかけてアメリカで行われた競馬の祭典「ブリーダーズC」にて、JRAの矢作芳人厩舎所属ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌが勝利したのだ。日本調教馬がブリーダーズCに初挑戦してから25年目の快挙であり、歴史的偉業の瞬間だ。この2頭を生産したのは日本を代表するブリーダーのノーザンファーム。ディープインパクトやソダシなどの活躍馬を生産し、今や日本競馬を席巻する存在だが、この秋も当然のことながら絶好調。スプリンターズSをピクシーナイトが勝利し、秋華賞はアカイトリノムスメ、天皇賞(秋)もエフフォーリアとこの秋すでにG1レースを3勝。このブリーダーズCで新たな勲章が加わったのである。しかし彼らの快進撃はまだ止まらない。今週のエリザベス女王杯にも多くの有力馬と穴馬候補が出走するのだ。

 今回出走する中では、大阪杯(G1)でコントレイル、グランアレグリア、サリオスを破ったレイパパレが実績的に1歩リード。鞍上もリーディング争いで1位を独走するC.ルメール騎手なら万全といっていい。さらに秋華賞でソダシらを破ったアカイトリノムスメも上位人気確実の一頭。そして人気薄組としては良血クラヴェル、重賞2勝のテルツェットといった面々が出走を予定している。人気馬も穴馬も豊富、やはり今年のエリザベス女王杯はノーザンファームが中心で、場合によっては上位を独占する可能性もある。そしてもし生産馬が勝利すれば、来週のマイルCSにはグランアレグリアやインディチャンプ、再来週のジャパンCには日本ダービー馬シャフリヤールやマカヒキといった実績馬が出走を予定していることもあり、クロノジェネシスやエフフォーリアが出走を予定している年末の有馬記念まで、ノンストップでG1を連勝するかもしれない。それほどの勢いを感じさせる。

 しかし競馬は何が起こるかわからない。秋華賞でもソダシが敗退したし、菊花賞もタイトルホルダーがまさかの逃げ切り勝ちを飾った。しかもこのエリザベス女王杯は過去にノーザンファームが送り込んだ一番人気馬が多く敗退。その中にはブエナビスタやラヴズオンリーユーといった実力馬がいるのだから、どんな結末となっても驚けない。するとこのエリザベス女王杯には、マスコミもノーマークの人気薄穴馬が出走するという裏事情を耳にした。その情報を教えてくれたのが、競馬情報のプロ集団マスターズだ。

 マスターズは競馬界にとって重要な要素である「馬主・調教師・騎手」の三大要素を把握しているが、これらの要素に対して大きな影響力を持つのがノーザンファームだ。今や競馬界で一強とも言える存在のノーザンファームは、彼らにとっても絶対的な存在。言い換えれば、馬主・調教師・騎手の情報を把握していれば、ノーザンファームの思惑や狙い、そして本音も見えてくるのだ。

●マスターズの衝撃的な実力

 このエリザベス女王杯も、ノーザンファームのアカイトリノムスメとレイパパレが中心なのは間違いない。しかしレースはノーザンファーム以外の馬も10頭以上いるわけで、全体的な情報を把握する必要がある。しかし「馬主・調教師・騎手」の三大要素を把握するマスターズにとって、その不安は皆無。すべての出走馬に関する情報を入手できるのだから、これ以上頼りになる存在はあるまい。実際に過去に的中させたいくつかのレースを振り返ってみよう。

 エリザベス女王杯の中では2014年のレースが興味深い。このレースは1番人気ヌーヴォレコルトではなく、3番人気で勝利した格下馬ラキシスを本命に指名。当時マスターズが把握していたのは

「有力馬はほとんど差し、追い込みで、展開も向くだろうし、最内枠で、乗り慣れた川田で、得意の2200mならば、馬券圏内は確実といったところ。さらに今の状態なら勝利も可能」

 という内容で確信に近い本命だったようだ。さらに3着は穴馬ディアデラマドレが入線し、3連単1万5570円の万馬券を見事的中させた。もちろん他にも多くのレースを的中させているが、今年でいえば6月に的中させた鳴尾記念(G3)の3連単63万5640円のインパクトが凄すぎる。重賞で63万馬券の的中など、競馬ファンはもちろんほとんどの競馬記者でもまず見られない光景。それを難なくやってのけるのだから、マスターズが把握する「馬主・調教師・騎手」の三大要素が、いかに価値があるかわかるだろう。

●エリザベス女王杯の穴馬

 当然今週行われるエリザベス女王杯も期待は“大”だ。マスターズは「馬主・調教師・騎手」に特化したセクションがあり、さらに「牝馬の達人」「重賞の達人」「阪神コースの達人」と呼ばれるその道のスペシャリストが在籍。そんなプロフェッショナルが見つけたエリザベス女王杯の「穴馬」は必見。前哨戦のオールカマー(G2)は、エリザベス女王杯にも出走するレイパパレ、ウインマリリン、ウインキートス、ロザムール、ランブリングアレーといった馬が出走していたが、勝ったウインマリリンを本命に3連単2万1980円などを完全的中させている。この実績だけでも、エリザベス女王杯に出走する各馬の力関係を正確に把握しているといえよう。そしてマスターズでは、このエリザベス女王杯はオールカマー以上の手応えと自信があるという。それほどまでの情報を独占的に把握しているのだ。

 今回彼らが把握している穴馬は、レース当日まで詳細の公開は不可能とのこと。しかしこの情報を知ることができれば、誰もがその情報を使って馬券を買ってみたいと思うはず。なんと幸運なことに、今週はその情報を誰もが、しかも無料で入手できるのである。マスターズは、このエリザベス女王杯情報を無料で提供すると発表したのだ。その内容は【馬主・厩舎・騎手の情報で絞り込んだ馬連3点勝負】というもの。少ない資金でも的中の醍醐味が味わえ、しかも配当妙味もあるというのだからこれは見逃せない。今週のエリザベス女王杯はこの無料情報を活用し、次週以降のマイルCSやジャパンCに向けて弾みを付けようではないか。

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※本稿はPR記事です。

JRAマイルCS(G1)グランアレグリア「ルメール酷評」中2週をなぜ繰り返すのか。集大成の完敗と「16連勝」香港マイル界の絶対王者の存在

 21日に阪神競馬場で行われるマイルCS(G1)は、非常に見どころのあるレースになりそうだ。

 当初、春のマイル王ダノンキングリーが出走を見送ったことで、若き3歳マイル王シュネルマイスターの独壇場になると思われた。しかし、ここに電撃参戦を表明したのが、G1・5勝を誇る女王グランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 前走の天皇賞・秋(G1)では皐月賞馬エフフォーリア、昨年の三冠馬コントレイルと3強を形成したグランアレグリア。マイル女王の2000m挑戦は3着完敗に終わったものの、歴史的な名勝負は多くのファンの胸を打った。

 今秋の大目標……いや、キャリアの集大成とさえ位置付けられていた一戦で敗れてしまったグランアレグリア。その去就も含め、傷心の女王の「今後」が注目されていたが、陣営が選択したのは連覇の懸かった秋のマイル王決定戦だった。

 無論、選択肢の1つに挙がって然るべきマイルCS挑戦。だが、一部の関係者の間では早くも不安説が飛び交っているようだ。

「5歳秋でキャリア14戦と、元々しっかりと間隔を取って大事に使われてきた馬。中2週の競馬は今春のヴィクトリアマイル(G1)→安田記念(G1)で初めて経験しましたが、最後はダノンキングリーに足をすくわれました。

レースの結果こそ、上がり最速の2着と女王の貫禄は示しましたが、主戦のC.ルメール騎手からは『手応えが前回(ヴィクトリアマイル)と全く違った』『呼吸的にも苦しそうだった』『直線の反応も普段より遅かった』と散々なもの……。明らかに中2週の影響が出たのではないかと推測されていただけに、今回陣営が再び中2週を選択したのは少し意外でしたね」(競馬記者)

 今年6月の安田記念では2着に敗れたものの、上がり3ハロン32.9秒の鬼脚を見せたグランアレグリア。勝ったダノンキングリーとは、わずかアタマ差だっただけに負けてなお強しという印象だった。

 しかし当時、半馬身+クビ差の4着馬だったインディチャンプは、3月の高松宮記念(G1)から十分な間隔を取った昨年の安田記念で約3馬身ぶっちぎった馬。そう考えると記者の言葉通り、やはり中2週が影響したのかもしれない。

 また、今回のグランアレグリアには別の不安要素もあるようだ。

「実は天皇賞・秋の敗戦の後、右前脚の蹄に痛みが出たとのことです。現在は処置を行って問題ないとのことですが、それだけに中2週のマイルCS参戦には驚きました。

グランアレグリアには、すでに登録を行っていた12月の香港(香港マイルor香港C)という選択肢もあったはず。時間が最大の良薬とも言われる蹄に不安が出た以上、年内に使っても香港が濃厚だと思っていたのですが……」(別の記者)

 なお、グランアレグリア陣営はマイルCS挑戦と同時に、香港へは遠征しないことも発表している。一部の報道では「蹄の状態と歩様のケアを考慮して国内に専念する」とのことだが、では何故中2週でレースに使うのかが、そもそもの疑問だろう。

「グランアレグリアは香港Cと香港マイルに登録していましたが、2000mの天皇賞・秋で完敗を喫した以上、仮に遠征したとすればマイル一択だったでしょう。

しかし実は今、香港のマイル界には16連勝中のゴールデンシックスティという絶対王者が君臨しています。

昨年の香港マイルでも日本のアドマイヤマーズらをまったく寄せ付けずに完勝。今年も地元の期待を背負った大本命馬になるでしょうし、仮にグランアレグリアが出走していたとしても、大きな壁になったことは間違いないでしょうね。陣営のマイルCS選択は、香港のマイル王との激突を避けたようにも見えます」(同)

『スポーツ報知』に取材に「香港は(アクシデントがあった)爪のチェックとかが厳しいから」と、マイルCS挑戦の意図を語った藤沢和調教師。果たして、中2週強行軍の“本音”はどこにあるのかーー。女王グランアレグリアの最終章が、いよいよ幕を開けようとしている。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

日本郵便、経営危機の足音…ゆうちょ・かんぽからの8千億円の“補給金”が命綱

 政府は日本郵政株を追加売却した。売却価格は1株820.6円。10月25日の終値(837.4円)から2%割り引いた価格とした。売却株式数は10億2747万株で、国内で75%、海外で25%売り切った。証券会社に支払う手数料を差し引き8367億円を確保した。政府による日本郵政株の売却は3回目で、すべて東日本大震災の復興財源に充てる。

 郵政株の約60%を持つ政府は総株数の約27%を売り出した。出資比率は郵政民営化法で義務付けられた株式数の3分の1の33%まで下がった。政府は2013年に郵政株の売却で計約4兆円の復興財源を確保する計画を立てており、これまでの2回の売却で3兆円超を確保している。現在の総株数で9500億円を確保するには1株920円程度で売却する必要があったが、想定していた株価を下回ったため、政府は日本郵政株の追加放出で、残り1000億円程度を確保する可能性がある。

 3回目の売却までの道程は厳しかった。傘下のかんぽ生命保険の不正契約問題の発覚で郵政株は下落。今回の売り出し価格は2015年の上場時(1400円)や、17年の売却時(1322円)を大きく下回った。日本郵政の株価は上場来高値1999円(15年)を一度も超えていない。

 日本郵政は政府の売却完了後に1000億円を上限とする自社株買いを実施する。買い入れた株は消却する方針だ。株価維持策であると同時に、消却で総株式数が減れば、政府が追加で持ち株を売却する余地が広がるためだ。

金融2社からの8600億円の業務委託手数料が生命線

 2007年10月の郵政民営化から14年。第3次となる今回の売却で国の出資比率は法定の下限の3分の1の33%まで下がり、大きな節目を迎えた。完全民営化に向けたプロセスが表向きは進んだかたちだが、日本郵政の完全子会社の日本郵便と、グループ金融子会社の、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険はビジネスモデルの転換が遅れ、成長戦略を描けていないのが実情だ。政府による日本郵政の株式の売却が一段落したら、金融2社の株式の売り出しを本格化させるという筋書き通りには進んでいない。

 国際物流の強化に向け、オーストラリア企業の買収で巨額の減損損失を出した。19年夏にはかんぽ生命の不正契約問題が発覚しグループ全体で成長戦略の見直しを迫られた。日本郵政はゆうちょ銀株の約9割、かんぽ生命株の5割弱を保有したままだ。八方ふさがりで売るに売れない状態なのである。

 祖業である郵便事業は郵便の取扱量の減少という逆風にさらされ続け、慢性的な赤字体質から脱却できない。それでも経営が成り立ってきたのは、全国2万4000の郵便局を通じて業務を委託する金融2社から年間計8600億円超の業務委託手数料を受け取ってきたからだ。

 支店の絶対数の少ない金融2社は日本郵便が持つ郵便局を営業基盤とする一方、日本郵便は2社から得る委託手数料を収益源とする。日本郵政の主要子会社3社が相互に依存する構図に変わりはない。近年はむしろグループの一体性を重視する動きが強まっているとの指摘があるくらいだ。

 郵政民営化法は日本郵政に対して金融2社の株式の売却を求めているが、資本関係が希薄になれば、日本郵便に対する“補給金”は減る。収益源を失った日本郵便は一気に経営危機に陥る。2012年、民主党政権下で成立した改正郵政民営化法では、郵便局にユニバーサルサービスの提供を義務付けた。

 全国津々浦々に行き渡っている2万4000の郵便局のネットワークを維持するという至上命題があるわけだが、金融2社と日本郵便の関係が希薄になれば砂上の楼閣となる。民営化法が定める「できるだけ早期に金融2社の(株式の)完全売却」は、すでに絵に描いた餅と化している。

 日本郵便は金融2社への依存度を軽減できるような経営基盤をどうやって築くのか。日本郵便が金融界から新たなパートナーを見つけることなど「事実上不可能」(日本郵政の元幹部)との見方もある。

 かんぽ生命の不正契約問題を受けた経営刷新で、20年1月、元総務相の増田寛也氏が日本郵政の社長に就任した。2025年度までの中期経営計画で金融2社の株式の保有比率を50%以下に引き下げる方針を打ち出したが、売却には「(郵便局の)ユニバーサルサービスに影響が出ないこと」などという付帯条件がついている。

 改正郵政民営化法は現政権の自民、公明両党も合意のうえでつくられた経緯がある。全国郵便局長会の支援を得る与党に改正法を見直す機運はない。この法律の採決で反対票を投じ、官房長官時代に金融庁と足並みを揃えて郵政の経営改革を後押ししてきた菅義偉氏は権力の座から降りた。

打開するにはパワーのある経営者が必要

 日本郵政は楽天グループに約1500億円出資し、資本業務提携した。3月末に第三者割当増資を引き受け、日本郵政は楽天の第4位の株主(出資比率約8.3%)に浮上した。

 楽天モバイルの販促や基地局の設置に全国の郵便局網の活用が盛り込まれ、楽天側のメリットばかりが今は目立つ。明確な成長戦略を描けない日本郵政が「楽天に抱きついた」(アナリスト)と株式市場は冷ややかに見ている。楽天市場向けの宅配(ゆうパック)が伸びるくらいでは、日本郵政グループは「もとがとれない」(同)。

 日本郵政によるかんぽ生命の持ち株比率は21年5月に50%を切った。新規業務の認可は届け出制に変わった。計画通り進めば、数年以内にゆうちょ銀の保有比率も5割を下回る。

 金融2社株の売却の具体的な道筋を示すことができるかどうかで、郵政民営化のゴールは変わってくる。金融2社はマイナス金利下、稼ぐ力が相当落ちている。全国銀行協会は9月、「完全民営化への道筋が示されていない」と、かんぽ生命の届け出制移行についても「慎重な対応を求める」との意見書を出した。「民業圧迫」の批判が根強くある一方で、新規事業への進出に関して手足を縛られている状態が収益改善の足カセになってきたことは否定できない。

 郵政グループだけの問題とはせず、政治も行政も「完全民営化への道筋をどうするか」について真剣に議論しなければならない時期にさしかかった。ピーク時の半分にも届かない株価が郵政グループの先行きの厳しさを映し出す鏡となっている。

 成功体験を持ったパワーのある経営者に代わらないと日本郵政グループの明日はないのかもしれない。

(文=編集部)

成果の出るDXに不可欠なマーケティング×システムの視点とは

電通、電通国際情報サービス(ISID)、電通デジタルの3社は、2021年6月に理想の顧客体験を実現するためのマーケティングシステム実装を推進するソリューション「DX診断forシステム」(リリースはこちら)の提供を開始しました。

DX診断forシステム3社鼎談_図表1

これは、以下のような企業を対象として、自社DXの“現在地”を明らかにし、次の一歩につなげていく方法をマーケティング戦略とシステムの両面から診断、提示していくものです。

  • BtoC型のビジネスモデルで、顧客向けのデジタル施策や顧客データの活用に課題を感じている
  • 顧客接点となるチャネルはECサイト、アプリ、メール、コールセンター、店舗など
  • ある程度のシステム投資をしているが、システムの個別最適化が進んで全体像が不明確になっている

第3回記事では、本サービスが生まれた背景と内容についてお伝えしましたが、今回は開発を手掛けた電通の倉岡正和氏、ISIDの宗宮大輔氏、電通デジタルの齊藤寛樹氏が鼎談。DX推進にあたり、マーケティングとシステムを掛け合わせる重要性について語り合いました。

DX診断forシステム3社鼎談_リード下画像

電通:数多くの企業と事業戦略やマーケ戦略、ブランド戦略までを俯瞰したプロジェクトに取り組み、マーケティングに精通するだけでなく、クライアントのビジネスについても幅広い知見を持つ。

ISID:金融、製造、企業経営など幅広い領域で専門特化した業務のシステム構築実績を持つIT企業。マーケティング領域においても、電通グループならではの知見を強みとした、サービス/ソリューションを開発し提供している。

電通デジタル:デジタル広告とCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)を融合したサービスから始まり、現在では「人とデータ」を基点とした、企業のビジネスモデル変革や最適なマーケティングシステム・データ環境の提案など、デジタルが関わる全領域でサービスを提供。マーケティングの構想力と運用力、そして領域をまたいだ統合力を強みに、企業のDXをワンストップ体制で支援している。

目次
マーケティングとシステム、両方を知る3社が交ざり合って開発
DX加速で「まずツール導入」の罠。個別最適化が進むシステムの橋渡しができる診断に
スモールスタートからの段階的な改善が、マーケティングシステム構築のポイント
“企業ビジネス理解”ד豊富なシステム知見”のワンチーム対応が支えに! ファイターズスポーツ&エンターテイメント事例
改正個人情報保護法への対応やシステム未導入企業にも柔軟に対応したい

 

マーケティングとシステム、両方を知る3社が交ざり合って開発

──「DX診断 for システム」の開発における各社の役割を教えてください。

倉岡:電通は、クライアントがどんな事業・マーケティング戦略を持ち、そのために必要なシステムはどんなものかを、ビジネス寄りの視点で考える役割でした。日ごろからお取引があり、当社が事業やマーケティング戦略を理解できているクライアントであれば、社内のクライアント担当チームと連携しながら診断できることも強みです。

宗宮:ISIDは、プロジェクトマネージメントを含めてシステムの構築ができ、マーケティングソリューションにも精通している部分に評価をいただいています。トータルで関われるところがアドバンテージではありますが、今回の「DX診断 for システム」開発においては、マーケティングDXを実践するうえでのシステムデザインが主な役割でした。

齊藤:電通デジタルは、マーケティング施策のプランニングやAI・機械学習を用いたデータマネージメント領域 がメインの担当です。マーケティングシステムは作ったら終わりではなく、導入後に“always on”で運用していくことが非常に大切。アジャイル思考で、現状システムの状況を踏まえ、事業をいかに成長させていくのかの提案も含めて総合的に対応できるところが、当社の強みの一つでもあります。

宗宮:今回電通グループ3社で組んでいるメリットの一つは、各社が相互理解をしながら交ざり合って取り組める点です。この3社ですと、例えば齊藤さんはシステム・マーケティングの両方に精通しているし、倉岡さんはビジネス視点を軸としながらシステムにも詳しい。完全な分業ではなく、各自が診断に必要な知見を両方備えていて、分かり合えることがプラスに働いていると感じます。

DX診断forシステム3社鼎談_図表2

DX加速で「まずツール導入」の罠。個別最適化が進むシステムの橋渡しができる診断に

──開発にあたり、特に大事にした視点はどんなところですか?

倉岡:先ほど齊藤さんのお話にもあったように、マーケティングシステムは本来、導入後にブラッシュアップを重ねていくことが大切です。クライアントにとって本当にプラスになるのは、ビジネスにおいて成果が出るシステムですから。

そう考えると、マーケティング視点を抜きにしてシステムを診断しても、よい結果や提案にはつながりません。そこで、「DX診断 for システム」はクライアントの事業・マーケティング戦略を踏まえ、システムのPDCAを回していくことを前提として開発しました。

齊藤:もう一つの課題として、現在DXへの取り組みが加速する中で、まずはツールを導入することが目的になってしまっている企業が増えていることが挙げられます。そして各部署がそれぞれにツールを導入していった結果、個別最適化が発生し、分断が起こっている。A部署とB部署で同じ機能を持つ別々のシステムが導入され、後でデータの共有や、システム連携をしようとしても、ツールや仕様が異なるからできないといった状態ですね。その結果、顧客体験の提供に影響が及ぶことがあります。

宗宮:そこで、クライアントのマーケティング部門とシステム部門の双方が、診断を通してきちんと自社システムの状況を理解でき、納得できることが大事だと考えました。この2部門は、DXの重要性が増すにつれてそれぞれの専門性が高まる一方で、DXの推進・加速にあたっては組織の垣根が非常にあいまいになっている。診断を通して、部門間の橋渡しができるようなソリューションになることも大事にしました。

スモールスタートからの段階的な改善が、マーケティングシステム構築のポイント

──「DX診断 for システム」自体の強み・ポイントも開発の視点と同じところにあると考えてよいでしょうか。

倉岡:マーケティングとシステムの2つをバランスよく見て、顧客ごとの具体的な施策を提示できるところが優位性だと考えています。例えばこのソリューションでは、診断結果のアウトプットの一つとしてカスタマージャーニーを提示しています。

齊藤:カスタマージャーニー提示の目的としては、企業ごとの「顧客」つまり一般コンシューマーの目線に合わせ、彼らと最適なコミュニケーションを取れるシステムにしていくことがあります。そのために、クライアントの中で自社の「顧客」が何者かを共通化できる診断になっていることが大切だと考えました。
またPDCAを回していくという意味では、アジャイル型の思考を用いて、診断結果から次の施策の実行までを早急化する視点で考え、提示していることもポイントです。

宗宮:診断後のシステム開発面のアウトプットとして、スケジュール仮説を用意しているのですが、そこでもアジャイル思考の段階的な成長ステップを提案していますね。

DX診断forシステム3社鼎談_図表3DX診断forシステム3社鼎談_図表4

齊藤:マーケティング領域では次々と新しいツールが登場していますし、そもそも3年かけて計画を立て、やっと開発に着手するような基幹システムとは違います。進化するテクノロジーをどんどん取り込んで開発や改善を考える必要がありますから。

宗宮:そうですね。マーケティングシステムは、スモールスタートで顧客体験を作っていきながら、効果が出る部分を優先的に改善していくようなアプローチで効果があがっていきます。開発シナリオ上も、そういった“成長性”のようなものを大切にし、診断結果を出しています。

“企業ビジネス理解”ד豊富なシステム知見”のワンチーム対応が支えに! ファイターズスポーツ&エンターテイメント事例

──すでにファイターズスポーツ&エンターテイメントが同診断を受けられたと聞いています。その際の反応やフィードバックはいかがでしたか?

倉岡:ファイターズスポーツ&エンターテイメントさんの場合も、マーケティングの部門と情報システムの部門に診断を受けていただきました。診断を受けるきっかけになった課題感として、次のようなコメントを頂いています。

球団にとってファンクラブ、チケット販売、グッズ販売はビジネスにおいて重要な要素。それらを下支えするDMP(データマネージメントプラットフォーム)、BI(※1)ツールを5年前に導入しました。複数のデータベースにそれぞれデータを蓄積しながら、DMPに集約してきたものの、スピーディにPDCAを回すことを前提としたデータ管理、分析体系になっていないことに課題を感じていました。

具体的には、メール配信や分析をする際に、都度ローカルでデータをつなぎ合わせるといった運用をしていたことで、オペレーションが複雑化。人的なデータ加工作業リスクの発生、外部ベンダーへのデータ抽出依頼が発生し、非効率な状態に陥っていました(ファイターズスポーツ&エンターテイメントご担当者様)

「DX診断 for システム」を受けたことにより、2部門がこのシステムの客観的評価や“現在地”を知るきっかけにしていただけたようです。また、診断を通して得られた発見についてお聞きしたところ、次のようなプラスの評価を頂けました。

課題を抱えていたDMPによるデータ管理を中心にデータ活用状況についての客観的な評価を頂き、マーケティングシステムにおける当社の現在地を改めて認識することができました。
6つの診断結果を通して具体的なシステム改善案、開発ステップ仮説やおおまかな予算感、球団の将来を見据えたシステム構成像を頂いたことも今後の推進計画策定に役立ちました。球団、球団周辺のビジネスを理解している電通とシステム知見豊富なISIDがワンチームで対応してくれたので、助かりました。(ファイターズスポーツ&エンターテイメントご担当者様)

──電通が同社のビジネス戦略を理解していることについても言及されていますが、そのほかにこの事例でプラスになったと感じたことはありますか。

倉岡:システムを使ってお客さまにどんな顧客体験を提供するかが要ですから、そこはやはり診断を受けた両部門で詰めていく必要があります。先ほど話題に上がったカスタマージャーニーを併せて提示したことで、診断結果を双方により理解いただけたように感じています。

宗宮:システムの改修でも、途中で目的を見失い「リニューアルすることが大事」となるケースが多くあります。今回、診断結果の説明などを担当しましたが、「こういう顧客体験のためにする」という起点をぶらさずに進められたのがよかったのではないでしょうか。

※1 BI(ビジネスインテリジェンス)
ビジネス分析やデータツール、ベストプラクティスなどを組み合わせて、組織がよりデータに基づいた経営上の意思決定などをできるよう支援する手法や技術のこと。
 

改正個人情報保護法への対応やシステム未導入企業にも柔軟に対応したい

──今後の展望についてお聞かせください。

齊藤:グループとしては、Cookieフリー(※2)の流れを受けて、将来的に広告側のメガプラットフォーマーとの接続(データクリーンルーム※3)も踏まえたうえで診断を進めていけるようにしたいと考えています。そこをうまく組み合わせてマーケティングを考えられると、データの価値をさらに高め、クライアントにとっても有用なシステムにつながると思います。

倉岡:「DX診断 for システム」の診断対象に業界のくくりはありません。
最近はナショナル企業にもDX推進の専門組織が立ち上がっています。そういった組織のメンバーが自社のマーケティング基盤状況が分からないときや、2022年の4月に予定されている改正個人情報保護法の施行に伴いマーケティングシステムへの影響や制約に悩んでいる企業、またはこれからシステムを構築・導入したい、RFP(※4)作りをサポートしてほしいというケースももちろん受けられます。ぜひお気軽に相談ください。

※2 Cookieフリー
個人情報保護の観点から、ブラウザにWebサイトの閲覧履歴を保存する「クッキー(Cookie)」での情報の取得や利用が制限される動きのこと。
 
※3 データクリーンルーム
プライバシーを保護しながら、マーケティングの継続的なPDCAを実現させるデータ基盤。生活者個人を特定することなく、企業がデータの統合や分析のためにアクセスできる。
 
※4 RFP(Request for Proposal)
システム検討や導入の際、発注側がシステムベンダーや開発者に対して、システムの概要、必要な技術的要件やそのシステムで実現したい業務、納期などを示す「提案依頼書」のこと。
 
【お問い合わせ先】
DX診断 for システムチーム dx.for.system@dentsu.co.jp

 

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50代シングル、仕事以外のコミュニティ無所属は人生最大のリスク…4つの打開策

 50代シングルの「明るい将来」を実現するためのポイントは、次の5つだ。

(1)住まいを確保する

(2)長く働く

(3)投資をする

(4)コミュニティ(地元仲間)をつくる

(5)専門家の助けを借りる

(1)の住まいを確保するは、「持ち家組」がやること「賃貸組」がやっておくことにまとめた。(2)の長く働くは、こちら。(3)投資は、こちら。復習してほしい。今日は、(4)のコミュニティを考える。

あなたは、どんなコミュニティに入ってる?

 シングルのあなた。仕事関係以外、どんなコミュニティに入ってますか? 会社の外に友だちいますか? たとえばコロナに感染したときに毎朝夕電話してくれ、食事や必要なものを自宅の玄関前まで届けてくれる友だち。気持ちがまいってしまったとき、経済的に行き詰まったとき、本音で相談できる友だち。

 アメリカに数年住んだことがある。最初は知り合いは家族だけ。当初2年は無職だったので、仕事で人と知り合えない。それでも友だちができた。コミュニティがあったおかげだ。地元の教会に毎週末、通った。その教会を見つけるのに半年以上かかった。教会によって、集まっている人たちや雰囲気がちがうのだ。私が落ち着いたのは、ゴスペルの賛美がすばらしいブラック・チャーチ。アフリカン・アメリカンの教会。私たち家族だけが非黒人だったが、差別なく迎え入れてくれた。

 料理を持ち寄って昼食会、地域の貧しい人に食料を分けるフードパントリー、資金集めと健康づくりを兼ねた5キロマラソン、公園でのバーベキュー、子どもたちのお泊まり会など、いろいろなイベントがあった。中流より貧しい人が多かった。シングルマザーがたくさんいた。性別、年齢、ライフスタイルを超えて、助け合っていたのが印象的だ。子どもを預かりあう。高齢者の家を修理する。家族を埋葬する費用がない家庭のために寄付を募る。葬式はもちろん教会で。困ったとき、悩んだときに相談に乗ってくれ、アドバイスをくれた。

 小さな日本人会もあった。お節料理を持ち寄る新年会は楽しかった。子どもの教育はどの家庭も共通の悩みだった。家庭に招きあって家族ぐるみで付き合った。趣味の太極拳で、中国人コミュニティにも入れてもらった。海の向こうでは日本と中国がいがみ合っていたけど、みんな親切だった。出し物をして中国の新年を祝い、INDY500ではダウンタウンで太極拳を披露した。アジア人がアメリカで暮らすための知恵を教えてくれた。

 散歩の途中、雨宿りさせてもらって、近所のバングラデシュ人ファミリーと仲良くなった。感謝祭や誕生日を一緒に祝った。

 日本に帰って気がついた。あれ、コミュニティがない、地元の仲間の集まりがない。

家族の枠を超えて付き合える、助け合える人間関係をつくろう

 40~50代シングルの相談を受けることが多い。もちろん現役。バリバリ働く仕事中心の生活。健康維持のためにジムに通う人もいる。山登りや旅行とかの趣味を楽しむ人もいる。でも、いまの人間関係はほとんど仕事だけ。学生時代の友だちと、たまに連絡をとったりするけど……。

 40代ではたいてい親が健在だ。しかしやがて両親とも他界する。それを思い描ける40代は少ない。仲の良いきょうだいがいればいいが、きょうだいのないシングル、いても疎遠なシングルは、親が亡くなったらどうなるだろう。一人になる。

「在宅勤務ができるようになったので、76歳の母親が一人で暮らす新潟に引っ越そうと考えてます」という50代女性の資金相談を受けた。「お母さんが亡くなっても、新潟に住み続けますか?」と尋ねたら絶句。「その先のことは考えたことがなかった」と。

 昔は子どもが多く、親戚は近くに住んでいたから、家族・親戚がコミュニティだった。やっかいなこともあったが、誰かが病気したりお金に困ることがあれば、そのなかで助け合った。これがどんどんなくなっている。

 シングルでもいとこ、きょうだい、甥姪がいれば、80歳、90歳、100歳になった時、力になってくれるかもしれない。でも、きょうだいも、いとこもいないシングルはたくさんいる。子どもは海外住まいで、あてにならない家もある。

 家族という括りにとらわれていたら、「弱者」になったとき生きていくのが難しい。年をとったり、病気や怪我をしたり、障害を持ったり、経済的に失敗したとき。国や公共機関がある程度助けてくれるけど、関わってくれるのが、ケアワーカーと職員だけだったら悲しい。ぜいたくな老人ホームに入っても、誰も訪ねてきてくれなかったら。病院の豪華な個室に入院しても、誰も見舞いに来てくれなかったら。

 日本、特に都市は、コミュニティがほとんどない。あっても絆が薄い。だから、自分でコミュニティをつくる。絆を強くする。国や地方自治体任せにはできない。75歳過ぎてあわてないため、地元に友だちをつくるために、今コミュニティに入ろう、コミュニティをつくろう。

どうやって? コミュニティに入る4つのアイディア

(1)同じ宗教・哲学の人たちと

 日本で宗教というと、うさんくさく思われがちだが、世界を見回すと、コミュニティの中心は宗教。哲学と言い換えてもいい。「自分は何のために存在して何のために生きているか」という価値観の根本、アイデンティティに関わることだ。同じ価値観を共有できたら、深い部分で打ちとけることができる。

 私はアメリカからの帰国後は、東京の教会に通っている。ひとつの教会の会員だが、教会や国を超えた働きにも参加している。おかげで、日本中、世界中に友人ができた。SNSが発達したいま、世界の人たちとスマホひとつでつながれる楽しさ、便利さを味わっている。

 イスラム教やユダヤ教の友人もいる。自分が宗教を持っていると、ほかの宗教を尊重でき、かえって理解し合えると感じている。宗教心がある人は、行動にうつしてみてはどうだろう。

(2)趣味を深める

 深い趣味は、人間関係をつくれる。毎月、毎年釣りに行く、山に行く。船や山小屋やテントで寝食を共にする。何年も続けていれば、家族以上の絆ができるだろう。俳句や短歌の同人活動で、かけがえのないつながりを得た人たちもいる。

 私のヨット仲間は退職したとき、出資者を募って港の近くにシェアハウス形式でセカンドハウスを建てた。1人が住んで、3人は週末や休暇に別荘のようにその家を利用している。年代も40代から70代までと幅広い。ときどき仲間に入れてもらうが、不思議で面白い空間だ。 

(3)地元の活動に参加する

 2020~21年は、コロナで活動が制限されてしまったが、動けるようになったら、住まいの近くの活動に積極的に参加したい。シェア畑、読書会、マラソン大会、犬の飼い主の集まり、こども食堂の手伝い、無料塾の講師や運営の手伝い、消防団。地元のオーケストラで演奏していたら、年代も仕事も違ういろいろな人たちと長く付き合える。自分が興味のあるところから、無理せずに入っていくといい。歩ける距離に友だちができると、うれしいし心強い。そこから、さらに広がっていく。

(4)SNSも使い方次第

 世界中の人と知り合えるSNSだが、近くの人とも友だちになれるはず。自分が興味のあること、大切に感じることを情報発信してみよう。「自慢情報」にならないように、そして個人情報と安全には充分注意して。趣味や価値観を共有できて、近くに住んでいる人が見つかったら、1対1ではなく、複数人でお茶や食事をしてみてはどうだろう。用心深く、でも、ちょっと積極的に。自分から情報を発信してみるのがポイントかもしれない。

人生を分散投資する 投資するのはお金、時間、エネルギー、愛情

分散投資が大切」とは資産運用の基本だ。卵(お金)をひとつのバスケット(投資先)に入れない。バスケットを落としたら(相場が崩れたら)、全部割れてしまう(大損する)から。人生も同じ。会社で仕事ばかり、同年代の人とばかり時間をすごすのは、ひとつのバスケットに人生を全部入れていることになる。

 シングルは、パートナーや家族を通じて人間関係を広げることはできないけれど、時間やお金が自由に使えて、積極的に自由に動ける利点は大きい。

 大人になってから友だちをつくるには、ちょっと努力がいる。でも、それだけの価値がある。時間とエネルギーとお金、この3つすべてを注ぐ。サン・テグジュペリの小説『星の王子さま』で、「友だちになろう」という王子に、キツネはこう答える。

「きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの10万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくてもいい。きみも、べつにぼくがいなくてもいい… でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界にひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる」(河野万里子訳、新潮文庫)

 それには、毎日同じ時間にやって来て、一定の時を過ごす必要がある。少しずつ会話をして知り合い、それを深めることで絆を結ぶ。そして、互いになくてはならない存在になる、とキツネは教える。これが人間関係のつくり方だ。これをやっていこう。

 分散投資に戻ろう。人間関係を分散投資する(仕事以外に広げる)ときは、ダイバーシティを大切にしたい。同じような年代、同じような学歴、同じような仕事ではなく、いろいろな年齢、性別、仕事、国籍、文化、経済力の人たちと友だちになりたい。

 10~30代は、年上の友人から得ることが多いが、40代からは若い友人から学ぶことが多くなる。異性は違う見方、考え方を教えてくれる。仕事が違うと発想が違う。英語ができなくても日本に住む外国人と友だちになれる。外国語を話せれば、もっと広がる。自宅に招き合える関係になったら友だちだ。

 友だちをつくるには動くことだ。待っていないで自分から動く。食事に誘う、一緒に出かける、イベントに参加する、語学を学ぶ、ボランティアをする。1回きりでなく継続的に。動くには、お金、時間、エネルギーがいる。老後のために毎月5万円貯めるより、3.5万円貯めて1.5万円は友だちづくりにあてるのがいいかもしれない。

 50歳から65歳まで月5万円貯めたら、元本900万円(2%運用で1,048万円)。1.5万円を友だちづくりに使い、貯めるのが月3.5万円だったら元本630万円(2%運用で734万円)。65歳で貯金1,048万円で友だちゼロ。65歳で貯金734万円で友だち15人。

 どちらの老後を送りたいか。決めるのは、これからのあなたのお金と時間の使い方だ。

 コミュニティ。地元の仲間。これがシングルの課題。私にも課題。日本全体にとっても、きっと課題だ。

(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

※個人のお金に悩みに回答する「FP相談」を承っています。FP相談、および本記事に対するお問い合わせはこちらへ。50代からのお金の質問、悩み相談も受け付けています。

●中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。

主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

山本太郎の「麻生太郎は万死に値する」は何の問題もない! 過去には当の麻生太郎も自民党議員も「万死に値する」発言

 れいわ新選組の山本太郎代表が“炎上”している。きっかけは昨日10日、国会内で会見をおこなった際、自民党の麻生太郎副総裁について、このように批判したことだった。 「はっきり言って、副総裁辞任とかじゃなくて、もうすでに万死に値する人間であると。万死に値する存在であるとしか言...

JRA アカイトリノムスメは「金取りの娘」!? 今年の秋華賞馬がエリザベス女王杯(G1)で信用するのが危険なワケ

 14日、阪神競馬場でエリザベス女王杯(G1)が行われる。注目は『netkeiba.com』の予想オッズ(単勝)で1番人気となっているアカイトリノムスメ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 昨年8月にデビューした同馬は、新馬戦は7着に敗れるも、その後未勝利戦・1勝クラス・クイーンC(G3)と3連勝。牝馬クラシックは桜花賞(G1)4着、オークス(G1)2着と善戦を続けて、最終戦の秋華賞(G1)でG1初勝利を飾った。

 また、今年の古馬混合の秋G1・2戦はいずれも3歳馬が優勝しており、今年の3歳世代は例年に比してレベルが高いと言われている。その流れからアカイトリノムスメも人気の中心になると考えられ、現に先述の予想オッズでも1番人気の支持を受けている。

 最終追い切り後、パートナーの戸崎圭太騎手は『スポーツ報知』の取材で「とてもいい状態で順調にきているな、と感じました。幅が出たような感じで、馬が変わってきたのかなという印象があります」と、好感触を掴んだようだ。

 ただ、順風満帆に見えるアカイトリノムスメにも、意外な落とし穴が待ち受けているかもしれない。

 秋華賞を使った有力3歳馬は、基本的にエリザベス女王杯へ向かうのが主流とされているが、近年の秋華賞を好走した馬のエリザベス女王杯の成績が芳しくないのだ。

■近年の主なエリザベス女王杯で着外に敗れた同年の秋華賞好走馬

14年 ショウナンパンドラ 秋華賞1着→エリザベス女王杯6着
15年 クイーンズリング 2着→8着
16年 パールコード 2着→4着
17年 ディアドラ 1着→12着
18年 カンタービレ 3着→6着
19年 クロノジェネシス 1着→5着
20年 ソフトフルート 3着→6着

 ヌーヴォレコルトやモズカッチャンなど秋華賞・エリザベス女王杯と連続で好走した馬も存在するため、一概に全ての秋華賞好走馬に当てはまるわけではない。

 しかし国内で抜群の安定感を誇るクロノジェネシスが唯一日本で馬券圏内を外したのが、19年のエリザベス女王杯だった。さらに世界中を駆け回ったディアドラが生涯唯一2桁着順に敗れたのも、3歳時のエリザベス女王杯なのだ。以上の経緯から、古馬になって更に活躍する馬でも、大きく崩れることが多いのが秋華賞から連戦で挑むエリザベス女王杯と言えるだろう。

 そして、先ほど挙げた馬は全て関西馬だ。輸送の負担が少ない関西馬でも崩れるケースが目立つのだから、輸送時間の長い関東馬なら尚更崩れる可能性が高いと言える。

 国枝師は『サンケイスポーツ』の取材で「前走後は1週間ほど楽をさせたが、その後は思惑通り。とにかく順調」と、好調をアピールしているが、もしかしたら名伯楽でも見落としてしまう「見えない疲れ」が残っている可能性もなくはない。

 そうとなれば、三冠牝馬の娘へ賭けたお金は戻ってこずアカイならぬカネトリノムスメになってしまうだろう。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

商品の効果持続時間が50%長いor53%長い、どちらか消費者から信用を得られる?

 数字は様々な製品やサービスの説明に使われています。「果汁をふんだんに使用」などの文字情報よりも、数字を含む「果汁80%」のほうが伝えやすいですし、受け手も理解しやすくなります。数字は客観的ですが、表現の違いで受け手の感じ方に影響を与えることがあります。消費者行動研究では、そうした表現と消費者の判断の関係を分析しています。今回はそれらの中で、キリの良い数字と細かい数字を比較した研究を紹介したいと思います。

1年と365日の感じ方は異なる

 1年と365日はまったく同じ長さですが、365日のほうが詳しく、より正確に感じられる傾向にあります。この現象は、マーケティング研究者のザングとシュワルツ(2012)が発見したもので、「詳細効果(granularity effect)といいます【註1】。ザングらはこの効果を実証するために、自動車の修理にかかる時間を「30日」、あるいは「1カ月」として被験者に提示し、修理完了日が予定よりも早まると思う日数と遅延すると思う日数を回答してもらう実験を行いました。結果は、早期完了も遅延も予想日数は30日のほうが短くなりました。細かい数字である30日のほうがより正確に感じられ、予定日からのズレが小さくなったのです。正確な情報を出しているという印象を受け手に与えたいのであれば、細かい数字を用いたほうがよいということになります。

 ザングらは他にも実験を行っており、最先端技術を搭載した新車の発売時期を「2年以内」、または「104週間以内」とした記事を被験者に読んでもらい、発売時期が遅れると思う月数を回答してもらったところ、104週のほうが遅延は短く、予定通りに発売される可能性が高いと予想されたことを確認しています。さらに、GPSデバイスのバッテリー駆動時間を「2時間まで」、あるいは「120分まで」と提示し、実際の駆動時間を予想してもらう実験においても、120分のほうが提示時間に近く、駆動時間をより長く感じたことも明らかにしています。

ほぼ同じ大きさのキリの良い数字と細かい数字でも感じ方はかなり異なる

 数字にはよく使われるものとそうでないものがあり、よく使われる数字は鮮明に記憶され、頭に浮かびやすくなります。シンドラーとヤルチらマーケティング研究者によると、10や20などのキリの良い数字は、「10枚ぐらい」「20人ぐらい」のように、定かではない数量を表現するときによく使われるため、数の推定に使うものとして記憶されています【註2】。

 したがって、人は「部屋に100人いる」と聞くと、それはだいたいの数であって、実際は100人前後いると思い、「部屋に106人いる」と聞くと、しっかり数えたのだなと思う傾向にあるのです。本当に100人いることを伝えたいのであれば、「部屋にちょうど100人いる」「部屋にいるのはきっかり100人だ」のように、「ちょうど」や「きっかり」などの語彙を足さないと、概算ではないことが相手に伝わりにくいのです。

 このことからシンドラーらは、だいたいの数を表すのに使う100のようなキリの良い数字よりも、106のような細かい数字のほうが、消費者により客観的で事実に基づき正確であると受け取られると考えました。

 この考えを確認するために行った実験は次の通りです。デオドラント(制汗剤)の広告を作成し、他のブランドと比較したときの効果の持続時間が「47%長い」、「50%長い」、あるいは「53%長い」というメッセージを付けて被験者に提示し、そのメッセージに対する正確さ(正確である、科学的根拠に基づいている、詳しい、の3項目で測定)を評価してもらいました。その結果、正確さの評価は47%と53%では差がなく、かつそれらは50%よりも高くなりました。細かい数字のほうがキリの良い数字よりも、数字の信憑性が高く感じられることがわかります。

 同様の研究は、シェとクロンロッドらマーケティング研究者たちも行っています。エコカーの広告で、CO2排出量を「10%削減」、あるいは「10.2%削減」と表示した場合、広告に疑いがなければ、10.2%という細かい数字を提示したほうがその自動車メーカーをより有能に感じることを実証しています【註3】。

消費者が効果を予想する場合には、キリの良い数字のほうが効果的

 以上の研究は、細かい数字を用いたほうがキリの良い数字を用いるよりも望ましいということを示しています。しかし、キリの良い数字にも良い点があります。それは、製品のベネフィットがどれだけ持続するのかがはっきりしないときです。これを実証したのはペナ=マリンとバルガバです【註4】。

 ペナ=マリンらは、エナジードリンクのカフェイン含有量を「100mg」、あるいは「102mg」と表示し、被験者にカフェインのポジティブな効果(覚醒作用など)がどれだけ持続するかを予想してもらう実験を行いました。その結果、100というキリの良い数字で表示したほうが、ポジティブな効果がより長く続くと感じられました。「200mg」と「203mg」でも同じ結果が得られています。予想する持続時間が長くなるほど製品態度も向上することも確認しているので、持続時間と関係するベネフィットを示すときには、キリの良い数字のほうが望ましいということになります。

 なぜ細かい数字のほうが持続時間を短く感じるのでしょうか。ペナ=マリンらによると、それは、細かい数字はより具体的という印象を与えますが、同時に具体性なモノは時間が経つと変わりやすいと感じるからなのです。彼らは、キリの良い数字が「安定性」や「耐久性」と意味的に関連することも確認しています。つまり、キリの良い数字を見ると「安定性」が意識され、それが持続時間を長く感じさせるという仕組みなのです。

キリの良い数字を使うか、細かい数字を使うかの判断は重要

 以上の研究から、消費者に伝える情報に用いる数字については注意が必要といえます。意味的に同じであったり違いがわずかであったりしても、キリの良い数字と細かい数字では消費者に与える印象が異なります。消費者は、製品やサービスに関する情報に細かい数字を提示する企業に対しては、信頼できる情報を出している、知識が高い、能力が高いといったポジティブな印象を、キリの良い数字を提示する企業に対しては、意図的に曖昧にしている、約束を守れないといったネガティブな印象を持つ可能性があるのです【註2、註3】。

 ただし、エナジードリンクのように製品ベネフィットの持続時間が重視される製品においては、その根拠となる製品属性についてはキリの良い数字を示したほうが、その製品をより有用に感じさせる可能性が高まります。情報のタイプにも注意を払う必要があります。この現象は、マウスウォッシュの口臭を抑える効果、頭痛薬の痛みを抑える効果、除菌スプレーの除菌効果、クリーナーの防汚効果などについても当てはまると考えられます。

(文=白井美由里/慶應義塾大学商学部)

【参考文献】

【註1】Schindler, R. M. and R. F. Yalch (2006), “It seems factual, but is it? Effects of using sharp versus round numbers in advertising claims,” Advances in Consumer Research, 33, pp.586-590.

【註2】Zhang, Y. C. and N. Schwarz (2012), “How and why 1 year differs from 365 days: A conversational logic analysis of inferences from the granularity of quantitative expressions,” Journal of Consumer Research, 39 (2), pp. 248-259.

【註3】Xie, G. and A. Kronrod (2012), “Is the devil in the details?” Journal of Advertising, 41 (4), pp. 248-259.

【註4】Pena-Marin, J. and R. Bhargave (2016), “Lasting performance: Round numbers activate associations of stability and increase perceived length of product benefits,” Journal of Consumer Psychology, 26 (3), pp. 410-416.

甘デジ「高速で万発」など激アツ機が続々…最もRUSHが近い話題の新台も参戦!!

 パチンコ分野において確たる地位を築いている甘デジ機。遊びやすさを武器に台頭してきた本スペックは、2021年も続々と登場しホールを盛り上げている。

「超ハイスピード」なゲーム性を実現した『ぱちんこ AKB48 桜 LIGHT ver.』や、RUSH性能がパワーアップするシステム「強チャッカー」を搭載した『ぱちんこ 仮面ライダー GO-ON LIGHT』など強烈な個性を有したマシンへ注目が集まった。

 反響の大きさでは『ぱちんこ ウルトラ6兄弟 Light Version』も負けてはいない。遊びやすくも「出玉速度&連チャン性能」を強化した仕上がりでホールへ降臨。瞬時に万発クラスの獲得も可能な爆裂性能を称賛する声も浮上した。

 他にも高ループ×ALL10Rを実現した『デジハネPA真・北斗無双2 連撃Edition』や、「右打ち発生確率約1/39.9&約90.5%継続」といった特徴を持つ『P女神ドリーム』など話題作がデビューを果たしている。

パチンコ「マナー問題」に注目…休憩中に他の台を打つのはアリ!?

■パチスロ新台6.2号機最速ATの評価は!?「夢のある仕様」との声…大量出玉の報告も!!

 11月も同分野には激アツ新台が登場。「最もRUSHが近いスペック」と注目を集めた人気シリーズ最新作は好スタートを切っているようだ。

『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2 1/77VER.』(SANKYO)

■図柄揃い確率:1/77.7→約1/7.7
■RUSH突入率:約51%
■RUSH継続率:約79%
■電サポ回数(最終決戦):時短1回+残保留4回
(シンフォギアチャンス):時短7回or99回+残保留4回
■遊タイム:大当り後230回転消化で時短290回突入
○○○

 昨年4月に登場した『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』の甘デジバージョン。図柄揃い確率は1/77.7で、RUSH「シンフォギアチャンス」は「時短7回or99回+残保留4回」で構成されている。RUSH突入率は約51%、トータル継続率は約79%という仕様だ。

 注目の遊タイムは大当り後230回転で時短290回がスタート。発動=RUSH濃厚と十分な恩恵を期待できる。完全新作映像を用意するなど、好反響を得ていることにも納得。「最もRUSHが近い甘デジ」が、長期稼働を実現できるかに注目だ。

 同日には超有名ユニットをモチーフに据えた『Pピンク・レディー 甘デジ』も登場している。

 大当り後は100%STへ突入する安心仕様で、トータルループ率(大当り2回目以降)は約67%という設計。大当り時は状況を問わず50%で10R(1000発)を獲得できるなど、優秀なスペックを搭載している。用意された名曲の数々を、手軽に楽しめる点も魅力だ。

『Pピンク・レディー 甘デジ』(アムテックス製)

■大当り確率:1/99.9(高確率時1/30.1)
■ST突入率:100%
■ST回数:15回
■TOTAL継続率:約67%
■電サポ回数:35回 or 65回 or 115回
■賞球数:1&2&3&10
■ラウンド:4R or 10R
■カウント:10C

JRAジャパンC(G1)にR.ムーア騎手・C.デムーロ騎手参戦! 新型コロナ感染縮小で外国馬・騎手が続々参戦決定! 16年ぶりの優勝なるか

 先週、米国・デルマー競馬場で行われたBCターフ(G1)に出走したブルーム(牡5歳、愛国・A.オブライエン厩舎)とジャパン(牡5歳、愛国・A.オブライエン厩舎)が、ジャパンC(G1)へ出走することを正式に表明した。10日、2頭を所有するキーファーズが公式HPで発表している。

 ブルームは武豊騎手を乗せて、今年の凱旋門賞(G1)へ出走したことで有名だ。4コーナーでは先頭をうかがうなど見せ場は作ったが、11着に敗れた。ただ先述のBCターフでは2着へ好走。さらに今年は仏国・サンクルー大賞(G1)でG1初優勝と勢いは十分だ。

 対するジャパンも実績ではヒケを取らない。一昨年のパリ大賞典(G1)と英国・インターナショナルS(G1)を優勝しており、G1勝利数ではブルームをリード。最近は目立った活躍はないが、BCターフ4着がキッカケとなればジャパンCでも激走が期待できる。

 そこで、気になるのが2頭の鞍上だ。武騎手が主戦騎手を務める日本馬は現時点でジャパンCへ出走する予定がないため、キーファーズ2頭のどちらかへ騎乗するのが決定的という見方が強い。問題は武騎手が乗らない方を誰が乗るかということになるが……。

「どうやら、ジャパンCに合わせてR.ムーア騎手が来日するのようです。先日、キーファーズの公式HPでアナウンスされていましたね」(競馬誌ライター)

 ムーア騎手はオブライエン厩舎の主戦騎手で、世界的な名ジョッキーの呼び声が高い騎手の1人だ。凱旋門賞や香港Cなどの各国の主要G1を数多く制しており、日本でもサリオスで勝った19年の朝日杯FS(G1)などG1を8勝している。

 近年は毎年11月から12月にかけてJRA短期騎手免許を取得して、日本で騎乗を続けていた。だが新型コロナウイルスの影響を受けて、昨年は日本での騎乗機会は無かった。

「日本で騎乗しようと思えば出来たと思いますが、約2週間に及ぶ隔離期間がありますからね。毎年秋競馬になると多くの外国人騎手が来日していましたが、昨年はゼロでした。

ただ、今月から隔離期間が条件付きではありますが、大幅に短縮されました。それを受けて、ムーア騎手もジャパンC騎乗を決めたのではないでしょうか」(同)

 日本政府は今月8日からビジネス目的での入国時の隔離期間を条件付きで、10日から3日に短縮している。入国規制の緩和を影響は大きく、キーファーズは自身のHPにて2頭の出走を決めた理由について「ワクチン接種者への隔離期間が3日になったことで、様々な障壁も低くなった」という旨の記載をしている。

 JRA所属以外による外国人騎手の騎乗となれば、昨年4月に来日して短期免許を取得した豪州のD.レーン騎手以来。また、外国馬2頭がジャパンC出走となれば、18年以来3年ぶりとなる。

 またキーファーズの2頭のほかに、仏国のG1馬グランドグローリーも参戦を表明。鞍上は9月のフォワ賞(G2)でディープボンドを勝利へ導いたC.デムーロ騎手を予定している。

 豪華外国G1馬と名手が参戦となれば、16年ぶりの外国馬によるジャパンC優勝が現実味を帯びてきた。果たして、日本馬は意地を見せることができるのか。今月末の28日が待ちきれない。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……