JRA横山典弘「ポツン騎乗」返上の王道レース。カンパニーで見せた会心の勝利【JRA観戦記】2009年マイルCS

 週末は、いよいよ秋のマイル王決定戦マイルCS(G1)が行われる。

 このレースがラストランとなることが判明したグランアレグリア、NHKマイルC(G1)と毎日王冠(G2)を勝利したシュネルマイスター、過去の優勝馬インディチャンプなど好メンバーが顔を揃えたが、どんなドラマが見られるだろうか。

 今年で38回目を迎えるが、過去にオグリキャップやデュランダル、タイキシャトル、ダイワメジャー、モーリスといったJRAを代表する名マイラーが勝利してきたレース。そんな中で、筆者にとって特に思い出に残るのが2009年の優勝馬カンパニーである。

 カンパニーは3歳時から頭角を現し、古馬になって重賞で好走するも、あと一歩勝ちきれないレースが続いていた。4歳11月の京阪杯(G3)で重賞初制覇を達成するも、G1レースでは安田記念、宝塚記念、天皇賞・秋、マイルCSで最高で3着が精一杯という内容。G1では一歩足りない、誰もがそう感じていた馬だった。

 しかし7歳になったカンパニーに転機が訪れる。関東の名手横山典弘騎手への乗り替わりだ。

 関東のトップジョッキーとして誰もが認める存在の横山典騎手だったが、当時ある騎乗がファンの間で物議を醸していた。それが今や、横山典騎手の代名詞となった「ポツン最後方」だ。

 道中後方の馬から、さらに数馬身離れた後方を追走するこの騎乗が大きく話題となったのは、2003年有馬記念のツルマルボーイと記憶している。

 横山典騎手はスタート後に後方に控えると、そのまま11番手から5馬身ほど離れた最後方12番手を追走(この年の有馬記念は12頭立)。実況アナウンサーが「ポツ~ンと最後方ツルマルボーイ」と表現したことから、その後「ポツン」というフレーズが定着したと思われる。レースでは絶望的な位置取りから豪快な追い込みを見せ4着と、ファンを驚かせた。

 その「ポツン最後方」は翌年も続く。なんと2004年にハーツクライで挑んだ有馬記念においてもポツンと最後方を実行したのだ。ちなみにこの時の実況アナウンサーは「最後方、最後方ポツンと一頭ハーツクライ」と説明している。

 最終的な着順は9着と振るわず、2年連続で「ポツン最後方」作戦は結果に結びつかなかった。この騎乗が正しかったかどうかは賛否が分かれるところだが、翌年の有馬記念でハーツクライは、乗り替わったC.ルメール騎手が3番手先行という奇策に出て、無敗の三冠馬ディープインパクトを負かして勝利している。

 カンパニーは強烈な末脚が持ち味の馬であり、追い込み馬として活躍していた。しかし、初めて同馬に騎乗した横山典騎手は、なんと「ポツン最後方」ではなく、これまでとは打って変わって2番手の先行策を取り、初騎乗で重賞勝利をやってのけた。

 後方一気の競馬ではなく先行抜け出しの戦術は、間違いなくカンパニーの脚質を変え、それが8歳秋の毎日王冠(G2)での女王ウオッカ完封に繋がったといえる。

 この年のマイルCSはフランスからサプレザ、イギリスからエヴァズリクエストと2頭の外国馬が来日。日本勢もキャプテントゥーレ、スマイルジャック、ザレマ、アブソリュート、マイネルファルケといった馬が出走。かなりの混戦模様だったが、1番人気はカンパニーだった。

 レースは人気薄マイネルファルケが逃げ、横山典騎手とカンパニーは内の7番手あたりを追走する。その後淡々と流れる中、横山典騎手はカンパニーの走りに手応えを感じていたのか、直線を向くまでまったく動かなかった。

 しかし4コーナーを回ってスイッチが入ると、空いた内を突いてグングン伸び、あっさり抜け出し完勝。まさにお手本のような乗り方で、これ以上ない勝利を見せつけたのである。「ポツンと最後方」の汚名を返上するかのような完璧な騎乗であり、これまでの雑音を吹き飛ばす人馬一体となったレースであった。

 この年の横山典騎手は、日本ダービー(G1)をロジユニヴァースで制するなどG1レースを3勝。2004年5月の勝利を最後に5年間JRAのG1を勝てなかったが、改めてその存在感を知らしめた。

 そのキッカケを作ったのは、やはりカンパニーとの出会いだったのではなかろうか。追い込み馬を先行馬に脚質転換させた中山記念(G2)、そしてその集大成となるマイルCSの勝利。カンパニーが8歳にして一流馬の仲間入りを果たすことができたのは、紛れもなく横山騎手の手腕そのものだろう。

 その後、横山典騎手の「ポツン最後方」は鳴りを潜めたかに思えたが、今年の日本ダービーでレッドジェネシスに騎乗し豪快な「ポツン最後方」を実行。16番目の馬から4~5馬身離れた最後方を追走し、アナウンサーも「最後方ポツンとレッドジェネシス」と実況。テレビ越しにファンのため息が聞こえるような位置取りだった。直線は荒れた内を突いて伸びかけたがそこまで、結局は11着に力尽きている。

 近年の横山典騎手は息子の横山武史騎手の勢いに押され、かつてのような有力馬の騎乗がなくなってしまった。

 今年もいまだ重賞は未勝利であり、このまま未勝利ならば1995年から続いていた重賞勝利記録が途絶えてしまう。53歳とは言え、同年代の武豊騎手もまだまだ結果を出している。横山典騎手には、あのカンパニーのような馬との出会いが求められる。そしてもう一度、あの王道のようなレースを見せてほしい。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

関西スーパー株主総会で疑義浮上の異常事態、オーケーが裁判所に差し止め請求

 関西の老舗スーパー、関西スーパーマーケット(関西スーパー)の臨時株主総会が異例の事態に直面している。上場来最高値という破格の条件でのTOB(株式公開買い付け)による関西スーパーの完全子会社化を先に提案していた関東のスーパー・オーケーと、後出しで非上場子会社2社との株式交換により関西スーパーの子会社化で合意していたエイチ・ツー・オー・リテイリング(H2O)が真っ向から対立。

 H2Oとの経営統合は関西スーパー株主に対する経済条件では明らかに劣ると考えられたものの、取引先株主に固められた盤石の安定株主比率を誇る関西スーパーにおいては、H2Oとの経営統合議案が圧倒的に優勢とみられていた。しかし、オーケーによる猛烈な追い上げと、株主にデメリットの多いスキームに取引先株主からも疑問の声が上がり、さらに米国の議決権行使助言会社2社からは、H2Oとの経営統合は株主に不利益があるという反対推奨が出されたことで、当日までどちらに転ぶかわからない展開となっていた。

 10月29日に開催された関西スーパーの臨時株主総会は6時間にもおよび、H2Oとの経営統合議案は僅差で勝利した。特別決議の要件をわずかに上回る66.68%という前代未聞の僅差での決着となった。総会結果を受け、オーケーはTOB提案を撤回。H2Oとの経営統合が可決したという結果に市場は嫌気を示し、関西スーパーの株価は急落。翌営業日の11月1日はストップ安を記録し、その後はH2Oとの経営統合を発表する前の株価水準も下回る状況となった。

 総会前には、関西スーパーは自社の株主に対してH2Oとの経営統合で自社の株価はオーケーの提示した2250円を上回り、最大3128円にもなり得ると吹聴してきたが、市場からは見事なほどの低評価を受けたかたちとなった。

 しかし、それもつかの間、総会からわずか1週間後の11月5日に、中立の立場で臨時株主総会の調査を行う総会検査役から、総会での投票で異例の経緯があったとする報告書が裁判所に提出されたというのである。

 その報告書には、総会検査役は経営統合議案が「きわめて僅差で否決となる集計結果を確認したが」「関西スーパーマーケットから、本総会の議決権行使のうち、『棄権』と取り扱っていた1名の株主の議決権行使の内容を、『賛成』として取り扱う旨の報告を受け、その結果、本議案は可決された」と記されている。

 オーケーはこの報告書を受け、議決権の集計結果に疑義があるとして、神戸地裁に株式交換の差止めを求める仮処分を申し立てた。仮にこの申立てが認められれば、再び関西スーパーにTOBの提案を行うという。

いったんは確認された「否決」

 関西スーパーの株主総会でいったい何があったのだろうか。株主総会が行われたのは、10月29日午前10時から。場所は伊丹シティホテル3階「光琳の間」だ。当日、その会場には100人を超える株主が集まった。

 総会が始まると、株主からは「正気の沙汰じゃない。なぜ業績ボロボロのイズミヤ、阪急オアシスと統合しなければならないのか」「統合による理論株価の算定根拠を説明してほしい」といった声が上がり、関西スーパーは苦しい説明を強いられることになる。

 株主からの矢継ぎ早の質問が続くなかで、議長は13時40分、質疑応答を終了し議案の採決に移る旨の説明がなされた。議長の福谷耕治氏は採決の際、「マークシートにご記入のない投票用紙をご提出いただいた場合、棄権としてお取り扱いいたします」「棄権は事実上、反対と同じ効果を持つことになります」と繰り返し注意喚起したという。

 13時50分、会社関係者が、着席している株主席を回り、回収用の透明なプラスチックの箱で投票用紙を集め、13時55分、議長から投票用紙の回収が完了したので会場閉鎖を解除し15時まで休憩にするとの説明があったという。集計作業は14時5分ごろから始められ、15時10分ごろには総会検査役のもとに「議決権行使集計結果報告書」が交付された。

 今回の株主総会では、H2Oとの経営統合に関する1号議案から3号議案まで出席株主の議決権の3分の2以上の特別決議を必要する議案だったが、その「議決権行使集計結果報告書」は1号議案(65.71%)、2号議案(65.74%)、3号議案(65.76%)といずれも3分の2に届いていなかった。

 否決という結果を確認した総会検査役は15時20分ごろに議場に戻り、検査役のために用意されていた座席に着席した。本来、ここで経営統合議案は否決になって株主総会が終了するかに見えた。

否決から可決への変更

 ところが、総会検査役が議場に戻っているなかで、15時40分ごろ、ある男性が受付に来て、自分はマークシートに記入せずに白票を投じたが、どのような扱いになっているのか確認したいとの申し出があったという。申し出を受けた会社関係者は、その場で弁護士を呼び、その株主から話を聞いた弁護士は総会検査役を呼びに行ったという。そして、15時45分ごろ、集計結果を確認して議場に戻っていた総会検査役は関西スーパーの代理人弁護士に別室に呼び出された。その別室には、件(くだん)の男性株主がいた。一部報道によると、この男性は関西スーパーが設立した業界団体に所属する山口県にあるスーパーの代表者とされ、関西スーパーとは親密な関係の株主ともいえる。

 この株主いわく、議決権行使書つきの委任状ですべての会社提案に「賛成」で事前に郵送していたが、議事の内容を聞くために総会に出席したのだという。関西スーパーは傍聴のみの株主にはモニター席を用意していたが、この男性は議長らの生の声が聞きたいと総会への出席を選び、投票用紙や出席票の交付を受け総会会場に入場したという。

 受付で提示した職務代行通知書にも「賛成」と記載していたが、あろうことか、この株主は、総会会場ではマークシートを白紙で提出している。議長から繰り返された「マークシートを白紙で出せば棄権とみなされる」という説明は聞いていたという。

 白票として出されたこの株主の投票は、総会検査役が確認した集計結果では当初「棄権」扱いになっていたが、関西スーパーの弁護士は、議決権行使書や委任状で「賛成」欄に〇をつけていることなどから、この白票を「賛成」として取り扱うことにしたと総会検査役に説明したという。不思議なことに、この間、議長はもちろん、関西スーパーの責任ある立場の人間は一切介在していない。

 このような経緯で、結局3つの議案はいずれも否決から可決へ変えられた。

3つの疑問

 この報告書を見る限り、多くの謎が浮かんでくる。

・議長の株主への説明と異なる白票の取り扱いが果たして認められるのか。

・投票後1時間40分以上も経ってから、なぜその株主は申し出たのか。その株主に誰かが連絡をすることはなかったのか。

・報告書を見る限り、代理人弁護士だけの判断で白票を「賛成」にしたように見えるが、これだけ重大な判断が議長や責任者の関与なく行われたのか。

 関西スーパー側は「株主様が投票時に示された議決権行使の意思表示を正確に反映して集計を行ったものであり、この取扱いの適法性に何らの疑義もございません」と主張する。

 その一方で、オーケー側は「多くの株主の皆さまが真摯にご検討されてきた中で、このような疑義が生じたことは大変残念。公正を期して司法の判断を仰ぐことにしました」(同社広報担当者)

 果たして裁判所はどのように判断するのか。株式交換は本年 12 月1日に効力発生することから、裁判所の判決はその前に発表されるものとみられている。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

●松崎隆司/経済ジャーナリスト

1962年生まれ。中央大学法学部を卒業。経済出版社を退社後、パブリックリレーションのコンサルティング会社を経て、2000年1月、経済ジャーナリストとして独立。企業経営やM&A、雇用問題、事業継承、ビジネスモデルの研究、経済事件などを取材。エコノミスト、プレジデントなどの経済誌や総合雑誌、サンケイビジネスアイ、日刊ゲンダイなどで執筆している。主な著書には「ロッテを創った男 重光武雄論」(ダイヤモンド社)、「堤清二と昭和の大物」(光文社)、「東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人」(宝島社)など多数。日本ペンクラブ会員。

某携帯電話会社にトラブルで電話したら延々1カ月もたらい回し…アマゾンと真逆

 デジタルによってスムーズにサービスが提供される。これがDX(デジタルトランスフォーメーション)の理想であるとすれば、その成否はトラブルの際にはっきりするものです。

 DX先進企業であるアマゾンではもう10年以上前から、トラブル対応が優れていることがわれわれプロの界隈で話題になってきました。最近のアマゾンはややコンタクトセンターの品質が劣化しはじめたという報道もありますが、10年前当時、私の個人体験ではこんなことがありました。

 まだ置き配が始まる前の時期でしたが、当時アマゾンで購入した書籍はメール便で配達され、それが郵便受けに入りきらずに突き刺さった状態で配達されることがよくありました。「危ないなあ、あれじゃいつか盗まれちゃうぞ」と思っていたら案の定、あるとき注文した書籍が届かない。アマゾンのサイトで調べたら数日前に配達済みになっています。たぶん誤配か同じような状況で配達され盗まれたかのどちらかでしょう。

 こういったトラブルが起きたときには、消費者は不安で嫌な気持ちになるものです。嫌な気持ちは購入した商品が届かなかったからですが、不安は「この問題を解決するまでにすごく面倒なことになるんだろうな」という気持ちから来るものです。

 それでアマゾンのサイトにアクセスしました。置き配が始まった現在は少し手順が違うのですが、当時のアマゾンの場合カスタマーサービスのサイトには「配達済みになっているのに商品が届かない」という場合の対処法として電話での対応と、メールでの問い合わせ法が載っていました。

 それで電話をしたのですが、プロの経済評論家としていい意味で驚いた点は、まずなによりもすぐに電話がオペレーターにつながったことです。そして電話口で注文番号とトラブルの状況を伝えると、すぐに謝罪があり、その場で同じ商品の再配達の手続きをしていただけました。

 経済評論家という商売は、こういった事例をきちんと記録する習慣があります。このときの記録を確認すると、不安を感じてアマゾンのサイトで対処法を調べ始めてから問題が解決するまでにかかった時間は8分でした。この記事の読者の皆さんは、まずこの10年前の「アマゾンでは8分で解決」というエピソードを覚えておいてください。

オペレーターにつなげさせない仕組み

 つぎに最近、私が使っている携帯電話会社であったトラブルの話をします。対応が悪い例として紹介する関係上、どこの会社かは内緒とさせてください。

 この会社ではオプションで500円を払うと一種の保険としてデータ通信量が超過した場合の0.5GB分のデータ追加を無料にしてもらえるサービスがあります。経験的には3~4か月に一回ぐらいデータ超過になるので、私はこのオプションを使っています。

 実はこのオプションを申し込むと、系列のショッピングモールで500円の割引クーポンがもらえます。つまりインターネット通販をよく使う人なら、このオプションは実質無料なのです。

 ところが最近、私が携帯の設定を少し変えたせいでこのクーポンが消失してしまうトラブルが起きました。「500円払って入ったサービスで500円の特典がもらえていない」というのがトラブルの内容です。少額なので普通の人ならあきらめる話かもしれません。しかし、経済評論家はこういったことは好奇心からちゃんと追及してみるのです。

 それでまずその通信会社のトラブル対応をするコールセンターに電話をしたのです。電話をすると自動音声が出てきて、トラブルの内容に応じて「何番を押せ」と言われ続けていくのですが、細かく分岐していくと結局私のトラブルに対応する番号がありません。それで「元のメニューに戻る場合は9を」みたいな感じで出口がなくなるのです。

 ユーザーにとって困ることですが、そのスマホの会社ではオペレーターにつながる経路がみつからないようにしている様子なのです。そこでヤフー知恵袋で調べたら、その会社でオペレーターに電話をつなげる裏技を見つけました。

 ある分岐に進んだところで自動音声の指示を無視するのです。そうすると自動音声がまた入力を指示する。そこも無視をする。それを3回やると向こうが困ってしまってオペレーターが電話に出ると書いてありました。実際やってみるとその通りで、ようやくオペレーターにつながりました。ここまでで約1時間です。

 それでオペレーターにトラブルの状況を話したところ「状況はわかりましたが、その件はこの電話番号におかけなおしいただけないでしょうか?」と言って別の番号を知らされます。簡単にいえばこのコンタクトセンターは、問題解決できる担当者への電話の転送を行うDXの仕組みは導入していないわけです。

 それで電話をかけ直すと、結果的にはそこからまた自動音声に沿って何度も番号を押させられたのですが、最終的にはオペレーターにつながりトラブルの内容を報告することができました。それで20分ぐらいかけて対応方法を検索してくれたのですが、検索では解決できず、折り返し詳しい担当者が電話をしてくれることになりました。

 こういったトラブルは好奇心がなければ心が折れてしまうものです。日本のお客様対応室は戦術として、なるべくコンタクトセンターにつながらないようにしてあきらめさせる手法を好んでとっています。後述するように、このあたりはDX後進国となる土壌になっています。

 さて1時間後、担当者から折り返しの電話がありました。要約すると「このトラブルは別会社であるショッピングモール側の問題で、そちらに問い合わせてほしい」ということでした。しかも連絡先は「自分で調べていただけないか」と言うのです。そこで「ここまで話が伝わるまでにものすごく苦労しているので、同じ苦労をショッピングモールのコンタクトセンターでしたくない」旨を丁寧にお伝えしました。

 結局、担当者からもう一度折り返しの電話をいただけることになったのですが、やはり直接担当者を見つけることができないという回答でした。ただショッピングモールのコンタクトセンターにつながる裏技を調べていただけたようで「こうしていただければ先方から連絡が入ります」と教えていただきました。

 トラブル発生から3時間後、その裏技を実行しました。簡単にいうとモールのメール問い合わせ窓口から不十分な内容の相談メールを送るという技です。

 翌日、ショッピングモールの運営会社から「何でお困りでしょうか?」という問い合わせメールが来て、ようやく「500円のクーポンがもらえない問題」の解決に向けての話し合いができるようになりました。

 状況が伝わって、先方からはメールで「担当部署で問題を確認します。少々お待ちください」と返事があったのですが、実はここからいつまでたっても返事が来ないのです。数日に一度「どうなっていますか?」とメールで問い合わせると、毎回同じ自動応答の文章で「担当部署で問題を確認しています。少々お待ちください」と返事が来ます。これがほぼ1カ月続きました。

 それでもう忘れた頃の話なのですが、なんと問題解決のメールが戻ってきました。要するにちゃんと問題解決の努力をしていたわけです。その会社のエンジニアが何日もかけてシステムを調べてみたところ、まれにある設定をした場合にエラーが起きてしまい付与したはずの500円クーポンが消失するトラブルが起きることが判明したそうです。それで今なら私のクーポンは復活しているはずなので確認してほしいと書かれていました。

 私も丁寧に「問題を解決していただきありがとうございました」とメールでお礼を述べておきましたが、この事件、決して例外ではなくこのような顧客対応が日本では標準になっていることこそが日本企業の問題です。

DX後進国からどう盛り返すのか?

 もう一度整理してみましょう。10年前、アマゾンで800円の本が届かなかったときは8分で解決して800円の本は無事2日後に配達されました。最近日本を代表するスマホ会社で500円のクーポンが消えた際には、3時間悪戦苦闘してようやく窓口につながり、30日後に問題は完全解決しました。

 ポイントはこの差です。冒頭でお話ししたように、DXとはデジタル技術を駆使して顧客にスムーズにサービスが提供されることだと考えると、我が国を代表するスマホ会社ですらDXがここまで遅れているという問題があるということです。

 では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか? DXをデジタル化だと勘違いしているとこうなります。アメリカ企業ではDXを設計する際に、最短労力と最短時間で顧客にサービスを提供するにはどうすればいいかと考えます。DXはあくまでその手段で、仕組みの設計には人力を当然のように組み合わせます。

 これもある別の通信会社の話ですが、その会社の幹部が提携するアメリカの通信会社に出向して驚いたというのです。その方はエンジニア部門の人なのですが、日本の通信会社時代には顧客である法人の通信設備にエラーが起きると、エキスパートのエンジニア複数名が即座に現場に飛び、さまざまな原因を切り分けたうえでなんとか数時間でトラブルを復旧させてきました。

 ところが出向先のアメリカの通信会社では、法人対応のサービスエンジニアはほぼほぼ素人なのだといいます。ところがそれでサービスできるようにDXが完成している。ここがその幹部が驚いたところです。

 法人顧客の通信設備にエラーが起きて、サービスエンジニアが現場に飛ぶと、あるモジュールにエラーランプが光っているそうです。それでエンジニアは車に積まれた交換モジュールをとってきて入れ替える。それで再起動すると現場のトラブルは十数分で解決します。その後、その故障モジュールを会社に持ち帰ると、もっとエキスパートなエンジニアがそれを分析して故障原因を把握して、本質的な解決策を考える。「これがアメリカのDXか」と思ったそうです。

 総じてDXの進んだアメリカ企業では現場対応をいかにシンプルかつ標準化するかに力を入れる点と、現場にトラブル対応の権限を与えることでサービスを設計している点が日本と大きく違います。

 もし私が体験したトラブルがアメリカ企業であったとしたら、最初につながったコンタクトセンターが、原因が別会社であるかどうかは関係なくその場で500円のショッピングクーポンを私に付与する権限を持っていて、実際にそうしたことでしょう。そうすればコンタクトまで1時間はかかったとしても私のトラブルはこの時点で解決です。

 そして本質的にトラブルを引き起こしたプログラムエラーについては、後日、別会社に申告すればいずれエラーコードが発見されて二度とその問題は起きなくなるはずです。その設計が下手なためにシステムが肥大化するにつれて顧客の不満が増大する。販売窓口が「これは別会社の問題です」と言って責任逃れすることで顧客の不満は深まる。それがDX後進国日本の現状です。

 ここからどう盛り返すのか? どうやら日本企業は「なんのためにDXを導入するのか」から再設計をする必要がありそうです。

(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

●鈴木貴博(すずき・たかひろ)

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『ぼくらの戦略思考研究部』(朝日新聞出版)、『戦略思考トレーニング 経済クイズ王』(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。

ニトリ、「お値段以上」ではない?要注意な5品…粘着力が弱い結露吸水テープほか

 2021年3~8月期(中間期)の国内通販事業の売上高が前年同期比2.8%増の362億円と好調な家具・インテリア用品小売最大手、ニトリホールディングス。

 昨今はオンラインの販促にも注力しており、11月9日にはコロナ禍の巣ごもり需要を受け、ECサイト「ニトリネット」の拡充としてスタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を開始。従業員によるオンライン接客という、時世に合った新サービスとなっているようだ。

 業界をリードするニトリのアイデンティティといっても過言ではない有名なフレーズ「お、ねだん以上。」は、企業として大切にしている理念なのだろう。しかし、なかには「お値段以上とは言えないのでは……」といった懸念点などがある商品も存在している。そこで今回は、ニトリの少々要注意な商品を5つ紹介していこう。

マグネット付きミニキャニスター(3個セット)/508円(税込、以下同)

「マグネット付きミニキャニスター」は、磁石がくっつく金属素材であれば好きな場所にピタッと貼り付けられる小物用収納グッズ。デスク周りが散らかりがちという方も少なくないだろうが、このミニキャニスターがあれば、その中にクリップやピンなどをちょうどよく収納できるだろう。

 そこで使い勝手を試すため、中にクリップを収納し、デスクの金属素材の壁面に設置してみた。しかし、およそ2日後、キャニスターが地面に落下し、中に入れておいたクリップが床に散乱してしまうという事態が発生。

 クリップは比較的少なめしか入れていなかったにもかかわらず、重量に磁力が負けてしまったのだろうか。収納グッズを使用して散らかしてしまっては本末転倒なので、要注意な商品といえるだろう。

伸縮フローリングワイパー ラクッカ/ 599円

 掃除機をかけるよりも手軽にフローリングの清掃ができるワイパー。この「伸縮フローリングワイパー ラクッカ」は、ヘッド部分が中央凸型構造とやわらか素材でつくられており、ゴミをシート全面で吸着してくれるのが特徴とのこと。他店の同類商品と比べれば安価なのは魅力だ。

 しかし、実際にシート(別売り)を装着して使ってみると、ハンドルの締まりが悪く、最大まで伸ばしてあった持ち手が、使用中にみるみる短くなってしまったのである。歩くついでに本体を押していた程度で決して商品に強い力を加えたわけではなかったが、何度緩んだ部分を締め直しても同じ結果になった。

 ヘッド部分の構造は優れているようで、ゴミをよく吸着してくれた印象がある。だが、ハンドルが使い物にならないのは、どうしてもネックだろう。機能性にこだわった設計になっているからこそ、もったいないと感じた。あらかじめハンドルを短めに固定して使用するのであれば使えるので、持ち手を伸ばして使わなければ購入してもいいかもしれない。

冷蔵庫棚下収納 クラリーS(ホワイト)/999円

 ハムやチーズといった小さめの食材をまとめて入れておくと便利で、冷蔵庫の棚下スペースを有効活用できる「冷蔵庫棚下収納」。

 だが、実際に商品を冷蔵庫内に設置しようと試みるも、クリップ部分が異常に硬く、棚下に挟む工程でかなり苦戦した。設置した後に安定感を出すために挟む力を強くしているのならばいいのだが、設置後に手が触れるとガタつきがあるので安定感抜群ともいいがたい。また、引き出しもあまりスムーズに動かないため、ややストレスが生まれてしまうのだ。

 アイデアは素晴らしい商品なので、クリップの硬さや引き出しのたてつけの改良など、今後のリニューアルに期待したい商品といえるだろう。

マイクロファイバーキッチンクロス メッシュ(5枚セット)/ 304円

 食器洗いの後の拭き取り作業などに重宝しそうな「マイクロファイバーキッチンクロス」は、裏表がそれぞれマイクロファイバー面とメッシュ面でつくられているという代物。

 さっそく使用してみると、初めは軽く触れるだけでも水滴を吸い取るほど吸水性が高かった。だが、問題は2回目以降の使用だ。一度洗濯した後に使用してみると、吸水効果が減少しているように感じられ、初回より拭き上げの時間かかるようになった。

 使い捨てではなく、洗って何度も使用することを前提にしている商品であることを考えると、残念な印象は拭えない。5枚セットで約300円とリーズナブルなので、吸水性を重視せずに割り切れるのであれば、買ってもいいだろう。

結露吸水テープ(スターGYo4X90 4P)/399円

 本格的な冬が近づいているこの時期は暖房をつける機会も増えるが、外部との寒暖差で窓やアルミサッシに発生してしまう結露水はカビの原因にもなるため、予防策を講じておきたいところだ。

 今回紹介する「結露吸水テープ」は、水分を吸収し乾燥させてくれるという商品なので、実際に窓の下部に接着し、数日様子を見てみることにした。だが、2日後に確認すると、端のほうからテープが剝がれてきていた。貼り直してみるも、剥がれた部分にはホコリが付着しており使い物にならず。商品説明には簡単にカットできるという記載もあったので、そこだけ切り取って再度使用してみたものの、特に大きな変化は見られなかった。

 結露を吸水することが目的のテープは、湿気が高い日にこそ活躍してほしいところだが、吸着力が弱いので高湿度の条件では剝がれやすくなるという、本末転倒なことが起こっていたようだ。

 ニトリには生活に役立つ便利なグッズが多数あり、独自性に富んだアイテムが多いのも素晴らしいかぎりだ。だが、なかには今回紹介したように、ちょっと残念……と思ってしまうような商品も少なからず存在する。今回の記事を参考に、ニトリで満足のいくショッピングを楽しんでいただきたい。

(文・取材=A4studio)

※情報は2021年11月12日現在のものです。

独立トラブルの森七菜、連ドラ抜擢の謎?徳光和夫「AKB妊娠」発言騒動が影響?

 17日、来年1月期に成田凌が主演する連続テレビドラマ『逃亡医F』(日本テレビ系)が放送されると発表されたが、同ドラマに出演すると一部メディアで報じられてきたのが森七菜だ。

 このドラマは同名の漫画(伊月慶悟・佐藤マコト/Jコミックテラス)が原作で、成田演じる主人公の天才外科医が殺人の濡れ衣を着せられ逃亡するという設定だ。

「森は、主人公を陰ながらサポートする“謎の女性”を演じる方向で検討されていると聞きます」(テレビ局関係者)

 森といえば、2017年6月にAmazonプライム・ビデオ配信のオリジナルドラマ『東京ヴァンパイアホテル』で女優デビューし、同年7月には映画『心が叫びたがってるんだ。』で映画初出演。同年10月期の連続ドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)、19年1月期の菅田将暉主演の話題作『3年A組―今から皆さんは、人質です―』に出演し、徐々に知名度が上昇。そして同年7月公開の劇場アニメ『天気の子』では声優としてヒロイン・天野陽菜役に大抜擢され、昨年はNHK連続テレビ小説『エール』にも出演し、連ドラ『この恋あたためますか』(TBS系)では連ドラ初主演を果たした。

 そんな順風満帆な森を襲ったのが、事務所移籍トラブルだった。

 今年1月、突如として森のInstagramのアカウントが削除され、所属していた前事務所「ARBRE(アーブル)」の公式サイト上からもプロフィールが削除され、大手芸能事務所ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)とのエージェント業務提携が発表された。

「森をスカウトしたアーブルの社長がマネージャーも兼務するかたちで、それこそ苦楽を共にして一気に森をブレイクに導いた。しかし、仕事の現場にも出入りしていた森の母親が待遇面に不満を持ち、半ば強引なかたちでアーブルとの契約を終了させたのです。

 一方、SMAとしては、森サイドがそんな業界的にはご法度なことをしでかしていたとは寝耳に水で、前事務所とは穏便に契約を終了させてきたと思っていた。そのため、いきなり森を専属というかたちで受け入れるのはリスクはあるとして、“試用期間”を設ける意味でも業務提携という形態を取ったといわれています」(テレビ局関係者)

徳光和夫の問題発言

 そんな森は大手事務所の力もあってか、現在ではNTTドコモの「ahamo」やロッテ「雪見だいふく」のCMにも起用され、本格稼働の動きをみせているなかで、連ドラ出演の話が取り沙汰されているわけだが――。

「森は11月放送のスペシャルドラマ『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)に出演したものの、あくまで単発モノ。やはりスポンサー企業は移籍トラブルなどのマイナスのイメージがついた女優を起用することには慎重になるので、SMAとしては早く連ドラ出演という“実績”をつくって、次の仕事につなげていきたいわけです。すったもんだの末に獲得したからには、末永く稼いでもらわないと困るでしょうからね。そのため、SMAは成田を出演させる“バーター”として森をキャスティングに押し込んだという報道も出ていますが、ない話ではないでしょう」(別のテレビ局関係者)

 一方、の起用には別の要因も影響しているという声も――。

「10月頭に発表前にもかかわらず成田と森の共演が『週刊女性』(主婦と生活社)にスッパ抜かれたことで、日テレは森の起用見送りも検討したといいます。まだ移籍トラブルのイメージが強い森を無理してまで使う必要はなく、SMAは土屋太鳳や二階堂ふみ、橋本愛などが所属する大手なので代わりの女優はいくらでもいるわけですから。

 そこで飛び出したのが、SMA所属の徳光和夫の“AKB妊娠発言”だった。徳光は出演した水道橋博士のYouTubeチャンネルで“明石家さんまはAKBの1人や2人は妊娠させられる”と発言し、これがセクハラだとして世間からバッシングを浴びる騒動が起きたのです」(日テレ関係者)

 これが、森の出演とどうつながるのだろうか。

「徳光は日テレの看板番組『24時間テレビ』で過去に31年連続で総合司会を務めるなどの功労者で、今でも毎年のように出演している。しかし今年の『24時間』では、東京五輪レスリング金メダリストの須崎優衣へのセクハラ発言が批判を浴び、時を経ずして再び炎上騒動を起こした。日テレとしては、チャリティー番組を謳う『24時間』で、いくら功労者とはいえ徳光を来年も出演させることにはリスクがありすぎる。

 そこで日テレはSMAに対し、森の起用を飲む代わりに、徳光は『24時間』からもう“卒業”する方向で事務所のほうで本人とうまく話をつけることを飲ませたと聞いています。もしこの話が事実であれば、森が起用されれば成田のバーターというより、徳光の“出演見合わせ”のバーターといえるのかもしれません」(日テレ関係者)

 いずれにしても、森の踏ん張りに期待したい。

(文=編集部)

大手パチスロメーカー「ユニバーサル」前年同期比で大幅減収減益も…次期以降は『沖ドキ!』シリーズなど最新作を集中的に市場投入へ 

 4号機時代の名機を誰もが気軽に楽しめる仕様へとリメイクした『CCエンジェル』が好評なユニバーサルエンターテインメント(東証JQ:6425)は11月11日、2021年12月期の第3四半期決算を公表した。

 これによると、売上高は前年同期比25.2%減の576億8,300万円。営業損失、経常損失、純損失については統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」における営業停止時の固定費(減価償却費等)を販売費及び一般管理費から特別損失に振替したことから、それぞれ43億3,000万円、77億3,500万円、183億9,800万円とした。

 当期間中における遊技機業界は、パチンコホールは感染症対策を講じつつ営業を続けているものの、集客並びに稼働の回復には至らず、依然として厳しい経営環境が継続。新台入替に対する慎重な姿勢が続き、遊技機の市場供給は低調に推移した。

 このような中、パチスロ機はREG中に目押し難易度が異なる3種類の消化方法を採用した『新ハナビ』、大人気5号機『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』の正統後継機『SLOT劇場版魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語』等、パチンコ機は不朽の名作ゲーム4タイトルをモチーフとした『Pナムココレクション』を発売。

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 販売台数はパチスロ機が46,867台、パチンコ機が2,999台の計49,886台、当四半期連結累計期間では計82,003台と前四半期連結累計期間の125,325台を大幅に下回ったが、これは現在、市場で稼働中のパチスロ機の主要タイトル約60万台が、当連結会計年度の第4四半期から来期の第1四半期にかけて入替が予想されていることから、当連結会計年度の製品も、その期間に集中して市場投入する戦略に基づいているからだと説明している。

 ちなみに、当期に発売した上記のパチスロ2機種は、当期間内の全パチスロ販売機種の中で上位の販売台数となったそうだ。

 統合型リゾート(IR)事業の売上高は前年同期比5.6%増の217億700万円、営業損失は25億4,100万円、メディアコンテンツ事業などの売上高は同28.3%減の6億6,700万円、営業損失は7,900万円だった。

 第4四半期の見通しとしては、パチスロ機は既に『SLOTタブー・タトゥー』や冒頭で述べた『CCエンジェル』の導入を開始したほか、シンプルなゲーム性と納得の出玉感を兼ね備えた『泡盛』、『沖ドキ!』シリーズの最新作『沖ドキ!DUO』を発売。パチンコ機は人気ゲームとのタイアップ作『Pデビルメイクライ4 クレイジーバトル』を目玉とし、計44,800台の販売を見込んでいる。

元JRA安藤勝己氏も苦言した「いばらの道」!? レイパパレはC.スミヨンと新コンビで香港C(G1)参戦も、距離不安は拭えず…

 14日のエリザベス女王杯(G1)で6着に敗れたレイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)が12月12日に香港シャティン競馬場で行われる香港C(G1、芝2000m)の招待を受諾した。

 また、これまで8戦でレイパパレの主戦を務めてきた川田将雅騎手がブリーダーズCフィリー&メアターフ(米・G1)を制したラヴズオンリーユーに騎乗予定のため、C.スミヨン騎手との新コンビでレースに臨むことも決まった。

 レイパパレはデビューから無敗で今年の大阪杯(G1)を制し、一躍トップホースの座に躍り出た。しかしその後は宝塚記念(G1)3着、オールカマー(G2)4着、そして今月のエリザベス女王杯でも6着に敗れ、未勝利となっている。

 敗戦が続くここ数戦で特に気になるのが、その激しい気性だ。

 前走のエリザベス女王杯でもスタート直後から折り合いを欠き、ルメール騎手が何とかなだめようとするも、前半での体力の消耗が響いて最後の直線では失速。6着に敗れた。レース後のインタビューでは「折り合いを欠いて冷静さがありませんでした。やはり距離が長いかもしれません、コントロールが難しかった」と気性面の不安定さを語っていた。

 今回、新たにコンビを組むことになったC.スミヨン騎手といえば、凱旋門賞(仏・G1)を2勝するなど世界で活躍し、日本ではエピファネイアでのジャパンC(G1)やラッキーライラックでのエリザベス女王杯の勝利が印象的な、日本でもおなじみの世界的名手である。2019年の香港マイル(G1)では日本のアドマイヤマーズに騎乗して見事に勝利を収めており、気性難のレイパパレをスミヨン騎手がどう乗りこなすか注目される所だ。

 レイパパレを管理する高野調教師は「マイルでもと思いましたが、スミヨン騎手が2000mでも問題ないとのことでしたから」と明かしており「馬はいける状態です、距離が(エリザベス女王杯から200m)短くなるのは好材料」と世界的名手を配し勝利への意欲を見せる。

 ただ、スミヨン騎手は実際にレイパパレに騎乗した経験はなく、距離は持つという話も、あくまで過去の戦績や映像などをみての判断と思われる。

 SNSなどでは最近のレースぶりでは2000mすらも持つかどうか怪しい、という見る向きもあり、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身の公式Twitterで「(エリザベス女王杯の敗因は)はっきりと距離やと思うね。最後の一年はマイル路線に専念するんやないかな」と現状はマイルが適距離ではないかとの見解を示した。

 ただ、今年の香港マイルには香港で18戦17勝(内G1・4勝)、香港マイル連覇を狙う香港の最強馬ゴールデンシックスティが出走を予定しており、本馬との対戦を避けるため、やむを得ず香港カップに出走するという見方もあるようだ。

 エリザベス女王杯の結果からもジャパンC、有馬記念(ともにG1)は距離が長すぎるため活躍の場を海外に求め、陣営の判断は吉と出るか凶と出るか。いずれにせよ、マイル路線には舵を切らずに中距離での続戦を決断したレイパパレの進路を決める戦いになりそうだ。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

パチスロ「事故多発」のビッグタイトルがついに撤去… シリーズ伝統の人気システムを継承した話題作を攻略!

 いわば『北斗の拳』シリーズの集大成。サミーの5号機『パチスロ北斗の拳 修羅の国篇』で、撤去までに「万枚」を突破させたいと目論むファンも多いことだろう。

 1G純増約2.0枚、1セット50G継続のART「闘神演舞」を出玉増加の主軸とする当機の通常時は、シリーズ伝統のシステムを継承しており、低確・通常・高確・前兆4種類のモードが存在。昇格移行契機はチャンス役で、前兆モードへの移行は文字通り前兆を経てARTがスタートする。もちろん、中段チェリーは25%以上でARTへと繋がる。

 また、スイカ・中段チェリー・強チャンス目成立時は「真・北斗カウンター」が発動し、この間に同一小役を重ね引くとモード移行が優遇。赤エフェクトへの変化は高確以上が確定するので、絶好の叩き所といえる。

 中段チェリーや強チャンス目成立時はボーナス重複にも期待でき、通常時でのボーナス当選時は「天舞の刻」へと発展。消化中は成立役を参照して「あべし」が加算され、これが1000あべしに到達、あるいはラストのバトルに勝利できればARTが約束される。

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 ART中は貯めた「勝舞魂」を使って「神拳勝舞」で継続を掴み取る転生システムを採用しており、消化中は成立役に応じて勝舞魂をストック。勝舞魂獲得期待度はセットごとに決められる3段階の「闘神レベル」で変化し、この闘神レベルはART当選時に振り分けられる4段階の「ATレベル」に準じて上位レベルが選ばれやすくなる仕組みだ。

 ちなみに、北斗絵柄揃いからのARTはATレベル3以上、ロングフリーズからのARTはATレベル4が選択される。

 ART中に天舞の刻を引き当てた場合は「闘神演舞TURBO」へ突入し、消化中は当選時の闘神レベルで勝舞魂獲得抽選。ケンシロウ(転生継承)選択時の「闘神ステージ」、シャチ(最終告知)選択時の「羅刹ステージ」、カイオウ(完全告知)選択時の「魔神ステージ」といった闘神レベル3確定時の闘神演舞TURBOは、大量勝舞魂獲得の大チャンス到来だ。

 神拳勝舞中は勝舞魂1個につき1回の継続抽選。チャンス役成立時は勝利に大きく前進し、連敗時は押し順リプや押し順ベルでも勝率が大幅アップする「拳力」が発生しやすくなる。CB成立時は「勝舞」が発生して次ゲームに勝敗が持ち越され、ベルならば50%、ベル以外ならば例外なく勝利へと結び付くといった特徴もある。

 加えて、神拳勝舞中のカットイン発生は、その時点で勝利確定。ここで7絵柄が揃えば「死闘」と呼ばれるバトルへ突入し、見事に撃破できれば1セット15Gの高ループART「特闘」へ昇格する。

 設定推測要素は弱チェリー&弱スイカ出現率、モード移行割合、ART7連ごとに発生するエピソードの種類、特闘中のラウンド開始画面など。天井は1,300Gハマリで、前兆を経てARTが始まる。

JRAマイルCS(G1)「ノーザンファーム」の運動会が濃厚!? 過去10年でも類を見ない異常事態に発展

 21日に行われるマイルCS(G1)は、昨年に引き続き今年も阪神競馬場での開催。最強マイラーの座をかけて、各世代の実力馬が集結する注目一戦で忘れてはならないのが、ノーザンファームの生産馬だ。

 昨年のマイルCSを振り返れば、17頭立てのうち同ファーム生産馬は7頭。結果的にも優勝したグランアレグリアから2着インディチャンプ、3着アドマイヤマーズまで「ワンツー」はおろか「スリー」まで独占した。

 そして今年はさらなる“異常事態”が発生することに……。確定した出走馬16頭に対し、半数の8頭が同ファーム生産馬であり、しかも上位人気が予想される馬たちが揃っているのだ。

 これで18年以降のマイルCSには毎年、ノーザンファームの生産馬が6頭以上も出走していることになる。ただでさえ多かった昨年の7頭を上回る8頭の出走は、過去10年で最多。しかもただ出走するだけでなく、毎年のように上位争いする有力馬を送り出している点から、最も得意とするレースだろう。

 ここまで来るともはや今年のマイルCSは「ノーザンファーム大運動会」といっても過言ではない。

 毎年のように多頭数出しを実現することにより、出走馬同士で賞金を“山分け”している感もあるが、その狙いはマイルCSだけではないようだ。

 昨年11月17日に配信された『スポーツ報知』の記事によれば、同ファームの中島文彦ゼネラルマネージャーは「世界的にマイルの重要度は高くなっていますので、それに対応するための馬づくりを意識して取り組んでいます」と語っている。

 言わずもがな、マイルとは1600mを指しており、この距離を基本に400m短い1200m、400m長い2000m、さらに400m長い2400mは、根幹距離と呼ばれている。中でも、1マイルは根幹距離の基本であるだけでなく、世界的にも重視されているといえるのではないか。

 さらに馬づくりに対して「血統、配合、種牡馬など、世界的なトレンドを踏まえ、スピード面を意識している」と続けた中島氏。世界的に見てもリーディングサイアーになるには根幹距離に強いことが重要で、さらにスピード重視の近代競馬で通用するには、マイル戦に強い馬づくりを意識していることも伝わってくる。

 事実、19年に行われたJRAの芝1600mのG1レースは、全てノーザンファームの生産馬が勝利しており、日本に7つある芝のマイルG1で完全制覇を成し遂げてしまった。

 さらに18年ステルヴィオ、19年インディチャンプに続いて、昨年はグランアレグリアが制したマイルCSは今年で4連覇が懸かっている。これは偶然ではなく、中島氏の確固たる戦略を遂行している結果ともいえそうだ。

 また主役を務めるグランアレグリアは、本レースをラストランにすると発表。しかし現役最強マイラーの名を誇る女王が引退しても、来年以降もまた同ファーム生産馬が“マイル王”に就く可能性は高いといえるだろう。さらに日本競馬界はもちろん、世界の競馬界にも、そう遠くない時代に「マイルといえばノーザンファーム生産馬」という競馬格言が生まれるかもしれない。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

東京五輪パラ、なぜ4億回のサイバー攻撃でもトラブル起こさず?成功のレガシー残す

 東京オリンピック・パラリンピックでは、約6万人の警察官を動員したリアルのテロ対策と並んで、サイバーテロ対策が大きな課題となりました。各方面がよく準備し、事前テストも行ったことで、ほぼ何事もなく終わったのは何よりです。そればかりか、大きなイベントや有事の際に最優先で維持すべきオンライン・サービスを事前に選定しておけ、などの豊富で実践的なガイドライン知識・ノウハウがオリ・パラの遺産(legacy;レガシー)として残り、公的組織にも民間組織にも大いに参考になるようになりました。形のあるレガシーは風化しますが、無形の知識・ノウハウは、風化しないどころか、それが優れて「使える」ものであれば、使われ続けることで維持、発展、成長さえしていきます。

東京オリ・パラ期間中のサイバー攻撃

 総括にはまだ少し早いかもしれませんが、パラリンピック終了後1カ月以内にいくつかの記事が出ています。

・サービス&セキュリティ株式会社「東京オリンピック・パラリンピックのセキュリティインシデントの振返りとフィッシング件数増加の注意喚起

 この記事では、2020年10月と比べて、わずか10カ月後の2021年8月にフィッシングメールの件数が11倍にも激増したとあります。確かに、私個人のメールボックスを見た感じでも、カード会社や金融機関、保険会社を装ったフィッシング詐欺メールは数倍以上に増えた、という印象があります。しかし、おそらくはオリ・パラとは無関係で、たまたま海外(アルファベットが中国名のサイトへの誘導が多い)の詐欺グループが、高精度化した無料機械翻訳サービスを本格的に活用しはじめたタイミングが重なっただけではないか、と思われます。新型コロナウイルス対策を装った悪質な偽サイトの増加も、たまたま時期が重なったといえるでしょう。

 いずれにしても、手動での監視、ブラックリスト、ホワイトリストの管理、詐欺メール本文を機械学習へ送る手間が馬鹿にならず時間を奪われるのはたまったものではありません。自動送信には、自動迎撃のAIで対抗したいものですが、手口も巧妙化する一方で困ったものです。見せしめの厳罰処分を各国で一斉に行うなどできないものでしょうか。

・NHK NEWS WEB「東京オリ・パラ期間 サイバー攻撃 4億5000万回 運営に影響なし

 こちらは、間違いなくオリ・パラ関連です。期間中、オリ・パラの大会運営に関わるシステムやネットワークに、合わせて約4億5000万回のサイバー攻撃があったとのこと。ISP側でのフィルタリング、都度、ユーザの協力を得て通信ブロック、端末クリーンアップなどの対策の結果、すべてブロック。システムダウンや、遅延などは起きず、大会運営になんら悪影響もなかったということで、輝かしいサイバーセキュリティ対策の成功事例となりました。

 データが比較可能な2012年のロンドン大会の2倍以上だということです。これは、8年という、ITの世界では太古の昔と比較したら100倍、1000倍にもなっていてもおかしくない、との予想を裏切る結果でしょう。2012年のロンドンが当時としては画期的な猛攻撃を受けていたとみるべきかもしれません。

 短期間向けのシステムということで、膨大な文書、ファイルの蓄積を台なしにするランサムウェアのようなものはなかったようです。もちろん、ランサムウェア等の無差別攻撃に対応できるよう、十分な対策をしていたと思われます。感染した場合の対処法を講じる必要はなかったようです。

運営現場、事務方と技術サイドの協力の成功

 先述のレガシーの冒頭(zipファイルの中身)には、次があります。

・リスクアセスメント・ガイドラインv4.1.0.pdf

・頭紙 東京2020大会に向けたリスクアセスメントの全体像v6.0.0.pdf

 業務の維持、継続のために、重要サービスを事前に選定し、そのサービスレベルを具体的に規定(復旧時限なども!)することが明記されています。さすが、内閣サイバーセキュリティセンター。そして、これらメリハリをつけた具体的で詳細なガイドラインに基づいて実際にリスクを事前に想定、評価し、予防や対策の事前予行演習まで行っていました。

 これは、「言うは易し、行うは難し」というやつで、どの大組織でも、事業部門の現場と情報システム部門他の間接部門が本当に1つの目標に向けて緊密に効率よく協力し合うのは一般的には非常に困難です。こちらの記事が引用するアスタリスク・リサーチ 代表取締役 エグゼクティブ アドバイザ 岡田良太郎氏によれば、「技術の言葉ではなく平易な言葉で目標を立てた」のが成功要因といいます。

 しかし、実際に上記ガイドライン、アセスメントを読んでみると、平易な言葉の裏に技術的に厳密な定義、サイバーセキュリティ特有の概念が示されていて、これらの理解を避けて通ることはできないといえます。この点、見事にリアル、サイバーのテロ対策をやりきった警察のトップ、斎藤実・前警視総監(筆者の高校の同級生です)が、法学部出身ながら警察のサイバーセキュリティ技術者試験に合格するなど、事務方が技術の理解に本気で取り組んだことも、大きな成功要因だったと評価すべきでしょう。

平時のサイバーセキュリティに必要なAIとは?

 クラッキング、企業内ネットワークへの侵入と、ランサムウェア(データを人質にとる)をはじめ各種攻撃への対策は、オリ・パラのような短期間の「有事」だけでなく日常、平時にも必要です。攻撃者によるパスワード解読は、今後、英語の辞書とその変形だけでなく、リアルタイムでさまざまに攻撃の仕方を変えてくるようになるでしょう。

 それに対抗するには猛スピードでパターンを捉え、対応法を即座に自動変更できるAIを活用することになっていくでしょう。5月の私の記事「「デジタル秘書」化するAI、セキュリティ対策に浸透…メール誤送信防止にも活用」に記した通りで、敵の攻撃が自動化、AI化で高度化してくる以上は、「目には目を、歯には歯を」でAI導入が不可避になってくるという予言です。攻撃者が量子コンピュータを使い始める可能性も視野に、今後、対策を考えていく必要があります。

 サイバー攻撃の被害は、感染した場合の対処法に「身代金を払ってはいけない」とあるのが浸透し、また、隠ぺいしては再発防止策が不十分になるとの認識が広まってまいりました。しかし、原因が外部でなく、内部、すなわち社員による不正行為にある場合は、引き続き多くのケースで隠ぺいせざるを得ないと考える経営者が多いかもしれません。いずれにせよ、平時からどのような対策をしておくべきでしょうか?

 社外へのメール送信を30分とか遅延させて、上司が全文を読むという「ソリューション」を売っているSI業者もあります。しかし、部下のほうが数が多いのです。貴重な上司の時間をリアルタイムで部下のために捧げるのでは組織は回らないでしょう。

 単純作業、泥仕事は、AIという道具に分担させましょう。例えば、個人情報NGフレーズを自動的に検出し、その件数がある閾値を超えたらリアルタイムで通知したり、いったん送信を自動的に中止させたりすることで初めて、「業務が回る」仕組みとすることができるでしょう。改正個人情報保護法の来春の施行に向けて、実際の漏洩よりずっと手前の段階での個人情報の把握と管理が義務付けられます。それをすべて人手でまかなうのは非現実的であり、これらAIを使うしかない、ということになりそうです。

 これらについては、11月24~26日のSaaS見本市ONLINEや、12月8~10日のリスク対策EXPO ONLINE で、私の会社の提案を見ていただいてもいいですし、他の主張も併せて批判的に分析し、単純作業、泥臭い仕事をなるべく早くAIに代行させましょう。人間が人間らしい高度で創造的な業務にシフトするのを速めるよう(これが正しいDXのコツの1つです!)、共に尽力してまいれたら幸いです。 

(文=野村直之/AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員)

●野村直之

AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員。

1962年生まれ。1984年、東京大学工学部卒業、2002年、理学博士号取得(九州大学)。NECC&C研究所、ジャストシステム、法政大学、リコー勤務をへて、法政大学大学院客員教授。2005年、メタデータ(株)を創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、各種人工知能応用ソリューションを提供。この間、米マサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所客員研究員。MITでは、「人工知能の父」マービン・ミンスキーと一時期同室。同じくMITの言語学者、ノーム・チョムスキーとも議論。ディープラーニングを支えるイメージネット(ImageNet)の基礎となったワードネット(WordNet)の活用研究に携わり、日本の第5世代コンピュータ開発機構ICOTからスピン・オフした知識ベース開発にも参加。日々、様々なソフトウェア開発に従事するとともに、産業、生活、行政、教育など、幅広く社会にAIを活用する問題に深い関心を持つ。 著作など:WordNet: An Electronic Lexical Database,edited by Christiane D. Fellbaum, MIT Press, 1998.(共著)他