パチスロ「現行機最強クラスの出玉率」「フル攻略で激アマ」などオススメのボーナスタイプ特集!

 6号機以降、苦戦が続くパチスロ「ノーマルタイプ」ですが、そうした中でもスペック的に十分打てるマシンは存在します。そこで今回は、「ノーマルタイプで手堅く勝ちたい」という方に特にオススメの「6号機ノーマルタイプ」をご紹介します!

『ファンキージャグラー2』(北電子)

■BB確率:1/266.4 ~ 1/219.9
■RB確率:1/439.8 ~ 1/262.1
■ボーナス合算:1/165.9 ~ 1/119.6
■機械割:97.0 ~ 109.0%

 スペックはご覧の通り、現行ノーマル機のハイスペックマシン『マイジャグラー』シリーズに匹敵する性能を誇っており、ノーマルタイプで勝ちたいという方なら必ず知っておきたい一台だ。

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また、『ジャグラー』シリーズはどのホールも高設定を使っている頻度が高いので、そういった意味でもオススメできる機種といえる。

『ハイハイシオサイ2』(パイオニア)

■BB確率:1/195 ~ 1/164
■RB確率:1/204 ~ 1/168(設定5は1/297)
■ボーナス合算:1/99 ~ 1/83(設定5は1/99)
■機械割:97.9 ~ 110.0%

『ハナハナ』シリーズでお馴染みのパイオニアからリリースされた本機は、6号機ノーマルタイプ最高クラスのスペックを実現しており、設定6の出玉率は約110%。それに加えて、設定1でもボーナス合算確率が1/100を切るという、非常に遊びやすいスペックとなっている。

 導入台数は少なめだが、見かけたら一度は触ってみても良いだろう。

『パチスロガメラ』(サミー)

■初当り確率:1/219.0 ~ 1/170.8
■機械割:102.0 ~ 107.4%(完全攻略時)

 最後は、純粋なノーマルタイプではなく、“A600-AT”と銘打たれて登場したサミーの『ガメラ』。

 設定1でも完全攻略時の出玉率が約102%という甘さに加え、出玉率をアップさせる技術介入の難易度はそこまで高くなく、中リール・上中段に赤7を2コマ目押しできればOK。中級レベルの目押しができる方なら問題なく打つことができるマシンだ。

 そして、BIG時の平均獲得枚数は560枚と非常に高いため、低設定でも十分に勝負できるスペックとなっている。

(文=ひろ吉)

<著者プロフィール>

 IT業界の世界に興味を抱き、iPhoneアプリの開発を4年程経験。その後、WEBマーケティングの知識や経験を重ねてきた。パチンコ・パチスロのヘビーユーザーであり、機種のスペック等の研究に時間を注いでいる。現在はパチMAXにて、パチンコやスロットの考察記事・実戦記事をメインに作成中。自身が好む低純増・低ベース機の動向にも注目している。

JRA 武豊「単勝万馬券」「最低人気」「大差シンガリ負け」の屈辱…からの巻き返し!? 近親に「無敗の三冠牝馬」持つ良血馬とデビュー戦V発進

 4日、阪神競馬場で行われた6R・2歳新馬戦は、武豊騎手の3番人気スマートセプター(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が直線抜け出して勝利。外から迫るアタカンテの追撃を半馬身差凌いで、見事にデビュー白星を飾った。

「調教では幼いところがありましたが、レースでは真面目でした」

 鞍上の武豊騎手がレース後にそう話した、10頭立てのダート1400m戦。コメント通り5枠5番から上手く好スタートを決めたスマートセプターは、内のタガノシリフケを行かせて好位2番手からの競馬。前半600m通過36秒2の流れを手応えよく追走しながら、最後の直線に入った。

 ラスト1ハロンで逃げていたタガノシリフケを捕らえると、外からは福永祐一騎手の1番人気のアタカンテが追ってくるが、差を詰めさせない。さらに外からはクリーンジーニアスも迫ってきたが、最後まで後続との差を半馬身から1馬身ほどキープしたまま、危なげなく押し切った。

「調教や返し馬では物見をして若い面も見せていたようですが、ゲートが開いてからは優等生でしたね。好スタートを切って2番手追走から直線で抜け出す、馬名の通りスマートな競馬内容でした。脚色も最後までしっかりとしていたので、半馬身の着差以上に余裕のある勝利だったと思います」(競馬誌ライター)

 勝ったスマートセプターは、近親に昨年無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクトがいる良血馬。父はシニスターミニスターのため、本馬は今後もダートが主戦場となりそうだ。勝ち時計の1分26秒7はそこまで目立ったものではないが、爆発力を秘めている血統だけに、今後も注目したい1頭だ。

 ちなみに2着だったアタカンテは、昨年のかしわ記念(G1)を勝ったワイドファラオの半妹。2番人気に支持されていたレッドバンディエラは、重賞2勝を挙げているレッドアンシェルの半弟だ。

 これらの馬を相手に完勝を収めたことも、スマートセプターの今後の評価に繋がるかもしれない。

 なお武豊騎手はこの日、1つ前の5R新馬戦で、懇意にしているキーファーズの関連馬であるデールに騎乗。公式サイト『キーファーズサロン』のトレセンレポートには、「スピードがない」と記載されていたとはいえ、同騎手にしては珍しく単勝万馬券の最低人気。レースでも大差のシンガリ負けを喫していたが、次の6Rではしっかりと巻き返しを果たした。

「ダートの短いところなら今後も楽しみな馬です」

 レース後、スマートセプターの将来性についてそう語った武豊騎手。

 武豊騎手と冠名スマートのコンビといえば、まっさきにスマートファルコンが思い浮かぶかもしれない。2010~12年にかけてダート交流重賞9連勝を達成、ドバイワールドC(G1)にも挑戦した、近年の最強ダート馬候補の1頭だ。

 スマートセプターは果たして今後、短距離界のスマートファルコンのような馬に成長することができるだろうか。長い目で見守っていきたい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

パチンコで「ART・ゲーム数上乗せ」を再現した実力メーカー…公開予告された激アツ新台情報にも注目!!

 パチスロメーカーとしては後発に属するものの『吉宗』や『押忍!番長』など爆発的なヒットマシンを世に送り出してきた大都技研だが、パチンコに初参入するのは2009年とわりと遅めのタイミングであった。

『吉宗』『バンバンダッシュ』『秘宝伝』など自社のヒットコンテンツを次々にパチンコ化し、パチンコファンにも認知度を高めその存在感を示すこととなる。主力機種となる『CR吉宗』は4作続く人気シリーズとして定着した。

 この大都技研の作るパチンコ機はパチスロメーカーならではのアイデアにあふれる機種が多く、スペックに対する強いこだわりを感じられる。トレンドの仕様をベースに一工夫、二工夫加えてきたりするのである。

 その創造性と独自性がスパークしたマシンが『CR忍魂(しのびだましい)』になる。本機もまたパチスロで人気を博したコンテンツで、パチスロではART「月光ノ刻」によって出玉を増やすタイプのマシンだが、そのゲーム性をパチンコに移植した意欲作となる。

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パチンコ「約81%継続×ALL1500発」をライトミドルで実現の衝撃! 新台分析- P真・花の慶次2~漆黒の衝撃~EXTRA RUSH-

 パチスロのARTとは「アシストリプレイタイム」の略で、ボーナス(大当り)とは別に推し順ナビに従うことで特定の小役(9枚役、15枚役など)が揃い払い出しを受けられるもの。ARTは規定されたゲーム数で発生し続けるうえに、回数セットやループ性もあるので大きく出玉を増やすことができるようになる。

 そのARTをパチンコでどう表現したかというと、大当りを引くまでに賞球の多い電チューに多く入賞させることである程度まとまった玉を頻繁に払い出させるシステムを搭載。イメージとしては小当りRUSHの変化型である。

 本機の右打ち中の流れは見た目アタッカーの電チューに入賞(9個賞球×7カウント)→大当り抽選(1/1)→アタッカーが開く(ほとんど玉が入らない)を繰り返す。確変割合は95%で11回のリミッター付き。

 リミッター到達時は65%で100回転の電サポが付与されるのだが、通常時の大当り確率が1/4なので引き戻し濃厚。したがって再びリミット到達率の高い連チャンに突入し、11回分の出玉(約693個)を獲得できるようになる。

 これが「上乗せの正体」で、画面に表示された残りゲーム数=リミット到達回数が0になるまで連チャンゾーンとなるART(アディショナル・ラウンド・タイム)「月光ノ刻」が継続される。

 このゲーム数上乗せのほかに時間上乗せ「月華ノ刻」なる特殊ゾーンが存在し、ゾーン滞在時は電チューの開放が頻繁に発生するので長くなるほど出玉を増やすチャンスとなるのである。

 この『忍魂』同様に、最新作でもパチスロの大ヒット機種『リゼロ』が『鬼がかりver.』として登場予定。1月の導入を控えついに機種ページが公開された。現状ではPVのみだが12/24に何かが公開される予定となっている。期待は高まるばかりである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

JRA チャンピオンズC(G1)カフェファラオ「切り札」導入は諸刃の剣?C.ルメール好感触もサリオスで思い出される「苦い思い出」

 5日、中京競馬場でダート王決定戦のチャンピオンズC(G1)が行われる。同レースが初のダート戦となる白毛馬のソダシをはじめ、昨年の覇者チュウワウィザード、6月の帝王賞(G1)を快勝したテーオーケインズなどが上位人気を形成している模様だ。

 そんななか、今年G1を勝ちながらも現在単勝10倍以上の伏兵に留まっているのが、今年のフェブラリーS(G1)優勝のカフェファラオ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 9戦5勝と、レースへ出走すれば半分以上は勝っている強さの持ち主。昨年は無敗でダート3歳馬の登竜門と言われるユニコーンS(G3)を制するなど、早くから能力の高さが際立っている外国産馬だ。

 しかし、敗れた4戦は全て4着以下。その中には、2番人気と高い支持を得るも6着と完敗した昨年の同レースも含まれている。ピンかパーの印象は否めず、7月の函館記念(G3)以来と臨戦過程もファンの中で引っかかっているのか、人気は今一つのようだ。

 そのカフェファラオだが、今回勝てば2017年のゴールドドリーム以来の史上7頭目となるダートG1統一制覇を達成することになる。偉業を成し遂げるためにも、今回は負けられない一戦となるだろう。そこで陣営はカフェファラオへとっておきの「切り札」を切る姿勢を見せている。

 その切り札とは「ブリンカー」だ。

 ブリンカーは馬具の一種で、合成ゴムやプラスチック製のカップで作られている。一般的にメンコの目穴部分に取り付けて視界の一部を直接遮ることで、馬の意識をレースや調教に集中させ、周囲からの影響に惑わされずに走らせる効果がある。

 1週前追い切りでブリンカーを装着したカフェファラオは、素晴らしい動きを披露。レースでも騎乗するC.ルメール騎手が「ブリンカーを着けて一生懸命走ってくれた。走り方、手前の替え方も良かった」と、『デイリースポーツ』の取材で回答しており、効果は早速表れているようだ。

「カフェファラオは2走前のかしわ記念(G1)で敗れた際、ルメール騎手が『スタートからあまり進みませんでした』と、行きっぷりの悪さを指摘していました。

調教を見る限りブリンカーの効果はありそうです。チャンピオンズCがどういう結果であれ、かしわ記念のような負け方は無いような気がしますよ」(競馬記者)

 一方、別の記者はブリンカーがカフェファラオにとって「諸刃の剣」となってしまうのでは、と懸念している。

「堀師は1週前追い切りについて『ブリンカー着用で気持ちが高ぶったのか、息遣いが悪かった』と話しており、ブリンカー効果が出過ぎている気がします。

枠順は前に馬を置いて折り合いを付けることが難しいとされている大外16番ですから、引っ掛かってしまうなんてことも……」(別の競馬記者)

 堀厩舎とブリンカーで思い出されるのが、先月のマイルCS(G1)へ出走したサリオスだ。

 サリオスはこのレースでブリンカーを初めて装着したが、結果的に前年を下回る6着に敗れた。元JRA騎手の安藤勝己氏は「ブリンカー効いてて、展開と相まって引っ掛かった」と、馬具の逆効果を敗因の1つに挙げている。

 果たして「切り札」を身につけて走るカフェファラオは、4年ぶりの統一ダート王になれるのか。それとも、僚馬サリオスの二の舞を踏んでしまうのだろうか。前者が現実に起こることに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRAソーヴァリアント圧勝で、有馬記念(G1)「あの曲者」が急浮上!? エフフォーリア、タイトルホルダーの影に隠れた「第3の刺客」とは

 4日、阪神競馬場で行われたチャレンジC(G3)は、1番人気のソーヴァリアント(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)が勝利。3歳クラシックとは縁がなかった“遅れてきた大物”が、単勝1.7倍の支持に応えて重賞初制覇を飾った。

「勝つ自信がありました。絶対能力があり、上に行けると思います」

 レース後、鞍上のC.ルメール騎手が饒舌なのも当然か。レースは2番手から抜け出す横綱相撲で、2着ヒートオンビートに3馬身半差をつける圧勝劇。「大きな差(3馬身半差)で勝つことができました。G2、G1に行ける馬です」と絶賛されたように、ここでは格が違った印象だ。

 次走はおそらく来年以降になる見通しだが、その一方でこの結果を受け、年末の有馬記念(G1)で急浮上した“曲者”がいる。

「ソーヴァリアントと同じ3歳馬のアサマノイタズラですね。先日、有馬記念挑戦が発表されていましたが、前走の菊花賞(G1)で9着に敗れていることで、そこまで大きな注目は集めていませんでした。

しかし、このソーヴァリアントをセントライト記念(G2)で2着に下したのがアサマノイタズラです。

今年の有馬記念に挑む3歳勢は、菊花賞を勝ったタイトルホルダーや天皇賞・秋(G1)でG1・2勝目を挙げた皐月賞馬エフフォーリア、クラシック三冠をすべてで好走したステラヴェローチェなどが大きな注目を集めており、アサマノイタズラはそれらの影に隠れる形でした。

しかし、ソーヴァリアントの今日の勝ちっぷりを見れば、アサマノイタズラが古馬相手にも相当高いレベルにいることが推測できます。有馬記念でも要警戒の1頭になったと言えるでしょう」(競馬記者)

 記者が話す通り、9月に行われたセントライト記念では、先に抜け出したソーヴァリアントをゴール前できっちり捉えているアサマノイタズラ。さらに、この2頭から1馬身3/4遅れた3着オーソクレースが、後の菊花賞で2着したことを鑑みれば、菊花賞の敗戦はアサマノイタズラにとって距離が長過ぎた可能性が高そうだ。

 また、2007年には9番人気ながらダイワスカーレットやメイショウサムソンを破ったマツリダゴッホに代表されるように、有馬記念は古くから「中山巧者」が活躍しているレースでもある。

 セントライト記念を勝ったアサマノイタズラは、スプリングS(G2)でも2着するなど、中山実績は世代屈指の存在。有馬記念が行われる中山・芝2500mは、本馬にとって絶好の舞台になる可能性がありそうだ。

「コース取りとか、ペースで紛れが起きやすい。なので、ちょっと足りない馬でもチャンスが出てくるんですよね」

 以前、そう話していたのはアサマノイタズラの鞍上・田辺裕信騎手だ。グランプリ4連覇が懸かるクロノジェネシスなど、現役屈指の強豪が集う今年の有馬記念だが、一発の魅力を秘めた3歳馬が穴党ファンの心をくすぐりそうだ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

岸田政権の積み上げ型の大型経済政策、大した経済効果がないことが国民にバレ始めた

 岸田政権の大型経済対策が不評だ。「傷んだ経済を立て直し、(中略)自律的な経済成長を実現していきたい」(松野官房長官)と意気込んだが、国民や市場からの評価は良くない。今はコンセンサスを得にくい時期であることは間違いないが、高評価を得られなかった最大の要因は、個別施策の積み上げで、全体像が見えにくかったことである。

今回の経済対策に限って批判が殺到した理由

 政府は2021年11月19日の臨時閣議において55.7兆円の大型経済対策を決めた。民間の支出なども含めた事業規模は79.8兆円であり、金額だけを見れば超大型の経済対策といってよい。これまでの時代であれば、「過去最大規模の経済対策によって、日本は成長軌道へ!」といった記事が紙面に踊るはずだったが、そうはならなかった。今回の経済対策に対するメディア各紙や専門家の評価は総じて低い。

 日本ではいつものことなのだが、立案される経済対策のほとんどが各省の予算要求の積み上げであり、全体的なビジョンや方向性を定め、そこに向かって予算を落とし込んでいくという策定手法は用いられない。このため全体像が散漫になり、金額の大きさだけが一人歩きするケースがほとんどだった。これはどの政権でも同じであり、岸田政権に限った問題ではない。

 日本経済は低迷が続いているものの、「まだ大丈夫だ」という意識を持つ人が多く、政府の経済対策についても、自身の問題として捉える人は少なかった。このためメディアも、「大型景気対策によって、日本経済は力強い成長へ」といった情緒的な見出しを書けたのである。

 ところがコロナ危機は、こうした日本人の甘い幻想をすべて吹き飛ばしてしまった。現実問題として生活苦に陥る人が急増し、そこまではいかなくても昇給の停止や配置転換など厳しい状況に追い込まれた人は多い。あまり関心を寄せていなかった政府の経済対策についても、あらためて「本当に効果があるのか」「どこにお金が回るのか」といった視点を持った人が多いと考えられる。

 従来であれば批判の対象にならなかった積み上げ型の経済対策も、国民の意識が変化する状況においては、厳しい視線にさらされることになる。今回の経済対策の評判が良くなかったのは、自然な流れと考えてよいだろう。

景気対策なのか再分配政策なのか?

 ではあらためて経済対策の中身を見てみよう。主な予算項目としてはては、(1)コロナ対策、(2)経済再開への備え、(3)新しい資本主義関連、(4)国土強靱化、という4つで構成されている。

 このうちコロナ対策は財政支出が22.1兆円と最大規模であり、病床確保を目的とした交付金、事業者向け支援金、住民税非課税世帯に対する10万円の給付金などで構成される。この項目はコロナ対策として必要性の高い施策が多く並んでいるが、逆にいえば、景気浮揚効果はそれほど大きくない。政府が、景気対策よりもコロナ対策を重視していると明確に説明した上での予算であれば、少なくとも一貫性は担保される。賛否は分かれるかしれないが、輪郭がぼやけた予算という批判は出なかった可能性が高い。

 ところが、(1)以外の予算項目は基本的に景気対策を主眼としたものとなっており、比率からすればむしろ景気対策を重視したようにも見える。だが、各項目を詳細に分析すると、そうとも言えなくなってくる。

 経済再開への備えについては9.2兆円が確保されているが、このうち6.8兆円は予備費である。主要項目は1兆円のGoToトラベルのみとなっており、経済再開に向けた本格的な予算項目とはいいがたい。さらに方向性が不明瞭となっているのが(3)の新しい資本主義関連の支出である。

 全体では19.8兆円とコロナ対策に匹敵する規模となっており、この中には看護師・介護士らの賃上げ費用、18歳以下への10万円相当の給付金など、岸田政権が掲げる分配政策に関する項目が並ぶ。看護師・介護士らの賃上げや10万円給付については、内容の是非はともかく岸田政権らしい予算であることは間違いない。だが一方では、2兆円ものマイナポイント費用が計上されている。

 マイナンバーカードの取得についてポイントを付与すれば、その分だけカードの利用者は増えるだろうが、そもそも多くの国民が必要性を感じていないことが普及が進まない最大の理由である(マイナンバー自体は2015年に全国民に付与されており、行政事務の効率化という点では、目的はすでに達成されている)。

 国民が必要性を感じていない施策にポイントを付けて利用を促進したところで、大きな経済効果を発揮しないのは明らかであり、当然のことながら所得再分配やコロナからの経済再開には直接関係しない。これが岸田政権の言うところの「新しい資本主義」なのか非常に疑問だ。

米国の予算は方向性が明確

 将来への投資という点においては、大学ファンドに対する5.5兆円の支出や蓄電池関連への1000億円の支出などが列挙されているものの、各予算項目の方向性の乖離が激しく、方向性を見えにくくしている。(4)の国土強靱化も同様で、景気対策なのか必要な投資なのかという位置付けが不明瞭だ。

 日本の公共インフラは劣化が進んでおり、改修などに多額の投資が必要なのは以前から分かっていたことである。かつて公共事業は景気対策の中心に位置付けられていたが、インフラの維持すらままならない現状においては、景気対策ではなく、恒常的な予算項目として処理すべき対象といってよいだろう。意地悪な言い方をすれば、元来、必須だったインフラ支出を景気対策に付け替えただけと言い換えることもできる。

 一連の項目について整理すると、もともと支出が必要だった項目や、あらたに要求が出ている予算などを単純に積み上げ、後付けで4つの項目に分類した形になっている。最初に予算の方向性を定め、それに対応する予算項目に落とし込んだわけではないので、方向性が不明瞭になるのは当然の結果だ。

 ちなみに米国のバイデン政権は、総額1兆ドルのインフラ投資を決めたばかりであり、20日には下院が200兆円の子育て教育支援・気候変動対策の法案を可決している(上院はまだ可決していない)。200兆円の法案が通った場合、合計で300兆円の財政支出が行われるが、内容はインフラ投資や再生可能エネルギー、人工知能、教育支援、子育て支援なので、次世代社会や産業の育成に主眼を置いていることは一目瞭然である。

 コロナ対策への支出については、給付金などの直接的支援から、次世代投資を兼ねた間接支援にシフトしており、その賛否は別として方向性は明確である。

 日本は医療体制の整備やワクチン接種が遅れたことに加え、経済の基礎体力が欧米と比較すると圧倒的に低く、欧米各国と同じペースで経済再生を実現するのは難しい。そうした現実を前提にするのであれば、低所得者への給付など社会保障的な側面を強調したほうが効果的だっただろう。

 一方、米国のように今後の成長促進に舵を切るのであれば、ポイントといった場当たり的な施策ではなく、再生可能エネルギーなど次世代技術に対する思い切った投資が必要だったはずだ。

 各省の要求を積み上るという従来型の予算策定プロセスを見直さない限り、焦点がぼやけた予算が今後も立案される可能性は高い。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)、『中国経済の属国ニッポン、マスコミが言わない隣国の支配戦略』(幻冬舎新書)などがある。

3ナンバーボディとなる新型ノア&ヴォクシー、最大のライバルはアルファードに?

 前回、トヨタの次期型「ノア」および「ヴォクシー」が2022年1月13日にデビュー予定であることを踏まえて、「アルファード」の販売が好調な背景について述べた。

 アルファードが人気の理由のひとつがリセールバリューの高さだが、それではノア&ヴォクシーのリセールバリューが悪いのかといえば、こちらもかなり高いものとなっている。先代ノアの2010年式で走行距離少なめの中古車価格をいくつか調べてみると、10年落ち以上にも関わらず新車時販売価格の40~45%ほどで推移していた。同年式の「カローラセダン」(カローラ アクシオ)で見ると30%弱となっているので、明らかにノア&ヴォクシーのほうが“価値が残る”ことになっている。

 ノア&ヴォクシー、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」も海外への中古車輸出が活発に行われており、ロシアでは地理的に近いウラジオストクなどの極東シベリア地域だけでなく、モスクワ市内でもよく見かけることができる。過走行や内外装の傷みが激しくても、あまり気にされることなく海外ではニーズがあるので、リセールバリューの良さが継続するのである。

 ただ、アルファードはそれに輪をかけて、日本車では異例ともいえるリセールバリューの良さを見せているのである。モンゴルからなどのニュース映像でよく見かける、初代アルファードハイブリッド(2003年式なので18年落ち)で、国内販売されていたある物件の中古車価格は84万円。実に新車時価格の約20%を維持していた。

 次期型ノア&ヴォクシーは3ナンバーサイズとなるので、よりアルファードに近い存在となる。2021年12月あたりから予約受注を開始するので、現状のサプライチェーンの混乱がなくても、デビュー直後はオーダーが集中し納期遅延が発生するのはほぼ確実。そうなると現場のセールスマンとしては、納期が短めで、しかも高額車種となるアルファードへ次期型ノア&ヴォクシーの購入希望客を誘導するという動きが活発化していきそうだ。つまり、次期型ノア&ヴォクシーの最大のライバルはアルファードということになりそうである。

次期型ノア&ヴォクシーの販売台数に注目

 現行型ノア&ヴォクシー、そして「エスクァイア」は、情報によると、サプライチェーンの混乱などもあり、一時的として2021年9月末に受注停止したままオーダーストップとなっているとのこと。平時ならばフルモデルチェンジ間近であり、オーダーストップ後もディーラー在庫が豊富に残っているのだが、現状では平時に比べれば限定的なものとなっているようだ。

 何もなければ、次期型ノア&ヴォクシーがデビューする2022年1月や同年2月の新車販売台数統計では、モデルチェンジ前の在庫車も計上されることで販売台数の積み増しができ(新型は納期遅延で販売実績として思うように積み上げられない)、「新型出足好調」というようなことにもなるのだが、今回ばかりは在庫車が期待できないものと考えられるので、どのように販売台数を積んでいくのかも注目したいところである。

 ホンダはすでに、国内において「オデッセイ」の生産終了を発表している。これはステップワゴンを3ナンバー化させ、現行ステップワゴンとオデッセイの中間的位置付けの車格にしようとしているのかもしれない。日産はセレナが数少ない稼ぎ頭のひとつとなるので、当然次期型も存在するのだろうが、こちらは「エルグランド」がラインナップされているので、5ナンバーサイズを維持するのか、興味が湧いてくる。

 このカテゴリーは、今までは世界展開と言ってもASEANの一部など限定的な地域へ新車として正規輸出するにすぎなかった。つまり、軽自動車のような半ば国内限定販売モデルのような存在であった。

 しかし、たとえば新車として正規輸出販売しているインドネシアではヴォクシーの人気が高いし、過去にはマツダ「ビアンテ」が大ブレイクしている。海外でも新興国をメインとしてニーズが期待できるだけに、3ナンバー化させて本格的な海外展開も視野に入れているのかもしれない。

 また、エスクァイアが登場したときには「中国向けモデルとして開発されたのでは?」との話もあった。筆者がコロナ禍直前に中国のモーターショー会場の某中華系大手メーカーブースで、そこのメーカー関係者と話をすると、「日本車はミニバンが得意なのに、中国国内でのラインナップをなかなか増やさない。だから、今や中華系メーカーの多くが積極的にさまざまなミニバンをラインナップしている。日本メーカーの動きはなかなか不思議に見える」と話してくれた。

 前述したように、ノア&ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンの属するカテゴリーは国内販売において緩やかな下降線をたどっているので、グローバルモデルとして海外に活路を見出そうとしているのかもしれない。

 その意味では、歴代初の全車本格3ナンバーボディとなるノア&ヴォクシーの日本国内での反応や販売動向は、今まで“5ナンバーハイト系ミニバン”といわれたカテゴリーモデルの新たな方向性を示すものとなるかもしれない。

(文=小林敦志/フリー編集記者)

三菱財閥の礎を築いた男・岩崎弥之助「国家のために経営せよ」…兄・弥太郎と正反対の弟

岩崎弥之助、兄・岩崎弥太郎のあとを継ぎ、三菱と共同運輸との“死闘”を終結さす

 NHK大河ドラマ『青天を衝け』第37回(11月28日放送)では、岩崎弥太郎(演:中村芝翫)が壮絶な死を遂げた(史実では1885年2月7日のこと)。弥太郎は死に際し、「岩崎家は古来嫡統を尚(たっと)ぶの家なれば、久弥を岩崎家の嫡統とし、弥之助はこれを輔佐し、小早川隆景の毛利輝元を輔佐する如くせよ」との遺言を残した。自身の長男・岩崎久弥(1865~1955年)を三菱の後継者として、弟の岩崎弥之助(演:忍成修吾)はその補佐にまわれ、ということだ。

 しかし、事情はそれを許さなかった。久弥はまだ20歳。しかも弥太郎に似ず温厚篤実な性格で、共同運輸会社と“切った張った”の死闘を繰り広げるには、いかにも力不足だ。そこで、弥太郎の16歳年下の弟・岩崎弥之助(1851~1908年)が2代目社長となった。

 渋沢栄一らの画策で誕生し三井財閥の後押しを受ける共同運輸会社と三菱との死闘は、弥太郎の意地もあって引くに引けない状態にあったが、弥太郎が死去すると、共倒れを危惧して妥協しようという冷静な経営判断が浮上してくる。

 三菱の重役・川田小一郎は、井上馨(演:福士誠治)や伊藤博文(演:山﨑育三郎)と談判して合併の合意を取り付け、1885年12月に両社を合併して日本郵船会社とした。これによって、およそ3年にわたる三菱と共同運輸会社の死闘に幕が閉じられたのであった。

16歳下の弟・岩崎弥之助が三菱の社長になるまで…兄の勧めで米国留学、後藤象二郎の長女と結婚

 岩崎弥之助は、嘉永4年1月8日(1851年1月29日)に土佐国安芸郡井ノ口村(現・高知県安芸市)の岩崎弥次郎・美和夫妻の次男として生まれた。

 兄の弥太郎も勉学に秀でていたが、弥之助も極めて優秀で、土佐藩校に入学すると学才が認められて給費生となり、扶持米を支給されるほどであった。

 明治維新後、弥之助は兄・弥太郎を頼って大阪に出た。弥太郎は教育熱心で、大阪の土佐藩邸に外国人を招致し、藩邸の若者に英語を学ばせた。弥之助はこの英語塾で英語を学び、1872年4月に米国に留学。弥太郎は外国商館との貿易事業で出世したこともあり、欧米視察に出かけ知見を高めようと志したが、多忙で果たせなかった。そこで、代わりに弥之助を外遊させたのだという。

 翌1873年、弥太郎は商人として生きることを決意し、三菱商会の社主に就いた。弥太郎は手紙を送って弥之助に帰国を促し、腹心として活躍することを望んだ。弥之助は帰国し、ただちに三菱商会に入社した。

 1874年、弥之助は後藤象二郎の長女・早苗と結婚した。弥太郎が直接後藤家を訪ねて懇請すると、後藤も弥之助ならば異存はないと即座に承知したのだという。

 1875年に三菱が半官半民の日本国郵便蒸汽船会社を吸収合併し、郵便汽船三菱会社と改称すると、弥之助は副社長に就任、兄・弥太郎を支えた。

岩崎弥之助、社長就任後に事業を発展的に整理し、三菱財閥の「銀行・鉱山・造船」の三本柱を見事構築す

 弥之助は社長に就任すると、上記の通り、最大の難事業であった共同運輸会社との死闘を収拾した。合併によって日本郵船会社が成立すると、弥之助は同社に海運関係の資産一切を移譲し、従業員2197名のうち、ほぼ4分の1にあたる515名を転籍させた。

 弥之助は海運業から手を引き、弥太郎時代から多角化していた海運以外の事業で三菱の再構築を図った。

 三菱の多角化は弥太郎時代にすでに始まっており、その特徴は海運業を起点として拡がっていることにある。

 明治初期の船舶燃料はすべて石炭であったので、三菱は鉱山買収を進めた。重役の川田小一郎は、戊辰戦争の際に官軍として住友家所管の別子銅山を接収した経験があり、鉱山経営に旨みがあることを知っていた。そのため、鉱山買収に積極的だったという。具体的には、新宮藩から牟婁郡の炭坑採掘権を譲渡され、高梁藩から吉岡鉱山(現在の岡山県に所在)を買収。のちに三菱財閥の鉱山事業の柱となる高島炭坑(現在の長崎県に所在)は、1881年に後藤象二郎から買収している。これらの鉱山事業が三菱鉱業、現在の三菱マテリアルに繋がっていく。

 また、海運業に船舶修理は付き物であり、横浜に造船修理工場を建設。さらに、1884年に官営長崎造船所を借り受け、1887年に払い下げを受けた。これが三菱造船、現在の三菱重工業の母体となる。

 一方、1885年に旧臼杵藩士が設立した第百十九国立銀行が破綻すると、弥太郎の姪婿で重役の荘田平五郎(しょうだ・へいごろう/旧臼杵藩士)が同行の救済に動き、1885年5月に三菱に組み入れた。これが現在の三菱UFJ銀行に繋がっている。

 こうして1880年代に、のちに三菱財閥の柱となる銀行・鉱山・造船の基礎が築かれるのである。

 1886年、弥之助は岩崎家事務所を開き、これを「三菱社」と称して、上記事業の積極的な展開を図った。現在の三菱グループ企業は、この三菱社を母体としている。三菱財閥を創ったのは弥太郎だが、現在の三菱グループの基礎を創ったのは弥之助なのだ。

 さらに、明治政府が陸軍用地だった丸の内の広大な土地を払い下げようとするが、代金があまりに巨額だったために買い手が付かなかった。そこで、大蔵大臣・松方正義が弥之助を呼んで、150万円で押しつけようとした。欧米視察中の荘田平五郎がその話を聞き(現地の新聞で知ったとも、弥之助に相談されたともいう)、ロンドンのビジネス街のような近代的オフィス街を建設すべきだと、弥之助に購入を進言した。かくして、1890年に現在「三菱村」と呼ばれる丸の内一帯の土地を購入したのだ。当時、丸の内は藪だたみの荒れ地だったので、「こんな広い場所を買って、いったいどうなさるのか」と弥之助に訊いた者がいた。弥之助が「ナニ、竹を植えて、虎でも飼うサ」と言い放ったという。

岩崎弥之助、兄・弥太郎の子、久弥に社長を禅譲し、なんと日本銀行総裁に就任す

 弥之助は自らの役割を、甥の久弥へ繋ぐワンポイント・リリーフと考えていたようだ。

 社長を継ぐと、久弥を米国留学に送り出し、1891年に帰国した久弥を三菱社副社長に任じた。

 三菱社は「岩崎家事務所」の通称であり、その実、会社組織のていを成していなかった。会社の財産と岩崎家の財産が未分離だったのだ。そこで、弥之助は家政改革を図って岩崎家の財産関係を整理するとともに、岩崎家の財産から事業を切り離し、1893年12月に三菱合資会社を設立した。そして、三菱合資会社の社長に岩崎久弥が就任。ここに弥之助は、三菱の社長を甥・久弥に譲って引退した。42歳の若さだった。

 しかし、久弥はまだ29歳と若かったので、新たに「監務」なる後見職を設けて、弥之助はこれに就任。久弥は弥之助の助言に従ったため、弥之助は引退後も三菱の経営に重きを成した。

 そして弥之助は、1896年11月に第4代・日本銀行総裁に就任する。前任者の川田小一郎が日本銀行総裁在職のまま急死したので、総理大臣・松方正義が後任総裁に弥之助を推挙したのだ。

 川田小一郎は――そう、三菱に鉱山経営の旨みを説き、共同運輸会社との合併を演出した――あの御仁である。川田は三菱重役兼務のまま、1889年に第3代・日本銀行総裁に就任したのだが、実はこの川田の日本銀行総裁就任も松方の推薦である。

 長州藩出身の井上馨が、「三井の大番頭」と揶揄されるほど三井財閥に肩入れしていたことは有名である。そこで、薩摩藩出身の松方は三菱財閥と通じて、長州-三井組を牽制しようとしたらしい。

 川田は「威張って威張って威張り通した傑物」で、総裁なのに銀行なんかに出社せず、局長クラスを自邸に呼びつけて業務を行っていた。にもかかわらず、後世の史家からは「歴代総裁中もっとも傑出した大総裁といわれている」(吉野俊彦『歴代日本銀行総裁論 日本金融政策史の研究』講談社学術文庫)のだから大ビックリである。

 そのあとを継いだ弥之助は金本位制を実施し、日清戦争後の反動不況に手腕を発揮。「岩崎弥之助は三代目の川田小一郎とならんで、大総裁と当時からいわれるほどの人物」で、「実は日本における預金銀行主義の確立者であり、日本の金融史上忘れてはならない人である」(前掲書)と高い評価を受けている。しかし、1898年、大蔵大臣・松田正久に金融政策を批判されると、弥之助は憤慨してスパッと日本銀行総裁を辞任。1904年、弥之助は上あごに蓄膿症を発し、1907年に上顎骨癌腫であると診断され、翌1908年3月25日に死去した。享年57だった。

 晩年、弥之助は一門の長老として子弟を集め、「三菱の事業は一門のために経営するのではない。国家のために経営してゐるのであるから、若(も)し営利のみを考へる者があれば三菱はつぶしてもよいのである。君たちは十分にこのことを承知してゐて貰ひたい」と訓戒していたという(岩崎家伝記刊行会編『岩崎弥之助伝』)。

 なんでも自分のモノにしたがった岩崎弥太郎の実弟とは思えない、実に高邁な思想である(創業当初は弥太郎のようなバイタリティがなければ、三井や住友に互する財閥を一代で築けなかっただろうが)。そして、弥之助の理念は一族を通じて、現在の三菱グループに受け継がれていったのである。

(文=菊地浩之)

●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)、『日本のエリート家系 100家の系図を繋げてみました』(パブリック・ブレイン、2021年)など多数。

ローソン、今、口コミで不評な食品4選…パリチキ、おかずコッペ、一燈ラーメン

 10月末時点で国内外に1万9161店舗を構える大手コンビニエンスストアチェーン「ローソン」。「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」というグループ理念に集約されるように、生活を豊かにしてくれる多種多様な商品を展開している。

 その業績は好調のようで、10月7日にローソンが発表した2022年2月期第2四半期(2021年3月1日〜8月31日)の純利益は174億500万円、前年同期比526.2%となっている。

 そんなローソンは、今季もバリエーション豊かに新商品を展開しており、その多くは消費者から好評との感想が寄せられている。しかし、なかには評価が芳しくない商品があるのも実状だ。そこで今回は、ローソンの“今季、買うなら要注意(?)の商品4選”をピックアップしたので参考にしていただきたい。

パリチキ/180円(税込、以下同)

 10月26日、「からあげクン」「Lチキ」というローソンのホットスナックチキンの系譜を受け継ぎ、満を持して登場したのがこの「パリチキ」。鶏肉から水分が出ないように衣の製法をつくり直しており、外はパリパリ、中身はジューシーに仕上がっているとのこと。発売から10日で約500万個を突破した本品だが、ネット上では賛否が分かれている。

 ネット上の否定派の意見を見ると「衣が硬すぎる」「油でギトギトしすぎて胸焼けする」など批判の方向性がまったく異なっていることに気づく。各店舗の仕込みや、調理後の経過時間によって味わいや食感が変わってくるのだろうか。実食してみたところ、調理されてからかなり時間が経過していたのか、衣から油が浮いているように感じられてしまい、アピールポイントである衣のパリパリ感は楽しめなかった。

 もちろん、「衣がパリパリしていて美味しい」という意見も見受けられるため、出来立ての状態ならば、ぜひもう一度食べてみたいと思う。しかし、調理後の状態でこれほど評価に差が出てしまう商品も珍しいのではないだろうか。

麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン/598円

 新小岩からその歴史が始まり、今や国内のみならず海外にも進出した日本有数のラーメン店・麺屋一燈。その一燈が今回ローソンとタッグを組んで監修した商品が「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」。ワシワシとした食感の麺とにんにく油が特徴の“二郎系ラーメン”ライクな一品となっているため、ガッツリ系を手軽に食べたい人に人気が出そうだ。

 意欲的な商品であることは間違いないのだが、そのクオリティに関しては否定的な意見も多い。なかでも「ワシワシ太麺と銘打っているのにただのストレート麺」「極太麺だけど食感は微妙」というように麺の出来が残念という声がネット上では目立った。

 実食してみると、麺はラーメンというよりかは、うどんに近い食感。ラーメン特有のかんすいの風味はあまりせず、小麦感も微妙であることから、やや物足りない印象を受けた。また、スープはしょっぱすぎずちょうど良い味わいだったが、量が少ないうえ粘度が高く、少々食べにくい。

 確かにコンビニで手に入る利便性は魅力だが、値段もそこまで安くはないので、味にもこだわりたいのであれば、“二郎インスパイア系”で本物を食べたほうがコストパフォーマンスは高いかもしれない。

これが豚生姜焼弁当/550円

 ローソンで人気の「これが弁当」シリーズにラインナップされている「豚生姜焼」。それをリニューアルしたのが、この「これが豚生姜焼弁当」だ。中身は生姜焼、スパゲティ、ご飯、ポテトサラダと、まるで食堂などで出てくる生姜焼き定食を思わせる。定食のような生姜焼きを思う存分食べてほしい、というローソンの意図を感じさせる一品だ。

 しかし、「お肉が薄い」「味付けがしょっぱい」など、肝心の味を微妙と評する意見もネット上では散見された。そうした声を確かめるべく、実食してみることに。弁当を開封するとすぐに、食欲を刺激する生姜の匂いが香ってきた。だが、そんな香りを放つ肉本体は、確かに口コミ通り若干小さいような印象だ。そして、気になる味付けだが、言われているほど濃くはない気がしたが、濃い味が苦手な人ならしょっぱく感じるのも頷けるレベルではあった。

「これが」と銘打ってはいるが、肝心の生姜焼きに課題点が多く見受けられたため、食べる人によっては不満が残るのは否めない商品かもしれない。

おかずコッペ 出汁入りたまご&明太マヨ/298円

 ローソンの総菜パンは、「牛肉入りコロッケパン」(150円)、「スパイス香るビーフカレーパン」(130円)など多種多様な商品が出揃っている。なかでも、「おかずコッペ 出汁入りたまご&明太マヨ」は、“出汁入りたまご”という魅力的な響きにつられて手に取ってしまいそうになるが、ネット上ではあまりおすすめできないとの声も。

 まず、最初にコッペパンをゆうに超える大きさの厚焼きたまごにびっくりする。20cmはあるだろう、その厚焼きたまごには明太マヨのソースがかけられており、鶏卵と魚卵のマリアージュに期待が高まる。

 一口かじってみると、たまごのふんわりとした食感と甘味が口のなかに広がり、明太マヨのピリッとした辛味も効いていた。だが、食べ進めるうちに気になってしまったのがコッペパン。甘味が強いせいなのか、たまごの甘味とぶつかり合ってしまい、次第にくどさを覚えるようになってしまった。“おかずコッペ”と銘打たれているので、しょっぱい味わいを期待している方もいるだろうが、そういう方にはおすすめしづらいかもしれない。

 以上、ローソンの今季買うなら要注意な商品を4つ紹介した。どれも好きな人は好きだろうし、実際に食べてみて抱く印象は人それぞれだろう。あくまで参考程度に見ていただければ幸いである。

(文・取材=A4studio)

※情報は2021年11月9日現在のものです

『ラヴィット!』低視聴率で打ち切りも?…麒麟・川島もタジタジのあのちゃん騒動のウラ側

 お笑いコンビ・麒麟の川島明がMCを務める朝の帯番組『ラヴィット!』(TBS系)。番組開始当初から視聴率1.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど苦戦を強いられ、今も同時間帯の情報番組中断トツの低視聴率が続く。しかし、11月からはTVerにて毎日「見逃し配信」が始まるなど、新たな注目を集めているのも事実だ。

 朝の情報番組を手掛けるある放送作家はこう語る。

「“日本で一番明るい朝番組”を標榜し、4月から始まった『ラヴィット!』。ニュースを一切扱わず、生活情報にこだわりながら芸人率高めなレギュラー陣が朝から大喜利をやりまくるという姿勢を崩さなかったことが功を奏したのか、ネット記事にネタにされることも多く、低視聴率のわりには番組の認知度は高い、との評価を得ています。だからこそ、11月からの見逃し配信が決定したんでしょう。しかし、朝の帯番組が連日TVerで見逃し配信されるというのは異例中の異例。とはいえ、ビビる大木やアンタッチャブル柴田英嗣からミキやアインシュタイン、見取り図などメンツ的には人気芸人だらけだし、鮮度の落ちづらい生活情報をメインとしているので、コンテンツとしては見逃し配信向きだといえる。今後、“スマホでも見られる朝の帯番組”として、より認知度が上がっていく可能性も非常に高いのではないでしょうか。

 また、苦戦を強いられている『ラヴィット!』の応援企画として、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)ではアイドルで元ゆるめるモ!の“あのちゃん”を人気芸人たちが密かに遠隔操作し、大喜利に挑ませるという企画が10月20日にオンエア。千原ジュニア、野性爆弾のくっきー!、笑い飯の西田幸治、霜降り明星の粗品ら大喜利を得意とする芸人たちが「水ダウ」側で回答を考え、それを密かに伝えられたあのちゃんの口から『ラヴィット!』の生放送中にその名珍回答が放たれる……という展開は、当代随一のMC力を持つ川島さんでも戸惑いを隠せなかったほど。あのちゃんはその後11月28日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演、水ダウでの裏側について松本人志さんからツッコまれ、再度ネットニュースのネタにされていましたね(笑)」

 話題となった『ラヴィット!』のその放送では例えば、「浅草の名店七味唐辛子の中には何が入っている?」というクイズに対し、「ほぐした赤LARK」(笑い飯・西田)、「(麻雀牌の)チーソーの赤い部分」(霜降り明星・粗品)、「矢田亜希子さんの削り歯茎」(くっきー!)など、さすがの大喜利回答が頻出。それらの回答がリアルタイムでイヤーモニター越しにあのに伝えられ、訥々とした独特のたたずまいの彼女からそれらの回答が放たれたわけで、何も知らされていない『ラヴィット!』メンバー陣にどよめきが走ったのも無理からぬことだったといえよう。

「普段もクイズコーナーになると大喜利化することでも有名な『ラヴィット!』ですが、やはり早朝の生放送とあってトガッた回答はそこまでは出ず、“悪ノリ”の類の回答がほとんど。なので、あのちゃんの口から発せられたトンガリすぎのハイブロウな回答に直面し、ドッキリと知らない現場の出演者に戦慄が走ったのも当然といえば当然。この状態をなんとか収めようとした川島さんがあのちゃんに、『50歳ぐらいの作家がついてます?』と突っ込んだのはさすがでした。生放送中のこの違和感を、見事に言語化してみせたわけですから。

 今回のドッキリ企画以降、『ラヴィット!』は“悪魔の大喜利番組”としてさらに知名度を上げ、疑心暗鬼となった川島さんもクイズコーナーになると女性ゲストに『一応耳だけ見せてもらっていいですか?』とイヤモニを隠してないか確認するほど。結果『ラヴィット!』にとっても、今回のドッキリ企画はまさに“神回”に化けましたね(笑)」(前出・放送作家)

いくら“面白い”とはいえ、このままの低空飛行が続けば『ラヴィット!』の打ち切りは確実

 番組スタートから半年以上が経ち、視聴率はともかく、こうした“異形の存在感”を放ち始めた『ラヴィット!』。しかし、「今の低視聴率のままでは、1年後には番組終了しているはず」と断言するのは、あるテレビ局のプロデューサーだ。

「この枠の前身番組『グッとラック!』は低視聴率が続いて1年半で打ち切りになりましたし、いくらTVerで見逃し配信が始まったとはいえ、地上波の本放送でのこの低視聴率が許され続けることはないはず。『ラヴィット!』は制作協力に吉本興業が名を連ね、MCの川島さんやレギュラー陣である人気芸人のキャスティングも吉本興業への依存度が高い。ゆえに、たとえTBS側が続けたくても、吉本サイドのほうがギブアップするかもしれません。特に見取り図やニューヨークは今が旬な芸人であり、早朝放送の番組は週イチレギュラーでも負担が大きいため、レギュラー卒業となることもあり得るのでは。そういった意味でも、来年3月の改編期に抜本的なリニューアルを図ることはすでに決まっているともいわれています。そしてそのリニューアルの結果次第では、2022年秋に打ち切りになることも十分あり得るでしょうね。

 ちなみに、現在の『ラヴィット!』の低視聴率は、そのひとつ前の時間帯にオンエアされていた『あさチャン!』(TBS系)の視聴率が非常に低かったことにも大きな原因があると思われるのですが、夏目三久の卒業とともに『あさチャン!』は終了、この10月からは安住紳一郎アナがMCを務める『THE TIME,』が鳴り物入りでスタート(金曜日のみMCは香川照之)。『ラヴィット!』にとってもこれが追い風になるかと思いきや、今のところ『THE TIME,』の視聴率は個人でも世帯でも同時間帯で最下位で、むしろ『ラヴィット!』の足を引っ張っているともいわれる始末。安住さんという人気アナでさえ苦戦するのが朝の時間帯なわけで、『ラヴィット!』も川島さんのMC力や人気にばかり頼らず、番組自体を見つめ直し、より視聴率が取れるような番組へと抜本的に生まれ変わらせる必要があると思いますけどね」

 ニュースを一切扱わず、MC川島明の抜群の“仕切り力”を前面に押し出した独自のスタンスで戦っている『ラヴィット!』。そのオリジナリティを愛するお笑いファンも多かろうが、それゆえにこそ、この番組が真の意味でお茶の間に受け入れられる日はまだまだ遠いのかもしれない。

(文=藤原三星)

●藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara