原辰徳、落合博満…ビジネスでも使える、歴代名将の“人をやる気にさせる”名言

 新庄剛志“ビッグボス”の躍進が止まらない。11月4日に行ったド派手すぎる記者会見で周囲の度肝を抜くと、その翌週には北海道日本ハムファイターズの秋季キャンプ先である沖縄へ向かい、選手たちを電撃視察。午前中は真っ赤なジャージ、午後は真っ黒なジャージというファッションに身を包み、選手たちに熱血指導を行った。練習後には選手たちがグラウンドを去る中で、トンボを携え整備にいそしむなど、その一挙手一投足が注目されている。

 派手なファッションに代表されるように、新庄の行動は常に周囲を引き付けているが、同時に感じたのは言葉の強さ。「優勝は狙わない」という発言の裏には、全選手が横並びであることを示唆する“レギュラー白紙”の意図があるのだろう。そして、「全国区の選手が3~4人出てくれば強くなる」など、派手さだけでなく事の本質を捉えたコメントで、早くも話題になっている。

 その秋季キャンプでは早速、悩めるスラッガー、清宮幸太郎に対し「ちょっとデブじゃね?」から始まる減量指令を出したことでも話題に。文字にすると少々厳しく見えるが、選手をやる気にさせるには十分な言葉と言える。

 名将と言われる監督に必須の条件とも言えるのが、言葉の強さ。選手たちの眠った闘志を奮い立たせ、いかにやる気にさせるかはもちろん、ここ一番というところでチームをまとめ上げるために、重みのある一言をスッと言えることが肝要となる。少なくとも現時点の新庄には、そんな名将の素養を感じる。

 そこで、歴代の名将たちが残した名言を振り返ってみよう。

サラリーマンにも通じる、名監督の優れた言葉

 ここから紹介するのは、球界を代表する歴代監督の主な名言。いずれも、部下を率いてチームをまとめ上げるリーダーとしての発言と考えると、実に優れたものが多い。

「『どうするか』を考えない人に、『どうなるか』は見えない」(野村克也)

 プロ野球史上に残る名将として名高い野村克也。監督時代は選手自らに考えさせることを常に徹底していたが、その理由がこれだ。自ら目的意識を持つことで、やるべきことが明確になり、ひいては目指している目標や夢に近づくということを表している。

 ただ漠然と日々を過ごすのではなく、常に目的意識を持つべき、という考えは新庄の発言にも通じるところがある。

「人は教えるということ、教育するということで育つものなのだ」(広岡達朗)

「管理野球」を標榜し、ヤクルトスワローズ、西武ライオンズを強豪チームへと変身させた広岡達朗。文字通り軍隊式の野球スタイルが印象深いが、この言葉が生まれたのは広島東洋カープの内野守備コーチ時代のこと。

 当時、外野手だった苑田聡彦の内野へのコンバートが決まり、広岡はその指導につきっきりに。まるでセンスがないと判断した広岡は何度もさじを投げそうになったが、監督である根本陸夫の指示に従い最後まで指導した結果、苑田は広島の内野守備の要にまで急成長。その際、広岡は選手指導の際に根気強く教える、教育することの大切さを痛感したという。

「働き場を与えれば、人は動く」(落合博満

 落合博満は中日ドラゴンズの監督を8年も務め、2007年には53年ぶりの日本一へと導いた、近年きっての名将。そんな彼の名言と言えばこれだ。どんな選手にも働き場所を与えなければ行き場を失い腐ってしまうし、一方で働き場所を与えることで選手は成長を遂げる、ということを表している。

 中日監督時代の落合を振り返ると、要所要所で起用した選手がピタリとハマる采配が印象深いが、そのベースとなっていたのはこの考えなのかもしれない。

「オレも人間。君たちも人間なんだ」(原辰徳

 現役の読売ジャイアンツ(以下、巨人)監督で屈指の実績を誇る原辰徳もまた、こんな名言を残している。

 自分自身を過信しすぎないこと、あくまでただ一人の人間であるということを明確にした上で、選手たちもまた同じ人間であると語っているが、それゆえ「お互いに平等」という考えにつながっていくと言える。

「お前は気が弱いんじゃない。気が優しいんだ」(藤田元司)

 巨人を二度の日本一へと導いた藤田元司。長嶋茂雄、王貞治といったスター監督のつなぎとして指揮を執ることが多かったが、その実績は折り紙付き。中でも、選手育成に長けていたことで知られる。

 プロ入り以来、「ノミの心臓」とも言われた気の弱さが大成を阻んでいた斎藤雅樹に藤田がかけたのが、この言葉。気が弱い=優しい性格と言い換えたことで斎藤自身の意識も変わったか、以降はエースとして急成長。通算180勝を挙げた「平成の大エース」は、この名言なくしては生まれなかったといってもいいだろう。

 ちなみに、藤田は西武からトレード移籍してきた直後の大久保博元に体重を絞らせる際、あえて「痩せろ」という直接的な言葉を使わず、「その体を保つにはうんと走らないとな」と遠回しに伝えた。同じ減量指令でも、清宮に対して真逆の言い方をした新庄ビッグボス。その結果がどうなるか、注目される。

(文=福嶌弘/フリーライター)

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「直ちに違法とはいえない」パチンコ独自の“交換システム”… その起源と実態を大御所ライター2人が解説

 我が国日本では、基本的に「博打・ギャンブル」は法律によって禁止されている。ただし、一部の例外はあり、競馬や競輪、ボートレースやオートレースといった公営競技は、それぞれの目的で収益を使用することで認められている。

 もちろんパチンコは、その例外に含まれていない。では、なぜ換金システムが許されているのか。ヒロシ・ヤング氏が主宰するYouTubeチャンネル「ヤングちゃん、寝る」内の動画「誰でも分かる【換金システム】講座!違法!?合法!?三店方式の起源と実態をベテラン2人が教えます!」では、この疑問について詳しく解説している。

 刑法185条賭博罪の中には「一時の娯楽に供するものは賭博罪の適用を除外する」といった一文がある。ヤング氏及び共演した大崎一万発氏曰く、パチンコはこれに該当するようで、国内で「遊んで景品を出す」というのが許されているのはパチンコのみ。その理由は、パチンコは現行の法律が整備される前からお菓子などを景品として提供しており、それを追認の形で風営法が確立されたことで、パチンコの景品交換は除外されたそうだ。

 だが、そのうち沢山得た景品を買い取る業者が出現。これに反社会的勢力が関与するようになったことで、ひねり出された策が「三店方式」というパチンコ独自の換金システムだという。

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 つまり、この三店方式は法律的に認められて始まったわけではなく、実質的に横行していた換金を「グレー」から「白」へ移行させるための策。大阪府警OBで退官後に心斎橋でパチンコ店を開業した水島年得氏が1961年に考案したもので、反社会勢力の資金源を断ち、戦争未亡人や障害を持った方々の雇用場所を確保する目的もあったそうだ。

 当時におけるパチンコの規模や出玉性能は、「ギャンブル」と言えるほどのものではなかった。それが、パチンコのフィーバー機などの台頭で規模や出玉性能が大幅にアップするも、法整備が追い付いていないのが現状で、この三店方式は「直ちに違法とは言えない」という位置付けなのだそうだ。

 ちなみに、三店方式とはホールで客が出玉を特殊景品に交換→その特殊景品を近所にある専門の古物商に売却→その古物商は貯まった特殊景品を問屋に売却→その問屋は買い取った景品をホールに卸す…といった仕組み。3つの業者を介していることから三店方式と呼ばれ、仮にホールと古物商が直接取引をした場合は違法となる。

 ぼんやりと理解はしているものの、多くの人は詳しく知らないパチンコ独自の換金システム。興味のある方は、是非とも動画をチェックしていただきたい。

【香港ヴァーズ(G1)展望】父ステイゴールドの感動20年ぶり再現なるか。“善戦マン” ステイフーリッシュがたどり着いた「黄金旅程」の果て

 12日には香港のシャティン競馬場で4つのG1からなる「香港国際競走」が開催される。最初に行われるのは2400mの距離で争われる『香港ヴァーズ』。日本からはグローリーヴェイズとステイフーリッシュの2頭が出走を予定している。

 先月のジャパンC(G1)に出走したアイルランドのブルームが故障で回避したため、今年は8頭立てという少頭数となった。

 2年前の覇者グローリーヴェイズ(牡6歳、美浦・尾関知人厩舎)は、2年ぶりのG1制覇に向けて満を持して登場する。鞍上には2年前と同じJ.モレイラ騎手が配された。

 香港ジョッキークラブが発表するレーティングでは出走8頭中2位となる「120」を獲得。昨秋の京都大賞典(G2)を制して以降は勝ち鞍こそないが、4戦して掲示板を外すことなく堅実に走っている。

 今年は金鯱賞(G2)で4着した後、今回と同じシャティン競馬場が舞台のQE2世C(G1)に挑戦。日本馬が上位を独占するなか、勝ったラヴズオンリーユーに3/4馬身差の2着に入り、デアリングタクトとキセキには先着した。

 この秋はオールカマー(G2)で始動。スタートで立ち遅れ、後方からの競馬となったが、向正面で一気に捲って見せ場を作ると、3着に粘り込んだ。

 その後はジャパンCとの両睨みだったが、陣営は実績がある香港への遠征を選択。12年レッドカドー以来となる6歳馬による勝利を手繰り寄せることはできるか。

 グローリーヴェイズを上回る「121」というレーティングを誇るのはパイルドライヴァー(牡4歳・イギリス)だ。

 デビュー以来、1390m~2410mという幅広い距離で勝ち鞍があるが、最も安定しているのが2400m前後。今年初戦こそ2着に敗れたが、その後はG1とリステッド競走を2連勝中。

 今年は春2戦、秋1戦の計3戦しかしておらず、力を出し切れるフレッシュな状態にあるのは好材料だ。イギリス調教馬として、12年のレッドカドー以来となる当レース制覇を狙う。

 レーティングだけを見ればグローリーヴェイズとパイルドライヴァーの2強という様相だが、2頭目の日本馬ステイフーリッシュ(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)にもチャンスがある。

 出走を予定している8頭中レーティングは4位タイの「112」。3年半前の京都新聞杯(G2)を最後に勝利から遠ざかっているが、G2レースを中心に好走を続けている。

 今年2戦目の京都記念(G2)では、香港カップでG1・4勝目を狙う僚馬ラヴズオンリーユーの2着。休み明けの札幌記念(G2)では心房細動で競走中止というアクシデントはあったが、すぐに立て直され、すでにこの秋3戦を消化している。

 そのタフネスぶりは父を彷彿とさせる。父のステイゴールドは種牡馬として数多くのG1馬を送り出したが、現役時代はなかなかG1制覇には届かず、稀代のシルバーコレクターとして名を馳せた。唯一のG1制覇が引退レースとなった01年の香港ヴァーズだった。

 あれから20年。その息子ステイフーリッシュは父の記憶を呼び起こすことはできるか。そして、今年の米ブリーダーズCで2勝した世界の矢作厩舎が再びその名を轟かせることはできるか。鞍上は地元・香港のC.ホー騎手が務める。

 日本馬が不在だった昨年の当レースの覇者モーグル(牡4歳、アイルランド)も怖い存在だ。4歳となった今年は4戦して「0-0-1-3」と調子を落としているが、1年ぶりの香港で、07-08年ドクターディーノ以来の連覇を狙う。

 他には、紅一点で、2走前のサンクルー大賞(G1)ではブルームと1馬身差の2着に健闘したエベイラ(牝4歳、フランス)、昨年の当レース3着馬コロンバスカウンティ(セ6歳、香港)などが上位をうかがう。

 やや寂しい頭数となった今年の香港ヴァーズ。グローリーヴェイズが2年ぶり制覇を遂げるか、それともステイフーリッシュの親子制覇はあるか。発走は12日15時(日本時間)を予定している。

甘デジ「軽く万発・1500発が35%」に続く期待…抜群の安定感を提供する人気シリーズ降臨!!

 1年を締めくくる12月も話題作が続々とデビューするパチンコ。6日からの週も業界を代表する人気シリーズや、強烈な一撃性を有したマシンなどが登場予定だ。

 究極闘神スペックと銘打たれた『P北斗の拳9 闘神』や、一撃最大3000発のボーナスを搭載した『Pデビルメイクライ4 クレイジーバトル』など豪華ラインナップが実現。特に前者には、期待しているユーザーはも多いだろう。時代が求める要素を徹底追求している印象だ。

 近年は厳しい意見も目立つシリーズの、イメージを払拭する可能性もあるだろう。パチンコ分野では10万発レベルの出玉報告が続出している状況だが、『P北斗の拳9 闘神』も同様の記録を生み出すかもしれない。動向が非常に楽しみである。

 楽しみという意味では、遊びやすさが特徴の甘デジスペックも見逃せない。近年は様々な特徴を持つマシンが登場しており、その人気は確実に高まっている。

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甘デジ「破格の10R比率」と強力な遊タイム完備! 高い爆発力を秘めた激アマ物語!!

 先月も「最もRUSHが近い甘デジ」とのキャッチコピーを持つ『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2 1/77VER.』や、「デジハネ1500」と銘打たれたシリーズ第一弾『デジハネP〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』がデビューを果たした。

 昨年4月に登場した『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2』の別スペックとなる前者は、図柄揃い確率が1/77.7でトータル継続率約79%という仕様。注目の遊タイムは大当り後230回転で時短290回がスタートし、恩恵はRUSH濃厚となる。遊技したユーザーからは「万発は普通に狙える」など、好評価が目立った。

 “ぱない”出玉性能が魅力の『デジハネP〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』は、最大ラウンド比率をライトミドル機と同じ35%としながらも出玉数は約1500発とパワーアップ。好評だった演出を手軽に楽しめるだけではなく、納得の出玉にも期待できる魅力的な仕上がりだ。好稼働を実現していることも納得だろう。

 12月に登場する甘デジ新台も魅力的。同日に話題作『P真・花の慶次2~漆黒の衝撃~EXTRA RUSH』を導入するニューギンは、抜群の安定感を誇る「100%ST+時短」スペック機を投入する。

 分かりやすさと遊びやすさを兼ね備えたニューギンの定番シリーズ最新作。『PA野生の王国 GO 99ver.』は、大当り確率1/99.90で、大当り後は必ず「ST10回+時短」が付与される安定感の高さが魅力だ。電サポ回転数は大当りの種類で変化。10R確変は電サポ100回転、5R確変は50回転or20回転、4R確変大当り後は50回転となる。

 電チューでの振り分けは電サポ100回が15%、50回が50%、20回が35%。安定感がありながらも、まとまった出玉に期待できそうな印象だ。演出面も注目。迫力満点の実写映像と、ギミックアクションが遊技を盛り上げてくれそうである。

 今年5月に登場した『Pガールズ&パンツァー劇場版』の甘デジバージョンも同日にデビュー予定だ。新台『Pガールズ&パンツァー劇場版 甘デジ』は、大当り確率1/89.0の1種2種混合タイプ。遊タイムへは大当り間を267回転消化で到達し、電サポ200回が発動する。

 初当りは主に4R(約240発)で、5連戦の戦車道チャレンジで1回でも勝利できればRUSH突入。直行ルートを含めたトータルRUSH突入率は約51%と現実的な設計と言えるだろう。RUSHは電サポ6回or200回。残保留4個を含めたトータル継続率は約78%で、この間は50%が10R(約600発)とヒキ次第では納得の出玉を期待できそうだ。

 基本的なゲーム性はそのままに、より戦車道を楽しめる仕様。シリーズのファンも納得の仕上がりと言えるのではないだろうか。激戦の甘デジ分野で、どのような評価を得られるかに注目したい。

(文=木戸範孝)

<著者プロフィール>
 Webメディアに掲載されるスポーツ関連記事の作成および編集業務を経験。その後はGJにて競馬やパチンコ・パチスロ、スポーツなどを担当している。現在はパチンコ・パチスロ分野に力を入れており、自身が好む爆裂タイプの動向に注目している。業界ニュースも担当。業界関係者への取材を元に、新台関連の記事も多く作成している。

【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬

 12日には香港のシャティン競馬場で4つのG1からなる「香港国際競走」が開催される。フィナーレを飾る2000mの香港カップには日本調教馬が3頭出走を予定している。

 19年のオークス馬ラヴズオンリーユー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、一時期のスランプを乗り越え、今年は京都記念(G2)で復活の勝利を飾った。その後は海外を転戦。ドバイシーマクラシック(G1)でミシュリフ、クロノジェネシスとデッドヒートを演じて3着に入ると、QE2世C(G1)で約2年ぶりのG1制覇を果たした。

 帰国後は札幌記念(G2)でソダシの2着に敗れたが、11月のブリーダーズCフィリー&メアターフ(米G1)で各国の強豪牝馬に挑み、見事な勝利を収めた。道中は好位を追走すると、最後の直線入り口では前が壁になり、万事休すと思われたが、狭いところを割って、勝負根性を発揮した。

 日本調教馬にとって初の偉業から1か月。5歳にして完全復活を遂げた女傑は香港で引退レースを迎える。前走後は米国から直接香港への長距離輸送でコンディション面が心配されるが、春にもドバイから香港への輸送を経験済み。心配の必要はないだろう。

 近走の活躍で香港ジョッキークラブが発表するレーティングは出走メンバー中2位タイの「118」をマーク。先月のマイルCS(G1)を制した同世代のグランアレグリアに続いて、有終の美を飾りたい。

 ラヴズオンリーユーとレーティング「118」で並ぶのがレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)だ。

 今年はデビュー6連勝で大阪杯(G1)を圧勝。一躍新女王候補に名乗りを上げた。ところが、その後は3戦して3着、4着、そして前走のエリザベス女王杯(G1)は6着と着順を落としている。

 言い訳がきくとすれば、その3戦がすべて2200mだったこと。本来は2000mまでが適距離なだけに、1ハロン短縮の今回は巻き返しに期待がかかる。

 前走は初めて掲示板を外したとはいえ、追い込み決着となった一戦で人気を背負った分早めに動かざるを得なかった。それでいてゴール直前まで粘り腰を見せ、2着馬とは0秒2差だった。

 鞍上には日本でもお馴染みのC.スミヨン騎手を指名。世界が誇る剛腕がレイパパレを復活の勝利に導くことはできるか。

 日本馬3頭目はレーティングがメンバー9位の「114」というヒシイグアス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 2歳時から素質の片鱗はのぞかせていたが、本格化したのは4歳になってからだった。昨年4月から今年2月の中山記念(G2)まで4連勝を飾ってブレーク。大阪杯でも有力馬の1頭に数えられていたが、疲れを考慮して出走を見送った。

 夏場もまるまる休養に充て、8か月ぶりの実戦はエフフォーリア、コントレイルなど3強が注目された天皇賞・秋(G1)。外枠が不利とされる東京2000mで、8枠15番から、道中は中団を進むと、直線じりじりと脚を伸ばし大健闘といえる5着に食い込んだ。

 鞍上には香港競馬を知り尽くしたJ.モレイラ騎手を確保。ひと叩きされた効果、そして香港実績のある堀調教師の手腕発揮に期待したい。

 外国勢も例年以上に充実している。メンバー断トツのレーティング「121」を誇るのは、ドバイオナー(セ3歳、イギリス)だ。

 デビューから今年春にかけてマイル戦を中心に使われ、なかなか勝てずにいた。ところが夏以降に中距離に専念すると、一気に3連勝を飾った。前走・英チャンピオンSでG1に初挑戦し、ここはシリウェイの2着に敗れたが、直線で見せた末脚は光るものがあった。

 その英チャンピオンSで3着だったマックスウィニー(牡3歳、アイルランド)は、5月のアイルランド2000ギニー(G1)を制しており、実績的にはドバイオナーより上。ただし、取捨は当日の馬場次第だろう。

 これまで良馬場では6戦すべて4着以下、そして重もしくは不良馬場のときは3戦3勝と、明らかな道悪巧者。冬場の香港で雨は期待できそうにないが……。

 地元香港の6歳馬カーインスター(セ6歳、香港)にもチャンスがある。通算成績は36戦して「7-9-6-14」。これまではマイルを中心に使われてきたが、前走のジョッキークラブカップ(G2)で久々に2000mを走り、2着に好走した。香港馬として3年ぶり、6歳馬としては9年ぶりの香港カップ制覇を狙う。

 過去6年で日本馬が4勝しているこのレース。ラヴズオンリーユー、レイパパレ、そしてドバイオナーが三つ巴の様相を呈している。発走は12日17時30分(日本時間)を予定している。

東芝、GE、J&J…なぜ世界の大企業が一斉に「会社分割」?複合企業の損失

 日本の東芝、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)など、世界の有力企業が相次いで会社全体の分割を決断した。その理由の一つは、“コングロマリット(複合企業)・ディスカウント”を避けることにある。

 もともと各社は、リスクの異なる複数の事業を自社のポートフォリオに組み込んだ。それによって、企業全体としての収益源を多角化した。コングロマリット経営は、経営の安定性を高めるために重要だった。しかし、現在の世界経済では、環境変化が加速化している。特定の事業に集中して、より迅速に経営の意思決定を行い、事業運営の効率性を高めることを重視する、経営者や大手投資家が増えている。世界全体で見ても、デジタル化や脱炭素などの大きな変化の波が進むに伴い、“脱コングロマリット”を目指す企業は増えることも想定される。

 日本企業は、株主など利害関係者との信頼関係を強化して、そうした変化に対応しなければならない。今後、日本でも意思決定の迅速性を高めるために会社分割を目指すケースは増える可能性がある。その場合、状況によって日本固有の商慣習などが事業構造の見直しやスピンオフを妨げる展開も考えられる。

世界経済のなかでコングロマリットが増えた背景

 東芝、GEやJ&Jは、複数の事業を傘下に抱えるコングロマリットとして事業を運営してきた。その他にもコングロマリットとみなされている世界的な企業は多く、代表例に韓国のサムスン電子や独シーメンスがある。

 コングロマリット経営の目的は、収益源の多角化による経営の安定性向上だ。事業ポートフォリオにリスク特性の異なる事業を複数加えることによって収益源を多角化(リスクを分散)する。対消費者、対企業というように顧客層は多様化し、企業は景気変動などリスクへの対応力を高めることができる。

 かつての東芝は、白物家電やパソコンなどのITデバイス、重電、医療機器、半導体など、投資の時間軸も顧客層も異なる事業を数多く事業ポートフォリオに組み込んだ。米GEは航空機エンジンや医療機器、金融事業など事業の多角化を進めた。J&Jはバンドエイドなどの日用品と、医療機器や製薬事業を運営した。

 J&Jのケースで考えると、バンドエイドなどの需要は安定しており日用品事業の収益は予測が立てやすい。その一方で、製薬事業で同社が開発に取り組むがん治療薬やワクチンは、米食品医薬品局(FDA)など各国当局の承認を得なければならない。想定通りに収益が得られるか否かなど不確実性は高い。

 J&Jは収益源の多角化によって収益のばらつきを抑え、長期の成長を目指した。収益源を多角化し会社全体をコングロマリット化することによって、企業は一部事業の収益悪化を他の事業の収益で補完し、企業全体として事業運営の安定性を高めようとした。まさに、欧米のビジネススクールで現代ポートフォリオ理論などを学ぶ際に必ず教授される、「卵を一つのバスケットに入れてはならない」というリスク分散の格言の実践だ。

 収益源を多角化したことによって各社はリーマンショックなどの世界的な金融・経済危機を乗り越えることができたといえる。それはコングロマリット経営のメリットだ。

コングロマリット・ディスカウント解消への要請

 その一方で、東芝、GE、J&Jのように事業の多角化が進むと、一般的には“コングロマリット・ディスカウント”が発生するといわれる。これは、個々の事業が生み出すキャッシュフローをもとに理論的に算定された企業価値の合計額を、コングロマリット企業全体の価値が下回ることと定義される。例えば、A、B、Cの3つの異なる事業を運営する企業があり、投資家は個々の事業価値を100億円と評価した。理論上、企業価値は300億円だ。しかし、株式市場でその企業の時価総額は270億円だった。その差30億円がコングロマリット・ディスカウントに相当する。

 株式投資家の目的は投資からの利得を増やすことだ。投資家は成長期待のより高い事業を持つ企業に投資したい。コングロマリット企業の場合、投資家は成長期待の高い事業と、そうではない事業に一緒に投資しなければならなくなる。投資家はそうした企業への投資は避けたい。そのため、コングロマリット企業全体の企業価値は、各事業単体の価値の合計よりも割安になる(ディスカウントされる)と考えられる。近年では、コンテンツや半導体、ゲーム事業などを運営するソニーグループに対して半導体事業のスピンオフ(事業を分離し独立させること)を求める主要投資家がいた。

 総合電機メーカーとしての東芝を例に考えると、経営資源をどの分野に再配分するかは、基本的には経営トップと各事業のトップとの合議に基づく。特定の事業に集中する場合に比べ、迅速な意思決定がとりづらくなる可能性は高まる。また、東芝が総合電機としての事業運営を重視した背景には、雇用維持という日本の社会的な要請もあった。

 逆にいえば、東芝が事業をインフラサービス企業、デバイス企業、キオクシアや東芝テック株の資産管理企業の3つに分割することによって、個々の事業体は自らの守備範囲に集中し、事業運営の効率性を高めることにつながりやすい。それは、コングロマリット・ディスカウントの解消につながる。同じことが、GEやJ&Jにも当てはまる。

世界的に会社分割は増える可能性

 今後、コングロマリット体制を見直し、会社分割を目指す企業は世界的に増えるだろう。現在の世界経済では、デジタル化、米中対立によるサプライチェーンの再編、脱炭素などが進む。そのなかでコロナショックが発生したことによって、変化のスピードは増した。例えば、夏場の東南アジアでの感染再拡大を理由に、中国からベトナムなどに移した生産拠点を、さらに別の国にシフトする企業が増えている。

 環境変化の激化に対応するために、資産売却や事業のスピンオフをより重視する企業は増える可能性が高い。自社から他社に事業を譲渡することによってシナジー効果が発揮されることもある。

 例えば、米インテルはNAND事業を韓国の半導体メモリ大手SKハイニックスに売却し、半導体ロジックの設計開発や受託専業(ファウンドリ)事業を集中的に強化したい。中国当局の承認待ちの段階ではあるが、インテルのNAND事業取得はSKハイニックスの競争力向上に重要だ。投資家にとっても、企業が得意な分野に集中したほうが中長期的な成長の可能性と付随するリスクを評価しやすくなる。その一方で、スピンオフの結果として売上高の規模が小さくなり、経営の安定性が低下する企業も出るかもしれない。

 以上から得られる示唆は、経営意思決定のスピードの重要性が一段と増すことだ。多角化を進めるにせよ、特定分野に集中するにせよ、経営者が既存分野で得た経営資源を成長期待の高い先端分野に再配分し、新しい需要を生み出すことが欠かせない。

 雇用が事業運営の調整弁の役割を果してきた米国などと異なり、日本企業は雇用の維持を重視してきた。世界的なコングロマリット経営の見直しが加速するなか、日本企業では経営企画、財務、人事、総務など全社的な業務を担当した組織を中心に過剰人員がこれまで以上に意識されることもあるだろう。その一方で、主要投資家はより強く、日本企業に事業の分割などを求める可能性がある。状況によって日本の商慣習が脱コングロマリットの加速という変化への対応の遅れにつながる可能性は否定できない。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

●真壁昭夫/法政大学大学院教授

一橋大学商学部卒業、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学大学院(修士)。ロンドン証券現地法人勤務、市場営業部、みずほ総合研究所等を経て、信州大学経法学部を歴任、現職に至る。商工会議所政策委員会学識委員、FP協会評議員。

著書・論文

『仮想通貨で銀行が消える日』(祥伝社、2017年4月)

『逆オイルショック』(祥伝社、2016年4月)

『VW不正と中国・ドイツ 経済同盟』、『金融マーケットの法則』(朝日新書、2015年8月)

『AIIBの正体』(祥伝社、2015年7月)

『行動経済学入門』(ダイヤモンド社、2010年4月)他。

【香港マイル(G1)展望】「19戦18勝」香港が誇る怪物ゴールデンシックスティに日本馬4頭が挑戦! ダノンキングリー川田将雅は「三度目の正直」なるか

 12日には香港のシャティン競馬場で4つのG1からなる「香港国際競走」が開催される。1600mで行われる『香港マイル』には日本から4頭が出走を予定しているが、香港のマイル王がその前に大きく立ちはだかる。

 それが通算19戦18勝、2年前の9月から15連勝中というゴールデンシックスティ(セ6歳、香港)だ。

 昨年の当レースを断然1番人気に応えて快勝したのは記憶に新しく、今年に入ってからも4戦4勝と負けなし。主催する香港ジョッキークラブ発表のレーティングでは、メンバー単独トップの「120」をたたき出している。

 ただし、今年の4戦はいずれも2着馬との差が1馬身以内。勝ち切っているのは強さの証左だが、6歳秋を迎えて万全とまでは言えるかどうか。今年は通算4勝、過去6年で2勝(15年モーリス、19年アドマイヤマーズ)している日本調教馬にもチャンスがありそうだ。

 打倒ゴールデンシックスティの筆頭格はメンバー2位タイとなるレーティング「118」のダノンキングリー(牡5歳、美浦・萩原清厩舎)だろう。

 3歳春には皐月賞(G1)3着、日本ダービー(G1)2着とクラシック戦線でも活躍。3歳秋以降は1600~2000mの距離で一線級と渡り合ってきた。

 G1ではなかなか人気に応えることができなかったが、今年6月の安田記念(G1)で待望のG1制覇。テン乗りの川田将雅騎手に導かれ、見事春のマイル王に輝いた。

 秋は毎日王冠(G2)で始動し、シュネルマイスターとの2強を形成した。道中早めにポジションを上げて先頭に立ったが、ゴール寸前で外からシュネルマイスターの強襲に遭い差し切られた。その後はいったん放牧に出され、先月上旬に美浦に帰厩。ここを目標に調整されてきた。

 引き続き手綱を取る川田騎手にとって香港遠征は3度目。16年香港マイルはサトノアラジンで7着、18年香港スプリント(G1)はファインニードルで8着といずれも苦杯をなめている。三度目の正直で勝利の美酒を味わえるか。なお、川田騎手は香港スプリントでダノンスマッシュ、香港カップ(G1)ではラヴズオンリーユーに騎乗を予定している。

 ダノンキングリーと並ぶレーティング「118」のインディチャンプ(牡6歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、これが引退レースとなる。

 通算22戦して、「8-2-5-7」、7度ある着外のうち6度は掲示板を確保しているという安定感が武器だ。唯一掲示板を外したのが2年前の当レースだった。

 その時はD.レーン騎手とのコンビで、スタートで後手を踏み、終始インを進んだが、直線で進路がなく不完全燃焼の7着に終わった。

 それ以来2度目となる海外遠征でリベンジを果たすべく、今回は主戦の福永祐一騎手が手綱を取る。福永騎手といえば01年にエイシンプレストンでこのレースを制覇しており、20年ぶりの快挙達成にも期待がかかる。

 3歳春にコントレイルとしのぎを削ったサリオス(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)は、これが初の海外遠征。丸1年以上、勝利から遠ざかっており、昨年のマイルCS(G1)から5着、5着、8着、6着と精彩を欠いている。

 堀厩舎はモーリスが15年に当レースを制覇、翌年には香港カップも勝っている。国内では苦戦が続く名門厩舎が、香港の地で復活の勝利を飾れるか。

 ヴァンドギャルド(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、昨秋の富士S(G2)で重賞初制覇を飾ったが、その後は5連敗中。ただし、3走前のドバイターフ(G1)では2着に好走した。

 この秋は毎日王冠で8着、福永騎手を背にブリーダーズCマイル(G1)に挑んだが、13頭立ての12着に大敗。海外転戦で条件は厳しいが、3走前の再現を狙う。

 地元香港から3年連続の出走を果たすのはワイクク(セ6歳、香港)だ。2年前にアドマイヤマーズと半馬身差の2着、昨年はゴールデンシックスティの4着と善戦している。この秋は2戦目のジョッキークラブマイル(G2)でゴールデンシックスティの2着に入り、本番で逆転のシナリオを描く。

 ゴールデンシックスティ対日本馬という構図となった今年の香港マイル。勝利の女神は果たしてどの馬に輝くか。発走は12日16時50分(日本時間)を予定している。

パチスロ6号機「ボーナスタイプの大本命」が始動!新台分析―マイジャグラーV―

 パチスロノーマル市場を牽引する北電子の『ジャグラー』シリーズ。多くのファンに愛され続ける絶対王者は、6号機時代でも抜群の存在感を放っている。

 現在ホールではシリーズ初の6号機『アイムジャグラーEX』や、5000枚レベルの出玉情報が多数確認されている『ファンキージャグラー2』が絶賛稼働中。新時代でも、同シリーズの強さと信頼度の高さを見せ付けている印象だ。

 そんな国民的パチスロ『ジャグラー』の勢いが止まらない。数あるシリーズの中でも、優良スペックと評される『マイジャグラー』系の最新作がついに降臨する。

『マイジャグラーV』(北電子)

【BB確率(設定1~6)】1/273.1 1/270.8 1/266.4 1/254.0 1/240.1 1/229.1
【RB確率(設定1~6)】 1/409.6 1/385.5 1/336.1 1/290.0 1/268.6 1/229.1
【ボーナス合成確率(設定1~6)】 1/163.8 1/159.1 1/148.6 1/135.4 1/126.8 1/114.6
【出玉率(設定1~6)】 97.0% 98.0% 99.9% 102.8% 105.3% 109.4%
【平均獲得枚数】ビッグボーナス:約240 枚 、レギュラーボーナス:約96 枚
※上記数値は工場から算出した予測値

〇〇〇

 待望の最新作はビッグが約240枚、REGは約96枚の獲得が可能。ビッグ確率は設定1:1/273.1~設定6:1/229.1、REG確率は設定1:1/409.6~設定6:1/229.1、合算出現率は設定1:1/163.8~設定6:1/114.6と遊びやすさが際立ったスペックだ。

 設定6の機械割は「109.4%」と6号機『ジャグラー』シリーズ最高峰。『マイジャグラー』の名に相応しいポテンシャルの高さを有している。

 打ち手にだけひっそりと光る「GOGO!ランプ」も完全継承。ビッグが確定するプレミアムパターンには「クリスタルGOGO!」「ネオンGOGO!」「ステップアップ」「ギザギザ変化」などがあり、今作では「トラっぴ」出現で肉球をタッチすれば様々なプレミアム演出へと発展する新感覚演出を採用した。

 ボーナス終了後、3ゲーム以内にビッグを引き当てた場合は「軍艦マーチ」、100G以内のゾロ目ゲームでビッグを射止めた場合は「トリッチトラッチポルカ」「剣士の入場」「クシコスポスト」「くるみ割り人形」などが流れる模様。ファン必見の要素は満載だ。

©KITA DENSHI

【香港スプリント(G1)展望】レーティング首位ピクシーナイトが父モーリスとの“3階級制覇”に挑戦! ダノンスマッシュは連覇に黄信号?

 12日には香港のシャティン競馬場で4つのG1からなる「香港国際競走」が開催される。地元・香港勢が隆盛を誇る1200mの一戦、『香港スプリント』には日本調教馬3頭が出走を予定している。

 ピクシーナイト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、活躍著しい3歳世代から誕生した次代のスプリント界を担う逸材だ。

 昨秋に1400m戦でデビューし、3戦目にシンザン記念(G3)を制覇。3歳春まではマイル路線を歩んだが、鞍上の福永祐一騎手は当初から一流のスプリンターになると見ていたようだ。

 その見込みは見事的中し、CBC賞(G3)、セントウルS(G2)で連続2着に好走。3番人気に支持されたスプリンターズS(G1)では、内枠も味方につけ、ロスのない競馬で好位から抜け出して古馬勢を一蹴した。

 父モーリスは15年に香港マイル(G1)、翌16年には香港カップ(G1)を勝っているが、その初年度産駒がスプリントを勝てば、父子による“3階級制覇”となる。

 主催する香港ジョッキークラブ発表のレーティングでは、ホットキングプローンと並ぶ「117」でメンバートップ。レース史上初の3歳馬による優勝へ、ピクシーナイトが層の厚い香港勢に挑む。

 昨年のこのレースでG1初制覇を遂げたダノンスマッシュ(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)が、連覇を懸けて3度目の香港上陸を果たした。

 2歳時から短距離路線でその才能を垣間見せるも、G1では惜敗を繰り返してきた。1年前に待望のG1勝利を手にすると、その後はぶっつけで臨んだ高松宮記念(G1)も制覇した。

 ところが4月のチェアマンズスプリントプライズ(G1)ではJRAオッズ1.4倍という圧倒的人気を裏切り、まさかの6着に敗退。さらに得意の休み明けで臨んだ秋初戦のスプリンターズSでも1番人気を裏切っての6着と安定感は影を潜めている。

 レーティングこそ「116」で3位タイだが、6歳秋を迎えて昨年と同等のパフォーマンスを発揮できるか。このレースを最後に引退、種牡馬入りが発表されており、有終の美を飾りたい。

 日本調教馬3本目の矢は紅一点のレシステンシア(牝4歳、栗東・松下武士厩舎)だ。

 デビュー3連勝で2歳女王に輝いてから早2年。その後は好走を続けるも2着が4度と、G1では勝ち切れないでいる。それでも今年は休み明けで阪急杯(G3)とセントウルS(G2)を勝利しており、今回はスプリンターズSから2か月という理想的な間隔で臨む。

 厩舎にとってもこれが初の海外遠征。松下師は清水久詞厩舎の調教助手時代にトウケイヘイローの海外遠征に帯同したことがあるが、その時の経験、ノウハウを生かせるだろうか。

 レーティングは出走予定13頭中9位の「111」と、やや厳しい評価を受けているが、牝馬だけに悲観するほどではない。持ち前の先行力でアッと驚かせたい。

 地元勢の代表格はレーティング首位タイ「117」のホットキングプローン(セ7歳、香港)だろう。

 18年から4年連続の参戦で、過去3回の着順は9着、2着、7着。いずれも上位人気に支持されながらも、勝利には至っていない。四度目の正直で戴冠なるか。

 ダノンスマッシュと同じレーティング「116」のウェリントン(セ5歳、香港)は、4月のチェアマンズスプリントプライズをG1初挑戦で制覇した実力の持ち主。秋初戦こそ7着に敗れたが、ひと叩きされての効果に期待がかかる。

 他には、チェアマンズスプリントプライズ2着のコンピューターパッチ(セ5歳、香港)、前哨戦のジョッキークラブスプリント(G2)を制したラッキーパッチ(セ5歳、香港)などが日本調教馬3頭に立ちはだかる。

 今年で23回目を迎える香港スプリントは、12日15時40分(日本時間)に発走予定となっている。