日本電産、工作機械メーカーを次々に買収…業界へ殴り込み、狙うトップの座

 日本電産が工作機械事業に本腰を入れる。三菱重工工作機械(現・日本電産マシンツール)を8月に買収したのに続き、中堅工作機械メーカーで創立100年あまりの老舗OKKを買収する。OKKが実施する第三者割当増資を引き受ける。株式の取得額は54億円で、出資比率は67%となる。2022年1月をめどに子会社にする。OKKは調達した資金で老朽化した兵庫県伊丹市の工場を建て替える。

 OKKは自動車関連向けの中小型マシニングセンター(MC)を主力とする。日本電産マシンツールは大型工作機械に強みがあり、両社を傘下に置くことで、中小型の汎用機の製品のラインナップに厚みを増し、総合的な提案力で勝負できるようになると説明する。

 大手工作機械メーカーが海外で売り上げを伸ばすなか、OKKは国内が中心で、これが結果的に業績の悪化を招いた。OKKは最盛期には売上高436億円(1991年3月期)、営業利益58億円(07年3月期)をあげたが、グローバル化に失敗し、売り上げは急減。新型コロナ前の20年3月期の売り上げは213億円、営業利益は1億円、最終損益は91億円の赤字に転落した。

 新型コロナ禍の影響が色濃く出た21年3月期には、棚卸資産の過大計上による不適切会計が判明し、決算発表と有価証券報告書の提出が大幅に遅れた。9月、東京証券取引所はOKKを監理銘柄に指定。10月12日までに有報を提出できなければ上場廃止になる可能性があった。10月6日に発表したOKKの21年3月期連結決算は、売上高が前期比43%減の120億円、営業損益段階で27億円の赤字に転落、最終損益は引き続き24億円の赤字だった。

 22年3月期の売上高は157億円、営業損益は3億円の赤字、最終損益は11億円の赤字と、3期連続の最終赤字になる見込み。過去の決算に遡って棚卸資産を修正した結果、17年3月期から21年3月期までの有価証券報告書などの数字を修正した。一連の責任をとり、11月10日付で浜辺義男社長が退任。森本佳秀代表取締役常務執行役員が新社長に就任した。10月、監理銘柄を解除されたが、経営再建が急務である。そこで自主再建を断念し、提携先・スポンサーを探していたところ、日本電産から声がかかった。

 日本電産は永守重信会長が買収した企業の会長になり、経営改革に取り組む手法で、短期間のうちに業績をV字回復させることで知られている。日本電産流の徹底したコスト削減手法で、OKKも早期の黒字化に取り組む構えだ。今後は日本電産マシンツールの海外工場を活用し、OKKも海外の生産比率を高める方針だとしている。

DMG森精機に挑戦状

 11月30日、東京株式市場で日本電産の株価が一時、前日比635円(5%)高の1万3365円まで急上昇した。変種のコロナウイルス、オミクロン株の感染の広がりが懸念され、日経平均株価など市場全般が大きく下げるなかで、日本電産は「高性能モーターの成長性が短期的な景気変動の影響を受けにくい」(エレクトロニクス担当のアナリスト)との前向きな判断で株価が上昇した。終値は270円(2%)高の1万3000円で、売買代金は前日の2倍超となった。

 日本電産は成長分野と位置づける電気自動車(EV)やロボット用減速機などの生産の増強を進めている。EV用モーターの工場を中国と北米に新たに建設することを検討している。工作機械事業の今後の展開にも株式市場は強い関心を持っている。2月、三菱重工工作機械の買収を発表し、工作機械業界に新規参入。8月に買収手続きを完了して、OKK獲りに乗り出した。

 注力しているEV向けの部品を内製化するのに工作機械は不可欠だ。歯車工作機械に強く、この分野で世界3強の一角を形成する三菱重工工作機械を買収したのが、その第一歩だ。永守会長がマシンツールに乗り込んで統合作業を行い、日本電産流の徹底したコスト管理手法を導入すると、数カ月後に黒字化したことが自信につながったようだ。「工作機械はビジネスチャンスになる」と直感し、OKKを買収することを即決したという。

 日本電産は26年3月期に工作機械事業全体の売上高を1000億円の大台に乗せる計画だ。27年3月期にはM&Aも含めて同事業の売上高を2500億円と2倍以上にする。「1番以外は皆ビリ」というのが永守会長の持論だ。目標の2500億円は、工作機械業界第3位の牧野フライス製作所(22年3月期の売上高は1720億円の見込み)、第4位のオークマ(同1670億円)を上回る。

 業界2位のヤマザキマザックは上場していないため年商は不明だが、トップのDMG森精機(21年12月期の売上高予想は3800億円)を意識した目標設定であることはいうまでもない。永守会長は将来的に工作機械の売り上げでトップを視野に入れているのかもしれない。永守会長が率いる日本電産の工作機械業界への殴り込みは、「最大手のDMG森精機への挑戦状」(工作機械業界の首脳)と受け取る向きが多い。

(文=編集部)

JRA阪神JF(G1)武豊「ダービーへ行きましょう」力強さに股間を覗き見?ウォーターナビレラに懸かる最強牝馬候補の「後継」ミッション!

 12日、阪神競馬場では2歳女王を決める阪神JF(G1)が行われる。

 注目はデビューから無傷で3連勝中のウォーターナビレラ(牝2歳、栗東・武幸四郎厩舎)だ。

 武幸調教師と武豊騎手の兄弟による初めてのG1挑戦だけに話題性にも事欠かず、8日現在の『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは1番人気に支持されている。

 そのウォーターナビレラの生産は北海道・浦河町にある伏木田牧場。明治時代に創業された老舗牧場である。

 太平洋戦争直後から昭和50年代ごろにかけて多数の活躍馬を輩出した同牧場だが、昭和末期から平成にかけて低迷。1986年(昭和61年)にロンスパークが鳴尾記念(当時G2)を勝って以降、重賞勝利から遠ざかり、先月のファンタジーS(G3)をウォーターナビレラが勝つまで、実に35年もの空白期間があった。

 現在、同牧場の代表を務めるのは6代目の伏木田修氏。実は先々代の伏木田達男氏は、馬主としてG1ウイナーを所有した経験がある。

 その馬の名前はファインモーション。99年にアイルランドで生まれ、生後数か月の時に、後に同馬を管理することになる伊藤雄二元調教師に発掘され、日本へ輸入された名牝だ。

 父は欧州の大種牡馬であるデインヒルという良血馬で、当然競走馬としての活躍が見込まれていた。だが、実は低迷する伏木田牧場を支える繁殖牝馬としての期待の方が大きかったという。

「デビュー前から注目度は高く、2歳暮れの新馬戦では単勝1.1倍の断然人気に支持されました。武豊騎手を背に2着に4馬身差をつける逃げ切り勝ちを演じましたが、当時の外国産馬にはクラシック出走権がなかったため、春を全休しました。

夏の北海道シリーズから松永幹夫騎手が手綱を取り、連勝街道を歩むと、再び武豊騎手とのコンビで秋華賞(G1)を制覇。続くエリザベス女王杯(G1)でも古馬を全く寄せ付けず完勝しました。当時は史上最強牝馬とまで言われていましたね」(競馬誌ライター)

 主戦の武豊騎手は、今年10月の『Number Web』(文藝春秋)の『[特別インタビュー]武豊が愛した女王たち』というインタビュー記事でファインモーションの強さを物語るエピソードを明かしている。

「デビュー前のファインモーション(’99年生まれ、父デインヒル、母ココット、栗東・伊藤雄二厩舎)にまたがったときに、その力強さに思わず鼻息を荒くしてしまい、伊藤調教師(’07年に勇退)に『先生、これでダービーに行きましょう』って言っちゃったことがあります。先生は少しあきれたような顔をされて、素っ気なく『牝馬だけどな』という返事。慌てて馬から下りて、ファインモーションのまたぐらを覗き込んでしまったことを思い出します」

 詳細は本記事をご覧いただきたいが、武豊騎手が牡馬と牝馬の違いについて語るエピソードとして、真っ先にファインモーションの名前を挙げている。それだけ牡馬勝りの馬だったということだろう。

 そんなファインモーションは、3歳秋にエリザベス女王杯を勝利後、有馬記念(G1)へ出走するも1番人気の期待を裏切り5着に敗れてからリズムを崩してしまう。古馬になってG2を2勝したが、結局3度目のG1勝利には届かず。5歳秋に引退し、伏木田牧場で繁殖入りしたのだが……。

「初年度からキングカメハメハが交配されたように繁殖として大きな期待がかけられていました。しかし、その後も受胎することはなかったといいます。なんでも医学的に受胎することは無理と言われたとか……。結局、当初の最大の使命とされた繁殖牝馬にはなれず、今は伏木田牧場で功労馬として余生を過ごしています」(同)

 そんなファインモーションとは血のつながりこそないウォーターナビレラだが、同牧場に現れた待望の活躍馬である。当時のファインモーションには出走する資格すらなかった来春の牝馬クラシックを狙うためにも、2歳女王の座は譲れない。

 そしてまだまだ先の話だが、ファインモーションが叶えられなかった繁殖牝馬として伏木田牧場を支えていくというミッションもいずれ担うことになるだろう。

 ウォーターナビレラはファインモーションと同じように無傷のままG1制覇を達成できるのか。その答えはまもなく出る。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

「男の子は黒、女の子は赤」はもう古い?少子化でも拡大する令和のランドセル事情

 少子化が進む中、ランドセル市場は拡大傾向にある。ランドセル工業会の調査では、2009年から19年で価格が約1.5倍増、ニッセイ基礎研究所の推計では、08年からの10年で市場規模が約3割も拡大しているという。

 その背景として考えられるのが、親と祖父母が孫のために資金を出す「6ポケット(財布)」の一般化だ。「6年間も使う物だから、いい物を使ってほしい」という願いから、素材やつくりにこだわった高級路線の工房系ランドセルの人気が高まっている。

 こういった流れを受けて、数年前から「ラン活」という言葉も誕生。人気のカラーやシリーズは早々に完売することもあり、販売開始時期は徐々に早まっている。

男の子も使える、土屋鞄の「かっこいい赤」

 1965年創業の革製品ブランド「土屋鞄製造所」では、10月から23年度入学用ランドセルのカタログ予約を開始した。販売開始は22年3月上旬の予定だ。

 近年、ランドセルも多様化が進み、「男の子は黒、女の子は赤」というかつての常識を覆すように、カラーバリエーションも実に豊富になっている。加えて、ステッチや刺繍も含めたデザイン面にこだわったランドセルも少なくない。

 ランドセルづくりから始まった土屋鞄製造所では13年頃からバリエーションを増やし、現在、カラーは約50色、モデルは60種類前後になるという。特に人気が高いのが、21年から登場した「RECO(レコ)」シリーズ。「認める、認識する」といった意味の「Recognize(レコガナイズ)」に由来するシリーズで、性別の枠にとらわれないカラーを目指して開発された。

 広報の高橋夏生さんは、「男の子も女の子も使える『ブラック』は早々に完売しました。また、男の子も使えるかっこいい赤を目指した『ディープレッド』も人気です」と語る。

 働く車や戦隊シリーズには赤が使われていることが多く、男の子が好きなカラーに赤が挙げられることが多いという。また、女の子でもブルー系やダークトーンなどのシックなカラーを好む子もいる。

 子どもたちが自分の好きなカラーを自由に選ぶ経験は、自分らしさや価値観などの形成に関わる。そんな考えのもと、土屋鞄製造所は多様な選択肢を示すことで、子どもたちのランドセル選びを後押ししているのだ。

6年間の思い出を残すリメイクサービスも

 人気のRECOシリーズは、カラー・デザイン性・機能性がいずれも優れている点が特徴だ。シンプルだけど丈夫で美しい佇まいを意識して設計されているため、大人が見とれてしまうほどデザイン性が高い。そのため、たとえばリビングなどに置いていても違和感のない“ひとつの革製品”となっている。

 機能面でいうと、防水機能を施した牛革を使用し、雨の日でも安心して使える(雨カバー付き)上に、日々のお手入れは不要。動きに合わせて背中にフィットする立ち上がり背カンを採用することで、体の負荷を軽減している。また、A4フラットファイル対応で収納力に優れている点も見逃せない。

 素材は、一番傷の目立ちにくい「牛革」、“革のダイヤモンド”と呼ばれるツヤが魅力の「コードバン」、軽くて丈夫な人工皮革の「クラリーノ・エフ」がある。

 ランドセルは、自然の色から着想を得て色にこだわった「プレミアムカラー」、アーティストと内装柄をコラボした「アトリエ」、ベーシックカラーと内装・背当てで異なる彩りの組み合わせが楽しめる「ベーシックカラープラス」シリーズなど、全8シリーズを取り揃える。※22年入学モデルの場合

 さらに、ランドセル専門店舗では22年2月末まで期間限定で無料のクリーニングサービスを開始。革製品に使える抗菌スプレーの販売も行っている。その上、6年間無料の修理保証も完備。また、長く使ってほしいという願いから、使い終わったランドセルの「ランドセルリメイク」サービスも行っている。

 卒業年度に関わらず、土屋鞄製造所のランドセルであれば利用できるサービスで、6年間の思い出を別の形に変えて手元に残しておける。人気はミニチュアランドセル。使ううちについたキズなども、そのまま残した仕様になっている。普段使いしたい場合は、パスケースやペンケース&キーチャームのセットがオススメ。

購入前に2泊3日でレンタルも可能

 21年は新型コロナウイルス感染拡大により未曾有の事態となったが、「レンタルランドセルサービス」が土屋鞄製造所のランドセル事業を支えた。

 これは、外出が不安な人や店舗が近くにない人をターゲットにしたサービス。レンタル期間は2泊3日で、利用料金は送料込みで3000円。また、1回の注文でレンタルできるのは1種類のみだが、レンタル数に制限はないため、2種類以上を希望する場合は複数回に分けて注文すれば、複数のシリーズをレンタルできる。

 一番のメリットは、自宅というリラックスできる場所で時間を気にせず試せる点だ。レンタル期間が2泊3日と長いため、ファッションショー感覚で手持ちの洋服と合わせてみたり、ランドセルを背負いながら通学路を歩いてみたりと、店舗ではできない試し方ができるので好評だという。

 23年度入学用の「ラン活」は、すでに始まっている。子どもが6年間を共にする相棒探しで後悔しないためにも、早めのスタートを。きっと、子どもと一緒にカタログを見る時間も大切な思い出のひとつになるだろう。

(文=安倍川モチ子/フリーライター)

次世代デジタルマーケの一手。Cookieに「置き換わる」テクノロジーとは?

企業や産業全体の変革をドライブする「突破考」は、どのように生まれ、どんな未来をもたらすのか? 知られざるストーリーに迫り、明日のビジネスへの糧を見つけるオリジナル番組『突破考』。

第4回となる今回は、Cookieに置き換わる「データクリーンルーム」を通して、デジタルマーケティングの新たな未来像を探っていきます。

モデレーターは佐々木紀彦(PIVOT CEO)。そしてゲストMCに株式会社電通 DTC(データ・テクノロジーセンター)の前川駿氏、さらにアサヒグループ食品株式会社 コンシューマ事業本部 マーケティング一部の小林芽生子氏、LINE株式会社 OMO販促事業推進室 室長の江田達哉氏、ヤフー株式会社 セールスプロモーションユニット ユニットマネージャーの岡田憲氏にご登場いただきました。

※本記事はNewspicksからの転載記事です。


Cookieに置き換わるデータクリーンルームとは?

佐々木:そもそもCookieとは具体的にどういうものでしょうか?

突破考前川:Cookieとは顧客を特定する技術で、ドメインの異なるサイト間で顧客情報を一時的に共有することができます。この技術によって、企業は広告効果の計測や顧客の趣味嗜好を推定しながら、マーケティング活動をすることが可能になりました。

ここ10年でCookieはデジタルマーケティングの基礎を支える存在となっています。

突破考
佐々木:そのCookieが将来使用できなくなることで、どのような影響が出ますか?

前川:Cookieは便利ですが、顧客情報を顧客の許諾が曖昧なままネット上に流通させ得る技術でもあります。これが将来的にデータクリーンルームと呼ばれる技術に置き換わることで、企業は顧客情報を守りながらマーケティング活動することが可能となります。

佐々木:デジタルマーケティングにおいて重要な役割を果たしてきたCookieですが、小林さんはクライアントとしてマーケティングに関わる立場から、Cookieレスをどのように捉えていますか?

小林:Cookieレスによってターゲティングなどのデジタルマーケティングの戦略が取れなくなると言われているので、それに対してどのように対応すればいいかが課題となっています。検討している対策はありますが、具体的に何をするかは固まっていない状態です。

突破考
前川:Cookieが完全に使えなくなる時期は来年の春以降から再来年末の間と言われています。アサヒグループ食品だけでなく、今現在デジタルマーケティングを活用しているクライアントは、将来Cookieレスになった際の対応策を求めている状況です。

佐々木:そんなCookieレスを乗り切るためのデータクリーンルームとは、具体的にどういう技術なのでしょうか?

前川:特定の技術を持ったデータサイエンティストのみがアクセスできる特殊な部屋をデータクリーンルームと呼んでいます。データクリーンルームは、プライバシー保護とクライアント企業のマーケティングニーズを両立できるデータ基盤を兼ね備えており、将来広告や販促などの様々な分野で活用できると考えています。

突破考

佐々木:Cookieとデータクリーンルームの違いはどこでしょうか?
前川 データクリーンルームはCookieと異なり、長期にわたって顧客情報などのデータを蓄積できます。データクリーンルームで集められた顧客情報はIDで統一されているので、情報を判別しやすくなりました。これらのデータを有効活用することで、クライアントは継続的にマーケティング活動を行えます。

突破考
また効果的なマーケティング戦略を打たない状態で販売した商品を買い続ける顧客は平均で12%でしたが、データクリーンルームを活用して特定の顧客に広告を流したことで、商品を買い続ける顧客が19.8%まで上がりました。

突破考
佐々木:アサヒグループ食品はデータクリーンルームを使用して、電通と一緒にデジタルマーケティングを実行していますが、結果はどうでしたか?

小林:データクリーンルームを活用したことで、顧客の購買行動のデータまで可視化できるようになりました。

佐々木:データクリーンルームの課題はありますか?

前川:データクリーンルームを扱うには、特定の技術にプラスしてプライバシーについての深い理解が必要なので、それらの能力を持つ人材が少ないことが課題です。

またクライアント企業側もデータクリーンルームの理解は必要なので、クライアント向けの啓蒙活動も必要だと感じています。


販促領域のデジタル化


佐々木:広告と同時にキャンペーンなどの販促領域もデジタル化が必要不可欠になってきていますよね。

前川:マーケティング活動をする上で、プラットフォーマーが顧客情報をどう顧客に還元していくかが重要になります。

佐々木:LINEとPayPayというプラットフォーマーの立場でマーケティングに携わる江田さんと岡田さんからデジタル販促について具体的な内容をご説明いただいてもいいですか?

江田:私はLINEのデジタル販促を担当しており、「LINEで応募」という誰でも簡単に応募ができるキャンペーンプラットフォームに携わっています。

突破考
特徴は、LINEアプリをご利用いただいていれば、ユーザーがキャンペーンに参加する際、ご自身の情報の入力を省けるところです。またクライアント様は、ユーザーが買ったものを把握でき、LINE公式アカウントからその人に合ったメッセージを1to1で送ることができます。

突破考
岡田:私はPayPayを使用したソリューションを展開しています。決済連動型であるPayPayの特徴を生かした「PayPayギフト」という、顧客が商品を購入するだけで参加できるキャンペーンに取り組んでいます。

突破考
ユーザーはPayPayを使用するだけでキャンペーンに参加できますし、クライアントは一部のユーザーに絞ることなくPayPay利用者全員に販促を進めることが可能となりました。
突破考
前川:「LINEで応募」やPayPayなどプラットフォームの仕組みによって、ユーザーが何かを購入してキャンペーンに参加すること、ポイントを集めることのハードルは下がっていると思います。


デジタル販促の将来性


佐々木:デジタル販促の伸びしろや課題はありますか?

岡田:オンラインとオフラインの購買データを融合させて、顧客ごとに必要な商品を案内できると、商品と顧客の継続的な繋がりを生み出せると思います。
ヤフーとLINEで一緒に進めていく際の考え方として、「ストック型」ソリューションを目指しています。PayPayで商品を購入した顧客の細かい情報をデータ化し、将来的にはクライアントがどの顧客にどう購買を促すべきか把握できる世界がつくれたらと思います。

突破考
江田:今はビーコンという技術で、位置情報の提供を許諾しているユーザーの来店を知ることができ、誰にどのタイミングで何の情報を送るのかも考えなくてはいけません。

前川:多くの顧客情報を持つプラットフォーマーは、デジタル販促によってできるマーケティング活動の幅が広がっています。様々な選択肢から導き出した1つのマーケティング戦略がクライアントにどのような価値をもたらすのかを考えることが重要です。

また現在はリアルの空間がインターネット化しており、オンラインで当たり前の手法がオフラインでも活用できるので、収集したデータをどう顧客体験に還元するかが鍵になります。

佐々木:デジタル販促がさらに進化すると、今後何ができるようになりますか?
岡田 PayPayとしては、ユーザーのことを一番知っているお財布になれればと思っています。そのユーザーがどういう行動をして何を買ったかを知れれば、一人一人に最適な情報を届けられるでしょう。

小林:クライアント目線で言えば、デジタルマーケティングの戦略によって、企業のブランディング向上が図れればと思っています。

江田:ここから先、磨いていくべきはユーザー体験の向上です。お店の中にいるかいないかで顧客の欲しい情報は異なるので、良いタイミングで顧客に情報を届けられれば、ユーザー体験の向上が望めると思います。

LINEリサーチで、「自分に合った情報を求めているか」という質問をしたところ、81.6%が「欲しい」と回答しました。なので、顧客は企業に自分の情報を提供する際に、企業側に自分に適した情報を求める傾向があると言えます。

突破考
しかし気をつけるべきことがあって、1to1コミュニケーションの中でも自分の家族構成などを特定されるメッセージに嫌悪感を持つ顧客が一定数います。顧客が何の情報を「嬉しい」「いやだな」と思うのかを把握することが重要だと考えます。
突破考
前川:ユーザーの気持ちはアルゴリズムだけでは解決できず、結局人が考えなくてはいけないので、科学と顧客体験設計をどう組み合わせるかが重要だと思います。

佐々木:デジタル販促の分野でデータクリーンルームはどんな役割を果たしますか?

前川:データクリーンルームのメリットは、クライアントが様々なデータを個人情報が守られた環境下で可視化でき、それをマーケティング戦略に生かせることだと思います。例えばテレビ広告には顧客の購買行動につながるtoCと商品が棚に置かれるtoBの価値があります。そういった情報がデータクリーンルームにはあるので、それをどう活用すべきかを考えることが重要です。

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DOOHの新潮流~タクシー・サイネージ編

Tokyo Prime

デジタル化が進み、市場規模が広がっているOOH(Out Of Home:屋外広告・交通広告)。

最近では、さまざまなDOOH(Digital Out Of Home:デジタルサイネージを活用した広告)が話題になっています。DOOHは、アナログのOOHと比べて、出稿が容易にできる、即時性が高い、狙ったターゲットに届けられる、広告効果を測定できる……など、たくさんのメリットがあります。

今回は、DOOHの新潮流を探るべく、タクシー・サイネージメディア「Tokyo Prime」を手掛ける、IRISの飽浦尚(あくうら・なお)氏にお話を伺います。
 

Tokyo Prime

 

BtoB広告を中心に成長を続けるタクシー広告

──どのようなDOOHを手掛けていますか?

当社は2016年創業で、タクシー・サイネージメディアの開発や広告の販売を手掛けています。多数のBtoB商材を手掛けるスタートアップ企業などにも活用いただいており、2017年から、スタートアップ企業がタクシーに広告を出す流れが加速して人気になったため、一時は出稿できない状況もありました。

私は以前、デジタル広告を手掛ける企業に勤務していましたが、アドフラウド(※)には悩まされました。タクシー広告は、タクシーという実体があるものに出稿できるので手触り感があることがいいですね。広告の質を落とさないためにも審査基準をしっかり設けています。

※アドフラウド:機械で不正にインプレッション(広告視認者数)を増やしたり、広告クリック数を水増ししたりする広告詐欺。


──販売状況はいかがですか?

コロナ禍により人々が外出を自粛したため、昨年は大変な状況もありましたが、2021年7月〜9月は過去最高の売り上げを記録しました。その理由として、電車に乗ることを控えても、タクシーの乗客は大幅には減らなかったことがあるかもしれません。会社によっては、満員電車に乗る代わりにタクシー乗車を推奨したそうです。サイネージの主要設置先である日本交通は休業せず、営業を続ける攻めの姿勢をとったことにより、想定乗車回数を下回らずに済んだことも大きいです。また、これまでBtoB商材の広告出稿は全体の半分までとしていたルールを撤廃し、営業したことも、売り上げに寄与しています。

──どのように広告配信されていますか?

「Tokyo Prime」は、SIMカードが内蔵され通信可能なAndroid OSの端末に広告配信用のアプリケーションを実装し、アドサーバーと通信する形式で広告配信を実現しています。サイネージ端末をスマ―トフォンのようなイメージで捉えたアーキテクチャで配信システムが構成されており、差し替えを管理画面上で瞬時に実行できるなど、柔軟性の高い配信システムになっています。

──今後の抱負や課題があったら教えてください。

タクシーには、ビジネスパーソンだけでなく高齢者や主婦など、さまざまな方が乗車します。広告の入稿数があまりに多すぎると、視聴をやめてしまう人もいるため、視聴を継続してもらうためにコンテンツの充実を図っています。

例えば「Tokyo Prime Voice」は、生活者が欲しくなる商品や素晴らしいサービスの作り手や社長にインタビューする番組です。この番組に出たいと思ってくれる企業の方も多く、好評です。「more 1 meter」というカルチャー情報番組もあり、乗るたびに面白い情報が得られるコンテンツを目指しています(コンテンツは、こちら)。

今後は、エリア別にコンテンツを出し分けたり、乗客のモーメント、例えば食事したい気持ちなどを捉えた広告配信を行いたいと考えています。さらに、タクシー以外のモビリティ分野にも参入したいと考えており、実証事業を進めています。コロナ禍で撤退してしまったのですが、海外事業にもチャンスがあれば取り組んでいきたいですね。タクシー・サイネージは、決済ともつながっている日本が一番進んでいると思っています。

Tokyo Prime


インタビューを終えて…

コロナ禍で外出を控える人が多かったにもかかわらず、「Tokyo Prime」が過去最高の売り上げを記録したのは、企業努力によるものだと感じました。タクシーは、平均乗車時間18分のプライベート空間で、広告配信ができます。ビジネスパーソンが多く乗車することから、オフィス商材を扱う企業の広告出稿が多いですが、今後はさまざまな乗客にむけたオリジナルのコンテンツ動画を増やしていく、と聞きました。タクシー乗車時にちょっとした気づきや驚きがあると、移動が楽しくなりそうです。

 

OOHのニューノーマル
今回、ヘアサロン、エレベーター、タクシーのDOOHを手掛ける企業にインタビューをさせていただきました。他にも薬局やドラッグストア、スーパーマーケット、トイレなど、いろいろな場所にDOOHが増えています。

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DOOHの新潮流~ヘアサロン・サイネージ編
DOOHの新潮流~エレベーター・サイネージ編


DOOHといえば、屋外広告や交通広告が主流でしたが、サイネージ機材の単価が下がってきたことやDOOHの広告配信プラットフォームが増えてきたことで、これまでになかった場所に新しいDOOHが増えています。

屋外のDOOHは、街によって多少差異はありますが繁華街の人通りが多い場所に設置されているため、不特定多数の人に広くリーチできることがメリットです。多くの人が集まるため、その場所にいる目的も多様であり、通行時に広告を見てもらうことができます。街に大きな広告が掲出されることで公共性を帯び、広告がSNSでシェアされることで、より多くの人の目に触れるチャンスも広がります。

一方、新しいDOOHは、特定の人たちが仕事や美容、健康など特定の目的で集まっている場所で広告に接触させます。リーチできる人数は減りますが、関心が高まっている場面で、比較的長く広告コミュニケーションができることがメリットです。そのため、マーケティングにおいて、見込み顧客のミドルファネル(生活者が興味・関心や課題を特定した状態で、やや熱心に情報収集をしている段階)にアプローチする手段としての使い方があります。少額の予算から出稿できるので、ターゲットが合致すればマーケティングの費用対効果を高めることもできるでしょう。

今後、DOOH市場は拡大していくことが予想されています。より簡単に発注できる仕組みや、配信の最適化、効果検証を充実させることで、デジタル広告の良さを取り入れつつ、実体がある場所に広告出稿できるOOHならではの強みを生かした媒体になっていくと思われます。

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若者の間で大ブレイク…ファミリーマートが高品質な衣料品PBを仕掛けた理由

 2021年3月から全国展開されたファミリーマート衣料品ブランド「Convenience Wear(コンビニエンスウェア)」は、モードブランド「FACETASM(ファセッタズム)」のデザイナー・落合宏理氏の起用や、機能性の高いラインナップを揃えたことで、若い世代からも注目を集めているという。なぜファミマは、衣料品に改めて力を入れ始めたのだろうか。

“ファミマソックス”の着用動画が大流行

 ファミマの衣料品ブランド・コンビニエンスウェアでは、今までのコンビニの衣料品コーナーでもよく見られた肌着やソックスのほか、1枚で外出できる「アウターTシャツ」や今治産のタオル、エコバッグなど、多様な商品が販売されている。

 特に、白地に緑と青のラインというファミマのイメージカラーを用いた独自デザインの靴下は10~20代の若者を中心に「ファミマソックス」と話題になり、動画投稿アプリ「TikTok」に、このソックスを着用したムービーを「#ファミマソックス」のハッシュタグをつけてアップすることが流行した。

 同ハッシュタグがついた数々の投稿の総再生回数は650万回を超えており、さらにネット界隈で広がりを見せている(2021年10月31日時点)。

 加えて、今年6月には、俳優の木村拓哉が白地に青と緑のラインが入ったソックスを着用した写真をインスタグラムに投稿。「キムタクが履いているのはファミマソックスでは……」と話題を呼び、若者以外の世代にも手に取りやすいイメージが広がった。

 ただ、同社の衣料品がここまで人気になった理由について、コンビニ評論家の渡辺広明氏は「SNS効果だけではなく、確かな品質も持ち合わせているからでしょう」と予測する。

 コンビニエンスウェアの商品には、厳選されたオーガニックコットンや、旭化成が開発を手がけた汗をかいてもベタつかない「ペアクール」など、かなりこだわった素材が使われているのだ。

 コンビニで売っている衣料品といえば、「外出先で服が汚れたり、急な宿泊になったときに買うもの」というイメージが強い。そのため、せっかく買ったコンビニ衣類を「その後も繰り返し着続けるのは恥ずかしい……」と抵抗を持つ人も多かったのではないだろうか。

 しかし、今や「消費者側の意識も変化している」と渡辺氏は分析する。

「これまでのコンビニ衣料品も、品質はかなり良かったんです。ただ、主に緊急時の間に合わせとして購入されるという性格上、質に対するイメージはあまりよくありませんでした。しかし、近年の消費者は『どこで買ったか』というブランド志向から、デザインや品質にこだわって商品を選ぶ傾向に変化しつつあります。つまり、質さえ高ければコンビニ衣類でも積極的に着る、という意識に変わってきたといえるでしょう」(渡辺氏)

ファミマが高品質な衣料品PBを立ち上げられた理由

 かつて、ファミマで無印良品の衣料品を扱っていたことを覚えている人は多いだろう。しかし、19年1月に提携が解消され、衣料品だけでなく、すべての無印アイテムの取り扱いを終了している。

 ファミマが大手メーカーの衣料品の取り扱いをやめてプライベートブランド(PB)を立ち上げた背景について、渡辺氏はこう解説する。

「無印とファミマの提携解消についてはいろいろな要因がありますが、衣料品に関して言えば、ファミマは以前からPBに進出したいと考えていたはずです。そもそも、ファミマの親会社の伊藤忠商事は衣料品を祖業とする会社。伊藤忠の長年蓄積された繊維事業に関するノウハウと人脈を活かせば、ハイクオリティな商品開発ができる。さらに、PB商品を展開すると利益率は約20%向上するといわれているので、ファミマにとっては念願の参入だったと思います」(同)

 加えて、全国チェーンのコンビニだからこそ持つ圧倒的なバイイングパワーという武器も、PB展開の可能性を広げた要因のひとつだ。

「ファミマは国内だけで1万6641の店舗があります(2021年9月30日時点)。それだけの販売チャネルがあれば、大量生産が可能になる。また、商品を製造しているのはベトナムや中国の協力工場ですが、ユニクロやGUといったファストファッションブランドよりも商品のバリエーションが少なく、単品の商品においては、定期的に大量受注できるコンビニの衣料品のほうが仕事を受けやすいという状況だったと思われます」(同)

 このような大量生産・大量販売の体制が確立すると、品質だけでなく価格帯の面でも、ファストファッションブランドとさほど差がない商品を調達できるようになる。

 男性用肌着を例に取ると、ファミマ・コンビニエンスウェアの「ボクサーパンツ 前開き」は649円(税込み、以下同)。ユニクロの「スーピマコットンボクサーブリーフ(前開き)」は590円。若干の価格差はあるが、ファミマは世界的ファストファッションブランドにコストパフォーマンスでも肉薄していることがわかる。

コンビニの衣料品は「緊急用」から「日常使い」へ

 ファミマが自社の衣料品を「緊急用の間に合わせ」から「日常使い」できる商品に変えようとしている背景には、コンビニ業界全体に対するニーズの変化も関係している。

「2011年の東日本大震災を機に、コンビニが今まで以上に“生活のインフラ”として認識されるようになりました。それによって、今まで主力だった食品に限らず、より広いカテゴリーにおいて、便利で安くて日常使いできる商品を充実させる動きが見られます。ファミマのコンビニエンスウェアの立ち上げも、コンビニ衣料品がカジュアルな日常使いにシフトし始めた動きの表れといえるでしょう」(同)

 さらに、新型コロナウイルスの流行がこの傾向に拍車をかけ、コンビニ商品の拡充と質の向上がさらに進んでいるという。

「テレワークの普及や外出自粛で人々が遠出しなくなり、住宅地にあるコンビニ店舗の売り上げが拡大しました。この傾向はこれからも続きそうなので、今後はわざわざ遠くのデパートや商店街に行かずとも、近所のコンビニで質のいい食べ物や日用品、衣料品が揃えられるようになっていくはずです」(同)

 衣料品のPBを立ち上げて注目を集めるファミマだが、セブン-イレブンやローソンといった他の大手コンビニチェーンは今のところ静観しているように見える。しかし、渡辺氏は「今後、コンビニの衣料品PBが増える可能性は高い」と予想する。

「ローソンの親会社の三菱商事は繊維事業部を有しており、セブン-イレブンの親会社であるセブン&アイ・ホールディングスも衣料品には強い。いずれも自社で衣料品ブランドを展開する力は十分にあるので、今後はファミマの動きに追随する可能性はあると思います」(同)

 より質が高く、普段使いできるクオリティの衣料品が広がれば、これからは「服を買うためにコンビニに行く」ことが当たり前になるかもしれない。

(文=田中慧/清談社)

「コロナ助成金」受給発覚の石原伸晃がコロナ増税進言の厚顔! 「ナマポ」発言で生活保護叩きの過去も…それでも岸田首相は重用

 先の衆院選で落選したにもかかわらず岸田文雄首相の内閣官房参与に起用されたことに抗議の声が拡がっている自民党の石原伸晃・元幹事長に、開いた口が塞がらない問題が発覚した。なんと、新型コロナ対策として実施されている雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金を受給していた、というのだ。 ...

パチンコ業界で「本当に勘弁してくれ」との声も!? 導入前の新台に対する行動へ思うこと…

 何かと話題になることの多いYouTube。最近ではメーカー公式やパチンコ店、コンサルタントなどそれに関わる人たちのチャンネルも非常に増えてきましたよね。

 その内容も多彩で裏話的なことから遊技機そのものに関するものまで実に幅広く、最近では芸人さんのパチンコ系チャンネルの躍進も目覚ましいものがあります。

 私自身はYouTube自体をあまり視聴しない方で、話題になったものやまとめサイトに掲載されたもの等はチラ見することもあるのですが…。少しだけ違和感、というか物凄く気になっていることがあるのです。

 というのが導入前の遊技機台を滅多切りにする行為。これってどうなんでしょうか?

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 確かに遊技機はヒットするよりもヒットしない方が遥かに多く、それでも導入せざるを得ない理由などもあり、ホールデビューしてはいつの間にか消えていく機種も多くあります。

 寿命の早いものでは僅か1ヶ月というのも当たり前。中古価格もアッという間に新台価格の半値以下…ということも珍しくなく減価償却もままならない、そんな機種も多々あります。 

 その最新機種動画を視て『○○期待していたけどダメっぽいな、打つのをやめた』となることもあると考えれば、それは自分で自分の首を絞めていることになりませんかね?

 人気チャンネルの中には登録者数10万人を超えるものも多数あり、その視聴数が数十万回に上ることも珍しくありませんので影響力も十分にあるでしょう。人気ライターが導入後の実戦動画で絶賛したことから、稼働が伸びることもある訳です。まぁ、この逆も当然あり得るということですよね。

 実際に評価できる部分が少なかったのかも知れませんが、良い部分もアピールするような気遣いも必要ではないでしょうか。

 特に最近では、その傾向が一段と顕著なためひとこと申し上げた次第です。良い部分もしっかりアピールしながら「NGポイントもあります」というのであれば理解も出来ますが、一から十まで酷評というのはいかがなものでしょうか。

 業界誌などでも新機種レビューがありますが、流石に0点というのはない訳ですからね。勿論これは「私個人の考え」なので賛否あると分かっています。ただ、同じように苦々しく思われている方もいらっしゃるかと思います。先日あるメーカーの方と談笑していた時も正にそうでした。

「導入前なんだからYouTubeでボロクソに酷評されるのは本当に勘弁してくれ」と。「せめて酷評するのなら導入後に、結果が出てからにしてくれ」と。しかもその機種は、かなり期待されている機種でしたからね。

 どんな機種がヒットするかは本当にわからないのがパチンコ、パチスロ。つまり「予想外のヒット」「想定外の低稼働」という可能性も大いにあり得る訳です。

 私がもしユーチューバーならば、ダメそうな機種でも良さそうな部分を徹底的に探しアピールします。それで少しでも稼働に繋がるのならば『ヨシ!』ではないでしょうか。

 それでパチンコ業界が少しでも盛り上がれば『OK!』じゃないですか? 皆さんはどう思われますか? この風潮が少しでも改善されることを願いたいと思います。

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

パチスロ「5千枚突破」続出の人気タイトルに激アツ情報… 継続率約89%の最強特化を手軽に堪能!?

 シリーズ伝統の自力感に遊びやすさをプラスした、サミーの6.2号機『パチスロANEMONE交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION』。もちろん、遊びやすさの中にも爆発力は秘めており、ホールでは5千枚突破のデータも多々ある。現状、既存機屈指の「大勝できる」マシンと言っても過言ではない。

 出玉増加の肝は「Dive To Eureka Seven」と銘打たれた1G純増約2.5枚のAT機能で、通常時はチャンス役やベル連、特定ゲーム数消化などでミッション抽選。ベルは3連続で期待度約40%、強チェリーや強チャンス目はミッションが確定し、トータルミッション突入率は約54.4分の1となる。

 3G継続のミッションはベル入賞で期待度25%を超え、内部的にミッションレベルが高ければベルやチャンス役を引かずともボーナス当選に期待。ミッション終了時は集中状態移行抽選が行われ、集中状態滞在中はミッション当選率が大幅にアップする。

 通常時のボーナスは4種類で、ベルナビ10回のアネモネボーナス中はカットイン発生→7絵柄揃いでAT確定。揃わなければボーナス後に「ホワイトルーム」へ移行し、50%超でATへ繋がる。

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 ベルナビ5回のガリバーボーナス中はアネモネボーナスへの昇格に期待できるほか、ここでのAT当選は大量「バースト保留」獲得が見込める模様。ガリバーボーナス後は有利区間が引き継がれ、6連続でこれを引くと次回ボーナスで最強出玉トリガー「NIRVASH-Xボーナス」が発動する。

 また、エピソードボーナスは、その時点でATが約束される。

「バスクードドライブ」と「セブンス・トレイサー」を行き来するAT中は、ベルやチャンス役成立でアイコンに応じた攻撃へ発展。バースト保留保有時はシールドを消費せずに攻撃ができ、シールドが「0」の状態でリプレイを引くとセブンス・トレイサーへ移行する。

 最大5G継続のセブンス・トレイサー中は、やはりベルやチャンス役でバスクードドライブへの復帰抽選。失敗時はバトルが始まり、バスクードドライブ中と同じく、これに勝利できれば次セット継続=敵や勝利への過程を参照して報酬が振り分けられる。

 これらを繰り返して敵を10回撃破できれば1セット10G+α継続の「クライマックスモード」へ昇格。継続率は約89%で、エンディング到達期待度は約82%にも及ぶ。

 ATまでのフローが一新されたばかりか、AT中の展開も説明を読むだけでは少々難解。予備知識なしで打つと困惑してしまう危険性があるし、それが理由で敬遠している人もいるやもしれぬが、そんな人たちにオススメしたいのが、スマートフォン向け無料パチンコ・パチスロアプリ「777Real」にて12月7日より配信される当機のアプリである。

 これをプレイしてゲーム性を確認できれば、初打ちで戸惑う心配なし。タイミングよく当機は続々と攻略要素が判明しており、いわば絶好の攻め時とも言えるので、既に幾度となく当機をプレイしている方にもシミュレーションアイテムとして活用できることであろう。

クレーンゲームの確率機は違法?ゲームセンターが抱えるさらに大きな違法性

 YouTube上で、ゲームセンターのクレーンゲームやメダルゲーム、ガチャガチャなどをプレイして景品を効率よく獲得する動画を公開して人気を得ている「つるなか」が、「バンビーノ」と呼ばれるクレーンゲームの“攻略法”を公開して物議を醸している。

 つるなかは12月3日、『遂にあの有名な確率機を完全攻略したので、日本全国の高額景品を狩りまくってみたwwww【バンビーノ攻略前編】』とのタイトルで動画を公開。

 つるなかによると、バンビーノはパチンコなどの遊技機でいうところの“確率機”で、店側が設定した金額に達するまで課金されないと、景品を獲得できないようになっているという。

 そんななか、つるなかはバンビーノの筐体を自ら購入して研究し、“攻略法”を編み出した。バンビーノは、近くで目的のカプセル等をつかんだ場合にはすぎに落とし、遠くでつかんだ場合は穴の近くまで運んでから落とすようになっているという。

 攻略法では、コインを投入する前に操作ボタンを押し続けると、機械はすでにアームを動かしていると誤認し、近くでカプセルをつかんでも穴の上まで運んでくるようになると説明。そしてつるなかは実際にプレイし、たった500円でNintendo Switchとソフトを獲得するなど、少額の投資で高額な景品を次々に獲得してみせた。さらに、全国各地のゲームセンターを訪れ、同様の手法で景品を乱獲したようだ。

 この動画が公開されると、瞬く間に全国のゲームセンターで同様の手法で景品を獲得する行為が頻発し、各地でバンビーノが稼働停止したり、この“攻略法”を使えないように対策した機器に入れ替えられたりしているという。

 12月10日には【後編】が公開されると予告されているが、その内容はあまりに景品を大量に獲得するつるなかが不正な手法を使っていると怪しんだ店側が、警察を呼ぶ事態に発展するものだという。

 だが、ネット上では、「そもそも確率機が違法なのではないか」「一定額までお金を吸い込むまで景品が取れないように設定するのは景品表示法などに違反しているはず」といった指摘が出ている。実際のところ、“確率機”は違法なのだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は、次のように解説する。

「このような話、いろんな方がいろんなことを言ってますが、実は『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法、風営法)』の話です。ゲームセンターは風適法2条1項5号の営業に該当するので、営業するためには法律に基づいて公安委員会から許可をもらわなければなりません。

 ところで、勝つとパチンコ玉を与えられ、それを第三者に買い取ってもらって現金化するという、ふざけたシステムのパチンコ店は、風適法2条1項4号の許可が必要です。

 ゲームセンターにあるゲーム機器は本来、『遊ぶ』ことが目的の『ゲーム』なので、何かをもらえるものではありません。格闘ゲームやレースゲームでどんなに勝ったって、何ももらえません。これに対し、パチンコ店は最初から何かをもらえることが期待される(射幸心をそそる、といいます)ものなので、別モノです。

 しかし、『ゲーム』にもかかわらず、その勝敗によって何かをもらえるとなると、『射幸心をそそる』おそれが出てくるため、風適法2条1項4号の許可がないのに、風適法2条1項5号の許可だけで営業してはダメなのです。

 ここで『クレーンゲーム』ですが、これは確かに『ゲーム』の勝敗によって景品がもらえたりもらえなかったりするので、『射幸心をそそる』おそれがあるわけです。

 もっとも、ここからが法律ではなく世の中にある“よくわからない取り決め”(例えば、ソープランドが“売春にならない”という取り決め)なのですが、警察の話によると『クレーンで釣り上げるなどした物品で、小売価格がおおむね800円以下のものを提供する』なら、『ゲームの勝敗によって、景品がもらえたりもらえなかったりすることにはならない』、すなわち射幸心をそそることにはあたらないとされています。世の中には、こういう“よくわからないルール”がたくさんありますね。

 ところで、『確率機』のクレーンゲームですが、『確率機』がどうのこうのというより、景品が『800円』以上であるという時点でOUTです。とっとと摘発されてほしいところです」

 高額景品を掲げているゲームセンターは数多くあるが、それらは違法である可能性が高いわけだ。つるなかの次回動画で、店側が警察を呼ぶシーンがあるようだが、店側はどのように説明するのだろうか。

(文=編集部)

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。