アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.17

為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら……。乞う、ご期待。

為末大氏

──「美しさとは、何か?」というテーマのインタビューも、今回が最終回です。前回は、美しさというテーマから、政治の話、経営の話などを聞かせていただきましたが、今回は「教育」という観点からお話を伺おうと思います。為末さんご自身、一児を持つパパというお立場ですが、お子さんに「美しさ」というものの価値を伝えるために、何をしていらっしゃいますか?

為末:難しい質問ですが、一言でいうと「バランスがいい」ということを教えるということでしょうか。

──バランス、ですか。

為末:納まりがいいかどうか、みたいな。たとえば、河原で拾った石ころを積み上げる、みたいなことを子どもはよくやりますよね。なるほど、大きな石から小さな石へと積んでいくと安定するんだな、みたいなことを、そうしたことから学ぶんです。大げさにいえば、自然の法則を学ぶとか、社会の倫理観を学ぶ、みたいなことです。前回、「サウナで身体が整う」みたいな話をされてましたが、きちんと整えると美しい姿になるんだ、みたいなこと。そういうことを、子どもに伝えることが大事なんじゃないか、と。たとえそれが、河原の石ころであっても、です。

──なるほど。政治や経営の話でいうと、ついつい「調整」みたいな感覚になりますが、「バランス」と言われると、美しさのあるべき姿が見えてきますね。

為末:そう。自然の法則を理解すると、物事のあるべき姿とか、正式なポジションみたいなものが、理解できる。アスリートの肉体づくりとか、体の使い方とかも、実は、そういうことなんです。技術にいき詰まった時に大体選手が返ってくるのは姿勢です。基本的な立ち方、地面の踏み方ができていないと手足の動きが美しくなくなる。突き詰めるとスポーツの技術は姿勢づくりでもあるんですね。

──なるほど。

為末大氏

為末:政治でも、経営でも、子育てでも、スポーツでもなんでもそうですが、 人はどうしても「結果」を求めてしまう。「結果」を得るためには、どんな汚い手段でも使ってやろう、みたいな感覚を持ってしまう。でも、それでは、本当に得たいものは、手にできない。

──要するに、美しいもの、ということですね。

為末:最終的に人間が手に入れたいものは「美しさ」なんだと思います。物事が整った気持ちのよさ、というか。あるべき姿を手に入れたというか。日本庭園とか、料亭の料理とかを前にすると、なんだかホッとするというか、心が癒やされるじゃないですか。美しさの本質は、そこにあると思いますね。整ったなー、みたいな。

──ビジネスの世界でも、要するに「整いたい、整わせたい」みたいなことで、日々、PCのキーボードをたたいたり、商売の駆け引きをしたり、していますものね。でも、ふと気づくと、美しさとは真逆の行動をしていたりする(笑)。

為末:アスリートの場合、そのあたりは純粋です。どのような競技であろうと、つまるところ「美しい自分」を追求しているわけで。 

──なるほど。そこが、アスリートブレーンズの活動にもつながるわけですね?

為末:そういうことになるのかな。別に、美しさのために活動しているわけではないのですが、一言でいうと、アスリートのいいところでもあり切ないところでもあるのは「超当たり前のことを言い続ける。またはそれしか言えない」というところだと思うんです。

──超当たり前、ですか(笑)。

為末:そう。ビジネスの世界で言われる「アイデア出し」みたいなことは、アスリートは一番苦手なんです。価値のあるアイデアには、突飛さと実現性の二つが担保されていないとダメですよね。その両方がないと、ビジネスとして成立しない。でも、アスリートの場合、そのどちらも苦手なんです。決められたルールの中で、ひたすら自己と向き合う。実現不可能とされる記録に挑みつづける。というようなことに人生を懸けてきた人たちだから。でも、そうしたことを続けている中で体得した「超当たり前のこと」には、それなりの価値があると思うんです。

──超当たり前のことを極めることで世界レベルのパフォーマンスをしてるわけですものね。

為末:そうなんです。誰もができそうでできない、超当たり前のことをやってのける。実はこれ、政治とか企業経営にも当てはまることだと思います。そうだよな、こんなサービス、こんな商品、あって当然だったよな。今までなんで、なかったんだろう?という。
誰もが思いつかない突飛なことを考えるのもクリエイティビティだと思いますが、誰もが思いつきそうな、超当たり前のことをやってのける、というのも立派なクリエイティビティだと、僕は思います。

──そこに、アスリートブレーンズの活動の意味がある、と。

為末:そう感じていただけたら、うれしいです。

──今回は「美しいとは、何か?」という、不思議なテーマでお話を伺いました。いつもと同様、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございます。

為末:こちらこそ。次回の取材も、楽しみにしています。

(聞き手:ウェブ電通報編集部)


アスリートブレーンズ プロデュースチーム 日比より

「美しさ」の第3弾。為末さんからは、アスリートの価値は「超当たり前のことを言える」とのことでした。実際、私もプロジェクトをご一緒する中で、「姿勢が大切」と言われたことがあります。アスリートにとっては当たり前だったものの、個人的には、発見感がありました。この「姿勢が大切」というキーワードから、アイデアが広がっていったことを覚えています。また、為末さんから「自然の法則を理解すると、物事のあるべき姿とか、正式なポジションが分かる」という言葉がありました。ビジネスも、自然の法則に照らし合わせて考えてみると、新たな発見があるかもしれません。アスリートが感じる当たり前が発見になり、その発見を、電通チームが広げ、言語化/可視化し、全員が共感できるものに昇華していく、そんな取り組みをアスリートブレーンズでは行っています。

アスリートブレーンズプロデュースチーム 電通/日比昭道(3CRP)・白石幸平(事業共創局)

為末大さんを中心に展開している「アスリートブレーンズ」。
アスリートが培ったナレッジで、世の中(企業・社会)の課題解決につなげるチームの詳細については、こちら

アスリートブレーンズロゴ

中国の不動産、デフォルト発生が記録的規模…企業全体のドル資金調達が困難の懸念

 中国経済は11月に一段と減速した。11月の小売り売上高は前年比3.9%増と市場予想中央値(4.7%増)に届かなかった。新型コロナウイルスの流行でサービス業や飲食店などの販売が鈍ったことなどで10月の4.9%増からさらに減速した。その影響が雇用にもあらわれている。11月の都市部の新規雇用は前年比18%減となり、3カ月連続マイナスとなった。

 もっとも心配なのは、中国経済の屋台骨ともいえる不動産分野の低迷ぶりだ。政策引き締めは若干緩和されたといわれているが、不動産市場は冷え込んだままだ。11月の中国新築住宅平均価格は前月比0.3%下落し、2015年2月以来の大幅な落ち込みとなった。国内上位100都市の11月の住宅在庫も5年ぶりの高水準だった。

 売上高上位100社の11月の不動産販売総額は前年比38%減となり、10月(前月比32%減)よりも落ち込み幅が大きくなった。11月の40都市での新築住宅成約面積は10年来の低水準となったが、専門家は成約量はさらに減少すると見ている。不動産開発会社の破綻懸念により、買い手の側に「将来住宅を受け取れないリスク」が意識され、住宅契約に消極的になっているからだ。住宅販売の不振は、用地購入や建設資金として投入した資金の回収が遅れ、不動産開発企業の信用収縮がいっそう悪化することを意味する。

 中国人民銀行は15日から銀行の預金準備率を0.5%引き下げた。これによって1.2兆元(約21.4兆円)の流動性が市場に供給されるが、銀行が過剰債務を抱える不動産開発会社に流動性を供給する可能性は低い。

不動産市場の不調と労働力不足

 中国経済の高度成長を長年支えてきたのは不動産部門だ。GDPの約3割を占める。中国の都市部住民の投資資産の約8割が住宅だとされており、不動産価格が下落すれば、逆資産効果により消費はさらに落ち込んでしまうのは目に見えている。

 不動産分野での記録的なデフォルト発生は、中国に対する海外投資家の見方を悪化させている。格付け会社フィッチ・レーティングスは12月9日、中国の不動産開発企業の経営破綻問題のきっかけとなった中国の恒大集団の格付けを「一部債務不履行」に引き下げた。

 中国当局は「恒大集団が救済されることはないが、関連リスクは限定的だ」と火消しに躍起だが、海外投資家の間で中国不動産開発業界への警戒感は高まるばかりだ。香港に上場している不動産開発会社である世茂集団の社債価格が13日の取引で突然急落し、広範な中国社債売りにつながっている。世茂集団は中国で13番目に大きな不動産開発会社であり、比較的財務力の強い借り手とされてきたが、子会社との不明朗な取引が「コーポレートガバナンス上の懸念すべき問題」と糾弾される事態になっている。

 中国の不動産開発業界は2022年に約400億ドルの償還を控えているが、これを無事に乗り切れることができるとは思えない。2021年9月時点で、海外の投資家が保有する中国の債券と株式の総額は1兆2000億ドルに達しているが、米ドル債市場で不動産開発企業が相次いでデフォルトを起こすような事態になれば、中国企業全体のドル資金調達が困難になる恐れがある。

 中国経済が減速するなかで、ひとり人気を吐いている製造業もその例外ではない。11月の鉱工業生産は電力不足が緩和されたことなどから前年比3.8%増となり、伸び率は前月の3.5%から加速した。だがドル資金が調達できなくなれば今後の成長に足かせとなる。

 製造業にとっての最大のアキレス腱は労働力不足だ。中国の年間平均賃金は過去20年間で9倍に跳ね上がった。15~59歳の「生産年齢人口」が総人口に占める割合は過去10年で7%も縮小している。

 労働市場における深刻なミスマッチも頭が痛い。熟練労働者が極端に不足しており、その規模は約2000万人に達している。影響は沿岸部を中心に顕著となっているが、政府が職業訓練教育の充実に努めてこなかったことから、教師の質が低下し、良い人材が育たないという事態になっている。

 その一方で大学卒業生は増加するばかりだ。2022年の新卒者数は前年比167万人増の1076万人となり、史上初めて1000万人を超える見通しだ。だが新型コロナの感染拡大でここ数年続いている就職難がさらに悪化している。

中国史上かつてないほどの苦境

 中国政府首脳が集まって経済政策の方針を策定する中央経済工作会議は、12月10日に発表した声明の中で「中国の経済発展は、需要縮小、供給リスク、市場の期待の低下という3つの圧力に直面している」ことを認めた。

 中国最高指導部はこれに先立ち、12月6日に来年の経済政策に関する共産党中央政治局主催の重要会議を開き、「金融の安定をはじめとする『6つの安定』と国民雇用の保障をはじめとする『6つの保障』をしっかりと行う」という異例の申し合わせを行った。

「政治・経済・貿易・金融・エネルギーなどすべての分野で基本的な運営が不安定になっている」とする最高指導部の認識に「中国がかつてないほど苦境に陥っているのではないか」との憶測が生じている。政府中枢に近い清華大学の李稲葵教授(専門は経済学)も「今後5年間、改革開放が始まってからの40年来で最も困難な時期になる可能性がある」と危機感をあらわにしている。

 人民日報は12月に入り、改革開放に関する評論記事を掲載したが、鄧小平氏ら元指導者の功績を讃えたものの、習近平国家主席についての言及はなかった。「経済の失速が原因で共産党内部の権力闘争が激化している」との観測が出ている。中国経済はついにハードランディングしてしまうのだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

映画レビュー「夜空に星のあるように」

労働者階級のジョイは、パブで働き、幼子を育てながら、獄中の男を待ち続ける――。ケン・ローチの記念すべき長編デビュー作。

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赤木さんへの1億円国賠で森友改ざんを強引幕引き! 改ざんの元凶・安倍元首相夫妻を守り雅子さんの頰を金ではたく卑劣

 これほど下劣な話があるだろうか。森友公文書改ざん問題で自殺に追い込まれた赤木俊夫さんをめぐる国家賠償請求訴訟で、昨日16日、国側がいきなり認諾し、1億700万円の賠償金を支払うことで裁判での真相究明を強引に幕引きし、都合の悪い事実に蓋をした件だ。  赤木さんの死に国の責...

さらばCR機…「17万発」データも話題のパチンコ激熱シリーズを実戦!!

 17万発報告も浮上するなど、抜群の存在感を放っている三共のパチンコ『PF機動戦士ガンダムユニコーン』。ですが、世間では先日リリースされたばかりのスマホアプリ『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』が話題になっていますね。 

 この入りでお気づきの方は多いと思いますが、今回の主役は『ガンダム』シリーズです。私自身は最後の悪あがきをすべく、レトロ台遊技の方を少しだけ控えめにしてホールに出向いては別れを惜しむかのように撤去目前に迫った5号機、CR機を堪能しております。

 今回、遊技したのは偶然みつけた『CR機動戦士ガンダムLAST SHOOTING』。思わず「まだ設置している店があったのか!?」と驚きましたが、検索してみると僅か120店舗余り。2016年リリースの台なので既に懐かしい気持ちでした。 

 この機種自体に特に思い入れがある訳でもないのですが、やはりそこは「初代ガンダム」というコンテンツ。この作品自体に思い入れのある方は多いことでしょう。

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 昭和末期にその歴史を変えたとまでいわれるロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』。パチンコとしてリリースされた順番的にも、今後この初代ガンダムのパチンコがリリースされる可能性が限りなく低いと考えれば「ここは打たねば」となった訳です。

 設置されていたのは低貸しでしたが、設置台数1台となれば迷わず座るのは当然でしょう。資金面の不安に脅かされることもありませんし、回り具合など全く気にすることもありません。

 ジャグラー系はいつも真剣勝負ですが、そもそもパチンコは遊びでしか打たないですからね。適当に座って「当るか軍資金限度まで打つか」のどちらか。もう完全に運試しです。

 しかし、ガンダムシリーズも何やかんやで実に多くパチ、スロ化されてきました。パチスロはラスター、山佐、ビスティから。パチンコは全て三共からですが気がつけば「三共=ガンダム」みたいな図式も出来上がっちゃっていますよね。

 古くはフィーバーパワフル。最近ではシンフォギアなど他にも多くの人気シリーズを抱える三共ですが、そこはお見事としかいいようがありません。

 さて、肝心の遊技の方はといいますと、とにかくあのシーンを見たくて…。ガンダム史に残る名場面であり、アニメ屈指の名シーンとまでいわれるガンダム最終話のあの場面。

 そうです。あのガンダムが頭部と左腕を失いライフルを天高く突き上げるシーンです。これさえ見ることができれば、今日はもう実質勝利です。こんな名シーンを役物にしちゃうなんて三共の開発は天才です。

 勧善懲悪の物語ばかりだった時代に完全無敵の絶対的主人公が、あのような無惨な姿になるのは本当に衝撃的でしたからね。非常にインパクトのあるラストシーンでした。

 冒頭の画像は、その瞬間を激写したものです。もう感動のひとことですよ。そこまでに723回転ハマりましたけど文句なんて何もありません。低貸しですからかすり傷みたいなものです。

『試合には負けたが勝負には勝った』それで良いじゃないですか。そこに大いなるロマンは存在したのです。

 旧基準機の撤去まで残すところ本当に1ヶ月余り。

 悔いの残らぬように少しでもたとえ僅かな時間でも。

 消え去りゆく5号機、CR機を打ちまくりたいと思う今日この頃です。 

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

映画レビュー「偶然と想像」

偶然の出来事が人の運命を一変させる。世界が注目する濱口竜介監督の短編アンソロジー。ベルリン映画祭銀熊賞受賞作。

投稿 映画レビュー「偶然と想像」映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

JRA池添謙一を襲った「あなたの番です」競馬版!? 朝日杯FS(G1)後輩のセリフォス降板に同情も束の間、明日は我が身の非情宣告

 19日、阪神競馬場で行われる朝日杯FS(G1)だが、レース前に話題となったのは、上位人気が確実視されるセリフォス(牡2、栗東・中内田充正厩舎)の乗り替わりだった。

 同馬には当初、デイリー杯2歳S(G2)と朝日杯FSのセットで、陣営から藤岡佑介騎手の起用が発表されていた。藤岡佑騎手も初コンビとなったデイリー杯2歳Sを見事に勝利し、上々の滑り出しかと思われたが、結果を残したにもかかわらず、本番でC.デムーロ騎手へと乗り替わることが分かった。

 騎乗ミスが原因で敗れた訳でもなく、この「非情宣告」ともいえる乗り替わりには、ファンからも賛否両論が沸き起こったが、中でも「同業者」として後輩の心中を思いやったのが池添謙一騎手だ。

「佑介…。俺も条件戦やけど乗り替わり。世知辛い時代に再突入。もっともっと上手くなろう。頑張ろう」

 池添騎手は自身の公式Twitterでこの件について言及。短期免許で来日する外国人騎手の脅威について複雑な胸中を明かしていた。

 当時も条件戦での乗り替わりに触れていた池添騎手だが、ついに恐れていた事態が我が身にも振り掛かった。前走のマイルCS(G1)でコンビを組み、4番人気で13着に惨敗したグレナディアガーズが、次走で予定している阪神C(G2)にC.デムーロ騎手と挑むことが発表されたのである。

「壁を作れず、だいぶ力んでいました。ゲート裏までは良い雰囲気でしたが、力んでいてリラックスさせられませんでした。上手く乗れませんでした」

 レース後のコメントで不完全燃焼に終わった騎乗を悔いた池添騎手としては、コンビ継続でもう一度リベンジしたかったところだが、今回の乗り替わりで次にチャンスが訪れるのを待つしかなくなった。

「後輩である藤岡佑騎手は、勝利した上での降板だったこともあって気の毒でしたが、池添騎手は結果を残せなかっただけに、やむを得ない部分もありますね。ただ、以前に比して近年の競馬界は結果最優先主義が色濃くなっていることも確かです。

ひとつのミスが命取りになることは競馬に限ったことではないですが、コロナ禍の制限が緩和されたことにより、外国人騎手の来日が増えるようなら、こういったドライな乗り替わりは今後もあるでしょう」(競馬記者)

 世間でも大ヒットドラマの劇場版である『あなたの番です 劇場版』が公開され、注目を集めているが、池添騎手の今回の乗り替わりも、『あなたの番です 競馬版』といったところだろうか。

 他の騎手も「明日は我が身」となるかもしれないため、陣営から継続騎乗を任されるには、池添騎手が気を引き締めたように「もっともっと上手くなり、頑張る」しかない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

パチスロ「AT100連オーバー」も余裕!? 連チャン特化型のハイスピードAT機が撤去間近…

 1G純増は約2.8枚で、継続率は最低でも77%。スピード感と継続率を兼ね備えた理想的なAT機、高砂電器産業(現・コナミアミューズメント)の『ガン×ソード』が来年1月、いよいよ撤去期日を迎える。

 本機は「周期融合抽選」なるシステムが採用されており、通常時は32G・64G・128G・256Gと4種類の周期が存在。この4種類の周期に加えて毎回32GごとのAT抽選も行われており、主に周期当選時は特定演出頻発の後にステージアップ→エピソード→連続演出…といった流れを経て確定告知が発生する。

 周期は基本的にゲーム数消化と共に減少するが、フリー打ち消化だとコイン持ちが劇的にアップする代わりに、サブ液晶での周期カウントが進まない恐れがある。よって、通常時はこれを避けるべく、左リールにBAR絵柄をアバウトに目押しする必要がある。

 また、ATへはCZ「エルドラチャレンジ」や「幸せの時間」を足掛かりに当選するパターンもあり、「カギ爪」などを突入契機とする前者はチャンス役やベルの重ね引きで仲間合流→敵を撃破できればAT確定。激アツCZの後者はBAR絵柄揃いの高確率状態で、首尾よく揃えば継続率91%以上のATへと結び付く。

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甘デジ初代『北斗無双』を彷彿させる超強力RUSH! 新台『P北斗の拳8 究極乱世』のスペック遂に解禁!!

パチンコ「連チャン=14000発」の超一撃マシンが撤去間近…一発逆転の夢を与えてくれた名機!!

 AT「リベンジバトル」は1セット18Gの継続率管理型で、継続率は77%~98%の5段階。その継続率はAT突入時の絵柄で示唆され、青7揃いは84%絵柄以上、BAR絵柄揃いは先述の通り、91%以上が約束される。

 ちなみに、継続率98%時の平均連チャン数は50以上。ヒキ次第では、大台突破の“3桁連”を目指すことも可能だ。

 AT連チャンの可否は後半8Gのバトルでジャッジされ、負けない限り継続。味方の攻撃は継続確定で、敵の攻撃であっても弱攻撃ならばチャンスとなるほか、敗北と思いきやの復活パターンもある。

 加えて、7の倍数ラウンドは継続確定&敵キャラのエピローグが発生し、継続率アップにも期待。AT中のカギ爪揃いは「OVER FLOW」が発動し、以降は3ラウンド継続確定+50%ループの無敵モードとなる…といった特徴もある。

 ちなみに、AT終了時は「上→上→下→下→左→右→左→右→CHANCE」のコナミコマンドを入力することで、当該ATの継続率を確認できる。モード「D」は77%、「C」は84%、「B」は91%、「A」は95%、「S」は98%だ。

 設定推測要素は周期到達時のAT当選割合、32G周期選択率、AT開始時の絵柄振り分け割合など。天井はAT終了後1049Gハマリで、到達後は前兆を経てATに当選する。

JRA 阪神JF(G1)優勝サークルオブライフを負かした馬の「スランプ」!? クラシック候補イクイノックスに食い下がった実力馬がまさかの低迷

 12日、阪神競馬場で行われた阪神JF(G1)はサークルオブライフが優勝。未勝利戦、アルテミス(G3)に続く3連勝を決めて、G1ウィナーの仲間入りを果たした。

 そんな後のG1馬も、新馬戦では3着。それも首位から7馬身も離された完敗だった。

 約3か月半後にG1を勝利する馬を圧倒したのがイクイノックスだ。同馬は新潟芝1800mの新馬戦でサークルオブライフらを下すと、次戦で無敗の三冠馬コントレイルなどを送り出した東京スポーツ杯2歳S(G2)を勝利。既に来年のクラシック候補の1頭になっている。

 相対的にイクイノックスの評価を高めているのは、G1を勝ったサークルオブライフだけではない。

 4着馬サトノヘリオスは、2戦目の中京芝2000mで未勝利戦を2歳コースレコード勝利。続く3戦目のエリカ賞(1勝クラス)でも、2歳コースレコードを更新した。過去のダービー馬4頭を輩出した伝統レースを完勝したことで、その評価も高まった。

 レースから4ヶ月も経過しないうちに、出走馬からG1を含む重賞馬2頭・2勝以上の馬を3頭も輩出した8月28日の新潟5Rは、一部のファンから早くも「伝説の新馬戦」と呼ばれている。

 そこで気になるのが、その「伝説の新馬戦」で2着だった馬だ。G1や重賞の舞台でごぼう抜きする2歳女王や、異なるコースで続けてレコード勝ちする快速馬より速く走った馬がイクイノックスの他にもう1頭いる。それが、メンアットワーク(牡2歳、美浦・斎藤誠厩舎)だ。

 出身は三冠馬ミスターシービーを輩出した名門の千明牧場で、二冠馬ドゥラメンテの産駒。「伝説の新馬戦」では、単勝オッズ41.1倍の8番人気とファンからの期待は薄かったが、イクイノックスの2着に好走した。

 勝ち馬から6馬身差と差をつけられてはいるが、サークルオブライフには1馬身差、サトノヘリオスには3馬身差をつけて先着。また、レースの上がり3ハロンもイクイノックスに次ぐ2位と、後のG1馬よりも鋭い末脚を発揮している。

 負かした3着馬と4着馬は次戦の未勝利戦で快勝。それゆえ、それら2頭に先着を果たしたメンアットワークも、すんなり未勝利戦を勝てると考えるのが自然だろう。

 しかし、現実はそう上手くいかない。2戦目は同距離の中山未勝利戦へ転戦するが、追い込みが届かず3着に敗れると、そこから成績が急降下。東京の未勝利戦で2戦連続8着に敗れ、苦戦が続いているのは少々意外である。

「ドゥラメンテ産駒の特徴である気性難が現れており、なかなか本来の実力を発揮出来ていないのが、低迷の要因の1つとして考えられています。しかし、先着した馬には、まだまだ伸びしろがあったともいえます。

サークルオブライフの国枝栄厩舎は新馬の段階では仕上げないことが多く、あのアーモンドアイやアパパネさえも新馬戦は敗れています。サトノヘリオスに関しても調教師が『平均点以上』と、レース前に話していたように、本来のパフォーマンスではなかった可能性はあります」(競馬誌ライター)

 雲行きが怪しくなってきたメンアットワークにも朗報もある。デビュー戦から手綱を取ってきた菅原明良騎手の「直線が短い中山向き」との助言で出走した12日の中山6Rでは、直線でしっかりと伸びて4着を確保した。敗れたとはいえ勝ち馬とはコンマ2秒差で、引き続き中山コースを使えば未勝利突破も十分考えられる。

 現在も未勝利馬の身だが、後のG1馬ら実力馬に混じって2着を確保するのは、実力がないと出来ない。内に秘める非凡な才能を発揮して、1日でも早く1勝を挙げてくれることに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRA女帝クロノジェネシスか、新世代の覇者エフフォーリアか、それとも⁉ 熾烈な年度代表馬争いのダークホースはマヤノトップガンの後継者?

 2021年の中央競馬もいよいよ大詰めを迎え、暮れの大一番有馬記念(G1)もいよいよ来週に迫ってきた。

 近年は、実力馬が香港遠征や中山芝2500mというレース適性への懸念から、回避する事も多くなっている。しかし、今年は三冠馬コントレイルこそジャパンC(G1)で引退となり不在だが、古豪から新世代のトップホースまで、多士済々の面々が集まり面白いレースになりそうである。

 そして、その有馬記念の結果が大きく影響してきそうなのが、今年の年度代表馬争いだ。

 年度代表馬といえば、過去の選出馬を見ても時代を彩る名馬の名がずらりと並び、その年を代表する馬に選ばれることはファン、関係者にとっても喜びはひとしおだろう。

 ここ数年を振り返ると、アーモンドアイ(2018・2020)やキタサンブラック(2016・2017)、モーリス(2015)など圧倒的な成績を残して受賞した馬も多い。ただ、今年は女傑アーモンドアイが引退したことで中距離路線は一気に混戦となり、また海外遠征が活発化し活躍の場が増えたことで、その様相はより複雑なものとなった。

 有馬記念前の時点での有力候補を見ていくと、今年1年でG1を2勝以上しているのは3頭のみ。まず筆頭に挙がるのは皐月賞、天皇賞・秋を制しG1・2勝を挙げたエフフォーリア(牡3、美浦・鹿戸雄一厩舎)だろう。牡馬クラシック1冠と伝統の中距離G1を、今年大ブレイクした横山武史騎手を背に勝利したことは印象深い。エフフォーリアは有馬記念への出走も予定しており、勝利すれば最有力候補となることが、ほぼ間違いないだろう。

 そして、最多のG1・3勝を挙げているのがクイーンエリザベス2世C、ブリーダーズCフィリー&メアターフ、香港Cとすべて海外のG1を制しているラヴズオンリーユー(牝5、栗東・矢作芳人厩舎)だ。米国での歴史的な勝利を挙げ、ブリーダーズCディスタフ(G1)を制したマルシュロレーヌと共に、日本競馬が世界の最高峰でも通用することを示してくれた。

 過去にはエルコンドルパサーが国内でのG1勝ちはなく海外の成績のみで選出された例もある。ブリーダーズC勝利という偉業を達成したラヴズオンリーユーにも選出される可能性は十分あるといえるだろう。

 もう一頭、グランアレグリアがヴィクトリアM、マイルCSといったG1を勝利しているが、これまで短距離路線で選出されたモーリス、ロードカナロア、タイキシャトルはいずれもG1を3勝以上を挙げており、2勝のグランアレグリアはどうか。

 このように、現時点ではエフフォーリアとラヴズオンリーユーが一歩リードしていることは間違いない。その他に、延べ17頭のG1・1勝馬(海外G1を含む)がいるが、3歳以上が出走できる国内G1は残すところ有馬記念のみとなる。つまり、その馬たちが逆転で年度代表馬に選出されるには有馬記念での勝利が必須ということになる。

 有馬記念への出走を予定しているG1・1勝馬の中で、最も受賞に近いのは女傑クロノジェネシス(牝5、栗東・斉藤崇史厩舎)だろう。昨年は宝塚記念(G1)、有馬記念の両グランプリを勝利したが、G1を3勝したアーモンドアイに惜しくも敗れている。今年の有馬記念を勝利し、2年連続グランプリ完全制覇の偉業達成となれば、年度代表馬選出が現実味を帯びてくる。

 最後にもう一頭、逆転で受賞を狙うダークホースになりそうなのが、今年の菊花賞馬タイトルホルダー(牡3、美浦・栗田徹厩舎)だ。菊花賞(G1)では果敢な逃げから、最後は2着馬に5馬身をつける圧巻の強さを見せており、今回も楽しみな一頭だ。過去にはマヤノトップガンが菊花賞と有馬記念を制してその年の年度代表馬に選出されており、今回のレースで勝利を挙げることが出来ればマヤノトップガン同様、逆転での受賞もあるかもしれない。

 エフフォーリア、クロノジェネシスが自力で勝ち取るか。タイトルホルダーが逆転でマヤノトップガンの再来となるか。あるいは果報は寝て待てとラヴズオンリーユーが攫っていくのか。稀に見る混戦に終止符を打つのは一体どの馬か。年末の大一番が楽しみである。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。