Gmailを使っているなら知っておきたい効率を3倍アップする裏設定10選

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

今や全世界で20億人もの人が利用している「Gmail(ジーメール)」。最近ではより高度なビジネス向けサービス「Google Workspace」を取り入れている企業も増えており、Gmailをビジネスシーンで活用している人も多いだろう。しかし、毎日送られてくる大量のメールをチェックするのも大変だ。そこで今回は、Gmailを使っている人なら知っておきたい超便利な裏設定を厳選して紹介しよう。

Gmailには知られざる裏設定がいっぱいある!

スマホやパソコンで手軽にメールを送受信できる「Gmail(ジーメール)」。とくに最近はプライベートだけでなく、より高度なビジネス向けサービス「Google Workspace」を契約している企業も増えているため、Gmailを利用する機会が以前よりグッと増えている。

このようにプライベートだけでなく、ビジネスでも使える便利なGmailだが、どうでもいいキャンペーンや広告も含め、毎日届く大量のメールに目を通すだけで数十分の時間を費やしている人も多いことだろう。

そんなときは、Gmailの設定を確認してほしい。Gmailの設定を確認したことがある人は少ないと思うが、実は設定をちょっとイジるだけで、もっと効率よく使うことができるのだ。そこで今回は、Gmailの作業効率を3倍アップさせる裏設定を10つ紹介するぞ。

【1】複数のメルアドをひとつのGmailで一括管理

Googleアカウントは1人でいくつも作成できるので、Gmailのメルアドを複数持ってプライベート、仕事用、ネットショッピング用などで使い分けている人も多いだろう。しかし、メールチェックのために複数のGoogleアカウントにいちいちログインするのは面倒だ。

そんなときは、ひとつのGmailのメルアドを違うメルアドのように複製して使い分けられる「エイリアス」機能を使ってみてほしい。

たとえは「otonalife@gmail.com」というメルアドがあれば、@の前の部分に「+OOO」と付けるだけで、簡単にメルアドを増やすことができる。これについては→こちらで確認できる。

とはいえ、なかには会社のドメインが入っているメールや、Google以外のWebメールを複数使い分けている人もいるだろう。そんなときは、どうやって複数のメルアドを管理すればいいのだろうか?

実…

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年収1,000万以上の勝ち組転職成功者の多くは、定期的に「職務経歴書」を更新していることが判明! その理由とは?

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

転職経験者、または転職を検討している人は自力で企業にアタックするという人もいるかもしれないが、その多くはいわゆる「転職サイト」を利用していることだろう。「なかなかいい企業からスカウトが来ない」「なぜかWeb審査で落ちてしまう」そんな経験を持つ人も多いのではないだろうか。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」が、年収1,000万円以上の転職成功者を対象とした興味深い調査を行っている。

約8割もの“勝ち組転職者”たちが行っていたことは、基本中の基本のアレ

どの転職サイトでも、まず職務経歴書とウェブ履歴書の登録が求められる。入社した年や辞めた年など振り返り経験をまとめる作業が、ある意味転職活動で一番面倒な作業かもしれない。もろもろ記入し終わってやっと登録完了したら、いよいよ転職活動のスタートだ。

企業側からのアプローチがあるときもあれば、転職希望者側からアプローチすることもあり、お互いのニーズがマッチするようサイト上でのやりとりが続くわけだが、ある一定期間を過ぎると「そういえば最近企業からのアプローチがないな」と気づく。転職希望が異業種というわけでもなく、同職種で十分な経歴があるにも関わらず、だ。

そこで参考になるのが今回の調査結果だ。年収1,000万円以上の“勝ち組”転職成功者の、なんと約8割もの人が「定期的に職務経歴書を更新している」と答えている。転職検討者が年収1,000万円以上のハイクラスな転職を狙っているかどうかはさておき、職務経歴書の定期的な更新がなぜ転職成功につながるのだろうか?

企業側は、登録者の職務経歴書がいつ更新されたものか、その鮮度にも注目している。何年も前に登録したときのまま、という人はいかに強く「転職したい!」と思っていても、書類上は「そんなに転職へ意欲がない人」とみなされるのである。

転職サイトから「そろそろ職務経歴書を更新してください!」「このままだと企業からのスカウト数が下がります」といった通知が来た経験のある人も少なくないはずだ。「でも、これといって役職がついたわけでも、更新するような特筆すべきこともないし……」と、通知を無視してしまっていたということはないだろうか。それには先述のような“スカウトする企業側の視点”を意識しての提案だったのである。意外と知らなかった、という人も多いのでは…

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電通クリエーティブXがJAC AWARD 2021の2部門でグランプリ受賞

日本アド・コンテンツ制作協会(JAC)が主催する「JAC AWARD 2021」の受賞者が発表され、電通クリエーティブX所属の爲末亘哉氏がプロデューサー部門のグランプリを、細谷正太氏がプロダクションサポート部門のグランプリを受賞した。また、プロデューサー部門では同社所属の3人がメダリストに選出された。

JAC AWARDは、映像文化の発展と業界の活性化のため、映像クリエイターの発掘・育成・映像技術の向上や若手のモチベーションアップと人材育成を図り、制作サイドの見地から表彰する賞として、2007年に設立された。20年は中止となり、今回は2年ぶりの開催となった。

JAC AWARD 2021のロゴ
JAC AWARD 2021電通クリエーティブX所属の受賞者
(左から)爲末亘哉さん、羽角和弘さん、五郡由賀さん、山下誠さん、細谷正太さん

【プロデューサー部門】

〈グランプリ〉爲末亘哉
エントリー作品:サントリーホールディングス株式会社/企業広告「話そう。」シリーズ

〈メダリスト〉羽角和弘
エントリー作品:森ビル株式会社/ブランドムービー「DESIGNING TOKYO」

〈メダリスト〉五郡由賀
エントリー作品:クボタ株式会社/企業広告「企業2019 Try For Dreams.」

〈メダリスト〉山下誠
エントリー作品:「YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA」

【プロダクションサポート部門】

〈グランプリ〉細谷正太(チーム代表者)
エントリー施策:新型コロナウイルス感染症対策を本気で行いながら制作部にどれだけ寄り添えるかを目指す組織「プロダクションサポートチーム」


■JAC AWARD 2021の詳細はこちら

■本件に関する電通クリエーティブXのリリースはこちら
 

3D広告も登場!広がる!キャラクター×OOHの可能性

OOH

2021年夏、新宿のビルに巨大な三毛猫が出現。連日写真を撮る人が訪れ、ちょっとした観光名所になりました。訪れるたびに、老若男女がスマートフォンを持って猫の姿を撮影する光景を見かけ、SNSでも大きな話題になりました。

OOH(Out Of Home:屋外広告・交通広告)のニューノーマルとして、前回はキャラクターがリアルタイムにしゃべりかける屋外大型ビジョン広告の最新事例を紹介しました(記事はこちら)。今回は、屋外大型ビジョンのトレンドを紹介しながら、「キャラクター×OOH」の可能性について伝えます。

屋外大型ビジョンは、湾曲ディスプレイで「面から空間のクリエティブ表現」が可能に!

コロナ禍で出稿が減っているOOH媒体もあるなか、繁華街のランドマークになる屋外媒体は人気です。特に、中国や韓国で話題になっていた裸眼3D広告(3Dメガネをかけなくても見ることができる奥行きのある3D広告)が日本にも進出し、注目されています。

3D広告は、正面と側面がつながったディスプレイを活用することで、視覚的に奥行きのある空間を映像で演出することができます。そこに人物や動物、キャラクターがあたかも生きているような動きをしたり、飛び出してくるような演出をしたりすることで臨場感のある映像体験が得られます。

記事冒頭で紹介したクロス新宿ビジョンの3D猫の他にも、これまでにないOOHが登場しています。国内で裸眼3D広告が可能なビジョンは、「表参道ヒットビジョン」「表参道ヒットサイドビジョン」「Habiulu Shibuya Vision」「シブハチヒットビジョン」、大阪の「ツタヤエビスバシヒットビジョン」と展開先が広がっています。これからさまざまなクリエイティブが増えることでしょう。

OOH
(左)表参道ヒットビジョン、表参道ヒットサイドビジョンでは、走行するBMVが飛び出すような3D映像を配信。(右)渋谷の「Habiulu Shibuya Vision」には犬が登場。

OOHの3D広告で、企業キャラクターが活躍する時代へ


キャラクターはデュアルファネルコミュニケーションに対応しやすい

昨今、企業コミュニケーションは認知獲得のマス広告から、デジタル広告、SNS運用、動画施策と複雑化し、広告制作素材の量や担当者の負担は増しています。その中で、企業がキャラクターを活用してマーケティング活動する強みは2つあります。

1.タレントと比べて全てのコンタクトポイントで柔軟に活用できるため、認知フェーズからロイヤルカスタマー化まで企業の顧客体験(CX)に統一感をもたらしやすい。

2.その結果、「キャラクター」は単なるアイコンではなく、企業の顧客体験(CX)の中心・エンゲージメントハブになることが可能で、企業が顧客と関係をつくり続けていくための重要な役割を担うことができる。

話題化しているOOHの3D広告は、独自のキャラクターを書き起こししていますが、企業キャラクターは、キャラクター自身の認知があれば短期間の出稿でも効率的に訴求ができるかもしれません。

一方、毎日決まった時間に長期間出稿することで、印象づけることもできるでしょう。街やデパートにある仕掛け時計のように、決まった時間に決まった企業のキャラクターが登場して時間をお知らせするといった時報広告や、帰宅時に明日の天気予報を流すなど、企業やキャラクターの認知度を上げる方法はいろいろ考えられます。

OOH関連の記事はこちらもおすすめです
実証!OOHが生む「世の中ゴト効果」

その場限りの体験を提供

いつでもどこでも視聴できる動画メディアが普及し、リアルな体験を求めるライブ・エンタテイメントの価値が上がったと言われています。そこに新型コロナウィルス感染症が拡大し、大型のリアルライブの実施は感染状況によっては難しくなりました。

先行き不透明ななか、活路を見出しているのが有料ストリーミングサービスです。ライブ同様の臨場感やお客さんとの一体感をつくることは難しいかもしれませんが、配信独自の視聴方法を充実させることで新たな利用方法が生まれる可能性があります。前述したキャラLIVEは生放送のため、その場で見たり、聞いたりする価値が高いものですが、SNSで生配信することでその場にいない方々にも多く見てもらうことができます。

キャラクターで街(屋外媒体)のランドマーク化

デジタルサイネージ機器の価格が低下し、高解像度、大型、屈曲など特徴あるものが増えてきました。屋外媒体選定時は、立地条件や価格が決め手になると思いますが、今後より選ばれる媒体であるためには差別化を図ることが必要になるかもしれません。

媒体社が独自のキャラクターを立てることは、その一方法と考えられます。屋外広告には街の情報やニュースを流すことがありますが、キャラクターを使うことで親しみを持たせることができますし、そのキャラクターが定着してくれば、企業キャラクターを持たない企業の広告を手伝うこともできます。

企業キャラクターを持つ広告主にとっても、長期で出稿すれば自社のキャラクターが街のランドマーク化につながります。そうすれば、駅出口の銅像前だけではなく屋外ビジョンが待ち合わせスポットになり、人々の生活に根差した思い出の場所になっていくでしょう。

デジタル技術の向上により、キャラクター×OOHの可能性は、今後ますます広がっていきそうです。前回の記事で紹介した、「ポンタが街にやってきた!」のイベントは、コアファンが現地に足を運んで見にいった他、見に行けないファンから、自分の居住エリアでもやってほしいという声も上がりました。

Pontaはオリックス・バファローズのスポンサーで、バファローズ版のポンタキャラクターもいるため、野球試合応援に関する話題も多く上がっていました。このイベントは1日だけの施策でしたが、回数を増やすことで定期的に話題化を図ったり、実施エリアを広げてもっとファンとつながる機会を増やしたりできるでしょう。

キャンペーンの実施にあたっては、そのキャラクターがどのように人々に受け入れられているか、どれぐらいの期間で、どのようなキャンペーンを展開したいかを広告主にヒアリングし、クリエイティブを考えることが成功につながると考えています。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
charatalker_ooh@group.dentsu.co.jp

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こども庁「こども家庭庁」への名称変更はトンデモ「親学」を提唱する日本会議・高橋史朗と自民党極右勢力の仕業だった!

 いじめや児童虐待、教育格差など子どもの問題にかんする政策の司令塔として2023年度に創設される予定の「こども庁」の名称が、自民党内の極右議員らの反対によって「こども家庭庁」に改められた件に対し、批判の声が相次いでいる。  そもそも「こども庁」創設の構想は、菅政権時の今年...

カネミ油症事件、国は今もカネミに年2億円援助で延命…被害者救済の基金は設立せず

いずれ間違いなく破綻する 今の「救済策」

 11月20日、全国各地で暮らすカネミ油症被害者が参加するオンライン集会が開催された。今回で5回目となる同集会は、PCBを製造したカネカ高砂工業所がある兵庫県高砂市をメイン会場として、長崎県五島市、同県長崎市、東京都文京区、福岡県北九州市の5会場をZOOMシステムで結んで行なわれ、およそ90人が参加した。

 この日のテーマは「救済策」だった。まず、元消費者庁事故調査室長で消費者安全問題研究会の土庫(とくら)澄子氏は、PL法(製造物責任法)が立法された背景にはカネミ油症事件があることの解説と、1973(昭和48)年に食品公害の被害者救済を目的とした旧厚生省の「食品事故による健康被害者の救済の制度化研究会」が立ち上げられ、カネミ倉庫と鐘淵化学工業(現・カネカ)が費用を負担する基金の構想が検討されたものの実現せず、現在に至るまで放置されていることを指摘。

 同時期に設置された「医薬品の副作用による被害者の救済制度に関する研究会」での構想が、その後の基金設立(1974年設立の医薬品副作用被害救済基金。現在の医薬品医療機器総合機構【PMDA】)と立法(現在の独立行政法人医薬品医療機器総合機構法)につながっていることと比較し、食品公害被害者の救済策が等閑(なおざり)にされたままの現状を批判した。

 続いて、高崎経済大の宇田和子准教授は、カネミ倉庫による「医療費負担」問題を俎上に上げた。被害者との合意もないままカネミ倉庫側が一方的に「わが社ができるのは(年に)1億円がぎりぎり」だとして、現状以上の医療費の請求を控えるよう被害者側に要求している事実を指摘。「要求の封じ込め」だと批判した。そして、加害企業が倒産せずに今後も存続し、被害者運動も継続し続けることを前提とした「救済策」では、そう遠くない将来に破綻してしまう恐れがあることを問題視した。

「レバ刺し禁止」に象徴される国の「芸のなさ」

 被害者が救済されていない「食の事件」はカネミ油症事件の他にもある。

 なかでも記憶に新しいのは10年前の2011年4月、人気焼肉店チェーン「焼肉酒家えびす」でユッケを食べた客の間で集団食中毒が発生し、全国で181人が被害に遭い、うち5人が亡くなった事件である。腸管出血性大腸菌O111による食中毒だった。

 この事件では、焼肉店の経営者らが業務上過失致死傷容疑で書類送検されたものの、事件当時、食中毒の原因となった大腸菌は広く知られておらず、事件の発生を予見することはできなかったとして、嫌疑不十分で不起訴。2019年に富山検察審査会が「不起訴不当」と議決し、再び検察が捜査したものの、再び不起訴となっていた。

 そのうえ、焼肉店経営者が事件後、自己破産を申請したことで、被害者への補償は、焼肉店経営会社がかけていた保険金を、治療費に応じて均等分配しただけで終わったとされる。つまり、被害者への賠償金の支払いはごく一部にとどまり、加害責任に伴うべき償いは果たされていない。

 さらにこの事件により、牛肉や豚肉などの生食規制が強化され、違反した者には刑事罰も設けられた。そのあおりを食らったのが「牛のレバ刺し」である。今なお居酒屋や焼肉店ではレバ刺しの提供は認められておらず、メニューからも消えてしまった。大衆の食文化が変えられてしまったといっても過言ではあるまい。

 それにしても、救済策が何もないからといって、いきなり「肉の生食の全否定」に走ってしまうのは、あまりにも芸がない。愚策でさえある。「肉の生食文化」の再興のため、そしてカネミ油症被害者のためにも、救済策の制定は急務である。こうした現状を、いつまでも放置していていいわけがない。

加害企業を助ける「基金」はある一方、食品公害被害者を助ける「基金」はない

 カネミ油症オンライン集会に話を戻す。この日、高崎経済大の宇田准教授は、新たな食品公害基金の創設を提案。さらには、加害企業に十分な資力がないカネミ油症事件のようなケースで汚染者負担の原則(PPPの原則)に拘泥すると、被害の救済が十分に図られず不合理だとして、食品関連企業や事業者のすべてで被害者の救済を講じる「応責原理」に基づき、解決を図る道があることをカネミ油症被害者たちに示した。

 PPPの原則に基づく加害企業の費用負担が限界を露呈したケースには、熊本水俣病や東京電力福島第一原発事故、そしてカネミ油症事件がある。どのケースでも実質的には国が補償費用の大部分を負担しており、カネミ油症事件でも、国がカネミ倉庫に政府米を優先的に預け、保管料として年に約2億円を払って医療費の原資とし、カネミ倉庫の賠償を経済的に支えている。

 カネミ油症事件において責任のない国が、被害者に直接カネを支払ったり医療費を肩代わりしたりすることはできない――との理屈からだ(しかしこの仕組みによるカネミ倉庫の“粗利”は年間約1億円となる)。

 一方、「応責原理」が採用されたケースには、1997年の「ナホトカ号重油流出事故」や、2006年の「石綿(アスベスト)健康被害救済基金」がある。石油会社などが拠出する「油濁補償基金」や、労働保険の加入事業者などが拠出した基金で、被害者の救済が図られている。

 さらには、カネカ(旧・鐘淵化学工業)が製造販売したPCBの無害化処理でも、2001年に国や都道府県の補助金をもとに基金(PCB廃棄物処理基金)が設けられている。PPPの原則に基づけば、この処理費用はカネカなどのPCB製造企業が負担すべきものだが、実際は国に助けてもらっている。

 にもかかわらず、カネミ油症被害者や食品公害事件被害者のための「基金」はない。加害企業を救う「基金」はあるのに、これではあまりにも不公平である。

企業や官庁にとっても“お得感”のある救済策

 宇田氏は、既存の食品公害事件の被害者やその子どもたちにまで及ぶ健康被害、そして将来起こるかもしれない潜在的な食品公害事件の被害を包括的に救済するためには、「応責原理」に基づく新たな救済基金の制度化が必要であるとした。先に土庫氏が挙げていた、カネミ倉庫カネカが費用を負担する基金構想を今の世に復活させるものであり、それをさらに補強するものでもある。

 かつての基金構想では、カネカが同意しない限り実現は困難である。しかし、「応責原理」に基づく食品公害基金構想は、いわば損害保険みたいな基金なので、食品会社にとっても厚生労働省にとっても“お得感”がある。実現させるためには、特にこの“お得感”が大事だろう。

 この基金があれば、「食品公害」事件への賠償を理由に会社が倒産・消滅することもなくなる。被害者の救済が滞ることを防ぎつつ、加害企業の従業員がいきなり路頭に迷うことも防げる。裁判で決まった賠償金が高額になり、加害企業が倒産しそうな時は、一部もしくは全額を基金が肩代わりする。企業が申請すれば、基金から被害者に直接支払われるようにするのである。その代わり、基金を利用したい会社の財務状況はすべて明らかにさせ、その後、財務状況が改善すれば回収する。そして、東芝や東京電力の救済で税金を投入したような“特別扱い”は、今後一切やめるのである。

 基金を所管する厚労省にとっても、基金設立当初は税金を投入する必要があるものの、何も問題が起きなければどんどん膨らむ一方の“魔法の財布”もしくは“官製保険会社”のような基金なので、十分過ぎるほどのメリットがある。基金がしっかりと機能するようになれば、問題が起きるたびに国が責任を問われる機会も減る。さらには、事件のたびに新たな法律を作ったり、議論したりする手間が省けることで、被害のスピード救済が可能になる。

 こうした視点は、国政を預かる政治家や官僚たちにこそ、必要なものだ。土庫氏と宇田氏の問題提起が、まずは国会議員たちの間で広く共有されることを期待したい。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

●明石昇二郎/ルポライター、ルポルタージュ研究所代表

1985年東洋大学社会学部応用社会学科マスコミ学専攻卒業。

1987年『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル基地」計画を巡るルポを発表し、ルポライターとしてデビュー。その後、『技術と人間』『フライデー』『週刊プレイボーイ』『週刊現代』『サンデー毎日』『週刊金曜日』『週刊朝日』『世界』などで執筆活動。

ルポの対象とするテーマは、原子力発電、食品公害、著作権など多岐にわたる。築地市場や津軽海峡のマグロにも詳しい。

フリーのテレビディレクターとしても活動し、1994年日本テレビ・ニュースプラス1特集「ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞。

カネミ油症事件、国は今もカネミに年2億円援助で延命…被害者救済の基金は設立せず

いずれ間違いなく破綻する 今の「救済策」

 11月20日、全国各地で暮らすカネミ油症被害者が参加するオンライン集会が開催された。今回で5回目となる同集会は、PCBを製造したカネカ高砂工業所がある兵庫県高砂市をメイン会場として、長崎県五島市、同県長崎市、東京都文京区、福岡県北九州市の5会場をZOOMシステムで結んで行なわれ、およそ90人が参加した。

 この日のテーマは「救済策」だった。まず、元消費者庁事故調査室長で消費者安全問題研究会の土庫(とくら)澄子氏は、PL法(製造物責任法)が立法された背景にはカネミ油症事件があることの解説と、1973(昭和48)年に食品公害の被害者救済を目的とした旧厚生省の「食品事故による健康被害者の救済の制度化研究会」が立ち上げられ、カネミ倉庫と鐘淵化学工業(現・カネカ)が費用を負担する基金の構想が検討されたものの実現せず、現在に至るまで放置されていることを指摘。

 同時期に設置された「医薬品の副作用による被害者の救済制度に関する研究会」での構想が、その後の基金設立(1974年設立の医薬品副作用被害救済基金。現在の医薬品医療機器総合機構【PMDA】)と立法(現在の独立行政法人医薬品医療機器総合機構法)につながっていることと比較し、食品公害被害者の救済策が等閑(なおざり)にされたままの現状を批判した。

 続いて、高崎経済大の宇田和子准教授は、カネミ倉庫による「医療費負担」問題を俎上に上げた。被害者との合意もないままカネミ倉庫側が一方的に「わが社ができるのは(年に)1億円がぎりぎり」だとして、現状以上の医療費の請求を控えるよう被害者側に要求している事実を指摘。「要求の封じ込め」だと批判した。そして、加害企業が倒産せずに今後も存続し、被害者運動も継続し続けることを前提とした「救済策」では、そう遠くない将来に破綻してしまう恐れがあることを問題視した。

「レバ刺し禁止」に象徴される国の「芸のなさ」

 被害者が救済されていない「食の事件」はカネミ油症事件の他にもある。

 なかでも記憶に新しいのは10年前の2011年4月、人気焼肉店チェーン「焼肉酒家えびす」でユッケを食べた客の間で集団食中毒が発生し、全国で181人が被害に遭い、うち5人が亡くなった事件である。腸管出血性大腸菌O111による食中毒だった。

 この事件では、焼肉店の経営者らが業務上過失致死傷容疑で書類送検されたものの、事件当時、食中毒の原因となった大腸菌は広く知られておらず、事件の発生を予見することはできなかったとして、嫌疑不十分で不起訴。2019年に富山検察審査会が「不起訴不当」と議決し、再び検察が捜査したものの、再び不起訴となっていた。

 そのうえ、焼肉店経営者が事件後、自己破産を申請したことで、被害者への補償は、焼肉店経営会社がかけていた保険金を、治療費に応じて均等分配しただけで終わったとされる。つまり、被害者への賠償金の支払いはごく一部にとどまり、加害責任に伴うべき償いは果たされていない。

 さらにこの事件により、牛肉や豚肉などの生食規制が強化され、違反した者には刑事罰も設けられた。そのあおりを食らったのが「牛のレバ刺し」である。今なお居酒屋や焼肉店ではレバ刺しの提供は認められておらず、メニューからも消えてしまった。大衆の食文化が変えられてしまったといっても過言ではあるまい。

 それにしても、救済策が何もないからといって、いきなり「肉の生食の全否定」に走ってしまうのは、あまりにも芸がない。愚策でさえある。「肉の生食文化」の再興のため、そしてカネミ油症被害者のためにも、救済策の制定は急務である。こうした現状を、いつまでも放置していていいわけがない。

加害企業を助ける「基金」はある一方、食品公害被害者を助ける「基金」はない

 カネミ油症オンライン集会に話を戻す。この日、高崎経済大の宇田准教授は、新たな食品公害基金の創設を提案。さらには、加害企業に十分な資力がないカネミ油症事件のようなケースで汚染者負担の原則(PPPの原則)に拘泥すると、被害の救済が十分に図られず不合理だとして、食品関連企業や事業者のすべてで被害者の救済を講じる「応責原理」に基づき、解決を図る道があることをカネミ油症被害者たちに示した。

 PPPの原則に基づく加害企業の費用負担が限界を露呈したケースには、熊本水俣病や東京電力福島第一原発事故、そしてカネミ油症事件がある。どのケースでも実質的には国が補償費用の大部分を負担しており、カネミ油症事件でも、国がカネミ倉庫に政府米を優先的に預け、保管料として年に約2億円を払って医療費の原資とし、カネミ倉庫の賠償を経済的に支えている。

 カネミ油症事件において責任のない国が、被害者に直接カネを支払ったり医療費を肩代わりしたりすることはできない――との理屈からだ(しかしこの仕組みによるカネミ倉庫の“粗利”は年間約1億円となる)。

 一方、「応責原理」が採用されたケースには、1997年の「ナホトカ号重油流出事故」や、2006年の「石綿(アスベスト)健康被害救済基金」がある。石油会社などが拠出する「油濁補償基金」や、労働保険の加入事業者などが拠出した基金で、被害者の救済が図られている。

 さらには、カネカ(旧・鐘淵化学工業)が製造販売したPCBの無害化処理でも、2001年に国や都道府県の補助金をもとに基金(PCB廃棄物処理基金)が設けられている。PPPの原則に基づけば、この処理費用はカネカなどのPCB製造企業が負担すべきものだが、実際は国に助けてもらっている。

 にもかかわらず、カネミ油症被害者や食品公害事件被害者のための「基金」はない。加害企業を救う「基金」はあるのに、これではあまりにも不公平である。

企業や官庁にとっても“お得感”のある救済策

 宇田氏は、既存の食品公害事件の被害者やその子どもたちにまで及ぶ健康被害、そして将来起こるかもしれない潜在的な食品公害事件の被害を包括的に救済するためには、「応責原理」に基づく新たな救済基金の制度化が必要であるとした。先に土庫氏が挙げていた、カネミ倉庫カネカが費用を負担する基金構想を今の世に復活させるものであり、それをさらに補強するものでもある。

 かつての基金構想では、カネカが同意しない限り実現は困難である。しかし、「応責原理」に基づく食品公害基金構想は、いわば損害保険みたいな基金なので、食品会社にとっても厚生労働省にとっても“お得感”がある。実現させるためには、特にこの“お得感”が大事だろう。

 この基金があれば、「食品公害」事件への賠償を理由に会社が倒産・消滅することもなくなる。被害者の救済が滞ることを防ぎつつ、加害企業の従業員がいきなり路頭に迷うことも防げる。裁判で決まった賠償金が高額になり、加害企業が倒産しそうな時は、一部もしくは全額を基金が肩代わりする。企業が申請すれば、基金から被害者に直接支払われるようにするのである。その代わり、基金を利用したい会社の財務状況はすべて明らかにさせ、その後、財務状況が改善すれば回収する。そして、東芝や東京電力の救済で税金を投入したような“特別扱い”は、今後一切やめるのである。

 基金を所管する厚労省にとっても、基金設立当初は税金を投入する必要があるものの、何も問題が起きなければどんどん膨らむ一方の“魔法の財布”もしくは“官製保険会社”のような基金なので、十分過ぎるほどのメリットがある。基金がしっかりと機能するようになれば、問題が起きるたびに国が責任を問われる機会も減る。さらには、事件のたびに新たな法律を作ったり、議論したりする手間が省けることで、被害のスピード救済が可能になる。

 こうした視点は、国政を預かる政治家や官僚たちにこそ、必要なものだ。土庫氏と宇田氏の問題提起が、まずは国会議員たちの間で広く共有されることを期待したい。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

●明石昇二郎/ルポライター、ルポルタージュ研究所代表

1985年東洋大学社会学部応用社会学科マスコミ学専攻卒業。

1987年『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル基地」計画を巡るルポを発表し、ルポライターとしてデビュー。その後、『技術と人間』『フライデー』『週刊プレイボーイ』『週刊現代』『サンデー毎日』『週刊金曜日』『週刊朝日』『世界』などで執筆活動。

ルポの対象とするテーマは、原子力発電、食品公害、著作権など多岐にわたる。築地市場や津軽海峡のマグロにも詳しい。

フリーのテレビディレクターとしても活動し、1994年日本テレビ・ニュースプラス1特集「ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞。

JRA 武豊でも勝てなかった「1.8億円」ホース!デビュー2戦続けて「惨敗」も未来が明るいワケ

 18日、中京競馬場で行われた4Rの2歳未勝利戦は、2番人気のアランヴェリテが逃げ切り勝ち。4戦ぶりに芝へ戻った本馬が、前走8着から大きく巻き返すことに成功した。

 鞍上の小沢大仁騎手も「芝が良かったですね。スッと行けました」と、好走の要因の1つに脚元を芝へ替えたことに言及。本領発揮の舞台がはっきりしただけに、今後さらなる飛躍が期待できそうだ。

 一方で、約半年ぶりの実戦でリベンジへ挑むも7着に敗れたのが、武豊騎手のダノンフォーナイン(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 ダノンフォーナインは2019年のセレクトセールで1億8000万円(税抜)で落札されたディープインパクト産駒。母は米国の芝重賞を2勝しており、高額の良血馬としてデビュー前から注目を集めていた。

 新馬戦は宝塚記念(G1)当日の阪神5Rの芝1800mのレースで、ダノンフォーナインのほか兄弟に活躍馬が多数いる良血馬が集結。また昨年の同レースは、後にホープフルS(G1)を勝つダノンザキッドが制し、2着が重賞2勝のワンダフルタウンだったこともあり「伝説の新馬戦」と戦前から騒がれていた。

 先述のダノンザキッドや、17年の朝日杯FS(G1)を勝ったダノンプレミアムも当該の新馬戦を勝ったことから、同じ「ダノン」冠のダノンフォーナインも勝利を期待されたが、結果は8着。1着馬からは3秒以上の差がある惨敗で、幸先の悪い門出となった。

 しかし、デビューで惨敗したことには理由があった。元々喉の調子が悪く、喉鳴りの症状がでたからだ。喉鳴りは別名「喘鳴症」とも呼ばれ、運動時に充分な呼吸ができず、競走能力に悪影響を及ぼす一種の病気だ。

 喉鳴りでもレースへ出走することはできるが、デビュー戦の結果を受けて陣営は治す選択を決断。放牧に出して、喉の手術を行うことにした。

 幸い術後の合併症も起こさず手術に成功したダノンフォーナインは帰厩すると、動きが良くなるのを待ちながら、じっくりと調整。ようやく動ける態勢になってきた今回、満を持して戦線へ復帰した。

 復帰初戦は馬体重がプラス12キロと若干太め残りに見えるが、鞍上は武豊騎手へスイッチ。デビュー前の評判と武騎手の手腕へ期待するファンによって、単勝オッズ7.8倍の5番人気と高い支持を得た。

 7枠13番と外目からの発走となったダノンフォーナインは、抜群のスタートを切るも、内の2頭が先手を主張する構えを見ると引いて3番手へ。逃げ馬と番手の馬を外目からマークする形で直線へ入ったが、前2頭を中々捉えられず。最後は追い上げてきた後続馬に次々と差されてしまい、7着に終わった。

「うーん……。喉の手術明けや余裕残しの馬体だった影響か、ピリッとしませんでしたね。

8着の前走が1着と3.3秒差ですが、今回は0秒6差です。着順は1つしか上がっていませんが、デビュー戦から大きく前進していると思います。今回が叩き台と思えば、上々だったと思います。次戦は本命印を打とうか迷いますよ」(競馬記者)

 奇しくも勝ったアランヴェリテは6月の新馬戦でも顔を合わせており、当時2着だった同馬との差は3.2秒だったが、今回0.6秒と大きく差が縮まった。高額良血馬の本領発揮が次走の3戦目となることに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRA 武豊でも勝てなかった「1.8億円」ホース!デビュー2戦続けて「惨敗」も未来が明るいワケ

 18日、中京競馬場で行われた4Rの2歳未勝利戦は、2番人気のアランヴェリテが逃げ切り勝ち。4戦ぶりに芝へ戻った本馬が、前走8着から大きく巻き返すことに成功した。

 鞍上の小沢大仁騎手も「芝が良かったですね。スッと行けました」と、好走の要因の1つに脚元を芝へ替えたことに言及。本領発揮の舞台がはっきりしただけに、今後さらなる飛躍が期待できそうだ。

 一方で、約半年ぶりの実戦でリベンジへ挑むも7着に敗れたのが、武豊騎手のダノンフォーナイン(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 ダノンフォーナインは2019年のセレクトセールで1億8000万円(税抜)で落札されたディープインパクト産駒。母は米国の芝重賞を2勝しており、高額の良血馬としてデビュー前から注目を集めていた。

 新馬戦は宝塚記念(G1)当日の阪神5Rの芝1800mのレースで、ダノンフォーナインのほか兄弟に活躍馬が多数いる良血馬が集結。また昨年の同レースは、後にホープフルS(G1)を勝つダノンザキッドが制し、2着が重賞2勝のワンダフルタウンだったこともあり「伝説の新馬戦」と戦前から騒がれていた。

 先述のダノンザキッドや、17年の朝日杯FS(G1)を勝ったダノンプレミアムも当該の新馬戦を勝ったことから、同じ「ダノン」冠のダノンフォーナインも勝利を期待されたが、結果は8着。1着馬からは3秒以上の差がある惨敗で、幸先の悪い門出となった。

 しかし、デビューで惨敗したことには理由があった。元々喉の調子が悪く、喉鳴りの症状がでたからだ。喉鳴りは別名「喘鳴症」とも呼ばれ、運動時に充分な呼吸ができず、競走能力に悪影響を及ぼす一種の病気だ。

 喉鳴りでもレースへ出走することはできるが、デビュー戦の結果を受けて陣営は治す選択を決断。放牧に出して、喉の手術を行うことにした。

 幸い術後の合併症も起こさず手術に成功したダノンフォーナインは帰厩すると、動きが良くなるのを待ちながら、じっくりと調整。ようやく動ける態勢になってきた今回、満を持して戦線へ復帰した。

 復帰初戦は馬体重がプラス12キロと若干太め残りに見えるが、鞍上は武豊騎手へスイッチ。デビュー前の評判と武騎手の手腕へ期待するファンによって、単勝オッズ7.8倍の5番人気と高い支持を得た。

 7枠13番と外目からの発走となったダノンフォーナインは、抜群のスタートを切るも、内の2頭が先手を主張する構えを見ると引いて3番手へ。逃げ馬と番手の馬を外目からマークする形で直線へ入ったが、前2頭を中々捉えられず。最後は追い上げてきた後続馬に次々と差されてしまい、7着に終わった。

「うーん……。喉の手術明けや余裕残しの馬体だった影響か、ピリッとしませんでしたね。

8着の前走が1着と3.3秒差ですが、今回は0秒6差です。着順は1つしか上がっていませんが、デビュー戦から大きく前進していると思います。今回が叩き台と思えば、上々だったと思います。次戦は本命印を打とうか迷いますよ」(競馬記者)

 奇しくも勝ったアランヴェリテは6月の新馬戦でも顔を合わせており、当時2着だった同馬との差は3.2秒だったが、今回0.6秒と大きく差が縮まった。高額良血馬の本領発揮が次走の3戦目となることに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

高所得者ほどやっている節税方法…国、金融所得課税の見直しで「きっちり課税」

 このコラム執筆時点では来年度(2022年度)の税制改正大綱は公表されていませんが、来夏の参議院選挙を視野に入れれば小粒の改正でお茶を濁すことが予想されます。噂されている金融所得課税の見直しは、来年度の改正には盛り込まれないようですが、大綱には「再来年度以降は見直し」などという文言が盛り込まれる気がします。

 金融所得課税の見直しは、高所得者に応分の税金をきちっと負担してもらおうという改正です。「きちっと」などと書くと脱税しているのか? と勘ぐりたくなりますが、高所得者ほど総合課税と分離課税の違いをうまく活用して、合法的に節税を行って実質の税負担を軽くしているからです。

 給与や年金、事業所得、不動産などの収益は総合課税となり、その税率は所得金額に応じて段階的に税率が上がっていく累進税率。最高は所得税と住民税を合わせて55%になります。

 一方、上場株式、投資信託、預貯金などの利益に対する税金は、どんなに利益を確保しても税率は所得税と住民税を合わせて一律20%で済むのです。この税率の違いに着目し、高所得者ほど上場株式などの分離課税の商品で資産運用を行い、収益に対する税率を20%に抑えることで、全所得金額に対する実質の税負担を抑えるのです。

 なかでも所得が1億円を超える人の実質税負担が大幅に低下していることから、その人たちにきちっと税金を負担してもらうための金融所得課税の見直しが、「分配」を強調する岸田首相の御眼鏡にかなったわけです。

金融所得一体課税を逸脱

 金融所得課税の見直しを株式市場は悪材料と捉えたわけですが、財務省(国税庁)が掲げる「金融商品一体課税」との整合性をどうするのか、あるいは同課税を放棄するのかが気になります。金融所得一体課税という言葉を近年は見聞きすることが減っていますが、財務省はすべての金融商品から発生する収益をひとまとめにして税金(所得税と住民税を合算して一律20%)を課す、または損益通算ができる仕組みをこれまで推進してきました。

「上場株式等」といえば株式、投資信託、ETF、REITだったものが、国債や地方債、公社債投資信託なども加わったのは、金融商品一体課税によるものです。上場株式等と損益通算はできないものの、FX(外国為替商品取引)の税率を20%にしたのもその流れで、ゆくゆくは財務省(国税庁)が「特定口座」をフックとして全金融商品を同口座で管理するようにし、税金のとりっぱぐれがない、または簡易に税金が徴収できるようにと考えているのです。

 今回の金融所得課税の見直し、上場株式等の税率を引き上げる、税制上の扱いを分離課税から総合課税に変更する、あるいは一定の所得を超える人の扱いだけの税率を変更するなどの動きは、これまでの金融所得一体課税の流れから逸脱します。

 財務省として増税政策はウェルカムでしょうが、高所得者あるいは上場株式等といった一部の金融商品だけの税率を改定するのは、これまで進めてきた金融商品一体課税から政策転換を行う大英断になるので、プライドの高い財務省が安易に政策転換に応じるのか気になります。

 金融所得課税の見直し、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金制度)などの非課税制度との整合性が問われていますが、金融商品一体課税の仕組みがどう変わるのか否かが、個人投資家にとっての最大の関心事です。なお、本文中の税率には復興特別所得税は加味しておりません。

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

●深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現在、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。