パチンコ「RUSH突入率100%」「期待度99.9%のネオ時短」搭載の激アマ台! 抜群の安定感は「覇王級」!!

 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、西陣萌えパチ三本柱のひとつがついにP機で大始動! 全国制覇の野望を成し遂げるべく満を持して投入された『P織田信奈の野望 全国版』(以下信奈全国版)だ。

 西陣の人気シリーズ『織田信奈の野望』最新作は初となるP機での運用となるが、新機種の情報発表当初からファンの間ではそのスペック力が早くも話題となっていた。詳細はこうなっている。

○○○
■大当り確率:1/199.80
■右打ち時図柄揃い確率:1/80.91
■天下布武モード突入率:100%
■天下布武モード継続率:約73%
■遊タイム突入条件:500回転到達
■遊タイム性能:電サポ759回+残保留最大4回
■賞球:1&1&4&6&1&14
■ラウンド:3Ror10R
○〇〇

 ライトミドルの遊びさすさに連チャンモード突入率100%の安定感。ループ率が約73%と若干物足りなさを感じないでもないが、大当りの50%以上で最大ラウンド1400発の出玉を獲得できるので出玉性能も申し分ない。

 さらに、ハマリ救済機能である遊タイムの到達条件が500回と既存のライトミドルマシンと比べても格段に低く設定されている。まさに「神スペック」と多くのファンに認識されているのである。

 スペック的にはライトミドルで100%ST、右打ち中の16ラウンド・1440発比率50%の初代『CR織田信奈の野望』を踏襲し、そのうえ遊タイム付きでハマらないというようなマシンである。遊タイム中の大当り期待度は99.9%とほぼほぼ大当りが約束されたもの。隙のない盤石のスペック構成となっている。

 また、連チャンモードとなる時短「天下布武モード」は100回転継続されるので、連チャン終了後は遊タイムまで残り約400回転とすぐに次を目指せる好循環のループで実戦を有利に展開できるのである。

 このスペック性能を象徴するのがボーダーライン。1000円あたり16回転台の圧倒的な甘さを示している場合もあり、現行機のなかでも1、2を争うボーダーラインの低さ。

 しかし、その一方で、ホール側の扱いがシビアになるという問題も発生。初打ちを終えたファンからの報告を見ると、やはり全体的に戦える台は少ない傾向となっているようだ。

 ただ、逆にいえば少し条件が良い台を見つければそれすなわちお宝台。抜群の安定感を誇る機種だけに一日タコ粘りすれば高確率で良い結果に反映されるのである。

『P結城友奈は勇者である』『Pモモキュンソード』『Pモンキーターン』などあまり目立たないながらも次々に秀作マシンをリリースしている西陣のライトミドルタイプにおけるひとつの集大成がこの『P織田信奈の野望 全国版』なのかもしれない。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA「ダービー惜敗」横山武史シュネルマイスターと再コンビ! 安田記念(G1)リアルインパクト以来の3歳馬Vに立ちはだかる絶望的な数字

 6日、東京競馬場では春のマイル王決定戦、安田記念(G1)が行われる。3歳馬として、リアルインパクト以来、10年ぶりの優勝を狙うのがシュネルマイスター(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 昨年9月に札幌1500mでデビューしたドイツ生まれのシュネルマイスター。横山武史騎手を背に1番人気に見事応え、デビュー勝ちを飾った。その後は、C.ルメール騎手に乗り替わって、ひいらぎ賞(1勝クラス)を3馬身差で圧勝。続く弥生賞(G2)では2000mの距離不安を払拭、タイトルホルダーの2着に好走した。そして2番人気に支持された前走のNHKマイルC(G1)では、先に抜け出したソングラインをゴール寸前で差し切り、キャリア4戦目で3歳マイル王に輝いた。

 その後はノーザンファーム天栄に放牧に出されていたが急遽、中3週での安田記念参戦が決定。ところが、鞍上は「調整中」のまま時間だけが過ぎ、最終追い切り日の2日になってようやく横山武騎手との再コンビ結成が発表された。

「過去3戦でシュネルマイスターに騎乗したルメール騎手はグランアレグリアに騎乗するため、誰が騎乗するかに注目が集まっていました。ファンの間でも様々な騎手の名前が挙がっていましたが、横山武騎手とのコンビ復活にはファンから歓迎の声が多かったですね。

横山武騎手といえば、先週の日本ダービー(G1)でエフフォーリアに騎乗し、ハナ差2着という悔しい敗戦を喫したばかり。なんとか先週の悔しさを晴らしたいところでしょう」(競馬誌ライター)

 昨年は関東リーディングジョッキーに輝き、今年は皐月賞(G1)を含めてすでに重賞を4勝。ダービーでもプレッシャーを感じさせない堂々の手綱さばきを見せ、すでに若手騎手の中では頭一つ抜けた存在に上り詰めた横山武騎手。最終追い切りでもいいコンタクトを取っているように映った。ところが、ルメール騎手からの乗り替わりは大きなマイナス要因になり得るという。

「シュネルマイスターを管理する手塚貴久調教師はこれまでG1を8勝していますが、その全てを外国人騎手で遂げています。調べてみたところ、日本人騎手で臨んだ平地G1は、56戦0勝というデータが残っています」(同)

【手塚貴久厩舎の騎手別平地G1通算成績】
外国人 8-2-4-5/19(42.1%/52.6%/73.7%)
日本人 0-3-3-50/56(0.0%/5.4%/10.7%)
※カッコ内は左から勝率、連対率、複勝率

 ご覧の通り、外国人騎手が騎乗時は19戦8勝で、勝率は42.1%、複勝率も70%超という好成績が残っている。一方、日本人騎手は複勝率も10%強という厳しい数字が並ぶ。コロナ禍で辣腕の外国人騎手が来日できないことが、シュネルマイスターにはマイナスに働いてしまうのだろうか。

 果たして横山武騎手とシュネルマイスターは、「56戦0勝」という絶望的なデータを覆すことはできるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

JRA安田記念、グランアレグリア敗退で大波乱?アーモンドアイ2年連続敗退の時と酷似

 今週末の日曜日は“春の最強マイラー”を決める伝統の一戦、第71回安田記念(G1)だ。かつてオグリキャップやタイキシャトル、モーリス、ウオッカといった歴史的名馬が勝利してきたレース。今年は豪華メンバーが揃い、東京優駿(日本ダービー/G1)以上に注目度が高いレースでもある。

 昨年はアーモンドアイが断然の1番人気に支持されるも、まさかの敗退。勝利したグランアレグリアは今や日本中央競馬会(JRA)史に残るマイル女王となり、今年も断然の人気馬として牡馬を迎え撃つ。だが、相手となるのも海千山千の強豪ばかり。まずグランアレグリアの前に立ちはだかるトップクラスの実績馬は、以下の6頭。

 インディチャンプ(安田記念1着、マイルチャンピオンシップ1着)
 サリオス(朝日杯フューチュリティステークス1着、日本ダービー2着)
 シュネルマイスター(NHKマイルカップ1着)
 ダノンキングリー(日本ダービー2着、毎日王冠1着)
 ダノンプレミアム(朝日杯フューチュリティステークス1着、天皇賞・秋2着)
 ラウダシオン(NHKマイルカップ1着、京王杯スプリングカップ1着)

 そして穴馬も、今年重賞を勝利して勢いに乗るギベオン、ケイデンスコール、カラテなど多彩。まさに大混戦であり、ある意味でドリームジャンボ宝くじや夏のボーナスに匹敵する副収入を手にする絶好の機会といえるかもしれない。

 レースは前走のヴィクトリアマイル(G1)を圧勝したグランアレグリアが中心。昨年の優勝馬であり、今回の相手はほとんどが過去に負かした馬で、勝負付けは済んでいる印象も拭えない。

 しかし、安田記念を振り返ると、あのアーモンドアイでさえも2年連続1番人気で敗退したレースであり、1番人気が現在5連敗、そして2014年を最後に5歳馬が勝利していないというのも、5歳牝馬のグランアレグリアには不吉なデータだ。

 さらに、グランアレグリアには、昨年1番人気で敗退したアーモンドアイと重なるポイントが多い。前走がヴィクトリアマイルで2着に0.7秒差の圧勝、中2週のローテーション、5歳牝馬、鞍上がクリストフ・ルメール、ノーザンファームの生産馬、1番人気など。誰もが中心と考えるグランアレグリアだが、実はかなりの逆境、そして試練が待ち構えているのだ。

 以上の理由からも、多くのマスコミが推すほどグランアレグリア絶対とはいえない。そして今年のメンバーを見ても、競馬初心者がビギナーズラックで的中できるほど簡単なレースでもない。というのも、この安田記念は前述の通り現在5年連続で1番人気が敗退、そして過去10年すべてが万馬券決着で、3連単平均配当は19万を超える大荒れレースなのである。

 グランアレグリアとアーモンドアイで決着した昨年でも万馬券、そして波乱の象徴といえる10万馬券も、過去10年だけで6本という荒れっぷり。8番人気以下の穴馬も合計10頭が馬券に絡み、一方で2番人気の実力馬はわずか2回しか馬券に絡んでいない。まさに波乱続出の【難易度S】といったレースだ。

 そんな難解なレースを的中させるために必要なのは、確かな情報と正確なレース分析であることは言うまでもない。各馬の状態やそれぞれの陣営の思惑に関する正確な情報、各馬の力関係やコース適正を見極める分析……、これらは競馬予想においてもっとも重要なポイントでもある。

 それは一般人にとって難解な要素だが、それを補うのに最適な存在が最強のプロ予想家集団である「ホースメン会議」だ。

“競馬予想の神様”と呼ばれた故大川慶次郎氏が設立した「ホースメン会議」は、今年でなんと創業40年というから、まさに競馬の歴史と共に歩んできた会社。競馬関係者からの信頼、そして安定した結果があるからこそ、多くの競馬専門紙が休刊に追い込まれるなか、これほどまで長く存続できたといえる。

 今は大川氏の弟子であり後継者として知られている能勢俊介が総監督を務め、東西の大手スポーツの本紙予想を長きにわたって務めた大物記者が在籍。さらに、皐月賞(G1)や有馬記念(G1)を勝利した元JRA騎手の東信二といった大物を筆頭に、本物の競馬関係者も多数在籍している。彼らの情報力と分析力は誰もが認めており、多くの競馬ファンから絶大な支持を集めている。

 今年も数多くのレースを的中させているが、もっともインパクトが大きかったのは、マイル重賞のアーリントンカップ(G3)だろう。勝利したホウオウアマゾンに関する厩舎サイドの裏ネタを入手し、さらに10番人気で好走して2着に入ったリッケンバッカーに関しても、現地関係者からの猛プッシュがあったという。それら膨大な情報を、能勢俊介を中心とした予想陣が徹底的に分析し、“自信の勝負レース”として提供。見事、3連単・21万5700円、馬連・6780円という特大万馬券を仕留めているのである。

 この情報を提供されたファンから、

「人生初めての20万馬券で今夜は眠れません!」
「指示通りの購入で50万円以上の払い戻しになりました。ありがとうございます!」
「今までの自分の予想がいかに無駄だったかを思い知らされました」
「初めて馬券を買って、その最初のレースでこんな払い戻しを手にしちゃっていいのでしょうか?」

など、歓喜の声が殺到したという。

 それも当然だろう。たった100円が数分で21万円になって返ってくるのだ。これ以上の感動も興奮も考えられない。現在発売中のドリームジャンボは非現実的な当選確率だが、「ホースメン会議」が提供する情報であれば、より現実的といえるだろう。

 そんな「ホースメン会議」は、なんと今週末の安田記念に関して、アーリントンカップで21万馬券の立役者となったリッケンバッカーと同等レベルの【穴馬情報】を独占的に入手しているという。今回特別に、安田記念に関する「ホースメン会議」の見解を聞くことができたので、ここでお伝えしよう。

「安田記念は昨年も的中させていますが、今年はさらに自信度が高く、しかも配当妙味も抜群に高いですね。世間がグランアレグリアに注目すればするほど、我々が狙っている穴馬の人気が落ちるわけで、とにかくレースが楽しみ。この春最大級の勝負レースであり、かなりの手応えを掴んでいますよ。

 ひとつお知らせしておきたいのですが、現在東京などで緊急事態宣言が延長されていることもあり、このコロナ禍を乗り切るために協力したいと考え、万馬券を狙える【安田記念の3連単買い目】を【無料】で一般公開いたします。何を買えばいいのか迷っている人、日本ダービーの負けを取り返したいと力が入る人、多くの皆様の期待に応えるべく、これ以上ない渾身の予想を無料で提供いたします。ぜひ参考にしていただければ幸いです」(ホースメン会議担当者)

 この「ホースメン会議」の言葉は、すべての競馬ファン、そしてこれから競馬を始めたいと考える人にとって、これ以上ないプレゼントだ。“競馬予想業界最強のプロ集団”との呼び声も高い「ホースメン会議」が提供する【安田記念の無料情報】、その価値は絶大である。必ずやその情報を入手し、今週末の安田記念に挑みたい。そして昨年も驚異的な好成績を残したという夏競馬や、今月末の宝塚記念(G1)に向け、しっかりと「ホースメン会議」の情報力と分析力を見極めておこう。

(文=編集部)

CLICK→【無料公開!安田記念「3連単・勝負買い目!」】ホースメン会議

※本稿はPR記事です。

なぜSUMCOは、台湾TSMCと世界の半導体産業に“不可欠な存在”となったのか?

 米中対立の先鋭化、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速化、国内半導体工場の火災などによって、世界的に半導体の不足が深刻だ。その結果、シリコンウエハーなど、半導体の生産に用いられる部材の分野でも需給のひっ迫が鮮明化している。

 その状況下、信越化学に次ぐシリコンウエハー世界第2位のSUMCOの事業運営に注目したい。現在、世界最先端の半導体生産技術の確立を強力に進めるファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、SUMCOなどのウエハー創出力をより必要とし始めた。

 つまり、SUMCOのモノづくりの力は、世界最先端の半導体の生産体制の確立と強化に取り組むTSMCにとって不可欠だ。SUMCOはそうした要請に応えつつ、より高純度かつ高付加価値のシリコンウエハーの供給者としての世界的な地位の確立を目指している。同社がどのように競争優位性の向上に取り組むかに関して、より多くの注目が集まるだろう。

深刻な世界の半導体不足

 現在、世界的に最先端から汎用型まで、半導体の不足が深刻だ。その要因の一つとして、2019年5月以降、トランプ前政権が中国の通信機器大手企業の華為技術(ファーウェイ)への制裁を発動し、強化したことは大きい。ファーウェイは米国の生産技術などを用いて生産される半導体の調達が困難になると先行きを警戒し、TSMCなどからの半導体調達を急いだ。ファーウェイのように米国の規制や制裁の対象になるのではないかと今後の展開を恐れた中国企業も、TSMCや韓国サムスン電子などからの半導体調達を急ぎ、台湾と韓国のファウンドリー企業の生産ラインがひっ迫し始めた。

 それに加えて、コロナ禍の発生は、世界全体での半導体需要を押し上げた。感染の拡大の結果、世界全体でDXが加速し、現時点で最先端である回路線幅5ナノメートルの半導体が用いらるスマートフォンなどIT機器の需要が高まった。それに加えて、汎用型の半導体が使われているデジタル家電の需要も高まった。その上に、自動車のペントアップディマンドの発生が上乗せされ、世界的な半導体の需給ひっ迫が鮮明化した。さらに、2021年2月のテキサス州寒波によるサムスン電子の工場の被災と、翌3月のルネサスエレクトロニクス那珂工場での火災が発生した。台湾の水不足の影響も懸念される。

 半導体の生産ラインが一度停止すると、操業が正常化するには4カ月程度の時間がかかる。多くの企業が半導体の生産をTSMCに求め、世界全体で半導体の不足が深刻だ。TSMCは車載半導体の増産に向けて中国南京工場の生産ラインを増強し、2023年の量産を目指す。また、台湾のファウンドリー大手である聯華電子(UMC)も同国内の工場に新ラインを設置し、2023年のライン稼働を目指している。逆に言えば、新しい半導体生産ライン・設備の稼働には1~2年の時間がかかる。当面、世界的な半導体不足は続くだろう。

 その結果、シリコンウエハーの需給もひっ迫し始めた。口径別にみると、200㎜のウエハーは車載用、家電など民生機器向けの半導体生産の増加から供給が不足している。300㎜のウエハーに関しては5Gやデータセンタ向けのチップ生産の増加に供給が追い付いていないようだ。

堅実な姿勢で事業運営に臨むSUMCO

 その状況下、SUMCOの経営陣は先行きを慎重に考えつつ、成長のための投資など、新しい取り組みを実行する機会を探っている。総合的に考えると、同社は、世界の半導体市況の展開などを見極めつつ、競争力強化の方策を慎重に検討している。その姿勢は堅実だ。以下ではその点を確認しよう。

 需給がひっ迫すると、企業経営者の心理は、投資を増やし事業体制を強化する方向に傾きやすい。それに対して、SUMCOは投資のリスクを慎重に評価しつつ、生産能力強化などへの取り組みを進める意向だ。

 その一因として、工場建設などにかかる初期コストは増大傾向にある。工作機械など各国の生産活動を支える装置への需要は高まっている。それに加えて、米国など世界的な戸建て住宅需要の高まりによって、石油化学関連の資材価格も高まっている。設備投資の実行によって持続的に収益性を向上させることが可能か否かは見通しづらい。

 半導体市況の変化の影響も軽視できない。2017年から2018年にかけて、世界経済全体ではクラウドコンピューティングサービスの需要増大や、それに伴うビッグデータ分析などを目指してデータセンタの建設が増え、ロジック、メモリの両分野で半導体の需要が大きく高まった。しかし、2018年以降は米中対立などによって半導体産業の成長は鈍化した。その結果、半導体メーカーの業績は悪化しSUMCOの収益も減少した。

 短期的に半導体不足は続くだろうが、中長期的な展開には不確実性がある。少し長めの目線で考えると、TSMCが生産ライン増強を行うことや日米の半導体工場の正常稼働によって、汎用型の半導体を中心に、徐々に需給ひっ迫は解消に向かう可能性がある。それがSUMCOの収益に与える影響は軽視できない。

 その一方で、TSMCが開発を進める3ナノ、さらには2ナノメートルの最先端の半導体生産に関しては、すでにアップルなど米IT先端企業からの受注が入っているようだ。つまり、汎用型と異なり、最先端の半導体生産ラインに関してはIT先端企業による争奪戦が続く可能性がある。このように考えると、SUMCOの事業戦略の根底には、最先端の半導体生産に不可欠な超高純度かつ高付加価値のウエハー創出能力を高めつつ、生産コストの低減を目指す考えがある。

SUMCOに求められる高品質、高付加価値のモノづくり

 その戦略に基づいて事業運営を進めつつ、同社トップは新工場の建設の可能性に触れ始めた。それが示唆することは、シリコンウエハー値上げ交渉(高付加価値化)が進みつつあることだ。

 SUMCOの売り上げに占めるアジア地域の割合は60%にまで高まった。最先端の半導体生産技術の確立をひた走るTSMCなど台湾半導体メーカーにとって、SUMCOは不可欠なサプライヤーだ。信越化学も同様だ。

 値上げの実現は、フリーキャッシュフローを増加させ、財務内容を向上させるだろう。それは、設備投資や研究開発体制の強化を支え、企業は、より高品質、かつ、高付加価値のモノづくりを目指すことができる。SUMCOトップが新工場の建設の可能性に触れ始めたのは、そうした事業環境が実現しつつあるとの考えがあるからだ。

 見方を変えれば、SUMCOは競合企業との差別化強化のチャンスを迎えている。台湾では半導体部材メーカーが工場の新設や買収を行い、事業体制の拡大と価格競争力発揮を目指している。中韓の部材メーカーも基本的には価格競争力重視だ。その一方で、SUMCOと信越化学のシェアは低下していない。その状況下で値上げが実現すれば、SUMCOは事業運営の体制を強化するための多様な方策を実行しやすくなる。

 今後、最先端分野の半導体生産をめぐって米中の対立は激化する可能性が高い。最先端の半導体供給に関してTSMCの重要性は高まるだろう。日本企業がそうした環境の変化に対応するためには、微細かつ高純度の素材供給力に磨きをかけ、世界市場における競争優位性を高めなければならない。中長期的な世界経済の展開を考えた場合、よりニッチな分野での競争力発揮を目指す本邦企業は増えるだろう。

 慎重に新しい工場の建設などの可能性を模索するSUMCOはそうした企業の代表格だ。現在、そうした事業運営方針を示す日本企業の増加が、新型コロナウイルスの感染が厳しい中での国内の景況感を下支えしている。SUMCOが、世界経済にとって不可欠な半導体部材供給者としての競争力に磨きをかけることを期待したい。そうした企業の増加が日本経済の安定に無視できない影響を与えるだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

●真壁昭夫/法政大学大学院教授

一橋大学商学部卒業、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学大学院(修士)。ロンドン証券現地法人勤務、市場営業部、みずほ総合研究所等を経て、信州大学経法学部を歴任、現職に至る。商工会議所政策委員会学識委員、FP協会評議員。

著書・論文

『仮想通貨で銀行が消える日』(祥伝社、2017年4月)

『逆オイルショック』(祥伝社、2016年4月)

『VW不正と中国・ドイツ 経済同盟』、『金融マーケットの法則』(朝日新書、2015年8月)

『AIIBの正体』(祥伝社、2015年7月)

『行動経済学入門』(ダイヤモンド社、2010年4月)他。

JRA POGファン注目コマンドラインより「期待できる」2歳新馬とは!? C.ルメール初週デビューに未来のG1馬も?

 先週の日本ダービー(G1)は、ディープインパクト産駒の良血馬・シャフリヤールが優勝。今週から来年のダービーに向け、また次世代の新馬戦が始まろうとしている。

 2歳の新馬戦が、日本ダービー翌週から行われるようになったのは2012年。それ以降だけで見ても、初週デビュー馬の活躍はいたって顕著だ。

 翌年の日本ダービーまでに、G1を勝利した馬は全部で6頭。

2013年 阪神JF レッドリヴェール
2014年 皐月賞 イスラボニータ
2018年 NHKマイルC ケイアイノーテック
2018年 阪神JF ダノンファンタジー
2019年 桜花賞 グランアレグリア
2019年 朝日杯FS サリオス

 前例からも今週デビューの2歳馬が、来年の日本ダービーまでにG1を勝利する可能性は十分。POG(ペーパーオーナーゲーム)ファンも大いに注目するところだろう。

 中でも2012年以降、初週の新馬戦で最も勝利を挙げているのがC.ルメール騎手。この9年間で13頭に騎乗し、5勝を挙げる活躍を見せている。

 勝利した中には後のマイルCS(G1)勝ち馬ステルヴィオ、上記でも取り上げた桜花賞馬グランアレグリアがおり、今年は牝馬のサトノレイナスでダービー出走も果たした。

 今年も初週から、3頭が鞍上ルメール騎手で出走を予定。活躍の期待される馬が集まったといえるだろう。

 まず、初日の5日に東京芝1600mで登場するのがコマンドライン(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)。今年のクラシックでも活躍した、サトノレイナスと同じ国枝栄厩舎のコンビとあって注目度も高い。

 そして、翌6日は同じく東京芝1600mの5Rに、オークス(G1)3着馬・アドマイヤミヤビの妹レディナビゲーター(牝2歳、美浦・萩原清厩舎)、6Rは芝1400mでバーマン(牡2歳、美浦・藤沢和雄厩舎)に騎乗予定だ。

 これらの馬は、ステルヴィオ、グランアレグリア、サトノレイナスなどと同じような活躍ができるのだろうか。データ面から探ってみたい。

 上記の過去に活躍した3頭は、いずれもルメール騎手を背に東京1600mでデビュー。1400mで初週にデビューした馬は【0-0-0-4/4】と、馬券圏内に入ることすらできていない。

 1400mデビューが予定されているバーマンは、これまでの傾向からは推奨しづらい結果。それに対し、1600mの勝率は【5-1-1-2/9】と約5割で、G1活躍馬の3頭はこの勝ち馬の中から出現している。

 G1活躍馬の3頭は全て関東馬であるが、それは1600mデビューのコマンドライン、レディナビゲーターともに言えること。どちらもノーザンファームの生産馬で、両方が走る可能性も十分にありそうだ。

 あえて挙げるなら牡馬と牝馬の違いで初週に東京芝1600mでデビューした関東馬6頭の内、牡馬3頭が【1-1-0-1/3】であることに対し、牝馬3頭は【3-0-0-0/3】とパーフェクト。牝馬であるレディナビゲーターが、コマンドライン以上の活躍をみせるということも考えられる。

 翌年に向けてのG1制覇は、過去のデータからデビュー戦での勝利が必須。ルメール騎手が東京1600mで騎乗するコマンドライン、レディナビゲーターの初戦に期待したい。

(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

LGBTQ+の「Q+」の存在を知っていますか?~最新調査レポート

今年3月17日、札幌地裁で、同性同士の結婚を認めない現行制度は「法の下の平等」を定めた憲法14条に違反していると認定。同性婚を巡る訴訟で初めて違憲判断を示すという、歴史的な判決がありました。

また、LGBTQ+の人々に対しての不適切な発言に対し、抗議が起こることも珍しくなくなり、より平等な社会への関心が高まってきていることを感じます。

ダイバーシティ&インクルージョン領域(各人の多様な個性を尊重し、全ての人の社会参加を目指す考え方)の研究を行っている電通ダイバーシティ・ラボでは、2012年からLGBTを含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティーに関する大規模調査「LGBT調査」をスタート。

LGBTに対する認知が浸透してきたことを踏まえ、今年4月に発表した調査では、「LGBTQ+調査」と名称を改め、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)だけでなく、多様なセクシュアリティー(Q+)の内訳についても詳細な分析を行いました。

なお、(Q)は、クエスチョニング(Questioning)のことで、自身の性自認や性的指向が定まっていない、もしくは意図的に定めていないセクシュアリティーを指します。(+)は、他にもさまざまなセクシュアリティーがあることを表しています。

本連載では、最新の世の中の動向や事例とともに調査結果を紹介。初回は、LGBT以外の多様な性にも注目し、LGBTQ+層の各人々の割合や、最新の世論、カミングアウトの状況などを中心にお伝えします。

ポイント①:LGBTQ+層の割合は8.9%。LGBT以外の多様なセクシュアリティーが半数近くを占める。

本調査では、セクシュアリティーを「出生時に割り当てられた性」(出生性)、「本人が認識する性」(性自認)、「好きになる相手の性」(性的指向)の3つの組み合わせで分類し、ストレート層(異性愛者であり、生まれた時に割り当てられた性と性自認が一致する人)以外をLGBTQ+層と定義しています。2020年末に行った調査の結果、LGBTQ+層に該当する人は2018年の調査と変わらず、8.9%となりました。

LGBTという言葉自体の認知が低かった2015年(7.6%)から、2018年は1.3%微増しましたが、LGBTQ+に関する情報が増え、自分のセクシュアリティーに向き合うことで微増したと推測しています。情報が浸透した昨今、8.9%という数字で落ち着いたのではないかと考えられます。

また今回、「出生性×性自認」「性自認×性的指向」それぞれの組み合わせにより、多様なセクシュアリティーの主な内訳を分析しました。

「出生性×性自認」ではトランスジェンダー(0.64%)のほか、エックスジェンダー(性自認が男性・女性どちらとも感じる、どちらとも感じない)が1.20%。性自認のクエスチョニング(性自認が決められない、分からない)が0.62%でした。

「性自認×性的指向」では、ゲイ(1.94%)、レズビアン(1.33%)のほか、バイセクシュアル/パンセクシュアル(好きになる相手が男女変わることがある・一定ではない、男女どちらも好きになる、相手の性別は問わない)が2.94%。アセクシュアル/アロマンティック(他人に恋愛感情を抱かない)が0.81%、性的指向のクエスチョニング(性的指向が決められない、分からない)が1.63%など、多様なセクシュアリティーの在り方が分かりました。

LGBTQ+調査2020
MtF:「Male to Female(男性から女性へ)」の略称。「出生時に割り当てられた性」が男性で、「本人が認識する性」が女性である人。FtM:「Female to Male(女性から男性へ)」の略称。「出生時に割り当てられた性」が女性で、「本人が認識する性」が男性である人。※回答選択肢の便宜上、上記に分類していますが、上記以外にも多様なセクシュアリティーがあります。また、トランスジェンダーでパンセクシュアルなど、「出生性×性自認」「性自認×性的指向」両方に含まれる人々がいる可能性があり、足し上げても8.9%にならないのはこのためです。
 


ポイント②:「LGBT」という言葉の認知度は約80%。その一方で「Q+」の多様性は認知不足

続いて、LGBTという言葉の認知度についてです。2015年調査の37.6%から、2018年調査では68.5%と大幅上昇しましたが、今回の2020年調査では80.1%とさらに11.6ポイント上昇しました。いまや常識と呼べるレベルまで浸透してきたことが分かります。

ニュースやドキュメンタリーで扱われることが増えたのはもちろんですが、映画や本の力も大きく、海外だけでなく、日本の作品も多数ありました。トランスジェンダーが主人公の映画「ミッドナイトスワン」が日本アカデミー賞2冠に輝いたり、本屋大賞に輝いた「52ヘルツのクジラたち」でもテーマの一つとなっていたりと、LGBTQ+の人々について扱うものが増え、日本での浸透に大きく寄与したと思われます。

LGBTQ+調査2020
その一方、L(レズビアン)・G(ゲイ)・B(バイセクシュアル)・T(トランスジェンダー)以外の多様なセクシュアリティーについては、約8割の人が言葉自体も聞いたことがないと回答。半数近く存在するQ+についての認知はまだまだ進んでいないことが分かりました。

多様なセクシュアリティーについて考えるとき、L/G/B/T という枠で考えるのではなく、性自認が女性とも男性とも感じる・感じないエックスジェンダー、誰にも性的欲求、恋愛感情を抱かないアセクシュアル/アロマンティックなど、それぞれ抱える生きづらさは異なるため、まずは正しい理解と配慮が求められます。

LGBTQ+調査2020

ポイント③:約89%の人が「性の多様性」を学校教育で教えるべきと回答

学校教育でも、大きな変化が起きようとしています。女子はスカート、男子はズボンという固定概念に縛られず、男女問わず着られる「ジェンダーレス制服」を導入する学校が増えてきていることも話題になっています。大手学生服メーカー「トンボ」によると、女子生徒用のスラックスを採用している中学校や高校は、全国で約1000校と、3年前のおよそ2.7倍に増えているそうです。

学校教育でLGBTQ+をはじめとする「性の多様性」について教えるべきかを聞いたところ、「教えるべき」「できれば教えるべき」と回答した人は88.7%と大多数である結果となりました。一方で「教えてもらったことがある」と回答した人は10.4%にとどまり、大きなギャップがあることが分かりました。ただ、2015 年 4 月、文部科学省からセクシュアル・マイノリティーの子どもへ配慮を求める通知が全国の小・中学校、高校などへ出され、学校教育に盛り込まれる学校も増えているようです。

LGBTQ+調査2020

ポイント④:誰にもカミングアウトしていない人は、やや減少。母親、友人へのカミングアウトが進む

続いて、LGBTQ+当事者であることをカミングアウトしているかを聞いたところ、「誰にもカミングアウトしていない」という人は、57.4%となりました。2018年の調査に比べると、「誰にもカミングアウトしていない」人は8.3ポイント減少しており、ややカミングアウトが進んだようです。カミングアウトをした相手で見ると、母親が9.0%から12.9%に増加したほか、男性の友人、女性の友人、LGBTQ+の友人のスコアがそれぞれ増加しており、母親と友人へのカミングアウトが進んでいます。

LGBTQ+調査2020
その一方、「以前に比べて、近年周囲の人にカミングアウトしやすい環境になっていると感じますか」という問いに対しては、前回とほぼ変わらず、70.2%の当事者が、「カミングアウトしやすい環境にはなっていない」と回答。環境が改善されたとは、決して言えないようです。

ただ、パートナーシップ制度(地方自治体が、二人のパートナーシップが婚姻と同等であると承認する制度)がある自治体に住んでいる当事者層のみに限定して同じ質問をした場合、カミングアウトしやすい環境にはなっていないと回答したのは、47.7%にとどまり、過半数の人がカミングアウトしやすい環境になったと回答しました。100以上の自治体まで広がりを見せているパートナーシップ制度ですが、これが、カミングアウトしやすい環境づくりに寄与していることが推測されます。

LGBTQ+調査2020


ポイント⑤:親にカミングアウトした当事者の約18%は、「未だに親に受け入れられてはいない、完全に拒否されている」

さらに、「LGBTQ+当事者であると気づいたとき、自分自身はどう思いましたか。また、カミングアウトをした際、親はどのような反応を示しましたか」の質問をしたところ、18.4%の人が自分でもまだ受け入れられていないと回答。さらに、親にカミングアウトした人の中で、「未だに受け入れられてはいない」「完全に拒否されている」人は、父親では18.7%、母親では19.2%  と、約2割程度いるという、厳しい現状が浮き彫りとなりました。

LGBTQ+調査2020
電通ダイバーシティ・ラボが2012年に調査を開始してから約9年。LGBTに対する認知が浸透し、同性婚の法制化の議論も進んできていますが、Q+に当たる多様なセクシュアリティーの認知や正しい理解の促進、また、当事者が安心してカミングアウトをすることができる環境づくりも取り組むべき課題と言えるのではないでしょうか。
 

<事前スクリーニング調査概要>
・ 調査対象:20~59歳の個人60,000人
・ 調査対象エリア:全国
・ 調査時期:2020年12月17~18日
・ 調査方法:インターネット調査

<電通LGBTQ+調査2020概要>
・ 調査対象:20~59歳の個人6,240人(LGBTQ+層該当者555人/ストレート層該当者5,685人)
・ 調査対象エリア:全国
・ 調査時期:2020年12月17~18日
・ 調査方法:インターネット調査

※ LGBTQ+層割合、人口構成比に合わせて、都道府県、性別、年代(20~30代/40代~50代区切り)でウェイトバックをかけています。


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イメージ先行のブランディングはもう効かない!?コーポレートブランドを決める6つの因子

これからの企業に求められる「価値づくり」広報とは何かを紹介する本連載。
第2回では、今や投資家だけでなく一般生活者も注視しているソーシャルバリュー(社会価値)を創出する方法やその重要性を解説しました。

【図表1】社会価値の概念図
社会価値の概念図

今回は、企業広報戦略研究所(略称C.S.I./電通PR内)の「魅力度ブランディング調査(※1)」から以下の2つの分析結果を紹介します。

・コーポレートブランドに寄与する企業のファクト
・生活者の抱く企業イメージと相関する企業のファクト

※1=魅力度ブランディング調査
生活者1万人を対象に、20業界200社の企業の魅力を分析

 

ステークホルダーが共感する課題(図表1「社会課題」)に対して、「自社ができる取り組みとは何か」「自社のどのようなファクトに生活者が魅力を感じ、企業の価値となるのか」そして「それらは生活者の抱く企業イメージの形成に寄与するのか」(図表1「企業のファクト」)を考えます。

企業イメージ形成に最も寄与するファクトは、人的魅力の一つ「ビジョンを掲げ、業界を牽引」

当研究所では企業ブランディングに寄与するファクトについて研究しています。提唱している「魅力度ブランディングモデル」は、コーポレートブランドを構成する魅力を「人的魅力」「財務的魅力」「商品的魅力」の3つに分類したものです。さらに各魅力で重視すべき項目として各12項目ずつ、計36項目のファクトを設定。これは、企業の価値を測定する着眼点を、“魅力”に置いた指標です。【図表2】。

【図表2】魅力度ブランディングモデル

魅力度ブランディングモデル

【3魅力の定義】
人的魅力
リーダーシップや職場風土、ソーシャルイシュー対応力など、企業を構成する「個人」や事業活動を通じて周囲に感じさせる「法人」としての魅力
財務的魅力
成長戦略、安定性・(中・長期的な)収益性、リスク&ガバナンス対応など、優れた財務パフォーマンスと、それらを支える仕組みや取り組みに関する魅力 
商品的魅力
コストパフォーマンス、安全性・アフターサービス力・クレーム対応、独創性・革新性など、商品・サービスを通じて伝わる魅力

2020年の「第5回魅力度ブランディング調査」では、「人的」「財務的」「商品的」の3つの魅力のうち最も多く「魅力」と捉えられたのは、「人的魅力」でした【図表3】。「人的魅力」は5年連続1位です。

【図表3】3つの魅力の構成比
3つの魅力の構成比

さらに、具体的に3つの魅力の内訳を見ると、上位5項目のうち4項目が「人的魅力」に属しており、企業の魅力は人的魅力が大きく関与していることが分かります【図表4】。順位は、昨年と同様ですが、よりその割合は増しており、「人的魅力」が企業の魅力として認知される傾向がさらに高まっている様子がうかがえます。

【図表4】魅力項目ランキング 全36項目中上位5項目魅力項目ランキング 全36項目中上位5項目

コーポレートブランドを形成する6因子が、すべて「人的魅力」に相関

これまでのコミュニケーションは、話題づくりで企業のブランドを醸成してきました。しかし、生活者自身がSNS等を通じてなんでも発信できるようになるなどの情報流通構造の変化により、昨今はマスメディアを通じたイメージ戦略や、一過性の話題づくりだけでは生活者の心をつかむのが困難となり、自社が持つ「ファクト」をベースに企業の魅力を伝えていく活動が重要になってきています。

一方、企業のブランディングは、さまざまなコミュニケーション活動を通じて企業のブランドが生活者に届いて初めて成立するもの。企業がステークホルダーに思われたい「ありたき姿」や、それに近づくために企業が有している「ファクト」があるだけでは成立しません【図表5】。

つまり、企業の「ありたき姿」と、現在生活者が抱いている各企業に対するイメージとのギャップを把握し、さらにそのギャップを自社が持っている「ファクト」で埋められるのか、埋められないならどのようなアクションを起こすべきなのかを考えることが重要です。

【図表5】企業イメージ形成の概念図

そこで、魅力度ブランディング調査では各企業のブランドの印象についても聴取し、どのようなキーワードが、ブランドを構成する因子として構成されているかを検証しています。その結果、「挑戦」「信頼」「個性」「親和」「環境」「研究」の6つの因子に分けることができました。

6つの因子のどれが、先述の魅力度の項目にどのように相関しているかを分析したのが、【図表6】です。

【図表6】

重回帰分析図(人的魅力)
重回帰分析図(財務的魅力)
重回帰分析図(商品的魅力)
6つの企業イメージ因子に対して、36項目のファクトがどの程度関係しているのかを「重回帰分析」という分析方法で数値化したもの。オレンジ色の箇所が特に関係性が深いことが分かりました。

その結果、成長力や革新性、柔軟さなどをイメージ項目に含む「挑戦」因子は、人的魅力の「チャレンジスピリットにあふれたリーダー・経営者」や財務的魅力の「中・長期的な経営計画」、商品的魅力の「高い技術力・ノウハウに基づく商品・サービスの提供」のファクトと相関があることが分かりました。

また、センスやコンセプト、信念などのイメージ項目を含む「個性」因子と強く相関するのは、「熱心なファンが多い商品・サービスを提供」といった商品的魅力だけでなく、「イノベーションにこだわる経営」や「こだわりをもった社員が品質向上にチャレンジ」といった人的魅力のファクトも多く寄与していることが特徴的です。

つまり、たとえば生活者に抱いてもらいたい自社の企業イメージを「チャレンジングでユニークな企業」としたい場合、リーダーシップを発揮して業界を牽引したり、自社の商品やサービスのファンづくりをしたりといったファクトを育て、生活者に伝えていくことが重要、と捉えることができます。

さらに、そのほかの因子を見ても、「信頼」に寄与するファクトは、「ビジョンを掲げ、業界を牽引」「まじめで、信頼できる社員」など人的魅力の項目が関連しており、商品的魅力だけでなく、すべての因子で人的魅力と結びついていることが見て取れます。

これらの結果から、特にコーポレートブランディング視点で魅力ある企業として選ばれるためには、企業活動として提供する商品・サービスの魅力を訴求することはもちろん、その企業で働く人やトップといった「法人」としての魅力もコーポレートブランドを左右する大事なファクトであることが分かりました。従って、このような自社のファクトを洗い出し、丁寧に訴求していくことで、ファクトの伴わないイメージ先行ではなく、実体に近いコーポレートブランドが醸成され、自社の「ありたき姿」に近づいていくと考えられます。

当研究所が2020年12月に発行した『新・戦略思考の広報マネジメント』第8章では一橋大学大学院経営管理研究科特任教授 伊藤邦雄先生にもインタビューをしていますが、伊藤先生も「価値創造経営」の中で人的資本の重要性(対話の重要性)について提言されています。

【図表1】社会価値の概念図(再掲)
社会価値の概念図(再掲)

今回は、社会価値を生み出す「企業のファクト」について解説しましたが、さらに、これからの企業が提供する製品・サービスの価値には、社会課題を解決する社会価値も内包しなければなりません。

次回は、この社会課題を解決する企業の「価値創造」、つまり「価値づくり」広報の戦略立案の手法を紹介します。


【調査概要】
■第5回 魅力度ブランディング調査
調査対象:全国の20~69歳の男女 計10,000人

第5回 魅力度ブランディング調査 調査対象

調査方法・期間:インターネット調査・2020年6月24~30日
設問内容:魅力に感じる企業、企業のイメージ、魅力に感じるファクト、ファクトの情報経路、魅力を感じた結果の行動
※本調査では小数点第2位以下を四捨五入しています。
 

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安倍氏、首相“再々登板”の機運、次期首相の有力候補の一人に…自民党員から高い人気

 今秋の自民党総裁選をめぐる政局が本格化してきた。キングメーカー争いで安倍晋三前首相と麻生太郎副総理兼財務相のコンビが表舞台で動き出したのだ。

 永田町で大きな注目を集めたのが、5月21日に発足した「半導体戦略推進議員連盟」だ。会長は甘利明・自民党税制調査会長。安倍氏と麻生氏は最高顧問に就いた。設立総会には約60人の自民党議員が出席、宏池会会長の岸田文雄前政調会長や清和政策研究会会長の細田博之元幹事長、平成研究会(竹下派)前会長の額賀福志郎元財務相といった派閥領袖クラスも顔を出した。

 第2次安倍政権発足当初、安倍氏、麻生氏、甘利氏に菅義偉首相(当時は官房長官)を加えた4人が安倍政権を支える「3A+S」と呼ばれた。久しぶりの3Aそろい踏み。麻生氏が挨拶で、「Aが3人そろえば、なんとなく『政局』という顔だが、間違いなく半導体の話をしに来た」と冗談を飛ばしたのは、政局色の打ち消しより、むしろ政局色を肯定したようなものだった。

 これに、メディアの政治部は一斉に反応。読売新聞が「首相の再選を視野に入れ、主導権を握るための動きなのではないか」という中堅議員の見方を示せば、時事通信は「首相の後ろ盾として存在感を増す二階俊博幹事長を牽制する狙いもありそうだ」と書いた。

「安倍氏と麻生氏にとっては、二階氏が最も目障り。2人は菅首相に対し、秋の総裁選での再選を後押しするから、その代わりに党役員人事では二階氏を幹事長から外せ、と要求しているらしい。今度の半導体議連を見ると、前回の総裁選で二階派とは一線を画す形で菅氏を共に推した細田派、麻生派、竹下派の3派閥が、今度の総裁選でも再び共同歩調を取るのではないかと思わせる。前回は出馬した岸田氏が今度も出馬できるのかどうか。岸田氏は3派閥に担いでもらうことを期待していても、現実には3派閥の後ろから一緒に付いて行くしかないでしょう」(自民党ベテラン議員)

岸田文雄氏の失速

 総裁選の焦点は菅首相の続投ありきで「安倍・麻生vs.二階」の主導権争いに思われるが、実は別の観測もある。

「安倍氏は本当に菅首相続投で方針を固めているのか疑問です。というのも、安倍氏は昨年来、菅首相はあくまで自身のピンチヒッターであり、今年9月で終わり、と考えているというのが側近の見方でした。つまり、菅首相が続投するかどうかではなく、安倍氏が狙っているのは、キングメーカーで居続け、政権や党に強い影響力を与え続けることなのではないか」(自民党中堅議員)

 では、菅首相続投でない場合は、誰なのか。もともと安倍氏は岸田氏を「ポスト安倍」と想定してきた。岸田氏は「ポスト菅」でも有力候補なのは間違いなく、岸田氏本人も安倍・麻生コンビに自身を推してもらうために半導体議連にも顔を出したのだろう。しかし、4月に行われた地元・広島での参議院再選挙の敗北もあり、下馬評では脱落気味だ。

「次の首相にふさわしい人」を聞く世論調査では、河野太郎行革担当相がトップの人気だが、立候補するためには、所属する麻生派の賛成がなければ、推薦人の20人すら集まるのかどうかわからない。最大派閥の細田派は西村康稔経済再生相、下村博文政調会長、萩生田光一文科相、稲田朋美元防衛相が競い合っているものの、決め手に欠ける。

「そこで、躍り出てくるのが安倍氏です。世論調査では、1位河野氏、2位石破茂元幹事長、3位小泉進次郎環境相の次の4位が安倍氏。石破氏は野党支持者や無党派からは人気が高くても自民党員には人気がない。進次郎氏はまだ総裁選出馬には早い。今度の総裁選は、解散総選挙の前に行われるなら『誰ならば選挙の顔』になれるかがポイント。そうなると、いまだ党員人気の高い安倍氏の再々登板の可能性が浮上してくる。それなら麻生氏もキングメーカーで居続けられるので納得するでしょうし」(前出の自民党中堅議員)

 前首相の“まさかの再々登板”は、現実のものとなるのだろうか。

(文=編集部)

朝食にグラノーラはNG?賛否両論飛び交う…糖質過多+たんぱく質不足、老化が進む恐れも

フルーツグラノーラ」というと、健康意識が高い女子がお洒落なトッピングを加えて食べているような、ヘルシーなイメージが定着しているが、「健康を害する恐れがあるので、あまり食べないほうがいい」といった指摘が上がっている。

 5月20日、Twitter上で「朝食をフルグラにするのはやめておきましょう。一見、ビタミンやらミネラルが入ってて健康そうに見える。しかし、実際のところ、オーツ麦に油と砂糖を混ぜて焼き上げた、ただのお菓子です。もし『めっちゃ良いやつそうに見えて、実はめっちゃ悪いやつ選手権』があれば、フルグラはぶっちぎり優勝です」との投稿がなされると、賛否両論が乱れ飛んだ。

 批判する向きは、「フルグラが不健康だとしても、食べないよりはいいはずだ」「1人暮らしで朝食を準備する時間がない人が、手軽で短時間に栄養分を摂取できることが重要なわけで、大量に食べ続けない限り問題ないはず」など、自炊すべきなのは承知しているが、それができない人にとっては頼りになる存在になっているとする声が大半だ。

 そこでグラノーラの健康への影響について、予防医療研究協会理事長で麹町皮ふ科・形成外科クリニック院長の苅部淳医師に聞いた。

「まず、グラノーラといっても厳密には以下の3種類に分けられます。

グラノーラ:オーツ麦、ナッツ、フルーツを加熱したものの総称
ミューズリー:味付けなし、生のグラノーラ
シリアル:一般的な穀物加工品の総称

 一般的に売られているグラノーラは、ほとんどが砂糖など糖質を非常に多く含みます。メーカーによって若干の違いはありますが、グラノーラの主原料はオーツ麦やライ麦と砂糖です。栄養でいえば、ほとんどが炭水化物です」

 また、フルーツグラノーラは栄養バランスの面でもヘルシーとはいえない内容だという。

「たとえば、代表的なフルーツグラノーラでは、1食50グラム中35.5グラムが炭水化物で、その内の31グラムが糖質、4.5グラムが食物繊維とのことです。これは、栄養学的に非常に偏りがあり、もっとも重要なたんぱく質が完全に不足している食べ物です。さらに、フルーツグラノーラのドライフルーツは袋詰の過程で加熱処理されてしまうため、ビタミン類や食物繊維が減少したり、酵素が含まれていません。酵素が含まれないフルーツの果糖は、砂糖と同じように消化されるので血糖値が上がりやすく、太りやすくなってしまいます」

エネルギーチャージ

 苅部医師の解説からも、フルーツグラノーラはヘルシーとはいえない食べ物であることがわかるが、目的に合った摂取であれば、優秀な食べ物といえる。

 表参道・南青山のパーソナルトレーニングジム「plat gym」のチーフトレーナー・佐藤ルイ氏は、次のように語る。

「トレーニング前のエネルギーチャージとしてはとても優秀ですが、ヘルシーとはまた別かと思います。ビタミン・ミネラル・炭水化物を多く含み、食べやすさから自然と摂りすぎる傾向にあり、カロリーオーバーになりすぎな反面、たんぱく質が全然摂れません。たんぱく質を別に摂ると、バランス的には補えるでしょう」

 フィットネス・アドバイザー/ビキニ・アスリートの三船麻里子氏も同様の見解だ。

「基本的に、”体重や体脂肪率を減らす方向にコントロールする時に、食べてはいけないものはない”と私は考えていますが、食事代わりにフルーツグラノーラを摂ろうとするとタンパク質が少ないです。そして食物繊維、亜鉛、カリウム、鉄分、カルシウムなどが入っているのは良いのですが、ショートニングや砂糖を多く使っているものがあるので、カロリーが高くなります。それらが少量、または含まれていない物を選べばいいと思います。あとは1回の摂取量を50グラム以下にする、一緒に摂る牛乳や豆乳、ヨーグルトの脂質が少ない物を選ぶなど、工夫してみるとよいです。逆に体重を増やしたい、トレーニング前後の炭水化物摂取のためであれば、フルーツグラノーラは良いと思います」

老化が進む?

 苅部医師によると、フルーツグラノーラは製造過程で加熱処理をしているため、近年非常に注目されている、体の老化を進めてしまう最終糖化産物の「AGEs」という物質が含まれると考えられるという。

「これは身体の中に蓄積し、シミやしわ、血管の老化、あらゆる病気に関与している可能性が指摘されているのです。一旦、蓄積してしまうと不可逆性のため、体内から除去することが難しいのです。身体のためには、生の野菜や果物を食べるのが一番抗酸化作用が強く、アンチエイジングに効果的なのです」

 以上のことから、市販されているグラノーラは、栄養価よりも美味しく食べられることに主眼を置いて加工してあるため、決してヘルシーとはいえないようだ。エネルギーチャージとしては効率が良い面もあるので、目的に応じて摂取するのがいいだろう。

 ちなみに、米国農務省(USDA)は、砂糖の摂取量を「1日の総カロリーの10%以内」に制限することを推奨している。これは、たとえば2000キロカロリーの食事を摂っている人の場合、砂糖小さじ12杯(50グラム)に相当する。

 あるグラノーラには、1食分に小さじ4杯(17グラム)近くの砂糖が含まれている。標準の1食分量より多く食べれば、それだけ多くの砂糖を摂取することになる。

 USDAは、成分はブランドによって大きく異なるため、グラノーラを購入する際は栄養表示や成分表ラベルを注意深く読むことが重要だとし、ラベルの最初のいくつかの材料はオーツ麦やチアシード、キビなどの全粒穀物、ナッツ、種子、ドライフルーツなどであること、そしてチョコレートチップ、蜂蜜、砂糖漬けにしたドライフルーツなどの材料は注意するよう呼び掛けている。特にバータイプの商品は、固形にするためにさらに砂糖が多く使われる傾向にあり、ヘルシーとはいえない。

“肥満大国”ともいわれるアメリカで、手軽に食べられるグラノーラは今でも一般的な朝食メニューだが、一方でグラノーラは選ぶブランドによっては健康的ではないという事実も広く知られている。健康志向の高い人々のなかには、自分の好きな材料を使って砂糖を控えめにしたオリジナルグラノーラをつくり置きし、ヨーグルトや生のフルーツを盛り合わせて食べる人も多い。

 グラノーラを食べる場合、まず成分表を確認し、さらに健康的で自分に合ったアレンジを加えるように心がけたい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

田中将大は負け越し?『パワプロ2020』で本年ペナントをシミュ!意外&夢のある結果?

 発生から2年を経ても収束が見えない新型コロナウイルスの影響下においても、昨シーズン培った感染対策のノウハウをもって今年は例年通り3月に開幕、現在も連日熱戦が繰り広げられているプロ野球。そんなプロ野球のシーズン開幕にあわせて、野球ゲームのほうも2021年仕様にバージョンアップしている。

 野球ゲームの代名詞的存在、『パワプロ』シリーズの最新作、『ebaseball パワフルプロ野球2020』(以下『パワプロ2020』)には、MLBから古巣楽天に帰ってきた田中将大選手に加えて、阪神の佐藤輝明選手を筆頭に、プロ1年目から主力として活躍する新人選手が登場。そのおかげで『パワプロ2020』内でも各球団、実際のプロ野球とほぼ同じオーダーを組んで試合や各種ゲームモードを楽しめるようになり、実質“パワプロ2021”ともいうべきゲーム内容へと進化している。

 そこで今回は、『パワプロ2020』に追加された最新データを使って、2021年のプロ野球の結果をシミュレート。リーグ優勝、日本一に輝く球団はどこなのか、注目選手の成績、意外な活躍を見せる可能性を秘めたスター候補などを探っていきたい。

リーグ優勝はあまりにも”ベタ”な結果に 日本一には多少の波乱

 検証は現実の2021年プロ野球と同じ日程で進んでいく『パワプロ2020』のペナントモードを、選手の操作、采配をCPU任せで消化させていくオート進行で実行。各球団のスタメンや1軍登録選手に関しては可能な限り今年のプロ野球開幕日だった3月26日の状態を再現。先発ローテーションに関しても開幕から1巡するまでの5ないし6試合で先発登板した選手を設定した状態でゲームをスタートさせている。

 ただし、1軍の外国人枠を5人とする特別ルール、1軍にベンチ入りできる選手数の増加といった、“コロナ禍仕様”ともいえる2021年限定のルールには、ペナントモードに(おそらくあえて)反映されていないため、『パワプロ』で再現することはできなかった。

 加えてケガで出遅れた選手や入国手続きの関係でチーム合流が遅れた外国人選手を指定の日時まで使用禁止にすることもできなかった(シーズンが始まるとCPUの判断で選手の入れ替えを行なうため)点もご容赦いただきたい。

 いざペナントレースを開始させてみると、やはりパ・リーグはソフトバンク、セ・リーグは巨人が頭ひとつ抜けだす展開でスタート。パ・リーグに関しては強力投手陣を擁する楽天と、投打が絶妙に噛み合った日本ハムが健闘して10月上旬までくらいつくも、セのほうはオールスター+オリンピック中断期間明けの8月には大勢が決する形に。レギュラーシーズン終了後のクライマックスシリーズでも波乱は起きず、日本シリーズはソフトバンクvs.巨人、結果は4-0でソフトバンク……という、まるで2020年のペナントレースをトレースしたかのような結果に落ち着いてしまった。

 こんなベタベタな結果ではあまりにも寒すぎる、なによりも企画倒れで記事にもならないということで、急遽同じ設定でペナントレースを計10回ほど繰り返してみた。しかしソフトバンク、巨人の安定感は抜群で、両チームともに9/10回、9割の確率でリーグ優勝を達成。優勝を逃した1回は、ソフトバンクの場合は楽天の快進撃(田中将、涌井、則本投手らがそろって大幅勝ち越し&規定投球回数達成)、巨人の場合は坂本選手のケガ、戸郷投手のスランプが重なっての失速と阪神の追い上げが重なって、ようやくリーグ王者の座を明け渡すという流れでしかシーズンの結果は変わらなかった。

 ただしクライマックスシリーズ、日本シリーズになると話は別で、ここではオリックスや中日が整備された投手陣の力を背景に勝ち上がってきたり、3位でシーズンを終えた西武、阪神が打撃戦を制して日本シリーズに進出してくるといった波乱が何度か見られた。また、日本シリーズがソフトバンク対巨人の組み合わせになっても、昨年や一昨年のような4勝0敗で終わることはまれで、シリーズ6、7戦目までもつれるケースが大半と、むしろ巨人が勝つケースのほうが多かったソフトバンク対巨人でソフトバンクが日本一になったのは5回中2回、巨人は3回。

 10回という試行回数ではあるが、短期決戦に関しては現実以上に『パワプロ』のほうが夢のある結果になったといえるのではないだろうか。

選手成績にはバラつきあり、『パワプロ』独自の起用法が光る場面も?

 レギュラーシーズンの順位に関しては筆者の予想よりも固定化されていた印象だったが、各球団に所属する選手の個人成績に関しては、10度行ったペナントレースの中で目に見える形で成績が浮き沈みしているケースが多かった。

 特に2021年度版で追加されたルーキーや、開幕直後の活躍で1軍に定着した選手(オリックスの宮城投手など)はその傾向が顕著。たとえば阪神の佐藤輝選手は、最高に活躍した年だと打率は.210ながらホームランを29本放って新人王を獲得するが、悪い時は打率.170でスタメン落ち。楽天の早川投手であればシーズン途中でローテーションを外され中継ぎないし2軍行き、5勝前後で終わることもあれば、15勝6敗でチームの勝ち頭となるなど、かなり振れ幅が大きかった。

 メジャー帰りの田中投手も、防御率は2~3点台半ばに収束するものの、勝ち星に関しては流動的。15勝前後を挙げて5から8つの貯金を作ってシーズンを終えることが大半ではあったが、9勝10敗、8勝9敗など、勝ち越せない場合もあった。

 そしてソフトバンクと巨人を除くチームは、田中投手のような主力級が、それっぽい(ファンがイメージする期待通りの)成績を残せるかで、クライマックスシリーズに進めるかどうかが決まる印象。西武であれば森、山川、栗山、スパンジェンバーグ選手あたりのうち3人が.280前後かつ2ケタ本塁打、中日なら大野雄大以外の投手に加えて福谷、柳、小笠原あたりから2人は規定投球回数に達するなど、その球団のストロングポイントが正しく機能しなくては、上位に進出することは難しいようだ。

 しかし10回中10回、ほとんど成績が高いレベルでブレない選手も少なからずおり、そういったタイプの選手が打者、投手ともに複数いるチームは強い。つまりソフトバンクと巨人には安定感がある、『パワプロ』的に超優良な選手が多く在籍していることがわかった。

 たとえばソフトバンクなら千賀、石川投手の防御率や奪三振数、柳田、中村晃、グラシアル選手といった主力打者の打率や本塁打が大きく悪化することはなかったし、巨人の場合は菅野投手の成績が圧倒的で、最多勝はほぼ当確(防御率やベストナインは大野雄大投手と分け合うことも)。加えて坂本、丸、岡本選手あたりの野手陣はケガさえなければベストナインには100%ノミネート。リーグMVPも投手なら菅野or戸郷選手、打者なら岡本選手か坂本選手あたりが獲得する、“巨人内での持ち回り制”のようになっていた。

 名の知れた打者、先発投手であっても成績が乱高下しやすい『パワプロ』のペナントだが、ほぼ全球団で安定した成績を残すポジションもあった。それは勝ちパターンで登板する中継ぎ、抑え投手だ。

 特に8、9回で起用される投手は顕著で、ここで起用されたルーキーはかなり高い確率で新人王に輝く傾向が高かった。具体的な名前を出すと、中日のドラ2ルーキーの森投手、そしてペナント開始時は先発で起用設定していても、必ず抑えで起用されるようになる日本ハムの伊藤投手が、ほぼ確実に新人王を獲得していた(森投手は8/10、伊藤投手は9/10回の確率で新人王に)。

 森投手は現在(5月2日)の時点で1軍登録なし、伊藤投手は先発ローテーションの一角として活躍しているので『パワプロ』的起用で新人王に名乗りをあげることは難しそうだが、中継ぎ、抑えで1軍に定着している新人選手、たとえば広島の栗林投手あたりに注目して「今年のルーキーは佐藤輝もいいけど新人王は栗林だね!」と周りに言っておいたりしておくと、シーズン終了後にドヤ顔で自慢(?)できるかもしれない。

『パワプロ』の最新データを利用することで、2021年のプロ野球ペナントレースのさまざまな可能性を垣間見ることができた(はずの)今回の企画。個人的には20年ほど応援している千葉ロッテマリーンズが何回やっても下位に沈むのはゲームといえども悲しかったが、毎回微妙に活躍する選手が変わる点、意外と高い確率で起こるクライマックスシリーズ&日本シリーズの番狂わせは見ていて楽しかった。

 なお、『パワプロ2020』の最新バージョンには選手データ以外にもさまざまな新要素が追加されているので、今回興味を持った人はぜひ触ってみてほしい。

(文=丸谷健太/ライター)

ゲーム名:ebaseball パワフルプロ野球2020

メーカー:コナミ

対応機種:PlayStation4、Nintendo Switch

ジャンル:スポーツ

発売日:2020年7月9日

価格:8778円(PlayStation4、税込)、7678円(Nintendo Switch、税込)