82歳・二階俊博氏と80歳・麻生太郎氏、次回衆院選も出馬の方向…親族への世襲も視野

 国会が閉幕し、秋の総選挙がほぼ確定したことで、衆議院議員の政界引退や次回不出馬の表明が相次いでいる。

 6月28日には、衆院最高齢の自民党の伊吹文明元衆院議長(83・京都1区)が記者会見を開いて引退の意向を明らかにした。自身だけでなく家族や事務所スタッフの年齢や体力の問題に触れ、世襲は否定したうえで、「しっかり後継を当選させて、引き継いでいかなければならない」と述べた。

 自民党の閣僚経験者では塩崎恭久元厚生労働相(70・愛媛1区)も同19日に次期衆院選に立候補しないことを表明。「若い世代の発想と力が必要なので次世代へバトンタッチする」と説明し、後継については自民党の愛媛県連が公募するという。

 こうした不出馬表明は、今後も続くと見られる。

「いつもより多くなる可能性があるのではないかと思います。次々回から衆議院の選挙区の区割りが大きく変わることが、少なからず影響しています」(選挙関係者)

 実は今まで通りの区割りで実施される衆院選は、今秋が最後。次々回からは昨年実施された国勢調査に基づいて、1票の格差を是正する「アダムズ方式」が新たに導入される。

 全都道府県にまず1議席を割り当てたうえで、残りを人口比で配分する現状の「1人別枠方式」に対し、「アダムズ方式」は各都道府県の人口を一定の数値で割って議席の数を決めるため、より人口に比例した配分ができるとされる。

 その結果、人口の多い東京都が現状の25選挙区から30選挙区に5つも選挙区が増えるなど、5都県の議席数が増やされ、新潟や山口など10県で議席が減らされる。さらには、都道府県単位で見ても選挙区ごとの境界線が変更される。例えば、これまでA市とB市が範囲だった選挙区が、A市とB市の半分とC市の半分に変わったり、といったことが起きるのだ。

 そうなると候補者は自分の選挙区から外れてしまったB市の残り半分の地域の支援者を失い、一方で新たにC市で支援者をつくり、後援会を組織するなど“票集め”の勝手が違ってくる。下手すれば、選挙区がまったく新しい地域ばかりになってしまい、政治活動を一からやり直さなければならなくなる。

「ベテラン議員になればなるほど、自分が築いてきた後援会や支援者は大事に後継候補につなぎたい。新人にうまくバトンタッチするなら、今度がラストチャンス。息子や娘などに世襲で引き継ぐならなおさらです。もっとも、区割りが変わる次々回は厳しい選挙になるからと、逆に次回までは出馬して、次々回は引退という自分本位の人も少なくないでしょうけどね」(前出の選挙関係者)

キングメーカー2人の存在

 衆院最長老の伊吹氏が引退を決めたことで、その進退に注目が集まるのは伊吹氏に次ぐ高齢者の2人。自民党の二階俊博幹事長(82・和歌山3区)と麻生太郎財務相(80・福岡8区)である。

「二階氏は秘書をしている三男に後を継がせたいと思っているが、地元の調整が進んでいない。そのため、もう1期、自分が出馬するつもりでいるようです。本来ならば区割りが変わる前の次期衆院選で交代したほうがいいんですがね。和歌山には現在3つ選挙区があるが、アダムズ方式により1つ減って2つになってしまう。ますます二階氏の息子は出にくくなる。

 麻生氏も同様に親族への世襲を望んでいるようだが、現在は権力の中枢にある。今秋の衆院選の後になりそうな自民党総裁選でも『キングメーカー』として権勢を振るいたいと考えているため、まだ引退しないだろう」(自民党議員のベテラン秘書)

 衆院選をめぐって自民党内では、比例候補に適用する「73歳定年制」を堅持してほしいと考えている若手と、撤廃を望むベテランで綱引きも始まっている。国政選挙に勝利し続けた安倍政権時代に自民党議員の高齢化はどんどん進んだ。「人生100年時代」といわれる昨今だが、定年制導入の必要性を訴える声も強い。

(文=編集部)

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パチンコ白熱する「万発」バトル!派手な出玉攻勢も見せた終盤戦…「最強の座」に輝いたのは!?

 最強の家パチ機種を決定する777TOWNパチンコ選手権「家パチーロ」がクライマックスを迎える。厳選された20機種から生き残った6台のマシン。いずれも名のあるタイトルであるが、頂点に立つのはどの機種か。

 準々決勝の第1試合は『CRスーパー海物語IN沖縄4』と『CRルパン三世~消されたルパン~』。攻撃力に優れた『ルパン』と抜群の安定感を持つ『沖海』の戦いはお互い2連チャンと互角の攻防だが、ラウンド振り分けのない『沖海』がわずかに上回り勝ち名乗りを上げた。

『ルパン』の圧倒的攻撃力を堅牢な『沖海』がうまく押さえ込みながら勝利を手繰り寄せたといった格好である。

 第2試合。『CR新世紀エヴァンゲリオン~使徒、再び~』vs『ぱちんこGANTZ』も第1試合と同じような構図。小当りRUSHを世に知らしめた出玉性能に特長を持つ『ガンツ』に対し、どこまで『シトフタ』が肉迫できるかといった図式であろう。

 単純な出玉力勝負を挑めば勝機が薄い『シトフタ』はロースコアの試合に持ち込みたい思いとは裏腹に5連チャンで7000発超えと気を吐いた。ただ、この展開なら分のある『ガンツ』、1000回ハマリと初当りには見放されたが、初当りで確変を掴むとここからがすごかった。

 次の当りで小当りRUSHに突入すると384回ハマリで8000発。さらに16ラウンドを何度も上乗せさせ一気に1万5000発の荒稼ぎを見せたかと思えば、その後も確変と小当りRUSHと継続させ、最終的には1万8000発オーバーの出玉を吐き出したのである。

 この乱打戦に触発されたのか、準々決勝最後の対戦で登場した『CRリング~呪いの7日間』も鋭い攻撃を展開。連チャン率は約76%とそれほど高いものではないが、2000発の出玉感を持つCRマックスタイプの面目躍如といったところか9連チャンで1万3000発に迫る出玉を一撃で引き出した。

 こうなると確変当りがマストとなる『CR竜王伝説』は2回ループにおける確変突入率の弱点をつかれ単発に沈む。

 こうして出揃ったベスト3。トーナメント表通りなら『沖海』の決勝進出が決定となるが、ここで準々決勝の結果を考慮した方式を採用し、2万発に迫る出玉を獲得した『ガンツ』が決勝にコマを進め、『沖海』と『リング』で決勝進出決定戦を行うことに。

 もちろん、白熱した試合を生み出すためのレギュレーションだったのだが、単発、2連の塩試合に。ただ、これ怪我の功名というべきか、奇しくも出玉がわずか2発の差という超接戦。1475発の『リング』に対し1477発の『沖海』が辛くも勝利を収めたのである。

 いよいよ決勝。その舞台に足を踏み入れたのは、パチンコの王者『海物語』の血を引く伝統強豪『CRスーパー海物語IN沖縄4』と小当りRUSHというマイナージャンルながらトップクラスにまで登りつめた伏兵『ぱちんこGANTZ』の2機種となった。

 連チャン戦に持ち込めば『ガンツ』有利。一方、手堅い試合運びでゲームをまとめたい『沖海』の攻防は、意外な決着を迎えるのである。

 46回で確変を引き当てた『沖海』は3連チャンで約4500発となかなかの好位置につけると、準々決勝でパワーを使い果たしたのか、自慢の出玉が単発で不完全燃焼となった『ガンツ』は1000発をひねり出すのが精一杯と自爆気味。

 こうしてミドルタイプ次回ループ+時短100回の伝統的な王道スペックである『CRスーパー海物語IN沖縄4』が栄冠を勝ち取った。バーチャルの世界でも『海』強し。そんな結果となった777TOWNパチンコ選手権「家パチーロ」である。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA「関東の有望株」は横山武史だけじゃない!? 先輩騎手の厳しい当たりにも怯まない若き勝負師の顔、「脱臼」古川奈穂にもフォロー…… 夏の菅原明良に飛躍の予感

 デビュー3年目の若手・菅原明良騎手にとって、飛躍の1年となっている。

 先週の開催を終え、早くも35勝を挙げて自己記録を更新した。31勝のデビュー年、30勝だった2年目の昨年から勝利数は大幅増。2月の東京新聞杯(G3)では重賞初勝利も飾っている。全国騎手リーディングでも堂々の14位と申し分ない成績。上半期でこの調子なら後半も大いに期待できそうだ。

 菅原騎手はデビュー前から評価も高く、高木登調教師のバックアップもあって初年度から好成績を収めた。一時、落馬などの影響で馬込みを怖がるというか、捌けない時期もあったが、昨秋くらいからそういった点も克服してローカル開催で頭角を表し、ついに今年の新潟ではリーディングを手に入れた。

「関東は長らくベテラン勢が幅を利かせていましたが、横山武史騎手に次ぐポジションを確立しつつあります。前開催は東京で騎乗していましたが、度々人気薄を上位に持ってくるなど、かなり存在感がありました。

ベテラン勢が暑さや斤量を理由に騎乗数を制限する中で、常に1日10鞍前後の騎乗馬が集まっています。これには本人も『1日12鞍の全鞍騎乗もしたのですが、さすがにきつかったですね。最後はバテバテでした。ただ、それだけ多くの依頼を頂いているので、しっかり体力をつけて常にベストな騎乗ができるようにしたいです』と謙虚な回答でした」(某TM)

 とはいえ、そんな好青年も勝負となると話は別で競馬となると性格が変わる。

「先輩騎手相手にも怯まず挑んでいるのは好印象です。以前、レース中に進路を意図的に締められたり、馬をぶつけられた時には『僕が後輩だからって舐められました。絶対に許せない。後でやり返します』と凄い形相でした。そういった反骨精神、勝ち気な性格は勝負師向きですよ。それは後輩の騎手に対しても同じです。

今年の新潟ではちょっとした事件もありました。デビューしたばかりの古川奈穂騎手がレース中に肩が外れるアクシデント。その直後にいた菅原騎手は上がってくるなり、『危ないじゃないか!大事故になったらどうするの⁉そんな状態で乗っちゃ駄目だよ』と厳しく叱責。周りのジョッキーも菅原明があれだけ怒るのは珍しいと話していました」(同)

 その一件が手術の後押しになった訳ではないだろうが、古川奈騎手はその後に手術を決断。実は菅原騎手自身も落馬で周りに迷惑を掛けたり、大怪我をしている経験もあったので余計に過敏になっていたのかもしれない。

 とはいえ、競馬終わりには古川奈騎手にしっかり説明して、フォローもしていたというから、決して感情だけに任せた発言ではなかったようだ。

 最近では関西の有力厩舎から騎乗依頼も増えるなど、ノーザンファーム天栄の場長からの信頼度も上がっていると聞く。最近の若手のように浮かれた言動も見られないので、このまま結果を出し続ければ、秋には大舞台での活躍も期待できるだろう。

 中山競馬場の前でお店をやっている両親も息子の今後が楽しみで仕方がないのではないか。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

ANA労組、“御用組合化”の実態…CAの過酷労働が改善されず、理不尽な待遇が放置

 本連載では、全日本空輸(ANA)が客室乗務員(CA)に対し、相互監視体制の下で見せしめ的な評価制度を実施していることや、SNSのプライベートな利用まで監視して「不適切な投稿」を発見した場合に、数時間にもわたり密室で「お説教」をしたりと、異常なまでの統制を敷いている実態を報じてきた。今回、労働組合が極度に御用化し、CAなど現場から批判が上がるのを困難にしている構造について、明らかにする。

組合員の7割を占めるCAが、執行部にたった1割という歪な男性優位

 総合職、地上職員、CAが加入するANA労働組合(以下、ANAユニオン)の内情についてご紹介しよ
う。

 筆者が入手したANAユニオンの資料によると、2020年7月時点の組合員数は1万2621人で、CAは8426人と66.8%を占める。単純に数からいえば、CAの発言権が強まってもよさそうなものだが、ユニオンの役員構成を調べると、中央役員(執行部)29人中、CAはわずか4名と全体の1割程度しかいない。なお、ユニオン内の東京客室部(7912人)は3部に分かれており、それぞれ支部委員長と書記長がいるが、委員長ポストは3人ともCAであるものの、3人の書記長はすべて男性総合職が占めている。

 2019年8月1日から20年7月31日までの会計報告を見ると、専従の年収補填などに使われる人件費は2億1368万円かかっているが、これもほとんどが男性総合職の組合員に支払われるものと考えられる。

 ANAユニオンは入社時に全員加入することが事実上強制となっており、月額6800円(コロナ禍による減給後は6500円)を上限として基本給の1.9%を組合費として徴収している。新卒CAは月給の基本給が18万円程度なので、3500円近く徴収される計算になる。現在のようなSNSの監視体制を敷かれたり、眼鏡が禁止されたり、妊娠したら無給休職の選択しかなかったりという労働環境を強いられる現状が改善される兆しもないようでは、あまりに支払い甲斐のない出費といえよう。

労使が完全に一体化

 通常、労働組合とは、組合員の処遇改善などの要望を会社側に伝え実現させることを目的とするものだ。ところが、ANAユニオンは完全にといっていいほど、労使が一体となっているのだ。それがよくわかる資料をご紹介しよう。コロナ禍が本格化する前の19年7月のユニオンニュースの客室専門部の記事がそれだ。以下、原文のまま引用する。

~客室専門部の活動トピックスについて紹介します!~

2019年度は、2020年までに「ANA流JapanQualityのOMOTENASHIで世界一」になるための重要な1年であるとともに、「基本品質の総仕上げ」の年でもあります。この重要な1年の基盤となる「2019年度客室センター運営方針」と「客室センター人員計画」について会社に確認しました。

<2019年度客室センター運営方針>

会社との意見交換では、運営方針の達成に向けて、管理職が自ら率先垂範して取り組む強い意志を確認できました。2020年までに「世界一」となるためには、労使で一丸となって、運営方針の重点項目を「やり切る」必要があります。そのためにも客室センターの一人ひとりが互いに支え合いながら、日々の業務における「まずは、やってみよう」の風土醸成や、「人づくり」・「組織づくり」をおこなっていくことが大切です。

<2019年度 客室センター人員計画>

人員計画は、客室センター運営方針やCA一人ひとりの働きがい・やりがいを実現するための 「土台」 なります。新規路線就航などの環境変化にも対応した計画であること、「人づくり」・「組織づくり」 に向けて 稼働投資や会議体の工夫がされていることを確認しました。ユニオンは、運営方針や人員計画で検討されている各種施策が計画どおりに進められているか、引き続き、職場状況を点検していきます。

――引用ここまで――

 これがユニオンの活動トピックスだという。前述した通り、本来、労働組合とは、会社施策が計画通り進められているかをチェックする存在ではないはずだが、「2020年までに『世界一』となるためには、労使で一丸となって、運営方針の重点項目を『やり切る』」というように、労使が完全に一体化している。しかも、「新規路線就航などの環境変化にも対応した計画であること、『人づくり』・『組織づくり』 に向けて稼働投資や会議体の工夫がされていることを確認しました」というが、ANAがコロナ禍前の19年まで新卒から国内線と国際線のどちらにも乗務させるという無理筋な教育方針をとっていたことに加え、「魔のロサンゼルス1泊4日勤務」の前に国内線に2日乗務するという超ハードスケジュールをCAに強いていることからすれば、まったくナンセンスだといわざるを得ない。

ANAユニオンは1980年代後半の国際線就航から急激に御用化

 ANAでは、国際線の就航が始まった1986年以降、急激に会社側の御用化が進んだ。当時の経営幹部は国際線に経営資源を集中する方針を掲げ、労働組合の役員を入れ替え、会社に協力的な組合に変えようとする圧力を職場にかけたという。以下は当時をよく知るANAの元CAの証言。

「特に90年前後から労働組合の役員選挙に、管理職に近いチーフ層のCAが次々と立候補するようになり、『この人に投票するように』という上からの指示により、皆はその通りに投票せざるを得ない状況になりました。気がつくとそれまで職場の要求実現のために頑張っていた組合役員が全員落選させられ、1994年以降は、労使協調の役員ばかりの組合になっていった」

 労働組合が労使協調路線に転じて以降は、坂道を転げ落ちるように雇用や労働の条件悪化が続いたという。順番に挙げていこう。

 1995年には契約制が導入された。入社から3年間は契約社員として勤務することを余儀なくされ、正社員になっても賃金や福利厚生などが大幅に下げられることになった。(ANAでは2014年から正社員採用が復活しているが、これは東京五輪を見据えた国際線の急激な拡大路線によるもので、その教育制度や採用のずさんさは本連載第4回をご参照)

 さらに、1996年には乗務手当65時間保障制度が廃止された。現在のコロナ禍のようにフライトが激減した場合でも、一定程度生活を保証するものであるが、これがゼロになった。現在、CAが手取り15〜16万円という東京都内では生活に困るレベルの生活を強いられている元凶はここにある。一方、パイロットには今も乗務手当保障があり、同じ機上勤務の職種でCAだけ廃止というのは、ジェンダー平等の観点からも問題といえる。

 2000年代に入ると、大橋洋治相談役が02年以降に主導した200億円の人件費カットで基本給が5%減給され、03年には通勤手段のコストもカットされた。具体的には、長距離国際線乗務の後は疲労を考慮し、タクシー配車が認められていたが、一切なくなり、午後11時以降でなければタクシー使用が認められなくなった。こちらも、パイロットのタクシー配車は廃止されなかったが、「CAは時差のある長時間フライトの後でも重い足取りで電車などの公共交通機関で帰宅せざるを得なくなった」(ベテランCA)。

 04年には、CAの月間乗務時間制限がそれまでの90時間から100時間に延長された。1日の平均乗務時間が3.5時間~4時間として月に2日~3日長く働くよう、負担が重くなった。なお、JALではこの当時90時間、現在でも95時間制限となっている。

 05年には基本給だけでなく乗務手当についても会社の「評価」により差がつくようになった。この評価制度は、全体の乗務手当の切り下げだけでなく、「ものが言えない」職場づくりの要因にもなる、世界でも例をみないものであった(こちらについても連載第1回をご参照)。

 08年には、国内線乗務者と国際線乗務者が分かれていた勤務体制が、「混合スケジュール」になり、いっそうの勤務の「効率化」が進んだ。それ以前は、パリやニューヨークなど長距離国際線の前後は休日、または休養日だったのが、国内線も飛べるようになった。その後、10年代半ばごろからは、国内線を2日間飛んだ後3日目から長距離国際線2泊4日を飛び、その後の休日はわずか2日間という過酷な勤務パターンもつくられるようになった(具体的な勤務スケジュールなどについては連載第2回をご参照)。

 この苛酷な6日連続勤務を改善してほしいというCAたちの声はANAユニオン内でも無視され、14年以降、ニューヨーク線の後、現地で亡くなるというCAの悲報が何件か続いたという。

安全文化には自由に発言できる環境が必要

 以上のように、ANAではCAが労働条件の改善要求を通すことは事実上不可能に近い。本来、経営側に問題を訴えるべき組合が、経営側と完全に一体化している以上、ANAが掲げる「打倒JAL」「国際線至上主義」の目標に向かっていく過程で、90年代以降にCAの賃金や福利厚生などにしわ寄せがいくのは当然の流れだった。

 JALではCAの労働組合が独立して存在するが、「ANA経営陣は社員の過半数を占めてきたCAが団結するのを嫌い、会社優位を崩さないために絶対にそれを認めなかった」(ベテラン社員)という。こんな状況では「眼鏡NG」「制服はスカートしかない」といった意味不明な規定や、妊娠した途端に無給休職しか選択肢がないという、女性社員の人生に対して無理解な制度設計がまかり通るのも無理はなかろう。先のベテランCAはANAの現状について以下のように憤る。

「新人の基本給についても総合職とCAでは3〜4万円程度の差があり、CP(客室責任者)の1時間あたりの乗務手当も副操縦士の半額以下です。また、パイロットには乗務手当にさらに上乗せされる職務手当がありますが、こちらはCAには廃止されました。総合職もパイロットもそれぞれ重要な仕事だとは思いますが、あまりにCAばかりが不公平に下げられています。

 海外の場合、CAに国家ライセンスが付与され保安要員としての役割が明確化されていますが、日本ではそのような制度はなく、CAはサービス業として位置づけられています。男性目線で『単なる空飛ぶホステス』のような位置づけとして軽んじられている証拠です」

 一便あたり数百人もの乗客の命を預かる航空業界では、現場からの率直な意見が経営幹部の耳に届きフィードバックされるという回路が確保されるかどうかが、安全に直結する。このような上意下達、男性総合職が取り仕切るような組織文化が改善されない限り、乗客の一人としては甚だ不安である。ANAはナショナルフラッグキャリアと自称している以上、これらを是正する必要があるだろう。

 ANAでは労使一体化で、ユニオン役員になることが出世のワンステップとなっているが、その弊害についても改めて報じる。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

記者クラブ問題や防衛、航空、自動車などを幅広くカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや⽂春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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UUUM、ライバーとの資本提携は”コレコレ封じ”?リスナーの懸念に飯田会長が回答

 6月28日、ユーチューバー事務所のUUUMがとライバーが資本業務提携すると発表した。UUUMは「HIKAKIN」や「はじめしゃちょー」「フィッシャーズ」「東海オンエア」など人気ユーチューバーが数多く所属する、業界でも最大規模の事務所。一方のライバーは、”生配信の王”の異名を取る「コレコレ」を筆頭に、ライブ配信に定評のあるクリエイターが所属している。

 両社は、「関係値を強化し双方のアセットを最大限活用することにより、両社所属クリエイターの価値向上につながるという考えで合意し、本件資本業務提携契約に至りました」と揃って発表。

 いずれも詳細な資金の額や契約内容については言及していないが、UUUMがライバーに出資して株式を所有するかたちだという。

 コレコレはリスナーからの情報提供をもとに、ユーチューバーなどの配信者たちのスキャンダルを追及するスタイルが人気で、”YouTube界の文春”などともいわれる。これまでにも数多くのユーチューバーの不祥事を取り上げており、それが発端となって活動休止や謝罪発表等に追い込まれたケースも少なくない。

 UUUM所属のユーチューバーでも、フィッシャーズの「ぺけたん」がファンの女性と”不適切な関係”をもっていたことが発覚して事実上の引退へと発展したり、「ワタナベマホト」が未成年女性にわいせつ画像の送信を強要していたことを取り上げてマホトが逮捕されるに至るなど、たびたびコレコレのライブで不祥事が暴露されてきた。

「最近でも、UUUM所属のユーチューバー同士のいじめ問題を取り上げ、物議を醸した例がありました。『かつや』が、3年にわたって『きょんくま』からいじめられているとして、コレコレに相談。かつやは事務所に相談したものの、介入には難色を示されたことから、自力での解決は困難と判断してコレコレを頼ったようです。しかし、コレコレが生配信でこの問題を取り上げようとしたところ、ライバー社の飯田祐基会長からストップがかかり、翌日にはかつやときょんくまがそれぞれ和解したと発表。UUUMがコレコレのチャンネルで発表されることを嫌い、重い腰を上げて介入したことは明らかです」(芸能記者)

 また、昨年も「レペゼン地球」の不祥事をコレコレが取り上げた際、レペゼンのリーダーである「DJ社長」が飯田会長と親交があることから、会長経由でコレコレに年末の解散ライブまでネタを封印するように依頼し、コレコレもそれに応じた。

ライバー・飯田会長、コレコレの活動が制限されることはないと明言

 飯田会長は自身のTwitterで、UUUMとの提携によってクリエイターの行動を制限することはないと説明したが、過去にコレコレに発信制限をかけていたことを知るコレコレチャンネルのリスナー(コレリス)からは、今後コレコレがUUUM所属のユーチューバーのネタを扱いづらくなるのではないか、と懸念する声が続出。

 そんな声を受けて6月29日、コレコレの生配信に飯田会長が登場して自ら事情を説明した。

 コレコレは配信のなかで、過去にチャンネル登録者が50万人を突破した際、UUUM所属のユーチューバーにコラボを持ちかけたが、突然ユーチューバーが音信不通になったことがあると明かした。のちに、そのユーチューバーはUUUMの社員から「コラボをしないように」と歯止めをかけられていたことが判明。ほかにも、UUUMから自身が目の敵にされている節があると語った。

 さらに、万一、UUUMとの提携によって今後、配信に制限がかけられるようなことがあれば、事務所を辞めることもあり得るとの思いを述べると、飯田会長はUUUMとの提携はライバー所属のクリエイターにとって選択肢を増やすものであって、メリットはあるがデメリットはないと強調。また、コレコレの個人配信に対して制限をかけることはできない、と確約をとったうえで提携していると説明して理解を求めた。

 Business Journal編集部としてもライバー広報部に、「仮にUUUM社のクリエイターに関するネタがコレコレのもとに届けられた際、UUUM社に対して忖度せずにコレコレチャンネルでの配信を認めるか」と問い合わせたところ、同社代表取締役CEO・市川茂浩氏より以下のように回答があった。

「弊社はクリエイターの意向に最大限沿った対応をさせていただくポリシーをもって創業し、現在もそのような経営指針を維持しておりますので、今後もそのポリシーに準じて経営判断を行ってまいります」

 くしくも提携を発表する直前に、UUUM所属のユーチューバーをはじめとした30人を超えるユーチューバーたちが緊急事態宣言下に、深夜まで飲酒やカラオケなど大宴会を開いていたことが週刊誌に報じられた。そのため、このネタをコレコレが扱わないようにUUUMが資本を投入したとの声もあったが、提携の話はかなり前から進んでいたとコレコレも証言。

 ユーチューバーへの注目度が上がり、不祥事が話題になりやすくなったが、一般企業とは異なり、倫理観や社会常識などを教育する体制が確立されている事務所は少ない。今後もユーチューバーの不祥事が社会をにぎわすニュースは続く可能性は高い。
(文=編集部)

5万円でできるのに1千万円も費用投下?“過渡期のAI”導入がDXを遅らせる!

 このタイトルを見て、「え? AIDXの邪魔をするって?」とびっくりされたかもしれません。ここで、本連載バックナンバーの『文書の承認フロー改良、悲喜こもごも』の節で(唖然と)眺めた、ハンコ押しロボットを思い出してみください。DX(デジタルトランスフォーメーション)の起爆剤となったCovid-19の第一波直前の発表でした。ITmedia NEWSの元記事のタイトルに「なぜ開発?」、末尾には、「“中継ぎ”としての利用が最適?」とあります。「なぜ開発?」は明らかに反語の勢い、つまり、(本来のペーパーレス化によるDXをやらずに)「なんでこんな時代遅れな発想に無駄に開発コスト、導入コストをかけるのだ?」と問うています。遠慮がちながら、その証左が以下の結語にあります。

「ハンコ文化から抜け出せない企業は、長期的にはペーパーレス化を視野に入れつつ、実現までの“中継ぎ”としてこのサービスを利用するのがよさそうだ。」

ハンコ押しロボットは葬り去られても……

 コロナ禍による強制テレワークで、社内でも企業間取引でも、承認・契約のプロセスや証拠文書づくりを簡略化した現場が多いことでしょう。「紙 × ハンコ・署名」の良いところは、複製を非常に困難にし、唯一性を保証できること。2者間契約なら原本を2部作成して双方で保管することで、さまざまなトラブルを未然に防げていたといえるでしょう。

 しかし、物理的に保管している場所に行かねばアクセスできません。また、承認作業に時間がかかります。社外取締役が多いと、その人数分、取締役会の議事録の承認に、人数分の回数+1回郵送し、紛失リスクを恐れつつ、数週間、押印完了を待って、やきもきします。これを、印章の朱色の画像をPDFに貼り付けることで代替するという最小限の電子化を行っただけでも、劇的に承認系統を回るスピードは上がります。しかし、当然ながら、その程度の電子文書の証拠能力は低く、改ざん(tampering)などの不正の起こる確率は激増します。

 そのため、拙稿では「本来、業務フローを機械前提に1から見直し、ゼロから再設計すべきです。この例でいえば、真っ先に、改ざん不能な帳票を安全にやりとりできるブロックチェーンで、100%デジタルデータによる高速、無形の承認フローを構築しようと考えるのが本来のDXでしょう」と書きました。ブロックチェーンは、仮想通貨よりも、このような用途のほうが劇的に経済社会を変貌させるポテンシャルをもっているのです。

深層学習の画期性がDXの過渡期を支えたが……

 セキュリティに不可欠となってきたAI(人工知能)を取り上げた前回は、日本のインターネットの父、村井純さんによるDXへの大いなる期待を紹介しました。そこでは、ただデジタル機器を導入するのではなく、データや判断、意思決定の流れそのものをデジタル上で完結させ、高速化することが熱く語られています。このようなDXで前面に打ち出す目標は、「業務改善」。それも、若干の効率化ではなく、10倍、100倍のスピードアップや、AI活用による均質さ(むらのなさ)、人には辛い業務の高精度化、省力化が目標となります。

 イメージネット(ImageNet)を活用して認識精度のブレークスルーを起こした画像認識AIは、「人間の目の役割」を果たせる画期的なものでした。入力(画像)と出力(写ってるものの名前)のペアを大量につくって正解データとして与えれば、プログラミングなしで写真に何が写っているかを90数%の高精度で正解できるようになったのです。

 プログラミングレスということ以上にビジネス上大事なのが、これは「暗黙知をキャプチャー」する、人類史上最初の道具だという点です。暗黙知とは、例えばミカンやカキの写真を見て、その写真がどちらであるかを言い当てられる能力です。「いや、私は数式と論理的思考を積み重ねてミカンかカキかを見分けてる!」ですって? では、さまざまな形、色(橙色~緑色~黄色)、形状、肌合いのミカンとカキの違いを100%完全に識別できるように言葉(日本語)や数式で説明してください。それに10万ページ使っても結構です。え? 「やっぱりできない」。そうですよね。形式知化が不可能な、根っからの暗黙知ですから。

 深層学習の登場は、上記の意味で、本当に画期的でした。人類史上初めて、暗黙知をそのままキャプチャーする道具が現れたのは本当に凄いことです。でも、だからといって、それをそのまま「社会実装すれば必ず役立つはず」なんて言うのはナンセンス。上から目線の言語道断なセリフとして、産業界のミカタとしては拒否すべし! と唱え続けてきました。大工道具、台所用品と同じく、適材適所でさまざまな道具を使い分けて業務改善できてナンボなのが産業界、経済界ですから。

ある建設関係会社さんからの画像認識AI開発依頼

 AIブームの最初の5年間(2017年末頃まで)は、(将来の)AI万能論者からも、AI脅威論・大失業論者からも、AIが今の業務を9割代替するとの主張が猛威を振るってしまいました。筆者は7~8年前から現行業務の3~30%の代替率と主張。これではAIをめいっぱい導入しても人手不足になるので10倍の効率化、利便性・快適性向上を達成する根本的DXが必要と一貫して主張してきています。

 そんな私に対して、「基本データを取り、600枚のグラフを描いたら疲れちゃった。その意味を考えて論文を書いてくれるAIを100万円くらいで作ってくれないか?」と言ってきた研究者もいれば、「団塊の世代が前倒しで5人退職することになり真っ青。彼らのアパレルデザイン、布の無駄のない型紙作りから数百種類の雑用をやってくれるAIを5体よこしてほしい。AIは安くなんでもできると経済の先生とかも言っているので、1体150万円くらいの買い取りでいいか?」と本気で言ってきた中小企業経営者もいます。

 前者に対しては、「現在の技術では不可能です」と答え、後者に対しては「10兆円出しても彼らが1日に職場でこなすすべての仕事をこなすAIは作れません。とくに雑用は不可能です」と答えたところ、「何で囲碁のチャンピオンを破れるほど優秀なのに、雑用みたいに簡単な仕事ができないのだ?」と聞かれます。毎回丁寧に回答していたら、いくら時間があっても寝る暇がなくなるので、『人工知能が変える仕事の未来』や『最強のAI活用術』や『AIに勝つ!』を書いた次第です。

 一昨年のことですが、ある建設関係会社の現場責任者さんから、切迫した様子で電話がかかってきました。建設作業員が7つ道具(20くらいあるようですが)の持ち出し漏れがないように、

 黒板だかホワイトボードにチェックマークをいろんなペンで書いてもらってるが、皆さん面倒なので書きなぐっていて、かすれたり大きくずれたりして人には判読困難。そこで、人間より賢いAIに、人間以上の精度で読み取ってほしい、というのです。

 内心、「うーん、余計な線や画像で読み取りにくくした文字列(captcha)を入力させてロボットがログインしようとしているのではないと判定できているのは何故か? と考えたことないのだろうか」などと思いつつ、30分ほどかけて、拙著のポイントを丁寧に解説しました。常識、バランス感覚のなさを指摘すると過半数の人が昂然とキレかけたりするので用心した次第です。

長電話で潜在顧客を諭したこと

 さて、お客様相手にもつい正論を喋ってしまう私は、どう続けたでしょうか? 電話を受けたのが、ディープラーニング専業さんや、画像認識の受託開発の企業であれば、「夢が現実となったみたいな素晴らしいAIが見事に解決します!(ただし精度の話はあとで……)」とばかり、正解データ作りの概要を教え、1000万円~の見積もりを絶妙のタイミングをはかって提示し、さらに正解データをお客さんに作ってもらう交渉をうまく進めていたことでしょう。

 ここで「過渡期」の話を思い出してみてください。アナログな紙やパネルに書かれた文字を読み取ったり、音声を聴き取って文字列に起こしたりするAIは、なぜ必要なのでしょうか? それは、業務連絡を手書き文字で運用していたり、紙に印刷したり、電話でしゃべって情報をやりとりするという、旧態依然の非効率な業務フローがあってこそ存在できるAIだったのです! 目で見て、耳で聞いて「認識」する作業。ベーシックな(単価の安い)人間チームの非効率な仕事、業務連携を前提としてしまっている。つまり、文字認識や音声認識のAIを組み込むこと自体が、非効率な業務フローの温存につながってしまうのです。

 こんな過渡期のAIは、出来れば使わないほうがいい。先述のブロックチェーン活用による企業間承認フローのDXなどで、ビジネスが桁違いにスピードアップ、爆速になると期待されます。似たようなエピソードは、

・10万円給付金の手続き10倍効率化

・ドイツのように前年の確定申告額に原則比例するロックダウン保証金を出すワークフローを迅速に確立

・マイナカードに代わる安全なスマホアプリをオンラインで365日24時間取得・設定

といったことの実現への期待となっています。待ったなしの課題として、多くの国民が認識したのは素晴らしいことです。ワクチン接種についても冗長過ぎる事前チェックを廃し、電話やウェブで数百回リトライするなどの無駄を排し、オンライン問診を含めて最高の効率と品質を達成する理想のワークフローを作る必要性を、国民の大多数が痛感していることでしょう。命に係わることですから!

 さて、先ほどの長電話の続きです。

私:「お客さん、AI開発はやめましょう!」

お客様:「え―っ?」

私:「65インチから43インチくらいの安い大型モニタと、軍手してても楽にポインティング操作できる大玉トラックボール、そして、巨大なエンター・キー (笑)を買ってください。既存のPCを流用すれば、予備部品含めて、システム全体で5万円でお釣りがきます」

「そして、Excelに簡単なマクロを組んで、自分のIDカード(QRコード)をかざしたら自分用のチェック表が巨大画面に表示されます。「携行品持ったか?」の各欄には、その携行品の画像とともに「No(無)」と表示されてるので、その種類の数だけ、ビックエンターキーをぶん殴れば確実にチェック完了です。画像のおかげもあって、持ち出してなければ叩けないので、取りに帰って再チャレンジ。途中までのチェック結果は自動保存されており、他の人が別IDで割り込んでも、再びQRをかざせばチェックを再開できます。1秒に5回は叩けるので携行品が20種類あっても、4秒で完全なチェックが完了。いかがでしょうか?」

お客様:「す、凄い。凄すぎる。今まで、癖字やカスレ文字を読み取るのに肩凝らせて大変な苦労をし、それをExcelに一生懸命入力していました。その苦労を人間より高精度なAI(私:「このノイジーなデータは無理ですよ~」)に肩代わりさせようとしていたのですが、そんな必要ないのですね? Excelマクロですが1000万円以下で組めますか?」

私:「原価1万円。儲けを入れてもせいぜい3万円か5万円でしょう。IDカードの認証の部分は出来合いのものをもってきて、APIでエクセルから呼ぶようにすれば新しく作る必要ありません」

お客様:「どうも、どうも、本当にありがとうございました。目から鱗でした」

私:「いえいえ、どういたしまして」

結局どう気をつけたらよい?

 結局、「AI使うなんて愚の骨頂ですよ!」と強烈にアドバイスして、2時間の通話を切りました。売り上げゼロで、代表取締役の貴重な時間を費やし、機会コストのリスクを冒(おか)しました。もう2年も経ったので時効ということでごめんなさい!>メタデータ社の株主の皆様。

 いやー、こうやって正直にお話をして、ご発注を断っていると、他社では不可能と言われた、あるいは実際に失敗した難しいAIの開発を、少ない残りご予算で遂行という辛い道を歩むことになっちゃいます。後進のベンチャー企業さんには、決してお薦めはしませんが、まぁ、うちは本業はAIによるテキスト分析アプリというパッケージの開発ですので、その余力でできる範囲で上記のような社会貢献を果たそうとする次第です。

 まとめますと、まずアナログ情報を認識する系のAIは、旧来の非効率な業務フローを前提としているので、多くは過渡期のAIであること。そして、そこを一足飛びに超えて(leapfrog!)、次世代のDXに容易に移行できそうなら、過渡期のAIなどつくってはいけない!「社会実装」などと上から目線なことを言ってAIをありがたがらせ、本格的なDXを遠ざけるような罪作りは厳に戒められねばならなかったということであります。

 そんな失敗をしないためには、ひとつには、もみ手で「なんでもできます、やります。AIは夢のように素晴らしい」とか胡散臭いことをセミナーで講演するような会社には眉唾で接すること。そして、斬新な業務フロー刷新を伴わない、過去の陳腐な事例を並べてくる業者には発注しないもひとつのコツでしょう。 くれぐれもお気をつけください!

(文=野村直之/AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員)

●野村直之

AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員。

1962年生まれ。1984年、東京大学工学部卒業、2002年、理学博士号取得(九州大学)。NECC&C研究所、ジャストシステム、法政大学、リコー勤務をへて、法政大学大学院客員教授。2005年、メタデータ(株)を創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、各種人工知能応用ソリューションを提供。この間、米マサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所客員研究員。MITでは、「人工知能の父」マービン・ミンスキーと一時期同室。同じくMITの言語学者、ノーム・チョムスキーとも議論。ディープラーニングを支えるイメージネット(ImageNet)の基礎となったワードネット(WordNet)の活用研究に携わり、日本の第5世代コンピュータ開発機構ICOTからスピン・オフした知識ベース開発にも参加。日々、様々なソフトウェア開発に従事するとともに、産業、生活、行政、教育など、幅広く社会にAIを活用する問題に深い関心を持つ。 著作など:WordNet: An Electronic Lexical Database,edited by Christiane D. Fellbaum, MIT Press, 1998.(共著)他

トウカイテイオー「最後の産駒」キセキノテイオー能検合格! 遅過ぎる7歳デビューに賛否も…… 「奇跡の仔」は父の血を繋ぐことができるのか

 28日、ホッカイドウ競馬の門別競馬場で行われた2度目の競走能力・発走調教検査を受検し合格した、キセキノテイオーが話題となっている。同馬を取り巻く問題は以下の通りだ。

 キセキノテイオーは2014年7月3日に生まれた。つまり現在7歳での競走馬デビューとなる。2歳や3歳でデビューすることが通常の競馬界では異例の遅さである。同馬は、遊馬らんどグラスホッパーという乗馬施設で生まれ、乗用馬として過ごしていた。

 しかし、昨秋行われたエンデュランス競技という長距離耐久レースで上位に入った事で、競走馬としてデビューを目指すことになった。競走馬デビューを目指す以前から種牡馬とする計画があったとされ、競走結果に関わらず種牡馬入りすることが決定している。

「7歳でのデビューは競走馬として遅すぎるため、そのまま乗馬としてゆっくりさせてあげればいいという声もネット上ではあるようです。さらに種牡馬となることが決まっているのなら、競走馬として厳しいトレーニングやレースに使う必要はないのではないかという心配もされていますし、既にクワイトファインというトウカイテイオーの仔が種牡馬入りしている為、賛否が分かれているようです」(競馬誌ライター)

 同馬のデビューは、完全な歓迎ムードとは言えない。ではなぜ、この馬がこれほどの話題となっているのだろうか。

 まず、トウカイテイオーの最後の産駒であることが考えられる。

 トウカイテイオーは現役時、幾度も骨折し、復活を繰り返した奇跡の名馬である。たとえ現役時代を見ていなくとも、ラストランとなった有馬記念(G1)の勝利は、伝説として競馬ファンに語り継がれている。

 キセキノテイオーは、そのトウカイテイオーの最後の産駒なのだ。母キセキノサイクロンにトウカイテイオーの種付けを行ったのは2013年7月10日。トウカイテイオーは8月30日に亡くなったため、この子が本当の意味で最後の産駒となってしまった。あのトウカイテイオーの血を引く子の走りを、最後に見られるかもしれないと思えば、競馬ファンなら気になるのは当然ではないだろうか。

「1度目の能検となった15日は1000メートルを1分10秒1で規定の1分9秒0に及びませんでしたが、28日には1分8秒6で合格を果たしました。キセキノテイオー自身の努力もさることながら、岡島玉一調教師と石川倭騎手、乗馬施設の代表を務める荒井亜紀氏ら関係者の努力も尋常ならざるものがあったでしょう」(同ライター)

 母キセキノサイクロンにもドラマがある。

 キセキノサイクロンは2002年3月28日に新冠町の畔柳作次さんの牧場で生まれた。しかし翌年の8月9日に台風による洪水が発生。畔柳さんが飼育していたサラブレッド4頭が流されてしまい、そのうち3頭は死んでしまった。その生き残りがキセキノサイクロン。名前の由来が台風から奇跡的に生き残ったからなのだ。

「奇跡を起こした馬」トウカイテイオーと「奇跡で生きた馬」キセキノサイクロン、その両方の血と名前を継いだ「奇跡の子」キセキノテイオーの走りに、浪漫を感じざるを得ない。

(文=蓬莱貴生)

<著者プロフィール>
小五でダビスタにハマり競馬と出会い二十余年。馬券よりも浪漫を求めがちだが、WIN5を買い始めから二戦二勝したことが些細な自慢。なお、現在の戦績は数えないようにしている。

パチスロ最強の「ボーナス+RT」誕生!? 大都技研「ラスト4号機」のスピンオフが始動!

 大都技研(パオン・ディーピー)のパチスロ新機種『もっと!クレアの秘宝伝 女神の歌声と太陽の子供達』。

 レトロじゃない機種について書くのはちょっとだけ久々ですが、クレアのシリーズ大好きなんですよね。とにかくボーナスが軽くて遊べるイメージ。

 そもそも秘宝伝は2006年の4号機時代に予定していた次機種が間に合わず、お蔵入り濃厚だったものが代わりとして発売されました。大都のリリースする最後の4号機として設置期間は1年足らずでしたが、結果的に大ヒットとなりました。

 今では大都の看板機種といえますが、もしかしたら世に出る事もなかったかもしれません。シリーズ化される事もなかった可能性すらある…そう考えたら不思議なものです。

 パチンコ、パチスロ共にメーカーが自信を持ってリリースしたものが苦しい結果になったり、逆にそれほど力を入れなかった機種が大ヒットする事もあるのですから分からないものですね。

 今回のクレアは、その秘宝伝のスピンオフとしてリリースされたシリーズの最新作です。

 その第1弾は『はじまりの扉と太陽の石』、2弾が『眠りの塔とめざめの石』、3弾が『女神の夢と魔法の遺跡』、そして今回が『女神の歌声と太陽の子供達』となる訳ですが。どれもこれもRPGのサブタイトルみたいですね。

 全てRT搭載のAタイプですがどれもこれも、見た目からしてソックリです。全シリーズを通して全体的に黄色っぽい筐体と下部パネルには手を広げたクレアの姿が描かれており、正直見分けがつかないくらいです。

 2弾、3弾は現在も稼働中で並べて設置している店もあるのですが「ん、どっちがどっちだっけ?」ってなっちゃうこともあります。

 気になる出玉ですが最大300枚ほど取れたビッグボーナスも、今回は6号機という事で200枚ほどに。ただし現行の女神にも約200枚の異色BBがありましたので、それほど違和感はなく、すんなり受け入れられるかもしれません。

 クレア好きなら一度は触った可能性が高いと思われる同社の『PYRAMID EYE』。設定1でもボーナス合算約1/39の超ライトパチスロとして注目されたこの機種も、BB:約130枚、RB:約40枚というパチンコの「甘デジ」のような仕様でした。

 パチンコの甘デジも好きなのですが、パイオニア『Sハイハイシオサイ』や、10数年前にスマッシュヒットしたオーイズミ『元祖ハネスロ』のような、とことんボーナスの軽いタイプは軒並み好みでした。とりあえず、今回もまったりと遊べそうな仕上がりを期待したいです。

 あとはやはり演出でしょうか。

 通常時もそうですが特にRT中が楽しい! 押忍番長シリーズや吉宗シリーズなど、大都の人気キャラクター達が総出演する感じでファンにはたまらないところでしょう。

 私ごときの機械評価など全く当てにはなりませんが、とにかく個人的に早くホールで打ちたい!

 そう思わせる1台です。

 導入開始 8月2日~

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

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『テレ東音楽祭』“事件簿”…不倫報道の後藤真希がコラボ、元ジャニーズの映像放送

 テレビ東京で30日、17時40分から約5時間にわたって大型音楽特番『テレ東音楽祭2021』が生放送される。豪華アーティストのステージや、コラボレーション企画などにも注目だが、一部ネット上では放送前からちょっとした波紋が広がっていたようだ。

「今回、ジャニーズ事務所のアイドルとしてはV6、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Kis-My-Ft2、A.B.C-Z、Snow Man、HiHi Jets(ジャニーズJr.内ユニット)の出演が発表されており、ファンも楽しみにしている様子。しかし、番組公式インスタグラムが改めて出演グループを紹介した際、6月20日にアップされたSnow Manの画像は当初、ラウール、岩本照、目黒蓮、渡辺翔太、向井康二の5人しか写っておらず、残り4人のメンバー・宮舘涼太、深澤辰哉、阿部亮平、佐久間大介はカットされてしまっていたんです」(芸能記者)

 Snow Manファンは「ほかのグループは全員写ってるのに、なぜ!?」「どういう扱い? 悲しすぎる……」などと騒然。その後、番組公式インスタには9人揃った画像が再投稿され、「当初、Snow Man様のアーティスト写真がトリミングされた状態のままアップされておりましたので、再掲させていただきました。大変失礼いたしました」と、説明および謝罪のコメントを記載したのだった。

「放送前から不穏な空気が流れてしまいましたが、そんな『テレ東音楽祭』は過去の放送でも、いろいろな意味でネットをザワつかせています」(同)

 たとえば、昨年6月24日に放送された『テレ東音楽祭2020夏』では、すでに事務所を退所している“元ジャニーズ”の映像が流れる場面があり、ジャニーズファンに衝撃を与えた。

「関ジャニの映像では、18年の大みそかをもって退所した渋谷すばる、19年9月に退所した錦戸亮の姿が確認でき、NEWSの映像も放送直前の6月19日にジャニーズから独立した手越祐也込みのものでした。さらに、TOKIOの『AMBITIOUS JAPAN!』の映像には、18年に起こした事件で書類送検された山口達也の姿もあり、ネット上には驚きや喜びの声が飛び交いました」(同)

スキャンダル直後の後藤真希がAKB48とコラボ

 そんな『テレ東音楽祭2020夏』では、元モーニング娘。の後藤真希とAKB48のコラボが実現したが、こちらもネット上で物議を醸した。

「後藤といえば、1999年8月にモー娘。に加入すると、同9月には『LOVEマシーン』でセンターを務めたカリスマ的存在でしたが、02年にグループを卒業。14年に一般男性と結婚したものの、19年3月発売の『週刊文春』(文藝春秋)によって後藤の不倫が発覚し、批判を浴びました。そんななか、AKBとのコラボでセンターに立った後藤に対し、ネットユーザーからは『やっぱりゴマキのパフォーマンスはすごいけど、AKBが気の毒だな』『バックダンサー扱いのAKBが不憫』などと複雑な声が寄せられていました」(スポーツ紙記者)

 また、同番組にはモーニング娘。’20も出演していたため、「なんで後藤は後輩とコラボしないの?」「不倫したOGなんて、モー娘。サイドがお断りしたんじゃない?」といった指摘もみられた。

「いずれにせよ、後藤に話題を持っていかれてしまったAKB。今回の『テレ東音楽祭2021』では航空会社・ANAとコラボし、旅客機のなかで『365日の紙飛行機』を歌唱するそうなので、いつもと違うシチュエーションでファンを魅了してほしいですね」(同)

 一方、2015年6月24日放送の『テレ東音楽祭(2)』では、当時まだNEWSとして活躍していた手越と、AKB・柏木由紀をめぐる騒動が勃発。

「手越と柏木は同11日発売の『文春』に“抱擁写真”が掲載され、ともに『テレ東音楽祭(2)』に出演するということで、双方のファンから悲鳴が上がっていました。結局、AKBは事前収録での出演だったため、生放送に登場した手越とは“バッティング”しませんでしたが、手越がパフォーマンス中、スーツ姿の男性に抱き着いて見せ、これがネットユーザーの間で『柏木との密着写真を彷彿とさせる』『手越が“抱擁ポーズ”で柏木ファンを煽ってる!?』と話題に。ただ、批判ばかりではなく『さすが手越』と面白がる声も多かった印象です」(前出・芸能記者)

 今夜の『テレ東音楽祭2021』は、どのような盛り上がりを見せるだろうか。

(文=編集部)