タピオカブームの仕掛け人が、密かに仕掛け始めてる新たな“台湾ブーム”とは?

 飲食の世界では近年「タピオカブーム」があった。甘さのあるお茶の中にでんぷんで出来たボールがたくさん入っていて、その食感を楽しむというものだ。若者が集まる飲食店街で小型の物件はことごとくタピオカドリンクの店になった。そして、たちまち行列ができた。

 このタピオカブームは2018年から始まった。これは「台湾ブーム」が発端となったという。当時はインバウンドもさることながら日本から海外に渡航するアウトバウンドも活発で、「エイビーロード」(リクルートライフスタイル、2020年休刊)の「海外旅行調査2019」によると、台湾は渡航先ランキングで5年連続1位だったという。こうして、台湾フードに親しむ人が増えて、タピオカブームにつながっていった。

ブームに先駆けて「タピオカ」に着手

 このブームを享受した企業として株式会社Bull Pulu(本社/東京都豊島区、代表取締役会長/加藤二朗)が挙げられる。ちなみに同社が展開するタピオカ専門店「Bull Pulu」は、現在全国に74店舗を展開している(うち26店舗が直営/2021年8月末現在)。

 Bull Puluの1号店がオープンしたのは2010年のこと。ブーム到来の8年前である。台湾ブームも始まっていない。それは会長である加藤氏の前職での活動がきっかけとなった。

 加藤氏は大手流通・小売業に勤務していて、台湾に関わる機会があった。現地でタピオカが大きなビジネスになっていることを目の当たりにして「これは日本で大きなビジネスになる」と感じ取った。加藤氏は一方で父が事業とする飲食業もみていた。そこで「自分たちでできるのでは」と考えてタピオカ事業を立ち上げた。

 その後、知人から「FC(フランチャイズ)をやらせてほしい」という声が相次ぐようになった。しばらくして、日本では「台湾ブーム」が到来し、タピオカ人気を巻き起こした。加藤氏は、父の会社に本格的に関わる必要性を感じ会社に退社を申し出て、19年12月の退社がかない現在の会社に就いた。

 当時のタピオカブームはすさまじいものがあった。FC募集を公開していなかったが、知人からの要望が相次いだ。19年の1年間で40店舗を出店した。コロナ禍になっても、すでに出店が決まっていたところがあり、厳しい経営状況でありながらも店は増え続けていった。居抜きで出店するというパターンもいくつかあった。

 出店コストは、スケルトンからだと1200万~1300万円、居抜きであれば500万~600万円で出店可能。標準店は8坪、これで月商300万~400万を狙う。損益分岐点は200万円。これがタピオカブームの当時には1000万~1500万円を売っていた。

 しかしながら、タピオカブームは2020年に入り鎮静化した。その要因について加藤氏は、まず「2019年の終わりごろにブームが過熱して物件の取り合いが始まり、これによって家賃相場が上がるようになった」、さらに「コロナ禍となり、マスクをつけるようになったことでタピオカドリンクの“飲み歩き”ができにくくなったことが、これまでのタピオカファンを遠ざけるようになったのではないか」と語る。

「台湾カステラ」とドリンク事業を育てる

 同社がタピオカ事業と共に育てていたものが2つある。一つは「台湾カステラ」を持ち帰り品として拡販すること。もう一つは、同社の関連会社である株式会社ドリンクリンクの事業だ。

 前者の台湾カステラとは、日本のカステラと比べるときめが細かく濃密でクリーミーな食味であることが特徴である。カステラをはじめとした和菓子や、ケーキなどの洋菓子とも異なり、スイーツの選択肢を広げる存在である。

 Bull Puluの既存店では台湾カステラを焼成する機能を持つところもあるが、この商品の多くは東京・駒込の店舗や埼玉・和光の工場で焼成し、それを冷凍して各店舗に配送している。和光の工場では、この他、餃子の製造を行い、この年末からタピオカも製造してクオリティアップに磨きをかける。

 後者の事業とは、ドリンクリンクが輸入しているタピオカ、シロップ、茶葉などの商品をB to Bで飲食業者に提供していること。例えば同社のシロップを仕入れた居酒屋では、それを使用して自社オリジナルのサワーを提供したり、かき氷に使用しているパターンもある。これらの商品は日本のメーカーにはない、本場“台湾”を感じさせ、また使い勝手のよいことが既存のユーザーから喜ばれている。

台湾食文化を基軸とした「直営部門」

 加藤氏はコロナ禍にあって、「当社はこれからどのように進むべきか」ということを一生懸命考えたという。その結果「直営部門」と「フランチャイジー部門」の両輪で展開していこうと方針が定まってきた。

 まず「直営部門」は、これまで同社のタピオカ事業が大きく躍進することになった「台湾食文化」を基軸として推進していく方針だ。そこで、創業の事業であるBull Puluは“台湾ポップカルチャー”をコンセプトとして、現状の商業施設を中心とした立地で展開する。本場イタリアのエスプレッソクオリティを核としたコーヒーショップチェーンの「セガフレード・ザ・ネッティ」と業務提携を行い、ここのメニューを提供していくなど、タピオカに加えて多様なメニュー構成を取る。

 次に、「Bull Pulu カフェ」。これは台湾茶のカルチャーをコンセプトとして、駅ビル、百貨店に展開して、台湾茶が楽しめるほか、持ち帰りのスイーツを充実させる。

 そして、フード業態の「Bull Pulu Tenshin」「灯」。台湾屋台フードや豆花(トウファ)をはじめとした台湾スイーツを提供する。さらに、「生餃子 小籠包 餃子」。これは、生餃子の他に小籠包、餃子の販売店である。さらにBull PuluやBull Pulu TenshinはFC本部としての事業を推進する。

客層を拡大する「フランチャイジー部門」

 もう一つの「フランチャイジー部門」は、すでにフランチャイジーとしてさまざまな飲食店を展開していることを基盤として、これらを推進していく構えだ。

 まず、加藤氏の父の代に基盤をつくった長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」が現状2店舗存在する。次に、日常外食にエンターテインメントとこだわりの要素を提案するB級グルメ研究所が本部のナポリタン専門店「パンチョ」が1店舗存在する。さらに、台湾ではスイーツや台湾フードの人気ブランド「騒豆花」(サオトウファ)が1店舗存在する。

 そして、これから高級パン「みるく」を展開する。これは足立区北綾瀬の牛乳販売店が開発したブランドで商品にはプリンやソフトクリームもある。これが業態として加わることによって、同社のターゲットがこれまでの若い女性中心といった固定的なファンから老若男女へと大きく広がることが想定される。

 コロナ禍以前の同社の年商は27億円であったが、コロナ禍で15億円となった。それを今期19億円に巻き返し、5年後40億円を計画している。同社がこれから成長していく場所として想定している場所の多くは商業施設である。これは加藤氏が過去大手流通・小売業を経験していたノウハウを背景としていて、過去から一貫して得意とする場所での成長を描いている。

 同社を成長させてきたタピオカはコロナ禍で揺らいだが、一方で「台湾食文化」を基軸としてきたことを改めて見直して新しいスタートを切っている。

(文=千葉哲幸/フードサービスジャーナリスト)

●千葉哲幸/フードサービスジャーナリスト

フードサービス業界の経営専門誌である『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)とライバル誌両方の編集長を歴任。2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しく、最新の動向もリポートする。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年)。

アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.12

為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら……。乞う、ご期待。

為末さん寄り
──「自律と寛容」というお題の下で、今回は「ありがたみとは、何か?」というテーマを設定しました。前回の「さびしさとは、何か?」同様、ちょっと風変わりなテーマなので、なぜ、このテーマを選んだのかについて、例によってちょっと長めに前振りをさせていただきます。
為末:よろしくお願いします。

──この時代、ブランドや企業価値を高めたいとか、会社や個人の存在意義って何だ?とか、多様性が尊重される社会にしたいとか、女性の地位を向上させたいとか、あらゆる差別や偏見をなくしたいとか、そういったことが取り沙汰されているわけですが、その根底には共通する「何か」があるような気がしてならないんです。

為末:はい。

──でも、その「何か」がいまだに見つかっていない。定性的、定量的に、あらゆる分析が行われているけれど、いまひとつ、しっくりこない。

為末:うん、うん。

──きっかけは、「のれん代」という言葉と出合って、それってどういうこと?と思って調べてみたことにあるんです。「のれん代」の値踏みをまちがえて、企業買収の際に大損してしまった、みたいな。

為末:いわゆる、M&A(企業の合併・買収)用語ですね。

──そうです。単純にいうと、その企業やブランドが持っている誰もが納得する価値、つまりはブランド価値ということだと思うのですが、さらに調べていくと「損益計算書みたいなものが出てきて、もうお手上げ。一応、僕自身、大学で経済学を学んだ、ということになっているんですが、損益計算書におけるここの部分が「のれん代」にあたるわけです、などと言われてもまったくわけが分からない

為末:わははっ。

──そのときふと、「のれん代」とか「ブランド価値」というものを「ありがたみ」と言い換えてみたら、なんだかしっくりくると思ったんです。というわけで、アスリートであり、企業経営者でもある為末さんに「ありがたみとは、一体なんなのか」ということをぜひ、伺ってみたい、と。

為末:なるほど。

為末さん引き

──例によって長い前振りになってしまいましたが、最初にお伺いしたいのは、オリンピックなどでよく飛び交う「感動を、ありがとう!」という、あの「ありがとう!」って何だ?という話。個人的には大嫌いなんです、あの言葉。家で、ビールを手に、テレビを見ていただけだろう?「ありがとう!」もへったくれもあるか、と思うのです。

そもそも選手は、ビールおやじのために、血のにじむようなトレーニングをしてきたわけではないんだ!って、僕が熱くなってもしようがないんですが、この「感動を、ありがとう!」について、為末さんのご意見をまず、お聞かせください。現役時代、「ありがとう!為末!」みたいなことは、散々、言われてこられたと思うので。

為末:選手としては、純粋にうれしいですよね。世の中から「ありがとう!」と言われるだけのことを成し遂げたんだ、という気持ちになるし、その「ありがとう!」に感謝したい気持ちにもなる。その「ありがとう!」って何だ?ということでいうと、「思わぬ恩恵を得られた。自分では生み出せない気分を味わわせてくれた」ということなんだと思いますね。

──なるほど。

為末:1泊8000円くらいのホテルに泊まったら、予想を超えたサービスがあってびっくり、みたいな。ちょっと、もらいすぎちゃったかな、みたいな。

──ここまで走るか、為末!ウソだろう?ありがとう!みたいな。

為末:そう(笑)。でも、「ありがとう!」にも、温度差はあると思う。「為末さんの走りを見て、勇気をもらえました。ありがとう!」みたいな「ありがとう!」って、美しいじゃないですか。何年も前から応援してくれてたんだろうな、ということが一目で分かる、ぼろぼろになった「がんばれ、為末!」の横断幕とかね。その気持ちに、こちらもじーんとしてしまう。チケットの裏に、とりあえずサインしてください、みたいなものとは明らかに違う。

──分かるなあ。ぼろぼろになった横断幕。想像しただけで、泣けてくる。

為末:大事なことは「ありがとう!」に込められた思いや熱量。で、その思いや熱量は、なにがもたらすのかというと「時間」なんだと思うんです。

──「時間」ですか。

為末:マスコミも世の中も、瞬間的にはものすごい熱量で、それこそ沸騰するじゃないですか。でも、冷めるのも早い。選手としては瞬間的に沸騰する「ありがとう!」もうれしいのですが、汗ばむ手で、何年もの間、握りしめられたであろう横断幕から伝わってくる「ありがとう!」の価値とは、まったく別次元のものです。

──いい話だなあ。

為末:実はこれ、「スポーツファンビジネス」にとって永遠のテーマなんです。ビジネスという意味でいうと、瞬間的に沸騰する「ありがとう!」の方が、圧倒的におカネになる。何かの大会で優勝した、CM契約が生まれる、とんでもない金額の出演料が入る、関連グッズが売れる、ノベルティの使用料が入る、みたいな。

それはそれで、ビジネスとして大事なことなんだけど、本物のファン心理というものは、「最初のハードルに足をひっかけながらも完走した」とか「外しても優勝のウイニングパットを外した」とか、そういうところにグッとくるというか、そういうものだと思うんです。

──例によって、深いお話になりそうですね。(#13へつづく)

(聞き手:ウェブ電通報編集部)


アスリートブレーンズ プロデュースチーム 日比より

「ありがたみ」ということを、改めて僕自身も考える機会をいただきました。クライアントさんにとって、僕らの提案は「ありがたみ」を感じるものだったのか?そんなことを、これから、自分に問うていきたいと感じました。また、ありがたみは、「積み重ねた歴史の総熱量」が生むものだとすると、アスリートがスポーツに向き合った歴史が生み出す「体験談やナレッジ」は、まさに、ありがたいものだとも思います。アスリートが培ったナレッジを、世の中の課題解決につなげていきたいと思います。

アスリートブレーンズプロデュースチーム 電通/日比昭道(3CRP)・白石幸平(事業共創局)

為末大さんを中心に展開している「アスリートブレーンズ」。
アスリートが培ったナレッジで、世の中(企業・社会)の課題解決につなげるチームの詳細については、こちら

アスリートブレーンズロゴ

コンビニのアイスコーヒー、意外な活用法…コーヒーを注がない人が増えている?

 セブン-イレブンを中心としたコンビニエンスストアから、”コンビニ・コーヒー“が世に出て久しい。筆者においても、コンビニに行く主たる理由のひとつにコーヒーの購入がある。こうしたコンビニ・コーヒーにおいて、さまざまな事件や事象が起きている。

 コンビニ・コーヒーに関する事件として、2019年に福岡県で起きた、コーヒー100円の料金しか支払っていないにもかかわらず、カフェラテ(150円)を注いだ男性が逮捕(のちに不起訴処分)されたことを覚えている方も多いかもしれない。その後もレギュラーサイズを購入し、ラージサイズのコーヒーを注ぐといった事件も起きているようである。せいぜい数十円分を得しようとして、不正をはたらく姿勢には多くの人が呆れ果てたことだろう。

 立場が変われば、ものの見方は変わるものであり、たとえば筆者の知り合いである工学系の研究者は、なぜレジとドリップマシンをシステムでつなぎ、そうした不正が起きないように制御しないのか、という点に非常にこだわっていた。いかにもエンジニア的発想である。

 また、ネット上では、仮に押し間違えても逮捕されてしまうのか、という法律的視点から盛り上がっている。もっとも、逮捕された人たちは故意の常習者ばかりのようではあるが。

 筆者はもちろん、わずか数十円のためにここまでするか、という呆れもあるが、それ以上に人の善意に基づく行為やシステムを逆手に取るような行為に憤りを感じる。もちろん、先のエンジニア的発想に立ち、制御することは可能だろうが、そうしたコストは本来、必要なく、極めて無駄であると感じる。こうした無駄は社会全体で見れば、かなりのコストになっているはずだ。

アイスコーヒーを購入したのに”コーヒーを注がない”理由

 一方、コンビニ・コーヒーに関して真逆の事象も確認できる。

「コーヒーを購入したにもかかわらず、注がない消費者がいる」というのである。みなさんは理解できるだろうか。近年、アイスコーヒーを注文したものの、コーヒーを注がず、そのままカップを持ち帰る消費者が増えてきているらしい。その理由として、家に帰り、コーラやアルコールなどを注ぎ、飲むとのこと。家の冷蔵庫に大量の氷を入れるスペースがない、カップを洗わなくてよい、あのカップの氷がおいしいといった声があがっている。

 このニュースを耳にし、筆者はこうした消費者行動に大変驚いた。「なんと、もったいない。氷くらい家で簡単につくれるはず」と感じたからだ。

 しかし、よく考えると、たとえば、筆者も以前はよく2リットルのペットボトルのお茶を購入していた。最近、重いものを持ちたくないので、ティーバッグ式のお茶に切り替え家でつくっているが、それでもなお自らお茶の葉を沸かして飲んでいる人からすれば「割高でもったいない」といった意見があるだろう。”消費者が労を惜しむ分だけ支払う金額は増えていく”という当たり前のことを改めて実感する。

 世の中には支払った以上の価値を得ようとする者もいれば(もちろん犯罪行為は問題外だが)、その一部を平気で放棄する者もいる。しかも、常識で判断すれば、アイスコーヒーという商品においてコーヒーは主たる構成要素であり、実に奇妙な話である。

 しかし、商品の価値は各消費者こそが判断するものであり、第三者がケチをつけるような話ではない。むしろ、こうしたニッチな声を大事にするところからイノベーションが生じることも少なくはなく、企業は細心の注意を払うべきであろう。
(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

パチンコ「終日11万発マシン」など絶好調メーカーがパチスロ6.2号機に参戦! ファン注目の新情報も話題に!

 3つの覚醒機能を搭載したパチンコ『PF機動戦士ガンダムユニコーン』が8月の導入以降、全国各地のホールで絶賛稼働中。また先日デビューしたばかりの『Pフィーバーマクロスフロンティア4』も、“約81%継続×ALL1500発”という激アツスペックで早くも存在感をアピールしている。ネット上で公開されている出玉ランキングでは「終日11万発オーバー」を記録するなど、両機種ともにパチンコ界を大いに盛り上げているが、これら話題作を送り出した最大手メーカー・SANKYOの快進撃はまだまだ続きそうだ。

 同社はパチスロ分野にあのビッグタイトルを投入予定。パチンコで空前の大ヒットを飛ばした『戦姫絶唱シンフォギア』が、有利区間3000Gに対応した6.2号機でリリースされることが先日明らかとなり、ファンから期待の声が相次いでいる。

「9月21日に公開されたPVでは、『パチンコ完全継承!』という文言とともに、パチンコ機で使用されている『最終決戦』『V-STOCK』といったお馴染みの演出が映し出されており、今月1日公開のスペシャルPVでは、CZからAT当選までの流れや上乗せ特化ゾーンなど、本機の叩きどころが紹介されています。

数値関連などの具体的な情報はまだ明らかになっていませんが、『シンフォギア』はパチンコ分野で絶大な人気を誇るコンテンツ。12月予定の導入開始まで、ファンのボルテージは日に日に高まっていくことでしょう」(パチスロライター)

 早くも熱視線を浴びる6.2号機『シンフォギア』だが、本シリーズのパチスロ化は、実は2回目。初代は予想以上の反響を得ることができず、短命で稼働を終えることになってしまった。今回のシリーズ最新作はその雪辱を晴らすチャンスでもあるだけに、そういった意味でも、本機の動向に大きな注目が集まりそうだ。

 なお、同社は現在『目指せ最終決戦! シンフォギアQ』の開催中。第1~第6回までは特訓クイズという形式で知識を深めていき、ラスト第7回目の「最終決戦」で全問正解することができれば、本キャンペーンでしか手に入らないオリジナルQUOカードが当る(応募者の中から抽選で50名)という内容だ。

 原作ファンにとってはレアアイテムが手に入るチャンス、アニメを知らない人からすれば、原作の世界観を知る良い機会になるだろう。ストーリーや登場人物など作品の内容を少しでも知っていると、現行のパチンコはもちろん、今後の最新機種もより楽しめるだけに、少しでも興味のある方はぜひ参加してみてはいかがだろうか。

 気になる決戦日は11月15日12時から開始予定だ。

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武豊「自分が乗っていたら」……、岩田望来「消極騎乗」に賛否両論!? 南部杯(G1)「中央勢最低人気」ヒロシゲゴールドで激走の亀田温心と明暗

 今月3日の凱旋門賞(G1)に騎乗し、現在は日本で隔離期間中の武豊騎手。今週末の騎乗復帰を前にその心境を語っている。

『日刊大衆』のHPで武豊騎手が連載している「武豊 人生に役立つ勝負師の作法」という不定期コラム。詳細はぜひ10日付の本コラムを一読いただきたいが、武騎手は9~10日に行われる毎日王冠など3つの重賞をテレビ観戦するとした上で次のように記している。

「有力馬に推された人気上位の馬たちが、どんな競馬をするのか!? 一発を狙うジョッキーは、どんな戦法で挑むのか? 視点を変えれば、一つのレースで、何通りもの楽しみ方ができるのが競馬の面白さです。もし、自分が乗っていたら……と、想像力を働かせながら見るのも、こういった状況だからできることです」

 自身は騎乗できない立場ながらも、競馬に対する探究心を隠さない率直な思いをつづっている。

 研究熱心な武豊騎手だけに、11日に盛岡競馬場で行われた南部杯(G1)もテレビで観戦したと思われる。そして主戦を務めるインティ(牡7歳、栗東・野中賢二厩舎)の走りにも注目したに違いない。

 このレースで武豊騎手の代打を務めインティに騎乗したのは若手の有望株・岩田望来騎手だった。慣れない地方の盛岡競馬場、さらに気性的にも乗り難しい馬へのテン乗りとあって、岩田望騎手の心中は期待より不安の方が大きかったはずだ。

 さらにこのコースでは不利とされる内枠。最内の1番枠を引き当てていたこともあり、スタート次第では逃げることも予想された。

 ここ2戦はスタートで出遅れていたインティ。岩田望騎手も頭の中で複数のシナリオを描いていただろう。そんななか、インティは珍しくポンとゲートを飛び出した。

 キックバックを避けるためハナを奪いにいくという選択肢もあったはずだが、岩田望騎手はすぐに手綱を抑えて中団待機の競馬を選択し、先行集団を見る形でレースを進めた。直線を向くと、うまく外に持ち出した岩田望騎手。外から一瞬先行勢を飲み込む勢いにも見えたが、最後は伸びきれず4着に終わった。

 絶好のスタートを決めながら、後方待機策を採るという、やや消極的ともいえる騎乗には、ネットの掲示板やSNSで一部のファンから「あのスタートなら行けばよかった」、「最近は控える競馬で好走しているから仕方ない」など賛否の声が上がった。

「調教師から具体的な指示が出ていたかもしれませんが、せっかく好スタートを切ったのなら逃げても良かったと思います。上位2頭が積極策で好走していただけに、結果的に前に行くのが正解だったかもしれません。

ただ、ここでインティを逃がしてしまうと、過去2戦で武豊騎手が試した末脚を生かす競馬の意味がなくなってしまします。今後を見据えれば、控える競馬でよかったと思いますよ。進路取りも悪くありませんでした」(競馬記者)

 惜しくも馬券圏外の4着に終わった岩田望騎手とインティだが、これとは対照的に積極策で2着に粘り込んだのが1200mを主戦場とするヒロシゲゴールド(牡6歳、栗東・北出成人厩舎)だった。

 奇しくもこちらの鞍上は岩田望騎手と同期の亀田温心騎手。ヒロシゲゴールドは、これまで1400m以上の距離では「0-0-0-6」とサッパリで、JRA勢7頭の中で最も人気薄となる7番人気の伏兵だった。

 インティと同じく好スタートを切ると、道中はワークアンドラブと並走する形でハナに。ペースを落ち着かせると、直線でアルクトスに交わされてからも驚異の粘り腰を発揮。下馬評を覆して大健闘といえる2着を確保した。

 亀田騎手にとってヒロシゲゴールドは自厩舎の馬。普段から調教をつける機会もあり、実戦でも1度騎乗しており、手の内に入れていたことも大きかっただろう。

 同期の若手騎手2人が僅差とはいえ、2着と4着で明暗を分ける形となった今年の南部杯。すでに重賞勝ちのある亀田騎手と、未だ重賞に手が届かない岩田望騎手との勢いの差が出たレースだったのかもしれない。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

パチスロ最大「90%ループ」で「やれるAT」が話題!!-初打ち実戦速報-

 現在のパチスロシーンを語る上で、ユニバーサルエンターテインメントのマシンは外せない。ホールのパチスロコーナーでは、同社の製品が所狭しと並べられている状況だ。

 特にミズホ名義でリリースされた『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』や『SLOT劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語』といったAT機は人気が高く、メイン機種として運用するホールも多い印象だ。

 そんな中、10月4日にミズホの新台『SLOTタブー・タトゥー』がデビューを果たした。本機は2010年から2017年にかけて漫画やアニメで展開された人気作品とのタイアップ機だ。

 導入前よりゲーム数前兆に自力要素を加えた「斬新なシステム」と「最大90%ループの強力なAT」が話題となっており、原作ファンならずとも楽しめる仕様となっている模様。 

 そこで本機をピックアップし、実際に遊技してきたファンからの実戦報告や感想をご紹介させていただく。

 それらを踏まえて我々編集部が独断と偏見で、本機の将来性をジャッジ。これから遊技する方、気になっている方は是非参考にしていただきたい。

『SLOTタブー・タトゥー』(ミズホ)

 本機は主に純増約5.5枚のAT「ヴォイドドライブ(VD)」で出玉を獲得するマシン。1セット8Gで約75% or90% のループで大連チャンを目指すゲーム性となっている。

 初当たりは疑似ボーナスがメイン。「レギュラーボーナス」「トリガーボーナス(TB)」の2種類が存在し、純増は約2.0枚となっている。
 
 メインとなるTBでは、高確率でVDを抽選。AT後は再度TBに復帰する仕様で、1回のTBで複数のVDを繰り返し突入させることが可能となっている。

 TB終了後は30G間の引き戻しゾーン「ドライブチャレンジ」へと突入。平均引き戻し期待度は約55%となっており、展開次第では一気に完走も現実的となる。

【プレイヤーからの実戦報告】

 特殊な仕様だけに、賛否両論といった印象。具体的には「演出が単調」「TB駆け抜けがキツい」といったネガティブ内容も目立つが、「ATが楽しすぎる」や「TBさえ入ればやれる」など肯定的な声も存在する。

【ヒットの可能性は?】

 本機は今までにないATシステムを採用しているため賛否あるのは当然だろう。しかし、「ATが楽しい」という声が多いことはプラスだろう。ATへの期待感は長期稼働に直結することもある。導入台数こそ少なめだが、スルメ台として人気を博す可能性も十分に存在するだろう。

〇〇〇

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JRA「動いた」川田将雅と「動かなかった」C.ルメール、毎日王冠(G2)で勝負を決めたのは展開よりもポテンシャルの違い?

 10日、東京競馬場で開催された毎日王冠(G2)は、C.ルメール騎手の1番人気シュネルマイスター(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)が勝利。スプリンターズS(G1)を制したピクシーナイトに続き、2週連続で3歳馬が古馬を圧倒した。

 シュネルマイスター1着に対し、ダノンキングリーがアタマ差で2着という結果に終わったが、この着順にはそれぞれに騎乗していたルメール騎手と川田将雅騎手の判断も少なからず影響している。

 13頭立て芝1800mのレース。川田騎手曰く「安田記念よりはるかに具合が良く、その分気持ちが入っていました」というダノンキングリーは、スタートで出遅れたことも痛かった。シュネルマイスターもそれほどいいスタートを決めたとはいえず、この時点で両者の位置取りは揃って後ろからとなる。

 ただ、道中の流れが遅いと判断した川田騎手は「馬の気持ちを優先させてポジション」を上げる競馬にシフトする。馬群の外目から追い上げると、中団からスルスルと好位へ取りついた。開幕週の東京は絶好の馬場状態。ある程度前を意識せざるを得ず、判断としては決して間違っていなかったはずだ。

 これにはルメール騎手も気付いていたようだが、シュネルマイスターが反応しなかったと振り返っているように、動きたくても動けなかったというのが本音だろう。そこでルメール騎手は、あえてパートナーの気持ちを“リスペクト”して流れに身を任せている。

 最後の直線を迎え、先行勢を早々と射程圏に捉えたダノンキングリーが外から猛然と襲い掛かる。対するシュネルマイスターは残り400mでもまだ後方から3番手の苦しい位置にいた。

 にもかかわらず、300m辺りから“スイッチの入った” シュネルマイスターは、究極にも近い末脚を披露する。外に出されるやいなや、瞬く間に前の馬との差を詰めていき、先に抜け出していたダノンキングリーをギリギリ捕まえたところがゴール。3ハロン33秒0の上がりは、当然メンバー最速の切れ味だった。

 これには敗れた川田騎手も「普通なら勝っているレースですし、勝ち馬は着差以上に相当強い」と脱帽。レースを見ていた手塚師でさえ、「さすがに後ろ過ぎるかなと。差し切るとは思いませんでした」と驚きを隠せなかったのも無理はない。

「今日は休み明けだったので、プレッシャーをかけないようにしましたが、次走はアグレッシブな騎乗をするかもしれません」

 レース後に、まだ本気の走りではないといわんばかりのルメール騎手からは、「仮に距離が2000mでもこなせそう」という強気なコメントも飛び出した。シュネルマイスターの走りに、誰よりも驚いていたのはもしかしたらルメール騎手だったか。

 また、シュネルマイスターの走りを高く評価したのは、元JRA騎手である安藤勝己氏も同じ。「本番に余裕を持たせた仕上げで、直線だけのエコな勝利。まだ上積みあるやろな」と、次走での伸びしろに期待する旨を自身の公式Twitterにてツイートした。

「川田騎手が優勝した安田記念を“はるかに上回る具合”だったと評価したダノンキングリーと、休み明けだったので“プレッシャーをかけないように”乗ったシュネルマイスター。アタマ差とはいえ、着差以上の開きを感じました。

先に動いて目標にされたものの、ダノンキングリーは完全に勝ちパターン。仮に動かない選択をしていたとしても、勝てたかどうかはわかりません。それほど勝ち馬の走りは強烈なインパクトがありました」(競馬記者)

 秋の天皇賞(G1)には、ルメール騎手のお手馬であるグランアレグリアが待機しているため、陣営は次走にマイルCS(G1)を予定していると表明。ただ、この勝利で距離延長も視野に入るなら、来秋は天皇賞参戦も視野に入ってきそうだ。

 古馬相手に重賞で健闘する3歳の活躍が目立ち、例年に比して世代レベルの高さも注目されていた今年。ましてや毎日王冠は一昨年のダノンキングリー、昨年のサリオスと3歳が連勝中と好相性のレース。古馬一線級が集まった春の安田記念(G1)でも3着に入り、既にトップクラスの実力を証明していたシュネルマイスターが、陣営の想像を上回る成長をしていたなら、この勝利は必然だったのかもしれない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

水道橋崩落の和歌山市、再開発には巨費投入…談合疑惑浮上、情報を不当に隠蔽か

「3年近くかけて出た結論が『不開示は妥当』というんですから、もう言葉がありません」

 2018年11月、和歌山市駅の再開発事業の入札経過について、和歌山市内の市民団体が情報開示請求を行った。しかし翌月、市は文書の一部を黒塗りで開示。それに対して市民団体が行っていた不服審査請求の答申が、2年9カ月かけて今年8月末、ようやく出たのだ。

 5人の有識者で構成される審査会の結論は、「不開示は妥当」というものだった。だが、この決定の陰には、官製談合のどす黒い噂がつきまとっていた。昨年5月、開示された入札調書で黒塗りされていた会社名について、内部告発と思われるリークが筆者のもとに寄せられた。もし開示されて、そのリーク内容が裏付けられれば、官製談合の犯罪を市当局が自ら認めることになったはずだった。

 前編に続いて、公文書の黒塗り(一部開示)や不開示が相次いでいる和歌山市の不服審査請求についてレポートする。

 下の画像は、昨年5月に筆者のもとに寄せられた本件非開示に関するタレコミ(情報提供)である。

 黒塗りされていた残り2社の社名を明らかにしたうえで、こう書かれている。

「この中でRIAは一番見積もりが高かったらしいが、南海で他社2社より低くなるよう交渉を行ったらしい」

「黒塗りの選定理由2行は、その経緯が書かれている。南海が知っていると思う」

 開札してみたら“RIAが一番見積もりが高かった”ので、“低くなるよう交渉”して、RIAが落札できるようにしたというのだから、もしこれが事実なら、不正な落札が行われたことになる。

 しかもこの事実を、再開発事業で南海電鉄と一緒に調整会議を行っていた和歌山市と和歌山県も知っていたとしたら、「一民間企業の不正行為」というだけでは済まない。再開発に巨額の補助金を出して公共施設の建設まで委託しているのだから、自治体も全面的に関与した官製談合であった疑いも出てくる。

 筆者は昨年12月、審査請求を行っていた市民団体に対して、この“爆弾情報”の内容を、審査会に提出する反論書にも盛り込むべきと助言した。その反論書が以下である。

 この記載をするにあたって筆者は、RIAと南海電鉄も含めた関係4社の広報担当者に連絡をした。当該文書に社名が記載される旨を伝えたうえで、「もしこの内容が事実と異なるようであれば連絡してほしい」と伝えたが、現時点までどこからも反論はない。

 8月27日に出た審査会の答申に戻ろう。答申書には、南海電鉄の競争上の利益や応札企業等との信頼関係には言及しているものの、結局、市民団体が問題視している談合疑惑については一言も触れていない。

 市民団体の反論書の末尾にも書かれているように、もし和歌山市が官製談合の疑惑を晴らそうと思えば、南海電鉄から報告を受けたであろう落札調書の黒塗り部分を堂々と開示すればよいだけのことである。不正行為が行われていなければ、一瞬で疑惑は晴れたはずだ。だが、それを開示しない以上、官製談合疑惑は晴れないままだ。審査会は、ただ実施機関である市の言い分を鵜呑みにして「妥当である」としたにすぎない。

 この和歌山市が出した審査会の結果を、果たして専門家はどのようにみるのだろうか。

 東京・中野区などで情報公開・個人情報保護審査会の委員(過去に神奈川県平塚市では審査会会長)を務めた神奈川大学法学部の幸田雅治教授(行政法)は、和歌山市の対応を次のように批判する。

「まず、今回の市民団体による開示請求に対する和歌山市の非開示については、はなはだ不適切だと思います。開示請求があったら、市民が自治体の判断の公正性を的確に判断することができるように開示しなければなりません。企業秘密等で開示できないという場合ももちろんありえますが、それはかなり特殊なケースです。たとえば、製造ラインの組み立て方が独自ノウハウにあたるときなどです。これは市民が判断する判断材料とはあまり関係がないので、開示する必要がない。そうした特殊なケースを除いて、すべて開示するべきです」

 また、市民の不服審査請求に対して、異様に時間をかけている和歌山市の対応は「違法の可能性がある」と指摘する。

「不服審査請求から、実施機関が弁明書を出すまでに1年7カ月かかっているというのは、とんでもなく非常識です。審査請求があったら、弁明書は可能な限り速やかに出して審査会の審査を適正に行うというのが行政に求められている義務です。したがって、いくら条例で弁明書提出までの期限が定められていないとはいえ、審査対象がよっぽど膨大な枚数でもない限り、必要以上に引き延ばすということは、違法の可能性が高いといえます」

 審査会の委員として実務も数多くこなす幸田教授によれば、審査請求を受けた自治体は、その次に開催される審査会までに弁明書を提出し、特別な事情がない限り、そこから最長でも半年程度で答申を出すのが一般的だという。

 ところが今回のケースでは、2019年3月に市民団体が審査請求をしてから1年7カ月後に弁明書が出るまでに、和歌山市で情報公開審査会は少なくとも10回以上開催されていたことが判明。その間、本件は議題にすら上っていない。これでは「意図的に放置していたのではないか」と非難されても仕方がないだろう。

水道橋の配管崩落、一方で再開発には湯水のごとく税金投入

 そこで筆者は、本件の実施機関である和歌山市都市再生課の担当者に、改めてこの件を問い質した。

――19年3月に審査請求をしてから弁明書が出てくるまで1年7カ月もかかっているのは、ただ何もしないで放置していただけではないか。違法だという専門家もいるが。

都市再生 いや、放置していたというわけではない。

――どういう事情があったのか。

都市再生 それは、ここでは申し上げられない。

――放置していないのならば、その間に部内で検討や会議をしていたということになるので、その事情説明の証拠になる議事録やメモは残っているのか。

都市再生 それは調べてみないとわからない。

――審査請求をした市民団体が、弁明書の内容を検討した議事録やメモを開示請求したら、開示するのか。

都市再生 それは開示請求を受けてから詳しく検討する

――またそれについても、じっくり時間をかけて検討するのか?

都市再生 ……(ノーコメント)

 CCCが運営する、全国で6番目の“ツタヤ図書館”となった新和歌山市民図書館は、昨年6月にグランドオープンを迎え、今年9月には来館者が100万人を突破したと地元紙が報じている。

 だが、この事業には湯水のごとく公金が投入されていて、そのプロセスが不透明であることを報じるメディアはどこにもない。

 筆者は、独自に開示請求した公文書を基に、和歌山市が今回の再開発事業において、南海電鉄に支払った補助金を計算してみた。すると、総額で68億円にも上ることが判明した。国や県から南海電鉄に出る補助金(国32億円、県14億円の計画)も、なぜか和歌山市がその分を先に立て替えて払うという異例の措置をとっていたためだということが、のちに判明した。

 なお、和歌山市が完成後に南海から買い取った新図書館の建築費用30億円は、この68億円には含まれていないという。このプロジェクトに、いったいいくらの公金が使われたのか、総額すら詳細にわかっていない。それなのに、情報開示の黒塗りだけが第三者である審査会によって「妥当である」と判定されたのである。

 和歌山市では10月3日、紀の川にかかる水道橋の配管が突然崩落して、最大でおよそ市内6万戸が断水したと報じられている。駅前再開発には巨額の公金が使われる一方で、水道等のインフラ補修には金をかけずにおろそかになっているのではないか、市長は金の使い方は間違っている、との批判が絶えない。

 和歌山市民は、こんな和歌山市の行政を信頼できるのだろうか。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

和歌山市、談合疑惑を隠蔽か…市民からの情報開示請求に黒塗りだらけで回答

 そう嘆息するのは昨年6月、南海電鉄・和歌山市駅前に新しい市民図書館がグランドオープンした和歌山市の市民だ。

 2018年11月、和歌山市駅の再開発事業の入札経過について、和歌山市内の市民団体が情報開示請求を行った。しかし翌月、市は文書の一部を黒塗りで開示。それに対して市民団体が行っていた不服審査請求の答申が2年9カ月かけて8月末、ようやく出たのだ。

 5人の有識者で構成される審査会の結論は、「不開示は妥当」というものだった。だが、この決定の影には、官製談合のどす黒い噂がつきまとっていた。昨年5月、開示された入札調書で黒塗りされていた会社名について、内部告発と思われるリークが筆者のもとに寄せられた。もし開示されて、そのリーク内容が裏付けられれば、官製談合の犯罪を市当局が自ら認めることになったはずだった。

 今回は、公文書の黒塗り(一部開示)や不開示が相次いでいる和歌山市の不服審査請求についてレポートする。

 下の書面は、今回の不服審査請求の対象となった18年12月に開示された文書だ。その前月、市内の市民団体が、和歌山市駅再開発のプロセスが不透明だとして、設計業務にかかわるすべての入札企業名と入札価格について情報開示請求していた。

 だが、開示されたのは、落札したアール・アイ・エー(RIA)の企業名と落札価格のみ。入札には3社が参加していたが、残り2社の企業名と入札価格の部分は、すべて黒塗りされていた。

 設計業務を落札したRIAは、全国にTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と縁が深い。11年にオープンした、同社の旗艦店である代官山T-siteの開発を担当。その後も15年の神奈川県・海老市立中央図書館の大規模改修、翌16年の宮城県多賀城市立図書館の新築も、設計段階から手掛けていた。

 和歌山市でも、まだ図書館の駅前移転すら決まっていない14年時点で、CCCと懇意である同社が再開発プロジェクトに関与していたことが判明。そのため、最初から「ツタヤ図書館を誘致する」ことが決まっていたのではとの疑念が市民に渦巻いていた。そんななかで、そもそもRIAがどのように選定されたかを知るための開示請求だったのだ。まだなんの決定もないのに、堂々と“関係者会議”に出席していたRIAに対して疑問を持つのは当然のことだろう。

 開示された書面は、日付すら記載されていない奇妙なものだった。施主である南海電鉄が指名した3社が、市民図書館が入る市駅前再開発プロジェクトの資金計画から始まって基本設計、実施設計、施工監理、権利変更計画の5つの業務に応札。そのすべてをRIAが落札。RIAの社名と落札価格のみ開示されていて、残り2社の社名や入札価格は、すべて黒塗りされていた。

 このときに、最初からRIAが落札することが決まっていて、残り2社は形だけ入札に参加したのではないのかとの疑いが浮上したのだ。では、どのような経緯を経て、今回、審査会の答申に至ったのだろうか。

 18年12月17日に和歌山市が、RIAの社名と落札価格を除いて全面黒塗り開示したことについて、翌年19年3月11日に市民団体が黒塗り部分も全面開示すべきであるとして、不服審査請求を行った。

 審査請求を受けた自治体は、外部の有識者で構成される情報公開審査会に処分の妥当性を審議してもらう諮問を行うのだが、この後、なぜか市民団体には、市からはなんの連絡もなかったという。

 ようやく和歌山市の担当部署が審査請求内容について弁明書を提出してきたのは、審査請求をしてから1年7カ月後の20年10月。市民団体は2カ月後の12月に反論書を提出。そして、双方の主張を付して審査会に和歌山市が諮問をしたのが今年1月。情報開示してから2年2カ月、審査請求してから1年10カ月も経過していた。

【和歌山市・第二次情報公開審査請求のこれまでの経過】
・2018年11月8日、市民団体が開示請求
・2018年12月17日、和歌山市が、入札調書を一部黒塗で開示
・2019年3月11日、市民団体が不服審査請求
 ~この間、1年7カ月進展なし~
・2020年10月23日 和歌山市が弁明書を提出
・2020年12月25日 市民団体が反論書を提出
・2021年1月7日 審査会が市長からの諮問書を受理
・2021年2月15日 市民団体が審査会で反論の陳述
・2021年8月27日 審査会が答申結果を通知

 通常の訴訟でも、裁判所に提訴したら遅くとも2~3カ月以内には審理が始まるのに、このケースでは、行政不服審査の請求から諮問までに2年近くもかかっている。筆者はこれまで再三、黒塗り開示をされているものの、和歌山市民ではないため市に対して審査請求できなかったが、ほかの自治体ではそれがすんなりできた。

 昨年12月に市立の図書館と美術館の運営者としてCCCを選定した熊本県宇城市が、黒塗りで開示してきた選定会議の文書について、今年3月に不服審査請求を行った。すると、2カ月後の5月に宇城市の担当部署から弁明書が届いた。すぐそれに反論書を提出し、現在は審査会で審理が進められている。宇城市の対応があまりにも迅速だったことに驚いたが、考えてみれば、これが普通の対応なのだろう。

 和歌山市では、なぜこんなに時間がかかるのか。総務部市政情報課に問い合わせると「個別の案件には答えられない」としつつ、一般論として「審査請求人と実施機関の意見交換がスムーズにいかないために、時間がかかることはある」と言う。しかし、本件では、最初に市が弁明書を出すまでに1年半もかかっていて、「意見交換がスムーズ」にいかなかったという事実はどこにも見当たらない。

 さぞや審査する対象が膨大な枚数の文書かと思ったが、たった5枚の書類にすぎず、しかも市民が開示を求めているのは、3社のうち残り2社の社名と、5つの業務についてその2社が応札した金額だけである。両者の主張の根拠となる事実を調べたりする必要もほとんどなく、ルールに則って判断するだけならば一瞬で審議が終わる案件のはずである。

 今年1月7日に諮問書を受理した今回の審査会は、2月2日と15日に二度、審査会を開催している。2日に実施機関(市の担当部署)から聴き取り、15日に市民団体が口頭で意見陳述した後、7月27日に審議を行い、その結論を8月27日に出したという流れである。

 いざ始まってしまえば、その後はトントン拍子で進むのに、とにかく最初の審査が始まるまでが長く、2年近くもかかっているのである。この間、いったい市の内部ではどのような動きがあったのだろうか。

 実は、この市民団体が審査請求を行ったのは、今回が初めてではない。18年2月にも、市民図書館の指定管理者にCCCを選定したプロセスがわかる文書が黒塗りで開示されたことについても、不服審査請求を行っている。

 この第一次審査請求でも、実質審査が始まるまでに約1年かかっているが、このときは審査対象となる文書が200枚を超えていたため、実施機関が弁明書を作成するのに数カ月の期間を要するのも仕方ない部分があった。

 また、第一次審査請求では、審査会の委員は、市民が逐一指定した箇所を詳細に検討した結果、市民側の主張も取り入れて「一部開示せよ」との結論を出している。その答申を受け入れる形で今年1月、市の担当部署が黒塗りを一部はずした文書を開示した。

 そういったやりとりがあったのならば、ある程度の時間はかかっても仕方ないのかもしれないが、今回の第二次審査請求に関しては、そのような繁雑な作業を伴う箇所はどこにもない。時間稼ぎを行って、まるで市民が諦めるのをひたすら待っているかのようにみえるのだ。

 さて、今回審査会が市の非開示を「妥当である」とした理由は、なんだったのだろうか。あらためて答申書を見てみよう。審査会の答申は、その理由として以下の2点を挙げている。

(1)黒塗された入札額、入札企業名が開示されることで、事業者の事業運営に多大なる不利益を与えるほか、事業者の取引企業にも影響を及ぼす可能性がある。これらは条例で規定された「営業活動の秘密」にあたるため、審査請求対象を不開示とすることに不合理な点はない

(2)施工者が民間となる再開発事業であり、実施機関(和歌山市)は、あくまでも補助者として事業を進めているにすぎない。受注した企業以外の法人名・入札額を開示すると、当事者間の信用を損い、関係者の理解・協力が得られにくくなって事業遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、不開示としたことに不合理な点はない

 和歌山市は、単に南海電鉄が行う再開発プロジェクトの補助者であり、新しい市民図書館は、駅ビルを建て替えるついでに建ててもらうだけ。新図書館の完成後に30億円で買い取る契約は交わしているが、その施工に市は直接関与していないから、南海と第三者の契約についての情報を開示する立場にはないと言っているのである。

 しかし本件は、巨額の公金が投入される事業である。本来ならば、和歌山市自らが施主となるべき新図書館の設計業務について、いくら民間企業に委託したからといっても、完成後は公共施設になる建物の設計に細かく口出しをするのは当然のことである。

 だからこそ、和歌山市は南海から逐一報告を受けていたはずだ。それなのに、その経過を「営業活動の秘密」とか「当事者間の信頼関係を損なう」などと理由をつけて市民への開示を頑なに拒否するのは、何か後ろ暗いことがあるのではないのかと勘ぐられても仕方ないだろう。

 ちなみに、今年2月に行われた審査会の、市民団体による二度目の意見陳述では、市側の「当事者間の信頼関係を損なう」との主張に対して市民代表から、こんな鋭い意見が述べられたという。

「市民の信頼よりも、私企業の信頼を優先するんですか?」

 さて、今回の審査請求のプロセスには、自治体の釈明の不可解さを、より一層浮き上がらせる“爆弾情報”があった。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

後編へ続く

「マカヒキは売らない」京都大賞典(G2)5年ぶり復活劇に金子真人オーナーの愛!?「馬主としての矜持を見た」ベールに包まれた現役続行の真意とは

 まさに陣営の長きにわたる執念が実った一戦だった。

 10日に阪神競馬場で行われた京都大賞典(G2)は、2016年のダービー馬マカヒキ(牡8歳、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。約5年ぶりに先頭でゴール板を駆け抜けた。

 1984年のグレード制導入後、ダービー馬が7歳以降まで現役を続行したのが本馬だけということもあり、現役続行に懐疑的な声もあったマカヒキ。しかし、そのすべては「諦め」からくるものであり、今回はそんな“雑音”に負けず、復活を信じて疑わなかったマカヒキ陣営の執念が呼び込んだ勝利だった。

 だが、一方で陣営の中心的存在といえる馬主の金子真人氏(名義は金子真人ホールディングス)は、約5年も結果を残せなかったダービー馬をどのような思いで見守っていたのだろうか。

 過去にマカヒキの父でもあるディープインパクトやキングカメハメハなど、数多くの歴史的名馬を所有した経験があり、個人馬主としては「日本一の成功者」とも言われる金子オーナー。だが、その一方でメディアに登場するシーンは極めて希少で、その意向が語られることはほとんどない。

 マカヒキは日本ダービー(G1)を勝ち、凱旋門賞(仏G1)にも挑んだ名馬。結果が出なければ当然、早期引退、種牡馬入りという選択肢もあったはずだ。

 それでも連戦連敗を重ねるダービー馬の現役を続行させたことには、競馬ファンからも「(負け続けたせいで)種牡馬としての価値もないから、現役を続行させているのかな」というような疑問の声が上がり、やがて「もう引退させてほしい」「マカヒキがかわいそう」という批判的な声にも変わってしまった。

 しかし、そんな金子オーナーの真意を垣間見られたエピソードがこの日、ネット上で話題になっている。

「昨年、マカヒキを買いたいという海外バイヤーの意向を受け、日本のパートナーにアプローチしてもらったことがあります」

 そうツイートしたのはオーナーズ・トラヴァーズサラブレッド創立者としても名高い沼本光生氏だ。トラヴァーズサラブレッドは先月、大井競馬で20馬身差デビューが話題となったランディスシティが所属していることで注目を浴びた一口馬主クラブである。

 沼本氏によると昨年、海外からマカヒキを買いたいという意向があったそうだが、馬主サイドの回答は「興味ナシ」とのことだったという。

 当時のマカヒキは長いトンネルを抜け出せずにおり、引退説さえ囁かれる厳しい状況だったが、金子オーナーには手放す意思はなかったそうだ。

「日本でもネットオークションなどを通じて現役の競走馬が売買される時代になりましたが、海外ではずっと以前から現役競走馬の権利の売買が日常的に行われています。

実は金子オーナーも、2006年に自身の所有馬だったユートピアをアラブ首長国連邦のゴドルフィンへ売却した経験があります。もしかしたら、その時に何か思うことがあったのかもしれませんね」(競馬記者)

 マカヒキは凱旋門賞の前哨戦となるニエル賞(G2)を勝った経験があり、先日の凱旋門賞で有力候補の1頭に挙げられていたスノーフォールの父ディープインパクトの産駒でもある。

 沼本氏を通じて、どこの国のバイヤーがオファーしたかは定かではないが、欧州では貴重な日本の近代競馬の結晶ディープインパクトの血を引くマカヒキを欲しいという声があってもまったく不思議ではない。

「そこに金子さんの、馬主としての矜持を見ました」と同じオーナーとして金子氏の意思を賞賛している沼本氏。マカヒキ復活の裏側には、オーナーの強い愛着があった。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。