JRA マイルCS(G1)武豊もかつて能力を絶賛! 母はマイルG1で2着、充実の師弟コンビで挑む「要警戒」の穴馬候補とは

 21日、阪神競馬場で開催されるマイルCS(G1)。精鋭たちによる戦いの火蓋が間もなく切られようとしている。

 今秋の古馬混合G1で2勝を挙げている好調3歳世代は、大将格のシュネルマイスターを始め同レースに5頭がエントリー。中でも穴候補の1頭として期待されるのが、前哨戦のスワンS(G2)3着から本番へと挑むホウオウアマゾン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 母は2010年の京都牝馬S(G3)を優勝し、同年のヴィクトリアマイル(G1)で2着に入ったヒカルアマランサス。18年のセレクトセールにて1億5120万円(税込)の高値で取引された本馬は、昨年6月に今回と同じ阪神の芝1600mでデビュー。初戦は惜しくも2着に敗れたが、約1ヶ月後に折返しの未勝利戦できっちりと初白星を収めた。

 その後、中京の野路菊S(OP)で連勝を飾り、デイリー杯2歳S(G2)では2着。朝日杯FS(G1)に駒を進め3番人気に支持されたが、直線で伸びを欠いて9着に敗退している。年明け初戦のアーリントンC(G3)で重賞初勝利を挙げると、鞍上に武豊騎手を迎えてNHKマイルC(G1)に挑んだが、結果は9着。再度G1の壁に弾き返される格好となった。

 ただ、NHKマイルCの敗戦には、ある程度仕方ない部分もあったようだ。

 管理する矢作師が『サンスポ』に寄稿しているコラム『矢作芳人調教師 信は力なり』によると、ホウオウアマゾンは朝日杯FS後にひどい跛行を見せ、一時は引退も考えたほどだったという。アーリントンCは勝つには勝ったが、完全に回復するまでには至っていなかったようである。

 コラムによれば武豊騎手もホウオウアマゾンの能力を絶賛していたとのこと。しっかりと休養を挟んだ今秋での巻き返しに期待されるところである。

 なお今回のマイルCSが行われる阪神芝1600mの舞台は、これまで5戦2勝、2着2回と好相性。枠は1枠1番の絶好枠を引き当てた。鞍上は前走に引き続き坂井瑠星騎手が予定されている。

 矢作厩舎と坂井瑠騎手の師弟コンビ、1枠1番と来れば期待されるのが、春のグランプリ・宝塚記念(G1)の再現かもしれない。

 鳴尾記念(G3)を勝って同レースに臨んだ矢作厩舎×坂井瑠騎手のユニコーンライオンは、1枠1番から好スタートを切ると果敢にハナへ。直線に入ると人気の一角レイパパレに並ばれたが、強烈な二枚腰を発揮。結果、クロノジェネシスには完敗を喫したもののレイパパレには先着を果たし、見事に7番人気で2着に入る波乱を演出した。

「ホウオウアマゾンは休み明けだった前走のスワンSでハナを切り、僅差の3着と好走しました。今回は他にもロータスランドやサウンドカナロアといった逃げ馬がスタンバイしていますが、枠の並び的にもホウオウアマゾンが主張すれば再度ハナを奪える可能性はあると思われます。

グランアレグリアやシュネルマイスターといった人気馬達が後ろで牽制し合うような展開になれば、まんまの逃げ残りも期待できるかもしれませんね」(競馬誌ライター)

 矢作師は今秋、ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌでブリーダーズCを制覇。坂井瑠騎手はその師が管理するキングエルメスで京王杯2歳S(G2)を優勝している。充実著しい師弟コンビの一発に要警戒である。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

パチンコ新台「1時間で50000発オーバー」!? 史上最強の“秒速決着”で大量出玉を獲得せよ!-新台分析パチンコ編

 

 史上最強の親子喧嘩が、いよいよ始まる――。老舗メーカー・平和はこのほど、パチンコ最新作『Pバキ』をリリース予定。ミドルタイプ・ライトミドルタイプの2バージョンが用意されているが、どちらも「怒涛の秒殺決着ッ!」というキャッチコピーに相応しい強烈な出玉性能となっており、特にミドルタイプに関しては時速「50000発超」クラスの性能だと言われている。

『Pバキ』


※ミドルタイプ
■地上最強の親子喧嘩突入率(特図1小当り):1/319.6
■バトルモード突入率:約51.2%
■バトルモード継続率:約85%
■バトルモード中実質大当り確率:約1/3.2
■賞球数:1&7&15
■ラウンド:10R or 9R or 3R or 2R
■カウント:10カウント
■出玉(ヘソ):1360発 or 310発

※ライトミドルタイプ
■地上最強の親子喧嘩突入率(特図1小当り):1/199.8
■バトルモード突入率:約50.6%
■バトルモード継続率:約89.5%
■バトルモード中実質大当り確率:約1/2.7
■賞球数:1&7&15
■ラウンド:10R or 9R or 6R or 5R or 4R or 2R
■カウント:上アタッカー/10カウント、下アタッカー/8カウント
■出玉(ヘソ):約1090発 or 約610発 or 約370発

○○○
 ヘソ大当りである「地上最強の親子喧嘩」は、“バトルチャレンジ”と“役物チャレンジ”の2種類となっており、前者の突破率は約50%、後者の突破率は約80%で、どちらもチャレンジ成功でバトルモード突入が確定となる。

 バトルモード突入時は初回のみ「電サポ100回」が付与。そのため、次回大当りが濃厚となる仕様だ。2回目以降の電サポ回数は「時短3回+残保留2個」となり、その実質継続率はミドルタイプ→約85%、ライトミドル→約89.5%となっている。

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 このバトルモード中は前半(時短3回)、後半(残保留)で演出が変化し、前半は「怒涛の秒殺決着ッ!」という触れ込み通り、即当りに期待できるモード。一方、後半は宿敵とのバトルが繰り広げられ、愚地独歩やジャック・ハンマーといったライバルを撃破できれば大当りだ。バトル選択時に父親の範馬勇次郎が登場すれば、何かしらの特典があると思われる。

 電チュー大当り時の出玉振り分けは、ミドルタイプが10R→80%、3R→20%。一方のライトミドルタイプは10R→20%、4R→80%となっている。出玉感を味わいたいならミドル、連チャンを楽しみたいならライトミドルと、プレイヤーの好みに応じて打ち分けることもできそうだ。

 なお、導入は11月22日を予定している。

ここが面倒くさい! 最大2万円給付の「新マイナポイント」6つのポイントを解説

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

マイナンバーカード取得者がキャッシュレス決済を利用することで、最大5,000pt(利用額の25%)もらえる「マイナポイント」事業は、2021年12月末で一旦終了する。しかし、これからマイナンバーカードを作る人は、新たな「マイナポイント」事業によって最大2万円ももらえるチャンスがあるのをご存じだろうか? そこで今回は、新マイナポイント事業について詳しく解説するが、実はこれがかなり面倒くさいのだ……。

そもそも「マイナポイント」事業って何なの?

「マイナポイント」事業とは、2020年9月からスタートした制度で、何度か延長されて2021年4月末までにマイナンバーカードを申し込んだ人が、2021年12月末までにキャッシュレスサービスを利用することで、利用額の25%(最大5,000円)を受け取れる制度。

だが、2021年11月1日現在、マイナンバーカードの交付枚数は約4,955万枚で普及率は39.1%しかない。そこで政府はさらなる普及を目指し、「新マイナポイント」事業を予定しているというわけだ。

当初、政府は「新マイナポイント」事業では1人最大3万円給付としていたが、2万円に目減りした。それでも、マイナンバーカード新規取得&キャッシュレス決済で最大5,000円、健康保険証の利用登録と預金口座の紐づけで各7,500円(合計2万円)ももらえるのだから、お得なのは間違いない。

だが、マイナポイントを取得するための手続きは非常に煩雑で面倒くさいのだ。そこで今回は、マイナポイントを取得するとき、いったいどのような点が面倒くさいのか、6つのポイントを解説しよう。

【1】まずマイナンバーカードを取得するのが面倒くさい

「マイナンバー」は、日本に住民票を持つ人全員に割り当てられている12桁の個人番号のこと。それを証明するICチップ付きカードが「マイナンバーカード」だ。

マイナンバーカードがあれば、さまざまな行政手続きが簡略化されるが、もっとも身近なことで言えば、コンビニのマルコチコピー機で住民票や印鑑証明を簡単に取得できるほか、顔写真入りなので運転免許証のように本人確認書類として利用できる。

とはいえ、運転免許証を持っている人にとっては身分証明書としての必要性は低く、後付けの健康保険証機能もさほど魅力的ではない。つまり、マイナンバーカードには“わざわ…

続きは【オトナライフ】で読む

パチンコ大当りの2/3が「2400発or1500発」の大量獲得機! 独特の世界観がクセになりまくる傑作!!

 かねてよりドラム機好きを公言していた私であるが、近年のドラムマシン減少に心を痛めています。P機でドラムってほとんど存在しないレベルではないでしょうか。

ドラム海物語』『フィーバークィーンII』『炎のドラム魂』『Pストレートセブン』『P美夏美華パラダイス』『ドラムゴルゴ13』『モモキュンTHEドラム』……意外にあるな。

 まあ、CRの時代からドラム機は減少傾向にあり、マニアックなジャンルの台として見られていました。特に2000年代に入ってタイアップマシンが全盛になると、コンテンツの特性をドラムで表示することの難しさは高まるばかり。液晶に比べどうしても「ショボく」映ってしまいます。

 だからといってオリジナルでは売れない。『フィーバークィーン』や『海物語』ほどのブランド力があれば少しは違いますが、『ドラム魂』や『ストレートセブン』、『美夏美華パラダイス』を面白がるファンは奇特な変わり者です。

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パチスロ「80%ループでボーナス連打」緊張感溢れるゲーム性がクセになる! シンプルだからこそアツくなれる5号機レア台を振り返り!!

 ただ、そのマイノリティ側としてはだからこそ面白いし、ドラム機には深い魅力のある機種が多く存在していると思っています。そんなドラムマシンのなかでも傑作だと確信しているのが『CRドラムロイド』。

 大当り確率が1/128.7のライトスペックで、突入率が100%の100回転STを採用したスペックになりますが、最大の特徴は出玉感。大当りの1/3が16ラウンド2400発と出玉性に優れたもの。

 さらにもう1/3も10ラウンド1500発というとてつもない高出力な「大量獲得機」としての性質を持つマシンとなっているのです。これはCR機ならではのボリューム感ではないでしょうか。メーカーは「神盛スペック」と呼称していますが、JAROに訴えられる心配はまったくありません。

 その分、電サポ振り分けが存在し、そのほとんどが電サポ16回転になります。100回転の電サポが付与されることもありますが、その場合の連チャン率も約54%に抑えられています。

 ちなみに、電サポ16回の場合は終了後に潜確状態となりますが、確変中の大当り確率は通常時とほとんど変わらないので即ヤメしても問題ありません。

 要は、一発に重量のある出玉性能によって持ち玉遊技を基本とした立ち回りにより、徐々に出玉を増やしていく形で勝負するスタイル、いわばスロットのAタイプのようなゲーム性になります。STではありますが、本質的にはノーマルデジパチといった雰囲気です。これがまた趣きですよね。

 また、クセになるユニークな演出も見逃せません。主人公のポンコツロボットが孤軍奮闘する内容で、ドラム機では珍しいロボットギミックの頭が大回転するアクロバティックな役物演出や、ゼンマイルーレットによるサブドラム演出などの派手なアクションは必見です。

 ほかにもチャンス目からの展開や二重構造になった上部パネルによって作り出される変則1ラインの激アツリーチなど多彩な演出も本機のウリとなっています。一般的に地味な印象のあるドラム機ですが、遊び心が詰め込まれた名機として私の喜びを大量生産してくれました。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

パチスロ「一撃2万枚」射程の超A級スペック!「AT130連」を彷彿させる出玉性能に驚愕

 数あるパチンコ・パチスロ台の中から、個人的に印象に残っている過去のマシンをご紹介させていただく本コラム。今回ご紹介するマシンは、万枚すら余裕で達成できる爆発力で人々を魅了した、パチスロ4号機・5号機時代の名作でございます。

 それは『ゴルゴ13』シリーズ。本タイトルといえば、SANKYO製のパチンコ台というイメージが強いかもしれません。昨年にリリースされた『Pフィーバーゴルゴ13 疾風 ver.』は、3000発がループするという強力な一撃性を武器に好評を得ていた印象です。

 今年に入ってからは同タイトル『疾風マシンガンVer.』を発売。前作とは全く異なるSTスペックを採用し、約93%ループという連チャン特化型マシンとして活躍しています。多くのユーザーが「ゴルゴ13=パチンコ」という印象を強く持っていると思いますが…。

 私のようなオールドファンの記憶の中には、パチスロで圧倒的な爆裂を披露するゴルゴ13の姿が未だに強く残っております。

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パチスロ「80%ループでボーナス連打」緊張感溢れるゲーム性がクセになる! シンプルだからこそアツくなれる5号機レア台を振り返り!!

 平和よりリリースされた4号機『ゴルゴ13』は、凄まじい爆発力を秘めた純増約7枚/GのAT仕様。タイトルにもある「13」にこだわりを感じるゲーム性で、AT「ゴルゴチャンス」は1セット13G約90枚を獲得できました。

 このATは初当り時に「何連チャンするか」が振り分けによって変化するのですが、その最大値は驚異の「AT130連」。薄い確率でしたが、これを引いただけで「90枚×130連=11700枚」です。これにボーナス獲得分を加えれば、一撃2万枚も夢ではなかったでしょう。

 まさに4号機トップクラスの爆裂ATマシンとも言える本機ですが、そのDNAを色濃く受け継いだ超A級マシンが5号機として登場しました。それが『ゴルゴ13-薔薇十字団の陰謀-』です。

 同じく平和より登場した本機は、ボーナス非搭載のARTタイプ。純増約2.8枚の「ゴルゴRUSH」を主軸に出玉を獲得していくゲーム性で、ツボにハマった際の爆発力は先述した4号機にも匹敵するポテンシャルを秘めていました。

 それを可能にしていたのが、極めて強力な上乗せ性能。大量なARTゲーム数を獲得する肝となるのが「アサルトRUSH」という上乗せトリガーです。本フラグに当選すると、ゴルゴ図柄が揃う度に「30or50or100G」を上乗せ。それが0G連で抽選に漏れるまでひたすら続くという激アツ仕様となっています。

 継続率は「50~最大91%」。大抵が50%ループで続かずに終了しますが、高継続が選択された際は延々と上乗せが続くことも少なくありません。91%なんて引いたら悶絶もの。4ケタの大台に乗るまで0G連が終わらないという異常事態も起こり得るのです。

 数年前のホールにて本機を遊技していると、隣の台がアサルトRUSHで91%継続が濃厚となる背景レインボーが出現。そこから怒涛の上乗せ連打が開始されました。「デーン!デーーン!デーーーーン!」と、継続していくにつれて派手になっていくお馴染みの効果音が、長い時間ホールに響き渡ったのです。

 これには私も「いつになったら終わるんだ?」と衝撃を受けました。何分くらい0G連が続いたでしょうか。最終的には1000Gの大台を超える凄まじい爆乗せへと育っていました。

 当時はスペックもろくに知らずに打っていたので「とんでもない台だ!」と興奮したのを覚えています。どうしてこの大事故が自分の台ではなく隣に起こったのか…それだけが残念で仕方ありません。

 隣の凄まじいパフォーマンスを魅せつけられ、「後に続け!」と意気込んで遊技を続行しましたが…私の台はいたって平和な通常運転。なんの見せ場も作れずに資金が底をついてしまいました。

 隣の台は出玉グラフが右肩上がり。順調に万枚へと一直線といった感じでした。このような爆乗せは各地で次々に報告されており、1万5000~2万枚クラスの大量出玉を手にしたユーザーも少なくなかった印象。まさに4号機の「AT130連」を彷彿させる出玉性能と言えるでしょう。

 私も劇的な展開を期待してその後も何度かチャレンジしましたが、ART初当りがもともと重い機種なのでスタートラインに立つのも一苦労。当る気がしなさすぎて、爆裂を味わう前にギブアップしてしまいました。私のように、爆裂を夢見て儚く散っていったユーザーも多いのではないでしょうか。

 衝撃の上乗せと出玉で、私の心とお金を奪い去った思い出深いマシン。それこそが『ゴルゴ13-薔薇十字団の陰謀-』でございます。

(文=堀川茂吉)

<著者プロフィール>
 オグリキャップで競馬にハマり大勝負を繰り返してきた。その後は『ウルトラセブン』でパチンコの魅力に心酔し、競馬から離れパチンコ・パチスロのみを楽しむというスタイルを貫いている。ウェブ業界においてはライティング業務に従事。現在はパチMaxの編集部員として、主にパチンコ分野に関する記事作成および編集を行っている。パチスロ4号機時代など過去のエピソードも好んで作成しており、当時だからこそ起こり得た経験談を紹介中。

JRA横山典弘「ポツン騎乗」返上の王道レース。カンパニーで見せた会心の勝利【JRA観戦記】2009年マイルCS

 週末は、いよいよ秋のマイル王決定戦マイルCS(G1)が行われる。

 このレースがラストランとなることが判明したグランアレグリア、NHKマイルC(G1)と毎日王冠(G2)を勝利したシュネルマイスター、過去の優勝馬インディチャンプなど好メンバーが顔を揃えたが、どんなドラマが見られるだろうか。

 今年で38回目を迎えるが、過去にオグリキャップやデュランダル、タイキシャトル、ダイワメジャー、モーリスといったJRAを代表する名マイラーが勝利してきたレース。そんな中で、筆者にとって特に思い出に残るのが2009年の優勝馬カンパニーである。

 カンパニーは3歳時から頭角を現し、古馬になって重賞で好走するも、あと一歩勝ちきれないレースが続いていた。4歳11月の京阪杯(G3)で重賞初制覇を達成するも、G1レースでは安田記念、宝塚記念、天皇賞・秋、マイルCSで最高で3着が精一杯という内容。G1では一歩足りない、誰もがそう感じていた馬だった。

 しかし7歳になったカンパニーに転機が訪れる。関東の名手横山典弘騎手への乗り替わりだ。

 関東のトップジョッキーとして誰もが認める存在の横山典騎手だったが、当時ある騎乗がファンの間で物議を醸していた。それが今や、横山典騎手の代名詞となった「ポツン最後方」だ。

 道中後方の馬から、さらに数馬身離れた後方を追走するこの騎乗が大きく話題となったのは、2003年有馬記念のツルマルボーイと記憶している。

 横山典騎手はスタート後に後方に控えると、そのまま11番手から5馬身ほど離れた最後方12番手を追走(この年の有馬記念は12頭立)。実況アナウンサーが「ポツ~ンと最後方ツルマルボーイ」と表現したことから、その後「ポツン」というフレーズが定着したと思われる。レースでは絶望的な位置取りから豪快な追い込みを見せ4着と、ファンを驚かせた。

 その「ポツン最後方」は翌年も続く。なんと2004年にハーツクライで挑んだ有馬記念においてもポツンと最後方を実行したのだ。ちなみにこの時の実況アナウンサーは「最後方、最後方ポツンと一頭ハーツクライ」と説明している。

 最終的な着順は9着と振るわず、2年連続で「ポツン最後方」作戦は結果に結びつかなかった。この騎乗が正しかったかどうかは賛否が分かれるところだが、翌年の有馬記念でハーツクライは、乗り替わったC.ルメール騎手が3番手先行という奇策に出て、無敗の三冠馬ディープインパクトを負かして勝利している。

 カンパニーは強烈な末脚が持ち味の馬であり、追い込み馬として活躍していた。しかし、初めて同馬に騎乗した横山典騎手は、なんと「ポツン最後方」ではなく、これまでとは打って変わって2番手の先行策を取り、初騎乗で重賞勝利をやってのけた。

 後方一気の競馬ではなく先行抜け出しの戦術は、間違いなくカンパニーの脚質を変え、それが8歳秋の毎日王冠(G2)での女王ウオッカ完封に繋がったといえる。

 この年のマイルCSはフランスからサプレザ、イギリスからエヴァズリクエストと2頭の外国馬が来日。日本勢もキャプテントゥーレ、スマイルジャック、ザレマ、アブソリュート、マイネルファルケといった馬が出走。かなりの混戦模様だったが、1番人気はカンパニーだった。

 レースは人気薄マイネルファルケが逃げ、横山典騎手とカンパニーは内の7番手あたりを追走する。その後淡々と流れる中、横山典騎手はカンパニーの走りに手応えを感じていたのか、直線を向くまでまったく動かなかった。

 しかし4コーナーを回ってスイッチが入ると、空いた内を突いてグングン伸び、あっさり抜け出し完勝。まさにお手本のような乗り方で、これ以上ない勝利を見せつけたのである。「ポツンと最後方」の汚名を返上するかのような完璧な騎乗であり、これまでの雑音を吹き飛ばす人馬一体となったレースであった。

 この年の横山典騎手は、日本ダービー(G1)をロジユニヴァースで制するなどG1レースを3勝。2004年5月の勝利を最後に5年間JRAのG1を勝てなかったが、改めてその存在感を知らしめた。

 そのキッカケを作ったのは、やはりカンパニーとの出会いだったのではなかろうか。追い込み馬を先行馬に脚質転換させた中山記念(G2)、そしてその集大成となるマイルCSの勝利。カンパニーが8歳にして一流馬の仲間入りを果たすことができたのは、紛れもなく横山騎手の手腕そのものだろう。

 その後、横山典騎手の「ポツン最後方」は鳴りを潜めたかに思えたが、今年の日本ダービーでレッドジェネシスに騎乗し豪快な「ポツン最後方」を実行。16番目の馬から4~5馬身離れた最後方を追走し、アナウンサーも「最後方ポツンとレッドジェネシス」と実況。テレビ越しにファンのため息が聞こえるような位置取りだった。直線は荒れた内を突いて伸びかけたがそこまで、結局は11着に力尽きている。

 近年の横山典騎手は息子の横山武史騎手の勢いに押され、かつてのような有力馬の騎乗がなくなってしまった。

 今年もいまだ重賞は未勝利であり、このまま未勝利ならば1995年から続いていた重賞勝利記録が途絶えてしまう。53歳とは言え、同年代の武豊騎手もまだまだ結果を出している。横山典騎手には、あのカンパニーのような馬との出会いが求められる。そしてもう一度、あの王道のようなレースを見せてほしい。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

関西スーパー株主総会で疑義浮上の異常事態、オーケーが裁判所に差し止め請求

 関西の老舗スーパー、関西スーパーマーケット(関西スーパー)の臨時株主総会が異例の事態に直面している。上場来最高値という破格の条件でのTOB(株式公開買い付け)による関西スーパーの完全子会社化を先に提案していた関東のスーパー・オーケーと、後出しで非上場子会社2社との株式交換により関西スーパーの子会社化で合意していたエイチ・ツー・オー・リテイリング(H2O)が真っ向から対立。

 H2Oとの経営統合は関西スーパー株主に対する経済条件では明らかに劣ると考えられたものの、取引先株主に固められた盤石の安定株主比率を誇る関西スーパーにおいては、H2Oとの経営統合議案が圧倒的に優勢とみられていた。しかし、オーケーによる猛烈な追い上げと、株主にデメリットの多いスキームに取引先株主からも疑問の声が上がり、さらに米国の議決権行使助言会社2社からは、H2Oとの経営統合は株主に不利益があるという反対推奨が出されたことで、当日までどちらに転ぶかわからない展開となっていた。

 10月29日に開催された関西スーパーの臨時株主総会は6時間にもおよび、H2Oとの経営統合議案は僅差で勝利した。特別決議の要件をわずかに上回る66.68%という前代未聞の僅差での決着となった。総会結果を受け、オーケーはTOB提案を撤回。H2Oとの経営統合が可決したという結果に市場は嫌気を示し、関西スーパーの株価は急落。翌営業日の11月1日はストップ安を記録し、その後はH2Oとの経営統合を発表する前の株価水準も下回る状況となった。

 総会前には、関西スーパーは自社の株主に対してH2Oとの経営統合で自社の株価はオーケーの提示した2250円を上回り、最大3128円にもなり得ると吹聴してきたが、市場からは見事なほどの低評価を受けたかたちとなった。

 しかし、それもつかの間、総会からわずか1週間後の11月5日に、中立の立場で臨時株主総会の調査を行う総会検査役から、総会での投票で異例の経緯があったとする報告書が裁判所に提出されたというのである。

 その報告書には、総会検査役は経営統合議案が「きわめて僅差で否決となる集計結果を確認したが」「関西スーパーマーケットから、本総会の議決権行使のうち、『棄権』と取り扱っていた1名の株主の議決権行使の内容を、『賛成』として取り扱う旨の報告を受け、その結果、本議案は可決された」と記されている。

 オーケーはこの報告書を受け、議決権の集計結果に疑義があるとして、神戸地裁に株式交換の差止めを求める仮処分を申し立てた。仮にこの申立てが認められれば、再び関西スーパーにTOBの提案を行うという。

いったんは確認された「否決」

 関西スーパーの株主総会でいったい何があったのだろうか。株主総会が行われたのは、10月29日午前10時から。場所は伊丹シティホテル3階「光琳の間」だ。当日、その会場には100人を超える株主が集まった。

 総会が始まると、株主からは「正気の沙汰じゃない。なぜ業績ボロボロのイズミヤ、阪急オアシスと統合しなければならないのか」「統合による理論株価の算定根拠を説明してほしい」といった声が上がり、関西スーパーは苦しい説明を強いられることになる。

 株主からの矢継ぎ早の質問が続くなかで、議長は13時40分、質疑応答を終了し議案の採決に移る旨の説明がなされた。議長の福谷耕治氏は採決の際、「マークシートにご記入のない投票用紙をご提出いただいた場合、棄権としてお取り扱いいたします」「棄権は事実上、反対と同じ効果を持つことになります」と繰り返し注意喚起したという。

 13時50分、会社関係者が、着席している株主席を回り、回収用の透明なプラスチックの箱で投票用紙を集め、13時55分、議長から投票用紙の回収が完了したので会場閉鎖を解除し15時まで休憩にするとの説明があったという。集計作業は14時5分ごろから始められ、15時10分ごろには総会検査役のもとに「議決権行使集計結果報告書」が交付された。

 今回の株主総会では、H2Oとの経営統合に関する1号議案から3号議案まで出席株主の議決権の3分の2以上の特別決議を必要する議案だったが、その「議決権行使集計結果報告書」は1号議案(65.71%)、2号議案(65.74%)、3号議案(65.76%)といずれも3分の2に届いていなかった。

 否決という結果を確認した総会検査役は15時20分ごろに議場に戻り、検査役のために用意されていた座席に着席した。本来、ここで経営統合議案は否決になって株主総会が終了するかに見えた。

否決から可決への変更

 ところが、総会検査役が議場に戻っているなかで、15時40分ごろ、ある男性が受付に来て、自分はマークシートに記入せずに白票を投じたが、どのような扱いになっているのか確認したいとの申し出があったという。申し出を受けた会社関係者は、その場で弁護士を呼び、その株主から話を聞いた弁護士は総会検査役を呼びに行ったという。そして、15時45分ごろ、集計結果を確認して議場に戻っていた総会検査役は関西スーパーの代理人弁護士に別室に呼び出された。その別室には、件(くだん)の男性株主がいた。一部報道によると、この男性は関西スーパーが設立した業界団体に所属する山口県にあるスーパーの代表者とされ、関西スーパーとは親密な関係の株主ともいえる。

 この株主いわく、議決権行使書つきの委任状ですべての会社提案に「賛成」で事前に郵送していたが、議事の内容を聞くために総会に出席したのだという。関西スーパーは傍聴のみの株主にはモニター席を用意していたが、この男性は議長らの生の声が聞きたいと総会への出席を選び、投票用紙や出席票の交付を受け総会会場に入場したという。

 受付で提示した職務代行通知書にも「賛成」と記載していたが、あろうことか、この株主は、総会会場ではマークシートを白紙で提出している。議長から繰り返された「マークシートを白紙で出せば棄権とみなされる」という説明は聞いていたという。

 白票として出されたこの株主の投票は、総会検査役が確認した集計結果では当初「棄権」扱いになっていたが、関西スーパーの弁護士は、議決権行使書や委任状で「賛成」欄に〇をつけていることなどから、この白票を「賛成」として取り扱うことにしたと総会検査役に説明したという。不思議なことに、この間、議長はもちろん、関西スーパーの責任ある立場の人間は一切介在していない。

 このような経緯で、結局3つの議案はいずれも否決から可決へ変えられた。

3つの疑問

 この報告書を見る限り、多くの謎が浮かんでくる。

・議長の株主への説明と異なる白票の取り扱いが果たして認められるのか。

・投票後1時間40分以上も経ってから、なぜその株主は申し出たのか。その株主に誰かが連絡をすることはなかったのか。

・報告書を見る限り、代理人弁護士だけの判断で白票を「賛成」にしたように見えるが、これだけ重大な判断が議長や責任者の関与なく行われたのか。

 関西スーパー側は「株主様が投票時に示された議決権行使の意思表示を正確に反映して集計を行ったものであり、この取扱いの適法性に何らの疑義もございません」と主張する。

 その一方で、オーケー側は「多くの株主の皆さまが真摯にご検討されてきた中で、このような疑義が生じたことは大変残念。公正を期して司法の判断を仰ぐことにしました」(同社広報担当者)

 果たして裁判所はどのように判断するのか。株式交換は本年 12 月1日に効力発生することから、裁判所の判決はその前に発表されるものとみられている。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

●松崎隆司/経済ジャーナリスト

1962年生まれ。中央大学法学部を卒業。経済出版社を退社後、パブリックリレーションのコンサルティング会社を経て、2000年1月、経済ジャーナリストとして独立。企業経営やM&A、雇用問題、事業継承、ビジネスモデルの研究、経済事件などを取材。エコノミスト、プレジデントなどの経済誌や総合雑誌、サンケイビジネスアイ、日刊ゲンダイなどで執筆している。主な著書には「ロッテを創った男 重光武雄論」(ダイヤモンド社)、「堤清二と昭和の大物」(光文社)、「東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人」(宝島社)など多数。日本ペンクラブ会員。

某携帯電話会社にトラブルで電話したら延々1カ月もたらい回し…アマゾンと真逆

 デジタルによってスムーズにサービスが提供される。これがDX(デジタルトランスフォーメーション)の理想であるとすれば、その成否はトラブルの際にはっきりするものです。

 DX先進企業であるアマゾンではもう10年以上前から、トラブル対応が優れていることがわれわれプロの界隈で話題になってきました。最近のアマゾンはややコンタクトセンターの品質が劣化しはじめたという報道もありますが、10年前当時、私の個人体験ではこんなことがありました。

 まだ置き配が始まる前の時期でしたが、当時アマゾンで購入した書籍はメール便で配達され、それが郵便受けに入りきらずに突き刺さった状態で配達されることがよくありました。「危ないなあ、あれじゃいつか盗まれちゃうぞ」と思っていたら案の定、あるとき注文した書籍が届かない。アマゾンのサイトで調べたら数日前に配達済みになっています。たぶん誤配か同じような状況で配達され盗まれたかのどちらかでしょう。

 こういったトラブルが起きたときには、消費者は不安で嫌な気持ちになるものです。嫌な気持ちは購入した商品が届かなかったからですが、不安は「この問題を解決するまでにすごく面倒なことになるんだろうな」という気持ちから来るものです。

 それでアマゾンのサイトにアクセスしました。置き配が始まった現在は少し手順が違うのですが、当時のアマゾンの場合カスタマーサービスのサイトには「配達済みになっているのに商品が届かない」という場合の対処法として電話での対応と、メールでの問い合わせ法が載っていました。

 それで電話をしたのですが、プロの経済評論家としていい意味で驚いた点は、まずなによりもすぐに電話がオペレーターにつながったことです。そして電話口で注文番号とトラブルの状況を伝えると、すぐに謝罪があり、その場で同じ商品の再配達の手続きをしていただけました。

 経済評論家という商売は、こういった事例をきちんと記録する習慣があります。このときの記録を確認すると、不安を感じてアマゾンのサイトで対処法を調べ始めてから問題が解決するまでにかかった時間は8分でした。この記事の読者の皆さんは、まずこの10年前の「アマゾンでは8分で解決」というエピソードを覚えておいてください。

オペレーターにつなげさせない仕組み

 つぎに最近、私が使っている携帯電話会社であったトラブルの話をします。対応が悪い例として紹介する関係上、どこの会社かは内緒とさせてください。

 この会社ではオプションで500円を払うと一種の保険としてデータ通信量が超過した場合の0.5GB分のデータ追加を無料にしてもらえるサービスがあります。経験的には3~4か月に一回ぐらいデータ超過になるので、私はこのオプションを使っています。

 実はこのオプションを申し込むと、系列のショッピングモールで500円の割引クーポンがもらえます。つまりインターネット通販をよく使う人なら、このオプションは実質無料なのです。

 ところが最近、私が携帯の設定を少し変えたせいでこのクーポンが消失してしまうトラブルが起きました。「500円払って入ったサービスで500円の特典がもらえていない」というのがトラブルの内容です。少額なので普通の人ならあきらめる話かもしれません。しかし、経済評論家はこういったことは好奇心からちゃんと追及してみるのです。

 それでまずその通信会社のトラブル対応をするコールセンターに電話をしたのです。電話をすると自動音声が出てきて、トラブルの内容に応じて「何番を押せ」と言われ続けていくのですが、細かく分岐していくと結局私のトラブルに対応する番号がありません。それで「元のメニューに戻る場合は9を」みたいな感じで出口がなくなるのです。

 ユーザーにとって困ることですが、そのスマホの会社ではオペレーターにつながる経路がみつからないようにしている様子なのです。そこでヤフー知恵袋で調べたら、その会社でオペレーターに電話をつなげる裏技を見つけました。

 ある分岐に進んだところで自動音声の指示を無視するのです。そうすると自動音声がまた入力を指示する。そこも無視をする。それを3回やると向こうが困ってしまってオペレーターが電話に出ると書いてありました。実際やってみるとその通りで、ようやくオペレーターにつながりました。ここまでで約1時間です。

 それでオペレーターにトラブルの状況を話したところ「状況はわかりましたが、その件はこの電話番号におかけなおしいただけないでしょうか?」と言って別の番号を知らされます。簡単にいえばこのコンタクトセンターは、問題解決できる担当者への電話の転送を行うDXの仕組みは導入していないわけです。

 それで電話をかけ直すと、結果的にはそこからまた自動音声に沿って何度も番号を押させられたのですが、最終的にはオペレーターにつながりトラブルの内容を報告することができました。それで20分ぐらいかけて対応方法を検索してくれたのですが、検索では解決できず、折り返し詳しい担当者が電話をしてくれることになりました。

 こういったトラブルは好奇心がなければ心が折れてしまうものです。日本のお客様対応室は戦術として、なるべくコンタクトセンターにつながらないようにしてあきらめさせる手法を好んでとっています。後述するように、このあたりはDX後進国となる土壌になっています。

 さて1時間後、担当者から折り返しの電話がありました。要約すると「このトラブルは別会社であるショッピングモール側の問題で、そちらに問い合わせてほしい」ということでした。しかも連絡先は「自分で調べていただけないか」と言うのです。そこで「ここまで話が伝わるまでにものすごく苦労しているので、同じ苦労をショッピングモールのコンタクトセンターでしたくない」旨を丁寧にお伝えしました。

 結局、担当者からもう一度折り返しの電話をいただけることになったのですが、やはり直接担当者を見つけることができないという回答でした。ただショッピングモールのコンタクトセンターにつながる裏技を調べていただけたようで「こうしていただければ先方から連絡が入ります」と教えていただきました。

 トラブル発生から3時間後、その裏技を実行しました。簡単にいうとモールのメール問い合わせ窓口から不十分な内容の相談メールを送るという技です。

 翌日、ショッピングモールの運営会社から「何でお困りでしょうか?」という問い合わせメールが来て、ようやく「500円のクーポンがもらえない問題」の解決に向けての話し合いができるようになりました。

 状況が伝わって、先方からはメールで「担当部署で問題を確認します。少々お待ちください」と返事があったのですが、実はここからいつまでたっても返事が来ないのです。数日に一度「どうなっていますか?」とメールで問い合わせると、毎回同じ自動応答の文章で「担当部署で問題を確認しています。少々お待ちください」と返事が来ます。これがほぼ1カ月続きました。

 それでもう忘れた頃の話なのですが、なんと問題解決のメールが戻ってきました。要するにちゃんと問題解決の努力をしていたわけです。その会社のエンジニアが何日もかけてシステムを調べてみたところ、まれにある設定をした場合にエラーが起きてしまい付与したはずの500円クーポンが消失するトラブルが起きることが判明したそうです。それで今なら私のクーポンは復活しているはずなので確認してほしいと書かれていました。

 私も丁寧に「問題を解決していただきありがとうございました」とメールでお礼を述べておきましたが、この事件、決して例外ではなくこのような顧客対応が日本では標準になっていることこそが日本企業の問題です。

DX後進国からどう盛り返すのか?

 もう一度整理してみましょう。10年前、アマゾンで800円の本が届かなかったときは8分で解決して800円の本は無事2日後に配達されました。最近日本を代表するスマホ会社で500円のクーポンが消えた際には、3時間悪戦苦闘してようやく窓口につながり、30日後に問題は完全解決しました。

 ポイントはこの差です。冒頭でお話ししたように、DXとはデジタル技術を駆使して顧客にスムーズにサービスが提供されることだと考えると、我が国を代表するスマホ会社ですらDXがここまで遅れているという問題があるということです。

 では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか? DXをデジタル化だと勘違いしているとこうなります。アメリカ企業ではDXを設計する際に、最短労力と最短時間で顧客にサービスを提供するにはどうすればいいかと考えます。DXはあくまでその手段で、仕組みの設計には人力を当然のように組み合わせます。

 これもある別の通信会社の話ですが、その会社の幹部が提携するアメリカの通信会社に出向して驚いたというのです。その方はエンジニア部門の人なのですが、日本の通信会社時代には顧客である法人の通信設備にエラーが起きると、エキスパートのエンジニア複数名が即座に現場に飛び、さまざまな原因を切り分けたうえでなんとか数時間でトラブルを復旧させてきました。

 ところが出向先のアメリカの通信会社では、法人対応のサービスエンジニアはほぼほぼ素人なのだといいます。ところがそれでサービスできるようにDXが完成している。ここがその幹部が驚いたところです。

 法人顧客の通信設備にエラーが起きて、サービスエンジニアが現場に飛ぶと、あるモジュールにエラーランプが光っているそうです。それでエンジニアは車に積まれた交換モジュールをとってきて入れ替える。それで再起動すると現場のトラブルは十数分で解決します。その後、その故障モジュールを会社に持ち帰ると、もっとエキスパートなエンジニアがそれを分析して故障原因を把握して、本質的な解決策を考える。「これがアメリカのDXか」と思ったそうです。

 総じてDXの進んだアメリカ企業では現場対応をいかにシンプルかつ標準化するかに力を入れる点と、現場にトラブル対応の権限を与えることでサービスを設計している点が日本と大きく違います。

 もし私が体験したトラブルがアメリカ企業であったとしたら、最初につながったコンタクトセンターが、原因が別会社であるかどうかは関係なくその場で500円のショッピングクーポンを私に付与する権限を持っていて、実際にそうしたことでしょう。そうすればコンタクトまで1時間はかかったとしても私のトラブルはこの時点で解決です。

 そして本質的にトラブルを引き起こしたプログラムエラーについては、後日、別会社に申告すればいずれエラーコードが発見されて二度とその問題は起きなくなるはずです。その設計が下手なためにシステムが肥大化するにつれて顧客の不満が増大する。販売窓口が「これは別会社の問題です」と言って責任逃れすることで顧客の不満は深まる。それがDX後進国日本の現状です。

 ここからどう盛り返すのか? どうやら日本企業は「なんのためにDXを導入するのか」から再設計をする必要がありそうです。

(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

●鈴木貴博(すずき・たかひろ)

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『ぼくらの戦略思考研究部』(朝日新聞出版)、『戦略思考トレーニング 経済クイズ王』(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。

ニトリ、「お値段以上」ではない?要注意な5品…粘着力が弱い結露吸水テープほか

 2021年3~8月期(中間期)の国内通販事業の売上高が前年同期比2.8%増の362億円と好調な家具・インテリア用品小売最大手、ニトリホールディングス。

 昨今はオンラインの販促にも注力しており、11月9日にはコロナ禍の巣ごもり需要を受け、ECサイト「ニトリネット」の拡充としてスタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を開始。従業員によるオンライン接客という、時世に合った新サービスとなっているようだ。

 業界をリードするニトリのアイデンティティといっても過言ではない有名なフレーズ「お、ねだん以上。」は、企業として大切にしている理念なのだろう。しかし、なかには「お値段以上とは言えないのでは……」といった懸念点などがある商品も存在している。そこで今回は、ニトリの少々要注意な商品を5つ紹介していこう。

マグネット付きミニキャニスター(3個セット)/508円(税込、以下同)

「マグネット付きミニキャニスター」は、磁石がくっつく金属素材であれば好きな場所にピタッと貼り付けられる小物用収納グッズ。デスク周りが散らかりがちという方も少なくないだろうが、このミニキャニスターがあれば、その中にクリップやピンなどをちょうどよく収納できるだろう。

 そこで使い勝手を試すため、中にクリップを収納し、デスクの金属素材の壁面に設置してみた。しかし、およそ2日後、キャニスターが地面に落下し、中に入れておいたクリップが床に散乱してしまうという事態が発生。

 クリップは比較的少なめしか入れていなかったにもかかわらず、重量に磁力が負けてしまったのだろうか。収納グッズを使用して散らかしてしまっては本末転倒なので、要注意な商品といえるだろう。

伸縮フローリングワイパー ラクッカ/ 599円

 掃除機をかけるよりも手軽にフローリングの清掃ができるワイパー。この「伸縮フローリングワイパー ラクッカ」は、ヘッド部分が中央凸型構造とやわらか素材でつくられており、ゴミをシート全面で吸着してくれるのが特徴とのこと。他店の同類商品と比べれば安価なのは魅力だ。

 しかし、実際にシート(別売り)を装着して使ってみると、ハンドルの締まりが悪く、最大まで伸ばしてあった持ち手が、使用中にみるみる短くなってしまったのである。歩くついでに本体を押していた程度で決して商品に強い力を加えたわけではなかったが、何度緩んだ部分を締め直しても同じ結果になった。

 ヘッド部分の構造は優れているようで、ゴミをよく吸着してくれた印象がある。だが、ハンドルが使い物にならないのは、どうしてもネックだろう。機能性にこだわった設計になっているからこそ、もったいないと感じた。あらかじめハンドルを短めに固定して使用するのであれば使えるので、持ち手を伸ばして使わなければ購入してもいいかもしれない。

冷蔵庫棚下収納 クラリーS(ホワイト)/999円

 ハムやチーズといった小さめの食材をまとめて入れておくと便利で、冷蔵庫の棚下スペースを有効活用できる「冷蔵庫棚下収納」。

 だが、実際に商品を冷蔵庫内に設置しようと試みるも、クリップ部分が異常に硬く、棚下に挟む工程でかなり苦戦した。設置した後に安定感を出すために挟む力を強くしているのならばいいのだが、設置後に手が触れるとガタつきがあるので安定感抜群ともいいがたい。また、引き出しもあまりスムーズに動かないため、ややストレスが生まれてしまうのだ。

 アイデアは素晴らしい商品なので、クリップの硬さや引き出しのたてつけの改良など、今後のリニューアルに期待したい商品といえるだろう。

マイクロファイバーキッチンクロス メッシュ(5枚セット)/ 304円

 食器洗いの後の拭き取り作業などに重宝しそうな「マイクロファイバーキッチンクロス」は、裏表がそれぞれマイクロファイバー面とメッシュ面でつくられているという代物。

 さっそく使用してみると、初めは軽く触れるだけでも水滴を吸い取るほど吸水性が高かった。だが、問題は2回目以降の使用だ。一度洗濯した後に使用してみると、吸水効果が減少しているように感じられ、初回より拭き上げの時間かかるようになった。

 使い捨てではなく、洗って何度も使用することを前提にしている商品であることを考えると、残念な印象は拭えない。5枚セットで約300円とリーズナブルなので、吸水性を重視せずに割り切れるのであれば、買ってもいいだろう。

結露吸水テープ(スターGYo4X90 4P)/399円

 本格的な冬が近づいているこの時期は暖房をつける機会も増えるが、外部との寒暖差で窓やアルミサッシに発生してしまう結露水はカビの原因にもなるため、予防策を講じておきたいところだ。

 今回紹介する「結露吸水テープ」は、水分を吸収し乾燥させてくれるという商品なので、実際に窓の下部に接着し、数日様子を見てみることにした。だが、2日後に確認すると、端のほうからテープが剝がれてきていた。貼り直してみるも、剥がれた部分にはホコリが付着しており使い物にならず。商品説明には簡単にカットできるという記載もあったので、そこだけ切り取って再度使用してみたものの、特に大きな変化は見られなかった。

 結露を吸水することが目的のテープは、湿気が高い日にこそ活躍してほしいところだが、吸着力が弱いので高湿度の条件では剝がれやすくなるという、本末転倒なことが起こっていたようだ。

 ニトリには生活に役立つ便利なグッズが多数あり、独自性に富んだアイテムが多いのも素晴らしいかぎりだ。だが、なかには今回紹介したように、ちょっと残念……と思ってしまうような商品も少なからず存在する。今回の記事を参考に、ニトリで満足のいくショッピングを楽しんでいただきたい。

(文・取材=A4studio)

※情報は2021年11月12日現在のものです。

独立トラブルの森七菜、連ドラ抜擢の謎?徳光和夫「AKB妊娠」発言騒動が影響?

 17日、来年1月期に成田凌が主演する連続テレビドラマ『逃亡医F』(日本テレビ系)が放送されると発表されたが、同ドラマに出演すると一部メディアで報じられてきたのが森七菜だ。

 このドラマは同名の漫画(伊月慶悟・佐藤マコト/Jコミックテラス)が原作で、成田演じる主人公の天才外科医が殺人の濡れ衣を着せられ逃亡するという設定だ。

「森は、主人公を陰ながらサポートする“謎の女性”を演じる方向で検討されていると聞きます」(テレビ局関係者)

 森といえば、2017年6月にAmazonプライム・ビデオ配信のオリジナルドラマ『東京ヴァンパイアホテル』で女優デビューし、同年7月には映画『心が叫びたがってるんだ。』で映画初出演。同年10月期の連続ドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)、19年1月期の菅田将暉主演の話題作『3年A組―今から皆さんは、人質です―』に出演し、徐々に知名度が上昇。そして同年7月公開の劇場アニメ『天気の子』では声優としてヒロイン・天野陽菜役に大抜擢され、昨年はNHK連続テレビ小説『エール』にも出演し、連ドラ『この恋あたためますか』(TBS系)では連ドラ初主演を果たした。

 そんな順風満帆な森を襲ったのが、事務所移籍トラブルだった。

 今年1月、突如として森のInstagramのアカウントが削除され、所属していた前事務所「ARBRE(アーブル)」の公式サイト上からもプロフィールが削除され、大手芸能事務所ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)とのエージェント業務提携が発表された。

「森をスカウトしたアーブルの社長がマネージャーも兼務するかたちで、それこそ苦楽を共にして一気に森をブレイクに導いた。しかし、仕事の現場にも出入りしていた森の母親が待遇面に不満を持ち、半ば強引なかたちでアーブルとの契約を終了させたのです。

 一方、SMAとしては、森サイドがそんな業界的にはご法度なことをしでかしていたとは寝耳に水で、前事務所とは穏便に契約を終了させてきたと思っていた。そのため、いきなり森を専属というかたちで受け入れるのはリスクはあるとして、“試用期間”を設ける意味でも業務提携という形態を取ったといわれています」(テレビ局関係者)

徳光和夫の問題発言

 そんな森は大手事務所の力もあってか、現在ではNTTドコモの「ahamo」やロッテ「雪見だいふく」のCMにも起用され、本格稼働の動きをみせているなかで、連ドラ出演の話が取り沙汰されているわけだが――。

「森は11月放送のスペシャルドラマ『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)に出演したものの、あくまで単発モノ。やはりスポンサー企業は移籍トラブルなどのマイナスのイメージがついた女優を起用することには慎重になるので、SMAとしては早く連ドラ出演という“実績”をつくって、次の仕事につなげていきたいわけです。すったもんだの末に獲得したからには、末永く稼いでもらわないと困るでしょうからね。そのため、SMAは成田を出演させる“バーター”として森をキャスティングに押し込んだという報道も出ていますが、ない話ではないでしょう」(別のテレビ局関係者)

 一方、の起用には別の要因も影響しているという声も――。

「10月頭に発表前にもかかわらず成田と森の共演が『週刊女性』(主婦と生活社)にスッパ抜かれたことで、日テレは森の起用見送りも検討したといいます。まだ移籍トラブルのイメージが強い森を無理してまで使う必要はなく、SMAは土屋太鳳や二階堂ふみ、橋本愛などが所属する大手なので代わりの女優はいくらでもいるわけですから。

 そこで飛び出したのが、SMA所属の徳光和夫の“AKB妊娠発言”だった。徳光は出演した水道橋博士のYouTubeチャンネルで“明石家さんまはAKBの1人や2人は妊娠させられる”と発言し、これがセクハラだとして世間からバッシングを浴びる騒動が起きたのです」(日テレ関係者)

 これが、森の出演とどうつながるのだろうか。

「徳光は日テレの看板番組『24時間テレビ』で過去に31年連続で総合司会を務めるなどの功労者で、今でも毎年のように出演している。しかし今年の『24時間』では、東京五輪レスリング金メダリストの須崎優衣へのセクハラ発言が批判を浴び、時を経ずして再び炎上騒動を起こした。日テレとしては、チャリティー番組を謳う『24時間』で、いくら功労者とはいえ徳光を来年も出演させることにはリスクがありすぎる。

 そこで日テレはSMAに対し、森の起用を飲む代わりに、徳光は『24時間』からもう“卒業”する方向で事務所のほうで本人とうまく話をつけることを飲ませたと聞いています。もしこの話が事実であれば、森が起用されれば成田のバーターというより、徳光の“出演見合わせ”のバーターといえるのかもしれません」(日テレ関係者)

 いずれにしても、森の踏ん張りに期待したい。

(文=編集部)