パチスロ「機械割107.7%でも万枚」が続出…激熱シリーズ偉大な初代を振り返る!!

「ここが歴史の…0ページ目」。大都技研の大人気シリーズ最新作パチスロ『押忍!番長ZERO』のPVが満を持して公開されました。

 同社のYouTubeチャンネルにて、11月26日21時にプレミアム公開するという異例の対応。このことからも本機に対する本気度が伝わってきます。私も「今度の番長はどんなスペックなんだ?」と、公開時間を楽しみに待っていました。

 今回の主人公は「轟 金剛」の祖父にあたる「轟 鋼鉄」。過去作では期待度の高い激熱キャラとして登場していましたが、今回は彼の若かりし頃「昭和」を舞台にした設定のようです。

 注目のスペックは純増2.7枚/Gで1セット30Gの「頂ROAD」が出玉のカギを握っている模様。他にも「引き続ける限り継続!」と紹介されている「頂CHARGE」なるフラグが存在し、これらを駆使したシステム「漢気ループ零式」によって出玉増加を狙うゲーム性となっています。

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 また、「絶頂CHARGE」のほか「CHARGE RISING」といった激アツ出玉トリガーと思われる要素も確認。パチスロの歴史に名を刻んできた過去作と同様に、熱い遊技を楽しめそうな気配です。

 そんな話題沸騰中の『押忍!番長』ですが、初代が登場した際は正直ここまで人気の高いタイトルとなるなど思っていませんでした。

『吉宗』の後継機という位置づけで満を持して登場した4号機『押忍!番長』。確かにゲーム性は踏襲されていましたが、機械割が設定6でも107.7%しかなく…個人的には「とてもじゃないけど打てないな」という印象を受けたのです。

 しかし、蓋を開けてみれば私の予想に反して大ヒット。本機を対象とした激熱イベントを積極的に行っていたホールも多く、連日の好稼働を実現していました。何より驚いたのが、機械割を感じさせないほどの爆発力。万枚レベルの大量出玉が続出していたのです。

 導入当初は敬遠していた私ですが、あまりの盛況ぶりに興味が湧き始めます。「どんなもんか」と打ってみると…「ただただ面白い」の一言。『吉宗』から受け継いだコミカルな演出は更に磨きがかかっており、特定役解除によるモード上昇やお馴染みの1G連など魅力的な要素が満載だったのです。

 万枚達成の夢は叶いませんでしたが、5000枚クラスの爆裂を体験したのは数知れず。「打つor打たない」を機械割で判断してきましたが、そんな私の価値観を根底から覆したのが初代『押忍!番長』でした。

 そんな初代を受け継ぎ、その後は『押忍!番長2』、『押忍!番長3』が登場。回を増すごとにゲーム性の幅を広げ、魅力的なスペックを武器にユーザーから絶大な支持を得てきました。

 そんな歴史を刻んできた同シリーズの「0ページ目」となる最新台『押忍!番長ZERO』。過去作を彷彿とさせる仕上がりに期待しつつ、続報を待ちたいと思います。

(文=堀川茂吉)

<著者プロフィール>
 オグリキャップで競馬にハマり大勝負を繰り返してきた。その後は『ウルトラセブン』でパチンコの魅力に心酔し、競馬から離れパチンコ・パチスロのみを楽しむというスタイルを貫いている。ウェブ業界においてはライティング業務に従事。現在はパチMaxの編集部員として、主にパチンコ分野に関する記事作成および編集を行っている。パチスロ4号機時代など過去のエピソードも好んで作成しており、当時だからこそ起こり得た経験談を紹介中。

パチンコ新台『P真・北斗無双』の全貌が明らかに!初代を徹底的に意識した激アツ!!

 CR機の末期を高い爆発力で盛り上げた現役屈指の高性能マシン『ぱちんこCR真・北斗無双』。『北斗の拳』シリーズのスピンオフ作品といった位置づけで登場した本機は、「本家を凌駕した」との声もあがるほどの絶大な支持を得るに至った。

 旧MAX機の廃止など規制の影響を強く受けたパチンコ分野にて、大きな希望として輝き続けてきた本機。「約80%継続×最大2400発」という最強にして最高クラスのSTを武器に、これまで数多くのユーザーへ大量出玉を提供している。5万発クラスも射程に収め、「一撃10万発オーバー」の超出玉も記録。「伝説を創造した」と表現しても大袈裟ではない。一時代を築いた“覇者”と呼ぶに相応しい存在だろう。

 しかし、そんな『ぱちんこCR真・北斗無双』も撤去期限となる来年の1月末にはホールから姿を消してしまう。多くのユーザーが別れを悲しむであろうが…。

 偉大なる初代の伝説を継承する救世主が現れた。

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 サミーがパチンコ新台『P真・北斗無双Re:319ver.』の製品サイトを公開したのだ。見た目からゲームフローに至る全てが初代を彷彿とさせる仕上がり。その全貌が明らかにされ、大きな話題となっている。

『P真・北斗無双Re:319ver.』(サミー)

■大当り確率:約1/319.7→約1/71.1
■賞球数/カウント:1&2&5&15/10C
■確変割合:ヘソ→50% 電チュー→100%(ST130回)
■電サポ回数:100回or130回
■大当り出玉・振り分け
・ヘソ
「6R確変・約900発」50%
「6R通常・約900発」50%
・電チュー
「10R確変・約1500発」70%
「3R確変・約450発」30%
○○○

 初代を踏襲したミドルタイプ×V確STタイプ。初当り時の50%で突入するSTは電サポ130回が付与され、この間に約1/71.1で抽選される大当りを射止めるという完全再現されたゲームフローとなっている。

 また、見た目や演出面も初代を徹底的に意識した仕上がり。北斗無双ロゴやドライブギアといったお馴染みのギミックが搭載された筐体をそのまま継承。更には演出法則なども変わっていない模様で、これまで慣れ親しんだ『ぱちんこCR真・北斗無双』と遜色のない遊技体験を楽しめるだろう。

『P真・北斗無双Re:319ver.』の導入日などその他詳細に関しては、発表があり次第追って報告させていただく。

JRA 第二のサトノダイヤモンドの可能性秘める素質馬が「出世レース」に挑戦!打ち破る「G1・21勝」名伯楽にまつわるジンクス

 早いものでJRAでは今週から師走競馬に突入する。4日、中山競馬場では芝2000mの葉牡丹賞(1勝クラス)が行われる。

 同レースは条件戦だが、過去にレイデオロとウイニングチケットといった2頭のダービー馬を輩出。またトーセンジョーダンやタイキフォーチュンといったG1馬、ジェネラーレウーノなどの重賞勝ち馬を送り出している。

 今年、そんな出世レースからの飛躍を目指すのが、ディープインパクト産駒のレッドランメルト(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 デビュー戦となった8月の札幌芝1800mの新馬戦は、1番人気に推されるも3着。1000m通過63秒8という新馬戦特有のスローペースにハマり、存分に能力を発揮することができなかった。また小回りコースもやや向かなかったかもしれない。乗っていた川田将雅騎手はレース後、「現状まだ体つきも幼く、これからの成長が楽しみ」とのコメントを残した。

 約1ヶ月半の休養を挟んで臨んだ前走は、東京の芝2000m戦。人気こそコリエンテスに譲ったが、3番手追走から直線で抜け出す盤石の競馬で、見事に2戦目で初勝利を飾った。

「2着のメトセラは国内外でG1・7勝を挙げたジェンティルドンナの半弟。3着コリエンテスはクラブ法人のシルクレーシングにて総額1億円で募集された素質馬で、次走の未勝利では後続に2馬身差の完勝を収めました。

これらの馬を相手に、正攻法の競馬で1馬身以上の差をつけて勝利したレッドランメルトのレース内容には、かなりの価値があったと思われます」(競馬誌ライター)

 その前走で退けたコリエンテスも同じく葉牡丹賞にエントリーしており、『netkeiba.com』の想定オッズによるとレッドランメルトを上回る1番人気に支持されている。もちろんあくまで想定だが、もしこのまま本番も行くようであれば、馬券的な妙味も生まれるかもしれない。

 また、レッドランメルトの何よりも強調できる点といえば、その血統構成だろう。

 父ディープインパクト×母父オーペンという血統は、2016年の菊花賞(G1)と有馬記念(G1)を勝ったサトノダイヤモンドと同じ。同配合馬はJRAでデビューした4頭すべてが勝ち上がっているという、まさに鉄板といっていい程のニックス配合だ。

「レッドランメルトは母母父がサザンヘイローなので、サトノダイヤモンドとは8分の7までが同血ということになります。馬体重も約500キロとほとんど同じです。葉牡丹賞を強い内容で勝利するようであれば、今後は第二のサトノダイヤモンドに育つ可能性も十分に秘めていると思います」(同)

 なお、過去2戦で手綱を執った川田騎手は阪神で騎乗するため、今回は戸崎圭太騎手と新タッグを結成する。戸崎騎手×国枝厩舎といえば、今年の秋華賞(G1)を勝ったアカイトリノムスメと同じコンビである。これも同馬に対する陣営の期待の表れといっていいかもしれない。

 また、これまでアパパネやアーモンドアイなど、数多の名牝を送り出してきた国枝師だが、何故か牡馬クラシックに縁がないことは競馬界の七不思議の1つとして知られている。

 レッドランメルトが出世レースである葉牡丹賞で結果を出すことができれば、来年は待望の牡馬クラシックのタイトルを師にもたらすことも可能かもしれない。国内外でG1・21勝を挙げている名伯楽のジンクスを打ち破ることができるかにも、今後注目していきたい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

JRAチャンピオンズC、女王ソダシ初ダート挑戦でG1制覇なら史上初となるが…

人気急上昇の無料サイトを発見

 日本でもっともアクセスが多いサイトは「Google」だという。そして2位は「Yahoo! Japan」で、3位は「YouTube」。これらのサイトは、もはや生活の一部となっており、多くの日本人にとってなくてはならない存在といえよう。しかも、ここ数年不動の順位であり、この牙城は今後も崩れることはなさそうだ。

 とはいえ、インターネットユーザーにとって魅力的で刺激的なサイトを探すことは日課ともいえる。ちょっとした時間を潰すもの、あるいは自分の趣味や目的を満たすもの、それぞれのために今やインターネットは欠かせない。そのなかで、魅力的な新しいサイトを探しているというユーザーにお届けしたいのが、競馬盛り上げサイトの【うまスクエア】だ。

「競馬はちょっと……」「ギャンブルはあまり……」などと敬遠する方も少なくないだろう。しかし日本の競馬は、スポーツとエンタメが凝縮された、世界的にも唯一無二のコンテンツ。全国で1000万人の競馬ファンがいるといわれ、年末の有馬記念は、この1レースだけで400億円以上の馬券が販売されるように、『NHK紅白歌合戦』と並ぶ暮れの風物詩として浸透している。

 もし、まだライブで競馬を見たことがない人がいれば、今はコロナ禍も落ち着きをみせ、競馬場への来場もしやすくなっているので、ぜひ現場であの臨場感を味わってほしい。美しいサラブレッドと騎手の一体感、そしてゴール前の手に汗握る展開、購入した馬券が的中すれば、その感動は永遠に心に刻まれるだろう。

 だが、競馬は専門用語も多く、初心者にはとっつきにくいのも事実。そこで、競馬をシンプルに楽しむことができ、そして競馬を人一倍楽しむためのおすすめサイトとして【うまスクエア】が注目されているのだ。

うまスクエアの楽しみ方

 今週末は日本中央競馬会(JRA)のダート王者を決める注目の一戦、チャンピオンズカップ(G1)が行われる。あの白毛の牝馬ソダシが出走することで、多くの話題を集めているレースだ。出走馬はほかに、武豊騎手が騎乗するインティや、フェブラリーステークス(G1)優勝馬カフェファラオ、昨年の優勝馬チュウワウィザード、地方競馬代表のカジノフォンテンと好メンバーが揃い、かなりの激戦が想定される。この難解なレースで的中の答えを導くために必見なのが、【うまスクエア】が誇る数々のコンテンツだ。

 たとえば、馬券に直結するさまざまな情報やデータが詰め込まれた『重賞攻略パック』。さらに、馬券の購入締切の数分前でも、すぐに対応できる『即実践できる!ボックス予想』。この2つをチェックすれば、このチャンピオンズカップで買うべき馬、注意すべき馬、意外な穴馬を見つけることができる。

 特にこのボックス予想は、11月に行われ、3連単・339万馬券の大波乱となったエリザベス女王杯(G1)にて、10番人気・1着アカイイト、7番人気・2着ステラリアを抜擢し、高配当となったワイド馬券を的中させているのだ。今週末のチャンピオンズカップにおいても見逃せない。

 もう一歩踏み込んで見てみれば、あの元プロ野球選手・佐々木主浩氏の独占コラム『大リーグボール22号』は、ぜひ目を通すべき。佐々木氏は選手として輝かしい実績を残した一方、現役馬主としてG1レースを5勝もしている大物。ディープインパクトやソダシを生産した大手生産者ノーザンファームや、現役騎手、調教師と交流も深く、その観点から鋭い予想で的中を量産している。

 さらに、予想だけでなく騎手事情などの現場の裏ネタなどを知りたい人には『絶対知りたいウマい話:馬券情報・最前線』がオススメ。東西のトップジョッキーが、そのレースで騎乗することになった経緯、そして秘めたる感情は必見。スポーツ紙や競馬専門紙では明かされない、【うまスクエア】ならではの情報が毎週掲載されており、飽きることはない。

 またマニアックなコンテンツとしては、合格率2.8%といわれる司法書士試験に合格しながら、競馬予想家への道を歩んだ異色の経歴を持つ予想家・境和樹の『穴馬券ネオメソッド』も面白い。血統をわかりやすく解説し、これまで発行した書籍がベストセラーになるなど、その理論と実績は本物だ。

 ほかにも、元JRA競馬学校の教官、元JRA調教師、東大名誉教授、ラジオ中継パドック解説者のコラムなど、ほかではお目にかかれない至高のコンテンツが凝縮されているのが【うまスクエア】。これらのコンテンツがすべて無料というのだから驚きだ。世の中を見渡しても、これ以上魅力的なサイトはない。

チャンピオンズカップ、有馬記念に向けて

 前述の通り、今週末はチャンピオンズカップというG1レースが行われる。そして、来週以降は2歳G1レースの阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークスと続き、12月26日はファン投票のグランプリ有馬記念、そして12月28日のホープフルステークスで、2021年のJRAが終了する。

 これから年末に向けて世の中も慌ただしくなるが、その日々の中で刺激を与えてくれる競馬は、社会人にとって特に魅力的なコンテンツだ。その競馬を目一杯楽しむためにも、徹底的に【うまスクエア】を活用していこう。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

山口FG、アイフルとの新銀行構想が波紋…低所得者の死亡保険を返済に充てる

 山口フィナンシャルグループ(FG、山口県下関市、椋梨敬介社長兼グループCEO)は12月24日、臨時株主総会を開催し、吉村猛前会長兼グループCEOの取締役解任を求める。10月の臨時取締役会で、「吉村氏は取締役として資質を有していない」と判断。辞任を求める勧告を決議した。だが、吉村氏が辞任を拒否したため、臨時株主総会を開いて取締役解任を機関決定する。

 吉村氏に代わる取締役には曽我徳将専務執行役員を就ける方針で、曽我氏の選任議案も提出する。吉村氏が消費者金融大手アイフルと進めていた新銀行設立構想は「当社のビジネスモデルと整合しない」として、「検討を中止する」と発表している。山口FGは山口銀行(山口県下関市)、もみじ銀行(広島県広島市)、北九州銀行(福岡県北九州市)を傘下に持つ金融グループ。3行を合算した預金量(21年3月期)は10兆115億円で地銀上位である。

「守旧派の社内取締役が主導したクーデター」と吉村前会長

 新銀行設立の進め方をめぐって「社内の合意を得ないまま、独断専行した」と批判され、会長兼グループCEOを解任された吉村氏は11月29日、東京都内で記者会見を開き、「意見の聴取もなく、問答無用の闇討ち解任であり、違法なクーデターだ」と述べ、中立的な第三者委員会による再調査を求めた。6月25日の株主総会直後の取締役会で解任が決まって以降、吉村氏が公の場で説明するのは初めてだ。

 吉村氏はアイフルとの共同出資による新銀行構想を取締役会で議論せず独断で進めたとされる点について、「権限逸脱とされた新銀行構想は、まだ交渉の段階であり、執行権限の範囲内。検討が完了次第、取締役会で議論を行うのは当然。独断専行ではまったくない」と反論。新銀行構想を急いだ理由については、「個人ローンが主力の新銀行は、グループの稼ぐ力を上げるために必要だった」と強調した。

 同氏はさらに、「CEOの権限逸脱」と認定した社内調査本部の報告書について、「解任に賛同した取締役が本部長を務めた部署の報告書であり、結論ありきで中立性、公平性を欠いている」と批判。解任については「守旧派の社内取締役が主導したクーデターだ」と断言した。会見には、「社外に機密情報を漏らした」として10月に解任された渡部伸一元執行役員が同席。渡部氏は、「6月の吉村氏の解任に先立ち、一部の取締役が吉村氏の解任を働きかけるメールのやり取りをしていた」と暴露した。「この件を吉村氏や社外に伝えたことが、機密情報の漏洩とされた」と証言し、「公益通報者に準じて取り扱うべきで(解任は)不当だ」とした。吉村氏は「会長などの地位に戻ることが目的ではなく、株主らに正しい情報を伝えたい」とし、「第三者委員会で改めて独断専行と結論づけられた場合には、責任を取りたい」と語った。

 臨時株主総会を前に、「不利な情勢」(関係者)と見られている吉村氏が、あえて東京で記者会見を開いたことになる。「窮鼠猫を嚙むだ」(ライバルの地銀グループ首脳)といった冷ややかな見方もある。

アイフルとの新銀行構想では外資系経営コンサルタントをCEOに招く予定だった

 今年4月、取締役や幹部行員に届いた一通の内部告発が内紛に火をつけた。吉村氏の個人的なスキャンダルのほか、外資系金融コンサル会社オリバーワイマングループ(東京都千代田区)日本代表パートナーの富樫直記氏との癒着を指摘していた。

 富樫氏は日本銀行出身で、そのキャリアを生かし、多くの地銀を顧客にもつコンサルタントだ。かんぽ生命保険で不適切な保険販売が明るみに出た際、「金融商品の販売組織を郵便局という最小単位に切り分け、郵便局の運営管理を地域の金融のプロに任せては」と提言し、一部で関心を集めた。

「怪文書にしては内容が詳しすぎる。内部の支店長以上の人間が書いたものだ」と判断した社外取締役が調査チームを立ち上げた。吉村氏が“クーデター派”とみなした福田進取締役(監査等委員)が本部長を務めた社内調査委員会がまとめた調査報告書は、吉村氏に対する7つの告発事案を列挙し、「取締役辞任」を勧告した。富樫氏のコンサル会社への5億円の支出も確認された。

 吉村氏はアイフルとの共同出資で個人向けのリテール専門銀行の設立を計画。富樫氏をCEOに迎え、その親族を含むコンサル会社の社員数人を雇用する人事案が計画には盛り込まれていたという。さらに富樫氏の報酬は1億円以上と決められていたとされる。「この報酬は法外すぎる。ふざけた提案だ」と山口FGの取締役は激しく反発。これが吉村氏の会長解任の引き金となった。

 吉村氏が企画した「全国区の個人金融専門の銀行」は「格差社会におけるマスリテール層の生活改善のための金融を展開する」とうたっていた。顧客に毎月10万円を貸し出し、返済は貸出金が上限に達するまで利息のみにとどめ、顧客が死亡したら死亡保険を返済に充てるというもの。低所得者を対象に死亡保険で返済させるというビジネスモデルだ。

 死亡保険で貸し金を回収するのは、かつてのサラ金を思わせるような仕組みで、「金融庁が『銀行がやることではない』と不快感を示した」と山口FGの関係者は証言する。山口FGは銀行としての社会的責任が問われる事態となっている。

 第一生命保険の巨額詐取事件との関連はあったのか。怪文書が指摘した、数々の疑惑について、山口FGの経営陣は記者会見を開き、きちんと説明する責務がある。

(文=編集部)

ガーナ移民の子からヴィトン革命児へ…ヴァージル・アブロー、ファッション界の破壊

 本連載の9月掲載記事『ナイキ・ダンク「The 50」“見事な販売手法”を分析…アパレル販売の新常識&生き残り策』でご紹介したデザイナーのヴァージル・アブロー氏が11月28日、心臓血管肉腫による2年間の闘病生活の末に急逝した。享年41であった。

 ヴァージル氏は2019年9月に体調がすぐれずにオフホワイトのコレクション発表時に欠席したことはあったが、その際は多忙のため医師から休養が必要と指摘されたと発表。闘病生活中であることは公表していなかった。

 彼は、デザイナーとして自身が創業したラグジュアリー・ストリートブランド「オフホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」と世界最大メゾンのひとつルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のメンズ・アーティスティック・デザイナーも務めていた。親日家でもあり、学生時代に感銘を受けた現代美術家の村上隆との交流を通じて、DJ活動やアーティスト活動も高い評価を得ていた。今シーズンもルイ・ヴィトンと古い友人であるニゴ(NIGO)とのコラボも大きな話題になった。

 そのファッション界のトップオブトップの急逝に業界中から深い悲しみと死を惜しむ声が上がっている。今回は緊急寄稿として、天才ヴァージル・アブローの短すぎる41年間の多大なる影響と足跡を再検証してみたい。

1.革新を生み続けた21世紀が生んだ天才的デザイナーの軌跡

 彼の人格を語るエピソードに、LVMHグループが世界の新人デザイナーの登竜門として開設した「LVMHプライズ」選考時の逸話がある。LVMHプライズは優勝賞金が30,000ユーロ(約3,800万円)と飛び抜けて高額な上、優勝者はLVMHグループのエキスパートから1年間のメンターサービスを通して、ファッションビジネスのノウハウを習得できる。2018年にはアジア出身者として初めて日本人デザイナー、井野将之氏(DOUBLET)がウィナーとなったのも大きな話題となった。この最終選考には毎年7、8人が残りウィナーと特別賞が授与される。審査委員となったヴァージル氏は、受賞できなかった最終ファイナリスト全員に「僕自身も挑戦したが受賞できなかったんだ」と慰めと励ましの言葉を語りかけている。ヴァージル氏の人となりが充分に理解できる。

 1980年、ガーナからの移民のお針子の母とペンキ工場の責任者の父のもと、米国イリノイ州で生まれる。10代で音楽を通して芸術的感性を表現し始め、DJとしての地位を確立。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学の学位を取得後、イリノイ工科大学で建築学修士号を取得。洋服も建築も、背景を踏まえてデザインする点では同じと発言している。大学時代に知り合ったラッパーのカニエ・ウェストと共に、2006年フェンディでインターンとしての経験を持つ。

 そこで彼らは、当時のフェンディCEOで現在はルイ・ヴィトンの代表取締役会長兼CEOであるマイケル・バーク氏に出会った。その後「カニエ・ウェスト」ブランドのクリエイティブ・ディレクターに就任。14年にミラノを拠点としてオフホワイトのデビューを飾る。オフホワイトは、ナイキやイケアとのコラボレーションで大きな成功を納め、その評価を大いに高めた。カジュアルアイテムにすぎなかったスニーカーのリメイクなどの手法で一大ブームを創る。

 ヴァージル氏はこのブランドを通じて業界の内外から注目を集め、Instagramのアカウントには1060万人以上のフォロワーがいる。18年にルイ・ヴィトンのメンズ部門のアーティスティック・ディレクターに就任。1854年創業の世界最大メゾンであるルイ・ヴィトン初の黒人デザイナーとしても注目を集めた。

 メゾンの歴史において、ファッションを正式に学んだ経歴もなくラグジュアリーと対極のストリートファッション育ちのヴァージル氏がこの地位まで上り詰めたのは奇跡と呼ばれた。前任キム・ジョーンズ氏が切り開いたルイ・ヴィトンとストリートファッションとの関係性をより確固にするには最適なデザイナーであった。

 2016年6月、初のコレクションではカニエ・ウェストの楽曲が流れ、多様性(ダイバーシティ)を象徴するレインボウカラーのランウェイが用意された。ヴァージルの友人も含む17人の黒人モデルのホワイトルックからスタートした。ショーのフィナーレでランウェイに登場したヴァージル氏。鳴りやまないスタンディングオベーションのなか、フロントロウにいた親友のカニエ・ウェストを見つけると、熱いハグを交わし、2人で涙を流した。世界のファッション業界にとって新しい時代を開いた象徴的なシーンが世界中に届いた瞬間であった。

 ヴァージル氏は新たなルイ・ヴィトンの歴史をその瞬間に創った。過去のプロトタイプを脱構築しながら、毎シーズン世界中の人々のワードローブに新しく解釈された新鮮な価値を提供した。

2. 歴史的ファッションヒエラルキーを破壊

 この秋、米国ボストン現代美術館でヴァージル氏の個展“FIGURES OF SPEECH”が開催された。過去約20年間のキャリアを振り返る約70点が展示された回顧展が、シカゴのシカゴ現代美術館とアトランタのハイ美術館に続いて公開された。彼がアフリカ系アメリカ人としてヨーロッパの歴史あるメゾンで展開したコレクションは、何を生み出したのであろうか。ファッションは常に時代を映す鏡であると表現されてきた。

 スノッブかつ豊かさの象徴であったラグジュアリーと、ストリートから生まれたファッションスタイル。社会の対極で芽生え拡散したファッションスタイルの破壊と創造。従来そこには、越えられない明確なヒエラルキーが存在した。ヴァージル氏は、歴史的ファッションヒエラルキーを破壊し、新しい価値観を提案した。

 若く新しい世代は、絶大な指示と賛同を寄せルイ・ヴィトンのビジネスを拡大させた。肌の色も出自も超えたダイバーシティを見事に表現し、新たな価値を提案した革命的なデザイナーだった。彼を支持した新しい世代の価値観が、これからのファッション業界をより素晴らしいものに進化させ、亡きヴァージル氏の存在が大きな意義をもっていたことが今後ますます証明されるであろう。黙祷。

(文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師)

●たかぎこういち

タカギ&アソシエイツ 代表/スタイルアドバイザー/コンサルタント(ファッション視点からの市場創造)/東京モード学園ファッションビジネス学科講師

1952年、大阪生まれ。奈良県立大学中退。大阪で服飾雑貨卸業を起業。22歳で単身渡欧後法人化代表取締役就任、1997年香港に渡り1998年、現フォリフォリジャパングループとの合併会社取締役に就任。オロビアンコ、マンハッタンポーテージ、リモワ、アニヤ・ハインドマーチなど海外ファッションブランドをプロデュースし、日本市場の成功に導く。また、第1回東京ガールズコレクションに参画。米国の有名ファッション展示会「d&a」の日本窓口なども務めた。時代に沿ったブランディング、MD手法には定評がある。2013年にファッションビジネスのコンサルティング会社「タカギ&アソシエイツ」を設立。著書に『オロビアンコの奇跡』『超入門 日・英・中 接客会話攻略ハンドブック(共著)』(共に繊研新聞社)、『一流に見える服装術』(日本実業出版社)、『アパレルは死んだのか』(総合法令出版)、『アパレル業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)などがある。

JRA 4月まで未勝利馬が「20馬身」6連勝!? 中央「失格」烙印押された馬がC.ルメール“大絶賛”の馬にモデルチェンジした裏事情

 27日、東京競馬場で行われた10RのシャングリラS(3勝クラス)は、C.ルメール騎手の2番人気クロパラントゥ(セ3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が勝利した。

 フルゲート16頭立てのダート1400m戦。若干出遅れ気味のスタートだったが、なんのその。最後は2着馬に1馬身1/4差をつける快勝にルメール騎手は「3番手で冷静に走っていました。いい馬です」とニンマリ。2着馬に騎乗していたR.ムーア騎手も「勝った馬が一頭強かったです」と称賛していたほどの強さを見せた。

 トップクラスの外国人騎手も舌を巻いた3歳馬はこれで中央3連勝。1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスと、とんとん拍子に勝利を積み重ねているわけだが、決してデビューから順風満帆で現在に至ったわけではない。実は一度厳しいJRAの競争社会からドロップアウトした過去もあるのだ。

 ダートで快進撃の続いているクロパラントゥだが、昨年9月の新馬戦は中山芝2000mでデビュー。当時管理していた鹿戸雄一師は「まずまず動けるようになってきた点に期待したい」と、武豊騎手を鞍上に送り込むも、結果は勝ち馬から1.2秒差の9着と惨敗してしまう。

 その後、去勢やブリンカーを装着するなど馬具を工夫して、未勝利戦の芝とダートで1戦ずつの計2戦使われたものの、いずれも二桁着順と振るわなかった。この結果に陣営やオーナーは中央では頭打ちと考えたのか、クロパラントゥはわずか3戦で地方のホッカイドウ競馬へ転入することになる。

 ホッカイドウ競馬の小野望厩舎へ移籍した同馬は、早速翌5月に移籍初戦の門別ダート1200m戦を迎えたが、中央に在籍していた頃とは別馬のような好発進を決める。クロパラントゥは、地方でのデビュー戦をなんと7馬身差の大楽勝で飾ったのだ。

 続く2戦目は1700m戦を使われたクロパラントゥ。前走から一気に500mの距離延長でも5馬身差で圧勝を決める。クラスが上がった3戦目も同じくダートの1700mを走ったが、今度は持ち時計を1秒以上縮めての勝利。そして、かつて芝でもダートでもいいところのなかった馬は、まるで別馬のような3連勝を飾って、再び中央へ復帰することになる。

 出戻った先は前回と異なる藤沢和厩舎だったこともオーナーの期待の表れだったのだろうか。地方で連勝中といえども、中央では未勝利の馬だったにもかかわらず、初戦からルメール騎手が起用されたことからも陣営の自信が伝わってくる。

 そんな陣営の期待に応えたクロパラントゥは、9月札幌の1勝クラスを快勝。5ヶ月前は未勝利戦で一桁着順も難しかった馬が、地方競馬を経て1勝クラスを楽勝できるほどまでに成長していたことも驚きだ。これには当時のルメール騎手も「地方でいい勉強をして強くなってくれましたね」と、ホッカイドウ競馬への移籍が大きかったことを証言している。

 クロパラントゥの勝利はホッカイドウ競馬時代も含めるとこれで6連勝。ここまで来るとデビュー当時とはまるで別馬のような成績といえる。

 JRAで未勝利に終わった馬が地方競馬へ移籍し、勝利を重ねて再度JRAへ戻るケースは何度もある。ただ、JRAの高い壁に阻まれる馬が多く1勝クラスを卒業できない馬は何頭もいる。それでもクロパラントゥが連勝を続けているのは、ホッカイドウ競馬へ移籍したことも大きく関係していそうだ。

 ホッカイドウ競馬は全国の地方競馬でトップクラスに強いと言われており、交流重賞でJRA勢に競り勝つシーンも珍しくない。また、今年のCBC賞(G3)で日本レコードを樹立したファストフォースやメイプルグレイトなどが代表に挙げられるように、近年は過去にホッカイドウ競馬で在籍していた馬が活躍するパターンが多くなってきている。

 クロパラントゥの次走は来年1月の根岸S(G3)を予定している。一度は中央で落第と判断された馬が、地方競馬時代も含めると2着馬につけた着差は計「約20馬身差」の6連勝。別馬のような変貌を遂げたキズナ産駒が、重賞でも勢いそのままに勝つことができるのか注目したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

シニアはスマホをどれだけ使いこなしている?~シニアの最新メディア事情~

能登氏と長尾氏

ビジネスへのヒントや気づきを提供したり、新しいマーケティングへの知見を開発したりすることを目的に、電通メディアイノベーションラボでは、オーディエンス(メディアや情報の受け手)の研究プロジェクトを推進し、オーディエンスにまつわるさまざまな関心に応える情報を発信しています。

今回は、マーケティングの重要なターゲットの一つ、「シニア層」について、長年にわたり高齢者へのデジタルリテラシー拡大に努めてきたNPO法人PCTOOL代表理事の能登貴史さんにインタビュー。最新のシニア事情やコミュニケーションのポイントなどを聞きました。

シニアとスマホの関係は?

長尾:本日は、富山県でNPO法人PCTOOL(ピーシーツール)代表理事としてご活躍されている能登さんをゲストにお迎えしています。能登さんには以前、シニア層に関する共同プロジェクトで大変お世話になりましたが、その後はどのような活動をされていますか?

能登:PCTOOLは、地域のIT化推進を目的に設立したNPOです。目に見える形として高齢者のためのパソコン教室を運営し、立ち上げて20年以上になります。最近では「市民活動サポートセンターとやま」の代表理事として、ネットワーク化の支援、セミナーでの啓発など、地域の社会課題のサポートにも取り組んでいます。

長尾:そういえば、PCTOOLの「PC」はパソコンのことではなくPersonal Communication の略、ということを前に伺いました。私どものテーマは、まさにコミュニケーション。本日はいろいろとお話を聞かせてください。

はじめに、シニアのネット利用、中でも「スマホでのネット利用」について伺います。【図表1】は年齢層ごとのスマホでのネット利用率のデータです。例えば、70代も約7割がスマホ経由でネットを利用しています。

【図表1】

インターネット利用率
ビデオリサーチ社「シニア+調査」(2020年、東京エリア)を基に電通が作成

続いて、【図表2】は1日のネット利用時間のグラフです。55-74歳をシニアと定義して行われた調査の結果です。ご覧のように、PCネットは上昇基調で、スマホネットはもっと急速に右肩上がりで伸びており、2020年にPCネットをスマホネットが超えています。

【図表2】

デバイス別ネット利用時間
ビデオリサーチ社「シニア+調査」(2020年、東京エリア)を基に電通が作成

シニア向けの雑誌(例えば「ハルメク」など)でも、シニアがスマホへスムーズに入っていけるような特集がよく組まれていますね。以上のようなデータをご覧になって、富山での実感値としてはいかがでしょうか?

能登:はい、スマホが間違いなくメインとなっています。携帯ショップでも、従来型のケータイはもうほとんど販売しなくなりましたね。

長尾:地方でもスマホが当たり前の状況ですね。皆さん、バリバリ使いこなしていますか? 

能登:私がふだん触れ合う65歳から78歳くらいの方々を念頭に話しますと、「持っているのと使いこなしているのは大違い」という点があります。

例えば、アプリのダウンロードすらできない人も多く見かけます。PCTOOLの教室でも、初心者のためのスマホ講座を始めていますが、「アプリを入れる」ということが思いのほか難しいようです。さらに、IDとパスワードの入力をしてアプリへログインするところも大きなハードルです。

長尾:そういった課題もあるのですね。逆に、スマホをすいすい使いこなしている人は、スマホでどんなことをしていますか?

能登:できる人はかなりアクティブですよ!女性は、お料理動画ですね!(笑)。あと、写真系アプリ。山歩き、花見、小旅行などに行って、撮った写真をコラージュしたり。

長尾:楽しそうですね!では、コミュニティ系の行動に関してはどうですか?

能登:私たちの教室では、Facebookを利用したコミュニケーションを勧めています。特に最近は、「オンラインサロン」が生徒さんたちの楽しみにつながっています。

自宅でラップトップ

長尾:オンラインサロン!皆さん、積極的に参加されますか?何か、モチベーションアップの企画とか、行われてるのでしょうか?

能登:本日同席の能登智子事務局長(能登代表の奥さま)が先生を務める教室でやっている企画ですが、毎日、早朝オンラインサロンで「クイズ」を出すんですね。このクイズを朝一番の楽しみとして、皆さんイキイキと参加されています。

長尾:面白いですね!ちなみにどんなクイズですか?

能登:例えば、四字熟語の2カ所を当てる穴あき問題です。日によっては、聞いたこともないような難しい熟語のときもある(笑)。皆さん、一番に解答したくてわれこそは、とスマホで書き込んできます。クイズとともにその日の体調などもコメントで伺ったりしていますので、地域の見守り的な役割にもつながっていると思います。

長尾:次に、シニア層の動画視聴行動についてはいかがでしょう?

能登:多くの方が見ているのは、実生活に役立つものでしょうか。松の木の剪定(せんてい)の仕方とか。主婦の方だと、ネジの緩め方に困ったときに方法が分かる動画とか。また、教室では「YouTubeを活用して調べものをしよう!」という授業も行っています。

伝統的なマスメディアへの意識 

長尾:スマホを中心に伺ってきましたが、テレビやラジオなどの伝統的メディアについて、シニアの皆さんの向き合い方はいかがでしょう?

能登:テレビはシニアにとって今でも最大のメディア、その点は不動です。一日の長い時間、地上波テレビを楽しんでいます。

ただし、高齢者という視点から見たときに、昨今のテレビについては少し思うところもありまして。地上波の番組では、見ている人の社会不安や恐怖といったものを必要以上にあおるものが見受けられます。教室での雑談で「殺人事件は増えていると思いますか?」といった質問をすると、「増えている」と答える人が多いんです、実際の統計ではそうではないのに。不安な気持ちが増すと、BS放送やラジオへ切り替えてしまう人もいます。

長尾:シニアは「楽しさ第一主義」であるという言葉を、以前、能登さんからお聞きしたのを思い出しました。ところで、ラジオという言葉が出ましたが、昔からラジオはシニアに強いメディアですね。

能登:お年寄りは、不安でないもの、安心・安全なものを好みますから、ラジオにはとても親しみが深いです。ご当地人気パーソナリティの番組のような「ほんわか」したものを、シニアは求めていると思います。

それでいうと、このデジタル時代に、「ラジコ(radiko.jp)」やNHKの「らじる★らじる」の役割も大きいですよ。ウオーキング中やお料理中に聞いているという人も多い。ニーズは高まっていると思いますし、私の周りでも楽しんでいる人が増えています。

長尾:ラジオ業界にとって元気が出る話ですね。実際、ラジコの利用経験者率がシニアで伸びている、というデータもあります(【図表3】)。そういえば、能登さんご自身も富山県のコミュニティFMの番組パーソナリティをされていましたね!

【図表3】

ラジコ利用経験者率
ビデオリサーチ社「シニア+調査」(2020年、東京エリア)を基に電通が作成

シニア層へのマーケティングやコミュニケーションのヒント

長尾:次に、シニアとお金の話になりますが、若い人よりシニアの方が「価格比較サイト」をよく利用し「特典の得られるサイト」も多用する、というデータがあります。一般に「シニア=裕福」などと語られることも多いですが、シニアは意外とコストコンシャスで消費の目は鋭いとも感じています。そのあたりについて、いかがでしょう?

能登:シニアは、お金にはシビアです。でも一方、必要と思うものには積極的に使う面も見られます。また、「商品は一度手に取らないと」という志向が強いと感じます。一度手に取ると納得感が出る。ネットで調べても、最後は売り場で直接商品を確認してから買う人が多いと思います。

長尾:そのような難しいターゲットへ向け、マーケティングで留意すべきことは何でしょうか?

能登:これからの時代は、どれだけ個へ寄り添えるかが大事だと思います。シニアも人により状況は千差万別。例えば、耳は少し遠いけれど目はよく見えるとか、目はよく見えるけれど体力がないとか、ふだんから文章を読む生活をする人とそうでない人とか。個によって状況はさまざまです。

長尾:そのような多様性へ、キメ細かく対応することが肝要なのですね。

能登:それと、もう一つの重要ポイントは、先ほども言いましたが「納得感」です。アプリの機能やメリットだけ述べても全然頭に入っていかないけれど、「このアプリでこう生活が変わるんだよ!」というふうに伝えるとよいということが、教室で教える中でよく分かりました。アプリ起点で語るのでなく、このアプリを使うとこんな楽しい生活が!という説明にすると、生徒さんたちはがぜん、顔が変わります。

長尾:能登さんが生徒さんへ、「孫との楽しい場面」を目標にお孫さんへ渡す「お年玉袋」を手作りする講座を教えられているのを、思い出しました。こういったことも、なぜパソコン教室に通うのか?ということへの納得感につながってますよね。

祖母とスマートフォン

最後に、広く「シニアとのコミュニケーション」という視点で、大事だと思うことをお伺いできますか?

能登:“距離感”が重要です。シニアの皆さんへの教室を展開してきましたが、常に生徒さんとの距離感には気をつけてきました。生徒さんたちに決して「お客さん」として接しないよう、気をつけています。おじいちゃんの生徒さんを、「田中さん」と呼ぶ代わりに「ケンちゃん」などと呼んで、親しく、できるだけ近い距離感で触れ合っています。

うちの教室では、物理的な“目の高さ”も合わせるようにしています。例えば、先生がしゃがみこんで説明するようにしたり。教える側が高い位置から教える「指導者」になってしまうとone wayの関係になってしまう。そうするとうまくいきません。僕らと楽しい環境で過ごす、というアプローチだとうまくいきます。

目線合わせがポイントです。一緒に楽しい時を持ち、声を聞きながら変化し続ける、という気持ち。そこから生まれるさまざまな新しいツールや世界は皆さんの幸せな生活に必ずつながりますよ、といった志が伝わることが鍵ではないでしょうか。

長尾:多くのシニアとの触れ合いを続けてこられた能登さんならではの貴重なお言葉を伺えました。いろいろとヒントが満載で、とても参考になりました。本日は本当にありがとうございました。


「シニアもスマホ」が当たり前の時代となり、スマホでのラジオ・動画・オンラインサロンなどコミュニケーションチャネルが拡大しており、マーケティングのチャンスはますます広がります。一方、不安をあおられるようなコンテンツやメッセージには気をつけ、いかに「楽しさ」へフォーカスし「納得感」を与えていけるかが、ポイントになりそうです。また、一人一人、千差万別な生活を送るシニアの「個」へ寄り添い、目線の高さを合わせたアプローチをすることが鍵になると考えます。

ご興味がありましたら電通メディアイノベーションラボの長尾までご連絡を(mediainnovation@dentsu.co.jp)お願いいたします。

【調査概要】
調査方法:訪問による調査対象者への依頼、電子調査票による調査
対象者抽出方法:エリア・ランダム・サンプリング
調査対象者:55-74歳男女
調査エリア:東京50km圏
調査時期:2020年4-6月
サンプル数:有効回収 1605s
調査実施:ビデオリサーチ
 
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マツキヨ、厳しい意見続出の5品…粘着力が微妙な絆創膏、折れやすい歯間ブラシ

 薬の販売だけでなく低価格かつクオリティの高い日用品なども取り揃え、日常生活を手助けしてくれるドラッグストア。なかでも、業界の人気を牽引してきた老舗チェーン店として知られているのが「マツモトキヨシ」だ。

 個人商店として1932年に産声を上げたマツキヨは、90周年を目前に控えた今年、ドラッグストア業界の大手である「ココカラファイン」と経営統合を果たすなど、再び勢いを取り戻している。

 そんなマツキヨはPB(プライベートブランド)である「matsukiyo」が人気で、熱心なリピーターも多いのだが、なかには少々首をかしげざるを得ない“要注意”な商品もある。そこで今回は、実際に使用してみて気になった「matsukiyo」の要注意な5品を選出したので、買い物の参考にしてほしい。

ハイドロコロイドパッド 薄型 水仕事用 12枚/525円(税込、以下同)

 絆創膏は、ちょっとしたかすり傷などを負ったときのために常備しておきたい医療グッズだが、近年は進化型の絆創膏も多く登場し、ドラッグストアにも並んでいる。

 この「ハイドロコロイドパッド 薄型 水仕事用 12枚」も、そうした進化型絆創膏のひとつ。“傷を治す体液の成分”を絆創膏のハイドロコロイドという素材がゲル状にして傷口にとどまらせることで、傷を早くキレイに治してくれるというのだ。さらに、高い粘着力と防水性もあるため、洗い物をしたりシャワーを浴びたりしても問題ないという触れ込みである。

 しかし、インターネット上では少々不満の声もあがっている。というのもこの商品、治癒能力自体には問題はないが、いかんせん粘着力が強すぎて、剥がすときに皮膚が引っ張られて痛いことがあるというのだ。その一方で、シャワーを当てていたら端からクルクルとめくれて取れてしまったという意見もある。もちろん使用状況によって変わるだろうが、進化型絆創膏はさまざまな種類が出ていることを考えると、もう少し別の商品を探してもいいのかもしれない。

プロテインバー塩キャラメル 36g/138円

 健康のためや趣味としてスポーツを楽しむ方は多いだろうが、運動効果を高めてくれるサポートアイテムとして、プロテインを多く含む食品を摂取しているという人も少なくない。最近はコンビニやドラッグストアでも、こうしたプロテイン配合の栄養バーなどが並んでいるが、この「プロテインバー塩キャラメル 36g」には厳しい意見も多くあがっている。

 管理栄養士監修のもと、プロテインを15gも配合しており、日々の運動をサポートしてくれるそうで、1本36gと良い意味で少量なので、さっと手早く食べられるのもちょうどいいだろう。

 ただ、味わいの面で賛否が分かれているのである。食べやすくて美味しいといった好意的な意見がある一方で、キャラメル味の薄さや油っぽい舌触りなどにあまり良い印象を持たない方も少なくない模様。この塩キャラメル味が舌に合わない方は、同シリーズにイチゴ味やチョコ味などもあるので、そちらを選んでもいいかもしれない。

キレイ長持ちお風呂用スポンジ 1P/327円

 寒くなってきた時期は、自宅でゆっくり湯船に浸かって暖を取るのもいいものだ。しかし、気持ちよくお風呂を利用するためには、浴槽の水垢などを落とす掃除も必須となってくるだろう。そんなときにこの「キレイ長持ちお風呂用スポンジ 1P」は重宝しそうだが、少々気になる点があるのだ。

 こちらは型崩れしにくいという高級ポリウレタンを使用しているだけでなく、無膜構造なので洗剤の泡立ちも良いという触れ込み。本品の上部にはフックなどに吊るしておける切れ込みと丸い穴が空いている。

 だが、その吊るしておくための配慮が裏目に出てしまっているのである。切れ込みと穴のせいで、握って使っていると先端がグニャグニャしてしまい、洗いづらい印象を覚えるのだ。洗いやすさを取るか、吊るしておける利便性を取るか、好みは人それぞれあるだろうが、効率よく浴槽掃除がしたいのであれば、別のスポンジを選んだほうが賢明かもしれない。

歯間ブラシL型 サイズ4(M) 8本/294円

 マスク生活でついつい油断しがちなのが、お口周りのケア。通常の歯磨きだけでは落ちにくい、頑固な歯と歯の間の汚れにも気を遣いたい。昨今のドラッグストアではそうしたシーンで活躍する歯間ブラシなどが数多くラインナップされている。

「歯間ブラシL型 サイズ4(M) 8本」もそんなデンタルケア商品。鶴の首のように絶妙に湾曲した長いヘッド部分が奥歯の間にもうまく届き、歯の汚れをキレイにしてくれるという。

 実際、ネット上では「持ち手も滑りにくく使いやすい」「お値段もお手頃」と好意的な意見も多いが、一方でヘッド部分の強度が弱く、「使っていてすぐに折れた」とする意見もあがっている。歯間ブラシに耐久度を望んでいる方には、おすすめしづらい商品といえる。

99%除菌 流せるトイレクリーナー 20枚×2P/206円

 最後は、今年4月のマツキヨ要注意アイテムの記事でも紹介した商品。あらためて選出せざるを得ないほど要注意ポイントが気になってしまうため、今回も紹介させていただこう。

「99%除菌 流せるトイレクリーナー 20枚×2P」は文字通り、トイレ清掃のために使うためのシート。約250mm×160mmのウェットシートが計40枚も入っており、便器やタンク、床やタイルといった場所を拭いたら、そのままトイレに流せるというのがウリだ。しかしネット上では、その機能性を疑問視する声が相次いでいる。

 というのも、パッケージから取り出そうとするだけですぐに破れてしまうほど、シートの耐久性が低いというのだ。気になる汚れも多いトイレ掃除の場面では、使っている最中にブチブチと千切れてしまうシートは、衛生的にも心許ないのではないだろうか。このようなトイレに流せるクリーナーは競合他社からもいくつも出ているので、本品以外を購入するほうが賢明かもしれない。

「matsukiyo」は、痒いところに手が届く商品を多く開発しているブランドだ。実際、性能に対して価格が安い良品が多くファンを獲得しているが、すべての商品がそうとは言い切れないようである。店舗に足を運んだ際は、こうした要注意アイテムに気をつけつつ、マツキヨで賢く買い物していただきたい。

(文・取材=A4studio)

※情報は2021年10月29日現在のものです。

横領・雲隠れ、新庄剛志のスキャンダル史…取材記者が見たBIG BOSS復活の裏側

 北海道日本ハムファイターズの新監督に就任した新庄剛志氏が球界の話題を席巻している。11月4日の記者会見ではワインレッドのド派手なスーツで登場し、「監督と呼ばないで、ビッグボスでお願いします」と語りメディアで大々的に取り上げられた。

「会見で新庄新監督は『優勝を目指さない』などの型破りな発言を連発し記者を驚かせました。引退後は野球界とも距離を置いていたので、日ハム新監督就任はまさにサプライズでした。新庄監督はツイッターで『僕が描いてる野球は3対4の野球。投手に0点で抑えろじゃなく、3点取られていいよ その代わり野手が4点取るから!』とその目指す野球スタイルを明かしています」(スポーツ紙記者)

 まさに現役時代を彷彿させるエンタティナーぶりで日本シリーズ前の球界の話題を独占した新庄監督。本稿では彼の知られざる過去について振り返ってみたい。

 じつは筆者は「週刊文春」時代に新庄氏にまつわる記事を多く執筆してきた。最初に彼の周辺を取材するきっかけになったのが「新庄剛志が離婚を決意した!-独占スクープ」(「週刊文春」2007年6月7日号)という記事だった。2006年シーズンをもってユニフォームを脱いだ新庄氏は、時を置かずして妻の大河内志保に離婚を切り出していた。

 親族によると大河内は新庄にとって初めて本気で好きになった女性だったという。二人は2000年に結婚。大河内は結婚により芸能活動を休止し、新庄氏がメジャー挑戦した際は共に渡米しサポートするなど仲睦まじい夫婦として知られていた。離婚情報は新庄氏の周辺から事情を聞き、親族に裏取りをして執筆し記事にした一本だった。

 報道時は離婚を認めなかった新庄氏だが、07年12月末に突如離婚を発表した。12月末というメディアが動きづらいタイミングで重要事項を発表するという手法は、当時かなり新しかった。年末年始の休みに入るタイミングは、記者がもっとも動きづらい時期である。ゆえにメディアで騒ぎになりにくいため、有名人にとっては過熱報道を避けることができるというメリットがある。その後も多くのタレントが同手法を使って重要発表を行うようになったが、その先鞭をつけたのが新庄氏の離婚発表ではなかったかと思っている。

 その後も「新庄元夫人を直撃、離婚スクープ記事にありがとう」(「週刊文春」08年1月17日号)、「離婚一カ月、新庄『誕生日パーティ』で新恋人発見!」(「週刊文春」08年2月14号)などの記事にも関わるなど、筆者はスター選手のその後を追い続けることになった。

横領問題

 引退してから5年あまり経った11年、一本の電話がかかってきた。

「じつは新庄くんはお金に困っているんだよ」

 ネタ元はこう語り、問題の概要を語り始めた。新庄氏は野球選手として阪神に入団したときから親族に資産管理を任せていた。ベルサーチの服を着、高級車を乗り回す生活スタイルを好んだものの、新庄氏自身はお金には無頓着な性格だった。ゆえに企業経営をしていた裕福な親族が、彼のすべての収入を管理するようになっていた。

 ネタ元はこう語った。

「会社経営をしサウナ付きの豪邸に住むお金持ちだった親族だけど、やがて会社の経営が傾き始めた。金策に困った親族は、こっそり新庄が野球選手として稼いだ巨額の金を使い込むようになったんだ。横領が発覚したのが離婚時だった。大河内に十二分な慰謝料を払おうと新庄は考えた。ところが蓋を開けたら、彼の資産はスッカラカンだったことに気づいたんだ。この横領問題は裁判になっているから調べてごらん」

 筆者は裁判資料などを確認に走り関係各所に取材を重ね、裏取りをした。そして「新庄剛志-<バリ島雲隠れ>のカゲに『4億円骨肉訴訟』」(「週刊文春」11年12月1日号)という記事を書いた。新庄は横領した親族を信じ切っていたが故に、プロ野球選手として稼いだ億単位の金を使い込まれてしまった。取材では、新庄氏が「僕は親族を犯罪者にしたくない」と語り、苦渋のなか横領問題と向き合あっていた様を聞くことになった。

 自らの資産が横領されていた問題について、新庄氏は18年にテレビ番組などで告白をし、その総額は20億円にも達していたと語った。裁判で争われた4億円以外にも、さらに多額の不正があったことを明かしたのだ。

「Smart FLASH」(18年9月14日配信)のインタビューではこう語っている。

「(現役時代に)50億円稼いだ、税金払って20億円ある、芸能界引退した、バリに住もう。それで信頼して20億円を管理してもらっている人に『これからは自分で管理するので、お金を返して』って。それで、蓋開けてみたら2200万円しかなかったらどうする?」

 新庄氏は引退後、バリ島に移住した。そこで絵を描いたりモトクロスを楽しむといった隠遁生活のようなライフスタイルを好んだ。20億という横領金額は、おそらく新庄氏の引退後のライフプランを崩すものだったはずだ。日本でタレントや野球解説者として活躍するという選択肢もあるなか、彼がバリでの“隠遁生活”を選んだのは、横領問題があり「日本の生活に嫌気が差したから」(前出・スポーツ紙記者)ではないかとも囁かれた。

 年に数回来日しては、テレビ出演やCM撮影で一稼ぎして、物価の安いバリで悠々自適の生活を送る。かつて「オレ、一銭もなくても生きていける」と新庄氏は語っていたことがあった。この言葉をなぞるかのように、引退してからの彼はまさにどん底からの再出発を余儀なくされたのだ。スター選手として華々しく引退してからの15年は、新庄氏にとっては“暗黒期”だったといえるだろう。

 離婚や横領といったスキャンダル記事を書かれることは、おそらく本人にとっては嫌なことだったはずだ。筆者は記者として知り得た「事実」は書くというタスクを実行せざるを得なかったために様々な記事を書いたが、取材のなかで常々感じていたのは新庄氏の「人柄の好さ」だった。元妻に多額の慰謝料を払おうとした話、親族を「犯罪者にしたくない」と悩む様から、人間味を感じることが多かったのだ。横領については民事訴訟にはなったものの、本来であれば刑事事件になっておかしくない話だった。だが、筆者が知る限り新庄が親族を刑事告発したという話は聞こえてこなかった。

 人を恨まず前向きに等身大の人生を生きる、という姿勢が新庄のバリ生活には感じられた。そして過去を明るく笑い飛ばすところに、彼の人間的度量が表れていた。どのようなときもポジティブさを失わない姿勢が、現役時代と変わらないオーラを纏い日ハム監督として球界復帰を果たせた大きな要因になっているように思う。

新庄劇場の再来

 15年の暗黒期を乗り越えて、日ハム新監督に就任した新庄氏。彼には果たすべきある役割があるのだ、という。

「新庄氏は04年、メジャーから日ハムで日本球界に復帰しました。マスクを被るなどのパフォーマンスで話題をさらい『新庄劇場』と呼ばれ人気を博し、野球でも大活躍をし、のちに日ハムを日本一にまで押し上げたのです。同年から北海道に移転した日ハムの観客動員に新庄氏は大いに貢献したのです。今回の監督就任も、日ハムの球場移転が背景にあるといわれています。日ハムは高い賃料問題もあり、現在の札幌ドームから23年に新球場エスコンフィールド北海道への移転が決まっています。新球場は札幌市内からやや遠い郊外の北広島市に位置するため集客に不安がある。そこで新庄新監督で話題をさらい、新球場への集客につなげようと日ハムフロントは考えているといわれています。北海道移転時の新庄劇場の再来を、というわけです」(スポーツライター)

 新監督就任会見で、日ハムの畑佳秀オーナーは「このような重要な時期にチームを任せられるのは、ファイターズの北海道の初年度からの歩みをご存じで、そして北海道で初めて日本一、この偉業を成し遂げ、その功績者、立て役者であった新庄監督が最もふさわしいと考え決断した次第でございます。北海道はもとより、プロ野球界、日本のスポーツ界に新しい風が吹き荒れると期待しております」と語っている。

 同会見で新庄氏はこう語っている。

「引退して野球を見ることはほとんどなかったですね。いい意味でも悪い意味でも、向こう(バリ)にいて時代をわかっていないんで、新庄剛志らしくどんどんどんどん、時代の怖さなんか関係なく、突き進んでいけたらいいなと思っています」

 スキャンダルを乗り越えた人間は強い。15年の雌伏の時を経て復活した「新・新庄劇場」に期待したい。

(文=赤石晋一郎/ジャーナリスト)                                  

●赤石晋一郎/ジャーナリスト

南アフリカ・ヨハネスブルグ出身。講談社「FRIDAY」、文藝春秋「週刊文春」記者を経て、ジャーナリストとして独立。

日韓関係、人物ルポ、政治・事件など幅広い分野の記事執筆を行う。著書に「韓国人韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち」(小学館新書)、4月9日発売「完落ち 警視庁捜査一課『取調室』秘録」(文藝春秋)など。

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