甘デジ「縁起の良いパチンコ」で正月から白星スタートを狙う! 2022年初打ちで10万発に弾みをつけろ!!

 こーんにーちわー。2022年は錦鯉のように「生きた宝石」と呼ばれるような活躍をして10万発を達成するべく奮闘したいところ。しかし、新年一発目にどの機種を選ぶのかは今年を占う意味でも重要である。

 ただ、やはりまだまだ正月気分も抜けきらない時期なので「めでたさ」重視という手もある。ここで勢いをつけて、というパターン。情緒に流されやすい日本人気質を発揮して2022年をはじめるとしよう。

 今年の1機種目に選んだのは『PAスーパー海物語IN JAPAN2 with太鼓の達人』。超有名音ゲーとのタイアップ機であるが実機を一度もプレイしたことはない。そういえば中学・高校生くらいのときは初詣の帰りにゲームセンターによってお年玉の資金力にモノをいわせ、普段できないような値段の高い乗り込み型のゲームに興じていたものである。

 まあ今のキッズは神様もガチャりそうなので初詣もバーチャルでやりそう。八百万ガチャとかいって。しかしよく考えればおみくじもガチャの一種なので親和性はありそうか。日本の神々は心が広いので捗る。

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 などとどうでもいいことを想像していると、すぐに当りを引いた。なんとわずか4回転。これは2022年の幸先よし。ただこれがサメ揃いで再抽選も発生しないと落胆していると、時短14回転で引き戻し。これも通常大当りだったが、また時短の9回転で今度は確変を引き戻すという大吉な展開が訪れた。

 この確変が4連チャンまで伸びるなど、トータル6連チャンと確変55%では最大級の大爆発を達成した。一撃約3500発。最初にシグナルが鳴ったらBボタンを押しっぱなしにするようなスタートダッシュに成功したのである。初代マリカーは古すぎる。

 今回の実戦はこのへんに光明がありそうだと次に打ったのが『PAスーパー海物語IN JAPAN2 金富士99バージョン』。これぞ正月に打つパチンコの王道だろう。なんといっても金富士である。縁起の良さはまさに日本一。

 しかし、打ちはじめて25回くらいで発生した魚群の大チャンスがまさかのハズレで嫌な予感が立ちまくり。下手をするとこのまま遊タイムまで持っていかれるかと心配したが、56回転で二度目の魚群が無事に当りに結びついてくれた。

 しかも再抽選で画面をタッチすると、揃った図柄がカニからGOLDクジラッキー図柄に大変身。奇数揃いでも10ラウンド確変は同じだが寿さは断然こちらのほうが上。これでST30回+時短298回転の「金富士ゾーン極」への突入も夢見られるというもの。

 結局それは夢を見すぎ、通常のST30回転に加え、金富士ゾーンはノーテンパイ。しかも魚群出現の思し召しがあったのに活かすことができずに終わったのである。ST継続率が約50%ではあるものの悔しさが残る展開となってしまった。

 この無念感を残したまま終わることができず三洋3連戦となる『P大工の源さん 超韋駄天 LIGHT』に着手。これがまさかの10回転ほどで初当りを獲得するにいたるもRUSH突入ならずで50%の壁を超えることができなかった。

 今年も突破の壁に苦戦するのかとげんなりするも、縁起物の2機種を含む三洋づくしで絶好のスタートを切れた2021年。あとは10万発目指して一直線である。

・今回のトータル出玉 +3269発(シーズン総収支 +867発)
・実戦機種 3台(計29台/32台)

これまでの結果
A店【実戦機種26台、コンプリート(大当りさせた)台、16台/33台中・収支 -12249発】
B店【実戦機種21台コンプリート、収支 -16314発】
C店【実戦機種40台コンプリート、収支 +3917発】
D店【実戦機種20台コンプリート、収支 +12249発】
E店【実戦機種20台コンプリート、収支 -803発】
F店【実戦機種50台コンプリート、収支 +18618発】

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

JRA 豪快「バックドロップ」馬が戦線復帰!飛越よりも走りに注目!? クラシック出走を期待できるワケ

 年が明けて2022年。競走馬は一斉に1つ加齢されて、2歳馬は3歳馬に、3歳馬は4歳馬となる。

 また、新馬戦の数も徐々に減少し、それに伴って3歳1勝クラスのレースが増えていく。これからクラシックや重賞を見据える若駒にとって、1勝クラスのレースは避けて通れない道。新馬または未勝利、1勝クラスを経て大きな舞台に挑戦していく。

 中央競馬開幕日の5日も、東西それぞれ3歳1勝クラスのレースが組まれている。どちらも芝2000mの条件であるため、ひょっとするとこのレースから後々クラシックで好走する馬が出てくるかもしれない。

 特に中京6Rはその可能性が高いだろう。『netkeiba.com』の単勝予想オッズで想定1番人気のグランディアは兄弟に重賞馬が多数いる良血馬だ。西の名門・中内田充正厩舎の管理馬で鞍上が川田将雅騎手であることからも、本馬への期待の高さがうかがえる。

 そして、このレースにはもう1頭、競馬ファンから高い注目を集めた馬が出走する。それがダークエクリプス(牡3歳、栗東・今野貞一厩舎)だ。

 1戦1勝のドゥラメンテ産駒に大きくクローズアップされたのが、前走の札幌2歳S(G3)である。新馬戦の快勝ぶりから4番人気の支持を得たものの、レース前に前代未聞のアクシデントを起こしてしまう。

 ゲート内でスタートを待っている間に、前扉を潜るような動作を見せると、鞍上の和田竜二騎手を振り落として、扉の下から潜り抜けた。放馬で自由の身となった本馬は全力疾走した後に、外ラチを「背面跳び」で越えた。

 異例の光景に札幌競馬場では、大きなどよめきが起こり、跳んだ瞬間を捉えた中継映像は瞬く間にネット上で話題を呼んだ。その反響の大きさはレースを4馬身差で制したジオグリフ以上だったかもしれない。SNSではトレンド上位にランクイン。さらにYouTubeにアップされている本馬の飛越映像は、70万回再生を誇っている。

 幸い人馬ともに大きな怪我は負わなかったものの、ダークエクリプスに約1ヶ月間の出走停止と発走調教再審査の処分が科された。それゆえ仕切り直しのレースに挑む前に、ゲート再審査を合格する必要があったが無事にクリア。

 今野師は『スポーツ報知』の取材で「慎重に立ち上げ、ここまで順調にきました」と、順調さをアピールしており、再出発の一戦に大きな期待がかかっている。

 キャリアの浅さと気性面の難しさが課題の馬であるため、今回の強力なメンバー相手に太刀打ちできるか疑問が残る。その一方で、1戦1勝ゆえ伸びしろや底が見えていないのが長所といえる。


 ダークエクリプスが制した新馬戦は、スローペースゆえ勝ち時計は平凡だが、内容やラップは優秀。本馬はゴール前流す余裕を見せる完勝で、下した相手も決して弱くない。3着のポッドボレットは京都2歳S(G3)で4着に入っており、6着のレッドラディエンスは既に2勝を挙げている。

「『12.6-12.2-11.8-11.8』と、後半にかけて加速する新馬戦でしたが、ダークエクリプスは好位から差し切ってます。馬単体で見れば1ハロン11秒前半の脚を繰り出しています。優れたスピードを搭載していますから、1勝クラスでも即通用の器であるかもしれません。

また、祖母はディープインパクトの母で有名なウインドインハーヘアです。良血馬ですから、ここを勝つようならクラシックを沸かせる1頭に数えられることもあるでしょう」(競馬誌ライター)

 今回鞍上の吉田隼人騎手は、レースで初めて跨るが、既にゲート再審査で本馬に騎乗しており顔は合わせている。前走のようなアクシデントが再び起こるのは考えにくい。

 今度こそ本馬の能力全開の姿が見られるだろう。ダークエクリプスの豪快な走りに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

JRA知らないと損する「カラクリ」が122万馬券を演出、京都金杯(G3)的中に欠かせない最重要ポイントを見逃すな

 5日、中京競馬場では年始の重賞である京都金杯(G3)が開催される。

 12番人気の大穴ケイデンスコールが制した昨年は、3着にも14番人気エントシャイデンが入り、三連単の払戻が約122万円という大波乱に終わった。新年早々の超高配当で特大のお年玉をゲットしたツワモノもいたことだろう。

 ただ、他人を羨んでいるだけでは意味がない。今年こそ難解なハンデ戦を的中させ、開幕ダッシュを決めたいと考えるファンにお勧めしたい攻略法に触れておきたい。

 改めて昨年の波乱を振り返ると、やはり例年の京都ではなく中京開催ということがポイントとなりそうだ。これを裏付けるように、1着ケイデンスコール、2着ピースワンパラディは、前走で東京コースを使われていた馬だった。

 右回りで直線が平坦な京都と違い、中京は直線も長く左回り。さらには直線半ばで坂もあり、例年の京都金杯の傾向を鵜呑みにしていては、データの誤差が避けられない。京都という言葉に惑わされずに、あくまで別のレースと考えるのがベターだ。

 なら中京実績のある馬を優先したいところだが、昨年同様に前走中京組はナシ。となると、前走東京組にこそ高配当の使者が潜んでいるという結論に落ち着く。

 ちなみに顔触れを見てみると、前走が東京だった馬は8頭おり、16頭立ての半数を占めている。昨年は5頭だっただけに、8頭の今年はもう少し絞る必要がありそうだ。

 そこで線引きしたいのが、過去10年の勝ち馬の背負っていた斤量。以下は、過去10年における斤量別の成績である。

■過去10年京都金杯、斤量と成績
52.0 0-0-0-5/5
53.0 2-0-2-12/16
54.0 0-2-4-31/37
55.0 4-1-0-27/32
56.0 1-2-2-31/36
56.5 1-0-0-4/5
57.0 2-3-0-14/19
57.5 0-1-1-8/10
58.0 0-1-1-3/5

 御覧の通り、57.5キロ以上を背負った馬は未勝利と割引が必要だ。コースは違えど、斤量についてはそこまでの影響を受けないはず。ここは思い切って57.5キロ以上の馬は、消しの対象としたい。

 これでザダル、ダイワキャグニー、トーラスジェミニの3頭が脱落する。昨年人気を裏切ったシュリ、ダート帰りのバスラットレオンも近走の不振から手は出しにくい。昇級初戦の馬の好走例も少なく、ヴィジュネルも食指が伸びない。

 最終的に残ったのは、56キロのカイザーミノルと57キロで止まったヴェロックスの2頭である。

 前者は一線級が相手だった前走の天皇賞・秋(G1)から大幅なメンバー弱化。ヴェロックスの近況は冴えないが、かつてクラシック三冠で活躍した実績は、ここなら抜けている。昨年のケイデンスコールが、アッと驚く復活劇を見せたなら要注意の1頭だ。

 また、条件を度外視しても狙ってみたいのは、57.5キロを課されているダイアトニックとトーラスジェミニ2頭。いずれも58キロで勝利しているだけに、斤量を苦にしない可能性がある。

 1着候補からは外れるが、2着3着のヒモとしては、馬券的にも十分な妙味を期待できる馬ではないだろうか。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

中国「失われた20年」到来の可能性…民間債務と高齢化率、バブル期の日本を上回る

中国・上海(「gettyimages」より)

 世界の中央銀行が外貨準備資産として金の保有量を積み増している。昨年の総保有量は1990年以来31年ぶりの高水準に膨らんだ(2021年12月26日付日本経済新聞)。直近の10年間で15%増加している(約3.6万トン)。大規模な金融緩和で米ドルの供給量は膨らみ続け、金に対する価値が大幅に切り下がったことがその要因だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めに動き始めているが、通貨安によるインフレになりやすい新興国の中央銀行の米ドルへの不信感を払拭できていない。

 英シンクタンクの経済ビジネス・リサーチ・センターは昨年12月、「2020年代の重要な課題は世界経済がインフレにどう対処していくかだ。インフレをコントロールできなければ、世界はリセッションに備えなければならないだろう」と指摘している。

 このように世界経済の懸念はデフレからインフレにシフトしつつあるが、この動きの背景には世界経済の構造的な変化があると筆者は考えている。1990年は冷戦が終結した年であり、この年を境に中国をはじめとする旧共産圏の安価な労働力が世界市場に大量に流入した。冷戦終了直後の中国には「無限の労働力がある」とまでいわれ、「この労働力を活用すれば安価に製品を量産することができる」と考えた外資系企業は大挙して進出したことから、中国はあっという間に「世界の工場」となった。

 だが安価な労働力が永遠に続くわけがない。2010年代後半に入ると中国でも労働力不足が表面化した。若い世代の価値観の変化も大きかった。現在の20~30代の若者はきつい仕事を敬遠する傾向が強く、サービス業での雇用が増えていることもあって、製造業の労働力の確保が困難になった。そこにダメ押しとなったのが少子化だ。中国の出生数は近年急減している。

 米国でもコロナ禍で仕事を辞める人の数が記録的に増えている。昨年第3四半期に1270万人の米国人が離職し、離職した労働者の約3分の2が完全に仕事から離れてしまったという。そのせいで米国の労働参加率は45年ぶりの低水準になってしまった。

インフレの脅威

「長らく続いた安定の時代は終わり、グローバルな経済システムは大変革に突入する」

 このように指摘するのは相場研究家の市岡繁男氏だ。市岡氏が注目するのは世界のGDPの7割を占める日本、米国、欧州、中国の生産年齢人口(15~64歳)の推移だ。これらの国々の生産年齢人口は2014年にピークを迎え、その後は毎年減少している。国別で見ると日本が1996年、欧州は2011年、中国は2016年からマイナスとなった。米国はまだプラスだが、2020年の増加数は約70年ぶりの低水準だった。

 生産年齢人口が減少するなかで経済成長を保つことができたのは、世界的な低金利のおかげだった。高齢化が進む日本や欧州の長期金利がマイナスになったことで、債務の増加につながる量的緩和などの景気刺激策を講じやすかった。だが債務を増やし続けることで経済成長を維持し続けるという芸当は長続きしない。生産年齢人口が減少すればモノが足りなくなり、インフレになるのは時間の問題だからだ。

 「脱炭素」への急激なシフトもエネルギー価格の上昇(グリーンフレーション)をもたらしており、インフレ抑制のための金融引き締めが不可避の状況になりつつある。

 世界経済は新型コロナのパンデミック対策で債務が急拡大するなかで、インフレの脅威に直面しつつある。債務危機が起きるリスクが高まっている。国際通貨基金(IMF)は昨年12月、「世界の債務は2020年に226兆ドルと過去最大に膨れ上がり、金利上昇のなかでその持続可能性をめぐり懸念が高まりつつある」と指摘した。新型コロナのパンデミックに対応した巨大な景気対策が採られたことから、世界の債務の対GDP比率は前年比28ポイント増の256%に上昇し、年間の伸び率として第2次世界大戦後最大となったが、注目すべきは世界の債務増加の26%を中国だけで占めたことだ。

 市岡氏は「中国の民間債務の対GDP比率(220.5%)と高齢化率(12.6%)はともにバブル期の日本を上回っていることから、今後は日本のように『失われた20年』になる可能性が高い」と主張する。

リーマンショック級の金融危機が起きる可能性

 市岡氏はさらに「米国の非金融部門(政府+家計+企業)の債務総額の対GDP比率は1933年以来の高水準になっており、僅かな金利上昇で経済は破綻するのではないか」と予測する。数カ月前から「インフレの高止まりリスク」を警告してきたサマーズ元米財務長官も昨年12月、「米金融当局が経済に打撃を与えることなく過度の物価上昇を抑制するのは極めて難しい」とした上で「米国経済が今後リセッションに陥ると、長期にわたって困難な局面が続く」と警告を発している。

 21世紀に入り世界の債券市場はリーマンショックを経験したものの、マイナスリターンの年は少なかった。だがここにきて「世界的なインフレにより、物価上昇に敏感な債券を中心に価格が下落し、1999年以来最悪の年になる」という悲観的な見方が出ている。低格付け社債(ジャンク債)市場が再び活況を呈するなど危機の予兆はあらわれていないが、インフレがさらに進めば、状況は一変する可能性が高いだろう。

 ロシア中央銀行は昨年9月に発表した年次金融予測で「18カ月以内(2023年3月まで)にリーマンショック級の金融危機が起きる可能性」を指摘した。物価上昇に直面したFRBが利上げを余儀なくされ、世界経済は急激に悪化するというのがその理由だが、この予測が外れることを祈るばかりだ。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

(参考文献)

『次はこうなる グラフで読み解く相場の過去、現在、未来』(市岡繁男著)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー 

1984年 通商産業省入省
1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)
1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)
1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)
2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)
2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)
2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

 

約8500万会員、位置情報、購買情報。ドコモのデータクリーンルームのすごさとは?

個人情報保護の潮流の中、長年サードパーティクッキーに頼ってきたデジタルマーケティングの世界が、大きく変わろうとしています。 

これまで以上に「良い顧客体験の創出」と「ユーザープライバシーの配慮」が重要となる“Cookieフリー時代”(前回記事参照)の到来に向けて、これからの打ち手について頭を悩ませているマーケティング担当者も多いのではないでしょうか?

本連載では、ユーザープライバシーを守りつつ、従来と同等以上に高度なデジタルマーケティングを可能とする「データクリーンルーム」の可能性と魅力について、NTTドコモの「docomo data square」を例に紹介します。

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なぜアメリカ企業は「データ」を事業成長に活用できているのか?
 

今回はNTTドコモで、ドコモのデータを活用したマーケティングソリューションを活用推進している林洋嘉氏をゲストに招き、「ドコモデータ」「ドコモメディア」の価値を中心に、電通データ・テクノロジーセンターのプランナー木下定知が話を聞きました。

電通データ・テクノロジーセンター木下定知氏、NTTドコモ林洋嘉氏
電通 木下定知氏とNTTドコモ 林洋嘉氏
<目次>
ユーザーが「自分が何に同意したのか」をいつでも確認できることが重要
「8500万人の会員数」と「大規模なオフラインデータ」がドコモの強み
広告配信だけじゃない!データクリーンルームを用いた「dポイント×販促」の未来

ユーザーが「自分が何に同意したのか」をいつでも確認できることが重要

木下:前回紹介したように、“Cookieフリー”時代が現実のものとなりつつある今、デジタルマーケティングやデータの世界でさまざまなパラダイムシフトが起きている印象があります。NTTドコモでデータ利活用に取り組まれてきた林さんは、どう考えていらっしゃいますか?

林:同感です。特にユーザープライバシーの保護が、ますます重要になってきていますね。しかしこの「保護」は、「ユーザーが提供するパーソナルデータを適切に管理・利用できている」という状況があって、初めて実現可能なものだと考えています。

このために、ドコモでは「NTTドコモ パーソナルデータ憲章」というものを策定し、これに基づきパーソナルデータを取り扱っています。データ活用においては、ユーザーからの同意を事前に頂いております。それに加えて透明性を確保するため、「自分が何に同意したのか」をいつでもウェブから確認でき、一定の範囲でオプトアウトもできる「パーソナルデータダッシュボード」と、「自分のデータはどう扱われているか」を分かりやすく説明する「知ってナットク!ドコモのデータ活用」を、2019年から提供しています。

木下:私はこのパーソナルダッシュボードのニュースを見た当時、「かなり先進的な取り組みだな」と思った記憶があります。自分のデータがどのように使われているか不安に思うユーザーもいる中で、いつでも・分かりやすく「自身のデータがどのように使われるのか」を確認できるような仕組みは、当時はまだほとんどありませんでしたから。漫画なども用いながら、企業目線でのデータの活用のされ方だけでなく、ユーザー目線でのメリットが分かりやすく伝えられていると思いました。

知ってナットク!ドコモのデータ活用
https://www.nttdocomo.co.jp/utility/personal_data/
ユーザーにも伝わりやすいように漫画を用いて、パーソナルデータの使われ方やユーザーへのメリットを伝えている。

「8500万人の会員数」と「大規模なオフラインデータ」がドコモの強み

木下: そのようなドコモの保有するデータ(以下、ドコモデータ)ですが、その大きな特徴が、保有しているデータの「種類」や「量」です。私も普段仕事をご一緒していて、ID単位でさまざまなサービスのデータがひもづいているのを見るにつけ、まさにビッグデータだと感じています。林さんから見て、ドコモデータの強みはどんなところにありますか?

林:まず、約8500万人の「dポイントクラブ会員」がいることです。ドコモの戦略としてdポイントクラブ会員の拡充を図ったことで、携帯キャリアとしてのドコモユーザーに限定されない、より多くの方に「dアカウント」を取得していただき、ドコモの各種サービスを利用していただけるようになりました。

もちろん、携帯キャリアとしての強みもあります。例えばID単位でひもづいた大規模な「位置情報データ」を扱えることです。さらに、「dポイント」「d払い」など決済に関わるサービスを展開しているため、オフラインを含む購買・利用データがあるのが強みだと思っています。

dポイントクラブ会員を軸とした事業を推進

木下:コロナ禍でECの利用が進んでいるとはいえ、店頭での購買はまだまだ主流です。今後キャッシュレス決済が浸透していく中で、より一層オフラインデータの重要性は増していきそうですね。2020年8月から電通と共に提供開始したデータクリーンルーム「docomo data square」のリリースでも、「オフラインでの購買・来店効果をマルチメディアで検証できること」を一つの強みとして打ち出しています。

これにより、今までキャンペーンの効果や次回以降の打ち手が分かりづらかったメーカーや小売店舗が、ID単位でのマーケティングができるようになりました。

「docomo data square」とは?

NTTドコモと電通グループが提供するデータクリーンルーム。国内初(※1)の取り組みとして、テレビCM、ウェブ広告、デジタルOOH広告の接触から商品購買までの効果測定が、ID単位(※2)で可能となっている。データクリーンルームについての詳細は前回記事を参照。

※1 2020年8月3日、ドコモ調べ。
※2 IDとは、アカウント識別子や広告識別子などユーザーに付与された任意の識別番号のこと。ID自体にユーザーの名前、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの個人情報は含まれない。

docomo data square
林:docomo data squareでは、ドコモ自体が「dポイント」「d払い」などで持っているオフラインデータに加えて、マツモトキヨシ、エディオン、高島屋といった企業にもご協力いただき、それぞれのオフラインでの購買データがID単位でつながる世界が実現できています。

ドコモが保有するデモグラフィック(性別・年代などの属性情報)などの情報と、リアルな世界での行動や決済などといった活動のひもづけができたからこそ、テレビCM、デジタル広告、DOOHといったマルチメディアでの効果測定が可能になりました。

現在、ID単位でひもづいたメディア(以下、ドコモメディア)は、以下のようなものがあります。

■ドコモメディアの例

  • 「dポイントクラブアプリ」など、決済に近い広告枠に配信できるサービス、「docomo Ad Network(docomo ADNW)」
  • リッチな情報量と適切なタイミングでコミュニケーションできるメール型広告「メッセージS
  • 位置情報などのドコモデータを活用することで、屋外のDOOHをネットワーク化し、さまざまなターゲティングやモーメントを捉えた配信のできる「LIVE BOARD

加えて、

  • ドコモデータを用いて、Facebook、Instagram、Twitter等のパートナーメディアへの配信

も可能になっております。これらを組み合わせることで、例えば、

  • 潜在顧客にFacebook、Twitterで認知・興味を促す
  • 店舗周辺にいる人にLIVE BOARDやメッセージSで再想起
  • 店頭ではdポイントクラブアプリで最後の一押し
  • 商品購入後には、次回使えるクーポン等をメッセージSで送信し再購買を促進

と、さまざまなファネルにおいて、ユーザーに適切なコンタクトポイントで、有用な情報を届けることができ、メーカーや小売店舗の販促活動にご活用いただけると考えています。

「LIVE BOARD」の関連記事はこちら
LIVE BOARDで見る「プログラマティックOOH」の今

ドコモメディアを活用した販促施策

広告配信だけじゃない!データクリーンルームを用いた「dポイント×販促」の未来

木下:豊富なドコモデータを活用することで、「各メディアへの広告配信」から「オフライン(実店舗)での購買」までを一気通貫で見ることができるのは、ユニークな点ですよね。

リリースされてから1年強で、多くのクライアントにdocomo data squareを活用いただいており、

  • 小売店舗業種で、テレビCM・デジタル広告を横断した、ROASの可視化
  • メーカー業種で、購買しやすいターゲット像を明らかにし、流通送客と商品販促の実施

など、購買データを軸にして「広告」だけでなく、「販促」の領域でも意義のある使い方をしていただいています。今後ドコモとして取り組んでいきたいことはありますか?

林:情報を正しく幅広く届けるとともに「ユーザー行動のきっかけになるインセンティブ」も一緒に提供できる商品として、「ドコモ広告 セールスプロモーションパッケージ」を2021年春に実現しました。

具体的には、先ほどお話しした「ID単位でひもづく豊富なデータを活用したマルチメディア配信」に、さらに「dポイントの活用」というオプションをプラスしたものです。ドコモのアセットを盛り込んだ本商品で、広告配信から購買計測・分析を行い、販促施策にご活用いただければと思います。

また、将来展望としては、この営みをさらに加速させるために、データやメディアをどんどん拡充していきたいですね。マツモトキヨシ、エディオン、高島屋に代表される商品購買情報の接点は、拡大を進めていきます。そこにドコモメディアや他社メディアなど、ユーザーのタッチポイントを増やす活動も同時進行で進めることで、さまざまなニーズに応えられるプラットフォームを提供できればと思います。

木下:「販促」の領域でデータを活用することにより、「ユーザーが興味のある情報が届くようになる」「dポイントでお得に買い物ができる」など、ユーザーのよりよい顧客体験に還元できていますね。進化を続けるドコモデータやドコモメディアには今後とも要注目です。本日は貴重なお話をありがとうございました。

NTTドコモ林洋嘉氏、電通木下定知氏

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国や自治体を信じすぎる人は騙される?巧妙化する詐欺メールの注意点と防衛策

 マイナンバーカードの保有を促すため、2万円分の新たなポイント付与政策が行われるという。前回の5000円分だったマイナポイントと比べ、4倍ともなれば浮足立つ人も多いだろう。

 とはいえ、そこには前回にはなかった手続きも必要となる。まず、カードを申請・取得で前回同様5000円分が、さらに保険証として使える手続きをすると7500円分、銀行口座との紐づけをすると7500円分という分割式で、全部をやったら2万円というわけだ。

 行政手続きのデジタル化に向け、保険証だけでなく運転免許証も統合、給付金はマイナンバーに紐づけた銀行口座へ――というのが政府の目指すところだが、「そんなにまとめて情報漏洩は大丈夫なのか」という危惧もわかる。特に、銀行口座の登録に抵抗がある人が多いのではないだろうか。別に、お上に収入を把握されるのが嫌だというのではない。その紐づけをすると何かの拍子で口座情報が漏洩し、不正利用されたりする危険はないかの方が、よほど気にかかる。

 しかし、冷静になって考えてみると、その抵抗感も不思議だ。PayPayなどのスマホ決済をデイリーに使っている人は多いだろうが、そのチャージのためになら抵抗なく銀行口座やクレジットカードを紐づけする。むろん、不正利用のリスクはあり、実際に悪質な不正利用犯罪が何度も起きているのだが、それが怖いからやめておこうとは思わない。

 民間企業なら個人情報の紐づけは抵抗がないが、お上だと急に嫌だと感じるだけなのか。結局のところ、民間企業だろうが政府だろうが情報漏洩は防げず、利用者は己で備えを厚くするしかないというのが筆者の結論だ。

 しかし、コロナ以降、さらにネットショッピングやデジタル決済の利用は増えており、ユーザーは常に不正利用のリスクにさらされている。年が変わったタイミングで、改めて防衛策を考えてみたい。

給付金のニュースが流れるとやってくるフィッシングメール

 庶民の関心事の一つといえば「給付金」だ。政府がくれるというものは、もれなく受け取りたいのが人情だ。それにつけ込むように、新マイナポイントや18歳以下への10万円の給付などのニュースが流れると、待ってましたとばかりに便乗したフィッシング詐欺メールが湧いてくる。

 フィッシングとは、偽サイトに誘導してクレジットカードや銀行口座、パスワードを入力させて盗み取る手口だが、10万円が支給された過去の特別定額給付金では、「二回目特別定額給付金の特設サイトを開設しました」という詐欺メールが出回った。

 今回の子ども向けの給付も、現金のみだったりクーポンだったりと自治体ごとに支給方法が異なることもあり、公的機関を装った偽メールが届くことも考えられる。児童手当を受給している場合(公務員以外)は特別な申請の手続きは必要がないので、偽メールに惑わされないようにしたい。忙しい自治体がわざわざ個人あてにメールを送ってくる方がそもそも怪しいわけで、公的なものは必ず自治体の公式サイトから情報を見るのが大事だ。

 コロナ禍のためオンラインで買い物をすることが増え、ネットに不慣れな人も被害に遭いやすい。フィッシングメールはECサイトやクレジットカード会社を騙るものが多く、フィッシング対策協議会の定例報告によると、最も多いブランドはAmazon、メルカリ、三井住友カード、楽天だという。これは利用者の数が多いところを騙る手口で、必ずしもアカウントが漏れているわけではない。筆者もまったく利用していないAmazonプライムの支払いに問題がありますというメールが来たこともあれば、運転しないのにETCカードが使えなくなるというメールも受け取った。

 よくよく考えてみれば、「Amazonの支払いができなくなる」「電話料金の支払いに問題がある」という文面は妙だ。買い物してもらえなくなったり代金が入らなくて困るのは、私(利用者)じゃなくてあなた方(サービス提供者)なので、こっちが慌てなくてもいいはずだ。そういう気持ちで、冷静に判断し、気になるのであれば公式のサイトから問い合わせよう。

 近年、特に被害が深刻なのは、急増しているSMS(電話番号あてに届くショートメッセージ)を使ったフィッシングだ。2021年10月にはNTTドコモを装った悪質な被害が起きている。「ドコモお客様センターです。ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。ご確認が必要です」などという内容のSMSをユーザーに送り付け、URLのリンク先から、「NTTセキュリティ」「NTT DOCOMOセキュリティセンター」を装った不正なアプリのインストールとネットワーク暗証番号の入力をさせる手口だ。

 入手した電話番号と暗証番号を悪用して詐欺グループはキャリア決済を使い、オンラインショップでApp Store & iTunesギフトカード等を購入したり、転売目的でゲーム機を購入したという。発表があった10月1日時点で、すでに被害総額が約1億円というのだから驚きだ。携帯キャリアからSMSが届くのは日常よくあることなので信じてしまうのも無理ないが、筆者はキャリアからだろうがどこからだろうが、絶対にSMSをクリックしないと決めている。極端な対策だろうが、そのくらい警戒してちょうどいいのではと思っている。

テクノロジーの進化とともに、ネット詐欺も高度化へ

 こうした自己防衛は欠かせないが、テクノロジーの進化とともに思いもよらないサイバー犯罪の手口も予見されている。

 サイバーセキュリティサービス「ノートン」で検知したデータを元にした「2022年のサイバー犯罪トレンド予測」(ノートンライフロック社が発表)には、衝撃的なことが書かれていた。2022年には人工知能(AI)や機械学習を活用したサイバー犯罪が増えるだろうとの予測だ。

 まず、音声や映像データから、偽の音声・映像を生成する「ディープフェイク」という技術が悪用された例があったという。社員になりすまし、偽の音声で電話をして会社の金を引き出すことに成功したのだとか。“今後技術がより発展し、よりクリアな音声を生成できるようになった際には、本物との区別がさらに難しくなるため、ディープフェイクを利用した犯罪が増える可能性がある”とある。もはや「オレオレ詐欺」どころではない。

 さらには、“機械学習を応用して漏洩している個人情報のデータからプロファイリングをし、「詐欺に引っかかりやすい人」を割り出し、「ターゲットリスト」を作ることが、サイバー犯罪者の常套手段になりつつある”というから驚きだ。データの利活用は、こんなところにまで来ているのだ。

国や自治体を信じすぎる人は騙されるかも

 年末年始で、家族が久々に集まったという人も多いだろう。ネットリテラシーは個人によってまったく違う。自分は大丈夫と思っても、親世代がころっと引っかかることはある。ネットに慣れていない家族には、機会があるごとに「こういう詐欺メールが増えている」「SMSは鵜呑みにしないで」と伝えたい。手口を知ることが最も有効な防衛策だからだ。

 また、家族でちょくちょく話していれば、「ディープフェイク」で作った偽音声でも、言葉の選び方やニックネームでの呼び方で見破れるのではないか。デジタルに対抗するのは、人間のつながりだ。

 2022年はコロナ対策もあり、子どもへの10万円支給、Go Toトラベルの再開、新マイナポイント等の、お金とおトクにまつわる政策が予定されている。そこが犯罪集団に付け入られる隙にもなるわけだ。公的な立場を名乗る誰かが親切に「お金をあげますよ」と言ってきたら、まずは一度立ち止まろう。そもそも税金のムダ遣い報道ばかり目立つ国や自治体が、一庶民にご親切にお金を返してくれるものだろうか。大事な財産を守るためには、そういう斜め視線も必要になりそうだ。

(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)

●松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。Facebookページ「消費経済リサーチルーム

岸田首相、盟友だった安倍晋三“切り”へ転換か…安倍政権の負の遺産処理に躍起

 自民党の安倍晋三元首相、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長が、臨時国会が閉幕した翌12月22日、東京・浅草の日本料理店で3時間にわたって会食した。3人ともが派閥の領袖。95人が所属する安倍派は党内最大派閥、麻生派と茂木派はそれぞれ53人を抱え、ともに党内第2派閥。会合では、3派で結束して岸田文雄政権を支えていくことを確認したと伝えられている。

 安倍氏と麻生氏は、ともに祖父が総理大臣という政界のサラブレッド。ボンボン育ちの境遇も似ており、長年の盟友関係にある。第2次安倍政権の7年8カ月、ずっと閣僚ポストに付いていたのは、麻生氏と菅義偉官房長官(当時)の2人だけだ。

 だが、その盟友関係も、岸田政権になってから微妙に変化しているという。それは、岸田氏との距離感の差だ。「岸田氏は首相になる以前から、なんでも麻生さんに相談してきた」(岸田派関係者)こともあり、本来なら“一丁上がり”の名誉職ポストの副総裁を、幹事長と同等かそれ以上として扱っている。

 岸田氏が党本部を訪ね、茂木幹事長と会談する際は麻生氏も同席。12月24日には松野博一官房長官も加え、4人で都内のホテルで昼食をともにしながら会談した。今月召集の通常国会や夏の参院選、新型コロナウイルスのオミクロン株への対応など、今後の政権運営について協議したとされるが、この4氏による会談は11月22日以来、2度目。つまり、この4人の枠組みが岸田政権の屋台骨ということになるわけで、そこに副総裁も入っているのである。

 一方、岸田氏は安倍氏に対しては、配慮こそ見せるものの、それほど重要視していない。

「安倍氏が望んだ高市早苗幹事長、萩生田光一官房長官という人事を受け入れなかったことや、安倍氏にとって地元では親の代からの政敵の林芳正氏を外相に起用したことが象徴的でした。最近もアベノマスクの年度内廃棄を決めるなど、安倍政権時代の負の遺産の処理に舵を切っているようにも見えます。もっとも、折に触れ議員会館の安倍氏の事務所を訪ねるなど、岸田氏は表面的には安倍氏に気を遣ってはいますがね」(自民党のベテラン議員)

「大宏池会」構想

 安倍氏と麻生氏は財政政策をめぐっても対立した立ち位置にある。高市政調会長が自民党内に設置した「財政政策検討本部」は財政出動を重視する積極財政派の集まり。安倍氏が最高顧問を務める。これに対抗するかのように、岸田首相直属の組織として自民党内に「財政健全化推進本部」も遅れて立ち上がった。こちらの最高顧問は麻生氏だ。

「財政健全化」といえば、月刊誌「文藝春秋」でバラマキ批判をした財務省の矢野康治事務次官の論文だが、安倍晋三氏はこれに大激怒したという。麻生太郎氏は前財務相として矢野論文をバックアップしており、財政健全化推進本部も財務省が主導し、麻生氏がひと肌脱いだかたちだ。

 麻生氏が岸田氏の「後見役」になりつつあるのは、両者がもともと「宏池会」の同根で、麻生氏は以前から麻生派と岸田派の合流による「大宏池会」構想を描いているからだ。キングメーカーとして君臨し続けるには、派閥の影響力をさらに高めることが重要。53人の麻生派と43人の岸田派が一緒になれば、最大派閥の安倍派を超える。だが、それは安倍氏にとっては許しがたいことで、「最大派閥の領袖」がいまや安倍氏が存在感を維持できる唯一のポジションだけに、絶対に奪われたくないはずである。

「麻生氏は財務相として安倍首相に仕えていた時は、一歩下がって安倍氏を立てていた。そういう礼儀を重んじるタイプなのです。しかし今は、ともに元首相で同格のうえ、麻生氏は副総裁で安倍氏は無役。かつてのように安倍氏を立てる必要はない。むしろ派閥の人数争いやキングメーカー争いではライバル関係にある。ただ、岸田氏は大宏池会構想に消極的。領袖ポストや自派閥を奪われることになるからです。岸田氏が大宏池会構想を拒否し続ければ、麻生氏は再び安倍氏と手を携え、“ポスト岸田”へシフトするかもしれません」(前出の自民党ベテラン議員)

 昨日の友は今日の敵。敵の敵は味方――。権力のためならなんでもアリだ。

(文=編集部)

 

炎上のヴァンゆん結婚企画、法的にも重大な問題…マリッジハラスメントと損害賠償

「ヴァンゆん」のYouTube公式チャンネルより

 男女2人組の人気YouTuber「ヴァンゆん」のヴァンビ(男)が先月25日に生配信した動画内で、相方の「ゆん」に事前に知らさないままに、同日内に登録者数250万人を達成したら結婚するという企画を宣言。結局、目標は達成されなかったが、明らかに「ゆん」が困惑している様子を見せていたことから、ヴァンビへの批判が強まっている。

 この日の動画では冒頭、ヴァンビが目隠しされた「ゆん」をカメラの前に連れてきて、「始まりました! 登録者250万人達成したら結婚する生配信」とコール。「(カメラが)回ってるのも知らないし」と動揺する「ゆん」を尻目に、ヴァンビは

「厳密に言うと僕らは付き合ってはいません。ただ、ヴァンゆんチャンネルは四捨五入して付き合ってるみたいなものじゃないですか。だから、僕はもうそこを飛ばしても結婚できるなって思ってるわけですよ」

と主張。すると「ゆん」は「断れない状態ですね。わかりました。私、こんなかたちで結婚するのかな」と応じた。

 最終的には登録者250万人には届かず、「ゆん」は「公開処刑みたいになってるの、すごく嫌だ」と落ち込んだ様子を見せていたが、なんとも後味が悪くなった内容を受け、動画のコメント欄には以下のようにヴァンビに対し厳しい声が続出する事態となった。

<「断れない環境作り」とか、ハラスメントを自覚しながらの生配信>(原文ママ、以下同)

<視聴者を凄く甘く見てる>

<自分の気持ちも正直に話せない&断れない状況作り出されて無理やり結婚ってまじで頭いってる>

<倫理的にも評判的にも悪いことしかない>

<ゆんちゃんは結婚したくない不安でいっぱいな中必死に空気を壊さないように頑張ってて、YJはお姉ちゃんをダシに使われて怒ってるのに必死に怒りを抑えてて>

<ヴァンビくんは禊とか罰ゲームでこれをチャラにするのは違う気がする>

<こんな地獄な生配信初めて見た>

厳しいYouTuber界の競争

 こうした反応を受けてヴァンビは26日、新たな動画を投稿し、白シャツ姿で

「昨日の動画は僕が企画して進めたものであり、すべての責任の所在は僕にある」

「男として相方として配慮に欠ける選択だった」

「僕は『ゆんちゃん』が好きです。男女コンビとしての体裁や、ブランディングを考え、ずっと明言を避けてきました。こんなかたちで言うことになり、申し訳ございません」

と謝罪。一方の「ゆん」も28日に動画を投稿し、

「(チャンネル登録者数の伸びが)ここ数カ月は大きく停滞して。だからこそ大きく年末に仕掛けようとしたヴァンビくんの気持ちは痛いほどわかる」

「そんな状況にまで追い込んでしまった責任の一端は、私にもあります。本当に申し訳ございません」

「結論として私は怒っていないですし、嫌だったとか迷惑だったとかはまったく思っていません」

とヴァンビを擁護した。

 企業のPRやブランディングを手掛ける企業のプロデューサーはいう。

「交際申込みネタや公開プロポーズネタは昔からテレビのバラエティ番組でもよくみられるが、今回マズかったのは、当事者としてかかわる動画の一企画であり、さらに視聴者の期待を裏切れないということで『ゆん』が“断れない状況”に置かれ、さらに公衆の面前で結婚という極めてデリケートな問題を突きつけられてしまったという点だろう。動画での『ゆん』の表情を見る限り彼女的には“シャレになっていない”というのが伝わってくるが、それでもヴァンビは意に介さずに一人で暴走してしまっていた感があるのもマズかった。

 YouTuberの世界は参入障壁が低いため、ますます競争が激しくなっているということもあり、長くやっていると“ネタ切れ”を起こし、過激な方向に走ってトラブルを起こしてしまうケースも多い。そのため、一部のYouTuberは将来を見据えて、しっかりとしたチームを組んで企業のPR・広告案件を獲得していく方向にシフトしている。企業から1案件を数百万円レベルで請け負って、しっかりと効果を出しているYouTuberも多いが、企画や準備、撮影のためにテレビ制作会社も顔負けなほど寝食を削って激務を続けている例もザラで、世間が抱くイメージほど楽ではない」

 今回の「ヴァンゆん」の問題では「ゆん」の言葉からもわかるように、2人の間で紛争に発展することはないと思われるが、一般企業においても酒の席などで部下が上司から結婚や恋愛に関して無遠慮に“追及”され、それがセクハラ・モラハラだとして問題となるケースは少なくない。

 もし仮に今回と同様のケースで女性側が精神的な苦痛を訴えて男子側に賠償請求などを行った場合、認められる可能性はあるのだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は次のように解説する。

マリッジハラスメント、告白ハラスメント

 この問題、最近、マリッジハラスメントや告白ハラスメントといわれているものですね。なんでもかんでも“ハラスメント”をつくり出すのはどうかとは思いますが、確かに、好きでもなく、さらにはそんなに話をしたこともない人から、突然、その人にとっては“玉砕”覚悟で「好きです」「結婚してください」と言われても、迷惑以外のなにものでもありません。

 昔々『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)という、今でいうお見合いパーティーの番組がありましたが、番組の都合上、男性側が女性側に告白をしなければならないので、ほとんど話をしていない男性から“玉砕”覚悟で「付き合ってください」と言われても、迷惑すぎる話であったのと同じでしょう(知らない人はググってね)。

 さて、こういうハラスメントですが、法律的には「受忍限度」を超えた場合に、精神的な損害賠償の対象となります。要するに、一般の人であれば我慢できる程度を超えた精神的な苦痛を与えられた場合、損害賠償を請求できるということです。この「受忍限度」とは、騒音問題や、匂いの問題などの判断基準として使われたりしています。

 マリッジハラスメント告白ハラスメントの場合、「迷惑」の程度であり、「我慢できないほど、耐え難い精神的な苦痛を味わった」とまではいえないでしょうから、ほとんどの場合、賠償金を請求できるまではいかないということです。

 もっとも、たとえば、みんなが集まっている競技場や、駅前などで衆人環視の下、突然、まったく知らないような人から「好きです」「結婚してください」などと言われれば、恥ずかしいでしょうし、心の弱い人であれば耐え難い精神的な苦痛とも考えられます。

 大勢の人が視聴するYouTubeなどでこういうことをすれば、とばっちりで評判が下がったり、ムダな憶測を掻き立てたりいろいろ投稿されたりするでしょうから、同じようなことが考えられます。したがって、今回のケースは、法的にもだいぶ問題がある行動だと思われます。 

(文=編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

 

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