中途半端にコント…鎌倉殿の13人、賛否両論が真っ二つ、『いだてん』の悪夢の懸念も

 今年2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の第1話「大いなる小競り合い」が9日、放送され(NHK総合:20時、BS4K・BSプレミアム:18時)、早くも賛否両論が巻き起こっている。

 北条義時を主役として激動の平安時代末期から鎌倉時代初期を描く『鎌倉殿』。脚本は、過去に『新選組!』(2004年)と『真田丸』(16年)でも大河の経験がある三谷幸喜。キャストは義時を演じる小栗旬に加え、義時の兄・宗時を片岡愛之助、姉・政子を小池栄子、義時の義兄で鎌倉幕府初代将軍の源頼朝を大泉洋、頼朝の妻・八重を新垣結衣、政敵である頼朝を流罪に処した平清盛を松平健が演じるなど、豪華キャストが集結。さらにナレーションには長澤まさみが据えられた。

 第1話では、流罪人の身である源頼朝が、時の権力者・平清盛から頼朝の監視を任されていた伊東祐親の娘・八重と結婚し、男児が生まれる。これに怒った祐親は、姿をくらませた頼朝を討つことになり、さらに伊豆に居を構えていた義時、宗時、政子ら北条家にも捜索命令が下る。これにより、栄華を極めた平家の時代に大きな変化が訪れ始めるところまでが放送された。

 大河ドラマには珍しくコメディ色が随所に散りばめられ“三谷色”の強くなった今作。放送終了後からTwitter上では以下のように高評価の声が上がっている。

<面白かった。三谷節は好き嫌い分かれるだろうけど、舞台を観てるみたいな展開とかテンポ良くて一気に観終わったな。初回で1番ふざけそうな大泉洋を抑え気味にしたのも正解だったかも。これからはどう変わっていくのかも楽しみ>(原文ママ、以下同)

<大泉さん登場で笑ってしまった、ごめんなさいw やっぱり三谷さんの色がすごくでてるからみやすいし、言葉も難しくないしちょっと笑いもあるし?笑役者さんがなんだか可愛いw そして大泉さんと小池さんの絡みはなれててすごくみてて楽しいなwほんと共演長いだけあるよね>

<あっという間の一時間。BSの早殿を録画していたので追っかけ再生。基本的には笑い多めだったけど、ゾクっとするような場面もあったりして第一話から期待以上。登場人物が多いのにそれぞれの人物がどんな人か分かる脚本はさすが>

<巻き込まれ主人公義時の終始困り顔から始まり 癖ありキャラ描写、対比構造、そして、動乱の幕開けと三谷脚本安定の面白さ!>

<色々と凄かった>

<ドラマとしても、ドキュメンタリーとしても素晴らしかった。セリフも良い>

<話に引き込まれて、義時に感情移入して、あっという間に一時間たったなぁ 平家の世に特に不満を感じてない義時がどんな風に源氏について行くのか気になる>

<もう一回最初から見たくなるなこれ>

“視聴者に分かりやすく”というのを意識

 一方、以下のようにマイナスの感想もあがっている。

<枯れたなー。全然面白くない。中途半端にコントしようとしてるのが裏目でしかない。長澤まさみももっとはっきり喋ってくれないと。アナウンサーじゃないんだから雰囲気重視じゃ聞き取りにくい>

小栗旬がいまいちつまらなかったなぁ 若さがないよ?>

<好き嫌い分かれると思う>

<「言葉が崩しすぎじゃない?」「錚々たるメンバーで誰がメインか分かんない」>

<微妙だなぁ~。囁きナレーション、何とかなりませんか?聞き取りずらいです>

<感覚としては真田丸に比べて「若干ギャグ多すぎないか?」という印象。ここは嫌いな人には受け付けない部分かもね>

 第1話を見たテレビ局関係者はいう。

「ネット上での反応を見てもわかるように、賛否両論がかなり分かれるだろうなあというのが第一の感想。セリフ回しやカット割り、テンポなど全体的なトーンが、昨年の『青天を衝け』と比べても“大河っぽくない”感じで、“普通のテレビドラマっぽさ”の度合いが強い。さらに、かなり“視聴者に分かりやすく”というのを意識してつくられているのが伝わってきて、より広い視聴者層に受け入れられることを狙っているのではないか。

 その試みが良いほうに転べばよいが、同じような試みをして視聴率的にも評判的にもイマイチだった『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(19年)の二の舞になってしまわないかが心配。『いだてん』では、大河の主要な視聴者層で、それこそ何年も大河を見続けてきた固定ファンが“斬新さ”を嫌って離れてしまい、それが視聴率にも如実に出てしまった。大河の場合、そういうリスクがあるのに加え、普段大河を見ない層をいくら意識してつくったところで“大河を見ない”という人たちの習慣を変えることは難しく、新規視聴者の取り込みにはつながりにくい。

 1年通じてどういう結果になるのかは、興味深いところ。全話平均世帯視聴率で昨年の『青天を衝け』(14.1%/ビデオリサーチ調べ、関東地区)、そして一昨年の『麒麟がくる』(同14.4%)を超えられるかが、まずは目安になるだろう。もっとも、三谷作品はファンが多いのは事実だが、ハマらない人にはまったくハマらないという面もあり、全話平均で大河ワーストを記録してしてしまった『いだてん』(同8.2%)の悪夢が再来してしまう可能性も少なからず懸念される」

鎌倉殿の13人』のヒットに期待したい。

(文=編集部)

 

JRAファンの「苦情」が陣営に伝わった!? 血縁重視の“迷走”から苦渋の決断……コントレイルに次ぐ人気を誇った実力馬が「鞍上強化」で一変

 8日、中山競馬場で行われたニューイヤーS(L)は、菅原明良騎手のカラテが1番人気に応えて勝利。昨年2月の東京新聞杯(G3)以来となる通算6勝目を飾った。

「今日はフレッシュでとても良い状態でした。中山ではいつも早めに動かしていくのですが、今日はいつもより待って動いていきました」

 会心の勝利をレース後にそう振り返った菅原騎手だが、カラテはデビュー初の重賞勝ちをプレゼントしてくれたパートナー。次走に予定している東京新聞杯の連覇に大きく近づく勝利だった。

 その一方で、メンバー最速の切れ味で先行勢を飲み込んだ勝ち馬に対し、あと一歩のところで勝利の女神から見放されたのが、クビ差2着のグランデマーレ(牡5、栗東・藤岡健一厩舎)だ。

 ただ、敗れたとはいえ、今後に繋がる2着だったことは評価が可能である。

 近走は5戦連続マイル戦に使われているが、デビュー戦は芝1800m、2戦目にも芝2000mを連勝した。2戦無敗で挑んだ20年神戸新聞杯(G2)では、無敗の三冠馬コントレイルに次ぐ2番人気の支持を集めたほどの素質馬でもある。

「道中の感じが良く、リズム良く運べました。直線ではジリッぽくなりましたが、3着馬を交わしていますし、よく頑張っています」

 この好走は、今回初コンビとなった戸崎圭太騎手による好騎乗も大きかっただろう。

 なぜならグランデマーレの近2戦の敗戦は、騎手も厩舎も迷走に近いイメージが強かったからだ。

 同馬はデビューから7戦を藤岡佑介騎手がコンビを組んでいた。8戦目で初めて乗り替わったが、起用されたのは弟の藤岡康太騎手。グランデマーレを管理しているのが、父である藤岡健一調教師のため、トップジョッキーとはいえない息子二人に任せたのは、子の活躍を期待する親心もあったのだろう。

 だが、左回りが苦手の噂もあった馬を問題ないと使った新潟の関屋記念(G3)で5着。それも先行した馬が好走したレースで、藤岡佑騎手が道中で動かないまま後方に下げ、上がり最速の脚を駆使しながら脚を余す格好で敗れた。

 これにはネットの掲示板やSNSでファンから「先行馬だろこの馬」「左回りで5着でも騎手が酷い」「いい加減乗り替わって欲しい」と辛辣な意見も出ていた。

 そんな経緯がありつつも、兄から弟になっただけの乗り替わりは、血縁重視と見られても仕方のない背景があった。

 しかも、康太騎手が騎乗した京成杯AH(G3)で11着に大敗してしまったのだから、結果的に藤岡兄弟で結果を出せなかったともいえる。

「苦手とされる左回り新潟の関屋記念で5着から、得意なはずの右回り中山の京成杯AHで惨敗では、陣営が迷走しているという声が出たのも不思議ではなかったです。

息子2人で空回りした2戦の後、戸崎騎手に替わった今回の好走ですから、結果的に“鞍上強化”の効果があったということでしょう」(競馬記者)

 陣営に対するファンの“苦情”が伝わっていたのかどうかは分からないが、父が苦渋の決断をした結果は、近走不甲斐なかったグランデマーレにとって、大きな意味があったのかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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 ついに恐れていた新型コロナ第6波がはじまったが、またも不安の声が高まっているのが大阪の感染状況だ。昨日8日、大阪府の新規感染者数は891人と、約4カ月ぶりに800人台に。東京都も同じく約4カ月ぶりに1200人超えの1224人となったが、人口比でいえば大阪のほうが多い状況だ...

パチスロ新台「ノーマルタイプ屈指の名機」が“改新”されたゲーム性で再臨!新台分析―パチスロ編―

 ユニバーサルエンターテインメントの「A PROJECT」シリーズから、ファン待望の新作が登場。5号機時代に圧倒的な支持を獲得した『バーサス』が、改新(リヴァイズ)されたゲーム性をひっさげて帰ってくる。

『バーサスリヴァイズ』

 スペックはボーナス+RTタイプで、BIG後は2部構成のRTへ移行。前半20Gの「VSチャンス」は残り7Gまでリプレイハズシで延命し、移行リプレイ入賞後は20G固定の後半「VSゲーム」がスタート……といったように、基本的なゲームフローは先代を踏襲している。

 一方、通常時の打ち方は、お馴染みの「V絵柄」から「X絵柄」へリニューアルされたことで、狙えるバリエーションが増加。予告音発生→チェリー狙いはこれまで通りの打ち方だが、スイカに関しては“左リールがフリー打ち”でも可能のため、予告音非発生時はさまざまな箇所を狙い打つことできる。

 また、ボーナス中の打ち方にも変更点があり、BIGの消化手順については、まず予告音非発生時は逆押しで右・中リールにBAR絵柄を狙って上段にベルをテンパイさせ、左リール上段に赤7絵柄をビタ押しすれば枚数調整が完了(最大222枚)。その後は基本的に順押しフリー打ちでOKだ。なお、予告音発生時にチェリーが停止すれば偶数設定示唆、中段チェリーが停止した場合は高設定の期待大だという。

 一方、REGの消化手順は3種類の手順があり、初心者の順押し手順は毎ゲーム10枚の獲得が可能(平均71枚)。逆押し→左リールに3連X絵柄を狙う中級者手順は、75%で15枚が払い出される(平均89枚)。

 残る中押しの上級者手順(最大112枚)は、中リール中段にスイカをビタ押し。残る右リールはフリー打ち、左リールはアバウトなスイカ目押しで引き込む仕様のため、難易度は『新ハナビ』よりも低くなっているようだ。
 
 設定は「1」「2」「5」「6」の4段階で、BIG出現率は設定1:1/292.6~設定6:1/264.3、REG出現率は設定1:1/374.5分~設定6:1/292.6、合算出現率は設定1:164.3分の1~設定6:138.8分の1となる。

JRA武豊「キタサンブラックで行きたかった」凱旋門賞(G1)制覇への思い。ディープインパクトより「強い馬じゃないと勝てないということはない」悲願達成のキーポイントとは

 8日、『うまンchu~競馬でアナタを口説きます!~』(関西テレビ)にて、元JRA騎手の安藤勝己氏と武豊騎手が新春恒例のレジェンドジョッキー対談を行った。

 詳細はぜひ番組をご覧いただきたいが、今年で5度目となる対談は、ビールを片手に武豊騎手の乾杯の音頭でスタート。様々な話題で盛り上がる中、今回もフランス競馬が誇る世界最高峰の舞台・凱旋門賞(G1)について話が及んだ。

 1969年のスピードシンボリの初挑戦から53年。今や、日本競馬の悲願となっているのが凱旋門賞制覇だ。

 昨年は女王クロノジェネシスに加え、前哨戦のフォワ賞(G2)を勝利したディープボンド、そしてこれが9度目の挑戦となった武豊騎手もアイルランド調教馬ブルームで参戦したものの、いずれも惨敗……。またも世界の壁の高さを思い知らされる結果に終わった。

「やっぱり、途中で(気持ちが)折れちゃうんですよね。道悪が苦手で。走り方よりも、イヤになっちゃう馬が多い」

 番組内でそう理由を挙げたのが、武豊騎手だ。この意見には隣にいた安藤氏も「(馬が)走りにくい!やめたー!とか思っちゃう」と同意。日本馬がなかなか経験できない欧州独特の重い馬場コンディションが、本来の力を発揮できない最大の原因になっていると分析している。

 かつてはディープインパクトやオルフェーヴルといった、日本競馬史上最高レベルの馬が挑んでも、頂点には手が届かなかった凱旋門賞。これだけを見ても壁は極めて高いように見えるが、武豊騎手は「『それよりも強い馬じゃないと勝てない』ということはないと思う」と持論を展開。「意外な馬が勝ったりするかも」と続けた。

「武豊騎手が強調していたのは、重い欧州の馬場に対する適性ですね。代表的な馬は、2010年の凱旋門賞で2着したナカヤマフェスタでしょうか。あの馬は同年の宝塚記念(G1)を8番人気で勝ったものの、日本最強という馬ではありませんでした。

光っているのは、2009年の日本ダービー(G1)の激走です。この年は歴史的な不良馬場でした。田んぼのような状況で、出走馬のほとんどがまともに走れずに極端な前残りとなる中、唯一後方から4着まで追い上げたのがナカヤマフェスタ。現役の中でも屈指の重馬場巧者でした」(競馬記者)

 実際に、番組内で過去に凱旋門賞へ出走しなかった馬にもチャンスがあったという話題になると、武豊騎手が真っ先に挙げたのがキタサンブラックだった。

「土砂降りの天皇賞でも勝ったように、ああいう馬場も平気だった」との言葉通り、キタサンブラックは歴史的な不良馬場となった2017年の天皇賞・秋(G1)を勝利。2年連続の年度代表馬に輝いた実力も然ることながら、このレースが最も印象に残っているファンも少なくないだろう。

「行きたかったなあっていうのはありましたね」

 そうしみじみ振り返った武豊騎手は、北島三郎オーナーと有馬記念(G1)で歌った思い出を取り上げ「ロンシャンで“まつり”を歌いたかった」と笑いを誘った。

 昨秋の東京スポーツ杯2歳S(G2)でイクイノックスが重賞初制覇。9日のシンザン記念(G3)にも最有力のラスールを送り込むなど、順調な種牡馬スタートを切っているキタサンブラック。主戦ジョッキーの悲願は、産駒が叶えてくれるかもしれない。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

JRA武豊「キタサンブラックで行きたかった」凱旋門賞(G1)制覇への思い。ディープインパクトより「強い馬じゃないと勝てないということはない」悲願達成のキーポイントとは

 8日、『うまンchu~競馬でアナタを口説きます!~』(関西テレビ)にて、元JRA騎手の安藤勝己氏と武豊騎手が新春恒例のレジェンドジョッキー対談を行った。

 詳細はぜひ番組をご覧いただきたいが、今年で5度目となる対談は、ビールを片手に武豊騎手の乾杯の音頭でスタート。様々な話題で盛り上がる中、今回もフランス競馬が誇る世界最高峰の舞台・凱旋門賞(G1)について話が及んだ。

 1969年のスピードシンボリの初挑戦から53年。今や、日本競馬の悲願となっているのが凱旋門賞制覇だ。

 昨年は女王クロノジェネシスに加え、前哨戦のフォワ賞(G2)を勝利したディープボンド、そしてこれが9度目の挑戦となった武豊騎手もアイルランド調教馬ブルームで参戦したものの、いずれも惨敗……。またも世界の壁の高さを思い知らされる結果に終わった。

「やっぱり、途中で(気持ちが)折れちゃうんですよね。道悪が苦手で。走り方よりも、イヤになっちゃう馬が多い」

 番組内でそう理由を挙げたのが、武豊騎手だ。この意見には隣にいた安藤氏も「(馬が)走りにくい!やめたー!とか思っちゃう」と同意。日本馬がなかなか経験できない欧州独特の重い馬場コンディションが、本来の力を発揮できない最大の原因になっていると分析している。

 かつてはディープインパクトやオルフェーヴルといった、日本競馬史上最高レベルの馬が挑んでも、頂点には手が届かなかった凱旋門賞。これだけを見ても壁は極めて高いように見えるが、武豊騎手は「『それよりも強い馬じゃないと勝てない』ということはないと思う」と持論を展開。「意外な馬が勝ったりするかも」と続けた。

「武豊騎手が強調していたのは、重い欧州の馬場に対する適性ですね。代表的な馬は、2010年の凱旋門賞で2着したナカヤマフェスタでしょうか。あの馬は同年の宝塚記念(G1)を8番人気で勝ったものの、日本最強という馬ではありませんでした。

光っているのは、2009年の日本ダービー(G1)の激走です。この年は歴史的な不良馬場でした。田んぼのような状況で、出走馬のほとんどがまともに走れずに極端な前残りとなる中、唯一後方から4着まで追い上げたのがナカヤマフェスタ。現役の中でも屈指の重馬場巧者でした」(競馬記者)

 実際に、番組内で過去に凱旋門賞へ出走しなかった馬にもチャンスがあったという話題になると、武豊騎手が真っ先に挙げたのがキタサンブラックだった。

「土砂降りの天皇賞でも勝ったように、ああいう馬場も平気だった」との言葉通り、キタサンブラックは歴史的な不良馬場となった2017年の天皇賞・秋(G1)を勝利。2年連続の年度代表馬に輝いた実力も然ることながら、このレースが最も印象に残っているファンも少なくないだろう。

「行きたかったなあっていうのはありましたね」

 そうしみじみ振り返った武豊騎手は、北島三郎オーナーと有馬記念(G1)で歌った思い出を取り上げ「ロンシャンで“まつり”を歌いたかった」と笑いを誘った。

 昨秋の東京スポーツ杯2歳S(G2)でイクイノックスが重賞初制覇。9日のシンザン記念(G3)にも最有力のラスールを送り込むなど、順調な種牡馬スタートを切っているキタサンブラック。主戦ジョッキーの悲願は、産駒が叶えてくれるかもしれない。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

JRA【フェアリーS(G3)予想】C.ルメール&エリカヴィータは余裕の切り! シンザン記念「本線的中」予想が秘蔵の「穴馬」を狙い撃ちして高配当ゲット!

 今週は3連休ということもあり、競馬も3日連続開催となっている。普段なら土日で重賞2レースだが、今週は日曜日と祝日の月曜で1レースずつ開催。その月曜開催の重賞、フェアリーS(G3)を予想していく。

いつも通り、過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見てみよう。
未勝利戦 9頭
新馬戦 7頭
赤松賞(1勝クラス) 4頭
阪神JF、黒松賞(1勝クラス) 各2頭
条件特別(1勝クラス) 5頭
アルテミスS 1頭
この時期の3歳重賞なら驚くことでもないのかも知れないが、意外にも未勝利戦からの重賞挑戦で馬券に絡んだ馬が最多、次いで新馬戦勝ち上がりの2戦目で重賞挑戦という馬が多い。特別戦を使わずとも重賞なので2着に入れば賞金の加算があり、春に向けて余裕ができる。それも狙ってのことなのだろう。

次いで人気順の成績が以下の通り。
1番人気 1-1-0-8
2番人気 1-0-1-8
3番人気 5-0-1-4
4~6番人気 0-3-5-22
7~9番人気 0-3-3-24
10番人気以下 3-3-0-64
ハンデ戦でも見たことがない偏り具合だ。1番人気、2番人気がとにかくアテにならない。率で見ても本当に人気していた馬なのか……という成績の悪さ。それに比べて3番人気は信頼できる数字だ。率にしても勝率・連対率50%、複勝率60%と非常に優秀。それ以下の人気にしても、率では劣るが数字だけ見ると魅力的。ちなみに近5年で3番人気が3連勝していることも注目しておきたい。

 これを踏まえて「◎」は3番スターズオンアースとする。

 前走は好走歴が多い赤松賞(1勝クラス)。逃げ馬がいいペースで逃げ粘ったところを好位から追い込むも届かず3着。このレースを勝ったのが阪神JF(G1)で1番人気も4着に敗れたナミュール。着差はそれなりについたが、良い物差しになるはずだ。

 この馬は切れる脚が身上で、新馬戦でも2着に敗れながら上がり32.6秒の鬼脚を繰り出している。メンバーを見渡すと前で競馬したい馬が多く、ハイペースから先行馬総崩れになれば出番になるだろう。

 鞍上の石橋脩騎手もこのレースの過去10年で2度連対し、人気薄でも馬券にしているので本馬も上手く持ってくることができるのではないか。シンザン記念(G3)と違い、開催が変更されていないので、過去データは活きてくるはずだ。

 続く「○」は1番エバーシャドネーを指名。

 前走の新馬戦で4番人気とそれほど高評価ではなかったが、先行粘り込みを図る馬をゴール前交わして勝利。このゴール前で交わした馬が、シンザン記念で中穴人気になりそうなマテンロウオリオンだ。

 マイル戦としての時計は平凡だが、前半3ハロン36.3秒と遅めに流れた分仕方ないところはある。むしろ、レースの上がり時計より速い脚できっちり差し切った能力を評価したいところだ。

「▲」は13番ヴァンルーラーを推す。

 前走はアルテミスS(G3)。人気もなかったが、レースでもなすすべなく9着と大敗している。ここを勝ったのが阪神JF(G1)を制したサークルオブライフなので、相手が強すぎたということだろう。

 新馬戦も3着に負けているが、これを勝ったのが阪神JFで人気になったステルナティーア。後にサウジアラビアRC(G3)で2着するなど、相応の実力は備えた馬だったので、これも相手が悪かったと言える。

 とは言え、どこからでも競馬できる上、切れる脚があるので展開に左右されずに差し切るだけの力はある。これまでは相手関係に恵まれなかった感があるが、重賞勝ち馬がおらず、ほとんどが新馬戦か未勝利戦勝ち上がりのこのメンバーなら好勝負可能なはずだ。

「△」は8番ライラックと16番フィールシンパシーの2頭を挙げる。

 ライラックは前走京都2歳S(G3)で、メンバー中唯一の牝馬ということもあってか、いいところなく8着に終わっている。

 ローテーションから考えると消していい馬だが、新馬戦を人気に応えて強い勝ち方をしているので、地力はあるはず。前走から2ハロンの距離短縮となるが、2000mは多少長かった可能性がある。今後はどうなるかわからないが、現時点ではマイル戦くらいで好走できるのではなかろうか。

 フィールシンパシーは前走未勝利戦。本レースと同コースで先行抜け出しから粘りきり、クビ、ハナの勝負を制した。

 血統面が非常に地味なこともあり、近親にも活躍馬がいないので人気しない馬ではあるが、先行してからの粘り腰は見るところがあり、新馬戦でも3番手から粘って2着を確保。上がりの時計も3番手と優秀だったので、メンバーが手薄なここでは押さえるべき1頭だろう。

 人気しそうなところでは、エリカヴィータとスクルトゥーラは消し。

 まずエリカヴィータだが、近親に短距離王のキンシャサノキセキがいることや鞍上がC.ルメール騎手ということもあって人気しているが、勝った新馬戦の内容はそこまで目立ったものではない。

 レースレベルが違うと言えばそれまでだが、▲に推したヴァンルーラーが9着に負けたアルテミスSの時計が1分35秒1。これに対してエリカヴィータの時計は同コースかつアルテミスSの2週前の新馬戦で1分36秒4。人気するほどの能力はないと見ている。

 スクルトゥーラも新馬勝ちでここに臨んできているが、1400m戦というのが引っかかる。マイルより長い距離から距離短縮で臨むなら不安もないが、距離延長となると距離が持つのかどうかが怪しい。

 今回のメンバーには、前走からの距離延長で臨む馬がほかにも3頭いる。スクルトゥーラも含めて、すべてマイル未経験というのは大きく割引材料になるだろう。

 ということで、今回は1番、3番、8番、13番、16番の5頭から3連複BOX10点で勝負とする。

 ヴァンルーラーやフィールシンパシーあたりが激走すると高配当が望めそうだ。とにかく傾向として人気馬がアテにならず、過去10年で3連単はすべて万馬券、3連複でも9回万馬券を記録しており、万馬券にならなかった年も9490円となっている。今年も人気薄の激走に期待したい。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

JRA【フェアリーS(G3)予想】C.ルメール&エリカヴィータは余裕の切り! シンザン記念「本線的中」予想が秘蔵の「穴馬」を狙い撃ちして高配当ゲット!

 今週は3連休ということもあり、競馬も3日連続開催となっている。普段なら土日で重賞2レースだが、今週は日曜日と祝日の月曜で1レースずつ開催。その月曜開催の重賞、フェアリーS(G3)を予想していく。

いつも通り、過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見てみよう。
未勝利戦 9頭
新馬戦 7頭
赤松賞(1勝クラス) 4頭
阪神JF、黒松賞(1勝クラス) 各2頭
条件特別(1勝クラス) 5頭
アルテミスS 1頭
この時期の3歳重賞なら驚くことでもないのかも知れないが、意外にも未勝利戦からの重賞挑戦で馬券に絡んだ馬が最多、次いで新馬戦勝ち上がりの2戦目で重賞挑戦という馬が多い。特別戦を使わずとも重賞なので2着に入れば賞金の加算があり、春に向けて余裕ができる。それも狙ってのことなのだろう。

次いで人気順の成績が以下の通り。
1番人気 1-1-0-8
2番人気 1-0-1-8
3番人気 5-0-1-4
4~6番人気 0-3-5-22
7~9番人気 0-3-3-24
10番人気以下 3-3-0-64
ハンデ戦でも見たことがない偏り具合だ。1番人気、2番人気がとにかくアテにならない。率で見ても本当に人気していた馬なのか……という成績の悪さ。それに比べて3番人気は信頼できる数字だ。率にしても勝率・連対率50%、複勝率60%と非常に優秀。それ以下の人気にしても、率では劣るが数字だけ見ると魅力的。ちなみに近5年で3番人気が3連勝していることも注目しておきたい。

 これを踏まえて「◎」は3番スターズオンアースとする。

 前走は好走歴が多い赤松賞(1勝クラス)。逃げ馬がいいペースで逃げ粘ったところを好位から追い込むも届かず3着。このレースを勝ったのが阪神JF(G1)で1番人気も4着に敗れたナミュール。着差はそれなりについたが、良い物差しになるはずだ。

 この馬は切れる脚が身上で、新馬戦でも2着に敗れながら上がり32.6秒の鬼脚を繰り出している。メンバーを見渡すと前で競馬したい馬が多く、ハイペースから先行馬総崩れになれば出番になるだろう。

 鞍上の石橋脩騎手もこのレースの過去10年で2度連対し、人気薄でも馬券にしているので本馬も上手く持ってくることができるのではないか。シンザン記念(G3)と違い、開催が変更されていないので、過去データは活きてくるはずだ。

 続く「○」は1番エバーシャドネーを指名。

 前走の新馬戦で4番人気とそれほど高評価ではなかったが、先行粘り込みを図る馬をゴール前交わして勝利。このゴール前で交わした馬が、シンザン記念で中穴人気になりそうなマテンロウオリオンだ。

 マイル戦としての時計は平凡だが、前半3ハロン36.3秒と遅めに流れた分仕方ないところはある。むしろ、レースの上がり時計より速い脚できっちり差し切った能力を評価したいところだ。

「▲」は13番ヴァンルーラーを推す。

 前走はアルテミスS(G3)。人気もなかったが、レースでもなすすべなく9着と大敗している。ここを勝ったのが阪神JF(G1)を制したサークルオブライフなので、相手が強すぎたということだろう。

 新馬戦も3着に負けているが、これを勝ったのが阪神JFで人気になったステルナティーア。後にサウジアラビアRC(G3)で2着するなど、相応の実力は備えた馬だったので、これも相手が悪かったと言える。

 とは言え、どこからでも競馬できる上、切れる脚があるので展開に左右されずに差し切るだけの力はある。これまでは相手関係に恵まれなかった感があるが、重賞勝ち馬がおらず、ほとんどが新馬戦か未勝利戦勝ち上がりのこのメンバーなら好勝負可能なはずだ。

「△」は8番ライラックと16番フィールシンパシーの2頭を挙げる。

 ライラックは前走京都2歳S(G3)で、メンバー中唯一の牝馬ということもあってか、いいところなく8着に終わっている。

 ローテーションから考えると消していい馬だが、新馬戦を人気に応えて強い勝ち方をしているので、地力はあるはず。前走から2ハロンの距離短縮となるが、2000mは多少長かった可能性がある。今後はどうなるかわからないが、現時点ではマイル戦くらいで好走できるのではなかろうか。

 フィールシンパシーは前走未勝利戦。本レースと同コースで先行抜け出しから粘りきり、クビ、ハナの勝負を制した。

 血統面が非常に地味なこともあり、近親にも活躍馬がいないので人気しない馬ではあるが、先行してからの粘り腰は見るところがあり、新馬戦でも3番手から粘って2着を確保。上がりの時計も3番手と優秀だったので、メンバーが手薄なここでは押さえるべき1頭だろう。

 人気しそうなところでは、エリカヴィータとスクルトゥーラは消し。

 まずエリカヴィータだが、近親に短距離王のキンシャサノキセキがいることや鞍上がC.ルメール騎手ということもあって人気しているが、勝った新馬戦の内容はそこまで目立ったものではない。

 レースレベルが違うと言えばそれまでだが、▲に推したヴァンルーラーが9着に負けたアルテミスSの時計が1分35秒1。これに対してエリカヴィータの時計は同コースかつアルテミスSの2週前の新馬戦で1分36秒4。人気するほどの能力はないと見ている。

 スクルトゥーラも新馬勝ちでここに臨んできているが、1400m戦というのが引っかかる。マイルより長い距離から距離短縮で臨むなら不安もないが、距離延長となると距離が持つのかどうかが怪しい。

 今回のメンバーには、前走からの距離延長で臨む馬がほかにも3頭いる。スクルトゥーラも含めて、すべてマイル未経験というのは大きく割引材料になるだろう。

 ということで、今回は1番、3番、8番、13番、16番の5頭から3連複BOX10点で勝負とする。

 ヴァンルーラーやフィールシンパシーあたりが激走すると高配当が望めそうだ。とにかく傾向として人気馬がアテにならず、過去10年で3連単はすべて万馬券、3連複でも9回万馬券を記録しており、万馬券にならなかった年も9490円となっている。今年も人気薄の激走に期待したい。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

パチスロ『ミリオンゴッド』とは異なる魅力でファンを虜に…世にも珍しい「単位昇格型」特化ゾーン搭載の激アツ5号機を打ち納め

 2022年1月31日が期限となっている旧基準機撤去に向け、その対象となっているCR機に対して別れを告げる実戦を行う「CR終活」。

 ”CR”といっているので基本的にはパチンコをターゲットにしているのですが、パチスロでもどうしても最後に打っておきたい機種が1台だけありますので、今回は特別編としてそのパチスロ機に最後のお別れを言いにいきました。

ミリオンゴッド-神々の凱旋-』や『沖ドキ!』など、爆裂4号機の香りがするパチスロが人気の中心だった頃。ご多分に漏れず町男もその業火に身を投じていた1人ではありましたが、5.5号機でも面白いと思わせてくれる機種がありました。

 それが今回お別れを告げる『パチスロ恵比寿マスカッツ』です。出玉性能という面では前述のマシンたちの足元にも及ばない印象ですが、そういった爆裂機とは異なる魅力がありました。私とは妙に波長が合うゲーム性で、出なくても飽きず打ち込めるマシンなのです。

【注目記事】
パチンコ「最大1500発×高ループ」の出玉特化スペック! 絶妙な大当り確率も魅力の注目マシン!!
2021年「最優良」パチンコが明らかに!出玉の”塊”に期待できる機種が好実績!!

 まず自力感がよりビビッドに伝わってくるところが素敵。チャンスゾーンの「スカッとチャレンジ」や擬似ボーナスの「マスカッツCHANCE」、ARTとなる「マスカッツRUSH」などポイントとなるモードでとにかくチャンス役orレア役を引けばドキドキできます。

 そんなのどのパチスロも同じだろと思われますが、この機種はモード移行だの内部状態だのゲーム数だのと小難しいことをほとんど考えなくていいので、パチスロにそれほど精通していない私でも気軽に打てるんですよ。

 そしてそれぞれのモードで強い役を引けばわかりやすく結果に反映されます。例えば自力チャンスゾーンの「スカッとチャレンジ」ではレア役の強チェリーや強チャンス目を引けば激アツで、「マスカッツCHANCE」当選の大チャンス。

 ただ、その状況を一変させる強チェリーや強チャンス目も通常時で出現してはほとんど意味がありません。擬似ボーナスやRUSHに繋がりにくい印象で、アツそうな演出に発展せずに何事もなく通過していくことも多いのです。

 この理不尽さは、逆に必要なタイミングで必要な役を出現させなければいけないというわかりやすい仕様ともいえます。意味ありげなチャンスゾーンで無駄に引っ張ってメダルと期待感を浪費させる、みたいな素人特有の負担が排除されるわけですね。

 つまり「叩きどころ」が明確なので面白さがぶれないんですよ。ちなみに私は本機のゲーム性は好きですが、出演者にはまったく興味ありません。

 あと、RUSH中では特化ゾーンとなる「PV-ZONE」がアツいんですよ。単位昇格型というなかなかレアなシステムを採用していまして、この特化ゾーンでは「50」を元に減算されていくのですが、その「50」の単位によって上乗せやストックの期待度が変化するというものです。

 一番下は差枚数、つまり50枚払い出されると特化ゾーンが終了するのですが、これが「ゲーム数」や「ナビ回数」と単位が昇格していって、差枚数なら平均25ゲームが、ゲーム管理なら50ゲーム、ナビ回数管理なら165ゲームと滞在を長くできるようになります。

 そしてこの「PV-ZONE」ではレア役で単位昇格、小役でゲーム数上乗せ、7揃いで上乗せ特化ゾーンストックとさまざまな要素が折り重なるので夢中になれるのです。出演者とか全然関係ありません。

 表現は変な言い方になってしまいますが、クソゲー評価の難易度高めなソフトを攻略したいマニア心を触発されるような機種なのですし、ART機としては5号機最高のマシンであると確信しています。

 いろいろな意味でお世話になりました。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

『鎌倉殿の13人』小栗旬の「北条氏」の正体…平氏の子孫の真偽、本当は伊豆の小領主?

結局、「北条氏」ってなんなんだっけ?

 1月9日に第1話が放送される2022年のNHK大河ドラマは、『鎌倉殿の13人』。鎌倉殿こと源頼朝(演:大泉洋)を巡る13人を描くドラマで、主人公は鎌倉幕府の2代目執権・北条義時(ほうじょう・よしとき/演:小栗旬)、三谷幸喜が脚本を務めることでも話題だ。

 そこでここでは、「北条氏ってなんだっけ?」の復習をしてみたい。

 こういう時はウィキペディアが便利なのだが――電子媒体の長所でもあり短所でもあるのだが――とにかく長い。そこで、角川書店(現・KADOKAWA)発行の『日本史辞典』(1966年)の一文を転記しておこう。同書では「北条氏」の項に、①鎌倉の北条氏と②小田原の北条氏を載せ、前者について以下のように記している(一部漢字化した)。

 桓武平氏の分流。貞盛の子孫時家が伊豆介になり、伊豆北条に住み北条氏を称した。時政の代、源頼朝の舅として幕府創設に功があり、執権として幕政を掌握した。続いて子義時、孫泰時の代に頼朝創業以来の有力御家人の勢力を次々に倒し、承久の乱などの難局を巧みに処理して幕府権力を確立。源氏の正統が断絶してのちは、いわゆる執権政治をしいて専制体制を整えた。以後一族の名越・江間・赤橋・金沢・大仏・佐介・桜田などの諸家を、連署、六波羅・鎮西探題、評定衆、諸国守護に配し、御家人を続率して1世紀半に及ぶ幕府政治を維持したが、1333(元弘3・正慶2)元弘の乱で滅亡。

「北条氏は平貞盛の子孫」の真偽…“創出”された北条時方・時家の名、本当はただの小領主?

 ひとつずつ解説を加えておこう。

 北条氏は平貞盛(たいらの・さだもり/平安時代中期、10世紀末の武将)の子孫を称している。貞盛の子・平維将(これまさ)の孫に平直方(なおかた)がおり、義時はその子孫だという。ちなみに維将の兄・平維衡(これひら)の子孫に平清盛がいる。

 近年の研究では、平氏でももっと本流(清盛側)に近い人物が、直方の子孫の婿養子になったとする説も出ているが、筆者は平氏の子孫というのはウソ、偽系図だと思っている。

 北条氏の系図には異説もあるが、必ず北条時方・時家が出てくることでは一致している。時方の子に時家がおり、時政(演:坂東彌十郎)はその子か、もしくは弟という関係になっている。北条氏が平直方の子孫を名乗るのは、直方の娘が源頼義に嫁いで、源義家を生んでいるからだ。この構図は、時政の娘・政子(演:小池栄子)が源頼朝に嫁いで頼家(演:金子大地)を生んでいることと符合する。先祖の直方が源氏の外戚だから、北条氏が源氏の外戚になることは必然なんですよ――と言いたいわけだ。そう考えていくと、北条時方・時家という名前が、平直方・源義家から創出された偽名であることがわかる。つまり北条時政は、父の名前も不確かな小領主だったといえよう。

北条氏は、極めて限られた地域を支配する小領主でしかなかった?

 北条氏は伊豆国田方(たがた)郡北条(現・静岡県伊豆の国市)を発祥とする。

 鎌倉幕府の有力御家人である伊東・宇佐美(うさみ)・狩野(かのう)氏も田方郡を在地としており、天野・仁田(にった)は北条の地にほど近い。『北条義時 これ運命の縮まるべき端か』(ミネルヴァ書房)の著者・岡田清一氏は、「このように隣接して多くの武士が存在することは、当然のことながら、それぞれの支配領域が狭いということを示している」「伊豆国を代表できるほどの『大名』ではなく、しかも名字の地でもある『北条』周辺には、多くの武士が存在したのであり、極めて限られた地域を支配する領主でしかない」と指摘している。

北条時政・義時父子、鎌倉幕府の実権を握り、その子・泰時の直系はついに“得宗家”となり権勢を振るう

 北条氏はそんな地方小領主に過ぎなかったが、時政・義時父子が鎌倉幕府の実権を握り、義時の子どもたち、孫たちが幕府の要職に就き、栄えていく。

 義時の庶長子・北条泰時は「御成敗式目」を定め、名執権として名高い。しかし、そもそも義時は泰時ではなく、次男の名越朝時(なごえ・ともとき)を後継者と考えていたらしい。

 朝時の母は幕府の有力者・比企(ひき)氏の娘、一方の泰時の母は出自もよくわからない女性なので、昔の価値観なら当然、母の身分が高い朝時の方に軍配が上がる。泰時は若い頃、北条ではなく江間(えま)太郎と名乗っていた。つまり、分家筋の扱いだったのだ。

 ところが、比企能員(よしかず/演:佐藤二朗)の娘が源頼家に嫁いで権勢を振るい、北条氏によって滅ぼされてしまう。それがもとで、朝時の母は義時と離婚したらしい。さらに朝時自身の失態があって、泰時が後継者になったようだ。

 以降、泰時直系の子孫が「得宗家」(とくそうけ)と称され、絶大な権力を握る。特別な宗家という意味ではなく、義時の法名が徳宗だったから、その直系の子孫という意味だ。タイミングが合えば、得宗家が執権に就任するが、そうでない時には一族のしかるべき人物に執権職を任せる。しかし、幕府の最高実力者は得宗家の当主であって、執権ではない。いわゆる「院政を敷く」というヤツだ。

北条氏と小田原北条氏との関係とは? 早雲の子・北条氏綱の“思いつき”で北条姓を名乗った?

 冒頭で①鎌倉の北条氏のほかに、②小田原の北条氏がいることを述べたが、両者には血縁関係があったのだろうか。先述した『日本史辞典』には以下のように記されている。

 本姓は伊勢氏。俗に後北条氏という。初代長氏(早雲)が15世紀末に伊豆堀越公方(ほりこしくぼう)を減ぼして韮山により、次いで小田原をおとしいれて根拠地とし、子・氏綱の時から北条氏と称した。孫・氏康の時には関東南半を制圧。戦国大名として巧みに領国を統治し、後北条5代繁栄の基礎をすえたが、氏政を経て氏直の代に豊臣秀吉の征討を受け、1590(天正18)に滅亡。氏政の弟・氏規は豊臣秀吉に仕え、河内丹南2000石を与えられ、ついで狭山1万石の大名として明治に至って子爵となった。

 小田原北条氏の祖は、伊勢新九郎長氏(いせ・しんくろう・ながうじ)、号を早雲庵宗瑞(そううんあんそうずい)といい、北条早雲の名で有名だが、実は北条姓は名乗ったことはない。近年では、伊勢宗瑞と呼ばれることもある(本稿では早雲で表記を統一する)。

 伊勢氏は室町幕府の政所(まんどころ)執事を世襲する名門で、早雲はその支流にあたり、旧名を伊勢新九郎盛時(もりとき)という。早雲の妹が駿河守護・今川義忠の側室となり、その子・氏親(うじちか)の家督相続を助け、今川氏の客将となった。足利将軍家の分家筋にあたる堀越公方を滅ぼして、伊豆を掌中に収め、小田原に進出。子孫は関東を支配する戦国大名となった。

 江戸時代初期に作成された伊勢氏の系図に、早雲の存在がすでに記載されていたのだが、早雲を伊勢の関氏出身の素浪人であるとし、ゆえに早雲は下剋上の象徴とされてきた。しかし、早雲が名門伊勢氏の支流であることが主張され、最近では主流になりつつある。

 早雲の子孫は直系が絶えたが、支流が大名家として存続した。その家が江戸幕府に提出した系図によれば、早雲は鎌倉の北条氏の末裔ということになっている。得宗家最後の当主・北条高時の次男、北条時行の曾孫だというのだ。むろん偽系図である。

 早雲の母には2説あって、政所執事・伊勢貞国の娘とする説と、尾張の横井氏とする説がある。一般には前者とするのだが、筆者は後者だと考えている。横井氏は鎌倉の北条氏の末裔を名乗っているからだ(横井氏は尾張富田荘の荘官の子孫で、富田莊の地頭が北条氏だったので、北条氏の末裔を僭称しているらしい)。

 先述した通り、早雲は北条姓を名乗っていない。名乗りだしたのは子の氏綱からである。しかし、なぜ氏綱が北条を名乗ったのかは定かでない。筆者は以下のように考えている。

家臣「当家は伊豆から始まって、関東に覇を唱える。まるで執権北条氏のようですね」
氏綱「そういえば、先代・早雲殿の母親は横井といって、その北条の末裔らしいぞ」
家臣「じゃあ、いっそ北条を名乗ってはいかがですか?」
氏綱「そうだな。北条だったら、関東管領の上杉よりも正統性がある感じだしな」

 すごくいい加減な感じがするが、苗字に対する当時の感覚はその程度のものではなかったかと筆者は考えている。

(文=菊地浩之)

●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)、『日本のエリート家系 100家の系図を繋げてみました』(パブリック・ブレイン、2021年)など多数。