新型ノア/ヴォクシー、絶対に売れる理由…盤石の態勢でステップワゴンを迎撃

 4代目となるトヨタ自動車の新型「ノア/ヴォクシー」がフルモデルチェンジ、すべてを刷新して登場した。全貌が明らかになったので紹介しよう。

 初代ノア/ヴォクシーが誕生したのは2001年11月。乗り降りしやすいスライドドア、荷室空間が広く、足ポイントが高いことから運転がしやすい。そんな要件を突き詰め、家族を支えるコンパクトキャブワゴンとしてファミリーカーの王道を歩んできた。

 新型になってもコンセプトに変更はなく、日本の家族を乗せて走ることを主体に開発が進められた。すなわち、スライドドアには段差を低くするように機械式ユニバーサルスライドドアが採用された。ドアの開閉によって踏み板が展開、格納されるのだが、これまでのような電気モーター式ではなく、電動開閉するスライドドアに連動。これまで20万円ほどの出費を強いられた電動式ではなく、3万円ほどと安価で装備可能になったのだ。

 しかも、安全運転支援技術が進んだ。車両の周囲を常に監視している機能を利用し、スライドドアの作動時、後続から障害物が迫っている場合に動作キャンセルする機能を盛り込んだ。後ろからランナーやバイク、もちろんクルマが迫っているとセンサーされれば、電動ドアがストップする。助手席側からの急な飛び降りを防止するのである。といったように、スライドドアの利便性と安全性を高めているのだ。

 2列目には、オットマン付きのキャプテンシートが選べるようになった。しかも、ロングスライドが可能だ。これまでのように、リアのタイヤハウスに干渉してスライドが規制されることもなくなった。しかも、3列目のシートは簡単にワンタッチで跳ね上げることも可能になり、シート折りたたみの煩わしさが解消されている。

 電動リアゲートのスイッチがサイドに移設された。これにより、壁や垣根が迫っているような駐車スペースでも、脇から簡単に開閉することが可能になった。少し開けて小さな荷物を取り出すことが容易になったのである。

 手動式のバックドアでも、開閉を任意の位置で固定する。些細なことだが重要だ。ユーザー目線が行き届いているといえよう。

 運転のしやすさにもメスが入った。Aピラーが細く三角窓が広くなったことで、飛び切りの開放感が得られる。ドライバーからの死角も少なくなり、安全性も高まる。

 動力性能も進化。パワーユニットは直列4気筒2リッターガソリンと直列4気筒1.8リッターハイブリッドの二本柱だが、販売の中心になると思われるハイブリッドが進化した。ユニットやバッテリーが小型になり、軽量化に貢献。そればかりか、ハイブリッドには新たにE-FOUR4WEシステムが組み込まれることになり、特に後輪のモーターパワーが強く、オンロードでの旋回性も高まったというのだ。

 感心するのは、動力性能の高さである。0-100km/h加速タイムは1秒ほど短縮しているという。アクセルペダルを床まで踏み込んで加速する場面は少ないだろうが、時にはフル乗車で山坂道を駆け上がる場面も想定される。パワーが増強されていることはありがたい。

 それでいて驚かされるのは、WLTC燃料消費率が23.4km/lとクラストップの数字になったことである。コンパクトキャブワゴンのユーザーがもっとも気にするのは経済性だという。その点にも期待を超える性能を盛り込んでおきながら、走りの性能を犠牲にしていない。この点は高く評価されるべきだろう。

 近日中に、まるで示し合わせたかのように最大のライバルである本田技研工業(ホンダ)「ステップワゴン」がデビューする。全方位的に性能を高めたノア/ヴォクシーが盤石の態勢で迎え撃つことになった。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

反田恭平、小林愛実…桐朋学園、世界的音楽家を次々と輩出する「天才養成システム」

 2021年は国際コンクールで日本人音楽家が相次いで優勝・受賞し、日本の音楽界にとって大変実りの多い年となった。特に注目を集めたのが、ショパン国際ピアノコンクールで内田光子さん以来、51年ぶりに2位受賞を果たした反田恭平さんと、4位を受賞した小林愛実さん、ヒンデミット国際ヴィオラコンクールで優勝した湯浅江美子さん、ジュネーヴ国際コンクールのチェロ部門で日本人初の優勝者となった上野通明さんの4人だろう。

 この4人に共通することがあるとすれば、それは全員が桐朋学園(以下「桐朋」)の子供のための音楽教室(以下「音教」)で学び、その後、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学、以下「高校音楽科」)に進み、さらにその後は4人とも海外に留学していることだろう。

 かくいう筆者も仙川教室の音教に6年間在籍し、その後、上の4人と同じように高校音楽科で学んだ。彼らの内の何人かとは机を並べて学んだことも、校内で開催される演奏会等で、ともに奏者として名を連ねさせてもらったこともある。

 実際に彼ら彼女らと一緒に学び、演奏の研鑽を積んできた視点から、世界に通じる音楽家を輩出してきた桐朋学園ではどのような教育が行われるかについて、少し紹介してみたい。ただし、筆者の経験は音教の場合は12年以上、高校音楽科は8年以上前のものであり、現在は変わっているかもしれない。

楽器演奏以外の教育でも世界クラス

 まず「音教」と呼ばれる、幼稚園の年少から中学3年生までを対象とした週一回の授業について説明したい。

 そこは何よりも音楽家として生きていくための重要な基礎教養を養う場であった。

 音教では各楽器の演奏以外に、ソルフェージュと呼ばれる音楽の基礎を徹底的に訓練する。ソルフェージュとは耳やリズムの訓練、楽譜の読み方・書き方といった、楽器を弾く「技術」以外の音楽家としての基礎能力である。

 ソルフェージュで養われるスキルである耳の良さは、プロの音楽家にとって必須である。幼少期に徹底してソルフェージュを鍛え上げられていない演奏家も存在する。ただ、彼らは譜読みが遅い上に、リズムを読み間違えることが多い。例えばピアニストであれば、初めて目にした楽譜ですぐに演奏する初見が苦手な人は、室内楽や伴奏などの際に重宝してもらえない。ソロだけでは仕事にならない場合が殆どのピアニストとして、これは致命的である。このように、ソルフェージュは音楽家がスタートラインに立つためには絶対に必要な素養を養ってくれる。

 桐朋のソルフェージュのレベルは世界的に見ても高い。「桐朋パリ高等音楽院(入学が難しい難関校、漫画『のだめカンタービレ』主人公・野田恵の留学先)は世界一のソルフェージュのレベル」と鼻にかけている桐朋生もいたほどだ。

 実際、筆者も留学先の音楽大学での入試では、ソルフェージュはほぼ満点を取ることができた。驚いた試験官に問題をその場でアレンジされたが、それも難なくこなせた。大学1年目のソルフェージュ授業は免除されて、2年生と一緒にソルフェージュを受けたが、そのクラスでもトップであった。

 その入試のレベルは音教の中学校時代の課題と同水準。入学後の授業のレベルも高校音楽科よりも低水準であった。

 このような話は桐朋の卒業生の間では大して驚くべきことではなく、他の国に留学した友人たちからも似たような話をよく聞く。耳も頭も柔軟な子供時代に、世界に通じる高い水準のソルフェージュを教えられるのだから、桐朋の教育から上記4人のように世界が認める音楽家が生まれるのも、ある意味では必然と言えるだろう。

子供相手でも容赦ない実力主義

 音教でのソルフェージュの授業は、成績別にAからDのクラスに分けられる。

 年度の初め、学年毎に生徒全員を大きな部屋に集め、そこで「誰がどのクラスなのか」が発表される。クラス替えは年1回。だから自分のクラスは降格するのか、はたまた上に行けるのかを誰もが気にかける。あるいは、仲の良い友人たちと同じクラスになれるのかも決まる。

 いくら子供とはいえ、こうも顕著に実力を分けられるとかなりナーバスになる。クラス発表の当日には、泣き出す子や文句を言いに行く親など、様々なドラマがあった。音教の生徒は、このように小学生の頃からまざまざと「あの子はデキる組、あの子はデキない組」と現実を見せられながら育つのである。

 さらに年次試験の成績優秀者(学年のトップ数名)には浜離宮朝日ホールや紀尾井ホールなどの音楽ホールで演奏会のような形式で公開試験が行われる。これには生徒だけでなく、親たちも観客として参加できる。

 公開試験に出られるか否かも、生徒たちの間で確実に「弾ける子弾けない子」の溝を深めていく。この容赦ない実力主義が生徒たちの向上心を刺激し、日々の努力へ繋がることも確かだろう。

 音教での競争は過酷で容赦がない。強い精神力と音楽を本気でやりたいという意志が無い生徒は、ほとんど高校入学までにドロップアウトする。厳しい競争環境を作ることで、将来音楽界で生き残っていけるメンタルの強さを鍛えているのかもしれない。また、高い演奏技術を持つ生徒が自ら進んで「その道」を選択するように促しているのではないか。

 今回ショパンコンクール2位の反田さんと4位の小林さんは音教時代、さらに成績優秀者向けの「特別クラス」なるものを、普通のソルフェージュの授業の後に受けていた。

 特別クラスでは、普段中学生が1人でピアノを練習しているとしないようなこと(バッハのマタイ受難曲を授業で全部聴いて話し合う、ベートーヴェンの弦楽四重奏をピアノで連弾する等)に取り組むことができる。この特別クラスの経験は貴重である。

 多くの経験者はここでピアノ以外の音楽にも興味を持ち始める。さらに同じく選抜された先輩後輩たちとの繋がりがとても良い刺激となる。しかしこのクラスは実力で選抜される文字通り「特別」である。学年のピアノ科の生徒のうち受けられるのは僅か1学年4~5名程度。音教は、才能のある生徒をとことん優遇する。生徒たちは10代にして格差社会を味わうのだ。

スクールカーストも実力で決まる高校生活

 音教生の多くが高校音楽科へ進学する。そこでの生徒間「スクールカースト」は独特だ。

 音教から上がってきた生徒たちは、ここでは少数派となる。音教上がり以外の生徒から「小さい頃からビシバシ教育されてきて桐朋の仕組みもよく知っているエリート」と認識される。

 外部生には地方出身者も多い。「県でいちばん上手」などと言われていたような子もいる。そんな子たちは入学当初、威勢がいい。ただ1年目が終わる頃には、試験の成績や選抜演奏会への参加の有無などにより、自分の学年内での実力を目の当たりにする。

 どの学校にもあるスクールカーストだが、“1軍”は普通校なら「美人・イケメン」など容姿端麗な人々だ。しかし高校音楽科の場合は、いかに楽器が上手に弾けるかが一番の基準である。容姿その他は、その次。極言すれば、楽器が上手い人はスムーズな高校生活を送れる。

 音教と同じく、高校音楽科でもスチューデントコンサートという名の成績優秀者による校外演奏会が行われる。そこに自分が選ばれるかどうかは一大イベントであった。

 同じ友達グループの中でも、出られる子と出られない子がいる。演奏会のメンバー発表を友達と一緒に見にいくと大変である。その場で泣き崩れる子、歓喜のあまり騒ぐので他の子から嫉妬の目を向けられる子……発表の後のランチタイムは地獄だった。

 この他にも、高校音楽科には海外からの著名な演奏家がレッスンをしてくれるイベントもある。これには、真面目に勉強していて、かつ成績もある程度の生徒が選ばれることが多かった。

 高校生活の最後は卒業演奏会で締めくくられる。卒業が迫ってくると、もうハッキリと「あの子は演奏家になれそうな子、あの子はなれなさそうな子」という線引き生徒たちの間でされている。バリバリ楽器を続けていきたい子たちは、放課後になると膝を付き合わせて留学先について語り合う。

 そうでない人たちは「こんなに音楽ばかりやってきた人生では潰しがきかない。仕方がないから桐朋の大学で教職を取って教師になるか、それとも一般企業就職も視野に入れながら生きるか……」と演奏家への道を半ば諦めながら進学するのである(進路は何もこの2つだけではない。これは一例である)。

 上手な人の多くは高校卒業後に世界各地へ留学する。小林さんは在学中にいち早く留学していた。その他の人たちは高校を出てすぐ留学する人もいれば、語学の準備や海外の音大とのコネクション作りに勤しむ。そして大学3年目くらいまでには、日本の音大を中退して留学する。

個性を潰さない、柔軟だけど生徒思いの先生たち

 桐朋から世界に通用する若手音楽家が輩出される要因はまず、向上心と精神力が鍛え上げられる環境だろう。

 他にも、優れた教師陣の存在が大きい。桐朋の先生方は個性を大切にすることはもちろんだが、自らの経験と高い専門性をベースにした言葉で、様々に生徒たちを励まし、助言を与えてくれる。

 例えば反田さんは、中学生の頃からリストのメフィストワルツをサラッと弾いてしまう程の、悪魔的な音楽性と技術力があった。

 彼の高校時代の指導教師は名の知られた教育家でもあった。彼は反田さんについて「高校生の時には基礎をしっかりと固めるべきだ」と判断したのか、ハイドンやベートーヴェンなどたくさん古典派の曲の宿題を出されていた。高校3年間でできるだけ西洋音楽の要となる部分を勉強させ、後で自由に羽ばたく時の糧にして欲しいという先生の愛のある教育であったと思われる。

 その先生に限らず、桐朋はどの先生たちも優秀な生徒を多く抱えている。そして、生徒が留学したいと言うとためらわずに「行ってきなさい」と、背を押すタイプが多かった。「若いうちに世界を見て来なさい」と柔軟に考える先生たちの影響か、小林さんの同学年も留学を当たり前だと考えている人ばかりだった。

 こんなこともあった。音教時代、筆者はショパンを弾くのが苦手だった。しかし、ピアニストは“ショパンが弾けないとダメ”という風潮がある。するとある先生が「ショパン弾きなんて世の中たくさんいるわ、あなたはそんなこと気にしなくて、自分がこれ!と思ったことを突き詰めてそれが上手なピアニストになればいいのよ」とアドバイスしてくれた。

 幼い頃から競争社会にいると自分を見失いがちだ。しかし、桐朋の先生たちはマルチになんでもできる演奏家を求めることよりも、その人の個性を活かし評価しようとしているようにも思えた。

 日本を代表する音楽のエリート校である東京芸術大学音楽学部附属高等学校(以下「芸高」)を引き合いに出し「芸高生はみんなノーミスでバリバリ弾けるけど、桐朋生はミスタッチをしても音楽的だったら受け入れてくれる」という、都市伝説が校内で囁かれていた。これも桐朋という学校が、個性を重視し伸び伸びと音楽をさせてくれる場であった所以ではないだろうか。

 自由な校風といえば学園祭で大学と高校の境目が無くなることや、制服が無かったり廊下で練習できたり、練習室も大学生と高校生の使える部屋が同じなので、学年を超えて多くの人と友達になれたり…等といったことも挙げられる。

反田さんのショパンコンクールでの活躍も“納得”の理由

 音楽家として成長するには、周りに上手な人が多いほうが良い刺激が受けられる。その点で桐朋は徹底した実力主義、切磋琢磨し合える環境、そして生徒思いの先生たちが、今も昔も数多くの素晴らしい音楽家の卵たちを惹きつけている。

 昨年、次々に結果を出した彼ら彼女らの活躍を見た時に「凄い!」という感情よりも、「やっぱりね」という納得感のほうが勝っていた。彼らはもともと才能に恵まれていた。加えて子供の頃から将来有望な音楽家の卵たちに囲まれお互いに刺激し合いながら自らの演奏技術を磨いてきた。世界に羽ばたいても引けを取らない音楽教養を養われ、なおかつ精神面でも鍛え上げられてきたのだ。そんな彼らが海外でより音楽への理解を深め、やがて成功するのはいわば当然なのである。

 桐朋学園からは過去にもたくさんの素晴らしい音楽家が輩出されてきた。今後も日本の稀有な才能を発掘し輩出していくことだろう。

(文=千原賢美/ピアニスト)

●千原賢美(ちはら・さとみ)

 1996年生まれ。3歳よりピアノを始める。2004年から2010年まで桐朋学園大学音楽学部附属子供のための音楽教室に在籍。14年に桐朋女子高等学校音楽科を卒業、同年アムステルダム音楽院に入学。15年、Young Pianist Foundation category 2にて3位。16年にクリスティーナ王妃コンクール in Haarlem にて3位。18年にアムステルダム音楽院学士課程を首席で卒業、Jacques Vonk財団から特別に才能のある生徒に贈られる奨学金“Special Talent”を授与し同音楽院の修士課程に入学。20年に同音楽院の修士課程を卒業。22年5月にはコンセルトヘボウでの演奏会が決まっている。Twitter:@stm_pf

 

中川翔子も浜崎あゆみも入院…アナフィラキシーとは?迅速で適切な処置が重要

 タレントで歌手の中川翔子が、7日に自身のツイッターを更新し、元旦に薬の服用によってアナフィラキシーを起こし、肝臓機能が低下し入院していたことを明かした。発熱などの症状があったことで、いくつかの薬を服用したが、そのいずれかにアナフィラキシーを起こしたという。

 また、歌手の浜崎あゆみが昨年11月に名古屋市内で行われたライブツアー公演後に救急搬送され、その後、アナフィラキシーショックと診断された報道も記憶に新しい。

 アナフィラキシーは予期せず起こる危険性があり、正しい対処が重症化を防ぐ鍵となる。アナフィラキシーについて、くぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢医師に聞いた。

アナフィラキシーとは

「アナフィラキシーとは、アレルギー反応を引き起こす薬や食べ物などを摂取したときに、短時間(5~30分)かつ急激に皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器などの複数臓器や全身に起きるアレルギー症状をいいます。中川翔子さんの症状は、薬のなんらかの成分によってアレルギー症状が急激に惹起され、アナフィラキシーが起きたと思われます。肝機能低下に関しては、いくつかの薬を服用し、肝臓への負担や肝機能低下の副作用が起きた可能性もあると思います」

 中川翔子が「喉の腫れ、全身の痒み」が主な自覚症状だったとツイートしているように、アナフィラキシーの症状の特徴は、じんましんや痒みなどの「皮膚症状」や目の痒み喉の腫れなどの「粘膜の症状」である。

「アナフィラキシーが進むと、咽頭浮腫により気道が塞がれ呼吸困難となり、さらに症状が悪化すると血圧低下が起き、意識障害など命に危険が及ぶこともあります。浜崎あゆみさんはアナフィラキシーショックによる救急搬送と報じられていますので、危険な症状だったのかと想像します」

 アナフィラキシー症状がさらに進むとアナフィラキシーショックが起きる。アナフィラキシー症状が起きた際には、迅速な処置が重症化を防ぐ鍵となる。中川翔子、浜崎あゆみともに適切な処置がなされたことが早い復帰に繋がったと思われる。

アナフィラキシーの治療

「アナフィラキシーで救急搬送されるような症状の場合には、アドレナリンの投与を行います。過去にもアナフィラキシーを起こしたことがある場合には、エピペンというアドレナリンの自己注射薬を処方し、アナフィラキシーが起きた際にはすぐに自己注射ができるように常に携帯していただきます」

 アドレナリン注射のほかにも、症状に応じてステロイド剤や抗アレルギー薬の投与を行う。初めてアナフィラキシーが起き、初期症状が改善した後に症状が再び出現する反応を二層性反応と呼ぶが、ステロイド剤には二層性反応を抑える作用もあり、医師の判断によって服用することもある。

アナフィラキシーを避ける方法

 アナフィラキシーの主な原因は、食物、医薬品、ハチ刺傷であり、食物が圧倒的に多い傾向にある。卵や牛乳、小麦や甲殻類、果物などによるアナフィラキシーが多い。しかし、アナフィラキシーショックを起こし、重篤な症状や死に至る原因としては薬が多いという統計もあるため、新しい薬を服用する際には十分な健康観察が必要となる。蕁麻疹や皮膚の痒み、息苦しさを感じたらすぐに医療機関を受診してほしい。

 また、アナフィラキシーを起こした後は、回復後に検査を行い、原因となるアレルゲンを特定し、回避策を講じることが重要となる。

 現在、3回目の新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されているが、ワクチンによるアナフィラキシーが起きる可能性もあるため、接種後は十分に健康観察を行ってほしい。また、アレルギー反応は激しい運動や入浴により誘発されることがあるので、ワクチン接種後は安静を心がけていただきたい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

泣き出す受験生も?共通テスト・数学、エグい難化の理由…平均点の急落・乱降下に弊害

 2022年度の大学入試共通テスト(旧センター試験)が15日、16日に行われたが、2日目に行われた数学、特に「数学IA」が“難しすぎる”として、Twitter上では受験生から次のように多くの悲鳴が続出。「問題制作」というキーワードがトレンド入りするなど、話題となっている。

<数学1A化け物すぎる>(原文ママ、以下同)

<隣の女の子共通テスト数学1A終わったら突然泣きながら帰り出した>

<数学IIB難しすぎて試験会場からため息しか聞こえないからトイレに逃げ込んだら、トイレの角で棒立ちしてる人居たんだけどここは日本ってゆー国であってますか?>

<難化どころじゃなくね?頭真っ白になったわ>

<数学難化もそうだし、共通テストほぼほぼえぐい>

<共通テスト自己採点結果(略)数学Ⅰ 4/100 数学Ⅱ   14/100>

<難易度:スーパーウルトラアルティメット難化 予想平均点:15点>

<数学1A、序盤の誘導(脳死問題)が例年よりも省かれてて難しすぎる…。これ、平均点40切ってもおかしくないような…>

 実際に大手予備校はHP上に掲載している解答速報で、そろって次のように問題が難化したと評している。

【数学IA】

「難化 典型的な問題が少なく、目新しい問題が多かったため、ところどころの設問で戸惑った受験生が多かっただろう。また、解答の方針を立てにくく高度な思考力を要する設問もあり、難易度は高かったと思われる」(河合塾)

「導入部分から取り組みにくい問題が多く、昨年より難化」(駿台予備校)

「分量が多く、試験時間内に解ききることは厳しい。昨年よりも誘導が減少しており、難しく感じられたであろう」(代々木ゼミナール)

【数学IIB】

「やや難化 問題文が長く、ページ数も昨年より5ページ増加した。各大問の最後の設問を解くためには、それまでに行われてきた議論を振り返る必要がある。時間内にすべての問題を解くのは大変だろう」(河合塾)

「全体を通して幅広い知識の活用が求められ、平均点が高かった昨年と比べてやや難化」(駿台予備校)

「昨年よりやや難化。分量が時間に対して多め」(代々木ゼミナール)

本質的な数学的理解に加え国語力が問われた

 予備校関係者はいう。

「旧センター試験では典型的なパターン問題が多く、過去問対策をしっかりやることが得点に結び付いたが、今年は過去にないようなタイプの問題が見られ、戸惑う受験生も多かった模様。また、長めの問題文を短い時間で読解してロジックを理解しないと解けない、思考力を求められる問題が多く、本質的な数学的理解に加え国語力が問われた。パターン問題の対策ばかりやってきたような受験生は、かなり苦戦しただろう。

 大学入試共通テストの数学では論述問題は出ないが、“論述的”な問題が増えたという印象。そのため、理系の国公立大学2次試験や上位の私立大学入試の対策に時間を割いてきた受験生は有利かもしれない。また、数学が得意な受験生は全科目総合でみると点数が上がりやすくなり、国公立大や共通テスト利用の私大の入試では受かりやすくなる面は出てくるかもしれない。

 落ち込んでいる受験生も多いと思われるが、全体的に平均点は大きく下がる可能性が高く、“できなかったのは他の受験生も同じ”というくらいの姿勢で、気持ちを切り替えてこれからの本番に臨んでほしい」

 では、なぜ今回、数学が難化したのだろうか。

「昨年初めて行われた共通テストでは、特に数学は前年のセンター試験よりかなり易しくなり、前年より平均点が大幅に上昇。“センター試験からレベルが変わりすぎ”“本当に数学の実力を測れるのか”といった、いろいろな議論も出た。今年はその“振り戻し”が起きた面はあるかもしれない。もともと共通テストは、受験生の思考力を問う方向にシフトするという目的で導入されたので、その意味ではより“共通テストっぽくなった”といえる。

 ただ、毎年のように平均点が上下してムラが出てしまうのは、難易度の一貫性という観点で好ましくないのは明らか。また、問題を難しくし過ぎて多くの受験生が解けない問題が増えれば、逆に受験生の実力を測れなくなってしまい、難しすぎてもいけない。実際に東大の理系学部の数学の入試問題は過去10~20年で易化傾向にある。問題制作の面では非常に難しいことではあるが、平均点の上下幅が毎年一定のレンジ内に収まるようにするのが理想的だろう」(同)

 ちなみに昨年の平均点数は、数学IAは57.7点(前年比5.8点増)数学IIBは59.9点(前年比10.9点増)であったが、今年の予想平均点は16日夜にも大手予備校各社から発表される見込み。

(文=編集部)

 

パチンコ新台「ヘソから一撃3000発」破壊力抜群の大物たちが続々とデビュー… 継続率93%の“超速マシン”など注目作をピックアップ

 昨年リリースされ、現在も絶賛高稼働中のパチンコ『Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン』。覚醒機能による強烈な出玉スピード、ヘソ大当りから「3000発獲得」が狙える激アツ仕様などで多くの中毒者を生み出したが……そんな『ガンダムユニコーン』の性能を超える⁉業界要注目の新台をピックアップしたので、ぜひ最後までご覧いただければと思う。

『P Re:ゼロから始める異世界生活鬼がかりver.』

 

■大当り確率:1/319.6→約1/99.9
■鬼がかりRUSH突入率:約55%
■鬼がかりRUSH継続率:約77%
■ST回数:144回
■鬼がかりRUSH中BONUS出玉:0発or300発or1500発or3000発
■大当り振り分け
・通常時
「出玉3000発RUSH突入」55%
「出玉1500発RUSH非突入」45%
・右打ち中
「出玉3000発」約25%
「出玉1500発」約55%
「出玉300発」約6%
「ST回数回復」約14%

○○○
 先日デビューした本機は、大当り確率約1/319の1種2種混合タイプ。初当り時の約55%で「一撃3000発+ST突入」となり、一方の通常大当りでも1500発の出玉を獲得できるなど、安心感と爆発力を兼ね備えたスペックとなっている。

 その3000発フラグは右打ち中にも存在し、その振り分け率は実質25%。さらに、約55%で1500発の出玉獲得となるため、ヒキ次第では一撃大量出玉も十分に狙える。その出玉を加速させる変動速度も魅力的で、その時間はなんと平均0.76秒。そうした性能のゆえ、出玉増加スピードは時速6~8万発だと言われている。

『P大工の源さん 超韋駄天 BLACK』

■大当り確率:約1/318→約1/2.17
■RUSH突入率:約50.2% ※特図1時短突入大当りとロングフリーズの合算
■RUSH継続期待値:約93%
■時短回数:127回 or 3回
■ラウンド:10ラウンド or 3ラウンド or 2ラウンド

〇〇〇
 先代と同じく、スペックは大当り確率約1/318の混合タイプ。RUSH継続率は約93%で、RUSH突入率は10%ダウンの約50%となっているが、その分、右打ち中の出玉性能が大幅にアップしている。

 右打ち中の最大出玉は990発から1500発へとアップし、さらに10R大当り後は時短127回+残保留1回の「夢源RUSH」となり、次回大当りが濃厚に。そして、その10R大当りはヘソ経由でも発動するため、RUSH突入時は無条件で3000発を獲得できるのだ。

『Pルパン三世 2000カラットの涙』

■大当り確率:約1/319
■RUSH突入率:約50%
■RUSH継続率:約81%
■電サポ回数:60回 or 10000回

〇〇〇
 突入率50%の奇数図柄揃い大当り後は、1500発の報酬に加えて電サポ10000回が付与されるため、初当り1500発+次回大当り1500発(小当り経由時はV入賞が条件。特図2に限る)の計3000発の出玉が約束される。

 3000発獲得後は時短60回のラッシュへ突入し、ここでの大当りはすべて1500発が確定。その継続率は約81%と、シリーズ最高峰の右打ち性能を実現している。その他の情報に関しては、続報が入り次第、当サイトでもお伝えする予定だ。

JRAエフフォーリアら「約束された出世レース」に必然の顔触れ、「コテンパン」から逆転勝ちのオニャンコポン! 気付けていれば楽勝だった?

 16日、中山競馬場で行われた京成杯(G3)は、外から伸びた菅原明良騎手の6番人気オニャンコポン(牡3、美浦・小島茂之厩舎)が快勝。皐月賞(G1)と同舞台となる中山芝2000mで嬉しい重賞初制覇を成し遂げた。

「デビューから力があると思っていたので結果が出せて良かった。前走より我慢させて競馬しましたが、3、4コーナーで手応えがあったので直線で伸びてくれればと思っていました。スタートがいいし、センスもいい。すごく競馬しやすいです。頑張ってくれています」

 初重賞挑戦となった前走のホープフルS(G1)でも、デビューから連勝した内容を買われて6番人気に支持された馬。11着と大敗したとはいえ、まだ成長途上だった。

 当時は「思い通りの競馬で、馬の力を信じてレースをした。やれると思ったが、これからの馬ですね」とコメントした菅原騎手。人馬の信頼関係が呼び込んだ快勝だったといえる。

「菅原騎手の若手らしからぬ冷静な騎乗が功を奏しましたね。道中の前半は6番手の好位につけていましたが、周りが動いたタイミングで追い出しを我慢するクレバーさが光りました。

一緒についていってもおかしくないところですが、有力どころを先に行かせた度胸はさすがです。溜めが利いたこともあって、メンバー最速の上がりで差し切りました。これで菅原騎手は、昨年のカラテの東京新聞杯(G3)に続く重賞2勝目ですね」(競馬記者)

「状態は良かったので、もう少しやれるかと思ったのですが、案外コテンパンにやられまして、もう力負けだなと思っています」と、指揮官も振り返ったほどだった前走の大敗から一気に重賞勝ち。敗戦を糧に厩舎一丸となった再調整が、殊勲の勝利へと繋がった。

 6番人気で京成杯を制したオニャンコポンだが、過去の傾向を振り返れば、この勝利はほぼ「約束されたも同然」だったという見方もある。

 2戦目に勝利した百日草特別(1勝クラス)は、昨年の勝ち馬エフフォーリアが大活躍したように、ちょっとした出世レースとしても知られている。以下は、芝2000m戦となってからの勝ち馬の顔触れである。

■百日草特別、過去の勝ち馬
14年 ルージュバック オールカマー(G2)ほか計4勝
15年 プランスシャルマン
16年 アドマイヤミヤビ クイーンC(G3)
17年 ゴーフォザサミット 青葉賞(G2)
18年 トーラスジェミニ 七夕賞(G3)
19年 ホウオウピースフル フローラS(G2)2着
20年 エフフォーリア 有馬記念(G1)ほか計4勝
21年 オニャンコポン 京成杯

 すでに7頭中5頭が、後に重賞を勝っている顔触れの上に、今回のオニャンコポンが加わり8頭中6頭という好成績。なんと75%の確率で重賞勝ち馬を輩出していることは驚きだ。

 大ヒット漫画『進撃の巨人』の登場人物の一人であるオニャンコポンが、馬名の由来といわれている「偉大なる者」たちに続いたことを偶然で片付けるには、少々出来過ぎた話かもしれない。

 父のエイシンフラッシュは、2010年の京成杯勝ち馬でもあり、これで親子制覇。同年の皐月賞で3着に敗れた後、7番人気でダービー馬に輝いた「偉大な父」を超えられるだろうか。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

パチスロ1号機時代より続く名機の系譜…さらば5号機『スーパープラネットSP』編

 完全撤去が目前に迫っているパチスロ5号機ですが、今回のターゲットは山佐の『スーパープラネットSP』。プラネットといえば、山佐伝統の大量リーチ目を世に知らしめた名機であります。

 1号機時代に販売された『プラネット』は大量のパターン(リーチ目)を搭載しており、他社とは一線を画す路線をひた走っていました。宇宙を意識したデザインにJACゲーム時の《キンコーン》というチャイム音、《ジリリリ~》というメダル払い出し音も非常に印象的です。

 攻略誌もなかった時代だけに、多く打ち込みパターンを熟知すればするほど楽しめました。時にはパターンを拾うこともあり、有利に立ち回れたのも利点でしたね。 

 1990年、その伝統は3号機『スーパープラネット』へと受け継がれ更なる完成形へと昇華しました。

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 この通称スープラは裏モノ全盛期だったにも関わらず、古くから続く山佐独自のゲーム性が幅広く受け入れられます。当時では前代未聞の13万台という大セールスを記録しました。

 プラネット伝統のリーチ目に加え、BB終了後は小役が高確率になるフルーツゲームを搭載し人々を熱狂させたのです。

 次の後継機はスープラの登場から実に10年以上が経過した2002年、丁度20年前ですね。業界初の『EL VISION』を搭載し大ヒットを飛ばした4号機『ネオプラネットXX』が登場。ネオプラは伝統のリーチ目+有機ELビジョン+ボーナスストックというハイブリッド機でこちらも人気機種へと上り詰めました。

 そのネオプラの前年にデビューし、ストック機の頂点に君臨していたのが、これまた山佐の『キングパルサー』というのも、山佐の絶頂期を語るには充分過ぎる事実だったと思います。

 その3年後にはスペック違いの『プラネット999』をリリース。そして2016年には5号機『スーパープラネットDX』がリリースされますが、これが何と完全告知タイプだったのです。

 なぜ伝統が受け継がれなかったのか。これには疑問符が付きましたが、2018年には伝統が復活した『スーパープラネットSP』が登場。リーチ目だけでなく3種類のモードから選択可能な、いわば『ニューパルサーSP』のような立ち位置でしたがこれには心が躍りました。

 しかしどこのホールでも扱いはバラエティークラスで高設定も入りづらく、あまり打つことがなく現在に至るという感じでした。

 どうせなら少しでも良さげな1台を選びたいですが、そうもいっていられない様子で時間は13時過ぎにも関わらず総回転数32Gという台に着席。何気なく1000円使って台移動した、おそらくはそんな感じでしょうか。 

 目標は可愛くBB3回、RB2回ですが難なく達成。デザインは好きなのですが、正直しっくり来ませんでしたね。上手くはいえませんが、その辺がやはり苦戦した要因なのでしょう。

 しかしながら、2号機『ビッグパルサー』→3号機『スーパープラネット』→4号機『ネオプラネット』と受け継がれてきた超マニアックリーチ目『オレンジV』を拝めたことは喜びの極みでした。

 現在残る5号機プラネットは『スーパープラネットDX』と『スーパープラネットSP』の2機種。次のプラネットが、再び人々を熱狂させてくれんことを土星に願いたいと思います。

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

JRA戸崎圭太「約10億円」超豪華な裏切り、全10鞍で未勝利、人気以上の着順ナシ、馬券圏内わずか1回

 15日、中山競馬場で行われたカーバンクルS(OP)は、北村宏司騎手の4番人気サンライズオネストが優勝。早め抜け出しから粘り込みを図る1番人気マイネルジェロディ、それに迫るマリアズハートの2頭を、ゴール寸前で外から豪快に差し切った。

 4着には2番人気のルッジェーロが入った中、3番人気で13着に大敗したのが、戸崎圭太騎手とダノンチェイサー(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)のコンビだ。

 同馬は2017年のセレクトセール1歳セッション、2億7000万円(税込)で取引された超高額のディープインパクト産駒。19年のきさらぎ賞(G3)を勝利し、同年のNHKマイルC(G1)でも4着に入ったが、日本ダービー(G1)を前に故障が判明。

 その後、約1年の休養を挟み、20年6月の米子S(L)で戦列に復帰。その年の信越S(L)で3着に入って以降は精細を欠いたものの、初のスプリント戦となった昨年12月のラピスラズリS(L)で0秒1差の3着に好走と復調気配を感じる内容だった。そのため、今回は単勝オッズ6.7倍の支持を集めていた。

 芝1200m、16頭立てのレース。14番枠からスタートを切った戸崎騎手とダノンチェイサーは、道中3番手の外目。前半3ハロン33秒1とペースが流れた影響もあったか、4コーナーで手応えが怪しくなると、直線入り口で早くも後退。最後は馬群に飲み込まれた。

「約3年ぶりとなる勝利も期待されていましたが、ほとんど見せ場を作ることができませんでしたね。好走した前走は中団のインで脚を溜め、最後に鋭い伸びを見せていました。今回は行きっぷりよく先行したことが、かえって裏目に出てしまったのかもしれません」(競馬誌ライター)

 その好走した前回は菅原明良騎手の手綱。今回、テン乗りの戸崎騎手としても、期待に応えたいところだったが、残念な結果となった。

 というのも戸崎騎手はこの日、メインのカーバンクルSが始まる前まで8戦して未勝利、人気以上の着順も1つもなしと大苦戦。ダノンチェイサーは先述の通り、最終のモーソンピークも3番人気に推されたものの、ほとんど見せ場なく6着に敗れたことで土曜の中山は全敗が確定した。

 なお全10鞍のうち、3番人気以内の馬には合計で8回騎乗したが、馬券に絡んだのも1番人気のノーブルシルエットで3着に入ったアレキサンドライトS(3勝クラス)のみだった。

「ちなみにダノンチェイサー以外にも、8Rのホウオウセレシオンと9Rのロムネヤが、セレクトセールで2億円を超える高額で落札されており、モーソンピークもクラブ法人のシルクレーシングにて、総額1億5000万円で募集された高馬です。

この日、戸崎騎手が騎乗した全10頭の取引価格や募集額を合計すると、税込みで9億6000万円を超える計算になります。約10億円に迫る超豪華ラインナップだったものの全敗、また人気を上回る着順も1つもなかったことで、ネットの掲示板やSNSなどには、『さすがに酷すぎる』といった声も挙がっていました」(同)

 同日の中京では、お手馬のマジックキャッスルが愛知杯(G3)に出走したが、共に遠征はせず。地元で固め打ちも期待されていた同騎手だったが、いまひとつ手綱が冴えない1日となってしまったようだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

JRA松岡正海「引退危機」から逆襲開幕!? 「モノが違う」ウインブライト半妹が“八分のデキ”でデビュー戦快勝!

 16日、中山競馬場で行われた6Rの3歳・新馬を制したのは、松岡正海騎手の1番人気ウインエクレール(牝3、美浦・畠山吉宏厩舎)。2着馬とクビ差だったとはいえ、余裕のある手応えでデビュー戦を勝利で飾った。

 単勝1.6倍の断然人気に支持された馬としては、少々物足りないようにも映るが、まだまだ成長の余地を残している素質馬だ。昨年夏にデビューを予定していたものの、態勢が整わずに放牧。改めて立て直された一戦でしっかりと結果を出した。

「八分のデキでも勝てると思っていた。使ってさらに良くなるよ」

 フルゲート16頭立てで争われた芝1600m戦。好スタートを決めたウインエクレールは好位3番手からの追走と危なげない位置取り。最後の直線で先に抜け出したバンデルオーラとの差を、坂を上ってから一完歩ごとに詰め、交わしたところがゴールだった。

 ここまで人気を集めた背景には、松岡騎手の思い入れもあれば、その高い素質を評価する前向きなコメントも大きく影響している。

 美浦ウッドで行われた最終追い切りでは、馬なりで5F65秒5-11秒6の好時計をマークして僚馬に楽々先着。各紙の取材でも「モノが違う」と豪語していたほど自信を隠さなかった。余裕残しの仕上がりで勝てたことは、次走でのさらなる上積みも期待できそうだ。

「ステイゴールド産駒の兄ウインブライトは、松岡騎手とのコンビで香港のG1で2勝を挙げた名馬でした。管理する畠山厩舎も兄と同じで黄金タッグといえるでしょう。

こちらはディープインパクト産駒の牝馬で切れもありそうですし、今後も楽しみな逸材です。時期的に桜花賞(G1)は難しいかもしれませんが、オークス(G1)辺りで注目したい馬ですね」(競馬記者)

 松岡騎手といえば、2020年2月に落馬による負傷で長期離脱。重傷を負ったこともあり、一時は引退の危機も囁かれたほどだった。その間も心の支えとなったのが、デビュー戦からパートナーを務めたウインブライトの存在。同年12月の香港C(G1・2着)でも、同馬の引退レースに乗るため、完治しないまま香港へと渡った。

 結果的に敗れはしたが、現役最後の舞台となる愛馬の手綱を他の誰にも譲りたくないという強い想いもあったに違いない。

 そして今回現れたのが、その妹であるウインエクレール。兄の背中を知る男が、底知れない魅力にあふれる妹の主戦を任されたなら、燃えない理由があるだろうか。

 次走の予定はまだ発表されていないが、デビュー勝ちを決めたことで選択肢に余裕が出来たことは間違いない。次走でも目が離せないコンビとなりそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

コカコーラのアプリ「CokeOn」は極めて秀逸…ユーザと企業に多大なメリット

 コカコーラの売り方が「進化」している。なかでもコカコーラのアプリ「Coke ON」の仕組みが秀逸だ。このアプリを使い、歩いた歩数によってスタンプがたまり、一定数たまると自動販売機で1本もらえるというのが基本だ。

 まず、ユーザーはアプリをダウンロードする。そして、ユーザー自ら1週間で何歩歩くかという“歩数”を設定する。ちなみに私は最低設定数の1日5000歩、1週間で3万5000歩に設定してみた。そしてスマホを持って歩いた歩数がカウントされスマホに累積される。1週間での目標歩数を達成すると、週明けにスタンプは1つもらえてリセットされ、また次の1週間が始まるといった具合だ。

 ほかにも、累計で10万歩歩いたり、キャンペーンで2本買ったりすると追加のスタンプがもらえるというおまけの仕組みもついている。そして、スタンプが15個たまると、自動販売機でドリンクが1本もらえるチケットを得られるという仕組みなのだ。

 ユーザーにしてみると、スタンプをためて報酬としてコカコーラ製品がもらえるため、歩こうというモチベーションになるので健康管理にもいい。したがって、ユーザーは毎日のようにアプリを見るようになる。

 スマホアプリは、販売促進にとても有効なツールだ。一方で、ユーザーにはダウンロードさせる手間がかかる。さらに、やっとダウンロードしてくれたとしても、アプリを使ってもらわなければ意味がない。コカコーラとしては、ユーザーにアプリを見に来させることがとても大変なのだ。この仕組みはユーザーが歩数を確認したくなるので、ユーザーのほうが進んで見にいくことになる点が優れている。

 また、スタンプがたまると当然、ご褒美の1本をもらいに行くことになり、ユーザーは嫌でもコカコーラの自動販売機を探して、自動販売機の前に行くことになる。さらにその時に「ついで買い」も期待できる。来させるのではく、行きたくなる仕掛けをしているのである。小売業は来店頻度が高いほど、購入頻度も上がるので売上の増加につながるのだ。

 売上を伸ばす仕掛けは、アプリ内にも用意されている。アプリの下のほうに広告やキャンペーンを載せているし、1カ月2700円で1日1本買えるというサブスクリプションのサービスの告知もしている。ユーザーはアプリというネットでドリンクを探し、自動販売機というリアルな場所で購入し受け取るという、今の時代のオムニチャネルのあり方の好事例だ。

マーケティングの原理原則に則った売れる仕組み

 さらに、自動販売機も進化している。コカコーラの自動販売機は、一部地域を除く全国に約70万台ある。それらが、インターネットにつながっていて、POSデータのように集計がされる。なので、仮に1台あたり1日10本売れたとしたら、700万回分のデータが入手できる計算になる。これをアプリと連動させれば、どんな人が、どこでどのような商品を何時ごろ引き換えたのか、あるいは買ったのか、という傾向が見えてくる。それを分析すれば、売り場所や地域によって、自動販売機の中の品揃えを変えたりできるし、売れ筋商品の開発にも反映できる。

 これまで、消費財の会社は自社の製品をどれくらい出荷したのかはわかったが、出荷された製品が小売業者の店頭でどれくらい、どのように売れているのかは、小売店任せになっていて、把握できないケースが大半だった。IoTを活用するコカコーラの仕組みだと、実売数やどのように売れているのか、どんな商品がどんな人に好まれるかがわかることになる。

 このように、コカコーラの一連の取り組みは、Coke ONのアプリとIoT自動販売機を組みわせたDX化ということになる。

 企業経営者や事業責任者が、この事例から学べることは何だろうか。アプリの作成を急いだり、売り場にIoTを導入することももちろん重要だが、アプリやIoTデバイスは手法にすぎない。

 この事例から学べることは、「ユーザー思いの姿勢」の着想と「収益を上げる仕組みづくり」の2点だ。Coke ONは単に売るためだけ、告知するだけのアプリではなく、健康志向のユーザーのためになる歩数計としての価値を提供していることが第一だ。次に、その提供価値を来店促進の仕組みに入れ込んでいること。価格訴求で来店させるのではなく、ユーザーに自分から行きたいと思わせることで、売るのではなく売れる仕組みになっている点だ。

 一見、IoTを駆使した画期的な仕組みに見える。もちろんそうだが、健康志向の高まりという外部環境を分析し、自動販売機という自社最大の強みを活かし、ターゲット層を明確に設定し、メディアを組み合わせるというマーケティングの原理原則に則った、理にかなった売れる仕組みなのだ。

(文=理央 周/マーケティングアイズ代表取締役、売れる仕組み研究所所長)

●理央 周(りおう めぐる、本名:児玉 洋典)

マーケティング・コンサルタント、企業研修講師。1962年生まれ。静岡大学人文学部卒。フィリップモリスなどを経て、インディアナ大学経営大学院にてMBAを取得。アマゾンジャパン株式会社、マスターカードなどで、マーケティング・マネージャーを歴任。2010年に起業。収益を好転させる中堅企業向けコンサルティングと、従業員をお客様目線に変える社員研修、経営講座を提供。2013年より関西学院大学経営戦略研究科教授として教鞭をとる。著書は『「なぜか売れる」の公式』(日本経済新聞出版社)、『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など。商工会議所や経営者会での講演、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌への出演、寄稿も多数。

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