パチンコ新台『真・花の慶次』最新作に賛否の声続出!? シリーズ完結作は有終の美を飾れるのか

 パチンコ界を代表するビッグタイトルで、ニューギンの看板シリーズである『真・花の慶次』。そのシリーズ最新作となる『真・花の慶次3』が1月24日にデビューを飾ったが、ファンからは早くも大きな反響を呼んでいる。

『真・花の慶次3』(ニューギン)

■大当り確率:1/319.68
■高確率:1/76.56(ST135回)
■真・傾奇RUSH突入率:約67.5%
■真・傾奇RUSH継続率:約83.3%
■電サポ回数:135回or100回
■賞球数:2&1&5&15
■カウント:10カウント
■大当り出玉:10R1500発・6R900発・2R300発

○○○
 V-STタイプとなる本機は、継続率約83%のロングST(135回)「真・傾奇RUSH」が出玉増加の軸。電サポ中の大当りは80%で10R1500発の出玉獲得が可能だ。

 残り20%は2R300発と少なめだが、ヘソ大当り時のRUSH突入率は時短込みで約67.5%と高く、出玉面も900発と安心感も兼ね備えている。昨今多く見られる”右打ちに全振り”したスぺックと差別化を図った仕上りといえそうだ。

「“真シリーズ完結”と銘打たれた本機ですが、残念ながら市場での評価は分かれている様子。ネット上では『ベルセルク無双は演出とても良かったのになあ…』『ごちゃごちゃしていて、色々とうっとうしい』といった厳しい意見がある一方、『唯一、良いなって思った演出がハネ慶次』『右打ち中にこの演出があればめちゃくちゃ打った』など、羽根モノ風の演出が展開する“ハネの慶次チャレンジ”については好評の声が相次いでいるようです」(パチンコライター)

 2022年初春のビッグタイトルだけに、業界内外の注目度は非常に高かった印象だが、その期待に応えることは現状できていない模様。このまま不作としてホールから去ってしまうのか、それとも大逆転のヒット作となるのか……今後どう巻き返していくのか期待したいところだ。

 

【キャンペーン情報】

 そんな本機のデビューを盛り上げるべく、同社は現在「導入記念キャンペーン」を実施中。5週連続となる本キャンペーンは、応募者の中から合計1000名の方に「オリジナルデザインQUOカード(870円分)」をプレゼントという内容で、応募方法は同社公式Twitterをフォローし、該当ツイートをリツイートすれば完了だ。

 なお、応募締め切り(1週目)は1月31日午前11:59まで。

パチスロ「倍々ループで最大20000G」の衝撃性能! “4ケタ”頻発の特化ゾーンが魅力のタイアップ機を振り返り!

「思い出深いマシン」や「印象に残っている機種」を取り上げる本コラム。今回は、2016年11月リリースの人気タイアップ機『ウィッチクラフトワークス』について書いていきたい。

 本機は、純増約2枚の疑似ボーナス「クラフトワークボーナス」の連打で出玉を伸ばしていくARTタイプで、通常時は周期抽選によってボーナスやCZを抽選。その周期ゲーム数は「ウィッチライブ」「絆リンク」の減算特化ゾーンで短縮させることが可能で、周期天井については、3種類(通常A、通常B、天国)ある内部モードが「天国」であれば1周期目の当選が確定するといった特徴もある。

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 ボーナスは100G+α継続の「スーパークラフトワークボーナス(以下、SBIG)」、50G+α継続の「クラフトワークボーナス(以下、NBIG)」、1セット20G(最大7セット)継続の「ぶっちボーナス(以下、REG)」の3種類。
 
 BIG中は通常時と同様に、NeXTカウンターに表示されているゲーム数を減算させて「1G連」やCZ「拷問チャンス」獲得を目指すゲーム性となっており、周期到達から連続演出発生→成功で先のストックが確定だ。

 一方、REGは画面に映し出されている「PV」によって継続ストックを示唆しており、消化中は「1G連」「拷問チャンス(ボーナス獲得の自力CZ)」「SBIG」への昇格抽選が行われている。

 本機は「DAXEL」というパチスロメーカーから販売されており、本機以外では『まじかるすいーとプリズム・ナナ』『探偵歌劇 ミルキィホームズ TD 消えた7と奇跡の歌』などが有名だが、そんなDAXELの中で最も面白いと感じたマシンが、この『ウィッチクラフトワークス』である。特に「絆リンク」中はレバーONに気合が入ること間違いなしだろう。

 絆リンクは、基本獲得の10が毎ゲーム「×2」「×3」「×5」のいずれかで倍増されていく、上位版の減算特化ゾーン。その性能はかなり強力で、 継続次第では“4ケタ減算”も十分にあり得る。なお、減算リミットは驚愕の20000Gだ。

 先述した通り、この絆リンクはBIG中も発生する。ただ、BIG中は1周期が一律400Gになるため、仮に4000Gの減算に成功すれば最低でも10周期分は消化できる計算だ。さらに最大の6周期目はEX周期となり、ここでNeXTカウンターを0にすることができれば、特化ゾーン「テンペストモード」が確定。消化中はボーナスや拷問チャンスを高確率でストックする。

 つまり、この絆リンクでヒキが発揮できれば、上記の特化ゾーン突入にも期待が持てるということ。筆者も3000Gほどの減算に成功したことがあり、その時は2000枚弱の出玉を獲得したことがある。一撃性は決して高くはないものの、通常時・ボーナス中ともにしっかり楽しめる要素が備わったマシンといえる。

(文=ひろ吉)

<著者プロフィール>

 IT業界の世界に興味を抱き、iPhoneアプリの開発を4年程経験。その後、WEBマーケティングの知識や経験を重ねてきた。パチンコ・パチスロのヘビーユーザーであり、機種のスペック等の研究に時間を注いでいる。現在はパチMAXにて、パチンコやスロットの考察記事・実戦記事をメインに作成中。自身が好む低純増・低ベース機の動向にも注目している。

パチスロ6.2号機『聖闘士星矢』初週は好調…マイルドスペックに「遊べるマシン」の評価も!―初打ち実戦速報―

 パチンコ・パチスロ業界で最も影響力のあるメーカーと聞いて「SANYO」の名をあげるユーザーは多いであろう。同社の海物語シリーズは、パチンコ機の代表格といっても過言ではない。

 そんなSANYOのキラーコンテンツといえば「聖闘士星矢」も忘れてはならない。同コンテンツは、パチスロ分野では欠かせない存在となっている。

 特に5号機『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』の人気は凄まじく、その需要からマシンの中古価格が一時期「300万円」を超え話題となったことも記憶に新しい。

 そんなキラーコンテンツの最新作が1月24日、ホールに降臨した。その名も『S聖闘士星矢 冥王復活』だ。

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 本機は「阿頼耶識モード」なるものが存在。有利区間を問わず出玉率に大きく関わるシステムを搭載しているとのことで、導入前から大きな話題となっていた。
 
 そんな本機をピックアップ。実際に遊技してきたファンからの実戦報告や感想をご紹介させていただく。それらを踏まえて我々編集部が独断と偏見で、本機の将来性をジャッジ。これから遊技する方、気になっている方は参考にしていただきたい。

『聖闘士星矢 冥王復活』(SANYO)

 本機は1Gあたり純増約3.2枚の上乗せ特化型AT「聖闘士RUSH」で出玉を形成するマシン。「EXTRA冥闘士激闘(スペクターバトル)」や「千日戦争」など、同コンテンツらしい強力な出玉トリガーを多数搭載している点が特徴だ。

 聖闘士RUSHは特化ゾーンからスタート。基本的には平均約300枚上乗せの「天馬降臨」だが、上位の「女神覚醒」となった場合は上乗せが平均約1300枚となる。

 ATは主に自力突破型CZ「冥闘士激闘(スペクターバトル)」から突入。今回は突破率が約50%と大幅UPしており、通常時から継続率に関わるアイテムを獲得できるなどサポートが充実している。

 CZは「規定ゲーム数」「小宇宙ポイント」「レア役」と3パターンの契機で抽選。筐体左部の「阿頼耶識ランプ」が点灯すれば勝利は目前!?

【プレイヤーからの実戦報告】

 実際に遊技したユーザーの反応は様々。「大勝ちできない星矢はちょっと…」「出玉が物足りない」という声も見受けられるが、肯定的な意見が多い印象だ。

「5号機『星矢』が尖り過ぎてたから丁度良い」や「初当りが軽いのが新鮮」などポジティブな意見が存在。ATの期待枚数がシリーズ中では控えめとなっているが、「マイルドな星矢」として受け入れられそうな気配だ。

【ヒットの可能性は?】

「聖闘士星矢シリーズ」の代名詞といえば「大量出玉」であったが、今作のマイルドなスペックがユーザーに受け入れられるか否かが今後の展開を左右しそうである。

 現在は新台期間ということで、好反応が見込める可能性は高い。シリーズファン以外のユーザーを魅了することができれば、過去作のような反響を得ることも十分に考えられるだろう。今後の動向に注目だ。

JRA カフェファラオの福永祐一チェンジは「凶」!? フェブラリーS(G1)連覇「黄色信号」の不吉データとは

 来月20日に東京競馬場で行われるフェブラリーS(G1)で、連覇を狙うカフェファラオ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)の鞍上が福永祐一騎手になる事が発表された。

 これまではC.ルメール騎手が主戦を務め、昨年のG1制覇時も騎乗していた。このコンビでは昨年の同レースから勝ち星がなかったとはいえ、あのルメール騎手が降板したことに驚いたファンは多いだろう。

 このニュースを聞いて、SNSでは「ルメールが結果を出していないから仕方ない」「今やトップ中のトップの福永なら復活も期待できる」といった前向きなコメントが見られた。

 その一方で、福永騎手への乗り替わりを不安視する意見も。その多くが、福永騎手のダートでの成績を危惧してのものだ。

 実際、毎年リーディング上位に名を連ね、通算でも現役屈指の勝ち星を挙げる同騎手。しかし通算成績では芝(勝率14.3%,連対率25.6%,複勝率36.5%)に対し、ダート(勝率12.4%,連対率23.6%,複勝率33.7%)と全ての項目で芝よりもダートの成績が劣っている。2万回近い騎乗数がある中でのこの差は、かなり大きいと言える。

 また、東京ダート1600mは特に成績が芳しくない。同条件での通算成績を見てみると、(勝率9.9%,連対率18.0%,複勝率29.8%)。これは、同騎手のダートの通算成績を大幅に下回っており、全ての施行条件の中でもかなり下位に位置する成績だ。

 フェブラリーSは、2005年にメイショウボーラーで勝利しているが、全17騎乗で連対はその1回のみ。同レースを勝った事のある騎手15名の中でも、勝率、連対率ともに最下位で、芝の活躍とは対照的に苦しい成績だ。昨年、一昨年はワイドファラオで参戦し、ともに2桁着順に沈んでいる。

 芝路線では多くの実力馬を勝利に導き、コントレイルやシーザリオなど多くの代表馬と言える存在がいる一方で、ダート路線ではいまいち存在感に乏しいのも、こういった背景があるのかもしれない。

 今回一旦降板する形となったルメール騎手は、同時期に開催されるサウジアラビアでのレースに遠征する可能性もあるが、これまでは有力馬がG1でルメール騎手に乗り替わる事は多々あったが、逆のパターンはあまり多くない。

 ここで福永騎手が結果を出すようなことがあれば、ダートが苦手な印象が払拭されるだけでなく、ルメール騎手の独壇場だったG1戦線の騎手ヒエラルキーに一石を投じる事にもなりそうだ。

 逆にここで惨敗するようだと、「やっぱりG1はルメール」となりかねないだけに、福永騎手には乾坤一擲の騎乗を期待したい。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

絶望の「みずほFG」再び旧3行でトップ分け合い、システム障害でも社外取締役が全員留任

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は相次いだシステム障害の責任をとって3首脳が一斉に退陣。新しい社長、会長が1月17日に正式に決まった。結果は、旧3行がトップを分け合う、旧態依然とした内向きのトップ人事である。みずほFGの再出発は期待薄だ。

 21年11月26日、金融庁は8度のシステム障害を起こしたみずほ銀行と持ち株会社みずほFGに、業務改善命令を出した。「短期間に複数のシステム障害を発生させ、個人・法人の顧客に重大な影響を及ぼした」と経営陣の責任を厳しく追及した。これを受け、みずほFGの坂井辰史社長(旧日本興業銀行出身、62)とみずほ銀の藤原弘治頭取(旧第一勧業銀行出身、60)が22年4月1日付で辞任予定。みずほFGの佐藤康博会長(旧興銀出身、69)も同日付で会長職を退き、6月の株主総会で取締役を退任することになった。

 10年におよんだ旧興銀の支配は終焉するはずだったが、坂井社長の後任も興銀出身の木原正裕執行役(56)が昇格。4月から2月1日に2カ月前倒しされた。佐藤会長の後任は旧第一勧銀出身の今井誠司副社長(59)に落ち着いた。今井副社長の就任は4月1日付だ。木原・新社長の弟は岸田文雄首相の懐刀といわれている木原誠二官房副長官であることから、政界からも注目される人事となった。指名委員会委員長の甲斐中辰夫弁護士は1月17日の記者会見で「弟が政治家ということは考えていない。金融庁は政治家を利用した空中戦は最も嫌う」と述べた。

 みずほのトップ人事で想定外だったのは木原・新社長の就任が2カ月前倒しされたことだけだ。

ガバナンスの脆弱性

 業務改善命令を出した金融庁が最終的に問うたのは、システム障害の背景にあるガバナンス(企業統治)の脆弱性だ。金融庁は業務改善命令で「取締役会が坂井社長ら執行部門に対して適切な指示を与える態勢になっていなかった」と指摘した。みずほFGの取締役会の構成は、計13人のうち社外取締役が6人を占めている。今回の処分は、社外取締役の責任を問う過去に例のない内容となった。

 2013年に明らかになった反社会的勢力への融資問題を機に、大手行のなかで最も早く「指名委員会等設置会社」に移行した。坂井社長の選任も社外取締役だけで構成する指名委員会が主導した。当時の、みずほの最大の課題は、他のメガバンクと比較してコスト高の構造だった。コスト削減に力を発揮するとの判断が、坂井社長が選出される決め手になったとされる。坂井氏は18年の就任以来、構造改革に邁進。19年度からの5カ年計画で、人員や国内拠点の削減を進めた結果、17年9月中間期に76.4%だった経費率は21年9月中間期には60.2%まで低下。ライバルの三井住友フィナンシャルグループを下回った。

 副作用も生じた。システム関連の人員削減を進めた結果、勘定系システム「MINORI」で一連のシステム障害が頻発した。21年6月に第三者委員会が公表した報告書によると、「MINORI」の開発や運用に関わった人員はシステム稼働前の約1100人からおよそ500人(21年3月末)に半減した。

 金融庁は、取締役会について「システムリスクに直結する怖れのある人員の削減計画や業務量の状況について十分な審議を行っていない」と指摘した。「社外取締役は執行部の説明を追認するばかりでチェック機能が不十分だった。社外取締役が多数で構成するリスク委員会や監査委員会が機能していなかった」ことを問題点として挙げた。

真の意味で「独立した」社外取締役で構成されていない

 みずほのガバナンスの形態は指名委員会等設置会社である。取締役会の権限は強く、執行部門の監督が主な責務となる。6人の社外取締役は小林いずみが取締役会議長に就いているのをはじめ、甲斐中氏が指名委員会、山本正巳氏が報酬委員会、月岡隆氏が監査委員会の各委員長を務めている。

 欧米では金融機関の取締役会が重大な不祥事を見逃した場合、巨額の損害賠償請求や重い刑事罰を科すことがある。リーマン危機の経験から公共性の高い金融機関の取締役は株主のみならず社会に対して一段と高い公的責務を負うとの認識からだ。だが、みずほの一連のシステム障害で社外取締役がどう対応したのか見えてこない。

 社外取締役の最大の仕事であるガバナンスの機能不全の責任をとって辞任を申し出た社外取締役は一人もいない。「システム障害という経営の根幹にかかわる問題解決に貢献できなければ社外取締役は全員交代すべきではないか」(企業ガバナンスに詳しいアナリスト)との声が出るのは当然の帰結である。

 小林いずみはANAホールディングス、三井物産、オムロンの社外取締役を掛け持ちする“タレント取締役”である。障害を重ねた元凶と呼ばれているシステムベンダーの一社は富士通だが、社外取締役の山本氏は富士通の元社長で利害関係者である。社外取締役がシステム障害の実態把握や問題解決にどれだけの時間とエネルギーを注いだのかとの疑問が湧く。

 みずほは「社外取締役の機能不全」を早急に是正するために、いくつかのアクションを起こす必要があったのだが、実際に行われたかどうか確認できない。取締役会の大半を、真の意味で「独立した」社外取締役で構成すべきなのに、そうはなってはいないのが実情だ。

 実務に密接に関わるパートナー企業の利益代表ともいえる社外取締役が経営陣と一体となって議決権を行使できないようにするためには、株式の持ち合いを解消するか、持ち合いを大幅に縮小することが必要だが、みずほFGにその動きはなかった。

「6人いる社外取締役をさらに増員することを検討する」と報じられ、1月17日、みずほ銀行は日本IBMで副社長を務めた下野雅承氏を招く人事を発表した。今後も大手企業の元経営者を軸に、6月の株主総会に向けて社外取締役の人選を急ぐことになるという。

 みずほFGの坂井社長の後任の木原氏は、問題を多く含んだままの現行の指名委員会が選んだ。同委員会は委員長の甲斐中氏と小林喜光氏、月岡氏、山本氏、小林氏の合計5人の社外取締役で構成されている。

 金融庁から「人材像について、十分な議論を行っていない」と指摘された取締役会、指名委員会が後任社長を選んだわけだ。従前のルールのままでいいのか、といった議論がきちんとなされた痕跡はない。指名委は金融界やマスコミの批判に頑なになったとの見方さえある。

 業務改善命令で、みずほFGは1月17日までに業務改善計画や経営責任を明確にする報告の提出を求められていた。スケジュールありきではなかったのか。木原・新社長、今井・新会長もこのスケジュールに合わせて、バタバタと決められた。次期社長を正式に発表する段階で「誰を、どういう基準で選考したのか」について、社外取締役は記者会見を開き、詳細にわたって説明することが強く求められていた。

 1月17日の木原・新社長のお披露目会見に同席した甲斐中氏は「外部から専門知識のない人がメガバンクのトップを務めるのは難しい」と発言。「外部人材をトップに据えるくらいの思い切った人事・組織改編が必要」という指摘を一蹴した。それでも甲斐中氏は「外部のCEOを招聘するという選択肢は当然あった。外部の調査機関に依頼して候補者をリストアップしてもらう段階では外部候補者もいた」と認めた。しかし、「専門知識のある人で、(みずほFGのトップに)適任という人はいなかった」とした。

お飾りでしかなかったのか

 みずほFGは14年4月24日、指名委員会等設置会社(以下、委員会設置会社)に移行した。指名・報酬・監督の3つの委員会を置く株式会社のことで、社外取締役を各委員会のメンバーの過半数にしなければならない上に、人事や報酬の決定で強い権限を持つ。業務執行は執行役が担うことで、経営の監視と執行を分離し企業統治を強める狙いが本来はある。

 委員会設置会社への移行は3メガバンクで最初だった。みずほは指名委員会の4委員をすべて社外取締役にし、社外の役員に全面的に委ねることとなった。14年6月の定時株主総会で新体制が発足した。新体制の要となる取締役会議長には元経済財政政策担当相の大田弘子社外取締役が就任。社外取締役には元昭和電工社長・会長の大橋光夫氏、元新日鉱ホールディングス(現・ENEOSホールディングス)会長・野見山昭彦氏、元日立製作所会長の川村隆氏、甲斐中氏、元日産自動車副会長の安楽兼光氏が名を連ねた。

 現在、社外取締役にとどまっているのは甲斐中一人だけ。この間、新日鉄(現・日本製鉄)元副社長の関哲夫氏、公認会計士の阿部紘武氏の2人が社外取締役に就いている。18年4月1日、佐藤社長が会長に退き、後任にみずほ証券の坂井辰史社長がなった、証券子会社の社長からFG社長という前例のないルートだったことでトップ人事は二重の意味でサプライズとなった。

 坂井社長誕生のポイントは、本命を目された人物が持ち株会社の社長になれなかったことと、旧日本興業銀行の支配が連綿と続くことだった。木原・新社長も旧興銀の出身だ。興銀の支配が継続されるとしか映らないのは、人事の刷新という観点から見てもマイナスである。

 社外取締役は執行部があげてきた、自分たちに都合の良い人物を追認するしかないのが実情だという指摘もある。みずほFGも、社外取締役がトップを決めることに形式的にはなっているが、結局は執行部の意向が反映されただけだといわれ続けてきた。

 木原氏が旧興銀だからバランス上、会長は旧一勧の出身者がいいということになり、木原氏より年長である今井氏が会長の椅子に座ることになったのではないのか。みずほ銀の頭取が旧富士出身者だから、これで完全に旧3行のバランスの上に安住した人事ができ上がった。

 社外取締役によるガバナンス体制は、絵に描いた餅に陥りやすい。今回のみずほFGの内向きの旧態依然としたトップ人事の決め方を見ていると、みずほFGも例外ではなかったということになるだろう。甲斐中指名委員長は「危機的な状況での人選だから、バランスを取るとか、興銀支配を維持するということを指名委員会が考えるなら、それは指名委員として失格。適材適所で配置を考えた」と言い切っている。

 みずほFGのトップ人事は、「みずほFGは変わらない、変えようとしなかった」(関係者)ことを印象付けるだけで終わった。2000年9月の3行統合後に入行した「みずほ入行組」がトップになるまで旧行意識の改革は先送りされる、といった冷めた声が銀行内から流れてくる。

(文=編集部)

【みずほFGの社外取締役】

・甲斐中辰夫(82) 指名委員会委員長  元最高裁判所判事

・小林喜光(75)            元三菱ケミカルホールディングス社長・会長

                    東芝元社外取締役、取締役会議長

                    東京電力ホールディングス取締役会長

・佐藤良二(75)            公認会計士

・月岡隆(70)   監査委員会委員長  元出光興産社長・会長

・山本正巳(68)  報酬委員会委員長  元富士通社長・会長

・小林いずみ(63) 取締役会議長    元メリルリンチ日本証券社長

 

JRA根岸S(G3)の注目は「鬼に金棒」の実績馬!? 鞍上「二転三転」からの鞍上強化だけで終わらないラッキーボーイとは

 30日に東京競馬場で1年最初の重賞・根岸S(G3)が行われる。JRAにおける数少ないダート重賞の1つということもあり、今年は6頭も除外される結末となった。

 そういった除外の憂き目に遭う不運な馬がいる一方で、願ってもみない条件に恵まれた「ラッキーボーイ」もいる。20年の東海S(G2)を優勝した実績馬エアアルマス(牡7歳、栗東・池添学厩舎)だ。

 東海Sの勝利以来勝ち星から見放されているが、重賞1勝、OP・L競走2勝の実力はメンバー上位のレベルだろう。昨年のフェブラリーS(G1)も見せ場十分の5着と健闘。叩き3戦目の今回、重賞馬の本領発揮となるか注目されている。

 ただ、本馬は賞金が十分あった上での出走だ。抽選で出走をモノにしたわけでもないのに、なぜ運が味方したというのだろうか。

「エアアルマスは元々、三浦皇成騎手を予定していました。しかし、三浦騎手が週中に騎乗出来ないことが判明。陣営は根岸Sに登録のなかった騎手の中から、菅原明良騎手を代役に抜擢しました。ただ、今度は菅原明騎手も病気のため騎乗できないことが発覚。乗る騎手がいない状況でした。

そんな中で、C.ルメール騎手を予定していたクロパラントゥが除外となり、何と5年連続リーディングジョッキーが運よく空いているという状況に。陣営からしてみれば、棚から牡丹餅といったところでしょうか」(競馬記者)

 鞍上が「二転三転」して、まさか最もあり得なさそうなルメール騎手に落ち着く幸運。同騎手は、三浦・菅原明両騎手より成績優秀な点はさることながら、エアアルマスへの騎乗経験も5回と多い。関東2騎手よりは適任といえる騎手で、「鞍上強化」と言っても差し支えないかもしれない。

 ただ、エアアルマスに起こったラッキー現象はまだ終わらない。

「エアアルマスは砂を被ると、成績が落ちる傾向にあります。昨年の京王杯スプリングC(G2)に出走する際、池添学師は『芝なら馬群に入っても平気です』と、挑戦意図を話していたように、ダートだと揉まれるのが苦手みたいですね。

しかし、今回は何と砂を被るリスクや揉まれるリスクが最も少ない大外枠を引けました。騎手だけでなく枠順にも恵まれましたね」(同)

 最終追い切りを終えた直後の池添学師は「外めの枠なら競馬がしやすい」と、『スポーツニッポン』の取材に応じている。それゆえ大外枠はエアアルマスにとって、絶好枠といえる。

 近走は成績不振も、過去の実績を評価すれば「鬼に金棒」状態のエアアルマス。あとは、未勝利の左回りを攻略できるかが鍵になってくるだろう。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

ニトリのファミレス業態「みんなのグリル」が驚愕の高コスパ!850円でこの満足感

 家具メーカーのニトリホールディングスが、ファミリーレストラン業態の「ニトリダイニング みんなのグリル」を拡大させている。ニトリといえば「お、ねだん以上」のキャッチコピーが有名だが、外食の分野でもコスパ抜群なのか。

 家具業界のトップ企業であるニトリがファミレス事業に進出したのは、2021年春。同年3月18日に東京・梅島、4月27日には神奈川・相模原に店舗をオープンさせ、現在は6店舗まで増えている。ちなみに、ニトリは18年には「N+(エヌプラス)」という女性向けファッションブランドを、21年6月にはホームセンター業態の「ニトリホームズ」を展開している。

 新業態を生み出し続けるニトリが満を持してオープンさせた飲食店は、いかほどなのか。実際に、第1号の環七梅島店に足を運んだ。

ニトリの買い物ついでの食事には最適?

 同店は、通常の家具販売を行うニトリ梅島ショッピングセンターの敷地内に併設されている。ニトリ梅島は環七沿いにあり、約450台収容の駐車場を抱える大型店舗だ。

 車で来る客を対象としているためか、最寄りの東武伊勢崎線・梅島駅からは徒歩15分ほどと若干遠く、電車で行くとなると少し不便かもしれない。店舗に入ると、検温をした上でカウンター席に通された。カウンター各席には、塩、コショウ、マスタード、わさび、和風おろしステーキソース、オニオンステーキソースの調味料が置かれている。また、コロナ対策のためか、2人分のカウンター席でも1人しか座れないようになっており、広々と使うことができた。ほかにもテーブル席が7つほどあるため、店内は狭さを感じにくい。

 筆者は平日の14時頃に着いたのだが、席は4割ほどが埋まっていた。テーブル席に座る客層は親子や年齢が高めの夫婦が多く、隣のニトリへの買い物ついでに寄ったものと思われる。カウンター席にはスーツ姿の男性もちらほらいたので、近隣の企業、もしくは徒歩5分ほどの場所にある足立区役所の職員かもしれない。昼時には、ひとり客がより増えると思われる。

 席に呼び出しボタンはなかったので自分で店員を呼び、目玉商品であるチキンステーキ(税込500円、以下同)と、おかわり自由のサラダ&スープ&ライスバー(350円)を注文した。ちなみに、サラダ&スープ&ライスバーはお代わり不可という条件だと280円でも頼める(ランチタイム限定)。

 メニューは、ほかにリブロースステーキ(990円)、ハンバーグ(700円)などのグリル系と、チキングラタン(500円)、デザートとしてパイ生地にアイスが乗ったラズベリーソースダッチベイビー(200円)が記載されている。普通のファミレスに比べると、どれも値段は低めという印象だ。

 とはいえ、ファミレス業態としては圧倒的にメニューが少ない。主食はグリル系に限られ、デザートも1種類だけなので、ほかのファミレスのようにドリンクバーとデザートで時間を潰すという使い方はできなさそうだ。

 ドリンクはソフトドリンク、コーヒー各種(ドリンクバーはない)、ビールやハイボール、ワインもあった。

 注文が終わると、店員が「油がはねるので」と椅子に置いた荷物に布をかけてくれた。また、サラダバーなどに関して、店員から「取り分けるときにはマスク必須、エンボス手袋を着用をお願いします」と注意があった。実際にスペースに行ってみると使い捨ての手袋があり、トングもキャベツ、人参、玉ねぎ、コーンごとに分けられていた。コロナ対策は徹底しているようだ。

やわらかチキンステーキは高コスパ

 サラダ、スープ、ご飯を席に持ち帰ると、ほどなくチキンステーキがサーブされた。注文から5分ほどしか経ってなく、ファストフード並のスピード感だ。ジュウジュウと音を立てているチキンにナイフを入れると、肉汁がほどよくあふれ出す。タレが乗っているので、そのまま食べてみると、かなりジューシーな味わいでしかもアツアツ。若干、皮のパリパリ感が少ないことと、鉄板の冷えが早いことが気になったが、これで500円なら十分及第点だろう。

 チキン自体にはそこまで味付けがされていないので、途中からステーキソースやわさびなどで“味変”したが、どれもなかなかのマッチ具合だった。肉には変な筋や固いところもなく、ミネストローネ風のあっさりとしたスープとも相性が良い。また、チキンは240gあるのでかなり満足感があり、よほどの大食漢でない人ならランチタイム限定のセットでもお腹を満たせるだろう。

 店員はフロアに3人ほどいたため、ベストタイミングでお冷を注いでくれたり、ほかの客への提供も滞りなく行われていたりと、オペレーションも特に問題はないようだ。ただし、厨房の音(換気扇や調理音)がやや店内に響いているのが気になった。一応、BGMが流れているのだが、それもほとんど聞こえなかったくらいだ。

 しかし、料理に関しては決して安かろう悪かろうではない。サラダも野菜の種類こそ少ないが、おかわり自由なのでお得度は十分。合計850円でこの満足感であれば、コスパは高いと言える。ファミリー層がゆっくり過ごせるかといえば、メニューなどの面で疑問だが、ひとり客が食事を取るぶんにはアリだ。

 筆者の来店後も客足は途絶えなかったので、現状でもそれなりに繁盛しているようだ。ゆくゆくはIKEAのような食と家具の融合も考えているはずだが、現在の価格と味であれば十分通用すると思う。「みんなのグリル」の近くに寄った際には、ぜひ「お、ねだん以上」の味を試してみてほしい。

(文=清談社)

コンタクトの誤使用や粗悪なカラコンで失明の恐れも…水道水で洗う、舐めるはNG

 冬は目にとって過酷な季節であり、空気の乾燥はドライアイを悪化させる原因ともなる。さらに、ドライアイでのコンタクト使用による目のトラブルも多い。特に長時間のコンタクト装着によって「アカントアメーバ角膜炎」という重篤な疾患を引き起こすことがある。

 アカントアメーバ角膜炎の症状とコンタクト使用の注意点について、名古屋市昭和区円上町の田辺眼科クリニック院長、田辺直樹医師に聞いた。

「アカントアメーバは、土や水の中にごく普通にいる原生生物です。水道水の中にも存在していますが、通常は無害です。しかし、角膜にキズなどがあると、そこからアカントアメーバが侵入して、角膜で増殖しアカントアメーバ角膜炎を起こすことがあります」

 もちろん、普段の入浴や洗顔で水道水が目に入っても問題はなく、アカントアメーバ角膜炎の原因のほとんどは、コンタクトの誤った使用法にあるという。

「コンタクトを水道水で洗って使用し、さらに長時間装着してしまうと、閉塞された状態となり、アカントアメーバがいた場合、何倍にも増殖してしまいます」

 アカントアメーバ角膜炎の症状はさまざまだが、初期に受診することが重要である。

「目の違和感や充血、強い痛みがあり、悪化すると角膜の中央が白く濁り、角膜に孔(あな)が開いてしまい、視力低下が進み失明することもあります」

 アカントアメーバ角膜炎を起こす確率は高くないものの、感染するとその後の生活にも支障をきたすような後遺症が残ることもある。

コンタクトケアの重要性

 アカントアメーバ角膜炎の患者の90%以上が、コンタクト使用者ともいわれる。

「コンタクトを長時間装着することもリスクがありますが、誤った方法でコンタクトを使用している人が少なくないのが現状です。水道水でコンタクトを洗ったり、装着する前にコンタクトを舐めてしまう人などもいます。水道水にはアカントアメーバがいることもありますし、口腔内にはさまざまな菌がいるので、そういった菌が付着したコンタクトを装着することは非常に危険です。必ず、コンタクト専用の洗浄液や保存液、装着液を使用してほしいと思います」

 また、最近では、ファッションとしてカラーコンタクトを使用する人も増えているが、カラーコンタクトによるトラブルも多いという。

「カラーコンタクトの中には、粗悪な製品もあります。酸素の透過性などがまったく考えられていないものや、色素が強く角膜に色が付着してしまったケースもあります」

 コンタクトは高度管理医療機器であり、製造販売には許可が必要となる。カラーコンタクトでも同様であるため、購入の際は許可を受けたメーカーが製造するコンタクトを選んでほしい。

「アカントアメーバ角膜炎の治療は、特効薬はないため抗真菌薬の点眼液を使用します。症状によっては、感染した角膜表面を削る治療を繰り返すこともあります。治療は長い期間を要することもあります」

 最悪の場合、失明に至ることもあるアカントアメーバ角膜炎は、何より予防が重要となる。

「正しいコンタクトケアはもちろんですが、ドライアイの人がコンタクトをすると、より乾燥しやすく、角膜に傷がつきやすくなるので、ドライアイを放置しないことも大切です。コンタクトの人はメガネを併用し、家にいる時間はメガネにするといいでしょう。ドライアイを治療する点眼液もありますので、ドライアイに悩む方は放置せず眼科医を受診してください」

 若い世代を中心に、気軽にコンタクトレンズを使用する人も多いが、正しく使用し、かつ装着時間を短くするなど生活スタイルにも気を付けてほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

サンマルクの中華レストラン「点賛」に行ったらコスパ最強の朝粥定食がスゴかった

 チョコ入りのクロワッサン「チョコクロ」で一世を風靡したカフェチェーン・サンマルクカフェ。同事業を展開しているサンマルクホールディングスは、カフェ業態のほかにも、和風イタリアンの「鎌倉パスタ」や回転寿司の「函館市場・宝田水産」など、さまざまなジャンルの飲食店を運営している。

 そして、2021年7月には新業態の「点賛 神田西口店」をオープンさせた。

店名の「点賛」は中国のネット用語

 点賛は、朝粥や手包み焼売、あんかけ中華そばなどの中華料理が食べられる創作中華レストラン。店名の「点賛」とは、「いいね!ボタンを押す」という動作を表した中国のネット用語だという。

 点賛単体のホームページはないので、店の情報は少ない。サンマルクHDが運営している「石焼炒飯店」など中華系レストランをまとめたページと、サンマルクHDのホームページに店舗情報がある程度だ。店舗の最新情報は公式インスタグラムに投稿されるようだが、そちらもあまり頻繁には更新されていないようだ。

 同店が店を構えている神田は、都内屈指の飲食店激戦区。昼時になれば、近くのオフィスで働く人々がランチに訪れ、コロナ禍以前は多くのビジネスパーソンが飲み歩いた繁華街だ。そんな神田の駅前徒歩1分という好立地に新業態の店をオープンした経緯は不明だが、実験店舗的な位置づけなのかもしれない。とはいえ「神田西口店」と掲げているだけあり、本格的なチェーン展開も視野に入れている可能性も考えられる。

 運営側は大々的なプロモーションを打っていないが、21年8月に一般人がツイッターで点賛に関する投稿をしたところ、7000件近くの「いいね」を獲得し、SNSでは密かに話題を集めている。その投稿は、点賛で平日午前7時から10時限定(休日は9~11時)で提供されている“朝粥定食のコスパの良さ”に触れた内容で、プチバズを引き起こしていた。そこで、実際に点賛に足を運び、朝粥を食べてみることにした(価格は税込み)。

コスパ最強の「朝粥定食」は味濃いめ

 点賛は、JR神田駅の西口にある「神田駅西口商店街」のアーケードをくぐってすぐ右手に位置している。西口の改札を出た瞬間に商店街のアーケードと派手な黄色の外観が目に入るので、迷うことなく見つけられた。

 店内にはカウンター席がずらりと並んでおり、4人がけのテーブル席はひとつのみ。潔いほど一人客向けの店作りで、多人数での来店にはあまり向いていない印象だ。

 筆者が来店したタイミングは午前9時半過ぎ。通勤ラッシュも終わり、朝メニューの終了時間も迫っていたからか、先客はテーブル席に座っていた2人組客のみだった。

 注文は、各席に設置されたタッチパネルで行う。朝メニューは、SNSで話題になった「朝粥定食」のほかにも「朝焼売定食」(539円)や「点賛餡かけ中華粥」(539円)、「チーズとトマトの肉味噌粥定食」(429円)などがあり、全6種類の中から選べる。そして、すべてのメニューにジャスミン茶が付いているので、ほぼワンコインで食後のお茶も飲めるのが特徴だ。

 メニューを見て驚いたのは、ビールや紹興酒、ハイボールなどのアルコールを朝から提供している点。この日は誰も飲んでいないようだったが、朝からお酒の需要もあるのかもしれない。

 筆者が注文したのは、SNSで話題だった「朝粥定食」。お粥と焼売2個、小皿に盛られた9種類の“付け合せ”とジャスミン茶付きで539円のセットだ。

 オーダーしてから約5分で料理が届いた。小皿には蒸した鶏肉や高菜炒め、ザーサイ、食べるラー油、キムチなどが盛られている。どれも日本人に馴染みのある“ごはんのお供”なので、お粥との相性も良さそうだ。

 鶏ひき肉入りの白粥は、鶏の出汁で炊いた濃いめの味付け。本場中国の中華粥も鶏や干し貝の出汁で炊くため、本場の味を意識したレシピになっているのかもしれない。ただ、付け合せの味も濃厚だったので、味的にはなかなかパンチの効いた朝食になりそうだ。

 竹製のせいろで蒸された焼売は、同店の看板メニューのひとつ。素朴な味付けで食べやすかったが、肉汁が多くボリューム感もあるので、朝食としては2個で十分かもしれない。

 おかずが盛りだくさんの朝粥定食は、量的に満足度が高いものの、食べ進むうちにひとつ問題が生じた。お粥の量があまり多くないため、付け合せとのペース配分がうまくいかず、おかずが余ってしまったのだ。

 特に干しエビの付け合せは酒のつまみになりそうなほどしょっぱかったので、アルコールを頼んで酒の肴にしたいほどだった。「もしかして、このためにアルコールを提供しているのか?」と勘ぐってしまった。

ランチからはメニューが様変わり

 筆者が20分ほど滞在している間、朝メニューの終了時間ギリギリに2人ほど来客があった。2人とも入店後すぐに注文して食事し、セルフレジでの支払いまで含めた滞在時間は10分ほど。混雑時とは状況が異なるとは思うが、客の回転が早く、レジ業務がないので店内のオペレーションもスムーズに行われていた。提供までの待ち時間が少ないので、自宅や勤務先の近くにあれば忙しい朝でも利用しやすいかもしれない。

 ちなみに、昼以降のメニューからは「とろとろ玉子の角煮粥」(979円)や、焼売2個付きの担々麺(869円)、点賛焼売定食(979円)など、値段もボリュームもアップしたラインナップに変わってしまう。21年12月末現在、点賛の店舗は神田西口店のみなので、話題の朝粥定食が食べたい場合は朝の神田に行くしかない。神田が通勤経路の人や神田の住民以外には難易度高めのミッションになるが、興味がある人は行ってみてほしい。

 点賛を運営しているサンマルクHDは、21年3月期連結中間決済で赤字を計上したことが明らかになっている。新型コロナ禍の緊急事態宣言中の休業が大きく響いて上場後初の赤字となり、今なお厳しい状況が続いているという。そんな中でオープンした点賛は、同グループの新機軸となるか。点賛とサンマルクの今後に注目したい。

(文=谷口京子)

『鎌倉殿の13人』源頼朝の部下は平氏ばかり?…土着化した平氏、殺し合ってばかりの源氏

北条、土肥、大庭、梶原、上総、千葉、畠山…源頼朝の部下は平氏ばかり

 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の第4回(1月30日放送)で、源頼朝(演:大泉洋)が挙兵する。

 ★北条時政・義時父子(演:坂東彌十郎、小栗旬)、★土肥実平(演:阿南健治)等300の兵を率いて、目代(もくだい)の★山木兼隆(演:木原勝利)の館を奇襲して勝利するが、★大庭景親(演:國村隼)率いる3000の兵と石橋山で合戦に及び、敗退する。大庭配下の★梶原景時(演:中村獅童)は落ち武者狩りを命ぜられ、頼朝を見つけるが見逃す。

 酒匂川(さかわがわ)の氾濫で合戦に間に合わなかった★三浦義澄(演:佐藤B作)の兵が、頼朝軍に合流。態勢を立て直すために、安房に渡って北上し、★上総介広常(演:佐藤浩市)、★千葉常胤(演:岡本信人)を味方に引き入れる。大庭についていた★畠山重忠(演:中川大志)も降伏してきた。石橋山の敗戦からわずか1カ月半で、頼朝軍は3万の大軍に膨れあがり、鎌倉に入った。

 上で名前に★を付けた面々は、先祖をたどれば平氏に行き着く。わりと有名な話なのだが、頼朝の家来はほとんどが平氏なのだ。源平合戦の実態は、“平平合戦”だったのだ。

桓武天皇の血を引きながら、関東で土着化していった平氏…時代が下ると地方豪族へと変化

 なぜ、関東の有力豪族は平氏ばかりなのか。

 ことの発端は、平家の祖・平高望(たいらのたかもち/桓武天皇の曾孫で、9世紀末から10世紀初頭に活躍)が上総介(現在でいえば千葉県副知事といった地位)に任じられたことに発する。関東に下ったこの御仁は、天皇の曾孫という高貴な血筋なのでたちまち現地の有力者となり、任期が過ぎてもそのまま土着して、子どもたちは関東に住み着いた。

 あの平将門(たいらのまさかど/903~940年)は、この平高望の孫である。将門は追討されたが、その親族の子孫は関東各地に散らばって栄えた。俗に「坂東八平氏」といって、具体的には千葉、上総、三浦、土肥(どひ)、秩父、大庭(おおば)、梶原、長尾の8氏を指す。このうち、長尾氏を除く7氏が『鎌倉殿の13人』に登場している(畠山重忠が秩父の嫡流)。

 上総介広常には名前に「介」の字が付いているが、実は千葉や三浦も千葉介・三浦介と名乗っている。この「介」というのは、地方役所の生え抜きトップ――たとえていうなら、千葉県庁の助役、副知事みたいなもの――を表すものだと考えてもらえばいい。

藤原摂関家の“用心棒”だった源氏は、中央政界から地方へ派遣された知事のようなもの

 これに対し、源氏は京都の藤原摂関家の用心棒のようになり、国司を歴任していた。坂東八平氏の先祖が地方役所の生え抜きトップなら、源氏は中央政界から派遣される知事みたいなもんである(現代では知事は選挙によって選ばれるが、戦前でも任官制だった)。上下関係は圧倒的に源氏のほうが上である。そして、源氏が関東・東北の乱を平定していく過程で、坂東八平氏はその家臣となっていく。

 上総介広常の先祖・平忠常(10世紀中盤〜1031年)が反乱を起こすと、その鎮圧に向かったのは、頼朝の先祖・源頼信だった。実はこの時、平忠常はすでに源頼信の子分になっていたという。頼信が出馬すると、忠常はたちまち降伏。頼信は迅速に乱を平定し、忠常には特段の処罰を加えないという寛大な措置を施し、名声を得た。

 源義家が後三年の役(1083〜1087年)を戦った時、その部下に三浦平太郎為継(みうら・へいたろう・ためつぐ)と鎌倉権五郎景正(かまくら・ごんごろう・かげまさ)がいた。為継(為次)は三浦氏の先祖、景正(景政)は大庭・梶原・長尾氏の先祖だといわれている。

 その後、大庭一族は平家になびいたが、三浦一族は代々源氏に仕えていたようだ。

坂東八平氏は本当に平氏なのか?…怪しい系図に“200歳差の従兄弟”が存在

 ただ、本当にみんながみんな平氏の子孫だったのかは怪しい。

 室町時代に編纂された『尊卑分脈』(そんぴぶんみゃく)という系図集がある。比較的信憑性の高い系図なのだが、それによると三浦義澄(1127~1200年)は将門の叔父・平良文(たいらのよしふみ)の子ども、つまり将門の従兄弟になっている。

 上記の通り将門は903年生まれである。224歳も歳が離れた従兄弟なんているはずがない! そう思ってよくよく見てみると、三浦義澄がもう1カ所掲載されていて、今度は将門の叔父・平良茂(たいらのよししげ)の子孫となっている。

 ただし、三浦一族を平良茂の子孫としているのは『尊卑分脈』だけで、ほかに伝わっている系図ではやっぱり平良文の子孫とするものが多い。そもそも複数のパターンが伝わっていること自体、かなり怪しい系図といわざるを得ない。

「源氏の嫡流」となるため骨肉の争い…殺し合い、マウントを取ってきた源氏一族

 坂東八平氏は源氏に仕え、源平合戦の原動力になった。では、源氏一族内部はどうなっていたかというと、とにかく骨肉の争いである。殺しまではしなくても、マウントを取ることは忘れない。

 頼朝が従兄弟の木曽義仲(演:青木崇高)、異母弟・源義経(演:菅田将暉)を討ったことは有名であるが、それのみならず、異母弟・源範頼(演:迫田孝也)を伊豆に配流し、一説には殺害したといわれている。

 さらに甲斐源氏・武田信義(演:八嶋智人)の長男・一条忠頼を謀殺、次男・板垣兼信を隠岐島に配流し、末男・石和(いさわ)信光を取り立てている。兄弟を離間して勢力を削いだのだ。

 また常陸源氏・佐竹秀義が頼朝と同じ「源氏の白旗」を掲げてくると、扇を渡して旗の文様にするように指示(以来、佐竹氏の家紋は扇紋となった)。

 父の従兄弟・新田義重が中立の立場を取ろうとすると、源平合戦後に冷遇。唯一、厚遇したのは、母の縁者である足利義康・義兼父子のみという徹底ぶりである。

「源氏の棟梁は源頼朝」は自明ではない…「邪魔者は殺せ」でやってきた“源氏の流儀”

 なぜ骨肉の争いを繰り広げるのか。

 結論をいってしまうと、「誰が源氏の棟梁なのか」が決まっていなかったから。頼朝は「源氏の棟梁」として担ぎ上げられているので、ほかに「源氏の棟梁」がいてはまずい。頼朝はよく「源氏の嫡流(=棟梁)」といわれるが、それは頼朝が一族間の闘争に勝ち残ったから。つまり、闘争している間は、頼朝もまたOne of themに過ぎなかったのである。

 武家社会は長子単独相続で、本家(嫡流)と分家(支流、傍流)が決まっていたはず――というのは、室町時代以降の話で、鎌倉時代までは分割相続が一般的だった(分割相続が進みすぎて、ひとりあたりの所領が零細化し、武士がみんな貧乏になっちゃったから、その反省から長子単独相続というシステムが生まれたのである)。

 確かに、頼朝は河内源氏(つまり源頼義の子孫)としては嫡流といえなくもないのだが、その祖・源頼信は源満仲(みつなか)の三男である。それを源氏の嫡流と言っていいものなのか。

 そしてその理屈が通るなら、源頼義の三男・源義光の子孫が「源氏の嫡流を名乗ってもいいじゃん!」ということになる。実際、義光の子孫・武田信義は『鎌倉殿の13人』のなかで、「源氏の棟梁」を自称している。

 こうなると、「邪魔者は消せ」。もしくは、殺さないまでも勢力を削いでマウントを取るしかない。そして、頼朝が死去すると、今度は坂東八平氏と北条氏(自称平氏)の間で骨肉の争いが始まるのである。これこそ、“平平合戦”と呼ぶべきかもしれない。

(文=菊地浩之)

●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
経営史学者・系図研究家。1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)、『日本のエリート家系 100家の系図を繋げてみました』(パブリック・ブレイン、2021年)など多数。