地方創生の「若い人が期待されすぎ問題」をどう解くか? 課題発見からはじめる地域の仕事のつくりかた

日本NPOセンターと電通で設立した「課題ラボ」。

日本NPOセンターのネットワークを通じて全国から集めた最前線の課題を、異なるスキルや業種の人たちで集まって考える。そんな、“ありそうでなかった”課題発見のシンクタンクです。

本連載では、さまざまなテーマにまつわる「課題」を見つけて、解決のヒントを模索していきます。

今回取り上げるテーマは「地域」。地方共創ベンチャーのFoundingBaseと課題ラボが実施した島根県津和野(つわの)町でのプロジェクトを事例に、FoundingBase坂和貴之氏と、課題ラボメンバー(日本NPOセンター:三本裕子氏、電通:鈴木雄飛氏、高橋窓太郎氏)が地域の課題を発見し、活性化させる方法を語り合いました。

坂和氏、三本氏、鈴木氏、高橋氏
坂和氏と鈴木氏はもともと地元の知り合い。課題ラボの話を聞いた坂和氏が、「ぜひ津和野町でもやってみたい!」と依頼したことからプロジェクトがスタートした。
<目次>
地域の仕事をつくる前に、人間関係をつくる
定年退職した高齢者を“マイスター”として捉えると?
地方創生にありがちな「若い人たちが期待されすぎ問題」って?
見せ方・伝え方の工夫で、「課題解決」はずっと面白くなる

 

地域の仕事をつくる前に、人間関係をつくる

鈴木:今回は課題ラボ×FoundingBaseのプロジェクトメンバーに集まってもらいました。みなさんは普段から地域の課題解決に取り組んでいる方々でもあります。まずは簡単にご自身の活動内容と、地域の活動を始めたきっかけを教えていただけますか?

三本:日本NPOセンターは全国各地のNPO団体の活動を下支えする役割を担っています。私はもともと環境系のNGOで働いていたのですが、国際会議などで海外の方から「日本はどうして変わらないんだ?」と言われることがよくありました。やはり、日本を本気で変えるには地域の皆さんと一緒に活動することが重要で、私自身もそこに向き合って勉強していきたいという思いから、日本NPOセンターにたどり着きました。

高橋:僕は電通で働きながら、宮城県石巻市雄勝(おがつ)町で一般社団法人を立ち上げて、アートを切り口にした地域活動を行っています。きっかけは、地方創生の事業を考えるワークショップに参加したことでした。実際にフィールドワークとして雄勝町に足を運び、住民の方々にヒアリングを行い、最終的に事業を提案するところがプログラムのゴールだったのですが、提案するだけで実行しないのは無責任な気がしたので、同じ思いを持ったメンバーと一緒にスモールスタートで取り組んでいます。

坂和:私はFoundingBaseという全国に13拠点を持つ地方共創ベンチャーで、島根県津和野町の第一次産業の支援や教育インターンプログラムの考案などを、地域の方々と一緒に行っています。もともと東京出身なのですが、大学のサークルで地域のフリーペーパーを作る活動に参加したことがきっかけで、地域ならではのコミュニティの絆の深さや小規模経営者の方々の生き方に魅了されました。その後、サークルの先輩からFoundingBaseの前身となる津和野町のプロジェクトに参加しないかと声をかけてもらい、当時大学生だった私は休学して島根に飛び立ち、今に至るという感じです。

鈴木:ありがとうございます。三人とも地域の魅力を日々体感されていると思いますが、逆に地域ならではの難しさを感じることはありますか?

高橋:そうですね、例えば何かを提案したい時に、誰にどういう順番で話をすればいいのかが分からなかったり、どのくらいの人数と合意形成を得られたら次に進めるのかが見えにくかったりするところが、ふだんの事業活動と違うと感じています。

坂和:分かります。やっぱり地域はコミュニティのつながりが強いので、そこに対するバランス感覚は求められますよね。単純に合理的であれば必ずしも物事が進むとは限らず、郷土愛であったり、長年の人間関係の中で育まれたルールなどを考慮しながら進める必要があると思います。

定年退職した高齢者を“マイスター”として捉えると?

鈴木:お話しいただいたような地域特有の難しさもある中、今回津和野町で課題ラボ×FoundingBaseのプロジェクトを実現できたのは、ひとえに坂和さんの素晴らしい働きかけによるものだと思っています。

【島根県津和野町での課題ラボ×FoundingBaseプロジェクト】

津和野プロジェクト
島根県津和野町で活躍する地域のプレイヤーの方々を集め、普段の活動の中で感じる身近な課題を収集。日本NPOセンターの知見を掛け合わせながら、集めた課題にキャッチーなネーミングを施す「課題カード」を制作した。

鈴木:実際、どのような方法で地域の方々に話を通したのでしょうか?

坂和:やはり企画段階では地域の方々もどんな結果が生まれるのか分からないので、もちろんプロジェクトの意義や企画内容は丁寧に説明しますし、予算の作り方もコーディネートします。その上で、やはり大切なのは「僕が最終的には必ず良い方向に着地させます」と言った時に、皆さんから賛同を得られる状態をつくること。その意味では、これまでの活動の中で貯めてきた「信頼残高」が大きかったのかもしれません。

高橋:なるほど、信頼残高。勉強になります……!

鈴木:地域の方々と信頼関係を築いてきた坂和さんのおかげで課題ラボ×FoundingBaseのプロジェクトがスタートし、まずは津和野町の課題を集めてみようということで、津和野町で地域活動を行っている約15名の方に日ごろ感じている課題をヒアリングしました。収集した課題の中からいくつか紹介しましょうか。

三本:私が共感したのは、「マイスターはたくさんいるのに活用してない問題」です。津和野町の高齢者の中には植木職人として活躍されていた方や、おはぎ作りで有名な方など、素晴らしいスキルを持っている人たちがたくさんいます。そのような“マイスター”が活躍する機会が増えれば、津和野町の新しい魅力が開花するかもしれません。この課題は、津和野町に限らず全国の高齢化率が高い地域に共通するものだと思いました。

マイスターはたくさんいるのに活用してない問題

鈴木:高齢者の方々を登録した「シルバー人材センター」という場所があるそうですが、名称を「マイスターセンター」変えてみるのもアリですよね。ウェブサイトでマイスターたちのカッコいいポートレートが並んでいて、「植木のことはこのマイスターにお任せください」と書かれているだけでも相談してみたくなります。

坂和:地方創生は若い人たちが取り組むケースが主流ですが、町の人口比率で圧倒的に多いのは高齢者です。その方々が特技を発揮して活躍すると、町にもたらすインパクトはとてつもなく大きいだろうなって思います。

鈴木:それから、当日一番盛り上がったのが「津和野栗をモンブランにしがち問題」。名産品の津和野栗の使い道がモンブランなどの王道レシピばかりなので、もっと新しい視点で捉えてみたら思わぬ名物が誕生するのではないか?という問いかけですね。

津和野栗をモンブランにしがち問題

坂和:津和野栗はもともと和菓子に使われていた食材だったこともあって、なかなか地域の方々が携わりにくいというか、食のプロじゃないと企画できないというハードルの高さがあるのかなって思いました。

三本:一方で、最近は特産品のブランディングに地域の若い方など食のプロではない方が携わっているケースも増えてきているように感じます。

鈴木:ハードルを下げるアプローチは良さそうですよね。例えば、飲食店やカフェに地域の方々が集まり、モンブランを食べながらみんなでブレストして、いくつかのレシピを試作する。それを地域の方々が審査員になって、名産品として認められるかを審査するイベントがあったら面白そうですよね。

地方創生にありがちな「若い人たちが期待されすぎ問題」って?

高橋:僕がハッとさせられたのは、「定住を強いると逆に人は離れてゆく問題」。定住って大きな決断なので、いきなり定住するのはハードルが高いと僕自身も感じています。でも、実際に空き家とか遊休不動産はいっぱいあるので、まずは特定のシーズンとか定期的に住める“半住”からスタートできる場所があるといいのかなって思いました。

地域に溶け込む上で、やっぱり“アドレス”って重要だなと感じています。昨年の秋、事業の一環で雄勝町で滞在制作展示をした時に、アーティストが雄勝町でキャンプ場のロッジに1カ月住んでいました。僕も毎週末東京からロッジに泊まりにいっていたのですが、それでも「キャンプ場の高橋さん」として地域の方々に認知してもらえて、再び訪れると「おかえり」って言ってもらえるんですよね。

定住を強いると逆に人は離れてゆく問題

坂和:地域のコミュニティで自分の役割が生まれたり、人間関係が育まれたりといったプロセスを経て、結果としてその土地に定住することになると思うので、最初から定住一択しかないのはハードルが高いのかもしれませんね。

一方で受け入れる側からすると、長く住み続けてくれる人と一時的な人では、やっぱり関わり方の違いはあるのだろうなと感じます。ですから、“半住”であっても毎年決まった期間は必ず住んでくれるとか、熱量を持って地域と関わってくれる人だと、住民も受け入れやすいのかなと思いました。

三本:逆に地元出身の方々の課題として「“このまちにいたい”のに“なにしたらいいかわからない”問題」が挙がっていましたよね。津和野町の高校生の5人に1人が就職組という中で、地元に残って働くのは全体のたった4%。地元に愛着を持っている子はたくさんいるのですが、何をすればいいのか分からないから県外に行ってしまい、起業する環境も整っていないからUターンも難しいという現状があります。

“このまちにいたい”のに“なにしたらいいかわからない”問題

坂和:津和野町は学校教育の魅力化に積極的に取り組んでいて、津和野高校の生徒のうち4割が県外から来ています。近年は地域教育や、地域に根ざしたワークショップもさかんに行われているのですが、それをどう次につなげていくかが課題です。大学進学や就職でいったん町を出たとしても、その先に戻ってくるきっかけや余白のようなものを作れるといいなって思っています。

高橋:雄勝町も限界集落と呼ばれていて、小中学校は全校生徒32人程度。地元に住み続けてもらえるのがベストですが、どうしても離れざるを得ない時もあるでしょう。その時に、「離れ方」をデザインするのは一つの手だと思うんです。

雄勝小中学校は外部のデザイナーを呼んで、生徒と一緒に架空の会社を作りました。みんなで事業を決めて、ロゴもちゃんと作って。すると、その会社は架空の存在ですが、その地域にずっと残り続けるんです。このように、離れた町に自分が作ったものが残り続けていることは非常に大事なんじゃないかって思います。

鈴木:すごく面白い視点ですね。記憶を形に残すことで、地元との手触りのあるつながりを持続させる。

坂和:なるほど。確かに、地域のワークショップに参加してくれた高校生が、大学の夏休みにまた戻ってきて参加してくれることもあります。継続的な関わりを持つためのアクションや仕掛けを作ることが大切なのかもしれませんね。

三本:また別の視点ですが、「なにをしたらいいかわからない」という悩みの背景には、「なにかをしなきゃいけない」というプレッシャーがあると思うんです。でも、そんなことは決してなくて、ふつうに暮らすだけでもいいですし、地域で面白い取り組みをしている人を応援するだけでも、すてきな地域との関わり方ですよね。私は地域の課題解決に関して「若い人たちが期待されすぎ問題」もあると感じているので、もっと気軽に住めることを発信できるといいなって思います。

見せ方・伝え方の工夫で、「課題解決」はずっと面白くなる

鈴木:ここまで皆さんにお話しいただいたように、今回のプロジェクトでは津和野町の課題に名前を付けて、地域の方々に興味を持っていただけるように「課題カード」という形でアウトプットを作りました。坂和さんは「課題カード」の意義をどのようにお考えでしょうか?

坂和:「課題」ってネガティブに捉えられがちで、実際に解決するのも大変なので、どうしても取り組める人と取り組めない人が出てきてしまうんですよね。でもこうやって、自分たちの地域の課題を良い意味で面白く見える化することで、これまで関わってこなかった人が興味を持ってくれたり、今までにない新しいつながりが生まれるきっかけになると思うんです。

僕自身、ふだん感じている課題感をそのまま編集会議で提示しましたが、課題ラボのメンバーからネーミングを含めたコミュニケーションのアイデアや、全国のNPOの事例などをフィードバックしていただき、「なるほど、こんな見せ方・伝え方があるのか」と大きな刺激を受けました。

鈴木:今後、「課題カード」はどのように活用されていくのでしょうか?

坂和:今、学校現場に「課題カード」を持ち込んで、生徒たちと解決方法を考えるワークショップを検討する動きが出ています。また、FoundingBaseとしても津和野町に課題解決の拠点を作りたいと思い、大正時代からある古民家を改修してオフィスやコミュニティラウンジを持つ施設「まちのオフィスQ+」をオープンしました。

三本:課題カードを見ながらみんなで意見を出し合うと、また新しい課題を発見できそうですね。

坂和:今回のプロジェクトはリモート環境で進めていたので、いつか「まちのオフィスQ+」に地域住民や学生を集めて「リアル課題ラボ」をやりたいです。

鈴木:すてきですね。ぜひ、課題ラボのメンバーで遊びに行きたいです。本日は、ありがとうございました。
 


課題ラボロゴ

課題ラボ
電通と日本NPOセンターが協働し、 2018年に設立。NPOと企業が「支援される側、支援する側」の関係でなく、「ともに社会課題の解決を目指す協働体」となることを目指し活動するラボ。

「課題解決の前に課題発見あり。会議室でなく現場にヒントあり」をコンセプトに、全国の社会課題に対して、最先端の現場と接続できることを特徴とする。

コンサルティングサービスと事業開発の両面で、サービスを提供中。

  1. コミュニケーション/ブランディング(サスティナブル+現場の視点)
  2. 商品・事業開発/プラットフォーム開発(ダイバーシティ&インクルージョンをテーマにしたサービス開発など)
  3. 「課題発見」志向の人財開発プログラム
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「サーキュラーエコノミー」で、消費や社会はどう変わる?

2021年11月9・10日、電通ジャパンネットワーク サステナビリティ推進オフィスと電通TeamSDGs主催のオンラインセミナー「サーキュラーエコノミーを実現する新たな連携とビジネスの可能性」が開催されました。

サーキュラーエコノミーの実現に向けて、さまざまな企業・自治体が共同で実施した実証実験や事例をもとに、今後の連携やビジネスの可能性を紹介した本ウェビナー。ウェブ電通報では3回にわたってその内容をダイジェストで紹介します。初回は、サーキュラーエコノミーに取り組む企業のトップを中心に5人のスピーカーが、「サーキュラーエコノミーで日本を変える!」というテーマでセッションした、2日目の基調講演の模様をリポートします。

サーキュラーエコノミーウェビナー
(左から)モデレーターの飯田香織氏(NHK報道局 専任部長)、永田暁彦氏(ユーグレナ 取締役代表執行役員CEO)、澤田道隆氏(花王 取締役会長)、中台澄之氏(ナカダイ 代表取締役)、加藤佑氏(ハーチ 代表取締役)、竹嶋理恵氏(電通 TeamSDGs プロジェクトリーダー)

サーキュラーエコノミーに取り組む3社の実例

冒頭、サーキュラーエコノミーの実現に向けて先進的な活動を行う花王、ユーグレナ、ナカダイの事例紹介がありました。

花王は、洗剤などのプラスチック製の詰め替え容器のリサイクルを促進すべく、ライバル企業であるライオンと異例のタッグを組んだことで大きな話題となりました。2020年から東京都墨田区のイトーヨーカドーでスタートした実証実験では、使用済みの詰め替え容器をリサイクルボックスで回収。開始8カ月で計画の2倍となるフィルム容器5200枚の回収に成功しました。回収した容器は製品に再利用するだけでなく、再生ブロックなどにも活用し、地域のコミュニティや子どもたちと一緒にゴミを資源に変える社会の実現を目指しています。

ユーグレナ社は微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)の無限の可能性に着目したバイオベンチャー。微細藻類ユーグレナには、光合成により二酸化炭素を吸収して成長するほか、バイオ燃料の原料となる油脂の面積あたりの生産量が高く、環境負荷の低減に寄与する可能性があります。同社は2005年に世界初となる食用ユーグレナの屋外大量培養に成功したほか、日本初のバイオ燃料の製造実証プラントも建設し、近年は微細藻類ユーグレナの成分からプラスチックを開発する研究にも着手。バイオ燃料はすでに国内のバスやフェリー、飛行機などで使用実績があり、サーキュラーエコノミーの社会実装を加速させる気鋭のベンチャーとして注目を集めています。

ナカダイは群馬県前橋市を拠点とする産業廃棄物処理会社。国内における廃棄物のリサイクル率が53%程度なのに対し、同社では廃棄物の構造や素材を知り尽くしたスタッフが丁寧に素材を分解・分類することで99%という脅威のリサイクル率を誇っています。近年はブックオフとの協業でゴミの新しい利用方法を提案するショップを展開。子ども向けのワークショップも開催し、ゴミを資源に変える社会を目指しています。

今回は3社のトップに加えて、サーキュラーエコノミーに特化したデジタルメディアを運営するハーチ代表の加藤氏、電通TeamSDGsのプロジェクトリーダーを務める竹嶋氏の5人で、サーキュラーエコノミーの実現に向けた課題やアイデアについて議論しました。

サーキュラーエコノミー浸透度が低い日本。そのポテンシャルとは?

サーキュラーエコノミーを実現するためには、企業だけでなく生活者の意識変容や協力も欠かせません。電通と電通総研が実施した「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」(調査概要は末尾記載)で、日本でサーキュラーエコノミーという言葉を聞いたことがあると答えた人は全体の21.2%、内容を理解していると答えた人は全体の8.4%でした(中国は26.4%/64.4%、アメリカは20.2%/20.0%)。

サステナブル・ライフスタイル意識調査2021

竹嶋氏は「SDGsをはじめ環境関連のルールや法規制は欧米を中心に決まることが多いので、どうしても後追いになっている部分はあります」と前置きしつつも、「一方で、認知は他国に比べて低い日本ですが、サーキュラーエコノミーの考え方に共感する、今後自分の生活に取り入れたいと考える人は多いという調査結果も出ています。生活者に受け入れられる土壌はあるでしょう」と述べました。

一方、加藤氏は「自分の体感値よりは高い数字だと感じました。サーキュラーエコノミーを聞いたことがある人も含めると全体の3割ぐらいで、単純に人口換算すると4000万人ぐらいになりますよね?例えば、サーキュラーエコノミーが進んでいるといわれるオランダの人口は1700万人程度なので、すでに日本には4000万人のマーケットがある、とポジティブに捉えることもできます」と、市場規模自体の大きさに言及。「循環という概念自体、日本が古くから培ってきた文化やマインドにマッチしていると思うので、今後もまだまだ伸びる可能性があるでしょう」と期待を込めました。

循環にかかるコストは、未来への投資と捉えることもできる

続いて、サーキュラーエコノミーのための価格転嫁を生活者はどのぐらい許容できるのか?というテーマで議論。電通が2021年に実施した「第2回カーボンニュートラルに関する生活者調査」では、6割以上の人たちが「501円以上負担できる」と答えました。この結果について竹嶋氏は、「SDGsネーティブと呼ばれる10〜20代のほうが1000〜3000円といった高い金額でも許容する傾向にある」と解説。一方、全体としては高年齢層のほうが容認する人の割合が多く、「おそらくマスメディアを通して環境やサーキュラーエコノミーの話題に接触する機会が多いことが大きな要因の一つだと思います」と見解を述べました。

澤田氏は、自社の洗剤で洗濯にかかるエネルギーを低減できることをしっかりと訴求したところ、その商品を選ぶ人が増えてきていることから、「生活者の方々のエシカル(消費)に対する意識が高まってきている」と感じるといいます。

加藤氏も重ねて「僕の周りも、多少高くても環境に良いものを選択する人たちが増えている印象があります。企業にとっても、今はまだ旧来の直線型の経済のほうが合理的に感じるかもしれませんが、カーボンプライシングなどをはじめとする法規制が進むことは間違いないので、長期的に見るとサーキュラーエコノミーの合理性が担保されると思います」、とサーキュラーエコノミーに移行するメリットを指摘。

中台氏も「循環には当然コストがかかるのですが、それを単なるコストと捉えるか投資と捉えるかで意味合いは大きく変わります。例えば、サステナビリティへの意識が高い若い世代が10年後のメインターゲットになると考えると、あらゆるコストを未来への投資に変えることができるでしょう」と、加藤氏の意見に同調しました。

一方、永田氏は「価格転嫁」という言葉ではなく「フェアバリュー=誰かを搾取していない価格」という言葉を広めるべきだと提言。「日本で安い価格が成り立つ背景には、地球環境への負荷や児童労働など、何かしらの搾取が発生しているという事実をまずはみんなが受け入れるべきだと思っています」、と自身の見解を伝えました。

澤田氏も「洗剤や紙おむつなどの日用消費財ひとつとっても、欧米では日本と同じ品質の商品が倍以上の値段で売られているケースが多々あります。そうなると、例えば循環や再生にかかるコストを5〜10円価格に上乗せしても、全体としての値上がり率は日本よりも少ないわけです。生活者の意識が変わりつつある今こそ、このような海外とのギャップをもう一度見直すタイミングがきていると思います」と述べました。

こうした意見に対して、竹嶋氏は「そこは企業の皆さまも一番気になっていらっしゃるところだと思いますので、生活者の意識がどのように変わっているのかを国内外含めて常にチェックするとともに、皆さんと一緒に意識や行動をどのように変えていけるかを考えていきたいと思います」と答えました。

日本社会が変わるための5つの提言

基調講演の最後には、登壇者それぞれが日本を変えるために今最も必要なことをワンフレーズで表しました。

●澤田氏の提言「本気と継続/協働と連携」
サーキュラーエコノミーは環境価値と経済価値を両立させる必要があるため、生半可な覚悟では実現できません。本気で取り組み、諦めずに継続することが非常に重要なんです。そして、その「本気と継続」を支えるのが「協働と連携」です。当社もライバル企業と一緒に取り組むことで感じていますが、協働して支え合いながら本気でやり続けることで、社会を変えていくことができると思っています。

●永田氏の提言「企業選択」
企業選択というと、生活者がモノやサービスを選ぶという意味をイメージされると思いますが、今すでに日本中で活躍している方々ができる最大の企業選択は、転職だと思っています。これからの時代、サステナビリティに対して真摯(しんし)に向き合わない会社で働くことのリスクは高いですし、優秀な人ほどサーキュラーエコノミーやサステナビリティを正しく追っています。会社の根本的価値は人にあると私は信じているので、サーキュラーエコノミーに取り組む企業に人材が集まることで、ひいては生活者のアクションも変えていけると思います。

●中台氏の提言「消費を楽しむ!」
僕らは日々、廃棄物を受け取っているので、モノの残念な捨てられ方を見るたびに、自分が使った後のことを考えずに商品選択をしているのではないかと感じるところがあります。自分の商品選択でCO2がどれだけ削減できるのか、どこまでゴミにならずに済むのか、社会をどのくらい変えられるのかが分かると、消費がもっと楽しくなると思うんです。ゴミを出さないように我慢するだけじゃなくて、楽しめるような商品を選んで買うことが僕は大事だと思っています。

●加藤氏の提言「江戸時代」
日本の歴史をひもといてみると、実は、江戸時代も含めて古くから循環型の暮らしを続けてきたんですよね。例えば、1枚の布を無駄なく使い切る着物は、世界のファッション業界で注目されているサーキュラーデザインそのものです。こうした江戸時代のエッセンスに学び、現代ならではのテクノロジーなどを組み合わせて社会に実装することで、日本独自のサーキュラーエコノミーがつくれると思っています。

●竹嶋氏の提言「許容できる社会づくり」
SDGsやサーキュラーエコノミーは中長期かつ険しい道のりなので、企業も生活者も時には失敗もしながら試行錯誤していく必要があるのではないでしょうか。失敗を否定するのではなく、相手へのやさしさやリスペクトとともに失敗もお互いに許容して、理解しあうことで、本来の大きな志や目的を共有しながら、社会全体がポジティブに進んでいくための雰囲気づくりをしていけるといいなと思っています。

次回は、「サーキュラーエコノミーの全容と世界の最前線」と題した一日目の基調講演をリポート。企業がサーキュラーエコノミーに取り組む際に目指すべき方向性についてお伝えします。
 

【調査概要】
タイトル:「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」 
調査手法:インターネット調査 
実施主体:株式会社電通、電通総研 
調査時期:2021年7月8日~20日 
対象国:12カ国(日本、ドイツ、イギリス、アメリカ、中国、インド 、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)
サンプル数:4,800人
対象条件:18~69歳男女500人、ASEAN 6カ国は18~44歳男女300人
日本500人、ドイツ500人、イギリス500人、アメリカ500人、中国500人、インド500人、
インドネシア300人、マレーシア300人、フィリピン300人、シンガポール300人、
タイ300人、ベトナム300人
 
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北京五輪、盛り上がらず、中国衰退の象徴か…不動産市場の不調と人口減が深刻化

 北京冬季五輪が2月4日から開催される。開会式は2008年の夏季五輪の時と同様、国家体育場(通称「鳥の巣」)で行われる。当時の中国経済の成長は破竹の勢いだったが、今回の五輪は新型コロナウイルスのパンデミックの影響もあって盛り上がりに欠けている。中国の経済活動の低迷も暗い影を投げかけている。

 昨年第4四半期の経済成長率は前年比4%にとどまり、第3四半期からさらに減速した。中国経済の成長の3割を担ってきた不動産市場の不調が続いていることが最も気がかりだ。資金調達環境が厳しくなり、不動産の新規着工や販売が急速に落ち込みつつある。問題の発端となった中国恒大集団の再建の道筋は見えておらず、不動産市場に対する当局の締め付けが緩む兆しもほとんどない。

 中国政府は資金繰りに苦しむ民間不動産企業から多くの資産を国有不動産企業に移転させる動きを後押ししているが、これにより国有企業が今後主導するようになれば、不動産市場はこれまでとは比べようがないほど活気が乏しいものになってしまうだろう。飛ぶ鳥を落とす勢いだった不動産市場は斜陽の時代を迎える可能性が高まっている。

 不動産市場の不調は地方政府の財政にも深刻な打撃を与えている。地方政府にとって土地使用権の払い下げは極めて重要な財源確保の手段だが、不動産開発企業の資金繰りの悪化で希望通りの払い下げができなくなってしまっているからだ。

 中国全土の300都市で昨年に実施された土地使用権の払い下げ金は5兆6000億元(約100兆6400億円)と、前年に比べて9%も減少してしまった(1月27日付東洋経済オンライン)。払い下げの動きが復調する見込みは薄く、格付け会社のムーディーズは「今年の払い下げ金の減少率は全国平均で20%を超えるだろう」と予測する。

 中国の法律では、地方政府は払い下げ金の3割を中央政府に上納し、残りの7割を自主財源として利用できることになっている。払い下げ金が地方政府の歳入に占める比率は3~4割に上ることから、払い下げ金の大幅な減少は地方政府の財政難に直結する。

 この事態に困った地方政府は窮余の策を講じている。不動産開発企業に代わり、地方政府がインフラ資金などを簿外で調達するために設立した資金調達事業体(融資平台)を土地使用権の払い下げの受け皿にしている。中国全体の融資平台の債務総額は8兆4000億ドルを超えるとされており、融資平台の債務返済能力をめぐる懸念が改めて惹起される事態となっている。

 地方政府が発行する債券の残高も30兆元(約540兆円)を超えており、その半分が3年以内に償還日を迎えるといわれている(1月17日付ブルームバーグ)。すでに危機に瀕していた地方政府の財政はますますピンチに追い込まれており、地方政府が破綻するケースも出てきている。

出生数の減少は「短期的な解決は難しい」

 今回の北京五輪が盛り上がらないのは少子化の影響もあると考えられる。2021年の出生数は1062万人となり、1949年の建国以来最も少なくなった。出生数が下がり続けていることについて、中国の人口政策当局は「短期的な解決は難しい」との見解を示している。出産適齢期の女性の人口が減少しているからだ。昨年の20歳から34歳までの女性人口は前年に比べ473万人減少したが、出産適齢期の女性の人口が減少する傾向はさらに加速化するとされている。1979年に一人っ子政策が導入されて以来、最も出生率が高かったのは1987年だが、この年に生まれた子供たちがすでに34歳を過ぎてしまった。

「中国にとっての喫緊の課題は、台湾の(軍事的)統一よりも人口減少をいかに食い止めるかだ」との主張が説得力を持ち始めている。少子化が続くようでは「中国が近い将来世界を支配する超大国になる」との悲願は潰えてしまう。中国を取り巻く国際環境が平和でなければ、人口問題という今後の国力を決定づける深刻な課題に向き合うことはできない。

 中国で少子化が進む最大の理由は養育費の高さだ。22歳になるまでにかかる1人当たりの子育て費用は100万元(約1800万円)になるとの試算がある。少子化を食い止めるためには強力な支援策が不可欠だ。だが中国の著名エコノミストが「3140億ドル規模の『出産奨励基金』を中国人民銀行が設立し、すべての子供に毎月現金を給付すれば、今後10年間で出生数を5000万人増やすことができる」と提案したところ、中国政府は「現実性のない主張」と一蹴した。国民が過剰な期待を抱くことを怖れたからだと思われる。

 子育て支援を行う役目を担うのは地方政府だが、前述したとおり財政は火の車だ。中国政府がすべての夫婦に3人目の出産を認めたことを受けて、地方政府は相次いで子育て支援策を打ち出しているが、具体策で目立つのは産休や育休の拡充だ。子育て手当など家計への現金給付するケースは限られている。

 財源が不足するなかで、地方政府は景気対策のために減税を行い、さらにインフラ投資の増大も要求されている。「ない袖は振れない」のだ。中国政府が不動産市場への締め付けを強めたのは養育費のなかで大きな比重を占める住居費を下げるためだったが、これにより地方政府の財政悪化を招き、子育て支援策に事欠くようになってしまったのだとすれば皮肉としか言いようがない。

 いずれにせよ、今回の五輪は中国が今後衰退に向かうことを象徴するイベントになることだけは間違いないだろう。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー 

1984年 通商産業省入省
1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)
1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)
1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)
2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)
2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)
2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

 

ダイソー・セリア商品で「ケーブルごちゃごちゃ」劇的解消!ビフォー&アフター

 新型コロナウイルスの猛威がまだまだ収まらない昨今。自宅にいる時間が今年も長くなりそうです。

 昨年、リモートワークや在宅勤務に備えてさまざまなOA機器を買い足した方も少なくないのでは? そんなときに気になるのが「配線問題」。ごちゃごちゃして絡まったり、見た目もあまりよくない、放っておくとホコリも寄せ付けます。どのケーブルがどの本体のものなのか、わからなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。

 今回はそんな配線問題を解決してくれる100均グッズをご紹介したいと思います。

 まずはこんなお悩み。就寝前にスマホを触る方は多いですが、スマホの充電器やイヤホンのケーブル、さらにはリモコンもごちゃついてしまいます。

 そこでダイソーの「貼って留められる面ファスナー」。こちらは粘着式になっている商品で、ビリっとマジックテープのようになっています。これでケーブルを一まとめにできます。

 ダイソーの「面ファスナー両面テープ付き3セット」は、リモコンに貼るために大きめサイズを選びました。

 このように適当な大きさにカットしてリモコンを置きたい場所にペタッ。

 リモコンの裏にも貼って、定位置が決まればなくなる心配もありません。

「貼って留められる面ファスナー」は、このようにどこにでも貼ることができます。テレビの裏やコンセントのそば、季節家電の配線をまとめるのにも便利です。

ケーブルを収納するボックスも

 それから長いケーブルをまとめるのに便利なのが、 セリアの「巻き取り型ケーブル収納」。

 長いケーブルはこのようにパカッと開けて巻き巻きすると、邪魔だった長いケーブルがこんなふうにすっきり。ホルダーが付いているので、カバンやポーチに付けることもできます。

 ごちゃごしゃしていた枕元は、こんなにスッキリしました!

 ほかにも、ダイソーやセリアにはケーブルを収納するボックスが販売されています。こちらはダイソーの「ケーブルボックス(26cm×14.5 cm×12.3 cm)」。200円の商品ですが、ケーブルを通す穴がいくつも開いています。ふた付なので、ふたの上にスマホを置いて充電もできますね。

 実際に我が家の悩みの種である子どものゲームのケーブルを入れてみました。Wi-Fiルーターも一緒に入れてみましたが高さが足りずふたが閉まりませんでした……。でも初めに比べるとだいぶスッキリ!

 

 細かい部品などは、セリアの「しわけられる!EVAスライダーポーチ」に。 はじめから仕切られているので、細かいものを失くす心配もありません。 透明なので一目で何が入っているかわかるのもポイント。

 最近は、家電やOA機器の進化とともに、たくさんのケーブルが私たちの家の中に増えました。電源周りで気を付けたいのが「トラッキング現象」という、ケーブルに付いたホコリと湿気によって電源プラグから発火する事故。最悪の場合、火事の原因にもなりますので、このようなケーブル収納グッズを使って見た目もスッキリさせて、同時に事故も防いでいきましょう!

(文=高桐久恵/整理収納アドバイザー)

●高桐久恵/整理収納アドバイザー

鹿児島県種子島出身。岐阜県大垣市在住。バスガイド、ウェディングプランナーを経て結婚、出産。東京に単身赴任中の夫と小学生男児2人の4人家族。

 

オミクロン、胃腸炎と酷似した症状も…ノロウイルス・ロタウイルスとどう違う?

 新型コロナウイルス・オミクロン株の急激な感染拡大に伴い検査キットが不足している現状を受け厚生労働省は1月24日夜、濃厚接触者に発熱などの症状が出た場合、自治体の判断で、検査を行わなくても医師が感染したと診断することも可能とする方針を明らかにした。

 一方で、この時期は例年、ノロウイルスなどを代表とする感染性胃腸炎の患者が増加する傾向にある。実は、オミクロン株への感染によっても胃腸炎と酷似した症状が現れる患者もいるため、医師の正しい診断が期待される。

 我々も胃腸炎だと思っていたら実はオミクロン株に感染していたということがないよう、それぞれの症状の特徴について、また、期待が寄せられる新型コロナの経口治療薬についても解説したい。

オミクロン株と胃腸炎の症状の違い

 冬はノロウイルスやロタウイルスに代表される感染性胃腸炎が流行する。感染性胃腸炎には、次に示すような特徴がある。

・感染経路:接触、経口感染
・潜伏期間:1~3日
・主な症状:吐き気・嘔吐、下痢、発熱

 感染性胃腸炎では、消化器系の初期症状が出ることが特徴でもある。オミクロン株に感染しても無症状の人も多くいるといわれるが、症状が出る場合は、下記のような特徴がある。

・感染経路:接触、飛沫感染
・潜伏期間:約3日
・主な症状:発熱、咳、倦怠感、咽頭痛、吐き気・嘔吐

 オミクロン株に感染した場合、発熱、咳に次いで強い咽頭痛が出る人も多い。上気道に初期症状が出た後に、消化器系症状が出る傾向にある。

発熱で慌てない

 コロナ禍にあって、発熱があると誰もが不安を感じるとところだが、医療機関を受診すべきかの目安となる体温は37.5度と考えていいだろう。しかしながら、咳や息苦しさなどの症状が伴う場合には、その限りではない。医療機関を受診する際は、必ず事前に電話連絡をし、発熱していることやその他の症状、濃厚接触者であるか否かなどの情報を伝え、指示に従ってほしい。

 現在、筆者のもとにも新型コロナの経口治療薬「モルヌピラビル」について多くの問い合わせが寄せられるが、コロナ陽性者すべてに処方できるわけではないことを多くの人に知ってほしい。17 歳以下の小児については、投与の対象になっていない。また、妊婦への投与も禁忌となっている。 通常、18 歳以上の新型コロナに感染し、重症化リスクがある患者に投与が可能である。

 ちなみに、重症化リスクとは下記に示すようなものである。

・悪性腫瘍
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・慢性腎臓病
・2型糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・肥満(BMI 30 以上)
・喫煙
・固形臓器移植後の免疫不全

 また、65歳以上の高齢者も投与の対象となる。しかしながら、モルヌピラビルの投与が必要であるか否かは、医師が診察によって判断する。

 オミクロン株に感染しても軽症が多いことから、新型コロナの感染症法上の位置付けを「5類」相当に見直すことを望む声も出ているが、現状では上記で解説したような治療薬の処方に制限があり、時期尚早といえるだろう。

 我々ができることは、これまでと同様の感染対策の徹底と、感染した際に耐えうる基礎体力をつけ、重症化リスクを下げることだろう。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

発砲立てこもり、66歳の渡辺容疑者が陥った「幻想的願望充足」とマザコン状態

 埼玉県ふじみ野市の民家で発生した立てこもり事件で、殺人容疑で送検された渡辺宏容疑者は、自宅に鈴木純一医師ら7人を呼び出し、「(母親が)生き返るかもしれないので、心臓マッサージをしてほしい」と蘇生措置を要求したという。この要求に対し、前日に母親の死亡確認をしていた鈴木医師は、死亡確認をしてから約30時間が経っていることなどを説明したらしい。すると、渡辺容疑者が散弾銃を取り出して鈴木医師に発砲し、鈴木医師は胸部に銃弾を受け、即死状態だったようだ。

 死亡確認後30時間も経っていたら、蘇生措置を施しても効果がないのは、医学の常識からして自明の理であり、鈴木医師の説明は至極まっとうだと思う。だが、それを渡辺容疑者は受け入れられなかったので、怒りを爆発させ、発砲したのだろう。

 なぜ渡辺容疑者は受け入れられなかったのか? 母親への愛着と執着が強すぎて、母親の死という喪失体験に耐えられなかった可能性が高い。あるいは、つきっきりで献身的に介護したにもかかわらず、母親が死んでしまい、無力感を覚えたのかもしれないし、母親の死後独りぼっちになる自分自身の孤独に対する不安が募ったのかもしれない。

 いずれにせよ、渡辺容疑者が「母が死んでしまい、この先、いいことがないと思った。自殺しようと思ったときに先生やクリニックの人を殺そうと思った」とも供述していることから、母親の死という喪失体験によって絶望感にさいなまれたと考えられる。

 それに耐えられなかったからこそ、「母親の遺体に心臓マッサージをしてもらえば生き返る」という考えが頭に浮かんだのだろうが、これは願望と現実を混同する「幻想的願望充足」にほかならない。「母親に生き返ってほしい」という願望が現実のものになるかのような錯覚に陥り、「生き返る」と思い込んでいるわけで、現実逃避ともいえる。

 このような「幻想的願望充足」は幼児に起こりやすい。幼児は「~だったらいいのに」「~になりたい」といった願望がすぐに実現すると思い込む。たとえば、「自分が王子様だったらいいのに」「サッカー選手になりたい」といった願望をあたかも現実であるかのように錯覚することが多い。成長するにつれて、自分の願望がすべて叶うわけではないという苦い現実に直面し、徐々に現実を受け入れるようになるわけで、それが大人になることともいえる。

 ところが、渡辺容疑者は66歳にもなって、幼児期の「幻想的願望充足」を引きずっているように見える。母親の死という喪失体験が痛切だったことは容易に想像がつくが、それにしても大人げない。もっと厳しい見方をすれば、あまりにも未熟だ。

利己心のない愛

 一方、渡辺容疑者は事件前、母親の治療をめぐって複数の病院でトラブルを起こしていたとも報じられている。院内で「(母親の)内視鏡検査の順番を1番にしてほしい」「院長でないとダメだ」などと怒鳴り散らしたり、暴れたりしたことがあったという。母親の治療を自分の思い通りにやってもらえないと、暴君のようなふるまいをしていたわけで、駄々っ子のような印象さえ与える。

 こうした一連の言動から、芥川龍之介の「子供に対する母親の愛は最も利己心のない愛である。が、利己心のない愛は必ずしも子供の養育に最も適したものではない。この愛の子供に与える影響は――少くとも影響の大半は暴君にするか、弱者にするかである」(『侏儒の言葉』)という言葉を思い出した。

 渡辺容疑者は、母親の死という喪失体験に耐えられず、それを乗り越えられないという点では弱者である。同時に、母親の治療をめぐってトラブルを繰り返すとか、蘇生要求が受け入れられないと発砲するとかいったふるまいからは、暴君という印象も受ける。

 おそらく母親は渡辺容疑者に「利己心のない愛」を注いだ、素晴らしい女性だったのだろう。だからこそ、渡辺容疑者がこれだけ執着したのかもしれないが、66歳にもなって“マザコン”と呼ばれても仕方のない状態だったのは、実に残念である。

(文=片田珠美/精神科医)

●片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

 

盛り上がれパチンコ業界! 見るものを魅了する「話題の二人組」に熱視線!!

 Twitterではすっかりお馴染の『パチンコ店のアイドル店員シリーズ』だが、今回もご紹介するのは男性。しかも「二人組のイケメン!?」コンビだ。 

 そのお二人が勤務するのは石川県にある『片町DSG大将軍』というパチンコ店で、Twitter名も同じ名称で店舗公式となっている。

 DSGといえばイメージキャラクターにプロレスラー『武藤敬司』氏や『ダンディ坂野』氏を起用。石川県、富山県で店舗展開する“あのグループ”といえばお分かりいただけるだろうか。

 二人のお名前は『キャプテン』さんと『シーゲ』さんでフォロワー数は9300オーバー。では、そのお二人の何が凄いか。それは「キレッキレのダンス」だろう。「それが全て」と言っても大袈裟ではない。

【注目記事】
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 しかし、そのダンスは本当に半端ではない。非常にクセが強く、見れば見るほどまた見たくなる程で…いつの間にかすっかりハマっているだろう。

 そして更に見れば見るほど笑いも止まらなくなり、気づけばきっとそのダンスの虜になっているはずだ。

 いやはや、本当に恐るべしだ。Twitter素人の私がいうことでもないが、まずはどんな形であれ、それなりに注目を集めなければ何の宣伝にもならない。常識の範囲内であれば「やったもん勝ち」的な部分はあるだろう。 

 そういう意味では非常に面白いと思う。何でもこの取り組みが社内で表彰されたこともあるらしいのだが、理解のある何とも良い社風ではないだろうか。

 とにかく一目瞭然、『片町DSG大将軍』のアカウントを是非ともチェックして頂きたい。そのダンスは本当に必見だ。

 そのアカウントのリンクと共に、偶然発見したシーゲさんと『江頭2:50』さんとの競演動画のリンクも貼っておくので是非視聴して頂きたい。

(3) 片町DSG大将軍さん (@DSG72599579) / Twitter

2017年10月29日(日) 祝♪ 江頭2:50さまご来店!!@DSG MEGA CITY 寺井 – YouTube

 話は変わり過去に幾つかのTwitterアカウントをご紹介したが、その方たちも相変わらず躍進している様子。10月にフォロワー数は5000人だった名物店長の『パーラー富士 池袋ノースゲートパチ屋』は7500人超えとなっている。

 12月に8800人だった『KEN』さんは9900超えと万超え秒読みとなっていた。このKENさんは「万超えで何か面白いことをやります」と公言していただけに、こちらにも注目したいところ。

 今更?な感もあるTwitterだが、パチンコ業界のTwitterはまだまだこれからも目が離せない。この勢いのまま、ますます注目されて盛り上がって頂きたいところ。盛り上がれパチンコ業界!

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

JRAノーステッキ「8馬身差」の独壇場! エフフォーリア世代にまたも「大物」誕生の予感、スカーレット一族の遅咲きが魅せた大変身

 30日、東京競馬場で行われた12Rの4歳上・2勝クラスは、C.ルメール騎手の1番人気カーディナル(牡4、美浦・林徹厩舎)が勝利。単勝オッズ1.8倍の断然人気に応え、準オープン入りを決めた。

 まさに「ノーステッキの圧逃劇」だった。

 8頭立ての芝2000mで行われたレース。スタートを切った後、迷いなくハナを奪ったカーディナル。1000m通過59秒3のマイペースに持ち込むと、そのまま先頭で最後の直線を迎える。

 そしてここからは独壇場ともいっていい独り旅。残り300m付近で軽く追い出されると、あとは後続を突き放すばかり。鞍上のルメール騎手が、一度もムチを入れることもなかったほどの十分な手応え。最後には手綱を緩め、後ろを確認する余裕もあった。ゴールでは2着馬が、8馬身も置き去りにされた大楽勝だった。

「最後の直線を向いたところで、一旦は後ろまで迫られましたが、余力たっぷりで突き放したあたり、ここではレベルが違いましたね。また時計が出る高速馬場も、この馬には合っていました」(競馬誌ライター)

 強過ぎる勝利の裏には、時計勝負に強い裏付けがあるからだろう。昨年6月に東京芝2400mで行われた未勝利戦で、同馬がマークした勝ち時計2分24秒7は、過去10年における同舞台の未勝利戦と比較しても断トツのトップだからだ。

「同日に行われた東京9Rセントポーリア賞(1勝クラス)で、ルメール騎手は逃げたウィズグレイスに騎乗していました。最後は勝ち馬の決め手に屈して2着に敗れはしましたが、勝ち馬はG1級ともいえるパフォーマンスでした。このとき、ルメール騎手は相手が強過ぎたと振り返っていましたが、前が残る馬場であることを感じ取っていたかもしれません。

過去に一度この馬に騎乗経験のあるルメール騎手は、折り合いに課題があることを知っています。この日の馬場とポテンシャルを考慮して、敢えてハナにいかせたようにも見えました。

開幕週で馬場コンディションが良かったとはいえ、勝ち時計の1分58秒2は優秀なタイムです。クラスが上がっても即通用すると思える走りでした」(同)

 そんな圧勝を決めたカーディナルだが、初勝利まで実に5戦を要した遅咲きだ。馬券圏内を一度も外したことのない安定感がある一方で、最後の決め手に欠ける一面も持ち合わせていた。

 しかし、昨年未勝利を勝ってわずか半年足らずで、今までが嘘だったかのように順調に勝ち星を積み重ねている。これまでは好位から抜け出す競馬が多かったが、これならスピードを生かした逃げも合っているかもしれない。

 同馬は、歴史的名馬ダイワメジャーやダイワスカーレットを産んだスカーレットブーケが大叔母にあたる、いわゆる「スカーレット一族」の血を引く馬でもある。過去にも多くの活躍馬を輩出している血統だが、今年に入ってもその血を受け継ぐライラックがフェアリーS(G3)を制しており、まだまだこの血筋の強さは健在だ。

 エフフォーリアと同世代で同じキャロットファームの所有馬という事もあり、今後対戦する事があるかどうかはさておき、新たなスカーレット一族の大物候補として楽しみな馬が増えた事には変わりない。次走でも圧巻のパフォーマンスに期待したい。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

国産農産物の「残留農薬」問題、封印された実態…おざなりな検査体制、件数削減も

 輸入食品の残留農薬問題が週刊誌などで注目されているが、国産農産物の残留農薬も無視できないとの指摘もある。国内では農業者の高齢化と後継者不足のなかで農作業の省力化が不可避になっており、雑草駆除や害虫駆除のための農薬使用の依存度が高くなっているとの指摘もある。ドローンやヘリによる農薬の空中散布など広域散布も頻繁になされている。

 しかし、国産農産物の残留農薬の実態について私たちが目にすることはほとんどない。果たして的確な検査がなされているのかとの疑念も湧く。そこで調べてみると、次のような検査体制の問題点が明らかになった。

 残留農薬検査は、食品衛生法に基づいて主に地方自治体によってなされている。というのも厚生労働省は、食品衛生法に基づいて食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針を策定しているが、そこでは「国内に流通する食品等の監視指導は基本的に都道府県等が実施する」とされている。「都道府県等」とは、都道府県と中核市及び保健所が所在している市町村が対象となる。

 都道府県および対象市町村は年1回、監視指導計画を立て、その計画に基づいて残留農薬検査を実施することになる。その検査を担うのが保健所である。農薬については、その品目や生産履歴を参考に検査する農薬を抽出のうえ計画的に検査を行っているとしている。

 しかし、監視指導計画は、残留農薬だけではなく、食中毒や食品表示、HACCP、食肉の衛生管理、鶏卵の衛生管理。乳製品の衛生管理、水産加工品の衛生管理など多岐にわたっている。残留農薬検査は、保健所の監視指導計画のほんの一部である。

 さらに、保健所の人的配置の問題もある。保健所で食品衛生分野を担当しているのは、保健所に配置されている食品衛生監視員である。十分に人員配置されていれば問題はないが、全国の約3分の1の保健所には、専任の食品衛生監視員が配置されておらず、兼任として配置されている。保健所の医師や獣医や他の職員が、兼任として食品衛生監視員の仕事をしているのである。

 要するに全国の3分の1の保健所では、食品衛生監視指導は片手間仕事で、念入りな検査は困難である。それどころか、現在のコロナ禍で、保健所での業務は過酷となっており、他の分野からの応援でなんとか業務をこなしている状態で、兼任の食品衛生監視員は当然、コロナ対応に追われており、食品衛生監視の業務はおざなりになる。現にコロナ禍で、ある保健所では残留農薬検査件数を大幅に削減していることを明らかにしている。このように保健所の人的問題で、国民が期待するような残留農薬検査はなされていないといえる。

検査結果の発表方法

 さらに、残留農薬の実態を知ることができない背景には、その検査結果の発表方法をめぐる問題がある。検査結果は、その監視指導検査主体である各地方自治体のホームページに掲載されるが、さまざまな情報が提供されているなかで食品衛生分野の情報は一部にすぎない。それも、違反件数ゼロなどと違反があったかどうかだけを掲載するのがほとんどである。

 また、日本の農薬残留基準は、海外の農薬使用実態に合わせた極めて緩い基準である。それだけに、基準値内の農薬残留であっても、その数値を公表すべきである。

 国民は、各都道府県のホームページにアクセスしないと全国の残留農薬の実態を掌握できないが、厚生労働省によれば、2年遅れで検査結果を集約したものを公表しているとのこと。調べてみると厚生労働省のホームページ内に公表していたが、その公表資料にたどり着くのは至難の業である。本来であれば、ホームページのトップから簡単にアクセスできるようにすべきである。また、リアルタイムで実態がわかるようにすべきである。

 このような改善をして、国民が農薬残留実態を共有できるようになって初めて国産農産物に対する信頼を回復できることになり、それは日本農業の進展にも寄与することになるであろう。

(文=小倉正行/フリーライター)

●小倉正行

1976 年、京都大学法学部卒、日本農業市場学会、日本科学者会議、各会員。国会議員秘書を経て現在フリーライター。食べ物通信編集顧問。農政ジャーナリストの会会員。

主な著書に、「よくわかる食品衛生法・WTO 協定・コーデックス食品規格一問一答」「輸入大国日本変貌する食品検疫」「イラスト版これでわかる輸入食品の話」「これでわかる TPP 問題一問一答」(以上、合同出版)、「多角分析 食料輸入大国ニッポンの落とし穴」「放射能汚染から TPP までー食の安全はこう守る」(以上、新日本出版)、「輸入食品の真実 別冊宝島」「TPP は国を滅ぼす」(以上、宝島社)他、論文多数

 

パチンコ「台が良好×初当り抜群」の最高状態! 負けられない戦いで女神は微笑むのか

 パチンカーたるもの流れを大事にしますよね。「ハズレ、ハズレときたから当るだろう」、「当り、当りと当りが続いているんだから次も当るに違いない」など、とてもまっとうな物の考え方です。

 というわけで、一年間『乃木パ』を打ち続けるこの企画も、勝ち→負けときてるので今回は勝てるはずです。私が言っているんじゃないですよ、データがそう言っているんです。

 与太話はさておき、実は本当に大チャンスなんですよ。なんかめちゃめちゃ回る。これは多少引きが悪くても全然勝負になりますね。にわかにテンション上がってきました。とご満悦で打っていると、51転目で入賞時フラッシュ発生。「灼熱」カスタマイズしているのでかなりアツい。

 というか、「灼熱モード」を実装すると対応する演出が発生すればほぼほぼ大当りです。なので「色保留灼熱」だと保留変化の有無でだいたい当るか外れるかの見当がつき、めちゃめちゃ捗りますよね。

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 当然、この変動も紫保留が絡んで大当りゲット。回るうえに初当りが早いなんて最高の展開じゃないでしょうか。しかし、肝心のチャレンジ演出で失敗してしまいRUSH突入ならず。この流れならRUSHに行ってほしかったけど仕方がありません。回っているから大丈夫。

 2回目の初当りは230回転のほぼ確率通りに訪れました。やっぱり、入賞フラッシュや保留変化が絡み「レジェンドまいにゃんリーチ」でトドメです。チャレンジ演出今回は「MUSIC」。結果は30%台であえなく失敗。

 絶対に関係ありませんが、リズムゲーが下手すぎて「フラグがRUSH非突入に変換されているんちゃうか」と疑うほどタイミングが合っていませんでした。なんかこのボタン効きにくいわぁ~。

 ま、まあ50%なんてそんなもん。台の状態はいぜんとして良好だし、いつか結実してくれると願って訪れた87回転目。変動すぐにプププとエアー。いやー、本当に初当りは順調すぎる。ここはぜひともRUSHを仕留めたいところである。

 迎えたLIVEチャレンジ。ボタンプッシュに力を込めてアイコン点灯を見守りますと、やってくれましたロゴ完成でRUSHに突入! ボタンの効きがよかったに違いない!

 今日初のRUSHはチャレンジの流れで「LIVE ATTACK」を選択。紫アイコン「ジコチューで行こう!」が赤歌詞チャンスアップで大当り。とりあえず連チャンすることに成功し、ほっと胸をなでおろします。

 ところが、次の異変が。紫・緑・緑の微妙なパネルからファイヤージャッジもコールジャッジも平凡で、チャンスアップは何もなし。プスン、プスン、プスンと3回連続図柄が揃うことがなく無情に強制お帰りくださいです。

 回る台は勝てないとはこういうことか。違う。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。