桜花賞(G1)武豊ウォーターナビレラ「絶好枠」で好戦必至! ナミュール、サークルオブライフは苦戦免れず…一発狙える内枠の穴馬も軽視は厳禁

 10日に行われる桜花賞(G1)の枠順がJRAより発表された。先週の大阪杯(G1)を制したポタジェは、道中でインをロスなく走って直線だけ外に出す競馬。2着のレイパパレも前々で粘り込んだように、「内前」のコース取りが大きかった。

 馬場の傷みが目立ち始める最終週でも、内を通った馬に大きな割引とはならなかった阪神競馬場のAコース。今週からBコースへと替わるが、逃げ先行馬にとってさらに有利な馬場状態となる可能性が高い。それだけに、桜花賞に出走する各馬もできることなら外枠を引きたくなかったに違いない。

 そこで各馬の枠を見てみると、2歳女王サークルオブライフが8枠16番で、チューリップ賞(G2)を勝ったナミュールはなんと大外の8枠18番。上位人気を予想される2頭は、非常に厄介な枠を引いたといえよう。

 2007年から現在の外回りの芝1600mで開催されるようになった桜花賞。それまでより外枠の不利が軽減され、実力のある馬なら苦にしないとも言われているものの、大外18番から見事勝利したのは07年ダイワスカーレットと14年ハープスターの2頭のみ。

 昨年、ソダシのクビ差2着に敗れたサトノレイナスに騎乗していたC.ルメール騎手も「18番は厳しかったかもしれません」とコメント。マイル戦だけに、距離のロスを避けられない外枠は、歓迎とはいえなさそうだ。

 これに対し、武豊騎手がコンビを予定しているウォーターナビレラは3枠6番。先述した2頭に比べて、「内過ぎず外過ぎず」でロスなく走れる絶好枠を引き当てた。最多5勝を誇る「桜花賞男」の6勝目もあるか。

 また、先週まで使用されていたAコースにしても、内枠有利の状況が顕著だったことに触れておきたい。以下は、今年の阪神芝1600mで行われた特別以降のレース成績だが、サンプル数は多くないものの、外枠不利の傾向となっている。

■2020年、阪神芝1600mの枠番別成績(特別以降)
枠番、着別度数、勝率
1枠【0- 2- 2- 5/ 9】0.0%
2枠【0- 1- 1- 8/10】0.0%
3枠【2- 1- 1- 6/10】20.0%
4枠【1- 0- 0- 9/10】10.0%
5枠【1- 2- 0- 8/11】9.1%
6枠【3- 0- 3- 5/11】27.3%
7枠【0- 1- 0-11/12】0.0%
8枠【0- 0- 0-14/14】0.0%

 この数字は枠で集計したものであり、頭数の少ないレースもあった。にもかかわらず、それでも7枠や8枠の馬が苦戦を強いられている。フルゲートの桜花賞ではさらに不利になることも注意したい。

 これらを踏まえた上で、一発の期待が持てそうな穴馬もピックアップしてみたい。

 筆頭に挙げたいのは1枠1番のナムラクレアだ。単勝1.7倍を裏切る格好となった前走のフィリーズレビュー(G2)で2着に惜敗したが、出負けして外を回して追い上げた末脚は見どころ十分。休み明けで12キロ増の余裕残しも響いただろうが、使われて一変の気配がある。距離延長の不安はあれど、内で脚を溜めることが出来れば勝ち負けの期待もできるのではないか。

 次に2枠3番のアルーリングウェイ。万両賞(1勝クラス)では、マテンロウオリオンのクビ差2着に敗れるも、相手はシンザン記念(G3)を制した。前走のエルフィンS(L)を快勝した勢いも怖い。ジャックドールで大阪杯を敗れた藤岡健一調教師&佑介騎手の親子コンビだが、1週遅れのG1制覇にも期待だ。

 最後に3枠5番のピンハイ。ノーマークに近い存在とはいえ、13番人気で2着に食い込んだチューリップ賞でサークルオブライフやウォーターナビレラに先着した。キャリア2戦で一線級相手に互角の勝負を演じた実力は侮れない。

 勿論、外枠を引いたとしても、ナミュールやサークルオブライフがあっさり勝つことも普通にあるだろう。ウォーターナビレラが勝てば、武豊騎手と幸四郎調教師の兄弟タッグで初G1制覇ともなる。

 いずれにしても楽しみな今年の桜の女王決定戦となった。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

住友生命・Vitality誕生の裏側…リスク自体を減らす斬新な健康増進型保険

 古くはメセナ(企業による文化・芸術活動への支援)など企業による社会貢献および企業の社会的責任(CSR)は、SDGs(持続可能な開発目標)がしきりに叫ばれる今日、その重要性を増してきている。

 しかし、個人的には高い関心を抱くことができなかった。もちろん、公害のように企業が社会に深刻な悪影響を及ぼすことは大きな問題であり、責任ある行動が求められることは言うまでもない。それでも、例えば企業の寄付行為などは節税対策となり、結果として国税の減少となる。

 また、社会貢献を目標に本来業務とは異なる活動に従事し、そうしたことを大々的にアピールする企業も多く見受けられる。もちろん、一時的な知名度アップやブランド向上といった恩恵を受けられるかもしれないが、収益に直接的にプラスに作用しない活動が継続的に実施されていくとは考えがたく、その範囲も極めて限定的なものとなるだろう。

 さらに、ブランド価値向上を目指した社会貢献とは、なんと浅ましく偽善的な行為かと個人的には軽蔑してしまう。先生に褒められるために率先して掃除を行う、他人に優しくする小学生のようだ。

 以前、フェアトレード(開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」)に精力的に取り組む、名古屋のアパレル企業エシカル・ペネロープにインタビューした際、次のような話を聞き、大いに感銘を受けた。

「例えば、接客の際、開発途上国で苦しむ子供たちの話をすると、一時的には売上は向上するだろうが、商品自体に魅力がなければ継続購買にならない。だから、私たちは現地の人々とともに市場ニーズを踏まえた新商品開発、新たな生産手法の導入など、価値ある商品づくりに取り組んでいる(こうした取り組みは現地の人々の教育・スキルアップにも通じる)」

 企業が取り組むべき真の社会貢献の姿は、このコメントに凝縮されている。

 しかしながら、CSRCSV(社会価値と企業価値の両立)で紹介されている事例は、概ね環境保護のために別途費用を投じた取り組みなど、米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授とマーク・クラマー教授が2006年に著した『競争優位のCSR戦略』で指摘しているところの「受動的CSR」であり、社会貢献を通じて自らの価値連鎖を強化する戦略に通じるような「戦略的CSR(基本的にはCSVと同義)」は見られない。

 こうした背景のもと、日本では住友生命保険相互会社が展開する「Vitality」に目が留まった。

健康増進型保険Vitalityとは?

 Vitalityという生命保険をご存じだろうか。従来の生命保険はリスクに備えるためのものであったが、Vitalityは「運動や健康診断などの取組みをポイント化し評価する」という仕組みを通じて、リスクそのものを減らす健康プログラムとなっている。

 具体的には、毎年のウォーキングやランニングといった取り組みと健診結果を評価し、1年ごとに保険料を見直す仕組みになっている。つまり、運動すれば価格が下がり、しなければ上がる。さらに、アディダス、スターバックス、ローソンなどにおけるリワード(優待サービス特典)も用意されている。

 このたび、日本でVitalityを提供する住友生命にインタビューする機会を得た。そこで、本業の価値連鎖と社会貢献が見事にリンクした真のCSVを実現しているVitalityの秘密に迫る。

Vitalityを日本に導入した経緯

 住友生命においては長きにわたり、生命保険を扱う企業として、どのような価値を、いかに顧客に届けることができるのか、ということが常に話題に上がっていた。関連して、保険会社としての社会貢献やブランド構築なども重要な課題であった。

 6年ほど前、日本における高齢化の進展に伴う健康寿命に着目し、健康増進に寄与する生命保険を推進する方針が固まった。そこで、すでに国際的に健康増進型保険を展開していた南アフリカのディスカバリー社と提携し、日本におけるライセンスを獲得。3年ほどの準備期間を経て2018年7月、健康増進型保険Vitalityのサービスを日本で開始した。

 そもそも、ディスカバリー社が所在する南アフリカと日本では医療制度や保険販売の方法などが異なるため、大規模なカスタマイズが必要となった。さらに、たとえばオランダでは自転車の移動が広く普及しているなど、移動や運動など、各国によって事情は異なる。よって、日本において顧客の運動をいかに測定し評価すべきか、という点が問題となった。

 そこで、国立健康・栄養研究所の協力を得ながら、測定並びに評価方法を構築。その他、商品開発にあたり、社内において分業されているさまざまな機能を集結させ、文字通り総力を挙げて取り組んでいる。

 日本においてVitalityを利用するには、月額880円の利用料が必要となる。この金額に関しては、直接的に収益を得るということよりも、顧客に継続的に運動してもらうためのリワードの充実などに充てられている。リワードに関しては、ディスカバリーの基本的なフォーマットを参考に、日本向けにカスタマイズしている。

 Vitalityの知名度がなかった当初、リワードに関する提携先探しは難航したが、知名度の向上に伴い、現在では逆に相手先からの要望が多い状況となっている。ちなみに、提携においてはVitalityアプリなどとのシステムの連携が必須になる。提携先企業は、サービス開始当初は11社であったが、現在17社に拡大している。

 日本特有の難しさの例として「納豆」がある。対象のヘルシーフードを最大25%OFFで購入できるというリワードがあるが、当初、ディスカバリー社から醬油が添付されているため納豆は認められない(塩分が多く、健康に寄与する食品とは捉えられない)との意見がついたが、議論を重ねて理解を得たといったこともあった。

Vitality導入に対する営業職員など社内における反応

 やはり、極めて新規性の高い商品のため、新たに付加される業務への抵抗感のようなものもあったようだ。しかしながら、健康増進という、顧客や社会にとって価値あるコンセプトであることや、従来の生命保険の営業トークといえば「病気や事故などが起こった場合に、このように保障されます」といった、どちらかといえばネガティブな話になりがちだったが、Vitalityでは「このように運動を促進していきます」といったポジティブなトークとなることから、営業職員は前向きに捉えるようになってきた。また、顧客からの評判が極めて良いことも、営業職員のモチベーションを高めることに貢献している。

 営業職員の研修・教育に関して、Vitalityの利用に際しては顧客がアプリを使用することになるため、商品知識に加え、こうした管理ツールに精通しておかなければならない。よって、Vitalityの教育には発売開始前から3~4カ月程度かけて準備をしている。

(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

大﨑 孝徳(おおさき たかのり)
神奈川大学経営学部国際経営学科教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

企業とは、「公器」(こうき)である

「オリジナリティ」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく本連載。第17回は、福岡を拠点にIT技術を駆使しつつ、「花業界」いうビジネスの革新に挑むスタートアップ企業CAVIN(キャビン)。そのチャレンジの根底にある思いや願いに迫ります。


小学校、中学校と、バスケットボールのキャプテンを務めてきたという代表取締役社長CEO のYuya Roy Komatsu氏(取材時に、ロイさん、ロイさん、と呼ばせていただいていたので、以下、Royさんと記述させていただきます)。
「5人で戦うバスケって、試合中、チームメイトが一人でも退場になってしまうと、もう無理。残りの4人でどんなに頑張っても勝てるわけがない。でもそこに、チームプレイの面白さがあると小学生のとき気づいたんです」

そんなRoyさんの言葉に、ふと自身の記憶がよみがえった。種目はちがうものの、僕も学生時代、ハンドボール部のキャプテンを務めていた。当時の監督から言われたことで、今でも印象に残っている言葉がある。「キミはキャプテンとして、勝つチームにしたいのか?それとも楽しむチームにしたいのか?」というものだ。花とは、まったく結びつかない話である(やれやれ…)。

でも、インタビューを進めていくにしたがって、そのあたりが、心地よくつながっていった。花という、なんだかメルヘンチックなテーマであるものの、Royさんの深い指摘には、都度、ため息が漏れた。

文責:三浦僚(電通九州)

CAVIN Inc. “素直な「気持ち」を伝えられる世界をつくる” 株式会社CAVINは「生産者 - 花屋 - 生活者」という花の流れ全てをプロデュースする企業です。 生産者 & 花屋 の直接取引プラットフォーム “CAVIN” を提供。サービス提供エリア拡大中。 
CAVIN Inc.
“素直な「気持ち」を伝えられる世界をつくる”
株式会社CAVINは「生産者 - 花屋 - 生活者」という花の流れ全てをプロデュースする企業です。
生産者 & 花屋 の直接取引プラットフォーム “CAVIN” を提供。サービス提供エリア拡大中。

幸福とは、数字では表せないもの。だからこそ、価値がある。

花は、人を幸福にするもの。そして、その幸福というものは、おカネや数字では測れないものだ。と、インタビューの冒頭、Royさんは切り出した。世界第3位のGDPをたたき出している経済大国・日本であるものの、幸福度という指標でみると、世界で40位くらいとされている。あまり話題にしたいことではないが、自殺者の数では世界でワースト10にランクされている。

津波や地震などの被害にもたびたび見舞われる。そうした状況をテレビなどで目の当たりにするたび、自分になにかできないものだろうか、とRoy少年、Roy青年は、苦悶(くもん)していたのだという。「カリフォルニア大学に在籍していたころ、僕は親友を1人亡くしています。大切な人を、大切にできなかったその体験、後悔の気持ちが、今の自分を突き動かしている理由の一つです」

人の心は、たとえばおカネ、時間といったものだけでは、決して豊かにはできない。切ない気持ちを、一輪の花に託すこと。その価値と意味を、Royさんは語ってくれた。「人は、言えたのに言えなかった『ありがとう』や『ごめんね』の一言に、後悔すると思うので」

CAVIN Inc. 代表取締役社長 CEO Yuya Roy Komatsu(小松祐也)氏 大阪府出身。20歳のとき、フィリピンのスラム地区でNGOのボランティア活動に参加後、渡米。カリフォルニア大学在学時に、米最古の名門アクセラレーター Techstarsが米最大手ファンドBlackstoneと設立したアクセラレーター、Blackstone LaunchPadでインターン。スタートアップのメタ原則や立ち上げ方を学ぶ。帰国後は、独立系経営戦略コンサルファームに勤務。国内スタートアップで取締役 /最高国際責任者、海外企業のJapan Manager等を歴任。海外向けMC、モデレーターなど領域や国を問わないスタイルで活動。2018年、花業界に対応するプラットフォームを提供するCAVINを創業。ビジョン、チームビルド、ブランディングをテーマとした経営を進めている。
CAVIN Inc. 代表取締役社長 CEO Yuya Roy Komatsu(小松祐也)氏
大阪府出身。20歳のとき、フィリピンのスラム地区でNGOのボランティア活動に参加後、渡米。カリフォルニア大学在学時に、米最古の名門アクセラレーター Techstarsが米最大手ファンドBlackstoneと設立したアクセラレーター、Blackstone LaunchPadでインターン。スタートアップのメタ原則や立ち上げ方を学ぶ。帰国後は、独立系経営戦略コンサルファームに勤務。国内スタートアップで取締役 /最高国際責任者、海外企業のJapan Manager等を歴任。海外向けMC、モデレーターなど領域や国を問わないスタイルで活動。2018年、花業界に対応するプラットフォームを提供するCAVINを創業。ビジョン、チームビルド、ブランディングをテーマとした経営を進めている。

コロナ禍で、花の魅力に改めて気づかされた、という人は多いのではないか。花そのものだけでなく、お花屋さんの魅力も含めて。外出もままならない。人ともなかなか会えない。そんなとき、生花店の前を通り過ぎるだけで、不思議と心が癒やされる。

「不思議なもので、経済発展とともに、いままで持っていたものを失った気がします」。そう、Royさんは指摘する。「一言でいうなら、『人とのつながり』が豊かさの正体なのだと僕は思います。近代日本が見誤ったこと、それは『コスパ』という概念を、『人とのつながり』に対してまで持ち込んでしまったことです。それによって人々は、コミュニケーションの『量』にこだわり、『質』を捨てた。あるとき気づいたんです。その『質』を取り持ってくれるのが、花なのだと」

花のイメージ1

想像力と、創造力

Royさんにこんな質問をしてみた。「スマホやパソコンなど、コミュニケーションのデジタル化が進めば進むほど、人は『話し下手』『文章下手』になっていくように思うのですが、これはどうしてなんでしょうか?」

その答えは明快だった。「『コミュニケーションがうまい』ということの定義を間違えたのでしょうね。『自分の思いを表現してやった』『世の中や相手にぶつけてやった』、これでは意思疎通などできません。相手がどう思うだろう、という想像力が大事なのだと思います。そうした想像力が、創造力を生む」

Royさんによれば、人類最古のギフト(贈り物)は、花なのだという。「1万年以上前のことだと思うのですが、死者の墓に花をたむけた、その瞬間に、人は動物から人間になったのだと思います」

女の子と花

「旗」をどこに置くか、が大事

コミュニケーションの「質」について、Royさんはこんな説明をしてくれた。「旗をどこに置くか、つまり、目標設定をどこに置くかが大事だと思います。僕のイメージでは、奥へ、奥へと思考を進める感じです」たとえば、「おカネを稼ぐ」という行為の奥に「クルマを買う」という旗(目的)がある。その奥には、購入したクルマを使って「大切な人と、星を見に行く」という旗がある。さらにその奥には「豊かな時間を共有する」という旗がある、といった具合だ。

Royさんは言う。「我慢して、我慢して働いて、その対価としておカネを稼いだ。あるいは地位を獲得した。いやあ、満足だ、もはや目的達成だ。そういう発想に人はなりがちですよね?でも、それではもったいないと思いませんか?」先ほどの説明にのっとれば、そのおカネも地位も、奥へ奥へと進むための入り口にすぎないわけだから。「そう考えると、花を買う、花を贈るという行為は、人の心のかなり奥のほうに位置するものだと思うんです」

心の奥底にぱっと花が咲いたようだ、といった表現があるが、それは単なる比喩ではないのだと思った。

花のイメージ

しなくてもいいことを、あえてする。それが、大事。

「花というものは、生活必需品ではありません。あってもなくてもいい。いわば、不要不急の嗜好(しこう)品です。でも、そこに価値がある」とRoyさんは指摘する。言われてみれば、確かにそうだ。たとえばアップルパイを焼く、キャンプに行ってたき火をする、家に風呂があるというのにわざわざ温泉地へ赴く。いずれも、しなくてもいいことをあえてしている。でも、その時間は、たまらなくぜいたくで、心の底からにんまり、ほっこり、できる豊かなものだ。

社員との関係についても同じことが言える、とRoyさんは言う。「僕がもっとも心がけているのは『余白』を残してあげる、ということです。なにをしようが、しまいが、自由だよという『余白』。やりがいとか、自主性とか、独自性とか、といったものは『余白』がないと生まれませんから」

同じことが、リーダーシップについても言えるのだという。「腕のいいリーダーは、部下の1次情報を取りに行くんです。つまり、この人はなになに県の出身なんだとか、学生時代はラグビーをしていたとか、そういったその人の人となりを形成したであろう情報です。これも、仕事を命じるという意味では『余白』の部分ですよね?一見すると、なんの価値もない情報のように思える。でも、それを大事にすることが、リーダーシップを発揮する上でとても大切なことだと僕は思っています」

「スタートアップ」とは、なにか?

スタートアップとは、どういうものですか?という質問に対して、Royさんから興味深い指摘があった。「スタートアップというと、誰も発想できなかったアイデアで会社を起こす、みたいなイメージですよね。僕の解釈は違っていて、スタートアップ=スタート+アップなんです」

アップとは、「事業がハネる」ということ。ハネるとは、生活者や得意先、仕事仲間の心が一つになって、爆発的に上昇する瞬間のことだ。「そのためのスタートなんです。スタートアップのJカーブの最初は、マーケティング活動の時間だといわれますが、僕は『啓蒙(けいもう)の時間』だと考えています」。「これ、良くないですか?」と根気よく相手に説明して、納得してもらう、ファンになってもらう。

CAVINというユニークな社名の由来は、「花瓶」なのだという。「企業とは、公器(こうき)。公の器、という意味もそこには込めました」。花というものは、すぐに枯れてしまう弱いもの。でも、その弱さこそが最大の魅力なのだということを、全てのステークホルダーに対して根気強く説明してまわったのだ、とRoyさんは言う。「赤ちゃんのように弱いものを、大切に育てて、大切に運んであげる。だからこそ、花を買うとき、贈るときに、人は何ともいえない幸福感に包まれるのだと思います」

CAVIN Logo
手押し車は、最先端のITの真逆のツール。でも、押している人の顔が見えるという良いところがある。花は、便利なものではなく、ぜいたくなもの。ゆっくりと味わうもの。この「ぜいたくさ」こそが、真の豊かさではないか、とCAVINは考える。現代人が手放してしまった豊かさを取り戻したい。そのためには、言語によるコミュニケーションだけでなく、花のたどる全ての道筋を整え、プロデュースしていくことが必要なのではないか。そうしたコミュニケーションの出発点となるのは、もちろん生産者さんと花屋さん。この「手押し車」のロゴには、“生産者の思い(花)を花屋さんに運びたい”という意味が込められているのだという。

CAVINのホームページは、こちら


なぜか元気な会社のヒミツロゴ

「オリジナリティ」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく連載のシーズン2。第17回は、福岡を拠点に「花業界」の革新に挑むスタートアップ企業CAVIN(キャビン)をご紹介しました。

season1の連載は、こちら
「カンパニーデザイン」プロジェクトサイトは、こちら


【編集後記】

花というものは、不思議なものだと思う。口を糊(のり)する、という意味ではなんの価値もない。小野小町が歌ったように、宝石や黄金とちがって未来永劫(えいごう)その価値を保てるものでもない。でも、人はなぜか花に心を奪われる。コロナ禍で、そうした花の価値というものに改めて気づかされた人も、多いのではないだろうか。筆者も、その一人だ。ステイホームが続く中、狭いベランダで、どういうわけだか花を育て始めた。

インタビューの最後に、この先の事業展望は?Roy社長のお考えになるグローバル戦略とは?という質問を投げかけてみた。花業界には、まだまだ発展の余地がある、といったような答えが返ってくるのかと思いきや、答えは「花をもらえない子どもたちに、花を贈ってあげたい」というものだった。本文にもあるが、心に小さな花が咲いたような、そんな瞬間だった。

tw

自動車の主要な量産地は数年内に日本から中国に移る…EVで遅れた日本の歴史的必然

 20世紀を自動車の時代として拓いたのは、米国の自動車量産システムだった。手づくりだったヨーロッパの自動車づくりに対して、米国の量産システムは圧倒的なパワーを持ち、1900年代の初期に19年間で1500万台もの自動車を生産するほどであった。また、EV(電気自動車)の生産方式で話題の「水平分業方式」も始まっていた。そして現在、自動車産業は再編成を要求されている。これまでの生産様式は生き残れないようだ。

デトロイトの勃興

 資料によれば、20世紀が始まった1901年3月に起きた米国のある自動車工場の火災がきっかけで、後述するように世界初の自動車の「量産」が始まり、デトロイトが自動車の町になり、その後に世界の経済を大きく成長させることになる「自動車の世紀」が始まったという。

 火災は 1908年にゼネラルモーターズ(GM)の傘下になったオールズモビルの工場で起きた。炎に包まれる工場から、オールズモビルの「カーブドダッシュ」という試作車が運び出された。運び出したのは、のちにデトロイト市長になるジェームズ・J・ブラディだった。デトロイトの部品メーカーが集まり、カーブドダッシュを生産することになるのだが、これがラインを組んでの量産車の第一号になった。しかも部品メーカーが集まって生産する、最初の水平分業の始まりでもあった。

 ちなみにブラディは市長になると部品メーカーを量産に合うように再編成し、部品の共通化を図り、デトロイトを世界一の自動車の生産地にした。その結果、カーブドダッシュの生産は1901年の425台から1905年には6000台と飛躍的に増大した。

 このような量産システムに乗って1908年からの19年間で1500万台という大量の生産を記録するT型フォードの生産が始まったのだった。デトロイトの勃興であった。

デトロイトの衰退

 デトロイトは米国の三大自動車メーカーであるGM、フォード、クライスラーが根を下ろした世界最大の自動車産業の街である。しかし、世界一を誇ったデトロイトも衰退が始まって久しい。自動車生産の舞台は中国に移りつつある。しかも生産の中心は内燃機関からEVへと大きくシフトしつつある。

 デトロイトの衰退を招いたのは、日本の小型車だった。安いだけではなく、当時としては壊れにくかったことで米国に小型車ブームを起こした。日本の小型車は、ビッグスリーの量産システムをしっかり学んだだけではなく、進歩・改良を行い、安くて壊れにくく、よく走る小型車を生産し、米国に大量に輸出したのだった。

 そこにマスキー法と呼ばれた世界一厳しい排ガス規制が覆いかぶさった。世界のカーメーカーが音をあげるなかでホンダが新技術「CVCC」を開発、クリアしたことで、ますます日本の小型車が売れ、米国の市場を席巻した。

 デトロイトの自動車労働者による日本車打ち壊し運動も始まったほどだったが、自動車の環境問題と、70年代に2度、米国を襲ったオイルショックというエネルギー問題が、デトロイト、そして米国の産業の形態に“NO”を突きつけた。デトロイトの米国三大自動車メーカーは、環境・エネルギーそして価格への対応のまずさで日本車に負けたのであった。その3つの課題に正面から立ち向かった日本の自動車メーカーの勝利であった。

 しかし、EVシフトの現在、同じ環境・エネルギー・価格への対応のまずさで、今度は日本の自動車産業が衰退の憂き目に遭おうとしている。

日本の自動車産業の勃興と衰退

 日本の自動車産業は戦後に大成長した。戦後の復興による経済成長で起きたモータリゼーションの大波と、前述の米国市場への躍進が功を奏したのだった。安くて壊れにくく、しかも環境・エネルギー問題に対応していたからだ。もっとも日本車の性能は米国のキャデラック等のビッグカーには遠く及ばなかったが。

 しかし現在、日本の自動車産業は成長の頂点を極めて、衰退に向かおうとしている。環境・エネルギー問題への対応に大きく後れを取ってしまっているからだ。

 まず、エネルギー問題だ。内燃機関自動車の燃料である石油の供給に赤信号が点灯している。SDGsとそれに沿ったESG投資によって、石油関連への新たな投資にブレーキがかかり、これ以上の油田の開発は不可能であり、石油の供給は減少を続ける。その結果、ガソリン価格が高騰し、内燃機関自動車の維持費は極めて高いものになりつつある。ここにロシアのウクライナ侵攻という暴挙が重なり、ますます石油供給は不安定になり、価格は上昇するだろう。EVシフトが必須である。

 日本では、さらにGS(ガソリンスタンド)の減少という問題が内燃機関自動車ユーザーを苦しめる。このままの勢いでGSの減少が続くと、2041年には消滅してしまう。

 環境問題は排ガスと二酸化炭素(CO2)排出量である。EUをはじめ、米国でも内燃機関自動車の排ガス規制は強まっている。たとえば2025年から始まるといわれるEUの排ガス規制である「Euro7」は、もはや従来のエンジンでは達成が不可能だ。EUの環境委員会は、自動車はCO2を含めてすべての排ガスをゼロにしろといっているのである。自動車メーカーが打つ手はたったひとつ。生産車のすべてをEVにするしかない。もう、画期的なエンジンだったCVCCのようなエンジン技術の改良では自動車は生き残れない。

 次は価格だ。環境・エネルギー問題の解決にはEV化が必須だが、まだ高価である。安くするには1901年に始まった内燃機関自動車のような量産システムの破壊しかない。

 その方法には2つある。1つはEVの価格を高騰させている電池の低価格化だ。これは新型電池の登場で数年内に解決されるだろう。2つ目は水平分業システムだ。これも台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)に見るように始まりつつある。このシステムにEVのシンプルな構造が加わることで、内燃機関自動車の7割から5割のコストで生産できるようになる。日本も早急な対応が必須であるが、まだ内燃機関に軸足を置いている。

 おそらく数年でEVの生産地の中心は中国になるだろう。デトロイトでも、ドイツでも、ましてやEVシフトに10年も遅れた日本でもなく――。

自動車の歴史はめぐる

 米国のデトロイトで始まった自動車の量産の歴史は、日本、ドイツに移り、そして今や中国に移ろうとしている。そして、自動車の原動機も、蒸気から電気、内燃機関を経て、再び電気に変わろうとしている。しかも、情報の端末として使い方も大きく変わろうとしている。

 そろそろ日本の自動車産業は退役なのだろうか。それとも10年からの遅れを取り戻して、現在のGMのように再び輝きを取り戻せるのだろうか。だが、そのためには大きな決断と痛みが伴うトップの交代が必須だ。

(文=舘内端/自動車評論家)

●舘内端/自動車評論家

1947年、群馬県に生まれる。

日本大学理工学部卒業。

東大宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。

現在は、テクノロジーと文化の両面から車を論じることができる自動車評論家として活躍。「ビジネスジャーナル(web)」等、連載多数。

94年に市民団体の日本EVクラブを設立。エコカーの普及を図る。その活動に対して、98年に環境大臣から表彰を受ける。

2009年にミラEV(日本EVクラブ製作)で東京〜大阪555.6kmを途中無充電で走行。電気自動車1充電航続距離世界最長記録を達成した(ギネス世界記録認定)。

10年5月、ミラEVにて1充電航続距離1003.184kmを走行(テストコース)、世界記録を更新した(ギネス世界記録認定)。

EVに25年関わった経験を持つ唯一人の自動車評論家。著書『トヨタの危機』宝島社、『すべての自動車人へ』双葉社、『800馬力のエコロジー』ソニー・マガジンズ

23年度から山形の「電動モビリティシステム専門職大学」(新設予定)の准教授として就任予定。

 

キングオブコント王者が「パチンコ論」を熱弁!! ネット番組「パチフェッショナル」が大反響

 2006年より放送が開始された、NHK総合テレビの情報・ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」。文字通り、仕事に情熱を傾けるプロフェッショナルを紹介する番組には多くの視聴者が感銘を受けたが、2022年春の番組改編で月1の特番に変更された。

 これを受け、インターネットテレビ局・ABEMAの人気番組「チャンスの時間」では、勝手に「新しいパッケージ」を提案。そのリニューアル案は「パチフェッショナル 仕事の遊戯」といったもので、タイトルからも分かる通り、パチンコに魂を燃やすプロフェッショナルを紹介した。

「キング オブ パチンコ」。そんな仰々しい名で登場したのは、お笑いコンビ・シソンヌのじろう氏。かつてコントで頂を獲った男は、コントのネタや脚本、各種連載に追われる日々の中で、「締め切りがある時にやるパチンコが本当に最高」と語った。

■人気芸人が明かす独自のパチンコ論とは

 どうしても打てない状況時は、「まだ打ってない台のリーチ演出を調べる」など研究熱心。初めてのバイトも「パチンコ屋」だったそうで、昼間にパチンコ屋でバイトした後、「みんなでパチンコに行く」といった生活を繰り返していたそうだ。

 そんなじろう氏はホールへの入店前、倒れていた自転車を元に戻す、落ちていたゴミを拾う…といった行為で「徳を積む」のがルーティン。こうすることで、1回の大当りに繋がるのだという。

 入店後、じろう氏がチョイスした台はSANKYOの『Pフィーバーマクロスフロンティア4』。じろう氏はサンドへ「絶対に1万円札を入れる」のが決まりだそうで、「最高金額を入れることで台と向き合う」「礼儀をつくしている」のだそうだ。

 勝負開始から30分。何も動きが中、先に動いたのはじろう氏だった。おもむろに上皿へ左手を乗せると、パチンコ玉に触れる。その理由は「玉の温度の確認」だそうで、「温度とかも結構、気にする」じろう氏は「出てくる台が熱い台はあまり良くない」「台が“かかってる”」「前に打ってた人の“業”が乗り移ってる」とし、「連チャンしてる時は、玉は冷え冷え」と独自の見解を述べた。

「玉が熱い台は信用しない」。台移動したじろう氏が次に選んだのは、ニューギンの『Pベルセルク無双』。こちらも玉は熱かったものの、モチーフである原作は主人公「ガッツ」が戦うストーリーなだけに、「これがガッツの熱さだとしたら、台的にはいい」と判断し、続行を決めた。

 ハンドルを握りながらじろう氏は、「芸人になる前の24歳くらい」に経験したパチンコでの悲しきエピソードを披露。そのタイミングで大当りするとじろう氏は「台と通じ合えた」とし、パチンコは「ただの機械じゃなくて、心を持った生き物」と熱弁した。

 退店の際に一礼をしたじろう氏は、結果、1万1,500円のマイナス。ただ、じろう氏は「それ以上のものを得られた」とし、再び用意したビニール袋でゴミを拾いながら帰路に就いた。

【注目記事】
新台『ミリオンゴッド』に熱視線! パチスロ6.5号機の登場でアノ期待も高まる!?
パチスロ『吉宗』『押忍! 番長』シリーズも手がけた“不運続き”の名機とは!?
パチンコながら「AT級」の出玉増加システムを搭載! 高い満足感にハマる激アツRUSH!! 

映画レビュー「サタデー・ナイト・フィーバー」(ディレクターズカット 4Kデジタルリマスター版)

70年代ディスコブームに火を付けた伝説のダンスムービーが高画質で甦る。ジョン・トラボルタの圧倒的なダンスをぜひ大画面で。

投稿 映画レビュー「サタデー・ナイト・フィーバー」(ディレクターズカット 4Kデジタルリマスター版)映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

新台『ミリオンゴッド』一撃5000枚のインパクト再現に興奮! 動向に熱視線… パチスロ6.5号機の登場でアノ期待も高まる!?

 連チャンモード「真セブンラッシュ」のトータル継続率は約96%。ユニバーサルエンターテインメントは、YouTubeチャンネルにてパチンコ新台『P真バジリスク~甲賀忍法帖~』のPVを公開しました。

「発動=真セブンラッシュ突入」となる遊タイムや、パチスロでお馴染みの激熱モード「真瞳術RUSH」を搭載するなど魅力は満載。7図柄が押し寄せる衝撃が堪能できる「真」バジリスクスペックに、大きな反響が寄せられています。パチスロほどの評価を得られていない印象のシリーズですが、今作は快進撃を見せるかもしれません。

 同社のパチンコ機といえば、看板シリーズ『ミリオンゴッド』も始動し熱視線を浴びています。

 パチスロ分野において確たる地位を築いている『ゴッド』シリーズ。4号機の初代『ミリオンゴッド』は大きな衝撃を与えました。全設定共通1/8192で降臨する「プレミアムGOD GAME」は、約5000枚の獲得が見込める激アツ。今なお最高峰のプレミアムフラグとして認識されています。

 その系譜を継いだ続編及びスピンオフが誕生している『ゴッド』シリーズ。近年はパチンコシリーズも爆裂機として降臨していますが、最新作『Pミリオンゴッド-一撃-』は過去作と特徴が少し異なる仕様です。

 シリーズで初めて役物を採用しており、これでパチスロのモード移行を完全可視化。通常モードとなる「天空神殿&天空の門」、天国準備モードの「メデューサの砂時計」、そして(超)天国モード「最終王座の間」という3つの機構が搭載されています。

 GGは1セット約1000発の獲得が見込め、初当り時はGG5セット=約5000発が確定。初代パチスロ『ミリオンゴッド』の一撃5000枚のインパクトを再現した…そんな風にも感じてしまいます。

 初当り時の約1/5をクリアできれば、プラス5セットのループへと発展。GG中はパチスロの演出が踏襲されるなど、シリーズのファンであれば興奮できる要素は満載となっています。

 シリーズ定番の「GODフリーズ」「Amazing Grace」といった超激アツ要素も搭載。役物とパチスロの演出が高次元で融合した、魅力的なゲーム性を堪能できる日が楽しみですが…。

『ミリオンゴッド』シリーズといえば、やはりパチスロでの登場も期待したいところ。以前から最新作に関する噂はありましたが、最近になって再び話題にする関係者が増えてきた印象です。

 現在のパチスロシーンでは、自主規制や解釈基準の変更に伴う6.5号機も動き出している状況。このタイミングで「そろそろ動きがあるのでは?」と期待してしまうことも自然ではないでしょうか。

 6.5号機は2400枚規制の枚数上限定義を「一撃から差枚数」管理に変更。さらに有利区間も現行の「3,000G」から「4,000G」へと延長された仕様です。どのようなマシンが生まれてくれるのか楽しみで仕方がありません。

 そんなユーザーの期待を集める6.5号機で『ミリオンゴッド』降臨はあるのでしょうか。いちファンとして動向を見守りたいと思います。

(文=デニス坂本)
<著者プロフィール>
 企業の品質管理業務を経て、フリーライターの道へ。主に趣味であったパチンコ・パチスロの実戦記事を作成してきた。現在はパチmax!の編集部において、業界関係者から得た情報、約20年のパチンコ・パチスロ経験を活かした記事を紹介。インタビューやプレス発表会の記事なども担当している。

【注目記事】
【パチンコ新台】右打ちALL3800発ループの衝撃⁉︎ 玉の動きが命運を分ける待望の新作へ熱視線!!
P機初「天国モード」爆裂を発揮中だが…困惑するユーザーも!?―初打ち実戦速報パチンコ編―
甘デジ「2万発射程」のお宝台ツモを夢見るも…厳しい現実が突き刺さる!!

JRA桜花賞(G1)ナミュールとプレサージュリフトは「秒」で消し!? あの岡部幸雄や横山典弘でも越えられない死屍累々の「高すぎる壁」とは?

 10日、阪神競馬場で牝馬クラシック第1弾の桜花賞が開催される。今年の主役は、チューリップ賞(G2)で2歳女王サークルオブライフを下したナミュール(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)になりそうだ。

 前走のチューリップ賞では中団前目の内側に潜り込み、直線外に出して猛然と差し切ったナミュール。見事な騎乗を見せた横山武史騎手は、今や押しも押されもせぬ若手No.1ジョッキーだが、これが「桜花賞」となると、一抹の不安がよぎる。

 桜花賞には魔物が潜んでいる。ここ30年間で美浦所属騎手が桜花賞を勝利したのは、なんとたったの2回。そのうち1回は昨年ソダシの吉田隼人騎手で、吉田隼騎手は関東所属ながら関西を主戦場にしている騎手だ。

 吉田隼騎手以外で美浦所属騎手が桜花賞を勝ったのは、ここ30年で2010年のアパパネで制した蛯名正義騎手(現・調教師)だけという断然、関西騎手有利のレースなのだ。

 桜花賞が行われる阪神の芝1600mは、スタートしてから1コーナーまで短く、何とかして内に入ろうと馬が殺到してJRA屈指の難コースとして知られていた。2006年から外回りコースで行われるようになって緩和されたものの、未だ乗り慣れてない関東の騎手は結果を残せていない。

 あのレジェンドの岡部幸雄元騎手が8大競走で唯一勝ってないのが、桜花賞。これだけを見ても、関東の騎手にとって桜花賞が「高すぎる壁」であることがわかるだろう。増沢末夫元騎手、小島太元騎手、的場均調教師、横山典弘騎手といったG1を勝ちまくった関東のレジェンド達ですら桜花賞を勝てていない。

 現在、関東を本拠地にしている美浦所属騎手で、桜花賞を勝った経験がある現役騎手は誰1人いないのだ。

 今年の桜花賞で1番人気が予想されるナミュールの横山武騎手や、プレサージュリフトに乗る戸崎圭太騎手といった関東を主戦場にしている騎手に、果たしてフルゲートになった阪神1600mでロスなく馬群を捌いて回ってくることができるのかというと、それは疑問だ。

 実際、戸崎騎手は2015年のルージュバックで単勝1.6倍の大本命に推されたが、9着に大敗。2016年のラベンダーヴァレイで穴人気していたものの6着、2018年のプリモシーンで10着、2019年のレッドアステルで14着など、ここのところ桜花賞では不甲斐ない騎乗が続く。

 横山武史騎手も昨年、桜花賞に初参戦。後に戸崎騎手で秋華賞(G1)を勝つアカイトリノムスメで、ソダシを終始マークするも直線伸びずに4着に敗退。その後は乗り替わりになってしまった。

 ここ10年の桜花賞を見ても馬券圏内(1~3着)に美浦所属騎手が入ったのは、吉田隼人騎手を入れても5回。栗東所属騎手は24回(残り1回は短期免許の外国人騎手)という極端な結果になっている。ナミュールにしろ、プレサージュリフトにしろ、軸にして買うのは怖すぎる。

 もし買うのなら、2着付け3着付けのヒモにとどめておくのが良いのではなかろうか。

(文=パッパラー山中)

<著者プロフィール>
 皇帝シンボリルドルフの代表産駒トウカイテイオーの舞うようなフットワークに魅せられて競馬を始める。人生で1番泣いたのは前年の大敗から1年ぶりの復活勝利を決めた1993年の有馬記念(G1)。感動のあまり競馬場で泣いて電車で泣いて家で泣いた。馬券はパドック派。今までで1番「こりゃすんげえ馬体」と思ったのはサクラケイザンオー。

JRA「民事訴訟」に至った桜花賞(G1)から31年……。「ああ、終わったな」絶望の淵に立たされた松永幹夫と“裸足のシンデレラ”

 先週の大阪杯(G1)は、エフフォーリアとジャックドールの“2強”がまさかの共倒れ。5連勝中だったジャックドールは、G1の洗礼を浴び、5着に敗れた。

 2番人気の支持を集めたジャックドールだったが、アフリカンゴールドから厳しいマークに遭ったことに加え、「(右後肢を)落鉄していた」(藤岡佑介騎手)ことも影響したとみられる。

「落鉄とは、馬が装着している蹄鉄が外れることです。最近だと昨年のホープフルS(G1)でアスクワイルドモアが落鉄し、10着に敗れています。レース後に判明することが多いですが、ごくまれにレース前に落鉄が分かっていても、打ち替えができないまま出走することもあります」(競馬記者)

 最近だと、2016年のドバイシーマクラシック(G1)に出走したドゥラメンテが馬場入場後に右前脚を落鉄。馬が興奮状態にあったため、蹄鉄を打ち替えることができず、そのままレースに臨み2着に敗れるということがあった。

 そのとき鞍上を務めたM.デムーロ騎手は、「蹄鉄がなかったので何度も手前を替えていた」と話していたように、“裸足”で走ることは大きなマイナス要因になり得るといえるだろう。

 時折発生する落鉄をめぐってひと悶着あったのが、31年前の桜花賞(G1)だ。

 1991年4月7日、その年は阪神競馬場が全面改修工事中だったため、京都競馬場で桜の女王を決める大一番が行われた。

 そのレースで“悲劇のヒロイン”となってしまったのは、圧倒的なスピードを武器にデビューから5連勝を飾り、単勝オッズ2.8倍の1番人気に支持されたイソノルーブルだった。

 鞍上を務めたのは当時23歳の松永幹夫騎手(現調教師)。G1初制覇を狙っていたが、レース直前にハプニングに見舞われてしまう。

「出走予定時間が迫り、さあこれからという時でした。ターフビジョンに映し出されたのはイソノルーブルと下馬した松永騎手の姿。観衆がざわつく中、右前脚の蹄鉄が落鉄していることが判明し、装蹄師が蹄鉄の打ち替えをしようとしていました。

ところがレース直前のイソノルーブルは案の定、興奮状態。時間だけが過ぎ、場内も異様な空気に包まれていたといいます」(同)

 出走予定時刻を10分近く過ぎたころ。松永騎手がイソノルーブルに跨ると、ようやく発走のときを迎えた。このときJRAからは、「蹄鉄を打ち替えている」というアナウンスが2回あったものの、重要な“事実”については何の発表もなかったという。

 実はイソノルーブルは落鉄したまま、つまり右前脚が裸足のまま走ることになったのだが、これをJRAはアナウンスしていなかったのだ。

 関西G1のファンファーレが鳴り響き、18頭がゲートに収まると、イソノルーブルはまずまずのスタートを決める。それまで楽にハナを奪い5勝中4勝で逃げ切ってきた快速馬だが、この日は明らかに二の脚が鈍かった。

 鞍上が必死に手綱を押していくが、なかなかハナに立てないイソノルーブル。結局、道中は逃げ馬に並びかけるように2番手を追走した。

 3コーナーの坂の下りでも加速できなかったイソノルーブルを大外から捉えに行ったのが4番人気のシスタートウショウだった。道中は好位を追走していたが、3コーナー過ぎから一気に進出。楽な手応えのまま、先頭で直線を向くと、そのまま押し切り、デビュー4連勝で桜の女王に輝いた。

 一方、イソノルーブルは直線を向くと、早くもムチが飛ぶ絶体絶命の状態。後続勢も一気に押し寄せ、最後は1秒4差の5着でゴールした。

 レース後、イソノルーブルが裸足のまま走ったという事実が明るみに出ると、多くのファンが反発。イソノルーブル絡みの枠連を購入していたというファンの1人がJRAを相手取り、民事訴訟を起こす事態にまで発展した。

 当該ファンは、投票にかかった5000円の損害と、事実(装蹄の失敗)を観客に告知しなかった精神的損害を理由に、100万円の損害賠償を求めたが、裁判所はこれを棄却している(参考文献:木村光男『競馬事件簿』)。

 また、松永騎手は21年に『Number Web』(文藝春秋)に掲載されたインタビュー記事で「あの桜花賞のスタート前は、悔しいという気持ちにすらならなかった。ああ、終わったな、と思いました」と、絶望の淵に立たされた当時の胸の内を語っている。

 イソノルーブル陣営、そしてファンにとって何とも後味の悪い桜花賞となったが、“裸足のシンデレラ”はそのままでは終わらなかった。次走のオークス(G1)で逃げ切り勝ちを収め、24歳になった松永騎手にG1初制覇をもたらしたのだ。

 あれから31年、今年も春のクラシックの季節がやってきた。果たして今週末の桜花賞ではどんなドラマが待っているだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

青汁王子、生配信した手術「想像以上の大手術だった」…耳鼻科と形成外科のコラボ

青汁王子”こと起業家で人気YouTuberの三崎優太氏が3月21日、格闘技大会「BreakingDown」で“会津伝説の喧嘩屋”こと久保田覚選手と対戦し、注目を浴びた。その試合で久保田選手からのパンチを受け、眼窩底骨折と鼻骨骨折の重傷を負い、手術を行った。

 当初は大学病院での治療を検討したが、日程の調整がつかないことと保険の適用上、大学病院での手術では眼窩底骨折と鼻骨骨折の同時手術が難しいことから、東京美容外科・麻生泰医師のコーディネイトで自由診療による手術を受けた。手術当日は、YouTubeで手術の様子を麻生医師らの解説とともに生配信し、日本の医療においても新しい風を吹き込むものとなったに違いない。

 この手術の直後、三崎氏に電話で話を聞いた。

想像以上の大手術

 三崎氏に取材を事前に申し込んでいたものの、配信された動画を見てもわかるが想像以上の大手術だったため、しばらく取材は難しいだろうと思っていた。だが、手術翌日の夕方、三崎氏から連絡があった。

「術後にご連絡できず、申し訳ありませんでした。まだ腫れているため話しづらく、聞き取りにくいかもしれませんが、取材をお受けできます」

 術後の腫れや痛みがあるなか、誠意溢れる言葉に恐縮しながら取材を進めることにした。

「本当に思っていた以上の大きな手術でした。昨日は19時から配信する予定でしたが、できる状態ではありませんでした。しかし手術は無事、成功に終わり、ホッとしています」

 BreakingDownでは、残り30秒で確実に三崎氏のパンチが久保田氏に入った場面もあったが、惜しくも負け試合となった。試合中、三崎氏の顔は鼻血と目の周りのアザで痛々しいものだった。

「久保田選手からのパンチを顔に受けた瞬間、目に関しては『折れた 』と感じました。その瞬間は目に強い痛みがありましたが、その後は試合が終わってもしばらくは痛みを感じませんでした」

 試合中はアドレナリンが分泌されていたことからあまり痛みを感じず、骨折を自覚しながらも全力で戦ったようだ。試合が終わり、負けた悔しさがこみ上げてくるとともに痛みが強くなっていったという。

エキスパートなドクターチーム結成

 大学病院での手術では今回の2つの手術を同時に行えないことと、術後4~5日の入院を要することから、親交のある麻生医師に相談し、耳鼻科と形成外科のエキスパートによるドクターチームが結成された。

 三崎氏の怪我は、眼球が収まる頭蓋骨の中の眼窩(左右の窪んでいる場所)を構成する骨を骨折した眼窩底骨折であり、その状態について執刀医の山本崇弘医師は配信のなかで、次のように説明している。

「眼球に圧がかかったことによって、眼窩底という目の窪みの床の部分が結構な範囲で抜け落ちてしまい、眼球の内容物(眼球を動かす筋肉や神経、血管や脂肪組織など)が眼窩の奥に落ち込んだ状態になり、目が窪んでしまいます。三崎さんは現状、目の窪みがある状態なので、眼窩の床の部分の修復を行います」

 耳鼻科の手術については、試合で負った鼻骨骨折はわずかであったようだが、以前から鼻中隔湾曲(鼻の軟膏の曲がり)があり、全身麻酔の手術を行うため、この機会に鼻中隔湾曲の手術も行うことになった。また、鼻中隔湾曲の手術を同時に行うことには大きなメリットがあったと、山本医師が配信で解説している。

「耳鼻科の先生が鼻中隔、鼻の軟骨の曲がりを修正する手術を(内視鏡を用いて)行っていますので、同時に内視鏡によって鼻の中から眼窩の骨折の裏側を見ることができ、目の修復がより正確に安全にできるため、耳鼻科と形成外科のコラボの手術になっています」

 三崎氏が「思った以上に大きな手術」と漏らしていたが、事実、大きな手術であり、一般的に失敗が起きる可能性もある手術である。配信中に失明の可能性について問われると、麻生医師と山本医師が一斉に答えた。

「失敗しません」

 BreakingDownに出場したことについて三崎氏は、「代償が大きすぎた」との声がSNSなどでは上がっているが、まったく後悔はないという。

「勝ちにいった試合に負けたことで非常に悔しいと感じましたが、怪我をしたことを含め後悔はありません。怪我などの危険も事前に納得し、サインをして挑んだ試合ですし、挑戦してよかったと思っています」

 今回の手術では、アンチエイジングの糸リフトも行い、仕上がりが楽しみだという。

「糸リフトはしましたが、現在は、まだ目と鼻の手術による出血や鼻水、腫れもあり、糸リフトによる変化がどうなるかはまったくわからない状態です。2週間程度で治るといわれています」

 試合後にはリベンジしたいという気持ちを漏らしていたが、今回、眼窩底骨折の手術をした以上、ドクターストップがかかるだろう。

 3月29日に33歳の誕生日を迎え、今後も挑戦を続けると公言する三崎氏。さらなる活躍が楽しみだ。

(文=道明寺美清/ライター)