パチスロ6.5号機『鉄拳5』適合に熱視線…2400枚を超えた出玉にも期待!!

6.5号機『鉄拳5』適合…ファンから期待の声が続出!!

 老舗パチスロメーカー「山佐ネクスト」の勢いが止まりそうにない。

 同メーカーは6号機市場において強烈な存在感を示してきた。その最たる例が『パチスロ鉄拳4デビルVer.』であろう。

 AT「デビルラッシュ」は平均1500枚というパチスロ史上トップレベルの出玉性能を搭載しており、フリーズ経由ならば平均2000枚という悪魔的な威力。そのフリーズも「デビルゾーン」中は大幅アップと魅力に溢れている。

 同社といえば『スーパーリノSP』の存在も忘れてはならない。状態中はリアルボーナスが約1/5という超高確率が魅力。伝統の「リノシリーズ」のゲーム性はそのままに、今作はトマト揃いに「1/2」や「確定トマト揃い」などバリエーションも存在する。

 スタンバイしている新機種も話題だ。山佐ネクストは3月に新台『パチスロ ゼーガペイン2』を発表。AT集中モード「ゼーガシステム」のゲーム性で人気を博した5号機『パチスロゼーガペイン』の後継機だ。

 5号機ではAT機であったが、今作は「A+AT」タイプとのこと。基本的なゲーム性は前作を踏襲。通常時は主にレア役や規定G数からボーナスおよびCZを目指すゲーム性となっている。

 導入は5月初旬を予定。前作のファンは多く、期待を寄せている様子だが…。

 名機の後継機発表に興奮が冷めやらぬ間に、新たなニュースが舞い込んできた。新台『パチスロ 鉄拳5』が6.5号機スペックで適合したという。

適合を記念したキャンペーンが開催中! 気になる仕上がりは…

 4月8日、山佐ネクスト公式Twitterアカウント「山佐PR情報局」は6.5号機『パチスロ鉄拳5』の適合に伴い、適合記念フォロー&RTキャンペーンの開催を発表。反響が寄せられている状況だ。

 キャンペーンの内容は、抽選で5名に1万円分のアマゾンギフト券をプレゼントするというもの。応募方法は同アカウントをフォローし、キャンペーンの投稿をリツイートすることで完了。締め切りは、4月18日(月)の23時59分で、当選者には直接DMで通知されるようだ。興味のある方は参加してみてはいかがだろうか。

「鉄拳チャンス」は今作も本当にチャンスなのか!?

 ツイートの中には「甦る2ndの血統」というキャッチフレーズも記載されており、ユーザーの間では『パチスロ 鉄拳2nd』を彷彿とさせるゲーム性が期待されているようだ。

『パチスロ 鉄拳2nd』といえば5号機A+ARTを代表するマシンの一つ。上乗せ0G連「鉄拳アタック」やプレミアムART「デビルラッシュ」など魅力溢れる性能で人気を獲得し、「鉄拳チャンスは本当にチャンスなんだから」という台詞はスロッターの間で大流行した。

 今作『パチスロ 鉄拳5』は6.5号機ということで、2400枚を超えた出玉にも期待できるだろう。現在では疑似遊技が可能となっているため、0G連「鉄拳アタック」の搭載も期待したいところだ。詳しいスペック等は4月12日時点で未発表。今後の動向に注目したい。

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甘デジ「必ず電サポ70回」で優秀台の判別ポイントも多彩! 連チャンを手にして爆釣を目指せ!!

パチンコを代表する人気コンテンツには様々な「物語」が存在

『海物語』にはいつくか派生タイトルがある。そもそも『海物語』自体が『ギンギラパラダイス』の派生だったはずなのに、運命とは面白いものである。そのひとつは『海』が夏をイメージするならその反対の冬をテーマにと誕生した『雪物語』。おなじみのキャラがスノーリゾートを満喫する。

 そして、海の対義語となる山を舞台にした『清流物語』。山にある水モノの「川」を舞台に釣りを楽しむ内容の機種となる。この『清流物語』も人気シリーズとなり、現状ではナンバリングを『3』にまで伸ばした。

PA清流物語3』は、大当り確率の設定が6段階の甘デジタイプとなる。確率は『海』系にしては低めとなっており、設定1~3までは1/100を越える。一方、最高設定は約1/89.7と破格で、1と6の分母の差が20もあるのが特徴。

 必然、高設定ほど勝率が高くなり、その見極めが重要なポイントであり、本機をプレイする醍醐味にもなる。

優秀台の判別ポイントは多彩

 演出から推測する設定示唆要素は3つ。まずは「白系予告」で、白い泡予告や白の魚群が出現すると前者は設定2以上、後者の場合は設定4以上が濃厚となる。いつもと違うカラーの予告が出現すればチャンス。

 予告でいえばもうひとつ。ひまわりモード限定の演出になるが、大当りを告知する画面両側のひまわりに注目。リーチ時に大きくなると設定2以上濃厚。サングラスをかけるパターンなら設定4以上を期待できるようになっている。

 最後はエンディング演出。スペシャルタイムの際の大当りエンディングでキングヌシが出現すれば高設定濃厚、さらにチャンスタイムのエンディング画面で夜背景が頻出するようなら高設定への期待度がアップする。

 肝心の連チャンはV-ST仕様。ただ、右打ち中も確変突入率が80%と通常大当りの可能性があるのがミソ。設定差と状態差の複雑な組み合わせによってドラマチックな出玉模様を形成していく。

 ST or 時短の「清流スペシャルタイム」、継続率は前者であれば73%~79.9%と充分な連チャン性を持つ。時短の場合でも70回転が付与されるので引き戻し率が高いのもポイントである。

 また、初当りでST非突入時の場合も70回転の時短となり、その引き戻し率は約47~54%とかなり期待感をもって臨めるの大きいだろう。当たればとにかく70回転の電サポモードに突入するのである。

 さらに、確変割合が高い分、一度電サポモードに突入させればどうにかなっちゃうパターンも多い印象。甘デジや『海』系といったイメージからは結びつかない爆裂性を有する。

 ただ連チャン性を押し出した分、出玉感は控えめ。最大出玉となる10ラウンド約1000発は右打ち中の5%のみ。メインとなるのは6ラウンド約600発の大当りとなる。

 静かな水の流れを想像する機種名からは程遠い、山の上流に位置する激しい水勢となる本機。出玉の爆釣を狙うマシンなのである。

(文=大森町男)
<著者プロフィール>
 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA皐月賞(G1)武豊「レースを壊す馬がいて…」恨み節こそ勝利のフラグ!? ドウデュース好走はM.デムーロが伏線、「春の嵐」勝ち馬条件も難なくクリア

 今週末に牡馬クラシックの皐月賞(G1)が控えている中央競馬だが、今年の春は近年稀に見る波乱が続いている。

 2017年から大阪杯がG2からG1へと昇格し、4週連続で行われるようになった春のG1開催。高松宮記念のレシステンシア(6着)、大阪杯のエフフォーリア(9着)、そして桜花賞のナミュール(10着)といった1番人気馬が悉く敗れた。

 今年を含めて6年の間で7番人気以降の伏兵が3連勝したのは初のケース。混戦模様の皐月賞だけに、この「春の嵐」に巻き込まれる可能性は十分にある。

 何といってもファンの注目は、武豊騎手がコンビを組むドウデュース(牡3、栗東・友道康夫厩舎)がどのような走りを見せるかだろう。『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると1番人気が濃厚。桜花賞(G1)でハナ差の2着に敗れた武豊騎手としても、力の入る一戦となる。

 そんな武豊騎手とドウデュースのコンビにとって、強力な援護射撃となりそうなのが、実はこの波乱続きの傾向なのだ。

 1番人気馬の連敗ばかりがクローズアップされているものの、人気を裏切った馬と穴を開けた馬にちょっとした「共通点」があったことにも触れておきたい。

 一つ目は、高松宮記念のナランフレグ、大阪杯のポタジェ、桜花賞のスターズオンアースといった勝ち馬が前哨戦で敗れていたことだ。本番で巻き返しに成功した各馬は、敗戦の中でも次走の課題をしっかりと克服しての戴冠だった。

 二つ目は、人気を背負った各馬が中間の調整や当日の馬体重などに不安を抱えていたことだ。直行で挑んだレシステンシアやエフフォーリアは、特にこの影響が大きかったのではないか。

 三つ目は、前走を勝利した馬が敗れていること。馬券に絡んだのは高松宮記念2着のロータスランドと大阪杯3着のアリーヴォのみ。桜花賞は1頭も掲示板に載れなかった。

 そう考えると前哨戦であるチューリップ賞(G2)で5着に敗れた際、武豊騎手から「次に向けていいレースだった」と前向きなコメントが出され、陣営が「過去一番」の仕上がりと自信を持っていたウォーターナビレラの好走も頷ける。

「春の嵐」勝ち馬条件も難なくクリア

 そして、これは弥生賞ディープインパクト記念(G2)を2着に敗れたドウデュースにも当てはまる。武豊騎手はレース後に「トライアルとしてはいい内容だった」と前向きな評価。中間の状態にも陣営は「言うことがない」と状態に絶大な自信を隠さなかった。

 これだけでも既にウォーターナビレラと似たような状況にあるといえるだろう。

 また、偶然にも桜花賞と皐月賞それぞれの前哨戦で武豊騎手が苦戦を強いられた理由とM.デムーロ騎手が関係していたことにも注目したい。

 チューリップ賞のウォーターナビレラは、前にいたデムーロ騎手のサークルオブライフが壁になる格好で脚を余し、武豊騎手曰く「ミルコの馬がモタモタして仕掛けが遅れた」敗戦だった。

 さらに弥生賞のドウデュースは、勝負どころとなった3~4コーナーで外からマクったデムーロ騎手のロジハービンに影響を受け、このときにも「レースを壊す馬がいて……」と悔やんだように、どちらのレースでもデムーロ騎手への恨み節が出ていた。

 とはいえ、敗れたことにより春のG1で人気を裏切った馬のパターンを回避し、勝ち馬の条件を難なくクリアできたのも事実。これがもしウォーターナビレラが桜花賞を好走した伏線となっていたなら、ドウデュースで挑む皐月賞にとっても勝利のフラグとなるかもしれない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

JRA「武豊ブチ切れ」疑惑にファンもビックリ!? 桜花賞(G1)前にマイクが拾った厳重注意に波紋……

 先週末に行われた桜花賞(G1)でハナ差の2着に敗れたウォーターナビレラ。武豊騎手と武幸四郎調教師による兄弟G1制覇は、ゴール寸前でお預けとなった。

 レース後、武豊騎手は「今日は全てうまく行きました。状態も今までで一番良かったですし、返し馬もゲートもペースも思い通りでしたし、悔いのないレースでした」と語っていた。

 ところが、“全て”がうまくいったわけではなかった可能性もあるという。

 レース直後からSNSなどでは、ある出来事が話題になっている。それは発走前の輪乗り中に発生したという。

「毎週日曜日の競馬中継を担当する関西テレビが運営する『カンテレ競馬』が、YouTubeチャンネルで桜花賞の密着動画をライブ配信していました。当該動画は現在、公開されていないようですが、SNSに切り抜きが上げられています」(競馬誌ライター)

 Twitterに上げられた動画は桜花賞の直前に輪乗りを行う人馬を捉えたそのシーンだった。見た目にはいつもと変わらない光景に見えるが、中継マイクがある人物の発言を拾っていたようだ。

「あんま動くなって、カメラマン……。カメラ、あんま動かさんといて」

 映像を確認してみたところ、どうやら待機所付近にいた関係者が撮影していたカメラマンに注意を促した声のようだが、かなり声を荒らげているような雰囲気だった。

 さらにTwitterでは、この声の主が武豊騎手なのではないかという声が複数あった。仮にもし武豊騎手だったとすれば、本騎手にしては珍しく強いトーンで注意をしたということになるだろう。

 普段は温厚な性格で知られる武豊騎手だが、勝負へのこだわりは人一倍強い。過去には進路妨害による降着制度に歯に衣着せぬ発言も少なくなかった。今回と少し似たケースでは、エアグルーヴで臨んだ1996年秋華賞(G1)のパドックでのフラッシュ事件を思い出したファンもいただろう。

「映像の現場に居合わせたわけでないので具体的にカメラマンがどういう動きをしたのか、声の主が誰なのかは確認できませんでしたが、少なくとも輪乗りはレース直前に行われますし、G1ということで場の緊張感もマックスという状況でしたからね……。馬に少しでも悪影響を与えかねない動きがあれば、現場の人間が注意するのは当然でしょうね」(同)

マイクが拾った厳重注意に波紋……

 今回の動画を見て、武豊騎手だと思ったファンからは「これだけ怒っている豊さんを見たのは初めて」「豊さんも声を荒げる事あるんだ」といった驚きの声が出ていた一方、「カメラマンもいい画が撮れないと怒られるからな」など擁護する声も見られた。

 また、レース直前のカメラマンの動きをめぐっては、先月行われた高松宮記念(G1)の返し馬での出来事も記憶に新しい。馬場入場でスタンド前にいたダイアトニックが何かに驚き、暴れたシーンがあった。鞍上の岩田康誠騎手が危うく落馬しそうになった一件だ。

 後日談として、岩田康騎手は『日刊スポーツ』の取材に、「カメラマンやねん。前に出てきたカメラマンに(ダイアトニックが)反応して」と、落馬寸前の状態に陥った経緯を説明している。

 騎手が競馬界のプロ(勝負師)なら、それを撮るカメラマンもプロであるべきなのは当然のことだろう。敏感なサラブレッドに関わる以上、ファンも含めた全員が細心の注意を払って観戦するようにしたいものだ。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

業界最大手なのに非上場、赤字の東急ハンズ買収…カインズ、強さの秘密は変な経営

 ホームセンター最大手のカインズ(埼玉県本庄市、非上場)は3月31日付で東急不動産ホールディングス(HD)の子会社で雑貨店チェーンを展開する東急ハンズ(東京・新宿区、同)を傘下に組み入れる。買収額は200億円超とみられる。

 東急ハンズは1976年の創業。ホームセンター(HC)業界で独自の地位を築いてきた。多くのHCが郊外に大型店舗を構えているのに対し、東急ハンズは渋谷、新宿などの都心部の店舗が中心だ。DIY用品のみならず雑貨の品揃えが豊富で若者文化の発信基地となっていた時期もある。

 郊外型のHCはコロナに伴う巣ごもり需要の恩恵を受けた。都心型の東急ハンズはコロナ禍の直撃を受けた。インターネット通販の普及やコロナ禍の外出自粛で業績が悪化、21年3月期の連結売上高は前期比35%減の631億円、営業損益段階で44億円の赤字(20年3月期は2億円の黒字)に転落した。プライベートブランド(PB)の比率が低く、バイヤーの目利きに頼る経営だっただけに逆風には弱かった。21年10月には老朽化が進む主要店の池袋店を閉鎖するなど収益改善を急いでいたが、親会社の東急不動産HDはグループ内で事業価値を高めることは難しいと判断。売却に踏み切った。

 カインズは群馬に本拠を置くベイシアグループの扇の要(かなめ)の1社だ。ベイシアGは土屋嘉雄氏が1958年、群馬県伊勢崎市で服地店として創業した「いせや」をルーツとする。主要6社を中心に28社で構成されている。

 食品スーパーのベイシア、ホームセンターのカインズのほか、アウトドア衣料チェーンで急成長中のワークマンを擁し、ワークマンが唯一の上場会社である。グループの店舗数は1946店、売上高は1兆320億円(22年2月末時点)。年商1兆円を超える小売りグループは10社未満だ。イオン、セブン&アイホールディングス、ファーストリテイリングといった知名度の高い上場企業のなかで、株式を上場していないベイシアGは異色の存在だ。

 売上規模が最も大きいのがホームセンターのカインズだ。21年2月期の売上高は4854億円。DCMホールディングスの4711億円(21年2月期)、コーナン商事の4420億円(同)を上回り、ホームセンター業界でトップだ。嘉雄氏はグループ各社が互いに競争して独自性を競う「ハリネズミ経営」を標榜してきた。グループ企業同士が出店用地を取り合うことも是としてきた。M&A(合併・買収)に頼らず、グループ各社が独自性を磨きながら尖ることを徹底してきた。

 こうした大きな流れから見ても、東急ハンズの買収はイレギュラーに映る。カインズの高家正行社長は21年12月22日に開いた会見で、「これまでカインズでM&Aはしてこなかった。市場が飽和するなかで、単純な規模拡大を追求しないというのが基本だ。(東急ハンズに関しては)買収というよりパートナーとして迎え入れた。家事や料理をきっかけにカインズに来る。困りごとを解決するために東急ハンズに行くようにしたい。両者が連携し、より良い暮らしを根付かせたい」と抱負を語った。東急グループを離れたため、東急ハンズという店名を変更する可能性もある。

 ベイシアGがM&Aに経営の舵を切ったことは間違いなく、東急ハンズのM&Aが経営戦略の大きな転換点になる。

「IT小売業」を目指す

 19年、カインズとワークマンの会長を退任した嘉雄氏は現在、グループ全体の舵取りを担う。替わって嘉雄氏の長男でカインズ会長を務める土屋裕雅氏が経営の第一線に立つ。ベイシアGは持ち株会社を持たないため、裕雅会長が実質的なグループのトップと位置付けられている。

 裕雅会長は流通業界きっての改革派として知られる。カインズの社長に就任して6年目の07年、「SPA(製造小売り)宣言」をし、PBに力を入れる変革を進めた。独自性の高いPB商品をテコに安売り競争とは一線を画し、ホームセンター業界のトップの座を手に入れた。

 裕雅氏が現在、最も力を注ぐのがグループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。18年、カインズの高家社長と一緒にデジタル技術を駆使する小売業を目指す「IT小売業宣言」をした。19年からITエンジニアを大量採用するなどDXの組織づくりにカネも時間もかけた。

 カインズにもウイークポイントがある。郊外が主力で、男性客が圧倒的に多いことだ。都心部に店舗を持ち、趣味嗜好性や話題性の高い商品を扱う東急ハンズを手中に収めることは、経営戦略上、大きな意味を持つ。東急ハンズの来店客の男女比率は、6対4で女性のほうが多い。

 ベイシアGは東京・表参道にIT部隊の拠点を設立。10万品種に及ぶ商品が売り場のどこにあるかが一目でわかるアプリを開発するなど「IT小売業」の肉付けを急いでいる。DX戦略と東急ハンズをどう結びつけ、1プラス1を3にすることができるかだ。買収後、最初の試金石となる。

(文=Business Journal編集部)

 

×3の鉄則 〜考えつづけることについて~

地球からの挑戦状

自分のところに来た仕事を3倍にする

ずいぶん前からふたつのことを強く意識して仕事をしてきた。「面白い企画をつくること」と、「それを面白いと気づいてもらう工夫をすること」だ。

同じような面白さのものを作っても出稿量で負けているなあと感じたり、タレントパワー満点なものをみると自分の仕事がどうにも貧弱に見えてしまったり。そもそもテレビの視聴率そのものが下がり始めていて、せっかくいいアイデアを思いついてそれが形になっても、思ったほど響かなかったり。それをなんとかしようともがいていた。ふんだんに予算のある仕事への反抗心も強かった。

その頃は、「2回企画をする」とよく言っていた。モデルチェンジのCMを作ったらそのオンエア直前に旧作をすこし流すとか、オンエアのタイミングを他の出来事と重ねたりして世の中の文脈の半歩前くらいを狙ったり、他のメディアとの絡みを仕掛けでつくるとか、ワイドショーで継続的にとりあげられる工夫を映像のなかにしてみたりしていた。まだネットで動画がストレスなく見られる時代じゃなかったから、SNSではなく、メディアが軸だった。企画の弱点をどう補うか、ということだったりもする。だから撮影や編集と同じくらい工夫を大切にしていた。

僕らに求められるのはシンプルに言うと、売れることと愛されるきっかけをつくることだ。だから、そのためにできることを最後の最後までやりつづける。一方で、当時は、広告の文法を壊しただけのものを「新しい」とうたうものも多かった。それが苦手だった。文法の破壊は新しい文法で行うべきで、壊すだけのものをクリエイティブだとはどうしても思えなかった。だから「2回企画する」と言い続けて両立を目指していた気がする。できていたかどうかはわからない。ただ、しつこく考え続けた。その習慣は今になって振り返ると、クリエイティブの領域を拡張する意識の種火のようなものになっていた気もする。

最近はよく「×3の鉄則」と言っている。これは、自分のところに来た仕事を3倍にするという、そのまんまの意味だ。

オリエンがあってその商品の広告を考える。その広告が面白く見えるための工夫を考える。それを形にする。依頼を達成するために余計なことを考える。依頼には予算があるから、追加をもらえない場合は、それなら、というアイデアをひねりだす。A社だけで解決できない課題をB社や、メディアを巻き込んだ形でなら、と考えてみる。

秘訣(ひけつ)を簡単に言うと、①ふくらませてみる。②くっつけてみる。③つづけてみる。そうこうしているうちに、およそ無関係だと思っていた自分のなかの案件AとDがくっついてまったく違う角度からのプロジェクトが動き出したりする。これが実に楽しい。人間、誰かから言われた仕事より自分で思いついた仕事のほうがテンションがあがるものだ。

若い世代にも早くからこの思考のクセをもってもらいたくて、意識的に「×3にするアイデア」をだすように話している。経験を積んで、知り合いが増えていくと、スケールが大きくなり、実現確率もあがるものだったりする。「×3」をナチュラルにできるようになると、自分も、巻き込まれた人たちも笑顔になる。

地球からの挑戦状

大切なのは「考え続ける力」

最近、マガジンハウスのみなさんと学習マンガをつくった。小学校低学年から中学年の子どもたちのための本だ。コロナ禍が始まったころ、とある漫画家の遺作の相談を受けた。世に出ていない5ページほどのキャラクターや思いが描きこまれたもので、それを何か形にできないかというものだった。そこで、学習マンガにしたらいいかもしれないと思いついた。それは紆余曲折があり頓挫したのだが、そのプロセスで出会った編集のひとたちと「学習マンガ」をつくってみようという話になった。

地球からの挑戦状
最初のメッセージ

一番大切にしたのは「正解のない問題」を考え続ける力の必要性を伝えることだ。地球の環境問題はまさにそれで、何かをやったから終わり、にはならない。人が生きていく限り、意識をもって考え続けなければいけない。このマンガは、地球の環境問題と完全にリンクしたもうひとつの惑星の危機を救うために活躍する3人の子どもたちが主人公で、どこかゲーム感覚で進んでいく。

僕たちは勉強=テストという仕組みのなかで大人になった。今の大学生たちと話していると、カリキュラムそのものはだいぶ改善されていることが伝わってきて、彼らには思考のための筋肉があって安心するのだけれど、学ぶことの面白さや意味を小さいうちに知らずにいると、なかなかそうはなれないのではないだろうか。環境の問題は経済や文明とセットで考えると、○×で判断できるものではない。

本書に登場していただいた早稲田大学の大河内博教授のお話を伺っていると、自分の考えの浅さを思い知る。たとえば、ペットボトルをすべて再生可能なアルミとかガラスにすると、その輸送時にガソリンが想像以上に必要になったりする。問題は流動的で、柔軟に考え続けて、対応していかないといけない。レジ袋の削減だけやったって、と思ったりもするが、でもその新しい習慣が新しい配慮の意識の導線になっていたりもする。世界は◯×で判断できないことだらけだ。だから考えつづけることは大切だ。

地球からの挑戦状
アース・ドクター 大河内教授 (早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 教授)
様々な環境問題について、客観的に考える視点を子供たちにくれる存在としてマンガのなかに
登場していただいている。

「地球からの挑戦状」について考えつづける

ひとは答えを急ぐ。成果を数字にしたがる。でもそれだけだと、解決へのスピードはあがっていかない。環境の問題に対して、私たちはどうしたらもっとリアリティをもてるだろうか。今こうしている自分の部屋にもたくさんの環境を傷つけた結果がある。それをゼロにはできない。でも減らすことはできる。だからといって「減らすと何かもらえる」みたいな仕組みをつくっても、なんのためにそれをやっているのかがインプットされないと継続しないだろう。それは、やらないよりやったほうがいいことであることは間違いがないが、手段と目的を混同させると世の中は本当の問題についてやがて考えなくなる気がする。どこか問題にリアリティを感じにくいことが原因かもしれない。解決できない問題について努力し続けることはなかなかむずかしい。それを自然に自分のこととして感じるにはどうしたらいいのだろう。

この本をつくるプロセスでたくさんの勉強をした。けれど、知れば知るほど途方に暮れている。非力さを思い知る。自分にできるのは、この本を×3にして、「何ができるか」を考えるひとを増やすことなのかもしれない。みんながSDGsをブームにして消費してしまわないように、当然のことにしていくことかもしれない。これで解決!とならない問題を前に無力感から目を背けてしまわないようにすることかもしれない。まずは自分が、だと本当に思う。

「地球からの挑戦状」というタイトルはマガジンハウスの編集、大島加奈子さん のアイデアだ。このタイトルにいろんなものが集約されている気がする。このタイトルをもったたくさんのアクションを今、はじめている。幅広く、長く続けていきたいと思っているので、アイデアのある方はぜひご連絡ください。

このマンガはアートディレクターの平田優さんが描いてくれた。キャラクターデザインだけでなくすべてのコマ割りまで。広告クリエイティブの才能は本当にすごい。広告の人間がマンガを描くという視点での話は、またどこかで平田さんを交えてしてみたいと思う。

書籍の概要はこちら

原作:高崎卓馬
電通グループ グロース・オフィサー / エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター
JR東日本「行くぜ、東北」、サントリー「ムッシュはつらいよ」など数々の広告キャンペーンを手がける。著書に、「表現の技術」(中央公論新社)、小説「オートリバース」(中央公論新社)、絵本「まっくろ」(講談社)などがある。J-WAVE BITS&BOBS TOKYO ではMCを担当。
 
作画:平田優
2004年、武蔵野美術大学 絵画科油絵卒業。国内外のさまざまな企業のオリジナルキャラクターを開発。水彩を使用した作品をメインに、立体など、アート作品も制作。東京のギャラリーにて個展やグループ展などで展示を行っている。

アース・ドクター:大河内博
早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 教授
大気水圏環境化学研究室でガイア(生きている地球)の健康管理を目標に、水・物質循環の視点から環境化学研究を展開。フィールドは、富士山、丹沢、生田、福島、カンボジア。『空気・水・森林の化学情報を解読し、人と自然の共生を探る』がモットー。アース・ドクター(地球医)の育成を目指している。

マツダ、世界の潮流に抗う「CX-60」投入…内燃機関で驚異的な燃焼効率を実現

 マツダが飛躍のためのラージ商品群戦略を発表。その内容は、メーカーの常識を超えたビッグプロジェクトだった。特に、起爆剤になるミドル級SUV「CX-60」を披露した。

 まず驚くべきは、直列6気筒3.3リッターディーゼルターボエンジンを開発したことである。衝突安全要件を満たすため、あるいは環境性能を高めるため、各メーカーは小排気量化、ダウンサイジングに傾くか、内燃機関離れに突き進む。だがマツダは、徹底した内燃機関へのこだわりを示す。

 それを声高に語るように、直列6気筒エンジンを開発したのである。もちろん、安全性や燃費性能を飛躍的に高めることに成功したからこその英断であることに疑いはない。

 しかも、48Vバッテリーモーターを組み合わせている。欧州のプレミアムモデルでは常識になりつつあるシステムだが、国産モデルでは例を見ない先進システムと合体させているのだ。

 さらに、トルクコンバーターを使用しない8速ATを、新規に自社開発したというのだから腰を抜かしかける。加えて、エンジンからミッションを経由してリアタイヤまでが縦に並ぶ、縦型のプラットフォームも開発している。

 近年の自動車開発の流れは、ひとつのプラットフォームを伸ばしたり縮めたりしながら車格に対応させる流用システムが常識化している。パワーユニットも共通。ユニットに汎用性を持たせることで開発費を抑え、安価に利益率の高いモデルをゴソゴソとリリースするのが風潮になっている。

 だというのにマツダは、その流れに背を向けるかのように、すべてを同時開発したのだ。つまり、社運をかけた決定ともいえるのである。CX-60はその急先鋒なのだ。

 幸運なことに、開発中モデルに試乗する機会を得たのだが、その完成度は驚くばかりである。エンジンはディーゼルであることがわからないほど滑らかであり、サウンドが気持ちいい。新開発のミッションは、流体パワー伝達のトルクコンバーターを取り払ったことで、スポーツカー用変速機のような小気味よいレスポンスを示す。まるで、一部のスーパーカーが採用している2ペダルマニュアルであるかのようなレスポンスと効率なのだ。それでいて低回転域では優しく振る舞う。

 それだけでも十分に商品性があるのに、ハンドリングも秀逸である。前後のロールバランスを整えていることで、SUVとは感じないほど軽快なフットワークを披露する。重心の高いSUVの悪癖の一つであるピッチング、いわゆる前のめりが少ない。操縦安定性すらもスポーツカー風なのである。

 それでいて、もちろん乗り心地も優しく、加速感にトゲがなく素直なフィーリングで、上級SUVとしての資質は高い次元で整っているのだ。

 世界の自動車メーカーはカーボンニュートラルに向けて歩みを早めている。その代表例が、たて続けのEVデビューである。もちろん、マツダも2025年頃には純粋なEVの投入を予定しているのだが、それまでの期間はまだ長く、内燃機関の力が必要だと考えているのである。だからこその新開発ディーゼルエンジンの投入なのだ。48Vのバッテリーモーターと組み合わせることで驚くほど高い燃焼効率を実現し、内燃機関でもカーボンニュートラルに貢献できることを証明したのである。

 CX-60が市場投入される夏から、マツダの反撃が始まる。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

国民には求めるオンライン会議も拒否…国会と国会議員のITスキルがゼロに等しい実態

2022年3月23日は歴史的な日となった

 2022年3月23日、ウクライナゼレンスキー大統領が国会で初のオンライン形式の演説を行った。その演説内容はさておき、「国会でオンライン形式の演説が行われたこと」が歴史的であった。もちろん、喜んでいるのではない。今頃何をやっているだと嘆いているのである。

 新聞報道では、ゼレンスキー大統領からオンライン演説の申し入れがあった直後に、「前例がない」というネガテイブな意見が相次いでいたという(3月25日付日本経済新聞)。そして、その申し入れから1週間以上たった3月23日に、国会の本会議場ではなく、衆議院第一議員会館国際会議室及び多目的ホールにて、前掲のオンライン演説が行われたということである。恐らく、衆議院や参議院の本会議場に大型のスクリーンやパネルを設置することが難しいため、窮余の策として、そこに大きめのパネルを設置して、オンライン演説に漕ぎつけたのだろう。

 2020年に入ってコロナの感染が拡大するとともに、世界的にリモートワークが普及した。今や筆者の仕事は、ほぼすべてがオンラインだ。また、各種の国際学会やセミナーも、すべてオンライン、またはオンラインとハイブリッドで開催されている。にもかかわらず、国会では2022年3月23日に至るまで、オンラインでの会議が一切行われなかったわけだ。民間企業にオンラインを推奨しているにもかかわらず、その張本人たちがオンラインを行ってこなかったのである。これは、国会議員の怠慢といわざるを得ない。

 筆者は、国会に「リアルではなく、オンライン会議を行ってほしい」と要請したのに、「技術的に無理」と黙殺された経験がある。そこで本稿では、過去に筆者が国会との関りにおいて経験した内容をもとに、いかに国会ならびに国会議員たちのIT化が遅れているかを、実例を挙げて詳述したい。その上で、今回のゼレンスキーのオンライン演説を契機に、国会と国会議員が、せめて一般人レベルぐらいまではIT(PCも)を使えるようにするべきだということを、声を大にして言いたい。現状では、世界的に見て日本の国会議員の多くのITレベルは絶滅危惧種の水準である。

2013年に国会デビュー

 筆者は、当時与党だった民主党の経済産業常任委員長を務める大久保勉議員から、拙著『日本型モノづくりの敗北』(文春新書)の内容を民主党の政策会議にて講演してほしいと依頼を受けた。そして、2013年11月6日、衆議院第二議員会館地下1階 第8会議室にて、質疑を含めて90分の講演を行った。この講演に際しては、事前に大久保議員の秘書に「プロジェクターとスクリーンを用意してください」とお願いした。すると、「それは何ですか?」と言われ、愕然としてしまった。どうも国会のあらゆる会議は資料を紙で配布し、プロジェクターとスクリーンを使ってパワーポイントでプレゼンを行う文化がまったくなかったことが、このとき判明した。

 そこで、大久保議員の秘書に「ヤマダ電機あたりに行って、プロジェクターとスクリーンを買ってきてください」とお願いした。さらに講演当日は、かなり不安だったために、講演開始時間よりも1時間以上早く会議室に到着した。すると、案の定、プロジェクターもスクリーンも、買ってきたままの状態で箱に入ったままだった。仕方がないので、自分で開封し、自分でプロジェクターもスクリーンもセットアップし、加えて、会議室の座席も、それを見やすいように配置を変えた。その上で、十数人の国会議員と数十人の経済産業省の役人を前に、拙著と同じタイトルの『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』で講演した。

 筆者は、講演にアニメーションを多用する。特に、定番となった自己紹介では、DRAMのシェアの低下とともに部署を転々とする技術者人生をコミカルなアニメーションで説明する(図1)。

 すると、最前列に陣取っていた多くの国会議員から「おお! すごいね、君、絵が動くじゃないか!」と歓声が上がったのである。こちらとしては、そんなことはどうでも良くて、内容に注目してほしいと思うのだが、約1時間の講演を行っている最中ずっと、アニメーションの動きに「おお、おお!」という声が上がり続けていたのである。この講演会終了後、大久保議員の秘書に「湯之上さん、あなたは国会で初めてプロジェクターとスクリーンを使って講演をした人になりました」と言われた。これが2013年秋のことである。

2回戦は2021年6月1日

 国会での講演の2回戦は、昨年2021年6月1日となった。「衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会」に半導体の専門家として参考人招致され、15分(実際は20分強)の意見陳述を行ったのである。この様子は、衆議院が撮影し、動画をYouTubeにアップしている

 この頃は、東京ではコロナの第4波が到来しており、緊急事態宣言の最中にあった。そのような時に国会に呼び出されたわけであるが、違和感を覚えた筆者は、最初の要請のメールが来た際に、「オンラインではダメですか?」と聞いてみたところ、「国会でオンラインはない」と一蹴されてしまった。

 さらに、会議の開始時刻は午前9時だが、プロジェクターとスクリーンを使う場合は、8時20分までに会議室に到着するように言われていた。なるほど、2013年から8年の間に、国会の会議室にプロジェクターとスクリーンは設置されていたわけだ。しかし、プロジェクターとスクリーンを使う場合に、なんで40分も早く行かなくてはならないか、理解に苦しむ。さらに、もっとバカバカしい事態が、筆者を待ち受けていた。

参考人は席を移動してはいけません

 6月1日の2週間ほど前のことである。どのような意見陳述を行うか、頭を悩ませていたが、間違いなくパワーポイントを使うことになると思ったので、衆議院の事務局にその旨を伝えたところ、以下のようなやり取りを電話で行った。

事務局 「委員会には、PC、プロジェクター、スクリーンをこのように設置することになります(図2)」

湯之上 「私は、パワーポイントでアニメーションを多用します。したがって、自分でPCの操作を行う必要があります。私の意見陳述の際、PCのそばに移動しますがよろしいですね?」

事務局 「ダメです。参考人は席から移動してはいけません」

湯之上 「なぜですか?」

事務局 「そういう決まりになっているからです」

湯之上 「では、私の前に、PCを持って来てください」

事務局 「それもできません」

湯之上 「なぜです?」

事務局 「ケーブルが短くて届きません」

湯之上 「長いケーブルを買ってきてください」

事務局 「できかねます」

湯之上 「なぜですか(もう相当イラついている)」

事務局 「とにかくそういうことはできないことになっているのです」

湯之上 「じゃあ、私がPCのそばに行くしかないですね」

事務局 「だから参考人は席から動いてはいけない決まりになっていると、さっきから言っているでしょう(相手もイラついている)」

湯之上 「じゃあ、どうしたらいいんですか?」

事務局 「誰か助手はいないのですか? 助手に操作させればいいじゃないですか」

湯之上 「私は個人事業主です。1人で仕事をしています。助手などいません。それに、アニメーションの操作は複雑なので、私しか操作はできません。例え助手がいたとしても、自分でやります」

事務局 「とにかく席を移動してはいけません」

 激しくバカバカしいが、このような言い争いが本当にあったのである。マジにめげそうになった。そして、「参考人は席から移動してはいけない」ということは最後まで事務局が貫き通し、結果として筆者は、YouTubeの動画の通り、自席から移動できなかったのである(ただし、事務局も可能な限りPCを私に近づける努力はした)。国会において、かくも「前例がない」というパワーは強大なのだ。

幻に消えた第3回戦

 そして、この意見陳述から1週間たった6月7日(月)の午後、その委員会に参加していた山岡達丸衆議院議員から、国会が終了となる6月16日までに、もう1回、私を国会に呼び出して半導体の勉強会をやりたいという依頼が来た。このときの経緯は、拙著記事『衆議院議員の非常識な対応に呆れ返った…国会議員に半導体政策立案を行う資格なし』(2021年6月11日)に詳述した。

 ここでは、オンラインに関係する部分を抜き出して記載する。筆者としては、緊急事態宣言が出ている最中に何度もリアルの会議を行うのは、はっきり言って迷惑であった。そこで筆者からは、「コロナ禍でもあり、オンラインで行いたい」と連絡した。それに対する山岡議員の回答は以下の通りである。

<大会場のプロジェクターを設けてカメラとマイクを用意し、双方向で質疑応答を行うという機材を6月15日までに揃えることが難しいということが分かり、完全オンライン形式にするか、開催を先送りするかという点で、明日、企画の発起人で協議を行うことになっています>

 筆者は、奇しくも、ウクライナのゼレンスキー大統領と同じ要望を、衆議院に対して行ったわけである。そして、ゼレンスキー大統領のケースと同様に、「前例がない」という壁に直面した。結果的に、筆者が講師となる半導体の勉強会は開催されなかった。

 これが、国会および国会議員のITの(ないに等しい)実力である。国会議員たちは、オンライン会議一つできないのである。そういえば、6月1日の衆議院の意見陳述終了後、30人以上の国会議員と名刺交換をしたが、その名刺のほとんどにメールアドレスが書かれていなかった。そのため、もしかしたら国会議員のほとんどがPCを使えないのではないかと思ったほどだ。

国会と国会議員のIT音痴をなんとかしてくれ

 3月24日付日経新聞『オンライン国会、実現に向け議論』という記事が掲載された。ウクライナゼレンスキー大統領のオンライン演説を契機に、日本の国会でもオンライン化を進めるべきかどうかの「勉強会」が開かれたそうだ。コロナの感染拡大は、第6波が収束せず、第7波に突入しようとしている。民間企業では、オンラインやリモートが当たり前になっている。ウクライナのゼレンスキー大統領も連日、オンラインで自説を世界中に発信している。

 それなのに、かの国は、いまだに「勉強会」のレベルである。国会議員たちは、その「勉強会」を一度、オンラインでやってみるといい。それができない国会議員は、議員の資格をはく奪したらどうだろう? 国会および国会議員のIT音痴は、それほど深刻である。

(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

●湯之上隆/微細加工研究所所長

1961年生まれ。静岡県出身。1987年に京大原子核工学修士課程を卒業後、日立製作所、エルピーダメモリ、半導体先端テクノロジーズにて16年半、半導体の微細加工技術開発に従事。日立を退職後、長岡技術科学大学客員教授を兼任しながら同志社大学の専任フェローとして、日本半導体産業が凋落した原因について研究した。現在は、微細加工研究所の所長として、コンサルタントおよび新聞・雑誌記事の執筆を行っている。工学博士。著書に『日本「半導体」敗戦』(光文社)、『電機半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北』(文春新書)。

・公式HPは http://yunogami.net/

 

流行する「アンバサダーマーケティング」に抱く違和感の正体

 みなさん、こんにちは。元グラフィックデザイナーの経営コンサルタント、共感ブランディングの提唱者・松下一功です。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、さまざまな経営戦略が生まれ、最近特に増えているのが「アンバサダーマーケティング」です。大企業に限らず、中小企業でも取り入れつつあるので、インターネットやSNSでもよく目にします。

 これは、ある商品やサービスに対して熱量の高いファンを「アンバサダー」と捉え、マーケティングに生かす手法です。2月18日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)では、コンビニエンスストアの新作スイーツや有楽製菓「ブラックサンダー」の熱烈なファンにスポットを当てた内容が放送されました。大規模なプロモーション頼みだった時代が変わりつつある今、企業にとって一般のファンは無視できない状況になっています。

 しかし、アンバサダーといいながら、その活動内容や存在に違和感を覚えるケースもたびたび目にします。

 そこで今回は、現在流行しているアンバサダーマーケティングに抱く違和感の正体、本来のアンバサダーマーケティングとはいったい何なのかをお伝えします。

インフルエンサーからアンバサダーへ

 まず、近年の、人を使ったマーケティングの歴史を見てみましょう。

 一昔前は、高級ブランドがアンバサダーと称して俳優やモデルを起用する方法が一般的でした。これは「イメージキャラクター」という意味合いが強く、自社のイメージに合った人物を広告塔にすることで、商品やブランドの周知に一役買っていました。

 その後に、SNS等で多くのフォロワー数を持つインフルエンサーを起用する「インフルエンサーマーケティング」が流行りました。インフルエンサーとは「影響」「勢力」「効果」といった意味を持つ「influence」という英語が語源の、いわゆる影響力が強い人のことです。前述のアンバサダーと違い、影響力を持っていれば、必ずしも俳優やモデルではなくても構いません。

 一方、現在多く見られるアンバサダーマーケティングでは、インフルエンサーのような影響力を持ちつつ、自社の商品やサービスへの愛情が強い一般人をマーケティングに生かしています。よく目にするのが、広く募集した中から選出した一般人に、1年間などの期間を設けて広報活動をしてもらう、という内容です。

 ここで考えていただきたいのが、アンバサダーは「大使」や「使節」という意味だということです。言い換えるならば、「商品やサービスなどの対象物を愛し、それらと他の消費者との親交を深める架け橋になる人」といったところでしょう。結果的に、その活動が広告塔とみなされることはありますが、はじめから広告塔として機能しているわけではありません。

 つまり、インフルエンサーはマーケティングのひとつの技法として効果が期待できるものであり、アンバサダーはすでに認知されているものとの親交をさらに深める、いわばエンゲージメントを高める効果が期待できるものなのです。

「エンゲージメント」とは、もともと「婚約」や「約束」を意味する言葉ですが、マーケティングにおいては「ある商品やサービスとの親交が深い関係性」といった意味で使われます。つまり、エンゲージメントを高めるというのは、「商品やサービスとのつながりをより深め、愛着を持たせる」という意味です。

 すでにお気づきかと思いますが、今流行しているアンバサダーマーケティングでは、熱心なファンであるアンバサダーとして紹介されながら、広告塔であるインフルエンサーの役割を担っています。それが、違和感の正体なのです。

真のアンバサダーとは「オタク」?

 アンバサダーマーケティングに抱く違和感の正体がわかったら、次は「マーケティングとエンゲージメントは同時進行できない」ということも理解しましょう。

 物事には順番があるように、先にマーケティングを行って認知度を得た後に、エンゲージメントを高める段階に移るなど、両者の効果を理解した上で、順に戦略を立てる必要があります。しかし、今流行しているアンバサダーマーケティングは、媒体への理解が足りず、戦略と媒体がマッチしていないケースが多く、そもそも成立していないのです。

 そうなると、「エンゲージメントを高めるためにアンバサダーを使うには、どうしたらいいのか?」という疑問が浮かぶと思います。その答えは、アンバサダーの人物像から導き出せます。

 まず、アンバサダーの肝となるのは、その商品やサービスへの愛情度です。具体的には、その人の生活の中でどのように使われていて、どのくらいディープな情報を持っているのか、などです。

 ディズニーファンを例にしてみましょう。年間パスポートを購入して、毎週末のようにディズニーリゾートに通っていると聞けば、書店で売っているガイドよりも、ディープでお得な情報を知っているのではないか、と思いませんか?

 そう、アンバサダーとは言い方を変えると「オタク」なのです。その商品やサービスのディープな情報は、インフルエンサーには必要ありませんが、アンバサダーには必要です。情報があふれている今、私たちは何かを調べるときに、よりディープでためになる情報を求めます。その情報元が、「オタク」であるアンバサダーなのです。

 そして、アンバサダーの活動や情報が、ディープでオリジナリティにあふれていたら問題はないのですが、すでに知っていたり、公式サイトなどで公表されているものだったら、ガッカリしませんか?

 これがアンバサダーの深いところであり、恐ろしいところでもあります。ディープな情報を発信しないアンバサダーは、やがて見向きされなくなるでしょう。さらに、そんな人物をアンバサダーに起用している企業への信頼感は薄れていき、イメージダウンにつながる危険性もあります。

 一般人を使ったアンバサダーマーケティングは決して悪いものではなく、情報社会の現代では有効な手段です。しかし、やり方を少しでも間違えると、効果を期待するどころか、マイナスになってしまうこともあります。

 商品やサービスの知名度を上げたいなら、インフルエンサーを使う。エンゲージメントを高めたいなら、アンバサダーを使う。このルールだけは間違えないように気をつけてください。

 次回は、実際にブランディングにアンバサダーを取り入れるための具体的な方法についてお伝えします。

(松下一功/共感ブランディングの提唱者、安倍川モチ子/フリーライター)

「業界の重鎮」が人気パチスロ攻略誌を去った理由とは!? デビュー当時の木村魚拓氏に対するイメージについてもトーク

業界の重鎮」が人気パチスロ攻略誌を去った理由とは!?

 多くのパチンコ・パチスロ番組をプロデュースすると共に、演者としても活躍中のルーキー酒井氏。かつては人気攻略誌「パチスロ必勝ガイド」のトップを務めたことでも有名だが、当時の出版社・白夜書房に在籍した年数は意外にも数年ほどだという。

 木村魚拓氏・沖ヒカル氏・グレート巨砲氏によるDMMぱちタウン内のトークバラエティ「アロマティックトークinぱちタウン」では、そんな酒井氏が白夜書房を退職した理由を赤裸々に告白。その理由に一同が納得した。

 酒井氏によると、事の発端はとある記事。その記事はとあるメーカーが「合併するかも」といった内容で、それを読んだ担当者からクレームが入り、酒井氏は、当時の上司で現在はコラムニスト・サックスプレイヤーとして活躍中の末井昭氏と共に謝罪に行ったそうだ。

 この誠意が認められて一件落着。はじめはそう感じていたそうだが、数日後に白夜書房の本社へ行くと、怒鳴り声が聞こえたという。聞き耳を立てたところ、謝罪に行ったメーカーから雑誌への広告を「数カ月無料」にするよう要求されたそうで、「大赤字」だと問題視されていた模様。これを知った酒井氏は「あの謝罪はなんだったんだ」と疑問に思い、「じゃあ辞めます」と辞表を提出したそうだ。

 その時代に酒井氏の部下だった沖氏は、「当時はメーカーとバチバチ(の関係)」だったとし、「取材お断りもしょっちゅうあった」と回想。それ故、この事件は「よくあること」とし、事情を詳しく知らなかった木村氏も「人が死んでなくてよかった」と強面キャラの酒井氏をイジり倒した。

「天才肌か、下手するとサイコパス」と判断?

 また、番組後半では「必勝ガイドでの最大の失敗」をテーマに盛り上がり、巨砲氏は「ほかのみんなと仲良くしなかったこと」が失敗とコメント。若かりし頃の巨砲氏は「ほかはライバル」だと敵視していたそうで、これについて木村氏は「俺もそうなんですけど…」と切り出し後、「仲良くできる人がいなかっただけと思う」との見解を示した。

「そうかもしれない」。これに頷いた巨砲氏は、続けて「(当時は)木村君も無理だった」と告白。曰く、木村氏は巨砲氏の文章に対して“ある質問”をしてきたそうで、巨砲氏は「天才肌か、下手するとサイコパス」と判断していたそうだ。

 この告白に木村氏は「(当時のライターは)女に向けて書いてるなって人が多かった」と発言。これには酒井氏も「なるほどな」と合点がいった様子で、木村氏は「それで聞いたのかもしれない」と当時を振り返った。  

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