JRA テイエムオペラオー和田竜二にも届かず!? 皐月賞(G1)エフフォーリア横山武史が遠く及ばなかった「天才」武豊の大記録

 18日、中山競馬場で行われた皐月賞(G1)は、2番人気のエフフォーリアが優勝。2着タイトルホルダーに3馬身差をつける圧勝劇で幕を閉じた。

 見事、1冠目を制したエフフォーリアの鞍上は、デビュー5年目の横山武史騎手。父に関東のトップジョッキー・横山典弘騎手をもつ競馬界のサラブレッドだ。

 父は武史騎手と同じデビュー5年目のクラシックにメジロライアンとのコンビで挑戦したが、三冠レースで善戦したものの未勝利。初G1制覇は、キョウエイタップに騎乗した同年のエリザベス女王杯(G1)だった。そのため、皐月賞を制覇した横山武騎手は、父である横山典騎手の22歳8カ月20日を上回る、22歳3カ月28日でのG1初勝利となった。

 だが、皐月賞の最年少記録としては、まだこれを上回るジョッキーがいる。

 1999年の同レースを、テイエムオペラオーで制した和田竜二騎手だ。

 テイエムオペラオーは芝1600mのデビュー戦で2着と敗退し、3戦目にダートの未勝利戦で勝ち上がり。ゆきやなぎ賞、毎日杯(G3)と連勝で重賞初制覇を飾ると、勢いそのままに皐月賞も制した。

 雨の降る中山競馬場で行われたレースは、ワンダーファングが除外となり17頭立て。

 6枠12番だったテイエムオペラオーは後方に構え、道中は枠なりに外目を追走。4コーナーでは外から被せて1番人気のアドマイヤベガを内に追いやると、テイエムオペラオーは大外に進路をとった。

 直線では内から抜け出すオースミブライトに、中を割ってナリタトップロード、大外から迫ったテイエムオペラオーと3頭の大接戦。クビ、ハナの決着を制したのは、外から力強く鋭伸したテイエムオペラオーだった。

 当時の和田騎手はデビュー4年目の若手騎手。「21歳9力月27日」での皐月賞制覇は今も最年少記録として残っている。

 因みに、G1レースでの最年少記録は「19歳7カ月21日」。この記録を打ち立てたのは、いまやレジェンドとなりつつある武豊騎手だ。

 1988年の菊花賞(G1)で、武豊騎手はスーパークリークに騎乗。レースでは最後の直線入口でカツトクシンに前を塞がれていたが、以前に騎乗したことのある同馬が外に膨れる癖を知っていた武豊騎手は、慌てずに内が開くまで待機した。

 思惑通り開けた内を抜け、2着ガクエンツービートを5馬身突き放して圧勝。この冷静で頭脳的な騎乗を周囲から絶賛され「天才」として脚光を浴びるようになった。

 そんな武豊騎手も今年で52歳と、あれから33年が経つ。

 昨年は94勝を挙げ関東リーディングトップに立ち、デビュー5年目にしてG1初制覇を飾った横山武騎手。今後の活躍に、新たな天才誕生を期待したいところだ。

(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

生活時間とメディア利用のその後-“巣ごもり”やや解消もコロナの影響は色濃く

電通メディアイノベーションラボ編「情報メディア白書2021」(ダイヤモンド社刊)の巻頭特集の内容を一部紹介する本連載。前回は、MCR/ex調査(※1)の2020年上期・東京50km圏データを基に、2020年6月にコロナの影響下でネット系メディアへのニーズの強さとラジオや新聞が「再発見」された様子をお伝えしました。

その後、生活行動やメディア利用はどのように変化したのでしょうか?連載最終回となる今回は半年後の様子を紹介します。2020年下期調査が行われたのは、コロナ感染拡大の第3波にさしかかる時期の2020年12月7~13日です。本連載第1回記事と併せてお読みください。

6月と12月の行動データを比較する際には季節性の違いに気をつけなければならないのはもちろんですが、コロナ禍が生活行動全般に及ぼす影響が甚大であることを鑑み、本記事では2020年の2つの時点を比較しました。

※1=MCR/ex調査
ビデオリサーチ社が特定の1週間に行う日記式調査。生活者の行動を基本的な生活行動、メディア接触等の視点から、曜日別に時間軸に沿って最小15分単位で捕捉する。




 

生活パターンはコロナ以前へと少し戻るものの、2019年水準には至らず

2020年6月データでは、多くの人が外出を控え、「巣ごもり」ともいえる状況が見られました。半年後の基本的な生活行動を確認する目的で、図表1は個人全体(12~69歳)の、2020年6月と12月における1日当たり(週平均)の起床在宅、睡眠、外出時間を示しています。

2020年12月に外出時間は半年前より79.1分増え、逆に起床在宅時間は76.2分減少し、585.3分になりました。よって、極端な「巣ごもり」傾向が解消されている様子ですが、コロナ以前の2019年6月の起床在宅時間は519.8分であったので、生活パターンはコロナ前の水準に戻っているとは言えません。

一方、睡眠時間は2019年(441.0分)から大幅に増加した2020年6月(458.6分)から3.0分の減少にとどまっています。

【図表1】1日あたりの起床在宅・睡眠・外出時間(週平均/12~69歳)

1日あたりの起床在宅・睡眠・外出時間(週平均/12~69歳)
出典:ビデオリサーチ社MCR/ex東京50km圏(2020年6月、12月)を基に作成

自宅内メディア利用時間にも揺り戻し傾向

起床在宅時間と連動するように、自宅における各メディアへの接触時間も以前の状態へやや戻る様相を見せています。図表2は2020年6月、12月の個人全体の1日当たりの自宅内メディア接触時間(週平均)を示しています。各メディアへの接触時間の合計(重複接触を含む)は延べ370.0分から延べ325.2分に減少しました。しかし、コロナ前の2019年6月は延べ295.3分だったので、コロナ前より高い水準で自宅内メディア接触が生じていると言えます。

2020年6月との比較では減少傾向ですが、2019年6月の接触状況から比べるとインターネット、特にモバイル経由のインターネット利用に勢いがあります。また、コロナ禍において自宅での接触時間増が確認されていたラジオ聴取やテレビ受像機でのネット動画視聴(テレビ動画)に充てる時間は半年前よりわずかに減少しているものの、2019年6月水準を依然として上回っています。つまり、揺り戻しつつも徐々に増えているという結果です。

一方、2020年6月より接触時間が増えたメディアとして録画再生があります。その背景として、図表1で確認した生活行動時間の変化を挙げることができそうです。すなわち、外出機会が増えたことによりテレビ番組をリアルタイムで視聴することが難しくなった状況を反映していると推察されます。

【図表2】1日あたりの自宅内メディア接触時間(週平均/12~69歳)

1日あたりの自宅内メディア接触時間(週平均/12~69歳)
出典:ビデオリサーチ社MCR/ex東京50km圏(2020年6月、12月)を基に作成

依然として高いモバイルネットの利用率

一日の流れの中でのメディアの利用状況についても見てみましょう。図表3は朝5時から始まる24時間(週平均)における個人全体の起床在宅、睡眠、移動、外出の行動率と各メディアへの接触率(60分単位)の推移を表しています。

図表1では生活パターンの変動を時間量で確認しましたが、一日を通しての行動率からもその変化を読み取ることができます。2020年12月には黄色で示す起床在宅率の日中にかけての谷間がより明らかになり、逆に水色で示す外出率の面積が6月より広がりを見せています。より多くの人が日中に自宅の外で活動するようになり、「巣ごもり」はやや解消されている様子です。また、自宅ではテレビ(リアルタイム視聴)とモバイルネットが最もよく利用されていますが、いずれも6月と比べると夜のピーク時の接触率はやや減少という結果です。

自宅外でのメディア利用はどうでしょうか。2020年6月、12月の自宅外でのモバイルネットの接触率は、通勤・通学の時間帯にあたる朝8時台にかけて1.6%から2.3%に、接触ピークの12時台では4.3%から4.8%へと伸長しています。外に出かける機会が増え、それに伴いモバイルネットの利用にも変化が見られます。

【図表3】生活行動率とメディア接触率(週平均/12~69歳)

生活行動率とメディア接触率(週平均/12~69歳)
出典:ビデオリサーチ社MCR/ex東京50km圏(2020年6月、12月)を基に作成。

モバイルネットが生活の中心にある高校生

第1回記事ではリモート授業等の措置により高校生の生活パターンが大きく変化し、日中を通してモバイルネットの利用率が極めて高くなった様子を紹介しました。あれから半年が経過して、高校生の生活はどのように変化したのでしょうか。

図表4は2020年6月、12月の高校生の一日(週平均)の様子を表しています。この半年で生活パターンは大きく変化し、まず外出機会が増えました。そして、外出先ではモバイルネットを活発に利用している様子が見られます。

自宅内のメディア接触率にも変化が見られます。朝の時間帯ではテレビ(リアルタイム視聴)への接触率(青線)が際立っていますが、日中、夜間ではモバイルネットへの接触率(ピンク線)がテレビを上回ります。6月と12月を比較すると、ピーク時のモバイルネット接触率は32.6%(21時台)から29.9%(22時台)へと減少しています。テレビへの接触率のピークも23.4%(19時台)から16.9%(20時台)へと減少しています。テレビの下げ幅の方がやや大きいという結果です。よって、2020年12月データでは、自宅内外においてモバイルネットが高校生にとって極めて身近なメディアであることが示されています。

【図表4】生活行動率とメディア接触率(週平均/高校生)

生活行動率とメディア接触率(週平均/高校生)
出典:ビデオリサーチ社MCR/ex東京50km圏(2020年6月、12月)を基に作成

コロナ禍は私たちの生活に大きな影響を及ぼし、その影響度や収束時期を見通すことは容易ではありません。また、情報やエンターテイメントに対するニーズへの影響もこれまでの調査から感じられます。「新しい日常」への模索が続く中、人々のメディアとの関わり方に今後も注視していく必要がありそうです。


【調査概要】
調査名:MCR/ex(エム シー アール エクス)
実施時期:毎年6月、12月
調査手法:電子調査票による調査
調査エリア:東京50km圏、関西地区、名古屋地区、北部九州地区、札幌地区、仙台地区、広島地区
調査対象者:男女12~69歳の個人(エリア・ランダム・サンプリング)
調査会社:ビデオリサーチ

今、ラグジュアリーブランドに求められているもの

本連載では、コロナ禍がラグジュアリーブランドのビジネスに与えた影響に関する調査(電通、ザ・ゴール、コンデナスト・ジャパンの共同調査)(※)を基に、特に未来の顧客たるZ世代のメディア接触や購買行動の変化をレポート。

※ファッション意識が高い女性ターゲットを三つの世代(Z世代=24歳以下、ミレニアルズ=25~39歳、ジェネラル〈既存購買層〉=35歳以上)に区分し、調査対象とした。


前回はコンタクトポイント分析を起点に、コロナ禍のラグジュアリー業界のカスタマージャーニーを明らかにした。

今回は目線をブランドサイドに移し、ブランドの捉えられ方、そしてブランドに期待することを中心に論じる。

ラグジュアリーアイテムは、より“上質で長く使えるもの”へとシフト

まずはラグジュアリーアイテムに関する意識がコロナ禍でどう変化したか、特徴的なものを紹介する。

コロナ禍によって増えた意識

  • 手に入りやすい価格のアイテムをたくさん買うよりも、高価格でも長く使えるものが欲しくなった

  • 居心地の良い住環境のためには出費は惜しまない

コロナ禍によって減った意識

  • シェアリングサービスを積極的に利用したい

  • 一目でそのブランドがわかるようなロゴアイテムが欲しくなった

ここ数年の大きなトレンドのひとつである、「わかりやすいロゴアイテム」は外出機会の減少とともに、ミレニアルズを中心にややトーンダウン。また、不特定多数の人々で使いまわす事を不安視してか、シェアリングサービスへの関心減も見受けられた。

外出頻度の減少に伴い、アイテムを揃える重要度は下がった様子。一方で、世の中全体に本質回帰への機運が高まり、「そのブランドを代表するような長く使える上質なアイテム」への支持が全世代で高くなった点が非常に特徴的だ。

また、現在多くのブランドがキーワードとして打ち出している、家時間を快適に過ごす「ホームラグジュアリー」への関心も見て取れた。

価値観/行動:コロナ前後比較

Z世代への投資の有無が、将来、ブランド間の大きな差を生む

次にブランド別ファネル分析の結果について。本調査では50を超える有名ブランドを具体名で提示し、それぞれの「認知」「好意」「購入意向」を個別に聴取している。

ここから明らかになったのは“世代間におけるファネル構造の違い”である。下記は「認知」から「再購入意向」までのスコアを世代別に比較したものである。(認知TOP10のブランドの平均値から算出)

世代別の「認知」から「再購入意向」までのスコア

各世代とも「認知」自体に大きな差はないが、Z世代は、「好意」以降に上の世代との大きな差がある。もちろん、高額商品ゆえ、購買力というハードルはあるものの、Z世代にとって「知ってはいるが、欲しいというわけではない」存在となっている可能性が考えられる。

この点についてブランドを個別に分析してみると、より顕著な傾向が出ている。Z世代に対してコミュニケーションを積極的に行っているブランドは「好意」のスコアも高いが、そうではないブランドは「知っているだけ」で好意の醸成がなされていないことが分かった。

ブランド別ファネル比較

「Z世代がターゲットとして大切なことはよく理解しているが、現実的にはビジネスへのインパクトという点においてまだまだ重要性を実感しづらい」というブランド側の意見もある。事実その通りだと思うが、それでもZ世代に積極的な投資をし続けるブランドは、そうではない競合ブランドと比べて、ターゲットの心の中で着実に好意を築くことに成功していて、その差は水面下でじわじわ開きつつあることが本調査からも見て取れる。

今はまだ表面化していないが、将来的に大きな差が生まれる競争は既に始まっている。ここに各ブランドがZ世代に着目し投資を続ける理由がある。

生活者はラグジュアリーブランドに何を求めるのか

最後にブランドのカテゴリー別に聴取した「購買の際に重視するポイント」と「ブランドに期待すること」の調査結果から、これからのラグジュアリーブランドが生活者に何を伝えていくべきかを紐解いていく。

この調査結果に関しては世代間の違いはほぼなく、むしろカテゴリーの違いが明確に出た結果となった。下図の通りファッションカテゴリーに対しては「ブランド公式SNSでの情報発信」「社会貢献(環境保護/LGBTQなど多様性の受容)」をこれからのブランド活動に求めている。SDGsネイティブとも呼ばれるZ世代はこの傾向が特に強いようだ。

これはファッションの「購買の際に重視するポイント」としてトップに挙げられる「自分にだけ分かるこだわりを満足させてくれる」という点との関連が予想される。「自己満足」が起点なのでブランドには「共感できるフィロソフィー」を求めていると推察される。

一方、ウォッチ&ジュエリーのカテゴリーの購買重視点は、「ワンランク上の自分を演出できる」だった。ブランドに求めることとしてファッション同様「SNSでの発信」に加え、「ラグジュアリーブランドならではの実店舗での丁寧な接客を期待する」との回答が上位に上がっている。これは「ステータス(他者目線)」が起点なので、ブランドには「顧客としての特別扱い」を求めていることが見受けられた。

今、ラグジュアリーブランドに求められているもの まとめの図

次回はコンデナスト・ジャパンからもゲストを招き、2回にわたりレポートした調査内容を基に議論する。ファッション業界の「グレート・リセット」、さらにはSDGsの潮流といった大きなトレンドをも見据え、これからのラグジュアリーブランドの行く末はどうなるのか、その展望を明らかにしていきたい。

【調査概要】
調査名:「アフターコロナ ラグジュアリーブランド調査」
実施時期:2020年9月
調査手法:インターネット調査(定量)・対面インタビュー(定性)
調査対象:ラグジュアリー高関与層 全体1800SS
対象カテゴリー:ファッション/ウォッチ&ジュエリー(W&J)/コスメ/自動車
調査会社:電通マクロミルインサイト
 

「クラブハウス」ブーム、一瞬で終了か…“爆死”の本当の理由&「ボイシー」躍進の事情

 ダウンロードしたものの、数回使っただけで休眠状態だったり、アンインストールしてしまったりしたアプリがある人も多いはずだ。テレビCMなどでは「数百万ダウンロード突破!」と威勢のいい言葉を聞くが、実際にどんなアプリがどの性年代にどのくらい使われ続けているのか。

 本連載では、ダウンロード数だけでは見えない「アプリの利用率」をモニターの利用動向から調べるサービス「App Ape」を提供しているフラーに、四半期ごとに人気アプリの実態について聞いている。

 前編に続き、同社のオウンドメディア「App Ape Lab」編集長の日影耕造氏に、2021年第1四半期(1~3月)のアプリ利用動向をうかがう。今回は、彗星のように現れ、彗星のように消えていったように見える「Clubhouse」(以下、クラブハウス)について聞いた。

1~2月のブーム過熱が3月から急失速

――21年1~3月、世間を賑わせたアプリといえば音声SNS「クラブハウス」だったかと思います。米国での提供が始まったのが20年4月、iPhone限定(アンドロイド版は21年4月時点で未リリース)、さらに「本名登録」「招待制」「会話の録音禁止」という、既存のSNSにはない敷居の高さ、自由度の低さが逆に魅力に映ったのもあるかもしれません。

 また、YouTubeの創成期は芸能人は冷ややかな人が大半でしたが、「クラブハウス」は第二のYouTubeになるかもしれない、と芸能人、スポーツ選手、文化人など著名人の食いつきも早かったですよね。

 21年2月3日のニュース番組『news zero』(日本テレビ系)で有働由美子キャスターや落合陽一氏もその魅力を話しており、この頃がある意味ピークだったのではと思いますが、現状はどうなのでしょうか?

日影耕造氏(以下、日影) 「App Ape」はアンドロイドの実測データをもとにiPhoneの利用動向を推測しているため、現時点でiPhoneでしか提供されていないクラブハウスの詳細なユーザー動向はわからないのですが、AppleのApp Storeのアプリランキングデータは毎日取得していますので、そちらを見てみましょう。こちらが「クラブハウス」のApp Storeランキング推移です。

――「ブームが過ぎ去った感」が、露骨なまでにランキングに反映されていますね。

クラブハウス“爆死”の本当の理由

――このグラフの1月末から2月までの部分を紹介し、「絶好調」と伝えた記事を多く見た記憶がありますが、こうして「その後」を見ると、2月頭の盛り上がりが嘘のような爆死ぶりですね。なぜなのでしょう?

日影 いくつかの要因が考えられます。まず、競合の存在ですね。ツイッターが同じような音声チャットルーム「Spaces」という機能を出しました。ツイッターは実名と紐づかないため、クラブハウスより匿名性が高くなります。クラブハウスの思想は「実名制」ですが、そこに使いづらさを感じてしまう人も少なくないはずです。

――特にツイッターが人気の日本では「匿名だから言えるのに」という傾向が強いのかもしれませんね。あと、クラブハウスは実名制、録音禁止、音声のみの配信などの「ルール、思想」は確かにユニークでしたが、何か技術的な仕組みがユニークかと言えば……というところもありますね。

日影 はい。競合の多い世界なので、ルールやコンセプト、思想がユニークでも、それが技術的な独自性に活かされていなければ、あっという間に類似したサービスが出てきてしまうんですよね。

 そして、クラブハウスの普及が伸び悩んでいる大きな要因は、やはり「アンドロイドでは使えない」という点でしょう。iPhoneは端末価格が高いですし、日本では人気が高いですが、グローバルで見れば全然普及していない地域も多いです。

 ただ、開発側の立場に立ってみると、iPhone向けの開発とアンドロイド向けの開発は大きく勝手が違います。アンドロイドは、さまざまなメーカーがさまざまな端末を出していますからね。「テッククランチ」の3月23日発表の記事を見ると、2~3カ月後にアンドロイド版がリリースと出ているので、夏以降にどう盛り返していくかでしょうね。

 そもそも、どんなアプリも利用動向は右肩上がりではなく、大なり小なり「踊り場」ができるものです。今は多くの方に使われている「スナップチャット」「ピンタレスト」なども、ローンチ当時は芳しくない結果と評判でしたからね。クラブハウスも、真価が問われるのはこれからでしょう。

音声アプリ「ボイシー」が躍進

日影 「クラブハウス」は苦戦していますが、「音声アプリだから伸びていない」というわけではないんです。図2が「Voicy」(以下、ボイシー)のMAU(Manthly Active User:月に一度でもアプリを起動したユーザー数)推移です。

――伸びていますね。「ボイシー」は日経新聞など新聞社のチャンネルのほか、個人も発信はできますが、パーソナリティが登録制で、SNS的な誰でもいつでも気軽に発信というのとは異なる、専門性や品質を売りにした音声アプリですね。以前、コロナ禍の巣ごもり需要で動画や漫画が伸びているとはうかがいましたが、音声も伸ばしているんですね。

日影 動画や漫画などの視覚的なメディアは、仕事や家事などの「ながら」シーンには不向きですからね。音声はそういったシーンに刺さった、というのはあるかもしれません。

50代女性もハマる「Makuake」の魅力

日影 最後に、伸びているアプリをもうひとつ紹介します。クラウドファンディングアプリ「Makuake」です。20年下半期の半年で、MAUをほぼ倍増させています。

「Makuake」の特徴は、クラウドファンディングの対象に「ガジェット」的なものが多いことです。サイトには「まだ世の中にないものやストーリーあふれるチャレンジが集まる『アタラシイものや体験の応援購入サービス』です」と説明があり、「クラウドファンディング」「ガジェット」「応援」がうまくつながっている印象です。こちらが、21年3月の「Makuake」利用ユーザーの性年代比です。

――男女でちょっと毛色が違っていて、おもしろいユーザー層ですね。男性は「ガジェット好き」で、ちょっとだけお金が張ってもいいから、こだわりの逸品を持ちたい……というユーザーの姿が想像できます。

 一方、女性は珍しく50代が牽引していますね。「Makuake」はガジェット的なものに限らず、百貨店にあるようなこだわりの日用品、スイーツなどもあったりしますが、これらなのか、それともクラウドファンディングなので3月に何か50代女性の心をつかむようなプロジェクトがあったのか……。

 前編でお話いただいた「ウマ娘」は若年層が牽引しており、パワフルな若年層はアプリの起爆剤でもありますが、「Makuake」のように中高年世代が牽引しているアプリも増えてきているのですね。

クラブハウス」も「利用しているのは中高年男性ばかり」とマイナスのニュアンスで言われていますが、そもそも日本の人口比で見れば、40代も60代も20代の1.5倍ほどいますからね(20代1262万人、40代1861万人、60代1831万人。19年時点)。「クラブハウス」は開き直って、日本における「フェイスブック」のような「中高年がリラックスして使うサービス」という路線もアリかもしれませんね。

(構成=石徹白未亜/ライター)

“座礁資産”化する原油、需要減退で価格暴落の懸念…サウジ、宿敵イランに助け求める

 原油需要に関する強気の見方が強まり、原油価格はこのところ堅調に推移している(1バレル=60ドル台前半)。世界最大の消費国である米国の石油製品需要は節目の日量2000万バレルを上回った。ガソリン需要も昨年8月の水準にまで上昇し、航空機向け需要も回復しつつある。

 国際エネルギー機関(IEA)も4月14日、「ワクチン接種が加速し世界経済は改善していることから、今年の世界の原油需要は前年に比べて570万バレル増加する見通し」との見方を示した。IEAはさらに「下期には世界の石油需給が均衡し、需要を満たすために日量200万バレルの増産が必要となる可能性がある」と指摘している。

 しかし、原油需要についての中長期的な展望は芳しくない。IEAは「世界の原油需要がコロナ前(2019年)の水準である日量1億バレルを超えるのは2023年になるが、ガソリン需要は2019年の水準に戻らない可能性がある」と予測している。コロナ前は「世界の原油需要のピークは2030年頃になる」とされていたが、「そのピークが早まる」との予想が相次いでいる(4月10日付日本経済新聞)。

 原油をめぐる環境が悪化している背景に、気候変動問題への危機意識の国際的な高まりがあることはいうまでもない。トランプ前政権とは異なり、バイデン政権は22日から気候変動サミットを主催するなど極めて前向きである。バイデン政権は自らが提案したインフラ投資計画の財源として、化石燃料企業への助成を廃止する計画(今後10年間で350億ドル超の規模)を示している。

 世界の投資家の間では、「原油などの化石燃料は今後『座礁資産』となる可能性が高い」との見方が広まっている。座礁資産とは、社会の環境が激変することにより、価値が大きく毀損する資産のことを指す。化石燃料は、二酸化炭素排出量の大幅削減を余儀なくされる状況になると資産価値が大きく下がると考えられているのである。

 英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは15日「今後数十年で温室効果ガス排出削減の動きが進むものの、自社が保有する原油・天然ガス埋蔵量の大半は未開発に終わることはなく、2050年までに生産される」との見通しを明らかにして、このような懸念の払拭に努めている。

サウジアラビアのジレンマ

 原油が今後「座礁資産」化するとの見方は、今後の価格動向に影響を与える。英エネルギーコンサルタント会社ウッド・マッケンジーは15日、「各国政府が足並みを揃えて燃料消費削減を推し進めれば、原油価格は2030年までに1バレル=40ドル前後にまで下落する可能性が高い。2050年までには1バレル=10~18ドルにまで下落する可能性がある」とする衝撃的な予測を示している。

 原油価格が今後長期的に下落傾向となれば、世界第4位の輸入国である日本にとっては朗報のはずだが、手放しで喜べる状況ではない。日本の原油輸入の4割を占めているサウジアラビアが苦境に陥ることが予想されるからである。「ビジョン2030」を掲げて脱石油経済を進めようとしているサウジアラビアだが、足元の状況は経済の原油依存がかえって高まるというジレンマに陥っている。

 サウジアラビアにとっての頼みの綱である国営石油会社サウジアラムコの株価が4月に入り下落している。イエメンのシーア派反政府武装組織フーシ派がサウジアラムコの石油施設に対してミサイル・無人機による攻撃を連日のように実施しているからである。

 サウジアラビアによるイエメンへの軍事介入は7年目に入ったが、戦果を挙げるどころか、フーシ派から手痛い反撃を食らう事態が多くなっている。米国の政策転換に乗じてフーシ派は今後予想される和平協議で自らの立場を有利にするため、サウジアラビアに対して攻勢を強めているのである。

 バイデン政権は発足直後からサウジアラビア主導のイエメン内戦への支援を打ち切り、人権問題を理由にサウジアラビアに対する一部の武器売却の凍結を命じている。サウジアラビア側は「フーシ派の攻撃を未然に防いだ」との大本営発表を繰り返してきたが、フーシ派のミサイル・無人機攻撃に対して自国の対空防衛システムがうまく機能していないことから、新たな高性能対空防衛システムを購入すべく欧米諸国に使節団を派遣したとの情報がある。

サウジとイランの接近

 さらにフーシ派の後ろ盾とされるイランにも「助け」を求め始めている。英フィナンシャルタイムズは18日、「激しい対立が続くイランとサウジアラビアが2016年の断交以来初めて直接協議を4月9日に行った」と報じた。イラクのカディミ首相の仲介によりイラクの首都バグダッドで行われた協議の内容は、フーシ派によるサウジへのミサイルや無人機での攻撃についてである。サウジ側は情報機関のトップが出席したとされており、次回の協議も予定されているという。「バイデン政権をあてにできない」と判断したサウジアラビアの苦渋の決断なのだろう。

 バイデン政権は13日、議会に対し「アラブ首長国連邦(UAE)に最新鋭ステルス戦闘機F35や無人攻撃機を含む230億ドルを超える武器を売却する計画を進める」と通知した。サウジアラビアへの対応とは対照的だが、「米国は中東地域での主要な同盟国をサウジアラビアからUAEにスイッチしようとしている」との憶測が生じている(3月22日付OILPRICE)。

 大産油地帯である中東地域で政情が不安定化すれば、「座礁資産」とみなされつつある原油価格が急騰するリスクがある。くれぐれも「油断」は禁物である。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

“女子アナ不倫疑惑”社長失脚の静岡新聞騒動が、大手メディアを震撼させた理由

 3月5日発売の週刊誌「フライデー」(講談社)が報じた静岡新聞のオーナー社長で静岡放送もたばねる大石剛社長(51・当時)と静岡放送・原田亜弥子アナウンサー(40)の“不適切な関係”疑惑。静岡のメディア王のスキャンダルは予想外の反響を呼んだ。

「フライデーのスクープは、週刊誌やネットメディアも後追いする話題のニュースとなりました。なぜ地方メディアのニュースがここまで話題になったのか。フライデーの取材に『撮るんなら1ヶ月くらい見てくんない? いっぱい女がいるからね。俺、そこそこモテるのよ』などと奔放に語った大石氏のキャラクターが大きかった。つまり読んで面白い記事だったからです」(メディア編集者)

 近年、メディアの特権階級ぶりやエリート意識に対する不信が読者層の間で燻っていると言われている。大石氏の奔放な言葉は、そうした不信に拍車をかけるものとなったことも記事が話題となった背景にはあっただろう。もし彼が『広報を通してくれ』とノーコメントでやり過ごしていたら、展開はまた違ったはずだ。記事は地味なスキャンダル記事に終わり、ここまでは話題は広がらなかったはずだ。

 大石氏はフライデー記者を飲みに誘い「俺、田舎の人間だぞ! 田舎の人間追っかけて何が楽しいんだよ」と聞いている。なぜ自分が週刊誌の標的になったのかが不思議でならなかったのだろう。

 記事の背景を分析していくと、“リーク”という結論に行く着くことになる。なぜか。その理由の一つは、写真をバッチリ撮られていたことにある。東京の週刊誌が、土地勘のない地方企業のスキャンダルを取材することは稀だし、ましてや「長期張り込み」をするということはまずありえない。長期間の張り込みを行うのは全国区の有名人であるという条件を満たしたときだけである。

 つまり今回のスキャンダルは、<○○氏と女性がこの日、この場所で会っている>というレベルのピンポイント情報がなければ成立しないものだといえる。大石氏の親しい知人か、静岡新聞もしくは静岡放送の社内からリーク情報がもたらされた、というのが結論となるのだ。

メディア改革とリーク

 実は筆者はフライデー記事が出る直前、大石氏や静岡新聞社員の取材をしたばかりだった。取材では大石氏の主導のもとで行われた全社的な社内改革や、静岡新聞が発表した「イノベーションリポート」の作成経緯などについて話を聞いた。

 マスコミ、特に新聞やテレビの経営数値が悪化していくなか、どの社においても改革は必須事項といえる。そのなかでも新しいチャレンジを始めた静岡新聞の改革には、注目すべき点が多々存在するように思えた。実際に静岡新聞における改革は、試行錯誤の末に「トップダウン改革」から「全社的改革」つまりボトムアップを促すような改革に移行する段階まで来ていた。

 一方で問題が残されていたのが静岡放送のほうだった。社員の意識改革が進んでおらず多くの課題が残るままとなっており、大石氏自身も「静岡放送の改革はまだまだ」と筆者に答えていた。その矢先のスキャンダル報道だっただけに、筆者は静岡放送内の“社内闘争”がフライデー記事の呼び水になったのであろう、という感想を持っている。

 実はメディア改革にはリークが付き物だといえる。餅は餅屋というように、メディア人はやはりメディアの使い方をよく心得ている。社内や社長への不満があれば他のメディアを動かして記事を書かせるということは、よくある光景である。

 静岡新聞が改革の参考にした米紙ニューヨークタイムズでもこういう事例があった。ニューヨークタイムズは社内改革に着手する際に、社員有志10名が2014年に社内向けにイノベーションリポートという調査レポートを作成した。イノベーションリポートは同社の問題点について内外500名あまりを取材し、指摘した極秘文書だった。それがある日、メディアにすっぱ抜かれたのだ。極秘文書であるはずのイノベーションリポートの内容が、である。その理由は、改革の抵抗勢力であった幹部を「更迭」するためのリークだったと言われている。

 今回のケースはニューヨークタイムズとは逆のこと、つまり改革を断行しようとした社長を追い込むためのリーク、改革潰しのためのリークが行われた、ということなのだろう。

 週刊誌がリーク情報を記事にするのは、当然のことだ。しかもフライデーが地方メディアの地味な話題だったはずのネタを、素晴らしいエンターテイメント記事に仕立て上げたことは「お見事」と言うしかない。

“課題”を突き付けられたのは書かれた側である。ニューヨークタイムズの場合、リークにより社内改革が進み古い体質のまま沈んでいた新聞というメディアのDX(デジタルトランスフォーメーション)化に成功するという輝かしい果実を得た。いまやニューヨークタイムズはメディアのトップランナーとなっているのは周知の通りである。

 翻って今回のケースはどうだったか。記事により「とんでもない会社」というイメージが全国に広がってしまった。社内も大混乱となったはずだ。単に誰かの保身や抵抗のためであったとするならば、会社にはダメージしか残らなかったということになりかねない。

静岡新聞・静岡放送の改革の行方

 巷で言われているように大石氏が“ワンマン経営者”や“暴君”であったということは事実である部分と、そうではない部分があったと思う。筆者の取材時の印象は、報道されたような暴君めいたものではなく、気難しいところもあるが社員を思いやる優しさも持つ経営者というものだった。ただ今回のフライデー報道が、静岡新聞や静岡放送の企業価値を損なうものであったことは間違いない。「李下に冠を正さず」という格言があるように、社内改革を進めていくのであれば相応の危機管理意識を持っておくべきだった、とは言えるだろう。

 報道から約1週間後、大石氏は静岡新聞・静岡放送両社の社長を辞任し、静岡新聞社の「代表取締役顧問」、静岡放送の「非常勤取締役」に就くことが公表された。はたして今後、同社の改革路線の行方にどのような展開が待っているのかは改めて注目されるところである。

 今後、大手新聞社やテレビ局をなどの中央メディアでもリストラや改革の動きが活発化していくことが予想される。同時に社内闘争も激化し、リーク合戦が行われるという事態も増えていくだろう。

「うちでも派閥争いの煽りを受けて『〇〇のスキャンダルはないか?』との声が聞こえてくるようになり、情報合戦が始まる気配が漂っています。そこに揺るぎない“正義”があればよいのですが、内向きの闘いの末に視聴者に見放されるなんてことにならないか、と不安も覚えます」(テレビ局社員)

 静岡新聞や静岡放送で巻き起こったリーク騒動は、メディア変革時代の波乱を予感させる静かなる序章だったといえるのかもしれない――。

(文=赤石晋一郎/ジャーナリスト)

●赤石晋一郎/ジャーナリスト

南アフリカ・ヨハネスブルグ出身。講談社「FRIDAY」、文藝春秋「週刊文春」記者を経て、ジャーナリストとして独立。

日韓関係、人物ルポ、政治・事件など幅広い分野の記事執筆を行う。著書に「韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち」(小学館新書)、4月15日発売「完落ち 警視庁捜査一課『取調室』秘録」(文藝春秋)など。

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『めざまし8』『ラヴィット!』の明暗が分かれた理由&テレビ業界内の本当の評価とは?

 今春は「数十年に一度」と言われるほど、朝8時台の情報番組に大きな動きがあったが、スタートから3週間が過ぎた今、大まかな傾向と業界内の評価が見えてきた。

 MCの交替があった『スッキリ』(日本テレビ系)と『あさイチ』(NHK)は良くも悪くも現状維持である一方、新番組の『めざまし8』(フジテレビ系)と『ラヴィット!』(TBS系)は、この3週間あまり何かと話題を集め続けている。

『めざまし8』は、MCを務める谷原章介と永島優美アナの好感度もあって厳しい声は少なく、「もう何年も見ているみたい」などと早くも受け入れられているようなコメントが目立つ。また、メディアによる批判的な記事もほとんど見られない。

『ラヴィット!』は、大手チェーン店のランキングクイズなどを日替わりで見せる構成と、芸人を集めたキャスティングに批判が続出。メディアも「一人負け」「早くも視聴率1%台」などの酷評記事を連発する厳しいスタートとなった。

 すでに『めざまし8』=順調、『ラヴィット!』=失敗というムードが生まれつつあるが、果たして本当にそうなのか。業界内の声を拾っていくと、必ずしもそうではない様子が伝わってきた。

新番組なのに既視感が強い『めざまし8』

『めざまし8』の「もう何年も見ているみたい」というコメントは決してポジティブな意味だけではなく、「新鮮味がない」「既視感が強い」というネガティブなニュアンスを多分に含んでいる。

 クレバーな谷原は自分の感情や言葉を交えてそつなく進行しているが、メディアやSNSが動きたくなるようなコメントは、ほとんど見られない。そんな手堅い谷原とコンビを組む永島アナも先輩アナらから「まじめすぎる」「もっとくだけても大丈夫」などと言われる人柄であり、生放送番組の魅力であるはずの臨場感や意外性に欠けているのだ。

 つまり、「この2人がMCを務める以上、一定の好感度をキープできる半面、話題を集めることも少ない」ということ。「現在と同等レベルの視聴習慣は定着させられても、そこから上がる可能性は低そう」と見られているのだ。

 視聴率獲得に直結する中高年層は『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に囲い込まれ、もともと分母の少ない10~40代はエンタメ路線を爆走する『スッキリ』がつかんでいる。「硬派なニュースから、エンタメ、生活情報までを幅広く扱う」という方針の『めざまし8』は、そんな両番組の間という中途半端な立ち位置であり、業界内で「順調」という声は聞こえてこない。

戦略はいいが志の低い『ラヴィット!』

 一方、『ラヴィット!』は前述したように、セブン-イレブン、西友、ユニクロ、無印良品など、「大手チェーン店のランキングクイズなどを中心に据えた構成を変えない限り、壊滅的に低い視聴率が浮上することはない」と見られている。そもそも大手チェーンのコーナーは自局で放送している『ジョブチューン』などとほとんど変わらず、それを「わざわざ慌ただしい朝に放送している」というだけだ。

 大手チェーンのコーナーなら、商品やデータの準備がスムーズで、取材が不要な上に制作費を抑えられ、広告収入への期待も膨らむなど、制作サイドにとっては都合のいいことだらけ。視聴者より制作サイドを優先させた志の低い構成が批判されるのは当然だろう。

 しかし、『ラヴィット!』が絶望的かと言えば、そうとも言い切れない。スタート時の構成に志の低さが見える半面、「ニュースを扱わず生活情報に特化する」という思い切った戦略は評価できるからだ。

 民放各局は早朝5時台から夜19時まで約13時間にわたって、生放送の情報番組ばかり。目先の数字を求めてテレビそのものがニュースチャンネルと化す中、違うものを見せようとする『ラヴィット!』の姿勢は貴重だ。

 実際、唯一ほとんどニュースを扱わず生活情報を中心に放送している『あさイチ』は視聴者の支持を獲得している。『ラヴィット!』も構成を見直し、それが支持を集めれば、少なくとも『はなまるマーケット』(TBS系)くらいの数字は得られるはずだ。

 ただ、このままでは「世帯視聴率0%台」の危機があるほか、番組に負のイメージが定着して浮上が見込めなくなるだけに、「もう少し様子を見てから」ではなく、「一刻も早く変えた方がいい」だろう。

帯番組は最初からうまくいかない

 もともと朝昼を問わず「帯番組の定着には数年かかる」と言われているだけに、現在の状況がどんなに悪かったとしても、「次か、その次の改編でエキセントリックに打ち切る」という最大の愚策だけは避けなければいけない。

 過去を振り返れば、同じ生活情報をベースにした『はなまるマーケット』も、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)も視聴習慣の定着には時間がかかっていた。さらに、『羽鳥慎一モーニングショー』『ひるおび!』(TBS系)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)などのニュース系情報番組も同様であり、帯番組共通の特徴と言える。ガラッと変えるのだから、最初からうまくわけがないのだ。

 放送しながら課題と向き合い、辛抱強くトライアンドエラーを繰り返しながら、視聴者のニーズをつかんでいく。地道な作業だが、やはり帯番組にはそれ以外の必勝法はないのだろう。

 1年後、『めざまし8』の谷原と永島アナが毒舌キャラを採り入れて浮上しているかもしれないし、『ラヴィット!』がオリジナリティのある企画を連発しているかもしれない。もちろん両番組ともに打ち切りの可能性がゼロとは言えないが、スタートしたばかりの分、これから試せることは多いはずだ。

 その意味で、あくまで制作サイドの姿勢次第ではあるが、両番組の先行きは決して暗くないように見える。

(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)

●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

ヤマダ電機で買える“一家に一台”常備すべき防災グッズ5選!モバイルバッテリーは必須

 東日本大震災から10年となる今年、大きな地震が頻発するなど、改めて災害への備えが注目されている。巷では多くの防災グッズが販売されているが、もちろんすべてを常備しておくわけにはいかない。そこで、家電から日用品まであらゆるモノが揃うヤマダ電機で見つけた、おすすめ防災グッズを紹介していく(価格はウェブ税込み)。

エアージェイ 太陽光&モバイルバッテリーRD/5470円

 今や日常生活になくてはならないスマホは、災害時は特に必要性が増す。電話連絡を取り合うだけでなく、ラジオやニュースなどもスマホがあれば視聴や閲覧ができ、情報収集に非常に役立つ。

 最重要アイテムともいえるスマホの最大の不安要素は、バッテリー切れだ。そこで、非常時用にモバイルバッテリーを1台備えておきたい。2018年に一般財団法人「ダイバーシティ研究所」が被災した方100人に調査したところ、「あってよかったもの」「これは絶対用意すべきと感じたもの」でモバイルバッテリーがトップに挙げられている。

 今回紹介するモバイルバッテリーは家庭用電源から充電できることに加え、太陽光でも蓄電が可能だ。急な停電や充電し忘れていた際にも、搭載されたソーラーパネルに日光が当たりさえすれば、バッテリーを確保できる。

 また、LEDライトの機能も付いているので、緊急時の光源としても使える優れもの。さらに、IPX4防水仕様となっているので、多少の雨にさらされても問題ない。容量的にも、iPhoneXSを5回フル充電できる。一家に1台常備しておいて、家族で共有するのもいいだろう。

ジェントス ヘッドライト/1111円

 災害時に必須なアイテムの筆頭として、昔から挙げられているのが懐中電灯。すでに常備している人も多いと思われるが、大きく、重く、使うときに片手をふさいでしまうタイプは意外と使い勝手が悪い。その点、頭につけるヘッドライトなら両手も空くので、今や標準的な装備となってきている。

 今回紹介するのは、電池を含めて93gの軽量モデル。体力の温存が重要な緊急時は、身につけるものは軽ければ軽いほどいい。また、横方向のバンドだけでなく縦バンドもついているため頭にピッタリと装着することができ、落下する可能性もかなり低くなる。

 さらに、単三電池1本で約12時間の点灯が可能。ヘッドライトの中には単三電池ではなくボタン電池を使用するものもあるが、汎用性の高い単三電池対応の方が安心感がある。

本田洋行 手袋シャンプーフローラル/404円

 被災した際は、数日入浴できないということもあり得る。仮に入浴ができる環境でも、体調不良などが原因で湯船に浸かれないことも往々にしてあるという。そんなときにあるとうれしいのが、この水のいらない「手袋シャンプー」だ。

 スプレータイプの水のいらないシャンプーもあるが、この商品は手袋タイプなので直に頭皮をマッサージすることができ、より清涼感を感じることができる。ストレスや疲労が溜まりやすい避難生活においては、この点が重要となるだろう。

 水分をたっぷり含んでいるためしっとりと洗い上げることができるが、泡立ちはないので水やタオルでの洗い流しは不要である。水が貴重になる避難生活において、コンパクトで場所を取らないこの商品はひとつあって損はない。

オカモト 使い切りどこでもシャワー おしりキレイ/201円

 ウォシュレットを日頃から愛用している人も多いと思うが、災害時や避難所生活では風呂に入れる機会も限られ、トイレも清潔であるとは限らない。それでも清潔さを保つためやリフレッシュ感を得るため、また痔に悩む人などにとって、ウォシュレットは必需品である。

 そこで常備しておきたいのが、この「使い切りどこでもシャワー」だ。使い切りタイプなので非常に衛生的。中に入っている水も日本で精製されたものなので、長期保存しても雑菌が増えるなどの心配もない。

 ノズルの長さも十分なので局部に難なく届く。手動で行うため、うまくフィットさせるにはコツが必要になるが、ソフトボトルなので水圧の調整なども自由にできる。握力が弱い高齢者や子どもでも簡単に使用することができるだろう。

角利産業 折りたたみクッションマットダブル/2178円

 避難生活では、すぐに布団やマットなどが用意されないことも予想される。そんなときは固い地べたに座ったり寝たりしなくてはならないが、疲れが取れない上に体温も奪われるなど危険だ。

 その際にあると便利なのが、クッションマット。ちょっとしたときに敷くだけで、体への負担が激減する。さらに、この商品は折りたたんで手軽に持ち運びができるので、避難する際にも携帯しやすい。

 また、表面に特殊な凸凹加工がしてあり、凹面に温かい空気がたまるので保温性にも優れている。夏場は蒸れを逃してくれるので、1年を通して快適だ。凸凹面の厚みは1.5cmもあり、クッション性も抜群で、1枚敷けばかなり居心地がよくなるだろう。

(文=清談社)

菅と河野が嘯く「ワクチン9月完了で合意」は本当か? 実際はファイザーCEOに相手にされず、反故になった昨年の基本合意より弱い内容

 この連中はまた、その場しのぎのゴマカシで失態を隠すつもりなのか。  菅義偉首相が訪米中に米ファイザー社のアルバート・ブーラCEOとの電話会談でワクチンの追加供給の要請をおこなったが、この交渉を受けて河野太郎ワクチン相が「9月末までに接種対象者のワクチン接種を完了できる実...

パチンコ「20万発」も狙える展開!? 注目の「激熱コンビ」に反響が続々!!

 現在のパチンコシーンで最も勢いのあるマシンといえば『P大工の源さん 超韋駄天』ではないだろうか。

 同機種が大量導入されているホールも多く、メイン機種として稼働している状況が目立つ。

 人気の秘密はなんといっても約93%という超高継続と時速36000発オーバーが可能な出玉速度である。

 本機は一種二種混合機となっており、「超源ラッシュ」中は1/ 2の大当りを保留含め4回抽選が受けられる仕様。スタートと告知も素早く行われるため、止めどないスピード感が味わえる点が特徴だ。

 演出面においても優秀で、特定図柄で「SPリーチ発展で大当り」や「SPリーチ発展で後半発展or大三源リーチ発展濃厚」など多彩な法則も魅力の一つと言えるだろう。

 そんなモンスターマシンで夢を追いかけるユーザーは後を絶たない。その強烈な性能からパチンコ番組においても実戦対象となることが多く、数々の衝撃を生み出してきた。

 特にギャンブラー色の強い演者と相性が良く、大きく白熱した勝負となりやすい印象だ。

 そういった意味では、勝負師という呼び名が似合う芸人「岡野陽一」「鈴木もぐら」の両名とは相性抜群と言えるだろう。彼らが出演するパチンコ実戦番組「くずパチ」においても同機種が対象となっているのでご紹介したい。

 同番組は「新! 王庭チャンネル」にて3月27日に開始した新番組シリーズで、先述の2人がノリ打ちをする企画。第1話ではコメント欄に絶賛の声が目立った。

『P大工の源さん 超韋駄天』が対象となったのは『【くずパチ 第3話】現行最速機種で目指せ20万発!!』である。

 今回の目標はタイトルにも記載がある通り20万発。強烈な数字を掲げる点が彼ららしさといえるが、夢の大きさが魅力でもあるのかもしれない。

 もちろん内容は見どころ満点といった様相で、実戦においてはアツい展開から初当りと連チャンに恵まれ、両者共に大勝の気配を漂わせる。

 また、演出などの解説もパチンコライター顔負けの知識を披露。特に「鈴木もぐら」は家族内でパチンコを禁止されているにも関わらず、演出期待度や法則を正確に説明する。

 これに対してコメント欄では「絶対打ってるだろ」「打ちに行ってない人の知識量じゃない」とツッコミが入れる視聴者も目立った。

 今回も二人らしさが感じられる爆笑必至の内容。気になる方、ご興味のある方は是非ご覧になってみてはいかがだろうか。

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