コロナ禍2年目、消費落ち込む野球用品業界…たった5人の中小企業が繰り出す”次の一手”

 新型コロナウイルス収束のメドが見えないなか、野球界も2年目のシーズンが始まり、試合を重ねている。

 日本のファンにとっては、大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)の投攻守にわたる活躍に沸くMLB(米大リーグ)や、NPB(日本プロ野球)の連日の熱戦に注目が集まるが、今回は、選手のパフォーマンスを支える野球用品業者の活動に焦点を当てたい。

 他の業界と同様、野球業界もコロナ禍で大きな影響を受けている。たとえば、シーズン前のキャンプ地の活動やファンとの交流が制限され、シーズン入りした現在も、本拠地スタジアムの観客数には人数制限がある。コロナ前であれば、各球団のキャンプ地や、シーズン中の各球場に多くのファンが詰めかけ、グッズの購入や現地での飲食などに支出してくれた。

 こうした興行の制限は、周辺分野の活動にも影響する。そんな状況下で、野球用品の業者、特に中小企業はどんな活動をしているのか。

 取材に応じてくれたのは、当サイトでもおなじみの「ベルガードファクトリー ジャパン」(本社・埼玉県越谷市、従業員5人)だ。特に捕手が着けるマスク、プロテクター、レガース、打者が手足につけるアームガード、フットガードといった「防具」に定評がある。

 MLBの有名選手の多くが同社製防具を身に着けてプレーするのは、これまでも記事で伝えてきた。本稿は取材や周辺情報をもとに「中小の野球用品業者の現状」を紹介したい。

対面活動の制限が続き、問屋系が厳しい

 前身の会社(1935年創業、2012年倒産)に約30年勤務後、商標を引き継ぎ、同社を設立した永井和人社長は、現在の状況をこう話す。

「昨年から始まった対面活動の制限は、今も続いています。コロナ前には各キャンプ地や球場を訪問して、当社商品を愛用する選手に使い勝手を聞くなど情報収集もできたのですが、今年もMLBの球場はもちろん、国内のNPBの球場にも行けていません。どの野球用品業者も同じではないでしょうか」

 コロナの感染防止対策で、NPBを放送する番組の解説者も「試合前のグラウンドに降りて選手や監督を取材することができない」と聞く。

 ベルガードの業績は非公表だが、2012年の設立以来、19年まで右肩上がりで成長し、3分の1の従業員数で倒産前の前身企業の売上高を超えた。それが20年は対前年比約8割。厳しい環境下で健闘しているほうだが、「うかうかできない」と危機感を持つ。

「当社の売り上げ内訳のうち、過半数を占める問屋系が伸び悩んでいます。学生野球のチームでも遠征や合宿がしにくく、試合が制限される状況なので、小売店さんもコロナ前のような営業をかけられません。そうした影響も受けています」(永井氏)

 MLBやNPBの有名選手には無償で用具を提供し(契約金は支払わない)、同社商品に興味を持つマイナーの選手やアマチュア野球選手、審判員や一般の野球愛好家に有償販売するのが同社のビジネスモデルだ。球場での選手との対話ができなくなり、現在はメールのみ。メールは便利だが、「対面でのやりとりで感じる情報とは違う」と、永井氏は話す。

「ヒトの移動で生じる消費」が影響を受けた

 アマチュア野球の大会が「無観客」で開催される場合の影響も指摘したい。

 たとえば、春夏の甲子園大会に出場する学校は、コロナ前であれば多くの応援団が甲子園のアルプススタンドに詰めかけた。チームによるが、「お揃いのTシャツや応援タオルなどの関連グッズや出場記念品で1000万円単位の売り上げになる」という話も聞く。それが無観客で開催された場合は、ほとんど売り上げにならない。どの学校にも指定業者と呼ぶスポーツ用品業者が出入りしているが、大きな売り上げ損失となるのだ。

 夏の大会では地方大会から、試合会場を移動しての熱戦が続く。熱中症対策で持参して飲むペットボトル飲料の消費も増える。それが大会縮小や中止、応援自粛では影響が出る。

 別の取材結果では、20年の清涼飲料市場全体で17億7700万ケース(「飲料総研」調べ)となり、対前年比93.4%と落ち込んだと聞いた。21年の同数字も伸び悩む。

 野球用品と応援グッズと清涼飲料は関係ないように思うが、メディアで報道される外食やホテルの影響と根底は同じ。「ヒトの移動によって生じる消費」のすそ野は広いのだ。

 さらに「Doスポーツ」(自分でやるスポーツ)と「Seeスポーツ」(観戦するスポーツ)の相関関係もある。さまざまな競技のなかでも、野球、陸上(ジョギングやマラソン)、水泳などは、「Do」と「See」が連動しやすい。オリンピックや世界選手権などの国際大会で日本チームが活躍すると、一般消費者がスポーツ用品を買ってその競技を楽しむ、という相乗効果が出る。国際大会の延期や中止による業績への影響は無視できないのだ。

外国人の需要に応える「越境EC」を立ち上げ

 ベルガードも「待っている」だけではない。今年の取り組みを永井氏が明かす。

「最近はECでの売り上げが伸びています。そこで新たに越境ECサイト(国境を超えて行うECサイト)『belgard shop』を立ち上げました。日本語、英語、スペイン語、中国語、台湾語の5カ国語に対応しており、海外からの注文も受け付けています」

 これまで自社サイト「ベルガードオンラインショップ」や、提携先の「アクセフベルガード(AXF)」のサイトで販売していた人気商品に加えて、新商品も投入した。

「『belgard shop』では、福井県鯖江市のメーカーと提携して最高級スポーツサングラス(2万9700円/税込み、以下同)も開発しました。鯖江は国内シェア約96%のメガネの聖地で、技術力も高い。IFMC.(イフミック=集積機能性ミネラル結晶体)とのダブル特許技術を採用したノーズパッドがない商品で、鼻にかけた跡も残らず、激しい動きでも落ちません。自転車競技など炎天下で動くスポーツにも対応できます」(同)

 サイト構築や商品開発のきっかけは「不満あるところにビジネスあり」の視点だ。永井氏自身も長年、草野球でプレーしている。「欧州も少ないとはいえ、野球人口は増えていて、選手は野球用品を米国の通販で買って輸入しています。そうした消費者の受け皿となり、当社商品の品質の高さを実感できるサイトにしていきたい」と話す。

開発起点は、「身体を護る」と「パフォーマンス向上」

 2017年から19年にかけて、提携するアクセフベルガード商品が評判となった。前述したイフミックの効果を持つパフォーマンス向上型商品で最初に話題を呼んだのは、日本のプロ野球界。坂本勇人選手(読売ジャイアンツ)らが装着したネックレス(4950円)だった。

 坂本選手は「試しにネックレスを装着した試合でホームランを打ち、手放せなくなった」という。他の有名選手が身に着ける姿もメディアで報道され、売り上げが大きく伸びた。

 20年には「XB」のロゴの入ったマスク(1枚630円)が大いに売れ、約20万枚を販売した。ベルガードには販売数に応じてロイヤリティ(権利使用料)が入る。

 いずれもヒットしたとはいえ、ネックレスとマスクは、従来のベルガードのイメージとはやや遠ざかる。今回のサングラスもそうだが、商品開発の軸をどこに置いているのか。

「基本的には、防具に代表される『身体を護る』と、それを着けて『パフォーマンス向上』がキーワードです。あくまでも当社らしさ、という軸は崩していません」(同)

 ネックレスもマスクもサングラスも、その軸に沿った商品なのだ。商品は検査機関の審査を受けたり、イフミックは特許を取得(特許第6557442号)したりしている。

柔軟に対応して「売り上げをつくる」

 今年1月、別の中小企業(東北地方の食品加工業)を取材した際、30代の経営者から「コロナ禍でも、なんとか売り上げをつくれている」という説明を聞いた。同氏は、先代からの看板商品に加えて、ネット販売向けの新商品開発にも積極的だった。中小企業の強みは柔軟性なので、あの手この手で「売り上げをつくる」姿勢は欠かせない。

 ベルガードは、前述の越境ECサイト立ち上げも永井氏自身が行った。外部に委託する費用を抑えるだけでなくノウハウも身につき、内容変更にも対応できる。「今はネットで制作ノウハウが学べますから、できるだけ自分たちで行います」(同)と話す。

 事業環境が一気に変わり、「昨日の顧客」が「明日の顧客」にならないご時世。特定の大口顧客を当てにしていると、本稿の紹介事例のように環境悪化で厳しくなる。我慢すれば顧客は戻るのではなく、何で売り上げをつくり、新たな顧客を育てるかが大切だろう。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。 近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

「プロテインを飲んではいけない」は本当?“筋トレドクター”が解説

「プロテインを飲んではいけない」と警鐘を鳴らす医師の記事が話題となっている。

 インターネット上では賛否両論が飛び交っているが、実際のところはどうなのか。“筋トレドクター”の愛称を持ち、トレーニングに詳しいくぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢氏は、こう語る。

「『プロテインは腎臓に悪い』vs.『トレーニング時などではプロテインは体にいい』という極論が、正しい理解を遠ざけていると思います」

 プロテインを摂取する人の条件は同一ではなく、その人の年齢や健康状態、食生活などによって、効果的となるか有害となるかの評価は異なってくる。

高齢者や基礎疾患がある場合には注意を

 多くの場合、自覚症状はないが、実は成人の腎臓の機能は加齢と共に低下していく。基礎疾患がなく健康な人の場合でも1年ごとに1%程度、腎機能は低下するといわれる。さらに、糖尿病や高血圧などの基礎疾患が加われば、1年に2~5%もの機能低下が起きる場合もある。健康寿命が注目される昨今、トレーニングを行う高齢者も増えているが、それに伴う問題ともあるという。

「高齢の患者さんが、血液検査でクレアチニン値(腎機能を表す検査値)が急に高くなることがあります。生活に変化がなかったかなど詳しく聞いてみると、『トレーニングを始めて、ジムでプロテインを勧められて飲んでいます』と聞くことが、これまでも何度かありました。そんな時は、『プロテインが腎臓に負担をかけるからやめましょう』と説明します」(窪田医師)

 クレアチニンは腎臓でろ過され、尿として排出される。クレアチニン値が高いということは、腎臓が十分にクレアチニンをろ過できず、血中濃度が上昇してしまっているわけで、腎臓の機能低下を意味する。高齢者や基礎疾患がある人は、安易にプロテインを摂取すべきではないだろう。

中身が大事

 トレーニング後にプロテインがいいというのは、あくまで健康であることが前提だが、プロテインによっても違いがあり、注意が必要だという。

「プロテインと一口に言っても、添加物が多いものには注意が必要ですね。添加物が腎臓に悪い場合もありますし、糖質を多く含むものは糖尿病のリスクを上げるなどのデメリットが考えられます。私もトレーニング後にはプロテインを摂取しますが、グラスフェッド(牧草飼育)プロテインやオーガニックプロテインを選ぶようにしています。

 かつて“野菜ジュースが体に悪い”と騒がれたこともありましたが、市販の野菜ジュースの中には糖質が多く、体に良いとはいえないものもありますが、野菜だけを絞った野菜ジュースは体に良いわけです。プロテインも同じで、どういった中身かが大事ですね」(同)

生活に合わせてプロテインを摂取

 プロテインの添加物等が心配という人は、食事からプロテインを取ることも可能である。

「プロテイン(たんぱく質)の1日の必要摂取量は、運動をしない人でも体重1kg当たり1gといわれます。60kgの人であれば60gということになりますが、これを食事から取るのは大変だと思います」(同)

 たとえば、ささみ100gに19g、豚ロース150gに22.7g、マグロ100gには26.4gのたんぱく質が含まれる。60gのたんぱく質を取るためには、それなりの量の肉や魚を食べる必要がある。

「食事から十分に取れる人はそれでいいと思いますし、時間がなく料理もできないという人にとっては、プロテインで手軽に補うことができるのはいいことですし、生活にあった方法で摂取できればいいのではないかと思います」(同)

 むやみやたらにプロテインを摂取すると健康を害することもあるが、自分の体質・体調も考慮したうえで、質の良いプロテインを適量摂取するならば有益となり得るということだ。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

満島ひかりの“自由さ”から考える、日本の芸能界が俳優に強いる“不自由さ”という問題

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

【前回】は、日本の芸能界で売れっ子となった役者さんが、その自分の売れ方に見合った適切な収入を得てウハウハな生活を送るには、純粋な役者業だけではとてもわりに合わず、ギャラのよいCM仕事をせざるを得ない、しかしそのためには品行方正なプライベートを送らねばならず、そのためにこそ日本の「大手芸能プロ」の存在意義がある……なんてお話をしました。

 CM仕事をする場合、企業や商品のイメージを背負うことになるため、出演者の不祥事やスキャンダルはどうしてもご法度なわけですが、そのために純粋な仕事のマネジメントだけでなく、適切な“プライベート管理”をするのも芸能プロの仕事。そして万が一不祥事を起こしてしまった際にも、大手芸能プロならそのイメージダウンを最小限に抑えるノウハウを蓄積しており、だからこそ大手芸能プロに所属し続ける意味がある、というわけですね。

 大手芸能プロの強みは、こうした手厚いマネジメントができることだけでなく、電通や博報堂などの大手広告代理店や大手企業との、歴史的に形成された強いコネクションがあることでしょう。だからこそ芸能人が大手芸能プロから退所後、独立してフリーになった途端、なんだかショボい商品の広告をやっているなあ、胡散臭い企業のCMをやっているなあ、というケースもよくありますよね。

「まあフリーになったからしょうがねーよ」と、タレントさん本人もわかってやっていればいいのでしょうが、「え? そのクラスの役者なのにそんなCMやっちゃうの?」と、結果イメージダウンにつながってしまうようなケースも散見されます。

【前回「連ドラ主演クラスでギャラ2千万円の“安さ”を考える…芸能人が不倫で謝罪する本当のワケ」】

独立した途端“少々やばめ”な仕事をしてしまった米倉涼子にはブレーンがいない?

 たとえば、2020年3月にオスカープロモーションを退所した米倉涼子さんは、独立して個人事務所「Desafio」設立後も、楽天モバイルのCMなんかをうまくやっているのはいいのですが……一方で新たに、某アンチエイジング美容ブランドのCMにも出演しているんですよね。アレはちょっと……女優として築いてきた彼女のイメージを損ないかねないと個人的には思うのですが……。

 要は、受けるべき広告仕事の選別、スクリーニングが、独立してしまったがゆえにうまくできていない、ということなのかもしれません。本連載の【第22回「当初は批判されたホリプロ、美人姉妹が担うナベプロ…世襲に成功した芸能プロの秘密」】でも語った通り、長年在籍したオスカープロモーションの“お家騒動”もあって逃げるように退所した彼女のことですから、きちんとしたブレーンがいないのかもしれませんね……。

 特に米倉さんは“芸能界のど真ん中”で仕事をしてきたタイプの女優さんなので、それをそのまま独立後も維持していくためには、非常に高度な舵取りが必要とされる。それはやっぱり、なかなかハードルが高いことでしょうね。

 逆に、現在フリーランスで活動している女優の満島ひかりさんのように、事務所に縛られずに仕事を自分の目で見て判断したい。しかもそのための“選球眼”、センスのよさも自身にしっかり備わっている、というタイプの方であれば、むしろ独立が向いているでしょう。彼女はもともとが「地上波ゴールデンタイムの連ドラ主役でバーン!」みたいなことではなく、玄人受けする作品に多く出ているような渋めの活動を続けてきた女優さんですから、独立後もその感じを維持することは、比較的容易でしょうしね。

 満島さんが前所属事務所のユマニテを退所する際、事務所の公式サイトには同社の代表・畠中鈴子さんによるこんなメッセージが掲載されました。

「ここにきて一度立ち止まりこれからを考えてゆこうと話し合う過程で双方誠実に向き合い生まれた結論です。プロダクションという枠に守られる形ではなく、すべて自分の責任のもと自由に独りでやってみたいという本人の意思を尊重することにいたしました」「所属という形ではなくなりますが、今後ともできるかぎりのサポートを続ける所存です」

 こうした文面を読むだけでも満島さんのケースは、米倉さんのような少々後ろ向きな独立とは違う、少なくとも表面上は互いに納得しての退社だったことが伝わってきますね。まあ、結局はどちらのケースも、旧事務所との関係がうまくいかなくなったからこそ独立にいたった……という意味では一緒なのかもしれませんが(笑)。

かつて満島ひかりが所属し、今も東出昌大が所属する芸能プロ・ユマニテ社長の“すごみ”

 そもそもユマニテの畠中社長は、所属タレントにオファーが来た作品の脚本などをしっかり読み込んで本当にいい作品なのかどうかを吟味したり、今後ブレイクしそうな監督さんをしっかり見極めたりした上で、タレント本人と相談しながら出演するかどうかを決めることのできるタイプ。

 いやもちろんそんなことどんなマネージャーでもやっている(つもり)なのですが、畠中さんはねー、やっぱセンスがいいんですよ。そしてなにより、ステレオタイプな美男美女ではなく、魅力ある個性的な俳優を発掘する審美眼がすごい。

 例の不倫問題で大きくつまづいてしまった東出昌大くんもユマニテの所属ですが、だから畠中社長の言うことを聞いてちゃんと仕事をしていれば、彼もそのうちちゃんと復帰できるんじゃないかなあ。決して“うまい”タイプではないですが、やっぱ独特の雰囲気のあるいい役者さんですからね。なんてったって、あの複雑な家庭に育った杏ちゃんが惚れた男なわけですから(笑)。

 まあとにかく、そんな畠中社長率いるユマニテも、タレントに寄り添いつつしっかり育成する……という、大手芸能プロとはまた違いますが、いい意味での“家族感”のある、そういう意味ではやはり、日本の芸能プロらしい事務所だということができるでしょうね。

 満島さんは、畠中さんのそうした仕事ぶりを間近に見てきたからこそ、独立後も仕事の選別が適切にできているのかもしれません。現に、フリー転身後は小沢健二さんと楽曲「ラブリー」のセッションをし、2人で『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にも出演したりと、彼女らしさが感じられる活動をしており、それがファンにも受け入れられていますよね。

芸人やタレントであれば、“本業”を生かしYouTuberとして効率よく稼げるようになった現代という時代

 満島さんのようなタイプでなくとも、CM仕事をバンバンやって稼ぎたいというよりは、自分がやりたい仕事だけに、きちんと向き合ってやっていきたいというタイプの役者さんなら、いったん有名になりさえすれば、大手プロから独立しても、ある程度うまいことやっていけるでしょう。

 また、芸人さんやタレントさん寄りの方であれば、たとえ大手芸能プロから独立したとしても、“円満退社”でありさえすれば、バラエティ番組は1回せいぜい半日から数日の拘束で、数十万円から売れっ子になれば100万円を超えるギャランティが入ってくる世界ですからね。最近はコロナで減っちゃったけど、知名度があれば地方のイベント仕事で高額のギャラを手にすることも可能ですし。

【前回】の記事で説明したような、数カ月拘束されてせいぜい200〜300万円……という役者の“コスパの悪さ”からすれば、非常に効率よく稼げる業種です。それでより売れっ子になってゲームやIT企業のCM仕事でも取れれば、もはやウハウハですよね。役者のように「CM仕事を取らないことにはウハウハな収入を得られない」というのとは次元の違う、バラエティ番組や情報番組を主戦場としているような芸能人の方というのは(売れっ子でいさえすれば)“本業”だけで効率よく稼げる背景があるわけですね。

才能ある役者さんがストイックに役者であればあろうとするほど“稼げない”という日本の現状

 そして今や、芸人さんやタレントさんにいたっては、大手芸能プロと“揉めて”辞め、地上波テレビのバラエティ番組という大きな“主戦場”を失ったとしても、なお余裕でウハウハな世界が待っている、という時代に突入しましたよね。そう、ご存じの通り、YouTubeを筆頭にしたネット世界のビジネスの開拓です。その典型例が、吉本興業を辞めた雨上がり決死隊・宮迫博之さんやキングコング・西野亮廣さん、オリエンタルラジオ・中田敦彦さんや、ジャニーズ事務所を辞めた手越祐也くんなんかでしょうね。

 もともとの知名度を生かして彼らは、YouTuberとして100万人以上のチャンネル登録者を抱え、多少あやしげな企業が多いとはいえCM仕事なども獲得し、おそらくは億をゆうに超える年収を維持しています。さらに最近は、熱心なファンを囲い込んでオンラインサロンやクラウドファンディングを展開し、そこでマネタイズすることも可能ですよね。

 大手芸能プロと揉めて辞めた以上、テレビ局側の“忖度”その他によって、かつてはバンバン出演していたゴールデンタイムのバラエティ番組や歌番組、ドラマなどから遠ざかってしまう……という状況にはなりますが、逆にいえばそこを諦めさえすれば、稼ぎという面ではまったく問題ない、むしろ以前よりもウハウハなビジネスをきちんと展開できる世界が広がっているわけですね。

 で、役者、俳優なわけです。【前回】の記事で説明した通り、役者はねえ、ひとりでは稼げないし、YouTubeでひとり演技をするわけにもいかないし(やることは可能でしょうが、稼げないでしょうし)、だからこそ知名度に見合う収入を得ようと思えば、CM仕事に頼らざるを得ない。だからこそ、大手芸能プロを辞めることには大きなリスクが伴う、ということなんですよ。

 いやもちろん、俳優でありながらYouTuber的な活動をして人気を集め、多くのチャンネル登録者を獲得している役者さんも多いですよ。それこそ、【前回】の冒頭で挙げたアミューズを独立した佐藤健くんとかね。でもあれ、彼の“本業”ではないですからね。それから一方で、5月14日で最終回を迎えたNHK朝の連ドラ『おちょやん』ヒロインを務めた杉咲花さんのように、ストイックに役者業に邁進するためにインスタグラムからの撤退を表明して話題を集める女優さんもいるほど。かようにSNSや動画サイトで“素”を見せることと、映像作品のなかで演技をすることとは、本来的には相反することなんですね。

 才能ある役者さんが、ストイックに役者であればあろうとするほど、その“本業”だけではなかなか知名度に見合った高収入を得ることが難しい……というこの現状。ああ、我がニッポンにおける俳優という職業の、なんと悲しいことよ……。

 さて【次回】は、売れっ子俳優さんの収入や活動のあり方について、“エンタメ大国”アメリカを比較例として挙げながらさらに考えていきたいと思います。なんだか本連載にしてはいつになくアカデミック(?)な雰囲気が続いておりますが、引き続きなにとぞよろしくお願いいたします!

(構成=田口るい)

【前回「連ドラ主演クラスでギャラ2千万円の“安さ”を考える…芸能人が不倫で謝罪する本当のワケ」】

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

東京五輪は本当に国民犠牲の実験場に…代々木公園では木々を剪定しパブリックビューイング会場を設営開始、しかも電通が巨額で落札

 東京五輪開催をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府からぞっとするような暴論が相次いでいる。IOCのジョン・コーツ調整委員長が緊急事態宣言下でも「絶対にできる」と発言したかと思えば、トーマス・バッハ会長も「五輪の夢を実現するために誰もがいくらかの犠牲を払わない...

パチンコ『ルパン三世』など「看板コンテンツ」製造も…大手メーカーは「ビッグタイトル」投入で大幅増益を狙う

 パチンコ・パチスロ事業のほかゴルフ事業も手掛ける平和は5月13日、2021年3月期の連結決算を発表した。

 これによると、売上高は1077億4,400万円、営業利益は53億1,100万円、経常利益は57億9,900万円、純利益は8億6,500万円。それぞれ前期比25.5%減、77.4%減、75.1%減、94.5%減となった。

 遊技機業界は、2020年4月に発令された緊急事態宣言による休業や時短営業等の実施後から依然として厳しい経営環境が継続。このような環境下、同社はヒット機種を創出する商品開発、販売台数の最大化・ブランド力の向上及びコスト・利益管理のさらなる徹底を推進した。

 パチンコ機はパチンコ完全オリジナル演出で名作映画を復活させた『ルパン三世~復活のマモー~』、看板コンテンツの最新作『戦国乙女6~暁の関ヶ原~』など4機種。

 パチスロ機は蝶が飛べば1G連確定となるお馴染みのパトランプマシン『南国育ち30』、上乗せに特化したAT機『パチスロKING黄門ちゃま』など6機種を発売した。

 販売台数はパチンコ機49,890台、パチスロ機35,393台の計85,283台。前期のパチンコ機95,483台、パチスロ機68,917台、計164,400台を大きく下回った。

 以上の結果、売上高は332億9,200万円、営業利益は2億8,700万円。それぞれ前期比46.0%減、98.4%減となった。

 ゴルフ事業については、2020年10月に「PGM石岡ゴルフクラブ ジャック・ニクラウスゴルフコース」など4ゴルフ場の株式譲渡契約を締結し、2020年12月より運営を開始。

 また、2020年1月にスポンサー基本合意契約を締結した「PGM池田カントリークラブ」の運営を2021年2月より開始するなどしたが、ゴルフプレイヤーの行動変容に伴うコンペの減少などで顧客単価が低下したこともあり、前期を大幅に下回った。

 以上の結果、売上高は744億5,200万円、営業利益は76億2,400万円。それぞれ前期比10.2%減、17.9%減となった。

 2022年3月期としては、遊技機事業は旧規則機の撤去期限到来による入れ替え需要が高まるとし、パチンコ機は既に発売済の『ピンク・レディー』や『ガールズ&パンツァー 劇場版』など8機種、パチスロ機は6月導入の『パチスロ ガールズ&パンツァー 劇場版』など5機種をリリース予定。

 パチンコ機は108,000台、パチスロ機は52,000台、合計で160,000台の販売を見込んでおり、連結業績については、売上高は1507億円(前期比39.9%増)、営業利益は223億円(同319.8%増)、経常利益は214億円(同269.0%増)、純利益は139億円と、大幅増益となる見通しとした。

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『古畑任三郎』“神回”SMAP全員出演回、再放送求める声続出…フジが放送できない裏事情

 名優の田村正和さんが4月3日に死去していたことが伝えられ、テレビ各局が追悼番組を放送している。

 19日に『徹子の部屋』(テレビ朝日系)は、田村さんが49歳(1993年)、67歳(2011年)、69歳(13年)のときに同番組に出演した回のダイジェスト版を放送。23日には、09年に放送された主演ドラマ『松本清張 疑惑』(同)が放送された。なかでも大きな反響を呼んでいるのが、21日に再放送された『古畑任三郎ファイナル~ラスト・ダンス~』(フジテレビ系/06年)だ。

『古畑任三郎』は1994年に第1回が放送され、以降、連続テレビドラマやスペシャル版などが足かけ13年にわたり制作された人気シリーズで、田村さんの代表作の一つとして数えられている。今回放送された『ラスト・ダンス』はシリーズ最終話だが、テレビ局関係者は語る。

「犯人役は松嶋菜々子で、松嶋は双子の姉妹2人で同一のペンネームを持つ人気脚本家を演じるという“一人二役”に挑戦。妹が姉を殺害したと見せかけて、実は姉が妹を殺害していたという複雑なトリックを、田村さん演じる古畑が解いていきますが、今回改めて視聴して“こんなに面白かったのか”と素直に驚いています。松嶋も当時は30代前半で、その美しさにほれぼれしますが、古畑にアリバイを完全に崩され、古畑の肩で静かに泣きながら“ラスト・ダンス”を踊るラストシーンは本当に素晴らしいです」

 今回の再放送は平均世帯視聴率が13.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率をマークしたことも話題を呼んでいる。

「視聴率争い激戦区である金曜夜のゴールデン帯ど真ん中にもかかわらず、再放送でこの数字というのは驚異的。今のフジテレビで、新作ドラマでもこれだけの数字を取るのは並大抵ではない。フジも本音では、毎週のように『古畑任三郎』の再放送を流したいんじゃないですかね」(同)

SMAP全員、本人役?

『古畑任三郎』といえば、殺人犯として毎回ゲスト出演する豪華キャスト陣も見どころの一つだが、なかでも多くの『古畑』ファンの記憶に残っているのが、元SMAPの5人全員が登場した1999年放送のスペシャル版だろう。視聴率的にも32.3%という驚異的な数字をたたき出していたが、別のテレビ局関係者はいう。

「当時、人気絶頂だったSMAPの中居正広、木村拓哉、香取慎吾、稲垣吾郎、草なぎ剛の全メンバーが、なんと“本人役”で出演。5人で手を組んで仕事関係者を殺害するという設定ですが、現実での各人のキャラクターがそのまま役柄に反映され、まるで実際の彼らの人間関係を描いているかのような演出。その突拍子もない試みが傑作を生みだし、いまだに『古畑』一番の“神回”と名高い。

 そのため、田村さんの逝去を受けて再放送を望む声もネット上に多いですが、実現はほぼ100%ないでしょう。作品自体の著作権はフジテレビが保有していますが、当時の5人の肖像権は恐らくジャニーズ事務所に所属したままだと思われ、事務所の許可なしでは放送は不可。現在、元SMAPメンバーでジャニーズに残っているのは木村だけですが、5人全員が映るドラマが再放送されて再びあの解散・退所騒動を世間に蒸し返されても、事務所にとってはなんのメリットもないですからね。第一、フジ的には、わざわざジャニーズの気分を害するような真似をするはずもなく、再放送の打診すらしないと思いますよ」

 昨年、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』が、視聴者にもう一度見たい過去の放送のリクエストを募った際、番組の公式ツイッターが「たくさんの再放送リクエスト、ありがとうございます。特に #SMAPスペシャル!こんな時だからこそもう一度見たい…という気持ちは私たちも同じです。可能性、探り続けていきます」と投稿し話題を呼んだが、結局、再放送には至らなかった。今回は視聴者たちの“熱い思い”がテレビ局を突き動かすことは、あるのだろうか。

(文=編集部)

 

パチンコ新台「100%ST最高峰スペック」が降臨! ファン待望の「名作」復活を盛り上げる「激アツ情報」も話題!!

 4月にはミドルスペック、5月10日には199バージョンと、SANYOはサンスリー名義で『Pギンギラパラダイス夢幻カーニバル』をリリース。導入から好反響を得ている。

 特に前者の爆裂情報は目立つ印象。強力な出玉性能を有した本機は、トータル継続率が約85%、大当りの75%が10Rという一撃性に秀でた仕様だ。「一撃2万3000発」「24連3万発」といった出玉報告が浮上し話題になった。

 どちらも高稼働を誇っている状況だが、同社は立て続けに『海物語』シリーズの最新作を発表。新台『P大海物語4スペシャル BLACK』の導入を開始した。

■大当り確率:約1/199.8→約1/40.6
■賞球数:3&2&15&4&2
■カウント・ラウンド:10カウント・10Ror5Ror3R
■ST突入率:100%
■ST回数:51回(電サポ50回)
■ST継続期待値:約72%
○○○

『大海物語』STシリーズの元祖にして最高峰スペックと名高い初代「黒海」こと『CR大海物語BLACK LI GHT』を完全再現した本機は、大当り確率約1/199.8で、ST突入率は100%。

 STは初代「黒海」と同じく51回転(電チューサポート50回)で、この間は大当り確率約1/40.6、継続率は約72%となる。

 大当り内訳は10R約1,500発が30%、5R約750発が30%、3R約450発が40%。ヒキに恵まれれば、瞬く間にドル箱を積み上げることができるだろう。

 ST中は初代「黒海」と同じゾーン構成で、1~10回転の「ブラックパールゾーン」はリーチ発展で大チャンス。11~40回転の「いつものSTゾーン」は好みのステージで楽しめる。

 41~50回転の「カウントダウンゾーン」は予告の有無がポイント。また、51回転目は「泣きの1回」で、リーチになれば大当り濃厚だ。

 このほか、本機は「予告カスタム」機能もあり、ST中の予告なし選択時はシンプルな初代「黒海」のゲーム性を味わえる。初代「黒海」好きには嬉しい限りであり、実際に早くも高評価を得ていると聞く。

 最高峰スペックと名高い初代「黒海」を完全継承。長期稼働を実現しそうな勢いだが、この最新タイトルを盛り上げようと同社は5月22日より導入記念キャンペーンを開催中だ。

 同キャンペーンは公式アカウントをフォローした後、該当ツイートをリツイートすれば応募完了。6月4日23時59分までの期間中、毎日投稿されるキャンペーンツイートをリツイートするたびに当選率がアップする仕組みとなっている。

 A賞「ブランドキャビア/宮崎キャビア1983プレミアム」、B賞「ブランドイカスミ/モンテベッロ イカスミパスタ&リゾットセット」、C賞「ブランド海苔/山形屋海苔店『紫薫』詰め合わせ」といった「黒海の秘宝(ブラックパール)」が、それぞれ3名にプレゼントされるという内容だ。

 加えて、「QUOカードPay500円」分が抽選で10名に当選するチャンスもある。詳しくは公式HPに掲載中なので、興味のある方は今すぐチェックしていただきたい。 

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JRA ソダシ「完敗」で女王復権に暗雲!? 秋の変則二冠「クリア条件」満たせず、オークス(G1)敗戦からの巻き返しに立ちはだかる大きな壁

 23日、東京競馬場で行われたオークス(G1)は、3番人気のユーバーレーベンが優勝。鞍上のM.デムーロ騎手はラウダシオンで制した昨年のNHKマイルC(G1)以来、約1年ぶりとなるG1勝利の美酒に酔った。

 単勝1.9倍の断然人気に支持された白毛の女王ソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、直線で伸びを欠き8着。昨年のデアリングタクトに続く、2年連続の無敗牝馬三冠の夢は樫の舞台で幻に終わった。

 最大のライバルと目されたサトノレイナスがダービー参戦を表明し、ソダシ陣営にとって負けられない戦い。

 デビューから5連勝で桜花賞(G1)を制したソダシの武器は、スッと好位で折り合える操縦性の高さとそのスピードだったが、オークスでは前進気勢の強さが裏目に出てしまった。

 好スタートを決めたソダシは先頭を奪いそうな勢いで前に行こうとする。さらには大外から内へと切れ込んだステラリアに蓋をされ、プレッシャーを受ける苦しい展開。鞍上の吉田隼人騎手も、行きたがるソダシを懸命になだめようとするが、首を上げて抵抗する素振りも見せた。

 最後の直線で伸びを欠いたのは、道中の力みがソダシのスタミナを徐々に奪っていったからだろう。マイルのような短距離であれば、ここまでの影響はなかったかもしれないが、底力を問われる東京の2400mを走り切るには大きな誤算となった。

 キャリア初の敗戦を喫したソダシの次なる目標はおそらく秋の秋華賞(G1)が濃厚だが、オークスの完敗は巻き返しを期すソダシ陣営にとって、決して楽ではないかもしれない。

 1996年に創設された秋華賞の歴史で、オークスに出走して敗れた桜花賞馬が勝利した例は98年ファレノプシス、2001年テイエムオーシャンの2回のみ。巻き返しに成功したこの2頭に共通しているのはオークスで好走していることである。いずれも敗れはしたが、見せ場十分の3着であり、8着に完敗したソダシとは決定的な違いといえる。

 そしてやはり、秋華賞の舞台でもオークス同様にクロフネ産駒に対する距離の限界は見え隠れする。11年ホエールキャプチャはオークス3着の実績がありながら3着に敗れ、17年アエロリットは7着に敗退。2頭が一介の穴馬ではなく、1番人気だったことも深刻さを物語っている。

 クロフネ産駒が未勝利だった阪神・芝1600mのG1・阪神JF、桜花賞を連勝し、過去の前例を覆したソダシだが、オークスでは芝2000m以上で未勝利のデータが立ちはだかった。折り合いに課題の残ったソダシの初黒星は、女王復権を目指す次走でも大きな影を落とすことになりそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

JRA 「億超え」連発WIN5に阿鼻叫喚の嵐!? 大本命ソダシ敗れてもキャリーオーバーなし、早くも今年4度目の「億り人」が誕生

 わずか2票の的中で払戻は約3億円というドリーム配当となった16日のWIN5。その熱気も冷めやらぬ中、23日にもまた競馬ファンにとって衝撃の結末が待ち構えていた。

 前回は絶対的マイル女王・グランアレグリアが単勝1.3倍に応えて勝利したにもかかわらず、16番人気コロラトゥーレが大波乱を演じたこともあって払戻は、なんと3億591万1340円。今回も競馬ファンから大きな注目が集まった。

 対象レースとなったのは中京、新潟、東京の5レース。

 1つ目の中京10R鳳雛S(L)から不穏な予兆はあったのかもしれない。前走のUAEダービー(G2)で世界の強豪相手に4着に好走したタケルペガサスが2.8倍の1番人気に支持されたが、これを3馬身差で置き去りにした5番人気ウェルドーンが快勝。これで総票数777万3775票(7億7738万円)から95万7599票まで減った。

 2つ目の東京10RフリーウェイS(3勝クラス)でも、1番人気ショウナンアオゾラが伸びを欠いて5着に敗れる。2着3着と同タイムのクビ、ハナ差の大接戦を制したのは直線13番手から馬群を縫うように抜け出した2番人気リアンティサージュだった。上位人気馬が勝利したことで生存はまだ15万9537票。ここまではWIN5で比較的よくあるケースだったといえる。

 だが、状況を一変させたのが3つ目の対象レース新潟11R韋駄天S(OP)だ。一昨年、昨年の同レースを連覇し、3連覇を狙うライオンボスが1番人気。ここまで新潟の千直を4勝2着2回と完璧な成績を誇っていた同馬だが、9着と初めて大きく崩れた。

 それでも3番人気ケイアイサクソニーが抜け出し、大勢決したかというところで馬群を切り裂いて伸びたのが14番人気の超人気薄タマモメイトウだった。初の千直挑戦ながら抜群の適性を見せた大穴に多くのWIN5購入者は阿鼻叫喚。生存は15万9537票から一気に557票まで激減した。

 さらに4つ目の中京11R大垣S(3勝クラス)は、3番人気までの馬が2~4着に来たものの、6番人気の伏兵デンコウリジエールが快勝。これにより、生存票は557からいよいよ29票まで減少した。

 そして迎えた最終関門。5つ目の東京11Rオークス(G1)は単勝1.9倍のソダシが登場。昨年のデアリングタクトに続く無敗二冠が期待されたものの、直線で止まって8着に敗退。3番人気ユーバーレーベンが勝利したとはいえ、圧倒的1番人気馬の敗戦にキャリーオーバーへの期待も高まった。

 WIN5を購入していないファンにとっても気になるこの日の結果は2票の的中があり、払戻はなんと2億7208万2120円。前回に続いて2週連続の“億り人”が誕生する結果となった。

 それにしても今年のWIN5は「史上最高レベル」と言っても過言ではない荒れ具合ではないだろうか。今年に入ってこれで早くも4度目の「億超え」配当。しかもこれだけ「荒れ放題」なのにキャリーオーバーはまだ発生していないというのだから恐ろしい。

 超高配当の波乱の翌週は堅い決着となるというジンクスは、もはや遠い昔の話かもしれない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

人気パチスロライターが闘病の末に逝去。同僚ライターもSNS上で追悼

 5月18日、パチスロ業界及びパチスロファンに衝撃が走った。パチスロ必勝ガイドの公式Twitterにて、かねてより闘病中であったパチスロライター・マエダ氏の逝去が発表された。

 マエダ氏はパチスロ必勝ガイドやパチスロパニック7、パチスロ実戦術などガイドワークス発行の各雑誌で活躍する人気ライターのひとりであった。綺麗に刈り上げた坊主頭にスーツ姿がトレードマークで、動画では小道具を用意してトークを繰り広げるなど、その振る舞いと創作への姿勢は業界関係者からも評価が高かったという。

 トラックの運転手など数々の仕事を経験する中、過去にはパチスロの設定師だったこともあるそうで、ホールの癖を読み切った立ち回りには定評あり。ガイドワークスが誇るガチプロのひとりでもあり、パチスロ必勝ガイドの看板誌面企画「91時間バトル」などといった実戦企画には欠かせない人物でもあったそうだ。また、若かりし頃の愚行を告白したコラムも好評だったと聞く。

 そんなマエダ氏は癌に侵され、癌宣告から約2年半後の2021年4月1日には自身のTwitter上で病状を報告していた。それによると、手術を繰り返すも骨をはじめ各所に癌が転移し、投薬で痛みを抑えている状態とのこと。いずれホスピスへの入院も選択肢として選ばなければならないとしながらも、「当たり前の日常は当たり前じゃない」「それを大切にしてほしい」と何気ない生活のありがたみをフォロワーたちに呼びかけ、癌の身近さや検診の大切さを訴えていた。

 マエダ氏の人徳なのであろう。Twitterには、氏が投稿する都度、応援コメントが多数。同僚たちからもメッセージが送られていた。

 パチスロ必勝ガイドの公式Twitterで訃報が伝えられた際も、アニマルかつみ氏やガル憎氏、漫画家のサマンサ三吉氏などの多くの関係者が追悼コメントを投稿。塾長が「あのクソ野郎、ぶん殴ってやりたい」とのタイトルで寄稿した「DMMぱちタウン」のブログも、内容から察するにマエダ氏のことを想ったものと思われる。

 生シラスを愛したというマエダ氏は享年45。心よりご冥福をお祈りいたします。