カテゴリー: 暮らしの情報センター
広告企画やプレゼンにおけるサンプルイメージの取り扱いには注意!
この連載では、書籍『広告法』の中から、特に実務的にフォーカスしたい点を取り上げて、Q&A形式で解説していきます。
今回は、広告企画やプレゼンにおけるサンプルイメージの取り扱いについて取り上げます。
Q.広告の企画やプレゼンテーションの際に,完成形のイメージを共有するために,ヴィジュアル、音楽などについて既存の作品をサンプルイメージとして使うことがあります。どんなことに気を付ければよいでしょうか?サンプルイメージの利用としては、例えば既存の写真・映像などのヴィジュアルをサンプルイメージとしてプレゼンテーションにおいて使用し、「このようなイメージのグラフィック広告にします」と説明したり、企画チーム内で「このようなイメージのオリジナル曲を作曲するのはどうか」と内部で検討したりするようなケースです。
A.完成品がサンプルイメージに強く影響を受けることによって、著作権侵害(複製・無断改変など)が問題となることがあります。著作権法に基づいて使用の差止めや損害賠償請求を受けることもあるのです。
したがって、サンプルイメージの取り扱いについては、広告ビジネス実務的には細心の注意を払う必要があります。
あくまでもイメージ共有のためにサンプルイメージを利用した場合においても、完成した広告制作物が、サンプルイメージとは別の独立した創作物として認められるかどうかについて迷うことがあるかもしれません。
このような場合には、企業内の専門セクション等のチェックを受けるようにしてください。
【基礎知識】
著作権について簡単に解説します。
1.著作権とは?
①「思想又は感情を創作的に表現したもの」は著作物
②「著作物を創作した人」が著作者
③「著作者が著作物を独占的に利用できる権利」が著作権
2.著作権が有する権利とは?(以下が全てではありません)
① 他人に無断で自らの著作物を複製(コピー)されない権利
② 他人に無断で自らの著作物を改変されない権利
③ 改変したものを利用されない権利
したがって、他人が思想又は感情を創作的に表現したもの(=著作物)を無断で広告に利用(無断複製)したり、少しだけ変えて利用(無断改変)したりする場合には、著作権侵害の問題となり得るというわけです。
詳しくは、広告に関連する法規制を網羅的に、実務的に、理論的に解説を試みた『広告法』を手に取ってみてください。

「ビジョン」なんて、ホントに役立ちますか?
嗚呼、金沢に行きたい!
新幹線に乗っちゃえば、たったの2時間半。ズワイガニや幻のステーキなんてぜいたくを言わなくとも、ブリにガスエビ。加賀野菜や治部煮。おでんもうまいし、地酒は抜群。気分転換の洋食だって充実しているし、食いしん坊にはたまらん街です。たとえば香港だとご飯はおいしくても、食事と食事の間、そのインターバルにやることがなくて困っちゃうのですが、金沢ならその心配も無用。美術館や庭園巡りはもちろん、個人的には「九谷焼」が大きな楽しみです。
中でも代表的な技法のひとつである「青粒(あおちぶ)」。地色の上に配された小さな小さな青色の点で構成される美しい文様。作家さんによって粒の大きさや並び方はまちまちなのですが、熟練の技で見事渦状にコントロールされた作品なんかを見ちゃうと、ほれぼれします。
「古九谷」ならぬ「今九谷」という取り組みをなさっているプロデューサーの中村太一さんと、アーティストでサイエンティストの中村元風さんから「グレイズ」シリーズのお話を伺ったときも、正直なところ、あの「青粒」を現代風にアレンジしたシリーズだろう、くらいに思っていました。しかし何度か作品を拝見していくうちに、その解釈がかなり的外れであることに気が付きました。

最近の個展に並んでいたのは、こんな作品です。一見するとキャンバスに液状の顔料を飛散させて描いた現代画のようにもみえますが、この黒くフラットな背景も焼物。そこにみずみずしい釉薬が、水玉の球状をそのままに焼き付けられているのです。重力を拒否したような、時間が止まった世界。作品のそばには「Dont touch!」ならぬ「Please touch」の張り紙がありますが、それもこれが焼物だから。直に触って感じることができます。


展覧会の入口に飾られたこの作品は北陸の雪深い土地から何かが誕生する、その瞬間をとらえた彫刻にも見えます。加賀前田家唯一の御用窯という九谷焼の伝統を受け継ぎながら、同時に、見たことがないようなチャレンジをなさっているのです。
私は、ひとりの芸術家として、ひとりの科学者として、人類の永続を祈り続けてきました。人類は、自然に対して尊敬と畏怖の念を抱き、自然との共生を図るべきであります。(中略)
私の芸術は、自然と人類が創り出す両者の理想的な関係を形にしたものです。水、土、鉱物、金属など、約40 億年前、地球が生命を育んだ当時に存在した物質を主な材料とし、同様に存在した大気、熱、重力といった自然のエネルギーを大いに借りて制作します。(中略)
自然と人類が対等な関係を超越し、両者が分かち難く結びつく。これは、新たな生命体の誕生です。我が最愛の作品たちには、世界を変える力があると信じています。人類の永続のために。
中村元風さんの「人類と自然との共生」というビジョンは確固たるものです。その裏側には、全ての存在は同等であり、お互いが敬意を持って付き合うことによって初めて両者の可能性を最大限引き出すことができるという思想があります。
とはいえ、そのビジョンは容易に実現できるものではありません。さて、何がネックになっているのでしょう?中村元風さんはたぶん「現代人は自然との距離感が分からなくなっている」ことが課題だととらえ、「地球をつかまえる」ことで解決できると考えたのでしょう。つまり水や土、鉱物、金属といった物質を駆使して生き生きとした作品をつくることによって、自然に包まれた人間の手のひらで小さな自然を包み込もう。そんな関係性を提案しているように思えました。
そしてビジョンや課題に導かれた具体的な取り組みはクリアです。
たとえば先ほど名前を挙げた「グレイズ」というのは、日光を受けて輝く水滴の輝きを永遠化したいという思いで開発したオリジナルの釉薬のこと。口で言うのは簡単ですが、歴史上存在しない釉薬をつくりだすのは非常に困難で、時間もかかる作業だそうです。挫折することなくそれを成し遂げられたのも「ちょっと面白そうだから」という以上の、明確なビジョンがあったからでしょう。
「地球をつかまえる」というコンセプトは中村元風さんの言葉ではなく、ぼくが作品を眺めながら勝手に夢想したものですが、こうして「視点」を言語化することによって、一つ一つの作品が身近に感じられました。
絵画とも陶芸とも言いづらいこの手法の未来には何が待っているのでしょうか。例えば絵と違って水にぬれても大丈夫などころか、ひと味違う風合いすら生まれる陶器の特性を生かして、屋外に大きな作品を展示することもイメージなさっているようです。
伝統が、ビジョンによって新たな生命を吹き込まれ、今に生きています。
どうぞ、召し上がれ!
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平昌オリンピック ワールドワイドパートナーらが広報活動
連日、熱戦が繰り広げられている平昌オリンピックでは、ワールドワイド・オリンピックパートナーや大会オフィシャルパートナーが広報活動を展開している。
(写真=フォート・キシモト)
アルペン競技が行われる平昌のオリンピックプラザと、室内競技場が集まる江陵のオリンピックパークでは、複数のパートナー企業がPR施設を出展するとともに、空港や街中、会場周辺などに屋外広告を掲出。また、大会運営に関わる技術・サービスの提供や物品納入、参加アスリートの支援など多岐にわたる活動をしている。
1988年からオリンピックスポンサーを務めるパナソニックは、今大会でも映像演出やシステムオペレーションなどのソリューションを含めた映像音響機器を、開閉会式や競技場、国際放送センターなどに納入している。また、東京大会での本格的な運用を目指して「マルチ動画配信システム」を関係者向けに試験運用する。フィギュアスケート会場内に限った動画配信で、サブスクリーンとしてスマホ、タブレットでマルチアングル映像が見られる。
パートナーとして初のオリンピックを迎えたブリヂストンは、国際オリンピック委員会が使用する車両に冬タイヤを供給するとともに、仁川国際空港、ソウル市内、大会会場周辺に屋外広告を掲示している。キャッチコピーは、オリンピックを通じて伝えたい思いである「CHASE YOUR DREAM」。また「チームブリヂストン」に所属する出場アスリートを支援する。平昌2018教育プログラムも支援することで、社会的レガシーの創出にも貢献している。

トヨタは、2015年に「スポーツを通じた平和で差別のない社会づくり」などを目指し、オリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーとなった。それを背景に、昨年10月にはグローバル企業チャレンジ「Start Your Impossible」を開始した。「すべての人に移動の自由を」を掲げる同社の新たな方向性を示すものだ。
今大会では、同社の従業員アスリートを含む、世界20カ国50人以上を「チームトヨタアスリート」としてサポートする。
オリンピックパートナーとして最長の歴史を持つコカ・コーラは、両会場で活動している。平昌では、ボトルのオブジェやパネルの前で写真を撮影し、SNSにアップすると賞品をプレゼントするキャンペーンを実施。江陵では、巨大なベンディングマシンを設置。来場者が大きなコインを入れると、商品がマシンから落ちてくる仕掛けだ。
同社は、聖火リレーの公式スポンサーとしても参加。コカ・コーラのトラックがリレーを先導し、メンバーが歌やダンスを披露。沿道の市民を盛り上げた。
電通が「全国Uターン移住実態調査」を実施
2月21日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。
2018年2月21日
電通が「全国Uターン移住実態調査」を実施
- 電通が「全国Uターン移住実態調査」を実施 -
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、地方創生によるUターンが加速する中、全国64都市に現在在住し、実際にUターン移住を経験した20〜60代の男女1,714人を対象に、「全国Uターン移住実態調査」を行いました。
なお、本調査でのUターン移住者とは、出身地を出て首都圏(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県)で生活をした後、現在は自らの意思で自分または配偶者の出身地およびその周辺で暮らしている人のことを指し、転勤などの外的要因によるUターンは含まれておりません。
調査結果によると、Uターン移住のきっかけとして、ストレス、親、郷土愛と大きく3つの要因が影響していることが分かりました。「首都圏はずっと住める/住む場所ではない」(28.1%)などの、首都圏生活の魅力の低減とストレス。「両親の近くに住みたくて」(24.5%)などの親のこと。そして「離れてみて改めて地元の魅力を再認識して」(14.5%)という郷土愛です。
Uターン移住者の不安材料は「仕事」や「お金」に関することが挙がりましたが、移住後の具体化とともにその不安度が軽減されていきます(下図左)。「上京時」「移住前」「移住直後」「現在」の4つのフェーズでそれぞれの生活満足度を10点満点で聞いたところ、「上京時」は満足度8~10の「かなり満足度が高い人」が4割もいたのが、東京にいる間に27.7%まで下降。しかし、移住後の「現在」を見ると満足度の高い人は48.2%と、多くの人がUターン後に生活満足度が高まっていることがわかりました(下図右)。
Uターン移住者の仕事不安の変化

移住前・移住直後・現在の生活満足度

このほか、主な調査結果は以下のとおりです。
・Uターン移住者の5割以上がいずれ戻るつもりで上京
・約6割が思い立って半年以内に踏み切っている
・Uターン理由は、若年層は東京ストレス、働き盛り・熟年層は親の事情
調査結果の詳細は添付の電通ニュースリリース[PDF]をご覧ください。
<調査概要>
・タイトル:全国Uターン移住実態調査
・実施時期:2017年10月19日(木)~11月13日(月)
・調査手法:インターネット調査
・調査会社:株式会社電通マクロミルインサイト
・調査対象:20〜60代のUターン移住者1,741名
以上
電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0221-009473.html
電通『情報メディア白書2018』を発刊、電子版も併売
電通は2月21日、『情報メディア白書2018』をダイヤモンド社から発売した。同日、電子版も電子書籍販売サービス大手10社で併売する。編著は電通メディアイノベーションラボ。
書籍の購入および詳細はこちら。
『情報メディア白書2018』
A4判、272ページ、1万6000円+税、ISBN 978-4-478-10491-0
電子版『情報メディア白書2018』
配信開始日2月21日、9800円+税
巻頭特集Ⅰでは、「スマートフォン 創造的破壊の10年」と題して、スマートフォン(スマホ)がこの10年、既存の情報メディアを大きく変えた全体像を俯瞰・総括する。また、iPhone、Androidの両ユーザーのログデータからスマホの使用の現状を網羅的に解説し、さらにIoTなど新しい情報デバイスの登場によるポストスマホの情報環境の今後についても考察を行っている。
巻頭特集Ⅱでは、「新しいメディアの潮流」と題して、2018年から19年にかけて押さえておくべきメディアトピックスを詳しく解説。
また、情報メディア産業を新聞、出版、音楽、劇映画・映像ソフト、アニメーション、ゲーム、ラジオ・テレビ、衛星放送・ケーブルテレビ、通信、オンラインサービス、広告、通信販売、イベントの13分野に分け、詳細なデータとグラフで業界動向を解説している。
拡大する「音声」の可能性
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークのカラが発表した「TOP 10 TRENDS」から、2018年のデジタルの10大潮流を紹介する。

近年、音声認識機能は大きく改善され、現在の誤認率はわずか5%と推定されている。
アマゾン・エコーのようなデバイスは、5年以内に複数の市場で普及率が66%に達すると予想されており、音声は特に「検索」などの分野において、これまでの常識を大きく覆しつつある。
バイドゥ、アリババ、シャオミといった中国のブランドも、それぞれ微妙に異なる独自のスマートスピーカーを発売。例えばアリババの製品は、音声起動型のアシスタントとして店舗やホテルの部屋に配備されることを目的としている。
いくつかの研究により、音声の登場で人々の検索方法が変化していることが明らかになっている。文章を入力するよりも話す方が簡単なので、テキスト検索に比べて音声検索は検索者の質問が長くなる。つまり、ブランド側はブランド名よりも「○○するにはどうすればいいの?」といったさまざまな質問方法を、効率よく活用する必要があるのだ。

アマゾンもアマゾン・エコーを通じて、消費者が新たな発見をできるように試みている。例えば、「オプラのお気に入り」という企画では、テレビタレントのオプラ・ウィンフリーさんがそのシーズンのお気に入りアイテムについて語り、それを消費者が購入できる仕組みになっている。
U2はファンのために、アマゾン・アレクサ上に特別コンテンツ「アレクサ、U2エクスペリエンスをかけて」を制作した。
しかし、音声の可能性は「検索」にとどまらない。オーディオコンテンツや新しい広告の機会も登場しているのだ。ポッドキャストの人気は増加の一途をたどっており、エジソンの調査によると、リスナーは年間約15%の割合で増え続けているという。また、双方向型の「あなただけの冒険を選んでください」形式のドラマなど、画期的なコンテンツも登場。音声プログラマティック広告は、スポティファイやDAX(デジタルオーディオ取引)から始まっている。
オーディオ分野では、ダイナミックな創造力が開花している。例えば、A Million Adsという企業は、広告主が天候や時刻、場所などに応じて広告を変化できるようにしている。

音声を活用した戦略の重要さは、日に日に増してきている。
アマゾン・アレクサやグーグルホームといったデバイスの検索結果をもとに検証が進んでいる。オーディオコンテンツや広告の新たな可能性を検討することも大切だ。特に、コネクテッドカーによって、リスナー数はまた大きく伸びるだろう。
イマドキの小学生「デジタルキッズ」の実態
Wi-Fiのある場所に連れていって!
電通メディアイノベーションラボでは、激変するメディア環境と受け手側であるオーディエンスの変化について継続的に調査研究を行っています。その研究ターゲットは多岐にわたりますが、中でも「若年層」は、日本人の情報行動の未来を左右する最重要ターゲットのひとつであり、2010年以降、東京大学大学院情報学環の橋元良明教授と共同で「ネオ・デジタルネイティブ」「ポスト・デジタルネイティブ」などのネーミングの下、他に先駆けた研究も行ってきました。
私たちは、このような若者研究の流れをくむ新プロジェクトとして、「小学生とメディア調査」(通称:デジタルキッズ調査)を17年11月から12月に実施しました。そこから見えてきたのは、例えば、朝一番にテレビ受像機でYouTubeを見る、あるいは、外出中に「Wi-Fiのある場所に行きたい!」と言う子どもたちの姿でした。いったい、イマドキの小学生を取り巻くメディア環境はどうなっているのでしょう。今回は当調査の結果から、いくつかのファインディングスを抽出してご紹介します。
「お母さんに聞いてもらう」調査方法
調査方法からご説明しますが、研究チームでは、そもそも「調査に答える」といったことには不慣れな(というかほとんど経験がないであろう)小学生たちへ、どのように調査をしたらよいか頭を悩ませた末、小学生(1~6年生)の子どもを持つ全国の「母親」へネット経由で調査することにしました。子どもに直接聞かないと分からないことは母親がたずねて回答を代理記入する形です。ちなみに、小学生が2人以上いる場合には、長子について答えてもらうルールとしました。
こうしてデータを回収した「定量調査」に加え、「定性調査」(グループインタビュー調査、以下グルイン)も実施しましたが、こちらもデジタルデバイスをよく使う小学生の子を持つお母さま方にグルイン会場へお集まりいただき、普段の子どもの様子について親が代弁する形式で行いました。
結果に移りますが、以下、自宅でパソコン・スマホ・タブレットの全てを利用している子を「超デジタルキッズ」、パソコン・スマホ・タブレットのうちいずれかを利用している子を「デジタルキッズ」と呼ぶことにします(利用するデバイスが自分専用か家族共用かは問わず)。
また、自宅でパソコン・スマホ・タブレットのいずれも利用していない子は「非デジタルキッズ」とします(自宅外、例えば学校などでいずれかのデバイスに触れている可能性はあります)。



デジタルは小学生の生活へも浸透
まず、小学1~6年生全体におけるデジタルキッズ出現率(=含有率)は72.5%でした(図1)。今や、自宅でパソコン・スマホ・タブレットの何らかを利用している小学生は7割を超えるということです(何も利用していない、非デジタルキッズは27.5%)。
一方、3デバイスを全て利用する超デジタルキッズは12.5%で、小6女子では約2割となりました(図1)。そして、学年が上がるにつれデジタル度は右肩上がりで上昇しており、今や小学生へもデジタルの波は着実に浸透してきていることが分かります。
パソコン・スマホ・タブレットの個別の利用率や重複利用率に関しては、図2で確認できます。例えば、スマホの利用者は40.2%で、スマホとタブレットの重複利用率は18.0%であることなどが分かります。なお、パソコンの利用率についてですが、これは自分専用(子ども専用)機でなく、家族共用機の利用が圧倒的に多かったという点にはご留意ください。
デジタル漬けの一日を過ごす小学生
では、子どもたちは生活の中で、それぞれのデバイスとどのように向き合っているのでしょう。
今回の調査によると、平日の超デジタルキッズは、その6.4%が起床直後からタブレットに触れており、5.6%は起床直後からスマホを使用していました(図3)。夕食後のタブレット利用に至っては36.5%にも及んでおり、また、約2割の子は寝る直前までスマホ・タブレットに触れています。外出時には、3割が「Wi-Fiのある場所に行きたがる」ということでした。
グルインでの話ですが、朝起きたら朝食よりも前にテレビ受像機でYouTubeを見るという子がいました。その後もスマホやタブレットを併用して、夕食後~就寝時に至るまで1日がYouTubeで始まりYouTubeで終わるというケースも見られました。ちなみに、YouTubeでどんな動画を見ているのかというと、男の子では「ユーチューバー系」や「ゲームの実況・攻略法系」など。女の子の場合には同じく「ユーチューバー系」や「スクイーズの作り方」などが多いことが分かっています。
特に女子においてはスマホによる“チャット”も活発で、下記のような生の声からは、学校の友達とのやりとりの様子が伝わってきます。
「帰ってくると皆でLINE。多いのは、学校の明日の持ち物の確認と、何を着てゆくか。一緒にデニムを着ようとか、上は白で、とか相談している」(小5女子)
「自分の部屋や洋服のコーディネートを撮影して、友達と送りあっている」(小5女子)
非常に先進的なメディア行動を示す子たちもいます。機器の使い方にとても長けていて、ネット動画をテレビ受像機の大きな画面で楽しむために「ゲーム機を経由してテレビをネットへつないでいる」「スマホ・タブレットなどからワイヤレスで動画をテレビへ転送している」など、非常に高いリテラシーを示す例もありました。
なお、デジタルキッズの親たちは、子どもを世の中の危険や生活の乱れから守るべく、不適切サイトへのアクセスを制限したり、デバイスを利用できる時間帯を取り決めるなどの方策を取っていることも本調査で分かっています。
イマドキ小学生のテレビとの関係は?
小学生のデジタルリテラシーの高さを紹介してきましたが、ここで伝統的メディア「テレビ」との関わりについて触れたいと思います。
再び図3を見ていただくと、デジタルデバイスを多用する超デジタルキッズにおいても、学校を除く1日のほとんどの時間帯で最も接触率の高いメディアはテレビであることが分かります。デジタルを駆使する最先端の子でさえ、テレビがリーチ力ナンバーワンのメディアとなっている、といえます。
また、四つのデジタル機器、テレビ・パソコン・スマホ・タブレットについて、それぞれ「なくてはならないもの」と感じているかを聞いた質問では、テレビの「なくてはならない度」が他を圧倒しました。
「テレビを見る場所は?」という質問(複数選択可)では、超デジタルキッズから非デジタルキッズまでおしなべて約98%が「リビングで見る」と答えており、親子みんなでテレビを囲むという伝統的な“お茶の間”の風景は今でも健在のようでした(ただし超デジタルキッズでは約1割が「自室で見る」と回答)。
イマドキの小学生の実態をご紹介してきましたが、最後に一つだけ付け加えておきたいことがあります。それは、デジタルライフの浸透した小学生ですが、彼らは同時に大変「リア充」な側面も持つということです。
例えば、彼らの間で流行していることをグルインで聞いてみたところ、男子では「野球」「サッカー」「けん玉」など、女子では「スクイーズ作り」や「ダンス(ヒップホップ、ふたごダンス…)」などが挙げられました。したがって、イマドキの小学生を“バーチャルオンリー”あるいは“ネットオタク”といったイメージで捉えると、実態を見誤るという点には注意が必要でしょう。
〔調査概要〕
●定量調査(2017年11月)
地区:全国
方法:インターネット調査、小学1~6年生の子どもを持つ母親へ調査
サンプル数:5728人(デジタルキッズ3682人、非デジタルキッズ2046人)
●定性調査(2017年12月)
地区:一都三県
方法:グループインタビュー調査、小学4~6年生の子どもを持つ母親を招集
サンプル数:12人(男子小学生の母6人、女子小学生の母6人)
