経営者とことばを共創する。-STRIPE int’lの場合-

コピーライター/CMプランナーの諸橋秀明です。前回記事では、事業の価値を定義することで会社を一つにまとめる「ことば」についてひもといていきました。今回も本質的には同じ機能のことばのご紹介です。異なるのは、その策定プロセス。

経営者と濃密なディスカッションを経てつくり上げ、結果3000人を超える企業の経営に生かされたことばについて、ご紹介させてください。

<目次>
事業の相談相手にクリエーティブ・ディレクターが指名される時代
提案ではなく、雑談をしにいく
最高の雑談には、下準備がいる
雑談があぶり出す、事業の未来
ことばは、すでに生まれていた
共創ということばのつくり方

事業の相談相手にクリエーティブ・ディレクターが指名される時代

はじまりは、とある経営者から私の上司である樋口景一ECD(エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター)に入った相談でした。

“創立25周年を機に、事業のこれからを考えていきたい。相談にのってほしい”

相談の主は「ストライプインターナショナル/STRIPE int'l」(以下、ストライプ)の石川康晴社長。earth music&ecologyなど、日本国内外で30以上のブランドを展開するアパレルメーカーの経営者です。

アパレルメーカーはいま変革の時を迎えています。ECはもとより、D2Cブランドの台頭、在庫や物流管理へのテクノロジーの導入、労働力の確保、そして廃棄削減など自然環境への配慮。直面している課題は多岐にわたります。

さらにストライプはアパレルメーカー事業をドメインにしながらも、サブスクリプションサービス「メチャカリ」や、大人のためのECデパートメント「STRIPE DEPARTMENT」まで手がけています。

そんな数多の視点で思考を巡らせなくてはいけない経営者が、事業のこれからを考えるにあたり、広告会社のクリエーティブ・ディレクターを指名してきたのです。そして、樋口ECDからコピーライターとしてアサインされ、私もプロジェクトに参加することになりました。

提案ではなく、雑談をしにいく

このような壮大な相談が来た時に、広告会社がしがちなのは、肩に力が入った「事業提案」や「事業コンサルめいた提案」です。

「広告の枠からはみ出すべし」「いちばん上流から事業と関わるべし」という思考がもてはやされがちな業界にあって、今回のような相談は「ついに!きたか!案件」として輝いて見える。

私もご多分に漏れず、鼻息荒く本屋で「はじめての事業づくり」なんて本を立ち読みしていました。が、そんな折に樋口ECDから受けたクリエーティブディレクションはいまでも忘れられません。

「よし、石川さんの雑談相手になろう」

耳を疑いました。石川社長は何かしらの提案を求めているのでは、と。それを「雑談」なんて。というか、それじゃあすることないじゃん、と。

大きな間違いでした。社長の雑談相手になる、それは生半可なことではなかったのです。

最高の雑談には、下準備がいる

石川社長との雑談に向けて、樋口ECDがつくろうと言い出したのは「50の未来予想」という資料でした。世界のメガトレンドを5つに整理して、それぞれが引き起こす10個の具体的な未来像をまとめていきたいと。

未来予想は「アパレル」や「広告」にこだわらず、単純に人間が、社会が、どうなっていくかをチームで出し合ってリストにします。そこに「×(かける)ストライプ」を足していくと、50の具体的なストライプの未来像が出来上がります。

こう書くとシンプルですが、実際にやってみるとこれがなかなか大変です。リサーチはもちろんのこと、大きなスケールの企画力が必要になってきます。「単なる雑談」をするのにここまで準備するのか、と驚きながらも、作業を進めて行きました。下記が当時(2018年)のメガトレンドをまとめたものです。

「50の未来予想」のテーマ

  1. 人間:人生100年時代→10個の未来×ストライプ
  2. グローバル:移民とダイバーシティ→10個の未来×ストライプ
  3. 産業:シェアエコノミー発展→10個の未来×ストライプ
  4. デジタル:AI本格稼働→10個の未来×ストライプ
  5. 社会:ポストトゥルース時代、隣人不安→10個の未来×ストライプ

この「50の未来予想」を持ってようやく石川社長に会いに行きます。リストの中からいくつか興味あるテーマを選んでもらい、雑談を始めるのです。

リストをつくる過程を経たことで、電通チームにはどのテーマについてもすでに大量のインプットがあるので、社長のいかなる疑問にも臆することはなく、結果、雑談は盛り上がります。この雑談を、リストを修正しながら、半年にわたって、3~4回ほど繰り返していきました。

雑談があぶり出す、事業の未来

雑談は、もちろんそれ自体が目的なのではありません。さまざまなテーマの話をしながら、社長の描きたい事業の未来のコアをあぶり出す作業です。

雑談を繰り返していくと、会話が熱を帯びるポイントがあるのが分かってきます。石川社長の場合、それは「エシカル」(※)に話題が及ぶときでした。

※エシカル=倫理的という意味の形容詞。エシカル消費とは、製造過程に環境破壊や児童労働などが関係していない製品を購入したり、そうした製品を製造する企業を支援する考え方。
 

すでにストライプは、海外工場の労働環境改善や、アパレル業では考えられないほど低い廃棄率の実現など、エシカルな視点を事業に導入しています。そういった利他的なマインドを全国津々浦々の店舗スタッフまで行き届かせたいと、雑談の中で再確認しているようでした。

それは同時に、社全体の事業をエシカルという軸で再構築するという、未来構想でもあります。私たちの雑談の最終的な結論は、その思いを「ことば」にしようというところに行き着きついたのです。

ことばは、すでに生まれていた

こういった濃厚なステップを踏んでいると、ことばの最終形態は既に雑談の中に現れていたりします。最終的にコーポレートメッセージとして策定した「いいこと、しようぜ。」は、社長がある日の雑談の中でペロッとメモで出したことばです。そこまでの過程をずっと共有しているから、クライアント/エージェンシーの枠、社長/コピーライターの職種の枠を超えて、みんなで「それだ!」と決まっていきました。エシカル=いいことにするのがシンプルでわかりやすい。なにより、「ぜ。」がいい。やんちゃで前向きで、ストライプならではのことばです。

ことばが決まると同時に、私たち電通クリエイティブチームは「この言葉の届け方」を考え始めました。なにしろ届ける先は本社本部の社員だけではなく、全国の店舗スタッフを含めた関係者全員です。エシカルへの意識に差がある数千人を一つにするために、ことばはどんな世界観をもつべきか、どんな声色なのか、どんな色彩なのか。

そこで二人の外部スペシャリストに声をかけました。アートディレクターの石井原氏(NEANDERTAL)と、フィルムディレクターの林響太郎氏(DRAWING AND MANUAL)です。ビジュアルと映像で、この「いいこと、しようぜ。」ということばの世界観を一緒につくってほしいと依頼。そして生まれたのが、ストライプのファッション性と、強い志を一体にした以下のクリエイティブです。


いいこと、しようぜ。

この「いいこと、しようぜ。」は、ストライプのコーポレートメッセージとして社員総会で発表されました。もちろん、その発表の演出もふくめて、ことばです。

これは石川社長が本当にすごかった。淡々と丁寧に、しかし情熱的にことばの意味とその背景を説明していくと、総会に参加している数千人が一つになっていくのです。どんなに私たちが策を講じても、経営者が自ら発することばほど強いものはないと実感しました。いまストライプは全社一丸となって「いいこと、しようぜ。」と、邁進しています。

いいこと、しようぜ。
いいこと、しようぜ。

いいこと、しようぜ。

共創ということばのつくり方

樋口ECDがリードしたことばのつくり方は、いうなれば共創スタイルのコピー開発です。クライアントの中にあるコアな思いをエージェンシーが刺激することであぶり出して、ことばに収斂させる。つまり、ことばを一緒につくる、という過程で、クライアントの事業の未来を描くサポートをする。

これは、オリエンを元にいくつかの方向でコピーを書いて、クライアントはその中から選ぶ、というこれまでの一般的なコピー提案とは、一線を画するやり方です。オーセンティックな「コピーライティング」にとらわれているコピーライターにはなかなか発想できないことばのつくり方。

しかし、考えてみれば、ことばのつくり方なんていくつあってもいいのです。むしろその手法の多さは、生み出すことばの強さと正確性を増幅するかもしれない。多様化する企業の課題にことばで向き合うとき、そのつくり方から考えてみる、というスタイルが今後必要になってくるのではと思います。

この連載、もう少しつづきます。次回は、とある経営者の強い思いをことばで規定して経営に生かしたエピソードを紹介させてください。

超高齢社会の課題解決ビジネスにどう取り組むか?

新しいビジネスチャンスの「超高齢社会」

シニアの生活風景

日本は、世界で最も高齢化が進んだ国であることは、すでに多くの皆さんはご存じのことでしょう。2018年時点の日本の高齢化率(人口に占める65歳以上比率)は28.1%。人口の3割弱が高齢者です。今後、高齢化は一層加速します。2060年には人口の4割近くが高齢者となると考えられており、その中でも特に増えるのは後期高齢期(75歳以上)の人々です。

一般に人間は、後期高齢期になると多くの人がさまざまな身体機能に支障や不調を来すようになります。目の見えづらさ、耳の聞こえづらさ、腰や膝の痛みなどの有訴を感じる比率が高まり、高血圧症、糖尿病などが原因となり重症化する率も増加します。さらには、身体認知機能の低下で介護状態となったり、転倒、窒息、交通事故など不慮の事故に遭遇する可能性も増加します。

高齢者数が増加することは、結果として高齢者由来の社会課題を引き起こすことになってしまうわけですが、‟こうした社会課題解決をビジネスとして取り組みましょう“というのが本コラムの主張です。

高齢社会課題に「ビジネス」として取り組む意義と理由

今まで、こうした高齢者の課題解決に取り組んできたのは、主に行政や自治体、医療法人、社会福祉法人、NPOの人々でした。活動の財源は主に社会保障給付費などの税金や社会保険料が中心です。しかし今後、人口減少が進み、成熟した経済成長局面に移行した日本において、これらの財源に頼り続けることには限りが生じます。むしろ、こうした課題をビジネスチャンスと捉えて、果敢にチャレンジしていくことが、これからの日本において求められているのです。

高齢社会の課題解決ビジネスを後押しする三つの理由

ビジネスチャンスを後押しする背景には主に三つの理由があります。一つは、高齢者絶対数の増加です。現在の高齢者数は3557万人(2018年)ですが、この数は2040年には、360万人増加し、3921万人となります。人口減少社会の中で唯一伸びるセクターなのです。彼らの全てが大きな課題を抱えるわけではないですが、課題潜在市場と捉えることは間違いではないでしょう。

二つ目は、日本のみならず世界各国においても、高齢化が同様に進むという事実です。とりわけその傾向は先進諸国、アジア各国において顕著です。アジアの高齢者は、現在の3億3150万人(2015年)に対し、2040年には2.4倍の8億239万人に増加すると予測されています(国連推計)。

高齢化が先行する日本市場において、新たな高齢課題解決ビジネスのモデルや商品を生み出すことができれば、世界市場につながる大きな可能性を秘めているのです。そうしたビジネスの芽は既に出始めています。具体的な事例については、本連載の第3回でご紹介したいと考えています。

そして理由の三つ目は高齢者そのものの内実の変化です。高齢者数が増加すると述べましたが、その中身は現在と同じではありません。今後高齢者の仲間入りを果たしていくのは、団塊世代をはじめとする戦後生まれの人たちです。彼らは、物心ついて以降、日本の高度経済成長とともに育ってきた人々。戦前生まれの人たちが、どちらかといえば節約や倹約を美徳としたのに対して、戦後生まれの彼らは、消費する喜びを知っている。

今まで高齢者向けの商品やサービスは、自分自身で選択するというよりは、息子や娘が買い与えるといった性格の商品も多かったですが、これからは、本人の選択眼がモノをいいます。シビアな彼らのメガネに適う商品・サービスが開発できれば、可能性は大きく広がっていくことでしょう。

高齢社会課題の対応の幅は大小さまざま

冒頭で、高齢社会の社会課題と大上段に構えましたが、課題の大きさや幅は実はさまざまです。個人の日常生活のちょっとした困難をサポートし、将来の状態悪化に備える「予防」視点のサービス・商品開発も、課題解決のひとつでしょう。個人の日常生活や社会生活の健全な維持が困難となった場合に、地域住民でサポートする体制を構築すると「コミュニティーにおける課題解決」もその範疇に含まれます。

もちろん、交通事故防止や災害時に被害者となりやすい高齢者の救済防止視点での課題解決、認知症高齢者の日常生活をいかにサポートするか、といったアプローチも高齢社会の課題解決テーマなのです。

高齢社会における課題の整理

社会課題テーマは、大きく個人・地域・社会という三つのレイヤーに分けることができます。①加齢により日常生活に困難(身体機能、五感機能、認知機能)を抱えた個人が増加し、そうした人々の、②周辺環境の変化(単身化、人口減少、過疎化など)が重なることで、地域そのものが各種の困難(買い物難民、コミュニティーの消失)を抱えるようになる。そして、さらには全国レベルで②高齢化由来の社会課題事象が多発(高齢者により交通事故、認知症による行方不明者の増加)こうした個人、地域、社会といった各レベルで社会課題が発生しているのです。

もちろん、これ以外にも解決すべきさまざまな課題事象があります。まずはそうした課題事象の中から、何をテーマに取り組むべきか考えていきましょう。自らの身の回りに起こった課題でも構いませんし、新聞やニュースで取り上げられた記事なども課題意識の醸成に参考になるでしょう。

以上、第1回は超高齢社会における課題解決ビジネスの全体像についてお話ししました。次回はいかにビジネステーマとして課題発見し、ビジネス開発につなげていくかお話ししたいと思います。

書籍『超高齢社会の「困った」を減らす 課題解決ビジネスの作り方』もご覧いただけましたら、幸いです。

「聖火リレー デザイン商品 」続々登場 オフィシャルショップでは、リレートーチを展示

東京2020組織委は12月17日、オリンピック聖火リレーの開始100日前に行った記者発表会で、公式ライセンス商品の新シリーズとして「聖火リレーデザイン商品」を披露し、翌18日から順次販売を開始した。

聖火リレー公式アンバサダーを務める、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんと富澤たけしさんは、オリンピック聖火リレーマスコットTシャツを着て登場。ボケとツッコミを交えながら商品の魅力をPRし、会場を沸かせた。
組織委では、聖火リレーエンブレムや、同ピクトグラム、同マスコットがデザインされた商品の展開で、2020年3月26日から始まる聖火リレーを盛り上げたい考えだ。

リレーデザイン商品は、Tシャツやポロシャツ、フラッグ、タオル、ステッカー、ピンバッジ、キーホルダー、バッグ、伝統工芸品など多種多様なラインナップで、全254種類に上る。
これまでに発売された大会公式ライセンス商品は、4570アイテム(11月末時点)で、商品を販売するオフィシャルショップは、全国で68店舗がオープンしている。

©️Tokyo 2020
 

サンドウィッチマンの二人は、「世界最高のお祭りを、皆で一緒に盛り上げましょう」「たくさんグッズを買ってもらい、大会に参加してほしい」と呼び掛けた。

公式オンラインショップ:
https://tokyo2020shop.jp/

©️Tokyo 2020

全国のオフィシャルショップでは、2020年1月10日から順次、店舗で聖火リレートーチを展示するツアー(同年7月21日まで)を行う。トーチを実際に手に取り、写真撮影するなどして、リレーランナーの気分が味わえる。

展示ツアー特設サイト:
https://tokyo2020shop.jp/contents/official_shop_torch

オリンピック聖火リレー 第1走者は「なでしこジャパン」 東京では、リトルリーグの選手もランナーに

東京2020組織委は12月17日、オリンピック聖火リレーについての記者発表を都内で行った。
冒頭、森喜朗会長は「本日は、地方紙・局を含め、大勢の報道関係者が出席されている。リレーに対して大きな関心を寄せてもらい感謝する。聖火リレーは2020年3月26日、福島県のJビレッジをスタートするが、その100日前の今日、グランドスタート聖火ランナー(国内第1走者)や、都内を走行するランナーの代表、リレールートの詳細などを発表する」とあいさつし、聖火リレー検討委員の武田美保氏が内容を説明した。

 聖火リレーは全国各地の魅力あふれる場所で実施される。香川県・坂出市では瀬戸大橋を望む与島で、沖縄県では首里城守礼門付近からスタート、広島県2日目のスタートは世界遺産の厳島神社から、岩手県・陸前高田市では、“奇跡の一本松”からスタート、山梨県では富士山の五合目でリレー実施など、各地で特色のあるスポットが選定されている。
また、リレーの形態も、SLと聖火ランナーが並走(栃木県・茂木町)や、日本泳法によるリレー(大分県・臼杵市)、カヌーによるリレー(兵庫県・穴栗市)、ロープウエーによるリレー(新潟県・弥彦村)など、特殊なものも考案されている。

                                                                                 🄫Tokyo 2020

 聖火リレーの走行時には、プレゼンティングパートナー4社がオリジナルデザインの車両を走行させたり、パフォーマンスや応援グッズを配布するなどリレーを盛り上げる。
リレーの一日の終わりには、それぞれの地で、各実行委員会やパートナー4社がステージプログラムを行い、展示・体験ブースを出展するイベント「セレブレーション」を開催し、聖火の到着を祝う。
約1万人におよぶ聖火ランナーについては、すでに12月12日から順次、応募先から決定通知が速報で送られ始めており、25日以降は組織委から正式に決定通知が届く。
またこの日、走行ルートの各自治体の多くが、それぞれの地区でランナーに選出したアスリートやタレントら著名人の発表を始めた。

リレーランナーの発表に当たり、聖火リレー公式アンバサダーの、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの二人が登場。東京都を走行する予定のランナー代表として、調布リトルリーグ・リトルシニアの選手と、グランドスタートランナーに決定した“なでしこジャパン”(2011年FIFA女子W杯ドイツ大会優勝チーム)の出席メンバーと監督を紹介した。
調布リトルリーグ・リトルシニアは、全日本大会で史上最多優勝を誇る強豪チーム。積極的な地域貢献活動も実践し、地域の一体感を高める存在であることから選ばれた。
なでしこジャパンは、2011年7月のW杯で優勝し、東日本大震災で多大なダメージを受けた日本に多くの勇気を与えたこと、リレースタート地のJビレッジで何度も合宿をするなど縁が深いことから選ばれた。
調布リトルリーグ・リトルシニアの選手は「選ばれて驚いたが、とても誇りに思う。周囲への感謝の気持ちを胸に走りたい」と決意を述べた。

なでしこジャパン元監督の佐々木則夫氏は「W杯優勝メンバーと聖火リレーに関われるのは楽しみだ。あの頃を思い出しながら走りたい」とコメント。代表メンバーだった、安藤梢さん、岩清水梓さん、海堀あゆみさんは、「当時のメンバーが集まり、走れることはとてもうれしい」「元祖ONE TEAMのメンバーで盛り上げたい」「私たちが苦楽を共にしたJビレッジがスタートなのが何よりだ」など、グランドスタートランナーへの思いを語った。
オリンピック聖火リレーのルート情報は、公式サイト(https://tokyo2020.org/jp/special/torch/olympic/map/)で確認できる。

 

 

戦略好きほどハマるボッチャ

「ボッチャの大会に出ない?」

とある打ち合わせの後、先輩から誘われ、「出ます!」と即答した私。これまでボッチャに触れたことも、試合を見たこともなかったのですが、気づいたら興味とノリで答えていました。ここ最近、テレビやニュースサイトで「ボッチャ」を見る機会が増えていたからかもしれません。

ということで、電通内の有志チームで結成した「ボッチャレ汐留」。11月24日に開催される「ボッチャ東京カップ2020」の予選会出場に向けて、まずはルールを学ぶことからはじまりました。

ボッチャは、カーリングに似ている?

ボッチャと聞いて、何を想像しますか。

パラリンピック、車イス競技、いや、何も知らないという方もいるかもしれません。

ボッチャは、重度脳性まひ者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案された、ヨーロッパ生まれのスポーツで、現在はパラリンピックの正式種目になっています。

私たちが参加した「ボッチャ東京カップ」は、障がい者も健常者も一緒に参加できる大会。障がいや年齢、性別、国籍に関係なく誰でも参加できる、まさにインクルーシブな大会なのです。

まずはルールについて簡単に説明します。ボッチャは、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールをめがけて、赤チームと青チームがそれぞれ6球ずつボールを投げあいます。投げたボールがジャックボールに近い方が勝ち。

ボッチャレ汐留メンバー
試合に向けて練習に励む「ボッチャレ汐留」メンバー。この時点では、「勝てそう!」と思っていたが…。

そう聞くと、カーリングに似ている気もしますが、ルールがちょっと違います。

ボッチャはまず、白いジャックボールをコート内のどこに投げるかで試合の展開が変わります。また、自分の持ち球でジャックボールを弾いて、自分が優位になる位置にジャックボールを動かすこともできます。これによって逆転が生じるため、試合が一瞬にしてひっくり返るのです。

さらに団体戦となると、どのポジションから、どのタイミングで、誰がどう投げるのか、ここも勝敗を分ける大きなポイントとなってきます。

「ん、意外と勝てるかも」。

はじめて練習した時の、私の正直な感想です。ボーリングもゴルフも球に勢いはないけれど、まっすぐ転がすことは得意な私。ボッチャも投げてみると、あら不思議。思い描いたところにコロコロ転がっていくので、1勝くらいはできると本気で思いました。

そう、一見すると簡単かも、と思わせるところにボッチャの魅力があるのです。

簡単そうにみえて、実は頭脳戦だった。

ボッチャ

審判の合図とともに、試合開始。
まず、先攻の相手チームがジャックボールを投げます。

「え、待って、それ遠すぎません!?」。

動揺する私たち。練習と同じように投げたつもりでも、ジャックボールに全く届かず。届いたかと思ったら、大きく外れていく。みんなの投球が、嘘のようにあっちこっち転がっていきました。

完全に試合の空気に飲み込まれた私たち。実は、ジャックボールが遠いこと以外にもう一つ理由がありました。それは、両サイドに対戦相手がいるということ。コートには対戦相手と交互に並んで位置につきます。つまり、自分が投げる時に、両サイドから敵の視線が一気に集中するのです。言い知れぬ緊張感。というわけで、結果0-4と惨敗でした。

見るからに凹んだ様子でコートを去る私たち。自分でも驚くほど凹みました。誰でもできて、簡単そうにみえるボッチャ。そこに落とし穴がありました。実は、ボッチャは頭脳戦。戦略が命なのです。予選はもう1試合残っています。気持ちを入れ替え、戦略を見直しました。そう、私たちは、プランナーとコピーライター、アートディレクターで結成されたチームです。戦略立案は普段のお仕事で慣れっこです。恥ずかしいと思われてもいい。1勝できるなら。ということで、私たちがとった戦略は…

「一番手前にジャックボールを置く」です。

戦略で勝ち取った1点。

審判の合図とともに、第2試合開始。
まるで遠くへ投げるかのようなふりをして、ポトッ。目の前にジャックボールを落とす私。対戦相手から失笑が聞こえます。

いいのです、これで。

他のメンバーも、試合の空気に慣れてきたのか、ただジャックボールが近いせいか、投球が光りました。結果、「ボッチャレ汐留」初の1点獲得。戦略通りの展開に自分たちでも驚きました。

ボッチャイメージ

しかし喜んでいたのも束の間、2エンド目(東京カップは1試合2エンド)で相手チームにジャックボールを遠くに投げられ、あれよあれよと2点入れられてしまい、最終的には1-2で終了。

結果としては負けてしまいましたが、みんなで勝ち取った1点はうれしく、チーム一同、笑顔で試合を終えることができました。コートを去りながら、投げ方はここが良かったよ、こうした方がいいかも、あ、まずはユニホームをつくらないとね!と、とすっかりボッチャにハマって盛り上がる私たち。

いつか、オリンピック競技に。

ボッチャを体験して気づいたことがあります。

ボッチャには、ハンデというものがないこと。会場を見渡せば、親子ほどの年の差があるチームや、健常者と障がい者で組まれたチーム、男女混合の学生チームなどさまざま。手で投げても足で蹴っても、イスに座って投げても、なんでもOKのボッチャ。詳しい方いわく、イスに座って投げると体が安定してブレないそうです。なるほど。それも戦略の一つになるのだと思いました。

誰でもできるからこそ、個性が生きる。そして、その個性が戦略になる。

ボッチャは、見るのも楽しいけれど、プレーした方が断然おもしろい。老若男女、障がいのあるなしに関係なく競技人口がもっと増えていったら、いつかボッチャがオリンピック競技になる日も夢ではないのかも、とみんなで話していました。

ボッチャレ汐留

最後までこの記事を読んでくださったあなた。ぜひ一度、ボッチャを体験してみませんか?きっとハマること間違いなしです!

日本といえば「食」の時代~今、求められている日本食とは?~

本連載第3回では日本でやりたいことのトップが「日本食を食べること」であること、第5回では優れていると思う日本の物事、興味関心のある日本の物事のトップが両方とも「日本食」であることを紹介しました。

アジア諸国やハワイ、ニューヨークなど、日本人がよく行く旅先でも日本料理のお店があるのを目にします。かつては「日本食」といえば「寿司」一辺倒という印象でしたが、今はどうなっているのでしょうか? 

2018年12月に20カ国・地域で実施した「ジャパンブランド調査2019」から、これからのインバウンドビジネスのヒントを探る本連載。今回は「日本食」に焦点を当て、深掘りしたいと思います。

「日本食といえば寿司」は健在。新たに「日本酒」「ラーメン」が登場!

日本の食べ物 認知・経験・今後の意向 認知上位20項目

日本の食べ物で知っているものは何かを聞くと、トップは「寿司」。次いで「日本酒」「ラーメン」という結果になりました。「日本酒」の認知は高いですが、アルコールである影響か、経験や今後の意向はあまり高くありません。経験も今後の意向も高い「ラーメン」の方が、世界的に人気が高そうです。

性年代別で見ると、日本食、特に日本料理については女性、中でも20~30代の若年女性がよく知っている傾向がありました。女性20代では「ラーメン」の認知が6割を超え、「そば/うどん」も半数の人が知っているなど、全体的にスコアが高い結果でした。

日本の食べ物 認知トップ5

3年前(2016年)の結果を見てみると、「寿司」は認知・経験・今後の意向すべてでトップとなっており、この傾向は調査が始まって以来変わらず、不動の1位をキープし続けています。

しかし特に「認知」について比較してみると、2位以下は大きく順位を入れ替えており、この3年間で急速に日本食の幅が広がっていることを感じます。上位に入っていなかった「日本酒」が2位に、4位だった「ラーメン」が日本食の代名詞だった「刺身」と「天ぷら」を抜いて3位にランクインしました。

背景には、訪日する多くの外国人観光客の体験や口コミの発信が大きく影響していると思われます。2018年度の調査で訪日経験者に「日本でやったこと」を聞いてみたところ、「日本食を食べた」という人が8割強で1位。また日本に来た外国人観光客が、自国で食べる日本食との違いに驚き、その様子を撮影した動画が広く拡散されています。本物の日本食の面白さ・美味しさが発信されることで、さらに日本食への理解が深まり、関心が高まっていると考えられます。

アジアは和牛、欧米は野菜や果物。エリアによって食べたいものが違う!

今後食べたいと思う日本の食べ物 トップ5

続いて、「今後食べたいと思う日本の食べ物」の回答結果をエリア別に見てみると、それぞれ傾向が違うことが分かります。東アジアでは「寿司」を抑えて「牛肉(和牛)」がトップ、ASEANでも「牛肉」は5位にランクインしていることから、アジアにおける「和牛」の人気の高さがうかがえます。

一方、北米では「野菜」がトップ。欧州でも2位以下は「米」「魚介類」「果物」「野菜」と食材が占めています。欧米、特に欧州ではまだ日本料理のバリエーションが知られていないということもありますが、食材への関心が高いことが特徴的です。

2018年度の調査では「日本の食材のイメージ」を聞いていますが、「品質が良い」「見た目(色・形など)がきれい」といった項目が上位に挙がっていました。

前回の記事でMade in JAPANのイメージについて「品質」への評価が高いと書きましたが、食材でもそのイメージが持たれており、見た目がきれいな食べ物の今後のポテンシャルを感じさせます。

日本の食品を買いたくなるのはどんなとき?エリアごとの違いに注目

日本食材を購入したくなる情報源・機会 トップ3

欧米でも関心の高い日本の食材・食品ですが、日本政府の推進もあり、今後ますます輸出量が増えていくことが予想されます。日本の食材・食品を買ってもらうためには、どのような取り組みが効果的なのでしょうか。

日本のことをよく知る東アジアでは、「本場の日本での評価や食べ方」を知りたいと思う人が多く、親日度の高いASEANでは生産者の紹介や生産過程の説明など、「日本でその商品がどのように作られたか」に重きを置く傾向があります。

欧州・北米では、日本食がまだまだ知られていないので、まずはどのようなものかを知る「試食」やその使い方について知りたいと思う傾向があることが分かりました。この結果を見ると、日本との心理的な距離感や日本食の浸透状況の違いも踏まえた、エリアごと、国ごとの売り込み方を考える必要性に改めて気づかされます。

インバウンドをテーマとした連載を通して、外国人観光客が増えているだけではなく、その人たちを起点に、日本の製品のイメージや評価の高まりや、日本食の広がりを実感することができました。また、日本に対する意識には、エリアごとに差が大きいことも改めて分かったのではないでしょうか。

2020年、さらに2025年大阪・関西万博に向けて、インバウンドを起点にビジネスチャンスはまだまだ広がっていきます。特に来年は今後の日本を左右する大きな節目になる年。まだ日本に来ていない人・関心がない人を、このチャンスを生かして巻き込んでいくためにはどうすればいいのか。翌年以降につなげられるよう、この調査結果も参考に施策を立てていただければと思います。


ジャパンブランド調査2019の概要
・目的:食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握する
・対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ(北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ
※今回は、過去の調査の推移で変化の少なかったブラジルを除外し、インバウンドで注目が高まるトルコを追加しました。
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件:20~59歳の男女 *中間所得層以上
 *「中間所得者層」の定義(収入条件):OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
・サンプル数:中国はA・B300名ずつで計600名、アメリカは600名、それ以外の地域は各300名の計6,600名
・調査期間:2018年12月
・調査機関:株式会社ビデオリサーチ
 

渡辺由貴恵が行く、金沢市「浦田クリニック/スコール金沢」

第一線で活躍中の電通のコミュニケーション・プランナーが、自身のアンテナに引っ掛かった「今ちょっと気になる現場やスポット」をリポートする企画です。

(左から)浦田哲郎氏、渡辺由貴恵氏
(左から)浦田哲郎氏、渡辺由貴恵氏

トータルサポートの複合施設が挑戦する

「予防医療」の最前線

今回プランナーの渡辺由貴恵氏が訪れたのは、2017年4月、金沢市にオープンした国内初のメディカルフィットネス&スパ「浦田クリニック/スコール金沢」。浦田クリニックを母体としつつ、人間ドックから最先端の水中リラクゼーションまで、「予防」を重視したトータルでの健康サポートを行う。地域住民が気軽に活用できる施設である一方、充実した最新設備や高級感のある内装、ホスピタリティーに魅了され遠方からお忍びで通う著名人も多数いるという。スペルの「SQOL」はSpa for Quality Of Lifeの頭文字。

Spa forQuality Of Life 外観+内観

「浦田クリニック/スコール金沢」の理事長・浦田哲郎氏は1987年金沢医科大学卒業後、93年無医村医療を志し「河内うらた医院」を開設した。父から富山県魚津市の「浦田病院」を継承し、2000年法人名を「医療法人社団ホスピィー」とする。07年クリニックの新築に伴い「スコール」を併設し、17年4月「浦田クリニック/スコール金沢」の開設に至っている。

浦田哲郎氏

今回、渡辺氏が気になったポイントは、以下の3点だった。

❶新しい医療の形、「予防医療」を目指すに至った背景とは?
❷超高齢化社会となる日本で、「予防医療」の価値とは?
❸目指すべき「地域医療の実現」のヒントとは?

渡辺由貴恵氏

浦田哲郎理事長に聞く!

 

【Q1】

全国からも注目されている「浦田クリニック/スコール金沢」の革新性を教えてください。

「浦田クリニック/スコール金沢」は「医療」を中心に「栄養」「運動」「癒やし」を統合した複合施設です。クリニックや人間ドック健診センターを軸に、ドクターズクリエイションカフェ、サプリメントショップ、メディカルフィットネス、プール、天然温泉、アロマトリートメント施設も併設。横の連携を行うことで「健康PDCA」を回しながら、一人一人に最適な形のサポートを提供しています。病気の方はもちろん、“未病”の方にも、健康を維持して幸せに暮らすために利用していただいています。

「予防医療」と呼ばれる分野は世界的に注目されていますが、日本はまだ発展途上。現在の医療保険制度では、薬を出す対症療法(主な症状を軽減させる治療)を中心に行わなければ病院の経営が成り立たないことが大きな要因です。しかし、近未来を見据えた統合医療の実現の必要性を感じていた私は、魚津市でその実践を始めました。

そんな中、北陸新幹線の開通に伴い金沢駅周辺の活性化を行いたいとJR西日本不動産開発から相談を受け、この施設の設立を決めました。ちなみに、実現できたのは私にお金があったからではなく、借金を恐れなかった私の思い切りからです(笑)。

日本の医療制度に疑問を抱き、自分の理想の医療を実現する強い信念と熱量に圧倒されつつ、最も感動したのは、さらなる探究心と進化し続けようとする姿勢! 健康の未来に希望を感じた瞬間でした。(渡辺)

【Q2】

浦田理事長は、今や地域に根差した「予防医療」のパイオニア。それまでの浦田理事長の歩みは?

私の原点は「無医村医療」。富山県魚津市の小さな町で24時間365日地域密着型の医療をしていた開業医である父の背中を見て、私も石川県河内村(現・白山市河内)という人口1000人ほどの村で無医村医療を始めました。新生児から高齢者まで、お産から内科、外科まであらゆる治療に対応する中で、自分は地域の住民の皆が健康で幸せに暮らせるために「何でもする総合医」でありたいと考えるようになりました。私が漢方や鍼灸、ヨガなどの東洋医学や、自然療法などのヨーロッパ医学も取り入れている背景でもあります。

その後、父の病院も継ぎ、寝たきりや認知症になった高齢者の多い医療現場にいる中で、現代社会における「予防医療」の重要性にも気付きました。

実は予防医療にも「1次予防」「2次予防」「3次予防」に分かれています。「1次予防」は未病の方が病気になる原因を遠ざけるための措置、「2次予防」は病気になった方の進行を抑える措置、「3次予防」は病気が進行してしまった後の後遺症や再発防止のための措置。末期がんの患者さんが家に帰って好きなものを食べ、好きなことを自由に楽しむことで、宣告よりも大幅に長生きするのを幾度も目撃し、予防医療の奥深さを知りました。「浦田クリニック/スコール金沢」の「栄養」「運動」「癒やし」というテーマにつながっています。

予防医療の舞台は、東京のパーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ」との連携で拡張も。都内で健康管理とトレーニングをし、スコールでヘルスチェック。金沢と東京を結んだ健康PDCAの形も増えそうです。(渡辺)

【Q3】

「浦田クリニック/スコール金沢」の取り組みは医療による街づくりの推進とも感じますが、今後はどのような展望をお持ちでしょうか。

12年前、魚津市にこの施設の原型となる「浦田クリニック/スコール」を開業し、今回は人口50万人近い金沢でより理想に近い施設をつくることができました。同様の施設が全国の人口50万人都市で続々と誕生するような未来をつくれたらと意気込んでいます。全国展開の夢への一歩として東京のデポルターレクラブさんとも提携を開始しました。

また「予防医療」に関しては、アメリカですでに研究されている「0次予防」(遺伝子チェックによる措置)、さらにその前の段階、つまり子どもをつくる前の両親の健康に対する措置なども研究していくことで、より健康で幸せに暮らせる人々が多い社会の実現に貢献していきたいと考えています。


スコールプラス

施設内にはセレクトショップ「スコールプラス」が併設されている。健康を支えるえりすぐりのフード・ドリンク・サプリメントを全国から取り寄せ販売。店内には管理栄養士が常駐しているため、相談しながら自分の体調や健康状態に合った栄養食品を購入することができる。

スコールプラス内観と、渡辺由貴恵氏(右)

最後に...(by渡辺)

スコールでの体験で、健康管理・メンテナンスは「個人」から、「パートナーと共有して」取り組む時代になると感じました。自分以上に体のことを理解しサポートしてくれる存在は、医療面だけなく精神的な支えとなります。インタビューでの浦田先生の思いや言葉から、強い信念とホスピタリティーを感じ、パートナー選びの重要さを痛感しました。また、WATSUという水中身体療法も体験させていただきました。この新体験をぜひ皆さんもスコールで!

渡辺由貴恵氏

浦田クリニック/スコール金沢:
http://urataclinic-sqolk.jp/

デポルターレクラブ:
https://www.deportareclub.com/

デザイン心理学による、直感マーケティングとは?

何か買うとき、何か決断をするとき、すべて“理由付き”で行いますか?
行動の根拠はいつも、言葉で言い表せるものでしょうか?
「なぜかと聞かれても分からない。ただ何となく好き!」「気分で選びました」「パッと見で、一目ぼれした」
こんな風に物事を決めることも結構多いはずです。今日は、そんなお話を…。

「デザイン心理学」とコラボレーション

人間の直感や感性、潜在嗜好などを科学的に追究する「デザイン心理学」という学問があります。千葉大学の日比野治雄教授が確立された分野です。電通メディアイノベーションラボでは、日比野教授と10年前に行った雑誌広告の高級感に関する研究以降、教授およびBBSTONEデザイン心理学研究所(教授が技術顧問を務める千葉大工学部発ベンチャー企業)と共同プロジェクトを推進しています。

日比野教授によると、商品がたとえ“便利”とか“高機能”であったとしても、そもそも人の潜在的嗜好に響かない場合、うまくいかないことも多いといいます。昨今ではデジタルやITを駆使したこれまでにない商品も多々登場していますが、感性的に受け入れられないという理由から成功に至らないケースもあると教授は分析します。

潜在嗜好が行動へ影響する部分は大きい。

このような潜在嗜好に着目するBBSTONEデザイン心理学研究所は、デザイン心理学をビジネスへも応用し数々の成果を上げています。例えば、シニア層を狙ったエアコンのリモコン開発では国際ユニヴァーサルデザイン協議会IAUD award を受賞、食用油のパッケージを直感的印象に優れるデザインへリニューアルした作業では売り上げを30%アップに導いた事例もあるそうです。

それでは、電通が2019年から取り組んでいる共同プロジェクト「ヴィセラル™テスト」についてご紹介しましょう。


気分を数値化する、ヴィセラル™テスト

ヴィセラル™テスト(※)は、画像を用い、消費者の「今の気分」を数値化するメソッドです。

人の気分は季節とか時間帯とか場所とかでコロコロ変わり、自分でも気付かないことも多いものです。ヴィセラルテストでは、次々に画面に表示される画像に対し、ボタンを押すなどにより、その瞬間の“心のスイッチ”がどこに入っているか(共同チームで「ヴィセラル™」と命名)を浮かび上がらせます。(下図はヴィセラルテストのベースとなる「画像得点化実験」の様子)

本年は第一弾として、日頃クライアント企業の皆さまから相談の多い、20~30代の女性に実験に協力いただき、モデルを開発しました。

今回のモデルでは、女性の心理として六つのヴィセラル、「WILD(辛)」「ELEGANT(潤)」「TSU-YA(艶)」「SWEET(甘)」「A-Ge(↑)」「TIRED(静)」を設定しました。

「WILD(辛)」は心がささくれだったような感じ、「ELEGANT(潤)」はしっとりとしてゆとりのある感覚を代表しています。「TSU-YA(艶)」は異性を意識したモードであり、「SWEET(甘)」はカワイイとかメルヘンな気分を表します。「A-Ge(↑)」はアクティブで高揚した感覚、「TIRED(静)」はこじんまりとした静的なモードです。

これらは、世代やライフスタイルに関する研究資料、象徴的なファッション・著名人のタイプなどから研究チームがディスカッションの上、さまざまな形容詞などのワードとして集約し、近い概念ごとのグルーピングを行ったものです。

共同研究チームは、さまざまな画像を実験対象者に提示し、画像が各ヴィセラルをどれくらい多く含有しているかという得点化を行いました。米国で開発されたIAT(Implicit Association Test: 潜在連合テスト)をデザイン心理学の見地からアレンジし、マーケティングにも活用できるよう意図しました。詳細は割愛しますが、1/1000秒レベルのテクノロジーも背後で働いています。

「画像得点化実験」から得られた結果のイメージは、こんな感じとなります。

※ヴィセラル™テスト=米国の著名な認知心理学者Donald A. Norman氏が、その著書 ‟Emotional Design”(2004年刊)の中で述べている‟visceral level”という用語を参考にしています(‟visceral”という単語自体は、「内臓感覚の」あるいは「直感的な」という意味のごく一般的な単語で、Norman氏の造語ではありません)。

今の気分や直感をマーケティングに活用!

この手法は、実験の枠を超え一般消費者に参加してもらうことにより、①その人の今の気分を解き明かし、②これにフィットする商品・サービスをレコメンドする、といったマーケティング活用への可能性が広がります。

例えば、「WILDなあなたへは、こんな旅を」「ELEGANTのあなたは、こんなファッションを」「TSU-YAのあなたに、こんな香り(味)を」「TIREDなら、こんな動画を」「A-Geな時、こんなアプリを」といった使い方はいかがでしょうか。スマホで画像に「いいね!」を入力させるなど、面白い開発へ向けてご相談も歓迎です。

ヴィセラルテストは「今この瞬間」にこだわります。そして、目に見えない潜在的な気分を解き明かす、極めて科学的な心理テストです。

過去のデータや目に見える事象に基づく提案を否定するつもりはありません。ただ、直感とか気分とか、そういったもので消費者が動く(=人間は非合理的な存在である by日比野教授)という側面に着目することも重要です。マーケティングの未来へ向け、潜在嗜好の領域も有効に活用してゆければと考えています。

ご興味がございましたら、電通メディアイノベーションラボの長尾までご連絡(mediainnovation@dentsu.co.jp)お願いいたします!

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