『おっさんずラブ』インスタ運用はなぜ失敗したか?シーズン1ファンの大きな怒りのワケ

 昨年12月に放送が終了したテレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』。何かとネガティブな評判も多かったこの作品だが、SNSの運用を巡ってまた、批判的な声が上がっている。

『おっさんずラブ -in the sky-』は、2018年に放送され大人気となった『おっさんずラブ』のシーズン2として制作された作品。シーズン1の主要キャラクターである春田創一(田中圭)と黒澤武蔵(吉田鋼太郎)という2人が同じ名前・キャストで登場するものの、その他の設定がまったく異なるという“パラレルワールド”的内容であったことから、シーズン1を愛する“OL民”(おっさんずラブファンの呼称)から強い反発を受けていた。

 そんな折り、SNSの運用においてOL民たちの気持ちをさらに逆撫でする事態が起きる。シーズン1放送時に人気となっていた公式インスタグラムアカウント「武蔵の部屋」(musashis_room)の過去の投稿が、シーズン2の放送開始時に全削除されてしまったのだ。

「『武蔵の部屋』は、劇中の黒澤武蔵が運営しているという設定のアカウントで、基本的には武蔵が撮影した春田の写真が投稿されています。シーズン1放送時からOL民にはかなり好評で、50万人以上のフォロワーがいたんですよ。

 でも、シーズン2放送開始時に、シーズン1で投稿されていた写真が全部削除されてしまい、そのままシーズン2における黒澤武蔵のアカウントとなったんです。制作サイドとしては、50万人以上のフォロワーをそのまま生かしたかったのでしょうが、シーズン1のファンからしてみれば、思い出をすべて否定されるようなもの。この一件で、シーズン2を見るのを止めたというOL民も多かったようです」(テレビ局関係者)

シーズン1ファンの大きな怒り

 ところが事態はその後、さらに混迷を極めることとなる。

 シーズン2終了後、いったん削除されたはずのシーズン1放送時の「武蔵の部屋」の投稿が再公開されたのだ。さらに、当該アカウントのプロフィール欄は〈黒澤武蔵 某文房具会社部長 →TK不動産部長 →TKピーチエアライン機長 やってました(^o^)/〉と変更。“パラレルワールド”という設定はなかったことになり、「武蔵の部屋」はシーズン1とシーズン2がごちゃまぜになったアカウントになってしまったのだ。

「これもまた、シーズン1のファンにしてみればショックですよね。パラレルワールドになってしまうのは悲しいけど、“完全な別世界だからシーズン1とシーズン2は別モノ”と割り切ることができた。でも、『武蔵の部屋』アカウントでパラレルワールド設定が崩されたら、シーズン2を受け入れなければならなくなる。この展開にまた、シーズン1のファンは大きな怒りを感じたようです」(同)

シーズン1「武蔵の部屋」の絶妙さ

 インスタの動向が、いちいちOL民の怒りを招いている『おっさんずラブ』。どうしてこんなことが起きてしまうのだろうか?

「シーズン1とシーズン2の設定はまったく異なるものですが、シリーズものであるのは間違いないし、制作サイドとして両方とも楽しんでほしいという思いもあるはず。さらには、シーズン1のその後を描いた『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』のDVD・ブルーレイの発売が3月12日に控えているので、その宣伝もしたいという狙いもあるのでしょう。しかしそういった動きは、ファンからすれば物語そのものよりも宣伝のほうを優先しているかのように見える。シーズン1こそを愛していたOL民にとっては、これほど悲しいことはありません」(同)

 もともと『おっさんずラブ』シーズン1の爆発的な人気は、公式インスタグラムやツイッターでの発信力の高さゆえのものという声も多かったのだという。

「シーズン1放送時の『武蔵の部屋』は、撮影中のオフショットをアップしたり、視聴者と同じような目線で感想を投稿したりといったこともあり、ファンと一緒に上手に作品を盛り上げていたんですよ。だからこそSNS上で『おっさんずラブ』は大きく拡散し、SNS上で感想などを投稿しながら楽しむファンが多かったわけです。

 しかし、シーズン2になってSNS担当者の変更もあったようで、ファンの気持ちをうまくくめなくなり、逆効果とも思えるような運用が続いてしまった。その結果SNSでは、シーズン2の“アンチ”も多数確認されるようになり、批判的な投稿が増えるという展開にもなりました。シーズン1では制作サイドがSNSをうまく使っていたからこそ、ファンにとっては裏切られたという思いがなおさら強くなったのでしょう。シーズン1におけるSNSの好運用がなかったならば、もしかしたらシーズン2への批判も少なかったかもしれない。『おっさんずラブ』の事例は、コンテンツにおけるSNS運用の難しさを象徴するような出来事ですね」(メディア関係者)

まさに愚行そのもの

 うまく使えば多くのファンを獲得できるが、下手を打てばアンチを増やしてしまうSNS。現代のコンテンツビジネスにあって、それはまさに諸刃の剣ともいえそうだ。

「SNSはどうしても、運用している人のパーソナリティーが反映されやすい。いわゆる“中の人”のワードセンスや写真を選ぶセンスも必要になるし、ファンとどれくらいの距離感を保つかという点も重要。また、番組のアカウントはあくまでも個人のものではないので、“中の人”の個性を出しながらも、“いかに暴走しないか”ということも大切になってきます。

おっさんずラブ』に関しては、シーズン2に移行したタイミングで、シーズン1で成立していた絶妙なバランスが崩れてしまった。SNSがシーズン1の成功にどれだけ寄与したかを制作サイドがしっかりと理解していれば、こういった失敗もなかったように思います」(前出・メディア関係者)

 商品プロモーションにおいて、SNS運用が大きな意味を持つものとなっている現在。なればこそ、それがビシッとハマるかどうかは本当に難しいところ。せっかくうまくいっていたSNSの運用を自らの手で破壊してしまった『おっさんずラブ』の制作陣の行為は、まさに愚行そのものといえるのではなかろうか。

(文=編集部)

電車の優先席に座る若者、“非常識”ではなく“骨盤の開閉に問題”が原因?

 冬の岐阜県・大垣は寒い。滋賀県との県境にある伊吹山から吹いてくる風が、ことのほか冷たく、それを「伊吹おろし」と呼びます。その風は大垣を吹き抜けて平野部を吹きわたり、三重県の桑名まで達するといわれるほどです。思えば、筆者が大垣に住まいを移してから3月で9年がたつわけですが、いまだにこの伊吹おろしには慣れません。

 東京に行くと、確かに寒いことは寒いのですが、その寒さの質みたいなものが違うように感じます。また、東京は本当に人の数が多いと感じ、ちょっと打ちのめされるような感覚をおぼえます。数年前までここに住んでいたというのが、何か妙に感じるくらいです。

 そんな東京に住んでいる人たちのなかに、生粋の東京人がどれくらいいるのかは定かではありませんが、とにかく東京の人のマナーが悪くなったと思うのです。筆者が、ほかの人より頻度高く、そのような場面に出くわすのかもしれないとも考えたりするのですが、たとえば駅の改札とホームを行き来するエレベーターなど、本来は高齢者や体が不自由な方が優先的にお使いになるために設置されていると理解していますが、何かしらのハンディキャップなどをお持ちではないような若者が我先に乗ったりしている姿を見かけます。筆者もキャリーバッグを引っ提げ、重たいリュックも背負っていたりする時があり、そのような時にはエレベーターを利用することもありますが、手ぶらの若者が我が物顔でエレベーターを利用するのには、どうしても違和感を拭えず、抵抗感があります。

 また、今や「優先席」というのも名ばかりのような気がします。若者がどっかと腰を下ろし、ご高齢の方がその前に立って手すりやつり革を握りしめている、というような光景もよく目にします。

 これは一体どういうことかといえば、若者たちの足腰が弱っているのです。

 日本の若者は体力だけではなく、学力も大きく落ちています。経済協力開発機構(OECD)が行っている、国際学力調査「PISA:Programme for International Student Assessment」によると、日本の高校1年生の学力は2000年の段階で科学リテラシーが世界で2位、数学リテラシーは1位でした。それが18年はそれぞれ5位、6位と、明らかに低下傾向にあります。読解力は15位と、さらに低いランクです。全体的に見ると、OECD加盟国の平均得点より高かったのですが、この低下傾向に歯止めをかけることは難しいようです。

若者の体力低下は学校教育の「体育」に問題

 体力も同じように低下傾向にあるのですが、そこには根本的な間違いがあると、筆者は睨んでいます。それは体育とスポーツを混同している、という間違いです。学校教育のなかの体育という授業は、スポーツのスペシャリストを養成するためのものではないはずです。子供たちのなかでアスリートになるのは、ごくわずかであるのにもかかわらず、体育の授業ではさまざまなスポーツに取り組ませようとします。

 筆者は、そんなことをする前にやるべきことがあるだろう、と主張したいのです。まずは総合的な体力をつける、体を鍛えることをすべきです。その考えの下に、いろいろなスポーツ競技を活用する、というのであればわからないでもないのですが、実際に学校教育のなかで行われているのは競争です。競技に勝つことが最優先されていて、体を育てる、体を鍛えるということに重きを置いているとは、とても思えません。

 学力低下の原因も、入学試験に合格することがゴールになってしまっているため、何かを憶えることが先行して、じっくり考えるということが蔑ろにされています。競争することが悪いことだと言う気などさらさらありませんが、競争がすべて、勝つことが目的というのは、明らかに生き方として間違っていると筆者は思っています。昨年引退した大相撲の嘉風関は、こう言いました。

「勝つことが目的なのではない。いい相撲を取ることが目的なのだ。その結果、勝てればなおいい」

 嘉風関が周囲から尊敬され、長く現役を続けられた秘訣は、ここにあるのだと筆者は思います。

 いつの時代であっても、教育に完璧などということがあろうはずはありませんが、いくらなんでも今、行われている学校教育が十分なものとは、到底考えられません。教育の無償化や、学力強化のために学習塾に通わせるのも結構ですが、問題は教育者の質が低下していることではないでしょうか。学校の先生が置かれている環境は、単純に労働条件という観点からしても優良とはいえません。給料もそれほど良いとは言い難く、優秀な人が先生になる確率は低くなります。もちろん、優秀な、素晴らしい先生もいることは百も承知ですが、全体としては、そういうことになります。

 今、先生として活躍している優秀な方は、何か強い使命感みたいなものを感じて、がんばっていらっしゃるのだと思います。しかしそれは、そのまま続くわけではないのです。したがって、このままの状況が続けば、子供たちの体力、学力はともに落ち続けていくことでしょう。筆者が憂慮するのは、子供たちの教育自体が、ビジネスの対象になってしまっていて、そこには本来あるべき教育者の質や、もっと大事な子供たちの個性を生かし伸ばす、という視点が欠けていることです。

足腰が弱る原因は「砂糖」

 もうひとつ重要なことは、優先席にどっかと座ってしまっている若者たちは、そうしたくてしているのではないということです。彼らの足腰が弱っているのは確かですが、それとは別に骨盤の開閉がうまくいっていないという事実があるのです。骨盤の開閉がうまくいかないと、立ったり座ったりという動作がスムーズにはいきません。億劫になってしまうのです。だから、あの若者たちは、悪気があって優先席に座っているのではなく、骨盤が閉まらないから立てないのです。

 骨盤の開閉というのは、基本的に不随意筋が行います。つまり不随意運動です。この不随意筋を鍛えるのは、スポーツでは無理です。なぜなら、スポーツは大半が随意運動によるものだからです。いくら随意筋を鍛えても、不随意筋は鍛えることができないのです。体を育てるため、体を鍛えるためには、不随意運動を教えなければならないわけですが、今の学校教育では、その点が決定的に欠如しています。

 さらに問題なのは、甘いものの食べすぎです。甘いものを食べると、骨盤は開く傾向に向かい、それが続くと閉まりにくくなります。今の子供たちも、大人たちも、甘いものに囲まれていると言っても過言ではありません。だから、骨盤を閉められなくなっているのです。

 加えて、かつての日本人は、生活の中で自然と骨盤の開閉の能力を鍛えられていたのですが、洋式の生活が定着してしまったため、骨盤の開閉能力が育たないまま、大人になってしまうのです。電車の優先席に座っている若者は、骨盤の開閉能力を失っているため、サッとは立てないのです。

 おやつに少量の、しかも良質な甘いものを食べることまでやめろと言うつもりはありませんが、考えなければならないのは、料理に砂糖を使うことです。料理教室などを開催している方には、重い責任があります。外食産業にも当然、同様の責任があります。料理に砂糖を使うのは、決してスタンダードではありません。むしろ下品なことだと認識すべきでしょう。甘いものの食べすぎをやめ、砂糖を使った料理をしなくなれば、優先席に座ったまま立てなくなってしまう若者の数が、いくらかでも減ることになるでしょう。食べるものは、私たちの生活の意外なところにまで、大きな影響を与えているのです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

今、メルカリで“安いけど買うと痛い目に遭う”商品5選!ハンディスチームアイロンも

 フリマアプリ業界で圧倒的なユーザー数と出品数を誇る「メルカリ」。昨年はスマートフォン決済サービスの「メルペイ」の提供を開始し、その勢いは留まるところを知らない。さらに、昨年末には、Google Playが選ぶ「Google Play ベスト オブ 2019」を受賞し、ますます利用者が増えているという。

 膨大な数の商品が出品されているメルカリでは、検索機能を向上させ、ユーザーが欲しいアイテムを簡単に見つけられるような工夫がなされている。特に、昨年導入された「写真検索機能」はスマホ内の写真をアプリに読み込むだけで類似の商品がヒットする、非常に便利な機能だ。現在はiOSのみに導入されており、Androidやそのほかの機種へは順次導入予定だという。

 もちろん、従来の検索方法でも詳細に絞り込むことができ、カテゴリーの選択や商品の状態、サイズを指定して検索することも可能。自分が求めるアイテムを見つけやすい。

 今回は、数あるカテゴリーの中から「家電」にフォーカスし、「今メルカリで買わないほうがいい家電」を5つ紹介する。

ネスカフェ ドルチェ グスト

 年末年始の宴席で定番の遊びといえば「ビンゴ」だ。ネスカフェが販売しているコーヒーメーカー「ドルチェ グスト」は、ビンゴの定番景品のひとつでもあるためか、この時期に出品が増える。簡単な操作で多彩なラインナップのドリンクを楽しめる利点があるが、日常的に使おうと思うとネックとなる点も多い。

 最大の問題点はカプセルの値段。ドルチェグストでドリンクを飲むためには専用のカプセルが必須で、これが比較的高値なのだ。たとえば、230mlで16杯分の「リッチブレンド」のカプセルは1箱980円。もし家族全員で飲むとなれば、それなりの値段となるだろう。本体の安さが目を引いても、長期的に使うとコストがかさむので、家計と相談して購入を検討しよう。

ハンディスチームアイロン

 忙しい朝でも素早く、そして簡単に衣類のシワを伸ばせるハンディスチームアイロン。特に、日々のシャツのアイロンがけを億劫に感じているビジネスマンは、ひとつ持っておいて損はない。しかし、メルカリでの購入はあまりおすすめできない。

 というのも、ハンディスチームアイロンの使用頻度は極めて高く、故障のリスクが高いからだ。メルカリで無保証の安価な商品を購入するより、少し値段が高くても家電量販店で購入するほうが安心度は高い。また、コードの長さなども使いやすさに直結するので、店頭でしっかり確認してから購入するほうが不安要素は少ないかもしれない。

ワイヤレスイヤホン

 スマホから従来のイヤホンジャックが廃止される傾向にあり、Bluetoothで接続できるワイヤレス型に注目が集まってきている。特に左右が完全に独立しているワイヤレスイヤホンは、コードがからまるなどの不便さがなく快適だ。

 しかし、質の良いワイヤレスイヤホンは高額でなかなか手が出しづらい。メルカリには破格の値段での出品も見られるが、安価な海外製の商品は音質がイマイチというレビューが多い。さらに、インナーイヤー型の場合は耳穴のサイズと合わない場合にイヤーピースの取り替えなどで調節することができないため、フィット感に不満を覚えることも。ストレスフリーに音楽を楽しみたいなら、試聴・試着をしてから購入することを推奨する。

ワイヤレスキーボード

 外出先で仕事をするビジネスマンのなかでも、最近はiPadなどのタブレット端末を利用する人が増加してきている。そうした層から需要があるのが、ワイヤレスタイプのキーボードだ。タブレットとワイヤレスキーボードのコンビさえあれば、カフェやファミレスを簡単に職場にすることが可能になる。

 メルカリに出品されているワイヤレスキーボードは安いもので1000円以下という商品もあるが、なかにはゲームセンターのアミューズメント景品で獲得したようなオモチャまがいの品物も多い。こうしたキーボードは往々にして打ち心地が悪く、タイプミスも増える。仕事に集中できる環境を求めるのであれば、自分に合ったキーボードを試して選ぼう。

マグウォーマー

 今の季節、じっと座って作業するデスクワーカーにとって温かい飲み物は欠かせない。「マグウォーマー」はマグカップに入れた飲み物を保温できる優れもので、「机上にひとつ置いておきたい」と重宝されている。

 しかし、マグウォーマーの出品数はさほど多くなく、メルカリで買おうと思うと選択肢は少ない。また、新品未使用となると値段は2500~3000円台が相場となる。格安の商品はデザイン性重視の場合が多く、その性能に疑問が残る。ネットショップや家電量販店の場合は同価格帯でも機能を比較できるため、残念ながら「絶対にメルカリで買うべき!」という理由が見当たらないのが現実だ。

 年末の大掃除を経た後はメルカリへの出品が増えるもの。なかには衝撃的に安い商品もあるが、値段だけで飛びつくと痛い目を見かねない。説明文や出品者の評価には注意深く目を通し、商品の写真は隅々まで確認することを強く勧める。

(文=清談社)

7度目逮捕の田代まさし、ダルク脱会していた…『バリバラ』出演後に出演オファー拒否の事情

 昨年11月に“7度目の逮捕”で世間を驚かせ、12月に覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反の両罪で追起訴された元タレント、田代まさしの近況が、1月発売の写真週刊誌「フライデー」(講談社)にキャッチされた。田代は追起訴と同時に保釈され、同誌によれば、12月末に千葉で行われた知人のミュージシャン主催の忘年会に出席した。

 その場で田代は12月に麻薬取締法違反の罪で起訴された女優、沢尻エリカを念頭に「見た目も時期も似てるんで、勘違いしてる人がいるかもしれませんが、私、沢尻エリカじゃありませんからね!」とブラックジョークを飛ばしたという。顔は少しふっくらした印象はあるものの、トレードマークのちょびひげは健在。現在は茨城県内にある更生施設に入所したという。

 幾多の薬物事件を起こしており、今回も実刑判決は確実で懲役3~4年とみられる。出所しても当然、テレビ番組出演は不可能で、昨年吉本芸人を中心に話題になった“直営業”で日銭を稼ぐしか道が残されていないようだ。

「通所していた薬物依存症リハビリ施設の日本ダルクは昨年夏頃に退会。大きな後ろ盾を失いました。3~4年後に出所しても、今までより一層自立と自律の両方を求められます。昨年12月末の忘年会でギャラが発生したかは不明ですが、本人はこういったプライベート色の強い“裏イベント”で生計を立てていく意向のようです」(テレビ局関係者)

 田代といえば昨年7月4日、11日放送のEテレ番組『バリバラ』に、薬物の危険性を伝える講師役として登場。公共放送であるNHKの番組に出演したことで注目された。

「NHKの番組に起用されたことで、少しずつメディアにも露出していくかと思われ、実際に水面下でオファーする媒体もありました。たとえば、ちょうどその頃に薬物事件で逮捕された元KAT‐TUNの田口淳之介と小嶺麗奈の初公判があったので、薬物経験者として解説のコメントを求める媒体もありました。ですが、田代とダルク側は『出演はあれ(=『バリバラ』)きり。もう断っています』とけんもほろろでした。

 今思えば、当時から再犯発覚の恐れを危惧して『バリバラ』以降、露出しなかったのかもしれません。あの時に田代もメディアとルートを構築できれば、次につながる意味でもよかったのですが」(出版関係者)

 もはや、服役後に出所したとしてもニュースとして小さくしか扱われず、話題にならないかもしれない。“直営業”で食いつなごうとしても、怪しい勢力に狙われる可能性もある。

 薬物依存からの更生は周囲のサポートが不可欠。クスリの呪縛から逃れられない“マーシー”に救いの手を差し伸べる支援者は現れるか――。

(文=編集部)

パチスロ「高射幸機ビッグ3」撤去後の今……人気ライターが「絶賛する6号機」とは!?【アニかつ・濱マモルの回胴酔虎伝Vol.09】

 昨年末、長きにわたりホールの主役として君臨してきた高射幸機の「ビッグ3」が撤去され、そして迎えた2020年。

 パチスロ5号機時代の終焉がいよいよ目前に迫ったいま、「アニかつ」と「濱マモル」は何を思い、何を感じているのだろうか。今宵も、酒を酌み交わしつつの回胴談義が幕を開ける──。

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──今年初の『ほろ酔い回胴談義』ですね。

アニマルかつみ(以下、アニ):ですね。あけましておめでどうございます、今年も宜しくお願いします。

濱マモル(以下、濱):……ってか、もう2月なんですけど。

アニ:濱ちゃんの年末年始は、どうだった?

濱:当然のごとく、呑んでました。年末は毎日が忘年会、年が明けたら毎日が新年会で。

アニ:まぁ、そうなるわな。

──昨年暮れ、ホールで長らく高い人気を保っていた『ハーデス』と『バジ絆』、それに『モンハン月下雷鳴』が撤去されました。

濱:アタクシは個人的に、特に影響みたいなものは無いですね。どれも打ってなかったんで。

 

アニ:自分は、まぁ……ハーデスが無くなったのは大きいな。デビューから5年と8ヶ月か。個人的なメイン機種だったもんで。

濱:ですよね。『アニかつと言えばハーデス』と誰もが認めるところでしたから。

アニ:まぁでも、意外にあっさりと吹っ切れた感はあるな。最後の1年はあんまりいい事無かったし、ホールの状況も芳しくなかったから、前ほど打たなかったし。

濱:先の3機種との入替で、もちろん6号機も増えたんですが、それ以上に5号機の返り咲きが目立ちましたね。『サラリーマン番長』とか。

アニ:まぁ、当面の繋ぎだろうけど。…ってかね、だったら『アナザーゴッドポセイドン~海皇の参戦~』を復活させてほしい。

濱:いまだったら、市場に受け容れられるかも知れないですね。

アニ:うん。デビュー当初は、『ハーデス』も『凱旋』も人気バリバリだったから。スペック的に見劣りしちゃうのは当然のこと。出す時期がよろしくなかったんだよ。

──ともかく、『ハーデス』が無くなったことで、ゴッド好きのアニさん的にはやはり、今年は『凱旋』にシフトされるんですか。

アニ:いや、それは無い。そもそも『凱旋』は苦手だし、もう自分の中での高射幸機に対する遊技欲求は『ハーデス』で尽きた。だから、最近は積極的に6号機を打つようにしている。

濱:前も仰ってましたよね。「猪木が面白い。これからは猪木だーっ」って。

アニ:うん。でも、残念ながらホールの扱いがあまりよろしくないから。最近はもっぱら、『エウレカ3』かな。アレはよく出来てる。

濱:ほほう。『エウレカ3』、確かに評判いいですよね。ただアタクシ的には、6号機にしてはちょっと『自力感』が強すぎるかな、と。

アニ:そこがいいんだよ。こないだ、ついに『スペック3』を達成してね。あのイケイケ感はほんと気持ちいい。当然のごとく完走して、感動のエンディングも観られたし。

濱:アタクシは6セットであっさり終わりました(笑)。

アニ:え、そんなこともあるんだ!?

濱:ええ。だって、80何%ですから。

──いずれにしろ、アニかつさんが『エウレカ』がお気に入りとは、意外ですね。

アニ:原作はいまだ観たことないんだけどね。実は5号機の初代も、けっこう打っていたんだよ。

濱:え、そうなんですか??

アニ:何年前だったかな。パチスロ必勝ガイドの看板実戦企画『91時間バトル』の300回記念特別編があって、「何でもいいから300番台で打ってトップを目指せ」って主旨でね。

濱:ムリヤリも過ぎる主旨でしたね。

アニ:そう。で、近所のホームグラウンド店に行ったら、その300番台が初代の『エウレカ』で。よく知らないまま打ったら、フリーズだかなんだか凄そうなのを引いて、一気に3千枚くらい出て。

濱:マジですか。初打ちで65536分の1を引き当てるなんて、やっぱ持ってますね。

アニ:かな。で、「ひょっとしたら、相性いいのかも」とか思って、ちょいちょい打つようになって。

濱:まぁ、初打ちで出したら、そうなりますね。

アニ:当時は『エヴァ』シリーズとかボーナスタイプしか打ってなかったんだけど、いずれこういったART機が主流になるだろうと思ってたのもあったからね。

濱:ある意味、未来志向だったわけですか。

アニ:そう。泣いても笑っても、5号機の時代はもうすぐ終わる。だから、『エウレカ3』に限らず新しいものを積極的に打っていくよ。

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 そんな感じで、意外にもあっさりとゴッド系を封印し6号機への移行を宣言したアニかつ。次回も、未来志向なほろ酔い談義を繰り広げていただくこととしよう。

 

★今回のお店★
「ちゃぼ」
住所:東京都 新宿区 高田馬場 3-2-13 ドムス・サニ・ヤナガワビル 2F
交通アクセス:高田馬場駅から202m
予約・お問い合わせ:03-3371-8665

日本で共働きが進まなかったのはなぜか:ほんとうに必要な働き方改革

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

「GettyImages」より

前回の連載では、日本の独特の働き方について書きました。ここでもう一度、簡単に振り返ってみましょう。

 日本の組織はその内部で労働力を調整します。海外の組織では、ある仕事で人が足りなくなればその仕事をする人を雇い、ある仕事で人が余れば、基本的には解雇してしまいます。

 人材の育成についても、日本の組織では内部で育成するという考え方がまだ強いのですが、海外の組織では特定の仕事をする能力のある人を外部から雇い入れる、という発想が優勢です。

 日本では組織の内部で労働力を回しますから、人手が足りなくなれば時間外労働時間が増えますし、部署間の異動(配置転換や転勤)も頻繁になりやすいといえます。そしてこれらの働き方の特徴は、日本では「専業主婦あるいは主婦パートの妻がいる男性」の働き方に合わせるかたちで発達しました。

JRA【外国馬出走ゼロ問題】ジャパンC(G1)わずか「4年で3度目」の褒賞金増額……変わらぬ「お金を積めば、何とかなる」姿勢に落胆

 JRA(日本中央競馬会)は1日、ジャパンC(G1)の褒賞金基準を一部変更したことを発表。本レースに出走した特定の外国調教馬に対して、ボーナスとなる褒賞金をさらに増額する。

 昨年、1981年の創設から39回目にして、史上初の「外国馬の出走ゼロ」に終わったジャパンC。

 日本競馬最大の国際競走として、その存在意義が大きく揺らいだ。この事実を受けて、JRAが動いたという形だ。

 具体的には、凱旋門賞(仏G1)やキングジョージ6世&QES(英G1)など、JRAが指定した世界の主要レースにおける同年の勝ち馬がジャパンCを勝った場合、褒賞金が従来の200万米ドル(約2億2000万円)から、1.5倍の300万米ドル(約3億3000万円)に増額されることとなった。

 これに伴い、2着も40万米ドル(約4400万円)から120万ドル(約1億3200万円)に、3着が25万米ドル(約2750万円)から75万米ドル(約8250万円)、4着以下に敗れた場合に支払われる褒賞金も10万米ドル(約1100万円)から20万米ドル(約2200万円)に増額された。

 昨年、ジャパンCが史上初の外国馬出走なしに終わった事実について、JRAの横田貞夫国際担当理事は「今回の結果を十分に検証し、今後のジャパンCを盛り上げることができるよう努力してまいりたいと思います」とコメントを発表。

 そして今年「同じ轍は踏まぬ」と、さっそく“動き”を見せた格好だが「甚だ疑問」という声が挙がっている。

「この決定に疑問を持っている人は私だけではないと思いますよ。というか昨年の外国馬ゼロ問題が、あれだけ大きくクローズアップされたにも関わらず、まだJRAが『お金を積めば、何とかなる』と考えていることに落胆を禁じ得ません。

というのもジャパンCの外国馬を対象とした褒賞金の上乗せは、今回が初めてじゃないんですよね。2016、17年に続いて、今回が3度目の増額。ただ、それがほとんど機能していないことは、昨年の外国馬出走ゼロで実質証明されたはずなのでは……。

わずか4年で3度の増額は涙ぐましい努力と言えば聞こえはいいですが、『馬鹿の1つ覚え』と捉えられても仕方ないと思います。仮に今年のジャパンCに外国馬が出走したとしても、今回の褒賞金増額がどれだけの影響を及ぼしたのかは甚だ疑問だと思います」(競馬記者)

 今回の褒賞金増額によって、JRAが指定したレースに勝った馬にとってのジャパンC・1着賞金は「3億円+3億3000万円」の計6億3000万円となった。

 ただ、元々5億2000万円(3億円+2億2000万円)だったことを鑑みれば、今回の決定で1億1000万円上積みしたところで、停滞を極めている昨今の外国馬招致問題が改善されると本気で考えるのは、いささか無理があるのではないだろうか。

 今年の年頭に『週刊ギャロップ』(サンケイスポーツ)のインタビューに応じた後藤正幸JRA理事長が「物理的にクリアできるものは、クリアしていきたい」と、これまで千葉の競馬学校施設内にあった外国馬の検疫所を東京競馬場内に建設する意向を語るなど、JRAは決してジャパンCを蔑ろにしているわけではない。

 しかし、そういった期待が高まっていた分、今回の決定を残念に感じたファンは少なくないだろう。これを「一の矢」とし、二の矢、三の矢が放たれることを願うばかりだ。

JRA武豊「今週6勝」大爆発でリーディング猛追! O.マーフィー帰国で12年ぶり「頂点」現実味

 今年、51歳のシーズンを迎えるレジェンド武豊が好調だ。

 昨年、JRA111勝と2015年以来、4年ぶりの100勝超えを達成した武豊騎手。この日は前日と同じく東京参戦となったが、5戦3勝としっかり固め打った。

 まずは7Rだ。16頭立てのダート2100mで行われたレース。前走出遅れながらも3着に追い上げ、2番人気に支持されたゴールドスミスの武豊騎手は、課題のスタートを決めると、好ダッシュから一気にハナへ。これまでキャリア12戦で1度も逃げたことがない本馬を巧みに操ると、レースの主導権を掌握した。

 こうなれば武豊騎手のペースだ。

 ダートの2100mという騎手の腕が問われがちな長丁場で、巧みにペースを支配すると、最後の直線でも力強い脚取りのまま先頭でゴール。2着に後方からエグジットラックが追い込んだものの、3着は2番手を進んだ10番人気のトランスポーター。4着にも道中3番手のニューツーリズムが入線し、“豊マジック”で前残りのレースを演出した。

 冴えわたるレジェンドの勢いは止まらない。続く8Rで2番人気のフローラルパークに騎乗した武豊騎手は、またもスタートを決めてハナを主張したハヤブサレジェンドを行かせる形の2番手。最後の直線入り口まで逃げ馬を“可愛がる”と、力強く抜け出してライバルの追撃を封じて2連勝を飾った。

 続く9Rこそ2着だった武豊騎手だが、10Rの早春S(3勝クラス)では1番人気のボスジラで大外一気。着差こそ2着とクビ差だったが「着差以上に余裕があって、まだまだ伸びそう」と、OP入りを果たしたパートナーを好評価。

 ボスジラはこれで3連勝。兄にスプリングS(G2)勝ちのマウントロブソンや、菊花賞(G1)3着のポポカテペトルがいる良血馬は今後が楽しみな存在だ。

 また、武豊騎手は前日の3勝と合わせて、今週6勝を上積みする絶好調ぶりだ。これで今年19勝とし、リーディング3位。1位のO.マーフィー騎手が今週一杯で帰国することを鑑みれば、2位川田将雅騎手とは4勝差。

「久々に獲りたい」と2008年以来、12年ぶりのリーディング獲得へ意欲を燃やす武豊騎手。大ベテランの手綱さばきが、いよいよ冴えわたってきた。

JRA「WIN5」史上2位「4億円馬券」炸裂! 14番人気勝利の大波乱をしのぎ切った「1票」の”猛者”は……

 2日、WIN5が史上2位となる「4億3390万7040円」という超高額配当を記録し、ファンの話題を呼んでいる。

 この日のWIN5は京都10Rの飛鳥S(3勝クラス)、東京10R早春S(3勝クラス)、小倉11R周防灘特別(2勝クラス)、京都11RシルクロードS(G3)、そして東京11R根岸S(G3)の計5レースが対象。5レース中、3レースが3番人気以内で決着したものの、最後の的中はわずか1票だった。

 619万8672票でスタートした、この日のWIN5。“開幕戦”となる飛鳥Sで、いきなり9番人気のバイオスパークが勝利する波乱の幕開けとなったが、それでも11万6209票の生き残りがあった。

 続く早春Sでは1番人気のボスジラが勝利したものの単勝3.3倍の“好配当”。人気が割れた難解な1戦を通過したのは2万1601票だった。

 この日「WIN5で勝負しよう」と思った人にとって、最大の山場はこの第3の関門、小倉の周防灘特別だったに違いない。芝1200mのハンデ戦に18頭のフルゲート。これだけを見ても“素人”が手を出し辛い極めて難解な1戦だったことがうかがえる。

 そして案の定、レースは14番人気のナーゲルリングが勝って大波乱の結末。三連単も280万馬券となり、WIN5の生き残りは、わずか191票まで減少した。

 この時点で的中の可能性を残していた“猛者”たちは、祈るような気持だったに違いない。お気楽な我々“外野”は「久々のキャリーオーバーあるかも」と来週に向けて腕をまくっていたところだ。

 続くシルクロードSは、3番人気のアウィルアウェイがほぼ順当な勝利だったが、生き残りはわずか11票に。この時点で夢の「億越え」が強烈に匂ってきた。

 そして、最後の根岸Sも3番人気のモズアスコットが勝利したものの、単勝1.9倍のコパノキックングが2着に敗れる“波乱”の結果。キャリーオーバーの可能性が高まったが、最後の1票が「4億3390万7040円」という超高配当を手にすることとなった。

 この結果は昨年2月の4億7180万9030円に次ぐ、WIN5史上第2位という大波乱。的中させた方、本当におめでとうございます!

かつては「幸せな気分になる薬」だったが… 人類の歴史を変えた「薬」たち

 

 人類の発展に対して、「薬」は非常に重要な役割を果たしてきた。時にそれは歴史を大きく変えるきっかけとなった。

 

■幸せな気分になるボーナス付きの「薬」はなぜ取り締まられたか

 例えば、「アヘン」と「モルヒネ」。

 アヘンは「麻薬に関する単一条約」のもと、国際統制下にある麻薬だが、20世紀までは「薬」とみなされていた。そのうたい文句は「痛み止め、睡眠薬、消化薬、咳止め、頭痛止め、目の炎症、ケガ、痛風に しかも幸福な気分になるボーナスつき」(『歴史を変えた10の薬』カバーより)というものだったそうだから、驚きである。

 かつて魅惑の薬とされ、大航海時代において重要な商品であったアヘンは、1840年に清国とイギリスの間で戦争を引き起こしている。「アヘン戦争」である。

 アヘン戦争が起きる前の1830年代後半では、当時の中国の人口の1%にあたる400万人がアヘン常用者だった。それを問題視した清国は、大量の金が動くアヘンの密輸入を断ち切ろうとして、輸入を促進していたイギリスと戦争する。

 この戦争はイギリスが勝利したが、清の皇帝・道光帝はそれでもアヘンに対して毅然とした態度を取り続けており、「我が民の悪習と苦悩から利益を得るという誘いに一切応じることはない」としていた。

 彼の3人の息子は、実はアヘンの影響で亡くなっていたのだ。アヘンは鎮痛剤だけでなく、娯楽として使われる世界中の一般市民が求める薬だった。だがそれは、大きな問題を起こす原因にもなっていた。

 一方のモルヒネは、19世紀にアヘンのメリットの部分に対する研究が発展する形で精製された。アヘンからモルヒネを初めて単離したのは、ゼルチュナーという当時20代前半の若手研究者だったが、無名のまま亡くなっている。

 医療における実用化が進んだのはそれからだ。

 アヘンより鎮痛効果がはるかに強いモルヒネは、病院の薬局や医師のカバンにつねに収まっている薬剤になる。1841年にはシャルル・ガブリエル・プラバというフランスの医師が、新しいツールである「注射器」を医学に導入。「プラバ」と呼ばれるようになった注射器は、モルヒネの投与に使われるようになった。

 しかし、モルヒネは一方で殺人の道具にもなったのである。

 有効に作用する容量の幅が狭く、多すぎると呼吸がとまる。1900年頃は過剰摂取による事件が新聞に常に載っていたという。まさに「金になるし、殺しの道具」にもなったのだ。

 それから、より安全で常用性をもたらさないオピエート(モルヒネアルカロイド)を探す研究が1世紀にわたって重ねられ、現在でも厳格な管理のもと、医療用麻薬としてがんの治療などでモルヒネは使われている。

 一方で、アヘンやモルヒネは法的に管理されている。なぜならば、これまでの人類の歴史に深く根差し、影響を与えてきた薬物だからだ。

短所がなく長所だけを得ることはできない。あらゆる科学的発見は諸刃の刃で、身体的にも心理的にも、利益には間違いなく危険が結びついている。
人は利益に飛びつき、危険は放置してあとで処理しようとする。それこそ、喜びをもたらす植物から生まれた、神の薬であるアヘンに対して人びとが起こした反応である。
(『歴史を変えた10の薬』p.76より引用)

 これは、メディカルライターであり、オレゴン大学プレスのディレクターを務めるトーマス・ヘイガー氏による『歴史を変えた10の薬』(久保美代子訳、すばる舎刊)による一節であり、「薬」というものの本質を言い表している。

 メリットがあれば、デメリットもある。アヘンはその振れ幅がとてつもなく大きかった例だ。

■「天然痘」の根絶をはじめとした10の事例。そして薬の将来。

 本書は、タイトル通り、歴史を変えた薬を10例取り上げている。もしこれらがなければ私たちの住む世界は大きく変わっていたかもしれないというものばかりだ。

 例えば「天然痘」は今でこそ根絶している感染症だが、1796年にイギリス人医学者のエドワード・ジェンナーが、牛にできる牛痘の膿を接種する(ワクチン接種)と予防になることを突き止め、根絶の道が開けている。

 天然痘はそれまで致死率が極めて高く、身分の高い低いを問わず人を殺していく「怪物」だった。本書ではジェンナー以前の1700年代における「ワクチン接種」への道のりを克明に辿りつつ、今のワクチンを巡る現状についても触れている。

 ヘイガー氏は「ワクチンの義務化が公衆衛生のためになることは明らかだ」と反対活動に対して牽制し、その歴史を通してワクチンの重要性を提示するのである。

 章を追うごとに現代と近づいていき、エピローグで語られるのは「薬の将来」だ。

 一大ビジネスと化している製薬業界において、自社医薬品を売るための様々な宣伝活動がなされている一方で、その裏にあるデメリットは伝わりづらくなっており、医療そのものへの信頼が危うくなることをトーマス氏は危惧する。

「あらゆる科学的発見は諸刃の刃で、身体的にも心理的にも、利益には間違いなく危険が結びついている」

 繰り返しの引用となるが、この言葉は肝に銘じておくべきだろう。その中で何が最善の判断となるのかは、これまでの歴史が教えてくれるのではないだろか。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。