鋼材は船の建造コストの3割を占めるとされる。日本の造船業にとって、中国勢、韓国勢に比べて自国の鋼材が高いことは大きなハンディキャップだった。ただし、鉄鋼メーカー側も中国産鋼材の輸出拡大による市況低迷と国内需要の縮小に追い詰められており、衰退していた造船業を重視する余裕はなかった。船舶建造倍増を掲げる国策をきっかけに、これまでトップが対話してこなかった両業界がついに交渉のテーブルに着いた――。本稿では、両業界の対話で浮上した協力案を独自取材で明らかにする。
造船業復活の機運が高まったきっかけは、艦艇の建造能力が落ちた米国から協力を求められたことだった。米国内に投資した韓国の造船会社と違い、現地での建造に軸足を移す余裕がない日本の造船会社には何ができるのだろうか。本稿では、元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏に日米の造船業や艦艇建造の課題を聞いた。
きつくて危険なイメージが根強い造船メーカーは、人材確保に苦戦している。本稿では、専業メーカー7社の社員がSNSに投稿した口コミと、政府の労災統計を分析し、造船業における労働の実態に迫った。全産業の中で造船業はどの程度危険なのだろうか。そして、労働環境の改善で期待される“切り札”とは何か。
造船復活に向けた政府支援が動きだそうとしている。中韓勢の後塵を拝して久しい「忘れられていた産業」だった造船業界。復活のラストチャンスに向けて奮起しようとしているが、実は、政府との間には温度差がある。最たる例が、2019年を最後に国内での建造が途絶えているLNG運搬船の生産再開だ。本稿では、LNG運搬船の建造再開に立ちはだかる「二つの壁」を明らかにするとともに、LNG運搬船にこだわる弊害を指摘する。
今治造船とジャパン マリンユナイテッド(JMU)の決算公告から近年の業績をひもとくと、今治造船が日本の造船業の盟主となるのは必然で、逆に、JMUは今治造船の傘下に入らなければ立ち行かないところまで追い込まれていたことが浮き彫りになった。本稿では、業績データと関係者の証言から両社の実力と統合シナジーを独自に分析する。
川崎重工業の造船部門が好調だ。造船を含むセグメントの2026年3月期の事業利益率は13%を見込み、航空機やバイク、ロボットをしのぐ「稼ぎ頭」となっている。高収益の秘訣は高付加価値船を日本で、汎用船を中国で建造する2面作戦にあった。本稿では知られざる川崎重工の中国造船事業の実態を明らかにする。
造船業がかつてないほどに注目される中、監督官庁である国土交通省はいかにして再生をリードするのか。本稿では、30年以上にわたって行政サイドから海事産業に関わってきた同省海事局次長の河野順氏を直撃した。造船のキーパーソンは、日本の造船業の軸となる今治造船とジャパン マリンユナイテッドの統合を巡る“大胆な未来予想図”を明かした。政府会合では結論が出なかったLNG(液化天然ガス)運搬船の再建造計画についても語ってもらった。
造船業がかつてないほどに注目される中、監督官庁である国土交通省はいかにして再生をリードするのか。本稿では、30年以上にわたって行政サイドから海事産業に関わってきた同省海事局次長の河野順氏を直撃した。造船のキーパーソンは、日本の造船業の軸となる今治造船とジャパン マリンユナイテッドの統合を巡る“大胆な未来予想図”を明かした。政府会合では結論が出なかったLNG(液化天然ガス)運搬船の再建造計画についても語ってもらった。
日本の造船メーカーは中国、韓国に比べて規模が小さい。最大手の今治造船と2番手のジャパン マリンユナイテッドを合計しても中韓勢の大手メーカーには及ばない。そこで、日系メーカー各社は設計や受注における連携で生き残りを模索している。本稿では、激変期にある造船業界の勢力図を示すとともに、技術力で日本の造船をリードしてきた三菱重工業とその子会社、三菱造船の足元の戦略に迫る。
造船メーカーの経営者は2035年に船舶建造量の倍増を目指す政府計画をどう受け止めているのか。瀬戸内に拠点を構える尾道造船の中部隆社長を直撃すると、ある理由から目標達成が物理的に困難であることが判明した。本稿では、中部社長が考える次世代船のエネルギー源や、造船メーカー他社と船主会社を合弁した狙いについて率直に語ってもらった。