JRAアーモンドアイ揺れる「ヴィクトリアマイル後」の動向…天皇賞・春連覇フィエールマン「宝塚記念」参戦で、C.ルメール騎手は

 3日、京都競馬場で行われた天皇賞・春(G1)は、C.ルメール騎手の手綱に導かれた1番人気フィエールマンが優勝。史上5頭目となる連覇を達成し、古馬王道路線に確固たる存在感を見せつけた。

 貫禄すら感じられる、圧巻の内容だった。最後は2着スティッフェリオによる乾坤一擲の抵抗があったが、ねじ伏せるようにハナ差勝ち。

 ただ、それはフィエールマンが先頭に立った際に物見してしまった結果で、最後の直線に向いた時のルメール騎手は「楽勝かと思った」というから恐れ入る。やはり古馬王道路線では、力が一枚上の存在なのだろう。

 レース後、本馬が所属するサンデーレーシングの吉田俊介代表が「体調に問題がなければ、宝塚記念(G1)に向かいたい」という意向を発表。G1・3勝目を上げたフィエールマンが春競馬の主役へ、堂々の名乗りを上げるか。今後ますます注目を集めそうだ。

 その一方、フィエールマンによる宝塚記念の参戦発表により、改めて注目が集まっているのが、一昨年の年度代表馬アーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)の動向だ。

 昨年末の有馬記念(G1)で、キャリア初となる惨敗(9着)を喫したアーモンドアイ。それまで一昨年のオークス(G1)から8戦連続G1で単勝1倍台ということからも、この馬が現役最強馬であったことは疑いようのない事実だ。

 しかし、巻き返しが期待される2020年。始動戦に予定されていたドバイターフ(G1)が新型コロナウイルスの影響を受けて中止に。帰国後は、5月17日のヴィクトリアマイル(G1)に向かうことが発表されている。

「実績的にも、実力的にもヴィクトリアマイルで大本命になることが確実なアーモンドアイですが、気になるのは、その後のレース選択です。現実的には6月7日の安田記念(G1)や28日の宝塚記念が候補に挙がっていますが、ここに来て『秋まで休養』という選択肢も浮上してきました」(競馬記者)

 ドバイから帰国後、当初は安田記念が本線と言われていたアーモンドアイ。それだけにヴィクトリアマイル後は“予定通り”、春のマイル王決定戦に向かうものと思われていた。

 しかし、5歳ながらキャリア11戦と、これまで十分な間隔を取って使われてきたアーモンドアイだけに、中2週の安田記念は「現実的ではない」という声も。元JRA騎手の安藤勝己氏もインディチャンプがマイラーズC(G2)を快勝した際「アーモンドアイがヴィクトリアM(マイル)なら、安田(記念)連覇に王手でしょ」(公式Twitterより)と発言。

 そうなると最有力候補は残った宝塚記念ということになる。だが、すでにルメール騎手が主戦を務めるサートゥルナーリアが参戦予定。そこにフィエールマンまで参戦を表明したとなれば、一転してアーモンドアイ参戦の可能性に疑問符が付くというわけだ。

「現在、短期免許で来日中のD.レーン騎手の動向からも、サートゥルナーリアは『レーン騎手とのコンビになるのでは』とウワサされています。

 実際にレーン騎手は、ルメール騎手が騎乗停止になった昨年の日本ダービー(G1)でもコンビを組んでいますし、アーモンドアイとの対決になった昨年の天皇賞・秋(G1)と有馬記念で、ルメール騎手はアーモンドアイを選択。サートゥルナーリアにはC.スミヨン騎手が騎乗しました」(同)

 この事実からもルメール騎手にとって、アーモンドアイが「特別な存在」であることは疑いようがない。今年のドバイターフ遠征では、新型コロナウイルスの影響による入国規制に備えて、1週前からドバイ入りした熱の入れようだ。

 仮に再びアーモンドアイとサートゥルナーリアが激突しても、フランス人騎手が前者を選択する可能性は極めて高いといえるだろう。

 しかし、その一方でフィエールマンについても、ルメール騎手は以前から「大好きな馬」と公言してはばからない存在。昨年の有馬記念ではアーモンドアイを選択した同騎手だが、天皇賞・春で改めて能力の高さを見せたことで、両者の印象が逆転している可能性もある。

 だが、それ以前にフィエールマンの宝塚記念参戦の裏には「アーモンドアイ回避」というシナリオも選択肢として当然含まれているだろう。実際に近年のノーザンファーム系クラブによる有力馬の“使い分け”とみられる現象は、枚挙に暇がないからだ。

 果たして、復権を懸けた最強女王の行く末は――。アーモンドアイVSフィエールマンVSサートゥルナーリアが実現し、春のグランプリが大いに盛り上がることが競馬ファンにとっては最良ではあるが……。