JRAも黄金週間でゴールドラッシュ!? 今週の高額万馬券狙いレースは厳選2鞍!

 今週から世間はゴールデンウィークに突入しているが、競馬ファンにとってはいつもと変わらない週末だ。しかし今年も新型コロナウイルスの影響で、東京と関西で緊急事態宣言が発令中。昨年も競馬場へ来場できなかったが、今年のゴールデンウィークも東京競馬場と阪神競馬場は残念ながら無観客となっている。

 だからといって、このゴールデンウィークをおとなしく過ごすのはもったいない。やはりここで万馬券を仕留めて、充実した連休としたいところ。そこで今週の高額万馬券狙いレースは、毎年波乱となっている天皇賞・春(G1)週の大穴レースに照準を絞った。

 今週のレースを調べたところ、まさに高額万馬券狙いレースに相応しいレースが見つかった。それが土曜東京10Rの春光S、そして日曜阪神の端午Sだ。


■土曜の高額万馬券狙いレース

東京10R
春光S
このレースは過去5年の決着が波乱の連続。

2016年
8→14→11番人気
3連単 2,288,820円
3連複 358,290円
馬 単 136,240円
馬 連 74,140円
枠 連 14,380円
ワイド14,040円、17,100円

2017年
13→2→4番人気
3連単 220,180円
3連複 16,070円
馬 単 25,650円
馬 連 9,540円

2018年
4→7→10番人気
3連単 141,970円
3連複 29,930円
馬 単 7,980円
馬 連 4,710円

2019年
5→6→3番人気
3連単 108,530円
3連複 13,670円
馬 単 15,330円
馬 連 7,900円

2020年
1→8→3番人気
3連単 42,180円
3連複 7,340円
馬 単 7,150円
馬 連 4,400円

 この5年で3連単は、228万馬券を筆頭に10万馬券が3回発生、1番人気と2番人気は各1頭ずつしか馬券に絡んでいない。これほどの波乱が続くレースはなかなかみられない。土曜の高額万馬券狙いレースは、この春光Sで決まりだ。

 ここ5年で比較的穏やかな決着となった昨年は、緊急事態宣言で重賞レースやトライアルレースを除き東西の遠征ができず、関東馬のみのレースだった。しかし本来は関西馬も多く出走し、今年も8頭の関西馬が出走する。そして人気馬の多くは関西馬だった。だが、その人気の関西馬が敗退し、人気薄の関東馬が激走して波乱となっている。

 関西馬の出走があった2016~2019年で1~3番人気の関西馬を見てみると、

2016年
2番人気 8着
3番人気 4着

2017年
1番人気 7着
2番人気 2着
3番人気 15着

2018年
1番人気 7着
2番人気 競走中止

2019年
2番人気 4着
3番人気 3着

 と未勝利となっている。ちなみにC.ルメールは4年連続で上位人気に騎乗して3着が1度のみと苦手。今年は関東馬のモルタルに騎乗するが、残念ながら買う気になれない。また5番人気以下の関西馬が馬券に絡んだ例は一度もなく、このレースで穴馬を探すなら断然関東馬だ。

 過去5年で、5番人気以下で馬券に絡んだ関東馬9頭の傾向を検証すると、狙いとなる穴馬は以下の条件に絞られる。

・5~8歳の牡馬
・前走は6~11着に敗退
・前走は2~4月に出走
・2000m以上で3着以内
・前走は3~13番人気
・1~5枠

 今年浮上する穴馬候補は「テトラルキア」だ。東京ダート2100mは【2,1,1,4】と得意としており、今回は絶好の2枠に入った。3勝クラスに上がって7→5→3→7着の成績なら、それほど人気を集めることもないだろう。相手はギリギリまで穴馬候補に残った関東馬3頭を加え、高額万馬券を狙う。

◎テトラルキア

相手
ホウオウトゥルース
エコロドリーム
ヴォウジラール
エイシンアメンラー
モルタル
ヴィジョンオブラヴ


■日曜の高額万馬券狙いレース

阪神10R
端午S
 このレースは例年京都で行われていたが、改修工事の影響で天皇賞・春とともに阪神で行われる。そして現在8年連続で1番人気が敗退し、過去5年の配当もかなりのもの。

2016年
7→3→11番人気
3連単 220,700円
3連複 35,130円
馬 単 11,300円
馬 連 4,690円

2017年
9→16→4番人気
3連単 2,681,440円
3連複 436,730円
馬 単 296,370円
馬 連 187,440円
枠 連 17,990円
ワイド51,050円、12,460円

2018年
6→9→11番人気
3連単 434,710円
3連複 82,990円
馬 単 26,780円
馬 連 12,770円

2019年
7→5→8番人気
3連単 163,820円
3連複 23,220円
馬 単 11,270円
馬 連 5,260円

2020年
3→6→12番人気
3連単 141,150円
3連複 35,980円
馬 単 7,120円
馬 連 3,940円

 過去5年の3連単は最低でも14万馬券、最高は268万馬券というインパクト。この5年で1~2番人気はすべて6着以下、10頭中5頭が2桁着順という荒れっぷり。まさしく天皇賞・春の資金稼ぎに最適な高額万馬券狙いレースといえよう。じっくり傾向を検証して穴馬を見つけたい。

 過去5年で、5番人気以下で馬券に絡んだ12頭を見てみると、当初は関東馬の激走が見られたが、ここ3年はすべて関西馬が上位を独占している。激走馬12頭中10頭が関西馬という傾向からも、狙いの中心は関西馬でいいだろう。さらに激走に必要な条件は以下の通り。

・2勝もしくは重賞で2着の実績
・牡馬
・1200~1400mで勝利
・馬体重は440kg以上
・前走は3~4月に出走
・減量騎手ではない騎手が騎乗

 この傾向を踏まえると残るのは

フルヴォート
ショウナンバサロ
ワーズワース

 の3頭だが、フルヴォートとワーズワースは川田将雅騎手と武豊騎手の騎乗で人気が想定される。ここは人気のない「ショウナンバサロ」が狙いだ。初勝利から2連勝でオープン入りを果たしたが、前走の中京で行われた昇竜Sは後方からの競馬で力を出せず。得意の右回りに変わって激走を期待したい。

◎ショウナンバサロ

相手
フルヴォート
ワーズワース
ゲンパチフォルツァ
ペプチドサンライズ
スマッシャー
デュアリスト

 以上、今週の高額万馬券狙いレースを紹介したが、いずれも波乱必至の難解なレースだ。ゴールデンウィークで“黄金”を手にするためにも、ぜひ参考にしていただければと思う。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

 

パチンコ「ボーダー激低」の“甘すぎ”マシン!?「時短150回」「1500発出玉」…進化した王道スペックに熱視線!!

 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、伝説のアイドルデュオが10年の時を超えてホールにカムバック! 所属事務所も変えて心機一転、歌声と大当りを響かせる『Pピンクレディー』(Pピンク)だ。

 歌パチの先駆けとしてパチンコシーンに登場し、社会現象を巻き起こした国民的アイドルのモチーフと同じような輝きを放って、業界に圧倒的な存在感と大きな業績を残した『CRピンクレディー』。

 その後、リリース頻度は少ないなかで2011年までシリーズ機が断続的に登場していたものの、『踊るパチンコCRピンクレディー2011』以降、完全に消息を断ったかにみえた歌い手コンビはP機で大復活を果たすのである。

 再出発は平和のセカンドブランド「アムテックス」から。大当り確率が1/319.6、確変突入率60%で、大当りのほぼ90%が最大出玉10ラウンド1500発という次回ループマシンの王道型のスペックとなっている。

 こうなると、この分野でぶっちぎりのトップを走る『海物語』との比較がいやでも発生するが、通常大当りで付与される時短が150回転とパワーアップ。この時短引き戻しを加味したトータルの継続率が約76%に達し、それなりの一撃性も兼ね備えた「王道スペック2.0」となっているのである。

 このように、解釈基準の改正によって獲得できた新たなゲーム性、「ネオ時短」におけるリミットブレイク(回数無制限)、いわゆるa時短の存在によって、安定性を誇る次回ループ確変のなかにも連チャン力を仕込めるようになり、「海が120なのに150掲げる平和、もしやすごい?」「時短150は強い」と好感触を訴える評価が見られる。

 このスペックパフォーマンスはボーダーラインに絶大な影響を及ぼし、「いま導入されている台のなかで一番低いボーダー」との評価もあり、「甘すぎない?」と逆に心配されるほどである。

「スペック良すぎ」「遊タイムないのに大海の上位互換」と出玉性能への賛辞が多い一方で、演出面については否定的な意見が散見される。「一昔前の演出」「作り込みが違う」と、名のあるタイトルであり、ファンの期待値ハードルが高くなったゆえに厳しい意見が目につく結果となった。

 ただ、演出の良し悪しは好き嫌いに引っ張られ、真に客観的な評価を下すのは難しい側面があるのでなんともいえないが、CRの『ピンクレディー』を待ち望んでいたファン層とのギャップがあったということであり、違うメーカーからのリリースなので、それは致し方のないところではある。どちらが良いとか悪いとかの話ではないだろう。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA青葉賞(G2)出るかC.ルメールのお家芸!? 東京2400mでドゥラメンテ産駒が真価発揮か【八木遊のフォーメーション馬券予想】

 1日(土)、東京競馬場では日本ダービー(G1)の前哨戦、青葉賞(G2)が行われる。このレースで歴代最多の4勝を挙げている藤沢和雄調教師は、来年に迫った定年を前にキングストンボーイを送り込む。

 1番人気が濃厚の5枠10番キングストンボーイ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)。ここは素直に「◎」を打ちたい。青葉賞の勝ち方を熟知する藤沢調教師の手腕に加え、鞍上のC.ルメール騎手も同馬の重賞初制覇を後押しする。

 2月にフェブラリーS(G1)を勝って以降、重賞をなかなか勝てずにいたルメール騎手だが、先週のフローラS(G2)をクールキャットで制し、連敗を「15」でストップした。こういう時のルメール騎手は一気に勝ち鞍を重ねるのがお家芸。重賞2連勝を飾って、翌日の天皇賞・春(G1)を迎える可能性大とみる。

 キングストンボーイ自身も、この世代の強豪相手に互角の走りをしてきた。前走の共同通信杯(G3)では4着に敗れたが、先着を許したのは皐月賞(G1)馬のエフフォーリア、スプリングS(G2)を勝ったヴィクティファルス、そして毎日杯(G3)覇者のシャフリヤールという3頭。ルメール騎手は前走後、「スムーズなら2着はあったかもしれない」とも話しており、メンバーが落ちるここでは勝ち負け必至だろう。

 これまで1600~1800mの経験しかなく、一気の距離延長を不安視する声も聞かれるが、父ドゥラメンテは同じ東京2400mのダービーで高いパフォーマンスを発揮。半兄エポカドーロもダービーで2着に入っており、この距離でもまったく問題ないとみる。

「○」には、同じドゥラメンテ産駒の3枠5番ワンデイモア(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)を抜擢する。

 4代母はメジロ牧場の基礎繁殖牝馬の一頭でもあるシエリルで、スタミナ豊富なメジロ牝系は何とも心強い。距離延長は確実にプラスに働くだろう。

 前走の弥生賞(G2)ではタイトルホルダーから0秒9差の7着に敗れたが、超スローペースのなか、後方から流れ込むだけだった。前走は度外視していい。陣営は今回も後方からの競馬を示唆しており、ある程度ペースが流れ、馬群がばらける展開になれば、まとめて差し切る可能性もあるだろう。

「広い東京は良さそうですね。能力はここでも足りますよ」と陣営も色気たっぷり。キングストンボーイとのドゥラメンテ産駒ワンツーフィニッシュを期待したい。

「▲」は8枠18番モンテディオ(牡3歳、栗東・四位洋文厩舎)。開業1年目の四位調教師は3度目の重賞挑戦で目標のダービー制覇に向けたビッグチャンスを迎える。

 勝ち上がりに5戦を要したモンテディオ。「1-4-2-0」という成績が示す通り、安定感は抜群。相手なりに走る堅実さが売りだ。昨年10月の東京2000m未勝利戦で2着に食い込んだが、この時の勝ち馬がワンデイモアだった。

 長くいい脚を使うタイプで大外枠は決して簡単ではないが、池添謙一騎手の積極的な騎乗に期待したい。2~3着付けで高配当を狙う。

「△」は4枠7番レッドヴェロシティ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)。

 前走の水仙賞(1勝クラス)で勝利に導いたMデムーロ騎手が継続して騎乗する。その前走後には、「長い距離は合っている」と話していて、さらに1ハロン距離が延びる今回も侮れない。最終追い切りでは3頭併せでしっかり気合を注入され、勝負気配。ダービー出走が叶わなかったレッドベルオーブのためにも、ダービーの権利獲りを狙う。

「×」は2頭を押さえる。1頭目が1枠2番ワンダフルタウン(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)。陣営スタッフは「正直、急仕上げの感は否めません」と実情を吐露するが、実績はこのメンバーでは一枚上。叩き台だとしても、好枠を引いた以上押さえないわけにはいかない。

 最後は8枠16番レインフロムヘヴン(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)。3頭目のドゥラメンテ産駒でもある。前走のスプリングSは13着に大敗したが、スタート直後に躓いたことが全て。走り慣れた東京コースで人気落ち必至の今回は狙い目だ。

 買い目はいつも通りフォーメーションを用いる。まず三連単は、キングストンボーイを1着に固定した合計12点。そして馬単は、キングストンボーイとワンデイモアを1着に固定し、合計10点で勝負する。ワンダフルタウンが2着なら高配当は望めないため、資金配分で強弱をつけて、プラスを目指す。

三連単フォーメーション 12点
[10] → [5,7,18] → [2,5,7,16,18] 馬単フォーメーション 10点
[5,10] → [2,5,7,10,16,18]

<筆者プロフィール>
八木遊
競馬、野球ライター。スポーツデータ会社、テレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、Twitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。

「東芝が非上場」ではなぜダメなのか?「有名企業なら上場すべき」の価値観の歴史を考える

「非上場? トンでもない!」という価値観はどこから来ているのか?

 東芝が投資ファンドの買収&株式非公開化提案で揺れている。経営陣の混乱や買収提案の中身についてはすでにいろいろと書かれているので、ここでは株式非公開化、すなわち株式の上場・非上場について考えてみよう。

 報道では「せっかく上場に復帰したのに!」といった、非上場になることについて否定的な東芝役員・従業員の声が紹介されていた。現代日本では「上場企業=優良巨大企業」というイメージが強い。上場企業がみずから非上場になることはほぼないので、非上場になることは「上場廃止=不祥事」を意味している。

 しかし、欧米では、上場企業が上場していることのデメリット、換言するなら非上場のメリットを考えて非上場に転換することは珍しいことではない。珍しいことではないから、外国の投資ファンドが勧めているのであって、別に東芝を貶めようとしているわけではない。

戦前の財閥系企業ではまったく珍しくなかった「非上場の巨大企業」

 戦前の日本では、巨大企業が非上場というのは珍しくなかった。なぜなら、巨大企業を傘下に収める財閥にとって、傘下企業の株式を公開する(=株式市場に上場する)ことはメリットが薄かったからだ。

 財閥家族が持株会社である財閥本社の株式の過半数を所有し、財閥本社が傘下企業の株式の過半数を所有して支配を貫徹するというロジックは学校で習ったことがあると思う。支配も重要なのだが、その傘下企業が生み出す利益の行方も重要である。利益は株式に対する配当として、財閥本社に吸い上げられ、それが財閥本社の利益、つまりは財閥本社の株式の配当として、財閥家族に還流していくのだ。

 日本最大・三井財閥の三井家が日本でもっとも大金持ちだったのは、三井物産などが莫大な利益を上げていたからだ。三井家としては、三井物産の株式は全株持っていたほうがいい。

 ところが、日本が第二次世界大戦に突入し、軍需産業(もしくはその関連企業)を巨大化させる過程で、財閥家族だけの資産でその資金をまかなうことができなくなっていった。財閥系企業も株式を公開し、資金を調達せざるを得ない状況に追い込まれたのである。

 かくして、1940年、三井物産は株式を公開し、上場企業となった(そこには三井財閥の個別の事情があるのだが、それは割愛する)。実に三井物産創設(1876年)から64年もの月日が経っていた。戦争がなかったら、ずっと非上場のままだったかもしれない。

 ただ、三井財閥軽企業でもサラリーマン経営者のなかには、日本を代表するような大企業は社会の公器であるという考えから、金融系の企業は上場が進んでいた。財閥のトップが開明的だった三菱財閥では、三菱商事、三菱重工業、そして財閥本社の三菱本社も株式上場を進めていた。

戦後の財閥解体で一気に進んだ、有名企業の株式上場…そしてそのことが“有名企業の証”に

 日本が第二次世界大戦に敗れると、日本を占領したGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、ひと握りの財閥家族が日本の巨大企業を支配し、戦争に進んだと解釈。財閥解体を実施した。財閥家族の持つ株式を放出し、財閥本社を解散。その所有株式も株式市場に放出した。この過程で、財閥系企業のほとんどが上場企業になってしまった。ここに至ってはじめて、「上場企業=優良巨大企業」という図式が生まれたのである。

 そして、財閥解体を免れた巨大企業も、1950年代中盤以降の高度経済成長における資金需要の高まりから、株式を上場するようになった。そこで、オーナー一族は莫大なキャピタルゲイン(創業者利益)を手にすることになった。たとえば、非公開の50円株式を上場して、1000円の初値が付くとする。差額の950円はオーナーのポケットに入る。何百万、何千万単位の株式を上場すると、その利益は莫大なものになる。

 20世紀の日本では長者番付というものが公開されていたのだが、そのトップに躍り出たのは、株式を上場したオーナー一族が多かった。たとえば、ブリヂストンの石橋家、大正製薬の上原家などである。こうした、キャピタルゲインによる資産家の誕生を目にして、株式上場に否定的だったオーナーたちも、株式上場のメリットに目を向けるようになった。

 企業のトップが株式上場を目標に掲げ、従業員もまた上場会社勤務を夢見る。しかも、株式上場には厳しい審査項目があり、それをクリアすることが優良企業のお墨付きであるかのように考えられてくる。こうなると、もう上場するしかない――ってことだろうね。

大規模資金調達が不必要なためあえて上場しないサントリー、竹中工務店、講談社

 では、日本を代表する企業はみな上場企業か、換言するなら、非上場企業に有名企業はないか――といえば、これがあるのである。

 たとえば、サントリー、竹中工務店、講談社、日本生命保険などである。

 このうち、日本生命保険相互会社はそもそも株式会社ではないので、株式を発行しておらず、従って上場もない。相互会社というのは、保険会社に認められた独特の会社形式で、保険契約者の拠出金(=保険料)をもとに会社を運営していく仕組みだ。戦前は第一生命保険と富国徴兵保険(現・フコク生命保険)しかなかったのだが、戦後、ほとんどの生命保険会社が相互会社形式を採用した。その背景には諸説あるのだが、どうやらGHQが推奨したらしい。

 ただし1990年代以降、株式会社に転換する会社が増え、相互会社の元祖・第一生命保険も現在では株式会社になっている。相互会社は煩わしい株主対策がなく、買収の危険がないというメリットがあるのだが、機動的な資本調達ができず、経営危機に陥ったときに資本増強・資本提携ができないことがデメリットとして挙げられる。バブル崩壊後にバタバタと生命保険会社が破綻に追い込まれた一因にもなった。もっとも、それら生命保険会社が経営危機に陥った最大の原因としては、上場されていないから経営に対する外部からのチェック機能が働かず、放漫経営の挙句といったものが多かったのだが。

 保険会社は別として、サントリーや竹中工務店、講談社が非上場のままでいられるのはなぜかというと、そこまで大規模な資金調達の必要がないからだろう。

 酒類販売、建設、マスコミ・出版などの業種は、巨大資金を投入して工場を建設し、大量の資材を購入して――という業態ではなく、株式を上場して巨額の資金を動員しないと同業他社に負けてしまうという事態には陥らない。

 それならば、上場して買収の危険にさらされ、経営権が安定しないことよりも、非上場のままのほうがよいという経営判断だということができる。事実、非上場企業の多くは、経営者が世襲(もしくは、サラリーマン経営者が社長を務めていても、オーナー一族が支配権を保持していると想定される)というケースが多い。

 東芝の報道を見る限りでは、従業員も役員も「上場は善、非上場は悪」とばかりの感情的な論調が目立つが、何が会社にとっていちばんのメリットなのか冷静に考え直したほうがいいのではないか。株式の上場は資金調達の手段であって、目的ではないのである。

西武グループオーナー、堤義明は「西武鉄道が上場しなければならない理由がわからない」と釈明

 かつて、そのことを冷静に考え、それを発言した御仁がおられた。西武グループの総帥・堤義明だ。

 世間では、西武グループを西武鉄道を中心とする鉄道グループだとみているかもしれないが、オーナー・堤家から見ると、西武グループは(西武鉄道の親会社だった)国土計画を中心とするデベロッパー事業者だ。かつて、東京郊外を開発したときに買収したのが西武鉄道で、堤家にとって鉄道事業は特に思い入れのある事業ではない。

 そして、堤家は西武グループを閉鎖的に所有・支配することを最重要事項に置いている。

 ところが、何かの案件で多額の融資を受ける際に、その条件として西武鉄道を上場したらしい。思い入れがないとはいえ、事業の一部である。堤家は株式の名義を虚偽記載して80%以上の株式を保有したまま、西武鉄道を上場した。

 当時はコンプライアンスなんかない時代だったから、それでも異論は出なかったのだろう。しかし、2004年に監査役がそれに気づいて「これはヤバい」と発表。これに対し、堤義明は記者会⾒で「私には西武鉄道が上場しなければならない理由がわからない」と釈明した。

 堤家の論理からいうと、この釈明は誤っていない。でもそう思っているなら、問題が起こる前に非上場にしておくべきだった。当然、義明の会見を聞いた関係者は激怒。東京証券取引所は西武鉄道を上場廃止にした。みずから非上場に「する」のと「される」のとでは大違い。西武鉄道の株式の資産価値は暴落し、それによって親会社の国土計画の資産価値も毀損。銀行管理を受けることになり、西武グループは解体され、堤義明は経営者失格の烙印を押されて身を隠す羽目になった。

 世間が「上場は善、非上場は悪」と感じているうちは、東芝の対応もやむを得ないといったところだろうか。

(文=菊地浩之)

●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)など多数。

新型ヴェゼル、最上級「PLaY」の納期遅延を招いたホンダの誤算と“隠れ高額車”人気とは?

 前回、4月23日に正式発売されたホンダの新型「ヴェゼル」の販売事情について述べた。販売面だけで見れば、新型ヴェゼルの最大のライバルはトヨタの「C-HR」より「ヤリスクロス」になりそうだが、より強力なライバルはホンダ車の中にいるという状況だ。

 新型ヴェゼルはデビュー直後で魅力的なモデルではあるものの、売れ筋のハイブリッドでのベースグレードとなるe:HEV Xが265万8700円、最上級グレードの「e:HEV PLaY(以下、PLaY)」では329万8900円にもなる。

 PLaYでは、パノラマルーフやカーナビ機能も備わるホンダコネクトディスプレイが標準装備されるので、損得勘定が分かれるところではあるが、全般的には割高イメージも目立っている。ショールームを訪れる前にメーカーのウェブサイトで“予習”をしていれば、「新型ヴェゼルはいいけど高いなあ」という印象を持ちつつ、ショールームに「フィット クロスター(SUV風仕様)」が置いてあれば「これでいいや」ということにもなりやすい。

 多くの人は、SUVを購入したからといって積極的に降雪山岳路やオフロードなどを走ることはない。事実、予約受注のタイミングでホンダカーズにてヴェゼルの売れ筋を聞くと、「よほどのことがない限り4WDを選ぶ人は少ない」とのこと。そうなれば、“なんちゃってSUV”となるフィット クロスターでも十分なのである。

 正式発売のタイミングでホンダもコメントしているようだが、新型ヴェゼルの中で最上級のPLaYの納期がずば抜けて遅れている。ホンダは発売日のタイミングで注文を入れても納期は12月末としているようだが、筆者が4月上旬にホンダカーズで聞いたところでは、すでに納期は2022年、つまり年明けになるとしていたので、増産でもかけて多少短くなったのだろうか(PLaY以外については、4月上旬時点で納期は7月になるとのことであった)。

 これについては、単にPLaYにオーダーが集中したことで納期遅延となったわけでもないようだ。事情通は「ホンダとしては売れ筋グレードがZになるとして、e:HEV Zの生産比率を最も高めていたそうです。ところが、予約受注の段階からPLaYへのオーダーが目立ち、PLaYだけ納期遅延が長期化してしまったようです」とのこと。

コロナ禍で“隠れ高額車”が人気に

 2020年春から新型コロナウイルスの感染が拡大し、ある意味非常時が続いているが、新車販売は一時的な落ち込みから急回復を見せた2020年6月以降、絶好調が今も続いている。その中でコロナ前と明らかに異なる購買行動が、“隠れ高額車”がよく売れているということ。今もなお納期遅延が続いているトヨタ「ハリアー」は、最上級グレードに本革シートなどフルオプションに近い仕様の納期遅延が、より長期化傾向にあるとのこと(生産の都合などもあるようだが)。

 海外渡航ができず、緊急事態宣言など政府による行動自粛要請が断続的に続き、レジャー支出も大幅に減り、飲食店の時短営業もあり外食もままならない。このような中で、富裕層を中心に貯蓄が増える家庭が目立ってきており、数少ない贅沢が“新車購入”なのである。

 しかし、見た目にも“高額車でござい”というモデルは世間体もあり選べないという人も多く、“プチ贅沢”として、それほど高額ではないモデルの最上級グレードをフルオプションで購入する傾向が目立っている。

 新型ヴェゼルはコロナ禍になって1年が経過しようかというタイミングでの発売なので、PLaYの生産比率を最も高めても良かったのではないかと思うのだが、メーカーとしてコロナ禍の販売現場のリアルな現状をそこまで把握しきれていなかったのならば、それは残念なことである。“プチ贅沢”や“隠れ高額車”の購入がトレンドの今、ボディタイプにそれほどこだわりがなければ「それならN-BOXのカスタム系の最上級グレードでフルオプション」という選択をする人がいてもおかしくないだろう。

 購買行動の変化として、リセールバリューを意識して購入車種を決める人も目立っているとのこと。そうなると、むしろ軽自動車の方がリセールバリューはよく、その中でも「N-BOX」はよりリセールバリューがよいので、“賢い買い物”ともいえるのだ。

ヴェゼルとヤリスクロスのCM戦略の違い

 テレビCMでは、新型ヴェゼル、ヤリスクロスともに若者を意識したと思えるポップなものだが、複数の芸能人をキャラクター(若い世代が目立つ)として起用した新型ヴェゼルに対し、ヤリスクロスは若者に人気のある有名バンドの楽曲を採用しているものの、クルマのみで人物は登場しない。

 SUVには、セミリタイアやリタイア層のユーザーも多い。トヨタのように、若者が新車に乗りやすくなる「KINTO」(個人カーリース)のような仕組みが用意してあっても、300万円前後するSUVを若者がホイホイと購入できる社会状況にも思えない。どちらかといえば、日本の新車需要は年配層が支えているといっても過言ではない。どっちのCMがいいかは個人の好みもあるが、ジェンダーフリーも声高に叫ばれる今日この頃では、CMにクルマのみ登場するヤリスクロスの方が、妙な先入観を与えることなくアピールできているように思える。

 ヤリスクロスはすべてのバリエーションで、納期がすでに年末もしくは越年しようとしている。単に「あのクルマいいねえ」として売れまくっているわけではない。ヤリスクロス登場前には、ダイハツからのOEMとなるSUV「ライズ」が大ヒットしていた。しかし、ライズにはハイブリッドの設定がないので、購入を控えるお客が目立ったとのこと。そのようなお客に「今度登場するヤリスクロスにはハイブリッドがありますよ」とアプローチして、受注につなげることが多かったそうだ。

 また、前回の記事で述べたように「C-HR」はスタイルを優先したので、後席居住性や積載性に不満が出ていた。そこで、販売現場ではC-HRユーザーへもヤリスクロスへの乗り替えを積極的に勧めているようだ。さらに、3代目「プリウス」は空前の大ヒットとなり、かなりの台数が売れたのだが、今もなお乗り続ける人が多く、しかも現行4代目プリウスはアクが強すぎるとして、次に乗りたい新車がなく、乗り替えに躊躇している人も多いようで、トヨタでは新型車が発売になるたびに3代目プリウスユーザーにも積極的にアプローチしているようである。

 ヴェゼルは世界的にも人気の高いモデルであり(海外ではHR-Vとして販売している)、新型はかなりの意欲作にも見えるが、クルマの出来がいいからというだけで大ヒットするほど新車販売の世界は甘くない。自社で管理している既納客にどれだけ多くアプローチして乗り替えに結びつけるか、というのも大切なのである。

 幸いなことに、先代ヴェゼルユーザーによる新型への評価は高いようなので、先代からの乗り替えはある程度期待できるが、それ以外のホンダ車ユーザーは依然としてN-BOXへの乗り替えが目立つ。ホンダ全体では車種ラインナップ数は多いのだが、現実的に見れば、その中で売れ筋モデルはほんの数車種という状況だ。そのため、自銘柄(ホンダならホンダ車)ユーザーへの乗り替え促進だけでは、なかなかトヨタのように台数は積み上がらないのである。

 ホンダはキャンペーンとして、1.9%の低金利ローンを新型ヴェゼルに設定している。これは、トヨタのディーラーローン金利が4.5%などと高めになっているので、差をつけるためのものと考えられ、ヤリスクロスあたりを相当意識している様子もうかがえる。

トヨタは「カローラクロス」を国内販売か?

 一部情報では、トヨタは9月あたりに、すでに海外で販売している「カローラクロス」(カローラを名乗るクロスオーバーSUV)の国内発売を予定しているとのこと。ホンダ車でいえば、ヴェゼル以上、「CR-V」以下の車格といっていいだろう。カローラクロスが発売になればヤリスクロスすらのみこまれるともいわれており、新型ヴェゼルの販売についても何らかの影響が出るのは必至と考えていいだろう。

 この情報が正しければ、新型ヴェゼルはヤリスクロスという強敵だけでなく、カローラクロスも意識しなければならなくなる。また、ライバル車だけでなく、N-BOXへ流れがちなホンダ車からホンダ車へのダウンサイズ乗り替えが顕著なことも、販売の足を引っ張りかねない状況となっている。さらに、そのプロモーションから、ターゲットは若者もしくは若々しさの目立つミドルではないかとの先入観を年配ユーザーに持たれやすくなり、PLaYへのオーダーの集中も読み切れなかった様子に見える。

 新型コロナの感染拡大が収束しない中、“ニューノーマル”という言葉が頻繁に使われるが、ホンダはコロナ禍での販売現場のニューノーマルな購買行動を捉えきれていない様子が伝わってくる。それが新型ヴェゼルの売れ行きの勢いを弱めてしまうのではないかいう不安が、ぜひ“余計なお世話”であってほしい。

(文=小林敦志/フリー編集記者)

無印良品を凌駕?ダイソー“300円ショップ”徹底レビュー!圧倒的コスパ&高品質

 3月26日、100円ショップ・ダイソーを展開する大創産業が、新ブランド「Standard Products(スタンダード・プロダクツ)」の第1号店を渋谷マークシティに出店した。「ちょっといいのが、ずっといい。」がコンセプトで、大量消費が前提ではなく、長く愛される商品を目指しているという。そのため、使いやすい機能性とスタンダードなデザインをテーマに商品開発している。

 商品価格のメイン層は330円(税込、以下同)で、他には550円、770円、1100円といった価格の商品が展開されている。

 ちなみに大創産業が展開している「THREEPPY(スリーピー)」という300円ショップとはコンセプトが異なる。しかし、Standard Productsの新たなアプローチによりTHREEPPYを含めた300円ショップ市場のさらなる拡大を図り、今後は約1300品のアイテムを取り揃える予定のようだ。

 さて、開店したばかりだが、SNS上ではさっそく「安いのにクオリティが無印良品レベル」と話題になっている。確かに、「使いやすい機能性とスタンダードなデザイン」という言葉から「無印良品」の商品を連想する方は少なくないだろう。

 果たしてStandard Productsは無印のライバルになり得るのだろうか。そこで実際に店舗を訪問し、購入した商品を利用して感想をレポートしてみた。

平皿21cm ブラウン/330円

 入店してまず目に飛び込んできたのが食器類だ。「和食器・洋食器という垣根をなくす」ことをコンセプトとし、すべてのサイズ規格を尺貫法で統一しており、お皿を重ねた際の美しさが特徴となっている。

 なかでも「平皿21cm ブラウン」は高級感のある色味の磁器で、21cmというサイズながら330円というお値打ち価格となっている。各サイズのお皿を買い揃えて食器棚に入れれば収まりも見栄えもよく、とても一皿330円には見えないお買い得商品といえるだろう。

 また、平皿だけではなく深皿や木目調のプレート、お茶碗の食器もあり、どの商品もシンプルなデザインで高級感がある。ほかにはサイズ別の耐熱ガラスのコップや各種調理器具も並んでいる。ホームページのヘッダー部分には食器類の写真が映されているように、食器類は同ショップのコンセプトの象徴となっているようだ。

吸水マット(抗菌防臭、無地)/330円

 食器類以外にもバス、トイレ、洗濯に関する生活用品が並ぶ。どの商品もスタイリッシュでシンプルなデザインなのだが、とりわけ「吸水マット(抗菌防臭、無地)」は低価格、高パフォーマンスな商品といえるだろう。

 ポリエステルとナイロンで作られた「吸水マット」は35cm×45cmと20cm×40cmの2つが入っている。無印良品で購入できる綿麻製のバスマット(Sサイズ)は1990円するのだが、肝心の機能性に大差はないと感じられる。

 むしろ吸収性は本品のほうが優秀といえるかもしれない。コストに対するパフォーマンスは高く、おトクといえるだろう。また、サイズの異なる2つがあるのでさまざまな用途で使用できるし、汎用性は高い。

木スタンドミラー/330円

 デザイン性で目を引いたのがこの「木スタンドミラー」だ。ブナの木でできたスタンドに16cm×22cmの鏡を引っかけて使用する。フチなしの鏡なので、コンパクトなサイズながら大きく使えるのだ。

 その鏡をスタンドに引っかける際には、縦にしても横にしてもいいので使い勝手がいい。そしてブナ材のスタンドもおしゃれで、他店にはないような優れたデザインをしていて100円ショップには決してないクオリティのアイテムである。インテリアとしても有用だし、なおかつ実用性も高く、こちらも330円の商品とは思えない。

洗えるマスク Strech Face Mask &mask+/330円

 今や生活必需品のマスク。雑貨店やアパレル店でもオリジナルのマスクを発売しているが、同ショップも例外ではない。この商品はポリエステルとポリウレタンでできていて、洗って繰り返し使えるマスクだ。

 本品は青や黒、ダークグレーの3色ずつ3枚入りマスクで330円なのだが、無印良品のポリエステル+ポリウレタン製の1枚入り390円のマスクと比べても機能性や着け心地は遜色ない。むしろ、耳に掛ける部分がアジャスター付きなので、より使いやすいぐらいだ。

 その製品クオリティの高いマスクが3枚も入っているのだから、コスパは相当良いといえる。本品を毎日洗濯して使用すればマスクが切れたからと買い足しに行く必要はないだろう。

モバイルバッテリー10000mAh ダークブラウン/1100円

 同ショップには食器などの生活雑貨だけではなく、スマホ充電用ケーブルといった電子機器も陳列されている。そのなかでもおトクなのが、この商品である。

 無印良品でもモバイルバッテリーを販売していて、その商品は10000mAhで3990円もするため、本品は圧倒的にコスパが優れていると言える。形もコンパクトで価格は約4分の1という驚きのおトク感だ。

 さて、計5つの商品をピックアップしてみて、無印良品のコンセプトととても似ていることがわかった。もちろん無印良品の品は質が良いのだが、そのぶん値が張る場合もある。その点、Standard Productsは無印良品と近しいコンセプトながら、とてもリーズナブルな価格設定なので安心である。

 また、紹介した商品以外にはクッションやスリッパ、買い物かばん、サコッシュといった一般的な雑貨屋に置かれている商品が陳列されていた。店員に話を聞くと、そのなかでも食器類やタオルの売れ行きがいいようだ。タオルは残念ながら購入当時売り切れていて紹介ができなかったのだが、気になる方は入荷のタイミングを待って実際に商品を確認してみるといいだろう。

 現在は渋谷店のみだが、今後は店舗数が増えていく可能性もある。ご紹介したとおり、なかには無印良品のコスパを凌駕する商品もあるので、一度足を運んでみてはいかがだろうか。

(文=A4studio)

『ウマ娘 プリティーダービー』異常な熱狂のワケ…“底なしの楽しさ”を徹底レビュー

 今回は競馬シーズン真っただなかという季節柄を踏まえて(?)、爆発的な売上で話題となっているサイゲームスのスマートフォンゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、『ウマ娘』)を取り上げたい。

 本作はゲームに先んじて展開されたテレビアニメやスピンオフのマンガなどの評価は高かったものの、今年2月にandroid/iOSで配信が開始されるまでは、競走馬を“ウマ娘”と呼ばれる美少女キャラクター化するというコンセプト、そのうえで改めてウマ娘たちが競馬場を模したコースを走ってレースを行なうという独自の世界観、2018年冬(当初の配信予定時期)から続いたあまりにも長かった“事前登録期間”など、良くも悪くもさまざまな面から一目置かれる作品だった。

 しかし、いざゲームが遊べるようになると、android/iOSアプリのセルラン(セールスランキング)で1位を独走、4月上旬には500万ダウンロードを突破、SNS等では毎日のようにウマ娘の育成論(ゲーム攻略法)や元ネタとなった競走馬のエピソードが話題になるなど、異様ともいえる盛り上がりを見せている。

 本記事ではそんな熱狂ぶりを見て「ソーシャルゲームは課金が必要だし、今から始めるのは厳しいのかな……」と逆に引いた感じになっている人向けに、比較的緩めに『ウマ娘』を遊んでいる自分のようなプレイヤー(課金額は1万円以下)から、本作の魅力を語っていきたい。

ゲームとしての完成度、演出の質の高さで多くのユーザーを惹きつける

『ウマ娘』がヒットした要因としては、まず何よりアプリゲームとしての完成度が非常に高かったことが挙げられるだろう。まずゲームプレイ中に起こるイベントやレース、レース後に行なわれるウイニングランならぬ“ウイニングライブ”など、あらゆる演出のクオリティが非常に高い。イベントシーンでのウマ娘(キャラクター)たちが質の高い3Dモデルでかわいく描かれているのはもちろん、レースシーンは迫力満点。実際にゲームを触ってみるまではまったく想像だにしていなかったのだが、レース中のウマ娘がとても“カッコよく”見えるのには驚かされた。

 個人的にはこういったウマ娘たちの動きを見られただけでも、『ウマ娘』を触ってみてよかったと思えたほど。なのでキャラクターをパッと見て興味を持った人は、それだけで試しにアプリをダウンロードしてみてもいいのではないだろうか。

オイシイ部分は無課金で十分楽しめる

 ゲーム内で起こるイベントやウマ娘それぞれに用意されたストーリーを体験するのが目的であれば、ほどよい難易度でウマ娘の育成を進められるのも本作の特徴のひとつ。

 ウマ娘の育成にはプレイヤーの反射神経が要求されるようなアクション要素はなく、ターンごとに練習、レースへの出走、休養といったコマンドを選択していくことでゲームは進行。現在ゲーム内で選べる育成シナリオ“新設! URAファイナルズ”では上記のようなターンごとのコマンド選択をくり返してウマ娘を成長させ、一定期間ごとに設定された育成目標を攻略。シナリオの最後に用意された特別レース、URAファイナルズ優勝を目指していく。

 育成は担当ウマ娘の脚質、育成目標に設定されたレースに合致した能力を上げられる練習をウマ娘のやる気や体力と相談しながら休養を挟んでいくプレイヤーの選択のほか、ターン経過の前後に発生するスキル習得イベントや、練習の質に関わるサポートカードの存在が最終的な結果に大きく影響する。

 このサポートカードを充実させるためにガチャを回すのが『ウマ娘』最大の課金ポイントなのだが、URAファイナルズを制覇して担当ウマ娘ごとのグッドエンドを見るということが目標であれば、ゲーム開始時に得られる無償ジュエルをサポートカードガチャに回すことで、課金はほぼ必要なくなる(あまりにガチャの結果が芳しくない場合はゲームのやり直し、いわゆるリセマラを行なったほうがいい)。

 また、ゲーム開始から間もない時期はGⅢ~GⅠ初勝利などの報酬や、「ウマ娘を〇〇人育成しよう」といったミッションを達成することで、なにかと無償ジュエルが手に入る。こちらをサポートカードガチャに回した場合はさらなる戦力充実が望めるし、もうひとつのガチャ、育成ウマ娘を獲得するためのガチャに使った場合は、よほど運が悪くない限り、★1、★2に分類される16人のウマ娘が手元にそろい、育成のバリエーションが広がったり、より多くのストーリーが見られるようになっている。

 この16体+ゲーム開始時にもらえる交換券で手に入る★3ウマ娘1体を育てきるだけでも十分な満足感を得られるので、「『ウマ娘』には興味があるけど課金はちょっと……」と思っている人には、課金してガチャを回すかどうかはひとまず置いておいて、とりあえずゲームを始めてみることをオススメしたい。

 

日々アップデートされていくウマ娘育成の奥深さ

 課金せずともゲーム内のストーリーやウマ娘の魅力は堪能できるようになっている本作だが、そこで終わりにさせない魅力があるのが、ある意味『ウマ娘』の恐ろしいところ。より高いレベルの育成を目指すと、課金以上にやりこみがモノをいう世界が待っているのだ。

 そんなやりこみを象徴するような存在になっているのが、ヘビーユーザーの間では“因子ガチャ”と呼ばれる、よりよい継承ウマ娘を誕生させるための周回プレイ。育成が終了したウマ娘は他のプレイヤーと対戦するチーム競技場や定期的に開催されるイベントレースに参戦できる殿堂入りウマ娘になると同時に、新しいウマ娘を育成する際に能力値やボーナスを与える継承ウマ娘としても利用可能になる。

 しかし継承ウマ娘として優秀な存在かどうかは、チーム競技場やイベントレースで勝てるウマ娘とは必ずしもイコールにはなっていないのがポイント。継承ウマ娘としての“強さ”は育成が終了した際に得られる“因子”の質によって決定され、因子の中でも重要視されている青因子(スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さといった基礎パラメーター)の質の高さを追求するには、育成中に5つのパラメーターをバランスよく上げていくことが有効とされている(5つすべての評価をB以上にして育成終了)。

 しかし5要素すべてをB以上にする育成は(筆者の腕では)なかなかに難しく、またバランスよくパラメーターを上げようとすると、育成1、2年目のレースで1位を取りこぼし、育成プランに狂いが生じる……なんてことも少なくない。

 

 そしてくり返しになるが、継承ウマ娘として優秀(になる可能性のある)なウマ娘と、勝てる殿堂入りウマ娘は異なり、さらにいえば殿堂入りウマ娘は「このタイプがチーム競技場で最強」というパラメーター振りやスキルが固まっていない点も、育成シミュレーションとして本作をやりこみたい層にとっては、試行錯誤のしがいがあるという魅力につながっているようだ。

 筆者がTwitterや攻略サイト等で見聞きした範囲でも“強い”とされるウマ娘の定義は頻繁に移り変わっており、最初は「スピードと賢さを上げた逃げや先行タイプが強い」という風潮だったが(このタイプはいまでもURAファイナルズ制覇が目標であれば安定しやすい)、青因子(とくにスピード)の重要さが周知され始めた頃には、スピード、スタミナ、パワー、賢さをBまで上げる“4B育成”がトレンドに。

 しかし、やりこみ勢が青因子ガチャを終えた頃になると、基礎ステータスの中でやや軽視されていた根性やスタミナの重要性も説かれ始め、差しタイプの復権やサポートカードやスキルの流行も変化……とサービス開始から2カ月とは思えない目まぐるしさで育成のトレンドが移り変わっている。このような育成シミュレーションゲームとして簡単に底が見えない奥深さも、『ウマ娘』の大ブームを支える要因のひとつだろう。

 ついに発売されたゲームの爆発的ヒットで、これ以上ない好調な滑り出しをみせ、一躍超人気コンテンツになった『ウマ娘』。本作に限らずヒットしたソーシャルゲームは数年単位で続く盛り上がりをみせることが半ば常識と化しているので、少しでも興味のある人はぜひ試しにプレイして、コンテンツが立ちあがった初期ならではの熱気を感じつつ、ゲームそのものも楽しんでみてほしい。

(文=丸谷健太/ライター)

ゲーム名:ウマ娘 プリティーダービー

メーカー:サイゲームス

対応機種:android/ios、DMM GAMES(PC)

ジャンル:育成シミュレーション

発売日:2021年2月24日(android/ios)、2021年3月10日(DMM GAMES)

価格:基本プレイ無料+アイテム課金

ローソン、“コスパ悪い&美味しくない”と話題の食品5選…生臭い?たこわさび、おにぎり

 新型コロナウイルスの影響により、さまざまな業界が損害を受ける昨今だが、コンビニ大手3社のひとつであるローソンも例外ではない。2月度の既存店売上高は、前年同月比96.4%、客数は前年同月比88.1%となり、油断できない情勢となっている。

 そんなローソンだが、今季も定番商品を始め、期間限定の商品などバリエーションに富んだ品々が販売されており、「ウチカフェ」シリーズがリニューアルを繰り返し定番商品になるなど、商品開発にも工夫を凝らしている印象を受ける。一方で、なかには人々の支持を得られていない商品が目につくのも事実だ。

 そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、ローソンの食品を独自でリサーチし、この春、買ってはいけない商品を5つ選出。あくまで編集部の独断によるセレクトではあるが、ローソンでの買い物の際にぜひ参考にしていただければ幸いである。

ウチカフェ タピオカミルクティー 240g/238円(税込、以下同)

 最初にご紹介するのは「ウチカフェ タピオカミルクティー 240g」。タピオカの流行はすっかり廃れた印象があるものの、タピオカ専門店は今なお存在し、一定数のファンがいることは確か。だが、専門店のタピオカのようなクオリティを求めてこの商品を手に取ると、ガッカリしてしまう可能性が高いだろう。

 いわゆるモチモチとした食感の本格的なタピオカをイメージして飲むと、その弾力のなさに落胆してしまう。また、当サイトの2021年1月のローソン「買うべき」記事では、黒糖ミルクの濃厚で本格的な味わいを評価したうえで、「ウチカフェ タピオカ黒糖ミルク 255g」を取りあげたこともあったが、今回取り上げているこちらのミルクティーに関していえば、可もなく不可もなくといった味わい。

 タピオカ専門店と比べればリーズナブルではあるのだが、この商品に238円出す価値があるかというと、実に微妙なところ。タピオカファンや、タピオカドリンクを初めて飲むという方は、やはり値段は高くても専門店のタピオカドリンクを飲むことをオススメしたい。

味噌マヨで食べる野菜スティック/248円

 続いての「味噌マヨで食べる野菜スティック」は、スティック状の大根、にんじん、きゅうり、キャベツをオリジナルの味噌マヨにつけて食べる商品。

 野菜不足が補えるといった点では重宝しそうだが、SNS上では「某コンビニの野菜スティックの方が美味しい」「特別美味しいという訳でもない」といった、味に関する厳しい意見がちらほら……。

 値段相応の野菜の新鮮さやシャキッとした食感を求めていたのだが、そこまで感じることができないというのが率直な感想。加えて、味噌マヨの味に関しては申し分ないのだが、野菜をつけて食べていくうちにあっという間になくなってしまうので、ソースの少なさも改善すべき点だと思われる。

 またキャベツの割合が多く、キャベツの含有率を高めることで野菜の総量を稼いでいるのではないかと疑ってしまうレベルだ。味と量の少なさから、コストパフォーマンスの悪さを感じざるを得ないだろう。

たこわさび/198円

 調理の必要がなく、開封後すぐに食べられるコンビニのおつまみは、忙しいビジネスパーソンにとっては嬉しいメニューだろう。次に紹介する「たこわさび」もそんな定番おつまみのひとつだが、「想像の100倍くらい辛くて鼻が痛くなる」「おまけに生臭い」といったネットユーザーの厳しい意見が目立つ、要注意な商品となっているのだ。

 食べてみると、食感こそ悪くないものの、確かに生臭さが鼻をつく。さらに食べ進めていくと、ツーンとした想像の上をいく辛さに箸が止まってしまうほどなのである。辛い物が得意な人なら食べられるだろうが、それでも味が生臭いため、買ってはいけない商品に挙げさせていただいた。

マチノパン ピスタチオたち 2個入/150円

 昨今のピスタチオブームとも相まって、コンビニでもピスタチオスイーツをよく目にするが、こちらの「マチノパン ピスタチオたち 2個入」も、そのブームに乗った商品だろう。

 ピスタチオということで話題性は十分あるし、150円という低価格も嬉しいポイントだが、「ピスタチオの風味が薄い」「パン生地もナッツの主張が激しい」などといった購入ユーザーの声が上がるほど、イマイチな完成度となっている。

 ピスタチオペーストを練り込んだパンは、香ばしい風味が感じられ悪くはないのだが、問題はやはりピスタチオクリームの味の薄さだろう。また、そのクリームの量の少なさも、疑問を投げかけたくなる。

 この商品を手に取るのは、おそらくピスタチオの風味を思う存分味わいたいという方だろうから、ピスタチオ好きの人には特に物足りない味となっていると感じた。

スティックおにぎり だし香るひれかつ/180円

 最後にご紹介するのは、「ひれかつ」が入ったスティック状の新食感おにぎり「スティックおにぎり だし香るひれかつ」。だしが染み込んだひれかつと玉ねぎを、だしで炊いたご飯で巻いた、見た目からしてインパクトのある商品となっている。

 その美味しそうな見た目や物珍しさに思わず手を伸ばしたくなる商品だが、ネット上では、「食べにくい」「予想していたものと違った」「リピはないな」といった感想が多数上がっているのだ。

 実際に袋の上から持って食べ進めていくと、形が崩れてしまい食べにくさを実感。温めて食べると、さらに米がぽろぽろと落ちて崩れていくので要注意である。また、なかに入っている「ひれかつ」が大きいのは嬉しいが、周りのご飯の量が少なくバランスの悪さを感じた。成人男性であればおやつ感覚で食べられてしまうような小さいボリュームのものに、わざわざ180円払って買おうとは思わないのではないだろうか……。

 味に関しても、米と具材ともに味が薄く、満足感が得られにくい。「かつ丼のような新感覚おにぎり」と商品の紹介文に記しているからには、タレの濃さや量を改善してもらいたいところである。

 ローソンの「この春、買ってはいけない商品5選」はいかがだっただろうか。今回ご紹介したような、購買意欲を掻き立てるようなネーミングや、物珍しい見た目に惑わされることなく、本当に満足のいくものかどうか、見極めて購入してもらいたい。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

※情報は2021年4月9日現在のものです。

池の水サイダー&肉の城壁を生んだテレ東『今日からやる会議』のガチすぎる魅力とは?

 実験的かつ挑戦的なテレビ番組を得意とするテレビ東京。『ゴッドタン』に『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』といった個性的な番組シリーズが人気の中、『今日からやる会議』という前代未聞の番組が放送されていることをご存知だろうか?

『今日からやる会議』(土曜深夜2:10~2:35)は2020年1月にスタートした番組で、出演者はお笑いコンビのカミナリとさらば青春の光に、テレ東で働く現役のスタッフたち。内容は、芸人2組がテレ東とタッグを組み、テレ東発の新プロジェクトを立ち上げ、今までにない新商品やサービスを提供して稼ごうというもの。彼らが番組に出演する際のギャラはなく、ビジネスの成功報酬から支払われるという斬新かつ画期的な仕組みになっている。

 次々に新プロジェクトを立ち上げて商品化・販売をして利益を出さないと自分たちのギャラが出ないということもあり、会議に臨む4人の本気度は高く、3~4時間に及ぶこともざらにある。

 そんなガチ加減が功を奏して、この1年弱の間にさまざまなコラボ商品を生み続けている。また、はじめは新商品を発売しても振るわなかったが、失敗からも学びを得て、一歩ずつ成長している。まさに、現代にふさわしい芸人ビジネスドキュメンタリーなのだ。

「池の水サイダー」は1万本以上を販売

『今日からやる会議』は番組名の通り、テレ東の会議室で真剣に新規プロジェクト立案に取り組む様子がメインとなっている。芸人4人が次々にアイデアを出していき、テレ東のスタッフはその実現をサポートするという役割だ。

 注目したいのが、やはり芸人である彼らの、想像のななめ上をいくアイデアの数々。

 また、芸人とテレビ局の番組スタッフだけでは心もとないため、新規ビジネスをスタートする際には、その道のプロを「賢人」として招き、各業界の常識やビジネスノウハウをレクチャーしてもらう。そして、そこで学んだことを土台にアイデアを出していくのだ。

 たとえば、1人目の賢人として有名編集者の箕輪厚介氏を招いたときには、「テレビ東京の番組にはコアなファンがついているはずなので、その視聴者の熱量をお金に変える新規ビジネスを立ち上げた方がいい」とアドバイスを受けた。

 そこから生まれた代表的な商品が、『池の水ぜんぶ抜く大作戦』とコラボした「池の水サイダー」だ。番組プロデューサーに商品化の許可を得て、池の水のような色味と臭さがあるけれど、なぜかおいしいという不思議な炭酸飲料を1万2000本製造した。すると、番組を見ていたゲームセンターのクレーンゲーム用グッズの企画運営をする会社が、販売先として手を挙げた。さらに、ヴィレッジヴァンガードでの販売も決まって、1万1807本を販売。1人当たり5万5620円の報酬をゲットした。

 また、「池の水サイダー」の製造本数を決める会議では、ロットを上げて原価を下げたいカミナリ&さらばが、赤字を出したくないテレ東社員を説得するシーンも。芸人vs番組スタッフの臨場感漂う攻防戦も楽しい。

デカ盛りハンター×オリジン弁当の「肉の城壁」

 現時点における『今日からやる会議』発の最大のヒット商品といえば、『デカ盛りハンター』とオリジン弁当とのコラボ弁当「肉の城壁」だ。これは大食いブームを受けて立ち上がったデカ盛り弁当プロジェクトで、改良に改良を重ねて完成させた自慢の逸品。

 8種類の肉料理にエビフライがプラスされ、総重量5kg&1万2000kcalオーバーの「肉の城壁」(6290円/税別)に加えて、デカ盛り入門編とも言える「肉の城壁Jr.」(1290円/税別)の2商品を販売した。

 プロジェクト発案者の4人は、オリジンで行われた商品化会議にも参加。最後の砦であるオリジン上層部に向けて、共に「肉の城壁」をつくってきたオリジン側のスタッフとチーム一丸となって必死でプレゼンした。さらに4人は「肉の城壁」プロジェクトに込めた熱い想いを訴え、上層部からの厳しい質問に答え続けて、なんとか全員一致で合格を勝ち取った。

 最後に「5kg超えの『肉の城壁』を箸で食べるのは難しいのではないか?」という指摘に緊張感が走ったが、その直後に出てきた「(シェアするために)オリジナルのしゃもじをサービスするなどを考えてほしい」と逆提案されるシーンには、胸に込み上げるものがあった。

 そんなドラマを経て発売にこぎ着けたこちらの2品は、今年の2~3月の限定発売だったが、発売から3日目にして「肉の城壁」が90食、「肉の城壁Jr.」が6909食も購入され、合計で947万8710円を売り上げた。また、販売1カ月で「肉の城壁」が459食、「肉の城壁Jr.」が3万4166食購入され、売り上げは合計4696万1250円に。

 販売中は、お笑い芸人や有名大食いユーチューバーのおかげで大きな話題を呼び、販売期間が終わるとSNSで販売終了を惜しむ声が多数見られた。

 番組収録から放送までは約1カ月のタイムラグがあるため、デカ盛り弁当プロジェクトの最終的な売り上げ報告やギャラ支給回はまだ放送されていない。どのくらいの金額を売り上げたのか。また、彼らへの報酬額の発表が楽しみだ。

赤字やストップ中のプロジェクトも

「池の水サイダー」や「肉の城壁」のような成功プロジェクトもあれば、いまだ赤字のままのプロジェクトや、新型コロナによる情勢の変化でスタートできないプロジェクトもある。

・いい旅夢気分×バスツアー
新型コロナによりプロジェクトストップ

・2組のネタVR
各コンビは1000円、2組セットは1500円で発売中

・新東京土産 東京フォーク・TOKYOスプーン
フォークとスプーンセットにして、税別2800円でロフトなどで販売中

・AI VTuber タミ子
グッズやLINEスタンプを発売中

・漫画「ザ・ゲリラ」
DMM電子書籍にて連載(現在は連載終了)

 この他にも、「テレ東 冬のあったかパーク」では、あったかコラボメニューも考案したりと、いろいろなプロジェクトが展開されている。

 新ビジネスに挑戦するおもしろさと難しさをリアルに教えてくれる『今日からやる会議』。コロナ禍で働き方が激変する中、会社に頼ってばかりではいけない、自分でも何か事業を立ち上げてみようか、と思っている人にとっては、うってつけの番組だろう。また、ベンチャー企業はもちろん、事業転換を考えている経営者にとっても、おもしろい発見があるだろう。

 ビジネスマインドを変えるタイミングが来ている今、既成概念にとらわれず、凝り固まった常識を捨てて、新しいアイデアを生み出したいのなら、小難しい本を読むよりも、気軽に楽しめるこちらの番組を見ることから始めてもいいかもしれない。

『今日からやる会議』は「TVer」で全話無料配信中

(文=安倍川モチ子/フリーライター)

大阪「高齢者の入院の優先順位下げろ」メールは職員の問題ではない! 吉村知事も“ベッドを高齢者から若者にバトンタッチ”発言

 昨日29日、過去最多となる44人もの死者を出した大阪。吉村洋文知事は「昨日、亡くなったわけではない。4月19日から昨日までの期間」などと修正していたが、いったい過去の死者がどれくらい含まれているかを明らかにしていないうえ、その期間にも死者数は毎日、発表されており、新たな死...