現役最強か――。
グランアレグリアの前走、ヴィクトリアマイル(G1)は、まさに圧巻のレースだった。
牝馬限定戦とはいえ、2着ランブリングアレーに4馬身差の圧勝。大阪杯(G1)では初の2000mに重馬場と悪い条件が重なって4着に敗れたが、やはりマイルの良馬場なら敵う相手はいないのかもしれない。
昨年はマイルG1を春秋連覇。一昨年に同じく春秋連覇を成し遂げているインディチャンプにも、昨年の安田記念(G1)で0.5秒差と全く寄せ付けなかったのだから、マイル戦でグランアレグリアを負かすのは至難の業といえるだろう。
というわけで、今週は安田記念を予想していく。
『netkeiba.com』の予想オッズ(6/4時点)では、グランアレグリアが単勝1.3倍と圧倒的人気。2番人気インディチャンプが5.9倍、サリオスが7.6倍で続く。
穴党を公言している身としてはグランアレグリアが敗れる可能性を考えたいところだが、東京マイルとなれば、仮に少々雨が降ったところで差し切ってしまう姿しか想像できない。
状態も万全という想定で唯一敗れるとするなら前残りしか想像できないが、ベストの舞台ではそれすらも許さないのではないだろうか。
先週の日本ダービー(G1)は、差し決着。Cコースに替わって2週目の東京競馬場だが、今年は例年よりも外差しが届く印象だ。
それに加え、安田記念のメンバーを見渡すと先行馬も多数。出走馬14頭の内、近3走で逃げた経験のある馬が5頭もいる。
陣営も「前回から中2週のローテーションになりますが、直前の反応も良かったですよ。ここまで順調ですし、再度同じ舞台ですからね」と強気。ここは能力を出し切る条件が揃ったと見た。
「◎」は、5番グランアレグリアの1着鉄板と考えたい。
とはいえ、もちろん狙うは万馬券。近10年の安田記念の枠番傾向を見ると1~4枠が3勝に対し、5~8枠が7勝。例年よりも外差しが決まることも加味すれば、外枠有利に拍車が掛かるのではないか。
尚且つ、ここは1強とみるグランアレグリアがいる舞台。ヴィクトリアマイルのように同馬が突き抜ければ、再び後方から差しが決まると見た。
「○」は、14番カテドラル。
近2走は、芝1600mのG3で連続の2着。いまだ重賞勝ちもなく、脚質的にも展開頼みの面は否めない。
関係者も「促して前へ行ったりすると、どうしても機嫌を損ねてしまうからね」と語るように、自分から動けないタイプ。ただ、グランアレグリアの圧勝を想定すれば、この「無欲の差し」こそがプラスに働かないだろうか。
重賞勝ちがないとはいえ、一昨年のマイルCS(G1)では上がり最速。今回と同舞台のNHKマイルC(G1)では、3着とグランアレグリアに先着している。
もちろん、この時のグランアレグリアが能力を出し切っていたとは思わないが、差しが届く流れであったことは事実。田辺裕信騎手の手腕に期待したいところだ。
「▲」は、12番ケイデンスコール。
こちらもカテドラルと同世代。NHKマイルCで2着に入り、グランアレグリアに先着した馬だ。
陣営は「東京はG1で2着など実績がありますし、確実に脚を使うので合っていますね」と得意コースで色気。NHKマイルC後は不振に喘いでいたが、約5カ月の休養を経て昨年末あたりから調子を取り戻してきた。
近3走は、重賞2勝と絶好調。昨年のマイルCSでグランアレグリア、インディチャンプの3着と好走したアドマイヤマーズとは、新馬戦、NHKマイルCと2度の接戦を繰り返しており、秘めたる能力は確か。本来の末脚を取り戻した今なら、今回の強敵相手でも通用すると見た。
「☆」は、11番ダノンキングリー。
やはり気になるのは、ダノックスの主戦・川田将雅騎手がプレミアムではなくキングリーに騎乗することだろうか。
昨年の安田記念では7着に敗れたが、稍重馬場で内枠。騎乗した戸崎圭太騎手が「3角でペースが落ち着いた時に、ノメってハミを取ってしまいました」と話したように、馬場が影響した部分も大きそう。一昨年のマイルCSも最内枠で、最後の直線も馬場の悪い内を通らされた。
一昨年の毎日王冠(G2)ではインディチャンプを差し切っており、東京自体の適性は十分。今回は久々となるが、陣営は「放牧で立て直して、良い頃の感じに戻ってきましたね。復調すれば、G1でも好走できる馬ですよ」と巻き返しを狙っており、狙ってみる価値はありそうだ。
「△」は1番サリオス、6番ダノンプレミアムの2頭。
サリオスは大型馬だけに最内枠がどうかだが、昨年のマイルCSでは上り最速の5着。前走の大阪杯でも前々から粘り込み、好メンバー相手に5着と踏ん張った。内で包まれる懸念はあるが、スムーズなら能力的にも格好はつけてくるだろう。
ダノンプレミアムは、2走前の天皇賞・秋(G1)4着が立派。アーモンドアイ、フィエールマン、クロノジェネシスと昨年の日本競馬界を引っ張った馬たちに食い下がった能力は本物と見ていい。近2年の安田記念惨敗は不安であるが、人気を大きく落としそうな今回は逆に狙い目。一昨年はスタート後に不利、昨年は前日の雨が影響した感もあるだけに、積極的に買いたい1頭だ。
なお、人気しそうなところでは、8番インディチャンプ、13番シュネルマイスターを「消し」とした。
インディチャンプは一昨年の安田記念勝ち馬で、昨年もグランアレグリア、アーモンドアイに次ぐ3着。ただ、昨年は最内を立ち回りロスなく完璧に乗った結果でもある。再び同じ競馬ができるかは疑問で、2番人気が予想されるだけに買い目からは外した。
シュネルマイスターは、3歳で古馬と未対戦。ある程度人気しそうなだけに、来られたら仕方なしと諦めるつもりだ。
以上を踏まえ、印は以下の通り。
◎5番グランアレグリア
○14番カテドラル
▲12番ケイデンスコール
☆11番ダノンキングリー
△1番サリオス
△6番ダノンプレミアム
馬券は三連単で勝負。保険としてワイドも押さえておく。
三連単 フォーメーション
◎-○▲☆-○▲☆△△ 12点
ワイド 流し
◎-○▲☆ 3点
ヴィクトリアマイルではグランアレグリアを「◎」としたが、前残りを予想して真逆の展開。今回はその反省も活かし、差してきそうな馬を上位に狙った。
やはり、女王様に歯向かうのは無謀。勝気を出さずに2着狙いに徹したものが波乱を生むと見た。
(文=宍戸ハレ)
<著者プロフィール>
競馬好きというよりは予想好き。知的推理ゲームをこよなく愛する馬券狂である。券種は基本的に三連複とワイドだが、的中率より回収率重視で軸は殆ど人気薄という生粋の穴党。馬券が当たると異様にテンションが上がるも、年に数回だけという悲しい現実と向き合っている。