ラグジュアリー業界に求められるSDGsとは?

コロナ禍がラグジュアリーブランドのビジネスに与えた影響に関する調査(電通、ザ・ゴール、コンデナスト・ジャパンの共同調査)を基に、ラグジュアリー業界における「グレート・リセット」と呼ぶべき地殻変動を明らかにする本連載。

【グレート・リセットとは】
資本主義を再定義し、現在の世界経済のシステムをあらゆる側面から考え直さなければならないという考え方。2021年世界経済フォーラムのテーマにもなっている。


今回は『VOGUE JAPAN』などを発行するコンデナスト・ジャパン副社長の平石敬晴氏をゲストに迎え、電通の松田融氏、天野彬氏がSDGsの潮流やグレート・リセットを踏まえたコミュニケーションの在り方についてお話を伺った。

調査概況については、連載第1回、第2回を参照
第1回:コロナ禍のデジタルシフトが生んだ、新たなカスタマージャーニー
第2回:今、ラグジュアリーブランドに求められているもの

平石氏、松田氏、天野氏

若い世代がブランドに求めるRealityとは?

天野:はじめに、今回の共同調査を実施した背景について、改めてお聞かせいただけますか?

平石:共同調査を企画したのが2020年6月ごろ。当時、多くの店舗がクローズし、百貨店も含めてラグジュアリーブランド各社が甚大なビジネスダメージを受け、われわれメディアとしても先行きの見えない未来を案じる毎日でした。

一方、コロナ禍をきっかけにテクノロジーが急速に浸透したことも相まって、生活者のライフスタイルや価値観にも大きな変化が生まれています。メディアの選び方、情報の捉え方、ショッピング体験などが変わる中、生活者のラグジュアリーブランドに対する興味・関心や購買行動を深く知ることで、未来への明るい展望を見いだし、それをパートナーの皆さまと共有したいと考え、今回の調査を実施しました。

天野:調査結果を受けて、特に平石さんが興味を抱いたポイントを教えていただけますか?

平石:「Reality」と「Reliability(信頼性)」という2つのキーワードに着目しました。バーチャルな生活環境で日々膨大な量の情報を浴びるようになり、生活者は「自分にとって信じられるものは何なのか」をますます重視するようになっています。ブランドと顧客、あるいはメディアとオーディエンスという両者のエンゲージメントを高める上で、2つのキーワードは非常に大切なポイントであると感じています。

松田:同感です。定量調査の結果はもちろん、定性調査のインタビューでも「公式ECで気に入ったアイテムを見つけたら、フリマアプリなどで一般の人が撮影しているリアルな写真をチェックしてイメージと違わないか確認する」といった意見があり、Realityが求められていることをひしひしと実感しました。

第二回抜粋
連載第1回より抜粋

Reliability(信頼性)が示す、オーセンティックメディアの価値

天野:Reliabilityに対するニーズの高まりも注目すべきポイントですよね。コロナ禍の中でSNSの利用率やそれに伴う影響力が増す半面、その情報の真偽や拡散を巡ってメディアリテラシーの重要性が改めて問われるシーンも増えています。また、そもそもSNSでシェアされる情報は元をたどるとパブリッシャーの情報であることが多いのですが、『VOGUE』のようなオーセンティックな(信頼に値する)メディアの価値はどのように定義できるでしょうか?

『VOGUE JAPAN』2021年7月号
『VOGUE JAPAN』2021年7月号

平石:『VOGUE』は1892年の創刊以来、常に「クリエイティビティー・クオリティー・リライアビリティー」を追求しながら、世界中のオーディエンスを魅了するコンテンツを届けてまいりました。

その源泉にあるのは、編集者の企画力・ジャーナリズム・クリエイティブです。これらの結晶が雑誌のみならず、ウェブサイト、ソーシャルメディア、動画、イベントなどさまざまなプラットフォームで評価され、オーセンティックメディアとしてのポジションを得ることができていると自負しています。

Reliabilityに対する生活者の志向が強くなればなるほど、オーセンティックメディアの存在価値や(それに対する)期待もますます高まると思いますし、だからこそ、信頼を裏切らないようにクオリティーを追求し続ける必要があると感じています。

天野:お話しいただいたように、『VOGUE』はさまざまなプラットフォームに展開されていますが、雑誌というメディアの価値はどのように捉えているでしょうか?

平石:今回の調査結果では、ミレニアルズ世代(25~39歳)やジェネラル(35歳以上)の世代ではファッションなどの情報源として雑誌は高い評価を得ていることが分かりました。一方、Z世代(24歳以下)ではソーシャルメディアやウェブサイト、動画プラットフォームなどデジタルが上位を占めています。

ここで、さらに掘り下げてみたいと感じたことがあります。それは、デジタル優勢の時代にあえて紙の雑誌に触れている読者とは一体どういった人たちなのだろうか、ということ。Z世代は決して数は多くありませんが確かに存在しますし、ミレニアルズ世代ではさらに多くの評価をいただいています。そして、弊社の調査では昨年1年間での雑誌『VOGUE』購買者のうち約40%の人たちが、実はZ世代とミレニアルズ世代で構成されていることが分かりました。

若い人たちが雑誌を手に取って1ページずつめくることに、どのような価値を見いだしているのか。それは同じく若い世代とのエンゲージを課題としているラグジュアリーブランドにとっても有益なインサイトになり得るので、今後も研究を重ねていきたいと考えています。

グレート・リセットを率先して行うフランスの動き

天野:SDGsが国際的なアジェンダとなり、各産業でさまざまな取り組みが広がっています。この潮流はファッション業界にどのような影響をもたらしているでしょうか?

平石:全ての産業が避けては通れない課題ですが、特にサステナビリティー・環境問題というテーマに関しては、ファッション産業は最も取り組まなければならない産業の一つです。

なぜなら、世界的にみるとファッション産業は第2位の環境汚染産業ともいわれており、自ら率先して改革していく必要があるからです。『VOGUE JAPAN』も日本のファッション業界がもたらす環境負荷の改善を求める「サステナブルなファッションの促進に向けた提案」に署名し、小泉進次郎環境大臣に提出するなどさまざまな取り組みを実施しています。

松田:一昔前はSDGsがブランディングの一環として捉えられる側面もありましたが、今やSDGsに取り組まないブランドはラグジュアリーブランドと名乗れないのではないかと思うほど、必須条件になっているように感じます。

平石:サステナビリティーに配慮したブランドであるかどうかを、購買時に考慮するユーザーも増えています。

松田:特に若い世代はその傾向が強いですよね。また、ラグジュアリーブランドのコングロマリット化が進み株式市場を無視できない中で、欧米では投資家がSDGsへの取り組みを注視していることも影響していると思います。

天野:本連載のテーマはグレート・リセットですが、ラグジュアリー業界でこれまでの在り方が見直されるようになったのはなぜでしょうか?

平石:私の印象としては、2018年にとあるブランドの売れ残り商品廃棄処分問題に端を発し、パリ協定に基づく「ファッション業界気候行動憲章」(※1)、2019年のフランスG7サミットにおける「Fashion Pact」(※2)の発表など、フランスがイニシアチブをとって、これまでの在り方を大幅に見直す流れがどんどん加速していったように感じます。

※1=ファッション業界気候行動憲章
パリ協定の長期目標の一つ、「世界の気温上昇を産業革命以前の水準より2℃未満に抑える努力を追求する」を支持する条約。2030年までに温室効果ガス(GHG)の総排出量の30%削減を達成し、2050年までに実質ゼロにすることを目標にしており、コンデナストもメディアカンパニーとして初めて署名。
 
※2=Fashion Pact
2019年8月にフランス・ビアリッツで開催されたG7サミットにおいて、欧州を中心とするファッションおよびテキスタイル業界の32社が、気候変動、生物多様性、および海洋保護の3分野で、共通の具体的な目標に向かって取り組むことを誓約したもの。


天野:その中で、ブランド・メゾンの動きとして印象的だったものを教えてください。

平石:ケリング・グループ傘下のグッチが、ラグジュアリーブランドを扱う中古品販売プラットフォーム「ザ・リアルリアル」とパートナーシップ契約を締結しました。同グループは、中古ブランド品マーケットプレイスの「ヴェスティエール・コレクティブ」への出資も発表しています。また。ラルフローレンは洋服のサブスクリプション・レンタルサービスを開始しました。

ラグジュアリーブランドがリセールマーケットやレンタルビジネスに参入することは、これまでになかった新しい動きとして非常に注目しています。

他にも、LVMHジャパンが女性の再就職支援プロジェクトをスタートしたり、プラダが再生ナイロンの「Re-Nylon」コレクションを発表したりするなど、各ブランドがSDGsのそれぞれのテーマで社会課題解決に取り組んでいます。

天野:ラグジュアリーブランドは偽物も多く出回っているからこそ、ブランド主体のリセール展開はユーザー側にも大きなメリットがありますよね。

平石:そうですね。公式の中古品であれば、間違いなく本物だし、丁寧にメンテナンスされたものだとユーザーも感じると思います。

インパクトの有無にかかわらず、SDGsに取り組むことが当たり前の世界に

天野:ラグジュアリーブランド業界のグレート・リセットが進む中、コンデナストとしてはどのような取り組みに注力しているのでしょうか?

平石:『VOGUE』はオーセンティックメディアとして、各ブランドのさまざまな取り組みを世の中に正しく、多くの人に伝えていくことがミッションだと思っています。

とりわけ、SDGsをテーマとして深く掘り下げた情報発信を行う場として、2020年に「VOGUE CHANGE」(※3)を立ち上げました。

※3=VOGUE CHANGE
サステナビリティーやダイバーシティー、インクルージョンをテーマとして国内・国外を問わず、あらゆる情報を紹介し、読者やオーディエンスと共に少しでもより良い未来社会を目指してCHANGEしていくプロジェクト。


SDGsへの取り組みは、企業主体で発信することが難しいテーマだと思っています。例えば、とあるブランドの担当者は、「当然SDGsに取り組んでいるけれど、自分たちからそれを発信することはブランドの哲学にそぐわないのでやらない」といったことを言っていました。

「言う/言わない」の是非ではなく、どのブランドも素晴らしい取り組みをしているという事実を、正しく顧客やオーディエンスに知ってもらうことが大切であり、そこにオーセンティックメディアとしての役割と責任があると思っています。

天野:SDGsへの取り組みをあえて発信しないブランドがあることは非常に興味深いです。一方で、SDGsにどのように取り組めばいいのか分からない企業もまだまだ多いと思います。改めて、SDGsがブランドのマーケティング活動にどのようなインパクトをもたらすのか、お聞かせいただけますか?

平石:インパクトの有無にかかわらず、取り組むことが当たり前に求められる世界になりつつあります。どのテーマにフォーカスするかはブランドの哲学やプロダクトで異なりますが、SDGsのテーマをベースに考えたマーケティング活動が欠かせないことは間違いないでしょう。

松田:昔はSDGsが“意識高い系”と揶揄されることもありましたが、今の社会はもう違います。特に若い世代にSDGsの重要性を聞くと、「そんなの当たり前じゃないですか」とあきれられることもあるほどです。

平石:未来の顧客となる若い世代の人たちに、今からきちんと評価されるコミュニケーションを行うことが大切ですよね。私たちもオーセンティックメディアとして、今後もさまざまなブランドの情報発信を積極的にサポートしていきたいと思います。

天野:本日はありがとうございました!

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日本人へのコロナ対策は「東京五輪の強硬開催」?無事終了なら大きな安心感を獲得

 JOC(日本オリンピック委員会)が大いに期待した池江璃花子選手の代表入りでの世論の風向きの変化は起こらず、6月の声を聞き、海外の選手団も来日し始め、日本的組織遺伝子である「なし崩しの既成事実化」のフェーズに入った。公権力を握る人々は戦前と同様に「走っている電車を誰も止めようとしない」ので、もはや後戻りはなく、東京オリンピック・パラリンピックの強硬開催は決定的といえそうである。風を読むマスコミなので、論調も東京オリパラに前向きなものが散見され始めた。

 この東京オリパラとは、なんなのであろうか。次々に掲げられた東京オリパラの旗々はすでにない。当初の「311からの復興」の旗は、被災地の方々からそっぽを向かれ下げざるを得なくなり、招致時に猪瀬直樹・東京都知事(当時)が謳っていた「世界一金のかからない東京五輪」は、蓋を開ければ、都の負担額まで合わせると総額で3兆円を超えることとなり、これまでの五輪で最もお金のかかる大会となるというジョーク状態である。この負担は政治家が自由に使える国の金ではなく、国民負担であることを国民は真剣に考えるべきであろう。最後に取りあえず掲げた泥縄の「人類がコロナとの闘いに打ち勝った証し」は、ワクチン接種の進む欧米であればいざ知らず、ワクチンの接種が遅々とした状態である一方で、医療は崩壊の危機といわれ、緊急事態宣言を延長し、御用専門家にも歯向かわれ、コロナをコントロールができているとはいえない状態では、まったく旗印にはならない。このように、東京五輪の旗はもはやないといえよう。

 一方、五輪精神なる美論(政治を超越するスポーツによる「平和」「夢」「勇気」「団結」「共生」「立ち直る力」など)のメッキは、結局IOC(国際オリンピック委員会)は巨大ビジネスで利権とお金が重要ということを再確認させてくれた「ぼったくり男爵」ことバッハIOC会長のお陰で剥げたといえよう。開催地に手を挙げる国が減っているのも、むべなるかなである。

 今回の東京オリパラでのIOCの専横をみて、開催に手を挙げる国は減るのではないであろうか。今回のIOCの行動は、五輪の将来にとって禍根となるのではないかと筆者は思っている。そもそも先進国入りをする国ではなく、老いゆく先進国でしか行えないオリパラの意味とはなんであるかを考える必要があろう。今さら国威発揚であろうか。

 おまけは、バッハIOC会長の発言は、国家主権を超越するという前代未聞のスピーチである。総理大臣からしてオリパラの決定はIOCの権限といって、主権侵害に近い発言に目をつぶる状態である。日本国の主権も安くなったものである。右派の自民党の政治家の行動とはとても思えない。自民党は国体護持の保守の看板を下げたほうが良いのではないか。

日本人の意見は聞かないIOC

 よくよく見れば、コロナと東京五輪への菅政権の対応は、支離滅裂である。「東京五輪はやります」が、「皆さんコロナは危険ですから、緊急事態宣言は延長します」という矛盾である。五輪ができるならそれほど危険ではないと考えるのが、普通の人間である。ゆえに通勤電車等を見ればわかるが、人の移動量はむしろ増えていそうである。事実、宣言延長も形式的で、ほとんど実効性がなくなりつつある。

 その一方で、ビジネス規制では、居酒屋など飲食店の時短営業、昼夜での酒類販売禁止という、効果もわからず検証もされないことをやるのは、「やってる感」政治というマスコミ主導大衆民主制度の末期症状である。軽薄に『8時だョ!全員集合』をもじって悦に入る現東京都知事は、この点に関しては長けているといえそうである。胴元のIOCはといえば、東京五輪開催に関しては、開催地の日本人の意見は聞かないといっている。

 この2つの対応を、五輪を招致し、国産ワクチンができるから1年延長で大丈夫と自信を示した、日本の面子が国民の命より大事と考える政権政党の政治家を筆頭とする関係者は思慮が浅い。一方、IOCにとって東洋の端にある開催地の日本の国民がどうなろうが知ったことではなく、重要なのは、犠牲を払ってでもオリンピックを中止しないで開催することであるという、IOC幹部の傲慢な本音ととらえることもできないではない。しかし、筆者は、日本サイドもIOCサイドもそこまで傲慢であるとは思えない。

 自民党の政治家は知らないが、厚労省の役人もIOCの幹部も、事実としての数字は見ているはずである。日本人のように感情を前提には考えていないはずである。

すでに決まっていたシナリオ

 この観点で、日本のコロナの状況を考えてみよう。コロナ感染が始まって以来の死者数の累計は、1万4000人に満たない。死者の多かったイギリスと同様の死者数を日本に置き換えると、25万人を超える。もし日本で現在25万人が亡くなっていれば、社会の雰囲気は大分違うのではないか。

 また、2020年の超過死亡数は、約1万人のマイナスである。要は、コロナ対策で普通は死ぬはずの1万人の命を救ったわけである。これは、世界に誇れることであろう。余談だが、興味のある方は、コロナ対策費用を1万人で割り、一人当たりの救命費用を算出されると良いかと思う。つまり、日本の状況は、数値的には悲惨な状況ではないという認識であろう。その表れが、辞任した高橋洋一内閣官房参与の「屁みたいなもの」ツイートであろうし、厚労省の役人がコロナ渦中で、大人数で飲み会に行った問題であろう。IOC幹部の認識も同様であろうと思われる。そうであるとすれば、政府とIOCでタッグを組んだ東京オリパラの強硬開催は、すでに決まっていたシナリオであったと考えることができる。

 考えられるリスクは、政府の対応が正しかったから死亡者が少ないわけではなく、単なる運なのでコロナのコントロールはできていないという点である。インドなどの変異株次第では、開催前に陽性者数が急速に増える可能性はあろう。事実、まだ相対的には安全とはいえ、ワクチン接種の大幅な遅れも含めて、コロナのコントロールができていないことで徐々に「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」を落とし、最新では7位から14位に後退している。

安心感の獲得に理屈はいらない

 これから、本稿の核心に入りたいと思う。日本の社会は事実や数字ではなく、庶民感情などの感情が支配する社会である。この社会では、「安心」は重要なキーワードである。事実、菅首相は「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催にあたっての私の基本的な考え方」とオウムのように繰り返すが、そこでのキーワードは「安心」である。

 日本人は安全と安心を併記するが、その違いをおそらくわかっていない。わかっていれば、併記はできないであろう。それでは、安全と安心とは何かを考えてみよう。まず、「安全」とは、リスクを対象として取り上げ、そのリスクを最小化して客観的にリスクと受益の軽重を判断して、そのレベルのリスクであれば受け入れるということを意味する。リスクがないことはないので、100%安全はあり得ない。安全を求めれば、リスクを見つけ、それを最小化しようするから考えるわけである。

 一方、「安心」は、リスクを対象化することなく、主観的にリスクがないと判断できる状態を求める、つまり、基本的にはリスクをとるのではなく、リスクを回避することを意味する。ゆえに安心のなかでは、100%安全はあり得る。神社のお祓いと同じメカニズムなので目の前にリスクがないと思えれば安心なので、自粛警察のような行動が頻出するわけである。しかし、リスクはなくなるわけではないので、安心であれば安全であるわけではない。安全の観点からは、マスクはどこでもしていることに意味があるわけではないが、安心の観点からは、マスクをどこでもし、皆もしていれば安心するのである。マスクをしていれば安全なわけではないのだが、安心は、科学的根拠は意味をなさない感情の世界である。安全感とは言わず安全性と言い、安心性とはいわず安心感という理由がここにある。安心を求めると、リスクは排除するだけなので、考えることをしない。

 ゆえに「リスク・テイクの安全」と「リスク排除の安心」を併記することは言葉の意味への感度が高ければ、ありえないくらい気持ちの悪いことである。しかし、安全と安心の併記は日常茶飯事なので、多くの日本人の言葉の意味への感度は極めて低いといえよう。

 このような安心教の信徒である日本人にコロナの安心感を与えるにはどうすればよいのであろうか。数字や事実の積み上げはあまり意味をなさない。ワクチンはその一つの方法かもしれないが、ワクチン恐怖症を植え付けられた日本人にどれだけ安心を与えるかは疑問である。そもそも接種にあまりにも時間がかかりすぎるのではないか。コロナはインフルエンザ同様に消えてなくなることはなく、コロナと同居することになるので、一巡すること頃には3回目の接種が始まるのではないだろうか。終わることのない堂々巡りである。

 筆者はひそかに、今回の東京オリパラ強行突破開催が、大きな混乱もなく、現状の死者数増加率を維持して終了するのであれば、国民はオリンピックが大きな問題もなくできたのだから、コロナは大丈夫なんじゃないかと安心するのではないかと思っている。日本人選手のメダルラッシュという一過性の盛り上がりよりも、この安心感の獲得のほうが重要であると考える。安心感の獲得に理屈はいらないので、いっきに不安から安心に振れることは十分にあり得るのではないかと考えている。

 政治家がこれを想定して、強硬開催にまい進していると思えない。自民党の政治家を含む日本の為政者たちは、今回の東京オリパラを歴史に残したい(自分たちの名も教科書に残る)だけではなく、実は歴史上に汚点を残す夏季五輪の二度の中止(戦時下の1940年の東京)は是が非でも避けたいのかもしれない。1964年の栄光の東京オリンピックのノスタルジーに浸る世代である彼らにとっては、ありえなくもない話である。良い意味でも悪い意味でも、今回の東京五輪は、この世代へのレクイエムになるのであろう。いや、そうならないと日本の将来はなさそうである。

 今回の東京オリパラの強硬開催は、政治家の丁半博打なので、国民として、裏目に出た時には、故半藤一利氏が昭和史の最大の教訓として指摘した「(やるまでの)根拠なき自己過信と(まずくいったときの)底知れぬ無責任」を決め込む政治家たちに直面する覚悟をしておく必要があろう。
(文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授)

有吉弘行&夏目三久“結婚報道”全真相…芸能界のドンが日刊スポーツに流した“ある情報”

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 この4月から5月にかけて、有吉弘行さんと夏目三久さん、さらに新垣結衣さんと星野源さんと、世間を驚かせるような電撃婚が立て続けに発表されましたね。どちらもビッグカップルであることは間違いありませんが、芸能マネージャー的に注目度が高いのは、断然有吉さんと夏目さんのご結婚のほうです。

 有吉さんと夏目さんといえば、以前、熱愛を通り越して「妊娠」という決定的なニュースが報じられたにもかかわらず、ワイドショーがそれを一切取り上げない……というなんとも奇々怪々な出来事があったの、憶えておいでですか?

 今回のふたりの結婚発表でも、過去のこの“妊娠報道”については、テレビやスポーツ紙系統の大手マスコミはほとんどスルーしてましたよね。有吉さんと夏目さんは交際が明るみになることもなく、密かに愛をはぐくんできてようやく結ばれた……みたいな。

 一方で週刊誌などの紙媒体は、「あの妊娠報道はなんだったのか?」をさかんに報じていました。いわく「本人リーク説」、いわく「芸能界のドンの怒り」……。

 まあ書かれていたそれらのことは、当たらずとも遠からず……なんだと思いますが、今回は私なりの視点で、あらためて“あの妊娠報道”を踏まえた「有吉・夏目結婚」を考えてみたいと思います。

日刊スポーツの「夏目三久アナ妊娠」のスクープを、有吉も夏目も全否定

 有吉弘行さんは、先日めでたく47歳になられたばかり、デビュー当初から太田プロダクション所属です。太田プロといえば、かつてはビートたけしさんなどが所属するなど「お笑い系の芸能プロ」というイメージも強いかと思いますが、高島礼子さんなど役者さんも何人かいて、また太田プロ現社長・磯野太氏のお姉さんである磯野久美子氏が秋元康氏と昵懇の仲であることから、AKBグループ出身のタレントさんが多いことでも知られていますよね。

 そして夏目三久さんは現在36歳。もともと日本テレビの“売れっ子女子アナ”でしたが、2009年に起きた“コンドーム写真”騒動(後述)がきっかけとなり、2011年1月に日本テレビを退社。しかし、タモリさんなども所属する大手芸能プロ、田辺エージェンシーに即所属し、その後も華々しいご活躍を続けてこられました。

 さて、まずは5年前の“最初の報道”についてです。

 2016年8月24日、有吉さんは42歳、夏目さんは31歳だった夏休みの終わり頃、突如として「日刊スポーツ」1面に、特大スクープが掲載されます。「夏目三久アナが有吉の子ども妊娠」。

 このビッグカップルの交際・妊娠報道に世間はザワザワし始めますが、しかしその日のワイドショーはこの特大ニュースを完全スルー。双方の事務所も「事実無根」と切り捨てます。さらに有吉さんは、同28日に自身の冠ラジオ(JFN系『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』)において、「熱愛、妊娠、結婚というのはまったくないこと」とコメントします。

 そして報道から約1週間が経った9月1日、夏目さんの独占インタビューが世に出ます。掲載先は、「日刊スポーツ」のライバル紙「スポーツニッポン」。「女性にとってこれ以上ない極めて私的な内容が断定して書かれてあったので、とても驚きましたし、あまりにひどい内容に大変ショックを受けました」と、有吉さんと同様に妊娠報道を完全否定してみせます。

 極めつけは、最初の報道から約3カ月が経過した11月24日です。

 なんと、その妊娠報道をした「日刊スポーツ」が、「夏目三久さんに関する報道のお詫びと訂正」と題した謝罪記事を掲載。みずからが、「あれは誤報でした」と認めたのです。こうして、この件は“なかったこと”となり、おふたりも何事もなかったかのように芸能活動を続けていくこととなりました。

ムッシュかまやつ氏のお別れの会においてスパイダースが再結成、田辺社長がドラムを叩いた

 ところが一方で、当初の妊娠報道の直後から、業界内をある噂が駆け巡ります。それは、「日刊スポーツの報道に、田辺エージェンシーの田辺社長が激怒している。“この件は一切報じるべからず”の通達が出ており、テレビや新聞メディアは後追い報道なんて怖くてできない」というもの。事実、そうした情報をもとにことのウラ側を記事化する週刊誌などもありました。

 さてさて、“情報統制”に余念がない一部大手芸能プロと、そうした芸能プロに忖度しつつ報道合戦を繰り広げているテレビ・スポーツ紙メディアによって成り立っている……という部分も大きい日本の芸能報道においてさえも、なかなか見られないような奇々怪々な流れをたどったこの一件。その裏に何があったのかというと……噂通り、「田辺エージェンシーの田辺社長が激怒した」というのは、ほぼほぼ真実だと考えて間違いないと、僕は考えています。

 では、なぜそれほどまでに激怒したのか……?

 それを説明する前に、まずは田辺エージェンシーの田辺社長のご経歴を説明しておきましょうか。

 現在御年82歳の田辺昭知(しょうち)社長は、なんともともとはバンドマン。1960年代に一斉を風靡し、いわゆるグループサウンズの礎をなしたともいわれるバンド「ザ・スパイダース」のドラマーでした。スパイダースといえば、“ムッシュかまやつ”ことかまやつひろしさん、堺正章さん、井上順さんらが所属していた伝説のバンドですよね。

 当初はホリプロ(ホリプロダクション)に所属していたスパイダースですが、リーダー、田辺氏に率いられ、ホリプロ内に芸能プロ「スパイダクション」を設立。スパイダース解散後の1970年代以降、田辺氏は完全にマネジメント側に回り、1973年にスパイダクションを田辺エージェンシーと改称し、完全独立を果たします。

 まあとにかく先見の明をお持ちだったということなのでしょうね。以降、タモリさんや研ナオコさんを見いだすなどして会社は安定、芸能界に多くのコネクションを張り巡らし、田辺エージェンシーは、業界内で隠然たる一大勢力を形成するにいたります。

 そして現在、所属タレントは決して多くはないものの、永作博美さんや堺雅人さんなどの大物役者を抱えつつ、そのトップになお立つ田辺社長は、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏(故人)、バーニングプロダクションの周防郁雄氏などと並び称される「芸能界のドン」として知られるようになりました。

 マネジメント側に回ってからはメディアに顔を出すことなどほぼなかった田辺社長ですが、2017年にかまやつひろしさんが亡くなった際、そのお別れの会において、ザ・スパイダースが再結成! 代表曲「フリフリ」などを披露したバンドの後方にはなんと、ドラムを叩く田辺社長のお姿がしっかりあり、業界内がおおいにざわつきました。なんてったって、“芸能界のドン”がドラムを叩く姿なんて、そうそうお目にかかれるものじゃありませんから……。

 ちなみに田辺社長は1991年、当時田辺エージェンシーに所属していた小林麻美さんと結婚されています。小林さんは当時38歳、洗練された雰囲気の都会派のモデルとして、そして松任谷由実さんが詞を書いた楽曲「雨音はショパンの調べ」(1984年)のヒットなどもある歌手として活躍中でしたが、まあ、ありていにいえば、所属プロの社長である田辺さんとできちゃったわけですね。当時田辺社長は50代前半。長い交際期間を経てのことといわれていますが、この結婚を機に小林さんは芸能界を引退、子育てに専念されることとなりました。

 ところがそんな小林さんが5年前、まさかの大復活を遂げます。まさに「有吉・夏目熱愛妊娠騒動」の直前に当たる2016年7月、マガジンハウスが発行するアラフィフ向けファッション誌「クウネル」の表紙を突如飾られたのです。このとき小林さんは60代前半。この一件にも芸能界はざわつきましたねー。「え? 田辺社長的にこれってOKなの? さすが芸能界のドンは懐が深いねー」なんて。

日刊スポーツの「夏目三久アナ妊娠」のニュースに、芸能界のドンは激怒した

 さてさて、そんなわけで、有吉さんと夏目さんの一件です。

 売れるタレントを見きわめる抜群の“選球眼”をお持ちで、ここぞというときは権力を駆使してでもそのタレントをプッシュしていく辣腕で現役感バリバリの田辺エージェンシー・田辺社長は、夏目三久さんを“逸材”だと見定めたのでしょう。

 夏目さんは2009年7月、コンドームを手にほほえむプライベート写真が「FLASH」(光文社)に掲載され、絶体絶命のピンチに陥ります。当時所属していた日本テレビで居場所をなくし、結果として2011年1月に退職、フリーに転身しますが……その所属プロが田辺エージェンシーと判明したときの、業界内の驚きといったら! 「なるほどー、田辺さんところかー、セント・フォース(女子アナさんが多数所属し、10年ほど前には一斉を風靡した事務所です)とかじゃないのねー、さすが田辺さん」とかなんとか(笑)。

 そして夏目さんは田辺エージェンシーの所属となった途端、『マツコ&有吉の怒り新党』(2011年4月〜、テレビ朝日系)や『真相報道バンキシャ!』(2013年4月〜、日本テレビ系)、『あさチャン!』(2014年3月〜、TBS系)と、現在にもつながってくるレギュラー番組を多数獲得していきます。これには田辺社長以下、田辺エージェンシー全社挙げての手厚いサポートがあったのは明々白々で、このことだけでも、田辺社長がいかに夏目さんに目をかけていたかがわかりますよね。

 そんな夏目さんについての熱愛報道だったわけですから、もし田辺社長の知らぬところで起きたことであったならば、そりゃあ田辺社長も怒りますよね。うちの娘に手を出したのは誰じゃい! それをオレの許可なくニュースにするとはなんじゃい!てなもんです。

 とにもかくにも2016年8月、青天の霹靂のように報じられた「夏目三久アナが有吉の子ども妊娠」のニュース。しかし、テレビ、スポーツ紙の他メディアはなぜかこれを完全黙殺。駆け巡る「田辺社長激怒」の噂。

 でも、でもですよ? 日刊スポーツ側だって、それなりに確たる情報をつかんでいたはずなんです。そもそも、「熱愛」だけでなく「妊娠」とセットですよ? 普通ならば、女性タレントの妊娠をスクープするにしても、記者が産婦人科に通う当人の姿をキャッチし、親類縁者のコメントを取るなり事務所サイドに当てるなりして「確定情報」として報じられるのが一般的です。

 となると日刊スポーツは、誰からの情報をもとにこの件を報じたのか? 一説にはあの件は、夏目さんの友人とか親類とか、それなりに夏目さん本人に近い人からのリークだったのでは……なんて噂も当時、業界内を駆け巡りました。

 その後、夏目さんも有吉さんも報道を完全否定。これは、田辺社長の“お怒り”も踏まえて、おふたりがともに納得の上でなさった行動なのでしょうね……。

 とにかく報道から約3カ月後の11月、日刊スポーツは“正式に”誤報を認め謝罪。日刊スポーツ社内では、この件の責任者の更迭人事も行われたといいますから、社内でもよほどの大問題とされたのでしょう。以後、日刊スポーツは田辺エージェンシーをしばらく“出禁”となったといいます。

「有吉弘行・夏目三久結婚情報」を田辺エージェンシー側は、日刊スポーツに“だけ”情報を流した?

 そして5年後……。

 2021年4月2日付けのあるスポーツ紙の最終版に、「有吉結婚か」の見出しが踊ります。内容はといえば、「『最後の大物独身芸人』の1人に数えられる有吉弘行(46)の結婚情報が1日、浮上した」というもの。結婚相手には触れず、掲載は紙面のみ、ネット配信はナシ。何も知らされていなかった他メディアは後追いに走る。SNSも騒然。

 そしてその特大スクープを報じたのは……なんと、日刊スポーツ! え? なんで? 5年前に“誤報”でヤラかしたあの日刊スポーツが? どゆこと?

 そして同2日には、有吉さんと夏目さんが連名で、4月1日に結婚したことを互いの所属事務所を通じて発表……。

 前回の“誤報”のリベンジのために日刊スポーツが取材を頑張ったから? いえいえ違います。だったらこんな大ニュースなんですから、ネット中心のこのご時世、いきなりネットで報じてしまえばいいじゃないですか。しかし日刊スポーツはそうせず、“礼儀正しく”紙面で第一報を報じた。

 しかも、有吉さんのお相手が夏目さんであることも含めてご結婚を確定情報として最初に報じたのは、日刊スポーツではなく、4月2日夕方配信のスポーツニッポンなんです。そう、5年前のあの騒動の際、夏目さんによる「全面否定インタビュー」を掲載した、日刊スポーツの“永遠のライバル”です。

 これね、僕聞いたんです、どういうことなのか。答えは簡単。田辺エージェンシー側が、日刊スポーツに“だけ”情報を流したということです。

 わかりますかね、この構図。おそらく田辺社長は、要するにこういうことをおっしゃったわけですよ。

「5年前のときはいろいろあったけど、結果的に有吉とうちの夏目は結婚することになった。あの時はきっちり謝罪記事も出してくれたし、今回、第一報は日刊さんでいってくれていいよ。でもスポニチさんにもいろいろ義理があるから、あっちの顔も立つように、日刊さんは夏目の伏せてくれませんか。それから日刊さんは紙面だけで、ネットのほうはスポニチさんで、ということでどうですかね……」

 とまあ、要はこういうことだったんじゃないかと僕は推測します。であるとするならば、これこそ“ザ・芸能界”、大手芸能プロ、“芸能界のドン”のマスコミ操作術っていうわけです。

 こんな対応されたら日刊スポーツだって、「田辺さん、わかりました。ありがとうございます。それではそういう形で書かせていただきます!」ってなるじゃないですか。ねえ?

大手芸能プロとスポーツ紙の“持ちつ持たれつ”の関係…芸能メディアは芸能界のドンによって牛耳られている?

 ただし読者のみなさんに誤解してほしくないのは、スポーツ紙をはじめとする芸能メディア側が、なんでもかんでも大手芸能プロ側のいいなりだ……ということとは全然違うってことです。もちろんメディア側だって、芸能プロ側が書かれたくないことを書くことはありますし、ましてやタレントが犯罪を犯したともなれば、手加減なんてしません。

 けれどその一方で、取材だけではどうしても取れない情報というものがあり、芸能プロ側がそれをメディア側にこっそり横流ししてあげることによって、メディアをコントロールしていく、ということもあります。「あのとき情報をあげたんだから、今度はこちらのいうこと聞いてよ」とか「あの新人のインタビューをドカンと掲載してくれない?」といった感じですね。

 で、メディア側もそれをわかっていて、情報をもらうところはもらい、書くべきときにはきちんと書いて、上手に“お付き合い”している。「マスコミは芸能プロの言いなりだ」ってことではなく、「大手芸能プロによってメディアは牛耳られている」ってことでもなく、そういった相互依存のバランス関係のなかで成立しているのが、芸能プロと芸能マスコミの関係だってことですね。それを背景に感じながらニュースを読み解くのが、メディアリテラシーってことなんじゃないかなあと、僕は思うのですが。

 今回の件では、特に濃厚な形で、田辺エージェンシーとスポーツ紙との間のそうした関係が垣間見えたわけですが、今回のこれが、週刊誌でもネットメディアでもなく、“スポーツ紙”が舞台であった……というところが、古き良き時代の芸能界を感じさせられます。ひと昔前までの芸能界では、特大スクープを報じるのは決まってスポーツ紙でしたからね。田辺社長は芸能界やメディアを古くから知る人物であって、スポーツ紙との付き合いもそれはそれは長いでしょうから。だからこそ、今回の情報の出先はスポーツ紙であった、ということでしょうね。

 ちなみに、先ほど申し上げた“持ちつ持たれつの関係”というのは、“文春砲”の「週刊文春」や、昨今なんでもかんでも書き放題のネットメディアにはなかなか通用しないですね。「週刊文春」のスクープなんて、どんな大きな芸能プロであろうと、“握りつぶす”なんて不可能ですよ……。

田辺エージェンシー・田辺社長と、モデルとして大活躍中の妻・小林麻美さんとのご関係は?

 というわけで、アメとムチとを上手に使い分けてメディアをコントロールしている田辺社長なわけですが……こと奥さまのこととなると、なかなかそうでもないらしい……という情報も小耳にはさみました。

 先ほど説明した田辺社長の妻・小林麻美さんは、60歳を過ぎてから雑誌「クウネル」にてモデル復帰してからというもの、相変わらずのその美貌からこの世代の“カリスマモデル”となり、一方でオンラインセレクトショップ「Asami+」を立ち上げるなど、第二の人生を謳歌なさっているようです。子どもも独り立ちして自由な時間が増えた小林さんは、25年ぶりに再開した仕事が楽しくてしょうがないのでしょうね。

 2020年7月14日配信の「ミモレ」(講談社運営)のインタビュー記事で小林さんは、現在のご夫婦2人の生活について、こう答えておいでです。

「それぞれ自立した生活ですね。主人はまだ現役でバリバリ働いていますから、私は私で『すみませんけれど、適当にさせてもらいます!』という感じ(笑)」

 芸能界のドンとはいえ、家庭内ではいち夫。そもそもご結婚以前からの長いお付き合いの歴史のあるおふたりです。奥さまのコントロールは、メディアのコントロールほど容易ではないのかもしれませんね。

(構成=田口るい)

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

国会延長拒否しコロナ対策から逃げた菅政権が土地規制法案だけドサクサ強行採決へ! 沖縄の基地周辺から恵比寿・目黒まで監視対象

 野党から要求された会期延長を拒否した与党が、明日の閉会を前に暴挙に出た。問題だらけと指摘されている「土地規制法案」を本日、強行採決しようとしているからだ。 「土地規制法案」は自衛隊や米軍基地、原発など政府が安全保障上、重要だと判断した「重要施設」周囲約1キロや国境離島を...

パチンコは「勝ちたい気持ち7割」に「楽しむ気持ち3割」が重要… ドラフト1位入団の元プロ野球選手が「パチンコへの接し方」を熱弁

 創刊30周年を迎えた業界メディアのシークエンス。そのシークエンスは先日、公式YouTubeチャンネル「SEQUENCE CHANNEL」を立ち上げ、番組「ぱちんこに元気を」をアップした。

 番組の司会は、POKKA吉田こと月刊シークエンス発行人及び編集長の岡﨑徹氏。記念すべき第1回目は元気配達人として活動中の元プロ野球選手・パンチ佐藤氏がゲストとして登場し、パチンコにまつわるエピソードを語っている。

 1989年に熊谷組からドラフト1位でオリックス・ブレーブス(現オリックス・バッファローズ)に入団したパンチ氏は、高校卒業後の春休み、地元の駅前ホールでパチンコデビュー。機種名は不明とのことだが、初打ちで7~8千円のプラスだったという。

 ただ、亜細亜大学時代、社会人時代はパチンコに触れず。実家が裕福ではなく、熊谷組入社で給料を得られることになったパンチ氏は、その大切なお金でパチンコを遊技しようとは思えなかったそうだ。

 一方、社会人時代やプロ野球在籍時の同僚にはパチンコ好きがたくさんいた模様。朝イチから打ちに行くプロ野球選手も少なくなかったそうで、パンチ氏は動画内で試合前に打ちに行くのは良いことかもしれない…と、その持論を展開している。

 また、パンチ氏はとあるパチンコ好きで有名な一流投手の話題から、パチンコをする投手についての気持ちを代弁。その奥深さに野球好きの岡崎氏も、ただただ頷くばかりであった。

 そんなパンチ氏がパチンコを再開したのは、ニコニコ動画の番組出演がきっかけとのこと。『必殺シリーズ』『戦国乙女シリーズ』などがお気に入りだそうで、勝敗よりも、どちらかと言えば、それらに「会いに行く」スタンスだという。

 パンチ氏曰く、野球は、打ちたい気持ちが10割ではダメだそうで、それはパチンコも同じとのこと。勝ちたい気持ちが7割に楽しむ気持ちが3割、これが非常に重要なのだとも語っている。

 誰しも、パチンコ・パチスロを打つならば勝ちたい。大量出玉を、あるいは大量コイン獲得を目指してホールに入店、台に着席するわけだが、確かに勝利に徹する立ち回りをした場合、ふと楽しめていないと気が付くこともある。パチンコは“娯楽”であり、メンタルケアにも役立てられるもの。人生経験豊富な、パンチ氏ならではの解釈と言えるのではなかろうか。

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戸崎圭太「悔しいし情けない」“元相棒”ダノンキングリー安田記念(G1)制覇の心境吐露。ダノン軍団・エース川田将雅の「一発回答」に厳しい現実

 今春の日本ダービー(G1)を福永祐一騎手が35年ぶりに乗り替わりで制したように、昨今の競馬界はジョッキーを頻繁に替えることが当たり前に行われている。

 しかし、だからこそ逆にデビュー戦からずっとコンビを組んできた人馬は自然と注目され、ジョッキーの相棒に対する思いも必然的に強くなる。コンビを継続させるには「結果」を出し続ける他なく、その分、長くコンビを組んだ相棒から降ろされてしまった際の無念さは計り知れない。

 ましてやその後、“元相棒”が別の騎手で悲願のG1制覇を達成しようものなら……。

 先日の安田記念(G1)を川田将雅騎手がダノンキングリーで制した際、元主戦の戸崎圭太騎手は何を思ったのだろうか。

 2018年10月の新馬戦でコンビを組んだ戸崎騎手とダノンキングリーは、後にG1戦線で活躍するカレンブーケドールを負かしてのデビュー戦勝利。さらに3連勝で初重賞制覇となった共同通信杯(G3)では、2歳王者のアドマイヤマーズを撃破。あっという間にクラシックの主役の一頭に躍り出たコンビの門出は華々しいものだった。

 しかし、本番の皐月賞(G1)でキャリア初の敗戦を喫すると、続く日本ダービー(G1)では12番人気のロジャーバローズにまさかの逃げ切りを許し、クビ差の2着……。

 戸崎騎手にとっては前年のエポカドーロに続く、2年連続の2着とあって『競馬ラボ』で連載中のインタビュー企画『週刊!戸崎圭太』では「今年は俺だったのになぁ」と思わず本音を零している。この敗戦を機に戸崎騎手のダノンキングリーへの思いは、ますます強くなっていったようだ。

 だが、そんな思いとは裏腹に秋の毎日王冠(G2)で古馬を撃破し、いよいよG1獲りまであと一歩というところで、戸崎騎手が落馬負傷……。大ベテランの横山典弘騎手が代役を務めたが、G1勝利には手が届かなかった。

 一方で、右肘開放骨折という重傷を負った戸崎騎手は、半年以上の長期離脱を余儀なくされた。そんな中で心の支えになったのが「ダノンキングリーにもう一度乗る」という希望だったという。復帰後最初のG1騎乗となった昨年の安田記念で再コンビを組ませてもらった際は「ずっと待ってもらって、またG1で声を掛けていただいた。凄く光栄で幸せです」と感激した様子だった。

 しかし、戸崎騎手が「どこかでG1を勝ちたいと思っている馬」という強い気持ちで挑んだものの、今度はダノンキングリーの方がスランプに……。安田記念でキャリア初の掲示板外となる7着に敗れると、秋の天皇賞では3番人気に推されながらも最下位という信じられない敗戦を喫してしまった。

 その後、ダノンキングリー陣営が出した結論は「ダノン軍団」のエースである川田騎手への乗り替わりだった。その決断は見事功を奏し、今年の安田記念では8番人気の低評価を覆してマイル王グランアレグリアを撃破。待望のG1初制覇を飾ったのは、つい先日のことだ。

 そんなダノンキングリーにとって最高の瞬間を、同レースに出走していたトーラスジェミニの鞍上で見届けた戸崎騎手は何を思ったのだろうか。11日に更新された『週刊!戸崎圭太』で思いの丈を語っている。

「正直、悔しいですし情けないのが本音ですね……」

 詳細はぜひ本インタビューを拝読していただきたいが、元相棒の悲願達成は戸崎騎手にとっても喜ばしいことであった一方、やはり1人の騎手としての自身の不甲斐なさに思うところがあったようだ。

 今後、ダノンキングリーのオーナー「ダノックス」が絶大な信頼を寄せる川田騎手が一発回答した以上、戸崎騎手が再びダノンキングリーに騎乗するのは困難を極めることだろう。

 しかし、大一番で会心の騎乗を見せた川田騎手でさえ、昨年12月には自身が主戦を務めていたダノンスマッシュがR.ムーア騎手の手で悲願のG1初制覇を成し遂げるという“屈辱”を味わっている。

「僕も上手くならないといけないし、改めて結果を残せるジョッキーになりたいですね」

『週刊!戸崎圭太』のインタビューで、そう前を向いた戸崎騎手。乗り替わりが活性化し、弱肉強食の色がますます強くなっていく競馬界で、果たしてどんな逆襲を見せてくれるのだろうか。乗り替わりが多いということは、逆にチャンスも多いということに他ならない。(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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 現在のパチンコシーンでは強力な出玉性能を持つマシンが目立つ。1種2種混合機の爆裂連チャンタイプや小当りラッシュ搭載機などバリエーションも様々だ。

 特に2021年登場の新台は派手な出玉報告が多い印象だ。『ぱちんこ GANTZ 極』などは「1日11万発」の報告も存在し、大きな話題となった。

 その他『ぱちんこ ウルトラマンタロウ2』や『Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ2』など、続々と登場する強力な新台には勢いを感じざるを得ないが…。

 その中でも一際目を引くマシンは5月24日に登場した新台『Pベルセルク無双』である。

 本機は大当り確率1/ 319で確変ループタイプの小当りラッシュ搭載機。確変突入率と継続率は共に75%となっており、強力な連チャンを期待できるスペックだ。

 特筆すべきは小当りラッシュの性能である。大当りまでの出玉増加が平均で約1000発といわれており、大当り約1000発と合わせれば一連の流れで2000発近い出玉が75%でループするのだ。

 そんな本機へ導入前より多くのユーザーから期待の声が寄せられ、YouTube上の「紹介動画」「解説動画」などは大きな盛り上がりを見せていた印象である。

 その中でも特に目を引く動画が「きむちゃんねる」の『「青山りょう初めてのドッキリ!!」〜Pベルセルク無双導入直前SP〜 』だ。

 本動画は『Pベルセルク無双』の解説実戦が核となっているが、パチンコ・パチスロ必勝本の美人ライター「青山りょう」へのドッキリ企画も兼ねている。

 同チャンネルを仕切るレジェンドライター「木村魚拓」とジャンバリ.TVの黒バラ軍団エース「ジロウ」が仕掛け人。2人の演技も見どころといえる。

 ドッキリの内容は実戦中にスマホで遊ぶ「ジロウ」を「木村魚拓」が注意。次第に激怒し状況は激化した後に「青山りょう」に飛び火するというもの。自然体が魅力の「青山りょう」が、どのようなリアクションとなるかが見所となる。

 動画コメント欄には様々な意見が見受けられるが、満足した視聴者は多い様子。「リアクションが可愛い」「新鮮で面白かった」という声が目立つ。

 ドッキリの内容も好評だが、解説実戦も見せ場が豊富だ。特に動画後半では小当りラッシュの出玉対決も収録されており、本機の魅力が詰まった構成となっている。

 気になる方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかかだろうか。

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【前田日明インタビュー 】大地震、コロナ、国防、売国行為…自著に込めた「為政者・マスコミへの怒り」

 元プロレスラー・格闘家の前田日明が上梓した『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』がいま話題となっている。政治意識が高く、博識で知られる前田が、南海トラフ、コロナ、尖閣、竹島、国防といった日本の喫緊の問題に対して舌鋒鋭く、歯に衣着せぬ言葉で切り込んでいるからだ。

「中国に対して、尖閣は日本の領土だとなぜ言えないのか!」
「韓国に対して、竹島は日本の島だとなぜ言わないのか!」
「世界第3位の経済大国日本なのに、なぜ、まともな休業補償ができないのか!」
「今年、地震が多発しているのになぜ、南海トラフ地震対策を進めないのか!」

 日本のトップたちはこういった国民の声を平気で無視し、その一方で外国からの無理難題には譲歩を繰り返している。

 日本の問題点とは何か? 日本の再興のためには何が必要なのか? そして、自著を通して訴えたかったこととは? 前田日明に聞いた。

外国に甘く、自国民を苦しめる日本の権力者たち

 「普通に考えていろんなことがいまの日本はおかしいと思いますよ。“失われた10年”と言われたのが30 年も前で、いまや“失われた30年”と言われている。じゃあ、この30年間、日本の政治家たちは何をしてきたのか? 何もしてこなかったってことでしょ。それどころか、彼らがやったことって、やれ郵政民営化だ、やれTPPだ、やれカジノだってだけで、これって全部、日本の資産の切り売りですよ。日本の経済復興のためには30年間なにもしなかったくせに、外国人のためには最大限の便宜を図るってどういうことですか? 俺は日本の国民であれば誰でも思う怒りと疑問を普通に言っているだけですよ」

 本の中でも語っているように、前田は日本を批判しているわけではない。あくまで日本のために、日本のトップ、具体的には政治家と官僚たちの不誠実な行動、日本の国益を無視するかのような発言を問題視している。なぜ、自分の生まれ育った国を豊かにしようという発想で動かないのかと。

「郵政民営化は結局、日本人の金融資産を外国人の金融屋にくれてやったようなものになったでしょ。TPPも、ISD条項があるままで日本に導入するのは危険ですよ。そして、カジノ。国の法律で禁止されているギャンブルがなぜOKなのか? しかも、日本人で賛成している人間なんて俺は見たことない。なのに、それがなんで国会を通っているのか? いまのコロナ対策だってそうでしょ。国民にもっと給付金を出せばいいのに、なぜか出さない。アメリカやカナダなんか何回も出してますよ。あの韓国でさえ、収入の70%、80%の給付金を出しているのに、なぜか、日本は出さない。日本は世界第3位の経済大国でしょ。対外資産を世界で一番持ってる国でしょ。それがなぜ休業補償をたった1日6万円しかださないのか? 俺が言いたいのはそういう当たり前の話ですよ。

 東京都を訴えたグローバルダイニングの長谷川(耕造)社長が記者会見で怒っていたけど、あれが真っ当な反応ですよ。“去年は国の言う通り、真面目に休業しました。そしたら20億円の負債を抱えることになりました。自分で調べてみたらロックダウンと感染にはあまり関係ないことがわかりました。なので、都が出した時短命令には従えません。ここで閉めたら従業員と取引先の生活が守れません”って。これのどこが間違っているのか? そしたら、都はグローバルダイニングを狙い撃ちで施設の使用制限命令を出したでしょ。『お前ら、お上に逆らったな。どういう目にあうか、教えてやる』って。なんだ、これは!って。これが日本のトップのすることなのか!って」

コロナ禍の対応はもはや「インパール作戦」

 前田の怒りは当然だろう。ゼスト、モンスーンカフェなどを傘下に持つ飲食チェーン「グローバルダイニング」はそもそも国や都に逆らうつもりなどなかった。事実、昨年は非常事態宣言を受けて休業もしている。ところが、それでは従業員も取引先も守れないために、今年、都の要請を断っただけなのだ。しかし、怒った都は事実上の休業命令である時短命令を出してきた。それもほとんどがグローバルダイニングの店舗ばかりを狙い打ち(33店舗中23店舗がグローバルダイニング系列)。だから、グローバルダイニングは仕方なく都を訴えることにしたのである。

 「完全に見せしめですよ。しかも、都はいろんな理由をつけて休業補償を払ってないらしいんです。そもそも1日6万円でどうしろっていう話であって、結局、この国のトップの考え方の基本にあるのは『我慢しろ』なんですよ。

 この本でも書いたけど、日本の政治家や官僚たちの考え方には昔から『お上の言うことだから黙って聞け、庶民は我慢しろ』というのがあって、実際、今回のコロナ禍の対応って全部そうでしょ。戦時中と何も変らない。インパール作戦ってあったでしょ? 約9万人の兵隊に食料も持たせずに、200キロの行軍をさせた最悪の作戦。あれはほとんどが戦場に着く前に餓死と自死。敵と戦って死ぬならまだしも餓死したり、仲間の足手まといになりたくないって言って自死してる。そんな作戦を平気で命じることができた感覚と、いまの東京都の感覚は同じ。昔となにひとつ変わってない」

 さらに前田は指摘する。このコロナ禍で多くの飲食店及びその取引先が苦しんでいることを。しかし、そのニュースがほとんど報道されない不可解さを。

 「ほとんどニュースになっていないけど、去年からの自粛要請、休業要請で自殺者って激増してるんですよ。俺の知ってる銀座の老舗のバーのマスターは『私が知ってるだけで去年1年間で20人の銀座のホステスさんが自殺しました』って憤っていたよ。それもシングルマザーが多くて、子供と一緒に無理心中。

 関東圏内の電車の駅のホームからの飛び降り自殺だって、いまもう毎日ように起こっている。だけど、それもニュースにならない。『人身事故で電車が止まりました』といったアナウンスがあるだけ。

 おかしいのが、いま駅には『転落事故が増えてます』という、酔っぱらいがホームをフラフラ歩いているイラスト入りのポスターがあちこちに貼ってあること。あれを見ると、ただの酔っ払いがホームに落ちただけだってどうしても思ってしまう。だけど、転落事故が起きてるのって多くの場合、平日の昼間。普通だったら、そんな時間に、いい大人が泥酔するまで酒なんか飲むわけないでしょ。仕事もなくて酒に逃げるしかなくて、その挙げ句、ホームに飛び込んでいるんですよ。だけど、そういう報道はない。あくまで転落事故で済まそうとしているし、そこを掘り下げようという媒体もない」

「日本人たちの悲鳴」を報じようとないマスコミ

 政治家や官僚だけでなく、日本のメディアにも問題があると前田は語る。特にテレビの質の低下についてはすでに報道機関としての機能を失っていると指摘する。

 「昔の報道はもう少しちゃんとしてたと思いますよ。例えば昭和30年代に、時短要請みたいなものが出たらもっと騒いでます。ジャーナリストが出てきてコメントして、専門分野の人間が事件の背景からなにから多角的に解説していました。それを見て視聴者は自分の経験と照らし合わせながら知見を広めることができたんですよ。ところが、いまはコメントを出すのがジャーナリストの代わりにお笑い芸人で、専門家にしても聞いたこともないような大学の講師みたいなのが出てきてデータも出さずに意見だけを言う。その挙げ句、メインキャスターがタレントやアイドルってどういうこと? そして、一番の問題は、彼らが全員プロダクションに入っていること。だから、テレビのディレクターの言うことには逆らえない。『こういうことを言わないでください』と言われたら黙ってそれに従うような人間ばかりで固めているからまともな報道にならないんですよ。

 で、こういうことを言うと、決まってテレビ側は『話を大きくして社会不安を起こしちゃいけない』からと言い出すけれど、だったらジャーナリズムって何なの? カタストロフィ的な社会不安を起こさないために、保険的に人々の知見を広めるのがジャーナリズムでしょ。ところが、いまは逆にカタストロフィに向かって真っ逆さまに落ちている。日本にはまともな政治家や官僚だけでなく、まともなマスコミもいない。だから、日本人がどれほど悲鳴を上げていても、その声が大きくなっていかないんです。逆に、いまマスコミがしていることは人々の悲鳴の火消しをすること。やっぱり『我慢しろ』ですよ」

 コロナ禍のことだけでなく、前田は南海トラフ地震についても懸念している。

 南海トラフ地震とは、伊豆から宮崎にかけての海溝が崩れることによって起きる巨大地震で2013年頃からあと30年以内に80%の確率で起きるといわれてきた。ところが、日本の政治家、官僚たちはやはりまともな地震対策を進めてこなかった。

 「これはもう何十回もいろんなところで言ってますけど、来るか来ないかわからないような地震ならいいんですよ。来たら不運だったなで済むわけだから。でも、南海トラフは違うでしょ。地震学者が全員口を揃えて『来ます』と言ってるんです。それも今回来るやつは周期的に一番恐ろしい、デカいヤツが来そうで、京都大学の土木研究の権威、藤井聡先生は『南海トラフと同時に、もしくはその前後に首都直下地震と富士山噴火もありえる』と言ってるんですよ。もし、本当にそうなったら太平洋沿岸は全滅して、日本は終わる。流通も寸断されて海外から救援物資が来たって輸送もできない。それでなくても食料自給率が20、30%の日本はアッという間に干上がって一週間もしないうちに食料の奪い合いが始まるのは目に見えている。

日本はなぜ、自分の国を守ろうとしないのか

 被害者だってどれだけ出るか。南海トラフは少なく見積もっても30万人が死ぬかもしれないという学者までいるんですよ。30万人がどれだけの数字かというと、東日本大震災の犠牲者は1万5000人ですよ。ということは、南海トラフはその20倍以上の規模の震災という想定となる。しかも、これは少なめの想定で、地震が通勤ラッシュの時間帯に来たらどうするのか? 満員電車に乗ってた人はほぼアウトですよ。地下街だって水没する。特に大阪の場合は8メートルの津波で生駒山までが水没するという計算がもう出てる。要は大阪平野が全滅するってことですよ。あと、高知では34メートルの津波の可能性がある。34メートルといったら11階建てのビルを超える高さで、それが地震発生から2分から3分で来る。そんなのどうやって逃げるのか? 伊豆、静岡、伊勢、和歌山南部といった辺りも壊滅状態になる可能性もあって本当に30万人で済むのか?というレベルですよ。ヘタした100万人を超えるかもしれない。

 懸念はまだあって、これは極端な話かもしれないけれど、救援の名目で来た外国の軍隊がもしも居座ってしまったらどうするのか? 中国だったらやりかねないでしょ。そうなったら日本は事実上、外国に乗っ取られて国がなくなりますよ。現実的な話でいえば、二束三文になった日本の土地や資産を外国企業が買い漁ることは間違いない。そうなったら日本はもう立ち直ることはできないですよ。日本人がいくら頑張って復興しようとしても全部、おいしいところは外国に持っていかれる。それでも、国は何もしない。マスコミも何もいわない。

 いまのマスコミはどうかしてますよ。彼らはずっと『宮崎沖の日向灘とトカラ列島に地震が来たら南海トラフの前兆です』と言ってきたのに最近、トカラ列島と南海トラフは関係ないと言い出している。これは国民に対する裏切りですよ。なぜなら、4月にトカラ列島の群発地震が起きてるから!『ついにトカラに異変が起きたぞ。南海トラフ対策はどうなってるんだ』って騒ぐのが普通なのに、なかったことにしようとしている。じゃあ、これまで20年近く前兆だって言ってきたのは一体何だったんだ!って。ずっと嘘をついてきたのか! もう、こういう話ばっかりですよ、いまの日本は」

 不思議なのはなぜ自分の国なのに守ろうしないのか、だ。守りたくてもその金がないというのであればまだわかるが、前田が言うように日本は世界に冠たる経済大国であり、世界一の債権国家なのだ。いくらでもやりようがあるはずだろう。

国民1人当たり約100万円の借金の真相

 「なぜ、政治家も官僚も何も対策をしないのか? それどころか、国土強靭化の予算を年々減らしてるのはなぜか? それは財務省がずっと『国債を発行したら国が破綻するから』という財政均衡論が振り回しているからですよ。本来であれば、国債をバンバン発行して、その金で国土強靭化も地震対策も進めればいいんです。景気対策にもなるわけだから。MMT理論を読めば、それが可能であることは誰にだってわかる。当たり前でしょ。銀行から融資を受けずに経営している企業がどこにありますか、という単純な話なんだから。ところが、財務省は絶対にそれを認めない。財政均衡論。これがいまの日本のガンなんですよ」

 MMT理論を簡単にいえば「現在の日本が円建ての国債を発行している限り、財政破綻はありえない」というもので、その理由は通貨発行権を自国で持っているからだ(またハイパーインフレに対する懸念は前田氏が後述)。財政均衡論とは、「いわゆる国の借金が1200兆円になりました。国民1人当たり約1000万円の借金です」というレトリックに象徴されるもの。しかし、これは国民の借金ではなく、政府の借金であり、国民はお金を貸している側。債権者側であって「国民1人当たり約100万円の借金です」というのはデタラメだ。すでに多くの国民がこのことを理解しているのに、いまだに財務省をその立場を崩さない。彼らはわかっていて嘘をついているのか? 政治家たちもわかっていてそれに乗っているのではないのか?

 「財務省のエリートたちはMMT理論を理解しています。なぜなら、アメリカの格付け会社のムーディーズが日本の格付けをA2に落とした時、財務省は『先進国の自国通貨建て国債のデフォルト(財政破綻)は考えられない』『日本はハイパーインフレの懸念はゼロに等しい』と言って抗議しているから。だから、彼らはMMT理論も、財政均衡論の嘘も全部わかっている。わかっていながら、国内に向かっては『国債を刷り過ぎたら財政破綻する』と言い、海外向けには『そんなことは起こらない』と二枚舌を使っている。

 そもそもMMT理論の提唱者の1人、ステファニー・ケルトン氏は日本こそがMMT理論の実践者だったと言っているんですよ。事実、小泉首相時代の日本は400兆円の特別会計、裏会計で実質回していたでしょ。それをいろいろ突かれていまは縮小させているけど、そうじゃなくて、全部表に出して表と裏合わせて450兆円で日本を回せば、いますぐにだって経済復興は可能となるだろうし、地震対策だってできるでしょ! 

 これは本気でやれば十分にできる話だと思いますよ。なのに、官僚も政治家もやらない。逆に彼らがやっていることといえば、日本を切り売りしているのかと疑いたくなるようなことばかりでしょ?

日本のメーカーを見捨て、海外のメーカーを援助する不条理

 例えば、台湾の半導体メーカーTSMCの日本誘致の話は相当デタラメですよ。この前、経済産業省はTSMCに5年間で190億円の援助を決めてたけど、それならなぜ日本のメーカーを援助しないのか? 日本の半導体はダメだ、ダメだと自虐的なことばっかり言ってるけど、F22やF35といった最先端の戦闘機に搭載されているアレイレーダーのチップを作っている会社が日本にあるでしょ。その会社は赤字で倒産間際だけど、なぜ、助けてあげないんですか? ほかの国だったら、国家をあげて保護してますよ。日本だけでしょ。自国の技術を平気で海外にくれてやってる国は。財務省は「日の丸半導体の復興」とか言ってるけれど、何を言ってるのか! あなたたちが一生懸命誘致したTSMCはさっき言ったアレイレーダーのチップを作ってる、あの半導体メーカーを買収しようとしてますよ。190億円の使い道ってこれですよ。日本の最先端技術を守らないどころか、TSMCに食わせようとしてるって何を考えてるんだ! これは控えめに言っても売国行為ですよ。実際にはすでに日本の切り売りを始めてるんです、彼らは」

 5月31日、経済産業省は台湾の半導体メーカーTSMCに対して5年間で190億円を拠出することを発表した。年内にはTSMCと日本の国内メーカー20社が参加して筑波に研究開発拠点を作ることも決まっており、経産省はここから日の丸半導体の復興が始まると意気込んでいる。しかし、多くの識者たちは日本の半導体技術が盗まれ、技術者の流出を招くだけだと大きな懸念を表している。さらに、190億円という金額は研究開発費としては少額でEU、アメリカ、中国では半導体メーカーの誘致には数千億円から兆を超える予算を計上している。そのため、今後、経産省は予算の増額を言い出すことも心配されている。

「TSMCの誘致を肯定しているのは日経とかの大手メディアだけですよ。テック系のメディアはどこも批判しています。日の丸半導体の復興なんか幻想。日本の半導体技術をすべて持っていかれるだけ。TSMCは研究開発なんかしないで日本の技術者のリクルートをするだけだって。その通りだし、経産省だってわからないわけないでしょ。それでもやるっていうことは利権があるからでしょう。

 結局、そういう金にぶら下がってパーセンテージをもらっている輩が議員にも官僚にも多いんですよ。

 例えば、○○議連ってのがいろいろあるでしょ。あそこには年間10億円ぐらいの予算が出てるらしいんですけど、議連が何をしているのかといえば、何もしていない。ちょっと会議に出るだけで年間数億円が懐に入ってくる仕組み。だけど、この議連に入らず、一番仕事していた人間を俺は知ってますよ。(アントニオ)猪木さんです。事実、猪木さんが一番あの国と交渉してたでしょ。だけど、猪木さんはあんな議連には入りたくないって言って入らなかったんですよ。だから、腐った議員もいれば、キレイな議員もいる。しかし、だからといって政治家の自浄に期待しても埒が明かないと俺は思ってます。ここはどうしても国民が声をあげるしかない。俺たちが黙っていたらもっとひどいことになるだけ。ここは俺たちの国なんだから、俺たちの手で守るしかないと思って声をあげていくしかないんですよ。俺はそう思ってこの本を書いたんです」

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川田将雅「大物ダノン」にG1馬の相!? 安田隆行調教師「カナロアによく似ている」と絶賛! 豪華デビュー戦で未来の「2歳王者」誕生か

 先週に引き続きG1のない中央競馬だが、6月から始まった新馬戦は今週も熱そうだ。

 20日に行われる阪神5Rの芝1600m戦は、3連勝で阪神JF(G1)を制したショウナンアデラの初仔ショウナンハクラク(父フランケル)や、名繁殖ニキーヤの一族で近親にゴールドアリュールやペルシアンナイトのいるリーブズオブグラス(父エピファネイア)などが出走を予定している。

 中でも注目したいのは、ロードカナロア産駒のダノンスコーピオン(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)。鞍上には川田将雅騎手を配し、盤石の態勢だ。

 川田騎手といえば、今年はG1で3勝。内2勝は冠名「ダノン」で挙げている。

 3月には、ダノンスマッシュで高松宮記念(G1)を勝利。2歳新馬戦が始まった6月初週にも、安田記念(G1)でダノンキングリーが8番人気ながら大金星を挙げた。

 今週の新馬戦に登場するダノンスコーピオンはケイアイファーム生産で、庭先取引にてダノンの冠名で知られるダノックスが購入。ダノンのケイアイファーム生産馬といえば、これまでダノンスマッシュ、ダノンプレミアム、ダノンバラードなど、活躍馬が多数いる。

 ケイアイファームといえば、愛馬会法人であるロードサラブレッドオーナーズの主要牧場。冠名「ロード」で知られるロードホースクラブの出走馬にケイアイファーム生産馬が多いのはそのためだ。

 しかし、その好走確率はダノックスの購入馬が大きく上回り、昨年までの近5年を振り返っても差は歴然。勝率ではロードホースクラブが9.5%であることに対し、ダノックスは22.7%と倍以上の確率で勝利している。

■ケイアイファーム生産馬 2020年までの近5年オーナー成績
(勝率、連対率、複勝率)

ロードホースクラブ【107-108-108-798/1121】
9.5% 19.2% 28.8%

ダノックス【17-9-3-46/75】
22.7% 34.7% 38.7%

 中でもダノンスマッシュは17勝の内10勝を挙げているが、今週出走するダノンスコーピオンと同じ安田隆厩舎の所属馬。父も同じくロードカナロアで、重なる部分は多いといえるだろう。

『スポーツ報知』のPOGブログでは、安田隆調教師がダノンスコーピオンについて「カナロアによく似ているんですよ。性格もおとなしいですしね」とコメント。ロードカナロアに似ているということからも、マイル辺りまでの距離で活躍が見込めそうだ。

 川田騎手の2歳戦といえば、2017年にダノンプレミアムで朝日杯FS(G1)を優勝。昨年はダノンザキッドでホープフルS(G1)も勝利している。

 3週目の新馬戦で、早くも登場するダノンスコーピオン。今年も川田騎手が、2歳G1戦線に旋風を巻き起こすかもしれない。(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

元都庁幹部の小池都政“暴露本”、職員の間に激震…都庁内の書店“レジ裏”で平積み販売

 15日、東京都庁第1庁舎の2階の書店でのこと。「すいません、この本、置いていませんか?」と手に持ったスマホの書影を書店員に見せると、レジ裏に平積みされた本の山から一冊の本が取り出されてきた。東京都総務局人事課長や中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任した元都庁幹部、澤章氏が著した『ハダカの東京都庁』(文藝春秋)だ。同店内の書棚にはかつて都庁内を震撼させた大宅壮一ノンフィクション賞受賞作『女帝 小池百合子』(石井妙子著、同)ですら平積みされていたが、なぜか『ハダカの東京都庁』は1冊も見当たらなかった。

 実は同日、「文春オンライン」(同)に掲載された記事『西新宿から「職員が死にそうだ」とうめき声が…… 元幹部職員が明かす、小池百合子が招いた東京都庁の悲惨な「緊急事態」』冒頭で、澤氏は前述の自著の出版に関して次のように記していた。

「西新宿の都庁第一本庁舎の2階には書店が入っている。今頃、『ハダカの東京都庁』はちゃんと並べられているだろうか、ちょっと心配である。

 というのも、1年前の春に出版した拙著『築地と豊洲』は、発売当初こそ平積みにされたものの、いつの間にか店頭から消え、店員に尋ねるとレジの後ろからこっそり取り出してきたという話を都庁職員から聞いたことがあるからだ」

 どうやら澤氏の懸念の通りの事態が、都庁内で現出しつつあるようだ。実際、東京都職員はこの本をどのように受け止めているのだろうか。

「裏切り者の本は買ってはならない」

 澤氏の著作は東京メトロや、はとバスといった都内大手企業をも影響下に置く“都庁ホールディングス”の全体像と、その内部で行われる幹部職員の定年後の“再就職”の実態、都庁記者クラブの内実、赤裸々な都庁職員の出世競争などをつまびらかにした意欲作だが、真っ向から小池百合子氏を批判しているわけではない。では、庁舎内の書店が書棚におけない理由とはなんだろうか。

 別庁舎で勤務する中堅職員は次のように話す。

「実際、みんなこっそり買って読んでいますよ。ただ第一庁舎の書店の書棚に置かれているのをレジに持っていくのを誰かに見られると困る。だから、書店さんが配慮して(レジ裏に置いて)いただいているのではないかと思いますよ。澤さんがご指摘されている通り、本を買っているところを見られでもしたら、政策企画局か総務局に通報されます。最近は、第一庁舎内では密告が常態化しているので、すぐ小池(百合子)知事の耳に入り、即人事異動の対象になるでしょうね。

 本の内容や書かれているファクトがどうこうというより、小池知事が気にしているのは“澤さんの著作”であるという点です。著作で指摘されていらっしゃいましたが、今の都庁は『裏切り者は絶対に許さない』という風潮だからです。つまり、『裏切り者の本』だからこそ『買ってはならない』のです」

 別の都の出先機関に勤務する若手職員は次のように語る。

管試同期(管理職試験に合格した同期職員)の出世競争の有様や、若手が世間からバッシングされることを防ぐため都職員であることを『隠す人』になりがちだという指摘はその通りですし、小池知事が(TBS系情報番組の)『ひるおび!』『ゴゴスマ』がお気に入りで、打ち合わせを止めて見入っているというくだりは読んでいて爆笑しました。知事室に『扉を開閉する係の職員がいる』なんていう話も、世間の人にとって見れば異様でしょうね。小池知事に関しても批判一辺倒というわけではないと思うのですが……。

 軽妙な筆致でありながら、今の都庁内の息苦しさを的確に示していて私は個人的に好感が持てましたが、“小池知事のイエスマン”と評された知事周辺の幹部は面白くはないでしょうね。築地市場と豊洲市場の内実を書かれた澤さんの前回の著作は、官房3局を中心に関係部局の職員を総動員したファクトチェック、いわゆる“あら捜し”が行われました。今回もまた同様の対応が行われているのではないでしょうか」

 果たして小池知事はこの本に対して、どのような感想を持つのか。ぜひとも知事と懇意にしている都庁記者クラブの報道陣には知事会見で聞いてほしいものだ。

(文=編集部)