8日、函館競馬場ではエルムS(G3)が行われる。
例年は札幌競馬場で行われる同レースだが、今年は函館開催の五輪シフト。イレギュラーな開催となるが、G1レースでも勝ち負けできそうな豪華メンバーが顔を揃えた。
通常は過去の同レースから傾向を探るところだが、コースが違えば結果も変わるのが競馬。函館のダート1700mは組まれるレース数も多いため、先週の結果を参考に予想を組み立てたい。
先週、函館のダート1700mで、馬券に絡んだ8番人気以下の馬は全て4枠より外。特に1~3枠は複勝回収率で落ち込んでおり、外目の枠を有利と考えたい。
■8月1日週の函館ダート1700m枠番別成績(複勝率、複勝回収率)
1枠【1- 0- 0- 6/ 7】14.3% 38%
2枠【1- 1- 0- 5/ 7】28.6% 58%
3枠【0- 1- 2- 8/11】27.3% 52%
4枠【1- 1- 2- 9/13】30.8% 95%
5枠【1- 0- 1-11/13】15.4% 175%
6枠【2- 1- 0-11/14】21.4% 80%
7枠【0- 2- 0-12/14】14.3% 66%
8枠【1- 1- 2-10/14】28.6% 85%
また、脚質的には前に有利な傾向。最後の直線距離は260mと短く、後方からの競馬では物理的に厳しい結果となっている。
■8月1日週の函館ダート1700m脚質別成績(複勝率、複勝回収率)
逃げ【2- 1- 0- 5/ 8】37.5% 300%
先行【3- 3- 5-11/22】50.0% 129%
差し【2- 3- 1-30/36】 16.7% 66%
追込【0- 0- 1-23/24】 4.2% 16%
捲り【0- 0- 0- 2/ 2】 0.0% 0%
4コーナー9番手以降で馬券に絡んだ馬も2頭いたが、どちらの馬もハイペースとなった8月1日の函館4R。ペース次第では届かないこともないだろうが、軸としては前の馬から入りたいところだ。
「◎」は、9番ヴェンジェンス。
気になるのは長期休養明けという点だが、陣営は「じっくり立て直しましたし、息遣いは悪くありません。稽古の動きも良くなってきましたから、スタートをさえ決めれば」と臨戦態勢は整っているといえるだろう。
昨年のフェブラリーS(G1)では10着と敗れたが、ハイペースに巻き込まれる形で中途半端に先行。4コーナーでは早くも手応えがなくなっていた。
幸英明騎手が「3、4コーナーで砂を被ると精神的に嫌がっていました」と話したように今回の外枠はプラスとなりそうで、引き続き同騎手が手綱を執ることも心強い。
一昨年のチャンピオンズC(G1)では、タイムフライヤー、ウェスタールンドに先着しており実績も十分。鉄砲実績もあるだけに、ここは好勝負となりそうだ。
「○」は、大穴で11番ロードブレス。
前走の平安S(G3)では13着と惨敗しているものの、騎乗した幸騎手が「敗因が分かりませんが、力のある馬なので巻き返してくれるはずです」と次走に期待していた馬。今回、幸騎手はヴェンジェンスに騎乗するため坂井瑠星騎手に乗り替わりとなるが、能力的には侮れないところだ。
6走前の日本テレビ盃(G2)では2着デルマルーヴルに2馬身差の快勝。続く浦和記念(G2)ではウェスタールンドに先着し、ダノンファラオのハナ差2着と好走している。
陣営は「前走は疲れが応えたんだと思う。調整は順調ですし、立て直した効果に期待したいですね」と語っており、力を出し切れば好走も可能と見た。
「▲」は、5番タイムフライヤー。
こちらは昨年のエルムS覇者で、その前には今回と同コースのマリーンS(OP)も圧勝している。
今年のマリーンSでは12着と惨敗を喫したが、陣営は「本来は折り合いに苦労する馬でもないのですが、前走は引っかかって厳しいレースになりました。叩いて状態は上がっていますから、巻き返しに期待したいですね」と一変を目論んでいる。
昨年のエルムSでは2着ウェスタールンドに2馬身差で勝利と、こちらも実績は上位。今回はC.ルメール騎手から武豊騎手へと乗り替わりとなるが、その手綱捌きに注目したい。
「△」は、6番ウェスタールンド、7番ソリストサンダーの2頭。
ウェスタールンドは、前走のプロキオンS(G3)が全く噛み合わず7着。関係者は「前走は時計が速過ぎましたね。追い上げていましたが、前も止まらなかったからね。今回は雨の予報もないですから、持ち味を発揮できると思いますよ」と語っており、昨年2着の実績からも巻き返し十分。枠が少し内の分、ここまでの評価に留めた。
ソリストサンダーは約半年の長期休養を経て、昨年夏に能力が開花。陣営は「かしわ記念(G1)は勝ったと思いましたが、惜しかったですね。その前のフェブラリーSにしたって、力負けというよりは位置取りの差でしょう。小回りの適性もありますから、そろそろ重賞タイトルが欲しいですね」と自信あり気だ。
ただ、同馬に関しては今回唯一の距離延長馬。これまでに走った重賞は全てマイル戦で、1700m以上の実績が乏しいことから押さえまでとした。
なお、人気しそうなところでは3番アメリカンシードを「消し」とする。
こちらはダート転戦後の3連勝が圧巻だったが、初のダート重賞となったマーチS(G3)が14着。前走の平安Sこそ2着と巻き返しに成功したが、勝ち馬オーヴェルニュに6馬身離された。
もともと芝を走っていた馬であり、前走の好走も重馬場の軽い馬場。アレキサンドライトS(3勝クラス)も不良馬場であったことから、まだ純粋な重いダートでの適性に不安が残る。
今回は雨予報もないだけに、思い切ってバッサリと切った。
以上を踏まえ、印は以下の通り。
◎9番ヴェンジェンス
○11番ロードブレス
▲5番タイムフライヤー
△6番ウェスタールンド
△7番ソリストサンダー
馬券は三連複で勝負。保険としてワイドも押さえておく。
三連複 フォーメーション
◎○▲-◎○▲-◎○▲△△ 7点
ワイド 流し
◎-○▲△△ 4点
○-▲△△ 3点
今回は頭数も14頭と少ないため、5頭まで絞った。
3連複は、人気となりそうなウェスタールンド、ソリストサンダーが同時に来ないことを祈った7点。ワイドは、ヴェンジェンス、ロードブレスの人気がなさそうなことから2頭から広めに拾うが「◎-○」なら万馬券もあり得るだろう。
(文=宍戸ハレ)
<著者プロフィール>
競馬好きというよりは予想好き。知的推理ゲームをこよなく愛する馬券狂である。券種は基本的に三連複とワイドだが、的中率より回収率重視で軸は殆ど人気薄という生粋の穴党。馬券が当たると異様にテンションが上がるも、年に数回だけという悲しい現実と向き合っている。