メルカリ、なぜ60代以上の利用者が急増?“NTTドコモ傘下入り”観測がくすぶる理由

 フリマアプリメルカリが8月12日に発表した2021年6月期の連結決算は、新型コロナウイルス下の外出制限を機に利用が増え、最終損益は57億円の黒字(前の期は227億円の赤字)だった。18年の上場以来初の最終黒字となった。オンライン記者会見した山田進太郎社長は「在宅時間の増加で出品が増えたことが大きかった」と述べた。

 売上高は前期比39%増の1061億円。主力の国内事業の売り上げが3割弱増えた。中高年の利用が増え、月間利用者数は12%増の1954万人にまで拡大した。国内の流通総額は7845億円と25%増加した。営業損益は51億円の黒字(前の期は193億円の赤字)。上半期(20年7~12月期)に広告宣伝費を抑制したことが利益を押し上げた。売上高販管費比率は72%と26ポイント低下した。

 売り上げが大幅に伸びたのは、新型コロナウイルス下、日米でフリマ利用者が急増し、これまで手薄だった中高年層の需要を取り込んだからだ。特に60代以上の利用者が1年前から4割増え、最近は中高年層の増加率のほうが高いという。60代以上はフリマ出品数が月平均6個。20代の約2倍だという。高額品の取引が増えた結果、取引件数や金額を押し上げた。

 携帯ショップやコンビニエンスストアなどと連携し、初めてフリマアプリを使う人向けに出品方法を指南する「メルカリ教室」を開いてきた。販促でも中高年の視聴が多いテレビ広告を強化し、需要の掘り起こしに力を入れた。広告や販売促進活動も見直した。既存の利用者から紹介を受けた人が初めて出品すると、両者にポイントを付与するキャンペーンを展開した。

 最大の懸念だった米国のフリマ事業の収益も改善した。株式報酬と減価償却費を除いた調整後営業損益は3960万ドル(約43億円)の赤字で、前の期(1億390万ドルの赤字)から赤字額が縮小。流通総額は11.7億ドルと72%増えた。手数料の上乗せも寄与して収益構造が改善した。21年4~6月期は四半期として初の黒字となった。ただ、22年6月期の米国事業の成長目標は20%増とし、21年6月実績(72%増)から大幅に減速する見通しだ。

 メルカリは18年6月、当時国内唯一のユニコーン企業(企業価値10億ドル、約1100億円以上の未上場企業)として株式を公開した。利用は増えたものの、広告宣伝費やキャッシュレス決済の消費者還元で出費がかさみ、年々、赤字幅が拡大。米国事業も伸び悩み、20年3月には株価が1500円台と上場直後の4分の1に落ち込んだ。金融など周辺サービスを強化して、ようやく利益が出やすい収益構造になった。収益の改善とともに株価は上昇し、21年2月には6400円と最高値を付けた。新興市場に上場している銘柄の株価が足踏みしていることもあってか、8月12日の高値は6180円だった。

 フリマアプリは楽天グループが「ラクマ」、ヤフーが「ペイペイフリマ」を提供するが、取扱高は思ったほど伸びていない。国内では「メルカリ一強」が続く。

国内スマホ決済市場は大乱戦

 課題はフリマに続く事業の育成と米国事業の伸長だ。フリマアプリの市場開拓した先行者利益を生かし、キャッシュレス決済「メルペイ」に参入した。メルペイは20年1月、経営難に陥ったスマホ決済のOrigami(オリガミ)を丸ごと買収し、本格展開に乗り出した。

 米グーグルが日本で送金・決済事業に本格参入する。スマートフォンの決済・送金のpring(プリン、東京・港区)を買収することを明らかにした。プリンの株主であるメタップス、ミロク情報サービス、日本瓦斯(ニチガス)がグーグルへの売却を正式に発表した。買収額は非公表だが、プリンの筆頭株主のフィンテック企業、メタップス(東証マザーズ上場)は約45%のプリン株の売却額が49億円だったと、情報を開示した。

 少数株主を含めた株式の譲渡価格は計100億円程度だが、これにプリン社員らが保有するストックオプション(新株予約権)や、買収に伴うプレミアム(上乗せ幅)を加味すると取得総額は200億円超になると見られている。株式の譲渡は8月末までに実行する予定だ。

 プリンは17年、みずほ銀行や伊藤忠商事などが共同出資して設立したスタートアップ企業である。手数料がかかる銀行口座間の送金とは異なり、銀行口座とひも付けたアカウントを通じて個人間送金や店での支払いが無料でできる。プリンのアプリはメガバンクなど50あまりの金融機関の口座と連携している。

 企業向けにも注力し、約400社に経費精算サービスを提供。アプリ上で企業側から受け取ったお金は、QRコードを使った支払いにも利用できる。利用者数は数十万人程度と少ないが、グーグルはプリンの送金機能や金融機関との連携を評価して買収に踏み切ったとみられる。資金力、技術力のあるグーグルの参入でモバイル決済は大混戦。ZホールディングスとLINEが統合するなど、規模の大きさが優劣を左右するようになった。

 メルカリは、これまで「巨大企業と正面切っての競争はしない」としてきた。フリマ市場というすき間で勝者となったメルカリが、モバイル決済という主戦場に参入したことで、逆に今度はメルカリが買収のターゲットになる、との分析もある。

 グーグルがモバイル決済に参入すると、打撃を受けるのは楽天グループの楽天ペイとメルカリのメルペイとみられている。メルカリとメルペイは20年2月、NTTドコモと業務提携したが、今後、資本提携に発展し、メルカリがNTTドコモグループの傘下に入る日は近いとの観測も広まっている。

【主なスマホ決済サービス】

サービス名   事業者          登録者・会員数

〈世界〉              

・Google Pay  米グーグル     1億5000万人

〈国内〉              

・Pay Pay     ZHD           4000万人

・Line Pay    LINE          3900万人

・R Pay       楽天グループ     5000万人

・d払い      NTTドコモ        3523万人

・au PAY      KDDI          2630万人

・メルペイ    メルカリ         1000万人

(文=編集部)

メルカリ、なぜ60代以上の利用者が急増?“NTTドコモ傘下入り”観測がくすぶる理由

 フリマアプリメルカリが8月12日に発表した2021年6月期の連結決算は、新型コロナウイルス下の外出制限を機に利用が増え、最終損益は57億円の黒字(前の期は227億円の赤字)だった。18年の上場以来初の最終黒字となった。オンライン記者会見した山田進太郎社長は「在宅時間の増加で出品が増えたことが大きかった」と述べた。

 売上高は前期比39%増の1061億円。主力の国内事業の売り上げが3割弱増えた。中高年の利用が増え、月間利用者数は12%増の1954万人にまで拡大した。国内の流通総額は7845億円と25%増加した。営業損益は51億円の黒字(前の期は193億円の赤字)。上半期(20年7~12月期)に広告宣伝費を抑制したことが利益を押し上げた。売上高販管費比率は72%と26ポイント低下した。

 売り上げが大幅に伸びたのは、新型コロナウイルス下、日米でフリマ利用者が急増し、これまで手薄だった中高年層の需要を取り込んだからだ。特に60代以上の利用者が1年前から4割増え、最近は中高年層の増加率のほうが高いという。60代以上はフリマ出品数が月平均6個。20代の約2倍だという。高額品の取引が増えた結果、取引件数や金額を押し上げた。

 携帯ショップやコンビニエンスストアなどと連携し、初めてフリマアプリを使う人向けに出品方法を指南する「メルカリ教室」を開いてきた。販促でも中高年の視聴が多いテレビ広告を強化し、需要の掘り起こしに力を入れた。広告や販売促進活動も見直した。既存の利用者から紹介を受けた人が初めて出品すると、両者にポイントを付与するキャンペーンを展開した。

 最大の懸念だった米国のフリマ事業の収益も改善した。株式報酬と減価償却費を除いた調整後営業損益は3960万ドル(約43億円)の赤字で、前の期(1億390万ドルの赤字)から赤字額が縮小。流通総額は11.7億ドルと72%増えた。手数料の上乗せも寄与して収益構造が改善した。21年4~6月期は四半期として初の黒字となった。ただ、22年6月期の米国事業の成長目標は20%増とし、21年6月実績(72%増)から大幅に減速する見通しだ。

 メルカリは18年6月、当時国内唯一のユニコーン企業(企業価値10億ドル、約1100億円以上の未上場企業)として株式を公開した。利用は増えたものの、広告宣伝費やキャッシュレス決済の消費者還元で出費がかさみ、年々、赤字幅が拡大。米国事業も伸び悩み、20年3月には株価が1500円台と上場直後の4分の1に落ち込んだ。金融など周辺サービスを強化して、ようやく利益が出やすい収益構造になった。収益の改善とともに株価は上昇し、21年2月には6400円と最高値を付けた。新興市場に上場している銘柄の株価が足踏みしていることもあってか、8月12日の高値は6180円だった。

 フリマアプリは楽天グループが「ラクマ」、ヤフーが「ペイペイフリマ」を提供するが、取扱高は思ったほど伸びていない。国内では「メルカリ一強」が続く。

国内スマホ決済市場は大乱戦

 課題はフリマに続く事業の育成と米国事業の伸長だ。フリマアプリの市場開拓した先行者利益を生かし、キャッシュレス決済「メルペイ」に参入した。メルペイは20年1月、経営難に陥ったスマホ決済のOrigami(オリガミ)を丸ごと買収し、本格展開に乗り出した。

 米グーグルが日本で送金・決済事業に本格参入する。スマートフォンの決済・送金のpring(プリン、東京・港区)を買収することを明らかにした。プリンの株主であるメタップス、ミロク情報サービス、日本瓦斯(ニチガス)がグーグルへの売却を正式に発表した。買収額は非公表だが、プリンの筆頭株主のフィンテック企業、メタップス(東証マザーズ上場)は約45%のプリン株の売却額が49億円だったと、情報を開示した。

 少数株主を含めた株式の譲渡価格は計100億円程度だが、これにプリン社員らが保有するストックオプション(新株予約権)や、買収に伴うプレミアム(上乗せ幅)を加味すると取得総額は200億円超になると見られている。株式の譲渡は8月末までに実行する予定だ。

 プリンは17年、みずほ銀行や伊藤忠商事などが共同出資して設立したスタートアップ企業である。手数料がかかる銀行口座間の送金とは異なり、銀行口座とひも付けたアカウントを通じて個人間送金や店での支払いが無料でできる。プリンのアプリはメガバンクなど50あまりの金融機関の口座と連携している。

 企業向けにも注力し、約400社に経費精算サービスを提供。アプリ上で企業側から受け取ったお金は、QRコードを使った支払いにも利用できる。利用者数は数十万人程度と少ないが、グーグルはプリンの送金機能や金融機関との連携を評価して買収に踏み切ったとみられる。資金力、技術力のあるグーグルの参入でモバイル決済は大混戦。ZホールディングスとLINEが統合するなど、規模の大きさが優劣を左右するようになった。

 メルカリは、これまで「巨大企業と正面切っての競争はしない」としてきた。フリマ市場というすき間で勝者となったメルカリが、モバイル決済という主戦場に参入したことで、逆に今度はメルカリが買収のターゲットになる、との分析もある。

 グーグルがモバイル決済に参入すると、打撃を受けるのは楽天グループの楽天ペイとメルカリのメルペイとみられている。メルカリとメルペイは20年2月、NTTドコモと業務提携したが、今後、資本提携に発展し、メルカリがNTTドコモグループの傘下に入る日は近いとの観測も広まっている。

【主なスマホ決済サービス】

サービス名   事業者          登録者・会員数

〈世界〉              

・Google Pay  米グーグル     1億5000万人

〈国内〉              

・Pay Pay     ZHD           4000万人

・Line Pay    LINE          3900万人

・R Pay       楽天グループ     5000万人

・d払い      NTTドコモ        3523万人

・au PAY      KDDI          2630万人

・メルペイ    メルカリ         1000万人

(文=編集部)

三井住友海上のCX戦略、成功の鍵は「パーソナライゼーション2.0」

三井住友海上のCX戦略とパーソナライゼーション2.0

コロナ禍で「対面営業」がなかなかできない状況にありながら、CX(Customer Experience=顧客体験) 戦略の成功により、特約セット率を大幅に増やした三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)。

成功の鍵は、顧客一人ひとりに最適化したメッセージやコンテンツを提供する「パーソナライゼーション」の進化にありました。

今回は同社のCX戦略をサポートしたサンデースカイ・ジャパン(以下、サンデースカイ)および電通イノベーションイニシアティブ(以下、DII)、三井住友海上のCX戦略を、「パーソナライゼーション2.0」というキーワードでひもときます。

サンデースカイの「パーソナライズド動画」が、従来型の「パーソナライゼーション1.0」の課題をいかに解決し、CX向上を実現したのか見ていきましょう。

※パーソナライゼーション2.0
Econsultancyの CEO、Ashley Friedleinが提唱するマーケティング手法。そのコンセプトは「シンプルで直観的で快適な体験をどう提供するか」「顧客が自らの意思で提供し、コントロールできるデータをもとに、どのようにコンテキストにマッチしたCXを実現するか」というもの。
 
※本記事は「Advertising Week Asia2021」内のセッション、「NewNormal時代における対面営業のありかたとは -三井住友海上でのCX戦略-」を再構成したものです。

<目次>
「パーソナライズド動画」の強みは「制作負荷の低さ」×「圧倒的な顧客体験」
AI分析で顧客ごとに最適なプランを導き出し、「動画」で分かりやすく提案
「MS1 Brain」でサービス品質の向上・均質化、営業活動の効率化を実現
▼顧客により良い価値を提供したいという思いが「パーソナライゼーション2.0」
<あとがき>電通の組織横断チームが「パーソナライズドされたCX」を実現する     

「パーソナライズド動画」の強みは「制作負荷の低さ」×「圧倒的な顧客体験」

【動画】
三井住友海上は、AIを用いた代理店営業支援システム「MS1 Brain」の力をさらに活用すべく、サンデースカイの「パーソナライズド動画」を導入。対面営業が困難なコロナ禍にもかかわらず、特約セット率の大幅アップを実現した。
 
 

青木:本日は三井住友海上のCX戦略についてお話ししていきます。最初に、自己紹介をお願いできますでしょうか。

本山:三井住友海上でデジタライゼーションの推進を担当している本山です。当社では保険事業の高度化のため、デジタルとデータの力でビジネスモデルをいかに変えていくかということを試行しています。そのための技術を習得する、あるいは投資をすることが私の役割です。

島村:サンデースカイ・ジャパンの島村です。三井住友海上とは2018年からお付き合いがあり、ようやく本日こうして一緒にセッションできて、念願がかないました。三井住友海上のCX戦略の中で、サンデースカイも一つの重要なパートを担わせてもらっていると思いますので、本日はその話をさせていただきます。

青木:ありがとうございます。最後に私、電通グループの中でも事業開発領域を担う電通イノベーションイニシアティブで、事業開発マネージャーをしている青木と申します。

本日ご紹介するのは、「パーソナライゼーション2.0」を実践したとも言える、三井住友海上のCX取り組み事例です。

例えば「メールの冒頭で顧客の名前を呼び、クロスセルやアップセルを提案する」ような、労力がかかるわりに効果が見合わなかった従来のパーソナライゼーションを「パーソナライゼーション1.0」とするなら、最新のテクノロジーとコンテンツと企業努力を組み合わせて、「本当の意味でのおもてなし」と言えるCXを実現しようというものが「パーソナライゼーション2.0」です。

まずは島村さんから、三井住友海上が導入したサンデースカイの「ビデオ・エクスペリエンス・プラットフォーム」についてご紹介ください。

島村:サンデースカイは「CXをパーソナライズする」ことに長年取り組んでいます。中でももっとも得意としているのが、顧客一人ひとりに最適化された動画を生成する「パーソナライズド動画」です。

動画は、文章と比べて圧倒的な情報伝達力があります。そんな動画を、ビジネスにおける顧客とのコミュニケーションにもっと活用したいというのが我々の出発点です。

「動画は、私たちの脳に直接働きかける力を持っている」と島村氏。従来の「文字」に頼ったコミュニケーションと比べて、動画によるアプローチがどのくらい大きくCXを改善するのかを解説した。
「動画は、私たちの脳に直接働きかける力を持っている」と島村氏。従来の「文字」に頼ったコミュニケーションと比べて、動画によるアプローチがどのくらい大きくCXを向上するのかを解説した。

島村:同じ情報を動画とテキストで伝えた場合、動画の方が6万倍速く脳内で処理され、テキストでは1割しか伝わらない情報も9割ほど伝わるといいます。また、1分間の動画では、言葉にすると約180万語に相当する情報を伝えられると言われています。

しかし現時点では、大半の企業が非常に多くの「文字」で顧客を圧倒してしまっています。企業もデータを活用して顧客ごとにメールを出し分けたり、ウェブサイトを細かく設定したりしてはいますが、それだけでは顧客との“つながり”、つまりエンゲージメントを維持することは難しい。“つながり”を失うと、さまざまな弊害があります。

54%の顧客は、企業に対して「顧客サービスについて根本から改善すべき」と考えているという。顧客が企業との“つながり”を失うと、「ブランドからのオファーを検討する可能性が低い」「他社と比べた価値やメリットを理解できない」「デジタルツールがあっても使おうと思わない」「ブランドを支持するモチベーションが持てない」という弊害がある。
54%の顧客は、企業に対して「顧客サービスについて根本から改善すべき」と考えているという。顧客が企業との“つながり”を失うと、「ブランドからのオファーを検討する可能性が低い」「他社と比べた価値やメリットを理解できない」「デジタルツールがあっても使おうと思わない」「ブランドを支持するモチベーションが持てない」という弊害がある。

島村:顧客との“つながり”を大事に育てていこうと思ったとき、動画は非常に魅力的なCXを提供できるツールです。しかし、特に日本の企業では「動画のマーケティング施策」がなかなか浸透しません。なぜなら、動画制作には「コスト」と「時間」がかかると思われているからです。

それに通常の場合、動画はつくったらそこで終わりです。なのに、すぐに情報が古くなってしまい、それを定期的にリバイスしようと思うと、そこでもまた「コスト」と「時間」がかかる。それだけコストと時間がかかる「動画」を、さらに顧客一人ひとりに向けて内容を変えて出し分けようと思うと、どの企業もそれは不可能だと考えてしまうのです。

それらの課題を解決するために開発したのが「ビデオ・エクスペリエンス・プラットフォーム」です。企業が持つ顧客情報を活用して、顧客一人ひとりにパーソナライズドされた「パーソナライズド動画」を、リアルタイムに生成するサービスです。

このプラットフォームでは、あらかじめ用意されたフレームワークに、自社の持つ顧客情報を組み合わせるだけで動画ができるため、ゼロからつくるより大幅に「コスト」と「時間」を削減できます。「シーン・テンプレート」を組み合わせるだけで、色や文字のフォントなどもアレンジでき、企業ごとに自社商品のトーンに合わせてカスタマイズされた動画を簡単に生成できます。

【動画】
AMEXがサンデースカイのパーソナライズド動画を使用した例。「アーロン」「サラ」「マット」という3人の顧客に対して送付された動画で、顧客それぞれにパーソナライズされている(ナレーションは左側の「アーロンさん」の動画の音声)。あらかじめ用意されたテンプレートと顧客データを組み合わせるだけで、リアルタイムに「その顧客に最適化されたパーソナライズド動画」が生成され、送信できる。さらにカスタマイズも容易だ。

 

AI分析で顧客ごとに最適なプランを導き出し、「動画」で分かりやすく提案

青木:三井住友海上が今回、サンデースカイの「ビデオ・エクスペリエンス・プラットフォーム」を導入した経緯はどのようなものだったのでしょうか?

本山:もともと私たち保険会社では、「紙の資料」で保険商品を説明するのが一般的でした。当社の場合、日本国内に約3万8000の代理店があり、保険営業に従事するスタッフは30万人にものぼります。果たしてそのスタッフ全員が、お客さまごとに最適な提案を見つけ出し、紙の資料を使って高い品質で保険商品をご案内できているのか、というのが長年の課題でした。

そこで、当社ではこの課題を解決すべく、2020年の2月に、損保業界としては初めて、AIを搭載した代理店営業支援システム「MS1 Brain」をリリースしました。

MS1 Brainの最大の特徴は、「ニーズ予測分析」機能です。代理店が保有するお客さま情報と、当社が保有している契約や事故などのさまざまなデータ、さらに一般公開されている企業情報などの外部データをAIが分析することで、お客さま一人ひとりに合った、最適な提案を導き出せるようになりました。

ただし、最適な提案内容が分かっても、30万人の営業スタッフ全員が高いレベルでお客さまに提案できなければ意味がありません。AIによる分析データをもとに、「今、そのお客さまが本当に必要な、最適なご提案」を、「分かりやすく伝える」必要があるのです。

そんな中、当時の社長だった原典之(現会長)が「海外の保険会社では、契約者ごとにパーソナライズした動画を組成し、お客さまにご案内している事例がある。当社でも取り入れたらどうか」と社内で提案しました。

そこで、当社のシリコンバレーにいる駐在員が、パーソナライズド動画のテクノロジーを持った会社をリサーチし、比較検討しました。その結果、サンデースカイの「ビデオ・エクスペリエンス・プラットフォーム」が、動画のクオリティーが高く、お客さまに商品内容についてしっかりと理解いただいたうえで契約に結びつけられると確信し、導入を決めました。

島村:ありがとうございます。我々のニューヨークのオフィスにもお越しいただいて、本当に真剣にご検討くださり、大変嬉しく思っております。

本山:そして、サンデースカイと電通に支援していただき運用を始めたツールが、当社のパーソナライズド動画「Brain Video」です。

パーソナライズド動画「Brain Video」を活用。「MS1 Brain」のAI分析によって導き出された保険契約者一人ひとりに合った最適なプランを、動画で分かりやすく提案できる。その最大の特長は、パーソナライゼーションのための「時間」と「コスト」を最小化できることだ。
パーソナライズド動画「Brain Video」を活用。「MS1 Brain」のAI分析によって導き出された保険契約者一人ひとりに合った最適なプランを、動画で分かりやすく提案できる。その最大の特長は、パーソナライゼーションのための「時間」と「コスト」を最小化できることだ。

「MS1 Brain」でサービス品質の向上・均質化、営業活動の効率化を実現

青木:顧客一人ひとりに最適化されたCXを提供する「MS1 Brain」と「Brain Video」。これらを導入された結果はどうでしたか?

本山:まず、「MS1 Brain」によるニーズ予測分析を導入したことで、特約の成約倍率は分析結果が出ていないお客さまに比べて2~3倍に。さらに「Brain Video」の活用によって約1.8倍まで伸ばすことができました。

お客さま一人ひとりに、保険商品の内容についてご理解、ご納得いただけたうえで、本当に必要だと思う保険にご加入いただいているというのが、この結果ではないかと思っています。

MS1-BrainとBrainVideo

青木:代理店各社、営業スタッフ一人ひとりの顧客へのサービス品質向上という点でも、効果はありましたか?

本山:はい。これまでは、お客さまに対面して紙の資料を取り出し、その場で初めて商品についてご説明をするという営業スタイルがほとんどでした。しかし、事前に「Brain Video」をお送りすれば、商品についてはよくご理解いただいたうえで、対面時には「ご質問」や「重点ポイント」に絞って説明できるため、営業活動の効率化にもつながりました。

ちょうど新型コロナウイルスの影響で対面での営業活動が難しくなっていたところでもあったので、対面せずに保険商品への理解を深めていただけるのは非常に有効でした。

そしてもちろん、営業スタッフ全員が一律で高いレベルの提案ができることにも、一役買っています。

代理店の声
青木:そして現在も、パーソナライゼーションを用いた営業活動をさらにアップデートしていらっしゃるんですよね。

本山:はい。スマートフォンを活用して代理店とお客さまがコミュニケーションできる「MS1 Brainリモート」というサービスを、2021年2月に追加しました。

MS1 BrainとMS1 Brainリモート
スマートフォンで顧客とコミュニケーションを取れる「MS1 Brainリモート」。メッセージ機能、Web面談機能、自動車保険の契約手続きの3つの機能を備える。顧客にオンライン・オフラインを意識させない、新しい対面営業の形だ。

本山:「MS1 Brainリモート」を使えば、お客さま一人ひとりにパーソナライズ化された体験をしてもらえるだけでなく、スマートフォンでいつでもどこでも代理店との面談や自動車保険ご加入の手続きまでが可能です。リアルとデジタルの融合で、CXを飛躍的に向上させられると確信しています。

また、当社では約400万人に自動車保険をご契約いただいていますが、今までは自動車保険の更新のご案内や手続きの際に、満期案内冊子、特約案内チラシ、更改申込書など大量の「紙」が必要となっていました。これをデジタル化したことで、カーボンニュートラルにも貢献できています。

顧客により良い価値を提供したいという思いが「パーソナライゼーション2.0」

青木:私たちは多くのクライアントにパーソナライズのソリューションやテクノロジーを提案していますが、本当の意味でCXを改善する「パーソナライゼーション2.0」には、テクノロジーの進化だけでなく、それを導入して活用する企業の“覚悟”が非常に重要だと感じています。

本山:そうですね、やはり「本当の意味でパーソナライズドされているものをつくる」「お客さまに正しく、より良いものをご提案する」、そのためのこだわりをいかに持てるかが、最終的には大切だと思っています。

今回ご紹介した取り組みでも、お客さま一人ひとりにパーソナライズドしたロジックを構築するのは大変な作業でした。サンデースカイと電通と当社の三位一体で「良いものを届けたい」という思いを持ち、協力できたからこそ、良い結果につながったと思います。

青木:我々も、三井住友海上の強い覚悟を持ったCX改善が実を結んでいることを、大変うれしく思っております。本日はありがとうございました。


<あとがき>電通の組織横断チームが「パーソナライズドされたCX」を実現する

現在、DXを起点としてビジネスの変革を求める企業が増えています。本鼎談では、三井住友海上の事例を軸に、幅広い業種業態の企業にとってDX領域への足掛かりとなる「パーソナライゼーション2.0」について紹介しました。

これまではKPIを「認知率」「CPA」「ROAS」などで計測していた企業でも、今後はビジネス全体への影響を数値化するような「チャーンレート」(解約率)などをKPIとすることが増えるでしょう。私たち電通は、こうした変化を大きなチャンスと捉えています。

電通は、戦略立案からカスタマージャーニーに沿ったシナリオ立案、パーソナライズドされたシナリオを実装するためのデータ連携、クリエイティブまで一貫した実装を可能にするチームを組成できます。

特にクリエイティブが必要とされるCX 領域では、電通のクリエイティビティーが大きな強みになります。コンサルティングファームやSIer では制作できないクリエイティブの「量」と「質」の両方を提供できるからです。

電通ではこれからも「パーソナライゼーション2.0」をベースに、それぞれの顧客に最適なおもてなし=CXを提供していきます。

(電通イノベーションイニシアティブ 青木 圭吾)

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“お菓子な世界”の、真面目な話

「オリジナリティー」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく本連載。第11回は、お菓子の定期便を手掛けるスタートアップ企業「snaq.me(スナックミー)」。誰もがあっと驚くようなサービスを次々に具現化してみせる、その柔軟な発想力に迫ります。


“お菓子な世界”と言われて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。世界的なパティシエによる、ゴージャスできらびやかな世界だろうか。伝統の技を引き継ぐ、京和菓子のみやびな世界だろうか。さまざまなメーカーがしのぎを削る、デパ地下やコンビニスイーツの世界だろうか。はたまた、子どもの頃、百円玉を握りしめて通った学校近くの駄菓子屋の光景だろうか。人によっては、「ヘンゼルとグレーテル」を思い浮かべるのかもしれない。共通するのは、それが「メルヘンの世界」だということだ。老いも若きも男も女も、“お菓子な世界”に足を踏み入れた途端、童心に帰ってしまう。

ここに一人の男がいる。コンサル業界から、転身。「お菓子の定期便」という、摩訶(まか)不思議なビジネスを立ち上げた、風変わりな男だ。お菓子とは真逆の、シュッとしたその風貌から繰り出される話に、いわゆるビジネスの鉄則や常識は通用しない。しかしながら、彼がつくり上げようとしている“お菓子な世界”には、きちんとしたマナーがあり、秩序がある。「ワクワク」を生み出すための、地味で真面目な取り組みがある。そのあたりのヒミツに、今回は分け入ってみたい。

文責:吉田一馬(電通西日本Growth Planning Center)

snaq.me(スナックミー ): 2015年9月創業。「新しいおやつ体験を創造することで、おやつの時間の価値を上げる」ことをミッションとして掲げ、お菓子の定期便ビジネスをスタート。お客さま一人ひとりの好みでカスタマイズされるお菓子の組み合わせは、いわば無限大。そんな、ありそうでなかったサービスで、世間の注目を集めている。
snaq.me(スナックミー ):
2015年9月創業。「新しいおやつ体験を創造することで、おやつの時間の価値を上げる」ことをミッションとして掲げ、お菓子の定期便ビジネスをスタート。お客さま一人ひとりの好みでカスタマイズされるお菓子の組み合わせは、いわば無限大。そんな、ありそうでなかったサービスで、世間の注目を集めている。

とことん考え「お客さんは、自分だけでいい」に至る

服部社長が、2人の仲間と共に事業を立ち上げたのは、およそ6年前のこと。この仲間からして、すでに“お菓子な”人選だ。服部氏は、コンサル業界の出。集まった仲間は、旅行業界、IT業界、といずれも「食」とは無縁の経歴を持つ人ばかり。
そんな彼らが「お菓子」に目を付けたのには、理由がある。お菓子市場の規模は、およそ3兆円。その中で、トップシェアを誇る大企業でも、年商はせいぜい2000億円ほど。新規参入のチャンスはいくらでもある。しかも、マーケットに集まる会社が、完全なる競合関係にあるか、と問われればそんなことはない。駄菓子でも高級スイーツでも、同じお菓子。どちらかを選ばなくてはならない、ということもないし、隣で店を構えていても全く問題はない。「クルマ、飲料など、他の市場と比較すると、お菓子の市場は実におおらか。そこが、チャンスだと思ったんです」と服部社長は言う。

服部慎太郎: 1981年生まれ。04年慶應義塾大学卒業後、06年慶應義塾大学大学院修了。08年、Boston Consulting Group入社。13年、ディー・エヌ・エー入社。15年、スナックミー を設立、CEOを務める。お客さまへのフィードバックに立脚した「永遠のβ版」であることを信条に、サービスのさらなる向上を目指す。
服部慎太郎:
1981年生まれ。04年慶應義塾大学卒業後、06年慶應義塾大学大学院修了。08年、Boston Consulting Group入社。13年、ディー・エヌ・エー入社。15年、スナックミー を設立、CEOを務める。お客さまへのフィードバックに立脚した「永遠のβ版」であることを信条に、サービスのさらなる向上を目指す。

「マクロ的な理屈は、通っている。通っていますよね? でも、いざフタを開けてみるとうまくいかない。理屈が通っているだけに、どうしていいか分からなくなる。そんなとき、昔から好きだったマルシェの風景が、ふと思い浮かんだんです」。雑多な店が軒を連ね、なんとも陽気で、心からワクワクできる空間。探しものに出合えるかもしれないドキドキ感。“お菓子な世界”の魅力って、そういうものかもしれない。「マクロでダメなら、いっそミクロヘ振り切ってしまえ。マーケティングデータを眺めていても、ワクワクしない。ならば、当面の間、お客さんは自分1人でもいいじゃないか」。そんな割り切りが、事業の革新へとつながっていく。

業界の「お菓子な常識」にとらわれず、動く

まずは「自分が食べたいお菓子って、なんだろう?」「自分の子どもに食べさせたいお菓子って、なんだろう?」ということを徹底的に考えた、と服部社長は言う。無添加素材にこだわったりもした。そこから「お菓子の定期便」という発想に至るまで、それほど時間はかからなかった。マルシェで味わうあの幸福な気分が、自宅へ届く。頑張った自分への、ささやかなごほうび。これにはきっと、ニーズがあるにちがいない。

とはいうものの、そもそも「お菓子にEC(電子商取引)は向かない」というのがビジネス界の常識だ。単価が安いわりに、かさばる。輸送費がかさむ。生鮮品ではないので、「即日発送」のようなうたい文句もない。

ポスト投函という形態は、ある意味、さまざまな壁を乗り越えるための苦肉の策ともいうべきものだった。でも、その「軽さ」「薄さ」「手軽さ」に、「ささやかなぜい沢」という思いの丈を思いっ切り込めた。BOXのデザインにもこだわった。決して華美なものではなく、心の奥に小さな火をぽっと灯したい。そんな願いを込めて。

細部までこだわったイラストや同梱冊子「3PMmm…」など、 BOXには、お菓子に加えて“ささやかな仕掛け”が詰め込まれている。
細部までこだわったイラストや同梱冊子「3PMmm…」など、BOXには、お菓子に加えて“ささやかな仕掛け”が詰め込まれている。

お届けしたいのは、「モノ」ではなく「時間」

服部社長によれば、そうした試行錯誤を繰り返しているうちに「おやつ」というキーワードが浮かんできたのだという。「お菓子がモノであるのに対して、おやつは時間なんですよね。我々がお届けするべきは、お菓子というモノではなく『おやつ体験』なんだ、ということです」

「おやつ体験」もっと言えば「snaq.me体験」を楽しんでもらいたい。その発想は、BOXそのもののデザインにとどまらず、「お客さまの体験そのものをデザインできないか?」ということへと広がっていく。

金額の設定も、そこが基準となる。1500円で立ち上げた「8パックのお菓子が入ったBOX」の値段は、現在、1980円(税込、送料無料)に設定されている。街中で、ちょっとしたデザートを頼んでコーヒーブレイクをすることを考えれば、およそ2回分に相当する額だ。「これは僕のこだわりなんですが、1パック250円のお菓子ではなく、おやつ体験のための2000円のBOXをお届けしているということなんです」と、服部社長。これは、単なる言葉遊びでも、算数ごっこでもない。snaq.meから届くBOXは、およそ100種類の中からお客さまごとにカスタマイズされた8パックのお菓子で満たされている。オンリーワンとも言える2000円のsnaq.me体験は、snaq.meでしか味わえないもの、なのだ。

イギリスの家庭では、ごくごく一般的な「アフタヌーンティー」の様子。服部社長が思い描く「豊かなおやつ時間」が、そこには流れている。
イギリスの家庭では、ごくごく一般的な「アフタヌーンティー」の様子。服部社長が思い描く「豊かなおやつ時間」が、そこには流れている。

熱量の高いお客さまへ、事業を寄せていく

冒頭で紹介した「お客さんは、自分だけでいい」に続けて、服部社長からこんな言葉が飛び出した。ある意味、「snaq.meのビジネスモデルの核心」ともいうべきものだ。「最大公約数的なマーケティング戦略」から「ペルソナ型」へ。昨今では「n1戦略」というワードも耳にするようになったが、「熱量の高いお客さま」へ「寄せていく」という発想は、何か一つ飛び抜けた感がある。

「その意味では、UGCにも注目しています」と、服部社長。UGCとは「ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツの総称」のことであるが、服部社長によれば、情報の送り手が一方的に「こう見られたい」と思惑の下で制作したものとは違って、お客さまの熱量がダイレクトに感じられるもので、だからこそ価値があるのだという。

消費者におもねる、ということではない。snaq.meの熱烈なファンが、何を欲しているのか。どんな世界を体験したがっているのか。それに応えることが、企業としての最大のミッションである、という心意気の表れだと思う。そうした心意気に、ファンは酔いしれる。実に、幸せな関係ではないか。

snaq.meの事業は、お客さまひとり一人の「熱量」に支えられている。
snaq.meの事業は、お客さまひとり一人の「熱量」に支えられている。

魅力的なコミュニティーは、熱あるところに生まれる

さて、今回の取材も、いよいよ大詰めである。最後にインタビュアーとしてぜひ伺いたかったことは「魅力的なコミュニティーの作り方」というテーマだ。オンライン、オフラインを問わず、魅力的なコミュニティーには、共通する何かがあるような気がしてならない。まずは、理屈抜きにワクワクしてしまうこと。そして、そのワクワクは決して独り占めするものではなく、むしろ多くの人と共有したくなるもの、ということだ。

「一言でいうと、機能するということでしょうか」と、服部社長は言う。「そこへ行けば、何かが見つかるかもしれない。誰かと出会えるかもしれないというワクワク感。そのワクワクを受け止めてくれるだけの機能がコミュニティーにあることで、魅力度がぐんと高まるのだと思います。そして、その機能を支えているものこそが、ファンの熱であり、総体としての熱量だと思うんです」

豊かさとはなんだ?という問いは、現代人にとって最も難しい問いの一つだと思う。利便性は、これ以上必要ない、というレベルにまで達している。価値観も多様化し、それを他人と共有するためのツールも、とてつもなく進化した。語弊を恐れずに言えば、たいていのことは個人の好き放題にできる。でも、そうなってくると不思議なもので、心の奥底にある普遍的な感情を、誰かと共有したくなる。

服部社長の事業への着想を一言でいうなら「お菓子を、コミュニケーションツールにできないだろうか?」ということだと思う。「小学生じゃあるまいし、そんな馬鹿げたことでビジネスが成立するわけが……」と言いかけた瞬間、誰もがその言葉をぐっと飲み込むはずだ。「あるかも」という気づきと共に。

snaq.meのサービス名には「quality(品質へのこだわり)」「quest(美味しさへの探究心)」が詰まった「snaq(おやつ)」を「me(お客様1人ひとり)へ届けたい」という想いを込めた。snaqのqにはロゴである「squirrel(りす)」の意味も含まれているとかいないとか。ロゴのリスは、創業メンバーの3人でいろいろなモチーフをsnaq.meの隣においていったときにこれだ!という感覚があり、また、リスが食べていそうな木の実やどんぐりがナチュラルさを連想させることからリスに決まったのだとか。リスの形を2回変えながら、今でもリスのモチーフを使い続けている。
snaq.meのサービス名には「quality(品質へのこだわり)」「quest(美味しさへの探究心)」が詰まった「snaq(おやつ)」を「me(お客様1人ひとり)へ届けたい」という想いを込めた。snaqのqにはロゴである「squirrel(りす)」の意味も含まれているとかいないとか。ロゴのリスは、創業メンバーの3人でいろいろなモチーフをsnaq.meの隣においていったときにこれだ!という感覚があり、また、リスが食べていそうな木の実やどんぐりがナチュラルさを連想させることからリスに決まったのだとか。リスの形を2回変えながら、今でもリスのモチーフを使い続けている。
 

snaq.meのホームページは、こちら
(社名と同じURLへ飛んでいきます)


「なぜか元気な会社のヒミツ」ロゴ「オリジナリティー」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく連載のシーズン2。第11回は、お菓子の定期便を手掛けるスタートアップ企業「snaq.me(スナックミー)」をご紹介しました。

season1の連載は、こちら
「カンパニーデザイン」プロジェクトサイトは、こちら


【編集後記】

「熱量の高いお客さまへ、事業を寄せていく」という服部社長の一言が、とても印象的だったので、「それを測るための指標を、何かお持ちなのですか?」とさらに突っ込んだ質問をしてみた。まず、「熱量」というものをいかに測るのか、が分からない。事業に対する服部社長の体温から想像するに、購入頻度や購入金額といった定量的なものではなさそうだ。ファンレターの記述やSNSへの書き込みに対して、AIを駆使した定性的な分析を行う、ということでもないだろう。おまけに「寄せていく」だ。新進気鋭のカリスマ経営者の発言としては、額面通りに受け取るなら、いかにも拍子抜けだ。それに対する服部社長の答えは、目からウロコなものだった。

「ギャップ、でしょうか」という返答に、思わず聞き返した。「ギャップ、といいますと?」と。「僕らのサービスに刺さっている人のことは、わざわざ調査をするまでもなく肌感覚として分かる。僕が注目しているのは、むしろ刺さっていない人なんです。人というよりは、刺さっている人と刺さっていない人とのギャップ。それが大きければ大きいほど、この商品やサービス、いけるぞ!という確信が持てる。ネガな意見を背に受けて、進むべき方角を向いて帆を掲げられる。一番怖いのは、無風ということですね。いい意見も、悪い意見も、全く上がってこない。それって、無難な商品やサービスを、波風立てることなく提供している、というだけの話ですから」

「売る側がワクワクしないで、ワクワクが売れますか?」という信条と共に「ゴールを目指す」のではなく「ゴールに寄せていく」というニュアンスの真意も、じわじわと伝わってきた。「何がなんでも宝島を発見してみせる!」といった悲壮感は、そこにはない。「目指す方向は間違っていないのだから、航海そのものを一緒に楽しもうよ」と言われている感じ。それは、snaq.meのBOXを開けたときの、あの、なんとも言えない幸せな気分に通じるものだと思った。

“孤高の高級車”マイバッハ、メルセデスで復活…Sクラスに近似、ぐっと手にしやすく

「マイバッハ」――このブランド名を目にして、“孤高の高級車”とのイメージを思い浮かべる人は少ないに違いない。

 マイバッハの誕生は1921年。欧州貴族をエスコートするための超高級モデルとしてドイツで生まれた。堂々たる体躯は馬車のように勇壮、かつ贅を尽くした内外装は煌びやかであり、欧州のVIPを魅了してきた。風格、威厳、荘厳……、考えられる賛辞のどれを当てはめても語り尽くせないブランドである。

 そんなマイバッハが、「メルセデス・マイバッハ」として蘇った。今年デビューしたばかりのメルセデスベンツの新型「Sクラス」のプラットフォームを流用、ホイールベースを180mm延長するなどして差別化を図っている。

 ただ、メルセデスSクラスとの近似性は明らかで、かつての威光を知る者には寂しく感じるかもしれない。フロントグリルは荘厳な縦ストライプであり、ホイール等のデザインもマイバッハ専用だが、ボンネット前端のマスコットはメルセデスの象徴である「スリー・ポインテッド・スター」が輝き、フロントグリルに刻まれた「MAYBACH」のロゴとのダブルネームとなる。

 かつてのような孤高の存在ではなく、富裕層であれば手にできる次元まで歩み寄ってきた。最高グレードのプライスタグは3200万円を超えるが、それでもかつてのように6000万円超ではないし、そもそも今からちょうど100年前の誕生時期には、購入するには血筋を問われたに違いなかったであろうという注釈付きで考えれば、現実の世界に舞い降りてきたかのようだ。

 それでも、メルセデスSクラスとの違いを主張する。搭載するエンジンは2タイプ。V型8気筒4リッターツインターボと、V型12気筒6リッターツインターボだ。V型8気筒はSクラスにでも選べるが、V型12気筒はマイバッハのみの設定。高級車の証である。

 ホイールベースの180mm延長分は、リアの居住空間に与えられている。主役はリアのパッセンジャーで、VIPであることは明らか。ドアの開閉は電動式である。スライドドアではなく、大きくゆったりと余韻を溜めながら開閉する様は感動的ですらある。

 リアシートの空間は、まさに贅を尽くした世界である。サイズ的には前後に長く、前席を前にスライドさせれば、足を伸ばして寛ぐこともできる。リクライニングは43.5度、オットマンがせり出すだけでなく、さらにその奥にフットレストも備える。

 そもそも助手席には着座認識機能が組み込まれており、乗員がいないことをセンサーが感知すれば、自動で助手席が倒れる。あくまで主役がリアシートで寛ぐVIPであることを物語る。

 乗員の安全性にも抜かりはない。数々のエアバッグを装備していることは想像の通りだが、側面からの衝突が避けられないと判断すると、エアサスが瞬間的に跳ね上がるのだ。生存空間が狭く、衝撃を吸収する素材がドア一枚に限られていることから、頑丈な構造部材でできているフロアで、それを受け止めるような細工なのである。それほどまでにVIPへの気配りが行き届いているのである。

 孤高のブランドであるマイバッハは、より一層、メルセデスSクラスに近くなったことで、手にしやすくなった。たが、特別な存在であることの主張は徹底している。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

“孤高の高級車”マイバッハ、メルセデスで復活…Sクラスに近似、ぐっと手にしやすく

「マイバッハ」――このブランド名を目にして、“孤高の高級車”とのイメージを思い浮かべる人は少ないに違いない。

 マイバッハの誕生は1921年。欧州貴族をエスコートするための超高級モデルとしてドイツで生まれた。堂々たる体躯は馬車のように勇壮、かつ贅を尽くした内外装は煌びやかであり、欧州のVIPを魅了してきた。風格、威厳、荘厳……、考えられる賛辞のどれを当てはめても語り尽くせないブランドである。

 そんなマイバッハが、「メルセデス・マイバッハ」として蘇った。今年デビューしたばかりのメルセデスベンツの新型「Sクラス」のプラットフォームを流用、ホイールベースを180mm延長するなどして差別化を図っている。

 ただ、メルセデスSクラスとの近似性は明らかで、かつての威光を知る者には寂しく感じるかもしれない。フロントグリルは荘厳な縦ストライプであり、ホイール等のデザインもマイバッハ専用だが、ボンネット前端のマスコットはメルセデスの象徴である「スリー・ポインテッド・スター」が輝き、フロントグリルに刻まれた「MAYBACH」のロゴとのダブルネームとなる。

 かつてのような孤高の存在ではなく、富裕層であれば手にできる次元まで歩み寄ってきた。最高グレードのプライスタグは3200万円を超えるが、それでもかつてのように6000万円超ではないし、そもそも今からちょうど100年前の誕生時期には、購入するには血筋を問われたに違いなかったであろうという注釈付きで考えれば、現実の世界に舞い降りてきたかのようだ。

 それでも、メルセデスSクラスとの違いを主張する。搭載するエンジンは2タイプ。V型8気筒4リッターツインターボと、V型12気筒6リッターツインターボだ。V型8気筒はSクラスにでも選べるが、V型12気筒はマイバッハのみの設定。高級車の証である。

 ホイールベースの180mm延長分は、リアの居住空間に与えられている。主役はリアのパッセンジャーで、VIPであることは明らか。ドアの開閉は電動式である。スライドドアではなく、大きくゆったりと余韻を溜めながら開閉する様は感動的ですらある。

 リアシートの空間は、まさに贅を尽くした世界である。サイズ的には前後に長く、前席を前にスライドさせれば、足を伸ばして寛ぐこともできる。リクライニングは43.5度、オットマンがせり出すだけでなく、さらにその奥にフットレストも備える。

 そもそも助手席には着座認識機能が組み込まれており、乗員がいないことをセンサーが感知すれば、自動で助手席が倒れる。あくまで主役がリアシートで寛ぐVIPであることを物語る。

 乗員の安全性にも抜かりはない。数々のエアバッグを装備していることは想像の通りだが、側面からの衝突が避けられないと判断すると、エアサスが瞬間的に跳ね上がるのだ。生存空間が狭く、衝撃を吸収する素材がドア一枚に限られていることから、頑丈な構造部材でできているフロアで、それを受け止めるような細工なのである。それほどまでにVIPへの気配りが行き届いているのである。

 孤高のブランドであるマイバッハは、より一層、メルセデスSクラスに近くなったことで、手にしやすくなった。たが、特別な存在であることの主張は徹底している。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

眞子さま、年内の結婚強行&米国移住を拒む“2つの壁”…小室圭さん米国就職で問題が複雑化

 日本中が注目した婚約内定会見から約4年が経過し、ついに事態が進展をみせるのだろうか――。

 2017年9月に婚約内定の会見をお開きになられ、宮内庁から一般の結納にあたる「納采の儀」や結婚式の日程も発表されたものの、同年12月には婚約者の小室圭さんと母・佳代さんに約400万円の借金問題があると報じられ、翌18年2月には結婚に向けた行事の延期が発表されていた秋篠宮家の長女・眞子さま。そんな眞子さまと小室さんが年内にも結婚し、眞子さまが渡米してアメリカで新たな生活をスタートさせるという報道が、7月以降、相次いでいる。

 小室さんは借金問題と婚約延期騒動の渦中にいた18年、米フォーダム大学ロースクールに留学。その後、一度も日本に帰国することなく今年5月には卒業し、7月にはニューヨーク州弁護士試験を受験。同月には、アメリカの法律事務所への就職の見通しが立ったとNHKが報じていた。

「おふたりのご婚約内定が発表された後に盛んに報じられたとおり、皇族が婚姻に伴い皇室を離れられる際には、『納采の儀』をはじめ、『朝見の儀』や『告期の儀』などのさまざまな儀式に加え、内閣総理大臣や衆参両院議長、財務大臣らで構成される皇室経済会議で支給される一時金の金額を決めたりと、多くのプロセスを経る必要があります。さらに、もしアメリカに移住するとなれば、海外在住の小室さんとの婚姻の手続きを無事済ませても、小室さんの配偶者として同国に長期滞在するためのビザ取得の問題も出てくるし、ビザなどの問題でそう簡単に現地で就業できるかもわからない。これらのハードルを残り4カ月の間にすべてクリアして移住を完了させるというのは、現実的に考えてかなり難しいことは確かでしょう」(皇室を取材する記者)

 また、手続きの件以上に、皇室全体として越えなければならない壁があると、別の記者はいう。

「日本全体がコロナ禍という国難に苦しむなか、もし皇族が“慶事”である結婚に踏み切れば、将来の国民と皇室の関係、国民が皇室という存在に対して抱く価値観や“重み”に大きな影響を与えかねない。結婚に際しては、もちろん眞子さまの意思がもっとも尊重されるべきなのは論を待ちませんが、その一方、それだけでは決められない事柄であるという側面は否めません。特に眞子さまのお父上である秋篠宮さまは、皇室の一つひとつの言動・判断が国民からどのように見られるのかという世論を、非常に意識される方なので、秋篠宮さまのお考えというのも、大きな要素となってくるでしょう」

秋篠宮さまの苦悩

 眞子さまの結婚問題をめぐっては、折に触れて発せられてきた秋篠宮さまのお言葉も、注目を浴びてきた。

 婚約延期が発表された2018年、秋篠宮さまは記者会見で「結婚したい気持ちがあるのであれば(小室さん側が)相応の対応をとるべきだ」「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできません」と述べられた。

 その翌年19年には、「なんらかのことは発表する必要があると思っております」「長女と結婚のことについては、話をする機会はありません」「小室家とは連絡は、私は取っておりません」などと、より踏み込んだご発言も聞かれた。

 そして、20年11月には眞子さまが「私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」とする「お気持ち」を宮内庁を通じて発表。同月、秋篠宮さまは会見で、「結婚することを認めるということ」「本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきもの」とご説明され、態度の軟化もうかがえたが――。

「婚約内定が発表された当初、小室さんの職業が平均年収400~500万円のパラリーガルであることについて、皇室でお育ちになられた眞子さまが小室さんの収入だけで生活していけるのかという意見が相次ぎました。しかし、秋篠宮さまは当初から“本人同士の意思を尊重する”“ただし小室家が借金問題を解決しない限りは、結婚は認められない”というお考えで一貫しておられ、そこはブレない。つまり小室さんの経済力や弁護士という社会的地位が問題なのではなく、“金銭トラブルを解決しようとしない”という小室さんのモラルを問題視されておられるわけです。

 そんななか、小室さんサイドは19年に突如、『母も私も元婚約者の方からの支援については解決済みの事柄であると理解してまいりました』『私も母もたいへん困惑いたしました』などとするコメントを一方的に発表し、小室さんに対する宮内庁や秋篠宮さまの不信がより高まったと伝わってきます。それでも眞子さまの強い意思が変わらなければ、秋篠宮さまも折れるしかないのかもしれませんが、少なくても皇室、そして秋篠宮家にとって、それが喜ばしい結末とはいえないでしょう」(皇室の内情に詳しい関係者)

天皇の義兄になるかもしれない小室圭さん

 また、別の宮内庁関係者はいう。

「昨年11月に発表された眞子さまの『お気持ち』内には、『天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに、深く感謝申し上げております』という文章があったことから、“天皇陛下も秋篠宮さまも、もう眞子さまのご判断に委ねられた”“1年後の小室さんの弁護士資格取得のタイミングで結婚を発表するための下地づくり”という見方が広まりました。

 しかし、小室さんは留学を終えれば、留学資金を援助してくれていた日本の弁護士事務所に勤務するとみられていましたが、それがアメリカで就職して眞子さまもついていくということになれば、話は違ってくる。秋篠宮さまと紀子さまとしては、眞子さまが異国の地でいきなり一般人として放り出され、さらに“信用を置けない男”と暮らすという話になれば、さすがに“本人同士が決めたこと”とすんなりお認めになられるわけには、いかなくなってくるのは当然でしょう。これは皇室うんぬんという話ではなく、一般社会の子を持つ親であれば、誰しもそういう思いに傾くでしょう。

 特に秋篠宮家には将来のお世継ぎ、将来の天皇でおられる男性皇族の悠仁さまがおられ、秋篠宮さまと紀子さまは、そのことを強く意識され、特に紀子さまは3人のお子さまが小さい頃から厳しく教育されてこられた。仮に眞子さまが皇室を離れられても、将来、天皇の実姉になられる眞子さま、義兄になるかもしれない小室さんが日本で生活されていれば“目が届く”わけですが、海外ともなれば、そういうわけにはいかない。小室さんが海外で就職するとなり、話がよりいっそう複雑になり解決が遠ざかった感すらあります」

 秋篠宮家の苦悩は続く。

(文=編集部)

 

眞子さま、年内の結婚強行&米国移住を拒む“2つの壁”…小室圭さん米国就職で問題が複雑化

 日本中が注目した婚約内定会見から約4年が経過し、ついに事態が進展をみせるのだろうか――。

 2017年9月に婚約内定の会見をお開きになられ、宮内庁から一般の結納にあたる「納采の儀」や結婚式の日程も発表されたものの、同年12月には婚約者の小室圭さんと母・佳代さんに約400万円の借金問題があると報じられ、翌18年2月には結婚に向けた行事の延期が発表されていた秋篠宮家の長女・眞子さま。そんな眞子さまと小室さんが年内にも結婚し、眞子さまが渡米してアメリカで新たな生活をスタートさせるという報道が、7月以降、相次いでいる。

 小室さんは借金問題と婚約延期騒動の渦中にいた18年、米フォーダム大学ロースクールに留学。その後、一度も日本に帰国することなく今年5月には卒業し、7月にはニューヨーク州弁護士試験を受験。同月には、アメリカの法律事務所への就職の見通しが立ったとNHKが報じていた。

「おふたりのご婚約内定が発表された後に盛んに報じられたとおり、皇族が婚姻に伴い皇室を離れられる際には、『納采の儀』をはじめ、『朝見の儀』や『告期の儀』などのさまざまな儀式に加え、内閣総理大臣や衆参両院議長、財務大臣らで構成される皇室経済会議で支給される一時金の金額を決めたりと、多くのプロセスを経る必要があります。さらに、もしアメリカに移住するとなれば、海外在住の小室さんとの婚姻の手続きを無事済ませても、小室さんの配偶者として同国に長期滞在するためのビザ取得の問題も出てくるし、ビザなどの問題でそう簡単に現地で就業できるかもわからない。これらのハードルを残り4カ月の間にすべてクリアして移住を完了させるというのは、現実的に考えてかなり難しいことは確かでしょう」(皇室を取材する記者)

 また、手続きの件以上に、皇室全体として越えなければならない壁があると、別の記者はいう。

「日本全体がコロナ禍という国難に苦しむなか、もし皇族が“慶事”である結婚に踏み切れば、将来の国民と皇室の関係、国民が皇室という存在に対して抱く価値観や“重み”に大きな影響を与えかねない。結婚に際しては、もちろん眞子さまの意思がもっとも尊重されるべきなのは論を待ちませんが、その一方、それだけでは決められない事柄であるという側面は否めません。特に眞子さまのお父上である秋篠宮さまは、皇室の一つひとつの言動・判断が国民からどのように見られるのかという世論を、非常に意識される方なので、秋篠宮さまのお考えというのも、大きな要素となってくるでしょう」

秋篠宮さまの苦悩

 眞子さまの結婚問題をめぐっては、折に触れて発せられてきた秋篠宮さまのお言葉も、注目を浴びてきた。

 婚約延期が発表された2018年、秋篠宮さまは記者会見で「結婚したい気持ちがあるのであれば(小室さん側が)相応の対応をとるべきだ」「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできません」と述べられた。

 その翌年19年には、「なんらかのことは発表する必要があると思っております」「長女と結婚のことについては、話をする機会はありません」「小室家とは連絡は、私は取っておりません」などと、より踏み込んだご発言も聞かれた。

 そして、20年11月には眞子さまが「私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」とする「お気持ち」を宮内庁を通じて発表。同月、秋篠宮さまは会見で、「結婚することを認めるということ」「本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきもの」とご説明され、態度の軟化もうかがえたが――。

「婚約内定が発表された当初、小室さんの職業が平均年収400~500万円のパラリーガルであることについて、皇室でお育ちになられた眞子さまが小室さんの収入だけで生活していけるのかという意見が相次ぎました。しかし、秋篠宮さまは当初から“本人同士の意思を尊重する”“ただし小室家が借金問題を解決しない限りは、結婚は認められない”というお考えで一貫しておられ、そこはブレない。つまり小室さんの経済力や弁護士という社会的地位が問題なのではなく、“金銭トラブルを解決しようとしない”という小室さんのモラルを問題視されておられるわけです。

 そんななか、小室さんサイドは19年に突如、『母も私も元婚約者の方からの支援については解決済みの事柄であると理解してまいりました』『私も母もたいへん困惑いたしました』などとするコメントを一方的に発表し、小室さんに対する宮内庁や秋篠宮さまの不信がより高まったと伝わってきます。それでも眞子さまの強い意思が変わらなければ、秋篠宮さまも折れるしかないのかもしれませんが、少なくても皇室、そして秋篠宮家にとって、それが喜ばしい結末とはいえないでしょう」(皇室の内情に詳しい関係者)

天皇の義兄になるかもしれない小室圭さん

 また、別の宮内庁関係者はいう。

「昨年11月に発表された眞子さまの『お気持ち』内には、『天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに、深く感謝申し上げております』という文章があったことから、“天皇陛下も秋篠宮さまも、もう眞子さまのご判断に委ねられた”“1年後の小室さんの弁護士資格取得のタイミングで結婚を発表するための下地づくり”という見方が広まりました。

 しかし、小室さんは留学を終えれば、留学資金を援助してくれていた日本の弁護士事務所に勤務するとみられていましたが、それがアメリカで就職して眞子さまもついていくということになれば、話は違ってくる。秋篠宮さまと紀子さまとしては、眞子さまが異国の地でいきなり一般人として放り出され、さらに“信用を置けない男”と暮らすという話になれば、さすがに“本人同士が決めたこと”とすんなりお認めになられるわけには、いかなくなってくるのは当然でしょう。これは皇室うんぬんという話ではなく、一般社会の子を持つ親であれば、誰しもそういう思いに傾くでしょう。

 特に秋篠宮家には将来のお世継ぎ、将来の天皇でおられる男性皇族の悠仁さまがおられ、秋篠宮さまと紀子さまは、そのことを強く意識され、特に紀子さまは3人のお子さまが小さい頃から厳しく教育されてこられた。仮に眞子さまが皇室を離れられても、将来、天皇の実姉になられる眞子さま、義兄になるかもしれない小室さんが日本で生活されていれば“目が届く”わけですが、海外ともなれば、そういうわけにはいかない。小室さんが海外で就職するとなり、話がよりいっそう複雑になり解決が遠ざかった感すらあります」

 秋篠宮家の苦悩は続く。

(文=編集部)

 

パチスロ新台「高評価マシン」を「アノ専門家」が解説!! その魅力を「完全紹介」

 今やYouTubeの中でも大きなジャンルとなりつつあるパチンコ・パチスロ実戦動画。それらを配信するチャンネルは、実にバラエティ豊かな特色を持っている印象だ。

 様々な企画で視聴者を楽しませるチャンネルばかりだが、コンセプトを絞り着々と人気を伸ばす媒体も存在する。

 その例として、元BASH.tvのエース「チェリ男」が運営する「チェリ男チャンネル」が挙げられるだろう。

 同チャンネルは登録者数15万人を超える人気を誇る。元々BASH.tvで活躍していた時分にもその傾向が強かったが、自身の得意ジャンル「ノーマルタイプ」に特化した収録が目立つ。

「ノーマルタイプ」といえば、同タイプのみを楽しむユーザーも存在するほどの人気で、コーナーを設けるなど重宝しているホールも多い状況だ。

「ジャグラーシリーズ」「ハナハナシリーズ」を始めとするシンプルな告知機や、「ハナビシリーズ」などのリーチ目機など様々なタイプが存在する。

「クレアの秘宝伝シリーズ」を始めとするチャンス目型のマシンも人気だが、8月2日、同シリーズ最新作『もっと!クレアの秘宝伝 女神の歌声と太陽の子供達』が導入された。

 ユーザーの熱視線を浴びているマシンだが、もちろん「チェリ男チャンネル」でも同機種の実戦動画を配信。ノーマルタイプファン必見の内容となっている。

 その様子は『チェリ男の悠遊自適 新台実戦編<もっと!クレアの秘宝伝 女神の歌声と太陽の子供達>【6号機クレアを大絶賛!?】』で確認可能だ。

 動画では本機の魅力が凝縮されており、出目の考察やボーナス最速察知手順など、これから同マシンにチャレンジするユーザーには参考に出来る点は多いことだろう。

 特にRT突入時や、ボーナス察知時の「1確目」など、プレイを盛り上げる打ち方の発見は「専門家」と表現できる手際だ。実戦においても見所十分。「出玉が少ない」といったネガティブな意見も出ている本機だが、少ないプレイ時間ながら「意外な出玉」を獲得している。

 気になる方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

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 2008年にサンセイR&Dがリリースしたパチンコ『CR牙狼XX』。

 もはや説明不要の偉大なる機種ですが、今回はそのライトバージョンである『CR牙狼~陰我消滅の日~ZZ』(2010年)を打ってきました。

 私自身もそうですが、当時は『牙狼』というコンテンツ自体を知らなかった人が多かったのではないでしょうか。

 牙狼は強烈なスペックがヒットした最大の要因。リリース当初は注目度が低かった印象ですが、その圧巻の出玉スピードで人気に火がつきました。ジワジワと設置を伸ばした機種です。

『北斗の拳』のように元々高い人気と知名度を誇ったコンテンツがパチンコ・パチスロとタイアップ化されたことにより、更なる人気を得たり再ブレークした例もあります。しかし牙狼に関しては、そういったパターンではなかったと感じます。

 パチンコ業界でこれだけの存在になったのにも関わらず私自身、作品を見たことは未だに一度もありません。しかしパチンコの牙狼は、液晶演出等も含め好きな部類なのでしたね。三角のエンブレム役物が完成するところなんかは、大興奮しましたし。

 ただ1/397という重い確率の台だけに、ジャグラー等でガチガチの立ち回りをしていた当時の私には手を出すのが中々難しく…。しばらく後にリリースされた1/147のライトバージョンを好んで打っていたという訳です。

 スペックは内規の変更により1種2種混合機から通常の確変タイプへと変更されましたが、そっくりそのまま確率と出玉だけ軽くした感じになっていて違和感は全くありませんでした。

 確変中も当時では、まだ少なかった高速変動だったため非常にスピード感がありました。牙狼本来の良さを損なわい会心の出来だったと思います。

 いや本当に魔戒チャンス最高です!

 唯一残念だったのは大当り出玉が9Rで約450個の固定だった点。これで16Rを搭載していれば文句なしだったのですが。

 しかし、牙狼は本当にとんでもないマシンになっちゃいましたね。現行の月虹ノ旅人は中古価格も300万オーバーですからね。

 これからもますますパチンコ業界を盛り上げていただきたいです。

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

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